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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】袋充填用補助装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 67/12 20060101AFI20240830BHJP
   B65D 90/00 20060101ALN20240830BHJP
【FI】
B65B67/12 C
B65B67/12 D
B65D90/00 H
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2024094795
(22)【出願日】2024-06-12
【審査請求日】2024-06-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524222935
【氏名又は名称】株式会社共立テクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100153268
【弁理士】
【氏名又は名称】吉原 朋重
(72)【発明者】
【氏名】矢部 幸一
(72)【発明者】
【氏名】矢部 あゆ子
【審査官】嘉村 泰光
(56)【参考文献】
【文献】特開昭52-583(JP,A)
【文献】特開2017-218883(JP,A)
【文献】特開2013-23268(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B67/00-67/12
B65D88/00-90/66
E02B 3/04- 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒形状を成し、持ち手部を備える袋体を内側に入れて使用する筒部と、
両端にある連結部において、前記筒部の上方開口部の直径両端に回動可能に連結され、左右対称形状で、中央部に頂点を有する吊持部と、
前記吊持部において左右対称に位置し、前記持ち手部を掛けるためのフック部と、を有し、
前記連結部の孔及び前記筒部の孔にボルト部材を貫通させて、前記筒部と前記吊持部とを連結させ、
前記吊持部を垂直に立てたとき、前記連結部の孔が水平方向より垂直方向に長く、前記ボルト部材が前記連結部の孔の中を移動することによって、前記筒部を動かさず、前記吊持部を上下方向に動かすことが可能になることを特徴とする袋充填用補助装置。
【請求項2】
中詰め材を充填した前記袋体を前記筒部から分離するとき、前記吊持部を垂直に立て、前記ボルト部材を前記連結部の孔の上端付近まで移動させ、前記吊持部の位置を下げることによって、前記フック部に掛かった前記持ち手部を外すことが可能になることを特徴とする請求項1に記載の袋充填用補助装置。
【請求項3】
筒形状を成し、持ち手部を備える袋体を内側に入れて使用する筒部と、両端にある連結部において、前記筒部の上方開口部の直径両端に回動可能に連結され、左右対称形状で、中央部に頂点を有する吊持部と、前記吊持部において左右対称に位置し、前記持ち手部を掛けるためのフック部と、を有し、前記連結部の孔及び前記筒部の孔にボルト部材を貫通させて、前記筒部と前記吊持部とを連結させ、前記吊持部を垂直に立てたとき、前記連結部の孔が水平方向より垂直方向に長く、前記ボルト部材が前記連結部の孔の中を移動することによって、前記筒部を動かさず、前記吊持部を上下方向に動かすことが可能になる袋充填用補助装置の袋体分離方法であって、
中詰め材を充填した前記袋体を前記筒部から分離するとき、前記吊持部を垂直に立て、前記ボルト部材を前記連結部の孔の上端付近まで移動させ、前記吊持部の位置を下げた後、前記フック部に掛かった前記持ち手部を外すことを特徴とする袋体分離方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
中詰め材等を充填する袋体の取り扱う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
建設現場において、残土・瓦礫・廃棄物の処理や土嚢の製作を行うにあたり、持ち手部を備える袋体(例えば、フレキシブルコンテナバッグ(フレコンバッグ))が使用されることがある。
【0003】
そして、そのような袋体に中詰め材等を直接充填することは難しいので、袋充填用補助装置が用いられることが多いため、建設現場において技術的課題が認識されることも多かった。
そのような背景下、例えば、特許文献1乃至5で示されるような袋充填用補助装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4304227号公報
【文献】特開2007-198012号公報
