(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】点字教育教材及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
G09B 21/00 20060101AFI20240830BHJP
G09B 21/02 20060101ALI20240830BHJP
G09B 1/12 20060101ALI20240830BHJP
【FI】
G09B21/00 B
G09B21/02
G09B1/12
(21)【出願番号】P 2022544066
(86)(22)【出願日】2020-09-17
(86)【国際出願番号】 KR2020012580
(87)【国際公開番号】W WO2022034963
(87)【国際公開日】2022-02-17
【審査請求日】2022-07-19
(31)【優先権主張番号】10-2020-0100057
(32)【優先日】2020-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522286997
【氏名又は名称】センシー株式会社
【氏名又は名称原語表記】SENSEE,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100179648
【氏名又は名称】田中 咲江
(74)【代理人】
【識別番号】100222885
【氏名又は名称】早川 康
(74)【代理人】
【識別番号】100140338
【氏名又は名称】竹内 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100227695
【氏名又は名称】有川 智章
(74)【代理人】
【識別番号】100170896
【氏名又は名称】寺薗 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100219313
【氏名又は名称】米口 麻子
(74)【代理人】
【識別番号】100161610
【氏名又は名称】藤野 香子
(74)【代理人】
【識別番号】100206586
【氏名又は名称】市田 哲
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】ソ インシク
(72)【発明者】
【氏名】ジョ ジユン
【審査官】宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3143306(JP,U)
【文献】特開平08-022243(JP,A)
【文献】米国特許第03869813(US,A)
【文献】特表2019-514082(JP,A)
【文献】特開2005-321517(JP,A)
【文献】特開2016-014773(JP,A)
【文献】登録実用新案第3124456(JP,U)
【文献】特開平11-338343(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 1/00- 9/56,17/00-19/26
G09B 11/04,21/00-21/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冊子状の点字教育教材において、
予め設定された学習領域に、学習に使用される点字ではない学習情報が表示された情報部(100)と、
予め設定された点字領域に、点字の縦点と横点に該当する点(210)が表示され、前記点(210)が備えられた一部又は全部の位置に磁石、強磁性体又は常磁性体からなる磁性部(220)が備えられた点字部(200)と、
前記磁性部(220)との磁力による引力が作用して前記点(210)に対して着脱される教具部(300)と、を含み、
前記情報部(100)は、凹凸形態で情報が表示され、
前記点字教育教材が広げられた面のうち、1つのページに前記情報部が備えられ、もう1つのページに
は前記情報部に対応した前記点字部が備えられた、点字教育教材。
【請求項2】
前記情報部(100)は、
学習に使用される情報が文字である場合、
文字の字画ごとに字画が書かれる方向が表示された字画部(110)を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の点字教育教材。
【請求項3】
前記情報部(100)は、
学習に使用される情報が文字である場合、
文字の字画ごとに字画の始点が表示された開始部(120)を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の点字教育教材。
【請求項4】
前記点字教育教材は、
前記点字教育教材が広げられた面のうち、予め設定された領域に、前記開始部(120)と対応する形態が文字の字画を書く順序と同じ順序で表示された書き順案内部(400)をさらに含む、請求項3に記載の点字教育教材。
【請求項5】
前記点字部(200)は、
点字の凸点に該当する点(210)がどの点(210)であるかが、視覚、触覚、又は視覚及び触覚的に表示されていることを特徴とする、請求項1に記載の点字教育教材。
【請求項6】
前記点字部(200)は、
前記情報部(100)に表示された情報を表現する点字の凸点に該当する点(210)の位置に、磁石、強磁性体又は常磁性体からなる磁性部(220)を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の点字教育教材。
【請求項7】
前記点字部(200)は、
前記点字の凸点に該当する点(210)の位置にエポキシ材質でコーティング印刷を施したことを特徴とする、請求項5に記載の点字教育教材。
【請求項8】
前記点字教育教材は、
予め設定されたタグ領域に設けられ、前記学習情報の音声案内に必要な情報を保存したNFCタグ部と、
前記NFCタグ部を認識すると、当該学習情報を音声で出力するNFCリーダ部と、を含む、請求項1に記載の点字教育教材。
【請求項9】
前記点(210)が備えられたシートは、
