(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】部品撮像装置および部品実装装置
(51)【国際特許分類】
H05K 13/08 20060101AFI20240830BHJP
【FI】
H05K13/08 B
(21)【出願番号】P 2021563758
(86)(22)【出願日】2020-09-29
(86)【国際出願番号】 JP2020036798
(87)【国際公開番号】W WO2021117319
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2023-07-05
(31)【優先権主張番号】P 2019223373
(32)【優先日】2019-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019223374
(32)【優先日】2019-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡田 康一
(72)【発明者】
【氏名】森 秀雄
(72)【発明者】
【氏名】松田 鷹則
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-270649(JP,A)
【文献】国際公開第2013/153834(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/153645(WO,A1)
【文献】特開2004-179636(JP,A)
【文献】特許第3129134(JP,B2)
【文献】国際公開第2015/049721(WO,A1)
【文献】特開2011-035148(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像素子に設けられ、部品を撮像する部品撮像部と、
前記部品撮像部が前記部品を撮像する第1の光路上に設けられた透明部材と、
前記透明部材の前記部品撮像部の視野の外に設けられたマークと、
前記撮像素子に設けられ、前記マークを撮像するマーク撮像部と、
前記マーク撮像部による前記マークの撮像結果に基づいて、前記部品撮像部の前記視野の位置ずれ量を算出する位置ずれ量算出部と、を備え
、
前記透明部材は前記マーク撮像部が前記マークを撮像する第2の光路上に設けられた、
部品撮像装置。
【請求項2】
前記部品撮像部と前記マーク撮像部とは、前記撮像素子における互いに異なる部分に設けられた、
請求項1に記載の部品撮像装置。
【請求項3】
前記部品撮像部が前記部品を撮像する
前記第1の光路と前記マーク撮像部が前記マークを撮像する
前記第2の光路との少なくとも何れか一方に、光路長を補正する補正部材が設けられた、
請求項1または2に記載の部品撮像装置。
【請求項4】
前記マークを照らす照明部をさらに備えた、
請求項1から3のいずれか一項に記載の部品撮像装置。
【請求項5】
部品を保持して基板に装着するノズルと、
前記ノズルで保持された前記部品を撮像する部品撮像装置と、
前記ノズルと一体的に移動して前記基板を撮像する基板撮像装置と、
前記ノズルと前記基板撮像装置とのオフセット量を算出するオフセット量算出部と、を備え、
前記部品撮像装置は、
撮像素子に設けられ、前記部品を撮像する部品撮像部と、
前記部品撮像部が前記部品を撮像する第1の光路上に設けられた透明部材と、
前記透明部材の前記部品撮像部の視野の外に設けられたマークと、
前記撮像素子に設けられ、前記マークを撮像するマーク撮像部と、を有し、
前記透明部材は前記マーク撮像部が前記マークを撮像する第2の光路上に設けられ、
前記オフセット量算出部は、前記部品撮像装置の前記マーク撮像部による前記マークの撮像結果と前記基板撮像装置による前記マークの撮像結果とに基づいて、前記オフセット量を算出する、
部品実装装置。
【請求項6】
前記部品撮像部と前記マーク撮像部とは、前記撮像素子における互いに異なる部分に設けられた、
請求項
5に記載の部品実装装置。
【請求項7】
前記部品撮像部が前記部品を撮像する
前記第1の光路と前記マーク撮像部が前記マークを撮像する
前記第2の光路との少なくとも何れか一方に、光路長を補正する補正部材が設けられた、
請求項
5または
6に記載の部品実装装置。
【請求項8】
前記部品撮像装置は、前記マーク撮像部による前記マークの撮像結果に基づいて、前記部品撮像部の視野の位置ずれ量を算出する位置ずれ量算出部を有し、
前記オフセット量算出部は、前記基板撮像装置による前記マークの撮像結果と前記部品撮像装置の前記視野の位置ずれ量とに基づいて、前記オフセット量を算出する、
請求項
5から
7のいずれか一項に記載の部品実装装置。
【請求項9】
前記部品撮像装置は、前記部品撮像装置が前記マークを撮像する際に前記マークを照らす部品照明部を有し、
前記基板撮像装置は、前記基板撮像装置が前記マークを撮像する際に前記マークを照らす基板照明部を有する、
請求項
5から
8のいずれかに記載の部品実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、部品を撮像する部品撮像装置および部品を基板に実装する部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
