IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 青島極致創新科技有限公司の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】アンロード弁及び複合弁式緩衝シリンダ
(51)【国際特許分類】
   F15B 15/22 20060101AFI20240830BHJP
【FI】
F15B15/22 F
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023502731
(86)(22)【出願日】2021-08-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-08
(86)【国際出願番号】 CN2021111710
(87)【国際公開番号】W WO2022095530
(87)【国際公開日】2022-05-12
【審査請求日】2023-01-13
(31)【優先権主張番号】202022516668.5
(32)【優先日】2020-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202011215331.9
(32)【優先日】2020-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521047144
【氏名又は名称】青島極致創新科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO ACME INNOVATION TECHNOLOGY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】朱 徳▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】栄 暁▲ユー▼
【審査官】高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03845694(US,A)
【文献】特開平08-128405(JP,A)
【文献】特開平01-131304(JP,A)
【文献】実開平04-031303(JP,U)
【文献】米国特許第10738802(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 15/14
F15B 15/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁体と、スプール(10)と、復帰ばね(16)とを含み、前記弁体には弁孔(12)があるアンロード弁であって、前記スプール(10)は前記孔(12)内に嵌合して取り付けられ、前記弁孔(12)の両端には前記スプール(10)の駆動室(11)及び前記スプール(10)のばね室(14)がそれぞれ形成され、前記復帰ばね(16)は前記ばね室(14)内に設置され、一端が前記ばね室(14)の底部に圧縮して押し付けられ、他端が前記スプール(10)の一端に圧縮して押し付けられ、前記復帰ばね(16)の推力の作用下で、前記スプール(10)の他端は前記駆動室(11)の底部に押し付けられ、前記スプール(10)にはアンロード溝(13)が設置され、前記弁体には前記アンロード溝(13)を介して連通可能な油路I(24)及び油路II(25)が設置され、前記弁体には前記駆動室(11)と連通する油路III(26)が設置され、前記油路II(25)前記ばね室(14)と連通し、非アンロード状態では、前記アンロード溝(13)は前記油路I(24)と連通し、前記油路II(25)前記ばね室(14)及び前記駆動室(11)と連通せず、
逆止弁をさらに含み、前記逆止弁は前記スプール(10)に設置され、前記逆止弁は、逆止弁スプール(21)及び逆止弁ばね(22)を含み、前記アンロード弁の減衰孔(15)は前記逆止弁スプール(21)に設置され、前記スプール(10)には中心油路が設置され、前記逆止弁スプール(21)は前記スプール(10)の中心油路の開口部に取り付けられ、前記逆止弁ばね(22)は前記駆動室(11)の底部に圧縮して取り付けられ、常態では、前記逆止弁スプール(21)は前記逆止弁ばね(22)の推力の作用下で前記中心油路の開口部に押し付けられ、逆止弁口(20)は閉状態にあることを特徴とするアンロード弁。
【請求項2】
前記弁体には前記ばね室(14)と連通する油路IV(27)がさらに設置される、ことを特徴とする請求項1に記載のアンロード弁。
【請求項3】
前記駆動室(11)と前記ばね室(14)は前記減衰孔(15)を介して連通することを特徴とする請求項1に記載のアンロード弁。
【請求項4】
前記アンロード溝(13)は、前記スプール(10)の表面を取り囲む環状溝及び/又はスプールの表面に沿って凹んだ軸方向切り込みを含み、前記軸方向切り込みは、前記スプール(10)の円周方向に沿って配置されることを特徴とする請求項3に記載のアンロード弁。
