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特許7546325システム、プログラムおよび情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】システム、プログラムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240830BHJP
   G06Q 10/083 20240101ALI20240830BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/083
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2024004598
(22)【出願日】2024-01-16
【審査請求日】2024-01-16
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 株式会社ニュー・フォーマット研究所により発行された「月刊マーチャンダイジング」(2023年9月号,308号,2023年8月20日)にて公開 株式会社ニュー・フォーマット研究所により発行された「月刊マーチャンダイジング」(2023年11月号,310号,2023年10月20日)にて公開 株式会社ニュー・フォーマット研究所により発行された「月刊マーチャンダイジング」(2024年1月号,312号,2023年12月20日)にて公開
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】723002608
【氏名又は名称】MIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100131842
【弁理士】
【氏名又は名称】加島 広基
(74)【代理人】
【識別番号】100215267
【弁理士】
【氏名又は名称】古屋 秀人
(74)【代理人】
【識別番号】100215555
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】河合 克也
(72)【発明者】
【氏名】谷口 大輔
(72)【発明者】
【氏名】石黒 陽平
(72)【発明者】
【氏名】松尾 力
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-015764(JP,A)
【文献】特開2002-011223(JP,A)
【文献】米国特許第08364520(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の会社の販促物を1つの箱に収容するにあたり、箱の配送先の識別情報、箱のサイズおよび販促物のサイズに基づいて箱に収容される販促物の種類および数を決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された販促物の種類および数の情報を出力する出力手段と、
を備え、
前記決定手段は、箱の配送先の識別情報を、箱のサイズ、当該箱に収容されるべき販促物の種類および数に関連付けた対応関係、ならびに販促物の種類を販促物のサイズに関連付けた対応関係を参照して決定処理を行う、システム。
【請求項2】
前記出力手段により出力された販促物の種類および数の情報を印刷する印刷部を更に備えた、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記出力手段により出力された販促物の種類および数の情報を表示する表示部を更に備えた、請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記決定手段により決定された箱に収容されるべき販促物の種類および数または販促物のサイズおよび数に基づいて、販促物が収容されるべき箱のサイズを決定する箱サイズ決定手段を更に備えた、請求項1記載のシステム。
【請求項5】
箱の配送先の識別情報と、箱のサイズ、当該箱に収容されるべき販促物を提供する会社の識別情報ならびに当該会社により提供される販促物の種類および数との対応関係を関連付けて記憶するとともに、販促物の種類と販促物のサイズとの対応関係を関連付けて記憶する記憶部を更に備え、
前記決定処理に先立ち、前記決定手段は、前記記憶部に記憶されている情報に基づいて、箱の配送先の識別情報、箱のサイズならびに販促物のサイズおよび数に関する情報を取得する、請求項1記載のシステム。
【請求項6】
箱の配送先の識別情報と、箱のサイズ、当該箱に収容されるべき販促物を提供する会社の識別情報ならびに当該会社により提供される販促物のサイズおよび数との対応関係を関連付けて記憶する記憶部を更に備え、
前記決定処理に先立ち、前記決定手段は、前記記憶部に記憶されている情報に基づいて、箱の配送先の識別情報、箱のサイズならびに販促物のサイズおよび数に関する情報を取得する、請求項1記載のシステム。
【請求項7】
販促物を提供する各会社の端末から、販促物が収容される箱の配送先の識別情報ならびにこの配送先に配送される箱に収容されるべき販促物の種類および数の情報を受け付ける受付手段と、
販促物の種類と販促物のサイズとの対応関係を関連付けて記憶する記憶部と
を更に備え、
前記決定処理に先立ち、前記決定手段は、前記受付手段により受け付けた情報および前記記憶部に記憶されている情報に基づいて、箱の配送先の識別情報ならびに販促物のサイズおよび数に関する情報を取得する、請求項1記載のシステム。
【請求項8】
販促物を提供する各会社の端末から、販促物が収容される箱の配送先の識別情報ならびにこの配送先に配送される箱に収容されるべき販促物のサイズおよび数の情報を受け付ける受付手段を更に備え、
前記決定処理に先立ち、前記決定手段は、前記受付手段により受け付けた情報に基づいて、箱の配送先の識別情報ならびに販促物のサイズおよび数に関する情報を取得する、請求項1記載のシステム。
【請求項9】
複数の会社の販促物を1つの箱に収容するにあたり、同じ会社、同じ販促物カテゴリ、同じキャンペーンまたは同じ売り場の販促物を1つの収容体に梱包する一次梱包および販促物が梱包された収容体を1つの箱に収容する二次梱包が行われるようになっており、
前記出力手段は、前記決定手段により決定された販促物の種類および数の情報を出力する際に、一次梱包用の情報として販促物を提供する会社毎、販促物カテゴリ毎、キャンペーン毎または売り場毎に販促物の種類および数の情報を出力し、二次梱包用の情報として販促物が収容されている収容体に関する情報を出力する、請求項1記載のシステム。
【請求項10】
販促物のサイズを測定するサイズ測定器を更に備えた、請求項1記載のシステム。
【請求項11】
前記決定手段は、箱の配送先の識別情報、箱のサイズ、販促物の重量または販促物のサイズに基づいて、箱に収容される販促物の種類および数に加えて各販促物の収容位置を決定する、請求項1記載のシステム。
【請求項12】
販促物を箱に収容する作業現場を撮像する撮像部と、
前記撮像部により撮像された動画と、前記決定手段により決定された箱に収容される販促物の種類および数の情報とに基づいて、所定の販促物が箱に収容されたか否かの判定を行う判定手段と、
