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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】操作装置及び自転車
(51)【国際特許分類】
   B62J 50/20 20200101AFI20240830BHJP
   B62J 45/40 20200101ALI20240830BHJP
【FI】
B62J50/20
B62J45/40
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020097999
(22)【出願日】2020-06-04
(65)【公開番号】P2021187419
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】赤松 哲郎
【審査官】宇佐美 琴
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第202650907(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2009/0102628(US,A1)
【文献】特開2019-191000(JP,A)
【文献】中国実用新案第208045363(CN,U)
【文献】中国実用新案第207257858(CN,U)
【文献】特開2009-190534(JP,A)
【文献】特開2017-134924(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第3096339(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0232846(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 1/00-99/00
B62K 1/00-27/16
B62M 1/00-29/02
H01H 13/00-13/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作入力がなされる操作装置であって、
自転車に装着されるケース部と、
前記ケース部の上方を覆うカバー部とを備え、
前記カバー部は、
前記ケース部に固定された枠部材と、
前記枠部材に対して動作可能に組み合わされた複数の操作ボタンとで形成され、
前記複数の操作ボタンのそれぞれの上面が、前記カバー部の上面の一部を構成し
前記複数の操作ボタンのうち少なくとも一つの操作ボタンには、他の操作ボタンに係合するフランジ部が形成されている、
操作装置。
【請求項2】
前記複数の操作ボタンは、並んで位置する第1操作ボタンと第2操作ボタンとを含み、
前記第1操作ボタンと前記第2操作ボタンは、互いに別体であり、かつ互いに独立して揺動可能であり、
前記第1操作ボタンは、前記第2操作ボタンに近い部分を支点として、前記第2操作ボタンから離れた部分が上下に揺動するように構成され
前記第2操作ボタンは、前記第1操作ボタンに近い部分を支点として、前記第1操作ボタンから離れた部分が上下に揺動するように構成されている、
請求項1の操作装置。
【請求項3】
前記第1操作ボタンの支点となる部分と、前記第2操作ボタンの支点となる部分と、はともにフック形状を有し、それぞれが前記枠部材の対応する個所に揺動可能に引っ掛かっている、
請求項2の操作装置。
【請求項4】
前記複数の操作ボタンは、前記第1操作ボタンと前記第2操作ボタンに隣接して位置する第3操作ボタンを、更に含み、
前記第3操作ボタンは、前記第1操作ボタンと前記第2操作ボタンが並ぶ方向において、前記第1操作ボタンと前記第2操作ボタンが配される幅内の領域に位置し、
前記フランジ部は、前記第3操作ボタンに形成されている、
請求項2又は3の操作装置。
【請求項5】
前記ケース部は、
前記複数の操作ボタンの前記枠部材からの脱落を抑える突起部を有する、
請求項1から4のいずれか一項の操作装置。
【請求項6】
前記複数の操作ボタンは、前記枠部材に対するスライド移動によって前記枠部材に仮保持される少なくとも一つの操作ボタンを含み、前記スライド移動の方向は、その操作ボタンの上面と平行な方向である、
請求項1の操作装置。
【請求項7】
前記ケース部は、
前記枠部材に仮保持された前記少なくとも一つの操作ボタンのスライド移動を規制する突起部を、有する、
請求項6の操作装置。
【請求項8】
前記ケース部は、
前記カバー部に覆われる上側ケースを含み、
前記上側ケースのうち、前記複数の操作ボタンと対応する個所には、エラストマー製の弾性部が一体に成形されている、
請求項1から7のいずれか一項の操作装置。
【請求項9】
前記ケース部は、
前記カバー部に覆われる上側ケースと、下側ケースと、前記上側ケースと前記下側ケースとの間に収納される表示部とを含み、
前記上側ケースのうち、前記複数の操作ボタンに対応する個所と、外周縁部と、前記表示部に対向する部分とには、エラストマー製の弾性部が一体に成形され、前記弾性部はそれぞれ繋がっている、
請求項1から7のいずれか一項の操作装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項の操作装置と、
