(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】トレイ処理装置、及び、トレイ処理方法
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20240830BHJP
【FI】
H05K13/02 A
H05K13/02 E
(21)【出願番号】P 2022501627
(86)(22)【出願日】2020-11-04
(86)【国際出願番号】 JP2020041252
(87)【国際公開番号】W WO2021166334
(87)【国際公開日】2021-08-26
【審査請求日】2023-09-14
(31)【優先権主張番号】P 2020028729
(32)【優先日】2020-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】柿島 信幸
(72)【発明者】
【氏名】石谷 泰行
(72)【発明者】
【氏名】小原 啓史
(72)【発明者】
【氏名】大内 一生
(72)【発明者】
【氏名】上山口 潤
(72)【発明者】
【氏名】吉武 高徳
(72)【発明者】
【氏名】井上 涼太
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/026931(WO,A1)
【文献】特開2015-056414(JP,A)
【文献】特開2005-166878(JP,A)
【文献】特開2017-163004(JP,A)
【文献】特開2000-315891(JP,A)
【文献】特開2010-245241(JP,A)
【文献】特開2019-204908(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレイに収納された部品を基板に装着する部品装着装置から回収されたトレイを処理するトレイ処理装置であって、
前記部品装着装置から回収されたマガジンから、前記トレイが装着されたパレットを取り出すパレット回収部と、
回収された前記パレットから前記トレイを取り外すトレイ取り外し部と、
を備えたトレイ処理装置。
【請求項2】
前記トレイ取り外し部は、
前記トレイが前記パレットに固定されている状態を解除する解除部と、
前記トレイを前記パレットから除去するトレイ除去部と、を有する、
請求項1に記載のトレイ処理装置。
【請求項3】
前記トレイは、前記トレイに接触するトレイ固定具によって前記パレットに固定され、
前記解除部は、前記トレイ固定具による前記トレイの固定を解除する、
請求項2に記載のトレイ処理装置。
【請求項4】
前記トレイ取り外し部は、前記トレイ取り外し部によって取り外された前記トレイを回収するトレイ回収部、を有する、
請求項1に記載のトレイ処理装置。
【請求項5】
前記トレイ取り外し部によって前記トレイが取り外された前記パレットを保管するパレット保管部、をさらに備えた、
請求項1に記載のトレイ処理装置。
【請求項6】
前記パレット保管部は、
前記パレットを収納する複数の収納位置を備えたストック棚と、
空きの前記収納位置に前記パレットを搬送するパレット搬送ロボットと、を有する、
請求項5に記載のトレイ処理装置。
【請求項7】
前記トレイ取り外し部は、部品を収納したトレイを装着したパレットが回収された場合、トレイの取り外しを行わず、
前記パレット保管部は、前記トレイを装着した前記パレットを保管する、
請求項5に記載のトレイ処理装置。
【請求項8】
前記パレット回収部から前記トレイ取り外し部へパレットを搬送するコンベアを備えた、
請求項1に記載のトレイ処理装置。
【請求項9】
部品を基板に装着する部品装着装置に部品を供給するために使用されるトレイを処理するトレイ処理装置であって、
パレットを供給するパレット保管部と、
供給された前記パレットに、部品を収納したトレイを装着するトレイ装着部と、
を備えたトレイ処理装置。
【請求項10】
前記トレイ装着部は、
トレイストック部にストックされたトレイを前記パレットへ移載するトレイ移載部と、
移載された前記トレイを前記パレットに固定するトレイ固定部と、を有する、
請求項9に記載のトレイ処理装置。
【請求項11】
前記トレイは、前記トレイに接触するトレイ固定具によって前記パレットに固定され、
前記トレイ固定部は、前記トレイ固定具によって前記トレイを前記パレットに固定する、
請求項10に記載のトレイ処理装置。
【請求項12】
前記パレット保管部は、
前記パレットを収納する複数の収納位置を備えたストック棚と、
前記収納位置から前記パレットを取り出して前記トレイ装着部へ搬送するパレット搬送ロボットと、を有する、
請求項9に記載のトレイ処理装置。
【請求項13】
前記パレットには、情報の読み書きが可能な記憶部が取り付けられ、
前記トレイが装着された前記パレットの前記記憶部に、前記トレイに収納された部品に関する情報を書き込む情報書き込み部、をさらに備える、
請求項9に記載のトレイ処理装置。
【請求項14】
前記情報書き込み部は、前記パレットに装着されたトレイを他のパレットに装着されたトレイと識別するための識別情報を前記記憶部に書き込む、
請求項13に記載のトレイ処理装置。
【請求項15】
前記情報書き込み部は、サーバと通信を行い、前記部品の情報と前記識別情報を関連付けて前記サーバへ送信する、
請求項14に記載のトレイ処理装置。
【請求項16】
前記記憶部は、無線によって情報の読み書きが可能な無線タグである、
請求項13に記載のトレイ処理装置。
【請求項17】
前記トレイが装着された前記パレットを、前記部品装着装置に装着されるマガジンに格納するパレット払出部、をさらに備える、
