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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】照明装置の光源装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/84 20060101AFI20240830BHJP
   G01N 21/01 20060101ALI20240830BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20240830BHJP
【FI】
G01N21/84 E
G01N21/01 D
F21S2/00 390
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2023084072
(22)【出願日】2023-05-22
(62)【分割の表示】P 2019166888の分割
【原出願日】2019-09-13
(65)【公開番号】P2023113712
(43)【公開日】2023-08-16
【審査請求日】2023-05-22
(73)【特許権者】
【識別番号】506032473
【氏名又は名称】株式会社アイテックシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110001863
【氏名又は名称】弁理士法人アテンダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】海老原 聡
(72)【発明者】
【氏名】栗林 拓
【審査官】井上 徹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0107772(US,A1)
【文献】国際公開第2018/038900(WO,A1)
【文献】特表2015-528988(JP,A)
【文献】特開2019-061082(JP,A)
【文献】国際公開第2014/020895(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/102976(WO,A1)
【文献】特開2020-052236(JP,A)
【文献】特開2015-092280(JP,A)
【文献】国際公開第2012/077192(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/132368(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/075935(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/063322(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00-21/01
G01N 21/17-21/61
G01N 21/84-21/958
F21V 7/00- 9/45
F21V 23/00
F21S 2/00
G02B 6/26- 6/293
G02B 27/00-27/64
G03B 21/00-21/64
G06T 7/00- 7/90
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤色LED、緑色LED及び青色LEDから投射された光を光透過・反射体の入光側の3方向からそれぞれ入光し、該光透過・反射体で透過又は反射した光を出光側から出光する、検査用等の光を生成する照明装置の光源装置であって、
前記光透過・反射体は青色及び赤色の波長領域の光を反射させ、かつ、それ以外の波長領域の光を透過させるダイクロイックミラーで構成するとともに、前記緑色LEDは青色LEDから投射された光を緑色が主波長になるよう励起する蛍光体を施してなり、
前記青色LEDと前記赤色LEDは前記光透過・反射体を間に対向するよう配置する一方、前記緑色LEDは前記光透過・反射体の出光側と対向するよう配置した
ことを特徴とする照明装置の光源装置。
【請求項2】
赤色LED、緑色LED及び青色LEDから投射された光を光透過・反射体の入光側の3方向からそれぞれ入光し、該光透過・反射体で透過又は反射した光を出光側から出光する、検査用等の光を生成する照明装置の光源装置であって、
前記光透過・反射体は青色及び赤色の波長領域の光を反射させ、かつ、それ以外の波長領域の光を透過させる光透過・反射膜を有するダイクロイックプリズムで構成するとともに、前記緑色LEDは青色LEDから投射された光を緑色が主波長になるよう励起する蛍光体を施してなり、