前記操作装置が装着された自転車本体とを備えた、
自転車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、操作装置及び自転車に関する。
【背景技術】
【0002】
自転車に装着して用いられ、操作入力することが可能な操作装置が、従来公知である。例えば、特許文献1に記載された操作装置(車両用表示装置)では、箱型のケースの側面に、押し込み操作可能な操作ボタンが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6246214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来の操作装置では、操作装置に操作ボタンを複数設ける場合に、各操作ボタンを大面積で設けることが困難であり、利用者にとっては手元の操作性に問題がある。
【0005】
本開示は、手元での操作性が良好な操作装置とこれを備えた自転車を提案することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る操作装置は、操作入力が可能な操作装置であって、自転車に装着されるケース部と、前記ケース部の上方を覆うカバー部とを備える。前記カバー部は、前記ケース部に固定された枠部材と、前記枠部材に対して動作可能に組み合わされた複数の操作ボタンとで形成されている。前記複数の操作ボタンのそれぞれの上面が、カバー部の上面の一部を構成している。
【0007】
本開示の一態様に係る自転車は、前記操作装置と、前記操作装置が装着された自転車本体とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示は、操作ボタンを大面積で設けることができ、手元の操作性が良好であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、一実施形態の操作装置が装着された自転車の側面図である。
図2図2は、同上の操作装置の上面図である。
図3図3は、図2のA-A線断面図である。
図4図4は、図2のB-B線断面図である。
図5図5は、図2のC-C線断面図である。
図6図6は、図2のD-D線断面図である。
図7図7は、同上の操作装置のケース部とカバー部を分離した斜視図である。
図8図8は、同上のカバー部の上面図である。
図9図9は、図8のE-E線断面図である。
図10図10は、図8のF-F線断面図である。
図11図11は、図8のG-G線断面図である。
図12図12は、同上のカバー部を分解した斜視図である。
図13図13は、同上のカバー部を分解した下面図である。
図14図14Aは、同上のカバー部において枠部材に操作ボタンを仮保持する中途段階の要部斜視図であり、図14Bは、同上のカバー部において枠部材に操作ボタンを仮保持する次の中途段階の要部斜視図であり、図14Cは、同上のカバー部において枠部材に操作ボタンを仮保持した要部斜視図である。
図15図15は、同上のケース部を分解した斜視図である。
図16図16は、同上のケース部が備える上側ケースの下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態]
(全体)
図1には、一実施形態の自転車9を示している。自転車は、自転車本体90と、自転車本体90に装着された操作装置1とを備える。
【0011】
自転車本体90は、フレーム91、ハンドル92、前輪93、後輪94、ペダル95、動力伝達機構96、駆動ユニット97及びバッテリー98を備える。動力伝達機構96は、ペダル95の回転力を後輪94に伝達する機構である。駆動ユニット97は、バッテリー98から供給される電力で動力伝達機構96にアシスト用の駆動力を付与するように構成されている。
【0012】
操作装置1は、ハンドル92のうち左側のハンドル部分921の右側に、着脱自在に装着されている。操作装置1は、例えば電源のオンオフの切り替え操作や、アシストモードの切り替え操作や、表示内容(アシストモード、電池残量、速度等)の切り替え操作を行うように構成されている。
【0013】
本願において用いる前後、左右の各方向は、操作装置1が自転車9に装着された状態を基準とする。自転車9が進行する方向が前方であり、これの反対が後方である。
【0014】
(操作装置)
図2図7に示すように、操作装置1は、自転車9のハンドル92に装着するためのバンド部81が固定されたケース部2と、ケース部2の上側を覆うカバー部3とを備える。言い換えれば、ケース部2に対してカバー部が位置する側が上側である。ケース部2とカバー部3は、ケース部2の側から挿入された複数の固定具82(図7参照)によって、複数の操作ボタン6を側部に挟み込んだ状態で固定されている。
【0015】
(ケース部)
図15等に示すように、ケース部2は、上方に開口した下側ケース21と、下方に開口した上側ケース22とを含む。
【0016】
バンド部81は、下側ケース21の下面に取り付けられている。下側ケース21の上面は外周縁部211を有し、外周縁部211の外側に、上方に開口した複数の固定穴212が設けられている。
【0017】