を更に備えた、請求項1記載のシステム。
【請求項13】
箱に収容されるべき販促物の種類および数または販促物のサイズおよび数に基づいて、販促物が収容されるべき箱のサイズを決定する箱サイズ決定手段と、
前記箱サイズ決定手段により決定された箱のサイズの情報を出力する出力手段と、
を備え、
前記箱サイズ決定手段は、箱の配送先の識別情報を、箱のサイズ、当該箱に収容されるべき販促物の種類および数に関連付けた対応関係、ならびに販促物の種類を販促物のサイズに関連付けた対応関係を参照して箱サイズ決定処理を行う、システム。
【請求項14】
コンピュータが実行することにより決定手段と、出力手段として機能するプログラムであって、
前記決定手段は、複数の会社の販促物を1つの箱に収容するにあたり、箱の配送先の識別情報、箱のサイズおよび販促物のサイズに基づいて箱に収容される販促物の種類および数を決定し、
前記出力手段は、前記決定手段により決定された販促物の種類および数の情報を出力し、
前記決定手段は、箱の配送先の識別情報を、箱のサイズ、当該箱に収容されるべき販促物の種類および数に関連付けた対応関係、ならびに販促物の種類を販促物のサイズに関連付けた対応関係を参照して決定処理を行う、プログラム。
【請求項15】
コンピュータにより実行される情報処理方法であって、
複数の会社の販促物を1つの箱に収容するにあたり、箱の配送先の識別情報、箱のサイズおよび販促物のサイズに基づいて箱に収容される販促物の種類および数を決定する工程と、
決定された販促物の種類および数の情報を出力する工程と、
を備え、
前記決定する工程では、箱の配送先の識別情報を、箱のサイズ、当該箱に収容されるべき販促物の種類および数に関連付けた対応関係、ならびに販促物の種類を販促物のサイズに関連付けた対応関係を参照して決定処理が行われる、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム、プログラムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、メーカー等は、商品の宣伝や販売促進を目的とし、販促物を小売店舗に配布することが一般的である。特に、ドラッグストアなどの小売店舗では、多種多様な商品が陳列されており、メーカーは自社の商品を他の競合商品と差別化するために、魅力的な販促物を店舗ごとに配送することが求められている。ここで、店舗において販促効果の高い情報を提供する販売支援システムとして例えば特許文献1等に開示されるものが知られている。
【0003】
しかし、販促物の配送は、販促活動の一環として重要な役割を果たしているにもかかわらず、その配送プロセスは複雑であり効率的とは言えない場合がある。例えば、メーカー側が販促物の配送を手動で行う場合、配送先の店舗が多数存在する場合には、販促物の在庫管理や配送スケジュールの調整が煩雑になり、コストや時間の増加を招くことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2022-031519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示はこのような点を考慮してなされたものであり、小売店舗への販促物の配送を効率的に行うことができるシステム、プログラムおよび情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のシステムは、
複数の会社の販促物を1つの箱に収容するにあたり、箱の配送先の識別情報、箱のサイズおよび販促物のサイズに基づいて箱に収容される販促物の種類および数を決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された販促物の種類および数の情報を出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
本開示のシステムは、
前記出力手段により出力された販促物の種類および数の情報を印刷する印刷部を更に備えてもよい。
【0008】
本開示のシステムは、
前記出力手段により出力された販促物の種類および数の情報を表示する表示部を更に備えてもよい。
【0009】
本開示のシステムは、
箱に収容されるべき販促物の種類および数または販促物のサイズおよび数に基づいて、販促物が収容されるべき箱のサイズを決定する箱サイズ決定手段を更に備えてもよい。
【0010】
本開示のシステムは、
箱の配送先の識別情報と、箱のサイズ、当該箱に収容されるべき販促物を提供する会社の識別情報および当該会社により提供される販促物の種類および数との対応関係を関連付けて記憶するとともに、販促物の種類と販促物のサイズとの対応関係を関連付けて記憶する記憶部を更に備え、
前記決定手段は、前記記憶部に記憶されている情報に基づいて、箱の配送先の識別情報、箱のサイズならびに販促物のサイズおよび数に関する情報を取得してもよい。
【0011】
本開示のシステムは、
箱の配送先の識別情報と、箱のサイズ、当該箱に収容されるべき販促物を提供する会社の識別情報ならびに当該会社により提供される販促物のサイズおよび数との対応関係を関連付けて記憶する記憶部を更に備え、
前記決定手段は、前記記憶部に記憶されている情報に基づいて、箱の配送先の識別情報、箱のサイズならびに販促物のサイズおよび数に関する情報を取得してもよい。
【0012】
本開示のシステムは、
販促物を提供する各会社の端末から、販促物が収容される箱の配送先の識別情報ならびにこの配送先に配送される箱に収容されるべき販促物の種類および数の情報を受け付ける受付手段と、
販促物の種類と販促物のサイズとの対応関係を関連付けて記憶する記憶部と
を更に備え、
前記決定手段は、前記受付手段により受け付けた情報および前記記憶部に記憶されている情報に基づいて、箱の配送先の識別情報ならびに販促物のサイズおよび数に関する情報を取得してもよい。
【0013】
本開示のシステムは、
販促物を提供する各会社の端末から、販促物が収容される箱の配送先の識別情報ならびにこの配送先に配送される箱に収容されるべき販促物のサイズおよび数の情報を受け付ける受付手段を更に備え、
前記決定手段は、前記受付手段により受け付けた情報に基づいて、箱の配送先の識別情報ならびに販促物のサイズおよび数に関する情報を取得してもよい。
【0014】
本開示のシステムにおいて、
複数の会社の販促物を1つの箱に収容するにあたり、同じ会社、同じ販促物カテゴリ、同じキャンペーンまたは同じ売り場の販促物を1つの収容体に梱包する一次梱包および販促物が梱包された収容体を1つの箱に収容する二次梱包が行われるようになっており、
前記出力手段は、前記決定手段により決定された販促物の種類および数の情報を出力する際に、一次梱包用の情報として販促物を提供する会社毎、販促物カテゴリ毎、キャンペーン毎または売り場毎に販促物の種類および数の情報を出力し、二次梱包用の情報として販促物が収容されている収容体に関する情報を出力してもよい。
【0015】
本開示のシステムは、
販促物のサイズを測定するサイズ測定器を更に備えてもよい。
【0016】
本開示のシステムにおいて、
