(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】照明システム、端末装置及び照明設定方法
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20240830BHJP
H05B 47/19 20200101ALI20240830BHJP
【FI】
H04Q9/00 301C
H04Q9/00 321B
H05B47/19
(21)【出願番号】P 2020142931
(22)【出願日】2020-08-26
【審査請求日】2023-05-15
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 朝
(72)【発明者】
【氏名】中村 重雄
(72)【発明者】
【氏名】西保 和磨
【審査官】吉村 伊佐雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-133808(JP,A)
【文献】特開2019-012678(JP,A)
【文献】特開2007-300369(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/01
3/048-3/04895
H03J9/00-9/06
H04B7/24-7/26
H04L12/28
12/44-12/46
H04M1/00
1/24-3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
99/00
H04Q9/00-9/16
H04W4/00-99/00
H05B39/00-39/10
45/00-45/59
47/00-47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の照明装置のうちの少なくとも1つの照明装置と複数の中継器のうちの1つの中継器とがペアリング設定
をしようとする際に、前記1つの中継器が前記照明装置とペアリング設定できる制限台数を超えている場合、前記少なくとも1つの照明装置をペアリング設定するために、前記少なくとも1つの照明装置と前記1つの中継器とのそれぞれの距離を示す情報を取得し、取得したそれぞれの前記距離を示す情報に基づいて
、前記複数の中継器から前記1つの中継器と異なる中継器を抽出する処理部と、
前記少なくとも1つの照明装置と
前記1つの中継器とがペアリング設定を
しようとする際に、前記1つの中継器が前記照明装置とペアリング設定できる制限台数を超えている場合、前記少なくとも1つの照明装置をペアリング設定するために、前記1つの中継器から前記異なる中継器に変更することを促すメッセージを表示する表示部とを備える
照明システム。
【請求項2】
前記処理部は、
前記少なくとも1つの照明装置と前記複数の中継器との間のそれぞれの無線通信の電波強度を示す情報を取得し、
取得したそれぞれの前記電波強度を示す情報、及び、それぞれの前記距離を示す情報に基づいて、前記少なくとも1つの照明装置とペアリング設定するために、前記複数の中継器から前記1つの中継器と異なる中継器を抽出する
請求項1に記載の照明システム。
【請求項3】
前記表示部は、前記複数の照明装置及び前記複数の中継器を仮想的に配置した図面である配灯図面を表示し、
前記処理部は、前記配灯図面から、前記少なくとも1つの照明装置と前記複数の中継器のうちの少なくとも1つの中継器とのそれぞれの距離を示す情報を取得する
請求項1又は2に記載の照明システム。
【請求項4】
前記処理部は、
前記1つの中継器とペアリング設定される前記複数の照明装置の台数が、当該中継器の制限台数以下であるか否かを判定し、
前記1つの中継器とペアリング設定される前記複数の照明装置の台数が、前記制限台数を超えていれば、前記制限台数を超えた台数分の照明装置とペアリング設定するために、前記複数の中継器から前記1つの中継器と異なる中継器を抽出する
請求項1~3のいずれか1項に記載の照明システム。
【請求項5】
前記処理部は、前記複数の中継器から前記1つの中継器と異なる中継器を抽出した場合、抽出した中継器と、前記少なくとも1つの照明装置とのペアリング設定を自動的に又は手動による選択によって実行する
請求項1~4のいずれか1項に記載の照明システム。
【請求項6】
前記処理部は、前記複数の中継器のそれぞれにペアリング設定が実行された前記少なくとも1つの照明装置のリストを前記表示部に表示させる
請求項1~5のいずれか1項に記載の照明システム。
【請求項7】
前記処理部は、
前記少なくとも1つの照明装置と前記複数の中継器との間のそれぞれの無線通信の電波強度を示す情報を取得し、
それぞれの前記電波強度を示す情報に基づいて、最も電波強度の高い中継器とペアリング設定される前記複数の照明装置の台数が、当該中継器の制限台数以下であるか否かを判定し、
前記1つの中継器とペアリング設定される前記複数の照明装置の台数が、前記制限台数を超えていれば、それぞれの前記電波強度を示す情報に基づいて、前記複数の中継器から前記1つの中継器と異なる中継器である2番目に電波強度の高い中継器を抽出する
請求項1、3、5、6のいずれか1項に記載の照明システム。
【請求項8】
複数の照明装置のうちの少なくとも1つの照明装置と複数の中継器のうちの1つの中継器とがペアリング設定
をしようとする際に、前記1つの中継器が前記照明装置とペアリング設定できる制限台数を超えている場合、前記少なくとも1つの照明装置をペアリング設定するために、前記少なくとも1つの照明装置と前記1つの中継器とのそれぞれの距離を示す情報を取得し、取得したそれぞれの前記距離を示す情報に基づいて
、前記複数の中継器から前記1つの中継器と異なる中継器を抽出する処理部と、
前記少なくとも1つの照明装置と
前記1つの中継器とがペアリング設定を
しようとする際に、前記1つの中継器が前記照明装置とペアリング設定できる制限台数を超えている場合、前記少なくとも1つの照明装置をペアリング設定するために、前記1つの中継器から前記異なる中継器に変更することを促すメッセージとを表示する表示部とを備え、
前記処理部は、前記複数の照明装置及び前記複数の中継器を仮想的に配置した図面である配灯図面を取得し、取得した前記配灯図面を前記表示部に表示させる
端末装置。
【請求項9】
複数の照明装置のうちの少なくとも1つの照明装置と複数の中継器のうちの1つの中継器とがペアリング設定
をしようとする際に、前記1つの中継器が前記照明装置とペアリング設定できる制限台数を超えている場合、前記少なくとも1つの照明装置をペアリング設定するために、前記少なくとも1つの照明装置と前記1つの中継器とのそれぞれの距離を示す情報を取得し、取得したそれぞれの前記距離を示す情報に基づいて
、前記複数の中継器から前記1つの中継器と異なる中継器を抽出することと、
前記少なくとも1つの照明装置と
前記1つの中継器とがペアリング設定を
しようとする際に、前記1つの中継器が前記照明装置とペアリング設定できる制限台数を超えている場合、前記少なくとも1つの照明装置をペアリング設定するために、前記1つの中継器から前記異なる中継器に変更することを促すメッセージを表示することとを含む
照明設定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明システム、端末装置及び照明設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線アダプタと無線機器とのペアリング設定を行う技術が提案されている。特許文献1には、複数の無線機器のそれぞれと設定器との間の無線通信の電波強度である設定器側電波強度に基づいて、複数の無線機器から少なくとも1つの無線機器を、無線アダプタとのペアリングの候補として抽出する無線システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の無線システムに用いられる照明システムでは、電波強度だけで無線機器としての照明装置を抽出するため、照明装置の配灯図面に偏りがある場合、無線アダプタとしての中継器とペアリング設定できる照明装置の登録台数に制限がある場合では、ペアリングの候補として抽出した無線アダプタとペアリング設定を実行できない場合がある。
【0005】
そこで、本開示は、照明装置と中継器とのペアリング設定を安定的に行うことができる照明システム、端末装置及び照明設定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示の一態様に係る照明システムは、複数の照明装置のうちの少なくとも1つの照明装置と複数の中継器のうちの1つの中継器とがペアリング設定をしようとする際に、前記1つの中継器が前記照明装置とペアリング設定できる制限台数を超えている場合、前記少なくとも1つの照明装置をペアリング設定するために、前記少なくとも1つの照明装置と前記1つの中継器とのそれぞれの距離を示す情報を取得し、取得したそれぞれの前記距離を示す情報に基づいて、前記複数の中継器から前記1つの中継器と異なる中継器を抽出する処理部と、前記少なくとも1つの照明装置と前記1つの中継器とがペアリング設定をしようとする際に、前記1つの中継器が前記照明装置とペアリング設定できる制限台数を超えている場合、前記少なくとも1つの照明装置をペアリング設定するために、前記1つの中継器から前記異なる中継器に変更することを促すメッセージを表示する表示部とを備える。
