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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】コントローラ、及び、機器制御システム
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20240830BHJP
【FI】
H04Q9/00 301D
H04Q9/00 331B
H04Q9/00 331A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020127369
(22)【出願日】2020-07-28
(65)【公開番号】P2022024655
(43)【公開日】2022-02-09
【審査請求日】2023-05-16
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】増田 力也
(72)【発明者】
【氏名】中北 賢二
【審査官】山中 実
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-186331(JP,A)
【文献】特開2018-007157(JP,A)
【文献】特開2020-079081(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントローラであって、
所定期間において第一空間に設置された複数の第一機器がどのように動作したかを示す第一情報を取得し、取得した前記第一情報に基づいて、前記所定期間における前記第一空間の環境を再現するための前記複数の第一機器の制御内容を決定する制御部と、
決定された前記制御内容を示す第二情報を、前記第一空間と異なる第二空間に設置された複数の第二機器を制御する他のコントローラに送信する通信部と
決定された前記制御内容を再現するための再現制御の実行指示を受け付ける受付部とを備え
前記コントローラは、前記第一空間及び前記第二空間のいずれとも異なる第三空間に設置され、前記第三空間に設置された複数の第三機器を制御し、
前記制御部は、
前記複数の第三機器に、決定された前記制御内容を実現するために必要なm(mは2以上の自然数)種の機器のうち、n(nはmより小さい自然数)種の機器しか含まれていない場合に、n種の機器を前記再現制御の対象機器として選択し、
前記実行指示が受け付けられた場合に、前記通信部に、選択された前記対象機器へ制御信号を送信させることにより、前記再現制御を実行する
コントローラ。
【請求項2】
コントローラであって、
所定期間において第一空間に設置された複数の第一機器がどのように動作したかを示す第一情報を取得し、取得した前記第一情報に基づいて、前記所定期間における前記第一空間の環境を再現するための前記複数の第一機器の制御内容を決定する制御部と、
決定された前記制御内容を示す第二情報を、前記第一空間と異なる第二空間に設置された複数の第二機器を制御する他のコントローラに送信する通信部と
前記複数の第二機器の種別を示す機器種別情報が記憶された記憶部と、
決定された前記制御内容を再現するための再現制御の実行指示を受け付ける受付部とを備え、
前記コントローラは、前記第一空間及び前記第二空間のいずれとも異なる第三空間に設置され、前記第三空間に設置された複数の第三機器を制御し、
前記制御部は、
決定された前記制御内容を実行するために必要なm(mは2以上の自然数)種の機器のうち、前記複数の第二機器、及び、前記複数の第三機器に共通して含まれる機器がn(nはmより小さい自然数)種だけである場合に、前記複数の第三機器に含まれるn種の機器を、決定された前記制御内容を再現するための再現制御の対象機器として選択し、
前記実行指示が受け付けられた場合に、前記通信部に、選択された前記対象機器へ制御信号を送信させることにより、前記再現制御を実行する
コントローラ。
【請求項3】
前記第一空間、前記第二空間、及び、前記第三空間は、1つの施設内に位置する互いに異なる部屋であり、
前記制御部は、前記通信部が、前記第一空間に設置されて前記複数の第一機器を制御する第一コントローラから局所通信ネットワークを通じて受信した前記第一情報を取得し、
前記通信部は、前記第二情報を、前記局所通信ネットワークを通じて前記他のコントローラである第二コントローラに送信する
請求項1または2に記載のコントローラ。
【請求項4】
さらに、前記再現制御を実行するためのオブジェクトを表示する表示部を備え、
前記受付部は、表示された前記オブジェクトへの操作を前記実行指示として受け付ける
請求項1~3のいずれか1項に記載のコントローラ。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のコントローラと、
記他のコントローラとを備え
機器制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コントローラ、及び、機器制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅などの施設に設置された家電機器を制御するための様々な技術が提案されている。特許文献1には、家電装置の操作を容易にすることができる制御システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-181180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、リビングにてエアコン及び空気清浄機を動作させて快適に過ごしているユーザは、リビングから寝室に移動した場合には、寝室にてリビングと同じ環境を再現するために、エアコン及び空気清浄機のそれぞれを手動で動作させる必要がある。
【0005】
本発明は、第一空間における機器の動作状態を第二空間において再現することを支援することができるコントローラ及び機器制御システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るコントローラは、所定期間において第一空間に設置された複数の第一機器がどのように動作したかを示す第一情報を取得し、取得した前記第一情報に基づいて、前記所定期間における前記第一空間の環境を再現するための前記複数の第一機器の制御内容を決定する制御部と、決定された前記制御内容を示す第二情報を、前記第一空間と異なる第二空間に設置された複数の第二機器を制御する他のコントローラに送信する通信部とを備える。
【0007】
本発明の一態様に係るコントローラは、第一空間に設置された複数の第一機器の制御内容を示す情報を受信する通信部と、受信された前記情報によって示される前記複数の第一機器の種別と、前記第一空間と異なる第二空間に設置された複数の第二機器の種別とを照合することにより、前記複数の第二機器の少なくとも一部を、受信された前記情報によって示される前記制御内容を再現するための再現制御の対象機器として選択する制御部と、前記再現制御の実行指示を受け付ける受付部とを備え、前記制御部は、前記実行指示が受け付けられた場合に、前記通信部に、選択された前記対象機器へ制御信号を送信させることにより、前記再現制御を実行する。
