(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】洗濯棒
(51)【国際特許分類】
D06F 5/02 20060101AFI20240830BHJP
【FI】
D06F5/02
(21)【出願番号】P 2019203545
(22)【出願日】2019-10-22
【審査請求日】2022-10-22
(73)【特許権者】
【識別番号】519400911
【氏名又は名称】酒井 上男
(72)【発明者】
【氏名】酒井 上男
【審査官】葛谷 光平
(56)【参考文献】
【文献】実公昭33-004073(JP,Y1)
【文献】実公昭31-016869(JP,Y1)
【文献】実開昭50-008770(JP,U)
【文献】実開平01-096181(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第103015112(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(イ)中空軸(5)の上部には洗濯を操作する際のハンドル(1)と下部には洗濯をする機構部として内部が空洞(14)になった吸盤(7)を設け、
(ロ)ハンドル(1)内に挿入された中空軸(5)の外周にはラセン状の貫通ガイド溝(4)を左右に設け、ラセン状の貫通ガイド溝(4)は対向しクロスする位置にし、
(ハ)ハンドル(1)の外側からガイドピン(3)を中空軸(5)に設けた左右のラセン状の貫通ガイド溝(4)に挿入して、反対側のハンドル(1)に貫通させガイドピン(3)の両端を固定し、ハンドル(1)の押し引き操作にて、中空軸(5)がラセン状の貫通ガイド溝(4)に沿って上下動するように設け、
(ニ)ハンドル(1)の内部の上下にはコイルバネ受けコマ(11)とコイルバネ受けコマ(12)の間にコイルバネ(2)が取付けられ、
(ホ)コイルバネ受けコマ(12)の下には中空軸のせコマ(13)を介して中空軸(5)とハンドル(1)が結合されている、
(ヘ)中空軸(5)の下端には、取付け軸(16)が取付けられ、取付け軸(16)の下端に吸盤(7)が取り付けられ、吸盤(7)の内部は空洞(14)で、中空軸(5)に固定された取付け軸(16)に吸盤(7)はピン(6)で取付けられ
、吸盤(7)は回転できるように設け、取付け軸(16)の先端には下方に突き出た球(10)が取り付けられ、吸盤(7)には洗濯の際に空気を抜くための空気穴(8)が複数取付けられ、
(ト)取付け軸(16)の先端に取付けられた球(10)はコイルバネ(18)で受けて、本体(17)の押し下げ、引き上げ操作によって生じる圧力を緩衝するために設けられている、
以上のように構成された洗濯棒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は予洗をする際の手動で洗濯するための洗濯棒に関するものである。
【背景技術】
【0002】
家庭で洗濯を行う場合、現在では自動洗濯機で行うのが普通である。しかし、汚れが酷い時は洗濯機で洗う前に予洗いとして、バケツ等に入れて行った後、洗濯機に入れて本洗を行っていた。又、手洗い用部を有する電気洗濯機(特許文献1)が知られていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
(イ)少量の洗濯物を、洗濯機で洗濯するのは経済的ではありません。
(ロ)油汚れや泥まみれの洗濯物、介護等で汚れた洗濯物を洗濯機の中で普通の汚れものと一緒に洗うことは無く、汚れの酷い洗濯物は別に手洗いをした上で、洗濯機で洗っていたが、手洗いは時間もかかり、労力を費やし、大変であった。
(ハ)特許文献1に示されているような、手洗い用部を有する電気洗濯機はあるが、作業性が悪い。又、最近では予洗機能付の洗濯機の出現もあるが、高機能で高くなっている。
(ニ)予洗に必要な道具として専用のブラシがあるが、手洗いのため手で揉み洗いをしていたが、この作業の軽減が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(イ)本体(17)に中空軸(5)の上部で洗濯を操作する際のハンドル(1)を設け、下部には洗濯をする機構部として内部が空洞(14)になった吸盤(7)を設けている。
(ロ)ハンドル(1)内に挿入された中空軸(5)の外周にはラセン状の貫通ガイド溝(4)を左右に設け、ラセン状の貫通ガイド溝(4)は対向しクロスする位置に設けてある。
(ハ)ハンドル(1)の外側から中空軸(5)にある左右のラセン状の貫通ガイド溝(4)にガイドピン(3)挿入して、反対側のハンドル(1)の外周にガイドピン(3)を貫通させガイドピン(3)の両端を固定している。ハンドル(1)の押し引き操作によって、中空軸(5)がラセン状の貫通ガイド溝(4)に沿って上下動するように設ける。
(ニ)ハンドル(1)の内側内部の上下にはコイルバネ受けコマ(11)とコイルバネ受けコマ(12)が設けられ、その間にコイルバネ(2)が取付けられている。
【0006】
(ホ)コイルバネ受けコマ(12)の下には中空軸(5)と連結するためにされ一体になり本体(1)が構成されている。
(ヘ)中空軸(5)の下端には取付け軸(16)が取付けられ、取付け軸(16)の下端に吸盤(7)が取り付けられ、吸盤(7)の内部は空洞(14)になっている。中空軸(5)に固定された取付け軸(16)に吸盤(7)はピン(6)で取付けられ吸盤(7)は回転できるように設けてある。取付け軸(16)の先端には下方に突き出た球(10)が取り付けられ、吸盤(7)には洗濯の際に空気を抜くための空気穴(8)が複数取付けてある。