図16に示すように、上側ケース22の下面は外周縁部221を有し、外周縁部221の外側に、上下に貫通した複数の貫通孔222が設けられている。これら複数の貫通孔222は、下側ケース21が有する複数の固定穴212と一対一に対応する。下側ケース21が不透明な合成樹脂製の部材であるのに対して、上側ケース22は透明な合成樹脂製の部材である。
【0018】
上側ケース22の外周縁部221には、その全周にわたってエラストマー製の弾性部237が一体に成形されている。弾性部237が下側ケース21の外周縁部211に弾性的に押し当たった状態で、対応する貫通孔222を通じて上側ケース22の側から挿入された複数の固定具84が、下側ケース21の対応する固定穴212に螺合することで、下側ケース21と上側ケース22が固定される。弾性部237は、ケース2の防水性や防塵性を確保する機能を有する。
【0019】
ケース部2の内部(つまり下側ケース21と上側ケース22の間)には、操作装置1の電子回路を構成する回路基板71や、回路基板71に実装された複数(具体的には六つ)のタクトスイッチ721,722,723,724,725,726等の各種の電子部品が収納されている。六つのタクトスイッチ721,722,723,724,725,726は、操作装置1が備える都合六つの操作ボタン5,6と、一対一に対応するように配置されている。
【0020】
さらに、ケース部2の内部には、電子回路に電気接続された表示部73とこれを支持する支持台74とが収納されている。表示部73は、例えば板状の液晶表示部であり、バッテリー残量、アシストモード等の各種情報が表示される。表示部73と支持台74は、回路基板71と上側ケース22との間に配置される。
【0021】
図16に示すように、上側ケース22の下面であって表示部73と対向する部分には、枠状の外形を有するエラストマー製の弾性部238が一体に成形されている。弾性部238は、その下方に位置する表示部73の上面の外周部分に対して、弾性的に押し当たるように設けられている(図6等参照)。
【0022】
上側ケース22には、さらに六つのエラストマー製の弾性部231,232,233,234,235,236が一体に成形されている。これら六つの弾性部231,232,233,234,235,236は、操作装置1が備える都合六つの操作ボタン5,6と一対一に対応し、かつ回路基板71に実装された六つのタクトスイッチ721,722,723,724,725,726と一対一に対応する個所に、配置されている。弾性部231,232,233,234,235,236はそれぞれ、六つの操作ボタン5,6のうち対応する一つと、六つのタクトスイッチ721,722,723,724,725,726のうち対応する一つとの間に、介在する(図4図6等参照)。
【0023】
これら六個所の弾性部231,232,233,234,235,236と、下側ケース21に当たるための弾性部237は、表示部73に当たるための弾性部238とそれぞれ繋がっている。つまり、上側ケース22の弾性部231,232,233,234,235,236,237,238は、全て繋がるように成形されている。
【0024】
さらに、上側ケース22の左側の端部には、上方に突出した突起部24が設けられている(図15等参照)。突起部24は、一つの貫通孔222を挟んで前後方向に距離をあけて位置する二つの突起241,242で、構成されている。突起部24は、三つの操作ボタン5に対応する三つの弾性部231,232,233よりも左側に位置し、後述するように、操作装置1が組み立てられた状態において三つの操作ボタン5の脱落を防ぐように機能する。
【0025】
(カバー部)
図2図3等に示すように、カバー部3は、操作装置1の上側の外殻(言い換えれば、操作装置1のうち上方から視認される部分)をなす構造体であり、ケース部2のうち透明な上側ケース22を覆うように、複数の固定具82(図7参照)を介して下側ケース21に固定される。
【0026】
カバー部3は、複数の固定具82を介して下側ケース21に固定される枠部材4と、枠部材4に組み合わされる複数の操作ボタン5とで、その全体が構成されている。複数の操作ボタン5は、例えば、電源のオンオフの切り替え、アシストモードの切り替え等に利用される押下式のボタンであり、前後方向に並ぶ第1及び第2操作ボタン51,52と、第1及び第2操作ボタン51,52の右側に位置する第3操作ボタン53とで構成されている。言い換えれば、第3操作ボタン53は、第1及び第2操作ボタン51,52が並ぶ方向(つまり前後方向)と直交する方向(つまり左右方向)の一側に配されている。
【0027】
(枠部材)
図12等に示すように、枠部材4は、表示部73を視認するための矩形状の開口窓41と、第1、第2及び第3操作ボタン51,52,53を配置するために周囲より一段低く設けられた凹状のボタン配置部42とを備える。ボタン配置部42は、開口窓41よりも左側に形成されており、カバー部3が組み立てられた状態では、第1、第2及び第3操作ボタン51,52,53に覆われるようになっている。
【0028】
ボタン配置部42は、枠部材4のうち左側の端縁(つまり左右方向の一側の端縁)を含む領域に形成されている。また、ボタン配置部42は、枠部材4の左側の端部においてその前後方向の全幅に亘って形成されている。言い換えれば、ボタン配置部42は、枠部材4のうち左右方向の一側の端部において、第1及び第2操作ボタン51,52が並ぶ方向の全幅に亘って形成されている。