請求項9に記載のトレイ処理装置。
【請求項18】
部品を基板に装着する部品装着装置に部品を供給するために使用されるトレイを処理するトレイ処理装置であって、
前記部品装着装置から回収されたパレットから前記トレイを取り外すトレイ取り外し部と、
部品を収納したトレイを前記パレットに装着するトレイ装着部と、
を備えたトレイ処理装置。
【請求項19】
前記部品装着装置から回収されたマガジンから、前記トレイが装着された前記パレットを取り出すパレット回収部、をさらに備える、
請求項18に記載のトレイ処理装置。
【請求項20】
前記トレイ取り外し部は、
前記トレイが前記パレットに固定されている状態を解除する解除部と、
前記トレイを前記パレットから除去するトレイ除去部と、を有する、
請求項18に記載のトレイ処理装置。
【請求項21】
前記トレイは、前記トレイに接触するトレイ固定具によって前記パレットに固定され、
前記解除部は、前記トレイ固定具による前記トレイの固定を解除する、
請求項20に記載のトレイ処理装置。
【請求項22】
前記トレイ取り外し部は、前記トレイ取り外し部によって取り外された前記トレイを回収するトレイ回収部、を有する、
請求項18に記載のトレイ処理装置。
【請求項23】
前記トレイ装着部は、トレイストック部にストックされたトレイを前記パレットへ移載するトレイ移載部、を有する、
請求項18に記載のトレイ処理装置。
【請求項24】
前記トレイ装着部は、
トレイストック部にストックされたトレイを前記パレットへ移載するトレイ移載部と、
移載された前記トレイを前記パレットに固定するトレイ固定部と、を有し、
前記トレイ固定部は、前記トレイ固定具によって前記トレイを前記パレットに固定する、
請求項21に記載のトレイ処理装置。
【請求項25】
前記パレットには、情報の読み書きが可能な記憶部が取り付けられ、
前記トレイが装着された前記パレットの前記記憶部に、前記トレイに収納された部品に関する情報を書き込む情報書き込み部、をさらに備える、
請求項18に記載のトレイ処理装置。
【請求項26】
前記情報書き込み部は、前記パレットに装着されたトレイを他のパレットに装着されたトレイと識別するための識別情報を前記記憶部に書き込む、
請求項25に記載のトレイ処理装置。
【請求項27】
前記情報書き込み部は、サーバと通信を行い、前記部品の情報と前記識別情報を関連付けて前記サーバへ送信する、
請求項26に記載のトレイ処理装置。
【請求項28】
前記記憶部は、無線によって情報の読み書きが可能な無線タグである、
請求項25に記載のトレイ処理装置。
【請求項29】
前記トレイが装着された前記パレットを、前記部品装着装置に装着されるマガジンに格納するパレット払い出し部をさらに備える、
請求項18に記載のトレイ処理装置。
【請求項30】
前記トレイ取り外し部によって前記トレイが取り外された前記パレットを保管するパレット保管部、をさらに備えた、
請求項18に記載のトレイ処理装置。
【請求項31】
前記パレット保管部は、
前記パレットを収納する複数の収納位置を備えたストック棚と、
空きの前記収納位置に前記トレイが取り外された前記パレットを搬送し、前記収納位置に収納されているパレットを前記トレイ装着部へ供給するパレット搬送ロボットと、を有する、
請求項30に記載のトレイ処理装置。
【請求項32】
部品を基板に装着する部品装着装置に部品を供給するために使用されるトレイを処理するトレイ処理方法であって、
前記部品装着装置から回収されたパレットから、前記トレイを取り外すトレイ取り外し工程と、
前記トレイが取り外された前記パレットに、部品を収納したトレイを装着するトレイ装着工程と、を備えた、
トレイ処理方法。
【請求項33】
前記トレイ取り外し工程は、
前記トレイが前記パレットに固定されている状態を解除する解除工程と、
前記トレイを前記パレットから除去するトレイ除去工程と、を含む、
請求項32に記載のトレイ処理方法。
【請求項34】
前記トレイ装着工程は、
トレイストック部にストックされたトレイを前記パレットへ移載するトレイ移載工程と、
移載された前記トレイを前記パレットに固定するトレイ固定工程と、を含む、
請求項32に記載のトレイ処理方法。
【請求項35】
前記パレットには、情報の読み書きが可能な記憶部が取り付けられ、
前記トレイが装着された前記パレットの前記記憶部に、前記トレイに収納された部品に関する情報を書き込む情報書き込み工程、をさらに備える、
請求項32に記載のトレイ処理方法。
【請求項36】
前記情報書き込み工程は、前記パレットに装着されたトレイを他のパレットに装着されたトレイと識別するための識別情報を前記記憶部に書き込む、
請求項35に記載のトレイ処理方法。
【請求項37】
前記情報書き込み工程は、サーバと通信を行い、前記部品の情報と前記識別情報を関連付けて前記サーバへ送信する、
請求項36に記載のトレイ処理方法。
【請求項38】
前記トレイが装着された前記パレットを、前記部品装着装置に装着されるマガジンに格納するパレット払出工程、をさらに備える、
請求項32に記載のトレイ処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、トレイ処理装置、及び、トレイ処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トレイに収納された部品を部品装着装置に供給するトレイフィーダが知られている。トレイは専用のパレットに装着され、トレイを装着したパレットはマガジンに格納される。トレイフィーダは、マガジンから必要なトレイをパレットごと取り出し、当該トレイに収納された部品を部品装着装置に供給する(例えば特許文献1)。パレットを使用することにより、様々なサイズ及び形状のトレイを取り扱うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来、トレイをパレットに装着する作業は、人手で行われており、自動化が実現されていない。
