(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】椅子
(51)【国際特許分類】
A47C 3/026 20060101AFI20240830BHJP
【FI】
A47C3/026
(21)【出願番号】P 2017194795
(22)【出願日】2017-10-05
【審査請求日】2020-08-07
【審判番号】
【審判請求日】2023-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000108627
【氏名又は名称】タカノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137486
【氏名又は名称】大西 雅直
(72)【発明者】
【氏名】木下 洋二郎
(72)【発明者】
【氏名】奥 一夫
(72)【発明者】
【氏名】塩澤 健太
(72)【発明者】
【氏名】市川 智昭
(72)【発明者】
【氏名】中村 謙介
【合議体】
【審判長】一ノ瀬 覚
【審判官】北中 忠
【審判官】草野 顕子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0292968(US,A1)
【文献】特開2001-161488(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 3/025 - 3/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着座面を構成する背および座を有し、前記背または前記座がそれぞれを支持する背支持部または座支持部に対して異なる複数の方向に揺動可能なものであって、
少なくとも前記背と前記背支持部の間または前記座と前記座支持部の間に揺動機構部を有し、前記揺動機構部を隠蔽する位置に可撓性材料を配置しており、
前記可撓性材料が、前記背または前記座の着座面を覆う張地と裏面側を覆う張地で袋状に構成されて、背本体または座本体に被せられたものであり、この可撓性材料が前記背または前記座と前記背支持部または前記座支持部の間にテンションが掛かった状態で前記揺動機構部を隠蔽する状態に張設されて、前記背または前記座が揺動した際に、前記背支持部または前記座支持部との間で変形しながら張設された状態を保つことを特徴とする椅子。
【請求項2】
前記背と前記背支持部または前記座と前記座支持部が揺動機構部を介して異なる複数の方向に揺動可能に接続されており、前記揺動機構部の周囲には揺動空間が形成され、前記背または前記座の揺動によって前記揺動空間の形状が変化するものであって、前記揺動空間に配置された張地によって前記揺動機構部を隠蔽していることを特徴とする請求項1記載の椅子。
【請求項3】
前記背支持部または前記座支持部は剛性部材である背フレームまたは座フレームと前記背フレームまたは前記座フレームを覆う背カバーまたは座カバーで構成されており、前記背カバーまたは前記座カバーは前記揺動機構部よりも上下方向または左右方向に張り出しており、張り出し部と背または座の間に前記揺動空間を有する請求項2記載の椅子。
【請求項4】
前記背または前記座の非着座面側は、その中央部に前記揺動機構部を配置するための凹陥部を有するシェル材が配置され、前記凹陥部と前記背支持部または前記座支持部を前記揺動機構部で揺動可能に接続し、前記凹陥部および前記揺動機構部を覆い隠すように、前記背または前記座を覆う張り地を張り渡したことを特徴とする請求項
3記載の椅子。
【請求項5】
前記凹陥部は前記張り出し部に対応した形状および大きさであり、
前記張り出し部に対向する背側または座側の前記凹陥部の間が前記揺動空間となっている請求項4記載の椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィス等において好適に利用される椅子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
オフィス等で利用される従来の椅子は、背を背フレームの上部に取り付け、見た目を良くするためにその取付部分を金属や樹脂のカバーで覆ったり、背と背フレームの取付部分および背フレームを含み広範囲に亘って金属や樹脂のカバーで覆ったりするものがあった(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1のような場合、カバーには背が可動する範囲でカバーと背フレームの干渉を回避するために開口が存在する。このため、カバーの開口と背フレームとの隙間に手指等が入らないようにする必要があり、可動範囲が大きくなるほど開口を完全に塞ぐことが難しいという問題があった。
【0005】
このような問題は座においても同様である。
【0006】
