IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社リュックスグループの特許一覧

<>
  • 特許-キッチンカウンター 図1
  • 特許-キッチンカウンター 図2
  • 特許-キッチンカウンター 図3
  • 特許-キッチンカウンター 図4
  • 特許-キッチンカウンター 図5
  • 特許-キッチンカウンター 図6
  • 特許-キッチンカウンター 図7
  • 特許-キッチンカウンター 図8
  • 特許-キッチンカウンター 図9
  • 特許-キッチンカウンター 図10
  • 特許-キッチンカウンター 図11
  • 特許-キッチンカウンター 図12
  • 特許-キッチンカウンター 図13
  • 特許-キッチンカウンター 図14
  • 特許-キッチンカウンター 図15
  • 特許-キッチンカウンター 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】キッチンカウンター
(51)【国際特許分類】
   A47B 83/04 20060101AFI20240830BHJP
【FI】
A47B83/04
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021023799
(22)【出願日】2021-02-17
(65)【公開番号】P2022125943
(43)【公開日】2022-08-29
【審査請求日】2024-01-23
(73)【特許権者】
【識別番号】519218408
【氏名又は名称】株式会社リュックスグループ
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】陣内 哲也
【審査官】村川 雄一
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-213967(JP,A)
【文献】特開2009-273668(JP,A)
【文献】特開2005-304874(JP,A)
【文献】特開2016-137224(JP,A)
【文献】特開2008-079773(JP,A)
【文献】実開昭60-088831(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2019/0254424(US,A1)
【文献】特開2017-176404(JP,A)
【文献】特開平04-292110(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 1/00 - 41/06
A47B 46/00
A47B 49/00 - 53/02
A47B 77/00 - 77/18
A47B 83/00 - 87/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シンク及びコンロを備えるカウンター本体と、
前記カウンター本体の調理スペースと反対側の正面に設けられたテーブルと、
前記テーブルを前記カウンター本体の両側面に沿って自動で昇降させる昇降機構と、
前記昇降機構による前記テーブルの昇降をガイドするガイド手段と、
を備えるとともに、
前記昇降機構は、
駆動手段と、
駆動手段の出力を前記テーブルに伝達する伝達機構と、
を備えることを特徴とするキッチンカウンター。
【請求項2】
前記カウンター本体の正面内側に配置されており、前記昇降機構によって昇降可能な一対の支持脚と、
該支持脚の上端から前記正面方向に延びており、前記テーブルを支持する一対の支持アームと、
を備えるとともに、
前記ガイド手段が、前記カウンター本体の両側面よりも内側に形成された、前記支持アームが昇降可能な溝であることを特徴とする請求項1記載のキッチンカウンター。
【請求項3】
前記キッチンカウンターがアイランド型のキッチンカウンターであることを特徴とする請求項1又は2記載のキッチンカウンター。
【請求項4】
前記カウンター本体の両側面が天井付近まで延設されており、
前記ガイド手段は、前記両側面の前記正面側に沿って形成された溝であり、
前記昇降機構は、前記テーブルを前記天井付近まで上昇させることが可能であることを特徴とする請求項1記載のキッチンカウンター。
【請求項5】
前記テーブルの底面に、スクリーンやホワイトボードを掛けるための取り付け部を設けたことを特徴とする請求項4記載のキッチンカウンター。
【請求項6】
