(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】ミシンの押さえの調整構造
(51)【国際特許分類】
D05B 29/02 20060101AFI20240830BHJP
D05B 29/12 20060101ALI20240830BHJP
【FI】
D05B29/02
D05B29/12
(21)【出願番号】P 2020120988
(22)【出願日】2020-07-14
【審査請求日】2023-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003399
【氏名又は名称】JUKI株式会社
(72)【発明者】
【氏名】中西 公紀
(72)【発明者】
【氏名】彭 ▲ごん▼政
【審査官】横山 綾子
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第210765801(CN,U)
【文献】特開2001-009182(JP,A)
【文献】特開2011-136068(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D05B 29/00-29/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミシンの押さえの調整構造であって、
押さえ棒とミシンの押さえとの間に、
ミシンの押さえを高さ方向に調整可能なジョイント部を有
し、
前記ジョイント部は、
前記ミシンの押さえを取付けるミシンの押さえジョイント部と、
前記ミシン押さえジョイント部を、
高さ方向に調整可能に取付けられ、
押さえ棒に取付けられる押さえ棒ジョイント部と、
を有し、
前記ミシンの押さえジョイント部と前記押さえ棒ジョイント部は、
いずれかに雄ネジ部と雌ネジ部を有し、
螺合され取り付けられていることを特徴とするミシンの押さえの調整構造。
【請求項2】
前記ジョイント部は、
前記ミシンの押さえの回転方向向きが調整可能であることを特徴とする請求項1に記載のミシンの押さえの調整構造。
【請求項3】
前記ジョイント部にて前記ミシンの押さえの高さ方向、
及び/又は、
回転方向向きの調整後に固定する固定部を有することを特徴とする請求項1~2に記載のミシンの押さえの調整構造。
【請求項4】
前記ミシンの押さえジョイント部が、
前記押さえ棒ジョイント部に対して回転方向向きが調整可能であることを特徴とする請求項
1に記載のミシンの押さえの調整構造。
【請求項5】
前記ミシンの押さえジョイント部が、
前記押さえ棒ジョイント部に対して、
高さ方向、
及び/又は、
回転方向向きを調整後に、
前記ミシンの押さえジョイント部を前記押さえ棒ジョイント部
に固定する固定部を有することを特徴とする請求項
4に記載のミシンの押さえの調整構造。
【請求項6】
前記ジョイント部と前記押さえ棒には、
前記ジョイント部と前記押さえ棒を着脱可能に取付する取付構造を有することを特徴とする請求項1~3に記載のミシンの押さえの調整構造。
【請求項7】
前記押さえ棒ジョイント部と前記押さえ棒には、
前記押さえ棒ジョイント部と前記押さえ棒を着脱可能に取付する取付構造を有することを特徴とする請求項4~
5に記載のミシンの押さえの調整構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押さえ棒に対して、ミシンの押さえの高さ方向、回転方向向きを自在に調整可能とし、ミシンの押さえをワンタッチで着脱可能なミシン押さえの調整構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、ミシンの押さえを変更するたびに押え棒自体にて高さ方向、回転方向向きの調整を行っていた。そのため、ミシンの押さえを変更するたびに押え棒自体にて(押え棒の固定を解除し固定し直して)高さ方向、回転方向向きの調整が必要であった。
また、押さえ棒に対してミシンの押さえの交換を行う際に、その都度、押さえ棒に対してミシンの押さえを締めねじにより着脱を行っていた。そのため、押さえ棒とミシンの押さえの着脱には、締めねじをしめたり緩めたりしなければならなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、前述したとおり、ミシンの押さえを変えるたびに押え棒自体にて高さ方向、回転方向向きの調整が知られている。押さえ棒自体にて、ミシンの押さえの高さ方向、回転方向向きの調整をすることは、ミシンのカバーを開けてから調整する必要があり、かつ、微細な調整が難しく、調整作業が煩雑であった。