本発明は、これらの課題に着目し、背または座を揺動機構部を介して背支持部または座支持部に支持させるにあたり、かかる揺動機構部への手指等の進入を適切に防止できる椅子を実現することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0008】
すなわち、本発明の椅子は、着座面を構成する背および座を有し、前記背または前記座がそれぞれを支持する背支持部または座支持部に対して異なる複数の方向に揺動可能なものであって、少なくとも前記背と前記背支持部の間または前記座と前記座支持部の間に揺動機構部を有し、前記揺動機構部を隠蔽する位置に可撓性材料を配置しており、前記可撓性材料が、前前記背または前記座の着座面を覆う張地と裏面側を覆う張地で袋状に構成されて、背本体または座本体に被せられたものであり、この可撓性材料が前記背または前記座と前記背支持部または前記座支持部の間にテンションが掛かった状態で前記揺動機構部を隠蔽する状態に張設されて、前記背または前記座が揺動した際に、前記背支持部または前記座支持部との間で変形しながら張設された状態を保つことを特徴とする。
【0009】
このように、動作部分を張地で覆えば、少なくとも張地が適宜に変形しながら揺動機構部をカバーしてくれるので、従来のカバーに相当する張地と背支持部の干渉等を考える必要が無く設計が容易になる。そして、揺動機構部を隠蔽することで、手指等が揺動機構部に進入することを防止することができ、椅子の見た目と安全性を向上させることができる。また、背座のあらゆる揺動状況に対応することができる。
【0010】
ここで揺動とは、限られた範囲内で特定の往復動作を繰り返し行いうることをいう。また配置するとは、隙間を覆い隠すだけでなく、挟まれても痛くないように背や背支持部、揺動機構部等をクッションで包むものも含む。可撓性材料は別部材として外部と隙間の間を遮る状態で取り付けられるものでも良い。
【0011】
特に、前記背と前記背支持部または前記座と前記座支持部が揺動機構部を介して異なる複数の方向に揺動可能に接続されており、前記揺動機構部の周囲には揺動空間が形成され、前記背または前記座の揺動によって前記揺動空間の形状が変化する場合に、揺動機構部の近くの揺動空間に手指等が進入することを防止するためには、前記揺動空間に配置された張地によって前記揺動機構部を隠蔽していることが望ましい。
【0012】
とりわけ、前記背支持部または前記座支持部が剛性部材である背フレームまたは座フレームと前記背フレームまたは前記座フレームを覆う背カバーまたは座カバーで構成されており、前記背カバーまたは前記座カバーは前記揺動機構部よりも上下方向または左右方向に張り出しており、張り出し部と背または座の間に前記揺動空間を有する場合に適用することが好適である。
【0013】
このような背支持部に張り出し部があり、背支持部の内部の背フレームが剛性部材で構成されていると、背支持部自体が硬くなるとともに背との隙間が狭くなって指手等が進入したときに安全性が損なわれるおそれがあるが、張り出し部と背の間の揺動空間に可撓性材料を配置していれば、そこで手指等の進入を防ぐことができる。背フレームとカバーは一体でもよい。
【0016】
背と背支持部の間または座と座支持部に揺動機構部をコンパクトに組み付けつつこれを張り地によって見栄えよく隠蔽することを可能とするためには、前記背または前記座の非着座面側は、その中央部に前記揺動機構部を配置するための凹陥部を有するシェル材が配置され、前記凹陥部と前記背支持部または前記座支持部を前記揺動機構部で揺動可能に接続し、前記凹陥部および前記揺動機構部を覆い隠すように、前記背または前記座を覆う張り地を張り渡していることが望ましい。
【0017】
背を大きく動作させても背支持部との干渉を回避するためには、前記凹陥部は前記張り出し部に対応した形状および大きさであり、前記張り出し部に対向する背側または座側の前記凹陥部の間が前記揺動空間となっていることが望ましい。
【発明の効果】
【0018】
以上説明した本発明によれば、背または座を揺動機構部を介して背支持部または座支持部に支持させるにあたり、かかる揺動機構部への手指等の進入を適切に防止することのできる椅子を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態に係る椅子の斜め前方斜視図。
【
図3】同椅子における前後左右の揺動機構部を示す斜視図。
【
図4】同椅子の支持基部に左右揺動部を組み込んだ状態を示す斜視図。
【
図8】揺動機構部を取り付けた背と背支持部の関係を示す縦断面図。
【
図10】
図8に対応して背と背支持部を組み付けた状態を示す縦断面図。
【
図12】
図9に対応して背と背支持部を組み付けた状態を示す平断面図。
【
図18】本発明のさらに上記以外の変形例を示す図。
【
図19】本発明を、座と座支持部の間の揺動機構部を隠蔽する手段として適用した場合の説明図。
【
図20】本発明を、座と座支持部の間の揺動機構部を隠蔽する手段として適用した場合の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0021】