【0029】
ボタン配置部42に第1、第2及び第3操作ボタン51,52,53が配置された状態において、枠部材4のボタン配置部42を除いた部分の上面(言い換えれば、開口窓41を囲む矩形枠状の部分43の上面)と、第1、第2及び第3操作ボタン51,52,53の上面とで、カバー部3の上面が構成される。第1、第2及び第3操作ボタン51,52,53の上面は、それぞれ後述する主体部分511,521,531の上面である。枠部材4のボタン配置部42を除いた部分の上面と、第1及び第2操作ボタン51,52の上面は、僅かなクリアランスを介して面一に繋がるように設けられている。
【0030】
ボタン配置部42には、第1、第2及び第3開口部421,422,423が上下に貫通形成されている。第1開口部421は、第1操作ボタン51に対応する弾性部231が嵌め込まれる部分である。第2開口部422は、第2操作ボタン52に対応する弾性部232が嵌め込まれる部分であり、第1開口部421と前後方向に並んで位置している。第3開口部423は、第3操作ボタン53に対応する弾性部233が嵌め込まれる部分であり、第1及び第2開口部421,422よりも右側に位置している。
【0031】
ボタン配置部42の右側の端縁のうち前後方向の中央部分には、第3操作ボタン53が引っ掛かるための溝424が形成されている。
【0032】
ボタン配置部42のうち前後方向の中央部分には、上下に貫通した貫通部425と、前後方向に並んだガイド部426,427とが形成されている。前後のガイド部426,427は、前後方向に距離をあけて位置し、それぞれが左右方向に伸びる互いに平行な形状を有する。
【0033】
貫通部425は、ケース部2の突起部24が挿し込まれる部分である。前側のガイド部426が、第1操作ボタン51のスライド移動を案内する部分であり、後ろ側のガイド部427が、第2操作ボタン52のスライド移動を案内する部分である。
【0034】
ボタン配置部42のうち、第1、第2及び第3開口部421,422,423を挟んだ前後の両端部には、引っ掛け部428,429が形成されている。前側の引っ掛け部428は、枠部材4に第1操作ボタン51が組み合わされた状態で、枠部材4に対する第1操作ボタン51の浮き上がりを抑える部分である。後ろ側の引っ掛け部429は、枠部材4に第2操作ボタン52が組み合わされた状態で、枠部材4に対する第2操作ボタン52の浮き上がりを抑える部分である。
【0035】
前側の引っ掛け部428は、ボタン配置部42の右側の端縁のうち前側の部分に形成された溝428aと、ボタン配置部42の前側の部分に形成された引っ掛け片428bとを含む。溝428aは、第1操作ボタン51の一部が左側から挿し込まれるように、左側に向けて(つまり左右方向の一側に向けて)開口している。引っ掛け片428bは、第1操作ボタン51の別の一部が左右方向にスライド自在に引っ掛かるように、前側に向けて(つまり前後方向の一側に向けて)突出した部分である。
【0036】
後ろ側の引っ掛け部429は、前側の引っ掛け部428と前後対称な形状を有する。後ろ側の引っ掛け部429は、ボタン配置部42の右側の端縁のうち後ろ側の部分に形成された溝429aと、ボタン配置部42の後ろ側の部分に形成された引っ掛け片429bとを含む。溝429aは、第2操作ボタン52の一部が左側から挿し込まれるように、左側に向けて開口している。引っ掛け片429bは、第2操作ボタン52の別の一部が左右方向にスライド自在に引っ掛かるように、後ろ側に向けて(つまり前後方向の他側に向けて)突出した部分である。前側の引っ掛け片428bと後ろ側の引っ掛け片429bは、前後方向において互いに離れる側に突出している。
【0037】
(第1操作ボタン)
第1操作ボタン51は、利用者の指先が接触可能な上面を有する主体部分511と、主体部分511と一体に設けられたガイド部512と、主体部分511と一体に設けられた引っ掛け部513とを有する(図13等参照)。
【0038】
主体部分511の上面は、枠部材4の開口窓41を囲む部分43の上面に対して、僅かなクリアランスを介して面一に繋がるように設けられている。主体部分511の上面のうち、前側の端部511aは、前側の部分ほど下側に位置するように傾斜している(図8等参照)。
【0039】
ガイド部512は、主体部分511のうち後ろ側の端部から、下方に延出されたフック状の部分である(図9図13等参照)。ガイド部512の下側の部分は、前側に向けてL字状に曲がっている。第1操作ボタン51のガイド部512が、枠部材4の前側のガイド部426に対して左右方向にスライド自在に引っ掛かることで、枠部材4に対する第1操作ボタン51の左右のスライド移動が案内される。
【0040】
引っ掛け部513は、主体部分511の前側の端部から右側に突出する突起513aと、主体部分511の前側の端部の下面から、下方に延出されたフック状の引っ掛け片513bとを含む。枠部材4に第1操作ボタン51が組み合わされた状態で、枠部材4の前側の溝428aに対して突起513aが挿し込まれ(図11図12参照)、かつ、枠部材4の前側の引っ掛け片428bに対して引っ掛け片513bが下方から引っ掛かる(図10参照)。これにより、枠部材4に対する第1操作ボタン51の浮き上がりが抑えられる。