【0005】
本開示の目的は、トレイをパレットに自動的に装着するトレイ処理装置及びトレイ処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るトレイ処理装置は、トレイに収納された部品を基板に装着する部品装着装置から回収されたトレイを処理するトレイ処理装置であって、前記部品装着装置から回収されたマガジンから、前記トレイが装着されたパレットを取り出すパレット回収部と、回収された前記パレットから前記トレイを取り外すトレイ取り外し部と、を備える。
【0007】
本開示に係るトレイ処理装置は、部品を基板に装着する部品装着装置に部品を供給するために使用されるトレイを処理するトレイ処理装置であって、パレットを供給するパレット保管部と、供給された前記パレットに、部品を収納したトレイを装着するトレイ装着部と、を備える。
【0008】
本開示に係るトレイ処理装置は、部品を基板に装着する部品装着装置に部品を供給するために使用されるトレイを処理するトレイ処理装置であって、前記部品装着装置から回収されたパレットから前記トレイを取り外すトレイ取り外し部と、部品を収納したトレイを前記パレットに装着するトレイ装着部と、を備える。
【0009】
本開示に係るトレイ処理方法は、部品を基板に装着する部品装着装置に部品を供給するために使用されるトレイを処理するトレイ処理方法であって、部品装着装置から回収されたパレットから、前記トレイを取り外すトレイ取り外し工程と、前記トレイが取り外された前記パレットに、部品を収納したトレイを装着するトレイ装着工程と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、トレイをパレットに自動的に装着できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施の形態に係るトレイ処理装置の全体構成の一例を示す図であり、トレイ処理装置を上から俯瞰した図
【
図2】部品装着装置及びトレイ部品供給装置の構成例を示す模式図
【
図4】パレットに対するトレイの位置決め後の状態の一例を示す斜視図
【
図7A】パレット押出装置がマガジン内のパレットを押し出す前の状態の一例を示す模式図
【
図7B】パレット押出装置がマガジン内のパレットを押し出した後の状態の一例を示す模式図
【
図10B】マグネットバーの構成例を示す長手方向の縦断面図
【
図11】マグネットバー移送ヘッドの構成例を示す斜視図
【
図15】情報書込部及びパレット払出部の構成例を示す要部斜視図
【
図16】本実施の形態に係るトレイ処理装置の全体構成の変形例を示す図であり、トレイ処理装置を上から俯瞰した図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を適宜参照して、本開示の実施の形態について、詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、すでによく知られた事項の詳細説明及び実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の記載の主題を限定することは意図されていない。なお、各図の説明では、紙面の上から下に向かう軸をX軸、紙面の左から右に向かう軸をY軸、紙面の奥から手前に向かう軸をZ軸とする。また、X軸の正方向を「前」、X軸の負方向を「後」、Y軸の正方向を「右」、Y軸の負方向を「左」、Z軸の正方向を「上」、Z軸の負方向を「下」と称する。なお、これらの方向に係る表現は、説明の便宜上用いられるものであって、当該構造の実使用時における姿勢を限定する意図ではない。
【0013】
(本実施の形態)
<トレイ処理装置の全体構成>
図1は、本実施の形態に係るトレイ処理装置100の全体構成の一例を示す図であり、トレイ処理装置100を上から俯瞰した図である。次に、
図1を参照して、トレイ処理装置100の構成の概要について説明する。
【0014】
工場内には、部品を基板に装着する部品装着装置10(
図2参照)、及び、トレイ30に収納された部品を当該部品装着装置10に供給するトレイ部品供給装置20(
図2参照)が設置される(
図1には図示しない)。トレイ部品供給装置20は、トレイフィーダといった他の用語に読み替えられてもよい。トレイ30は専用のパレット40に装着される。トレイ30を装着したパレット40は、マガジン50に格納される。マガジン50は、工場内を走行するAGV60によって、所定の場所に配送される。AGV60は、無人搬送車といった他の用語に読み替えられてもよい。なお、部品装着装置10及びトレイ部品供給装置20の詳細については後述する(
図2参照)。
【0015】
本実施の形態に係るトレイ処理装置100は、工場内に設置され、トレイ30を処理する装置である。具体的には、トレイ処理装置100は、パレット40からトレイ30を取り外したり、パレット40にトレイ30を装着したりする処理を自動的に行う装置である。
【0016】
トレイ処理装置100は、コンベア110、パレット回収部200、トレイ取り外し部300、トレイ装着部400、情報書込部500、及び、パレット払出部600を備える。
【0017】