この椅子は、
図1~
図5に示すように、キャスター11に支持された脚羽根12の中心部に昇降機構を内設した脚支柱13を立設して脚1を構成し、前記脚支柱13の上端側に座支持部である支持基部2を回転可能に取り付けることによって構成される事務用椅子である。支持基部2には交差する2方向である前後方向(図中X方向)および左右方向(図中Y方向)の何れか一方向に動作可能な前後揺動部3、および、前後左右何れか他方向に動作可能な左右揺動部4を有する座揺動機構部5Mを介して、可動部である座5が支持され、座5は支持基部2に対して前後左右に揺動可能とされる。具体的には、座5と座5を支持する支持基部2の間に前後揺動部3が設けられ、前後揺動部3と支持基部2の間に左右揺動部4が設けられている。座5の後方には背支持部7を介して背6が配置されている。
【0022】
支持基部2は、着座者の荷重を受ける構造体としての役割を担うもので、支柱13の上端が挿入される。支持基部2の前後端には座揺動機構部5Mを構成する左右揺動リンクL1、L2の上端部が揺動支軸S1、S2を介して取り付けられている。
【0023】
左右揺動部4は、支持基部2に対して左右に揺動動作を行うべく、前後に離間させて配置される板状をなす一対のリンクベース41と、これら一対のリンクベース41、41間を接続する左右揺動本体42とを備えたもので、リンクベース41の左右両端部には左右揺動リンクL1、L2の下端部が揺動軸S3、S4を介して取り付けられる。
図4はリンクL1、L2を揺動軸S1~S4を介して取り付けた状態を示している。すなわち、左右揺動本体42は左右揺動リンクL1、L2を介して支持基部2に左右揺動可能に吊り下げた状態に配され、左右揺動リンクL1、L2は
図4等に示すように上端間の距離よりも下端間の距離が小さくなる状態で取り付けられている。
【0024】
すなわち、左右揺動部4が
図4中矢印Y1(Y2)で示すように揺動するときは、揺動先に位置するリンクL2(L1)が鉛直姿勢に近づき、もう一方のリンクL1(L2)が水平姿勢に近づく結果、移動先端側がより低くなるように傾斜しつつ、当該左右揺動部4の重心が持ち上がる動作を行う。
【0025】
前後揺動部3は、左右揺動部4に対して前後に揺動動作を行うべく、座揺動機構部5Mの構成要素として、
図3に示すように左右に離間させて配置される板状をなす一対のレールプレート31、31と、一対のレールプレート31、31間を接続する上接続板32を備える。レールプレート31の前側にはガイド孔34が貫通させて設けてあり、このガイド孔34に、左右揺動本体42の前端側の側面に左右独立して転動可能に設けた転動体45であるベアリング45aが係合される。レールプレート31の後端側は後下方に延びて、その延出端に揺動軸S5を介して揺動可能な前後揺動リンクであるリンクアームLAの下端部が取り付けられており、このリンクアームLAの上端部は左右揺動体4の後端部に揺動軸S6を介して支持される。すなわち、前後揺動部3の後端部はリンクアームLAを介して左右揺動部4に前後揺動可能に吊り下げられた状態に配されている。ガイド孔34は後端側から前端側に向かうほど前下方に緩やかに湾曲する形状をなしている。
【0026】
すなわち、前後揺動部3の上面が略水平姿勢をとる
図3の状態から、前後揺動部3が同図中矢印X1に示すように後方へ移動すると、前端部のガイド孔34の前端側にベアリング45aが相対移動して前後揺動部3の前端側が高い位置に持ち上げられるとともに、リンクアームLAが垂直姿勢に近づく結果、前後揺動部3の後端側が低い位置に導かれる動作を行う。逆に、前後揺動部3が同図中矢印X2で示すように前方へ移動すると、前端部のガイド孔34の後端側にベアリング45aが相対移動して前後揺動部3の前端側を低い位置に導くとともに、リンクアームLAが水平姿勢に近づく結果、前後揺動部3の後端部が高い位置に持ち上げられる動作を行う。すなわち、前後揺動部3は前後方向に対しても移動先端側がより低くなるように傾斜する動作を行う。
【0027】
図5に示すように、背支持部7を構成する背フレーム71は前後揺動体3を構成する上接続板32の後部に取り付けられ、座5を構成する座アウターシェル51はその上から接続板32に取り付けられる。すなわち、座5の後方に背6を支持する背支持部7の背フレーム71が一体に起立し、座5が支持基部2に対して図中X、Yに示すように前後・左右方向に揺動すると、背フレーム71も一緒になって移動するが、本実施形態の背6は後述のように背フレーム71や座5に対して切り離した動作を行う。
【0028】
次に、背6の支持機構について説明する。
図2、
図5~