【請求項5】
前記アンロード弁は、シリンダのガイドスリーブに一体的に集積されるか又はシリンダのシリンダボトムに一体的に集積されることを特徴とする請求項3に記載のアンロード弁。
【請求項6】
前記アンロード弁は、ガイドスリーブ、シリンダボトム又は油路に組み立てられることを特徴とする請求項3に記載のアンロード弁。
【請求項7】
記アンロード弁(23)は弁スリーブ(23)をさらに含み、前記スプール(10)は前記弁スリーブ(23)内に嵌合され、前記弁スリーブ(23)を介して弁体内に挿着して位置決めされ、前記弁スリーブ(23)には油路V(28)が設置され、前記油路V(28)は前記アンロード溝(13)と嵌合してアンロード弁のアンロード機能を実現することに用いられることを特徴とする請求項に記載のアンロード弁。
【請求項8】
緩衝シリンダはガイドスリーブ(1)を含み、前記ガイドスリーブ(1)はピストンロッド(6)に滑り嵌めされ、ピストン(5)は前記ピストンロッド(6)に固定して接続され、前記ピストン(5)はシリンダブロックの内部空洞を2つのシリンダチャンバ(8)に分割する複合弁式緩衝シリンダであって、前記緩衝シリンダは複合弁をさらに含み、前記複合弁はペアで使用される1組の絞り弁及び1組の請求項1~4のいずれか1項に記載のアンロード弁を含み、前記絞り弁は緩衝プラグ(4)及び緩衝室(9)を含み、前記緩衝プラグ(4)は前記ピストンロッド(6)に設置され、前記緩衝室(9)は前記シリンダブロックの端部に設置され、前記緩衝室(9)はさらに前記シリンダブロック端の前記シリンダチャンバ(8)の給排油通路として前記アンロード弁の前記ばね室(14)と連通し、前記ばね室(14)は前記油路II(25)を介してシステムの油路と連通し、前記アンロード弁の前記駆動室(11)は前記油路III(26)を介して前記シリンダブロックの緩衝室端の前記シリンダチャンバ(8)と連通し、前記アンロード弁の前記アンロード溝(13)は前記油路I(24)を介してシリンダの他方の前記シリンダチャンバ(8)と常時連通することを特徴とする複合弁式緩衝シリンダ。
【請求項9】
前記ばね室(14)はさらに油路IV(27)を介して前記シリンダブロックの緩衝室端の前記シリンダチャンバ(8)と連通することを特徴とする請求項に記載の複合弁式緩衝シリンダ。
【請求項10】
シリンダの両端の緩衝をそれぞれ制御する嵌合して使用される2組の複合弁を含むことを特徴とする請求項に記載の複合弁式緩衝シリンダ。
【請求項11】
前記2組の複合弁の2組のアンロード弁は一体に集積され、各組の前記アンロード弁の前記スプール(10)の前記ばね室(14)は、それぞれ、他方の組の前記アンロード弁の前記アンロード溝(13)と連通することを特徴とする請求項10に記載の複合弁式緩衝シリンダ。
【請求項12】
前記緩衝プラグ(4)には絞り溝(4-1)が開けられ、絞り溝(4-1)は前記スプール(10)の表面に沿って斜めに切り出された平面溝であるか又は縦方向に切り出された縦方向凹溝であることを特徴とする請求項に記載の複合弁式緩衝シリンダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧シリンダ及び油圧弁の分野に関し、具体的にはアンロード弁及び複合弁式緩衝シリンダに関する。
【背景技術】
【0002】
作業機械シリンダは一般的にいずれも中高圧重負荷シリンダであり、作動圧力が大きく、シリンダの往復移動部材の慣性も大きいため、シリンダピストンが頻繁に往復移動するストロークの終点には大きな機械的衝突衝撃が存在することが多く、故障を発生させるとともに、大きな油圧衝撃をもたらして、油圧システムの故障を引き起こしてしまう。現在解決する方法は一般的にシリンダに緩衝機構を増設することであり、すなわち、シリンダストロークの終点位置に緩衝室を設置し、ピストンロッドに緩衝プラグを設置し、シリンダピストンがストロークの終点に近づくと、緩衝プラグが緩衝室に入って油戻し口を塞いで絞り作用を形成し、シリンダの油戻しチャンバの圧力を強制的に上昇させ、油戻し背圧を用いてピストンの移動速度を阻止しかつ低下させ、ピストンストロークの終点での機械的衝突を低減させ、シリンダの緩衝目的を達成する(特許201020114293.3、201410332785.2、201410560827.8を参照)。
【0003】
上記技術はシリンダピストンの機械的衝突強度をある程度で低下させ、一定の緩衝作用を果たすが、緩衝過程でシリンダの給油室の圧力をアンロードしないため、シリンダが油戻し室の絞りによりピストンの移動を阻止するとともに、ピストンの他端の給油室が依然として連続的に作動してピストンに動力を提供し、システム圧力も緩衝圧力の急激な上昇に伴って上昇してシステムの圧力衝撃を形成し、給油室の不要な電力消費及びエネルギー浪費をもたらし、システム発熱を増加させ、緩衝効果を低下させるという欠陥が依然として存在する。
