(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】気液混合充填装置及び方法
(51)【国際特許分類】
B67C 3/12 20060101AFI20240830BHJP
B01F 21/00 20220101ALI20240830BHJP
B01F 23/236 20220101ALI20240830BHJP
B01F 35/50 20220101ALI20240830BHJP
B01F 35/75 20220101ALI20240830BHJP
B01F 101/14 20220101ALN20240830BHJP
【FI】
B67C3/12
B01F21/00
B01F23/236
B01F35/50
B01F35/75
B01F101:14
(21)【出願番号】P 2023550343
(86)(22)【出願日】2021-01-28
(86)【国際出願番号】 CN2021074076
(87)【国際公開番号】W WO2022160154
(87)【国際公開日】2022-08-04
【審査請求日】2023-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】523181134
【氏名又は名称】王志猛
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】王志猛
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-239496(JP,A)
【文献】実開平07-004303(JP,U)
【文献】特開昭63-096096(JP,A)
【文献】特開2001-287796(JP,A)
【文献】特公昭49-014699(JP,B1)
【文献】特開平10-157799(JP,A)
【文献】特開昭52-130774(JP,A)
【文献】中国実用新案第2234816(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67C 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気液混合充填装置であって、
上方に位置する第1気室と、下方に位置する第1混合液空間とが画定されている槽室と、
1つの収容室と複数の注入口を含み、前記収容室には上方に位置する第2気室と下方に位置する第2混合液空間とが画定されており、前記複数の注入口が前記第2混合液空間に連通しており、前記槽室の天面が前記収容室の底面よりも高
く、前記収容室の天面より低い充填本体と、
前記槽室の第1気室及び前記収容室の第2気室に連通している第1管路と、
前記槽室の第1混合液空間及び前記収容室の第2混合液空間に連通している第2管路と、
を含
み、
前記第1管路は前記槽室内の頂部及び前記収容室内の頂部に連通しており、前記第2管路は前記槽室内の底部及び前記収容室内の底部に連通していることを特徴とする気液混合充填装置。
【請求項2】
気液混合物を収容するための混合槽と、前記混合槽と前記槽室との間に連通している第3管路と、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の気液混合充填装置。
【請求項3】
前記第3管路には、前記混合槽と前記槽室との連通を制御するための制御弁が設けられている、ことを特徴とする請求項2に記載の気液混合充填装置。
【請求項4】
前記槽室の高さは第1高さを定義し、前記収容室の高さは第2高さを定義したときに、前記第1高さは前記第2高さよりも低い、ことを特徴とする請求項1に記載の気液混合充填装置。
【請求項5】
前記槽室の容積は前記収容室の容積よりも小さい、ことを特徴とする請求項1に記載の気液混合充填装置。
【請求項6】
前記気液混合物は常温の炭酸液体である、ことを特徴とする請求項
2に記載の気液混合充填装置。
【請求項7】
前記槽室の高さは第1高さを定義し、前記収容室の高さは第2高さを定義し、前記第1高さは前記第2高さよりも低く、前記槽室の容積は前記収容室の容積よりも小さく、
前記気液混合物は常温の炭酸液体である、ことを特徴とする請求項3に記載の気液混合充填装置。
【請求項8】
気液混合物充填方法であって、
混合槽を準備して、気液混合物を前記混合槽に注入するステップと、
槽室を準備して、第3管路を介して前記気液混合物を前記混合槽から前記槽室に導入し、前記槽室において上方に位置する第1気室と下方に位置する第1混合液空間とを画定するステップと、
1つの収容室と複数の注入口が設けられ、前記収容室には上方に位置する第2気室と下方に位置する第2混合液空間とが画定されており、前記槽室の天面が前記収容室の底面よりも高
く、前記収容室の天面より低い充填本体を準備して、第1管路を前記槽室の第1気室
内の頂部及び前記収容室の第2気室
内の頂部に連通させるとともに、第2管路を前記槽室の第1混合液空間
内の底部及び前記収容室の第2混合液空間
内の底部に連通させるステップと、
