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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】鏡装置及び洗面化粧台
(51)【国際特許分類】
   A47B 67/02 20060101AFI20240830BHJP
   A47G 1/02 20060101ALI20240830BHJP
   A47G 1/04 20060101ALI20240830BHJP
【FI】
A47B67/02 502E
A47B67/02 502B
A47B67/02 502D
A47G1/02 A
A47G1/04
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018050725
(22)【出願日】2018-03-19
(65)【公開番号】P2019162208
(43)【公開日】2019-09-26
【審査請求日】2021-01-27
【審判番号】
【審判請求日】2023-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三井 敦
【合議体】
【審判長】古屋野 浩志
【審判官】居島 一仁
【審判官】土屋 真理子
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-357965(JP,A)
【文献】特開2006-14920(JP,A)
【文献】特開2005-66364(JP,A)
【文献】特開2013-255628(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 67/02
A47G 1/02, 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鏡面を有する主鏡体及び袖鏡体と、
内部に収納部を有し、前記鏡面を前面に立てた姿勢で前記主鏡体及び前記袖鏡体を支持するキャビネット本体と、
前記鏡体を前記キャビネット本体に連結する連結部材と、を具備し、
前記連結部材の一端部は、前記キャビネット本体の前記袖鏡体に覆われる収納部内に回動可能に連結され、前記連結部材の他端部は、前記鏡体に連結されており、
前記連結部材は、前記鏡体を平行移動させる平行リンク機構を構成し、
前記鏡体が、第1位置と、前記第1位置より前側であって左右にずれた第2位置との間を、常に前記袖鏡体の鏡面の向きを維持したままで往復移動自在とされ、
前記鏡体が、前記第1位置において前記主鏡体の左方又は右方に配され、前記第2位置において前記キャビネット本体から前方に離れて前記主鏡体と前後に重なって配される鏡装置。
【請求項2】
前記袖鏡体に覆われる収納部は、前記第1位置に配された前記鏡体により前面が覆われ、前記鏡体を前記第2位置に移動することにより開放される請求項1に記載の鏡装置。
【請求項3】
前記袖鏡体は、後面を構成するベース部を有し、前記鏡体の左右方向における一端部に、前記ベース部に対して前記袖鏡体の鏡面を回動させる回動軸が備えられている請求項1又は請求項2に記載の鏡装置。
【請求項4】
前記連結部材が、前記第2位置において前記鏡体同士が突き当たらないように前記鏡体の移動領域を定めている請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の鏡装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の鏡装置が洗面台の上側に備えられている洗面化粧台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鏡装置及び洗面化粧台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鏡面を有する鏡体が、連結部材によって支持体に連結されてなる鏡装置が知られている。例えば下記特許文献1に記載の鏡装置は、キャビネット本体の前面に、主鏡と、主鏡の左右両側に位置する一対の袖鏡とが取り付けられている。主鏡は、左右方向における一端部が、蝶番によりキャビネット本体の前面に連結されている。袖鏡は、キャビネット本体の前面に連結されたフレームを介してキャビネット本体に連結されている。フレームの一端部は、キャビネット本体に蝶番により連結され、袖鏡は、フレームの他端部に蝶番により連結されている。