【0008】
本発明の一態様に係る機器制御システムは、コントローラと、前記コントローラと異なる他のコントローラとを備え、前記コントローラは、所定期間において第一空間に設置された複数の第一機器がどのように動作したかを示す第一情報を取得し、取得した前記第一情報に基づいて、前記所定期間における前記第一空間の環境を再現するための前記複数の第一機器の制御内容を決定する第一制御部と、決定された前記制御内容を示す第二情報を、前記第一空間と異なる第二空間に設置された複数の第二機器を制御する前記他のコントローラに送信する第一通信部とを備え、前記他のコントローラは、前記第二情報を受信する第二通信部と、受信された前記第二情報によって示される前記複数の第一機器の種別と、前記複数の第二機器の種別とを照合することにより、前記複数の第二機器の少なくとも一部を、受信された前記第二情報によって示される前記制御内容を再現するための再現制御の対象機器として選択する第二制御部と、前記再現制御の実行指示を受け付ける受付部とを備え、前記第二制御部は、前記実行指示が受け付けられた場合に、前記第二通信部に、選択された前記対象機器へ制御信号を送信させることにより、前記再現制御を実行する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様に係るコントローラ及び機器制御システムは、第一空間における機器の動作状態を第二空間において再現することを支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態に係る機器制御システムの概略構成を示す図である。
図2図2は、実施の形態に係る機器制御システムの機能構成を示すブロック図である。
図3図3は、実施の形態に係る機器制御システムが備えるコントローラの外観斜視図である。
図4図4は、機器の動作状態を表す表示画面の一例を示す図である。
図5図5は、機器の制御を指示するための表示画面の一例を示す図である。
図6図6は、実施の形態に係る機器制御システムの動作例1のシーケンス図である。
図7図7は、シーン保存操作の受付画面の一例を示す図である。
図8図8は、第一情報の具体例を示す図である。
図9図9は、第二情報の具体例を示す図である。
図10図10は、再現制御を実行するためのオブジェクトが表示された表示画面の一例を示す図である。
図11図11は、再現制御を実行するためのオブジェクトが表示された表示画面の別の一例を示す図である。
図12図12は、実施の形態に係る機器制御システムの動作例2のシーケンス図である。
図13図13は、実施の形態に係る機器制御システムの動作例3のシーケンス図である。
図14図14は、機器種別情報の一例を示す図である。
図15図15は、実施の形態に係る機器制御システムの動作例4のシーケンス図である。
図16図16は、実施の形態に係る機器制御システムの変形例3に係る動作のフローチャートである。
図17図17は、実施の形態に係る機器制御システムの変形例4に係る動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0013】
(実施の形態)
[構成]
以下、実施の形態に係る機器制御システムの構成について説明する。図1は、実施の形態に係る機器制御システムの概略構成を示す図である。図2は、実施の形態に係る機器制御システムの機能構成を示すブロック図である。
【0014】
実施の形態に係る機器制御システム10は、住宅などの施設80で使用される。施設80は、第一空間80a、第二空間80b、及び、第三空間80cを含む。ここでの空間は、例えば、部屋などの閉空間であるが、廊下などであってもよい。
【0015】
これら3つの空間のそれぞれには、機器制御システム10が備えるコントローラ及び当該コントローラによって制御される機器が設置されている。第一空間80aには、コントローラ20a、及び、複数の第一機器30aが設置されている。複数の第一機器30aには、照明機器31a、空調機器32a、電動シャッター33a、空気清浄機34a、及び、床暖房35aが含まれる。
【0016】
第二空間80bには、コントローラ20b、及び、複数の第二機器30bが設置されている。複数の第二機器30bには、照明機器31b、空調機器32b、電動シャッター33b、及び、空気清浄機34bが含まれる。第三空間80cには、コントローラ20c、及び、複数の第三機器30cが設置されている。複数の第三機器30cには、照明機器31c、空調機器32c、及び、電動シャッター33cが含まれる。
【0017】
なお、施設80に含まれる空間の数、及び、機器制御システム10が備えるコントローラの数については一例であり、特に限定されない。また、第一機器30a、第二機器30b、及び、第三機器30cに含まれる機器の数、及び、機器の種類についても特に限定されない。
【0018】
まず、コントローラ20aについて説明する。図3は、コントローラ20aの外観斜視図である。
【0019】
コントローラ20aは、第一空間80aの壁に設置され、複数の第一機器30aを制御する。コントローラ20aは、例えば、エネルギーマネジメント機能を有するHEMS(Home Energy Management System)コントローラであり、施設80内に設置された機器の消費電力を管理することができる。コントローラ20aは、HEMSコントローラに限定されず、エネルギーマネジメント機能を有しない他のホームコントローラ、または、ゲートウェイ装置であってもよい。図2に示されるように、コントローラ20aは、受付部21aと、表示部22aと、制御部23aと、記憶部24aと、通信部25aとを備える。これらの構成要素は、コントローラ20aが備える筐体内に収容される。
【0020】
受付部21aは、ユーザの操作を受け付ける。受付部21aは、例えば、静電容量方式のタッチパネルによって実現されるが、抵抗膜方式のタッチパネルによって実現されてもよい。また、受付部21aは、タッチパネル以外に、ハードウェアボタンを含んでもよい。
【0021】
表示部22aは、制御部23aの制御に基づいて、機器の動作状態(オン状態またはオフ状態など)、及び、機器の制御を指示するためのオブジェクトなどを表示する。図4は、機器の動作状態を表す表示画面の一例を示す図であり、図5は、機器の制御(具体的には、後述のシーン制御)を指示するための表示画面の一例を示す図である。表示部22aは、例えば、液晶パネルまたは有機EL(Electro Luminescence)パネルなどの表示パネルである。
【0022】