例えば、AGV60は、トレイ部品供給装置20から、部品が供給された後のトレイ30を装着したパレット40を格納したマガジン50を回収し、そのマガジン50をパレット回収部200の場所に配送する。以下、トレイ30を装着したパレット40を、トレイ装着パレット40と称する。なお、トレイ装着パレット40におけるトレイ30には、部品が収納されていてもよいし、部品が収納されていなくてもよい。
【0018】
パレット回収部200は、AGV60によって配送されたマガジン50から、トレイ装着パレット40を回収し、当該回収したトレイ装着パレット40をコンベア110に載せる作業を行う装置及びエリアである。なお、パレット回収部200の詳細については後述する(
図5参照)。
【0019】
トレイ取り外し部300は、コンベア110にて搬送されたトレイ装着パレット40からトレイ30を取り外し、そのトレイ30をトレイ回収部330に回収する作業を行う装置及びエリアである。トレイ30が取り外されたパレット40は、コンベア110にて搬送される。なお、トレイ取り外し部300の詳細については後述する(
図7参照)。
【0020】
トレイ装着部400は、トレイストック部430にストックされたトレイ30を取得し、その取得したトレイ30をコンベア110にて搬送されたパレット40に装着する作業を行う装置及びエリアである。トレイストック部430は、部品を収納したトレイ30をストックする装置又はエリアである。部品を収納したトレイ装着パレット40は、コンベア110にて搬送される。なお、トレイ装着部400の詳細については後述する(
図13参照)。
【0021】
情報書込部500は、部品を収納したトレイ30を装着したパレット40の無線タグ44(
図3参照)に、当該パレット40の識別情報(以下「パレット識別情報」という)、及び/又は、当該パレット40上のトレイ30に収納された部品に関する情報(以下「部品情報」という)を書き込む作業を行う装置及びエリアである。なお、情報書込部500の詳細については後述する(
図15参照)。
【0022】
パレット払出部600は、情報書込部500にて無線タグ44に情報が書き込まれたトレイ装着パレット40を、マガジン50に格納する作業を行う装置及びエリアである。加えて、パレット払出部600は、トレイ装着パレット40が格納されたマガジン(以下「格納マガジン」という)50を、AGV60に載せる作業を行う。なお、パレット払出部600の詳細については後述する(
図15参照)。AGV60は、例えば、当該格納マガジン50を載せて、トレイ部品供給装置20の場所に移動する。
【0023】
図1に示すトレイ処理装置100の構成によれば、パレット40からトレイ30を取り外したり、パレット40にトレイ30を装着したりする作業を自動化できる。以下、詳細に説明する。
【0024】
<部品装着装置及び部品供給装置の構成>
図2は、部品装着装置10及びトレイ部品供給装置20の構成例を示す模式図である。次に、
図2を参照し、部品装着装置10及びトレイ部品供給装置20について詳細に説明する。
【0025】
図2に示すように、部品装着装置10は、基板搬送部11、及び、部品装着ヘッド12を備える。基板搬送部11は、基板13を搬送する装置であり、例えばベルト、チェーン又はローラ等によって構成される。基板搬送部11は、コンベアといった他の用語に読み替えられてもよい。部品装着ヘッド12は、基板搬送部11によって搬送された基板13に対して、トレイ部品供給装置20によって供給された部品を装着する作業を行う装置である。
【0026】
トレイ部品供給装置20は、マガジン50を着脱可能な機構、及び、昇降機構により昇降可能なパレット移動装置21を備える。トレイ部品供給装置20は、部品装着装置10に対して着脱可能である。
【0027】
部品装着装置10及びトレイ部品供給装置20は、例えば、以下の動作を行う。
(S11)パレット移動装置21は、マガジン50内の1つの支持レール51と同じ高さ位置に移動し、その高さ位置の支持レール51に格納されたトレイ装着パレット40を引き出す。そして、パレット移動装置21は、そのトレイ装着パレット40を載せて、所定の高さ位置(例えば最も高い位置)に移動する。
(S12)部品装着ヘッド12は、パレット移動装置21に載置されたトレイ装着パレット40のトレイ30から部品を吸着し、その部品を基板13に装着する。
(S13)基板搬送部11は、基板13に対する1又は複数の部品の装着が完了した場合、その基板13を次工程の作業装置へ搬送する。
(S14)パレット移動装置21は、トレイ30内の部品が空になった場合、トレイ装着パレット40を載せて、マガジン50内の空いている支持レール51と同じ高さ位置に移動し、当該トレイ装着パレット40を当該支持レール51に格納する。
【0028】
なお、マガジン50がトレイ装着パレット40で満杯になった場合、あるいは、別機種の基板13の製造を開始する場合等、段取り替えを行う場合、トレイ部品供給装置20のマガジン50は、別のマガジン50と交換されてよい。この場合、AGV60によって交換用のマガジン50が配送されてよい。
【0029】
<トレイの位置決め>
図3は、トレイ30及びパレット40の構成例を示す斜視図である。
図4は、パレット40に対するトレイ30の位置決め後の状態の一例を示す斜視図である。次に、
図3及び
図4を参照して、トレイ30及びパレット40の構成、並びに、パレット40上におけるトレイ30の位置決めについて詳細に説明する。
【0030】
トレイ30は、略四角形の薄型の形状を呈する。トレイ30の上面には、複数の凹部31が形成され、各凹部31に部品が収納される。トレイ30は、例えば樹脂によって構成される。
【0031】
パレット40は、パレット本体部41、トレイ位置決め片42A、42B、係合部43、及び、無線タグ44を有する。
【0032】