前記青色LEDと前記赤色LEDは前記光透過・反射体を間に対向するよう配置する一方、前記緑色LEDは前記光透過・反射体の出光側と対向するよう配置した
ことを特徴とする照明装置の光源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理用或いは検査用の照明装置に光を供給する光源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像処理用或いは検査用の照明装置として図15に示すものが知られている。この照明装置100はベルトコンベア101に載置された例えば帯状の検査物102を照明するもので、照明装置100から検査用の光を照射し、検査物102に付いた傷や汚れの有無をカメラ103により検出するようになっている。
【0003】
このような照明装置100に使用される光源装置として図16に示すものが用いられている。この光源装置200は赤色の光を発する赤色LED201、青色の光を発する青色LED202及び緑色の光を発する緑色LED203を有し、各LED201,202,203に対して光量を調整する調光回路を備えた基板204,205,206を有している。また、光源装置100はダイクロイッククロスプリズムからなる方形状の光透過・反射体207を有している。この光透過・反射体207の4側面中、3側面と対向する位置には、各LED201,202,203が配置されている。
【0004】
光透過・反射体207は、図17に示すように、三角柱形状の4個のレンズを組み合わせたもので、各レンズの接触面には対角線状に交差するよう延びる2種類の光透過・反射膜207a,207bを有している。ここで、一方の光透過・反射膜207aは赤色以上の波長となっている光を反射しかつそれ以外の波長となっている光を透過し、他方の光透過・反射膜207bは青色以下の波長となっている光を反射しかつそれ以外の波長となっている光を透過する構造となっている。
【0005】
この照明装置100によれば、図17に示すように、赤色LED201から照射された光は一方の光透過・反射膜207aに反射し、青色LED202から照射された光は他方の光透過・反射膜207bに反射し、緑色LED203から照射された光は各光透過・反射膜207a,207bのいずれも透過する。これにより、光透過・反射体207の出光側から赤色、青色及び緑色の光となって出光する。この3色の光は合成され、広帯域光(白色)となって照明装置100に入射される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2017-3360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、ダイクロイッククロスプリズム製の光透過・反射体207は、構造上、三角柱形状の4個のレンズを組み合わせて構成されるため、4個のレンズの角部が集まる部分、すなわち、光透過・反射膜207a,207bの交差部分がコーティング不良を起こしたり、或いは、隙間ができ、各LED201,202,203から照射された光が漏れ、照明装置100の照度が低下するという問題点を有していた。
【0008】
本発明の目的は、検査等に好適な照度の高い光を生成する照明装置の光源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、前記課題を解決するため、赤色LED、緑色LED及び青色LEDから投射された光を光透過・反射体の入光側の3方向からそれぞれ入光し、光透過・反射体で透過又は反射した光を出光側から出光する、検査用等の光を生成する照明装置の光源装置であって、光透過・反射体は青色及び赤色の波長領域の光を反射させ、かつ、それ以外の波長領域の光を透過させるダイクロイックミラーで構成するとともに、緑色LEDは青色LEDから投射された光を緑色が主波長になるよう励起する蛍光体を施してなり、青色LEDと前記赤色LEDは光透過・反射体を間に対向するよう配置する一方、緑色LEDは光透過・反射体の出光側と対向するよう配置した構造となっている。
【0010】
なお、光透過・反射体としてダイクロイックミラーに変えてダイクロイックプリズムを用いても良い(請求項2の発明)。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、光透過・反射体の出光側には緑色が主波長の蛍光及び緑色LEDの光が共に照射されるため、照度が高くなり、検査用等に好適な光を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1前提技術に係る照明装置の光源装置を示す概略構成図
図2】本発明の第1前提技術に係る光透過・反射体及びLEDの配置状態を示す斜視図
