(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/258 20110101AFI20240830BHJP
H04N 21/235 20110101ALI20240830BHJP
G06F 16/48 20190101ALI20240830BHJP
【FI】
H04N21/258
H04N21/235
G06F16/48
(21)【出願番号】P 2023549460
(86)(22)【出願日】2022-09-07
(86)【国際出願番号】 JP2022033506
(87)【国際公開番号】W WO2023047952
(87)【国際公開日】2023-03-30
【審査請求日】2024-02-01
(31)【優先権主張番号】P 2021154872
(32)【優先日】2021-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】山口 聖貴
(72)【発明者】
【氏名】上田 功
(72)【発明者】
【氏名】上坂 靖
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 成吾
【審査官】大西 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-070175(JP,A)
【文献】特開2013-229724(JP,A)
【文献】特開2014-049892(JP,A)
【文献】特開2015-201719(JP,A)
【文献】特開2016-118813(JP,A)
【文献】特開2016-134859(JP,A)
【文献】特開2019-079560(JP,A)
【文献】国際公開第2013/121470(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 -21/858
G06F 16/00 -16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが過去の所定期間内において視聴した放送コンテンツの視聴履歴を取得する取得部と、
それぞれが、視聴者における複数種類の嗜好のそれぞれに対応する複数種類の嗜好タグの中から、放送コンテンツのそれぞれに対して付与された個々の前記嗜好タグに関する第1スコアを付与する第1評価部と、
前記嗜好タグを2以上組合せた組合せ嗜好タグであって複数パターンの組合せ嗜好タグ、及び、1種類の前記嗜好タグのみが付与された場合の放送コンテンツにおける単独嗜好タグであって複数パターンの単独嗜好タグのうち、放送コンテンツのそれぞれに対応する前記組合せ嗜好タグ又は前記単独嗜好タグに関する第2スコアを付与する第2評価部と、
取得された前記視聴履歴に含まれる放送コンテンツのそれぞれにおいて算出された前記第1スコアを格納する第1嗜好情報テーブルと、
取得された前記視聴履歴に含まれる放送コンテンツのそれぞれにおいて算出された前記第2スコアを格納する第2嗜好情報テーブルと、
前記第1嗜好情報テーブル及び前記第2嗜好情報テーブルを参照し、前記所定期間内におけるユーザの嗜好に適合する嗜好情報であって、複数種類の前記嗜好タグ、複数パターンの前記組合せ嗜好タグ、及び、複数パターンの前記単独嗜好タグの中から1以上を組み合わせた嗜好情報を出力する出力部と、を備える
情報処理装置。
【請求項2】
前記第1評価部は、一の放送コンテンツにおいて、
複数種類の前記嗜好タグの中で、一の放送コンテンツに付与された前記嗜好タグに対して、第1値を前記第1スコアとして付与し、
複数種類の前記嗜好タグの中で、前記一の放送コンテンツに付与されていない前記嗜好タグに対して、前記第1値とは異なる第2値を前記第1スコアとして付与する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2評価部は、一の放送コンテンツにおいて、
複数パターンの前記組合せ嗜好タグの中の、1つのパターンの前記組合せ嗜好タグに対して、当該組合せ嗜好タグにおいて組合せられている2以上の前記嗜好タグの前記一の放送コンテンツにおいて付与された前記第1スコアがいずれも前記第1値である場合に、当該組合せ嗜好タグに対して前記第1値を前記第2スコアとして付与し、かつ、複数パターンの前記単独嗜好タグの中の、当該組合せ嗜好タグにおいて組合せられている2以上の前記嗜好タグのそれぞれのみが付与された場合のパターンの前記単独嗜好タグのそれぞれに対して、前記第2値を前記第2スコアとして付与し、
当該組合せ嗜好タグにおいて組合せられている2以上の前記嗜好タグの前記一の放送コンテンツにおいて付与された前記第1スコアの少なくとも一方が前記第2値である場合に、当該組合せ嗜好タグに対して前記第2値を前記第2スコアとして付与し、かつ、複数パターンの前記単独嗜好タグの中の、当該組合せ嗜好タグにおいて組合せられている2以上の前記嗜好タグのそれぞれのみが付与された場合のパターンの前記単独嗜好タグのそれぞれに対して、対応する前記嗜好タグに前記第1スコアとして付与された数値を前記第2スコアとして付与する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1評価部は、一の放送コンテンツにおいて、
複数種類の前記嗜好タグの中で、一の放送コンテンツに付与された前記嗜好タグに対して、第1値と、前記第1値とは異なる第3値との間の数値であって、当該放送コンテンツと当該嗜好タグとの関連度に応じた数値を前記第1スコアとして付与し、
複数種類の前記嗜好タグの中で、前記一の放送コンテンツに付与されていない前記嗜好タグに対して、前記第1値と前記第3値との間に含まれない数値である第2値をスコアとして付与する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第2評価部は、一の放送コンテンツにおいて、
複数パターンの前記組合せ嗜好タグの中の、1つのパターンの前記組合せ嗜好タグに対して、当該組合せ嗜好タグにおいて組合せられている2以上の前記嗜好タグの前記一の放送コンテンツにおいて付与された前記第1スコアがいずれも前記第2値でない数値の場合に、当該組合せ嗜好タグに対して前記第1スコアの数値のうち最も小さい数値を前記第2スコアとして付与し、かつ、複数パターンの前記単独嗜好タグの中の、当該組合せ嗜好タグにおいて組合せられている2以上の前記嗜好タグのそれぞれのみが付与された場合のパターンの前記単独嗜好タグのそれぞれに対して、前記第2値を前記第2スコアとして付与し、
当該組合せ嗜好タグにおいて組合せられている2以上の前記嗜好タグの前記一の放送コンテンツにおいて付与された前記第1スコアの少なくとも一方が前記第2値である場合に、当該組合せ嗜好タグに対して前記第2値を前記第2スコアとして付与し、かつ、複数パターンの前記単独嗜好タグの中の、当該組合せ嗜好タグにおいて組合せられている2以上の前記嗜好タグのそれぞれのみが付与された場合のパターンの前記単独嗜好タグのそれぞれに対して、対応する前記嗜好タグに前記第1スコアとして付与された数値を前記第2スコアとして付与する
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記出力部は、
前記第1嗜好情報テーブルに格納された複数種類の前記嗜好タグごとに、取得された前記視聴履歴に含まれる放送コンテンツすべての前記第1スコアの累計を算出し、
前記第2嗜好情報テーブルに格納された複数パターンの前記組合せ嗜好タグ及び複数パターンの前記単独嗜好タグごとに、取得された前記視聴履歴に含まれる放送コンテンツすべての前記第2スコアの累計を算出し、
算出した前記第1スコアの累計及び前記第2スコアの累計に基づいて、複数種類の前記嗜好タグ、複数パターンの前記組合せ嗜好タグ、及び、複数パターンの前記単独嗜好タグの中から1以上を組み合わせた前記嗜好情報を出力する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
ユーザが過去の所定期間内において視聴した放送コンテンツの視聴履歴を取得する取得ステップと、
それぞれが、視聴者における複数種類の嗜好のそれぞれに対応する複数種類の嗜好タグの中から、放送コンテンツのそれぞれに対して付与された個々の前記嗜好タグに関する第1スコアを付与する第1評価ステップと、