【0004】
特許CN201610419750.1、CN202010751295.1及びCN202021559346.2は、緩衝弁を設置してシリンダの油戻し室の絞り及び給油室のアンロードを制御し、従来技術の上記課題を効果的に解決するが、その絞り制御は主に緩衝弁のスプールによって完了され、個別に設置された信号器によってシリンダチャンバから少量の油を出力信号油として個別に分離してスプールの移動を制御し、緩衝弁の絞り口及びアンロード口の大きさを動的に調整するが、信号油の量が少なく、信号油の流量及び圧力に影響する要素が多くかつ比較的敏感であるため、比較的理想的な状態に制御することは困難であり、大きな圧力振動の変動が発生しやすく、スプールの上下動を引き起こし、絞り口の安定性が悪くなり、緩衝弁の絞り口及びアンロード口の変動がスプールを制御する信号油に反作用して緩衝弁の安定性能にさらに影響して、絞り口の調整品質に影響する。また、弁の耐干渉性を向上させる必要があるため、シリンダが正常に作動する過程では、圧力変動に起因するスプールの非正常な動きが所定の振幅を超えて油戻し絞りを引き起こすと、該絞りにより発生した圧力差はさらにスプールを望ましくない方向に向かって継続的に移動させるため、緩衝弁の誤動作が発生し、シリンダの正常な使用に影響する。以上より、ばね剛性、緩衝弁の絞り口、アンロード口、減衰孔、信号室の断面積などはいずれも緩衝弁の動的特性及び安定性に影響する要素であり、合理的に整合する難易度が大きく、スプール調整のオーバーシュート量も制御しにくいため、緩衝弁の調整制御が非常に複雑になり、緩衝品質及び安定性には依然として改善の余地がある。また、スプールの直径が主油路の流量に影響して小径設計を用いることができないため、スプールの直径及び弁の構造がいずれも大きく、構造が複雑で、配置が困難で、コストも高く、早急に改善する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、従来技術に存在する課題を解決するためのアンロード弁及び複合弁式緩衝シリンダを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を実現するために、本発明は以下の技術的解決手段を用いる。
【0007】
アンロード弁は、弁体と、スプールと、復帰ばねとを含み、弁体には弁孔があり、スプールは弁孔内に嵌合して取り付けられ、弁孔の両端にはスプールの駆動室及びスプールのばね室がそれぞれ形成され、復帰ばねはばね室内に設置され、一端がばね室の底部に圧縮して押し付けられ、他端がスプールの一端に圧縮して押し付けられ、復帰ばねの推力の作用下で、スプールの他端は駆動室の底部に押し付けられ、前記スプールにはアンロード溝が設置され、前記弁体にはアンロード溝を介して連通可能な油路I及び油路IIが設置され、前記弁体には駆動室と連通する油路IIIが設置され、前記油路IIはばね室と連通し、非アンロード状態では、前記アンロード溝は油路Iと連通し、油路II、ばね室及び駆動室(11)と連通しない。
【0008】
さらに、前記弁体にはばね室と連通する油路IVがさらに設置される。
【0009】
さらに、減衰孔をさらに含み、前記減衰孔はスプール、ガイドスリーブ、シリンダボトム又は油路内に設置され、駆動室とばね室は減衰孔を介して連通する。
【0010】
さらに、アンロード溝はスプールの表面を取り囲む環状溝及び/又はスプールの表面に沿って凹んだ軸方向切り込みを含み、前記軸方向切り込みはスプールの円周方向に沿って配置される。
【0011】
さらに、前記アンロード弁はシリンダのガイドスリーブに一体的に集積されるか又はシリンダのシリンダボトムに一体的に集積される。
【0012】
さらに、前記アンロード弁はガイドスリーブ、シリンダボトム又は油路に組み立てられる。
【0013】
さらに、前記アンロード弁はプラグ弁である。
【0014】
さらに、前記アンロード弁は弁スリーブをさらに含み、スプールは弁スリーブ内に嵌合され、弁スリーブを介して弁体内に挿着して位置決めされ、前記弁スリーブには油路Vが設置され、前記油路Vはアンロード溝と嵌合してアンロード弁のアンロード機能を実現することに用いられる。
【0015】
複合弁式緩衝シリンダでは、前記緩衝シリンダはガイドスリーブを含み、前記ガイドスリーブはピストンロッドに滑り嵌めされ、ピストンはピストンロッドに固定して接続され、ピストンはシリンダブロックの内部空洞を2つのシリンダチャンバに分割し、前記緩衝シリンダは複合弁をさらに含み、前記複合弁はペアで使用される1組の絞り弁及び1組の上記アンロード弁を含み、前記絞り弁は緩衝プラグ及び緩衝室を含み、緩衝プラグはピストンロッドに設置され、緩衝室はシリンダブロックの端部に設置され、緩衝室はさらに該シリンダブロック端のシリンダチャンバの給排油通路としてアンロード弁のばね室と連通し、ばね室は油路IIを介してシステムの油路と連通し、アンロード弁の駆動室は油路IIIを介してシリンダブロックの緩衝室端のシリンダチャンバと連通し、アンロード弁のアンロード溝は油路Iを介してシリンダの他方のシリンダチャンバと常時連通する。