(ト)取付け軸(16)の先端に取付けられた球(10)はコイルバネ(18)で受けていて、本体(17)の押し下げ、引き上げ操作によって生じる圧力を緩衝するために設けられている、
以上のように構成された洗濯棒。
【発明の効果】
【0007】
(イ)風呂の残り湯を大いに有効利用して、洗濯が出来て最後のすすぎに清水を使用する等することによって、節水、節約が出来る。又、温水の時は汚れ落ちも良い等の効果がある。
(ロ)電気を使用しないので、家庭にあるバケツがあればどこでも場所を選ばないで洗濯が出来るので、例えば災害時にも使用ができる。
が可能となった。
(ニ)手近なバケツを使用するので、汚れがひどい農作業着や工場等の作業着、子供の運動着、介護における汚れ等の予洗として使用し、その後の始末も容易に出来る。又、漬け置き洗いの場合でも洗濯物を移すことなく洗濯が出来るので、面倒がかからない。
(ホ)ペットが使用した衣類、タオル、敷物などの洗濯も個別に洗濯出来るので便利である。
(ヘ)洗濯機を用いて洗濯するのが支流であるが、予洗をするため本発明の洗濯を用いることによって活用範囲が広まり、汚れのひどい洗濯物の作業の軽減に繋がることが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図5】本発明のラセン状の貫通ガイド溝とガイドピンの位置関係図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(イ)
図1に示されたように、本発明の本体(17)には中空軸(5)の上部で洗濯を操作する際のハンドル(1)を設け、下部には洗濯をする機構部として内部が空洞(14)になった吸盤(7)が設けてある。
(ロ)ハンドル(1)内に挿入された中空軸(5)の上部外周にはラセン状の貫通ガイド溝(4)を
図5に示したようにラセン状の貫通ガイド溝(4)が対向しクロスする位置に左右に設けてある。
(ハ)ハンドル(1)の外側からガイドピン(3)を中空軸(5)の設けた左右のラセン状の貫通ガイド溝(4)に挿入して、反対側のハンドル(1)の外周に貫通させガイドピン(3)の両端を固定する。ハンドル(1)の押し引き操作によって、中空軸(5)がラセン状の貫通ガイド溝(4)に沿って上下動するように設けてある。
(ニ)
図2に示すように、ハンドル(1)の内部の上下にはコイルバネ受けコマ(11)とコイルバネ受けコマ(12)が設けられ、その間にコイルバネ(2)が取付けられている。
(ホ)コイルバネ受けコマ(12)の下には中空軸(5)のと連結するために中空軸のせコマ(13)を介して中空軸(5)とハンドル(1)が一体になり本体(1)が設けられている。
【0010】
(ヘ)
図2に示すように、中空軸(5)の下端には取付け軸(16)が取付けられ、取付け軸(16)の下端に吸盤(7)が取り付けられ、吸盤(7)の内部は空洞(14)になっている。中空軸(5)に固定された取付け軸(16)に吸盤(7)はピン(6)で取付けられ、吸盤(7)は回転できるように設けてある。取付け軸(16)の先端には下方に突き出た球(10)が取り付けられ、吸盤(7)には洗濯の際に空気を抜くための空気穴(8)が複数取付けられ、飛散を防ぐために斜め下向きに空気穴(8)が開けてある。
(ト)取付け軸(16)の先端に取付けられた球(10)はコイルバネ(18)で受けていて、本体(17)の押し下げ、引き上げ操作によって生じる圧力を緩衝するために設けられている。
本発明は以上のような構造である。
【0011】
本発明を使用するときは、バケツ(15)に汚れた洗濯物を入れ、水、洗剤等を入れ、本体(17)を持ち上げてハンドル(1)を握って本体をバケツ(15)の水面上よりバケツ(15)の底までの間をランダムに上下して使用する。
次に、ハンドル(1)を握って本体(17)を押し下げ続けると、球(10)がバケツ(15)の底に当たりハンドル(1)に内蔵されたコイルバネ(2)を押しながらハンドル(1)が中空軸(5)を滑り下りて、同時にハンドル(1)に固定されたガイドピン(3)が真下に進むことにより、ラセン状の貫通ガイド溝(4)の下辺を押し滑ることになり、取付け軸(16)にピン(6)で固定された吸盤(7)とその中心にある球(10)が回転する。ハンドル(1)を引くとコイルバネ(2)の力でラセン状の貫通ガイド溝(4)の上辺をガイドピン(3)が押し滑り反転する。
【0012】
吸盤(7)の形状は衝撃を和らげるために、空気穴(8)で圧縮された空気を逃がし吸盤(7)内に水が入り込み、ハンドル(1)を引いたときに吸引状態になり洗濯物が反転する。又、飛散を防ぐために斜め下向きに空気穴(8)が開けてある。突起(9)は洗いに作用しその形状は押し回しがスムーズになるために取り付けられている。
又、コイルバネ(2)両端にコイルバネ受けコマ(11)、コイルバネ受けコマ(12)をその突起(9)により常時中心に保持する。又、その突起は必要以上の回転になると互いに当たり回転を抑制する中空軸(5)の回転がコイルバネ(2)に伝わらないように、中空軸のせコマ(13)で解消する。
【0013】
ハンドル(1)の押し引き往復でバケツの中で激しい水流が生じ、更に吸盤(7)により洗濯物が反転しながら洗濯出来る。吸盤(7)の中は空洞(14)なので水中での浮力が生じ、手加減操作が容易で傷みやすい洗濯物は手加減で任意に選択が出来る。吸盤(7)の突起(9)の高さは10ミリ程度である。
【符号の説明】
【0014】
1 ハンドル
2 コイルバネ
3 ガイドピン
4 ラセン状の貫通ガイド溝
5 中空軸
6 ピン
7 吸盤
8 空気穴
9 突起
10 球
11 コイルバネ受けコマ
12 コイルバネ受けコマ
13 中空軸のせコマ
14 空洞
15 バケツ
16 取付け軸
17 本体
18 コイルバネ