部品実装装置は、部品供給部と、部品供給部が供給する部品を水平に移動する実装ヘッドと、基板を保持する基板搬送コンベアとを有する。実装ヘッドはノズルを有し、ノズルは部品を取り出し、基板に実装する。部品の実装精度を向上するために、例えば、特許文献1に記載の部品実装装置は、部品認識カメラ(部品撮像装置)と、基板認識カメラ(基板撮像装置)とを有する。部品認識カメラは、ノズルが保持する部品の位置を撮像する。基板認識カメラは、実装ヘッドと一体となって移動して基板上に形成されたマークを撮像する。
【0003】
実装ヘッドは部品実装装置の本体に対して着脱可能である。このような実装ヘッドのノズルと基板認識カメラとの位置関係を補正して部品の実装精度を確保するため、特許文献1では次のように設定されている。すなわち、部品認識カメラの上面には、基準マークが形成されたガラス板が載置されている。ガラス板は、基準マークが部品認識カメラの視野内に入るように配置されている。さらに実装ヘッドは、この視野内にノズルが入るように移動する。この状態で、部品認識カメラは、ノズルと基準マークの位置とを検出する。基板認識カメラは、撮像された基準マークと基板認識カメラの光軸の位置とから、ノズルと基板認識カメラの位置関係を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
本開示の部品撮像装置は、撮像素子に設けられ、部品を撮像する部品撮像部と、前記部品撮像部が前記部品を撮像する第1の光路上に設けられた透明部材と、前記透明部材の前記部品撮像部の視野の外に設けられたマークと、前記撮像素子に設けられ、前記マークを撮像するマーク撮像部と、前記マーク撮像部による前記マークの撮像結果に基づいて、前記部品撮像部の前記視野の位置ずれ量を算出する位置ずれ量算出部と、を備え、前記透明部材は前記マーク撮像部が前記マークを撮像する第2の光路上に設けられた。
【0006】
本開示の部品実装装置は、部品を保持して基板に装着するノズルと、前記ノズルで保持された前記部品を撮像する部品撮像装置と、前記ノズルと一体的に移動して前記基板を撮像する基板撮像装置と、前記ノズルと前記基板撮像装置とのオフセット量を算出するオフセット量算出部と、を備え、前記部品撮像装置は、撮像素子に設けられ、前記部品を撮像する部品撮像部と、前記部品撮像部が前記部品を撮像する第1の光路上に設けられた透明部材と、前記透明部材の前記部品撮像部の視野の外に設けられたマークと、前記撮像素子に設けられ、前記マークを撮像するマーク撮像部と、を有し、前記透明部材は前記マーク撮像部が前記マークを撮像する第2の光路上に設けられ、前記オフセット量算出部は、前記部品撮像装置の前記マーク撮像部による前記マークの撮像結果と前記基板撮像装置による前記マークの撮像結果とに基づいて、前記オフセット量を算出する。
【0007】
本開示によれば、部品を撮像するカメラの光軸の経時的なずれを算出し、このずれによる部品の搭載位置のずれを補正することができる。また、実装基板の生産中にノズルと基板撮像装置とのオフセット量を精度良く算出することができることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の実施の形態に係る部品実装装置の平面図
【
図2】
図1に示す部品実装装置の構成を示す透視側面図
【
図3A】
図1、
図2に示す部品実装装置が有する部品認識カメラの透過部材の平面図
【
図3B】
図2に示す部品実装装置が有する部品認識カメラの構成説明図
【
図3C】
図1、
図2に示す部品実装装置が有する部品認識カメラのセンサ基板の平面図
【
図4】
図3Bに示す部品認識カメラにより、ノズルが保持する部品を撮像する様子を説明する図
【
図5】
図1、
図2に示す部品実装装置が有する基板認識カメラの構成説明図
【
図6】
図1、
図2に示す部品実装装置の制御系の構成を示す機能ブロック図
【
図7】
図3Bに示す部品認識カメラの発熱に起因する光軸のずれを説明する図
【
図8】
図3Bに示す部品認識カメラのマーク撮像部によって撮像されたマークの撮像画像の例を示す図
【
図9】
図3Bに示す部品認識カメラの部品撮像部によって撮像されたノズルが保持する部品の撮像画像の例を示す図
【
図10】
図5に示す基板認識カメラにより、
図3Bに示す部品認識カメラに設けられたマークを撮像する様子を説明する図
【
図11】
図10に示す基板認識カメラによって撮像された、部品認識カメラに設けられたマークの撮像画像の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施の形態の説明に先立ち、本開示の着想に至った経緯を簡単に説明する。従来の部品実装装置における部品認識カメラは、カメラの光軸の位置からノズルが保持する部品の位置を検出している。しかしながら、継続して実装基板を生産する過程において、部品認識カメラが含む撮像素子の発熱などによる経時変化によってカメラの光軸がずれる(歪む)ことがある。そのため、部品の実装精度を維持するためには、部品認識カメラの光軸のずれを定期的に検出して部品の実装位置を適切に補正する必要がある。特許文献1を含む従来技術では、実装基板の生産中に部品認識カメラの光軸のずれを検出する方法は開示されておらず、部品の実装精度を向上するためにはさらなる改善の余地がある。