【0016】
さらに、前記ばね室はさらに油路IVを介してシリンダブロックの緩衝室端のシリンダチャンバと連通する。
【0017】
さらに、シリンダの両端の緩衝をそれぞれ制御する嵌合して使用される2組の複合弁を含む。
【0018】
さらに、前記2組の複合弁の2組のアンロード弁はそれぞれ個別に設置される。
【0019】
さらに、前記2組の複合弁の2組のアンロード弁は一体に集積され、各組のアンロード弁のスプールのばね室はそれぞれ他方の組のアンロード弁のアンロード溝と連通する。
【0020】
さらに、逆止弁をさらに含む。
【0021】
さらに、前記逆止弁は前記絞り弁に設置され、前記逆止弁は、緩衝プラグの内孔とピストンロッドの嵌合表面との間に形成された油充填隙間、緩衝プラグのピストンに向かう端の端面に設置された端面油溝、及び、緩衝プラグ及びピストンロッド上に対応して設置された互いに嵌合するショルダ面で構成された逆止弁口を含む。
【0022】
さらに、前記逆止弁は前記スプールに設置され、前記逆止弁は、逆止弁スプール及び逆止弁ばね(22)を含み、アンロード弁の減衰孔は逆止弁スプールに設置され、スプールには中心油路が設置され、逆止弁スプールはスプールの中心油路の開口部に取り付けられ、逆止弁ばねは駆動室の底部に圧縮して取り付けられ、常態では、逆止弁スプールは逆止弁ばねの推力の作用下で中心油路の開口部に押し付けられ、逆止弁口は閉状態にある。
【0023】
さらに、緩衝プラグには絞り溝が開けられ、絞り溝はスプールの表面に沿って斜めに切り出された平面溝であるか又は縦方向に切り出された縦方向凹溝である。
【発明の効果】
【0024】
本発明は以下の有益な効果を有する。
【0025】
(1)アンロード弁はシリンダの給油室をアンロードし、給油室の圧力を低下させ、ピストンの動力を低下させ、システムの不要な動力消費及びシステム発熱を効果的に回避し、システムの圧力衝撃を低減させ、油圧システムを保護し、シリンダの緩衝効果を向上させる。
【0026】
(2)複合弁は絞り機能とアンロード機能を別々に設定し、絞り弁を介してアンロード弁を制御し、絞り弁は緩衝過程でシリンダの油戻し室の絞りを行うとともに絞り圧力差を用いてアンロード弁を制御する役割を果たす。
【0027】
(3)該油圧緩衝シリンダは従来の油圧シリンダに比べて、給油室のアンロード機能を増加させるため、緩衝効果がより顕著になり、すなわち緩衝圧力を低下させるとともに、システムが緩衝段階でアンロード状態にあり、システムのエネルギー損失及びシステム発熱を低減させ、緩衝に起因するシステムの圧力衝撃を回避し、システムの信頼性を向上させる。
【0028】
(4)同様にアンロード機能を有する特許CN201610419750.1、CN202010751295.1及びCN202021559346.2に比べて、本発明は、上記特許の緩衝装置を絞り弁とアンロード弁が分業協力する複合弁の形式に変更し、緩衝制御がより安定し、簡単になり、緩衝品質をさらに向上させ、構造が簡素化され、アンロード弁のスプールに大きな通油量を必要としないため、小型スプールの構造設計を実現でき、体積を小さくし、制御要求も低減させ、制御が簡単で、弁の性能も向上させ、信頼性が高く、弁の漏れ量も小さくなる。本発明は、上記特許の信号室の機能を絞り機能に変更し、信号室を緩衝室に変更し、同時にシリンダチャンバの作動油の給排口通路とし、信号プラグを緩衝プラグに変更し、緩衝プラグと緩衝室との嵌合によって絞り調整を実現し、信号油でスプールの移動を制御して絞り口を調整する従来の方式を変更し、それによりスプールの動きに起因する緩衝圧力の大きな変動を回避し、また、スプールの制御油路及び制御方式を変更し、油戻し室の圧力油及び緩衝圧力を直接用いてスプールの移動を制御し、従って制御用の信号油の発生方式、油量の発生源、油量の大きさ、制御感度及び制御要求はいずれも変化し、制御品質を向上させ、従来の技術ではシリンダの正常な作動中に発生する可能性がある緩衝弁のスプールの誤動作の現象を解消し、シリンダの給油室の圧力油をスプールのアンロード溝を介して高速にアンロードさせ、シリンダの給油室のアンロード緩衝の目的を実現することができる。
【0029】
(5)本発明は、上記特許のそれぞれの利点を総合的に利用するとともに、構造の改善により従来技術の欠陥を解消し、それにより構造性能により優れ、緩衝品質をさらに向上させるとともに、従来の緩衝弁の性能整合及び取り付けデバッグの難易度を低下させ、加工プロセスがより簡単になり、製造の難易度を低下させ、製品の信頼性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の実施例1に係る構造原理模式図であり、アンロード弁がガイドスリーブの内部に設置され、図中のピストンがシリンダボトム端からガイドスリーブ端に向かって移動する。