前記決定手段は、箱の配送先の識別情報、箱のサイズ、販促物の重量または販促物のサイズに基づいて、箱に収容される販促物の種類および数に加えて各販促物の収容位置を決定してもよい。
【0017】
本開示のシステムは、
販促物を箱に収容する作業現場を撮像する撮像部と、
前記撮像部により撮像された動画と、前記決定手段により決定された箱に収容される販促物の種類および数の情報とに基づいて、所定の販促物が箱に収容されたか否かの判定を行う判定手段と、
を更に備えてもよい。
【0018】
また、本開示のシステムは、
箱に収容されるべき販促物の種類および数または販促物のサイズおよび数に基づいて、販促物が収容されるべき箱のサイズを決定する箱サイズ決定手段と、
前記箱サイズ決定手段により決定された箱のサイズの情報を出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0019】
本開示のプログラムは、
コンピュータが実行することにより決定手段と、出力手段として機能するプログラムであって、
前記決定手段は、複数の会社の販促物を1つの箱に収容するにあたり、箱の配送先の識別情報、箱のサイズおよび販促物のサイズに基づいて箱に収容される販促物の種類および数を決定し、
前記出力手段は、前記決定手段により決定された販促物の種類および数の情報を出力することを特徴とする。
【0020】
本開示の情報処理方法は、
コンピュータにより実行される情報処理方法であって、
複数の会社の販促物を1つの箱に収容するにあたり、箱の配送先の識別情報、箱のサイズおよび販促物のサイズに基づいて箱に収容される販促物の種類および数を決定する工程と、
決定された販促物の種類および数の情報を出力する工程と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本開示のシステム、プログラムおよび情報処理方法によれば、小売店舗への販促物の配送を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本実施形態に係る共同配送システムを介した各会社から各配送先への概念的な配送経路、ならびに各会社から各配送先への従来の概念的な配送経路を示す。
図2】本開示の実施形態に係る共同配送システムの構成を概略的に示す図である。
図3】会社が配送したい販促物に関する情報を入力する際の共同配送プラットフォームで表示される管理画面の一例を示す図である。
図4】本開示の実施形態に係る共同配送システムにおいて行われる一次梱包および二次梱包を説明するための概念図である。
図5】本開示の実施形態に係る情報処理方法における情報処理の例示的な流れを示す図である。
図6】本開示の実施形態に係る情報処理方法における情報処理の別の例示的な流れを示す図である。
図7】本開示の実施形態に係る情報処理方法における情報処理の別の例示的な流れを処理する共同配送システムによる配送経路を示す概念図である。
図8図7に示す共同配送システムによる情報処理の例示的な流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本開示の例示的な実施形態について説明するが、本開示に係る発明はこれらに限定されるものではない。図1乃至図8は、本開示に係る共同配送システム1および情報処理方法を示す図である。
【0024】
[共同配送システム1]
図1(A)に示す本実施形態による共同配送システム1は、管理サーバ(コンピュータ)10と、作業場28とを備えている。管理サーバ10は、インターネット回線等の通信ネットワーク(不図示)を通じて利用できる管理サーバ(コンピュータ)である。後述するように、管理サーバ10は共同配送プラットフォームを管理、提供することができ、各会社40(図中、40a、40b、40c、40d、40e)および各配送先50(50a、50b、50c、50d、50e、50f、50g、50h)は、各会社40および各配送先50に備えられる通信機器により、通信ネットワークを介して管理サーバ10に通信可能に接続できる。なお、管理サーバ10によって管理されるウェブサイト(共同配送プラットフォーム)は、いわゆるアプリ(アプリケーションソフトウェア)を介して利用されてよく、ブラウザとアプリの双方を介して利用されてもよい。本明細書および図面において、「会社40」は総称として用いられることも、個別の事業体として用いられることもある。会社40a、40b、40c等は別個の事業体であることを強調するために示しており、会社40の数を限定するものではない。「配送先50」についても同様である。
【0025】
図1(A)は、本実施形態に係る共同配送システム1を介した各会社40から各配送先50への概念的な配送経路を示している。比較のため、図1(B)には各会社40から各配送先50への従来の概念的な配送経路を示す。本開示の共同配送システム1は、各会社40からの配送先50(小売店舗)への販促物の効率的な配送を実現させるものである。この結果、配送先50の店舗スタッフの受取負担が軽減され、会社(荷主)40の配送コストの削減、およびCO排出量の削減も可能になる。
【0026】
なお、本明細書において、「販促物」とは、通常の意味通りに、商品の宣伝や販売促進のためのものであり、売買取引の対象となる商品とは区別されるものである。販促物の例としては、店頭販促物、試供品、サンプル、商品空箱、ノベルティ、店頭テスター等が挙げられるが、特に限定されない。本開示の共同配送システム1によれば、まとめて箱30に収容梱包された複数の会社40の販促物は所定の配送先50に配送されるため、競合相手となる会社40同士の販促物も同じ箱30に梱包されて配送され得る(図1(A))。従って、図1(B)に示すように販促物を各配送先50に個別に配送する従来方式とは異なる。
【0027】
<管理サーバ(コンピュータ)10>
本開示の管理サーバ(コンピュータ)10の構成について図2を用いて説明する。図2には、本開示の管理サーバ10および作業場28の構成を概略的に示す。管理サーバ10は、産業用コンピュータ、パーソナルコンピュータ、またはタブレット端末等から構成することができ、インターネットでアクセスできる物理サーバ内の仮想サーバでもよい。また、これらのハードウェアや仮想サーバは複数あってもよく、任意の組み合わせでもよい。図2に示すように、管理サーバ10は、制御部12と、記憶部24と、通信部26とを備えている。
【0028】
(制御部12)
制御部12は、CPU(中央演算処理装置)やGPU(画像処理装置)等で構成され、管理サーバ10の動作を制御する。具体的には、制御部12は、後述する記憶部24に記憶されているプログラムを実行することにより、受付手段14、箱サイズ決定手段16、決定手段18、出力手段20、判定手段22等として機能する。なお、これらの機能は、1つ又は複数のそれぞれ独立したプログラムやアプリケーションを実行することにより発揮されてもよい。さらに、これらのプログラムやアプリケーションは、単一の端末(管理サーバ10)に設けられてもよいし、複数の端末(管理サーバ10を含む)に分散して設けられてもよく、後者の場合、有線ケーブルや通信ネットワークを介して相互に接続されてもよい。上記した各手段については後述する。
【0029】
(記憶部24)