【0010】
本開示は、部品を撮像するカメラの光軸のずれを検出し、そのずれに基づき部品を実装する位置を補正することができる部品撮像装置を提供する。すなわち、この部品撮像装置は、部品を撮像するカメラである部品撮像部の視野の位置ズレ量を算出する。また本開示は、実装基板の生産中にノズルと基板撮像装置とのオフセット量を精度良く算出することができる部品実装装置を提供する。
【0011】
以下に図面を参照しながら、本開示の実施の形態を詳細に説明する。以下で述べる構成、形状等は説明のための例示であって、部品実装装置、基板認識カメラ、部品認識カメラの仕様に応じ、適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において対応する要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。なお、各図面において、基板はX軸に沿って搬送される。Y軸は、水平面内でX軸に直交する。またZ軸は、水平面と直交し、下から上に延びている。
【0012】
まず
図1、
図2を参照して、部品実装装置1の構成を説明する。なお
図2は、
図1における部品実装装置1の一部を模式的に示している。部品実装装置1は、部品供給部4から供給された部品Dを基板3に装着する部品実装作業を実行する。
図1に示すように、基台1aの中央には、基板搬送機構(以下、搬送機構)2がX軸に沿って配置されている。搬送機構2は、上流から搬送された基板3を、実装作業位置に搬入して位置決めし、保持する。また、搬送機構2は、部品実装作業が完了した基板3を下流に搬出する。
【0013】
搬送機構2のY軸における両側方には、部品供給部4が配置されている。それぞれの部品供給部4には、複数のテープフィーダ5が並列に装着されている。テープフィーダ5は、部品Dを格納するポケットが形成されたテープ11を部品供給部4の外側から搬送機構2に向かう方向(テープ送り方向)にピッチ送りする。これによりテープフィーダ5は、以下に説明するように、実装ヘッド8によって部品Dが取り出される部品供給位置5a(
図2参照)に部品Dを供給する。
【0014】
基台1aの上面のX軸における両端部にはそれぞれ、Y軸テーブル6がY軸に沿って延びるように配置されている。Y軸テーブル6はそれぞれ、リニア駆動機構を有する。一対のY軸テーブル6には、Y軸テーブル6同志をつなぐように、ビーム7が結合されている。ビーム7はX軸に沿って延びている。ビーム7は、Y軸テーブル6のリニア駆動機構により、Y軸に沿って移動可能である。またビーム7は、Y軸テーブル6と同様にリニア駆動機構を有している。ビーム7には、実装ヘッド8が装着されている。実装ヘッド8は、ビーム7が有するリニア駆動機構により、X軸に沿って移動可能である。
図2に示すように、実装ヘッド8は、吸着ユニット8aを有している。吸着ユニット8aは、昇降可能であり、部品Dを吸着することにより保持する。吸着ユニット8aの下端部には、部品Dを吸着保持するノズル8bが装着されている。
【0015】
図1において、Y軸テーブル6およびビーム7は、実装ヘッド8をX軸、Y軸に沿って移動させるヘッド移動機構(以下、移動機構)9を構成する。移動機構9および実装ヘッド8は、部品供給部4に配置されたテープフィーダ5の部品供給位置5aから部品Dをノズル8bによって吸着して取り出して、搬送機構2に位置決めされた基板3の実装位置に装着する実装ターンを実行する。すなわち、Y軸テーブル6、ビーム7および実装ヘッド8は、テープフィーダ5の部品供給位置5aに供給される部品Dをノズル8bで保持して基板3に装着する。
【0016】
部品供給部4と搬送機構2との間には、部品認識カメラ(以下、第1カメラ)20が配置されている。部品供給部4から部品Dを取り出した実装ヘッド8が第1カメラ20の上方を移動する際に、第1カメラ20は実装ヘッド8に保持された部品Dを撮像して部品Dの姿勢を認識する。実装ヘッド8が取り付けられたプレート7aには基板認識カメラ30(以下、第2カメラ)が取り付けられている。第2カメラ30は、実装ヘッド8と一体的に移動する。
【0017】
実装ヘッド8が移動することにより、第2カメラ30は搬送機構2に位置決めされた基板3の上方に移動し、基板3に設けられた基板マーク3aを撮像して基板3の位置を認識する。実装ヘッド8による基板3への部品実装動作においては、第1カメラ20による部品Dの認識結果と、第2カメラ30による基板3の位置の認識結果とを加味して実装位置が補正される。
【0018】
図2において、部品供給部4には、台車10がセットされる。台車10はフィーダベース10aを有し、フィーダベース10aには、予め複数のテープフィーダ5が装着されている。台車10は、テープリール12を保持している。テープリール12は、部品Dを保持したテープ11を巻回した状態で収納している。テープリール12から引き出されたテープ11は、テープフィーダ5によって部品供給位置5aまでピッチ送りされる。