前記点(210)がホール形状に形成された表示面(1100)と、
前記磁性部(220)が固定された裏地面(1200)と、が順次積層されて形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の点字教育教材。
【請求項10】
前記裏地面(1200)は、
前記磁性部(220)の上側、下側、又は上側と下側に積層される磁性部カバー面(1210)を含む、請求項9に記載の点字教育教材。
【請求項11】
前記裏地面(1200)は、
前記磁性部(220)が嵌合されるように嵌合ホール(1221)が形成された磁性部固定面(1220)を含む、請求項9に記載の点字教育教材。
【請求項12】
前記裏地面(1200)は、
磁石、強磁性体又は常磁性体からなる面において、
枠、及び前記点字の凸点に該当する点(210)を残し、点字の非凸点に該当する点(210)がなくなるようにパンチング加工したことを特徴とする、請求項9に記載の点字教育教材。
【請求項13】
請求項9~12のいずれか一項に記載の点字教育教材を作る点字教育教材の製造方法において、
前記情報部に対応した前記点字部の前記表示面(1100)に点(210)を穿孔する表示面穿孔ステップ(S10)と、
前記情報部に対応した前記点字部の前記裏地面(1200)に磁性部(220)の位置を固定させる磁性部固定ステップ(S20)と、
前記情報部に対応した前記点字部の前記表示面(1100)及び裏地面(1200)、又は
前記情報部に対応した前記点字部の前記表示面(1100)
及び裏地面(1200)
並びに前記情報部に対応しない前記点字部の表示面(1100)を順次積層して接着させることにより、前記点(210)が備えられたシートを作るシート製作ステップ(S30)と、を含むことを特徴とする、点字教育教材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点字教育教材及びその製造方法に係り、より詳細には、点字の縦点及び横点に該当する点のうち、点字の凸点に該当する点に磁力によって教具が付着できるようにして、感覚が発達していない点字初心者でも点字学習が可能な点字教育教材及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
点字は、人の触覚を通じて読み書きできるように様々な点形に意味を与えておいた文字象徴体系である。このような点字は、通常3*2や4*2などの点字が用いられており、点字の個数と配列を変えて文字体系を形成する。
【0003】
視覚障害者にとって、点字とは、単純な情報アクセス手段を超えて、より豊かな生活を過ごすことができる機会を提供する核心手段である。
【0004】
点字教育を通じて、より多くの教育の機会、世界とのコミュニケーション、更にはより多様な職業及び経済的機会を享受することができる。
【0005】
全世界には約2億8千5百万人の視覚障害者がいるが、これらの中で点字を読み書きできる視覚障害者は10%内外(低視力を含む数値)である。
【0006】
現在、点字教育分野には専門教師が不足しており、視覚障害児が点字に容易かつ楽しく接近することができる教育資料やツールも不足している。
【0007】
実際に印刷されて使用される点字は、サイズが小さいため、感覚が発達していない点字初心者や感覚障害のある糖尿病患者、加齢により失明した中途失明者などの場合、実際サイズの点字で学習させれば、点字を学んで慣れるまで困難があり、多くの視覚障害者が中途にあきらめてしまうことが多いという問題点がある。
【0008】
韓国特許第10-0849449号公報には、点字絵本及びこれを含む幼児用学習資料セットが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、その目的は、点字の縦点と横点に該当する点のうち、点字の凸点に該当する点に磁力によって教具が付着できるようにして、感覚の発達していない点字初心者でも点字学習が可能な点字教育教材及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
本発明の実施例の目的は、上述した目的に限定されず、上述していない別の目的は、以降の記載から本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解できるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するための本発明の一実施例による点字教育教材は、点字教育教材において、予め設定された学習領域に、学習に使用される点字ではない学習情報が表示された情報部100と、予め設定された点字領域に、点字の縦点と横点に該当する点210が表示され、前記点210が備えられた一部又は全部の位置に磁石、強磁性体又は常磁性体からなる磁性部220が備えられた点字部200と、前記磁性部220との磁力による引力が作用して前記点210に対して着脱される教具部300と、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、情報部100は、凹凸形態で情報が表示されていることを特徴とする。
【0013】
また、情報部100は、学習に使用される情報が文字である場合、文字の字画ごとに字画が書かれる方向が表示された字画部110を備えていることを特徴とする。
【0014】
また、情報部100は、学習に使用される情報が文字である場合、文字の字画ごとに字画の始点が表示された開始部120を備えていることを特徴とする。
【0015】
また、点字教育教材は、点字教育教材が広げられた面のうち、予め設定された領域に、前記開始部120と対応する形態が文字の字画を書く順序と同じ順序で表示された書き順案内部400をさらに含むことを特徴とする。
【0016】
また、前記点字部200は、点字の凸点に該当する点210がどの点210であるかが視覚、触覚、又は視覚及び触覚的に表示されていることを特徴とする。
【0017】