図3】本発明の第1前提技術に係る光透過・反射体の透過・反射率の変化を示すグラフ
図4】本発明の第1前提技術に係る光の透過・反射経路を示す構成図
図5】本発明の第2前提技術に係る光透過・反射体及びLEDの配置状態を示す斜視図
図6】本発明の第2前提技術に係る光透過・反射体の透過・反射率の変化を示すグラフ
図7】本発明の第2前提技術に係る光の透過・反射経路を示す構成図
図8】本発明の第3前提技術に係る照明装置の光源装置の概略構成図
図9】本発明の第3前提技術に係る光透過・反射体及びLEDの配置状態を示す斜視図
図10】本発明の第3前提技術に係る光の透過・反射経路を示す構成図
図11】本発明の第4前提技術に係る光透過・反射体及びLEDの配置状態を示す斜視図
図12】本発明の第4前提技術に係る光の透過・反射経路を示す構成図
図13】本発明の第1実施形態に係る光の透過・反射経路を示す構成図
図14】本発明の第2実施形態に係る光の透過・反射経路を示す構成図
図15】照明装置の検査状況を示す概略構成図
図16】従来の照明装置の光源装置を示す概略構成図
図17】従来の光の透過・反射経路を示す構成図
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1乃至図4は本発明に係る照明装置の光源装置の前提となる第1前提技術を示すものである。なお、背景技術の欄で説明した照明装置及び光源装置の構成と同一構成部分は同一符号を用いて説明する。
【0014】
本発明に係る照明装置100は背景技術(図15を参照)と同様であり、画像処理用或いは検査用として使用するもので、例えば帯状の被検査対象物をカメラにより撮影し被検査対象物に付いた傷や汚れを検出するようになっている。
【0015】
照明装置100の光源装置10は、青色の光を発する青色LED11及び緑色の光を発する緑色LED12を有し、各LED11,12に対して光量を調整する調光回路を備えた基板13,14を有している。各LED11,12の間には光透過・反射体15として特定の波長の光を反射しその他の波長の光を透過するダイクロイックミラーが配置されている。このダイクロイックミラーは、例えば誘電体の多層膜より構成される薄膜(図示しない)をコーティングして鏡面形成したものである。
【0016】
各LED11,12は、図2に示すように、一方の壁(左壁)16には青色LED11が前後に複数配置される一方、他方の壁(右壁)17には緑色LED12が同じく前後に複数配置され、各LED11,12は互いに対向するよう設置されている。また、緑色LED12の表面には、図4に示すように、青色の光を受けたとき緑色が主波長となるよう励起する薄膜の蛍光体12aがコーティングされている。
【0017】
光透過・反射体15は、図2に示すように、左右の壁16,17の間に配置されたもので、各LED11,12から投射された光が光透過・反射体15の各面に約45°で入光するよう配置されている。ここで、光透過・反射体15の特性を光透過・反射率をグラフで表すならば図3に示すとおりである。
【0018】
すなわち、透過率或いは反射率が大きく変化しない、400~470nmに対応する第1の波長帯域、500~560nmに対応する第2の波長帯域及び610~700nmに対応する第3の波長帯域を有している。第1の波長帯域にある光は90%以上が透過され、第2の波長帯域にある光は90%以上が反射され、第3の波長帯域にある光は90%以上が透過されようになっている。ここで、青色の光量が高くなる波長は455nm付近であり、第1の波長帯域の範囲内にあるため、青色の光のほとんどが透過される。また、緑色の光量が高くなる波長は510~545nmであり、第2の波長帯域の範囲内にあるため、緑色の光はほとんど反射される。
【0019】
第1前提技術によれば、図4に示すように、青色LEDから投射された青色の光は左側(図4に向かって)の入光側から光透過・反射体15に入る。ここで、青色の光は透過する構造となっているため、光透過・反射体15を通過し緑色LED12に向かって照射される。緑色LED12の蛍光体12aに青色の光が到達すると、青色の光が蛍光体12aにより励起し緑色が主波長となる、例えば緑色の光を発する。この緑色の光は光透過・反射体15に向かって照射される。ここで、光透過・反射体15は緑色の光を反射する構造となっているため、出光側に向かって反射する。
【0020】
一方、緑色LED12から直接に投射された緑色の光は、同じく、光透過・反射体15で反射し、出光側に向かって反射する。
【0021】
以上のように、第1前提技術に係る光源装置10において、青色LED11の光が蛍光体12aで励起して発した緑色の光と、緑色LED12から直接に投射された緑色の光が、光透過・反射体15の出光側に共に緑色の光として照射されるため、照明装置100に供給される光の照度が高くなり、検査用の照明として好適な光を提供することができる。