パレット本体部41は、略四角形の平板の形状を呈する。パレット本体部41は、磁性体材料によって構成される。
【0033】
係合部43は、パレット本体部41の前側の辺E1に設けられ、トレイ部品供給装置20のパレット移動装置21と係合する部材である。パレット移動装置21は、当該係合部43に係合し、マガジン50からパレット40を引き出したり、マガジン50にパレット40を格納したりできる。
【0034】
トレイ位置決め片42A、42Bは、細長い突起の形状を呈し、パレット本体部41の上面に設けられる。例えば、トレイ位置決め片42Aは、パレット本体部41の前側の辺E1に平行に設けられ、トレイ位置決め片42Bは、パレット本体部41の左側の辺E2に平行に設けられる。よって、トレイ30の前側の辺F1及び左側の辺F2を、それぞれ、トレイ位置決め片42A、42Bに当接させることにより、パレット40に対してトレイ30を位置決めできる。
【0035】
トレイ30の位置を固定するために、トレイ固定具の一例であるマグネットバー70が使用される。マグネットバー70は、略棒状の形状を呈する。マグネットバー70は下面にマグネット部72(
図10A、
図10B参照)を有する。なお、マグネットバー70の詳細については後述する(
図10A、
図10B参照)。
【0036】
トレイ30がトレイ位置決め片42A、42Bによって位置決めされた後、
図3に示すように、2つのマグネットバー70は、それぞれ、トレイ30の残りの2つの辺(
図3では後側の辺F3及び右側の辺F4)に当接(接触)するように、パレット40に配置される。パレット40は磁性体材料で構成されるため、2つのマグネットバー70は、パレット40の上面にしっかり固定される。これにより、
図4に示すように、トレイ30は、四方が固定され、パレット40のXY平面方向に位置ずれしない。
【0037】
無線タグ44は、無線による情報の読み書きが可能な回路であり、情報の読み書きが可能な記憶部を含む。無線タグ44は、例えば、パレット本体部41の上面の端に設けられる。無線タグ44には、情報書込部500によって、情報が書き込まれる。なお、無線タグ44への情報の書き込みの詳細については後述する(
図15参照)。
【0038】
<マガジンの構成>
図5は、マガジン50の構成例を示す斜視図である。次に、
図5を参照して、マガジン50の構成について詳細に説明する。
【0039】
マガジン50は、略直方体の形状を呈し、底板52、天板53、左側板54A、及び、右側板54Bから構成される。すなわち、マガジン50の前方及び後方は開口している。
【0040】
左側板54A、右側板54Bには、それぞれ、底板52に平行な複数の支持レール51が、同じ高さ位置に設けられる。左右一対の支持レール51が、1つのトレイ装着パレット40を支持する。すなわち、マガジン50は、左右一対の支持レール51の数に対応する数のトレイ装着パレット40を格納できる。
【0041】
<パレット回収部の構成及び動作>
図6は、パレット回収部200の構成例を示す模式図である。次に、
図6を参照して、パレット回収部200の構成及び動作について詳細に説明する。
【0042】
パレット回収部200は、マガジン搬送装置210、パレット回収ステージ220、駆動部230、及び、パレット押出装置240を有する。
【0043】
マガジン搬送装置210は、マガジン50を搬送する装置である。マガジン搬送装置210は、XY軸方向に移動自在なXYテーブル211、及び、XYテーブル211に接続し、Z軸方向に移動自在なエンドエフェクタ212を備える。エンドエフェクタ212は、マガジン50を上から把持可能な機構を有する。
【0044】
パレット回収ステージ220は、マガジン50が載置されるステージである。パレット回収ステージ220は、駆動部230の上に設けられる。
【0045】
駆動部230は、パレット回収ステージ220を昇降させる装置である。加えて、駆動部230は、パレット回収ステージ220を90度回転させる装置である。
【0046】
パレット押出装置240は、マガジン50内のパレット40をコンベア110に向けて押し出す装置である。
【0047】
パレット回収部200は、例えば、以下の動作を行う。
(S21)トレイ装着パレット40を格納したマガジン50を載せたAGV60は、パレット回収ステージ220の隣に到着する。
(S22)マガジン搬送装置210は、XYテーブル211及びエンドエフェクタ212を駆動して、AGV60上のマガジン50を掴み上げ、その掴み上げたマガジン50をパレット回収ステージ220に載せる。
(S23)駆動部230は、パレット回収ステージ220を90度回転させる。これにより、マガジン50の正面が、Y軸方向からX軸方向に変更される。
(S24)駆動部230は、マガジン50内の1つのトレイ装着パレット40がパレット押出装置240の高さ位置に来るように、パレット回収ステージ220を上昇(又は下降)させる。
(S25)パレット押出装置240は、その位置のトレイ装着パレット40をマガジン50から押し出す。押し出されたトレイ装着パレット40は、コンベア110に載せられる。なお、当該パレット押出装置240の動作の詳細については後述する(
図7A、
図7B参照)。
(S26)駆動部230及びパレット押出装置240は、マガジン50内のすべてのトレイ装着パレット40が押し出されるまで、S24とS25を繰り返す。
(S27)マガジン搬送装置210は、すべてのトレイ装着パレット40が押し出されたマガジン50を掴み上げ、その掴み上げたマガジン50をAGV60に載せる。ただし、マガジン50には、一部のトレイ装着パレット40が残っていてもよい。
【0048】