図7に示すように、座5の後方に配置された背支持部7は、背フレーム71に本発明の揺動機構部である背揺動機構部8Mを介して背6を支持させるように構成される。背フレーム71は剛性部材からなるもので、前記背フレーム71の前後には当該背フレーム71とともに背支持部7を構成する背カバー7xが取り付けられている。背カバー7xは、背前カバー72と背後カバー73からなるものである。背前カバー72には肉厚方向を貫通する開口72aが設けられて、この開口72aを介して背6が背フレーム71に動作可能に支持されている。
【0029】
背6は、背板61の前面にクッション62を配置し、全体を張地63で覆って構成されるもので、
図1に示すように背6の下端6tが座面よりも上方へ所定距離離れた位置に配されて、背面側に配置される
図6に示す背揺動機構部8Mを介して背フレーム71の上端の背取付部71aに取り付けられている。
【0030】
背揺動機構部8Mは、背6を構成する背板61に固定若しくは一体形成され背面側に弾性体81が配置されるベース部82と、このベース部82の後方へ隣接する位置に相対移動可能に配置されて背面側にテーパ状に凹む凹状ガイド部83aを有しその中央が前後方向に開口した可動部たるチルト部83と、前面側に前記ガイド部83aに対応する凸状ガイド部84aを有しその凸状ガイド部84aが前記凹状ガイド部83aに嵌め込まれた状態で
図6に矢印Jで示すように前記チルト部83の開口を介して前記ベース部82に固定される押え具84とを備え、前記チルト部83を、
図6及び
図7に矢印Kで示すように背前カバー72の開口72aを貫通して背フレーム71の上端側の背取付部71aにねじVで引き寄せて固定することにより構成されている。
【0031】
図8は背6を背支持部7に取り付ける前の状態を示し、
図10は背6を背支持部7に取り付けた状態でかつ背6の上端側に着座者の荷重が作用した状態を示している。背6を背支持部7に取り付けた状態で着座者の荷重が作用していない状態は省略している。すなわち、押え具84はチルト部83を挟んだ状態でベース部82に固定されることによりベース部82と一体となってベース部82の一部を構成し、チルト部83はベース部82と押え具84の間で遊動可能とされるが、遊動にあたって、チルト部83とベース部82の間に介在させた弾性体81を弾性力に抗して圧縮することが必要となるように構成されている。チルト部83の凹状ガイド部83aには、弾性体81によって押え具84の凸状ガイド部84aに常時嵌め込まれる方向の力が働いている。
【0032】
より具体的には、
図6等に示すように、チルト部83の凹状ガイド部83aはほぼ部分的に楕円すり鉢状であり、押え具84の凸状ガイド部84aはそれに緩やかに嵌り合う山形をなしていて、離席時に背6が一意に同じ場所、同じ姿勢に復帰するように構成されている。
【0033】
弾性体81には、この実施形態では発泡ウレタンが用いられ、矩形板状をなすベース部82の上半分における左右のコーナー部から上縁部分に亘って配置されている。厚み寸法は、
図8に示すように押え具84がベース部82に取り付けられ、押え具84の凸状ガイド部84aとチルト部83の凹状ガイド部83aが嵌り合った状態で、適宜に圧縮されている状態となるように設定されている。背6に凭れるときは背揺動機構部8Mの中心よりも上方に荷重が掛かることに鑑みて、実質的に機能する機会の少ないベース部82の下半部には弾性体81は設けていないが、この位置に弾性体81を設けることを妨げるものではない。
【0034】
図9は
図8に対応した平面図、
図12は背6の取付状態で背62に左右均等な着座荷重が掛かった状態を示す平面図である。また、
図11は着座者が体を捩る動作を行った場合等における背6の旋回動作を示している。
【0035】
すなわち、背6は弾性体81に支持された状態で後方向及び旋回方向に弾性反力に抗して移動する位置関係に配されて、前後移動時や旋回移動時に弾性体81が上下左右に変形し、移動量に応じて背6が中立位置に戻る反力が大きくなるように構成される。旋回方向には、
図11に矢印で示すよう正面視時計回り又は反時計回りの方向c1や、上下左右方向c2、平面視時計回り又は反時計回りの方向c3が含まれる。
【0036】
また、
図12の状態から背6の左半部に荷重が掛かった場合には、背6の左側の縁部が後方へ後退し右側の縁部が前方へ進出するように旋回し、背6の右半部に荷重が掛かった場合には、背6の右側の縁部が後方へ後退し左側の縁部が前方へ進出するように旋回する。
【0037】
ベース部82の一部を構成する押え具84側の凸状ガイド部84aとチルト部83側の凹状ガイド部83aは、弾性体81によって圧接されることでそれらのガイド部84a、83a同士の形状によって、ベース部82とチルト部83は相対的に同じ場所、同じ姿勢に誘導されて静止する。そして、着座者から荷重が掛かることで弾性体81が圧縮されることにより圧接が緩んだ場合、チルト部83の凹状ガイド部83aとベース部82の一部を構成する押え具84の凸状ガイド部84aが
図10、