主鏡及び袖鏡はいずれも回動自在であり、袖鏡は、斜めに回動させて手前側に引き寄せ、主鏡より前方に配置することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許3649721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような構成では、例えばコンタクトレンズの装着や髭剃り等、細部を拡大して映すべく、袖鏡を手前側に引き寄せる場合、袖鏡は使用者の正面に対して角度を変えながら移動してくる。一般に、使用者の正面に対して鏡面が傾いていると映しにくいため、使用者は適宜、袖鏡の角度調整をしなければならず、使い勝手が悪い、という問題があった。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、使い勝手をよくすることが可能な鏡装置及び洗面化粧台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の鏡装置は、鏡面を有する鏡体と、前記鏡面を前面に立てた姿勢で前記鏡体を支持する支持体と、前記鏡体を前記支持体に連結する連結部材と、を具備し、前記鏡体が、前記連結部材により、第1位置と、前記第1位置より前側であって左右または上下にずれた第2位置との間を、前記鏡面の向きを維持したままで往復移動自在とされているものである。
本発明の洗面化粧台は、前記鏡装置が洗面台の上側に備えられているものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、鏡面の向きを維持したまま鏡体を第1位置より前方に移動できるから、使用者は、鏡面の角度を適宜調整する等の手間を要しないため、使い勝手をよくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施例における鏡装置であって、洗面化粧台に取り付けられた状態を示す斜視図
図2】鏡装置を示す斜視図
図3】袖鏡体の鏡面を回動する様子を示す概略図
図4】袖鏡体を第1位置から第2位置に移動する様子を示す概略図
図5】第1位置より前方に移動した袖鏡体の鏡面を回動する様子を示す概略図
図6】他の実施例(1)における鏡装置であって、左右の袖鏡体が第2位置に移動した状態を示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の好ましい形態を以下に示す。
本発明の鏡装置は、前記鏡体が複数備えられているものとしてもよい。このような構成によれば、使用目的に応じて鏡体を選択して移動することができるから、使い勝手をよりよくすることができる。
【0010】
また、本発明の鏡装置は、主鏡体と、前記主鏡体の左方または右方に位置する袖鏡体とを有し、前記袖鏡体が、前記連結部材により前記支持体に連結され、前記第1位置において前記主鏡体の左方又は右方に配され、前記第2位置において前記主鏡体と前後に重なって配されるものとしてもよい。このような構成によれば、鏡装置の左方または右方に建物の壁等が近接配置されていても、袖鏡体を前方(第2位置)に移動することができる。
【0011】
また、本発明の鏡装置は、前記第1位置に配された前記鏡体により前面が覆われる収納部を有し、前記鏡体を前記第2位置に移動することにより前記収納部が開放されるものとしてもよい。このような構成によれば、第1位置に配された鏡体によって収納部を覆い隠し、必要に応じて鏡体を第2位置に移動させて収納部を開放することができる。
【0012】
また、本発明の鏡装置は、前記鏡体の左右方向における一端部に、前記鏡面を回動させる回動軸が備えられているものとしてもよい。このような構成によれば、鏡体の鏡面を前方に移動させるのみならず回動して斜めにすることができるから、使い勝手をよりよくすることができる。
【0013】
また、本発明の鏡装置は、前記鏡体が複数備えられ、前記連結部材が、前記第2位置において前記鏡体同士が突き当たらないように前記鏡体の移動領域を定めているものとしてもよい。このような構成によれば、複数の鏡体を第2位置に配置する際に注意を払わなくてよいから、使い勝手をよくすることができる。
【0014】
<実施例>
