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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】全周モップ
(51)【国際特許分類】
   A47L 13/255 20060101AFI20240830BHJP
   A47L 13/24 20060101ALI20240830BHJP
【FI】
A47L13/255
A47L13/24 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020133256
(22)【出願日】2020-08-05
(65)【公開番号】P2022029768
(43)【公開日】2022-02-18
【審査請求日】2023-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000133445
【氏名又は名称】株式会社ダスキン
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】西村 和竹
(72)【発明者】
【氏名】足立 知志
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼津 拓未
(72)【発明者】
【氏名】長崎 里佳
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-328108(JP,A)
【文献】実開昭61-024523(JP,U)
【文献】Haodan electronics Mops Double Sided Flat Lazy Mop 360 Degrees Cleaning Mop Self-Wringing Flipping with 4pcs Microfiber Replace Cloth,米国,Amazon.com,2018年10月25日,https://www.amazon.com/Degrees-Cleaning-Self-Wringing-Flipping-Microfiber/dp/B07JPC54KZ
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 13/00-13/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
払拭部と柄部とを有するモップにおいて、
前記払拭部は、トング状の保持部と、前記保持部を覆ったモップ布地と、を有しており、
前記モップ布地は、前記払拭部の外周面全体に渡ってパイルが存在するように、前記保持部を覆っており、
前記保持部は、所定の間隙を隔てて且つ対向して延びている一対の保持アームと、前記一対の保持アームを一端にて連結している弾性部と、を有しており、
前記一対の保持アームは、前記弾性部を支点として開閉可能になっており、
前記柄部は、前記一対の保持アームを対向した状態で連結した、連結軸部と、前記連結軸部に連結端部を介して連結しており、前記連結軸部に対して直交する方向に延びている、柄本体と、を有しており、前記柄本体は、前記連結軸部の軸回りに且つ前記一対の保持アームの他端側の前記間隙を通って、回動可能になっており、
前記連結軸部及び前記連結端部は、前記間隙内に収まるように構成されており、
前記モップ布地は、前記保持アームの挿し込み用空間を有しており、前記連結軸部が取り外された前記保持アームが前記挿し込み用空間に挿入されることによって前記保持部に取り付けられるようになっている、
ことを特徴とする全周モップ。
【請求項2】
前記連結軸部は、前記一対の保持アームの各々に設けられた被連結部に、着脱可能に連結されるようになっている、
請求項1記載の全周モップ。
【請求項3】
前記モップ布地は、前記保持部に対して、着脱可能になっている、
請求項1又は2に記載の全周モップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、払拭部の外周面全体に渡ってパイルが存在するように構成された所謂「全周モップ」に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のモップは、一般に、次のような構成を有している。
(1)払拭部の下面側にパイルが設けられている。
(2)払拭部の上面側の中央に、柄と連結するための連結部が突出して設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4643819号公報
【文献】特許第5552372号公報
【文献】特開平10-328108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のモップによって上下又は左右が狭い隙間を清掃しようとすると、次のような不具合があった。
(1)連結部が邪魔になって、払拭部を隙間に挿入できず、それ故、隙間を清掃できない。
(2)連結部が隙間を構成している家具等に当たり、家具等が傷付いてしまう。
【0005】
本発明は、隙間を構成している家具・壁・床面等を傷付けることなく、全周のパイルを使用して狭い隙間を効果的に清掃できる、モップを、提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、払拭部と柄部とを有するモップにおいて、