前記複数の注入口を前記第2混合液空間に連通させ、前記注入口から前記第2混合液空間内の液体を複数の容器内に注入するステップと、
を含む、ことを特徴とする気液混合物充填方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は気液混合充填装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液体は気体を溶解する性質があるので、炭酸飲料や他の気体を多量に溶解した混合液体を製造することが可能になる。液体は温度が低いほど気体の溶解率が高いため、一般的に混合液体を容器に充填する際には低温充填が行われるが、生産ラインを低温に保つために多くの電力を消費する。
常温充填で充填すると、充填槽内の混合液体から大量の気体が放出されるため、混合液体から放出された気体を収容し、混合液体の充填量を確保するには充填の高さや幅を大幅に大きくする必要があり、充填槽の構造が高くなりすぎたり大きなりすぎたりすると、充填槽の製造コストが高くなり、工場の敷地が制限されるなどの、改善する余裕があるという欠点がある。
【0003】
そこで、上記の問題を解決するために、新規で進歩性のある気液混合充填装置及び方法を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主な目的は、充填本体の高さ及び体積を大きくすることなく、充填量を大きくし、混合液体の充填効率を確保できる気液混合充填装置を提供することにある。
【0005】
本発明の別の目的は、気液混合充填方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成させるために、本発明は、
上方に位置する第1気室と、下方に位置する第1混合液空間とが画定されている槽室と、
1つの収容室と複数の注入口を含み、前記収容室には上方に位置する第2気室と下方に位置する第2混合液空間とが画定されており、前記複数の注入口が前記第2混合液空間に連通しており、前記槽室の天面が前記収容室の底面よりも高い充填本体と、
前記槽室の第1気室及び前記収容室の第2気室に連通している第1管路と、
前記槽室の第1混合液空間及び前記収容室の第2混合液空間に連通している第2管路と、
を含む、気液混合充填装置を提供する。
【0007】
さらに、本発明は、気液混合物を収容するための混合槽と、前記混合槽と前記槽室との間に連通している第3管路と、をさらに含む。
【0008】
さらに、第3管路には、前記混合槽と前記槽室との連通を制御するための制御弁が設けられている
【0009】
さらに、前記第1管路は前記槽室の頂部及び前記収容室の頂部に連通している。
【0010】
さらに、前記第2管路は前記槽室の底部及び前記収容室の底部に連通している。
【0011】
さらに、前記槽室の高さは第1高さを定義し、前記収容室の高さは第2高さを定義し、前記第1高さは前記第2高さよりも低い。
【0012】
さらに、前記槽室の容積は前記収容室の容積よりも小さい。
【0013】
さらに、前記気液混合物は常温の炭酸液体である。
【0014】
さらに、前記第1管路は前記槽室の頂部及び前記収容室の頂部に連通しており、前記第2管路は前記槽室の底部及び前記収容室の底部に連通しており、前記槽室の高さは第1高さを定義し、前記収容室の高さは第2高さを定義し、前記第1高さは前記第2高さよりも低く、前記槽室の容積は前記収容室の容積よりも小さく、前記気液混合物は常温の炭酸液体である。
【0015】
本発明は、
混合槽を準備して、気液混合物を前記混合槽に注入するステップと、
槽室を準備して、第3管路を介して前記気液混合物を前記混合槽から前記槽室に導入し、前記槽室において上方に位置する第1気室と下方に位置する第1混合液空間とを画定するステップと、
1つの収容室と複数の注入口が設けられ、前記収容室には上方に位置する第2気室と下方に位置する第2混合液空間とが画定されており、前記槽室の天面が前記収容室の底面よりも高い充填本体を準備して、第1管路を前記槽室の第1気室及び前記収容室の第2気室に連通させるとともに、第2管路を前記槽室の第1混合液空間及び前記収容室の第2混合液空間に連通させるステップと、
前記複数の注入口を前記第2混合液空間に連通させ、前記注入口から前記第2混合液空間内の液体を複数の容器内に注入するステップと、
を含む、気液混合物充填方法をさらに提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。
本発明は、気液混合充填装置の収容室全体の高さ及び横方向の面積を過大にする必要がなく、該充填本体を製造する材料のコストを削減して、迅速かつ大量の充填作業を行うことができる気液混合充填装置及び方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の1つの好ましい実施例の概略図である
【