記憶部24は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、SSD(Solid State Drive)などで構成されている。また、記憶部24は管理サーバ10に内蔵されるものに限定されず、管理サーバ10に着脱自在に装着可能な記憶媒体(例えば、USBメモリ)等であってもよい。また、記憶部24を設ける代わりに、他の記憶手段(クラウドサーバ等)に各種情報を保存してもよい。
【0030】
データベースとして、記憶部24は、各会社40に対応するアカウント等の登録情報(識別番号、名称、担当者氏名、住所または所在地、連絡先等)、販促物に関する情報(種類、サイズ、重量、納入日等)、配送先50(店舗、バイヤー)に対応するアカウント等の登録情報や店舗情報(面積、見取図、取扱商品、備品、在庫情報等)、箱30に関する情報(サイズ、重量等)、取引履歴等を記憶できるようになっている。
【0031】
さらに、記憶部24は、「箱30の配送先50の識別情報と、箱30のサイズ、当該箱30に収容されるべき販促物を提供する会社40の識別情報ならびに当該会社40により提供される販促物の種類および数との対応関係」を関連付けて記憶するとともに、「販促物の種類と販促物のサイズとの対応関係」を関連付けて記憶してもよい。また、記憶部24は、「箱30の配送先50の識別情報と、箱30のサイズ、当該箱30に収容されるべき販促物を提供する会社40の識別情報ならびに当該会社40により提供される販促物のサイズおよび数との対応関係」を関連付けて記憶してもよい。各情報は、例えば図3に示すように、共同配送プラットフォームや受付手段14を介して得ることができる。
【0032】
配送先50の識別情報が関連する対応関係は、配送先50毎に演算される。すなわち、ある配送先50と、この配送先50に配送を希望する複数の会社40との間で対応関係が演算される。会社40の識別情報との対応関係が記憶されると、特定の販促物の配送がキャンセルされた場合の対応が容易になる(例えば、販促物に会社情報が表示されていれば、梱包後にキャンセルされた場合にその販促物を見つけやすくなる)。また、配送先50の店舗スタッフにとっても、どの会社40から販促物が配送されるかの情報を知ることができれば、店舗内の展示プランを立てやすく、配送先50と会社40との間の対応関係は有益である。各箱30のサイズに関する情報は、各会社40により提供される販促物のサイズおよび数、または販促物の種類および数に基づき演算できる(各販促物の種類は、その販促物のサイズと関連付けられている)。各会社40により提供される販促物のサイズ(または種類)および数は、様々なサイズの箱30と関連付けされてよく、様々な組み合わせ(対応関係)があり得る。特に、箱30が販促物で占められる割合(容積率)が高いほど、その箱30における空きスペース(空気、空間)は少なくなり、効率よく梱包されているといえるため、好ましい。また、各販促物の重量も記憶部24に記憶させて、販促物を梱包した箱30の総重量が最も軽くなるように対応関係を演算することも可能である。
【0033】
(通信部26)
通信部26は、無線または有線により制御部12を外部装置(例えば、サイズ測定器32、印刷部34、表示部36、撮像部38、会社40や配送先50の端末等)と通信可能に接続するものである。制御部12は通信部26を介して外部装置に対して情報を送受信できる。
【0034】
(その他)
その他にも、管理サーバ10には、管理サーバ10の管理者が制御部12に対して様々な指令を与えることができるキーボード等の操作部(入力部)、制御部12から表示指令信号を受け取ることにより様々な画面を表示するモニタ等の出力部を設けてもよい。ある実施形態では、これらの操作部および出力部が一体化したタッチパネル等の表示操作部が用いられてもよい。
【0035】
(制御部12の詳細)
(受付手段14)
受付手段14は、販促物を提供する各会社40の端末から、販促物が収容される箱30の配送先50の識別情報ならびにこの配送先50に配送される箱30に収容されるべき販促物の数および種類またはサイズの情報を受け付ける。受付手段14は、各会社40の端末の操作者から共同配送プラットフォームで表示される管理画面(例えば、図3)を介して配送先50の識別情報、販促物の数および種類(図3中「販促ツール名」)、販促物のサイズ(幅W、高さH、奥行きD)等を受け付けてもよい。
【0036】
図3は、各会社40の端末の操作者が所定の情報を入力するための、共同配送プラットフォームで表示される管理画面の例を示している。図3に示す例では、梱包有無、自社管理ツールID、販促ツール名、サイズ(W、H、D)、総納入数、納入予定日、画像といった項目が表示されている。「梱包有無」とは、会社40から作業場28までの配送過程で販促物を梱包しているか否かを示す項目である。「自社管理ツールID」とは、各会社40における販促物の識別情報である。「販促ツール名」とは、販促物の名称すなわち種類である。「総納入数」とは、ある会社40が希望する全ての配送先50に配送する販促物の総数である。なお、配送先50の識別情報は図3とは別の管理画面で入力されるが、配送先50毎に配送される販促物の数を変えてもよい。
【0037】
(箱サイズ決定手段16)
箱サイズ決定手段16は、箱30に収容されるべき販促物の種類および数または販促物のサイズおよび数に基づいて、販促物が収容されるべき箱30のサイズ(容積)を決定する。前述のように販促物の種類と販促物のサイズとが関連付けて記憶されている場合、箱30に収容されるべき販促物の種類および数が分かれば、販促物が収容されるべき箱30のサイズを決定することができる。また、箱サイズ決定手段16は、前述のように容積率が最も高くなるように箱30のサイズを演算(決定)することが好ましい。
【0038】
箱サイズ決定手段16は、販促物が収容されるべき箱30のサイズの決定を、任意のタイミングで行うことができる。複数の会社40から一定数の販促物が集まったときに箱30のサイズを決定してもよいし、納入スケジュールに合わせて箱30のサイズを決定してもよい。例えば、配送距離などを考慮して、納入予定日前までに箱30のサイズを決定することもできる。この場合、梱包時までに販促物の配送依頼がキャンセルされた場合に不要な配送を防止でき、好ましい。このように、箱サイズ決定手段16によって決定された箱30のサイズはその後に変更されてもよい。
【0039】
また、箱サイズ決定手段16は、1件の配送先50に配送する販促物を収容する箱30を1つまたは複数用いるよう決定することができる(複数の箱30のサイズは同じでも異なってもよい)。即ち、1つの箱30に1件の配送先50に配送する販促物を全て収容できない場合、箱サイズ決定手段16は1件の配送先50に配送する箱30の数も決定することができる。このように、販促物を1つの箱30に収容するのではなく、複数の箱30に収容すると容積率が高くなる場合等に対応できる。
【0040】
(決定手段18)