【0022】
また、ダイクロイックミラーで形成された光透過・反射体15は一枚板であり、従来のダイクロイッククロスプリズムの如く交差する部位がないため、各LED11,12から投射された光が光透過・反射体15の出光側に全て照射され、照明装置100の照度の低下を防止することができる。
【0023】
なお、青色LED11の光路長の伸長により光強度が低下し、また、照明の光の色彩が変化(白色から緑色に変化)するものの、検査速度は照度に依存するため、特に、白黒カメラにより撮影・検査する場合は検査等の阻害要因となることはない。
【0024】
図5乃至図7は本発明に係る照明装置の光源装置の前提となる第2前提技術を示すものである。なお、前記第1前提技術と同一構成部分は同一符号を付しその説明を省略する。
【0025】
前記第1前提技術では光透過・反射体としてダイクロイックミラーを用いた例を示しているが、第2前提技術では光透過・反射体として特定の波長の光を反射しその他の波長の光を透過するダイクロイックプリズムを用いている。
【0026】
この光透過・反射体20は一対の直角三角柱形状のプリズムを組み合わせて全体として四角柱形状となっている。また、各プリズムの境界面には誘電体の多層膜で形成された薄膜状の光透過・反射膜20aが形成されている。
【0027】
また、光透過・反射体20は、図5に示すように、左右の壁16,17の間に配置されたもので、各LED11,12から投射された光が光透過・反射体20の各面に約45°で入光するよう配置されている。ここで、光透過・反射体20の特性について光透過・反射率をグラフで表示するならば図6に示すとおりである。
【0028】
すなわち、透過率或いは反射率が大きく変化しない、波長帯域は410~470nmに対応する第1の波長帯域、500~550nmに対応する第2の波長帯域及び610~640nmに対応する第3の波長帯域を有している。第1の波長帯域にある光は略90%が透過され、第2の波長帯域にある光は略90%が反射され、第3の波長帯域にある光は略90%が透過されようになっている。ここで、青色の光量が高くなる波長は455nm付近であり、第1の波長帯域の範囲内にあるため、青色の光はほとんど透過される。また、緑色の光量が高くなる波長は510~545nmであり、第2の波長帯域の範囲内にあるため、緑色の光はほとんど反射される。
【0029】
第2前提技術によれば、図7に示すように、青色LED11から投射された青色の光は左側(図7に向かって)の入光側から光透過・反射体20に入る。ここで、青色の光は透過する構造となっているため、光透過・反射体20を通過し緑色LED12に向かって照射される。緑色LED12の蛍光体12aに青色の光が到達すると、青色の光が蛍光体12aにより励起し緑色が主波長となる、例えば緑色の光を発する。この緑色の光は光透過・反射体20に向かって照射される。ここで、光透過・反射体20は緑色の光を反射する構造となっているため、出光側に向かって反射する。
【0030】
一方、緑色LED12から直接に投射された緑色の光は、同じく、光透過・反射体20で反射し、出光側に向かって反射する。
【0031】
以上のように、第2前提技術に係る光源装置10においても、青色LED11の光が蛍光体12aで励起して発した緑色の光と、緑色LED12から直接に投射された緑色の光が、光透過・反射体20の出光側に共に緑色の光として照射されるため、照明装置100に供給される光の照度が高くなり、検査用の照明として好適な光を提供することができる。
【0032】
また、ダイクロイックプリズムで形成された光透過・反射膜20aは一面で構成され、従来のダイクロイッククロスプリズムの如く交差する部位がないため、第2前提技術に係る光源装置10においても、各LED11,12から投射された光が光透過・反射体20の出光側に全て照射され、照明装置100の照度の低下を防止することができる。
【0033】
なお、青色LED11の光路長の伸長により光強度が低下し、また、照明の光の色彩が変化(白色から緑色に変化)するものの、検査速度は照度に依存するため、第2前提技術に係る光源装置10においても、白黒カメラにより撮影・検査する場合は検査等の阻害要因となることはない。
【0034】
図8乃至図10は本発明に係る照明装置の光源装置の前提となる第3前提技術を示すものである。なお、前記第1前提技術と同一構成部分は同一符号を付しその説明を省略する。
【0035】
前記第1前提技術では青色LED11及び緑色LED12から投射される光を用いて光透過・反射体から照度の高い光を出光したが、第3前提技術では赤色LED30の光も出光するよう構成されている。