図2図1のA箇所の拡大図である。
図3】実施例1におけるピストンがストロークの終点位置に近づくまで移動するときにシリンダが緩衝を開始する構造原理模式図である。
図4図3のB箇所の拡大図である。
図5】実施例2の構造原理模式図1であり、アンロード弁がシリンダボトムに設置される。
図6】実施例2の構造原理模式図2であり、アンロード弁がシリンダボトムに設置される。
図7】実施例3の構造原理模式図であり、ガイドスリーブ及びシリンダボトム内にいずれもアンロード弁が設置される。
図8】実施例4における円形スリーブ状の緩衝プラグの構造模式図1である。
図9】実施例4における円筒状の緩衝プラグの構造模式図2である。
図10図3のシリンダの緩衝が終了した後、ピストンが逆方向に移動するとき、作動油が逆止弁を通って対応するシリンダチャンバに高速に充填される構造模式図である。
図11図10のC箇所の拡大図であり、実施例4における逆止弁の設置形態である。
図12図10のC箇所の拡大図であり、実施例5における逆止弁の設置形態である。
図13】アンロード溝の設置形態1である。
図14】アンロード溝の設置形態2である。
図15】アンロード溝の設置形態3である。
図16】実施例6のアンロード弁がシリンダブロックの外部に組み立てられる構造模式図である。
図17】本発明の動作原理模式図であり、一方向緩衝シリンダの構造概略を示す。
図18】本発明の動作原理模式図1であり、双方向緩衝シリンダの構造概略を示す。
図19図18のガイドスリーブ端が緩衝されるときのスプールの動作原理模式図である。
図20図18のシリンダボトム端が緩衝されるときのスプールの動作原理模式図である。
図21】実施例10の構造模式図1である。
図22】実施例10の構造模式図2である。
図23】実施例11の構造模式図1である。
図24】実施例11の構造模式図2である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【0032】
実施例1
スプールが復帰ばねの推力の作用下で駆動室の底部位置に維持されるとき、アンロード弁のアンロード溝は弁孔によって完全に密閉される状態にあり、それによりアンロード溝とアンロード弁の他のチャンバとの接続を切断し、シリンダボトムの一端のシリンダチャンバの非緩衝作動状態での正常な給排油がアンロード弁によって影響されないことを確保し、シリンダの正常な作動状態を維持する。
【0033】
複合弁は絞り弁及びアンロード弁を含み、絞り弁は緩衝プラグ及び緩衝室を含み、緩衝プラグはピストンロッドに設置され、緩衝室はガイドスリーブに設置され、緩衝室は同時に対応するシリンダチャンバの作動油の給排通路としてアンロード弁のばね室と連通し、ばね室はさらに油路IIを介してシステムの油路と連通し、これに対応して、アンロード弁の駆動室は対応するシリンダチャンバと連通し、アンロード弁のアンロード溝はシリンダの他方のシリンダチャンバと常時連通する。
【0034】
複合弁式緩衝シリンダは、ガイドスリーブの一端のシリンダチャンバにのみ複合弁を設置し、複合弁は絞り弁及びアンロード弁を含み、絞り弁はシリンダのガイドスリーブの一端のシリンダチャンバ内に設置され、アンロード弁はガイドスリーブに集積される。絞り弁の緩衝プラグ4はピストンロッドに設置され、緩衝室はガイドスリーブに設置され、シリンダのガイドスリーブの一端での緩衝を実現することができる。シリンダの主な部材は、シリンダブロック、ピストン5及びピストンロッド6を含み、シリンダブロックは、ガイドスリーブ1、シリンダヘッドフランジ2、シリンダボトム7及びシリンダチューブ3を含む。シリンダヘッドフランジ及びシリンダボトムは、それぞれ、シリンダチューブの両端に固定して接続される。ガイドスリーブはシリンダヘッドフランジに固定され、ピストンはピストンロッドに固定して接続され、シリンダチューブ内に滑り嵌めされる。ガイドスリーブは、ピストンロッドに滑り嵌めされてピストンをシリンダブロック内に制限する。ピストンは、シリンダブロックの内部空洞を2つのシリンダチャンバに分割し、一方がガイドスリーブ端に位置し、他方がシリンダボトム端に位置し、それぞれシリンダの給油室及び油戻し室とされる。
【0035】
スプールが復帰ばねの作用下で対応する弁孔の駆動室の底部に維持されるとき、該スプールのアンロード溝は弁孔によって密閉される状態にある。緩衝プラグがピストンに伴って油戻し室の底部に移動すると、緩衝プラグは対応する緩衝室内に入り、油戻し室の油戻し通路を塞ぐことにより絞り口17を形成し、油戻し室内の作動油が絞り口及びアンロード弁の減衰孔から油タンクに強制的に流され、油戻し室の圧力を上昇させ、ピストンの移動を阻止し、油戻し室の絞り背圧の緩衝目的を実現する。このとき、油戻し室と連通するアンロード弁のスプールの駆動室の圧力は、油戻し室の圧力の上昇に伴って上昇し、このときのアンロード弁のスプールの他端のばね室は低圧油戻し状態にあり、それによりアンロード弁のスプールの両端の駆動室とばね室との間に圧力差が発生し、スプールが復帰ばねの抵抗に抗して低圧状態のばね室に向かって移動するように駆動し、スプールのアンロード溝とばね室とを連通させ、給油室の高圧油が該アンロード溝及びばね室を通って油を戻してアンロードするようにし、給油室のアンロード緩衝の目的を実現する。