前記嗜好タグを2以上組合せた組合せ嗜好タグであって複数パターンの組合せ嗜好タグ、及び、1種類の前記嗜好タグのみが付与された場合の放送コンテンツにおける単独嗜好タグであって複数パターンの単独嗜好タグのうち、放送コンテンツのそれぞれに対応する前記組合せ嗜好タグ又は前記単独嗜好タグに関する第2スコアを付与する第2評価ステップと、
取得された前記視聴履歴に含まれる放送コンテンツのそれぞれにおいて算出された前記第1スコアを格納する第1格納ステップと、
取得された前記視聴履歴に含まれる放送コンテンツのそれぞれにおいて算出された前記第2スコアを格納する第2格納ステップと、
前記第1格納ステップ及び前記第2格納ステップで格納された前記第1スコア及び前記第2スコアを参照し、前記所定期間内におけるユーザの嗜好に適合する嗜好情報であって、複数種類の前記嗜好タグ、複数パターンの前記組合せ嗜好タグ、及び、複数パターンの前記単独嗜好タグの中から1以上を組み合わせた嗜好情報を出力する出力ステップと、を含む
情報処理方法。
【請求項8】
1以上のプロセッサに、
請求項7に記載の情報処理方法を実行させる
プログラム。
【請求項9】
請求項1~6のいずれか1項に記載の情報処理装置と、
出力された前記嗜好情報に基づいてユーザに提示するための1以上の放送コンテンツを選択するマッチング装置と、
選択された1以上の放送コンテンツのそれぞれと前記嗜好情報とに基づく評価度を算出する評価度算出部と、
選択された1以上の放送コンテンツと共に、当該放送コンテンツの内容に関する情報と、当該放送コンテンツに対して算出された前記評価度と、当該放送コンテンツに付与された、複数種類の前記嗜好タグ、複数パターンの前記組合せ嗜好タグ、及び、複数パターンの前記単独嗜好タグの中から1以上を組み合わせたタグ情報であって、ユーザの前記嗜好情報との間で一致するタグ情報と、を含む画像を生成する図示化部と、を備える
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ユーザが視聴した放送コンテンツの視聴履歴からユーザの嗜好を推定するための情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、情報処理装置を開示している。この情報処理装置は、取得部と、解析部と、評価部と、視覚化部と、表示部と、を備える。取得部は、番組の番組情報(視聴率、番組説明、キーワード、放送開始時刻、終了時刻、出演者、番組の感想及びその数、番組紹介情報の再利用の回数、番組P1のオフィシャルサイトを介して受け付けたコメントの数、並びに利用履歴)を取得する。解析部は、番組情報を数値化する。評価部は、解析部による数値化により得られた数値に基づいて、番組を評価する。視覚化部は、評価部による評価結果をまとめて図式化する。表示部は、視覚化部により図示化された評価結果を提示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、ユーザの嗜好を推定する精度を向上しやすい情報処理システム等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、ユーザが過去の所定期間内において視聴した放送コンテンツの視聴履歴を取得する取得部と、それぞれが、視聴者における複数種類の嗜好のそれぞれに対応する複数種類の嗜好タグの中から、放送コンテンツのそれぞれに対して付与された個々の前記嗜好タグに関する第1スコアを付与する第1評価部と、前記嗜好タグを2以上組合せた組合せ嗜好タグであって複数パターンの組合せ嗜好タグ、及び、1種類の前記嗜好タグのみが付与された場合の放送コンテンツにおける単独嗜好タグであって複数パターンの単独嗜好タグのうち、放送コンテンツのそれぞれに対応する前記組合せ嗜好タグ又は前記単独嗜好タグに関する第2スコアを付与する第2評価部と、取得された前記視聴履歴に含まれる放送コンテンツのそれぞれにおいて算出された前記第1スコアを格納する第1嗜好情報テーブルと、取得された前記視聴履歴に含まれる放送コンテンツのそれぞれにおいて算出された前記第2スコアを格納する第2嗜好情報テーブルと、前記第1嗜好情報テーブル及び前記第2嗜好情報テーブルを参照し、前記所定期間内におけるユーザの嗜好に適合する嗜好情報であって、複数種類の前記嗜好タグ、複数パターンの前記組合せ嗜好タグ、及び、複数パターンの前記単独嗜好タグの中から1以上を組み合わせた嗜好情報を出力する出力部と、を備える。
【0006】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、ユーザが過去の所定期間内において視聴した放送コンテンツの視聴履歴を取得する取得ステップと、それぞれが、視聴者における複数種類の嗜好のそれぞれに対応する複数種類の嗜好タグの中から、放送コンテンツのそれぞれに対して付与された個々の前記嗜好タグに関する第1スコアを付与する第1評価ステップと、前記嗜好タグを2以上組合せた組合せ嗜好タグであって複数パターンの組合せ嗜好タグ、及び、1種類の前記嗜好タグのみが付与された場合の放送コンテンツにおける単独嗜好タグであって複数パターンの単独嗜好タグのうち、放送コンテンツのそれぞれに対応する前記組合せ嗜好タグ又は前記単独嗜好タグに関する第2スコアを付与する第2評価ステップと、取得された前記視聴履歴に含まれる放送コンテンツのそれぞれにおいて算出された前記第1スコアを格納する第1格納ステップと、取得された前記視聴履歴に含まれる放送コンテンツのそれぞれにおいて算出された前記第2スコアを格納する第2格納ステップと、前記第1格納ステップ及び前記第2格納ステップで格納された前記第1スコア及び前記第2スコアを参照し、前記所定期間内におけるユーザの嗜好に適合する嗜好情報であって、複数種類の前記嗜好タグ、複数パターンの前記組合せ嗜好タグ、及び、複数パターンの前記単独嗜好タグの中から1以上を組み合わせた嗜好情報を出力する出力ステップと、を含む。
【0007】
本開示の一態様に係るプログラムは、1以上のプロセッサに、前記情報処理方法を実行させる。
【0008】
本開示の一態様に係る情報処理システムは、前記情報処理装置と、出力された前記嗜好情報に基づいてユーザに提示するための1以上の放送コンテンツを選択するマッチング装置と、選択された1以上の放送コンテンツのそれぞれと前記嗜好情報とに基づく評価度を算出する評価度算出部と、選択された1以上の放送コンテンツと共に、当該放送コンテンツの内容に関する情報と、当該放送コンテンツに対して算出された前記評価度と、当該放送コンテンツに付与された、複数種類の前記嗜好タグ、複数パターンの前記組合せ嗜好タグ、及び、複数パターンの前記単独嗜好タグの中から1以上を組み合わせたタグ情報であって、ユーザの前記嗜好情報との間で一致するタグ情報と、を含む画像を生成する図示化部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示における情報処理システム等によれば、ユーザの嗜好を推定する精度を向上しやすい、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態における情報処理装置等の構成を示す概要図である。
【
図2】
図2は、実施の形態における情報処理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図3A】
図3Aは、実施の形態において格納される第1スコアの一例を示す図である。
【
図3B】
図3Bは、実施の形態において格納される第2スコアの一例を示す図である。
【
図4A】
図4Aは、実施の形態において格納される第1スコアの別の一例を示す図である。
【
図4B】
図4Bは、実施の形態において格納される第2スコアの別の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施の形態における嗜好情報の出力及び放送コンテンツの提示の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、実施の形態における放送コンテンツ情報、評価度及び嗜好情報を図示した画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本開示の基礎となった知見)
