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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】ダンパ装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/14 20060101AFI20240830BHJP
   F24F 13/02 20060101ALI20240830BHJP
【FI】
F24F13/14 D
F24F13/02 D
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022075234
(22)【出願日】2022-04-28
(65)【公開番号】P2023163972
(43)【公開日】2023-11-10
【審査請求日】2022-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】591221868
【氏名又は名称】株式会社了生
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】石川 兼次
(72)【発明者】
【氏名】西村 栄吉
【審査官】広瀬 雅治
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-050446(JP,A)
【文献】特開2013-181591(JP,A)
【文献】特開平02-058595(JP,A)
【文献】特開昭61-010176(JP,A)
【文献】韓国公開実用新案第20-2012-0005619(KR,U)
【文献】特開昭51-114732(JP,A)
【文献】特開2002-071039(JP,A)
【文献】特開平05-302677(JP,A)
【文献】実開昭53-099633(JP,U)
【文献】実開昭57-125749(JP,U)
【文献】中国実用新案第204164450(CN,U)
【文献】特開平10-019360(JP,A)
【文献】中国実用新案第213419922(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/14
F24F 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1開口部から第2開口部に繋がる流路空間を内部に備える筐体と、
前記流路空間を、前記第1開口部に繋がる第1空間と、前記第2開口部に繋がる第2空間と、に区切るように構成された隔壁と、
前記隔壁において、前記第1空間と前記第2空間とを繋ぐように形成された隔壁開口部であって、前記第1開口部から前記第2開口部に向かう流路方向に対して、前記隔壁開口部の開口面が第1角度を有して斜めに配置されるように構成された隔壁開口部と、
第1端から第2端にかけて延びるように構成された回動軸であって、前記第1端および前記第2端が前記筐体の外側に配置され、前記第1端と前記第2端との間の中間部が前記筐体の内側に配置される状態で、前記筐体に回動自在に支持された回動軸と、
前記回動軸に連結されて回動することで、閉鎖状態と開放状態とに切替わるように構成されたダンパであって、前記閉鎖状態は、前記ダンパが前記隔壁開口部を閉鎖するように前記隔壁に当接する状態に対応し、前記開放状態は、前記隔壁開口部が開口するように前記ダンパが前記隔壁から離れた状態に対応する、ダンパと、
前記回動軸に連結された腕部であって、前記腕部が移動することに応じて前記回動軸を回動させるように構成された腕部と、
前記腕部に固定されて、重力によって生じる回動力を、前記腕部を介して前記回動軸に与えるように構成された錘であって、前記回動力は、前記ダンパが前記閉鎖状態となる方向に前記回動軸を回動させる力に対応している、錘と、
前記ダンパが前記開放状態となる位置で前記腕部を固定して前記回動軸の回動を不可能にする回動制限状態と、前記腕部から離れて前記回動軸を回動可能にする回動許可状態と、に設定可能に構成されたロック機構と、
備え、
前記ダンパは、前記閉鎖状態においては前記第1空間と前記第2空間との境界に位置し、前記開放状態においては前記第1空間に位置するように構成されている、
ダンパ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のダンパ装置であって、
前記腕部は、前記筐体の外部で前記回動軸の前記第1端に連結された第1腕部と、前記筐体の外部で前記回動軸の前記第2端に連結された第2腕部と、を備え、
前記錘は、前記第1腕部に固定された第1錘と、前記第2腕部に固定された第2錘と、を備える、
ダンパ装置。
【請求項3】
請求項2に記載のダンパ装置であって、
前記隔壁開口部は、前記流路方向に対する前記開口面の第1角度が予め定められた許容範囲に含まれるように構成されている、
ダンパ装置。
【請求項4】
請求項3に記載のダンパ装置であって、
前記隔壁開口部は、円形または楕円形状の開口を備え、
前記ダンパは、前記隔壁開口部に配置されるように構成された板体を備える、
ダンパ装置。
【請求項5】
請求項4に記載のダンパ装置であって、
前記隔壁開口部は、前記第1空間から前記第2空間にかけて開口断面の大きさが縮小するテーパ形状の側面を備え、
前記ダンパは、前記側面のテーパ形状に対応して、前記ダンパの厚さ方向にかけて断面の大きさが変化するテーパ形状に形成されている、