制御部23aは、機器の制御に関する情報処理を行う。制御部23aは、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0023】
記憶部24aは、制御部23aが実行するコンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部24aは、例えば、半導体メモリなどによって実現される。
【0024】
通信部25aは、コントローラ20aが、複数の第一機器30a、コントローラ20b、及び、コントローラ20cと局所通信ネットワークを介して通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。通信部25aによって行われる通信は、例えば、無線通信であるが、有線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても、特に限定されない。
【0025】
次に、第一機器30aについて説明する。第一機器30aは、コントローラ20aによって制御される。第一機器30aは、具体的には、制御部23aが通信部25aを介して送信する制御信号を受信し、受信した制御信号に基づいて動作する。第一機器30aには、照明機器31a、空調機器32a、電動シャッター33a、空気清浄機34a、及び、床暖房35aが含まれる。
【0026】
照明機器31aは、第一空間80aを照明する。照明機器31aは、例えば、シーリングライトであるが、照明機器31aの具体的態様は、特に限定されない。照明機器31aは、ダウンライト、ペンダントライト、スポットライト、または、ブラケットライトなどであってもよい。
【0027】
空調機器32aは、一般家庭用の空調機器である。空調機器32aは、熱交換器(図示せず)などを有することにより、空調機器32aから送出される風の温度の調整が可能な空調機器である。つまり、空調機器32aは、温度調整機能(送風機能及び冷暖房機能)を有する。空調機器32aは、一般家庭用の空調機器に限定されず、産業用の空調機器であってもよい。
【0028】
電動シャッター33aは、第一空間80aの窓の外側(または内側)に配置され、第一空間80a内への外光の取り入れ量を調整する。電動シャッター33aは、例えば、電動ブラインドなどであり、物理的に光の遮蔽物が開閉する構成を有する。電動シャッター33aは、液晶パネルなどを備え、物性的に光の透過率が変化する構成であってもよい。
【0029】
空気清浄機34aは、第一空間80a内の空間の空気を回収し、回収した空気を、HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタなどのエアフィルタによって濾過して当該第一空間80aに放出する機器である。空気清浄機34aは、第一空間80aの空気を回収し、回収した空気を次亜塩素酸によって除菌して当該第一空間80aに放出する機器であってもよい。
【0030】
床暖房35aは、第一空間80aの床に設けられた暖房装置である。床暖房35aは、床下に設置されたパイプ中に温水を循環させる温水式であってもよいし、電熱線などのヒータを用いた電気式であってもよい。
【0031】
次に、コントローラ20bについて説明する。コントローラ20bは、コントローラ20aと工業製品として同一の装置であり、複数の第二機器30bを制御する。図2に示されるように、コントローラ20bは、受付部21bと、表示部22bと、制御部23bと、記憶部24bと、通信部25bとを備える。これらの構成要素は、コントローラ20bが備える筐体内に収容される。これらの構成要素は、受付部21a、表示部22a、制御部23a、記憶部24a、及び、通信部25aと同様の構成要素であるため詳細な説明が省略される。
【0032】
次に、第二機器30bについて説明する。第二機器30bは、コントローラ20bによって制御される。第二機器30bは、具体的には、制御部23bが通信部25bを介して送信する制御信号を受信し、受信した制御信号に基づいて動作する。第二機器30bには、照明機器31b、空調機器32b、電動シャッター33b、及び、空気清浄機34bが含まれる。これらの機器の詳細な説明については省略される。
【0033】
次に、コントローラ20cについて説明する。コントローラ20cは、コントローラ20aと工業製品として同一の装置であり、複数の第三機器30cを制御する。図2に示されるように、コントローラ20cは、受付部21cと、表示部22cと、制御部23cと、記憶部24cと、通信部25cとを備える。これらの構成要素は、コントローラ20cが備える筐体内に収容される。これらの構成要素は、受付部21a、表示部22a、制御部23a、記憶部24a、及び、通信部25aと同様の構成要素であるため詳細な説明が省略される。
【0034】
次に、第三機器30cについて説明する。第三機器30cは、コントローラ20cによって制御される。第三機器30cは、具体的には、コントローラ20cが送信する制御信号を受信し、受信した制御信号に基づいて動作する。第三機器30cには、照明機器31c、空調機器32c、及び、電動シャッター33cが含まれる。これらの機器の詳細な説明については省略される。
【0035】
[動作例1]
一般に、第一空間80aにて複数の第一機器30aを動作させて快適に過ごしているユーザは、第一空間80aから第二空間80bに移動した場合には、第二空間80bにおいて第一空間80aと同じ環境を再現するために、複数の第二機器30bのそれぞれを手動で動作させる必要がある。つまり、第一空間80aにおける複数の第一機器の動作状態を、第二空間80bにおいて再現するのに手間がかかる。
【0036】
これに対し、機器制御システム10のユーザは、第一空間80aから第二空間80bに移動した後、第一空間80aにおける複数の第一機器の動作状態を、第二空間80bにおいて容易に再現することができる。以下、このような動作(以下、シーン再現動作とも記載される)について説明する。図6は、機器制御システム10の動作例1のシーケンス図である。
【0037】
第一空間80aに設置されたコントローラ20aは、複数の第一機器30aの動作状態を定期的にコントローラ20c(親機)に送信する(S11)。同様に、第二空間80bに設置されたコントローラ20bは、複数の第二機器30bの動作状態を定期的にコントローラ20cに送信する(S12)。コントローラ20cは、コントローラ20aから受信した複数の第一機器30aの動作状態、及び、コントローラ20bから受信した複数の第二機器30bの動作状態に加えて、コントローラ20cの配下の複数の第三機器30cの動作状態を記憶部24cに機器状態情報として記憶している(S13)。つまり、コントローラ20cは、施設80に設置された全ての機器の動作状態を管理している。
【0038】