また、前記点字部200は、前記情報部100に表示された情報を表現する点字の凸点に該当する点210の位置に、磁石、強磁性体又は常磁性体からなる磁性部220を備えていることを特徴とする。
【0018】
また、前記点字部200は、前記点字の凸点に該当する点210の位置にエポキシ材質でコーティング印刷を施したことを特徴とする。
【0019】
また、前記点字教育教材は、予め設定されたタグ領域に設けられ、前記学習情報の音声案内に必要な情報を保存したNFCタグ部(図示せず)と、前記NFCタグ部(図示せず)を認識すると、当該学習情報を音声で出力するNFCリーダ部(図示せず)と、を含むことを特徴とする。
【0020】
また、前記点210が備えられたシートは、前記点210がホール形状に形成された表示面1100、前記磁性部220が固定された裏地面1200と、が順次積層されて形成されたことを特徴とする。
【0021】
また、前記裏地面1200は、前記磁性部220の上側、下側、又は上側と下側に積層される磁性部カバー面1210を含むことを特徴とする。
【0022】
また、前記裏地面1200は、前記磁性部220が嵌合されるように嵌合ホール1221が形成された磁性部固定面1220を含むことを特徴とする。
【0023】
また、前記裏地面1200は、磁石、強磁性体又は常磁性体からなる面において、枠、及び前記点字の凸点に該当する点210を残し、点字の非凸点に該当する点210がなくなるようにパンチング加工したことを特徴とする。
【0024】
本発明の一実施例による点字教育教材を作る点字教育教材の製造方法において、前記表示面1100に点210を穿孔する表示面穿孔ステップ(S10)と、前記裏地面1200に磁性部220の位置を固定させる磁性部固定ステップ(S20)と、前記表示面1100及び裏地面1200、又は前記表示面1100、裏地面1200及び表示面1100を順次積層して接着させることにより、前記点210が備えられたシートを作るシート製作ステップ(S30)と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一実施例による点字教育教材及びその製造方法によれば、点字の縦点と横点に該当する点のうち、点字の凸点に該当する点に磁力によって教具が付着できるようにして、感覚が発達していない点字初心者でも点字学習が可能であるという効果がある。
【0026】
また、情報部が凹凸形態で表示されることにより、視覚障害者は一人でも学習情報の確認ができるようにして、視覚障害者は一人でも点字学習が可能であるという効果がある。
【0027】
また、文字の字画が書かれる方向が表示されることにより、視覚障害者が当該文字をどの方向に触れながら追従すべきかを確認することができるようにして、視覚障害者が文字をより容易に確認することができるという効果がある。
【0028】
また、文字の字画ごとに字画の始点が表示されることにより、文字の字画の始点をより速やかに確認させることができるため、文字を確認する時間を短縮させることができるという効果がある。
【0029】
また、文字の字画の書き順と同じ順序で表示された書き順案内部を備えることにより、視覚障害者にも文字の書き順を学習させることができるという効果がある。
【0030】
また、点字の凸点に該当する点がどの点であるかを視覚、触覚、又は視覚及び触覚的に表示させることにより、点字を知らない一般人も視覚障害者の点字学習を助けられるようにすることができるという効果がある。
【0031】
また、点字の凸点に該当する点の位置に粉末形態で接着剤と混合されて貼り付けられた点字部を形成することにより、別途の表示なしにも一般人及び視覚障害者が点字の凸点に該当する点がどの点であるかを容易に確認することができるという効果がある。
【0032】
また、表示面と裏地面とが積層されて、点が備えられたシートを形成することにより、表示面と裏地面を別々に製作して接着させるので、点が備えられたシートをより容易に製造することができるという効果がある。
【0033】
また、裏地面が磁性部カバー面を含むことにより、磁性部が何処にあるかを確認し難くして、多様な点字教育活用に役立てるという効果がある。
【0034】
また、裏地面が磁性部固定面を含むことにより、磁性部が指定位置から離脱することを防止することができるという効果がある。
【0035】
また、パンチング加工によって裏地面を製作することにより、磁性部が指定位置から離脱することをさらに防止することができるという効果がある。
【0036】
また、表示面穿孔ステップ、磁性部固定ステップ及びシート製作ステップを介して点字教育教材を製造することにより、点字教育教材をさらに容易に作ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明の一実施例による点字教育教材であって、1つのページに情報部と点字部の両方が備えられた例を示す図である。
【
図2】本発明の一実施例による点字教育教材であって、点字教育教材が広げられた面のうち、1つのページには情報部が備えられ、もう1つのページには点字部が備えられた例を示し、字画部が備えられたことを示す図である。
【
図3】本発明の一実施例による点字教育教材であって、点字部が形成された面のうち、磁性部が備えられた点に教具部がくっ付くことを示す図である。
【
図4】
図2に開始部と終端部が追加された例を示す図である。
【
図5】
図4に書き順案内部が追加された例を示す図である。
【
図6】
図5の点字の凸点が視覚、触覚、又は視覚及び触覚的に表示された例を示す図である。
【
図7】本発明の一実施例による点字教育教材の点字部が形成された面のうち、磁性部が備えられるべき部分に点字部を粉末形態で接着剤と混合して接着させたことを示す図である。
【
図8】本発明の一実施例による点字教育教材の点字部が形成されたシートが、表示面と裏地面とが積層されて形成されることを示す図である。
【
図9】
図6の切断線で切った断面の多様な実施例に対する分解及び結合を示す図である。
【
図10】