以下、本発明を具体化した一実施例について、図1図5を参照しつつ詳細に説明する。本実施例では、鏡装置が、洗面化粧台Sの洗面台Wの上側に配されるキャビネットMである場合について説明する。キャビネットMは、左右方向における中央部に配される主鏡体10Aと、主鏡体10Aの左右両側に配される一対の袖鏡体10Bとを備えている。また、キャビネットMは、主鏡体10A及び袖鏡体10Bを支持するキャビネット本体(支持体)20を備えている。キャビネット本体20は、各鏡体10A,10Bの鏡面11を前面に立てた姿勢で支持している。各鏡体10A,10Bの鏡面11は、水平面に対して略垂直に立っている。以下、各構成部材において、洗面化粧台Sの使用状態における上側(図1の上側)を上方、下側(図1の下側)を下方、前側(図1の左手前側)を前方、後側(図1の右奥側)を後方とし、また右側(図1の左上側)を右方、左側(図1の右下側)を左方として説明する。
【0015】
キャビネットMは、樹脂一体成形のキャビネット本体20を備えている。キャビネット本体20は、上面部21、背面部22、左右一対の側面部23、及びキャビネット本体20の内部を仕切る仕切部24とを備えている(図3参照)。仕切部24は、キャビネット本体20の内部を左右方向に複数(本実施例では3つ)に区画するべく一対が設けられている。
【0016】
キャビネット本体20の内部は、前面が開放された形態の収納部25とされている。収納部25は、キャビネット本体20の左右方向における中央部に配された中央収納部25Aと、中央収納部25Aの左右両側に配された一対の袖収納部25Bとを備えている。各収納部25A,25Bは、図2に示すように、略水平な棚部26により上下方向に複数に区画されている。各収納部25A,25Bは、主鏡体10A又は袖鏡体10Bにより覆われている。すなわち主鏡体10A及び袖鏡体10Bは、キャビネット本体20の扉部を構成している。
【0017】
各鏡体10A,10Bは、それぞれ上下方向が左右方向より長い長方形の板状をなし、各収納部25A,25Bの前面全体を覆うことが可能な大きさを有している。主鏡体10Aの幅寸法(左右方向の寸法)は、袖鏡体10Bの幅寸法に比して大きくされている。また、一対の袖鏡体10Bの幅寸法は同等とされている。
袖鏡体10Bは、図2に示すように、後面を構成するベース部12と前面(鏡面11)を構成する鏡面部13とを備えた二枚構造とされている。
【0018】
主鏡体10Aの左右方向における一端部(図2では左側の端部)には、鏡面11を回動させる回動軸(図示せず)が備えられている。主鏡体10Aの回動軸は、キャビネット本体20に直接連結されている。主鏡体10Aの回動軸の軸線は上下方向を向いており、主鏡体10Aを回動することにより、中央収納部25が開いた状態または閉じた状態になる。
【0019】
袖鏡体10Bの左右方向における一端部(主鏡体10A側に位置する端部)には、鏡面11を回動させる回動軸(図示せず)が備えられている。袖鏡体10Bの回動軸の軸線は上下方向を向いており、ベース部12に対して鏡面部13を回動可能に連結している。
【0020】
袖鏡体10Bは、図4に示すように、連結部材30により、第1位置と、第1位置より前側の第2位置との間を、鏡面11の向きを維持したままで往復移動自在とされている。
連結部材30は、図4に示すように、袖鏡体10Bを平行移動させる平行リンク機構を備えている。連結部材30の一端部(以後、第1端部31と称する)は、袖収納部25Bの側面(仕切部24)の前端寄りの位置に回動可能に連結されている。連結部材30の他端部(以後、第2端部32と称する)は、袖鏡体10Bの後面(ベース部12)の左右方向における主鏡体10Aと反対側の端寄りの位置に連結されている。
【0021】
連結部材30は、第1リンク部33及び第2リンク部34を備えている。第1端部31において第1リンク部33と第2リンク部34とは、左右にずれた位置に連結されている。また、第2端部32において第1リンク部33と第2リンク部34とは、左右にずれた位置に連結されている。第1リンク部33は、図2に示すように、上下方向に板面が立った板状をなしている。第2リンク部34は、第1リンク部33の上縁又は下縁に沿って設けられたアーム状をなしている。
【0022】
袖鏡体10Bは、第1位置では、図3に示すように、袖収納部25Bを閉塞している。第1位置は、袖鏡体10Bの移動の始点であり、袖鏡体10Bは、第1位置より後方に移動できないようになっている。第1位置では、袖鏡体10Bの鏡面11と主鏡体10Aの鏡面11とが面一(前後方向の位置が同じ)になっている。また、第1位置では、連結部材30は袖鏡体10Bの後面に沿った姿勢になり、袖収納部25Bの空間は大きく確保されている。
【0023】