当初、ユーザは、第一空間80aに位置している。ユーザは、コントローラ20aに対してシーン保存操作を行い、受付部21aは、シーン保存操作をユーザから受け付ける(S14)。図7は、シーン保存操作の受付画面の一例を示す図である。図7の受付画面が表示されているときに、ユーザは、シーン保存操作として、第一対象機器、及び、時間帯を指定する操作を行う。図7の例では、第一対象機器として、照明機器31a、空調機器32a、電動シャッター33a、及び、空気清浄機34aが指定され、時間帯として19:00~23:00が指定される。
【0039】
受付部21aによってシーン保存操作が受け付けられると、制御部23aは、通信部25aにシーン保存指令をコントローラ20cへ送信させる(S15)。
【0040】
コントローラ20cの通信部25cは、シーン保存指令を受信する。制御部23cは、記憶部24cに記憶された機器状態情報を参照することにより、シーン保存指令において指定されている時間帯(例えば、19:00~23:00の所定期間)に指定された第一対象機器(複数の第一機器30a)がどのように動作したかを特定する。つまり、制御部23cは、所定期間において第一空間80aに設置された複数の第一機器30aがどのように動作したかを示す第一情報を記憶部24cから取得する(S16)。図8は、第一情報の具体例を示す図である。
【0041】
次に、制御部23cは、取得した第一情報に基づいて、上記所定期間(19:00~23;00)における第一空間80aの環境を再現するための複数の第一機器30aの制御内容を決定する(S17)。制御部23cは、例えば、以下のルール(1)~(4)に従って制御内容を決定する。なお、以下の(1)~(4)のルールにおいて、第一対象機器が電動シャッター33aである場合、オンが開放、オフが閉鎖に読み替えられる。
【0042】
(1)所定期間内にオン及びオフの両方が行われた第一対象機器は、オン制御
(2)所定期間内にオンだけが行われた第一対象機器は、オン制御
(3)所定期間内にオフだけが行われた第一対象機器は、オフ制御
(4)所定期間内にオンもオフも行われなかった対象機器は、第一対象機器から除外
【0043】
なお、ルール(1)~(4)は、一例であり、ルールの定め方は特に限定されない。例えば、ルール(1)は、所定期間内にオン及びオフの両方が行われた第一対象機器は、オフ制御、であってもよい。また、ルール(4)は、所定期間内にオンもオフも行われなかった第一対象機器は、オン制御、であってもよい。
【0044】
図8の第一情報に、上記ルール(1)~(4)を当てはめると、ステップS17においては、空調機器32aをオンし、電動シャッター33aを閉じ、空気清浄機34aをオフするという制御内容(図8の黒丸の位置における制御に対応)が決定される。照明機器31aは、当初は第一対象機器として指定されていたが、ルール(4)にしたがって第一対象機器から除外される。
【0045】
次に、制御部23cは、決定された制御内容を示す第二情報を、通信部25cにコントローラ20bへ送信させる(S18)。図9は、第二情報の具体例を示す図であり、図9に示されるように、第二情報は、機器の種別と、制御内容とが対応付けられた情報である。
【0046】
コントローラ20bの通信部25bは、第二情報を受信する。制御部23bは、受信された第二情報が示す制御内容を再現するための再現制御の第二対象機器を、コントローラ20bの配下の複数の第二機器30bの中から選択する(S19)。
【0047】
制御部23bは、具体的には、取得された第二情報によって示される第一対象機器の種別と、複数の第二機器30bの種別とを照合する。複数の第二機器30bには、図9に示される制御内容を実現するために必要な3種の機器(空調機器、電動シャッター、空気清浄機)の全てが含まれている。したがって、ステップS19において、制御部23bは、複数の第二機器30bのうち再現制御に必要な3種の機器に対応する、空調機器32b、電動シャッター33b、及び、空気清浄機34bを第二対象機器として選択する。
【0048】
次に、制御部23bは、選択した第二対象機器と第二情報によって示される制御内容とを紐づけたシーン情報を生成し、記憶部24bに保存(記憶)する(S20)。シーン情報は、機器を制御するための制御情報の一例である。
【0049】
次に、制御部23bは、再現制御を実行するためのオブジェクトを表示部22bに表示させる(S21)。図10は、再現制御を実行するためのオブジェクト22b1が表示された表示画面の一例を示す図である。
【0050】
その後、ユーザが第二空間80bに移動し、オブジェクト22b1を操作すると、受付部21bは、オブジェクト22b1への操作を再現制御の実行指示として受け付ける(S22)。制御部23bは、実行指示が受け付けられたことを契機に、ステップS20において保存されたシーン情報に基づいて、通信部25bに、選択された第二対象機器へ制御信号を送信させる。これにより再現制御が実行される(S23)。つまり、空調機器32bがオンされ、電動シャッター33bが閉じられ、空気清浄機34bがオフされる。ユーザは、オブジェクト22b1をワンタッチするだけで第一空間80aにおける第一機器30aの動作状態を、第二空間80bにおいて再現することができる。
【0051】
一方、ステップS18の後、コントローラ20cの制御部23cは、ステップS17において決定した制御内容を再現するための再現制御の第三対象機器を、コントローラ20cの配下の複数の第三機器30cの中から選択する(S24)。
【0052】
制御部23cは、具体的には、第一対象機器の種別と、複数の第三機器30cの種別とを照合する。ここで、複数の第三機器30cには、図9に示される制御内容を実現するために必要な3種の機器(空調機器、電動シャッター、空気清浄機)のうち2種類(空調機器32c、及び、電動シャッター33c)しか含まれておらず、空気清浄機は含まれていない。
【0053】
したがって、ステップS24において、制御部23cは、複数の第三機器30cのうち再現制御に必要な3種の機器のうち2種に対応する、空調機器32c、及び、電動シャッター33cを第三対象機器として選択する。このように、制御部23cは、複数の第三機器30cに、ステップS17において決定された制御内容を実現するために必要なm(mは2以上の自然数)種の機器のうち、n(nはmより小さい自然数)種の機器しか含まれていない場合に、n種の機器を再現制御の第三対象機器として選択する。なお、上記ステップS19においても機器の種類に不足がある場合には同様の選択が行われる。
【0054】
次に、制御部23cは、選択した第三対象機器と、ステップS17において決定された制御内容とを紐づけたシーン情報を生成し、記憶部24cに保存(記憶)する(S25)。
【0055】
次に、制御部23cは、再現制御を実行するためのオブジェクトを表示部22cに表示させる(S26)。図11は、再現制御を実行するためのオブジェクト22c1が表示された表示画面の一例を示す図である。
【0056】