ダンパ装置。
【請求項6】
請求項5に記載のダンパ装置であって、
前記ロック機構は、
前記腕部に当接できる第1位置と、前記腕部に当接できない第2位置とに移動するように構成されたロック当接部と、
前記ロック当接部の突出寸法を変更できるように前記ロック当接部を支持するように構成された伸縮駆動部であって、前記突出寸法を変更することに応じて前記回動制限状態と前記回動許可状態とを切り替えるように構成された伸縮駆動部と、を備える、
ダンパ装置。
【請求項7】
請求項6のダンパ装置であって、
前記ロック機構は、
前記ロック当接部に備えられて、回転可能に構成された回転体と、
前記回転体を支持できる形態で前記筐体に固定されている回転体支持部と、を備える、
ダンパ装置。
【請求項8】
請求項7に記載のダンパ装置であって、
前記回動軸が回動するように前記腕部を移動させるように構成されたシリンダであって、前記シリンダによる前記回動軸の回動方向は、前記ダンパが前記閉鎖状態から前記開放状態に移行する方向であるシリンダを備える、
ダンパ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ダンパ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発塵部から集塵機にかけて配設された集塵配管の途中に設置されるダンパ装置がある(特許文献1)。
ダンパ装置は、ダンパの開閉動作によって開放状態または閉鎖状態に切替わるように構成されている。ダンパ装置は、開放状態になることで、集塵配管の空気の流れを許容する。ダンパ装置は、閉鎖状態になることで、集塵配管の空気の流れを停止する。
【0003】
ダンパ装置は、ダンパの開閉動作を、錘とシリンダとを用いて実現するように構成されている。ダンパ装置は、ダンパに対してシリンダからの付勢力が加えられていない自由状態において、錘にかかる重力によってダンパを開放状態に維持するように構成されている。ダンパ装置は、錘にかかる重力に抗してシリンダがダンパを移動させることで、ダンパを開放状態から閉鎖状態に移行できるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実公平7-037629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のダンパ装置では、ダンパを開放状態から閉鎖状態に移行するにあたり、シリンダからダンパに与えられる付勢力が、錘にかかる重力によって低減される。このため、ダンパ装置は、ダンパを開放状態から閉鎖状態に移行するまでの所要時間が長くなる可能性がある。
【0006】
そこで、本開示の一局面は、ダンパを開放状態から閉鎖状態に移行するまでの所要時間を短縮できるダンパ装置を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一局面に係るダンパ装置は、筐体と、隔壁と、隔壁開口部と、回動軸と、ダンパと、腕部と、錘と、ロック機構と、を備える。
筐体は、第1開口部から第2開口部に繋がる流路空間を内部に備える。隔壁は、流路空間を、第1空間と第2空間とに区切るように構成されている。第1空間は、流路空間のうち第1開口部に繋がる空間に対応する。第2空間は、流路空間のうち第2開口部に繋がる空間に対応する。
【0008】
隔壁開口部は、隔壁において、第1空間と第2空間とを繋ぐように形成されている。隔壁開口部は、第1開口部から第2開口部に向かう流路方向に対して、隔壁開口部の開口面が第1角度を有して斜めに配置されるように構成されている。
【0009】
回動軸は、第1端から第2端にかけて延びるように構成されている。回動軸は、第1端および第2端が筐体の外側に配置されている。回動軸は、第1端と第2端との間の中間部が筐体の内側に配置されている。回動軸は、筐体に回動自在に支持されている。
【0010】
ダンパは、回動軸に連結されて回動することで、閉鎖状態と開放状態とに切替わるように構成されている。閉鎖状態は、ダンパが隔壁開口部を閉鎖するように、隔壁に当接する状態に対応する。開放状態は、隔壁開口部が開口するように、ダンパが隔壁から離れた状態に対応する。
【0011】
腕部は、回動軸に連結されている。腕部は、腕部が移動することに応じて回動軸を回動させるように構成されている。
錘は、腕部に固定されている。錘は、重力によって生じる回動力を、腕部を介して回動軸に与えるように構成されている。重力によって生じる回動力は、ダンパが閉鎖状態となる方向に回動軸を回動させる力に対応している。
【0012】
ロック機構は、回動制限状態と回動許可状態とに設定可能に構成されている。回動制限状態は、腕部を固定して回動軸の回動を不可能にする状態に対応する。特に、本開示における回動制限状態は、ダンパが開放状態となる位置で腕部を固定する状態に対応する。回動許可状態は、ロック機構が腕部から離れて回動軸を回動可能にする状態に対応する。
【0013】
上述のように、ダンパ装置は、隔壁開口部の開口面が、流路方向に対して第1角度を有して斜めに配置されている。このようなダンパ装置は、流路方向に対して開口面が垂直に配置された隔壁開口部を備える構成に比べて、ダンパが開放状態から閉鎖状態に移行するときのダンパの回動角度の大きさ(換言すれば、移動距離の長さ)を、小さくできる。この結果、ダンパ装置は、ダンパを開放状態から閉鎖状態に移行するまでの所要時間を短縮できる。