袖鏡体10Bは、第2位置では、図4に示すように、袖収納部25Bを開放する。第2位置では、右側の袖鏡体10Bは、第1位置より左方にずれて主鏡体10Aの前方に配され、左側の袖鏡体10Bは、第1位置より右方にずれて主鏡体10Aの前方に配される。すなわち、第2位置では、袖鏡体10Bは、主鏡体10Aと前後に重なって配される。また、第2位置では、袖鏡体10Bは、主鏡体10Aの左右方向における中央を第1位置側とは反対側に超えている。第2位置は、袖鏡体10Bの移動の終点であり、袖鏡体10Bは、第2位置より前方に移動できないようになっている。なお、第1位置と第2位置とでは、袖鏡体10Bの高さ位置は同じである。
【0024】
袖鏡体10Bは、第1位置と第2位置との間を、図4に示すように、弧状の軌跡をなして往復移動する。すなわち袖鏡体10Bは、第1位置から第2位置へ向かう往路と、第2位置から第1位置へ向かう復路とで同じ軌跡をたどる。袖鏡体10Bの鏡面11は、往路復路ともに、常に同じ向き(水平面に対して垂直であり、かつ使用者の正面に対して平行な向き)を維持している。袖鏡体10Bは、往路又は復路の途中で移動をやめ、その位置に留めることができる。
【0025】
次に、本実施例のキャビネットMの使用例を説明する。
本実施例のキャビネットMは、図3に示すように、左右の袖鏡体10Bをともに第1位置に配して使用することができる。この使用状態では、主鏡体10Aと一対の袖鏡体10Bとが、鏡面11を面一にして左右方向に並び、一つの大きな鏡面を形成する。また、洗面台Wの上方の空間を広く使用することができる。
【0026】
本実施例のキャビネットMは、図4に示すように、左右の袖鏡体10Bの一方または両方を第1位置よりも前方に配して使用することができる。袖鏡体10Bの位置は、第1位置と第2位置との間において目的に応じた位置に留めることができる。袖鏡体10Bは、第1位置から第2位置に向かってキャビネットMの左右方向の中心側に寄るため、仮にキャビネットMの側方に建物の壁面があったとしても、壁面に接触させることなく移動することができる。袖鏡体10Bの鏡面11は、どの位置であっても正面を向いている。また、袖鏡体10Bを第1位置から前方に移動することで袖収納部25Bが開放されるため、袖収納部25Bから容易に収納物を取り出すことができる。左右両方の袖鏡体10Bを前方に引き寄せた場合には、主鏡体10Aよりも近い位置で広い鏡面を形成することができる。
【0027】
本実施例のキャビネットMは、各鏡体10A,10Bの鏡面11を回動して斜めにし、使用することができる。図3に示すように、左右の袖鏡体10Bをともに第1位置に配したまま両袖鏡体10Bの鏡面11を回動した場合、三面鏡として使用することができる。また、図5に示すように、袖鏡体10Bを第1位置から前方に移動させた状態で鏡面部13を回動し、第1位置よりも近い位置で、鏡面11の角度を変えることができる。
【0028】
次に、上記のように構成された実施例の作用および効果について説明する。
本実施例のキャビネットMは、鏡面11を有する袖鏡体10Bと、鏡面11を前面に立てた姿勢で袖鏡体10Bを支持するキャビネット本体20と、袖鏡体10Bをキャビネット本体20に連結する連結部材30と、を具備し、袖鏡体10Bが、連結部材30により、第1位置と、第1位置より前側であって左右にずれた第2位置との間を、鏡面11の向きを維持したままで往復移動自在とされている。
【0029】
この構成によれば、鏡面11の向きを維持したまま袖鏡体10Bを第1位置より前方に移動できるから、使用者は、鏡面11の角度を適宜調整する等の手間を要しないため、使い勝手をよくすることができる。
【0030】
また、袖鏡体10Bが複数備えられている。この構成によれば、使用目的に応じて袖鏡体10Bを選択して移動することができるから、使い勝手をよりよくすることができる。
【0031】
また、主鏡体10Aと、主鏡体10Aの左方または右方に位置する袖鏡体10Bとを有し、袖鏡体10Bが、連結部材30によりキャビネット本体20に連結され、第1位置において主鏡体10Aの左方又は右方に配され、第2位置において主鏡体10Aと前後に重なって配される。この構成によれば、キャビネットMの左方または右方に建物の壁等が近接配置されていても、袖鏡体10Bを前方(第2位置)に移動することができる。
【0032】
また、第1位置に配された袖鏡体10Bにより前面が覆われる袖収納部25Bを有し、袖鏡体10Bを第2位置に移動することにより袖収納部25Bが開放される。この構成によれば、第1位置に配された袖鏡体10Bによって袖収納部25Bを覆い隠し、必要に応じて袖鏡体10Bを第2位置に移動させて袖収納部25Bを開放することができる。
【0033】