前記テーブルの底面に設けられており、スクリーンを格納する格納ケースと、
前記格納ケースの端部に設けられており、前記昇降機構の駆動手段と連動して回転するウォームホイールと、
を備えており、
前記格納ケースのウォームホイールが回転すると、前記テーブルの上昇に応じて自動的にスクリーンが開き、前記テーブルの下降に応じて自動的にスクリーンが前記格納ケースに巻き取られて収納されることを特徴とする請求項4記載のキッチンカウンター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイランド型などのキッチンカウンターに関し、更に具体的には、調理スペースの反対側の正面にテーブルを備えたキッチンカウンターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、アイランド型のキッチンカウンターが、開放的でお洒落な空間を作り出すことができるため人気である。このようなキッチンカウンターには、調理スペースと反対側の正面(ダイニングやリビング側)に、テーブルが設けられることがある。例えば、下記特許文献1には、身長の高い人から低い人が使用する場合、あるいは、異なる用途で使用する場合に、使い易い高さで使用することができる補助カウンター付きのキッチン用キャビネットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-212171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1のキッチン用キャビネットは、台の高さを金具で調整するものである。このため、キッチンに併設した台(テーブル)を自動的に昇降させることができない。例えば、高齢者が住むマンション等では、重量のあるものを載せた台が自動で昇降すれば、労力を使わず物を持ち上げることができるが、そのような構造とはなっていない。また、台の高さを調整できる範囲が、食事用のテーブルとして使用する範囲内のため、アパートやマンションの居住空間を広くすることができず、開放的な空間を目的とするアイランド型のカウンターキッチンの利点を活かしきれない。更に、台の高さが頭上までは上がらないため、その台に物を立てかけたり、吊り下げたりするといった空間の有効な利用ができない。
【0005】
そこで、本発明は、以上の課題に鑑み、キッチンカウンターの調理スペースと反対側の正面に設けたテーブルを自動で昇降させることができるキッチンカウンターを提供することを目的とする。他の目的は、アイランド型のキッチンカウンターに設けたテーブルを頭上まで上げることで、居住スペースの確保や、テーブルの下の空間の有効活用ができるキッチンカウンターを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、シンク及びコンロを備えるカウンター本体と、前記カウンター本体の調理スペースと反対側の正面に設けられたテーブルと、前記テーブルを前記カウンター本体の両側面に沿って自動で昇降させる昇降機構と、前記昇降機構による前記テーブルの昇降をガイドするガイド手段と、を備えるとともに、前記昇降機構は、駆動手段と、駆動手段の出力を前記テーブルに伝達する伝達機構と、を備えるキッチンカウンターを提供する。
【0007】
第2の発明は、第1の発明において、前記カウンター本体の正面内側に配置されており、前記昇降機構によって昇降可能な一対の支持脚と、該支持脚の上端から前記正面方向に延びており、前記テーブルを支持する一対の支持アームと、を備えるとともに、前記ガイド手段が、前記カウンター本体の両側面よりも内側に形成された、前記支持アームが昇降可能な溝であるキッチンカウンターを提供する。
【0008】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記キッチンカウンターがアイランド型のキッチンカウンターであるキッチンカウンターを提供する。
【0009】
第4の発明は、第1の発明において、前記カウンター本体の両側面が天井付近まで延設されており、前記ガイド手段は、前記両側面の前記正面側に沿って形成された溝であり、前記昇降手段は、前記テーブルを前記天井付近まで上昇させることが可能であるキッチンカウンターを提供する。
【0010】
第5の発明は、第4の発明において、前記テーブルの底面に、スクリーン等を掛けるための取り付け部を設けたキッチンカウンターを提供する。
【0011】