図7Aは、パレット押出装置240がマガジン50内のパレット40を押し出す前の状態の一例を示す模式図である。
図7Bは、パレット押出装置240がマガジン50内のパレット40を押し出した後の状態の一例を示す模式図である。次に、
図7A及び
図7Bを参照して、
図6のS24及びS25の動作について詳細に説明する。
【0049】
パレット押出装置240は、X軸方向にスライド自在な棒状のプッシャー241を備える。
【0050】
図7Aに示すように、上記S24において、プッシャー241は、1つのトレイ装着パレット40と同じ高さ位置となる。
【0051】
図7Bに示すように、上記S25において、パレット押出装置240は、プッシャー241をパレット40に向けて(X軸の正方向に)スライドさせる。これにより、プッシャー241と同じ高さのトレイ装着パレット40は、当該プッシャー241によって押し出されて、コンベア110に載せられる。
【0052】
<トレイ取り外し部の構成及び動作>
図8は、トレイ取り外し部300の構成例を示す模式図である。
図9は、トレイ取り外し部300の構成例を示す要部斜視図である。次に、
図8及び
図9を参照して、トレイ取り外し部300の構成及び動作について詳細に説明する。
【0053】
トレイ取り外し部300は、トレイ除去部310、マグネットバー除去装置320、及び、トレイ回収部330を有する。
【0054】
トレイ除去部310は、パレット40からトレイ30を除去する装置である。トレイ除去部310は、XY軸方向に移動自在なXYテーブル311、XYテーブル311に接続し、Z軸方向に移動自在な昇降部312、及び、昇降部312に接続し、トレイ30を吸着可能なトレイ吸着ヘッド313を有する。
【0055】
マグネットバー除去装置320は、トレイ30がパレット40に固定されている状態を解除する解除部の一例である。例えば、マグネットバー除去装置320は、パレット40からマグネットバー70を除去する装置である。マグネットバー除去装置320は、XY軸方向に移動自在なXYテーブル321、XYテーブル321に接続し、Z軸方向に移動自在なZテーブル322、及び、Zテーブル322に接続し、マグネットバー70を移送可能なマグネットバー移送ヘッド323を有する。
【0056】
トレイ回収部330は、パレット40から回収されたトレイ30が載置される装置又は場所である。
【0057】
トレイ取り外し部300は、例えば、以下の動作を行う。
(S31)マグネットバー除去装置320は、
図9に示すように、XYテーブル321、Zテーブル322及びマグネットバー移送ヘッド323を駆動して、コンベア110にて搬送されたパレット40からマグネットバー70を取り外し、そのマグネットバー70をパレット40上のトレイ30から離れた所定の位置に載置する。なお、マグネットバー移送ヘッド323の動作の詳細については後述する(
図11参照)。
(S32)トレイ除去部310は、
図9に示すように、XYテーブル311、昇降部312及びトレイ吸着ヘッド313を駆動して、パレット40上のトレイ30をトレイ吸着ヘッド313に吸着し、その吸着したトレイ30をトレイ回収部330に移送する。
【0058】
<マグネットバーの構成>
図10Aは、マグネットバー70の構成例を示す斜視図である。
図10Bは、マグネットバー70の構成例を示す長手方向の縦断面図である。次に、
図10A及び
図10Bを参照して、マグネットバー70の構造について詳細に説明する。
【0059】
マグネットバー70は、本体部71、マグネット部72、凹部73、レバー部74A、74B、及び、軸部75を備える。
【0060】
本体部71は、横長の略棒状の形状を呈する。マグネット部72は、本体部71の下面に設けられ、パレット40の上面に吸着する。凹部73は、本体部71の上面において、長手方向に形成される。
【0061】
レバー部74A、74Bは、それぞれ、軸部75によって本体部71の両端に取り付けられる。レバー部74A、74Bは、軸部75から遠い側の先端に向けて下面が上面に近づく勾配形状を呈する。レバー部74A、74Bは、軸部75を中心に揺動可能である。
【0062】
<マグネットバー移送ヘッドの構成及び動作>
図11は、マグネットバー移送ヘッド323の構成例を示す斜視図である。次に、
図11を参照して、マグネットバー移送ヘッド323の構成について詳細に説明する。
【0063】
マグネットバー移送ヘッド323は、横長の略直方体の形状を呈する。マグネットバー移送ヘッド323は、保持部324、レバー操作部325A、325B、ピン326A、326B、及び、ロッド327A、327Bを備える。
【0064】
保持部324は、マグネットバー移送ヘッド323の中央付近を構成する。保持部324の上面は、マグネットバー除去装置320のZテーブル322に接続する。
【0065】
ピン326A、326Bは、保持部324の下面から下方に延出する棒状の形状を呈する。ピン326A、326Bは、マグネットバー70の凹部73に挿入可能な太さ及び形状を有する。マグネットバー移送ヘッド323は、ピン326A、326Bを長手方向に移動させて、ピン326Aとピン326Bの間隔を近づけたり、遠ざけたりすることができる。
【0066】
レバー操作部325A,325Bは、それぞれ、保持部324の長手方向の両端に連結される。
【0067】
ロッド327A、327Bは、それぞれ、レバー操作部325A、325Bの下面から下方に対して伸縮可能な棒状の形状を呈する。ロッド327A、327Bの位置は、それぞれ、マグネットバー70のレバー部74A、74Bの位置と対応する。すなわち、ロッド327Aとロッド327Bの間隔は、マグネットバー70のレバー部74Aとレバー部74Bの間隔に対応する。