図2】本発明の1つの好ましい実施例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明の実施例について説明するが、本発明の保護範囲は以降の実施例に制限されるものではない。
【0019】
図1~2には、本発明の1つの好ましい実施例が示されている。本発明の気液混合充填装置は、槽室2と、充填本体3と、第1管路42と、第2管路43と、を含む。
【0020】
該槽室2には、上方に位置する第1気室21と、下方に位置する第1混合液空間22とが画定されており、該気液混合物が該槽室2に流れると、該気液混合物中の気体の一部は該第1気室21に溶出する。
【0021】
該充填本体3は、1つの収容室31と、複数の注入口32と、を含み、該収容室31には、上方に位置する第2気室311と、下方に位置する第2混合液空間312とが画定されており、該複数の注入口32は該第2混合液空間312に連通しており、該槽室2の天面が該収容室31の底面よりも高く、これにより、該槽室2の内部は、少なくとも一部が該収容室31の内部と水平方向において同じ高さである。本実施例では、該気液混合物は常温の炭酸液体である。
【0022】
該第1管路42は該槽室2の第1気室21及び該収容室31の第2気室311に連通している。
【0023】
該第2管路43は該槽室2の第1混合液空間22及び該収容室31の第2混合液空間312に連通している。
【0024】
本実施例では、気液混合物を収容するための混合槽1をさらに含み、第3管路41は該混合槽1と該槽室2との間に連通しており、本実施例では、該気液混合物は炭酸飲料であり、他の実施例では、他の気液混合物体であってもよい。
【0025】
これにより、該第1混合液空間22内の液体は、該第1管路42を介して該第2混合液空間312に流れてもよく、該注入口32はそれぞれ、該第2混合液空間312内の液体を複数の容器に注入することで、充填作業を行うことができ、また、該第1管路42は該第1気室21及び該第2気室311に連通しているので、該槽室2の内部と該収容室31の内部は圧力が同じで、該第1混合液空間22内の液体は該第1管路42を介して該第2混合液空間312に順調に流れることができ、このため該収容室31全体の高さ及び横方向の面積を過大にする必要がなく、該充填本体を製造する材料のコストを削減させ、迅速かつ大量の充填作業を行うことができる。
ここで、該第3管路41は、該混合槽1と該槽室2との連通を制御するために制御弁44がさらに設けられてもよく、これにより、該混合槽1内の該気液混合物の全量が制御される。
【0026】
好ましくは、該第1管路42は該槽室2の頂部及び該収容室31の頂部に連通しており、これにより、気体だけが該第1管路42をうまく通過することを確保し、該槽室2及び該収容室31内の圧力をバランスよくする。
【0027】
同様に、好ましくは、該第2管路43は該槽室2の底部及び該収容室31の底部に連通しており、これにより、液体が該第2管路43をうまく通過できることが確保される。
【0028】
また、該槽室2の高さを第1高さH1と定義し、該収容室31の高さを第2高さH2と定義したとき、該第1高さH1は該第2高さH2よりも小さい関係にある。また該槽室2の容積は該収容室31の容積よりも小さい関係にある。これにより、該槽室2の製造コストが低くなる。
【0029】
本発明は、混合槽1を準備して、気液混合物を該混合槽1に注入するステップと、槽室2を準備して、第3管路41を介して該気液混合物を該混合槽1から該槽室2に導入し、使該槽室2において上方に位置する第1気室21と下方に位置する第1混合液空間22とを画定するステップと、1つの収容室31と複数の注入口32が設けられ、該収容室31には上方に位置する第2気室311と下方に位置する第2混合液空間312とが画定されており、該槽室2の天面が該収容室31の底面よりも高い充填本体3を準備して、第1管路42を該槽室2の第1気室21及び該収容室31の第2気室311に連通させるとともに、第2管路43を該槽室2の第1混合液空間22及び該収容室31の第2混合液空間312に連通させるステップと、該複数の注入口32を該第2混合液空間312に連通させ、該注入口32から該第2混合液空間312内の液体を複数の容器内に注入し、充填作業を行うステップと、を含む、気液混合充填方法をさらに提供する。
【0030】
以上説明したように、本発明の気液混合充填装置及び方法では、該第1管路が該第1気室及び該第2気室に連通しており、該槽室の内部と該収容室の内部の圧力が同じであり、該第1混合液空間内の液体は該第1管路を介して該第2混合液空間に順調に流れることができる。このため該収容室全体の高さ及び横方向の面積を過大にする必要がなく、該充填本体を製造する材料のコストを削減できて、迅速かつ大量の充填作業を行うことができる。
【符号の説明】
【0031】
1 混合槽
2 槽室
21 第1気室
22 第1混合液空間
3 充填本体
31 収容室
311 第2気室
312 第2混合液空間
32 注入口
41 第3管路
42 第1管路
43 第2管路
44 制御弁
H1 第1高さ
H2 第2高さ