【0007】
また、本開示の一態様に係る端末装置は、複数の照明装置のうちの少なくとも1つの照明装置と複数の中継器のうちの1つの中継器とがペアリング設定をしようとする際に、前記1つの中継器が前記照明装置とペアリング設定できる制限台数を超えている場合、前記少なくとも1つの照明装置をペアリング設定するために、前記少なくとも1つの照明装置と前記1つの中継器とのそれぞれの距離を示す情報を取得し、取得したそれぞれの前記距離を示す情報に基づいて、前記複数の中継器から前記1つの中継器と異なる中継器を抽出する処理部と、前記少なくとも1つの照明装置と前記1つの中継器とがペアリング設定をしようとする際に、前記1つの中継器が前記照明装置とペアリング設定できる制限台数を超えている場合、前記少なくとも1つの照明装置をペアリング設定するために、前記1つの中継器から前記異なる中継器に変更することを促すメッセージとを表示する表示部とを備え、前記処理部は、前記複数の照明装置及び前記複数の中継器を仮想的に配置した図面である配灯図面を取得し、取得した前記配灯図面を前記表示部に表示させる。
【0008】
また、本開示の一態様に係る照明設定方法は、複数の照明装置のうちの少なくとも1つの照明装置と複数の中継器のうちの1つの中継器とがペアリング設定をしようとする際に、前記1つの中継器が前記照明装置とペアリング設定できる制限台数を超えている場合、前記少なくとも1つの照明装置をペアリング設定するために、前記少なくとも1つの照明装置と前記1つの中継器とのそれぞれの距離を示す情報を取得し、取得したそれぞれの前記距離を示す情報に基づいて、前記複数の中継器から前記1つの中継器と異なる中継器を抽出することと、前記少なくとも1つの照明装置と前記1つの中継器とがペアリング設定をしようとする際に、前記1つの中継器が前記照明装置とペアリング設定できる制限台数を超えている場合、前記少なくとも1つの照明装置をペアリング設定するために、前記1つの中継器から前記異なる中継器に変更することを促すメッセージを表示することとを含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る照明システム等は、照明装置と中継器とのペアリング設定を安定的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態1に係る照明システムを例示したブロック図である。
【
図2】
図2は、実施の形態1に係る照明システムの処理を例示したシーケンス図である。
【
図3】
図3は、実施の形態1に係る端末装置の表示部において、照明装置と無線アダプタとのペアリング設定を行う際に、無線アダプタの制限台数以上の場合に表示されるメッセージの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施の形態1に係る端末装置の表示部において、照明装置のペアリング設定が第1無線アダプタから第2無線アダプタに変更されたときに表示されるメッセージの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施の形態1に係る端末装置の表示部において、照明装置のペアリング設定を第1無線アダプタから第2無線アダプタに変更するときに、ユーザが端末装置を操作して所望の第2無線アダプタに変更するときに表示されるメッセージの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施の形態1に係る端末装置の表示部において、照明装置のペアリング設定が第1無線アダプタから第2無線アダプタに自動的に変更されたときに表示されるメッセージの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施の形態1に係る端末装置の表示部において、照明装置とペアリング設定するための第2無線アダプタが自動的に選択されるときに表示されるメッセージの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施の形態1に係る端末装置の表示部において、照明装置のペアリング設定が第1無線アダプタから第2無線アダプタに自動的に変更されたときに表示されるメッセージの別の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施の形態2に係る照明システムの電波強度テーブル、及び、距離テーブルを例示した図である。
【
図10】
図10は、実施の形態2に係る照明システムの別の処理を例示したフローチャートである。
【
図11】
図11は、実施の形態2に係る端末装置の表示部において、無線アダプタと照明装置との受信信号強度が規定値未満の場合に、表示部に表示されるメッセージの一例を示す図である。
【
図12】
図12は、実施の形態2に係る端末装置の表示部において、第1の複数の照明装置を第1無線アダプタとペアリング設定し、第2の複数の照明装置を第2無線アダプタとペアリング設定する場合に、第1の複数の照明装置と第2の複数の照明装置とを再変更した場合に表示部に表示されるメッセージの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0013】
(実施の形態1)
<構成:照明システム1>
まず、本実施の形態に係る照明システム1、端末装置10及び照明設定方法の構成について説明する。
【0014】
図1は、実施の形態1に係る照明システム1を例示したブロック図である。
【0015】
図1に示すように、照明システム1は、ビル等の施設において各フロア、各部屋等といった各室内空間に配置されている複数の照明装置30を制御することができるシステムである。照明システム1は、複数の照明装置30のうちの少なくとも1つの照明装置30と複数の無線アダプタ20のうちの1つの無線アダプタ20とがペアリング設定することで、複数の照明装置30のうちの少なくとも1つの照明装置30を一括して制御する。複数の照明装置30の制御は、例えば、照明に関するスケジュール、調光度及び調色度の変更等である。本実施の形態では、各室内空間のうちの1つの室内空間を例示して説明する。1つの室内空間には、複数の照明装置30が配置されている場合を例示しているが、特に言及しない限り、複数の照明装置30のうちの1つの照明装置30について説明する。
【0016】
照明システム1は、照明コントローラ5と、端末装置10と、複数の無線アダプタ20と、複数の照明装置30とを備えている。
【0017】
照明コントローラ5は、複数の無線アダプタ20のそれぞれと通信可能に構成され、複数の無線アダプタ20を管理する。複数の照明装置30のそれぞれは、複数の無線アダプタ20のうちの1つの無線アダプタ20と通信可能に構成されている。また、端末装置10は、複数の照明装置30と通信可能である。以下、複数の無線アダプタ20を区別する必要がある場合には、無線アダプタ20のそれぞれを無線アダプタ20a,20b,・・・という場合がある。
【0018】
[照明コントローラ5]
照明コントローラ5は、2線式の信号線9によって無線アダプタ20と有線接続されている。照明コントローラ5は、複数の無線アダプタ20のそれぞれとの間で有線通信により双方向に通信可能に構成されている。本実施の形態では、照明コントローラ5と複数の無線アダプタ20のそれぞれとの間において、例えば、双極性の時分割多重信号からなる伝送信号により通信が行われる。具体的には、照明コントローラ5は、伝送信号を信号線9に出力する。これにより、伝送信号は、信号線9を介して複数の無線アダプタ20のそれぞれに送信される。また、複数の無線アダプタ20のそれぞれは、伝送信号の返送期間において、伝送信号を返送する。これにより、伝送信号は、信号線9を介して複数の無線アダプタ20のそれぞれから照明コントローラ5に送信される。照明コントローラ5は、複数の無線アダプタ20のそれぞれと通信することで、複数の無線アダプタ20のそれぞれに対応する少なくとも1つの照明装置30を一括して連動させるように、例えば伝送信号としての制御情報を出力することで制御する。例えば、照明コントローラ5は、照明に関するスケジュール、調光度及び調色度の変更等の制御を行うことができる。
【0019】
[端末装置10]
端末装置10は、複数の無線アダプタ20のそれぞれに対して、複数の照明装置30のうち少なくとも1つの照明装置30とのペアリング設定を行う。少なくとも1つの照明装置30は、少なくとも1つの無線アダプタ20と通信可能とされている。端末装置10は、例えばタブレット端末、スマートフォン等の持ち運び可能な端末である。
【0020】