【0014】
よって、ダンパ装置は、集塵配管に流体が流れる流動状態が継続することに起因して何らかの危険の発生が予見される場合に、速やかに流体の流動を抑制でき、危険の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1開口部が形成される第1面から見たときのダンパ装置の外観を表した説明図である。
図2】点検扉が備えられる第3面から見たときのダンパ装置の外観を表した説明図である。
図3】第1腕部が備えられる第5面から見たときのダンパ装置の外観を表した説明図である。
図4図1のA-A線断面におけるダンパ装置の断面図である。
図5】ダンパが開放状態であるときのダンパ装置の状態を表した説明図である。
図6】ダンパが閉鎖状態であるときのダンパ装置の状態を表した説明図である。
図7】ロック機構における第1状態(回動許可状態)と第2状態(回動制限状態)とを表した説明図である。
図8】シリンダにおける第1状態(待機状態)と第2状態(復帰完了状態)とを表した説明図である。
図9】第2ダンパ装置における変形腕部の移動状態を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本開示が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
尚、本開示は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
【0017】
[1.第1実施形態]
[1-1.全体構成]
図1図3に示す本第1実施形態のダンパ装置1は、発塵部(図示省略)から集塵機(図示省略)の吸込口に至る集塵配管(図示省略)の途中に設置される。詳細には、ダンパ装置1は、集塵配管において、発塵部よりも集塵機に近い領域に設置される。集塵配管は、発塵部から集塵機まで塵を含んだ空気を運搬するための流路を形成する。
【0018】
ダンパ装置1は、所定条件が成立した場合に、集塵配管を閉鎖して、発塵部から集塵機への空気の流れを停止するように構成されている。ダンパ装置1は、ダンパ装置1の内部での空気の流れが水平方向となるように設置される。
【0019】
図1図6のそれぞれに示すように、ダンパ装置1は、筐体11と、隔壁13と、隔壁開口部15と、回動軸17と、ダンパ19と、腕部21と、錘23と、ロック機構25と、を備える。
【0020】
筐体11は、6つの面を有する略直方体に形成されている。筐体11は、前記6つの面として、第1面FA1、第2面FA2、第3面FA3、第4面FA4、第5面FA5、第6面FA6を備える。筐体11は、第1開口部11aと、第2開口部11bと、流路空間11cと、を備える。
【0021】
第1開口部11aは、第1面FA1に備えられる。第1開口部11aは、集塵配管における発塵部に繋がる側に接続される。第2開口部11bは、第2面FA2に備えられる。第2開口部11bは、集塵配管における集塵部に繋がる側に接続される。流路空間11cは、筐体11の内部に形成される空間である、流路空間11cは、第1開口部11aから第2開口部11bに繋がる空間として形成される。
【0022】
ダンパ装置1は、第1開口部11aと第2開口部11bとが同じ高さに配置される状態で設置される。このように設置されたダンパ装置1においては、ダンパ装置1の内部での空気の流れが水平方向となる。
【0023】
筐体11は、点検扉11eと、ハンドル11fと、扉回動軸11gと、2つの扉支持部11hと、を備える。
点検扉11eは、第3面FA3に備えられる。ハンドル11fは、点検扉11eに固定されている。ハンドル11fは、ダンパ装置1の使用者がつかむことができる形状に形成されている。扉回動軸11gは、筐体11のうち第3面FA3と第5面FA5とが隣接する領域に備えられる。2つの扉支持部11hは、それぞれ点検扉11eに固定されている。2つの扉支持部11hは、扉回動軸11gを中心に回動するように扉回動軸11gに軸支されている。
【0024】
点検扉11eは、扉回動軸11gを中心に回動して、開状態または閉状態となるように構成されている。ダンパ装置1の使用者は、ハンドル11fをつかんで点検扉11eを開状態に操作することで、筐体11の外部から筐体11の内部の流路空間11cを目視で確認することができる。点検扉11eは、閉状態になることで、筐体11の第3面FA3を封鎖する。
【0025】
ダンパ装置1は、点検扉11eを閉状態で固定するための固定部(図示省略)を備える。固定部が点検扉11eを固定することで、筐体11の内部圧力が上昇しても、点検扉11eの閉状態を維持できる。使用者が固定部を操作して固定部の状態を変更することで、点検扉11eを回動可能な状態にすることができる。
【0026】
図4図6に示すように、隔壁13は、流路空間11cを第1空間11c1と第2空間11c2とに区切るように、筐体11の内部に設けられている。第1空間11c1は、流路空間11cにおける第1開口部11aに繋がる空間である。第2空間11c2は、流路空間11cにおける第2開口部11bに繋がる空間である。
【0027】