そして、ミシンの押さえの着脱はネジ部材の締付け,緩めにより行っていることが開示されている。このネジ部材は、ミシンの可動時の振動によって弛んだりすることがある。また、強く締めすぎたときには、緩めるときにドライバ等の専用工具を必要とすることもあり、このような作業は、とても面倒なものであった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、ミシンの押さえの高さ方向、回転方向向きの調整(特に微調整)が容易であり、ミシンの押さえをワンタッチで着脱可能な調整構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで発明者は、上記課題を解決すべく、請求項1の発明を、ミシンの押さえの調整構造であって、押さえ棒とミシンの押さえとの間に、ミシンの押さえを高さ方向に調整可能なジョイント部を有することにより上記課題を解決した。
請求項2の発明を、前記ジョイント部は、前記ミシンの押さえの回転方向向きが調整可能であることを特徴とする請求項1に記載のミシンの押さえの調整構造としたことにより上記課題を解決した。
請求項3の発明を、前記ジョイント部にて前記ミシンの押さえの高さ方向、及び/又は、回転方向向きの調整後に固定する固定部を有することを特徴とする請求項1~2に記載のミシンの押さえの調整構造としたことにより上記課題を解決した。
【0007】
請求項4の発明を、前記ジョイント部は、前記ミシンの押さえを取付けるミシンの押さえジョイント部と、前記ミシン押さえジョイント部を、高さ方向に調整可能に取付けられ、押さえ棒に取付けられる押さえ棒ジョイント部と、を有することを特徴とする請求項1に記載のミシンの押さえの調整構造としたことにより上記課題を解決した。
請求項5の発明を、前記ミシンの押さえジョイント部が、前記押さえ棒ジョイント部に対して回転方向向きが調整可能であることを特徴とする請求項4に記載のミシンの押さえの調整構造としたことにより上記課題を解決した。
請求項6の発明を、前記ミシンの押さえジョイント部と前記押さえ棒ジョイント部は、いずれかに雄ネジ部と雌ネジ部を有し、螺合され取り付けられていることを特徴とする請求項4~5に記載のミシンの押さえの調整構造としたことにより上記課題を解決した。
請求項7の発明を、前記ミシンの押さえジョイント部が、前記押さえ棒ジョイント部に対して、高さ方向、及び/又は、回転方向向きを調整後に、前記ミシンの押さえジョイント部を前記押さえ棒ジョイント部に固定する固定部を有することを特徴とする請求項4~6に記載のミシンの押さえの調整構造としたことにより上記課題を解決した。
【0008】
請求項8の発明を、前記ジョイント部と前記押さえ棒には、前記ジョイント部と前記押さえ棒を着脱可能に取付する取付構造を有することを特徴とする請求項1~3に記載のミシンの押さえの調整構造としたことにより上記課題を解決した。
請求項9の発明を、前記押さえ棒ジョイント部と前記押さえ棒には、前記押さえ棒ジョイント部と前記押さえ棒を着脱可能に取付する取付構造を有することを特徴とする請求項4~7に記載のミシンの押さえの調整構造としたことにより上記課題を解決した。
【0009】
本発明を、ミシンの押さえの調整方法であって、ミシンの押さえとジョイント部とを取付するステップと、前記ジョイント部と押さえ棒とを取付するステップと、前記ミシンの押さえの高さ方向と回転方向向きを前記ジョイント部により調整するステップと、により調整してもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、ミシンの押さえの高さ方向、回転方向向きの調整が容易であり、ミシンの押さえをワンタッチで着脱可能な調整構造を提供する格段の効果を奏する発明である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明のミシンの押さえの調整構造の分解全体斜視図である。
【
図2】ミシンの押さえとミシンの押さえジョイント部との斜視図である。
【
図3】ミシンの押さえとジョイント部、すなわち、ミシンの押さえジョイント部と押さえ棒ジョイント部との斜視図である。
【
図4】ミシンの押さえとジョイント部と押さえ棒との斜視図である。
【
図5】本発明のミシンの押さえの調整構造の全体斜視図である
【
図6】本発明のミシンの押さえの調整構造の各部材の取り付け、及び、調整のステップ図である。
【
図7】より詳細な本発明のミシンの押さえの調整構造の各部材の取り付け、及び、調整のステップ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は本発明の本発明のミシンの押さえの調整構造1の分解全体斜視図である。