図12等のように少なくとも一部において離反して背62が自由に動く状態になり、受圧の程度に応じてベース部82とチルト部83が基準位置から相対変化し、荷重が取り去られた際に、動作位置をガイド部84a、83aに沿って自動的にベース部82とチルト部83が
図8、
図9に示す関係となるような中立位置に復帰させる。その際、背6は、背フレーム71に対する後方向の移動に伴ってガイド部84a、83a間の隙間SPが広がり、その結果左右方向への旋回範囲が大きくなるように構成されており、荷重が取り去られた際の復帰反力は、左右両方向への旋回移動量に応じて大きくなるように構成されている。
【0038】
このように、本実施形態の椅子は、背6が背支持部7に対して異なる複数の方向に揺動可能であり、背6と背支持部7の間に背揺動機構部8Mが配置されているものである。
【0039】
そして、かかる背揺動機構部8Mを隠蔽する可撓性材料として前記張り地63を利用し、この張り地63を前記背揺動機構部8Mを隠蔽する位置に配置している。
【0040】
前述したように背揺動機構部8Mは、背6と背支持部7の間を接続する役割をなしている。このため、背揺動機構部8Mの周囲には揺動空間S(後述するSup、Sdw、Sri、Sle)が形成されている。すなわち、
図6、
図8~
図10、
図12等に示すように、背板61はシェル材61sによって構成されていて、背板61の非着座面側(反着座面側)には、その中央部に背揺動機構部8Mを配置するための外側凹陥部61a、内側凹陥部61bが設けられ、内側凹陥部61bと背支持部7を背揺動機構部8Mで揺動可能に接続している。この実施形態では、内側凹陥部61bは背揺動機構部8Mのベース部82と一体に形成されており、この内側凹陥部61bに背揺動機構部8Mの他の機構部分が一部収容される形となっている。したがって、内側凹陥部61bの周縁壁部61b1に対してチルト部83の周縁部83cが少なくとも所定動作範囲内で変化する隙間δを介して対向している。ただし、その隙間δは上下方向および側方に解放されているため、その隙間δが拡縮するときに手指等が進入することが考えられる。上述した張り地63はその進入を阻止する役割を担うものである。これについては後述する。
【0041】
背カバー7xは背揺動機構部8Mよりも上下方向および左右方向に寸法が大きく、張り出した形状に設けられている。
図9中符号72yは背カバー7xを構成する背前カバー72のうち開口72aから左右方向への張り出し部を示し、
図8中符号72z1、72z2は背カバー7xを構成する背前カバー72のうち開口72aから上下方向への張り出し部を示す。背前カバー72の開口72aの内側には、
図7に示すように背面側へ突出する左右リブ72a1および上下の係合爪部72a2、72a3が設けられている。
【0042】
一方、
図6に示す背板61の背面にあって内側凹陥部61bを包囲する外側凹陥部61aは、内側凹陥部61bよりも深く且つより広い範囲に亘ってシェル材61sを凹ませることにより構成されている。この外側凹陥部61aは、背6の揺動動作に伴って背カバー7xの張り出し部72y、72z1、72z2と背板61が干渉することを避ける役割をなしている。すなわち、
図10、
図12において、外側凹陥部61aがなければ、背板61は張り出し部72y、72z1、72z2と干渉して背6を動作させ得ないのはおろか、取り付けることさえままならないものである。
【0043】
すなわち、揺動空間Sとは、背揺動機構部8Mの周囲に設けられた外側凹陥部61aと背支持部7の張り出し部72y、72z1、72z2との間の空間をいう。この揺動空間Sは、
図10、12等に示すように背6の揺動によって形状が変化するものである。すなわち、背6の上縁が後方へ移動し下縁が前方へ移動すれば上側の揺動空間Supが狭まって下側の揺動空間Sdwが広がり、背62の左側縁(右側縁)が後方へ移動し右側縁(左側縁)が前方へ移動すれば左側の揺動空間Sle(右側の揺動空間Sri)が狭まって右側の揺動空間Sri(左側の揺動空間Sle)が広がる。本実施形態の張り地63は、このような背6の揺動に応じて弾性的に伸縮または変形しながら、これらの拡縮する空間S(Sup、Sdw、Sri、Sle)に手指等が進入することを防止する役割をもなしているものである。
【0044】
すなわち、前述した可撓性材料である張り地63は背揺動機構部8Mを内包する形で
図6及び
図8に示すように取付前の背6を構成する背板61およびクッション62を被覆するように取り付けられている。この張り地63は、背6の着座面を覆う着座面側張り地63aと裏面側を覆う裏面側張り地63bで袋状に構成されて、上方から背6を構成する背板61およびクッション62からなる背本体60に被せられ、下縁63tが背6の下端に設けた溝61tに押し込まれて収められる。
【0045】
一方、チルト部83が取り付けられる背支持部7は、
図7~