隔壁開口部15は、隔壁13において、第1空間11c1と第2空間11c2とを繋ぐように形成された開口である。図5に示すように、隔壁開口部15は、開口面15aが流路方向D1に対して第1角度θ1を有して斜めに配置されるように構成されている。開口面15aは、隔壁開口部15のうち第1空間11c1に対向する面に対応する。流路方向D1は、第1開口部11aから第2開口部11bに向かう方向に相当する。換言すれば、流路方向D1は、集塵配管からダンパ装置1に流入した空気の流れる方向に相当する。本実施形態では、隔壁開口部15は、筐体11の第4面FA4(または第3面FA3)に対して第1角度θ1を有して斜めに配置されている。
【0028】
隔壁開口部15は、第1角度θ1が予め定められた許容範囲に含まれるように構成されている。許容範囲は、90°よりも小さい角度範囲に設定されている。本実施形態では、許容範囲は、40°以上60°以下の範囲に設定されている。
【0029】
隔壁開口部15は、開口面15aが円形を有するように形成されている。開口面15aの形状は、開口面15aに対して垂直な方向から見たときの形状に対応する。
なお、隔壁開口部15の開口面15aは、円形に限られることはなく、楕円形を有するように形成されてもよい。開口面15aが流路方向D1に対して斜めに配置される場合には、楕円形の開口面15aは、円形の開口面15aに比べて、第1開口部11aから第2開口部11bに向けて見たときの開口面積を大きく確保できる。
【0030】
隔壁開口部15は、側面15bを備える。側面15bは、第1空間11c1に接する端部から第2空間11c2に接する端部にかけて開口断面の大きさが縮小するテーパ形状である。
【0031】
なお、図5では、第1開口部11aの中心と第2開口部11bの中心とを結ぶ線を、中心線DPとして表している。中心線DPは、流路方向D1に対して平行である。開口面15aと中心線DPとが交差する位置は、開口面15aの中心であってもよいし、開口面15aの中心以外であってもよい。本実施形態では、開口面15aと中心線DPとが交差する位置は、開口面15aの中心以外である。
【0032】
回動軸17は、第1端17aから第2端17bにかけて延びるように構成された長尺状の軸体である。回動軸17は、筐体11に回動自在に支持されている。回動軸17における第1端17aおよび第2端17bは、筐体11の外側に配置される。図2に示すように、回動軸17の中間部17cは、筐体11の内側に配置される。中間部17cは、回動軸17における第1端17aと第2端17bとの中間位置に対応する。
【0033】
図4に示すように、ダンパ19は、板体19aと、ダンパ支持部19bと、封止体19cと、を備える。
板体19aは、隔壁開口部15に配置されるように構成されている。本実施形態では、板体19aは、隔壁開口部15の開口面15aの断面形状に対応して、断面形状が円形を有する板状に形成されている。なお、隔壁開口部15の開口面15aが楕円形状である場合には、板体19aは、断面形状が楕円形を有する板状に形成されている。
【0034】
板体19aは、隔壁開口部15の側面15bのテーパ形状に対応して、厚さ方向にかけて断面の大きさが変化するテーパ形状に形成されている。詳細には、板体19aは、第1板面19a1から第2板面19a2にかけて断面の大きさが縮小するテーパ形状に形成されている。第1板面19a1は、板体19aのうち、板体19aが隔壁開口部15に配置されたときに第1空間11c1に対向する板面に対応する。第2板面19a2は、板体19aのうち、板体19aが隔壁開口部15に配置されたときに、第2空間11c2に対向する板面に対応する。
【0035】
ダンパ支持部19bは、板体19aに固定されている。ダンパ支持部19bは、回動軸17を中心に回動するように回動軸17に軸支されている。ダンパ19は、単数のダンパ支持部19bを備える構成に限られず、複数のダンパ支持部19bを備える構成であってもよい。
【0036】
封止体19cは、板体19aのテーパ形状の側面において、板体19aを周方向に取り囲むように固定されている。封止体19cは、耐熱性および気密性を有する材料を用いて構成されている。
【0037】
図4に示すように、ダンパ19は、回動軸17に連結されて回動するように構成されている。ダンパ19は、回動方向の位置が変化することで、開放状態と閉鎖状態とに切替わるように構成されている。図5に示すように、開放状態は、隔壁開口部15が開口するようにダンパ19が隔壁13から離れた状態に対応する。図6に示すように、閉鎖状態は、ダンパ19が隔壁開口部15を閉鎖するように隔壁13に当接する状態に対応する。
【0038】
閉鎖状態のダンパ19では、封止体19cは、板体19aおよび隔壁開口部15の側面15bのそれぞれに密着する。つまり、封止体19cは、板体19aと隔壁開口部15の側面15bとの間に隙間が生じるのを抑制することで、隔壁開口部15を通じて第1空間11c1と第2空間11c2と間で空気が漏れるのを抑制する。
【0039】
筐体11は、筐体11の内部に係止部29を備える。係止部29は、ダンパ19が隔壁13から最も離れた位置でダンパ19に当接するように構成されている。ダンパ19は、係止部29に当接することで、開放状態における回動位置が定められる。開放状態のダンパ19では、第1板面19a1が第4面FA4と平行になる状態で、板体19aが係止部29に位置決めされる。
【0040】
図5に示すように、ダンパ19は、開放状態から閉鎖状態に移行する場合に、第2角度αの角度範囲にわたり回動するように構成されている。
図1および図2に示すように、腕部21は、第1腕部21aと、第2腕部21bと、を備える。