決定手段18は、複数の会社40の販促物を1つの箱30に収容するにあたり、箱30の配送先50の識別情報、箱30のサイズおよび販促物のサイズに基づいて、箱30に収容される販促物の種類および数を決定する。決定処理に先立ち、決定手段18は、記憶部24に記憶されている情報に基づいて、箱30の配送先50の識別情報、箱30のサイズならびに販促物のサイズおよび数に関する情報を取得してもよいし、あるいは、受付手段14により受け付けた情報および/または記憶部24に記憶されている情報に基づいて、箱30の配送先50の識別情報ならびに販促物のサイズおよび数に関する情報を取得してもよい。箱サイズ決定手段16と同様に、決定手段18は、箱30に収容される販促物の種類および数を任意のタイミングで決定できる。決定手段18は、箱サイズ決定手段16により決定された箱30の数やサイズに基づき販促物の種類および数を決定してもよい。「販促物の種類および数の決定」の態様として、決定手段18は、様々な箱30のサイズのうち、容積率が最も高くなるように販促物の種類および数を決定することが好ましい。なお、本明細書において、「販促物の種類」とは、販促物の品目ないし内訳をいう。
【0041】
ある実施形態において、決定手段18は、ルールベースで販促物の種類および数を決定してもよい。例えば、決定手段18は、前述したような記憶部24に記憶された「箱30の配送先50の識別情報と、箱30のサイズ、当該箱30に収容されるべき販促物を提供する会社40の識別情報ならびに当該会社40により提供される販促物のサイズおよび数との対応関係」に基づいて、ある配送先50に配送される箱30に収容される販促物の種類および数を決定することができる。この場合、配送先50の識別情報は、箱30のサイズならびに各会社40により提供される販促物のサイズおよび数に関連付けられているため、販促物の種類および数を自動で決定することができる。
【0042】
また、別の例として、販促物の種類および数の決定に際して、決定手段18は、サイズが大きい販促物の種類および数を優先的に決定してからサイズの小さい販促物の種類および数を決定することもできる。
【0043】
決定手段18は箱サイズ決定手段16としても機能してもよく、販促物の種類および数の演算(決定)の前または後に、これらの販促物を収容可能なサイズの箱30を決定してもよい。
【0044】
決定手段18は、箱30の配送先50の識別情報、箱30のサイズ、販促物の重量または販促物のサイズに基づいて、箱30に収容される販促物の種類および数に加えて各販促物の収容位置を決定することも可能である。梱包後の箱30の重心やバランスを考慮して各販促物の収容位置を決定すれば、梱包された箱30の好適な配送や取り扱いが実現できる。
【0045】
(出力手段20)
出力手段20は、決定手段18により決定された販促物の種類および数の情報や、箱サイズ決定手段16により決定された箱30のサイズの情報を出力する。具体的には、販促物の種類等の情報を後述する印刷部34や表示部36に出力することができる。
【0046】
(判定手段22)
判定手段22は、撮像部38により撮像された動画と、決定手段18により決定された箱30に収容される販促物の種類および数の情報とに基づいて、所定の販促物が箱30に収容されたか否かの判定を行う。こうして、各会社40から配送先50(小売店舗)への販促物の効率的な配送をより確実に実現することができる。また、梱包後の箱30の重量を測定して、梱包前(空箱状態)の箱30の重量と各販促物の重量に基づき、箱30に収容すべき全ての販促物が収容されたかの判定を判定手段22に行わせてもよい。
【0047】
<作業場28>
作業場28において、管理サーバ10により決定された種類および数の販促物を箱30に梱包する。図2に示すように、作業場28には、箱30と、サイズ測定器32と、印刷部34と、表示部36と、撮像部38とが設けられる。なお、管理サーバ10は、作業場28に設けられても、作業場28から遠隔地に設けられてもよい。
【0048】
(箱30)
箱30は典型的には段ボールであるが、販促物を収容して配送可能なものであれば特に限定されず、紙袋等であってもよい。配送する販促物の数、サイズ等に対応できるよう、様々なサイズや形状の箱30を準備することが好ましい。
【0049】
(サイズ測定器32)
サイズ測定器32は、各会社40から提供された販促物のサイズを測定する。サイズ測定器32としては特に限定されないが、サイズの測定と同時に販促物の重量も測定できるものが好ましい。さらに、サイズ測定器32は、サイズの測定と同時に販促物の画像を撮影する機能も有することが好ましい。この画像を用いて、販促物が各会社40から送られたものであるかを確認、照合できる。こうして、より信頼性の高い販促物の配送を実現できる。なお、サイズ測定器32の他に、販促物の重量を測定するための専用の測定器および/または販促物の画像を取得する専用の装置が別途設けられてもよい。また、販促物のサイズ(単位容積)または重量または両方に基づき、箱30毎の各販促物の配送料金を計算(配分)することができる。サイズ測定器32により測定されたサイズや重量を記憶部24に記憶させ、販促物の種類および数の決定にリアルタイムで用いることができる。
【0050】
(印刷部34)
印刷部34は、出力手段20により出力された販促物の種類および数の情報を印刷する。即ち、印刷部34は、箱30に収容される販促物の種類および数の情報を印刷する。印刷部34は、これらの情報を直接紙に表示(印字印刷)してもよいし、紙にこれらの情報を含むバーコードを印刷してもよく、これらを箱30に貼り付けできることが好ましい。この印刷物を読み取ることにより、その箱30にどの販促物を収容すればよいか認識することができ、さらに箱30が配送先50に届けられた際に店舗スタッフは収容された販促物を容易に知ることができ、受取後の作業プラン(店舗内の展示プラン等)を効率的に立てることができる。印刷部34は特に限定されず、市販のプリンタでもよい。
【0051】
(表示部36)
表示部36は、出力手段20により出力された、箱30に入れられる販促物の種類および数の情報を表示する。表示部36として汎用的なディスプレイやモニタ等でよく、作業場28に合わせて適宜選択できる。表示部36を確認しながら、作業者は販促物を収容することができる。また、表示部36に、作業者が各販促物の収容時に収容作業の終了を示す入力部(ボタン等)を設ければ、入力部の操作を介して収容作業の確認ができ、収容作業のミスを防止できる。
【0052】
(撮像部38)
撮像部38は、販促物を箱30に収容する作業現場を撮像する。収容作業をする作業員の動作および販促物を把握できることが好ましく、後述のように、販促物が箱30に収容されたか否かの判定をするための動画(複数の静止画でもよい)を撮像できるものであれば、撮像部38は特に限定されない。
【0053】
作業場28において、複数の会社40の販促物を1つの箱30に収容するにあたり、同じ会社40、同じ販促物カテゴリ、同じキャンペーン(企画)または同じ売り場の販促物を1つの収容体に梱包する一次梱包および販促物が梱包された各収容体を1つの箱30に収容する二次梱包が行われてもよい(図4)。この場合、出力手段20は、決定手段18により決定された販促物の種類および数の情報を出力する際に、一次梱包用の情報として販促物を提供する会社40毎、販促物カテゴリ毎、キャンペーン毎または売り場毎に販促物の種類および数の情報を出力し、二次梱包用の情報として販促物が収容されている収容体に関する情報を出力することもできる。ここで、「収容体」は販促物を収容する点では箱30と同じであり特に限定されないが、箱30より小さいことが要求され、典型的には、ポリ袋や小箱等が挙げられる。また、販促物と、販促物カテゴリ、キャンペーン、売り場との対応関係に関する情報も、販促物の種類等の情報と共に各会社40から管理サーバ10(共同配送プラットフォーム)に送信することができる。また、同じ会社40の販促物を2以上の収容体に梱包することも可能であり、この場合も、会社40から管理サーバ10へリクエスト要求できる。