第6の発明は、第4の発明において、前記テーブルの底面に設けられており、スクリーンを格納する格納ケースと、前記格納ケースの端部に設けられており、前記昇降機構の駆動手段と連動して回転するウォームホイールと、を備えており、前記格納ケースのウォームホイールが回転すると、前記テーブルの上昇に応じて自動的にスクリーンが開き、前記テーブルの下降に応じて自動的にスクリーンが前記格納ケースに巻き取られて収納されるキッチンカウンターを提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、
(1)キッチンカウンターの調理スペースの反対側の正面に設けたテーブルを自動で昇降させることできる。これにより、高齢者が住むマンション等において、重量のあるものを載せたテーブルが自動で昇降することで、労力を使わず、物を持ち上げることができる。
(2)アイランド型のキッチンカウンターに設けたテーブルを頭上まで上げることで、テーブルを使用しないときには、アパートやマンションの居住空間を広くし、居住スペースを広く確保できる。
(3)テーブルを頭上付近まで上げることで、テーブルに物を立てかけることができ、テーブル下の空間を有効活用することができる。例えば、スクリーンやホワイドボードなどをテーブル下に配置して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施例1のキッチンカウンターを正面側から見た外観斜視図であって、テーブルを下降させた状態を示す。
図2】前記実施例1のキッチンカウンターのテーブルの上昇(あるいは下降)途中の状態を示す外観斜視図である。
図3】前記実施例1のキッチンカウンターのテーブルを最も高い位置まで上昇させた状態を示す外観斜視図である。
図4】前記実施例1のキッチンカウンターの変形例の使用例を示す外観斜視図である。
図5】本発明の実施例2のキッチンカウンターを正面側から見た外観斜視図であって、テーブルを下降させた状態を示す。
図6】前記実施例2のキッチンカウンターのテーブルの上昇(あるいは下降)途中の状態を示す外観斜視図である。
図7】前記実施例2のキッチンカウンターのテーブルを最も高い位置まで上昇させた状態を示す外観斜視図である。
図8】前記実施例2の昇降機構の全体構成を示す外観斜視図である。
図9】前記実施例2の昇降機構の駆動手段及び伝達機構の下側を示すテーブル側から見た斜視図である。
図10】前記実施例2の昇降機構の伝達機構の上側を、テーブル側から見た斜視図である。
図11】前記実施例2の昇降機構の伝達機構の上側を、調理スペース側から見た斜視図である。
図12】本発明の実施例3のキッチンカウンター及び一体型テーブルを正面側から見た外観斜視図である。
図13】前記実施例3のキッチンカウンター及び一体型テーブルを、図12の左側からみた側面図である。
図14】前記実施例3のキッチンカウンター及び一体側テーブルを示す平面図である。
図15】前記実施例3の一体型テーブルを示す図であり、(A)はテーブルを上昇させた状態を示す側面図、(B)はテーブルを下降させた状態を示す側面図である。
図16】前記実施例3のキッチンカウンターを示す図であり、(A)はテーブルを上昇させた状態を示す外観斜視図、(B)はテーブルを下降させた状態を示す外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0015】
最初に、図1図4を参照して、本発明の実施例1を説明する。図1は、本実施例1のキッチンカウンターを調理スペースの反対側の正面から見た外観斜視図であって、テーブルを下降させた状態を示す。図2は、本実施例のキッチンカウンターのテーブルを上昇(あるいは下降)途中の状態を示す外観斜視図である。図3は、本実施例のキッチンカウンターのテーブルを最も高い位置まで上昇させた状態を示す外観斜視図である。図4は、本実施例のキッチンカウンターの変形例の使用例を示す外観斜視図であり、これについては後述する。
【0016】
図1図3に示すように、本実施例のキッチンカウンター10は、アイランド型であって、カウンター本体12には、シンク14及びコンロ16が設けられ、前記カウンター本体12の両側面18、20は、天井付近まで延長している。天井高さが、例えば、2,400mmであるとすると、両側面18、20の上端18A、20Aは、例えば、2,350mmに設定される。
【0017】