図6の切断線で切った断面の多様な実施例に対する分解及び結合を示す図である。
【
図11】
図6の切断線で切った断面の多様な実施例に対する分解及び結合を示す図である。
【
図12】
図6の切断線で切った断面の多様な実施例に対する分解及び結合を示す図である。
【
図13】
図6の切断線で切った断面の多様な実施例に対する分解及び結合を示す図である。
【
図14】本発明の一実施例による点字教育教材の裏地面をパンチングで加工した例を示す図である。
【
図15】本発明の一実施例による点字教育教材の製造方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明は、多様な変更を加えることができ、種々の実施例を有することができるので、特定の実施例を図面に例示して詳細に説明する。しかし、これは、本発明を特定の実施例に対して限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物または代替物を含むものと理解されるべきである。
【0039】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いる或いは「接続されて」いると言及された場合には、該他の構成要素に直接連結または接続されていることもあるが、それらの間に別の構成要素が介在することもあると理解されるべきである。
【0040】
一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いる或いは「直接接続されて」いると言及された場合には、それらの間に別の構成要素が介在しないと理解されるべきである。
【0041】
本明細書で使用される用語は、単に特定の実施例を説明するために使用されたもので、本発明を限定するものではない。単数の表現は、文脈上明白に異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、工程、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするもので、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、工程、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0042】
別に定義しない限り、技術的或いは科学的用語を含めて、ここで使用される全ての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同一の意味を有する。一般に使用される辞典に定義されているような用語は、関連技術の文脈上において持つ意味と一致する意味であると解釈されるべきであり、本明細書において明白に定義しない限りは、理想的または過度に形式的な意味で解釈されない。
【0043】
以下、添付図面を参照して本発明をさらに詳細に説明する。これに先立ち、本明細書及び請求の範囲に使用された用語や単語は、通常的かつ辞典的な意味に限定解釈されてはならず、発明者は自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に即して、本発明の技術的思想に合致する意味と概念で解釈されるべきである。また、使用される技術用語及び科学用語において他の定義がなければ、この発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が通常的に理解している意味を有し、下記の説明及び添付図面において、本発明の要旨を不要に曖昧にするおそれがある公知の機能及び構成についての説明は省略する。次に紹介される図面は、当業者に本発明の思想が十分に伝達できるようにするために例として提供される。よって、本発明は、以下に提示される図面に限定されず、他の形態に具体化されることも可能である。また、明細書全般にわたって、同一の参照番号は同一の構成要素を示す。図面中の同じ構成要素は、できる限り何処でも同一の符号で示していることに留意すべきである。
【0044】
図1は本発明の一実施例による点字教育教材であって、1つのページに情報部と点字部の両方が備えられた例を示す図、
図2は本発明の一実施例による点字教育教材であって、点字教育教材が広げられた面のうち、1つのページには情報部が備えられ、もう1つのページには点字部が備えられた例を示し、字画部が備えられたことを示す図、
図3は本発明の一実施例による点字教育教材であって、点字部が形成された面のうち、磁性部が備えられた点に教具部がくっ付くことを示す図、
図4は
図2に開始部と終端部が追加された例を示す図、
図5は
図4に書き順案内部が追加された例を示す図、
図6は
図5の点字の凸点が視覚、触覚、又は視覚及び触覚的に表示された例を示す図、
図7は本発明の一実施例による点字教育教材の点字部が形成された面のうち、磁性部が備えられるべき部分に点字部を粉末形態で接着剤と混合して接着させたことを示す図、
図8は本発明の一実施例による点字教育教材の点字部が形成されたシートが、表示面と裏地面とが積層されて形成されることを示す図、
図9乃至
図13は
図6の切断線で切った断面の多様な実施例に対する分解及び結合を示す図、
図14は本発明の一実施例による点字教育教材の裏地面をパンチングで加工した例を示す図、
図15は本発明の一実施例による点字教育教材の製造方法を示すフローチャートである。
【0045】
本発明の一実施例による点字教育教材は、点字教育教材において、情報部100、点字部200、及び教具部300を含む。
【0046】
情報部100は、予め設定された学習領域に、学習に使用される点字ではない学習情報が表示される。
【0047】
ここで、学習情報とは、文字(字、数字、記号など)、イメージなどであって、点字学習のための情報をいう。
【0048】
【0049】
図1及び
図2では、前記情報部100が後述の点字部200を基準として左側に備えられていると図示したが、本発明は、これに限定されず、後述の点字部200を基準として右側、上側、下側などに備えられるなど、様々な実施が可能であるのは言うまでもない。