【0041】
第1腕部21aは、回動軸17における第1端17aに連結されている。つまり、第1腕部21aは、筐体11の外側で回動軸17に連結されている。第1腕部21aは、第1腕部21aが移動することに応じて、回動軸17を回動させるように構成されている。第2腕部21bは、回動軸17における第2端17bに連結されている。つまり、第2腕部21bは、筐体11の外側で回動軸17に連結されている。第2腕部21bは、第2腕部21bが移動することに応じて、回動軸17を回動させるように構成されている。
【0042】
錘23は、第1錘23aと、第2錘23bと、を備える。
第1錘23aは、第1腕部21aに固定されている。第1錘23aは、重力によって生じる回動力を、第1腕部21aを介して回動軸17に与える。第1錘23aが回動軸17に与える回動力は、ダンパ19が閉鎖状態となる方向に回動軸17を回動させる力に対応している。図5では、第1錘23aが回動軸17に与える回動力は、回動軸17を時計回り方向に回動させる力に対応する。第1錘23aは、複数の個別錘を備えている。第1錘23aは、個別錘の個数を増減することで、第1錘23aの質量を調整できるように構成されている。第1錘23aの質量を調整することで、第1錘23aが回動軸17に与える回動力の大きさを変更できる。
【0043】
第2錘23bは、第2腕部21bに固定されている。第2錘23bは、重力によって生じる回動力を、第2腕部21bを介して回動軸17に与える。第2錘23bが回動軸17に与える回動力は、ダンパ19が閉鎖状態となる方向に回動軸17を回動させる力に対応している。第2錘23bは、第1錘23aと同様に、個別錘の個数を増減することで、第2錘23bの質量を調整できるように構成されている。第2錘23bの質量を調整することで、第2錘23bが回動軸17に与える回動力の大きさを変更できる。
【0044】
図1図2図5および図6に示すように、第1腕部21aは、第1係止部21cと、第2係止部21dと、を備える。
第1係止部21cは、第1腕部21aから筐体11に向けて第1張出寸法L1だけ張り出している。第2係止部21dは、第1腕部21aから筐体11に向けて第2張出寸法L2だけ張り出している。第1張出寸法L1は、第2張出寸法L2よりも小さい。
【0045】
図1および図2に示すように、ロック機構25は、筐体11の第5面FA5および第6面FA6のそれぞれに備えられている。図3および図7に示すように、ロック機構25は、ロック当接部25aと、伸縮駆動部25bと、回転体25cと、回転体支持部25dと、を備える。
【0046】
ロック当接部25aは、伸縮駆動部25bからの突出寸法が変更できる状態で、伸縮駆動部25bに支持されるように構成されている。ロック当接部25aは、突出寸法が最も大きい状態において、腕部21の第2係止部21dに当接するように、形状が設定されている。ロック当接部25aは、突出寸法が最も小さい状態において、第2係止部21dから離れた状態になるように、形状が設定されている。ロック当接部25aは、腕部21に当接できる第1位置と、腕部21に当接できない第2位置とに移動するように構成されている。
【0047】
伸縮駆動部25bは、筐体11に固定されている。伸縮駆動部25bは、図示しない安全管理装置からのロック解除指令に基づいて、ロック当接部25aの突出寸法を変更するように構成されている。伸縮駆動部25bは、例えば、ロック当接部25aを移動させるための動力源を備える。動力源は、例えば、電動モータなどを用いてもよい。
【0048】
図7に示すように、伸縮駆動部25bは、ロック当接部25aの突出寸法を変更できるようにロック当接部25aを支持するように構成されている。伸縮駆動部25bは、ロック当接部25aの突出寸法を変更することに応じて、ロック機構25を、第1状態(以下、回動許可状態ともいう)と第2状態(以下、回動制限状態ともいう)とに設定可能に構成されている。
【0049】
回転体25cは、円形部材を備えている。回転体25cは、円形部材が回転可能な状態でロック当接部25aに備えられる。回転体25cは、ベアリングを備えており、円滑に回転するように構成されている。回転体支持部25dは、回転体25cを支持できる形態で筐体11に固定されている。回転体支持部25dは、ロック当接部25aが移動する時に、回転体25cが回転しながら回転体支持部25dに当接する位置に配置されている。
【0050】
ロック機構25は、回動許可状態と回動制限状態とのいずれかに設定可能に構成されている。回動許可状態は、ロック機構25が腕部21から離れて回動軸17を回動可能にする状態に対応する。回動制限状態は、ロック機構25が腕部21を固定して回動軸17の回動を不可能にする状態に対応する。詳細には、回動制限状態は、回動制限状態は、ダンパ19が開放状態となる位置で、ロック機構25が腕部21を固定する状態に対応する。
【0051】
[1-2.ダンパの開放状態から閉鎖状態への移行]
図5に示すように、ロック機構25は、腕部21を固定する回動制限状態になることで、ダンパ19を開放状態に維持するように構成されている。ロック機構25は、回動制限状態においてロック解除指令を受けることに応じて、回動許可状態に移行する。ロック機構25が回動許可状態に移行することに応じて、錘23に作用する重力によって腕部21が下降し、これに伴い、回動軸17が回動してダンパ19が開放状態から閉鎖状態に移行する。図6に示すように、閉鎖状態のダンパ19は、隔壁開口部15を閉鎖するように隔壁13に当接することで、隔壁開口部15を通じて第1空間11c1と第2空間11c2と間で空気が漏れるのを抑制する。