その後、ユーザが第三空間80cに移動し、オブジェクト22c1を操作すると、受付部21cは、オブジェクト22c1への操作を再現制御の実行指示として受け付ける(S27)。制御部23cは、実行指示が受け付けられたことを契機に、ステップS25において保存されたシーン情報に基づいて、通信部25cに、選択された第三対象機器へ制御信号を送信させる。これにより再現制御が実行される(S28)。つまり、空調機器32cがオンされ、電動シャッター33cが閉じられる。ユーザは、オブジェクト22c1をワンタッチするだけで第一空間80aにおける第一機器30aの動作状態を、可能な範囲で、第三空間80cにおいて再現することができる。
【0057】
以上説明したように、機器制御システム10によれば、ユーザは、第一空間80aにおける第一機器30aの動作状態を、第二空間80bまたは第三空間80cにおいて容易に再現することができる。
【0058】
[動作例2]
動作例1では、コントローラ20cが施設80に設置された機器の動作状態を管理する親機として機能したが、コントローラ20aが親機として機能する場合もある。以下、このような場合のシーン再現動作について説明する。図12は、機器制御システム10の動作例2のシーケンス図である。
【0059】
第二空間80bに設置されたコントローラ20bは、複数の第二機器30bの動作状態を定期的にコントローラ20a(親機)に送信する(S31)。同様に、第三空間80cに設置されたコントローラ20cは、複数の第三機器30cの動作状態を定期的にコントローラ20aに送信する(S32)。コントローラ20aは、コントローラ20bから受信した複数の第二機器30bの動作状態、及び、コントローラ20cから受信した複数の第三機器30cの動作状態に加えて、コントローラ20aの配下の複数の第一機器30aの動作状態を記憶部24aに機器状態情報として記憶している(S33)。つまり、コントローラ20aは、施設80に設置された全ての機器の動作状態を管理している。
【0060】
当初、ユーザは、第一空間80aに位置している。ユーザは、コントローラ20aに対してシーン保存操作を行い、受付部21aは、シーン保存操作を受け付ける(S34)。受付部21aによってシーン保存操作が受け付けられると、制御部23aは、記憶部24aに記憶された機器状態情報を参照することにより、シーン保存指令において指定されている時間帯に指定された第一対象機器(複数の第一機器30a)がどのように動作したかを特定する。つまり、制御部23aは、所定期間において第一空間80aに設置された複数の第一機器30aがどのように動作したかを示す第一情報を記憶部24aから取得する(S35)。
【0061】
次に、制御部23aは、取得した第一情報に基づいて、上記所定期間における第一空間80aの環境を再現するための複数の第一機器30aの制御内容を決定する(S36)。
【0062】
次に、制御部23aは、決定された制御内容を示す第二情報を、通信部25aにコントローラ20b及びコントローラ20cのそれぞれへ送信させる(S37、S38)。
【0063】
コントローラ20bの通信部25bは、第二情報を受信する。そうすると、制御部23bは、ステップS39~ステップS43の処理を行う。ステップS39~ステップS43の処理は、ステップS19~ステップS23の処理と同様である。
【0064】
一方、コントローラ20cの通信部25cも、第二情報を受信する。そうすると、制御部23cは、受信された第二情報が示す制御内容を再現するための再現制御の第三対象機器を、コントローラ20cの配下の複数の第三機器30cの中から選択する(S44)。また、制御部23cは、選択した第三対象機器と第二情報によって示される制御内容とを紐づけたシーン情報を生成し、記憶部24cに保存(記憶)する(S45)。そして、制御部23cは、ステップS46~ステップS48の処理を行う。ステップS46~ステップS48の処理は、ステップS26~S28の処理と同様である。
【0065】
以上説明したように、機器制御システム10によれば、ユーザは、第一空間80aにおける第一機器30aの動作状態を、第二空間80bまたは第三空間80cにおいて容易に再現することができる。
【0066】
[動作例3]
動作例1では、コントローラ20b及びコントローラ20cのそれぞれがシーン情報を生成して保存した。ここで、コントローラ20c(親機)は、施設80内の全ての機器の情報を管理しているので、コントローラ20cがシーン情報を生成し、コントローラ20bに配信することもできる。つまり、動作例1における、ステップS19の処理と、ステップS20の処理のうちシーン情報の生成処理とを、コントローラ20bの代わりにコントローラ20cが実行してもよい。
【0067】
また、この場合、コントローラ20cは、コントローラ20c用のシーン情報と、コントローラ20b用のシーン情報をそれぞれ別に生成するのではなく、複数の第二機器30b、及び、複数の第三機器30cに共通して含まれる機器を考慮して、シーン情報を共通化してもよい。以下、このような場合のシーン再現動作について説明する。図13は、機器制御システム10の動作例3のシーケンス図である。
【0068】
ステップS51~ステップS57の処理は、ステップS11~ステップS17の処理と同様である。ステップS57の処理の後、コントローラ20cの制御部23cは、ステップS57において決定した制御内容(上記図9によって示される制御内容)を実現するために必要な3種の機器(空調機器、電動シャッター、空気清浄機)のうち、複数の第二機器30b及び複数の第三機器30cに共通して含まれる機器を、再現制御の対象機器として選択する(S58)。
【0069】
ここで、記憶部24cには、複数の第一機器30a、複数の第二機器30b、及び、複数の第三機器30cに含まれる機器の種別を示す機器種別情報が記憶されている。図14は、機器種別情報の一例を示す図である。制御部23cは、記憶部24cに記憶された機器種別情報を参照して、必要な3種の機器(空調機器、電動シャッター、空気清浄機)のうち、複数の第二機器30b及び複数の第三機器30cに共通して含まれる機器が、空調機器、及び、電動シャッターであることを特定することができる。つまり、制御部23cは、ステップS57において決定された制御内容を実行するために必要なm(mは2以上の自然数)種の機器のうち、複数の第二機器30b、及び、複数の第三機器30cに共通して含まれる機器がn(nはmより小さい自然数)種だけである場合に、n種の機器を対象機器とする。
【0070】
そして制御部23cは、選択した対象機器と、ステップS57において決定された制御内容とを紐づけたシーン情報を生成し、記憶部24cに保存(記憶)する(S59)。また、制御部23cは、生成したシーン情報を通信部25cにコントローラ20bへ送信させる(S60)。
【0071】
コントローラ20bの通信部25bは、シーン情報を受信する。制御部23bは、受信されたシーン情報を記憶部24bに保存(記憶)する(S61)。その後、制御部23bは、ステップS62~ステップS64の処理を行う。ステップS62~ステップS64の処理は、ステップS21~ステップS23の処理と同様である。