端末装置10は、複数の無線アダプタ20との間、複数の照明装置30との間、及び、照明コントローラ5との間で無線通信により双方向に信号を送受信可能に構成されている。本実施の形態では、無線アダプタ20と端末装置10との間、及び、照明装置30と端末装置10との間の通信方式は、例えば、小電力無線(特定小電力無線)等の無線通信である。この種の小電力無線については、用途等に応じて使用する周波数帯域、空中線電力等の仕様が各国で規定されている。本実施の形態では、照明コントローラ5と端末装置10との間の通信方式は、例えばWi-Fi(登録商標)の無線通信である。
【0021】
また、端末装置10は、複数の照明装置30のうちの少なくとも1つの照明装置30と複数の無線アダプタ20のうちの1つの無線アダプタ20とがペアリング設定するための図面(後述する、配灯図面13a)を表示する。また端末装置10は、少なくとも1つの照明装置30とペアリング設定するための候補として、複数の無線アダプタ20のうちから少なくとも1つの無線アダプタ20を抽出する。端末装置10は、ペアリング設定を自動的に又はユーザの手動による選択によって、ペアリング設定の候補として抽出された全ての無線アダプタ20のうちから、1つ以上の照明装置30とペアリング設定すべき1つの無線アダプタ20を決定する。
【0022】
なお、端末装置10は、ペアリング設定をした照明装置30(ペアリング設定済みの照明装置30)を制御することができてもよい。また、照明装置30をペアリング設定した後、端末装置10は、ユーザの操作入力を受け付けることで制御情報を生成したり、外部装置から制御情報を取得したりしてその制御情報を記憶し、記憶した制御情報にしたがって照明装置30を制御する。
【0023】
端末装置10は、第1通信部11と、第1記憶部12と、表示部13と、操作入力部14と、第1処理部15とを有している。
【0024】
第1通信部11は、複数の無線アダプタ20のそれぞれ、及び、複数の照明装置30のそれぞれとの通信を行うための通信インタフェースである。第1通信部11による通信方式は、例えば、近距離無線通信(例えばWi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)通信)、赤外線通信、又は、携帯電話用のモバイル通信等の通信方式である。
【0025】
第1記憶部12には、第1処理部15が実行するためのプログラムが記憶されている。また、第1記憶部12には、取得した制御情報等が定期的に記憶されてもよい。第1記憶部12は、例えば、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等の一次記憶装置を含む。また、第1記憶部12は、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の二次記憶装置、光ディスク及びSDカード等の三次記憶装置を含んでいてもよい。
【0026】
また、第1記憶部12は、ペアリング設定に用いる情報として、例えば配灯図面13a、距離テーブル、制限台数、及び、複数の照明装置30のそれぞれの識別情報、複数の無線アダプタ20のそれぞれの識別情報等を記憶する。照明装置30の識別情報とは、例えば照明装置30に予め割り当てられたMac(Media Access Control address)アドレス等である。無線アダプタ20の識別情報とは、例えば無線アダプタ20に予め割り当てられたMacアドレス等である。
【0027】
表示部13は、例えば、液晶パネル又は有機EL(Electro Luminescence)パネル等のディスプレイ装置である。表示部13は、例えば、複数の照明装置30のうち少なくとも1つの照明装置30と無線アダプタ20とがペアリング設定するための候補として抽出された、複数の無線アダプタ20のうちから少なくとも1つの無線アダプタ20の一覧を表示する。また、表示部13は、少なくとも1つの照明装置30と無線アダプタ20とがペアリング設定をすることができない場合、ペアリング設定ができないことを示す情報を表示する。この場合、表示部13は、このペアリング設定において、ペアリング設定ができない無線アダプタ20と異なる無線アダプタ20に変更することを促すメッセージを表示したり、ペアリング設定可能な別の少なくとも1つの無線アダプタ20の候補の一覧を表示したりする。また、表示部13は、照明装置30と無線アダプタ20とのペアリング設定が完了した後、端末装置10の登録ができたことを表示したりする。
【0028】
表示部13は、上述の各室内空間のレイアウト、複数の照明装置30及び複数の無線アダプタ20を仮想的に配置した図面である配灯図面13aを画面に表示する。つまり、表示部13は、複数の照明装置30のうちの少なくとも1つの照明装置30と無線アダプタ20とをペアリング設定したり、ペアリング設定の完了後にペアリング設定した少なくとも1つの照明装置30を制御するための配灯図面13aを表示したりする。これにより、ユーザは、表示部13に表示された配灯図面13aを確認して、少なくとも1つの照明装置30をペアリング設定したり、ペアリング設定の完了後にペアリング設定した少なくとも1つの照明装置30を制御したりする。
【0029】
操作入力部14は、ユーザの操作入力を受け付ける入力インタフェースである。操作入力部14は、具体的には、タッチパネルディスプレイを搭載している場合には、タッチパネルディスプレイが表示部13及び操作入力部14として機能する。なお、操作入力部14は、タッチパネルディスプレイに限らず、例えばキーボードやポインティングデバイス、メカニカルなスイッチ等であってもよい。
【0030】
ペアリング設定において、少なくとも1つの照明装置30と、ペアリング設定ができない無線アダプタ20から異なる無線アダプタ20への変更を受け付ける場合、操作入力部14は、例えばユーザの操作入力を受け付けることで、選択された無線アダプタ20を示す情報を第1処理部15に出力する。また、操作入力部14は、ペアリング設定が完了した後、ユーザの操作入力を受け付けることで、制御情報を生成するための指示、外部装置から制御情報を取得する指示等を第1処理部15に出力する。
【0031】
第1処理部15は、端末装置10の各部の制御を行う制御回路である。第1処理部15は、プロセッサ等を有し、プロセッサが第1記憶部12に記憶されたプログラムを実行することで、各種制御を行う。プロセッサは、MPU(Micro Processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphical Processing Unit)、又は、SOC(System on a Chip)等によって構成される。第1処理部15は、処理部の一例である。
【0032】
第1処理部15は、少なくとも1つの照明装置30と1つの無線アダプタ20とのそれぞれの距離を示す情報を取得し、取得したそれぞれの距離を示す情報に基づいて、少なくとも1つの照明装置30とペアリング設定するために、複数の無線アダプタ20から、ペアリング設定ができない無線アダプタ20と異なる無線アダプタ20を抽出する。
【0033】
具体的には、第1処理部15は、ペアリング設定を試みる前処理として、第1通信部11を介して、複数の照明装置30のそれぞれの識別情報の送信を要求する信号であって端末装置10の識別情報を含む要求信号をブロードキャストで送信する。第1処理部15は、第1通信部11を介して複数の照明装置30のそれぞれから要求信号に対する応答として、複数の照明装置30のそれぞれの識別情報を取得する。
【0034】
また、第1処理部15は、ペアリング設定を試みる前処理として、第1通信部11を介して、複数の無線アダプタ20のそれぞれの識別情報の送信を要求する信号であって端末装置10の識別情報を含む要求信号をブロードキャストで送信する。第1処理部15は、第1通信部11を介して複数の無線アダプタ20のそれぞれから要求信号に対する応答として、複数の無線アダプタ20のそれぞれの識別情報を取得する。
【0035】