【0036】
複合弁式緩衝シリンダの作用原理としては、図1に示すように、シリンダボトムの一側のシリンダチャンバが給油室として高圧油を導入すると、ピストンは高圧油の推進下で緩衝プラグをガイドスリーブの一端に向かって移動させるとともに(図1の矢印で示される)、ガイドスリーブの一端のシリンダチャンバは油戻し室として油戻しを行い、その室内の油を油タンクに低圧で流す(図2に示される)。さらに、緩衝プラグがピストンに伴ってストロークの終点に近づくまで移動すると(図3に示される)、緩衝プラグは緩衝室内に入り始めて絞り口17を形成し(図4に示される)、油戻し室の油戻し通路を塞ぎ、油戻し室内の作動油を絞り口及びアンロード弁の減衰孔から油タンクに強制的に流す。それにより油戻し室の圧力を上昇させ、油戻し背圧を発生させてピストンの移動を阻止し、ピストンの移動速度を低下させ、油戻し室の絞り背圧の緩衝機能を実現する。それと同時に、油戻し室と連通するスプールの駆動室の一端の圧力は油戻し室の圧力の上昇に伴って上昇するが、スプールの他端のばね室は油タンクと連通するため低圧油戻し状態にあり、それによりスプールの駆動室の一端の圧力をスプールのばね室の一端の圧力よりも高くさせ、さらにスプールが復帰ばねの抵抗に抗して低圧状態のばね室の一端に向かって摺動するように駆動し、スプールのアンロード溝をスプールのばね室に向かって徐々に移動させて連通させる。それによりこのとき高圧給油状態のシリンダの給油室(すなわちシリンダボトムの一端のシリンダチャンバ)の圧力油をスプールのアンロード溝とスプールのばね室との連通によりアンロードさせ(図4に示される)、さらに給油室の圧力を低下させ、給油室のピストンに対する推力を低減させ、ピストンの移動速度を低下させ、それにより油戻し室の絞り背圧と給油室の高圧アンロードの同時追加の二重作用によりシリンダの効果的な緩衝を実現するという本発明の目的を達成することができる。さらに、ピストンがストロークの終点に移動して移動を停止するとき、緩衝が終了し、スプールの駆動室の一端の高圧駆動力が失って、スプールが復帰ばねの推力の作用下で駆動室の底部位置に再復帰され、スプールのアンロード溝が弁孔によって閉塞され(図2に示される)、アンロード通路が閉じられ、シリンダが正常な作動状態に戻る。
【0037】
実施例2
図5図6に示すように、複合弁式緩衝シリンダは、シリンダボトムの一端のシリンダチャンバにのみ複合弁を設置し、複合弁はシリンダボトムに集積され、シリンダのシリンダボトムの一端での緩衝を実現することができる。図5図6と構造が同様であり、アンロード弁が設置される位置のみが異なる。実施例1に比べて、主な相違点としては、アンロード弁の弁孔及び絞り弁の緩衝室はいずれもシリンダボトムに設置され、絞り弁の緩衝プラグはピストンロッド底部の中心位置に設置され、その作用原理は実施例1と同様であり、ここで詳細な説明を省略する。
【0038】
実施例3
図7に示すように、複合弁式緩衝シリンダは、シリンダの両端にいずれも複合弁が設置され、シリンダの任意の一端でのピストンがシリンダストロークの終点に近づくときの緩衝を実現することができる。本実施例は実施例1と実施例2の複合構造であり、シリンダの双方向緩衝機能を実現することができる。シリンダの作動過程では、ピストンがシリンダの特定の一端のストロークの終点に近づくと、該端に設置された複合弁のみが起動されて緩衝機能を発揮し、その作用原理は上記と同様であり、ここで詳細な説明を省略する。
【0039】
実施例4
図8図9に示すように、緩衝プラグの構造は必要に応じて異なる構造形式に設定されてもよく、図8では円形スリーブ状の構造概略が示され、図9では円筒状の構造概略が示され、絞り溝の形状は必要に応じて異なる構造に設定されてもよく、図8及び図9に示される絞り溝4-1は、緩衝プラグの表面に斜めに切り出された平面溝構造であってもよく、緩衝プラグの表面に縦方向に切り出された三角形溝、矩形溝、円弧形溝などの他の形式の縦方向凹溝構造であってもよく、図13~15に示されるいくつかのスプールのアンロード溝の設置方法と同様であり、ここで網羅的な列挙を省略する。
【0040】
実施例5
スプールのアンロード溝の形式は必要に応じて異なる構造に設定されてもよく、図2に示されるアンロード溝はスプールの表面にスプールの軸線を中心に環状に切り出された環状溝であり、必要に応じて、アンロード溝は表面に沿って切り出された平面溝、三角形溝、長方形溝、円弧形溝などの他の形式の縦方向凹溝構造に設定されてもよく、環状溝と縦方向凹溝の複合構造に設定されてもよい。図13では2種の環状溝構造が示され、図14では2種の縦方向凹溝構造が示され、縦方向凹溝は周方向に沿ってスプールの表面に均一に分布し、図15は環状溝と縦方向凹溝の組み合わせであり、ここで網羅的な列挙を省略する。