【0054】
<共同配送プラットフォーム>
本開示によれば、管理サーバ10によって管理されるオンラインの共同配送プラットフォームを提供することができる。本開示の共同配送プラットフォームに、販促物を店舗(配送先50)へ配送したい各会社40から販促物の種類やサイズ等の情報が集約され(図3参照)、各配送先50に配送される箱30に収容される販促物の種類および数が決定される。さらに、配送申込に対し配送先50または複数の配送先50が属する同一事業体の担当者(例えば、バイヤー)は承認、否認(商談未確認など)、差し戻し(修正依頼など)をすることができる。また、バイヤーが、共同配送プラットフォーム(管理サーバ10)を経由して各会社40に対して個別にまたは一括して情報の送受信(配送の承認および依頼)を行ってもよい。このように、本開示の共同配送プラットフォームによれば、販促物の共同配送が実現されるだけでなく、アカウント登録を済ませた会社40と配送先50は、オンラインで販促物についての交渉、取引等もできる。配送先50は、共同配送プラットフォームを介して、所望の会社40へ販促物の発注も可能であり、配送先50で必要な販促物のみを受け取ることができる。
【0055】
[会社40]
本明細書において、「会社」とは、商品の宣伝や販売促進のために所望の配送先50へ販促物の配送を希望する事業体をいい、一人会社や個人事業主でもよく、典型的には、いわゆるメーカーが挙げられる。管理サーバ10との情報の送受信のため、各会社40は通信機器(端末)を備え、このような通信機器として、産業用コンピュータ、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、携帯端末等が挙げられるが、特に限定されない。各会社40の端末は同一の端末である必要はなく、同一の登録情報(識別ID等)によって識別されれば、同一の会社40が異なるタイミングで異なる端末を用いて情報の送受信を行ってもよい。
【0056】
[配送先50]
本明細書において、「配送先」とは、会社40の販促物の配送先であり、典型的には、コンビニエンスストアやドラッグストア等の小売店舗が挙げられるが、特に限定されない。管理サーバ10との通信のため、各配送先50は通信機器(端末)を備えており、この通信機器も上述の通りである。同一の登録情報(識別ID等)によって識別されれば、各配送先50の端末も、同一の端末を常に用いなくてもよい。
【0057】
[情報処理方法1]
次に、図5を参照して上記した共同配送システム1における情報処理方法1について、箱30のサイズの決定後に販促物の種類および数を決定する場合を例に挙げて説明する。ここでは、販促物を提供する複数の会社40からの販促物が作業場28に定期的に配送されること、各会社40からの販促物の納品について配送先50が承認すること、および配送につきキャンセルもされないことを前提にする。以下の説明において、同一の参照符号が付された構成要素は上記した構成要素と同一であり、重複する説明は適宜省略する。なお、以下に示す処理は記憶部24に記憶されているプログラムを実行することにより行われるが、本開示に係る情報処理方法はこれに限定されない。
【0058】
まず、制御部12(受付手段14)は、販促物を提供する各会社40の端末から、販促物が収容される箱30の配送先50の識別情報ならびにこの配送先50に配送される箱30に収容されるべき販促物の種類、サイズおよび数の情報を受け付ける(ステップS1。図3等)。ここで、上述のように、制御部12(受付手段14)は、各会社40の端末から販促物の種類および数の情報を受け付け、サイズ測定器32により作業場28に配送された販促物のサイズを測定させ、販促物の種類と販促物のサイズとの対応関係を関連付けて記憶部24に記憶してもよい。
【0059】
次に、制御部12(箱サイズ決定手段16)は、箱30に収容されるべき販促物のサイズおよび数に基づいて、販促物が収容されるべき箱30のサイズを決定する(ステップS2)。具体的には、制御部12(箱サイズ決定手段16)は、記憶部24に記憶されている情報(各配送先50に配送される箱30に収容されるべき販促物の種類および数)に基づき、箱30のサイズを決定する。
【0060】
次に、制御部12は、箱30の配送先50の識別情報と、箱30のサイズ、当該箱30に収容されるべき販促物を提供する各会社40の識別情報ならびに各会社40により提供される販促物のサイズおよび数との対応関係を関連付けて記憶部24に記憶する(ステップS3)。
【0061】
次に、制御部12(決定手段18)は、記憶部24に記憶されている情報に基づいて、箱30の配送先50の識別情報、箱30のサイズならびに販促物のサイズおよび数に関する情報を取得し、複数の会社40の販促物を1つの箱30に収容するにあたり、箱30の配送先50の識別情報、箱30のサイズおよび販促物のサイズに基づいて、箱30に収容される販促物の種類および数を決定する(ステップS4)。ここでは、ルールベースで販促物の種類および数が決定される。
【0062】
次に、制御部12(出力手段20)は、決定手段18により決定された販促物の種類および数の情報を印刷部34に印刷させ、表示部36に表示させる(ステップS5)。上述のようにこれらを利用して、作業場28の作業者は販促物を所定の箱30に収容する梱包作業を行う(図5)。
【0063】
次に、作業場28の撮像部38により各販促物を箱30に収容する作業現場を撮像させつつ、制御部12(判定手段22)は、撮像部38により撮像された動画と、決定手段18により決定された箱30に収容される販促物の種類および数の情報とに基づいて、所定の販促物が箱30に収容されたか否かの判定を行う(ステップS6)。
【0064】
判定の結果、所定の販促物が箱30に収容された場合(「YES」)、処理は終了する。他方、所定の販促物が箱30に収容されていないと判定された場合(「NO」)、その旨の出力がされ、梱包作業がやり直しされることになる。撮像された動画からどの販促物が不足かまたは過剰か確認することもできる。
【0065】
[情報処理方法2]
次に、図6を参照して共同配送システム1における情報処理方法2について説明する。情報処理方法2は、箱30のサイズの決定前に販促物の種類および数が決定されることが情報処理方法1と異なる。従って、図6のステップS11は図5のステップS1に対応するため、その説明は省略する。その他の重複する説明も適宜省略する。
【0066】