以下、
図1を参照して、ミシンの押さえの調整構造1について説明する。
ミシンの押さえ調整構造1は、押さえ棒3とミシンの押さえ4との間に、ミシンの押さえ4を高さ方向、回転方向向きに調整可能なジョイント部2が介在されている。
【0013】
このジョイント部2は、二部材からなり、ミシンの押さえ4に取付けられるミシンの押さえジョイント部5と、ミシンの押さえジョイント部5を、高さ方向、回転方向向きに調整可能に取付けられ、ミシンの押さえジョイント部5との取付方向反対側に取付構造8を介して押さえ棒3が取付けられる押さえ棒ジョイント部6とから構成されている。
ミシンの押さえジョイント部5と押さえ棒ジョイント部6の構造、及び、取付態様の詳細については後述する。
【0014】
図2には、ミシンの押さえ4とミシンの押さえジョイント部5との取付態様が記載されている。ミシンの押さえ4には溝形状の取付溝9が形成されている。この取付溝9に、ミシンの押さえジョイント部5に形成された嵌合部10を嵌め込み、嵌合部10に設けられたネジ11を締めることにより、ミシンの押さえ4とミシンの押さえジョイント部5とが固定がされ、一体化されたユニット12に形成される。
この構造の効果は、あらゆる種類のミシンの押さえ4や、取付溝9等の精度の低いのミシン押さえ4であっても押さえ棒3にぐらつきなく、極めて安定して固定できることにある。
【0015】
なお、取付溝9はミシンの押さえ4に形成され、嵌合部10、ネジ11はミシンの押さえジョイント部5に形成された態様を記載したが、取付溝9がミシンの押さえジョイント部5に形成され、嵌合部10、ネジ11がミシンの押さえ4に形成された態様でもよい。更に、ミシンの押さえ4とミシンの押さえジョイント部5との固定をネジ11で固定する構造に限定されず、キャップ方式や凹凸嵌合方式等のワンタッチ取付方式等のあらゆる固定方法が採用される。
【0016】
図3には、ミシンの押さえ4とミシンの押さえジョイント部5とが固定され一体化されたユニット12に、押さえ棒ジョイント部6を取付ける取付態様が記載されている。
ミシンの押さえジョイント部5には、嵌合部10と対向する面(上面側)に、雌ネジが形成された雌ネジ螺合部13が形成されている。押さえ棒ジョイント部6には、雌ネジ螺合部13と螺合する雄ネジ螺合部14が形成されている。そして、雄ネジ螺合部14には、雄ネジ螺合部14にナットである固定部7が螺合されている。ここで、雄ネジ螺合部14の高さ方向の長さは、固定部7を螺合しても、雄ネジ螺合部14の雄ネジ部分が突出する長さに形成されている。雄ネジ螺合部14の雄ネジ部分が突出する長さに形成されている理由は、本発明のミシンの押さえ4の高さ方向、回転方向向きの調整を、雌ネジ螺合部13と雄ネジ螺合部14との螺合の深さと角度(つまり、回転した回数)により調整するからである。
【0017】
固定部7はナットにより形成されている。雌ネジ螺合部13と雄ネジ螺合部14を所定の量螺合した後に、固定部7を、ミシンの押さえジョイント部5の雌ネジ螺合部13以外の雌ネジ螺合部13が形成された面側に、固定部7のナット下面と雌ネジ螺合部13以外の雌ネジ螺合部13が形成されたミシンの押さえジョイント部5の面との間に摩擦力が発生し固定部7の回転が困難、又は、回転しないようになるように、固定部7を回転させることによってユニット12と押さえ棒ジョイント部6とが固定される。この状態を完全固定状態(本締め状態)とする。
【0018】
ユニット12又はミシンの押さえジョイント部5と押さえ棒ジョイント部6とを仮止めする際は、雌ネジ螺合部13と雄ネジ螺合部14を所定の量螺合するのみとするか、又は、雌ネジ螺合部13と雄ネジ螺合部14を所定の量螺合した後に、固定部7をミシンの押さえジョイント部5の雌ネジ螺合部13以外の雌ネジ螺合部13が形成された面側に、固定部7であるナット下面と雌ネジ螺合部13以外の雌ネジ螺合部13が形成されたミシンの押さえジョイント部5の面との間に所定の摩擦力が発生しつつ、まだ固定部7が回転できる程度に、固定部7を回転させることによってユニット12と押さえ棒ジョイント部6とが仮止めされる。
【0019】
なお、ミシンの押さえジョイント部5に雌ネジ螺合部13が形成され、押さえ棒ジョイント部6に雄ネジ螺合部14が形成され、固定部7が設けられる態様を記載したが、押さえ棒ジョイント部6に雌ネジ螺合部13が形成され、ミシンの押さえジョイント部5に雄ネジ螺合部14が形成され、固定部7が設けられる態様でもよい。更に、ミシンの押さえジョイント部5に雌ネジ螺合部13が形成され、押さえ棒ジョイント部6に雄ネジ螺合部14が形成され、固定部を有する構造に限定されず、ミシンの押さえジョイント部5が、押さえ棒ジョイント部6に対して、高さ方向、回転方向向きの調整ができ、調整後に、ミシンの押さえジョイント部5と押さえ棒ジョイント部6とが、固定、及び/又は、仮止めできる構造であれば、いかなる構造でもよい。