【0041】
実施例6
図10に示すように、該発明に関連する複合弁式緩衝シリンダの複合弁には逆止弁機能が設定され、緩衝が終了してピストンが逆方向に移動すると、作動油は該逆止弁を通って対応するシリンダチャンバに高速に充填できる。
【0042】
図11に示すように、逆止弁は複合弁の絞り弁に設置され、絞り弁の緩衝プラグはピストンロッドに同軸に組み立てられ、その内孔とピストンロッドの嵌合表面との間に油充填隙間19が形成され、緩衝プラグのピストンに向かう端の端面に端面油溝18がさらに設置され、該緩衝プラグの端面がピストンの端面と圧着されると、緩衝プラグの油充填隙間は依然として端面油溝を介して対応するシリンダチャンバと連通することができ、緩衝プラグ及びピストンロッド上に対応して設置された互いに嵌合するショルダ面は逆止弁口20を構成し、図4に示すように、緩衝プラグのショルダ面がストンロッドのショルダ面に押圧されると、油充填隙間の油路が切断され、逆止弁口20が閉状態にある。緩衝を開始すると、緩衝プラグは緩衝室に入り、油戻し室の油戻し通路を塞ぎ、油戻し室の圧力を上昇させ、緩衝プラグは油戻し室の圧力の作用下で緩衝プラグのショルダ面をピストンロッドのショルダ面に圧着し、逆止弁口20が閉じられる。それにより油戻し室の作動油が緩衝プラグの端面油溝18及び油充填隙間19を通って緩衝室及びばね室に入る通路を切断し、油戻し室の圧力油が強制的に絞り口を通って緩衝室及びばね室に入る(図4に示される)。緩衝が終了してピストンが逆方向に再移動すると、図11に示すように、緩衝プラグは供給された高圧油の衝撃下でピストンの一端に向かって移動し始めてピストンの端面に押圧され、このとき逆止弁口20が開かれ、入口圧力油がばね室及び逆止弁口20、油充填隙間19、端面油溝18を通ってシリンダチャンバに注入されて、高速な油充填を実現することができる。
【0043】
実施例7
図12は別の複合弁の逆止弁の設置形態を示し、該実施例は実施例6と同様であり、相違点としては、逆止弁がアンロード弁のスプールに設置され、逆止弁スプール21及び逆止弁ばね22を含み、逆止弁スプールの前端には外部に傾斜するシール面がある。これに対応して、減衰孔15は逆止弁スプールに設置され、逆止弁スプールはアンロード弁のスプールの中心油路の開口部に取り付けられ、逆止弁ばねは逆止弁スプールの一端と駆動室の底部との間に圧縮して取り付けられ、逆止弁スプールは逆止弁ばねの推力の作用下でスプールの中心油路の開口部に押し付けられ、逆止弁口が閉じられ、緩衝が終了してピストンが逆方向に再移動すると、このときの緩衝室が緩衝プラグによって塞がれるため、入口圧力油はばね室に入った後に、緩衝室をスムーズに通ってシリンダチャンバに入ることができず、アンロード弁のスプールの中心油路を通って逆止弁スプール21を押し開くしかできず、それにより逆止弁口を開き、入口圧力油は該逆止弁を通ってシリンダチャンバに高速に入り、高速な油充填を実現することができる。図12に示すように、図中に矢印及び細い実線で入口供給油が逆止弁を通る流れ経路が示され、さらに、緩衝プラグが緩衝室から取り出されると、入口圧力油は緩衝室をスムーズに通ってシリンダチャンバに入ることができ、このとき、逆止弁スプールは逆止弁ばねの推力の作用下でスプールの中心油路の開口部に再押し付けられ、逆止弁口が閉じられる(図12に図示されない)。
【0044】
逆止弁は必要に応じて柔軟に設置されてもよく、異なる位置に設置されてもよく、逆止弁スプールは他の同等構造に設定されてもよく、ここで網羅的な列挙を省略する。
【0045】
実施例8
アンロード弁の位置は必要に応じて柔軟に設定されてもよく、図17は一方向緩衝シリンダのアンロード弁の作用原理図である(図中にガイドスリーブ端の緩衝を例とする)。アンロード弁は、ガイドスリーブ、シリンダボトム又は配管内に外付けされてもよく、シリンダブロックに内蔵して集積されてもよく、たとえば、ガイドスリーブ、シリンダボトム又はシリンダヘッドフランジなどの部材に内蔵される。図16図17の一部の具体的な実施例であり、アンロード弁を外付けする3種の構造形式が示される。図16Iのアンロード弁Xは、1つの個別の部材としてシリンダブロックから独立して、ガイドスリーブに組み立てて固定される単動式アンロード弁であり、シリンダがガイドスリーブの一端に絞り緩衝されるとき、シリンダボトムの一端のシリンダの給油室は該外付けされたアンロード弁によってアンロードできる。図16IIのアンロード弁はシリンダボトムに固定され、図16IIIのアンロード弁はシリンダ配管に設置される。図17図16の構造原理模式図であり、矢印方向には、ピストンがガイドスリーブ端に向かって移動するときの作動油の流れ方向及び経路が示される。その緩衝原理は上記と同様であり、ここで詳細な説明を省略する。