【0019】
図1において、部品実装装置1の前面で作業者が作業する位置には、作業者が操作するタッチパネル13が設置されている。タッチパネル13は、その表示部に各種情報を表示する。また作業者は、表示部に表示される操作ボタンなどを使ってタッチパネル13からデータを入力したり、部品実装装置1を操作したりする。
【0020】
次に
図3A~
図3Cを参照して、第1カメラ20の構成について説明する。
図3Bに示すように、第1カメラ20は、筐体21と、センサ基板23と、レンズ24と、部品照明部25と、透明部材26とを有する。センサ基板23は、筐体21の内部の底21aに設置されている。センサ基板23には、2次元CMOS(相補型金属酸化膜半導体)センサなどの撮像素子22が実装されている。レンズ24は、筐体21内において、センサ基板23の上方に設置され、部品照明部25は、レンズ24の上方に設置されている。透明部材26は、筐体21の上部21bの、筐体21の一部を切り欠いた箇所に設置されている。
【0021】
透明部材26は、光を透過する板状のガラスなどで構成されている。透明部材26の上面26cの一部には、撮像素子22の光軸のずれを検出するためのマーク27が設けられている。
図3Aに示すように、マーク27は、撮像素子22がノズル8bに保持された部品Dを撮像する際の部品撮像視野26aの外であって、撮像素子22がマーク27を撮像する際のマーク撮像視野26bの中に配置されている。この例では、マーク撮像視野26bの中に、マーク27として、光を透過しない金属薄膜で形成された5個の円板がY軸に沿って等間隔に配置されている。なお、
図3Aに示すマーク27の形状、数、配置は一例であり、この例に限定されることはない。
図3Bに示すように、透明部材26は、部品撮像部22aが部品Dを撮像する第1の光路Pa上であって、かつマーク撮像部22bがマーク27を撮像する第2の光路Pb上に設けられている。
【0022】
図3Cに示すように、撮像素子22は、X軸に沿って並んで配置された部品撮像部22aと、マーク撮像部22bとを有する。部品撮像部22a、マーク撮像部22bは、Y軸に沿って延びている。すなわち、Y軸に沿った長さは、X軸に沿った長さより短い。部品撮像部22aは、ノズル8bが保持している部品Dを撮像する。マーク撮像部22bは、透明部材26に設けられたマーク27を撮像する。部品撮像部22aは、
図3Bおよび
図4に示すように、透明部材26の上面26cのマーク認識高さHbよりも上方に設定された部品認識高さHaに下面Daが位置する部品Dを撮像する。このように、撮像素子22には、部品Dを撮像する部品撮像部22aと、マーク27を撮像するマーク撮像部22bとが設けられている。
図3Aに示すように、マーク27は、部品撮像部22aの視野である部品撮像視野26aの外であるマーク撮像視野26bの中に設けられている。
【0023】
部品撮像部22aは撮像素子22の一部に設けられ、マーク撮像部22bは撮像素子22の部品撮像部22aとは異なる部分に設けられている。このように、部品撮像部22aとマーク撮像部22bとが同じ撮像素子22に設けられていることで、後述するように、部品撮像部22aの視野の位置ずれ量の検出精度が高まる。
【0024】
図3Bに示すように、撮像素子22の上方に配置されたレンズ24は、透明部材26の上方であって部品認識高さHaに位置する撮像対象物(部品Dなど)を部品撮像部22aに結像させる。また、レンズ24は、透明部材26に形成されたマーク27をマーク撮像部22bに結像させる。マーク27は、マーク認識高さHbに位置している。部品撮像部22aから部品認識高さHaに位置する撮像対象物までの第1の光路Paの物理的距離Lpaは、マーク撮像部22bからマーク27までの第2の光路Pbの物理的距離Lpbと異なっている。
【0025】
図3B、
図3Cに示すように、部品撮像部22aの上には、空気と異なる屈折率を有し、光を透過するガラスなどで構成された補正部材28が設置されている。補正部材28の屈折率と厚さTは、第1の光路Paの光路長Loa(光学的距離)を補正して、部品撮像部22aとマーク撮像部22bの各々で結像するように設定されている。これによって、レンズ24は、部品撮像部22aに結像させる撮像対象物の像とマーク撮像部22bに結像させるマーク27の像とに、同時にピントを合わせることができる。
【0026】
なお、本実施の形態では補正部材28は部品撮像部22a上に設置されているが、補正部材28は第1の光路Paと第2の光路Pbとの何れか一方の途中に設置されていればよい。すなわち、第1カメラ20は、部品撮像部22aが部品Dを撮像する第1の光路Paとマーク撮像部22bがマーク27を撮像する第2の光路Pbとの何れか一方に、光路長Loa、光路長Lobの何れか一方を補正する補正部材28を有している。なお、屈折率および/または厚さTの異なる補正部材28を第1の光路Paと第2の光路Pbの両方に設置してもよい。また、レンズ24の被写界深度が深く、補正部材28がなくとも撮像対象物とマーク27の2つの像に同時にピントを合わせることができれば、補正部材28を省略することができる。