前記払拭部は、トング状の保持部と、前記保持部を覆ったモップ布地と、を有しており、
前記モップ布地は、前記払拭部の外周面全体に渡ってパイルが存在するように、前記保持部を覆っており、
前記保持部は、所定の間隙を隔てて且つ対向して延びている一対の保持アームと、前記一対の保持アームを一端にて連結している弾性部と、を有しており、
前記一対の保持アームは、前記弾性部を支点として開閉可能になっており、
前記柄部は、前記一対の保持アームを対向した状態で連結した、連結軸部と、前記連結軸部に連結端部を介して連結しており、前記連結軸部に対して直交する方向に延びている、柄本体と、を有しており、前記柄本体は、前記連結軸部の軸回りに且つ前記一対の保持アームの他端側の前記間隙を通って、回動可能になっており、
前記連結軸部及び前記連結端部は、前記間隙内に収まるように構成されており、
前記モップ布地は、前記保持アームの挿し込み用空間を有しており、前記連結軸部が取り外された前記保持アームが前記挿し込み用空間に挿入されることによって前記保持部に取り付けられるようになっている、
ことを特徴とする全周モップ。

【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、払拭部の上面又は下面又は各側面を使用して、すなわち、全周のパイルを使用して、特に上下が狭い隙間を有効に清掃できる。しかも、その際、隙間を構成している家具・壁・床面等が払拭部と柄部との連結部によって傷付けられるのを、防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態の全周モップの全体を示す斜視図である。
図2】払拭部からモップ布地を取り外した状態の全周モップを示す斜視図である。
図3】柄部の回動を示す斜視図である。
図4】払拭部と柄部とを示す拡大斜視部分図である。
図5】保持部と柄部の連結側の端部とを示す拡大斜視図である。
図6】保持部と保持部から取り外した柄部の連結側の端部とを示す拡大斜視図である。
図7】保持部と保持部から取り外した柄部の連結側の端部とを分解して示す拡大分解斜視図である。
図8】扇状に開いた保持部を示す斜視図である。
図9】直線状に開いた保持部を示す斜視図である。
図10図5のX-X断面図である。
【0009】
図11図10のXI-XI断面図である。
図12】保持アームの縦断面図である。
図13】モップ布地の斜視図である。
図14図13のXIV-XIV断面図である。
図15】モップ布地を保持部に取り付ける作業の一工程を示す図である。
図16図15に続く工程を示す図である。
図17図16に続く工程を示しており、図16の保持部が直線状に伸びた状態を示す図である。
図18図17に続く工程を示す図である。
図19】払拭部に対する柄部の回動を模式的に示す図である。
図20】本発明の第2実施形態の全周モップの保持部と柄部の連結軸部とを示す拡大斜視図である。
【0010】
図21図20の分解斜視図である。
図22図20の被連結部と連結軸部とが連結した状態における両者のXXII-XXII断面図である。
図23図22のXXIII-XXIII断面図である。
図24】本発明の第3実施形態の全周モップの保持部と柄部の連結軸部とを示す拡大斜視図である。
図25図24の分解斜視図である。
図26図24の被連結部と連結軸部とが連結した状態における両者のXXVI-XXVI断面図である。
図27図26のXXVII-XXVII断面図である。
図28】保持アームの縦断面形態の別の第1例を示し、縦断面横凸形の形態を有する保持アームを示す図である。
図29】保持アームの縦断面形態の別の第2例を示し、縦断面横三角形の形態を有する保持アームを示す図である。
図30】保持アームの縦断面形態の別の第3例を示し、縦断面半円形の形態を有する保持アームを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1実施形態]
図1は、本発明の一実施形態の全周モップの全体を示す斜視図である。この全周モップ10は、払拭部2と柄部3とを有している。払拭部2は、保持部5とモップ布地6とを有している。モップ布地6は、払拭部2の外周面全体に渡ってパイルが存在するように、保持部5を覆っている。それ故、図1のモップは「全周モップ」と称している。
【0012】
図2は、払拭部2からモップ布地6を取り外した状態の全周モップ10を示す斜視図である。全周モップ10においては、柄部3が、保持部5ひいては払拭部2に対して、図3の矢印Aに示されるように、回動可能となっている。
【0013】
図4は、払拭部2と柄部3とを示す拡大斜視部分図である。図5は、保持部5と柄部3の連結側の端部とを示す拡大斜視図である。図6は、保持部5と保持部5から取り外した柄部3の連結側の端部とを示す拡大斜視図である。図7は、保持部5と保持部5から取り外した柄部3の連結側の端部とを分解して示す拡大分解斜視図である。保持部5は、所定の間隙100を隔てて且つ対向して延びている一対の保持アーム51、51と、一対の保持アーム51、51を一端にて連結している弾性部52と、を有しており、トング状を呈する構成を有している。図8及び図9に示されるように、一対の保持アーム51、51は、弾性部52を支点として、矢印Bに示されるように、開閉可能となっている。図8では、扇状に開いており、図9では、直線状になるまで開いている。