【0036】
すなわち、光源装置10は、図8に示すように、赤色LED30及び赤色LED30に対して光量を調整する調光回路を備えた基板31を有している。また、赤色LED30は、図9に示すように、上壁18に多数並んで配置されており、赤色LED30の光が光透過・反射体15に向かって投射されるようになっている。
【0037】
以上のように構成された第3前提技術に係る光源装置10において、図10に示すように、青色LED11及び緑色LED12から光透過・反射体15に向かって投射された光は、前記第1前提技術と同様の光経路で照射され、光透過・反射体15の出光側に緑色の光が照射される。
【0038】
一方、図10に示すように、赤色LED30から投射された赤色の光において、赤色の光量が高くなる波長が625nm付近であり、第3の波長帯域の範囲内にある(図3参照)。このため、赤色の光のほとんどが光透過・反射体15を透過して出光側に照射される。
【0039】
以上のように、第3前提技術に係る光源装置10において、青色LED11の光が蛍光体12aで励起して発した緑色の光と、緑色LED12から直接に投射された緑色の光が、光透過・反射体15の出光側に共に緑色の光として照射されるとともに、赤色LED30から投射された光が光透過・反射体15の出光側に照射される。
【0040】
第3前提技術によれば、赤色LEDの光も利用しているため、赤色LED30を有する既存の光源装置(背景技術に記載された光源装置)にも容易に転用することができる。なお、その他の構成及び作用は前記第1前提技術と同様であるため、その説明を省略する。
【0041】
図11及び図12は本発明に係る照明装置の光源装置の前提となる第4前提技術を示すものである。なお、前記第2前提技術と同一構成部分は同一符号を付しその説明を省略する。
【0042】
前記第2前提技術ではダイクロイックプリズムで構成された光透過・反射体20を用いて、青色LED11及び緑色LED12から投射される光を共に緑色で照射している。これに対して、第4前提技術では赤色LED30の光も出光するよう構成されている。
【0043】
すなわち、赤色LED30は、図11に示すように、上壁18に多数並んで配置されており、赤色LED30の光が光透過・反射体20に向かって投射されるようになっている。
【0044】
以上のように構成された第4前提技術に係る光源装置10において、図12に示すように、青色LED11及び緑色LED12から光透過・反射体20に向かって投射された光は、前記第2前提技術と同様の光経路で照射され、光透過・反射体20の出光側に緑色の光が照射される。
【0045】
一方、図12に示すように、赤色LED30から投射された赤色の光において、赤色の光量が高くなる波長が625nm付近であり、第3の波長帯域の範囲内にある(図6参照)。このため、赤色の光のほとんどが光透過・反射体20を透過して出光側に照射される。
【0046】
以上のように、第4前提技術に係る光源装置10において、青色LED11の光が蛍光体12aで励起して発した緑色の光と、緑色LED12から直接に投射された緑色の光が、光透過・反射体20の出光側に共に緑色の光として照射されるとともに、赤色LED30から投射された光が光透過・反射体20の出光側に照射される。
【0047】
第4前提技術によれば、赤色LED30の光も利用しているため、赤色LED30を有する既存の光源装置(背景技術に記載された光源装置)にも容易に転用することができる。なお、その他の構成及び作用は前記第2前提技術と同様であるため、その説明を省略する。
【0048】
図13は本発明に係る照明装置の光源装置の第1実施形態を示すものである。なお、前記第3前提技術と同一構成部分は同一符号を付しその説明を省略する。
【0049】
第1実施形態と第3前提技術は以下の点で共通する。すなわち、光源として、青色LED11、緑色LED12及び赤色LED30の三者を用いる点、また、光透過・反射体40としてダイクロイックミラーを用いる点において共通する。
【0050】
一方、第1実施形態と第3前提技術は次の点で相違する構成となっている。まず、各LED11,12,30の配置構造が異なっている。すなわち、青色LED11と赤色LED30が互いに対向配置し、緑色LED12は出光側と対向配置している。続いて、光透過・反射体40の光透過・反射特性が異なっている。すなわち、光透過・反射体40は青色及び赤色の光を反射する一方、緑色の光を透過する構成なっている。
【0051】