【0027】
図3Bに示すように、部品照明部25は、側射照明部25aと、同軸照明部25bと、ハーフミラー25cとを含む。側射照明部25aは、複数の発光ダイオード(LED)チップなどを有しており、斜め下から部品認識高さHaに位置する撮像対象物(部品Dなど)とマーク27とを照明する光を照射する。同軸照明部25bは、複数のLEDチップなどを有しており、側射照明部25aの下方に配置されている。
【0028】
ハーフミラー25cは、第1の光路Paと第2の光路Pbの途中に配置されている。ハーフミラー25cは、同軸照明部25bから照射された光を、ハーフミラー25cの上方に位置する部品認識高さHaに位置する撮像対象物(部品Dなど)とマーク27とに向かって反射させる。すなわち、同軸照明部25bとハーフミラー25cとは、第1の光路Paと第2の光路Pbと同軸で撮像対象物とマーク27を照明する。
【0029】
部品照明部25は、撮像する対象の材質等に応じて、側射照明部25aによる照射と同軸照明部25bによる照明を切り替えて、もしくは組み合わせて照明する。このように、第1カメラ20は、マーク27を照らす照明部(部品照明部25)を有している。
【0030】
次に
図4を参照して、第1カメラ20による部品Dの撮像について説明する。部品Dをノズル8bで保持した実装ヘッド8は、部品Dの下面Daを部品認識高さHaに位置させて、部品Dが第1カメラ20の第1の光路Paの上を通過するように、矢印aで示すようにX軸に沿って移動する。この間、部品照明部25が部品Dを照明する。第1カメラ20は、撮像素子22(部品撮像部22a、マーク撮像部22b)が撮像した撮像結果を、
図6に示す制御部40に送信する。
【0031】
次に
図5を参照して、第2カメラ30の構成について説明する。第2カメラ30は、筐体31と、窓部材34と、筐体31の内部に設置されたカメラユニット32と基板照明部33とを有する。窓部材34は、光を透過するガラスなどで構成され、筐体31の下部の一部を切り欠いた部分に設置されている。カメラユニット32は、光軸を下方に向けた2次元CMOSセンサなどの撮像素子、レンズなどで構成されている。
【0032】
基板照明部33は、上斜めから下方の撮像対象の基板3を照明する側射照明部33aと、同軸照明部33bと、ハーフミラー33cとを含む。ハーフミラー33cは、同軸照明部33bから照射された光を下方の撮像対象に向けて反射させる。基板照明部33は、カメラユニット32が撮像する対象の材質等に応じて、側射照明部33aによる照射と、同軸照明部33bによる照明を切り替えて、もしくは組み合わせて照明する。
【0033】
第2カメラ30は、基板3上に形成された基板マーク3aや第1カメラ20の透明部材26上に設けられたマーク27などの撮像対象を撮像する。その際、第2カメラ30は、実装ヘッド8とともに撮像対象の上方に移動し、基板照明部33が撮像対象を照明しながらカメラユニット32が撮像対象を撮像する。このように、第2カメラ30は、基板3上に形成された基板マーク3aとマーク27とを照らす基板照明部33を有し、ノズル8bと一体的に移動して基板3やマーク27を撮像する基板撮像装置である。第2カメラ30は、カメラユニット32が撮像した撮像結果を、制御部40に送信する。
【0034】
次に
図6を参照して、部品実装装置1の制御系の構成について説明する。部品実装装置1は、制御部40と、搬送機構2と、テープフィーダ5と、実装ヘッド8と、移動機構9と、第1カメラ20と、第2カメラ30と、タッチパネル13とを有している。制御部40は、撮像処理部(以下、第1処理部)41と、位置ずれ量算出部(以下、第1算出部)42と、オフセット量算出部(以下、第2算出部)43と、実装動作処理部(以下、第2処理部)44と、実装記憶部(以下、記憶部)45とを有している。記憶部45は、実装データ46、撮像データ47、マーク視野位置ずれ量(以下、第1位置ずれ量)48、部品視野位置ずれ量(以下、第2位置ずれ量)49、基板視野位置ずれ量(以下、第3位置ずれ量)50、オフセット量51などを記憶している。
【0035】
なお、制御部40を構成する第1処理部41、第1算出部42、第2算出部43、第2処理部44は、それぞれCPU(中央演算処理装置)またはLSI(大規模集積回路)で構成されている。必要に応じて、メモリを含んでいてもよい。これらは専用回路で構成されていてもよく、汎用のハードウェアを、一過性または非一過性の記憶装置や記録媒体から読みだしたソフトウェアで制御して実現してもよい。またこれらの2つ以上を一体に構成してもよい。記憶部58は、書き換え可能なRAMやフラッシュメモリ、ハードディスク等で構成されている。なお記憶部58は、複数のメモリで構成し、実装データ46~オフセット量51を個別に記憶してもよいし、一体に構成してこれらのデータを一括して記憶してもよい。
【0036】
実装データ46は、基板3の種類毎の、基板3のサイズ、実装される部品Dの種類と実装位置(XY座標)など、部品実装作業に必要な情報を含む。第1処理部41は、第1カメラ20の撮像視野の位置ずれを検出(算出)する際は、第1カメラ20のマーク撮像部22bと部品照明部25とを制御する。具体的には第1処理部41は、透明部材26上に設けられたマーク27を部品照明部25に照らさせながらマーク撮像部22bにマーク27を撮像させる。第1処理部41は、撮像結果を撮像データ47として記憶部45に記憶させる。