【0072】
一方、ステップS60の後、コントローラ20cの制御部23cは、ステップS65~ステップS67の処理を行う。ステップS65~ステップS67の処理は、ステップS26~ステップS28の処理と同様である。
【0073】
以上説明したように、機器制御システム10は、複数の第二機器30b、及び、複数の第三機器30cに共通して含まれる機器を考慮して、シーン情報を共通化することができる。動作例3によれば、機器制御システム10が備えるコントローラの数が多いような場合に、シーン情報の生成処理を1つのコントローラ(親機)だけで行い、シーン制御情報を他のコントローラにブロードキャスト配信することが可能である。したがって、機器制御システム10は、情報処理の効率化を図ることができる。
【0074】
[動作例4]
動作例3では、コントローラ20cが施設80における機器の動作状態を管理する親機として機能したが、コントローラ20aが親機として機能する場合もある。以下、このような場合のシーン再現動作について説明する。図15は、機器制御システム10の動作例4のシーケンス図である。
【0075】
ステップS71~ステップS76の処理は、ステップS31~ステップS36の処理と同様である。ステップS76の処理の後、コントローラ20aの制御部23aは、ステップS76において決定した制御内容を実現するために必要な3種の機器(空調機器、電動シャッター、空気清浄機)のうち、複数の第二機器30b及び複数の第三機器30cに共通して含まれる機器を、再現制御の対象機器として選択する(S77)。
【0076】
ここで、記憶部24aには、複数の第一機器30a、複数の第二機器30b、及び、複数の第三機器30cに含まれる機器の種別を示す機器種別情報(図14)が記憶されている。制御部23aは、記憶部24aに記憶された機器種別情報を参照して、必要な3種の機器(空調機器、電動シャッター、空気清浄機)のうち、複数の第二機器30b及び複数の第三機器30cに共通して含まれる機器が、空調機器、及び、電動シャッターであることを特定することができる。つまり、制御部23aは、ステップS76において決定された制御内容を実行するために必要なm(mは2以上の自然数)種の機器のうち、複数の第二機器30b、及び、複数の第三機器30cに共通して含まれる機器がn(nはmより小さい自然数)種だけである場合に、n種の機器を対象機器とする。
【0077】
そして制御部23aは、選択した対象機器と、ステップS76において決定された制御内容とを紐づけたシーン情報を生成し、記憶部24cに保存(記憶)する(S78)。また、制御部23aは、生成したシーン情報を通信部25cにコントローラ20b及びコントローラ20cのそれぞれへ送信させる(S79、S80)。
【0078】
コントローラ20bの通信部25bは、シーン情報を受信する。制御部23bは、ステップS81~ステップS84の処理を行う。ステップS81~ステップS84の処理は、ステップS61~ステップS64の処理と同様である。
【0079】
コントローラ20cの通信部25cは、シーン情報を受信する。制御部23cは、受信されたシーン情報を記憶部24bに保存(記憶)する(S85)。その後、制御部23cは、ステップS86~ステップS88の処理を行う。ステップS86~ステップS88の処理は、ステップS65~ステップS67の処理と同様である。
【0080】
以上説明したように、機器制御システム10は、複数の第二機器30b、及び、複数の第三機器30cに共通して含まれる機器を考慮して、シーン情報を共通化することができる。動作例4によれば、機器制御システム10が備えるコントローラの数が多いような場合に、シーン情報の生成処理を1つのコントローラ(親機)だけで行い、シーン制御情報を他のコントローラにブロードキャスト配信することが可能である。したがって、機器制御システム10は、情報処理の効率化を図ることができる。
【0081】
[変形例1]
上記実施の形態では、0よりも長い所定期間における複数の第一機器の動作状態に基づいて、制御内容が決定された。しかしながら、例えば、ユーザがシーン保存操作を行ったタイミング(例えば、シーン保存操作を行った瞬間)における機器の動作状態がそのまま制御内容として決定されてもよい。
【0082】
[変形例2]
また、上記実施の形態のステップS14等においては、第一対象機器を指定する操作が行われた。ここで、例えば、照明機器及び空調機器のみが第一対象機器として一定期間(例えば、1週間)以上指定された後、この一定期間に一度も制御されていなかった第一機器30a(例えば、床暖房35a)が制御されたときには、この第一機器30aが自動的に第一対象機器として指定されてもよい。なお、上記実施の形態のステップS14等において、第一対象機器を指定する操作が行われることは必須ではなく、このような操作は省略されて、全ての第一機器30aが第一対象機器とされてもよい。
【0083】
[変形例3]
また、シーン情報が保存された後に、第二対象機器(または第三対象機器)が故障などにより機器制御システム10の登録機器から除外され、新たな機器が登録される場合が考えられる。この場合、新たな機器がシーン情報に自動的に追加されてもよい。図16は、このような機器制御システム10の変形例3に係る動作のフローチャートである。なお、以下の説明では、コントローラ20bが図16の動作を行うものとして説明が行われるが、コントローラ20cも同様の動作を行うことができる。
【0084】
コントローラ20bの制御部23bは、記憶部24bに保存されているシーン情報に含まれる第二機器30b(つまり、第二対象機器)の登録が解除されたか否かを判定する(S91)。第二対象機器の登録が解除されていないと判定された場合(S91でNo)、動作は終了となる。
【0085】
一方、制御部23bは、第二対象機器の登録が解除されたと判定すると(S91でYes)、登録が解除された機器と同じ種別の機器が新たに第二機器30bとして登録されたか否かを判定する(S92)。登録が解除された機器と同じ種別の機器が新たに第二機器30bとして登録されていないと判定された場合(S92でNo)、動作は終了となる。
【0086】
制御部23bは、登録が解除された機器と同じ種別の機器が新たに第二機器30bとして登録されたと判定すると(S92でYes)、この第二機器を第二対象機器として登録する(S93)。つまり、新たな機器がシーン情報に自動的に追加される。
【0087】
このように機器制御システム10は、機器の入れ替えがあった場合も自動的にシーン情報を更新することができる。なお、図16の動作は、例えば、第二機器30bの登録解錠があったとき、または、第二機器30bへの新規登録があったときに行われるが、毎日所定時刻になると行われるなど、定期的に行われてもよいし、ユーザの受付部21bへの操作に基づいて行われてもよい。
