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  • 特許-籤システム 図1
  • 特許-籤システム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】籤システム
(51)【国際特許分類】
   G07C 15/00 20060101AFI20240830BHJP
【FI】
G07C15/00 A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021028178
(22)【出願日】2021-02-25
(65)【公開番号】P2022129498
(43)【公開日】2022-09-06
【審査請求日】2023-11-06
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)公開行為による公開 公開日 2020年12月4日。大神神社へ納入することにより販売した。 公開場所 奈良県桜井市三輪1422 大神神社。その後、大神神社で、非接でお神籤を授与するために、参拝者に公開された。 (2)公開行為による公開 公開日 2020年12月23日。晴明神社へ納入することにより販売した。 公開場所 京都市上京区晴明町806 晴明神社。その後、晴明神社で、非接でお神籤を授与するために、参拝者に公開された。 (3)公開行為による公開 公開日 2020年12月21日。別小江神社宛てに株式会社ブレインから発送することにより、販売した。 公開場所 名古屋市北区安井4丁目14-14 別小江神社。その後、別小江神社で、非接でお神籤を授与するために、参拝者に公開された。
(73)【特許権者】
【識別番号】599024540
【氏名又は名称】株式会社ブレイン
(74)【代理人】
【識別番号】100086830
【弁理士】
【氏名又は名称】塩入 明
(74)【代理人】
【識別番号】100096046
【弁理士】
【氏名又は名称】塩入 みか
(72)【発明者】
【氏名】原 進之介
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3204572(JP,U)
【文献】特開平08-315154(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07C 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイと、人の手の動きを検出するセンサと、情報処理装置とを備え、
前記情報処理装置は、
センサからの信号により人の手の動きを検出すると、ディスプレイに籤を引く動作を表示し、
センサが検出した人の手の動きが所定の条件を充たすと、仮想的に籤を引き、籤を引いた結果をディスプレイに表示する、ように構成され、
前記センサは下から上向きに人の手の動きを検出するようにされている、籤システム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、前記センサからの信号により人の手の動きの周期を検出し、かつ検出した周期に応じて、ディスプレイに表示する籤を引く動作の周期を変更するように構成されていることを特徴とする、請求項1の籤システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、お神籤の付与、福引き等に用いる、籤システムに関する。
【背景技術】
【0002】
お神籤を引く場合、筒を振って籤を引く。コロナウィルスの発生等に伴い、筒に手で触れずに籤を引きたいとの要望が有る。
【0003】
特許文献1は、物理的なお神籤の筒とスマートフォンを介して、遠隔からお神籤を授与するためのシステムを提案している。筒を振ると、引いた籤に関する情報と、神社仏閣に関する情報を生成し、2次元コードにより筒に情報を表示する。2次元コードをスマートフォンにより撮影し、コードに含まれる情報に従って指定された神社などに送信する。送信後に神社などから引いた籤の内容に関する情報を受信し、スマートフォンの画面に表示する。このシステムでは、お神籤の筒を手で振ることが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】JP2019-8743A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明の課題は、お神籤の筒、福引きの抽選器などに手を触れずに、しかも臨場感が感じられるように、籤を引くシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の籤システムは、ディスプレイと、人の手の動きを検出するセンサと、情報処理装置とを備え、
情報処理装置は、
センサからの信号により人の手の動きを検出すると、ディスプレイに籤を引く動作を表示し、
センサが検出した人の手の動きが所定の条件を充たすと、仮想的に籤を引き、籤を引いた結果をディスプレイに表示する。
【0007】
この発明では、お神籤の筒等に物理的に触れる必要がない。そして人の手が動くことを検出してディスプレイに籤を引く動作を表示することにより、お神籤の筒を振っている、福引きの抽選器を回している等の動作を真似ることができる。
【0008】