ステップS11の後、制御部12は、箱30の配送先50の識別情報と、箱30のサイズ、当該箱30に収容されるべき販促物を提供する各会社40の識別情報ならびに各会社40により提供される販促物のサイズおよび数との対応関係を関連付けて記憶部24に記憶する(ステップS12)。この場合の箱30のサイズとは、作業場28(共同配送プラットフォーム)で提供できる様々な箱30のサイズであり、箱30に収容される販促物のサイズおよび数も関連付けの目的・方法により様々なシミュレーションが可能である。対応関係の演算に、例えば、納入日、容積率、重量等をそれぞれ考慮することができる。
【0067】
次に、制御部12(決定手段18)は、記憶部24に記憶されている情報に基づいて、箱30の配送先50の識別情報、箱30のサイズならびに販促物のサイズおよび数に関する情報を取得し、複数の会社40の販促物を1つまたは複数の箱30に収容するにあたり、箱30の配送先50の識別情報、箱30のサイズおよび販促物のサイズに基づいて、各箱30に収容される販促物の種類および数を決定(演算)する(ステップS13)。ここでは、ルールベースではなく、前述のように容積率や重量など何を重視するかにより、販促物の種類および数が決定される。ただし、作業場28で準備される最も大きな箱30の容量を超えて、収容される販促物の種類および数が決定されることない。
【0068】
次に、制御部12(箱サイズ決定手段16)は、ステップS13で決定された販促物のサイズおよび数に基づいて、1件の配送先50に配送される販促物が収容されるべき箱30の数およびサイズを決定する(ステップS14)。この例では、複数の箱30に販促物を収容し配送することとする。
【0069】
その後の処理は情報処理方法1と同様である。
【0070】
[情報処理方法3]
次に、図7および図8を参照して共同配送システム1における情報処理方法3について説明する。情報処理方法3では、会社40から販促物を配送する指示はないが(図7)、作業場28にある各会社40からの販促物を配送先50に好適に配送するよう箱30に収容される販促物の種類および数が管理サーバ10(決定手段18)で決定(演算)される。例えば、販促物がタバコである場合、タバコを取り扱う配送先50(図7において実線で示した50a、50b、50c、50d)のみに配送するよう、タバコの販促物の種類および数が決定(演算)し提案することができる。以下の説明では、情報処理方法1、2と重複する説明は適宜省略する。
【0071】
まず、制御部12(受付手段14)は、販促物を提供する各会社40の端末から、配送先50に配送される箱30に収容されるべき販促物の種類、サイズおよび数の情報を受け付ける(図8、ステップS21)。
【0072】
ステップS21の後、制御部12は、所定の商品(タバコ)を取り扱う配送先50の識別情報と、箱30に収容されるべき販促物(タバコ)を提供する各会社40の識別情報ならびに各会社40により提供される販促物のサイズおよび数との対応関係を関連付けて記憶部24に記憶する(ステップS22)。なお、情報処理方法3でも、情報処理方法1や2のように、箱30のサイズに関する情報も記憶させることができる。
【0073】
次に、制御部12(決定手段18)は、記憶部24に記憶されている情報を取得し、複数の会社40の販促物を1つの箱30に収容するにあたり、箱30の配送先50の識別情報および販促物のサイズに基づいて、箱30に収容される販促物の種類および数を決定する(ステップS23)。ここでは、箱30に収容され配送される販促物が少ないことを前提に箱30のサイズに基づかずに販促物の種類および数を決定しているが、箱30のサイズにも基づいて決定処理を行ってもよい。
【0074】
次に、制御部12(箱サイズ決定手段16)は、ステップS21で決定された販促物のサイズおよび数に基づいて、販促物が収容されるべき箱30のサイズを決定する(ステップS24)。
【0075】
その後の処理は情報処理方法1、2と同様である。
【0076】
以上のような情報処理方法は一例であり、処理の流れは上記したものに限定されない。例えば、決定手段18により決定された販促物の種類および数の情報を印刷部34に印刷させ、表示部36に表示させる工程(ステップS15、S25)は、箱30に収容される販促物の種類および数を決定する工程(ステップS13、S23)の後に行われてもよい。また、情報処理方法3において、制御部12が通信部26に所定の商品(タバコ)の販促物を配送してよいか否かの問い合わせ情報を該当する会社40と配送先50に送信させる工程をステップS22、S23またはS24の後に行わせてもよい。
【0077】
以上のような構成からなる本開示に係るシステム(共同配送システム1)、プログラムおよび情報処理方法において、複数の会社40の販促物を1つの箱30に収容するにあたり、箱30の配送先50の識別情報、箱30のサイズおよび販促物のサイズに基づいて箱30に収容される販促物の種類および数を決定する決定手段18と、決定手段18により決定された販促物の種類および数の情報を出力する出力手段20と、が設けられる。また、本開示に係る一実施形態では、箱30に収容されるべき販促物の種類および数または販促物のサイズおよび数に基づいて、販促物が収容されるべき箱30のサイズを決定する箱サイズ決定手段16と、箱サイズ決定手段16により決定された箱30のサイズの情報を出力する出力手段20と、が設けられる。
【0078】
従来のように、各会社40から各配送先50に販促物が配送される場合(図1(B))、低容積率の梱包により、各会社40の物流が非効率であり高コストであるという課題がある。本願出願人の調査によれば、容積率は10%となることもあり、搬送先である店舗に届く販促物の約半数の容積率は40%であった。また、容積率が低い結果、店舗での受け取り作業の負担が重くなり、販促物の使用率も低くなる傾向にあった(例えば、店舗での受け取り箱数は平均で22箱/週であり、販促物の使用率も34%であった)。これらの課題に対し、本開示に係るシステム(共同配送システム1)、プログラムおよび情報処理方法によれば、各会社40から販促物を配送先50(小売店舗)ごとに例えば週次でまとめて最小箱数に梱包し、共同配送させることができる。すなわち、各会社40からの配送先50(小売店舗)への販促物の効率的な配送を実現できる。この結果、配送先50の店舗スタッフの受取負担および管理負担が軽減され、共同配送により会社(荷主)40の配送コストが軽減され、会社40からの段ボール等の資源とCO排出量の削減も可能になる(それぞれ74%、52%の削減効果が見込まれる)。各会社40にとっては、運転手不足や資源の材料費の高騰に対応できる。
【0079】
また、本開示に係るシステム(共同配送システム1)、プログラムおよび情報処理方法において、出力手段20により出力された販促物の種類および数の情報を印刷する印刷部34を更に設けてもよい。このような印刷部34により印刷された印刷物により、作業場28の作業者は、販促物の効率的な配送を実現するための種類および数といった情報を認識できる。また、配送先50の店舗スタッフは、箱30を開封せずに中身を認識することが可能となる。また、印刷部34により、バイヤーが本共同配送プラットフォームを利用して注文したことを示す表記、例えば、「バイヤー承認」のような表記があれば、中身が承認済みの販促物で店内に展示すべきものであることを店舗スタッフが理解でき、廃棄リスクが減り、販促物の使用率も向上できる。