第1処理部15は、取得した複数の照明装置30及び複数の無線アダプタ20の識別情報に基づいて、複数の照明装置30のそれぞれと少なくとも1つの無線アダプタ20とのペアリング設定を試みる。具体的には、第1処理部15は、1つの無線アダプタ20とペアリング設定される複数の照明装置30の台数が、当該無線アダプタ20の制限台数以下であるか否かを判定する。つまり、第1処理部15は、ペアリング設定を試みる少なくとも1つの照明装置30について、無線アダプタ20がペアリング設定できる制限台数以下となるか否かを判定する。第1処理部15は、無線アダプタ20がペアリング設定できる制限台数以下となる場合、少なくとも1つの照明装置30と無線アダプタ20とのペアリング設定を試みる。しかし、第1処理部15は、1つの無線アダプタ20とペアリング設定を試みる少なくとも1つの照明装置30の台数によって、当該制限台数を超えることになれば、規定台数を超えた台数分の照明装置30とペアリング設定するために、複数の無線アダプタ20からペアリング設定ができない無線アダプタ20と異なる無線アダプタ20を抽出する。つまり、第1処理部15は、少なくとも1つの照明装置30が1つの無線アダプタ20(例えば、第1無線アダプタ20aと呼ぶ)とペアリング設定できない場合(無線アダプタ20がペアリング設定できる制限台数を超える場合)に、第1無線アダプタ20aとは異なる(第1無線アダプタ20a以外)の少なくとも1つの無線アダプタ20(例えば、第2無線アダプタ20bと呼ぶ)とのペアリング設定を試みる。そして、無線アダプタ20がペアリング設定できる制限台数を超える場合、第1処理部15は、少なくとも1つの第2無線アダプタ20bを抽出する。第1処理部15は、この抽出には、第1処理部15が第1記憶部12から配灯図面13aを読み出(言い換えれば、取得)し、配灯図面13aから、ペアリング設定を試みる少なくとも1つの照明装置30と少なくとも1つの第2無線アダプタ20bとのそれぞれの距離を示す情報を取得する。配灯図面13aには、複数の照明装置30のそれぞれと、複数の無線アダプタ20のそれぞれとの距離を示す距離テーブルが含まれている。つまり、第1処理部15は、距離テーブルから、ペアリング設定できない少なくとも1つの照明装置30と少なくとも1つの第2無線アダプタ20bとの距離を取得することができる。第1処理部15は、抽出した少なくとも1つの第2無線アダプタ20bのリスト(表)を生成し、生成した第2無線アダプタ20bのリストを表示部13に表示させる。このとき、第1処理部15は、少なくとも1つの照明装置30とのペアリング設定を、第1無線アダプタ20aから第2無線アダプタ20bに変更することを促すメッセージに含まれる当該リスト及び配灯図面13a等を、表示部13に表示させる。
【0036】
また、第1処理部15は、表示部13に表示させたメッセージに基づいて第2無線アダプタ20bが選択されると、選択された第2無線アダプタ20bを示す情報(無線アダプタ20を示す情報)を操作入力部14から取得し、取得した当該情報に示される第2無線アダプタ20bと少なくとも1つの照明装置30とのペアリング設定を試みる。第1処理部15は、ペアリング設定が完了すれば、ペアリング設定の完了を示すメッセージを表示部13に表示させる。
【0037】
[無線アダプタ20]
無線アダプタ20は、少なくとも1つの照明装置30と端末装置10とを通信可能に接続するルータ、ハブ等のアクセスポイントである。無線アダプタ20は、少なくとも1つの照明装置30との間で無線通信により双方向に信号を送受信可能に構成されている。つまり、無線アダプタ20は、照明コントローラ5との間では有線通信を行い、少なくとも1つの照明装置30との間、及び、端末装置10との間では無線通信を行う。本実施の形態では、無線アダプタ20と照明装置30との間の通信方式は、例えば、小電力無線(特定小電力無線)等の無線通信である。無線アダプタ20は、照明コントローラ5が照明装置30を制御する場合、照明コントローラ5が送信した制御情報を受信し、受信した制御情報を自機とペアリング設定されている少なくとも1つの照明装置30に送信する。無線アダプタ20は、中継器の一例である。
【0038】
無線アダプタ20は、有線通信部21と、無線通信部22と、第2処理部23と、第2記憶部24とを有する。
【0039】
有線通信部21は、照明コントローラ5との通信を行うための通信インタフェースである。有線通信部21は、信号線9にて照明コントローラ5と有線通信可能に接続されている。有線通信部21は、照明コントローラ5との間の有線通信により、双方向に伝送信号の送受信を行う。
【0040】
無線通信部22は、端末装置10との間、及び、複数の照明装置30との通信を行うための通信インタフェースである。無線通信部22は、端末装置10、及び、複数の照明装置30のうちの少なくとも1つの照明装置30との間で、無線通信により双方向に信号の送受信を行う。無線通信部22による通信方式は、例えば、近距離無線通信(例えばWi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)通信)、赤外線通信、又は、携帯電話用のモバイル通信等の通信方式である。
【0041】
第2処理部23は、有線通信部21及び無線通信部22等の無線アダプタ20の各部の制御を行う制御回路である。第2処理部23は、プロセッサ等を有し、プロセッサが第2記憶部24に記憶されたプログラムを実行することで、各種制御を行う。プロセッサは、MPU、CPU、DSP、GPU、又は、SOC等によって構成される。
【0042】
第2処理部23は、無線通信部22を介して端末装置10から要求信号を受け取ると、要求信号に対する応答として、第2記憶部24に記憶されている無線アダプタ20の識別情報を、無線通信部22を介して端末装置10に送信する。
【0043】
第2記憶部24は、例えば、RAM及びROM等の一次記憶装置を含む。また、第2記憶部24は、HDD、SSD等の二次記憶装置、光ディスク及びSDカード等の三次記憶装置を含んでいてもよい。第2記憶部24は、第2処理部23が実行するためのプログラム等が記憶されている。また、第2記憶部24には、無線アダプタ20の識別情報等が記憶される。また、第2記憶部24には、ペアリング設定された照明装置30に関するペアリング設定情報を記憶する。
【0044】
[照明装置30]
照明装置30は、室内空間の天井に設置されて当該室内空間を照明するベースライト等であり、照明コントローラ5によって発光制御される。照明装置30と照明コントローラ5との間の通信は、例えば、無線通信であるが、有線通信であってもよい。なお、照明装置30の態様は、特に限定されるものではなく、シーリングライト、ダウンライト、又は、スポットライト等であってもよい。
【0045】
照明装置30は、調光制御機能及び調色制御機能を有する。具体的には、照明装置30は、照明装置30が照射する光について、輝度(明るさ)及び光色(色温度又は波長)を変更する。
【0046】
照明装置30は、発光モジュール31と、第3処理部32と、第3記憶部33と、第2通信部34と、電源部35とを有する。
【0047】
発光モジュール31は、少なくとも1つの発光素子を有する。本実施の形態において、発光モジュール31は、複数設けられる。発光素子は、例えば、LEDがパッケージ化された表面実装(SMD:Surface Mount Device)型のLED素子である。発光モジュール31は、制御情報に基づく第3処理部32からの指示にしたがって発光する。制御情報は、照明装置30を照明制御するための各種パラメータ等を含む情報である。発光モジュール31は、RGBの3色の発光素子を有し、赤色光、青色光及び緑色光の3色の単色光を出射するとともに、これらの3色の単色光を調光することで得られるカラー光又は白色光を出射する。
【0048】
第3処理部32は、照明装置30の各部の制御を行う制御回路である。第3処理部32は、プロセッサ等を有し、プロセッサが第3記憶部33に記憶されたプログラムを実行することで、各種制御を行う。プロセッサは、MPU、CPU、DSP、GPU、又は、SOC等によって構成される。また、プログラムには、制御情報が含まれていてもよい。
【0049】
第3処理部32は、発光モジュール31を制御する。具体的には、第3処理部32は、制御情報を取得し、取得した制御情報に応じた発光態様で点灯させるように、発光モジュール31が出射する光の発光態様を制御する。例えば、第3処理部32は、発光モジュール31が出射する光について、点消灯(点灯、消灯)を制御したり、輝度を変えるように制御したり、光色を変えるように制御したりする。なお、制御情報は、第2通信部34を介して外部装置から取得してもよく、第3記憶部33から取得してもよい。
【0050】
第3処理部32は、無線通信部22を介して端末装置10から要求信号を受け取ると、要求信号に対する応答として、第3記憶部33に記憶されている照明装置30のMACアドレス等の識別情報を、第2通信部34を介して端末装置10に送信する。
【0051】
第3記憶部33には、第3処理部32が実行するためのプログラムが記憶されている。また、第3記憶部33には、取得した制御情報等が定期的に記憶される。第3記憶部33は、例えば、RAM及びROM等の一次記憶装置を含む。また、第3記憶部33は、HDD、SSD等の二次記憶装置、光ディスク及びSDカード等の三次記憶装置を含んでいてもよい。
【0052】
また、第3記憶部33は、ペアリング設定に用いる情報として、照明装置30のMACアドレス等の識別情報等を記憶する。
【0053】
第2通信部34は、無線アダプタ20及び端末装置10との通信を行う機能を有する。具体的には、第2通信部34は、照明装置30が発する光の発光態様を制御するための制御情報を無線アダプタ20又は端末装置10から受信する。第2通信部34が受信した制御情報は、第3処理部32によって第3記憶部33に記憶されたりする。第2通信部34による通信方式は、例えば、近距離無線通信(例えばWi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)通信)、赤外線通信、又は、携帯電話用のモバイル通信等の通信方式である。