【0020】
図4(
図1も参照のこと)には、ミシンの押さえ4とミシンの押さえジョイント部5と押さえ棒ジョイント部6とが一体化、組付けられたユニット15を、押さえ棒3に取付ける取付構造8の態様が記載されている。
押さえ棒3の下面側(ユニット15を取付ける側)には、所定の長さに円筒状の中空部16が形成され、中空部16の外周面の一部の領域に薄肉面となる薄肉部17が形成されている。この薄肉部17に中空部16を貫通するボール孔18が形成されている。ボール孔18のサイズや形状は、ボール19をボール孔18に配置した際に、ボール19の外周面が突出するように形成されている。
【0021】
ボール19をボール孔18に配置し、少なくともボール19の外周を弾性的に押圧し、ボール19がボール孔18から弾性的に突出させる板バネ部20がボール19の背面、すなわちボール孔18と対向する方向に配置されている。板バネ部20は、ボール19の背面から適度な強さで弾性的に押圧するために、少なくともボール19の直径より小さい板バネ孔部21が形成されている。しかしながら、板バネ部20の材料的な硬度や、ボール孔18にボール19を配置した際のボール19に求められる押圧強さによっては、板バネ孔部21を設けない態様でもよい。
【0022】
更に、押さえ棒3の中空部16の下端部に、後述する押さえ棒ジョイント部6に突出形成された回転止め部24に係合する切欠き部22が形成されている。
【0023】
押さえ棒ジョイント部6の雄ネジ螺合部14と対向する側には、押さえ棒3の下側に形成された中空部16に挿通される突出部23が形成されている。この突出部23の外周面には、突出部23を押さえ棒3の中空部16に挿通した際に、中空部16の内周面に弾性的に突出されたボール19に(ワンタッチで)着脱可能に係合する凹形状の係合部25が形成されており、かつ、前述した切欠き部22に係合する回転止め部24が形成されている。回転止め部24は、突出部23の鉛直方向からみて垂直方向に、突出部23の両端から突出形成されている。なお、切欠き部22は、前述した突出部23の数、角度、形状に対応して形成されている。
上記の構造により、押さえ棒3の中空部16に、押さえ棒ジョイント部6の突出部23を挿通していくと、ボール19と係合部25が弾性的に係合すると同時に切欠き部22と回転止め部24が係合され、押さえ棒3に対して、ユニット15が回転せずに、ワンタッチで着脱可能に取付される。
【0024】
なお、押さえ棒3に中空部16、薄肉部17、ボール孔18、切欠き部22が形成され、ボール孔18にボール19が配置され、ボール19の外側に板バネ部20が配置される構成が記載され、一方、押さえ棒ジョイント部6に突出部23が形成され、この突出部23に回転止め部24、係合部25が形成された構成が記載されているが、押さえ棒3に突出部23が形成され、この突出部23に回転止め部24、係合部25が形成され、押さえ棒ジョイント部6に中空部16、薄肉部17、ボール孔18、切欠き部22が形成され、ボール孔18にボール19が配置され、ボール19の外側に板バネ部20が配置される構成としてもよい。また、押さえ棒3と押さえ棒ジョイント部6とが取付けられたときに、回転せずに(ワンタッチで)着脱可能される構成であればよいため、ボール孔18、ボール19、板バネ部20、切欠き部22、突出部23、回転止め部24、係合部25は必須構成ではなく、押さえ棒3と押さえ棒ジョイント部6とが取付けられたときに回転せずに(ワンタッチで)着脱可能に取付される構成であれば、いかなる態様でもよい。例えば、板バネ部20が板バネ以外の弾性体であり、ボール19がボール形状以外の突出部であってもよく、弾性体が上記構造以外の構造で突出部を弾性的に突出させている構造でもよい。
【0025】
そして、
図5(
図1~4も参照のこと)に記載されたように、ミシンの押さえ4がミシンの押さえジョイント部5に取付けられ(ユニット12)、ミシンの押さえジョイント部5(ユニット12)が、押さえ棒ジョイント部6に取付けられ(ユニット15)、押さえ棒ジョイント部6が、押さえ棒3に取付された状態、すなわち本発明の全ての構成が取付された状態とした後に、仮止めしてある固定部7(ナット)の仮止めを解除し、押さえ棒ジョイント部6に対して螺合されているミシンの押さえジョイント部5を回転させ、ミシンの押さえ4の高さと同時にミシンの押さえジョイント部5の回転方向を調整(微調整)し、ミシンの押さえ4の高さと回転方向向きを調整し、固定部7(ナット)を完全固定状態(本締め状態)とする。