まず、発明者の着眼点が、下記に説明される。
【0012】
地上波ディジタル放送の普及、及び録画装置の高機能化等に伴い、ユーザは、放送コンテンツ(テレビジョン番組)をリアルタイムに視聴するだけでなく、ユーザの好きなタイミングで放送コンテンツを視聴することが可能となっている。また、据置型のテレビジョン受像機での放送コンテンツの視聴だけでなく、ユーザが所有するスマートフォン又はタブレット端末等の携帯端末でも放送コンテンツの視聴が可能となってきており、ユーザが放送コンテンツを視聴可能な機会が更に多様化している。このような放送コンテンツの視聴可能な機会の多様化に伴い、ユーザが視聴可能な放送コンテンツは膨大な数となり得る。このため、ユーザは、多数の放送コンテンツの中から自分の嗜好に見合った放送コンテンツを選択して視聴することが難しくなっている。
【0013】
そこで、ユーザが視聴した放送コンテンツの視聴履歴からユーザの嗜好を推定し、推定した嗜好に見合った放送コンテンツをユーザに推奨する試みが従来なされてきたが、視聴履歴を単純に利用するのみではユーザの嗜好を十分な精度で推定することが難しい、という問題がある。例えば、ユーザが特定の番組を視聴する頻度が高い、と仮定する。この場合、視聴履歴を単純に利用するのみであれば、特定の番組のジャンルをユーザの嗜好として推定すると考えられるが、実際にはユーザが特定の番組のジャンルではなく、特定の番組に含まれる一部のコンテンツのみを好んでいる場合もあり得る。
【0014】
以上を鑑み、発明者は本開示を創作するに至った。
【0015】
以下、適宜図面を参照しながら、各実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0016】
なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面及び以下の説明を提供するのであって、これらによって請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0017】
(実施の形態)
[1.構成]
以下、実施の形態における情報処理装置100及び情報処理装置100を利用した情報処理システムについて
図1を用いて説明する。
図1は、実施の形態における情報処理装置等の構成を示す概要図である。情報処理装置100は、ユーザが視聴した放送コンテンツの視聴履歴からユーザの嗜好を推定するための装置である。情報処理システムでは、情報処理装置100と併せて、タグ付与装置150、コンテンツ記憶装置200,マッチング装置300、及び、提示装置400が組み合わされることにより、放送コンテンツの中から、情報処理装置100によって推定されたユーザの嗜好に適合する放送コンテンツを提示することが可能となる。
【0018】
実施の形態では、情報処理装置100は、放送コンテンツとしてのテレビジョン番組を録画する録画装置2に搭載されている。録画装置2は、テレビジョン受像機3に接続されており、ユーザの予約操作等に応じて、テレビジョン受像機3が受信するテレビジョン番組を録画可能である。なお、情報処理装置100は、テレビジョン番組を録画する録画機能を有するテレビジョン受像機に搭載されていてもよい。また、情報処理装置100は、例えばサーバに搭載されていてもよい。
【0019】
実施の形態では、放送コンテンツは、地上波放送のテレビジョン番組であるが、これに限らず、BS(Broadcasting Satellites)放送のテレビジョン番組、又はCS(Communication Satellites)放送のテレビジョン番組等を含んでいてもよい。また、情報処理装置100が対象とする放送コンテンツは、テレビジョン放送のコンテンツに限らず、例えば動画共有サービスが提供するインターネット放送のコンテンツを含んでいてもよい。
【0020】
情報処理装置100は、
図1に示すように、取得部11と、評価部13と、記憶部15と、出力部17と、評価度算出部19と、図示化部21と、を備えている。
【0021】
取得部11は、ユーザが過去の所定期間内において視聴した放送コンテンツの視聴履歴を取得する。ここでいう「ユーザが視聴した放送コンテンツ」とは、ユーザが録画装置2に録画することなくテレビジョン受像機3でリアルタイムに視聴した放送コンテンツ、及び/又は録画装置2に対してなされた録画予約された放送コンテンツ(つまり、過去に録画することが予約され、過去に放送された放送コンテンツ、又は、将来放送される予定の放送コンテンツ)を含む。
【0022】
ここでいう「所定期間」は、ユーザの嗜好を推定するために十分な放送コンテンツが蓄積されるのに要する期間である。したがって、所定期間は、放送コンテンツの数によって決められた変動的な期間であってもよいし、統計的に十分な放送コンテンツが蓄積されると考えられる、1日、1週間、又は1か月などの固定的な期間であってもよい。
【0023】
また、ここでいう「視聴履歴」は、放送コンテンツをユーザが視聴した回数、及び/又は放送コンテンツをユーザが視聴した日時を含む。また、ここでいう「視聴履歴」は、例えば放送コンテンツがテレビジョン番組である場合、番組情報であるEPG(Electronic Program Guide)情報、及び/又はSI(Service Information)情報を含む。つまり、「視聴履歴」は、放送コンテンツの内容、視聴回数、及び/又は視聴日時を含む。また、「放送コンテンツの内容」は、例えば放送コンテンツのジャンル、タイトル、出演者、声優、演出家、監督、原作者、又は製作者の名前等を含み得る。ジャンルは、例えばドキュメンタリー、ニュース、バラエティ、ドラマ、又はアニメ等を含み得る。また、「放送コンテンツ」の内容には、放送コンテンツの内容を説明した文字列等が含まれ得る。さらに、「視聴履歴」には、放送コンテンツを検索する際にユーザが入力したキーワード、及び/又は放送コンテンツに対するユーザの評価等が含まれ得る。
【0024】
実施の形態では、ユーザが視聴した放送コンテンツの視聴履歴は、ユーザがテレビジョン受像機3で放送コンテンツをリアルタイムに視聴する際に、又はユーザが録画装置2に録画予約のための入力を行う際に、記憶部15に記憶される。したがって、実施の形態では、取得部11は、記憶部15から視聴履歴を読み出すことにより、視聴履歴を取得する。
【0025】
評価部13は、取得部11が取得した視聴履歴に基づいて、視聴履歴に含まれる放送コンテンツであって、ユーザが過去の所定期間内において視聴した放送コンテンツからユーザの放送コンテンツに対する嗜好を示す第1スコア及び第2スコアを付与する。つまり、評価部13は、第1評価部及び第2評価部の機能を併せ持ち、第1評価部の一例であると同時に第2評価部の一例でもある。
【0026】
第1スコアは、それぞれが、視聴者における複数種類の嗜好のそれぞれに対応する複数種類の嗜好タグの中から、放送コンテンツのそれぞれに対して付与された個々の嗜好タグに関する評価値である。第1スコアは、各放送コンテンツの各嗜好タグについて、1つずつの数値として付与された数値のセットである。このため、情報処理装置100において、嗜好タグが10種類設定されていれば、評価部13によって、1つの放送コンテンツに対して10個の数値を含む第1スコアが付与される。
【0027】
第2スコアは、嗜好タグを2以上組合せた組合せ嗜好タグであって複数パターンの組合せ嗜好タグ、及び、1種類の嗜好タグのみが付与された場合の放送コンテンツにおける単独嗜好タグであって複数パターンの単独嗜好タグのうち、放送コンテンツのそれぞれに対応する組合せ嗜好タグ又は単独嗜好タグに関する評価値である。組合せ嗜好タグは、例えば、嗜好タグのうち2種類の組合せによって設定される場合、10種類の嗜好タグから10×9/2×1=45パターンの組合せが得られる。同様に、組合せ嗜好タグは、例えば、嗜好タグのうち3種類の組合せによって設定される場合、10種類の嗜好タグから10×9×8/(3×2×1)=120パターンの組合せが得られる。
【0028】