【0054】
電源部35は、照明装置30の各部に電力を供給する。電源部35は、例えば、プリント基板に複数の電子部品が実装された電源回路である。電源部35は、例えば、発光モジュール31を発光させるための電力として駆動電力を生成する。具体的には、電源部35は、商用の交流電力を直流電力に変換し、この直流電力によって発光モジュール31を発光させるための駆動電力として生成し、生成した駆動電力を発光モジュール31に供給して、発光モジュール31を発光させる。
【0055】
<処理>
次に、本実施の形態に係る照明システム1、端末装置10及び照明設定方法の処理について説明する。ここでは、複数の照明装置30から少なくとも1つの照明装置30をペアリング設定の候補として抽出する抽出処理について、
図2を用いて説明する。
図2は、実施の形態1に係る照明システム1の処理を例示したシーケンス図である。
図3のaは、実施の形態1に係る端末装置10の表示部13において、照明装置30と無線アダプタ20とのペアリング設定を行う際に、無線アダプタ20の制限台数以上の場合に表示されるメッセージの一例を示す図である。
図3のbでは、ペアリング設定が完了した場合に、表示部13に表示される照明装置30のアイコンを変化させた図を例示している。ここでは、第1無線アダプタ20aをペアリングの設定対象とする。ペアリングの設定対象が無線アダプタ20b,20cである場合であっても処理は、以下に説明する処理と同様である。
【0056】
図2に示すように、ユーザは、端末装置10を操作することで、少なくとも1つの照明装置30と第1無線アダプタ20aとをペアリング設定するための専用のアプリケーションを起動させる。ユーザは、端末装置10の操作入力部14に操作入力することで、端末装置10の初期設定を開始する(S11)。初期設定では、第1処理部15は、第1通信部11を介して、複数の照明装置30のそれぞれの識別情報の送信を要求する信号であって端末装置10の識別情報を含む要求信号をブロードキャストで送信する。第1処理部15は、第1通信部11を介して、複数の照明装置30のそれぞれから要求信号に対する応答として、複数の照明装置30のそれぞれから、MACアドレス等が含まれた識別情報を取得する。また、第1処理部15は、第1通信部11を介して、複数の無線アダプタ20のそれぞれの識別情報の送信を要求する信号であって端末装置10の識別情報を含む要求信号をブロードキャストで送信する。第1処理部15は、第1通信部11を介して、複数の無線アダプタ20のそれぞれから要求信号に対する応答として、複数の無線アダプタ20のそれぞれから、MACアドレス等が含まれた識別情報を取得する。
【0057】
第1処理部15は、取得した複数の照明装置30のそれぞれの識別情報に基づいて、無線アダプタ20とペアリング設定の候補となる複数の照明装置30を表示部13に表示させる。これにより、ユーザは、表示部13に表示された複数の照明装置30のうちから所望の少なくとも1つの照明装置30を選択する。ユーザが端末装置10の操作入力部14に操作入力することで、所望の少なくとも1つの照明装置30が選択されると(S12)、第1処理部15は、選択された少なくとも1つの照明装置30がペアリング設定を試みるための複数の無線アダプタ20を、表示部13に表示させる(S13)。つまり、第1処理部15は、取得した複数の無線アダプタ20のそれぞれの識別情報に基づいて、選択された少なくとも1つの照明装置30とのペアリング設定の候補となる複数の無線アダプタ20を表示部13に表示させる。これにより、ユーザは、表示部13に表示された複数の無線アダプタ20のうちから1つの無線アダプタ20である第1無線アダプタ20aを選択する。
【0058】
ユーザが端末装置10の操作入力部14を操作入力することで、第1無線アダプタ20aが選択されると(S14)、
図3のaに示すように、端末装置10の表示部13に「ペアリング設定」と表示されている部分である操作入力部14に対して操作入力する。
【0059】
図2に示すように、第1処理部15は、ペアリング設定を試みるため、ステップS12で選択された少なくとも1つの照明装置30について、ステップS14で選択された第1無線アダプタ20aがペアリング設定できる制限台数以下となるか否かを判定する(S15)。
【0060】
第1処理部15は、第1無線アダプタ20aとペアリング設定される複数の照明装置30の台数が、制限台数を超えていれば(S15でNO)、
図3のaに示すように、「システムの上限に達しました」とのメッセージを表示部13に表示させる。第1処理部15は、制限台数を超えた台数分の照明装置30とペアリング設定するために、複数の無線アダプタ20から第1無線アダプタ20aと異なる第2無線アダプタ20bを抽出する。具体的には、第1処理部15は、第1無線アダプタ20aが少なくとも1つの照明装置30とのペアリング設定において、ペアリング設定できる制限台数を超える場合、第1処理部15が第1記憶部12から、距離テーブルを含む配灯図面13aを読み出し、配灯図面13aから、少なくとも1つの照明装置30と複数の無線アダプタ20とのそれぞれの距離を示す情報を取得する。第1処理部15は、距離を示す情報に基づいて、少なくとも1つの第2無線アダプタ20bを抽出する。第1処理部15は、抽出した少なくとも1つの第2無線アダプタ20bのリストを生成し、生成した第2無線アダプタ20bのリストを表示部13に表示させる。第1処理部15は、少なくとも1つの照明装置30とのペアリング設定を、第1無線アダプタ20aから、第1無線アダプタ20aと異なる無線アダプタ20である第2無線アダプタ20bに変更することを促すメッセージに含まれる当該リスト及び配灯図面13aを、表示部13に表示させる。
【0061】
端末装置10では、後述する
図4及び
図5で示すようにユーザの操作入力、又は、後述する
図6~
図8で示すように第1処理部15が自動的に選択することにより、ペアリング設定の候補として抽出された全ての照明装置30のうちから、1つの無線アダプタ20とペアリング設定できる少なくとも1つの照明装置30を決定することができる。このように、端末装置10は、第1無線アダプタ20aの制限台数以下に収まるように、制限台数を超えた台数分の照明装置30と第1無線アダプタ20aとペアリング設定を、第2無線アダプタ20bに変更する(S17)。そして、第1処理部15は、ステップS12で選択された少なくとも1つの照明装置30と、ステップS17で変更された第2無線アダプタ20bとのペアリング設定を実行する(S16)。
【0062】
ここで、ユーザの手動による操作入力によって、第2無線アダプタ20bを直接的に選択する場合を
図4及び
図5を用いて説明する。
【0063】
図4は、実施の形態1に係る端末装置10の表示部13において、照明装置30のペアリング設定が第1無線アダプタ20aから第2無線アダプタ20bに変更されたときに表示されるメッセージの一例を示す図である。
図5は、実施の形態1に係る端末装置10の表示部13において、照明装置30のペアリング設定を第1無線アダプタ20aから第2無線アダプタ20bに変更するときに、ユーザが端末装置10を操作して所望の第2無線アダプタ20bに変更するときに表示されるメッセージの一例を示す図である。
【0064】
具体的には、
図4に示すように、ユーザが実線Aで囲む複数の照明装置30を選択すると、第1処理部15は、第2無線アダプタ20bとしての「無線アダプタ20への変更」とのメッセージを表示部13に表示させることで、第2無線アダプタ20bに変更することを促す。また、
図5に示すように、第1処理部15は、複数の第2無線アダプタ20bが存在する場合ではペアリング設定先となる複数の第2無線アダプタ20bのいずれかに変更することを促すメッセージとしてのリストR1を表示部13に表示させる。これにより、ユーザは、当該リストR1から所望の第2無線アダプタ20bを1つ選択する。
【0065】
また、自動的なペアリング設定をユーザが選択する操作入力によって、第1処理部15が少なくとも1つの第2無線アダプタ20bのうちから1つの第2無線アダプタ20bを自動的に選択して決定する場合を
図6から
図8を用いて説明する。
【0066】
図6は、実施の形態1に係る端末装置10の表示部13において、照明装置30のペアリング設定が第1無線アダプタ20aから第2無線アダプタ20bに自動的に変更されたときに表示されるメッセージの一例を示す図である。
図7は、実施の形態1に係る端末装置10の表示部13において、照明装置30とペアリング設定するための第2無線アダプタ20bが自動的に選択されるときに表示されるメッセージの一例を示す図である。
図8は、実施の形態1に係る端末装置10の表示部13において、照明装置30のペアリング設定が第1無線アダプタ20aから第2無線アダプタ20bに自動的に変更されたときに表示されるメッセージの別の一例を示す図である。
【0067】
具体的には、