また、カウンター本体12の調理スペースの反対側の正面28の下方には、キャビネットや引き出しなどの収納部30が設けられている。この正面28側に自動的に昇降するテーブル32が設けられている。テーブル32は、底面が一対の支持アーム34、36によって支持され、側面18、22の正面側に設けれられたガイド溝20、22に沿って昇降可能となっている。なお、最下降位置は、前記キャビネット30の開閉に支障がない程度の位置とし、最上昇位置は、側面18、22の上端18A、22Aよりもやや低く、例えば、2,300mmとする。
【0018】
一方の側面18には、テーブル32を昇降させるためのスイッチ26が設けられている。当該スイッチ26は、側面18内に設けられた昇降機構50に電気的に接続されている。昇降機構50は、モータなどの駆動手段52と、当該駆動手段52の出力をテーブル32に伝達する伝達機構60を含む。なお、昇降機構50の具体的な構成については、次の実施例2の一部と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
【0019】
本実施例のキッチンカウンター10では、テーブル32を下げて使用するときには、図1の状態であるが、スイッチ26の上昇ボタンを押すと、昇降機構50により図2に示すように上昇していき、更に上昇すると、図3に示すように、側面18、22の上端18A、22Aよりやや低い位置まで上昇する。テーブル32を下降させるときは、前記スイッチ26の下降ボタンを押すと、図1に示す状態まで下降する。
【0020】
<効果>・・・本実施例1のキッチンカウンター10では、シンク14及びコンロ16を備えるアイランド型のカウンター本体12と、前記カウンター本体12の調理スペースと反対側の正面28に設けられたテーブル32と、天井付近まで延設された前記カウンター本体12の両側面18、22と、駆動手段52とその出力を前記テーブル32に伝達する伝達機構60とを備えており、前記テーブル32を前記カウンター本体12の両側面18、22に沿って自動で昇降させる昇降機構50と、昇降機構50による前記テーブル32の昇降をガイドするガイド溝20、24と、を備えることとした。
【0021】
(1)このため、アイランド型のキッチンカウンター10の正面28に併設したテーブル32を自動的に昇降させることができる。これにより、高齢者が住むマンション等において、重量のあるものを載せたテーブル32が自動で昇降するため、労力を使わず、物を持ち上げることができる。
(2)テーブル32が頭上付近まで上がることで、テーブル32を使用しないときにはテーブル32を上昇させ、アパートやマンションの居住空間を広くし、居住スペースを広く確保できる。
【0022】
(3)また、テーブル32が頭上付近まで上がることで、テーブル32に物を立てかけることができ、テーブル32の下の空間を有効活用することができる。例えば、図4に示す変形例では、テーブル32の底面に、スクリーン46の上縁48に設けられたフック42、44を掛けるための取り付け部38、44が設けられている。スクリーン46ではなく、ホワイトボードを取り付けるようにしてもよいし、スクリーン兼ホワイトボードであってもよい。このように、テーブル32を上昇させることで、テーブル32の下の空間を有効活用することができ、例えば、スクリーン46やホワイトボードを取り付ければ、親子で勉強を教えたり、プロジェクターで家族の団欒に用いることができる。
【実施例2】
【0023】
次に、図5図11を参照して、本発明の実施例2を説明する。図5は、本実施例のキッチンカウンターを正面側から見た外観斜視図であって、テーブルを下降させた状態を示す。図6は、本実施例のキッチンカウンターのテーブルの上昇(あるいは下降)途中の状態を示す外観斜視図である。図7は、本実施例のキッチンカウンターのテーブルを最も高い位置まで上昇させた状態を示す外観斜視図である。
【0024】
図8は、本実施例の昇降機構の全体構成を示す外観斜視図である。図9は、本実施例の昇降機構の駆動手段及び伝達機構の下側を示すテーブル側から見た斜視図である。図10は、本実施例の昇降機構の伝達機構の上側を、テーブル側から見た斜視図である。図11は、本実施例の昇降機構の伝達機構の上側を、調理スペース側から見た斜視図である。なお、上述した実施例1と同一ないし対応する構成要素には、同一の符号を用いることとする(以下の実施例についても同様)。
【0025】
上述した実施例1の変形例では、テーブル32の底面に設けた取り付け具38、40に、スクリーン46の上縁480のフック42、44を掛けることで、いわば、手動でテーブル32の下の空間にスクリーン46を設置することとしたが、本実施例は、テーブル32の昇降に連動して、自動でスクリーン46を開閉する構成となっている。