また、単独嗜好タグは、例えば、10種類の嗜好タグからそれぞれの嗜好タグのみを含むという10パターンが得られる。単独嗜好タグは、嗜好タグに対して、ある嗜好タグのみを含み、その他の嗜好タグを含まない、という点で異なる情報である。つまり、タグAという嗜好タグが付与された放送コンテンツは、タグAとタグB、タグAとタグC、・・・のように、タグAを含むいくつかの組合せ嗜好タグを有する可能性があるものの、タグAという嗜好タグに対応する単独嗜好タグを有する放送コンテンツは、他の嗜好タグを含むことはない(つまり組合せ嗜好タグを有しない)。
【0029】
第2スコアは、各放送コンテンツの各組合せ嗜好タグ及び各単独嗜好タグについて、1つずつの数値として付与された数値のセットである。このため、情報処理装置100において、嗜好タグが10種類設定され、組合せ嗜好タグが嗜好タグのうち2種類の組合せによって設定される場合、評価部13によって、1つの放送コンテンツに対して45+10=55パターン分、すなわち55個の数値を含む第2スコアが付与される。
【0030】
このように、評価部13は、放送コンテンツに対して付与された嗜好タグから第1スコアを付与するとともに、組合せ嗜好タグ及び単独嗜好タグを有するか否かによって、さらに細分化した第2スコアを付与する。評価部13による、第1スコア及び第2スコアの付与ついては、情報処理装置100の動作の説明と共に後述する。
【0031】
嗜好タグは、情報処理装置100を利用したユーザの嗜好推定に合わせて適切な複数の種類が設定されていればよい。ここでは、嗜好タグは、上記した放送コンテンツのジャンル(ドキュメンタリー、ニュース、バラエティ、ドラマ、又はアニメ等を含む)に相当する情報であるものとして説明する。
【0032】
記憶部15は、情報処理システム100の各部が各種機能を実行するために必要な情報(コンピュータプログラム等)が記憶される記憶装置である。記憶部15は、例えば半導体メモリにより実現されるが、特に限定されることなく公知の電子情報記憶の手段を用いることができる。記憶部15は、例えば視聴履歴を記憶する。また、実施の形態では、記憶部15には、評価部13によって評価された各放送コンテンツの第1スコア及び第2スコアが記憶(格納)される。より具体的には、記憶部15は、第1スコアを格納する第1嗜好情報テーブルと、第2スコアを格納する第2嗜好情報テーブルとを含む。このように記憶部15に記憶された第1嗜好情報テーブル及び第2嗜好情報テーブルは、ユーザが所定期間内に視聴した放送コンテンツの嗜好タグ、ならびに、組合せ嗜好タグ及び単独嗜好タグの情報を含んでいる。したがって、第1嗜好情報テーブル及び第2嗜好情報テーブルを参照することによって所定期間内のユーザの放送コンテンツに対する嗜好を把握することが可能となる。
【0033】
ここで、第1嗜好情報テーブルは、上記したように嗜好タグに関する第1スコアが所定期間内に視聴された放送コンテンツ分だけ含まれている。一方、第2嗜好情報テーブルは、上記したように組合せ嗜好タグ及び単独嗜好タグに関する第2スコアが所定期間内に視聴された放送コンテンツ分だけ含まれている。つまり、第1嗜好情報テーブル及び第2嗜好情報テーブルを参照することによって、単に嗜好タグだけに基づくユーザの嗜好の推定をするのではなく、組合せ嗜好タグ及び単独嗜好タグに基づくユーザの嗜好の推定までも行うことができる。嗜好タグに比べて、組合せ嗜好タグ及び単独嗜好タグは、2種類以上の嗜好タグの組合せ、又は、他に組み合わされる種類の嗜好タグがないという、より細分化したユーザの嗜好に沿っているため、単純に嗜好タグのみからユーザの嗜好を推定するよりもユーザの実際の嗜好に適合しやすいというメリットがある。ただし、組合せ嗜好タグ及び単独嗜好タグは、その性質上、検体数(ここでは視聴履歴に含まれる放送コンテンツの数)が揃わなければ、有意な傾向を把握しにくいという性質がある。
【0034】
そこで、実施の形態では、単純な嗜好タグの情報を合わせて用いることによって、ユーザの嗜好の本流を推定しておきながら、さらに組合せ嗜好タグ及び単独嗜好タグによって細分化させて、実際のユーザの嗜好に近づけていくという処理によって、比較的少ない検体数からでもユーザの実際の嗜好に適合した嗜好の推定を行うことが可能となる。
【0035】
図1の説明に戻り、出力部17は、第1嗜好情報テーブル及び第2嗜好情報テーブルを参照し、所定期間内におけるユーザの嗜好に適合する嗜好情報であって、複数種類の嗜好タグ、複数パターンの組合せ嗜好タグ、及び、複数パターンの単独嗜好タグの中から1以上を組み合わせた嗜好情報を出力する。出力部17は、プロセッサと、メモリと、当該メモリに記憶されたプログラムとによって実現される処理部である。出力部17は、嗜好情報を後述するマッチング装置300などに出力する。
【0036】
タグ付与装置150は、放送コンテンツに対して、嗜好タグを付与する装置である。実施の形態では、タグ付与装置150によって嗜好タグを付与して、情報処理装置100の処理に利用する例を説明するが、嗜好タグは、外部の事業者(例えば、放送コンテンツの配給事業者)によって付与されてもよい。タグ付与装置150は、プロセッサと、メモリと、当該メモリに記憶されたプログラムとによって実現される処理部である。タグ付与装置150はあらかじめ設定された嗜好タグの種類のそれぞれに対応する学習により学習させたAIモデルを含む。例えば、20種類の嗜好タグが設定された場合、タグ付与装置150は、20種類の嗜好タグのそれぞれに対応する20個のAIモデルを含む。タグ付与装置150は、放送コンテンツのEPG情報及びSI情報等の入力を受け付ける。そして、タグ付与装置150は、受け付けたEPG情報及びSI情報等を各AIモデルに順次又は並行して入力することで、このEPG情報及びSI情報等を有する放送コンテンツが、各AIモデルに設定された1つの嗜好タグを付与するか否かの情報を出力する。タグ付与装置150は、AIモデルから出力された結果に基づいて、当該放送コンテンツに付与すべき嗜好タグを付与する。その後、評価部13は、タグ付与装置150から出力された嗜好タグが付与された後の放送コンテンツの情報を取得する。
【0037】
コンテンツ記憶装置200は、放送コンテンツを記憶するための装置であり、半導体メモリ等によって実現される。コンテンツ記憶装置200には、例えば、地上波放送によって同時に放送されている放送コンテンツをすべて録画して記憶する。ユーザは、コンテンツ記憶装置200に記憶された放送コンテンツの中から、任意の放送コンテンツを選択して視聴することができる。
【0038】
マッチング装置300は、情報処理装置100から出力されたユーザの嗜好情報を用いて、コンテンツ記憶装置200に記憶された放送コンテンツの中からユーザの嗜好に適合する放送コンテンツを選択する装置である。マッチング装置300は、プロセッサと、メモリと、当該メモリに記憶されたプログラムとによって実現される処理部である。例えば、マッチング装置300は、コンテンツ記憶装置200に記憶された放送コンテンツを、タグ付与装置150に入力して、嗜好タグを付与させる。そして、出力部17から出力されたユーザの嗜好情報をもとに、放送コンテンツに付与された嗜好タグ(ならびに、組合せ嗜好タグ及び単独嗜好タグ)と、嗜好情報における嗜好タグ(ならびに、組合せ嗜好タグ及び単独嗜好タグ)との一致度を算出する。マッチング装置300は、例えば、算出した一致度が最も高い放送コンテンツを選択する、又は、算出した一致度が閾値より高い放送コンテンツを選択する。
【0039】
ここで、情報処理装置100の説明に戻り、評価度算出部19は、マッチング装置300によりコンテンツ記憶装置200から選択された放送コンテンツについて、記憶部15に記憶された第1嗜好情報テーブルに記憶された第1スコア及び第2嗜好情報テーブルに記憶された第2スコアを参照し、嗜好情報における嗜好タグ(ならびに、組合せ嗜好タグ及び単独嗜好タグ)から評価度を算出する。ここで、評価度とは、例えば、ユーザへのレコメンドとして情報処理システムが提示する放送コンテンツの50個(例えば、ユーザの嗜好情報との一致度が高いものから順に上位50個等)のそれぞれについて、第1スコア分の一致度と第2スコア分の一致度との合計値を算出し、所定のスコア合計値に対する比率を概算値としたものである。この概算値は、情報処理装置100によって算出された放送コンテンツの一致度がどの程度であるかをユーザに示すものである。したがって、ユーザは、概算値を見るだけで、どの程度自分の嗜好に適合した放送コンテンツであるのか把握できるので、ユーザが自身の嗜好に適合した放送コンテンツを選択するための指標として用いることができる。