図6に示すように、表示部13に「自動ペアリング設定」と表示されている操作入力部14に対してユーザが操作入力すると、第1処理部15は、抽出した少なくとも1つの第2無線アダプタ20bのうちから最適な1つの第2無線アダプタ20bを選択して決定する。例えば、第1処理部15は、それぞれの距離を示す情報に基づいて、少なくとも1つの第2無線アダプタ20bのうちから照明装置30と最も近い第2無線アダプタ20bを、最適な第2無線アダプタ20bとして選択してもよい。また、第2無線アダプタ20bにペアリング設定さ
れる照明装置30の数に応じて、2番目に近い第2無線アダプタ20bを、最適な第2無線アダプタ20bとして選択してもよい。
【0068】
第1処理部15は、最適な1つの第2無線アダプタ20bを選択して決定すると、当該第2無線アダプタ20bと照明装置30とのペアリング設定を実行する。第1処理部15は、当該ペアリング設定が完了すると、「ペアリング完了」とのメッセージを表示部13に表示させる。その後、
図7に示すように、ユーザが表示部13に表示されている「該当の無線アダプタを選択」と表示されている箇所を選択して、操作入力部14に対してユーザが操作入力すると、第1処理部15は、一点鎖線の枠A1内におけるペアリング設定された照明装置30を表示させることができる。また、
図3のbで示すように、照明装置30のアイコンを変化させてもよい。また、
図7とは別の例として、
図8に示すように、ユーザが表示部13に表示されている第2無線アダプタ20b選択して、操作入力部14に対してユーザが操作入力すると、第1処理部15は、ペアリング設定された複数の無線アダプタ20と複数の照明装置30とを一対一で対応付けた、リストR2を表示させることもできる。
【0069】
図2に示すように、第1処理部15は、無線アダプタ20としての第1無線アダプタ20aとペアリング設定される複数の照明装置30の台数が、制限台数以下であれば(S15でYES)、ステップS12で選択された少なくとも1つの照明装置30と、ステップS14で選択された第2無線アダプタ20bとのペアリング設定を実行する(S16)。
【0070】
ペアリング設定された少なくとも1つの照明装置30に対する動作確認をするために、第1処理部15は、第1通信部11を介して、選択された照明装置30に対して下限点灯指示を送信する(S18)。
【0071】
選択された照明装置30は、端末装置10から送信された下限点灯指示を受信すると、下限点灯指示に基づいて所定の調光で所定期間、下限点灯する(S19)。これにより、ユーザは、照明装置30と第2無線アダプタ20bとがペアリング設定されたことを認識することができる。
【0072】
こうして、照明装置30と第2無線アダプタ20bとのペアリング設定が完了すると、次に設定すべき、別の照明装置30及び別の無線アダプタ20とのペアリング設定を実行する。
【0073】
<作用効果>
次に、本実施の形態に係る照明システム1、端末装置10及び照明設定方法の作用効果について説明する。
【0074】
上述したように、本実施の形態に係る照明システム1は、複数の照明装置30のうちの少なくとも1つの照明装置30と複数の無線アダプタ20のうちの1つの無線アダプタ20とがペアリング設定する照明システム1であって、少なくとも1つの照明装置30と1つの無線アダプタ20とのそれぞれの距離を示す情報を取得し、取得したそれぞれの距離を示す情報に基づいて、少なくとも1つの照明装置30とペアリング設定するために、複数の無線アダプタ20から1つの無線アダプタ20と異なる無線アダプタ20を抽出する第1処理部15と、少なくとも1つの照明装置30とのペアリング設定を、1つの無線アダプタ20から異なる無線アダプタ20に変更することを促すメッセージを表示する表示部13とを備える。
【0075】
これによれば、照明装置30が無線アダプタ20とペアリング設定をすることが出来なくても、少なくとも1つの照明装置30と1つの無線アダプタ20とのそれぞれの距離を示す情報に基づいて、ペアリング設定ができなかった無線アダプタ20と異なる無線アダプタ20を抽出することができる。抽出した無線アダプタ20は、表示部13を介して表示されるため、ユーザは、ペアリング先の変更が必要か否かを判断することができる。
【0076】
また、無線アダプタ20とペアリング設定できる照明装置30の登録台数に制限があっても、ペアリング設定ができなかった無線アダプタ20と異なる無線アダプタ20に変更することを促すメッセージを表示することができるため、ユーザは、ペアリング先の変更を実行することもできる。
【0077】
したがって、この照明システム1では、照明装置30と無線アダプタ20とのペアリング設定を安定的に行うことができる。その結果、無線アダプタ20と照明装置30とがペアリング設定できないことによって生じる設定者の作業工数が増大することを抑制することができる。また、無線アダプタ20と照明装置30との通信を安定させることもできるため、無線アダプタ20を選択するときの通信トラブルの発生を抑制することもできる。このため、無線アダプタ20と照明装置30との通信トラフィックの増加を抑制することができる。
【0078】
また、本実施の形態に係る照明設定方法は、複数の照明装置30のうちの少なくとも1つの照明装置30と複数の無線アダプタ20のうちの1つの無線アダプタ20とがペアリング設定する照明設定方法であって、少なくとも1つの照明装置30と1つの無線アダプタ20とのそれぞれの距離を示す情報を取得し、取得したそれぞれの距離を示す情報に基づいて、少なくとも1つの照明装置30とペアリング設定するために、複数の無線アダプタ20から1つの無線アダプタ20と異なる無線アダプタ20を抽出することと、少なくとも1つの照明装置30とのペアリング設定を、1つの無線アダプタ20から異なる無線アダプタ20に変更することを促すメッセージを表示することとを含む。
【0079】
この照明設定方法においても上述と同様の作用効果を奏する。
【0080】
また、本実施の形態に係る端末装置10は、複数の照明装置30のうちの少なくとも1つの照明装置30と複数の無線アダプタ20のうちの1つの無線アダプタ20とがペアリング設定するための図面を表示する端末装置10であって、少なくとも1つの照明装置30と1つの無線アダプタ20とのそれぞれの距離を示す情報を取得し、取得したそれぞれの距離を示す情報に基づいて、少なくとも1つの照明装置30とペアリング設定するために、複数の無線アダプタ20から1つの無線アダプタ20と異なる無線アダプタ20を抽出する第1処理部15と、少なくとも1つの照明装置30とのペアリング設定を、1つの無線アダプタ20から異なる無線アダプタ20に変更することを促すメッセージとを表示する表示部13とを備える。そして、第1処理部15は、複数の照明装置30及び複数の無線アダプタ20を仮想的に配置した図面である配灯図面13aを取得し、取得した配灯図面13aを表示部13に表示させる。
【0081】
この端末装置10においても上述と同様の作用効果を奏する。
【0082】
また、本実施の形態に係る照明システム1において、表示部13は、複数の照明装置30及び複数の無線アダプタ20を仮想的に配置した図面である配灯図面13aを表示する。また、第1処理部15は、配灯図面13aから、少なくとも1つの照明装置30と複数の無線アダプタ20のうちの少なくとも1つの無線アダプタ20とのそれぞれの距離を示す情報を取得する。
【0083】
これによれば、配灯図面13aに基づいて、照明装置30と無線アダプタ20との距離を取得することができるため、照明装置30に近い無線アダプタ20であって、ペアリング設定ができなかった無線アダプタ20と異なる無線アダプタ20を抽出することができる。このため、照明装置30と無線アダプタ20とのペアリング設定を安定的に行うことができる。
【0084】
また、本実施の形態に係る照明システム1において、第1処理部15は、1つの無線アダプタ20とペアリング設定される複数の照明装置30の台数が、当該無線アダプタ20の制限台数以下であるか否かを判定し、1つの無線アダプタ20とペアリング設定される複数の照明装置30の台数が、制限台数を超えていれば、制限台数を超えた台数分の照明装置30とペアリング設定するために、複数の無線アダプタ20から当該1つの無線アダプタ20と異なる無線アダプタ20を抽出する。
【0085】
これによれば、照明装置30とペアリング設定できる無線アダプタ20の制限台数を超えることによって、照明装置30が無線アダプタ20とペアリング設定をすることができない状態が維持されるという不具合を抑止することができる。このため、照明装置30のペアリング先である無線アダプタ20を変更するだけで、照明装置30と無線アダプタ20とのペアリング設定を安定的に行うことができる。
【0086】
また、本実施の形態に係る照明システム1において、第1処理部15は、複数の無線アダプタ20から1つの無線アダプタ20と異なる無線アダプタ20を抽出した場合、抽出した無線アダプタ20と、少なくとも1つの照明装置30とのペアリング設定を自動的に又は手動による選択によって実行する。