【文献】実全平04-060813号公報
【文献】実用新案登録第3233086号公報
【文献】特許第4122363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記の従来技術において、装置自体の構造が複雑であるため、取り扱いが難しく、また、故障が多いという問題点があったり、複数人による作業が必要であったりするという問題点が有った。
【0006】
そこで本発明では、上記問題点に鑑み、中詰め材等を袋体に充填するために用いられ、簡易な構造でありながら、中詰め材等の袋体への充填作業の作業性を向上させる袋充填用補助装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示する袋充填用補助装置の一形態は、筒形状を成し、持ち手部を備える袋体を内側に入れて使用する筒部と、両端にある連結部において、前記筒部の上方開口部の直径両端に回動可能に連結され、左右対称形状で、中央部に頂点を有する吊持部と、前記吊持部において左右対称に位置し、前記持ち手部を掛けるためのフック部と、を有し、前記連結部の孔及び前記筒部の孔にボルト部材を貫通させて、前記筒部と前記吊持部とを連結させ、前記吊持部を垂直に立てたとき、前記連結部の孔が水平方向より垂直方向に長く、前記ボルト部材が前記連結部の孔の中を移動することによって、前記筒部を動かさず、前記吊持部を上下方向に動かすことが可能になることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
開示する袋充填用補助装置は、中詰め材等を袋体に充填するために用いられ、簡易な構造でありながら、中詰め材等の袋体への充填作業の作業性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施の形態に係る袋充填用補助装置の正面図の一例である。
図2】本実施の形態に係る袋充填用補助装置の平面図の一例である。
図3】本実施の形態に係る袋充填用補助装置の側面図の一例である。
図4】本実施の形態に係る連結部の一例の拡大図である。
図5】本実施の形態に係る袋充填用補助装置の使用状態図(その1)の一例である。
図6】本実施の形態に係る袋充填用補助装置の使用状態図(その2)の一例である。
図7】本実施の形態に係る袋充填用補助装置の使用状態図(その3)の一例である。
図8】本実施の形態に係る袋充填用補助装置の使用状態図(その4)の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。
(本実施の形態に係る袋充填用補助装置の構造)
【0011】
図1乃至4を用いて、本実施の形態に係る袋充填用補助装置(以下、単に「本装置」という。)1の構造について説明する。図1は、本装置1の正面図であり、図2は、本装置1の平面図であり、図3は、本装置1の側面図である、図4は、本装置1が備える連結部10の拡大図である。
【0012】
本装置1は、残土・瓦礫・廃棄物等の中詰め材26を袋体22に充填するために用いられる。袋体22は、側面の対向位置に2つの紐状の持ち手部24を備えていることが多く、以下の説明においても、袋体22が持ち手部24を備えることを想定している。
【0013】
また、以下においては、本装置1が備える筒部2の内側に袋体22を配置して使用することを想定して説明を行うが、本装置1は、筒部2の外側に袋体22を配置し、袋体22へ中詰め材26を充填することも可能である。
図1乃至4で示すように、本装置1は、筒部2、吊持部8を有し、吊持部8は、連結部10、フック部14、ボルト部材16を有する。
【0014】
図1及び2で示すように、筒部2は、筒形状を成し、持ち手部24を備える袋体22を内側に入れて使用する部位である。袋体22は、例えば、フレキシブルコンテナバッグ(フレコンバッグ)である。筒部2は、金属製であることが好適である。
【0015】
図1乃至3で示すように、吊持部8は、両端にある連結部10において、筒部2の上方開口部4の直径両端(対向位置)に回動可能に連結される部位である。吊持部8は、左右対称形状であり、中央部に頂点を有する部位であるため、クレーン、パワーショベル等の外部釣上げ装置のフックが掛け易く、持ち上げる時にフックが自然に頂点部へ移動し、それによって、吊持部8(本装置1)を持ち上げ易くなる。また、挟持部8は、金属製であることが好適である。
図1乃至3で示すように、フック部14は、吊持部8において左右対称に位置し、袋体22の持ち手部24を掛けるための部位である。
【0016】
図1乃至3で示すように、連結部10は、筒部2と吊持部8とを連結させる部位である。連結部10においては、連結部10が備える孔12と筒部2が備える孔6とにボルト部材16を貫通させ、ナット部材等で位置関係を固定する。