【0052】
ロック解除指令は、集塵配管に流体が流れる流動状態が継続することに起因して何らかの危険の発生が予見される場合に、ダンパ装置1とは別に備えられる安全管理装置(図示省略)が出力する指令である。安全管理装置は、例えば、集塵配管の上流または下流において火災が発生した場合に、ロック解除指令を出力するように構成されている。
【0053】
上記のように構成されたダンパ装置1は、ダンパ19が開放状態から閉鎖状態に移行することで、集塵配管における流体の流動を抑制するように構成されている。
[1-3.シリンダ部]
図1図3に示すように、ダンパ装置1は、シリンダ27を備える。シリンダ27は、筐体11の第5面FA5および第6面FA6のそれぞれに備えられている。図1,3および8に示すように、シリンダ27は、当接部27aと、伸縮部27bと、駆動部27cと、を備える。
【0054】
当接部27aは、伸縮部27bの端部に固定されている。伸縮部27bは、駆動部27cからの突出寸法が変更できる状態で、駆動部27cに支持されるように構成されている。伸縮部27bは、突出寸法が最も大きい状態において、ダンパ19が開放状態である時の腕部21の第1係止部21cに当接部27aが当接するように、形状が設定されている。伸縮部27bは、突出寸法が最も小さい状態において、ダンパ19が閉鎖状態であるときの腕部21の第1係止部21cから当接部27aが離れた状態になるように、形状が設定されている。
【0055】
駆動部27cは、筐体11に固定されている。駆動部27cは、図示しない安全管理装置からのダンパ復帰指令に基づいて、伸縮部27bの突出寸法の大きさを変更するように構成されている。駆動部27cは、例えば、伸縮部27bを移動させるための動力源を備える。動力源は、例えば、油圧シリンダ機構などを用いてもよい。
【0056】
図8に示すように、シリンダ27は、第1状態(以下、待機状態ともいう)と第2状態(以下、復帰完了状態ともいう)とに設定可能に構成されている。待機状態は、伸縮部27bの突出寸法が最も小さい状態に対応する。換言すれば、待機状態は、ダンパ19が閉鎖状態であるときの腕部21の第1係止部21cから当接部27aが離れた状態に対応する。復帰完了状態は、ダンパ19が開放状態となる位置で、腕部21の第1係止部21cに当接部27aが当接する状態に対応する。
【0057】
シリンダ27は、ダンパ復帰指令を受けることに応じて、待機状態から復帰完了状態に移行するように構成されている。シリンダ27は、待機状態から復帰完了状態に移行することで、腕部21に付勢力を与えて、回動軸17が回動するように腕部21を移動させるように構成されている。換言すれば、シリンダ27は、ダンパ復帰指令を受けることに応じて、ダンパ19が閉鎖状態から開放状態に移行するように回動軸17を回動させるように構成されている。
【0058】
ダンパ装置1は、第1腕部21aと第2腕部21bとのそれぞれに対応した2つのシリンダ27を備えている。つまり、ダンパ装置1は、第1腕部21aに当接するように構成された第1シリンダと、第2腕部21bに当接するように構成された第2シリンダと、を備えている。
【0059】
[1-4.効果]
以上説明したように、ダンパ装置1は、ダンパ19が開放状態から閉鎖状態に移行することで、集塵配管における流体の流動を抑制できる。
【0060】
とりわけ、ダンパ装置1は、隔壁開口部15の開口面15aが、流路方向D1に対して第1角度θ1を有して斜めに配置されている。ダンパ装置1は、流路方向D1に対して開口面が垂直に配置された隔壁開口部を備える構成に比べて、ダンパ19が開放状態から閉鎖状態に移行するときのダンパ19の回動角度の大きさ(換言すれば、移動距離の長さ)を、小さくできる。この結果、ダンパ装置1は、ダンパ19を開放状態から閉鎖状態に移行するまでの所要時間を短縮できる。
【0061】
よって、ダンパ装置1は、集塵配管に流体が流れる流動状態が継続することに起因して火災などの発生が予見される場合に、速やかに流体の流動を抑制でき、火災が集塵配管を介して拡散することを抑制できる。
【0062】
ダンパ装置1は、第1腕部21aと、第2腕部21bと、を備える。さらに、ダンパ装置1は、第1錘23aと、第2錘23bと、を備える。このようなダンパ装置1は、単数の腕部および単数の錘を備える構成に比べて、第1錘23aおよび第2錘23bが回動軸17に与える回動力の大きさを増大できる。この結果、ダンパ装置1は、ダンパ19を開放状態から閉鎖状態に移行するまでの所要時間をさらに短縮できる。
【0063】
次に、ダンパ装置1においては、隔壁開口部15は、流路方向Dfに対する開口面15aの第1角度θ1が予め定められた許容範囲に含まれるように構成されている。このような開口面15aを備えることで、ダンパ19が開放状態である時に流路方向D1に垂直な有効断面積の大きさを一定以上に確保できる。また、このような開口面15aを備えることで、ダンパ19が開放状態から閉鎖状態に移行するための所要時間(以下、移行時間ともいう)が長くなるのを抑制できる。
【0064】
よって、ダンパ装置1は、ダンパ19が開放状態である時に流体が通過する有効断面積の大きさを確保すること、および、ダンパ19の移行時間が長くなるのを抑制すること、の両者を実現できる。