【0041】
(第2操作ボタン)
第2操作ボタン52は、第1操作ボタン51と前後対称な形状を有する。
【0042】
第2操作ボタン52は、利用者の指先が接触可能な上面を有する主体部分521と、主体部分521と一体に設けられたガイド部522と、主体部分521と一体に設けられた引っ掛け部523とを有する。
【0043】
主体部分521の上面は、枠部材4の開口窓41を囲む部分43の上面に対して、僅かなクリアランスを介して面一に繋がるように設けられている。主体部分521の上面のうち、後ろ側の端部521aは、後ろ側の部分ほど下側に位置するように傾斜している(図8等参照)。
【0044】
ガイド部522は、主体部分521のうち前側の端部から、下方に延出されたフック状の部分である(図9図13等参照)。ガイド部522の下側の部分は、後ろ側に向けてL字状に曲がっている。第2操作ボタン52のガイド部522が、枠部材4の後ろ側のガイド部427に対して左右方向にスライド自在に引っ掛かることで、枠部材4に対する第2操作ボタン52の左右のスライド移動が案内される。
【0045】
引っ掛け部523は、主体部分521の後ろ側の端部から右側に突出する突起523aと、主体部分521の後ろ側の端部の下面から、下方に延出されたフック状の引っ掛け片523bとを含む。枠部材4に第2操作ボタン52が組み合わされた状態で、枠部材4の後ろ側の溝429aに対して突起523aが挿し込まれ(図11図12等参照)、かつ、枠部材4の後ろ側の引っ掛け片429bに対して引っ掛け片523bが下方から引っ掛かる(図10等参照)。これにより、枠部材4に対する第2操作ボタン52の浮き上がりが抑えられる。
【0046】
(第3操作ボタン)
第3操作ボタン53は、前後方向に長い外形を有する主体部分531と、主体部分531の下端部から外側方に突出するフランジ部532とを有する。フランジ部532は、主体部分531の下端部の全周にわたって形成されている。
【0047】
フランジ部532は、第1操作ボタン51の右側の端縁部に引っ掛かる部分と、第2操作ボタン52の右側の端縁部に引っ掛かる部分と、枠部材4の溝424に挿し込まれて引っ掛かる部分とを含む。これによって、枠部材4に第1、第2及び第3操作ボタン51,52,53が組み合わされた状態で、第3操作ボタン53の枠部材4からの脱落が抑えられる。
【0048】
(組み立て工程)
本実施形態の操作装置1の組み立ては、第1、第2及び第3操作ボタン51,52,53を枠部材4に仮保持してカバー部3を組み立てる工程(以下「仮保持工程」という。)と、カバー部3をケース部2に固定する工程(以下「固定工程」という。)を備える。
【0049】
仮保持工程では、まず第3操作ボタン53を、ボタン配置部42のうち第3開口部423の上方の位置に配する。このとき、第3操作ボタン53のフランジ部532の一部が、枠部材4の溝424に挿し込まれる(図12等参照)。
【0050】
次いで、第1操作ボタン51と第2操作ボタン52を、ボタン配置部42の残りの部分を覆うように左側からスライド移動させる。第1操作ボタン51と第2操作ボタン52のスライド移動の順番は、第1操作ボタン51が先でもよいし、第2操作ボタン52が先でもよいし、あるいは同時でもよい。
【0051】
まず、第1操作ボタン51のスライド移動について説明する。第1操作ボタン51の左右方向のスライド移動は、枠部材4の前側のガイド部426に対して、第1操作ボタン51のガイド部512が摺接することによって、円滑に案内される。
【0052】
図14A等に示すように、第1操作ボタン51の外周縁部の下面には、第1操作ボタン51をボタン配置部42の所定個所に仮保持する機能を有するリブ518が、形成されている。第1操作ボタン51のリブ518は、第1操作ボタン51がガイド部426に案内されて左右方向にスライド移動する途中において、枠部材4のリブ48に当たって抵抗を与えるように構成されている(図14B参照)。第1操作ボタン51がボタン配置部42の所定個所にまでスライド移動した段階では(図14C参照)、リブ518とリブ48の接触に起因した抵抗は解除される。
【0053】
第1操作ボタン51の下面のリブ518は、他の部分よりも突出量が大きな部分518aを有する。この部分518aが、枠部材4のリブ48に接触して抵抗を生じさせる。
【0054】
枠部材4のリブ48は、ボタン配置部42の外周縁部の一部分に形成されており、具体的には、ボタン配置部42の外周縁部のうち右側の端縁部を除いた部分に、形成されている。第1操作ボタン51のリブ518は、枠部材4のリブ48のうち前側の部分に圧力を伴って摺接し、第1操作ボタン51のスライド移動に伴って撓みながらリブ48を外側から内側に乗り越えた後は、ボタン配置部42の所定個所に至って抵抗が解除される。
【0055】
第2操作ボタン52の左右方向のスライド移動は、枠部材4の前側のガイド部426に対して、第2操作ボタン52のガイド部522が摺接することによって、円滑に案内される。
【0056】