【0017】
図4で示すように、連結部10が備える孔12は、吊持部8を垂直方向20に立てたとき、水平方向18より垂直方向20に長い。そして、ボルト部材16が連結部10の孔12の中を移動することによって、筒部2は動かさず、吊持部8を上下に(垂直方向20に)移動させることが可能となる。この機能に基づいて、中詰め材26が充填され袋体22が重くなって、持ち手部24をフック部14から取り外すことが難しくなる場合でも、吊持部8(フック部14)のみを下方に移動させ、持ち手部24をフック部14から容易に取り外すことが可能となる。
【0018】
本装置1は、上記の様な構造に基づいて、中詰め材26等を袋体22に充填するために用いられ、簡易な構造でありながら、中詰め材26等の袋体22への充填作業の作業性を向上させる。
(本実施の形態に係る袋充填用補助装置の使用方法)
図5乃至8を用いて、本装置1の使用方法について説明する。図5乃至8は、本装置1の使用状態の一例を示す図である。
【0019】
(1)図5で示すように、本装置1を使用して袋体22に中詰め材26を充填しようとする使用者は、上方開口部4が上向きになるように、筒部2を地面に置く。
(2)使用者は、直径が筒部2と同程度の袋体22を筒部2の内側に配置し、袋体22の縁を上方開口部4の内側から出し、外側に掛ける。
(3)使用者は、持ち手部24を吊持部8のフック部14に掛け、袋体22の位置をある程度固定する。
(4)使用者は、上方開口部4から袋体22の中に、土砂や廃棄物など中詰め材26(対象充填物)を入れる。
【0020】
(5)図5で示すように、袋体22の中に中詰め材26が溜まったら、使用者は、外部釣上げ装置(クレーン、パワーショベル等)のフックを吊持部8の中央部付近に掛ける。
【0021】
(6)図6で示すように、外部釣上げ装置のフックを上昇させていくと、外部釣上げ装置のフックが吊持部8中央部の頂点に自然と移動する。さらにフックを上昇させていくと、吊持部8が垂直に立ち、ボルト部材16が吊持部8の孔12の中を下方向へ移動する(孔12が上方向に移動する)。こうすることによって、筒部2を動かさず、吊持部8を上に動かすことができる。
【0022】
(7)図7で示すように、さらに外部釣上げ装置のフックを上昇させ、ボルト部材16が連結部10の孔12の下端まで来ると、筒部2が上昇し、中詰め材26が詰まった袋体22は重く、動かないので、袋体22の下端部が筒部22の下方開口部から姿を現す。
なお、(7)の状態のままでは、フック部14に袋体22の持ち手部24が引っ掛かり、袋体22と筒部2とを分離できないので、使用者は、次の工程を行う。
【0023】
(8)図7及び8で示すように、使用者は、外部釣上げ装置のフックの上昇を一旦停止させ、ボルト部材16を連結部10の孔12の上端付近まで移動させ、つまり、吊持部8の位置を下げ、フック部14に掛かった袋体22の持ち手部24を外す。
【0024】
(9)そして使用者が外部釣上げ装置のフックの上昇を継続させると、袋体22が筒部2の下方開口部から完全に出て、袋体22と筒部2とを分離させることができる。
上記のようにして、使用者は、中詰め材26を充填した袋体22を完成させる。
【0025】
上記のような使用方法によって、本装置1は、中詰め材26等を袋体22に充填するために用いられ、簡易な構造でありながら、中詰め材26等の袋体22への充填作業の作業性を向上させることができる。
【0026】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0027】
1 袋充填用補助装置
2 筒部
4 筒部の上方開口部
6 筒部の孔
8 吊持部
10 連結部
12 連結部の孔
14 フック部
16 ボルト部材
18 水平方向
20 垂直方向
22 持ち手部を備える袋体
24 持ち手部
26 中詰め材

【要約】
【課題】
中詰め材等を袋体に充填するために用いられ、簡易な構造でありながら、中詰め材等の袋体への充填作業の作業性を向上させる。
【解決手段】
筒形状を成し、持ち手部を備える袋体を内側に入れて使用する筒部と、両端にある連結部において、前記筒部の上方開口部の直径両端に回動可能に連結され、左右対称形状で、中央部に頂点を有する吊持部と、前記吊持部において左右対称に位置し、前記持ち手部を掛けるためのフック部と、を有し、前記連結部の孔及び前記筒部の孔にボルト部材を貫通させて、前記筒部と前記吊持部とを連結させ、前記吊持部を垂直に立てたとき、前記連結部の孔が水平方向より垂直方向に長く、前記ボルト部材が前記連結部の孔の中を移動することによって、前記筒部を動かさず、前記吊持部を上下方向に動かすことが可能になる。
【選択図】図3

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8