【0050】
点字部200は、予め設定された点字領域に、点字の縦点と横点に該当する点210が表示され、前記点210が備えられた一部又は全部の位置に磁石、強磁性体又は常磁性体からなる磁性部220が備えられる。
【0051】
前記点字部200において、点字の縦点と横点に該当する点210が表示されるというのは、前記点210が他の部分と区分可能に表示されることを意味し、視覚的に区分が可能であるとともに、触覚的にも区分が可能であることを意味する。これは、点字教育教材が視覚障害者のためのものだからである。
【0052】
このとき、前記点210を陰刻で形成し、他の部分と区分可能にすることが好ましい。
【0053】
これは、後述の教具部300を点210に該当する位置に付着させるとき、ガイドの役割を果たすようにするためである。
【0054】
言い換えれば、前記教具部300を前記点210に付着させるとき、他の部分よりも陥没した領域に付着していることを確認することにより、前記点210に該当する位置に正確に付着したかを確認し易くするためである。
【0055】
このとき、前記磁性部220は、前記点210が表示された全ての領域をカバーすることができるように板状(
図1の図面符号200に該当する点線の形態、
図1の図面符号100及び200を含む領域が含まれている形態など)に形成(図示せず)することができる。
【0056】
上記において、点210が表示された全ての領域をカバーすることができるように板状に形成された磁性部220を例として挙げたが、本発明は、これに限定されるものではなく、後述する一部の領域にのみ磁性部220が具備(
図1及び
図3参照)されるなど、多様な実施が可能であるのは言うまでもない。
【0057】
教具部300は、前記磁性部220との磁力による引力が作用して前記点210に対して着脱される(
図3参照)。
【0058】
例えば、前記磁性部220が鉄などの常磁性体から構成される場合、前記教具部300は、磁性が備えられるようにすることができる。
【0059】
このとき、前記教具部300は、下部に磁石、強磁性体又は常磁性体が備えられ、上部が手で把持可能に形成されていることが好ましい。
【0060】
前記教具部300を手に握って前記教具部300が前記点210同士の間を通るように動かすと、磁力によって、前記磁性部220が備えられた点210に前記教具部300がくっ付く。
【0061】
前記教具部300は、前記教具部300間の接着面(下部面)に該当する磁石の極が同一の極となるようにすることが好ましい。
【0062】
これは、例えば子供が前記教具部300を呑み込んでも、腹の中で互いに強くくっ付いて発生する事故(腸を挟んで磁石同士が引き合って圧着することによる、腸穿孔(腸に孔があく)、腸閉塞、感染、敗血症など)を最小限に抑えるためである。
【0063】
本発明の一実施例による点字教育教材は、点字の凸点に該当する点210の位置に前記教具部300がくっ付くようにして、指先の感覚が発達していない人々も点字の形態を学ぶことができるようにするためのものである。
【0064】
これは、点字のサイズが大きい教材を用いて、点字の形態を学んだ後、サイズを減らしながら学習をさせれば、点字をより速く学ぶことができるためである。
【0065】
本発明の一実施例による点字教育教材の情報部100は、凹凸形態で情報が表示されていることを特徴とすることができる。
【0066】
すなわち、前記情報部100に表示された学習情報は、凹凸形態で表示することができる。
【0067】
言い換えれば、前記情報部100に表示された学習情報は、陰刻形態、陽刻形態、エンボス加工形態など、手の感触で区分可能な凹凸形態で表示することができる。
【0068】
これは、視覚障害者は一人でも学習情報の確認ができるようにして、視覚障害者が一人でも点字学習を行うことを可能にするためである。
【0069】
上記において、情報部100が凹凸形態で表示された例を挙げたが、本発明は、これに限定されるものではなく、一般的なイメージのみで表示されることも可能であり、一般的なイメージと凹凸形態が複合的に適用されることも可能であるなど、様々な実施が可能であるのは言うまでもない。
【0070】
本発明の一実施例による点字教育教材の情報部100は、情報の形態が陰刻で形成された陰刻部(図示せず)と、前記陰刻部(図示せず)の形態と対応し、前記陰刻部(図示せず)に嵌合できるように形成された陽刻部(図示せず)と、を含むことを特徴とすることができる。
【0071】
これにより、視覚障害者は一人でも学習情報の形態確認を容易に行うことができる。
【0072】
すなわち、前記陰刻部(図示せず)に触れながら陰刻形態から学習情報を確認する学習を行うことができ、前記陽刻部(図示せず)に触れながら陽刻形態から学習情報を確認する学習を行うことができる。
【0073】
前記陽刻部(図示せず)は、前記陰刻部(図示せず)に嵌合できるように形成されることができるが、締まりばめの形態は、教具の材質特性上、破損のおそれがあるため、磁力を利用して前記陽刻部(図示せず)が前記陰刻部(図示せず)側に付着するようにすることが好ましい。
【0074】
すなわち、前記陽刻部(図示せず)に磁石が備えられるか、或いは磁石で陽刻部(図示せず)を形成するなど、様々な実施が可能である。
【0075】
図2に示すように、本発明の一実施例による点字教育教材の情報部100は、学習に用いられる情報が文字である場合、文字の字画ごとに字画が書かれる方向が表示された字画部110を備えていることを特徴とすることができる。
【0076】
前記字画部110は、文字の字画をどのように書くか、その進行方向を知らせるためのものであり、学習を助けるための教育者が学習者を指導するのに参考にすることができる。
【0077】
このとき、前記字画部110は凹凸形態で表示されていることを特徴とすることができる。
【0078】