【0040】
第1スコア分の一致度は、放送コンテンツ上の嗜好タグ、及び、ユーザの嗜好情報における嗜好タグの間で一致している嗜好タグの個数から算出される。例えば、一致している嗜好タグの個数に、あらかじめ設定された係数が乗じられて第1スコア分の一致度が算出される。また、第2スコア分の一致度は、放送コンテンツ上の組合せ嗜好タグ及び単独嗜好タグ、ならびに、ユーザの嗜好情報における組合せ嗜好タグ及び単独嗜好タグの間で一致している組合せ嗜好タグ及び単独嗜好タグの個数から算出される。例えば、一致している組合せ嗜好タグ及び単独嗜好タグの個数に、あらかじめ設定された係数が乗じられて第2スコア分の一致度が算出される。
【0041】
そして、例えば、情報処理システムが提示する放送コンテンツのうち第1位の放送コンテンツの第1スコア分の一致度及び第2スコア分の一致度の合計が83、第2位の放送コンテンツのスコア合計が68の場合、百分率とするために所定のスコアを100に設定すると、上記の概算値は、(10以下の数値を四捨五入したうえで、)第1位の放送コンテンツの評価度として80(ユーザの嗜好情報と80%の一致度)の、第2位の放送コンテンツの評価度として70(ユーザの嗜好情報と70%の一致度)という数値が算出される。
【0042】
提示装置400は、マッチング装置300によって選択された放送コンテンツ読み出して、テレビジョン受像機3のディスプレイ上で再生、又は、選択された放送コンテンツのリストを列挙する等により、ユーザの嗜好に適合した放送コンテンツを提示する。提示装置400は、例えば、コンテンツ記憶装置200から放送コンテンツの情報を読み出すコントローラと、ディスプレイ上に投影するための変換を行うデコーダとを含む。
【0043】
提示装置400に、マッチング装置300によって選択された放送コンテンツが提示される際に、選択された放送コンテンツと共に、当該放送コンテンツの内容に関する情報と、当該放送コンテンツに対して算出された評価度と、当該放送コンテンツに付与された複数種類の前記嗜好タグ、複数パターンの組合せ嗜好タグ、及び、複数パターンの単独嗜好タグの中から1以上を組み合わせたタグ情報であって、ユーザの嗜好情報との間で一致するタグ情報と、を含む画像が提示されるようにしてもよい。この場合、提示装置400によって提示される画像は、図示化部21によって生成される。図示化部21は、選択された放送コンテンツと、当該放送コンテンツの内容に関する情報、算出された評価度、及び、タグ情報とをまとめて、一見しただけでこれらの情報が把握できるような画像を生成する。
【0044】
図6は、図示化部21により生成された画像が提示装置400によって提示された場合の表示画面の一例を示したものである。コンテンツ記憶装置200から放送コンテンツの内容を表す画像の情報と、放送コンテンツの内容を示す文章情報が提示されている。ここでの文章情報は、放送コンテンツに付帯するEPG情報、及び/又はSI情報を利用してもよい。また、放送コンテンツをレコメンドする根拠として評価度算出部19が算出した評価度と、評価度が高いことの理由として、放送コンテンツと嗜好情報との間で一致する嗜好タグ、組合せ嗜好タグ、及び、単独嗜好タグがアイコンとして表示される。かかる表示を行うことで、ユーザは、放送コンテンツがレコメンドされる根拠となった自分の嗜好情報を確認できるので、放送コンテンツを視聴する動機付けを得ることができる。
【0045】
[2.動作]
以上のように構成された情報処理装置100の動作について、以下
図2~
図5を用いて説明する。
図2は、実施の形態における情報処理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【0046】
まず、取得部11は、記憶部15にアクセスすることにより、記憶部15に記憶されたユーザの視聴履歴を取得する(取得ステップS101)。次に、評価部13は、取得された視聴履歴に含まれる、ユーザが視聴した放送コンテンツのうちの1つを選択する(ステップS102)。放送コンテンツには、タグ付与装置150によってあらかじめ嗜好タグが付与されている。そして、評価部13は、選択した1つの放送コンテンツに対して嗜好タグに関する第1スコアを付与する(第1評価ステップS103)。評価部13は、付与した第1スコアを記憶部15の第1嗜好情報テーブルに格納する(第1格納ステップS104)。
【0047】
ここで、
図3Aは、実施の形態において格納される第1スコアの一例を示す図である。
図3Aでは、第1行に嗜好タグの種類(タグA、タグB、・・・)を、第1列に放送コンテンツの識別番号(コンテンツ1、コンテンツ2、・・・)をそれぞれ示し、対応するセルに当該放送コンテンツにおいて、当該嗜好タグが付与されているか否かを示す数値が示されている。
図3Aの例では、第1スコアは、嗜好タグが付与されていることを示す「1」(第1値の一例)、及び嗜好タグが付与されていないことを示す「0」(第2値の一例)として表現されている。例えば、コンテンツ1には、タグAの嗜好タグが付与されており、タグB、タグC及びタグDの嗜好タグが付与されていない。
【0048】
第1スコアは、このように、放送コンテンツごとの各嗜好タグが付与されているか否かの情報を含む。そして、このユーザは、タグAやタグBの嗜好タグが比較的多く、嗜好タグで見れば、タグA及びタグBが付与された放送コンテンツを好む傾向にあるといえる。
【0049】
一方で、
図4Aは、実施の形態において格納される第1スコアの別の一例を示す図である。
図4Aは、
図3Aと同様の図であるが、第1スコアの数値が「0」及び「1」の2値でない点で
図3Aの例と異なっている。
図4Aに示すように、第1スコアは、3以上の数値からなる多段階の評価値であってもよい。つまり、第1スコアは、嗜好タグが付与されていることを示す「1」(第1値の一例)、又は、「1」と、「0.1」(第3値の一例)との間の数値であって、当該放送コンテンツと当該嗜好タグとの関連度に応じた数値、及び、嗜好タグが付与されていないことを示す「0」(第2値の一例)として表現されている。
【0050】
第3値は上記の「0.1」の限らず、第1値から遠く、第2値に限りなく近い「0.01」、「0.001」などの数値であってもよい。このいずれの第3値に一致する数値の第1スコアであっても、嗜好タグとしては付与されていることを意味している。ただし、放送コンテンツと嗜好タグとの関連度(例えば、特定ワードの出現頻度、又は特定ワードそのものの嗜好タグとの関係性等)に基づいて第1値に近い値又は第3値に近い値などが付与される。なお、このような多段階の第1スコアを付与するために、タグ付与装置150によって付与される嗜好タグに、関連度に関する情報が含まれるようにしてもよい。
【0051】
図2の説明に戻り、評価部13は、選択した1つの放送コンテンツに対して組合せ嗜好タグ及び単独嗜好タグに関する第2スコアを付与する(第2評価ステップS105)。評価部13は、付与した第2スコアを記憶部15の第2嗜好情報テーブルに格納する(第2格納ステップS106)。
【0052】
ここで、
図3Bは、実施の形態において格納される第2スコアの一例を示す図である。
図3Bでは、第1行に組合せ嗜好タグのパターン(A&B、A&C、・・・)及び単独嗜好タグのパターン(Aのみ、Bのみ、・・・)を、第1列に放送コンテンツの識別番号(コンテンツ1、コンテンツ2、・・・)をそれぞれ示し、対応するセルに当該放送コンテンツにおいて、当該組合せ嗜好タグ及び単独嗜好タグを有するか否かを示す数値が示されている。
図3Bの例では、第2スコアは、組合せ嗜好タグ及び単独嗜好タグ有することを示す「1」(第1値の一例)、及び組合せ嗜好タグ及び単独嗜好タグ有しないことを示す「0」(第2値の一例)として表現されている。例えば、コンテンツ2は、A&B(タグA及びタグBの組合せ)の組合せ嗜好タグを有しており、A&C、A&D及びB&Cの組合せ嗜好タグを有していない。また、コンテンツ2は、Aのみ、Bのみの単独嗜好タグを有していない。