【0088】
[変形例4]
機器制御システム10は、再現制御が実行された時刻を管理し、一度再現制御が行われて以降は、再現制御が行われた時刻よりも前に再現制御を実行してもよい。図17は、このような機器制御システム10の変形例4に係る動作のフローチャートである。なお、以下の説明では、コントローラ20bが図17の動作を行うものとして説明が行われるが、コントローラ20cも同様の動作を行うことができる。
【0089】
コントローラ20bの受付部21bは、再現制御を実行する時間に関する指定を受け付ける(S101)。例えば、30分前、1時間前などのように時間が指定される。指定された時間は、記憶部24bに記憶される。
【0090】
次に、受付部21bは、再現制御の実行指示を受け付ける(S102)。再現制御の実行指示が受け付けられた時刻は、記憶部24bに記憶される。
【0091】
次に、制御部23bは、再現制御が実行された時刻の、指定された時間だけ前の時刻を、翌日以降に再現制御が実行される時刻として決定する(S103)。
【0092】
この結果、翌日以降は、ユーザが再現制御の実行を指示しなくても、再現制御が自動的に実行される。なお、ユーザは、再現制御の実行時刻を直接指定してもよい。
【0093】
[効果等]
以上説明したように、動作例1において、コントローラ20cは、所定期間において第一空間80aに設置された複数の第一機器30aがどのように動作したかを示す第一情報を取得し、取得した第一情報に基づいて、所定期間における第一空間80aの環境を再現するための複数の第一機器30aの制御内容を決定する制御部23cと、決定された制御内容を示す第二情報を、第一空間80aと異なる第二空間80bに設置された複数の第二機器30bを制御する他のコントローラ20bに送信する通信部25cとを備える。コントローラ20cは、第一空間80a及び第二空間80bのいずれとも異なる第三空間80cに設置され、第三空間80cに設置された複数の第三機器を制御する。
【0094】
このようなコントローラ20cは、第二情報をコントローラ20bに送信することで、第一空間80aにおける第一機器30aの動作状態を第二空間80bにおいて再現することを支援することができる。
【0095】
また、動作例1において、第一空間80a、第二空間80b、及び、第三空間80cは、1つの施設80内に位置する互いに異なる部屋である。制御部23cは、通信部25cが、第一空間80aに設置されて複数の第一機器30aを制御するコントローラ20aから局所通信ネットワークを通じて受信した第一情報を取得する。通信部25cは、第二情報を、局所通信ネットワークを通じて他のコントローラ20bに送信する。コントローラ20aは、第一コントローラの一例であり、コントローラ20bは、第二コントローラの一例である。
【0096】
このようなコントローラ20cは、局所通信ネットワークを通じて第二情報をコントローラ20bに送信することで、第一空間80aにおける第一機器30aの動作状態を第二空間80bにおいて再現することを支援することができる。
【0097】
また、動作例1において、コントローラ20cは、さらに、決定された制御内容を再現するための再現制御の実行指示を受け付ける受付部21cを備える。制御部23cは、複数の第三機器30cに、決定された制御内容を実現するために必要なm(mは2以上の自然数)種の機器のうち、n(nはmより小さい自然数)種の機器しか含まれていない場合に、n種の機器を再現制御の対象機器として選択する。制御部23cは、実行指示が受け付けられた場合に、通信部25cに、選択された対象機器へ制御信号を送信させることにより、再現制御を実行する。
【0098】
このようなコントローラ20cは、第二空間80bにおいて機器の種類に不足があるような場合も、第一空間80aにおける第一機器30aの動作状態の再現を図ることができる。
【0099】
また、動作例3において、コントローラ20cは、さらに、複数の第二機器30bの種別を示す機器種別情報が記憶された記憶部24cと、決定された制御内容を再現するための再現制御の実行指示を受け付ける受付部21cとを備える。制御部23cは、決定された制御内容を実行するために必要なm(mは2以上の自然数)種の機器のうち、複数の第二機器30b、及び、複数の第三機器30cに共通して含まれる機器がn(nはmより小さい自然数)種だけである場合に、複数の第三機器30cに含まれるn種の機器を、決定された制御内容を再現するための再現制御の対象機器として選択する。制御部23cは、実行指示が受け付けられた場合に、通信部25cに、選択された対象機器へ制御信号を送信させることにより、再現制御を実行する。
【0100】
このようなコントローラ20cは、第二空間80b及び第三空間80cのそれぞれにおいて機器の種類に不足があるような場合も、第二空間80b及び第三空間80cにおいて再現レベルを合わせて、第一空間80aにおける第一機器30aの動作状態の再現を図ることができる。
【0101】
また、動作例1及び3において、コントローラ20cは、さらに、再現制御を実行するためのオブジェクトを表示する表示部22cを備える。受付部21cは、表示されたオブジェクト22c1への操作を実行指示として受け付ける。
【0102】
このようなコントローラ20cは、オブジェクト22c1への操作を契機に、第一空間80aにおける第一機器30aの動作状態を第二空間80bにおいて再現することができる。
【0103】
また、動作例2において、コントローラ20aは、所定期間において第一空間80aに設置された複数の第一機器30aがどのように動作したかを示す第一情報を取得し、取得した第一情報に基づいて、所定期間における第一空間80aの環境を再現するための複数の第一機器30aの制御内容を決定する制御部23aと、決定された制御内容を示す第二情報を、第一空間80aと異なる第二空間80bに設置された他のコントローラ20bに送信する通信部25cとを備える。コントローラ20aは、第一空間80aに設置され、複数の第一機器30aを制御する。
【0104】
このようなコントローラ20aは、第二情報をコントローラ20bに送信することで、第一空間80aにおける第一機器30aの動作状態を第二空間80bにおいて再現することを支援することができる。
【0105】
また、動作例1及び2において、コントローラ20bは、第一空間80aに設置された複数の第一機器30aの制御内容を示す第二情報を受信する通信部25aと、受信された情報によって示される複数の第一機器30aの種別と、第一空間80aと異なる第二空間80bに設置された複数の第二機器30bの種別とを照合することにより、複数の第二機器30bの少なくとも一部を、受信された第二情報によって示される制御内容を再現するための再現制御の対象機器として選択する制御部23bと、再現制御の実行指示を受け付ける受付部21bとを備える。制御部23bは、実行指示が受け付けられた場合に、通信部25bに、選択された対象機器へ制御信号を送信させることにより、再現制御を実行する。