【0087】
これによれば、ペアリング設定を自動に選択される場合、ユーザは、照明装置30とペアリング設定する複数の無線アダプタ20の中から選択しなくても良いため、利便性が高くなる。また、ペアリング設定が手動による選択によって実行される場合、ユーザは所望の無線アダプタ20と照明装置30とをペアリング設定することができるようになるため、設定の自由度を高めることができる。
【0088】
また、本実施の形態に係る照明システム1において、第1処理部15は、複数の無線アダプタ20のそれぞれにペアリング設定が実行された少なくとも1つの照明装置30のリストを表示部13に表示させる。
【0089】
これによれば、特定の無線アダプタ20とペアリング設定する照明装置30が集中することを抑制することができる。
【0090】
(実施の形態2)
以下では、本実施の形態における基本的な構成は、本実施の形態の照明システム1、端末装置10及び照明設定方法の基本的な構成と同様であるため、本実施の形態における照明システム1、端末装置10及び照明設定方法の基本的な構成について適宜説明を省略する。
【0091】
本実施の形態では、さらに、照明装置30と複数の無線アダプタ20との間のそれぞれの無線通信の受信信号強度を示す情報を取得して無線アダプタ20を抽出する点で実施の形態と相違する。
【0092】
無線アダプタ20の無線通信部22は、受信した信号の受信信号強度(RSSI:Received Signal Strength Indication)を測定する測定機能を有しており、測定結果としての受信信号強度を示す情報を第2処理部23に出力する。第2処理部23は、無線通信部22を介して、受信信号強度を示す情報を端末装置10に送信する。
【0093】
端末装置10の第1処理部15は、少なくとも1つの照明装置30と複数の無線アダプタ20との間のそれぞれの無線通信の電波強度を示す情報を取得する。具体的には、第1処理部15は、第1通信部11を介して、複数の無線アダプタ20のそれぞれから、電波強度を示す情報としての受信信号強度を示す情報を取得する。第1処理部15は、取得したそれぞれの受信信号強度を示す情報、及び、それぞれの距離を示す情報に基づいて、少なくとも1つの照明装置30とペアリング設定するために、複数の無線アダプタ20からペアリング設定できない無線アダプタ20(第1無線アダプタ20a)と異なる無線アダプタ20(第2無線アダプタ20b)を抽出する。
【0094】
具体的には、第1処理部15は、少なくとも1つの照明装置30と複数の無線アダプタ20との間のそれぞれの無線通信の受信信号強度を示す情報を取得し、それぞれの受信信号強度を示す情報に基づいて、最も受信信号強度の高い無線アダプタ20とペアリング設定される複数の照明装置30の台数が、当該無線アダプタ20の制限台数以下であるか否かを判定する。第1処理部15は、1つの無線アダプタ20とペアリング設定される複数の照明装置30の台数が、制限台数を超えている、つまり、ペアリング設定を試みる少なくとも1つの照明装置30について、第1無線アダプタ20aがペアリング設定できる制限台数を超える場合、それぞれの受信信号強度を示す情報に基づいて、複数の無線アダプタ20から第1無線アダプタ20aと異なる無線アダプタ20である2番目に受信信号強度の高い第2無線アダプタ20bを抽出する。第1処理部15は、受信信号強度を示す情報によって、2番目に受信信号強度の高い第2無線アダプタ20bを抽出する。そして、第1処理部15は、少なくとも1つの照明装置30とのペアリング設定を、第1無線アダプタ20aから第2無線アダプタ20bに変更することを促すメッセージに含まれる当該リスト及び配灯図面13a等を、表示部13に表示させる。
【0095】
端末装置10の第1記憶部12は、ペアリング設定に用いる情報として、例えば配灯図面13a、RSSIテーブル、距離テーブル、制限台数、及び、複数の照明装置30のそれぞれの識別情報、複数の無線アダプタ20のそれぞれの識別情報等を記憶する。RSSIテーブルは、
図9に示すように、複数の照明装置30のそれぞれの識別情報に含まれるMACアドレスと、それぞれのMACアドレスに対応付けられた複数の無線アダプタ20のそれぞれのRSSIを示すテーブルである。距離テーブルは、複数の照明装置30のそれぞれの識別情報に含まれるMACアドレスと、それぞれの識別情報に対応付けられた複数の無線アダプタ20とにおいて、配灯図面13aにおける、複数の照明装置30のそれぞれと複数の無線アダプタ20のそれぞれとの距離を示すテーブルである。
図9は、実施の形態2に係る照明システム1の、電波強度テーブル、及び、距離テーブルを例示した図である。
【0096】
なお、照明装置30の第2通信部34も、受信した信号の受信信号強度を測定する測定機能を有しており、測定結果を第3処理部32に出力してもよい。この場合、端末装置10の第1処理部15が、ペアリング設定を試みる前処理として、第1通信部11を介して、複数の照明装置30のそれぞれの受信信号強度を示す情報の送信を要求する信号であって端末装置10の識別情報を含む要求信号をブロードキャストで送信してもよい。第3処理部32は、第2通信部34を介して、当該要求信号に対する応答として、複数の照明装置30のそれぞれの受信信号強度を示す情報を無線アダプタ20に送信してもよい。
【0097】
<処理>
次に、本実施の形態に係る照明システム1、端末装置10及び照明設定方法の処理について説明する。ここでは、複数の照明装置30から少なくとも1つの照明装置30をペアリング設定の候補として抽出する抽出処理について、
図10を用いて説明する。
図10は、実施の形態2に係る照明システム1の別の処理を例示したフローチャートである。
図10では、
図2のステップS11~S14の処理を省略し、S14のその後の処理について説明する。
【0098】
図10に示すように、無線アダプタ20の無線通信部22は、受信した信号の受信信号強度を測定し、測定結果としての受信信号強度を示す情報を、端末装置10に送信する。端末装置10の第1処理部15は、第1通信部11を介して、ペアリング設定を試みる照明装置30と複数の無線アダプタ20との間のそれぞれの無線通信の受信信号強度を示す情報を取得する。第1処理部15は、複数の無線アダプタ20から、当該それぞれの受信信号強度を示す情報を取得すると、
図9に示すRSSIテーブルを取得(又は生成)し、取得したRSSIテーブルから、受信信号強度の最も高い無線アダプタ20を選択する(S31)。
【0099】
第1処理部15は、ペアリング設定を試みる照明装置30について、ステップS31で選択された無線アダプタ20がペアリング設定できる制限台数以下となるか否かを判定する(S32)。
【0100】
第1処理部15は、無線アダプタ20とペアリング設定される複数の照明装置30の台数が、制限台数以下であれば(S32でYES)、ペアリング設定を試みる照明装置30とペアリング設定可能な少なくとも1つの無線アダプタ20のリストを生成し、生成したリストを表示部13に表示させる。ユーザは、表示部13に表示されたペアリング設定の候補先であるリストに示される複数の無線アダプタ20から、所望の無線アダプタ20を1つ選択する。ユーザが端末装置10の操作入力部14に操作入力することで、所望の無線アダプタ20が選択されると(S38)、照明システム1では、
図2のステップS16以降の処理を実行し、ペアリング設定を完了する。
【0101】
また、第1処理部15は、無線アダプタ20としての第1無線アダプタ20aとペアリング設定される複数の照明装置30の台数が、制限台数を超えていれば(S32でNO)、第1記憶部12から配灯図面13aを読み出し、配灯図面13aに含まれる距離テーブルに基づいて、ペアリング設定を試みる照明装置30から、ペアリング設定ができなかった第1無線アダプタ20aと異なる無線アダプタ20である第2無線アダプタ20bまでの距離を示す情報を取得する(S33)。
【0102】
第1処理部15は、RSSIテーブルに基づいて、2番目に受信信号強度の高い第2無線アダプタ20bを抽出して選択する(S34)。
【0103】
第1処理部15は、ステップS34で抽出して選択された2番目に受信信号強度の高い第2無線アダプタ20bにおいて、当該第2無線アダプタ20bからペアリング設定を試みる照明装置30までの距離が、ステップS32で除外された第1無線アダプタ20aを除いて、距離テーブルの中で最も近いか否かを判定する(S35)。
【0104】
第1処理部15は、ステップS34で抽出して選択された2番目に受信信号強度の高い第2無線アダプタ20bにおいて、当該複数の無線アダプタ20からペアリング設定を試みる照明装置30までの距離が、ステップS32で除外された第1無線アダプタ20aを除いて、距離テーブルの中で最も近い場合(S35でYES)、ステップS32で除外された無線アダプタ20から第2無線アダプタ20bにペアリング先を変更し(S37)、ステップS32に戻る。
【0105】