図9等に示すように、背フレーム71の前面側に背カバー7xを構成する前記背前カバー72が取り付けられるとともに背面側に背後カバー73が取り付けられて、これら背前カバー72および背後カバー73で背フレーム71を前後から隠蔽し、背フレーム71のうち背取付部71aの部分については背前カバー72の一部に開口72aを設けて背取付部71aを前方に露出させている。背フレーム71の背取付部71aは横断面コ字形をなすもので、その側壁71a1が背前カバー72の左右リブ72a1の外側に位置付けられ、上下の係合部71a2、71a3に背前カバー72の上下の係合爪部72a2、72a3が係合した状態で組み付けられる。背前カバー72の開口72aおよび背フレーム71の背取付部71aの底部は前記背揺動機構部8Mの一部を収容し得る収容部をなしている。そして、この収容部に背揺動機構部8Mを構成するチルト部83の少なくとも一部を収容し、背面側から止着具であるボルトVで背取付部71aに固定することによって、背揺動機構部8Mの周囲が背前カバー72の開口72aの周縁部に囲まれた状態で取り付けられている。
【0046】
このとき張り地63には、
図6に示すように予めボルトVが挿入される部分に孔63hが設けられてほつれ止めの縫製がなされ、ボルトVを通してチルト部83を引き寄せたときに
図8から
図10の状態、あるいは
図9から
図11の状態に移って、張り地63は背支持部7とチルト部83の間に押し込まれ、両者間に挟み込まれる。そして張り地63は、背前カバー72の張り出し部72y、72z1、72z2の角部とチルト部83の周縁部83cとの間に挟み込まれた部位と、背板61の凹陥部61aの周縁部61a1に弾性的に接触した部位との間で、ある程度のテンションが掛かった状態にて張設される。このような状態で設けられた張り地63は、
図10の状態から着座荷重が取り去られ、或いは逆に背6の下縁が後方に移動し上縁が前方へ移動するように揺動し、あるいは、
図12の状態から着座荷重が取り去られ、さらには背6の左右一方の側縁に他方の側縁よりも大きい着座荷重が掛かって揺動して、揺動空間S(Sup、Sdw、Sri、Sle)が変化した際にも、揺動空間S(Sup、Sdw、Sri、Sle)にあって弛むことなく張設された形状を保つことになる。なお、止着具であるボルトVを挿通させる孔は挿入時に張り地を破砕して刺し通してもよい。
【0047】
したがって、上述した背揺動機構部8Mを構成するベース部82とチルト部83の隙間や、張り出し部72y、72z1、72z2と外側凹陥部61aとの間の拡縮する空間を含めて、揺動空間Sは常に張り地63によって閉塞された状態となる。
図10、
図12に示される太線矢印は、かかる揺動空間Sへの手指等の進入経路を示しており、張り地63によってかかる進入がブロックされることになる。
【0048】
以上のように、本実施形態の椅子は、着座面を構成する背6を有し、前記背6がそれを支持する背支持部7に対して異なる複数の方向に揺動可能なものであって、少なくとも前記背6と前記背支持部7の間に背揺動機構部8Mを有し、前記背揺動機構部8Mを隠蔽する位置に可撓性材料として張り地63を配置したものである。
【0049】
このように、動作部分を張り地63で覆えば、少なくとも張り地63が適宜に変形しながら背揺動機構部8Mをカバーしてくれるので、従来のカバーに相当する張り地63と背支持部7の干渉等を考える必要が無く設計が容易になる。そして、背揺動機構部8Mを隠蔽することで、図中矢印で示した方向から手指等が背揺動機構部8Mに進入することを防止することができ、椅子の見た目と安全性を向上させることができる。
【0050】
具体的には、前記背6と前記背支持部7が背揺動機構部8Mを介して異なる複数の方向に揺動可能に接続されており、前記背揺動機構部8Mの周囲には揺動空間Sが形成され、前記背6の揺動によって前記揺動空間Sの形状が変化するものであって、前記揺動空間Sに配置された張り地63によって前記背揺動機構部8Mとその周辺の揺動空間Sを隠蔽している。
【0051】
このように、揺動空間Sが揺動によって形状が変化する空間であっても、この揺動空間Sに張り地63を配置して背揺動機構部8Mを隠蔽すれば、背揺動機構部8Mの一部を隠蔽することができる。したがって、背揺動機構部8Mに近い位置において形状が変化する揺動空間Sに手指等が進入することも有効に防止することができる。
【0052】
具体的には、前記背支持部7は剛性部材である背フレーム71と前記背フレーム71を覆う背カバー7xで構成されており、前記背カバー7xは前記背揺動機構部8Mよりも上下方向または左右方向に張り出しており、これらの張り出し部72y、72z1、72z2と背6の間に前記揺動空間Sを有するものである。
【0053】
このような張り出し部72y、72z1、72z2があり、背支持部7の内部の背フレーム71が剛性部材で構成されていると、背支持部7自体が硬くなるとともに背6との隙間が狭くなって指手等が進入したときに挟まれて安全性が損なわれるおそれがあるが、張り出し部72y、72z1、72z2と背6の間の揺動空間Sに張り地63を配置していれば、そこで手指等の進入等を防ぐことができる。勿論、背フレーム71とカバー7xは一体成型されていても、これに準じた効果が奏される。