本実施形態によれば、青色LED11から投射された青色の光は入光側から光透過・反射体40に入る。ここで、青色の光は反射する構造となっているため、光透過・反射体40で反射し緑色LED12に向かって照射される。緑色LED12の蛍光体12aに青色の光が到達することにより、青色の光が蛍光体12aにより励起し緑色の光を発する。この緑色の光は光透過・反射体40に向かって照射される。ここで、光透過・反射体40は緑色の光を透過する構造となっているため、出光側に向かって透過する。
【0052】
また、緑色LED12から直接に投射された緑色の光は、同じく、光透過・反射体40を透過し、出光側に向かって照射される。
【0053】
更に、赤色LED30から投射された赤色の光は光透過・反射体40で反射し、出光側に向かって照射される。
【0054】
以上のように、本実施形態に係る光源装置10は、前記第3前提技術と同様に、青色LED11の光が励起して緑色の光と、緑色LED12から直接に投射された緑色の光が、光透過・反射体40の出光側に共に緑色の光として照射されるとともに、赤色LED30から投射された光が光透過・反射体40の出光側に照射される。
【0055】
したがって、本実施形態においても第3前提技術と同様の作用・効果を発揮することできる。
【0056】
図14は本発明に係る照明装置の光源装置の第2実施形態を示すものである。なお、前記第4前提技術と同一構成部分は同一符号を付しその説明を省略する。
【0057】
第2実施形態と第4前提技術の以下の点で共通する。すなわち、光源として、青色LED11、緑色LED12及び赤色LED30の三者を用いる点、また、光透過・反射体50としてダイクロイックプリズムを用いる点において共通する。
【0058】
一方、第2実施形態と第4前提技術は次の点で相違する構成となっている。まず、各LED11,12,30の配置構造が異なっている。すなわち、青色LED11と赤色LED30が互いに対向配置し、緑色LED12は出光側と対向配置している。続いて、光透過・反射体50の光透過・反射特性が異なっている。すなわち、光透過・反射体50にコーティングされた光透過・反射膜50aは、青色の光を反射しそれ以外の光を透過する部材及び赤色の光を反射しそれ以外の光を透過する部材の2種類をコーティングしてなり、この結果、青色及び赤色の光を反射する一方、緑色の光を透過する構成となっている。
【0059】
本実施形態によれば、青色LED11から投射された青色の光は入光側から光透過・反射体50に入る。ここで、青色の光は反射する構造となっているため、光透過・反射体50で反射し緑色LED12に向かって照射される。緑色LED12の蛍光体12aに青色の光が到達することにより、青色の光が蛍光体12aにより励起し緑色の光を発する。この緑色の光は光透過・反射体50に向かって照射される。ここで、光透過・反射体50は緑色の光を透過する構造となっているため、そのまま出光側に向かって透過する。
【0060】
また、緑色LED12から直接に投射された緑色の光は、同じく、光透過・反射体50を透過し、出光側に向かって照射される。
【0061】
更に、赤色LED30から投射された赤色の光は光透過・反射体50で反射し、出光側に向かって照射される。
【0062】
以上のように、本実施形態に係る光源装置10は、前記第4前提技術と同様に、青色LED11の光が励起して発した緑色の光と、緑色LED12から直接に投射された緑色の光が、光透過・反射体50の出光側に共に緑色の光として照射されるとともに、赤色LED30から投射された光が光透過・反射体50の出光側に照射される。
【0063】
したがって、本実施形態においても第4前提技術と同様の作用・効果を発揮することできる。
【0064】
なお、本発明に係る光源装置10において、蛍光体12aは青色LED11から照射された光を緑色が主波長となるよう励起するよう構成しており、蛍光体12aにより緑色に発光する例(第1実施形態及び至第2実施形態)を掲げて説明したが、同じく緑色が主波長とした光において白色に発光するよう構成することも可能である。
【0065】
ここで、蛍光体12aで白色が発光するよう構成するとき、蛍光体12aで発光した白色の光が光透過・反射体15,20,40,50を透過或いは反射して出光側に照射される一方、緑色LED12から直接に緑色の光が光透過・反射体15,20,40,50を透過或いは反射して出光側に照射される(図示しない)。これにより、光透過・反射体15,20,40,50の出光側に白色の光と緑色の光が照射され、照明装置100に供給される光の照度が高くなり、検査用の照明として好適な光を提供することができる。
【符号の説明】
【0066】
10…光源装置、11…青色LED、12…緑色LED、12a…蛍光体,15,20,40,50…光透過・反射体、30…赤色LED。
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