これは、文字学習を学習者が一人で行えるように助けるためのものであり、このとき、前記字画部110は、視覚障害者が当該文字をどの方向に触れながら追従すべきかを確認することができるようにガイドする役割を果たすことができる。
【0079】
【0080】
図2において前記字画部110を点線の形態で表示したが、本発明は、これに限定されるものではなく、大なり(>)、三角形(△)、矢印(→)など、様々な実施が可能であるのは言うまでもない。
【0081】
図4に示すように、本発明の一実施例による点字教育教材の情報部100は、学習に使用される情報が文字である場合、文字の字画ごとに字画の始点が表示された開始部120を備えていることを特徴とすることができる。
【0082】
前記開始部120は、文字の字画がどこから始まるべきか、その始点を知らせるためのものであり、学習を助けるための教育者が学習者を指導するのに参考にすることができる。
【0083】
前記開始部120は、数字、文字、図形、イメージなど、多様に表示することができる。
【0084】
図2のように字画110のみ形成されている場合、視覚障害者は、文字の始点と終点を確認するために、その周辺をさらに手指で探らなければならないので、文字の確認に時間がもっとかかる。
【0085】
文字学習を学習者が一人で行えるように助けるために、前記開始部120は凹凸形態で表示されていることを特徴とすることができる。
【0086】
これは、前記開始部120が文字の字画の始点をより速やかに確認させることができるため、文字を確認する時間を短縮させることができる。
【0087】
図4に示すように、本発明の一実施例による点字教育教材の情報部100は、学習に使用される情報が文字である場合、文字の字画ごとに字画の終点が表示された終端部130を備えていることを特徴とすることができる。
【0088】
前記終端部130は、文字の字画がどこで終わるべきか、その終点を知らせるためのものであり、学習を助けるための教育者が学習者を指導するのに参考にすることができる。
【0089】
前記終端部130は、数字、文字、図形、イメージなど、多様に表示することができる。
【0090】
図2のように字画部110のみ形成されている場合、視覚障害者は、文字の始点と終点を確認するために、その周辺をさらに手指で探らなければならないので、文字の確認に時間がもっとかかる。
【0091】
文字学習を学習者が一人で行えるように助けるために、前記終端部130は凹凸形態で表示されていることを特徴とすることができる。
【0092】
これは、前記終端部130は、文字の字画の終点をより速やかに確認させることができるため、文字を確認する時間を短縮させることができる。
【0093】
よって、前記開始部120と終端部130とが一緒に形成されることがより好ましい。
【0094】
図5に示すように、本発明の一実施例による点字教育教材は、点字教育教材が広げられた面のうち、予め設定された領域に、前記開始部120と対応する形態が文字の字画の書き順と同じ順序で表示された書き順案内部400をさらに含むことができる。
【0095】
前記書き順案内部400は、文字の書き順がどうであるかを知らせるためのものであり、学習を助けるための教育者が学習者を指導するのに参考にすることができる。
【0096】
前記書き順案内部400は、視覚障害者にも文字の書き順を学習させるためのものである。
【0097】
すなわち、書き順案内部400に表示された開始部120の個数から画数が何画であるかを確認することができ、前記書き順案内部400によりどんな順番で字画を書くべきかを確認することができる。
【0098】
文字学習を学習者が一人で行えるように助けるために、前記書き順案内部400は凹凸形態で表示されていることを特徴とすることができる。
【0099】
図5では書き順案内部400を左側上部に表示しているが、前記書き順案内部400はどこにでも配置することができるのは言うまでもない。
【0100】
図5及び
図6に示すように、本発明の一実施例による点字教育教材の点字部200は、点字の凸点に該当する点210がどの点210であるかが視覚、触覚、又は視覚及び触覚的に表示されていることを特徴とすることができる。
【0101】
視覚的には枠、周囲の色、点210の色などで表示することができ、触覚的には枠を凹凸形態で表示したり、枠の内側を凹凸形態で表示したりするなど、多様な実施が可能である。
【0102】
これは、視覚障害者だけでなく、一般人も点字の凸点に該当する点210がどの点210であるかを確認することができるようにして、点字を知らない一般人も視覚障害者の点字学習を助けられるようにするためである。
【0103】
すなわち、前記教具部300の付着位置が正確であるかを確認し易くするためである。
【0104】
図1乃至
図3に示すように、本発明の一実施例による点字教育教材の点字部200は、前記情報部100に表示された情報を表現する点字の凸点に該当する点210の位置に、磁石、強磁性体又は常磁性体からなる磁性部220が備えられていることを特徴とすることができる。
【0105】
すなわち、前記点210のうち、前記情報部100に表示された情報を表現する点字の凸点に該当する点210の位置にのみ磁性部が備えられるようにすることができる。
【0106】
これは、後述する教具部300が磁力によってくっ付くことができるようにするためである。
【0107】
【0108】
【0109】
図1及び
図2では、前記点字部200が前記情報部100を基準として右側に備えられていると図示したが、本発明は、これに限定されるものではなく、前記情報部100を基準として左側、上側、下側などに備えられるなど、様々な実施が可能であるのは言うまでもない。
【0110】
前記点字教育教材は、前記情報部100と点字部200からなる一対が広げられた片面(1つのページ)に形成(
図1参照)されることも可能であり、広げられた両面(2つのページ)に形成(
図2参照)されることも可能であり、一枚(前面ページと背面ページ)に形成されることも可能であるなど、多様な実施が可能であるのは言うまでもない。