【0026】
図5図7に示すように、本実施例のキッチンカウンター100は、アイランド型であって、カウンター本体12には、シンク14及びコンロ16が設けられ、前記カウンター本体12の両側面18、20は、天井付近まで延長している。天井高さは、例えば、2,400mmであり、両側面18、20の上端18A、20Aの高さは、例えば、2,350mmである。
【0027】
また、カウンター本体12の正面28の下方には、キャビネットや引き出しなどの収納部30が設けられている。この正面28側に自動的に昇降するテーブル32が設けられている。テーブル32は、底面が一対の支持アーム34、36によって支持され、側面18、22の正面側に設けられたガイド溝20、22に沿って昇降可能となっている。なお、最下降位置は、前記収納部30の開閉に支障がない程度の位置とし、最上昇位置は、側面18、22の上端18A、22Aよりもやや低く、例えば、2,300mmとする。本実施例では、テーブル32の底面32Aには、スクリーン46を巻き取って格納する格納ケース90が設けられている。
【0028】
一方の側面18には、テーブル32を昇降させるためのスイッチ26が設けられている。当該スイッチ26は、昇降機構50に電気的に接続されている。図8に示すように、昇降機構50は、モータなどの駆動手段52と、当該駆動手段52の出力をテーブル32や格納ケース90に伝達する伝達機構60を含む。伝達機構60は、駆動手段52の出力を昇降運動に変換してテーブル32に伝達するテーブル用伝達機構と、当該テーブル用伝達機構と連動して(すなわち、テーブル32の昇降と連動して)、自動的にスクリーン46を開閉するためのスクリーン用伝達機構を含む。
【0029】
まず、図8及び図9に示すように、駆動手段52は、キッチンカウンター本体12の内側下方に設けられており、駆動手段52の出力軸54の先端のウォーム56は、前記出力軸54と略直交するようにキッチンカウンター本体12の内部下方に配置されたシャフト62の外周に設けられたウォームホール68に噛み合う。前記シャフト62の両端には、ギア64、66が設けられている。
【0030】
一端のギア64は、一方の中空状の側面18の内部に、図示しない支持手段によって回転可能に支持されている。また、前記側面18の内部上方には、図8に示すように、ギア70が、図示しない支持手段によって回転可能に支持されており、前記ギア64とギア70の間に、ベルト72が装架されている。これにより、駆動手段52の出力軸54が回転すると、その先端のウォーム56とシャフト62のウォームホイール68が噛み合ってシャフト62が回転する。回転するシャフト62の端部のギア64と、その上方のギア70にはベルト72が装架されており、ギア64の回転によりベルト72及びギア70も回転する。
【0031】
前記シャフト62の他端のギア66は、中空状の側面22の内部に、図示しない支持手段によって回転可能に支持されている。また、前記側面22の内部上方には、図示しないギアが回転可能に支持されており、前記ギア66と図示しない上方のギアとの間に、ベルト74が装架されている。これにより、駆動手段52の出力軸54が回転すると、その先端のウォーム56とシャフト62のウォームホイール68が噛み合ってシャフト62が回転する。回転するシャフト62の端部のギア66と、その上方の図示しないギアにはベルト74が装架されており、ギア66の回転により、ベルト74及び上方の図示しないギアも回転する。
【0032】
次に、図10及び図11を参照すると、前記ベルト72には、支持手段80が設けられている。支持手段80は、前記ギア70及びベルト72の側方に配置された側面プレート80Aと、前記ギア70の後方に配置された背面プレート80Bを有する。背面プレート80Bは、図11に示すように略コ字状となっており、ベルト72にビス等で固定される。また、図10に示すように、前記側面プレート80Aは、キッチンカウンター100の正面28側へ延長しており、その先端は、テーブル32の底面32Aを支持する支持アーム34となっている。支持アーム34の上面34Aに、前記テーブル32がビス等により固定される。なお、支持アーム34は、図5図7に示すように、側面18に設けたガイド溝18Aに沿って昇降可能である。
【0033】