【0037】
ここで
図7、
図8を参照して、第1カメラ20が撮像したマーク27の撮像結果について説明する。第1カメラ20は、部品実装作業においてノズル8bに保持された部品Dの撮像を繰り返し実行する。この過程において、撮像素子22の発熱や部品照明部25の発熱に起因して、センサ基板23や筐体21に経時的な歪が発生することがある。
図7は、このような経時的な変化によってセンサ基板23が歪んで撮像素子22がXY面内で位置ずれし、部品撮像部22aの第1の光路Pa(光軸)とマーク撮像部22bの第2の光路Pb(光軸)とが初期の状態からずれた状態を示している。X軸上において、第1の光路Paは、位置ずれ量ΔXdだけずれており、第2の光路Pbは、位置ずれ量ΔXmだけずれている。
【0038】
図7において、第1カメラ20に歪がない初期の状態において、部品認識高さHaにおける第1の光路Paの位置を初期部品視野中心位置Cd0と定義し、マーク認識高さHbにおける第2の光路Pbの位置を初期マーク視野中心位置Cm0と定義する。また、撮像素子22がXY面内で位置ずれしている状態において、部品認識高さHaにおける第1の光路Paの位置を部品視野中心位置Cdと定義し、マーク認識高さHbにおける第2の光路Pbの位置をマーク視野中心位置Cmと定義する。
【0039】
図8は、
図7に示すように撮像素子22がXY面内で位置ずれしている状態において、第1カメラ20によって撮像されたマーク27の画像であるマーク画像60を示している。マーク画像60には、マーク撮像部22bによって撮像された5個のマーク27が並んで写っている。5個並んだマーク27のうちの3番目のマーク27(以下、中央マーク27A)の中心が、初期マーク視野中心位置Cm0である。また、マーク画像60の中心60cが、マーク視野中心位置Cmである。
【0040】
第1カメラ20に歪がない初期状態では、第1カメラ20によって撮像された画像において、初期マーク視野中心位置Cm0がマーク画像60の中心60cに位置し、5個のマーク27は点線で示す位置にある。
図8では、撮像素子22が位置ずれすることで、マーク認識高さHbにおける第2の光路Pbの位置が中央マーク27Aの中心から移動してずれている。
【0041】
図6に示す第1算出部42は、マーク画像60に基づいて、マーク撮像部22bの視野の初期状態からの位置ずれ量である第1位置ずれ量48を算出して、記憶部45に記憶させる。具体的には、第1算出部42は、
図8に示すマーク画像60の中心60cに対する中央マーク27Aの位置より、X軸におけるずれ量ΔXmとY軸におけるずれ量ΔYmとを算出する。また、5個のマーク27の中心を結ぶ直線の傾きからZ軸を回転軸とする回転の方向であるθ方向のずれ量Δθmを算出する。
【0042】
図9は、
図7に示す撮像素子22がXY面内で位置ずれしている状態において、第1カメラ20が撮像した部品Dの画像である部品撮像画像(以下、第1画像)61を示す。なお、ノズル8bは、部品Dの中心を保持している。第1画像61に写っている部品Dの中心が、初期部品視野中心位置Cd0である。また、第1画像61の中心61cが、部品視野中心位置Cdである。第1カメラ20に歪がない初期状態では、第1画像61において、初期部品視野中心位置Cd0が第1画像61の中心61cに位置し、部品Dと部品Dを保持するノズル8bとは点線で示す位置にある。
【0043】
第1画像61に基づく部品撮像部22aの視野の初期状態からの位置ずれ量である第2位置ずれ量49は、X軸におけるずれ量ΔXdとY軸におけるずれ量ΔYdとで表される。すなわち、第1画像61の中心61cに対する部品Dの中心の位置のずれは、ずれ量ΔXdとずれ量ΔYdである。また、部品Dの回転具合(部品Dの各辺の傾きなど)が、Z軸を回転軸とする回転の方向であるθ方向のずれ量Δθdである。
【0044】
第1カメラ20では、部品撮像部22aとマーク撮像部22bとが単一の撮像素子22に形成されている。そのため、第1カメラ20の経時的な変化によって、部品撮像部22aの第1の光路Paのずれとマーク撮像部22bの第2の光路Pbのずれとは連動して発生する。したがって、第1位置ずれ量48と第2位置ずれ量49には、第1カメラ20の構成で決まる所定の関係(例えば、比例関係)がある。すなわち、第2位置ずれ量49は、第1位置ずれ量48から算出することができる。
【0045】
第1算出部42は、マーク画像60から算出した第1位置ずれ量48に対して、所定の演算を実行して第2位置ずれ量49を算出して、記憶部45に記憶させる。所定の演算とは、例えば、X軸の成分とY軸の成分には所定の係数を掛け、θ方向はそのままにする、といった演算である。すなわち、第1算出部42は、マーク撮像部22bによるマーク27の撮像結果であるマーク画像60に基づいて、部品撮像部22aの視野の位置ずれ量(第2位置ずれ量49)を算出する。そして、部品撮像部22a、マーク撮像部22b、マーク27、第1算出部42は、ノズル8bで保持された部品Dを撮像し、第2位置ずれ量49を算出する部品撮像装置を構成する。