第2操作ボタン52の外周縁部の下面には、第2操作ボタン51をボタン配置部42の所定個所に仮保持する機能を有するリブ528が、形成されている(図13等参照)。第2操作ボタン52のリブ528は、第1操作ボタン51のリブ518と同様に、第2操作ボタン52がガイド部427に案内されて左右方向にスライド移動する途中において、枠部材4のリブ48に当たって抵抗を生じ、ボタン配置部42の所定個所にまでスライド移動した段階では抵抗を解除するように構成されている。リブ528のうち他の部分よりも突出量が大きな部分528aが、枠部材4のリブ48のうち後ろ側の部分に圧力を伴って摺接し、第2操作ボタン52のスライド移動に伴って撓みながらリブ48を外側から内側に乗り越えた後は、ボタン配置部42の所定個所に至って抵抗が解除される。
【0057】
以上のように、第1、第2及び第3操作ボタン51,52,53を枠部材4に配置した状態で、第1及び第2操作ボタン51,52は枠部材4に仮保持され、第3操作ボタン53は、第1及び第2操作ボタン51,52と枠部材4との間で仮保持される。第1、第2及び第3操作ボタン51,52,53は、枠部材4に対する引っ掛けによって簡単に仮保持される。
【0058】
固定工程では、仮保持工程で組み立てたカバー部3を、回路基板71等を収納するように組み立てられたケース部2に、ねじ固定する。このとき、カバー部3とケース部2の間に挟み込まれる三つの操作ボタン6は、操作装置1の側面に装着される第4、第5及び第6操作ボタン61,62,63である。操作装置1は、その上面に設けられた第1、第2及び第3操作ボタン51,52,53と、その側面に設けられた第4、第5及び第6操作ボタン61,62,63とによって、手元で多様な操作入力ができるように構成されている。
【0059】
カバー部3とケース部2を固定することにより、図4に示すように、ケース部2の上側ケース22から上方に突出した突起部24が、枠部材4の貫通部425に挿し入れられる。突起部24に含まれる前側の突起241が、第1操作ボタン51の下面に形成された段部516に当たることで、仮保持された第1操作ボタン51が、左側にスライド移動して枠部材4から外れることが抑えられる。同様に、突起部24に含まれる後ろ側の突起242が、第2操作ボタン52の下面に形成された段部526(図13等参照)に当たることで、仮保持された第2操作ボタン52が、左側にスライド移動して枠部材4から外れることが抑えられる。そして、第1及び第2操作ボタン51,52の脱落が抑えられることで、第3操作ボタン53の脱落が抑えられる。
【0060】
上記のように突起部24がストッパーとして機能することで、カバー部3において仮保持されていた第1、第2及び第3操作ボタン51,52,53は、枠部材4に固定される。本実施形態の操作装置1では、突起部24は二つの突起241,242で構成されているが、一つ又は三つ以上の突起で構成されてもよい。
【0061】
組み立てられた操作装置1においては、枠部材4の開口窓41から、透明な上側ケース22の天板部分の少なくとも一部が視認され(図2図3等参照)、透明な天板部分を通じて、その下方の表示部73が視認される。
【0062】
また、組み立てられた操作装置1において、カバー部3の一部を構成する第1、第2及び第3操作ボタン51,52,53は、それぞれが所定範囲内で動作可能である。
【0063】
第1操作ボタン51は、第2操作ボタン52に近い部分515を支点として、第2操作ボタン52から離れた部分が上下に揺動するように構成されている(図5図9等参照)。第1操作ボタン51の揺動の支点となる部分515は、主体部分511の後ろ側の端部から下方に延出されたフック状のガイド部512で、構成されている。つまり、このガイド部512が枠部材4に引っ掛かった状態で、ガイド部512を支点として主体部分511が揺動可能である。主体部分511の前側の端部(つまり主体部分511のうち第2操作ボタン52から離れた側の端部)と枠部材4との間には、主体部分511の揺動を許容する上下のクリアランスが設けられている。
【0064】
第2操作ボタン52は、第1操作ボタン52に近い部分525を支点として、第1操作ボタン51から離れた部分が上下に揺動するように構成されている。第2操作ボタン52の揺動の支点となる部分525は、主体部分521の前側の端部から下方に延出されたフック状のガイド部525で、構成されている。つまり、このガイド部525が枠部材4に引っ掛かった状態で、ガイド部525を支点として主体部分521が揺動可能である。主体部分521の後ろ側の端部(つまり主体部分521のうち第1操作ボタン51から離れた側の端部)と枠部材4との間には、主体部分521の揺動を許容する上下のクリアランスが設けられている。
【0065】
第1操作ボタン51の支点となる部分515と、第2操作ボタン52の支点となる部分525は、前後方向に僅かなクリアランスを介して並んで位置しており、互いに接触可能である。第1操作ボタン51の支点となる部分515と、第2操作ボタン52の支点となる部分525は、互いに離れる方向に曲がったフック状の形状を有し、それぞれが枠部材4の対応する個所に揺動可能に引っ掛かっている。
【0066】