また、袖鏡体10Bの左右方向における一端部に、鏡面11を回動させる回動軸が備えられている。この構成によれば、袖鏡体10Bの鏡面11を前方に移動させるのみならず回動して斜めにすることができるから、使い勝手をよりよくすることができる。
【0034】
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例では、左右の袖鏡体10Bが第1位置から前方に移動可能とされているが、この際、第2位置における袖鏡体の位置は、様々なパターンに変更してもよい。すなわち、第2位置において左右の袖鏡体の前後方向の位置が揃うようにしてもよいし、前後にずれるようにしてもよい。このような場合には、第2位置において袖鏡体同士が突き当たらないようにするべく、連結部材により袖鏡体の移動領域を定めてもよい。例えば、第2位置において左右の袖鏡体の前後方向の位置を揃える場合には、図6に示すように、キャビネット50の連結部材51が、第2位置において袖鏡体10B同士が突き当たらないように、すなわち袖鏡体10B同士が近接もしくは隙間なく隣接するように、袖鏡体10Bの移動領域を定めてもよい。袖鏡体10Bの移動領域を定める手段としては、例えば図6に示すように、連結部材51に、キャビネット本体20に当接する当接部52を設けてもよいし、また例えば連結部材に開き角度を制限する角度制限機構を設けてもよい。この構成によれば、左右の袖鏡体10Bを第2位置に配置する際に注意を払わなくてよいから、使い勝手をよくすることができる。
(2)上記実施例では、本発明の鏡装置を洗面化粧台SのキャビネットMに適用した場合を例示したが、これに限らず、本発明の鏡装置は、壁に固定されるウォールミラーや、鏡台等、鏡面を有する各種のものに適用することができ、またそれらは収納部がないものであってもよい。
(3)上記実施例では、袖鏡体10Bの鏡面11は水平面に対して常に略垂直に立っているが、これに限らず、鏡体の鏡面は、第1位置と第2位置とで平行であればよく、その角度は水平面に対して傾いていてもよい。
(4)上記実施例では、左右の袖鏡体10Bのみが連結部材30により移動可能とされているが、これに限らず、主鏡体も連結部材により連結し、平行移動できるようにしてもよい。
(5)上記実施例では、左右両方の袖鏡体10Bが連結部材30により移動可能とされているが、これに限らず、左右袖鏡体のうち一方の袖鏡体のみを連結部材により移動できるようにしてもよい。
(6)上記実施例では、袖鏡体10Bが、第1位置からキャビネットMの左右方向中央側に移動するが、これに限らず、袖鏡体は、第1位置からキャビネットの左右方向における外側、上方もしくは下方に移動するようにしてもよい。
(7)上記実施例では、袖鏡体10Bが、袖収納部25Bの前面全体を覆っているが、これに限らず、袖鏡体は、例えば袖収納部の上部のみ、中間部のみ、もしくは下部のみを覆うものであってもよい。すなわち、袖収納部を複数の鏡体で覆い、そのうち一の鏡体のみを連結部材で移動できるようにしてもよい。
(8)上記実施例では、キャビネットMが主鏡体10A及び一対の袖鏡体10Bからなる3つの鏡体を備えているが、これに限らず、鏡体の数は1つのみ、2つのみ、または4つ以上であってもよい。
(9)上記実施例では、連結部材30の具体例を示したが、これに限らず、連結部材は、平行リンク機構を有していればどのような構造のものであってもよい。
(10)上記実施例では、袖鏡体10Bが二枚構造とされているが、これに限らず、袖鏡体は一枚構造であってもよい。
(11)上記実施例では、キャビネット本体20が樹脂製であるが、キャビネット本体は木製であってもよい。
(12)上記実施例では、各鏡体10A,10Bが、それぞれ上下方向が左右方向より長い長方形状をなしているが、これに限らず、鏡体はどのような形状であってもよく、例えば横方向に長い長方形状や正方形状であってもよい。
(13)上記実施例では、連結部材30の第1端部31が、袖収納部25Bの側面の前端寄りの位置に連結されているが、この連結位置は他の位置であってもよい。
(14)上記実施例では、連結部材30の第2端部32が、袖鏡体10Bの後面の左右方向における主鏡体10Aと反対側の端寄りの位置に連結されているが、この連結位置は他の位置であってもよい。
【符号の説明】
【0035】
M…キャビネット(鏡装置)
S…洗面化粧台
W…洗面台
10A…主鏡体
10B…袖鏡体(鏡体)
11…鏡面
20…キャビネット本体(支持体)
25B…袖収納部(収納部)
30…連結部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6