【0065】
次に、ダンパ装置1においては、隔壁開口部15は、円形または楕円形状の開口面15aを備える。ダンパ19は、隔壁開口部15に配置されるように構成された板体19aを備える。このように、開口面15aおよび板体19aが円形または楕円形を有する隔壁開口部15およびダンパ19は、四角形の開口面および四角形の板面を備える構成に比べて、寸法誤差が生じがたくなり、隔壁開口部15とダンパ19との間に隙間が生じがたくなる。これにより、ダンパ装置1は、ダンパ19が閉鎖状態の時に、隔壁開口部15とダンパ19との隙間からの流体の漏洩を抑制できる。
【0066】
次に、ダンパ装置1においては、隔壁開口部15は、第1空間11c1から第2空間11c2にかけて開口断面の大きさが縮小するテーパ形状の側面15bを備える。ダンパ19は、側面15bのテーパ形状に対応して、板体19aの厚さ方向にかけて断面の大きさが変化するテーパ形状に形成された板体19aを備える。このようなテーパ形状を採用することで、隔壁開口部15とダンパ19との間に隙間が生じがたくなる。これにより、ダンパ装置1は、ダンパ19が閉鎖状態の時に、隔壁開口部15とダンパ19との隙間からの流体の漏洩を抑制できる。
【0067】
次に、ダンパ装置1においては、ロック機構25は、ロック当接部25aと伸縮駆動部25bと、を備える。ロック当接部25aは、腕部21に当接できる第1位置と、腕部21に当接できない第2位置とに移動するように構成されている。図7に示すように、第1位置は、ロック機構25が第1状態(回動許可状態)である時のロック当接部25aの位置に対応する。第2位置は、ロック機構25が第2状態(回動制限状態)である時のロック当接部25aの位置に対応する。
【0068】
伸縮駆動部25bは、ロック当接部25aの突出寸法を変更できるようにロック当接部25aを支持するように構成されている。伸縮駆動部25bは、突出寸法を変更することに応じて回動制限状態と回動許可状態とを切り替えるように構成されている。
【0069】
よって、ダンパ装置1は、このようなロック機構25を備えることで、ダンパ19を開放状態に維持できるとともに、ロック機構25が回動制限状態から回動許可状態に移行することで、ダンパ19を開放状態から閉鎖状態に速やかに移行させることができる。
【0070】
次に、ダンパ装置1においては、ロック機構25は、回転体25cと、回転体支持部25dと、を備える。回転体25cは、ロック当接部25aに備えられて、回転可能に構成されている。回転体支持部25dは、回転体25cを支持できる形態で筐体11に固定されている。回転体25cおよび回転体支持部25dを備えることで、ロック当接部25aの移動が滑らかになる。この結果、ロック機構25における回動制限状態から回動許可状態への移行がスムーズになる。よって、ダンパ装置1は、ダンパ19を開放状態から閉鎖状態に移行するまでの所要時間を短縮できる。
【0071】
次に、ダンパ装置1は、シリンダ27を備える。シリンダ27は、回動軸17が回動するように腕部21を移動させるように構成されている。シリンダ27による回動軸17の回動方向は、ダンパ19が閉鎖状態から開放状態に移行する方向である。ダンパ装置1は、シリンダ27を備えることで、使用者がダンパ装置1に近づくことなく、ダンパ19を閉鎖状態から開放状態に変更できる。
【0072】
[2.第2実施形態]
図9を用いて、第2実施形態の第2ダンパ装置101について説明する。
第2ダンパ装置101は、上述の第1実施形態のダンパ装置1と比べて、ダンパ装置の内部での空気の流れる方向が異なっている。第2ダンパ装置101は、ダンパ装置1の内部での空気の流れが鉛直方向となるように設置される。具体的には、第2ダンパ装置101は、第1開口部11aが上側に配置され、第2開口部11bが下側に配置される状態で設置される。
【0073】
第2ダンパ装置101は、ダンパ装置1と比べて、腕部21に代わり変形腕部121を備えている点で異なっている。以下の説明では、第2ダンパ装置101に備えられる構成部品のうち、ダンパ装置1と共通の構成部品については、説明を省略する。
【0074】
変形腕部121は、筐体11の外側で回動軸17に連結されている。変形腕部121は、変形腕部121が移動することに応じて、回動軸17を回動させるように構成されている。
【0075】
変形腕部121は、第1実施形態の腕部21と比べて、回動軸17との連結部位および第1係止部21c(または第2係止部21d)の形成部位に対する、錘23の固定部位の相対位置関係が、異なるように構成されている。
【0076】
図9では、実線で記載された変形腕部121が、ダンパ19が開放状態である時の変形腕部121の位置を表している。また、図9では、二点鎖線で記載された変形腕部121が、ダンパ19が閉鎖状態である時の変形腕部121の位置を表している。
【0077】
変形腕部121は、ダンパ19が開放状態である時に、図9に示す回動軸17が時計回り方向に回動する回動力を回動軸17に与えるように、変形腕部121における錘23の固定部位が定められている。ダンパ19が開放状態である時に、ロック機構25が回動制限状態から回動許可状態に移行することに応じて、錘23に作用する重力によって変形腕部121が下降し、回動軸17が回動する。そして、変形腕部121が図9の二点鎖線で示す位置に移動するとともに、回動軸17が回動することで、ダンパ19が開放状態から閉鎖状態に移行する。