【0053】
このように評価部13は、一の放送コンテンツにおいて、複数パターンの組合せ嗜好タグの中の、1つのパターンの組合せ嗜好タグに対して、組合せ嗜好タグにおいて組合せられている2つの嗜好タグの一の放送コンテンツにおいて付与された第1スコアがいずれも「1」である場合に、当該組合せ嗜好タグに対して「1」を第2スコアとして付与している。このとき、評価部13は、複数パターンの単独嗜好タグの中の、組合せ嗜好タグにおいて組合せられている2以上の嗜好タグのそれぞれのみが付与された場合のパターンの単独嗜好タグのそれぞれに対して、「0」を第2スコアとして付与している。
【0054】
これに対して、例えば、コンテンツ1は、Aのみ(タグA以外の嗜好タグを含まない)の単独嗜好タグを有している。また、コンテンツ1は、A&B、A&C、及び、A&Dの組合せ嗜好タグを有していない。
【0055】
このように評価部13は、組合せ嗜好タグにおいて組合せられている2以上の嗜好タグの一の放送コンテンツにおいて付与された第1スコアの少なくとも一方が「0」である場合に、当該組合せ嗜好タグに対して「0」を第2スコアとして付与し、かつ、複数パターンの単独嗜好タグの中の、当該組合せ嗜好タグにおいて組合せられている2以上の嗜好タグのそれぞれのみが付与された場合のパターンの単独嗜好タグのそれぞれに対して、対応する嗜好タグに第1スコアとして付与された数値を第2スコアとして付与している。
【0056】
一方で、
図4Bは、実施の形態において格納される第2スコアの別の一例を示す図である。
図4Bは、
図3Bと同様の図であるが、第2スコアの数値が「0」及び「1」の2値でない点で
図3Bの例と異なっている。
図4Bに示すように、第2スコアは、3以上の数値からなる多段階の評価値であってもよい。つまり、第2スコアは、組合せ嗜好タグ又は単独嗜好タグが付与されていることを示す「1」(第1値の一例)、又は、「1」と、「0.1」(第3値の一例)との間の数値であって、当該放送コンテンツと当該組合せ嗜好タグ又は単独嗜好タグとの関連度に応じた数値、及び、組合せ嗜好タグ又は単独嗜好タグが付与されていないことを示す「0」(第2値の一例)として表現されている。
【0057】
特に、
図4Bの例では、評価部13は、一の放送コンテンツにおいて、複数パターンの組合せ嗜好タグの中の、1つのパターンの組合せ嗜好タグに対して、当該組合せ嗜好タグにおいて組合せられている2以上の嗜好タグの一の放送コンテンツにおいて付与された第1スコアがいずれも第2値でない数値の場合に、当該組合せ嗜好タグに対して第1スコアの数値のうち最も小さい数値を第2スコアとして付与し、かつ、複数パターンの単独嗜好タグの中の、当該組合せ嗜好タグにおいて組合せられている2以上の嗜好タグのそれぞれのみが付与された場合のパターンの単独嗜好タグのそれぞれに対して、第2値を第2スコアとして付与している。
【0058】
また、
図4Bの例では、評価部13は、当該組合せ嗜好タグにおいて組合せられている2以上の嗜好タグの一の放送コンテンツにおいて付与された第1スコアの少なくとも一方が第2値である場合に、当該組合せ嗜好タグに対して第2値を第2スコアとして付与し、かつ、複数パターンの単独嗜好タグの中の、当該組合せ嗜好タグにおいて組合せられている2以上の嗜好タグのそれぞれのみが付与された場合のパターンの単独嗜好タグのそれぞれに対して、対応する嗜好タグに第1スコアとして付与された数値を第2スコアとして付与している。
【0059】
図2の説明に戻り、評価部13は、視聴履歴に含まれるすべての放送コンテンツを選択したか否かを判定する(ステップS107)。そして、評価部13は、すべての放送コンテンツを選択していないと判定すると(ステップS107でNo)、ステップS102に戻り、別の放送コンテンツを選択して、第1評価ステップS103~第2格納ステップS106を繰り返す。評価部13は、すべての放送コンテンツを選択したと判定すると(ステップS107でYes)、処理を終了する。そして、出力部17は、第1嗜好情報テーブル及び第2嗜好情報テーブルを参照して、所定期間内におけるユーザの嗜好に適合する嗜好情報であって、複数種類の嗜好タグ、複数パターンの組合せ嗜好タグ、及び、複数パターンの単独嗜好タグの中から1以上を組み合わせた嗜好情報を出力する(出力ステップS108)。
【0060】
図5は、実施の形態における嗜好情報の出力及び放送コンテンツの提示の処理の一例を示すフローチャートである。
図5では、出力部17による嗜好情報の出力についての処理と、放送コンテンツの提示の処理とが示されている。
【0061】
まず、出力部は、第1スコアの累計を算出する(ステップS201)。第1スコアの累計の算出は、所定期間内における放送コンテンツすべてについて、嗜好タグごとの第1スコアの累計を算出する処理である。したがって、所定期間に対して、あらかじめ設定された嗜好タグの種類の数に対応する個数の累計値が算出される。そして、出力部17は、累計値が最大となる嗜好タグを選定する(ステップS202)。
【0062】
また、出力部17は、所定期間内に視聴した放送コンテンツの第2スコアの累計を算出する(ステップS203)。第2スコアの累計の算出は、所定期間内における放送コンテンツすべてについて、組合せ嗜好タグ及び単独嗜好タグごとの第2スコアの累計を算出する処理である。したがって、所定期間に対して、あらかじめ設定された組合せ嗜好タグのパターン数及び単独嗜好タグのパターン数に対応する個数の累計値が算出される。そして、出力部17は、累計値が最大となる組合せ嗜好タグ又は単独嗜好タグを選定する(ステップS204)。
【0063】
出力部17は、ステップS204において、選定されたのが、組合せ嗜好タグ又は単独嗜好タグのうち、単独嗜好タグであるか否かを判定する(ステップS205)。出力部17は、単独嗜好タグが選定されなかった(つまり、組合せ嗜好タグが選定された)と判定した場合(ステップS205でNo)、さらに、嗜好タグと組合せ嗜好タグとが対応するか否かを判定する(ステップS206)。ここでは、出力部17は、ステップS204において選定された組合せ嗜好タグにおいて組合せられている嗜好タグに、ステップS202において選定された嗜好タグが含まれるか否かを判定する。
【0064】
出力部17は、嗜好タグと組合せ嗜好タグとが対応しないと判定した場合(ステップS206でNo)、選定された嗜好タグ及び選定された組合せ嗜好タグを含む嗜好情報を出力する(ステップS207)。一方で、出力部17は、嗜好タグと組合せ嗜好タグとが対応していると判定した場合(ステップS206でYes)、選定された組合せ嗜好タグを含む嗜好情報を出力する(ステップS208)。
【0065】
一方で、出力部17は、単独嗜好タグが選定されたと判定した場合(ステップS205でYes)、さらに、嗜好タグと単独嗜好タグとが対応するか否かを判定する(ステップS209)。ここでは、出力部17は、ステップS204において選定された単独嗜好タグに対応する嗜好タグに、ステップS202において選定された嗜好タグが一致するか否かを判定する。
【0066】
出力部17は、嗜好タグと単独嗜好タグとが対応しないと判定した場合(ステップS209でNo)、選定された嗜好タグ及び選定された単独嗜好タグを含む嗜好情報を出力する(ステップS210)。一方で、出力部17は、嗜好タグと単独嗜好タグとが対応していると判定した場合(ステップS209でYes)、選定された組合せ嗜好タグを含む嗜好情報を出力する(ステップS211)。
【0067】
そして、出力された嗜好情報をもとに、提示装置400が放送コンテンツを提示する(ステップS212)。具体的には、出力された嗜好情報において、嗜好タグが含まれている場合に、マッチング装置300が、コンテンツ記憶装置200に記憶されている放送コンテンツの中から、まず、当該嗜好タグが付与された放送コンテンツを選定する。そして選定した放送コンテンツの中で、さらに、組合せ嗜好タグ又は単独嗜好タグを有する放送コンテンツを選定して、この選定に関する選定情報を提示装置400へと出力する。提示装置400は、選定情報に基づいて、コンテンツ記憶装置200から放送コンテンツを読み出し、デコード等の処理を行って、テレビジョン受像機3のディスプレイ等に表示させる。また、出力された嗜好情報において、嗜好タグが含まれていない場合に、マッチング装置300が、コンテンツ記憶装置200に記憶されている放送コンテンツの中から、組合せ嗜好タグ又は単独嗜好タグを有する放送コンテンツを選定して、この選定に関する選定情報を提示装置400へと出力する。