第1処理部15は、ステップS34で抽出して選択された2番目に受信信号強度の高い第2無線アダプタ20bにおいて、当該第2無線アダプタ20bからペアリング設定を試みる照明装置30までの距離が、ステップS32で除外された第1無線アダプタ20aを除いて、距離テーブルの中で最も近いわけではない場合(S35でNO)、距離テーブルにおいてペアリング設定を試みる照明装置30から2番目に近い第2無線アダプタ20bを選択し(S36)、ステップS37に進む。
【0106】
こうして、照明装置30と第2無線アダプタ20bとのペアリング設定が完了すると、次に設定すべき、別の照明装置30及び別の無線アダプタ20とのペアリング設定を実行する。
【0107】
また、無線アダプタ20において受信レベルが不十分となっている場合について、ユーザの手動による操作入力によって、第2無線アダプタ20bを直接的に選択する場合を、
図11を用いて説明する。
【0108】
図11は、実施の形態2に係る端末装置10の表示部13において、無線アダプタ20と照明装置30との受信信号強度が規定値未満の場合に、表示部13に表示されるメッセージの一例を示す図である。
【0109】
図11に示すように、ユーザが端末装置10の表示部13に「ペアリング設定」と表示されている部分である操作入力部14に対して操作入力すると、第1処理部15がペアリング設定を試みる照明装置30と無線アダプタ20との受信信号強度が規定値以上であるか否かを判定する。この場合、第1処理部15は、受信信号強度が規定強度未満であれば、「通信レベルが良好ではありません」とのメッセージを表示部13に表示させる。
図4に示すように、ユーザが実線で囲む複数の照明装置30を選択して、第1処理部15は、第2無線アダプタ20bとしての「無線アダプタ20への変更」とのメッセージを表示部13に表示させることで、第2無線アダプタ20bに変更することを促す。
【0110】
また、無線アダプタ20において受信レベルが不十分となっている場合について、自動的なペアリング設定をユーザが選択する操作入力によって、第1処理部15が第2無線アダプタ20bとペアリング設定する複数の照明装置30を自動的に再変更する場合を、
図12を用いて説明する。複数の照明装置30を区別する必要がある場合には、照明装置30のそれぞれを照明装置30a,30b,30c,30d,30e,30f・・・という。また、無線アダプタ20を区別する必要がある場合には、無線アダプタ20のそれぞれを無線アダプタAP1,AP2・・・という。
【0111】
図12は、実施の形態2に係る端末装置10の表示部13において、第1の複数の照明装置30a、30b、30d、30eを無線アダプタAP1とペアリング設定し、第2の複数の照明装置30c、30fを無線アダプタAP2とペアリング設定する場合に、第1の複数の照明装置30a、30b、30d、30eと第2の複数の照明装置30c、30fとを再変更した場合に表示部13に表示されるメッセージの一例を示す図である。
【0112】
図12に示すように、実線E1で示す枠の中に第1の複数の照明装置30a、30b、30d、30eを無線アダプタAP1とペアリング設定し、二点鎖線E2で示す枠の中に第2の複数の照明装置30c、30fを無線アダプタAP2とペアリング設定する場合において、例えば、第1処理部15は、照明装置30と複数の無線アダプタ20との間のそれぞれの無線通信の受信信号強度を示す情報に基づいて、一点鎖線F1で示す枠の中の第3の複数の照明装置30a、30b、30cに再変更して無線アダプタAP1とペアリング設定し、かつ、破線F2で示す枠の中の第4の複数の照明装置30d、30e、30fに再変更して無線アダプタAP2とペアリング設定する。第1処理部15は、複数の照明装置30を複数のゾーンE1、E2に区分けして、無線アダプタAP1及び無線アダプタAP1のそれぞれとペアリング設定を試みる場合に、ペアリング設定できない場合に、照明装置30における別のゾーンF1,F2のように再設定する。このように、ゾーンを変更することで、ゾーン内の照明装置30における照明制御の遅れを抑制することができる。
【0113】
<作用効果>
次に、本実施の形態に係る照明システム1、端末装置10及び照明設定方法の作用効果について説明する。
【0114】
上述したように、本実施の形態に係る照明システム1において、第1処理部15は、少なくとも1つの照明装置30と複数の無線アダプタ20との間のそれぞれの無線通信の受信信号強度を示す情報を取得し、取得したそれぞれの受信信号強度を示す情報、及び、それぞれの距離を示す情報に基づいて、少なくとも1つの照明装置30とペアリング設定するために、複数の無線アダプタ20から1つの無線アダプタ20と異なる無線アダプタ20を抽出する。
【0115】
これによれば、照明装置30が無線アダプタ20とペアリング設定をすることが出来なくても、少なくとも1つの照明装置30と複数の無線アダプタ20との間のそれぞれの無線通信の受信信号強度を示す情報に基づいて、ペアリング設定ができなかった無線アダプタ20と異なる無線アダプタ20を抽出することができる。抽出した無線アダプタ20は、表示部13を介して表示されるため、ユーザは、ペアリング先の変更が必要か否かを判断することができる。
【0116】
また、当該受信信号強度を示す情報と、少なくとも1つの照明装置30と1つの無線アダプタ20とのそれぞれの距離を示す情報とに基づいてペアリング設定ができなかった無線アダプタ20と異なる無線アダプタ20を抽出することができるため、照明装置30と無線アダプタ20とのペアリング設定をより安定的に行うことができる。
【0117】
また、本実施の形態に係る照明システム1において、第1処理部15は、少なくとも1つの照明装置30と複数の無線アダプタ20との間のそれぞれの無線通信の受信信号強度を示す情報を取得し、それぞれの受信信号強度を示す情報に基づいて、最も受信信号強度の高い無線アダプタ20とペアリング設定される複数の照明装置30の台数が、当該無線アダプタ20の制限台数以下であるか否かを判定し、1つの無線アダプタ20とペアリング設定される複数の照明装置30の台数が、制限台数を超えていれば、それぞれの受信信号強度を示す情報に基づいて、複数の無線アダプタ20から1つの無線アダプタ20と異なる無線アダプタ20である2番目に受信信号強度の高い無線アダプタ20を抽出する。
【0118】
これによれば、最も受信信号強度の強い無線アダプタ20を抽出し、ペアリング設定において当該無線アダプタ20の制限台数を超えている場合、2番目に受信信号強度の強い無線アダプタ20を抽出することができる。このため、受信信号強度の弱い無線アダプタ20と照明装置30とがペアリング設定されてしまうことを抑制することができる。このため、無線アダプタ20と照明装置30との通信の安定性を確保することができる。
【0119】
(その他の変形例)
以上、本開示に係る照明システム、端末装置及び照明設定方法について、上記各実施の形態1、2に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態1、2に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思い付く各種変形を実施の形態1、2に施したものも、本開示の範囲に含まれてもよい。
【0120】
例えば、上記実施の形態1、2に係る照明システム、端末装置及び照明設定方法に含まれる各部は典型的に集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
【0121】
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0122】
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリ等の記憶媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0123】
また、上記で用いた数字は、全て本開示を具体的に説明するために例示するものであり、本開示の実施の形態は例示された数字に制限されない。
【0124】
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
【0125】
また、フローチャートにおける各ステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
【0126】
なお、上記の各実施の形態1、2に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態1、2における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【符号の説明】
【0127】
1 照明システム
10 端末装置
13 表示部
15 第1処理部(処理部)
20、20a、20b、AP1、AP2 無線アダプタ(中継器)
30、30a、30b、30c、30d、30e、30f 照明装置