反対側のベルト74の上方にも、前記支持手段80と同様の支持手段が設けられている。これらの支持手段80によって、ベルト72、74と連動して支持手段80が上下し、当該支持手段80に支持されたテーブル32が昇降する。なお、支持手段80は、図10及び図11に示す位置が上昇位置の上限であり、これより下の位置との間で昇降する。これは、駆動手段52の回転の制御により調整可能である。ここまでが、テーブル32を昇降させるためのテーブル用伝達機構であり、上述した実施例1も、これと同様の機構を備える。
【0034】
次に、前記支持手段80の側面プレート80Aには、図10及び図11に示すように、前記側面プレート80Aと略直交し、前記背面プレート80Bとの間に前記ギア70が配置されるように、略L字状の連結プレート82が設けられている。該連結プレート82の短辺部82Aには、ピニオン84が回転可能に支持されている。該ピニオン84の中心に接続されたシャフト86の先端には、ウォーム88が設けられている。該ウォーム88は、テーブル32の底面32Aに設けられたスクリーン46の格納ケース90の上縁端部のウォームホイール92と噛み合う。なお、前記連結プレート82の長辺部82Bは、ベルト72に接触しないようにガードするものである。
【0035】
また、前記中空状の側面18の内部には、前記ベルト72と略平行であって、前記ピニオン84の外周面と当接するラック76が垂直方向に設けられている。前記支持手段80がベルト72に連動して昇降すると、該支持手段80に連結された連結プレート82及びピニオン84も昇降する。ここで、ピニオン84が、連結プレート82の短辺部82Aに回転可能に支持されているため、ピニオン84は、ラック76に当接しながら回転する。
【0036】
すると、ピニオン84の回転は、シャフト86及びその先端のウォーム88を介して、スクリーン格納部90の端部のウォームホイール92と噛み合うこと伝達される。すなわち、支持手段80の昇降に連動して、格納ケース90の端部のウォームホイール92が回転するため、格納ケース90の内部に巻き取られているスクリーン46が、ウォームホイール92の回転に応じて自動で開閉する。すなわち、テーブル32が上昇するとロール式のスクリーン46が自動的に出て開き、テーブル32が下降するとスクリーン46が自動的に巻き取られて閉じるという具合である。ここまでが、スクリーン用伝達機構である。
【0037】
本実施例のキッチンカウンター100では、テーブル32を下げて使用するときには、図5の状態であるが、スイッチ26の上昇ボタンを押すと、昇降機構50により図6に示すように上昇していくとともに、ロール式のスクリーン46が格納ケース90から出てくる。更に上昇すると、図7に示すように、側面18、22の上端18A、22Aよりやや低い位置まで上昇し、スクリーン46が完全に広がる。スクリーン46の大きさは、例えば、90型(16:9)程度とすることができる。テーブル32を下降させるときは、前記スイッチ26の下降ボタンを押すと、図5に示す状態まで下降するとともに、スクリーン46が巻き取られて格納ケース90に収納される。
【0038】
<効果>・・・本実施例2のキッチンカウンター100では、シンク14及びコンロ16を備えるアイランド型のカウンター本体12と、カウンター本体12の調理スペースと反対側の正面18に設けられたテーブル32と、天井付近まで延設された前記カウンター本体12の両側面18、22と、駆動手段52とその出力を前記テーブル32に伝達する伝達機構60を備えており、前記テーブル32を前記カウンター本体12の両側面18、22に沿って自動で昇降させる昇降機構50と、昇降機構50による前記テーブル32の昇降をガイドするガイド溝20、24と、を備える。
【0039】
それに加え、前記テーブル32の底面32Aに設けられたスクリーン46を収納する格納ケース90と、格納ケース90の上縁部の端部に設けられており、前記昇降機構50の伝達機構60と連動して回転するウォームホイール92と、を備えており、格納ケース90のウォームホイール92が回転すると、前記テーブル32の上昇に応じて自動的にスクリーン46が開き、前記テーブル32の下降に応じて自動的にスクリーン46が格納ケース90に巻き取られて収納されることとした。このため、上述した実施例1の基本的な作用・効果に加え、テーブル32の昇降に連動して自動的にスクリーン46を開閉することができ、利便性がよいという効果がある。
【実施例3】
【0040】