好ましくは、センサは下から上向きに人の手の動きを検出する。水平に人の手を検出すると、人の手ではなく胴体などを検出しやすい。下から上向きに検出すると、人の手以外に検出するものがないので、誤検出しにくい。
【0009】
好ましくは、情報処理装置は、センサからの信号により人の手の動きの周期を検出し、かつ検出した周期に応じて、ディスプレイに表示する籤を引く動作の周期を変更する。手を速く振るとディスプレイの表示も速く動き、遅く振ると表示も遅く動くので、臨場感が増す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例の籤システムのブロック図
図2】実施例の籤システムの動作アルゴリズムを示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に最適実施例を示す。この発明の範囲は、特許請求の範囲の記載に基づき、明細書の記載とこの分野での周知技術とを参酌し、当業者の理解に従って定められるべきである。
【実施例
【0012】
図1及び図2に実施例の籤システムを示す。図1において、2は情報処理装置で、4はユーザ(お神籤を引く人)側のディスプレイである。6は端末で、ユーザの手の動きを検出する近接センサ7と、効果音を発生するスピーカ8を備えている。近接センサ7は下から上向きに測定レンジ(例えば10~30cm)内の物体を検出する。仮に近接センサ7が水平方向に物体を検出すると、人の手ではなく、胴体等を検出する可能性がある。これに対して下から上向きに検出すると、測定レンジ内に人の手が有るか、何も無いかのいずれかである。なお近接センサ7に変えて画像センサなどを用いても良く、お神籤の筒を振ることを表す動作を検出できるセンサであれば良い。これらのセンサでも下から上向きに手の動きを検出することが好ましい。スピーカ8はディスプレイ4等に取り付けても良く、あるいは設けなくても良い。
【0013】
10は巫女さん等の側のディスプレイ、12は籤を開始することなどを入力するためのキーボードで、他の入力手段でも良い。実施例では、巫女さん、神主さん、お坊さん、福引きの係員などの管理者が籤引きに介在する。しかし巫女さんなどの管理者が介在せずに、ディスプレイ4と端末6と情報処理装置2のみで籤引きを行っても良い。
【0014】
情報処理装置2は、インターフェース14を介して、ディスプレイ4,10,近接センサ7,スピーカ8,キーボード12と通信する。検出部15は、近接センサ7の信号により、測定レンジ内に物体が出没する(つまり近接センサ7の信号がオン/オフする)ことから、人の手が測定レンジ内に存在し動いていることを検出する。このことを以下では「動きの検出」等という。表示制御部16は籤引きの進行に応じてディスプレイ4の表示を制御する。画像生成部17はお神籤の筒等を振っている画像を記憶し、検出部15で検出した動きの周期に類似した周期で、ディスプレイ4の表示上でもお神籤の筒が振られるようにする。即ち、端末6に対してユーザが手をかざし、短い周期で手を振ると、ディスプレイ4の画面上のお神籤の筒は短い周期で振られる。長い周期で手を振ると、画面上のお神籤の筒も長い周期で振られる。
【0015】
効果音発生部18はお神籤の筒を振る効果音(「シャカ/シャカ」等)をスピーカ8から発生させる。効果音の発生周期も、センサ7により検出したユーザが手を振る周期に近づけることが好ましい。なおスピーカ8と効果音発生部18は設けなくても良い。
【0016】
籤処理部19は、所定回数ユーザが手を振ったことをセンサ7により検出した等の条件が充たされると、仮想的に籤を引く。所定回数手を振ったことの代わりに、所定時間手を振ったこと等を検出しても良い。所定回数は例えば3回以上10回以下である。籤を引くアルゴリズムは任意であるが、大吉、…凶、1等賞…外れなどの籤が各々所定の割合で発生するようにする。仮想的な籤引きとして、例えば籤の番号を発生させ、あるいは1等賞、2等賞、…外れなどの籤引き結果を発生させる。そして引いた籤の番号等をディスプレ4に表示し、巫女さんに番号を告げて籤の内容を記載した紙を受け取る。また端末6にプリンタを設置し、籤の内容を記載した紙をプリントアウトしても良い。なお紙を渡す代わりにディスプレイ4に籤の内容を表示しても良いが、臨場感に欠ける。
【0017】
図2に実施例のアルゴリズムを示す。ディスプレイ4は常時は待ち受け画面を表示し(ステップ1)、籤を引き始めると、動く物体を近接センサが検出する(ステップ2)。下から上向きに近接センサで動きを検出するので、振っている手以外のものは検出されない。動きを検出すると、ディスプレイにお神籤の筒を振る画像を表示し、効果音を発生する(ステップ3)。手を複数回振ると、手を振る周期を検出し(ステップ4)、この周期に合わせてディスプレイ上で筒を振る周期を変更する(ステップ5)。例えば所定回数の動きを検出すると(ステップ6)、お神籤の番号を発生し、ディスプレイに表示する(ステップ7)。
【0018】
以上のようにすると、物理的なお神籤の筒等に触れずに、お神籤を引くことができる。人の手以外のものは検出されず、人の手の動きに同調して画面上でお神籤の筒を振ることができる。
【符号の説明】
【0019】
2 情報処理装置
4,10 ディスプレイ
6 端末
7 近接センサ
8 スピーカ
12 キーボード
14 インターフェース
15 検出部
16 表示制御部
17 画像生成部
18 効果音発生部
19 籤処理部
図1
図2