【0014】
柄部3は、一対の保持アーム51、51を対向した状態で連結した、連結軸部31と、連結軸部31に連結端部38を介して連結しており、連結軸部31に対して直交する方向に延びている、柄本体30と、を有している。柄本体30は、図3の矢印Aに示されるように、連結軸部31の軸回りに且つ一対の保持アーム51、51の他端側の間隙101を通って、回動可能になっている。連結軸部31は、一対の保持アーム51、51の各々に設けられた被連結部53、53に、着脱可能に連結されるようになっている。
【0015】
連結軸部31、連結端部38、及び被連結部53の、具体的構造は、図7の分解斜視図、図10の縦断面図、及び図11の縦断面図に、示されている。図10は、図5のX-X断面図であり、図11図10のXI-XI断面図である。図7に示されるように、柄部3の連結端部38は、柄本体30よりも少し太いブロック体からなっており、柄本体30に対して直交する方向Xに延びた貫通孔382を有している。
【0016】
連結軸部31は、一対の軸部体32、32と1個のスプリング33とからなっている。軸部体32は、ロッドピン321と、軸体322と、取付板323と、を有している。取付板323は、軸体322の外側の端部に固定されている。軸体322及び取付板323は、ロッドピン321が挿通する貫通孔324を、有している。一対の軸部体32、32において、一方の軸体322は、内端に係合爪3221を有しており、他方の軸体322は、内端に係合凹部3222を有している。一対の軸部体32、32は、ロッドピン321が挿し込まれた状態で、スプリング33を挟むように、X方向の両側から貫通孔382内に挿し込まれ、図10に示されるように、一対の軸体322、322が内端にて互いに係合することにより、連結して一体となっている。これにより、連結軸部31が構成され、柄部3の連結端部38は、一体となっている一対の軸体322、322の軸回りに回動可能となっている。連結軸部31において、ロッドピン321は、通常状態では、外側端部3211が取付板323の外側へ突出している。連結軸部31において、ロッドピン321は、スプリング33を圧縮して内側へ移動可能であるが、内端の外周に形成されている凸部3212が軸体322の内端の内周面に形成されている段部3223に内側から当接するので外側へは移動不能である。ロッドピン321は、最も内側へ移動した場合に外側端部3211が取付板323内に引っ込むような長さを、有している。
【0017】
保持アーム51は、図12に示されるように、縦断面長方形の形態を有している。被連結部53は、保持アーム51の長手方向の略中央に設けられている。図7に示されるように、被連結部53は、取付板323が上方からスライドして挿し込まれる受部530を、有している。受部530は、保持アーム51の内面に形成された、底枠部531と両側枠部532、533とによって、構成されている。両側枠部532、533は、取付板323をスライドさせるためのスライド溝5321、5331を有している。底枠部531は、取付板323の底縁3231が嵌まり込む溝5311を有している。また、受部530は、上縁の中央に導入テーパ部5301を有している。導入テーパ部5301は、内向き且つ下向きに傾斜しており、保持アーム51の縁に形成されている。更に、保持アーム51は、受部530に通じる貫通孔511を有している。貫通孔511は、受部530の略中央に形成されており、保持アーム51の外面においてテーパ孔となっている。
【0018】
連結軸部31は、ロッドピン321の外側端部3211が取付板323の外側へ突出している状態で、外側端部3211を上方から導入テーパ部5301に当接させ且つ取付板323を受部530のスライド溝5321、5331に挿し込み、下降させることにより、被連結部53に取り付けられる。このとき、ロッドピン321の外側端部3211は、先端が球面形状を有しているので、導入テーパ部5301に沿って円滑に下降する。下降の際、ロッドピン321は、スプリング33を圧縮しながら内向きに移動するが、貫通孔511の位置に来ると、スプリング33によって付勢されて外向きに移動し、これにより、外側端部3211が貫通孔511に嵌まり込み、その結果、連結軸部31は、被連結部53に固定される。これにより、連結軸部31は、図5に示されるように、一対の保持アーム51、51を対向した状態で連結する。
【0019】
連結軸部31及び連結端部38は、図5及び図6に示されるように、一対の保持アーム51、51の上下寸法Hの範囲内に、すなわち、間隙100内に、収まるように構成されている。これにより、連結端部38は、連結軸部31の軸回りに回動しても、間隙100の外へ露出しないようになっている。
【0020】
図13は、モップ布地6の上方斜視図である。図14は、図13のXIV-XIV断面図である。モップ布地6は、長細いキャンバス61と、キャンバス61の周縁から裏面に渡って設けられた多数のパイル62と、からなっている。キャンバス61の表面は、保持アーム51の挿し込み用空間を構成するように、布地63で覆われている。布地63には、3か所に開口631、632、633が形成されている。開口632は、キャンバス61の長手方向の中央に形成されている。開口631、633は、それぞれ、キャンバス61の長手方向の半分部分の略中央に、形成されている。これにより、キャンバス61の表面には、保持アーム51の挿し込み用空間601、602、603、604が構成されている。