【0078】
変形腕部121は、ダンパ19が開放状態である時の、回動軸17との連結部位に対する第1係止部21c(または第2係止部21d)の形成部位の相対位置関係が、第1実施形態の腕部21と同じとなるように構成されている。これにより、変形腕部121は、第1実施形態の腕部21と同様に、ロック機構25が回動制限状態になり第2係止部21dと当接することに応じて、移動が制限されるとともに、ダンパ19が開放状態となる位置に固定される。
【0079】
また、変形腕部121は、第1係止部21cがこのように配置されることで、シリンダ27(図9では図示省略)が待機状態から復帰完了状態に移行することに応じて、シリンダ27から付勢力が与えられる。変形腕部121は、シリンダ27から付勢力が与えられることに応じて、ダンパ19が閉鎖状態から開放状態に移行するように回動軸17を回動させる。つまり、変形腕部121は、第1実施形態の腕部21と同様に、シリンダ27が待機状態から復帰完了状態に移行することに応じて、ダンパ19が閉鎖状態から開放状態に移行するように回動軸17を回動させるように構成されている。
【0080】
図示は省略するが、変形腕部121は、上述の第1腕部21aおよび第2腕部21bのそれぞれに対応するように、第1変形腕部および第2変形腕部を備えている。
このように構成された第2ダンパ装置101は、第1開口部11aが上側に配置され、第2開口部11bが下側に配置される状態であっても、錘23に作用する重力によって、ダンパ19を開放状態から閉鎖状態に移行することができる。また、第2ダンパ装置101は、シリンダ27を用いて、ダンパ19を閉鎖状態から開放状態に移行することができる。
【0081】
[3.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
【0082】
(a)上記実施形態では、第1角度θ1の許容範囲が40°以上60°以下の範囲に設定された形態について説明したが、本開示は、このような形態に限定されるものではない。例えば、ダンパ装置の用途や設置条件によっては、第1角度θ1の許容範囲は、20°以上80°以下の範囲であってもよい。あるいは、第1角度θ1の許容範囲は、30°以上70°以下の範囲であってもよい。
【0083】
(b)上記実施形態では、ダンパ19を閉鎖状態から開放状態に移行させるためのシリンダ27を備える形態について説明したが、本開示はこのような形態に限定されるものではない。例えば、使用者がダンパ装置1に近づくことができる環境下においては、ダンパ19を閉鎖状態から開放状態に移行させる復帰操作を、使用者が手動操作で実行してもよい。つまり、ダンパ装置は、シリンダを有しない形態を採用してもよい。
【0084】
(c)上記実施形態では、ダンパ19は、開放状態であるときには、第1板面19a1が第4面FA4(換言すれば、流路方向D1)と平行になる状態で、板体19aが係止部29に位置決めされる形態である。しかし、本開示のダンパ装置は、このような形態に限られることはない。例えば、ダンパ19は、開放状態のダンパ19の回動位置を隔壁13に近づけて、ダンパ19が第4面FA4(または、流路方向D1)に対して斜めに配置されてもよい。つまり、ダンパ19は、開放状態のときに、第4面FA4(または、流路方向D1)に平行な形態に限られることはなく、ダンパ19が流路方向D1に対して斜めに配置される形態であってもよい。
【0085】
このような形態であれば、斜めに配置される開口面15aに関する第1角度θ1は変化させずに、開放状態のダンパ19の回動位置を隔壁13に近づけることができるため、第2角度αを縮小できる。これにより、ダンパ19は、開放状態から閉鎖状態に移行するためのダンパ19の回動角度の大きさ(換言すれば、移動距離の長さ)を縮小できる。
【0086】
(d)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合させたりしてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、同様の機能を有する公知の構成に置き換えてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【符号の説明】
【0087】
1…ダンパ装置、11…筐体、11a…第1開口部、11b…第2開口部、11c…流路空間、11c1…第1空間、11c2…第2空間、13…隔壁、15…隔壁開口部、15a…開口面、15b…側面、17…回動軸、17a…第1端、17b…第2端、17c…中間部、19…ダンパ、19a…板体、19a1…第1板面、19a2…第2板面、19b…ダンパ支持部、19c…封止体、21…腕部、21a…第1腕部、21b…第2腕部、21c…第1係止部、21d…第2係止部、23…錘、23a…第1錘、23b…第2錘、25…ロック機構、25a…ロック当接部、25b…伸縮駆動部、25c…回転体、25d…回転体支持部、27…シリンダ、27a…当接部、27b…伸縮部、27c…駆動部、29…係止部、101…第2ダンパ装置、121…変形腕部、FA1…第1面、FA2…第2面、FA3…第3面、FA4…第4面、FA5…第5面、FA6…第6面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9