【0111】
ここで、前記情報部100と点字部200からなる一対は、前記情報部100の学習情報と同じ点字学習ができるように構成された対を意味する(
図1及び
図2参照)。
【0112】
このとき、前記情報部100と点字部200の一対は、点字教育教材が広げられた面のうち、予め設定された学習領域と予め設定された点字領域に備えられることが好ましい。
【0113】
これは、ページをめくることなく、1つの学習が可能だからである。
【0114】
図7に示すように、本発明の一実施例による点字教育教材の点字部200は、磁石、強磁性体又は常磁性体が粉末形態で接着剤と混合され、前記情報部100に表示された情報を表現する点字の凸点に該当する点210の位置に備えられたことを特徴とすることができる。
【0115】
この場合、2枚の紙で、点210が備えられた1つのページを製作することができ、3枚の紙で、点210が備えられた2つのページが1枚のシートとなるように製作することができる。
【0116】
図7の場合、2枚の紙で、点210が備えられた1つのページを製作する例を示している。
【0117】
図7に示すように、本発明の一実施例による点字教育教材の点字部200は、前記点字の凸点に該当する点210の位置にエポキシ材質でコーティング印刷を施したことを特徴とすることができる。
【0118】
エポキシ材質は、本の材質とは異なるため、触覚的に区分することができ、エポキシ材質でコーディング印刷が施された部分とそうでない部分とを視覚的に区分されるようにすることができる。
【0119】
前記点字の凸点に該当する点210をエポキシ材質で表示しようとする場合、ステッカーなどの形態で付着させて使用することもできるが、この場合、長期間使用の際に脱落のおそれがある。
【0120】
そのため、コーティング印刷を行うことがより好ましい。
【0121】
この際、コーティング印刷された結果物が凸凹形態で形成されるようにすることも可能である。
【0122】
本発明の一実施例による点字教育教材は、NFCタグ部(図示せず)及びNFCリーダ部(図示せず)を含むことができる。
【0123】
NFCタグ部(図示せず)は、予め設定されたタグ領域に備えられ、前記学習情報の音声案内に必要な情報を保存する。
【0124】
NFCリーダ部(図示せず)は、前記NFCタグ部(図示せず)を認識すると、当該学習情報を音声で出力する。
【0125】
NFCとは、「Near Field Communication」の略字であって、近距離で無線データをやりとりする通信技術を意味する。
【0126】
前記タグ領域は、教材(冊子)の角部に設定することが好ましい。
【0127】
これは、視覚障害者が教材(冊子)の角部を最も容易に探すことができるからである。
【0128】
前記NFCタグ部(図示せず)は、シートの内部に挿入されるようにすることが好ましい。
【0129】
これは、NFCタグ部(図示せず)が外部の接触などにより脱落することを防止するためである。
【0130】
前記NFCタグ部(図示せず)は、前記NFCリーダ部(図示せず)から認識されるように指定方向の反対側にNFCリーダ部(図示せず)から認識されないように遮蔽膜が形成されていることを特徴とすることができる。
【0131】
これは、本発明の一実施例による点字教育教材が複数枚のシートから構成され、それぞれのシートにNFCタグ部(図示せず)が備えられている場合、当該シートに必要な情報以外のNFCタグ部(図示せず)により誤った情報が出力されないようにするためである。
【0132】
例えば、1つのページのタグ領域にNFCリーダ部(図示せず)を近づけたとき、他のページのNFCタグ部(図示せず)が前記NFCリーダ部(図示せず)に認識されないようにするためである。
【0133】
図8乃至
図12に示すように、本発明の一実施例による点字教育教材の前記点210が備えられたシートは、前記点210がホール形状に形成された表示面1100と、前記磁性部220が固定された裏地面1200と、が順次積層されて形成されたことを特徴とすることができる。
【0134】
このとき、前記磁性部220は、前記裏地面1200に内蔵されてもよく、一部又は全部が外部に露出してもよい。
【0135】
図8では、前記磁性部220が前記裏地面1200に内蔵されて固定された例を示している。
【0136】
図9は裏地面1200の一側にのみ表示面1100が付着した例を示すものであり、
図10は裏地面1200の両側に表示面1100が付着した例を示すものである。
【0137】
図9乃至
図12に示すように、本発明の一実施例による点字教育教材の裏地面1200は、前記磁性部220の上側、下側、又は上側と下側に積層される磁性部カバー面1210を含むことができる。
【0138】
前記磁性部カバー面1210は、
図9乃至
図11に示すように、前記磁性部220の上側と下側に積層でき、
図12に示すように、前記磁性部220の上側又は下側に積層できる。
【0139】
図9、
図10、
図12及び
図13に示すように、本発明の一実施例による点字教育教材の裏地面1200は、前記磁性部220が嵌合されるように嵌合ホール1221が形成された磁性部固定面1220を含むことができる。
【0140】
前記磁性部220は、
図9、
図10及び
図12に示すように、前記磁性部固定面1220に嵌合されるようにすることもでき、
図13に示すように、前記磁性部固定面1220の両側面にリベット結合などで結合されることもできるなど、多様な実施が可能である。
【0141】
前記磁性部固定面1220は、
図9、
図10及び
図12に示すように、前記磁性部カバー面1210と一緒に使用されてもよく、
図13に示すように、前記磁性部カバー面1210を使用しなくてもよい。
【0142】
図14に示すように、本発明の一実施例による点字教育教材の裏地面1200は、磁石、強磁性体又は常磁性体からなる面において、枠、及び前記点字の凸点に該当する点210を残し、点字の非凸点に該当する点210がなくなるようにパンチング加工したことを特徴とする。