【0046】
図6に示す第2処理部44は、実装データ46に基づいて部品実装装置1の各部を制御する。具体的には、実装ヘッド8のノズル8bを制御して、テープフィーダ5が供給する部品Dを保持させる。そして、ノズル8bが保持した部品Dの位置ずれを第1カメラ20に検出させる。さらに、ノズル8bを制御して、実装作業位置に保持された基板3に部品Dを装着させる。第2処理部44は、このような一連の部品実装作業を制御する。その際、第2処理部44は、記憶部45に記憶されている第2位置ずれ量49に基づいて、第1カメラ20が検出したノズル8bに対する部品Dの位置を補正する。
【0047】
マーク撮像部22bは、実装ヘッド8がテープフィーダ5からの部品Dの取り出しや基板3への部品の装着を実行している間に、マーク27を撮像することができる。すなわちマーク撮像部22bは、実装ヘッド8が第1カメラ20の上方にない空き時間に、実装ヘッド8の動作などとは独立してマーク27を撮像することができる。このため、空き時間にマーク撮像部22bがマーク27を撮像して第2位置ずれ量49を最新の値に更新することできる。これにより、部品実装作業の効率を低下させることなく部品Dを撮像する部品撮像カメラ20の光軸のずれ(第2位置ずれ量49)を検出して部品Dを実装する位置を補正し、部品Dを高精度に正規の実装位置に装着することができる。
【0048】
図6に示す第1処理部41は、移動機構9の経時的な歪に起因する実装ヘッド8、ノズル8b、第2カメラ30の位置ずれを検出(算出)する。具体的には第1処理部41は、移動機構9、第2カメラ30、第1カメラ20を制御して、透明部材26上に形成されたマーク27をカメラユニット32に撮像させる。第1処理部41は、撮像結果を撮像データ47として記憶部45に記憶させる。
【0049】
次に、
図10、
図11を参照して、第2カメラ30によるマーク27の撮像の詳細と撮像結果について説明する。第2カメラ30によりマーク27を撮像する際、まず
図6に示す第1処理部41は移動機構9を制御して、第1カメラ20に設けられたマーク27を撮像する位置に第2カメラ30を移動させる。次いで第1処理部41は、第1カメラ20の部品照明部25を制御して、透明部材26上に設けられたマーク27を下方から照らさせながら、
図10に示すカメラユニット32を制御してマーク27を撮像させる。
【0050】
すなわち、基板撮像装置としての第2カメラ30がマーク27を撮像する際には、部品照明部25が透過照明によりマーク27を照らす。これにより、例えば透明部材26に汚れが付着している場合でも、第2カメラ30は、マーク27を鮮明に撮像することができる。なお、基板照明部33がマーク27を照らしながらカメラユニット32がマーク27を撮像してもよい。また、部品照明部25は透過照明としたが、透過照明は照明種別の一例であり、この例に限定されることはない。
【0051】
ところで、移動機構9は、部品実装作業において実装ヘッド8を繰り返し移動させる。この過程において、移動機構9のリニア駆動機構などの発熱によって移動機構9に経時的な歪が発生することがある。制御部40では、部品実装装置1に設定されている基点(図示省略)を原点として、移動機構9に歪がない初期状態を想定して実装ヘッド8やノズル8bの位置が制御されるように各種制御パラメータが設定されている。移動機構9に歪がある場合、実装ヘッド8やノズル8bが初期状態の位置からずれるため補正が必要となる。
【0052】
図10は、第1処理部41が移動機構9を制御して、カメラユニット32の第3の光路Phがマーク27の中心と一致させるにもかかわらず、移動機構9の歪に基因して第2カメラ30が位置ずれして停止している状態を示している。前述のようにカメラユニット32を含む第2カメラ30は、移動機構9により実装ヘッド8と一体的に移動する。移動機構9に歪がない初期の状態において、第3の光路Phのマーク27上の位置を初期基板視野中心位置Ch0と定義する。また、移動機構9に歪がある状態における、第3の光路Phの透明部材26上の位置を基板視野中心位置Chと定義する。
【0053】
図11は、
図10に示すように移動機構9に歪がある状態において、第2カメラ30のカメラユニット32によって撮像されたマーク27の基板認識カメラ画像(以下、第2画像)62を示している。第2画像62の中心62cが基板視野中心位置Chである。また、第2画像62に写っている5個のマーク27のうちの3番目の中央マーク27Aの中心が、初期基板視野中心位置Ch0である。移動機構9に歪がない初期状態では、第2画像62において、中心62cに初期基板視野中心位置Ch0が位置し、5個のマーク27は点線で示す位置にある。
【0054】
図6に示す第2算出部43は、
図11に示す第2画像62に基づいて、カメラユニット32の視野の初期状態からの位置ずれ量である第3位置ずれ量50を算出して、記憶部45に記憶させる。具体的には、第2算出部43は、第2画像62の中心62cに対する中央マーク27Aの位置よりX軸におけるずれ量ΔXhとY軸におけるずれ量ΔYhとを算出する。また、5個のマーク27の中心を結ぶ直線の傾きから、Z軸を回転軸とする回転の方向であるθ方向のずれ量Δθhを算出する。