【0054】
この場合、前記変形可能な張り地63が、前記揺動空間Sにおいて前記背6と前記背支持部7の間に張り設けられており、前記背6が揺動した際に前記揺動空間Sで弛むことなく形状を保つようにしている。
【0055】
このため、背6のあらゆる揺動状況において外観を整え、手指等の進入を防ぐことができる。
【0056】
また、前記変形可能な可撓性材料として利用している張り地63が、前記背6の着座面を覆う着座面側張り地63aと裏面側張り地63bで袋状に構成されて、背本体60に被せられたものである。
【0057】
このように張り地63を利用して背揺動機構部8Mを隠蔽することで、当該背揺動機構部8Mを隠蔽するために別の部材を用意する必要が無く、効率的である。そして、袋状の張り地63を背本体60に被せる形態であるため、取り付けや取外しがし易いものとなる。
【0058】
また、前記背6の非着座面側は、その中央部に前記背揺動機構部8Mを配置するための内側凹陥部61bを有するシェル材61sからなる背板61が配置され、前記内側凹陥部61bと前記背支持部7を前記背揺動機構部8Mで揺動可能に接続し、前記内側凹陥部61bおよび前記背揺動機構部8Mを覆い隠すように、前記背6を覆う張り地63を張り渡している。
【0059】
このような内側凹陥部61bに背揺動機構部8Mを収めることで、背6と背支持部7の間を不必要に離間させずに背揺動機構部8Mをコンパクトに組み付け、揺動空間Sを小さく収めつつ張り地63によって背揺動機構部8Mを見栄えよく隠蔽することが可能である。
【0060】
また、前記外側凹陥部61aは前記張り出し部72y、72z1、72z2に対応した形状大きさであり、前記張り出し部72y、72z1、72z2に対向する背6側の前記外側凹陥部61aの間が前記揺動空間Sとなっている。
【0061】
したがって、背6を大きく動作させても背支持部7との干渉を回避することができるとともに、複数方向への揺動によって揺動空間Sの形状大きさが複雑に変化するものであっても、揺動空間Sに設けられた張り地63によって内側に手指等が入らないようにすることができ、外観と安全性を確実に確保できるものとなる。
【0062】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は上述した実施形態のみに限定されるものではない。
【0063】
例えば、
図14に示すように、背支持部107が背揺動機構部108Mに対して上下あるいは左右に張り出していない構造であっても、本発明を適用することにより、可撓性材料である張り地163が図中太線矢印で示す方向から背揺動機構部108M及びその周辺の揺動空間100Sの手指等の進入を防止して外観と安全性を向上させるという、上記に準じた作用効果が奏される。なお、同図に示すように、張り地163は少なくとも背揺動機構部108Mを隠蔽できる位置にあれば、必ずしも背106の全体を覆っている必要はなく、例えば外側凹陥部161aの外周位置にその縁部が固定されるようなものであっても構わない。また、背揺動機構部108Mは図示例ではピボット軸受けのような模式図で表しているが、機構的にはどのような構造であってもよい。上記実施形態の背揺動機構部8Mについても同様である。
【0064】
また、上記実施形態において背揺動機構部8Mは、
図15(a)に示すようにベース部82と可動部たるチルト部83の間の距離Lが背の荷重に伴う弾性体81の圧縮に伴って小さくなるものであるため、例えば同図(b)に示すように、ベース部82側に又はチルト部83側の一方に起立部k1を設け、他方に凹みk2を設けて、ベース部82とチルト部83の隙間に手指等が入ることを防ぐことが有効である。このようにすれば、上記可撓性材料たる張り地の効果と相俟って安全性をより有効に向上させることができる。
【0065】
また、可撓性材料を配置する態様としては、隙間を覆い隠すだけでなく、手指等が挟まれても直接ダメージが及ばないように背や背支持部をクッションで包むものも含む。また、例えば
図16のように、可撓性材料をゴム等の別部材263で構成して、図中太線矢印で示すような背揺動機構部208Mおよびその周辺の揺動空間200Sへの手指等の進入を遮る状態で取り付けられるものでも良い。
【0066】
また、形状を保つ可撓性材料としては、可撓性でありながら一定の剛性を保つエラストマー材料や、伸縮可能なエラストマーに変形可能な多数の孔を有するもの、メッシュ材、伸縮可能な背座の張り地を揺動時に弛まない程度の張力を与えながら張り設けたものなどを含む。
図17はその一例として可撓性材料を蛇腹363によって構成したものであり、弛まない程度に蛇腹形状を保持するように構成することで、図中太線矢印で示すような背揺動機構部308Mおよびその周辺の揺動空間300Sへの手指等の進路を遮ることができる。