【0068】
なお、上記は、嗜好タグが組合せ嗜好タグ及び単独嗜好タグよりも優先的に放送コンテンツの選定に利用される例を示しているが、組合せ嗜好タグ及び単独嗜好タグが、嗜好タグよりも優先的に放送コンテンツの選定に利用されてもよい。
【0069】
以上のようにして、嗜好タグに関する第1スコアならびに組合せ嗜好タグ及び単独嗜好タグに関する第2スコアを組み合わせることによって、従来よりも細分化されたユーザの嗜好を推定することが可能となる。よって、より高精度に、例えば、放送コンテンツの選定において、ユーザの嗜好を反映させることが可能となる。
【0070】
(変形例)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略等を行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0071】
そこで、以下、実施の形態の変形例を例示する。
【0072】
例えば、上記実施の形態では、情報処理装置100、単一の装置として実現されたが、複数の装置によって実現されてもよい。情報処理装置100が複数の装置によって実現される場合、情報処理装置100が備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。つまり、本開示は、クラウドコンピューティングによって実現されてもよいし、エッジコンピューティングによって実現されてもよい。
【0073】
また、例えば、上記実施の形態において、本開示における情報処理装置100の構成要素の全部又は一部は、専用のハードウェアで構成されてもよく、或いは、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサ等のプログラム実行部が、HDD(Hard Disk Drive)又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0074】
また、本開示における情報処理装置100の構成要素は、1つ又は複数の電子回路で構成されてもよい。1つ又は複数の電子回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0075】
1つ又は複数の電子回路には、例えば、半導体装置、IC(Integrated Circuit)又はLSI(Large Scale Integration)等が含まれてもよい。IC又はLSIは、1つのチップに集積されてもよく、複数のチップに集積されてもよい。ここでは、IC又はLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又は、ULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるかもしれない。また、LSIの製造後にプログラムされるFPGA(Field Programmable Gate Array)も同じ目的で使うことができる。
【0076】
また、本開示の全般的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路又はコンピュータプログラムで実現されてもよい。或いは、当該コンピュータプログラムが記憶された光学ディスク、HDD若しくは半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体で実現されてもよい。例えば、本開示は、上記実施の形態における制御方法をコンピュータによって実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能なCD-ROM等の非一時的な記録媒体に記録されてもよいし、インターネット等の通信路で配信されてもよい。
【0077】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面及び詳細な説明を提供した。
【0078】
したがって、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0079】
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略等を行うことができる。
【0080】
(まとめ)
以上述べたように、実施の形態における第1態様の情報処理装置100は、ユーザが過去の所定期間内において視聴した放送コンテンツの視聴履歴を取得する取得部11と、それぞれが、視聴者における複数種類の嗜好のそれぞれに対応する複数種類の嗜好タグの中から、放送コンテンツのそれぞれに対して付与された個々の嗜好タグに関する第1スコアを付与する第1評価部(評価部13の機能の一つ)と、嗜好タグを2以上組合せた組合せ嗜好タグであって複数パターンの組合せ嗜好タグ、及び、1種類の嗜好タグのみが付与された場合の放送コンテンツにおける単独嗜好タグであって複数パターンの単独嗜好タグのうち、放送コンテンツのそれぞれに対応する組合せ嗜好タグ又は単独嗜好タグに関する第2スコアを付与する第2評価部(評価部13の機能の一つ)と、取得された視聴履歴に含まれる放送コンテンツのそれぞれにおいて算出された第1スコアを格納する第1嗜好情報テーブルと、取得された視聴履歴に含まれる放送コンテンツのそれぞれにおいて算出された第2スコアを格納する第2嗜好情報テーブルと、第1嗜好情報テーブル及び第2嗜好情報テーブルを参照し、所定期間内におけるユーザの嗜好に適合する嗜好情報であって、複数種類の嗜好タグ、複数パターンの組合せ嗜好タグ、及び、複数パターンの単独嗜好タグの中から1以上を組み合わせた嗜好情報を出力する出力部17と、を備える。
【0081】
このような情報処理装置100は、嗜好タグに関する第1スコアならびに組合せ嗜好タグ及び単独嗜好タグに関する第2スコアを組み合わせることによって、従来よりも細分化されたユーザの嗜好を推定することが可能となる。よって、より高精度に、例えば、放送コンテンツの選定において、ユーザの嗜好を反映させることが可能となる。
【0082】
また、例えば、第2態様の情報処理装置100は、第1評価部(評価部13)が、一の放送コンテンツにおいて、複数種類の嗜好タグの中で、一の放送コンテンツに付与された嗜好タグに対して、第1値を第1スコアとして付与し、複数種類の嗜好タグの中で、一の放送コンテンツに付与されていない嗜好タグに対して、第1値とは異なる第2値を第1スコアとして付与する、第1態様に記載の情報処理装置100である。
【0083】
これによれば、第1値又は第2値のいずれが付与されているかによって、一の放送コンテンツに付与されている嗜好タグを数値化し、嗜好タグの有無が加味されたユーザの嗜好情報の生成を行うことができる。
【0084】
また、例えば、第3態様の情報処理装置100は、第2評価部(評価部13)が、一の放送コンテンツにおいて、複数パターンの組合せ嗜好タグの中の、1つのパターンの組合せ嗜好タグに対して、当該組合せ嗜好タグにおいて組合せられている2以上の嗜好タグの一の放送コンテンツにおいて付与された第1スコアがいずれも第1値である場合に、当該組合せ嗜好タグに対して第1値を第2スコアとして付与し、かつ、複数パターンの単独嗜好タグの中の、当該組合せ嗜好タグにおいて組合せられている2以上の嗜好タグのそれぞれのみが付与された場合のパターンの単独嗜好タグのそれぞれに対して、第2値を第2スコアとして付与し、当該組合せ嗜好タグにおいて組合せられている2以上の嗜好タグの一の放送コンテンツにおいて付与された第1スコアの少なくとも一方が第2値である場合に、当該組合せ嗜好タグに対して第2値を第2スコアとして付与し、かつ、複数パターンの単独嗜好タグの中の、当該組合せ嗜好タグにおいて組合せられている2以上の嗜好タグのそれぞれのみが付与された場合のパターンの単独嗜好タグのそれぞれに対して、対応する嗜好タグに第1スコアとして付与された数値を第2スコアとして付与する、第2態様に記載の情報処理装置100である。