【0068】
図12は、マグネットバー移送ヘッド323の動作説明図である。次に、
図12を参照して、マグネットバー移送ヘッド323がマグネットバー70を移送する動作について詳細に説明する。
【0069】
(S31)マグネットバー移送ヘッド323は、
図12(a)に示すように、ピン326A、326Bの先端を、マグネットバー70の凹部73に挿入する。
(S32)マグネットバー移送ヘッド323は、
図12(b)に示すように、ロッド327Aを下方に伸ばして、マグネットバー70のレバー部74Aの先端を上から押す。これにより、てこの原理により、レバー部74Aの先端が力点、レバー部74Aの勾配下面の軸部75に近い部分Pが支点、レバー部74Aの軸部75が作用点となって、マグネットバー70の本体部71が押し上げられる。そのため、マグネットバー70のマグネット部72の吸着力が弱まる。
(S33)マグネットバー移送ヘッド323は、
図12(c)に示すように、ロッド327Bを下方に伸ばして、マグネットバー70のレバー部74Bを上から押す。これにより、上記同様、マグネットバー70の本体部71は押し上げられる。そのため、マグネットバー70のマグネット部72の吸着力がさらに弱まる。加えて、S31において、ピン326A、326Bがマグネットバー70の凹部73に挿入されているので、S32、S33の動作を行った場合においても、マグネットバー70がずれたり跳ねたりといったことが発生しない。よって、マグネットバー70を取り外す際に、トレイ30内の部品が飛散しない。
(S34)マグネットバー移送ヘッド323は、
図12(c)に示すように、凹部73の端に当接するまでピン326A、326Bの間隔を広げる。
(S35)マグネットバー移送ヘッド323は、
図12(d)に示すように、ピン326A、326Bの間隔を広げたまま上昇する。これにより、マグネットバー移送ヘッド323は、マグネットバー70を持ち上げることができる。
(S36)マグネットバー移送ヘッド323は、持ち上げたマグネットバー70を、パレット40上のトレイ30から離れた所定の位置に移送し載置する。
【0070】
<トレイ装着部の構成及び動作>
図13は、トレイ装着部400の構成例を示す模式図である。
図14は、トレイ装着部400の構成例を示す要部斜視図である。次に、
図13及び
図14を参照して、トレイ装着部400の構成及び動作について詳細に説明する。
【0071】
トレイ装着部400は、トレイ移載部410、マグネットバー移動装置420、及び、トレイストック部430を有する。
【0072】
トレイ装着部400は、パレット40に部品を収容したトレイ30を装着する装置である。トレイ装着部400は、XY軸方向に移動自在なXYテーブル411、XYテーブル411に接続し、Z軸方向に移動自在な昇降部412、及び、昇降部412に接続し、トレイ30を移載可能なトレイ移載ヘッド413を有する。
【0073】
マグネットバー移動装置420は、トレイ固定部の一例であり、パレット40のマグネットバー70を移動させる装置である。マグネットバー移動装置420は、XY軸方向に移動自在なXYテーブル421、XYテーブル421に接続し、Z軸方向に移動自在なZテーブル422、及び、Zテーブル422に接続し、マグネットバー70を移送可能なマグネットバー移送ヘッド423を有する。マグネットバー移送ヘッド423は、
図11及び
図12にて説明したマグネットバー移送ヘッド323と同様の構成であってよい。
【0074】
トレイストック部430は、部品を収納したトレイ30がストックされる装置又は場所である。
【0075】
トレイ装着部400は、例えば、以下の動作を行う。
(S41)トレイ装着部400は、
図14に示すように、XYテーブル411、昇降部412及びトレイ移載ヘッド413を駆動して、トレイストック部430の部品を収容したトレイ30を、コンベア110で搬送されたパレット40上に移送する。このとき、トレイ装着部400は、
図4にて示したように、トレイ30の辺をパレット40のトレイ位置決め片42A、42Bに当接させる。
(S42)マグネットバー移動装置420は、
図14に示すように、XYテーブル421、Zテーブル422及びマグネットバー移送ヘッド423を駆動して、パレット40からマグネットバー70を取り外し、そのマグネットバー70を、
図4に示すように、トレイ30を固定する位置に載置する。これにより、トレイ30は位置決め及び固定される。
【0076】
<情報書込部及びパレット払出部の構成及び動作>
図15は、情報書込部500及びパレット払出部600の構成例を示す要部斜視図である。次に、
図15を参照して、情報書込部500及びパレット払出部600について詳細に説明する。
【0077】
情報書込部500は、無線通信部501と有線LAN(Local Area Network)又は無線LANにて接続する。無線通信部501は、パレット40の無線タグ44と無線通信を行う装置である。また、情報書込部500は、有線LAN、無線LAN、インターネット、携帯電話網、又は、それらの組み合わせ等の通信ネットワークを通じて、サーバ90と情報を送受信できる。
【0078】