【0143】
パンチング加工は、母材にパンチ加工を行って製品を得るための加工であって、母材にパンチを用いて穴を開ける場合、穴を開けてから残った母材が製品となる加工をいい、ブランク加工とは反対の概念である。
【0144】
すなわち、パンチング加工で枠、及び前記点字の凸点に該当する点210を残さなければならないが、残された点210が前記枠と連結されなければならない。
【0145】
【0146】
つまり、点字の凸点に該当する点210は、前記枠と連結されるように一部を残し、周辺をパンチング加工し、点字の非凸点に該当する点210は、当該点210よりも広い領域にパンチング加工を施すことが好ましい。
【0147】
図14では、残された点210が格子形態で前記枠と連結されるように一部残された例を示したが、本発明は、これに限定されるものではなく、残された点210と枠とが連結できれば、多様な実施が可能であるのは言うまでもない。
【0148】
また、
図14においてパンチング加工を施した例を示したが、本発明は、これに限定されるものではなく、前記点字の凸点に該当する点210をブランク加工して使用するなど、多様な実施が可能であるのは言うまでもない。
【0149】
しかも、
図14において前記点字の凸点に該当する点210部分にのみ磁力が作用するようにした例を示したが、本発明は、これに限定されるものではなく、全ての点字の点210に磁力が作用するようにすることも可能であるのは言うまでもない。
【0150】
点字の全ての点210に磁力が作用するようにすることは、教育者が学習を指導することができる状況で学習指導を行えるようにするためのものであり、視覚障害者が答えを知らない状況でも磁力の力で答えを求める場合、一種のカーニングと類似の機能をして学習効果が低下することを防止するためである。
【0151】
すなわち、点字の凸点に該当する点210部分にのみ磁力が作用するようにする実施例は、視覚障害者が一人でも学習可能にする実施例に適し、点字の全ての点210に磁力が作用するようにする実施例は、教育者が視覚障害者の学習を助けるときに使用する実施例に適している。
【0152】
本発明の一実施例による点字教育教材の前記点210が備えられたシートは、前記表示面1100、前記磁性部220、及び磁性遮断面(図示せず)が順次積層されて形成されたことを特徴とすることができる。
【0153】
前記磁性遮断面(図示せず)は、非磁性体又は半磁性体が前記磁性部220の一側面を塞いだ面である。
【0154】
前記磁性遮断面(図示せず)は、いずれかのシートに備えられた磁性部220が、他のシートに作用する磁力を弱くして、他のシートに備えられた磁性部220による学習妨害を遮断するためのものである。
【0155】
前記磁性遮断面(図示せず)は、前記裏地面1200に代えて使用可能であるのはもとより、前記裏地面1200と一緒に使用することも可能である。
【0156】
図15に示すように、本発明の一実施例による点字教育教材を作る点字教育教材の製造方法は、表示面穿孔ステップ(S10)、磁性部固定ステップ(S20)及びシート製作ステップ(S30)を含む。
【0157】
前記表示面穿孔ステップ(S10)では、前記表示面1100に点210を穿孔する。
【0158】
前記表示面穿孔ステップ(S10)では、
図7と同様に、前記表示面1100に点210を穿孔する。ブライユ式点字を使用する場合には、点字1つにつき6つの点210を穿孔する。
【0159】
1つのページに情報部と点字部の両方が備えられた場合、前記点210が穿孔される位置は、前記点字教育教材が折り畳まれたとき、互いに対向する面に形成され、一面の点210と他面の点210とが互いに対応するように形成されることができる。
【0160】
例えば、前記点字教育教材を広げたときに左側面の左下部に点210が形成されると、右側面の右下部に点210が形成されるようにすることができる。
【0161】
これは、前記点字教育教材を広げたときに左側面と右側面を一枚に製作しようとするとき、左側面と右側面を折り畳むと、穿孔されるべき点210の位置が同一であって、一度にパンチング作業を行うことにより、2つのページの点210を全て穿孔することができるようにするためである。
【0162】
磁性部固定ステップ(S20)では、前記裏地面1200に磁性部220の位置を固定させる。
【0163】
前記磁性部固定ステップ(S20)では、
図7~
図14を参照して説明した上記の実施例のように多様な実施が可能であるのは言うまでもない。
【0164】
シート製作ステップ(S30)では、前記表示面1100及び裏地面1200、又は前記表示面1100、裏地面1200及び表示面1100を順次積層して接着させることにより、前記点210が備えられたシートを作る。
【0165】
前記シート製作ステップ(S30)は、
表示面1100の1つのページが片面に備えられた一枚のシートを作る場合、前記表示面1100及び裏地面1200、又は前記裏地面1200及び表示面1100を接着させることにより、前記点210が備えられたシートを作ることができ、
表示面1100の2つのページが両面に備えられた一枚のシートを作る場合、前記表示面1100、裏地面1200及び表示面1100を順次積層して接着させることにより、前記点210が備えられたシートを作ることができる。
【0166】
本発明は、上述した実施例に限定されず、適用範囲が様々であるのはもとより、請求の範囲で請求する本発明の要旨から逸脱することなく、様々な変形実施が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0167】
100 情報部
110 字画部
120 開始部
130 終端部
200 点字部
210 点
220 磁性部
300 教具部
400 書き順案内部
1100 表示面
1200 裏地面
1210 磁性部カバー面
1220 磁性部固定面
1221 嵌合ホール
S10 表示面穿孔ステップ
S20 磁性部固定ステップ
S30 シート製作ステップ