次に、図12図16を参照して、本発明の実施例3を説明する。図12は、本実施例のキッチンカウンター及び一体型テーブルを正面側から見た外観斜視図である。図13は、本実施例のキッチンカウンター及び一体型テーブルを、図12の左側から見た側面図である。図14は、本実施例のキッチンカウンター及び一体型テーブルを示す平面図である。図15は、本実施例の一体型テーブルを示す図であり、(A)はテーブルを上昇させた状態を示す側面図、(B)はテーブルを下降させた状態を示す側面図である。図16は、本実施例のキッチンカウンターを示す図であり、(A)はテーブルを上昇させた状態を示す外観斜視図、(B)はテーブルを下降させた状態を示す外観斜視図である。
【0041】
図12図16に示すように、本実施例のキッチンカウンター200は、アイランド型であって、カウンター本体12には、シンク14及びコンロ16が設けられ、前記カウンター本体12の両側面202、204の内側には、一体型の昇降テーブル210の一対の支持脚220、230が配置されている。
【0042】
また、カウンター本体12の正面28の下方には、キャビネットや引き出しなどの収納部30が設けられている。この正面28側に自動的に昇降するテーブル212が設けられている。テーブル212は、底面が一対の支持アーム226、236によって支持され、側面202、204と正面28の間に設けられたガイド溝206、208に沿って昇降可能となっている。なお、最下降位置は、収納部30の開閉に支障がない程度の位置とし、最上昇位置は、側面202、204の上端よりもやや低い位置に設定されている。
【0043】
前記昇降テーブル210のテーブル212には、当該テーブル212を昇降させるためのリモコン214が設けられている。当該リモコン214は、キッチンカウンター210の内部に設けられた昇降機構240(図13参照)に電気的に接続されている。昇降機構240は、例えば、モータなどの駆動手段と、油圧シリンダなどの伝達機構を含む。
【0044】
本実施例では、昇降テーブル210は、一対の支持脚220、230にテーブル212が支持される構造となっている。支持脚220は、外側の第1の角柱状の筒状体220A、その内側の第2の角柱状の筒状体220B、更にその内側の第3の角柱状の筒状体220Cにより構成されている。前記第3の筒状体220Cの上端には、支持手段224が設けられており、該支持手段224の先端が、前記テーブル212を支持する支持アーム226となっている。
【0045】
例えば、図示しない油圧シリンダの先端を第3の筒状体220Cの上端に固定された支持手段224に固定し、モータを駆動することで、第3の筒状体220Cや第2の筒状体220Bが昇降する。このような支持脚220は、第1の筒状体220Aの下端部に設けられた固定プレート222を、キッチンカウンター200の側面202の内側にビス等で固定する。
【0046】
他方の支持脚230についても同様の構成となっており、外側の第1の角柱状の筒状体230A、その内側の第2の角柱状の筒状体230B、更にその内側の第3の角柱状の筒状体230C(図示せず)により構成されている。前記第3の筒状体230Cの上端には、支持手段234が設けられており、該支持手段234の先端が、前記テーブル212を支持する支持アーム236となっている。このような支持脚230は、第1の筒状体230Aの下端部に設けられた固定プレート232を、キッチンカウンター200の側面202の内側にビス等で固定する。
【0047】
本実施例のキッチンカウンター200では、テーブル212を上げて使用するときには、図15(A)及び図16(A)の状態であるが、リモコン214の下降ボタンを押すと、昇降機構240により、図15(B)及び図16(B)に示すように、収納部30よりやや高い位置まで下降する。テーブル212を上昇させるときは、前記リモコン214の上昇ボタンを押すと、図15(A)及び図16(A)に示す状態まで上昇する。
【0048】
<効果>・・・本実施例3のキッチンカウンター200では、シンク14及びコンロ16を備えるアイランド型のカウンター本体12と、前記カウンター本体12の調理スペースと反対側の正面28に設けられたテーブル212と、前記テーブル212を前記カウンター本体12の両側面202、204に沿って自動で昇降させる昇降機構240と、前記カウンター本体12の両側面202、204の内側と収納部30の間に形成されており、前記昇降機構240による前記テーブル212の昇降をガイドするガイド溝206、208と、を備えるとともに、前記昇降機構240は、駆動手段と、駆動手段の出力を前記テーブル212に伝達する伝達機構とを備えることとした。