【0055】
第2処理部44は、第2カメラ30を制御して、実装作業位置に保持された基板3の基板マーク3aを撮像させて基板3の位置を認識する。その際、第2処理部44は、記憶部45に記憶されている第3位置ずれ量50に基づいて、基板3の停止位置を補正する。また、部品実装作業では、部品実装装置1に設定されている基点に対するノズル8bの位置を補正して、ノズル8bが保持する部品Dを基板3上の所定の実装位置に実装する必要がある。ノズル8bの位置を補正するには、移動機構9の歪に加えて、上述したノズル8bが保持する部品Dを撮像する第1カメラ20の歪も考慮する必要がある。
【0056】
図10において、第2算出部43は、実装ヘッド8における第2カメラ30とノズル8bとの位置関係(Xn,Yn)に加え、第3位置ずれ量50と、第1位置ずれ量48とに基づいて、ノズル8bと第2カメラ30とのオフセット量51を算出する。そして第2算出部43は、オフセット量51を記憶部45に記憶させる。前述のように、第1位置ずれ量48は、第1カメラ20の歪を表わす第1カメラ20の視野の位置ずれ量である。第2処理部44は、記憶部45に記憶された実装データ46とオフセット量51とに基づいてノズル8bの位置を補正して、ノズル8bを制御し、ノズル8bが保持する部品Dを基板3上の実装位置に実装させる。
【0057】
前述のように、第1カメラ20の視野の位置ずれ量は、第1カメラ20のマーク撮像部22bによるマークの撮像結果に基づいて、第1算出部42によって算出される。すなわち、第1算出部42は、
図8に示すマーク画像60に基づいて第1位置ずれ量48を算出する。第1カメラ20がマーク27を撮像する際、第1処理部41は、第2カメラ30の基板照明部33を制御して透明部材26上に設けられたマーク27を上方から照らさせた状態で、マーク撮像部22bを制御してマーク27を撮像させる。すなわち、第1カメラ20がマーク27を撮像する際は、基板照明部33がマーク27を透過照明で照らす。これにより、例えば、透明部材26に汚れが付着している場合でも、マーク27を鮮明に撮像することができる。
【0058】
このように、第2算出部43は、部品撮像装置である第1カメラ20のマーク撮像部22bによるマーク27の撮像結果と、基板撮像装置である第2カメラ30によるマーク27の撮像結果とに基づいて、ノズル8bと第2カメラ30とのオフセット量51を算出する。すなわち、第2算出部43は、マーク画像60と基板認識カメラ画像62とに基づいて、オフセット量51を算出する。
【0059】
上記のように、部品実装装置1は、ノズル8bで保持された部品Dを撮像する部品撮像装置(第1カメラ20、第1算出部42)と、ノズル8bと一体的に移動して基板3を撮像する基板撮像装置(第2カメラ30)と、オフセット量51を算出するオフセット量算出部(第2算出部)43とを有している。これによって、ノズル8bと基板認識装置とのオフセット量51を精度良く算出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本開示の部品撮像装置は、部品を撮像するカメラの光軸のずれを算出することができる。また、本開示の部品実装装置は、実装基板の生産中にノズルと基板撮像装置とのオフセット量を精度良く算出することができることができる。そのため、いずれも、部品を基板に実装する分野において有用である。
【符号の説明】
【0061】
1 部品実装装置
1a 基台
2 基板搬送機構(搬送機構)
3 基板
3a 基板マーク
4 部品供給部
5 テープフィーダ
5a 部品供給位置
6 Y軸テーブル
7 ビーム
7a プレート
8 実装ヘッド
8a 吸着ユニット
8b ノズル
9 ヘッド移動機構(移動機構)
10 台車
10a フィーダベース
11 テープ
12 テープリール
13 タッチパネル
20 部品認識カメラ(第1カメラ)
21,31 筐体
21a 底
21b 上部
22 撮像素子
22a 部品撮像部
22b マーク撮像部
23 センサ基板
24 レンズ
25 部品照明部
25a,33a 側射照明部
25b,33b 同軸照明部
25c,33c ハーフミラー
26 透明部材
26a 部品撮像視野
26b マーク撮像視野
26c 上面
27 マーク
27A 中央マーク
28 補正部材
30 基板認識カメラ(第2カメラ)
32 カメラユニット
33 基板照明部
34 窓部材
40 制御部
41 撮像処理部(第1処理部)
42 位置ずれ量算出部(第1算出部)
43 オフセット量算出部(第2算出部)
44 実装動作処理部(第2処理部)
45 実装記憶部(記憶部)
46 実装データ
47 撮像データ
48 マーク視野位置ずれ量(第1位置ずれ量)
49 部品視野位置ずれ量(第2位置ずれ量)
50 基板視野位置ずれ量(第3位置ずれ量)
51 オフセット量
60 マーク画像
60c,61c,62c 中心
61 部品撮像画像(第1画像)
62 基板認識カメラ画像(第2画像)
D 部品
Pa 第1の光路
Pb 第2の光路
Ph 第3の光路