【0085】
これによれば、第1値又は第2値のいずれが付与されているかによって、一の放送コンテンツに付与されている組合せ嗜好タグ及び単独嗜好タグを数値化し、ユーザの嗜好情報の生成に用いることができる。
【0086】
また、例えば、第4態様の情報処理装置100は、第1評価部(評価部13)が、一の放送コンテンツにおいて、複数種類の嗜好タグの中で、一の放送コンテンツに付与された嗜好タグに対して、第1値と、第1値とは異なる第3値との間の数値であって、当該放送コンテンツと当該嗜好タグとの関連度に応じた数値を第1スコアとして付与し、複数種類の嗜好タグの中で、一の放送コンテンツに付与されていない嗜好タグに対して、第1値と第3値との間に含まれない数値である第2値をスコアとして付与する、第1態様に記載の情報処理装置100である。
【0087】
これによれば、第1値、第3値、又は第2値のいずれが付与されているかによって、一の放送コンテンツに付与されている嗜好タグを数値化し、かつ、当該嗜好タグがどの程度一の放送コンテンツと関連するものであるかをその数値に含めることができる。そして、嗜好タグの有無、及び、その嗜好タグと一の放送コンテンツの関連度とが加味されたユーザの嗜好情報の生成を行うことができる。
【0088】
また、例えば、第5態様の情報処理装置100は、第2評価部(評価部13)が、一の放送コンテンツにおいて、複数パターンの組合せ嗜好タグの中の、1つのパターンの組合せ嗜好タグに対して、当該組合せ嗜好タグにおいて組合せられている2以上の嗜好タグの一の放送コンテンツにおいて付与された第1スコアがいずれも第2値でない数値の場合に、当該組合せ嗜好タグに対して第1スコアの数値のうち最も小さい数値を第2スコアとして付与し、かつ、複数パターンの単独嗜好タグの中の、当該組合せ嗜好タグにおいて組合せられている2以上の嗜好タグのそれぞれのみが付与された場合のパターンの単独嗜好タグのそれぞれに対して、第2値を第2スコアとして付与し、当該組合せ嗜好タグにおいて組合せられている2以上の嗜好タグの一の放送コンテンツにおいて付与された第1スコアの少なくとも一方が第2値である場合に、当該組合せ嗜好タグに対して第2値を第2スコアとして付与し、かつ、複数パターンの単独嗜好タグの中の、当該組合せ嗜好タグにおいて組合せられている2以上の嗜好タグのそれぞれのみが付与された場合のパターンの単独嗜好タグのそれぞれに対して、対応する嗜好タグに第1スコアとして付与された数値を第2スコアとして付与する、第4態様に記載の情報処理装置100である。
【0089】
これによれば、第1値、第3値、又は第2値のいずれが付与されているかによって、一の放送コンテンツに付与されている組合せ嗜好タグ又は単独嗜好タグを数値化し、かつ、当該組合せ嗜好タグ又は単独嗜好タグがどの程度一の放送コンテンツと関連するものであるかをその数値に含めることができる。そして、組合せ嗜好タグ又は単独嗜好タグの有無、及び、その組合せ嗜好タグ又は単独嗜好タグと一の放送コンテンツの関連度とが加味されたユーザの嗜好情報の生成を行うことができる。
【0090】
また、例えば、第6態様の情報処理装置100は、出力部17が、第1嗜好情報テーブルに格納された複数種類の嗜好タグごとに、取得された視聴履歴に含まれる放送コンテンツすべての第1スコアの累計を算出し、第2嗜好情報テーブルに格納された複数パターンの組合せ嗜好タグ及び複数パターンの単独嗜好タグごとに、取得された視聴履歴に含まれる放送コンテンツすべての第2スコアの累計を算出し、算出した第1スコアの累計及び第2スコアの累計に基づいて、複数種類の嗜好タグ、複数パターンの組合せ嗜好タグ、及び、複数パターンの単独嗜好タグの中から1以上を組み合わせた嗜好情報を出力する、第1~第5態様のいずれか1態様に記載の情報処理装置100である。
【0091】
これによれば、視聴履歴に含まれる放送コンテンツすべてについて付与された嗜好タグならびに組合せ嗜好タグ及び単独嗜好タグを加味したスコアからユーザの嗜好情報を生成して出力することができる。
【0092】
また、実施の形態における第7態様の情報処理方法は、ユーザが過去の所定期間内において視聴した放送コンテンツの視聴履歴を取得する取得ステップと、それぞれが、視聴者における複数種類の嗜好のそれぞれに対応する複数種類の嗜好タグの中から、放送コンテンツのそれぞれに対して付与された個々の嗜好タグに関する第1スコアを付与する第1評価ステップS103と、嗜好タグを2以上組合せた組合せ嗜好タグであって複数パターンの組合せ嗜好タグ、及び、1種類の嗜好タグのみが付与された場合の放送コンテンツにおける単独嗜好タグであって複数パターンの単独嗜好タグのうち、放送コンテンツのそれぞれに対応する組合せ嗜好タグ又は単独嗜好タグに関する第2スコアを付与する第2評価ステップS105と、取得された視聴履歴に含まれる放送コンテンツのそれぞれにおいて算出された第1スコアを格納する第1格納ステップS104と、取得された視聴履歴に含まれる放送コンテンツのそれぞれにおいて算出された第2スコアを格納する第2格納ステップS106と、第1格納ステップS104及び第2格納ステップS106で格納された第1スコア及び第2スコアを参照し、所定期間内におけるユーザの嗜好に適合する嗜好情報であって、複数種類の嗜好タグ、複数パターンの組合せ嗜好タグ、及び、複数パターンの単独嗜好タグの中から1以上を組み合わせた嗜好情報を出力する出力ステップS108と、を含む。
【0093】
これによれば、上記に記載の情報処理装置100と同様の効果を奏することができる。
【0094】
また、実施の形態における第8態様のプログラムは、1以上のプロセッサに上記の第7態様に記載の情報処理方法を実行させる。
【0095】
これによれば、1以上のプロセッサが上記に記載の情報処理方法を実行することで、上記に記載の情報処理装置100と同様の効果を奏することができる。
【0096】
また、実施の形態における第9態様の情報処理システムは、上記の第1~第6態様のいずれか1態様に記載の情報処理装置100と、出力された嗜好情報に基づいてユーザに提示するための1以上の放送コンテンツを選択するマッチング装置300と、選択された1以上の放送コンテンツのそれぞれと嗜好情報とに基づく評価度を算出する評価度算出部19と、選択された1以上の放送コンテンツと共に、当該放送コンテンツの内容に関する情報と、当該放送コンテンツに対して算出された評価度と、当該放送コンテンツに付与された、複数種類の嗜好タグ、複数パターンの組合せ嗜好タグ、及び、複数パターンの単独嗜好タグの中から1以上を組み合わせたタグ情報であって、ユーザの嗜好情報との間で一致するタグ情報と、を含む画像を生成する図示化部21と、を備える。
【0097】
このような情報処理システムは、情報処理装置100によって出力された嗜好情報に適合する放送コンテンツを提示できる。その際、情報処理システムでは、放送コンテンツと共に、当該放送コンテンツの内容に関する情報と、当該放送コンテンツに対して算出された評価度と、当該放送コンテンツに付与された、複数種類の嗜好タグ、複数パターンの組合せ嗜好タグ、及び、複数パターンの単独嗜好タグの中から1以上を組み合わせたタグ情報であって、ユーザの嗜好情報との間で一致するタグ情報と、を含む画像を生成して提示することができる。つまり、ユーザが一見しただけで、これらの情報、すなわち、どのようにして提示されている放送コンテンツが選択されたのかを把握することができる。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本開示は、ユーザが視聴した放送コンテンツの視聴履歴からユーザの嗜好を推定するためのシステム等に適用可能である。
【符号の説明】
【0099】
2 録画装置
3 テレビジョン受像機
11 取得部
13 評価部
15 記憶部
17 出力部
19 評価度算出部
21 図示化部
100 情報処理装置
150 タグ付与装置
200 コンテンツ記憶装置
300 マッチング装置
400 提示装置