【0067】
また、
図18は可撓性材料を揺動空間A300Sよりも少し大きめの発泡ウレタンA363によって構成したものであり、揺動空間A300Sに押し込んで組み付けたうえで揺動機構部A308Mを背支持部A307に取り付けてもよい。このようにすれば、背A306が揺動して揺動空間A300Sが広がっても、背A306と背支持部A307の間に隙間が出きることを防止でき、かつ図中太線矢印で示すような背揺動機構部A308Mおよびその周辺の揺動空間A300Sへの手指等の進路を遮ることができる。
【0068】
また、上記実施形態では背と背支持部の間の関係について説明したが、座と座支持部の間の関係についても同様に適用することができる。
【0069】
例えば
図19、
図20において、上記
図10及び
図12における背6を座A6に見立て、背支持部7を座支持部A7に見立て、その間に背揺動機構部8Mに対応する座揺動機構部A8Mが設けられているとすると、背6の場合と全く同様の構成を座A6について成立させることができる。勿論、座A6の形状は異なるものになるであろうし、座揺動機構部A8Mも同じ構成になるとは限らないが、本発明の基本的な構成および作用効果は共通している。
【0070】
すなわちこの椅子は、着座面を構成する座A6を有し、前記座A6がそれを支持する座支持部A7に対して異なる複数の方向に揺動可能なものであって、少なくとも前記座A6と前記座支持部A7の間に座揺動機構部A8Mを有し、前記座揺動機構部A8Mを隠蔽する位置に可撓性材料である張り地A63を配置したものである。
【0071】
具体的には、前記座A6と前記座支持部A7が座揺動機構部A8Mを介して異なる複数の方向に揺動可能に接続されており、前記座揺動機構部A8Mの周囲には揺動空間Sに対応する揺動空間ASが形成され、前記座A6の揺動によって前記揺動空間ASの形状が変化するものであり、前記揺動空間ASに配置された張り地A63によって前記座揺動機構部A8Mを隠蔽しているものである。このようにしても、張り地A63は座A6の揺動に応じて弾性的に伸縮または変形しながら、拡縮する揺動空間ASに手指等が進入することを防止する。
【0072】
具体的には、前記背支持部A7は剛性部材である背フレーム71に対応する座フレームA61と前記座フレームA61を覆うべく背カバー7xに対応する座カバーA7xで構成されており、前記座カバーA7xは前記座揺動機構部A8Mよりも上下方向または左右方向に張り出しており、張り出し部72y、72z1、72z2に対応する張り出し部A72y、A72z1、A72z2と座A6の間に前記揺動空間ASを有するものである。
【0073】
この場合、前記変形可能な張り地A63が、前記揺動空間ASにおいて前記座A6と前記座支持部A7の間に張り設けられており、前記座A6が揺動した際に前記揺動空間ASで弛むことなく形状を保つようにしている。
【0074】
また、前記変形可能な可撓性材料である前記張り地63に対応する張り地A63が、前記座A6の着座面側を覆う張り地A63aと裏面側張り地A63bで袋状に構成されて、座本体A60に被せられたものである。
【0075】
また、前記座A6の非着座面側は、その中央部に前記座揺動機構部A8Mを配置するための内側凹陥部A61bを有するシェル材A61sが配置され、前記内側凹陥部A61bと前記座支持部A7を前記座揺動機構部A8Mで揺動可能に接続し、前記内側凹陥部A61bおよび前記座揺動機構部A8Mを覆い隠すように、前記座A6を覆う張り地A63を張り渡している。
【0076】
また、外側凹陥部A61aは張り出し部A72y、A72z1、A72z2に対応した形状大きさであり、前記張り出し部A72y、A72z1、A72z2に対向する座A6側の前記内側凹陥部A61aと背支持部A7の間が前記揺動空間ASとなっているものである。
【0077】
以上のように構成しても、上記実施形態に準じた作用効果が奏される。ここでも、揺動機構部はどのような構造であっても構わない。
【0078】
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明の椅子は、以上説明した構成であるから。オフィス等において特に好適に利用することが可能である。
【符号の説明】
【0080】
6…背(背)
7…背支持部
7x…背カバー
8M…揺動機構部(背揺動機構部)
61…背フレーム
61a…外側凹陥部
61b…内側凹陥部
63…可撓性材料(張り地)
63a…着座面側張り地
63b…裏面側張り地
72y、72z1、72z2…張り出し部
S…揺動空間
A6…座
A7…座支持部
A7x…座カバー
A8M…揺動機構部(座揺動機構部)
A61…座フレーム
A61a…外側凹陥部
A61b…内側凹陥部
A63…可撓性材料(張り地)
A63a…着座面側張り地
A63b…裏面側張り地
A72y、A72z1、A72z2…張り出し部
AS…揺動空間