【0080】
また、本開示に係るシステム(共同配送システム1)、プログラムおよび情報処理方法において、出力手段20により出力された販促物の種類および数の情報を表示する表示部36を更に設けてもよい。このような表示部36により、作業場28の作業者は、各箱30(配送先50)毎に各販促物の収容の要否を判断することができ、販促物の効率的な配送を実現できる。
【0081】
また、本開示に係るシステム(共同配送システム1)、プログラムおよび情報処理方法において、箱30に収容されるべき販促物の種類および数または販促物のサイズおよび数に基づいて、販促物が収容されるべき箱30のサイズを決定する箱サイズ決定手段16を更に設けてもよい。箱サイズ決定手段16により、上述したように容積率の高い最適なサイズの箱30を選定することが可能となる。
【0082】
また、本開示に係るシステム(共同配送システム1)、プログラムおよび情報処理方法において、箱30の配送先50の識別情報と、箱30のサイズ、当該箱30に収容されるべき販促物を提供する会社40の識別情報ならびに当該会社40により提供される販促物の種類および数との対応関係を関連付けて記憶するとともに、販促物の種類と販促物のサイズとの対応関係を関連付けて記憶する記憶部24を更に設けてもよい。または、箱30の配送先50の識別情報と、箱30のサイズ、当該箱30に収容されるべき販促物を提供する会社40の識別情報ならびに当該会社40により提供される販促物のサイズおよび数との対応関係を関連付けて記憶する記憶部24を更に設けてもよい。そして、決定手段18は、記憶部24に記憶されている情報に基づいて、箱30の配送先50の識別情報、箱30のサイズならびに販促物のサイズおよび数に関する情報を取得してもよい。各箱30のサイズに応じて収容できる販促物のサイズおよび数は異なるため、収容する販促物のサイズおよび数が同じでも箱30毎に収容後の容積率も異なる。そこで、各会社40から提供される販促物の情報が更新(新規依頼またはキャンセル)される度に上記した対応関係を演算(シミュレーション)して記憶させることが好ましい。
【0083】
また、本開示に係るシステム(共同配送システム1)、プログラムおよび情報処理方法において、販促物を提供する各会社40の端末から、販促物が収容される箱30の配送先50の識別情報ならびにこの配送先50に配送される箱30に収容されるべき販促物の種類および数の情報を受け付ける受付手段14と、販促物の種類と販促物のサイズとの対応関係を関連付けて記憶する記憶部24とを更に設け、決定手段18は、受付手段14により受け付けた情報および記憶部24に記憶されている情報に基づいて、箱30の配送先50の識別情報ならびに販促物のサイズおよび数に関する情報を取得してもよい。または、販促物を提供する各会社40の端末から、販促物が収容される箱30の配送先50の識別情報ならびにこの配送先50に配送される箱30に収容されるべき販促物のサイズおよび数の情報を受け付ける受付手段14を更に設け、決定手段18は、受付手段14により受け付けた情報に基づいて、箱30の配送先50の識別情報ならびに販促物のサイズおよび数に関する情報を取得してもよい。このように、各会社40の端末から販促物の情報を受け付けるたびに、箱30に収容される販促物の種類および数を決定することができる。
【0084】
また、本開示に係るシステム(共同配送システム1)、プログラムおよび情報処理方法において、複数の会社40の販促物を1つの箱30に収容するにあたり、同じ会社40、同じ販促物カテゴリ、同じキャンペーンまたは同じ売り場の販促物を1つの収容体に梱包する一次梱包および販促物が梱包された収容体を1つの箱30に収容する二次梱包が行われるようになっており、出力手段20は、決定手段18により決定された販促物の種類および数の情報を出力する際に、一次梱包用の情報として販促物を提供する会社40毎、販促物カテゴリ毎、キャンペーン毎または売り場毎に販促物の種類および数の情報を出力し、二次梱包用の情報として販促物が収容されている収容体に関する情報を出力してもよい。
【0085】
また、本開示に係るシステム(共同配送システム1)、プログラムおよび情報処理方法において、販促物のサイズを測定するサイズ測定器32を更に設けてもよい。上述したように、販促物の種類および数を決定に、測定した販促物のサイズを用いることができる。
【0086】
また、本開示に係るシステム(共同配送システム1)、プログラムおよび情報処理方法において、決定手段18は、箱30の配送先50の識別情報、箱30のサイズ、販促物の重量または販促物のサイズに基づいて、箱30に収容される販促物の種類および数に加えて各販促物の収容位置を決定してもよい。このように、販促物の重量も利用して、販促物の種類および数を決定したり、各販促物の収容位置を決定したりして、販促物の効率的な配送を実現できる。
【0087】
また、本開示に係るシステム(共同配送システム1)、プログラムおよび情報処理方法において、販促物を箱30に収容する作業現場を撮像する撮像部38と、撮像部38により撮像された動画と、決定手段18により決定された箱30に収容される販促物の種類および数の情報とに基づいて、所定の販促物が箱30に収容されたか否かの判定を行う判定手段22と、を更に設けてもよい。こうして、撮像された動画からどの販促物が不足かまたは過剰か確認することもでき、販促物の効率的な配送をより確実に実現することができる。
【0088】
なお、本開示に係るシステム(共同配送システム1)、プログラムおよび情報処理方法は、上述したような態様や組み合わせに限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
【0089】
例えば、販促物の種類および数が少ない場合は、販促物が収容されるべき箱30のサイズを箱サイズ決定手段16に決定させ、箱サイズ決定手段16により決定された箱30のサイズの情報を出力手段20に出力させることにより、各会社40からの配送先50(小売店舗)への販促物の効率的な配送を実現できる。
【符号の説明】
【0090】
1 共同配送システム(システム)
10 管理サーバ(コンピュータ)
12 制御部
14 受付手段
16 箱サイズ決定手段
18 決定手段
20 出力手段
22 判定手段
24 記憶部
26 通信部
28 作業場
30 箱
32 サイズ測定器
34 印刷部
36 表示部
38 撮像部
40、40a、40b、40c、40d、40e 会社
50、50a、50b、50c、50d、50e、50f、50g、50h 配送先
【要約】
【課題】配送先50(小売店舗)への販促物の配送を効率的に行うことができるシステム、プログラムおよび情報処理方法を提供する。
【解決手段】 複数の会社40の販促物を1つの箱30に収容するにあたり、箱30の配送先50の識別情報、箱30のサイズおよび販促物のサイズに基づいて箱30に収容される販促物の種類および数を決定する決定手段18と、決定手段18により決定された販促物の種類および数の情報を出力する出力手段20と、が設けられている。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8