【0106】
このようなコントローラ20bは、第二情報によって示される制御内容にしたがって複数の第二機器30bを制御することで、第一空間80aにおける第一機器30aの動作状態を第二空間80bにおいて再現することができる。
【0107】
また、動作例1及び2において、制御部23bは、複数の第二機器に、受信された情報によって示される制御内容を実現するために必要なm(mは2以上の自然数)種の機器のうち、n(nはmより小さい自然数)種の機器しか含まれていない場合に、n種の機器を再現制御の対象機器として選択する。
【0108】
このようなコントローラ20bは、第二空間80bにおいて機器の種類に不足があるような場合も、第一空間80aにおける第一機器30aの動作状態の再現を図ることができる。
【0109】
また、動作例1及び2において、コントローラ20bは、さらに、再現制御を実行するためのオブジェクト22b1を表示する表示部22bを備え、受付部21bは、表示されたオブジェクト22b1への操作を実行指示として受け付ける。
【0110】
このようなコントローラ20bは、オブジェクト22b1への操作を契機に、第一空間80aにおける第一機器30aの動作状態を第二空間80bにおいて再現することができる。
【0111】
また、機器制御システム10は、コントローラ20c(またはコントローラ20a)と、コントローラ20cと異なる他のコントローラ20bとを備える。コントローラ20cは、所定期間において第一空間80aに設置された複数の第一機器30aがどのように動作したかを示す第一情報を取得し、取得した第一情報に基づいて、所定期間における第一空間80aの環境を再現するための複数の第一機器30aの制御内容を決定する制御部23cと、決定された制御内容を示す第二情報を、第一空間80aと異なる第二空間80bに設置された複数の第二機器30bを制御する他のコントローラ20cに送信する通信部25cとを備える。他のコントローラ20bは、第二情報を受信する通信部25bと、受信された第二情報によって示される複数の第一機器30aの種別と、第二空間80bに設置された複数の第二機器30bの種別とを照合することにより、複数の第二機器30bの少なくとも一部を、受信された第二情報によって示される制御内容を再現するための再現制御の対象機器として選択する制御部23bと、再現制御の実行指示を受け付ける受付部21bとを備える。制御部23bは、実行指示が受け付けられた場合に、通信部25cに、選択された対象機器へ制御信号を送信させることにより、再現制御を実行する。制御部23cは、第一制御部の一例であり、通信部25cは、第一通信部の一例である。通信部25bは、第二通信部の一例であり、制御部23bは、第二制御部の一例である。
【0112】
このような機器制御システム10は、第一空間80aにおける第一機器30aの動作状態を第二空間80bにおいて再現することができる。
【0113】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0114】
例えば、上記実施の形態では、制御内容は、機器のオン及びオフなどであったが、制御内容には、照明機器の明るさ(調光レベル)、照明機器の色温度、空調機器の設定温度、及び、空調機器の運転モード、などの詳細内容が含まれてもよい。
【0115】
また、上記実施の形態では、コントローラによって制御される機器として、照明機器、空調機器、電動シャッター、空気清浄機、及び、床暖房が例示されたが、コントローラによって制御される機器は、特に限定されない。例えば、コントローラによって制御される機器には、電気錠、及び、電動カーテンなどが含まれてもよい。
【0116】
また、上記実施の形態では、機器制御システムが備える複数のコントローラは、工業製品として同一の装置であると説明されたが、複数のコントローラは必ずしも同一の仕様である必要はない。複数のコントローラは仕様が異なってもよい。
【0117】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。例えば、あるコントローラによって行われる処理の一部または全部は、他のコントローラによって行われてもよい。
【0118】
また、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。装置間では、無線通信が行われてもよいし、有線通信が行われてもよい。また、装置間では、無線通信及び有線通信が組み合わされてもよい。また、上記実施の形態において2つの装置が通信を行う場合、2つの装置間には図示されない中継装置が介在してもよい。
【0119】
また、上記実施の形態のフローチャートまたはシーケンス図で説明された処理の順序は、一例である。複数の処理の順序は変更されてもよいし、複数の処理は並行して実行されてもよい。
【0120】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0121】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0122】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0123】
例えば、本発明は、機器制御システムなどのコンピュータによって実行される制御方法として実現されてもよいし、このような制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。また、本発明は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0124】
また、上記実施の形態では、機器制御システムは、複数の装置によって実現されたが、単一の装置として実現されてもよい。機器制御システムは、例えば、コントローラに相当する単一の装置として実現されてもよい。機器制御システムが複数の装置によって実現される場合、機器制御システムが備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。
【0125】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0126】
10 機器制御システム
20a、20b、20c コントローラ
21a、21b、21c 受付部
22a、22b、22c 表示部
22b1、22c1 オブジェクト
23a、23b、23c 制御部
24a、24b、24c 記憶部
25a、25b、25c 通信部
30a 第一機器
30b 第二機器
30c 第三機器
80 施設
80a 第一空間
80b 第二空間
80c 第三空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17