【0046】
実施例9
図18~20には、ガイドスリーブ端のアンロード弁とシリンダボトム端のアンロード弁が一体に集積される原理模式図が示され、2つのスプールがあり、複動式アンロード弁であり、ガイドスリーブ端及びシリンダボトム端の緩衝アンロードをそれぞれ制御し、シリンダの双方向アンロード緩衝を実現することができる。図18はピストンがガイドスリーブ端に向かって移動するときの油の正常な流れ状態を示す。
【0047】
図19は、図18のピストンがストロークの終点に近づくまで移動し、緩衝プラグが緩衝室に入って緩衝を開始する原理模式図である。このとき、緩衝プラグは緩衝室に入って油戻し絞りを形成し、油戻し室の圧力を上昇させ、油戻し室の圧力油は対応するスプールの駆動室に入ってスプールをばね室の一端に移動駆動させ、それによりスプールのアンロード溝とばね室とを連通させ、給油室の圧力油が弁コアのアンロード溝及びばね室と油タンクとの連通によりアンロードすることを開始でき、その緩衝原理は上記と同様であり、ここで詳細な説明を省略する。
【0048】
図20は、図18の緩衝が終了してピストンがシリンダボトム端に逆方向に移動するときの緩衝原理模式図であり、シリンダボトム端に対応するスプールは動作を開始し、シリンダボトム端のアンロード緩衝を実現する。その緩衝原理は実施例3の図7と同様であり、ここで詳細な説明を省略する。
【0049】
実施例10
減衰孔15の設置形態は必要に応じて柔軟に変化してもよく、上記実施例に示すように、アンロード弁のスプールに設置されてもよく、ガイドスリーブ、シリンダボトム、又は油路内の他の位置など、他の部品に設置されてもよい。図21~22を例とすると、図21では、図17の減衰孔をスプールの位置から油路の他の位置に移動させ、その作用原理は変化せず、図22では、図4の減衰孔をスプールの位置からガイドスリーブに移動させる。減衰孔は、従来技術の緩衝シリンダの緩衝絞り孔設置方法をそのまま流用でき、同等の作用効果を有し、ここで詳細な説明を省略する。
【0050】
実施例11
アンロード弁はさらに、シリンダの部品又はシリンダ配管の油路ブロックに挿着されるプラグ弁の形態を用いてもよい。図23~24にはプラグ弁式アンロード弁の構造原理が示され、弁スリーブが増設され、スプールは弁スリーブ内に嵌合され、スプールは弁スリーブを介してシリンダに位置決めして組み立てられる。弁スリーブには油路V28がさらに設置され、該油路Vとスプールのアンロード溝との嵌合によってアンロード弁のアンロード機能を実現する。図23~24では、シリンダのガイドスリーブの一端での緩衝を例として、シリンダの正常な作動状態及び緩衝状態でのプラグ弁式アンロード弁の作動状態及び作用原理がそれぞれ示され、その作動メカニズムは上記と同様であり、ここで詳細な説明を省略する。
【0051】
実施例1~11は好ましいいくつかの構造例に過ぎず、図1~24のガイドライン及び上記実施例1~11の説明を参照すれば、より多くの実施例を変更することができることは明らかであり、ここで網羅的な列挙を省略する。
【0052】
なお、以上は本発明の好ましい具体的な実施形態に過ぎないが、本発明の保護範囲はこれに限定されない。明らかなように、実際の必要に応じて、たとえば、複合弁の設置形式の変化、アンロード弁組み合わせの方式及び取り付け方式、取り付け位置の変化、スプール、弁孔構造の変化、緩衝室及び緩衝プラグの絞り溝の設置形態の変化、アンロード弁の油口及び油路の変化(位置、方向、形状、形式など)、スプールのアンロード溝又は弁孔の油室の形状及び位置、数の変化、シリンダの構造形式の変化、逆止弁の構造形式の変化などの様々な変化を行うことができ、復帰ばね及び逆止弁ばねの設置形式は、スプールの復帰機能を満たされれば、必要に応じて他の構造に設定されてもよい。当業者が本発明に開示されている技術範囲内で、本発明の原理図、実施形態及びその発明の構想に基づいて同等置換又は変更を行うことができ、これらはいずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0053】
1、ガイドスリーブ、2、シリンダヘッドフランジ、3、シリンダチューブ、4、緩衝プラグ、4-1、絞り溝、5、ピストン、6、ピストンロッド、7、シリンダボトム、8、シリンダチャンバ、9、緩衝室、10、スプール、11、駆動室、12、弁孔、13、アンロード溝、14、ばね室、15、減衰孔、16、復帰ばね、17、絞り口、18、端面油溝、19、油充填隙間、20、逆止弁口、21、逆止弁スプール、22、逆止弁ばね、23、弁スリーブ、24、油路I、25、油路II、26、油路III、27、油路IV、28、油路V、X、アンロード弁。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24