【0026】
上記の仮止め(特に0018)は、雌ネジ螺合部13と雄ネジ螺合部14を所定量螺合した後に、固定部7をミシンの押さえジョイント部5の雌ネジ螺合部13以外の雌ネジ螺合部13が形成された面側に、固定部7であるナット下面と雌ネジ螺合部13以外の雌ネジ螺合部13が形成されたミシンの押さえジョイント部5の面との間に所定の摩擦力が発生しつつ、まだ固定部7が回転できる程度に、固定部7を回転させることによってユニット12と押さえ棒ジョイント部6とが仮止めされることを示している。しかしながら、もちろん、ユニット12又はミシンの押さえジョイント部5と押さえ棒ジョイント部6とを仮止めする際は、雌ネジ螺合部13と雄ネジ螺合部14を所定量、螺合するのみとし、固定部7にて仮止めを行わない態様、すなわち、固定部7は完全固定状態(本締め状態)のときのみに使用する態様でもよい。いずれの態様も上述した(特に0018)とおり仮止めとする。
【0027】
本発明は、上述(特に0025ないし0026)したとおり、ミシンの押さえ4がミシンの押さえジョイント部5に取付けられる(ユニット12を構成する)ことによって、あらゆる種類のミシンの押さえ4や、取付溝9等の加工精度の低いミシン押さえ4であってもぐらつきなく、極めて安定して固定できる効果を奏し、
かつ、押さえ棒ジョイント部6に取付けられ(ユニット15)、押さえ棒ジョイント部6が、押さえ棒3に取付された状態、すなわち本発明の全ての構成が取付された状態とした後に、仮止めしてある固定部7(ナット)の仮止めを解除することによって、ミシンの押さえ4の高さと同時にミシンの押さえジョイント部5の回転方向を微調整し、ミシンの押さえ4の高さ、回転方向向きを調整できる効果を奏する発明である。その後に、固定部7を完全固定状態(本締め状態)とする。
【0028】
次に、
図6ないし
図7に、本発明のミシンの押さえの調整構造の各部材の取り付け、及び、調整方法について記載する。
【0029】
本発明のミシンの押さえの調整方法は
図6に示すとおり、ミシンの押さえ4とジョイント部2とを取付するステップ(STEP1)と、ジョイント部2と押さえ棒3とを取付するステップ(STEP2)と、ジョイント部2により、ミシンの押さえ4の高さ方向と回転方向向きを調整するステップ(STEP3)とを有している。
【0030】
より詳細なミシンの押さえ調整方法は
図7に示すとおり、ミシンの押さえ4とミシンの押さえジョイント部5とを固定するステップ(STEP1)と、ミシンの押さえジョイント部5と押さえ棒ジョイント部6とを仮止めするステップ(STEP2)と、押さえ棒ジョイント部6と押さえ棒3とを回転せずに(ワンタッチで)着脱可能に取付するステップ(STEP3)と、ミシンの押さえジョイント部5と押さえ棒ジョイント部6との仮止めを解除するステップ(STEP4)と、ミシンの押さえジョイント部5と押さえ棒ジョイント部6との仮止めを解除された状態で、ミシンの押さえジョイント部5と押さえ棒ジョイント部6を調整することにより、ミシンの押さえ4の高さ方向と回転方向向きを調整するステップ(STEP5)と、ミシンの押さえジョイント部5と押さえ棒ジョイント部6を調整後にミシンの押さえジョイント部5と押さえ棒ジョイント部6とを固定するステップ(STEP6)とを有している。
【0031】
上記のミシンの押さえ調整方法により、あらゆる種類のミシンの押さえ4や、加工精度の低いミシン押さえ4であってもぐらつきなく、極めて安定して固定できる効果を奏し、
かつ、ミシンの押さえ4の高さ、ミシンの押さえ4の回転方向の向きを調整できる効果を奏する発明である。
【0032】
上述したミシンの押さえの調整構造及び方法は、ミシンの押さえ4の高さ、回転方向向き微調整するものであり、ミシンの押さえ4の高さ、回転方向向きの大まかな調整は従来技術に記載された押さえ棒3の取付け高さ、取付角度を調整する態様でもよい。
【0033】
なお、本願発明の全ての構成材料は、金属、樹脂、木材等すべての材料に適用される。
【符号の説明】
【0034】
1 ミシンの押さえの調整構造
2 ジョイント部
3 押さえ棒
4 ミシンの押さえ
5 ミシンの押さえジョイント部
6 押さえ棒ジョイント部
7 固定部
8 取付構造
9 取付部
10 嵌合部
11 ネジ
12 ユニット
13 雌ネジ螺合部
14 雄ネジ螺合部
15 ユニット
16 中空部
17 薄肉部
18 ボール孔
19 ボール
20 板バネ部
21 板バネ孔部
22 切欠き部
23 突出部
24 回転止め部
25 係合部