第3操作ボタン53は、そのフランジ部532が枠部材4と第1及び第2操作ボタン51,52とに引っ掛かった状態で、上下の所定範囲内で動作可能である。第3操作ボタン53の主体部分531は、動作可能な所定範囲内のいずれにおいても、枠部材4よりも上方に突出し、かつ、第1及び第2操作ボタン51,52よりも上方に突出して位置する。
【0067】
本実施形態の操作装置1において、第3操作ボタン53は、第1操作ボタン51と第2操作ボタン52が並ぶ方向(つまり前後方向)において、第1操作ボタン51と第2操作ボタン52が配される幅W1内の領域に位置する(図9等参照)。そのため、第3操作ボタン53を操作しようとする利用者の指が、第1操作ボタン52や第2操作ボタン53に不意に当たる虞がある。しかし、本実施形態の操作装置においては、第1操作ボタン51と第2操作ボタン52は、互いに隣接する端側の部分515,525を支点にして揺動可能であるから、第1操作ボタン52や第2操作ボタン53が誤って動作することは抑えられる。
【0068】
しかも、第1操作ボタン51の揺動の支点となる部分515と、第2操作ボタン52の揺動の支点となる部分525は、いずれも第3操作ボタン53の左側の領域に位置する。つまり、これらの部分515,525は、第1操作ボタン51と第2操作ボタン52が並ぶ方向(つまり前後方向)において第3操作ボタン53が配される幅W2内の領域に位置する。したがって、第3操作ボタン53を操作しようとする利用者の指が、第1操作ボタン52や第2操作ボタン53に不意に当たっても、これによって第1操作ボタン52や第2操作ボタン53が誤って揺動すること(つまり、第1操作ボタン52や第2操作ボタン53が誤って押し込み操作されること)は、効果的に抑えられる。
【0069】
以上、本実施形態の操作装置1及び自転車9について説明したが、本開示の意図する範囲内において、適宜の設計変更を行うことが可能である。
【0070】
例えば、本実施形態の自転車9は電動自転車(詳細には電動アシスト付き自転車)であるが、これに限定されず、電動機の駆動力だけで自走する電動自転車でもよいし、ペダルを漕ぐ力だけで自走する自転車でもよい。
【0071】
また、本実施形態の操作装置1の機能は、電源のオンオフの切り替え機能や、アシストモードの切り替え機能や、表示内容(アシストモード、電池残量、速度等)を切り替える機能であるが、これに限定されず、他の機能を有することも可能である。
【0072】
また、本実施形態の操作装置1では、三つ操作ボタン5がカバー部3の一部を構成しているが、操作ボタン5の数は特に限定されず、カバー部3の一部を構成する操作ボタン5を二つ、又は四つ以上備えることも可能である。本実施形態の操作装置1では、二つの操作ボタン5(つまり第1及び第2操作ボタン51,52)が一方向(つまり前後方向)に並んで位置しているが、一方向に並んで位置する操作ボタン5の数は二つに限定されず、三つ以上でもよいし、一つの操作ボタン5が位置するだけでもよい。また、これら複数の操作ボタン5が並ぶ方向は前後方向に限定されず、例えば左右方向でもよい。
【0073】
また、本実施形態の操作装置1では、ケース部2が下側ケース21と上側ケース22とを含み、下側ケース21とカバー部3を固定したときに、上側ケース22が、下側ケース21とカバー部3との間に位置するインナーケースのように機能するが、このような上側ケース22を備えないことも可能である。
【0074】
[態様]
以上、添付図面に示す実施形態に基づいて説明したように、第1の態様の操作装置(1)は、操作入力がなされる操作装置(1)であって、自転車(9)に装着されるケース部(2)と、ケース部(2)の上方を覆うカバー部(3)とを備える。カバー部(3)は、ケース部(2)に固定された枠部材(4)と、枠部材(4)に対して動作可能に組み合わされた複数の操作ボタン(5)とで形成されている。複数の操作ボタン(5)のそれぞれの上面が、カバー部(3)の上面の一部を構成している。
【0075】
第1の態様の操作装置(1)によれば、複数の操作ボタン(5)をそれぞれ大面積で設けることが可能であり、利用者にとっては手元の操作性が良好である。
【0076】
また、第2の態様の操作装置(1)は、第1の態様との組み合わせによって実現される。第2の態様の操作装置(1)において、複数の操作ボタン(5)は、並んで位置する第1操作ボタン(51)と第2操作ボタン(52)とを含む。第1操作ボタン(51)は、第2操作ボタン(52)に近い部分(515)を支点として、第2操作ボタン(52)から離れた部分が上下に揺動するように構成されている。
【0077】
第2の態様の操作装置(1)によれば、利用者の指が、意図せず第1操作ボタン(51)に当たっても、これによって第1操作ボタン(51)が揺動して誤操作されることは、抑えられる。
【0078】
また、第3の態様の操作装置(1)は、第2の態様との組み合わせによって実現される。第3の態様の操作装置(1)において、第2操作ボタン(52)は、第1操作ボタン(51)に近い部分(525)を支点として、第1操作ボタン(51)から離れた部分が上下に揺動するように構成されている。
【0079】
第3の態様の操作装置(1)によれば、利用者の指が、意図せず第2操作ボタン(52)に当たっても、これによって第2操作ボタン(52)が揺動して誤操作されることは、抑えられる。
【0080】