情報書込部500は、無線通信部501を通じて、パレット40の無線タグ44に対して、当該パレット40に装着されたトレイ30内の部品に関する部品情報を書き込む。当該部品を収納したトレイ30は、トレイ装着部400によって当該パレット40に装着されたものであってよい。加えて、情報書込部500は、無線通信部501を通じて、パレット40の無線タグ44に対して、当該パレット40に装着されたトレイ30を、他のパレット40に装着されたトレイ30と識別するための情報であるパレット識別情報を書き込む。情報書込部500は、これら書き込んだ部品情報とパレット識別情報とを関連付けて、サーバ90へ送信する。サーバ90は、この送信された部品情報とパレット識別情報とを関連付けて管理する。これにより、サーバ90において、パレット40とトレイ30と部品との関係を管理できる。部品情報は、例えば、部品名、メーカー名、製品ロッド番号、部品の寸法及び形状データ、及び/又は、スペック情報である。パレット識別情報は、例えば、トレイ装着パレット40を一意に識別可能なID又はシリアル番号等である。なお、1つのパレット40に複数のトレイ30が装着されてもよい。パレット識別情報を用いることにより、このような複数のトレイ30を装着したパレット40も識別及び管理可能である。
【0079】
パレット払出部600は、パレット移送ロボット601を備える。パレット移送ロボット601は、部品を収納したトレイ装着パレット40をマガジン50に格納する装置である。パレット移送ロボット601は、無線タグ44に書き込まれたパレット識別情報に応じて、部品を収納したトレイ装着パレット40の格納先のマガジン50を決定してもよい。例えば、パレット移送ロボット601は、パレット識別情報に応じて、部品を収納したトレイ装着パレット40を、自動倉庫行のマガジン50、生産ラインA行のマガジン50、又は、生産ラインB行のマガジン50のいずれに格納するかを決定する。また、パレット移送ロボット601は、マガジン50を掴み上げて、当該マガジン50の行先に対応するAGV60に載せてもよい。
【0080】
<トレイ処理装置の全体構成の変形例>
図16は、本実施の形態に係るトレイ処理装置100の全体構成の変形例を示す図であり、トレイ処理装置100を上から俯瞰した図である。
図16に示すトレイ処理装置100は、
図1と比べて、トレイ取り外し部300とトレイ装着部400との間に、パレット保管部700を備える点が相違する。
【0081】
パレット保管部700は、パレット40を収納する作業を行う装置及びエリアである。パレット保管部700は、ストック棚701、及び、パレット搬送ロボット702を備える。
【0082】
ストック棚701は、パレット40を収納する複数の収納位置を備える棚である。
【0083】
パレット搬送ロボット702は、パレット40をストック棚701に搬送するロボットである。パレット搬送ロボット702は、パレット40を、ストック棚701における空きの収納位置に搬送する。
【0084】
なお、トレイ取り外し部300は、部品を収納したトレイ30を装着したパレット40が回収された場合、当該部品を収納したトレイ30の取り外しを行わなくてもよい。そして、パレット搬送ロボット702は、当該部品を収納したトレイ30を装着したパレット40を、そのままストック棚701の空きの収納位置に保管してもよい。
【0085】
また、パレット搬送ロボット702は、必要に応じて、ストック棚701のパレット40を、次のトレイ装着部400に繋がるコンベア111に載置する。
【0086】
図16に示すトレイ処理装置100の構成によれば、パレット保管部700において、
トレイ30を未装着のパレット40、及び、部品を収納したトレイ30を装着したパレット40を一時的に保管できる。これにより、トレイ装着部400に対するパレット40の供給の柔軟性が向上する。
【0087】
以上、添付図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0088】
なお、本出願は、2020年2月21日出願の日本特許出願(特願2020-028729)に基づくものであり、その内容は本出願の中に参照として援用される。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本開示の技術は、基板製造の効率化に有用である。
【符号の説明】
【0090】
10 部品装着装置
11 基板搬送部
12 部品装着ヘッド
13 基板
20 トレイ部品供給装置
21 パレット移動装置
30 トレイ
31 凹部
40 パレット
41 パレット本体部
42A、42B トレイ位置決め片
43 係合部
44 無線タグ
50 マガジン
51 支持レール
52 底板
53 天板
54A 左側板
54B 右側板
60 AGV
70 マグネットバー
71 本体部
72 マグネット部
73 凹部
74A、74B レバー部
75 軸部
90 サーバ
100 トレイ処理装置
110、111 コンベア
200 パレット回収部
210 マガジン搬送装置
211 XYテーブル
212 エンドエフェクタ
220 パレット回収ステージ
230 駆動部
240 パレット押出装置
241 プッシャー
300 トレイ取り外し部
310 トレイ除去部
311 XYテーブル
312 昇降部
313 トレイ吸着ヘッド
320 マグネットバー除去装置
321 XYテーブル
322 Zテーブル
323 マグネットバー移送ヘッド
324 保持部
325A、325B レバー操作部
326A、326B ピン
327A、327B ロッド
330 トレイ回収部
400 トレイ装着部
410 トレイ移載部
411 XYテーブル
412 昇降部
413 トレイ移載ヘッド
420 マグネットバー移動装置
421 XYテーブル
422 Zテーブル
423 マグネットバー移送ヘッド
430 トレイストック部
500 情報書込部
501 無線通信部
600 パレット払出部
601 パレット移送ロボット
700 パレット保管部
701 ストック棚
702 パレット搬送ロボット