【0049】
(1)このため、アイランド型のキッチンカウンター200の正面28に併設したテーブル212を自動的に昇降させることができる。これにより、高齢者が住むマンション等において、重量のあるものを載せたテーブル212が自動で昇降するため、労力を使わず、物を持ち上げることができる。
(2)アイランド型のキッチンカウンター200にテーブル212を一体化することで、開放的な空間を得るとともに、別途テーブルを用意する必要がなく利便性が高い。
(3)本実施例では、キッチンカウンター200の正面28の下方に収納部30を設けることとしたが、これも一例であり、収納部30を設けないことで、テーブル212の昇降範囲を広げてもよい。
【0050】
なお、上述した実施例は一例であり、同様の効果を奏する範囲内で適宜変更が可能である。
(1)前記実施例1及び実施例2で示した側面18、22の高さは一例であり、必要に応じて適宜調節可能である。
(2)前記実施例1の変形例は一例であり、他の手段によってスクリーン46やホワイトボード等を取り付けるようにしてもよい。
(3)前記実施例2によるテーブル32の昇降機構50や伝達機構60は一例であり、同様の効果を奏する範囲内で、適宜設計変更してよい。
(4)前記実施例1の変形例では、テーブル32を上昇させたときの下の空間にスクリーン46を設けることとしたが、これも一例であり、何も設けずに空間を広く使用するようにしてもよい。
(5)前記実施例で示した収納部30も一例であり、引き出しやキャビネットなど、公知の各種の収納手段としてよいし、必要に応じて収納部30を設けるようにしてもよい。
(6)前記実施例3で示した昇降テーブル210の昇降機構240も一例であり、同様の効果を奏する範囲内で、適宜設計変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明によれば、シンク及びコンロを備えるカウンター本体と、前記カウンター本体の調理スペースと反対側の正面に設けられたテーブルと、前記テーブルを前記カウンター本体の両側面に沿って自動で昇降させる昇降機構と、前記昇降機構による前記テーブルの昇降をガイドするガイド手段と、を備えるとともに、前記昇降機構は、駆動手段と、駆動手段の出力を前記テーブルに伝達する伝達機構と、を備えることとした。
【0052】
このため、
(1)キッチンに併設したテーブルを自動的に昇降させることができる。これにより、高齢者が住むマンション等において、重量のあるものを載せたテーブルが自動で昇降するため、労力を使わず、物を持ち上げることができる、
(2)テーブルを頭上付近まで上げることで、テーブルを使用しないときには、アパートやマンションの居住空間を広くし、居住スペースを広く確保できる、
(3)テーブルを頭上付近まで上げることで、テーブルに物を立てかけることができ、テーブル下の空間を有効活用することができる。例えば、スクリーンやホワイドボードなどをテーブル下に配置して使用することができる、
といった利点があるためテーブル一体型のキッチンカウンターの用途に適用できる。特にアイランド型のキチンカウンターの用途に好適である。
【符号の説明】
【0053】
10:キッチンカウンター
12:カウンター本体
14:シンク
16:コンロ
18、22:側面
18A、22A:上端
20、24:ガイド溝
26:スイッチ
28:正面
30:収納部
32:テーブル
34、36:支持アーム
34A:上面
38、40:取り付け部
42、44:フック
46:スクリーン
48:上縁
50:昇降機構
52:駆動手段
54:出力軸
56:ウォール
60:伝達機構
62:シャフト
64、70:ギア
68:ウォームホイール
72、74:ベルト
76:ラック
80:支持手段
80A:側面プレート
80B:背面プレート
82:連結プレート
82A:短辺部
82B:長辺部
84:ピニオン
86:シャフト
88:ウォーム
90:格納ケース
92:ウォームホイール
100、200:キッチンカウンター
202、204:側面
206、208:ガイド溝
210:昇降テーブル
212:テーブル
214:リモコン
220、230:支持脚
220A~220C、230A~230C:筒状体
222、232:固定プレート
224:支持手段
226、236:支持アーム
240:昇降機構

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16