また、第4の態様の操作装置(1)は、第2又は第3の態様との組み合わせによって実現される。第4の態様の操作装置(1)において、複数の操作ボタン(5)は、第1操作ボタン(51)と第2操作ボタン(52)の両方に隣接して位置する第3操作ボタン(53)を、更に含む。第3操作ボタン(53)は、第1操作ボタン(51)と第2操作ボタン(52)が並ぶ方向において、第1操作ボタン(51)と第2操作ボタン(52)が配される幅(W1)内の領域に位置する。
【0081】
第4の態様の操作装置(1)によれば、第3操作ボタン(53)を操作しようとする利用者の指が、意図せず第1操作ボタン(51)や第2操作ボタン(52)に当る虞があるが、この場合でも、第1操作ボタン(51)や第2操作ボタン(52)が誤操作されることは抑えられる。
【0082】
また、第5の態様の操作装置(1)は、第1から第4のいずれか一つの態様との組み合わせによって実現される。第5の態様の操作装置(1)において、ケース部(2)は、複数の操作ボタン(5)の枠部材(4)からの脱落を抑える突起部(24)を有する。
【0083】
第5の態様の操作装置(1)によれば、カバー部(3)に固定される前段階のケース部(2)では、枠部材(4)に対して複数の操作ボタン(5)を仮保持しておき、カバー部(3)にケース部(2)が固定された段階で、突起部(24)を利用してこれら複数の操作ボタン(5)を枠部材(4)に固定することが可能である。
【0084】
また、第6の態様の操作装置(1)は、第1の態様との組み合わせによって実現される。第6の態様の操作装置(1)において、複数の操作ボタン(5)は、枠部材(4)に対するスライド移動によって枠部材(4)に仮保持される少なくとも一つの操作ボタン(5)を含む。ケース部(2)は、枠部材(4)に仮保持された少なくとも一つの操作ボタン(5)のスライド移動を規制する突起部(24)を、有する。
【0085】
第6の態様の操作装置(1)によれば、カバー部(3)に固定される前段階のケース部(2)では、枠部材(4)に対して少なくとも一つの操作ボタン(5)を仮保持しておき、カバー部(3)にケース部(2)が固定された段階で、突起部(24)によって、仮保持した少なくとも一つの操作ボタン(5)のスライド移動を規制して枠部材(4)に固定することが可能である。
【0086】
また、第7の態様の操作装置(1)は、第1から第6のいずれか一つの態様との組み合わせによって実現される。第7の態様の操作装置(1)において、ケース部(2)は、カバー部(3)に覆われる上側ケース(22)を含む。上側ケース(22)のうち、複数の操作ボタン(5)と対応する個所には、エラストマー製の弾性部(231,232,233)が一体に成形されている。
【0087】
第7の態様の操作装置(1)によれば、ケース部(2)とカバー部(3)とを組み合わせたときに、カバー部(3)に覆われる上側ケース(22)がインナーケースのように機能し、このように機能する上側ケース(22)に弾性部(231,232,233)が一体に成形されているので、シンプルな工程で操作装置(1)を組み立てることが可能である。
【0088】
また、第8の態様の操作装置(1)は、第1から第6のいずれか一つの態様との組み合わせによって実現される。第8の態様の操作装置(1)において、ケース部(2)は、カバー部(3)に覆われる上側ケース(22)と、下側ケース(21)と、上側ケース(22)と下側ケース(21)との間に収納される表示部(73)とを含む。上側ケース(22)のうち、複数の操作ボタン(5)に対応する個所と、外周縁部(221)と、表示部(73)に対向する部分とには、エラストマー製の弾性部(231,232,233,237,238)が一体に成形され、弾性部(231,232,233,237,238)はそれぞれ繋がっている。
【0089】
第8の態様の操作装置(1)によれば、ケース部(2)とカバー部(3)とを組み合わせたときに、カバー部(3)に覆われる上側ケース(22)が、下側カバー部(21)との間で表示部(73)を収納するインナーケースのように機能する。加えて、このように機能する上側ケース(22)に、弾性部(231,232,233,234,235,236,237,238)が一体に、かつ、それぞれ繋がった形で成形されているので、シンプルな工程で操作装置(1)を組み立てることが可能である。
【0090】
また、第1の態様の自転車(9)は、第1から第8のいずれか一つの態様の操作装置(1)と、操作装置(1)が装着される自転車本体(90)とを備える。
【0091】
第1の態様の自転車(9)によれば、操作装置(1)に複数の操作ボタン(5)をそれぞれ大面積で設けることが可能であり、利用者にとっては手元の操作性が良好である。
【符号の説明】
【0092】
1 操作装置
2 ケース部
21 下側ケース
22 上側ケース
231 弾性部
232 弾性部
233 弾性部
237 弾性部
238 弾性部
24 突起部
3 カバー部
4 枠部材
5 操作ボタン
51 第1操作ボタン
515 支点となる部分
52 第2操作ボタン
525 支点となる部分
53 第3操作ボタン
73 表示部
9 自転車
90 自転車本体
図1
図2
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