【0021】
モップ布地6は、次のようにして保持部5に取り付けられる。まず、図13のモップ布地6を、開口632で山折りして、図15に示されるような半分に折り、次に、図15に示されるように、保持部5の一対の保持アーム51、51の先端を開口632に挿し込み、一方の保持アーム51を空間602、601に挿し込むとともに、他方の保持アーム51を空間603、604に挿し込む。これにより、図16に示されるように、モップ布地6が保持部5に取り付けられる。図17は、図16の保持部5が直線状に伸びた状態を示している。図17に示されるように、保持部5の弾性部52は、開口632から露出しており、被連結部53、53は、それぞれ、開口631、633から露出している。次に、図18に示されるように、図17の保持部5を、キャンバス61が内側になるように半分に折り曲げる。そして、図18の状態において、露出している被連結部53、53に対して、柄部3の連結軸部31を取り付ける。これにより、図1の全周モップ10が得られる。
【0022】
図1においては、全周モップ10の構成を理解しやすくするために、払拭部2の保持部5の一対の保持アーム51、51の間の間隙100が見えているが、実際は、間隙100は、モップ布地6のパイル62によって略覆われている。すなわち、モップ布地6は、払拭部2の外周面全体に渡ってパイルが存在するように、保持部5を覆っている。
【0023】
本実施形態の全周モップ10によれば、次のような作用効果を発揮できる。
(1)柄部3の柄本体30は、図3に示されるように、連結軸部31の軸回りに且つ一対の保持アーム51、51の他端側の間隙101を通って、回動可能である。すなわち、柄部3は、図19に示されるように、払拭部2に対して、連結軸部31の軸回りに、位置Aから位置Eまで回動可能であり、位置Aから位置Eまでの間の任意の位置をとることができる。したがって、全周モップ10を、次のように有効に使用できる。
【0024】
(1-1)柄部3を位置A又は位置Eで使用すると、払拭部2を、上下が比較的狭い隙間すなわち高さが比較的低い隙間の奥まで挿し込んで、当該隙間を清掃できる。
【0025】
(1-2)柄部3を位置Cで使用すると、払拭部2を直線形態で使用できるので、払拭部2を、上下がかなり狭い隙間すなわち高さがかなり低い隙間の奥まで挿し込んで、当該隙間を清掃できる。したがって、高さがかなり低い隙間を良好に清掃できる。
【0026】
(1-3)柄部3を、位置B又はその近傍で使用し、又は、位置D又はその近傍で使用すると、払拭部2を一般的なモップと同様に使用できる。したがって、種々の箇所を清掃できる。
【0027】
(2)払拭部2の外周面全体に渡ってモップ布地6のパイル62が存在しているので、払拭部2の全周を清掃に使用できる。したがって、全周モップ10を、次のように有効に使用できる。
【0028】
(2-1)柄部3を、位置Aから位置Cまでの間で使用すると、払拭部2の下面を使用して清掃でき、位置Cから位置Eまでの間で使用すると、払拭部2の上面を使用して清掃できる。すなわち、払拭部2の上面及び下面を任意に使用して清掃できるので、清掃性能を向上できる。
【0029】
(2-2)柄部3を位置Cで使用する場合に、柄部3を柄部3の軸回りに回転させれば、払拭部2の上面及び下面だけでなく両側面も使用して清掃でき、すなわち、払拭部2の全周を使用して清掃できる。したがって、清掃性能をより向上できる。
【0030】
(3)連結軸部31及び連結端部38が、一対の保持アーム51、51の上下寸法Hの範囲内に、すなわち、間隙100内に、収まるように構成されているので、柄部3を、図19の位置Aから位置Eまでの間の任意の位置で使用した場合でも、連結軸部31及び連結端部38が払拭部2から外に突出することはない。したがって、柄部3をどのような位置で使用した場合でも、特に位置Cで使用した場合でも、連結軸部31又は連結端部38が清掃箇所の周囲の家具・壁・床面等に接触することはなく、よって、それらが傷付くのを防止できる。
【0031】
(4)保持部5の貫通孔511に突出している、連結軸部31のロッドピン321の外側端部3211を、貫通孔511から外れるように押し込み、その状態で、連結軸部31に上向きの力を加えると、連結軸部31を払拭部2から上方へ取り外すことができる。その結果、払拭部2において、図15図18に示されたモップ布地6の取付作業とは逆の作業を行うことにより、モップ布地6を保持部5から取り外すことができる。したがって、モップ布地6の交換作業を容易に実行できる。
【0032】
[第2実施形態]
本実施形態は、図20図23に示されるように、第1実施形態に比して、連結軸部31及び被連結部53の構造が異なるだけである。本実施形態では、連結軸部31と被連結部53とが、面ファスナー構造によって、着脱可能に連結されている。図20は、保持部5と柄部3の連結軸部31とを示す拡大斜視図である。図21は、図20の分解斜視図である。図22は、図20の被連結部53と連結軸部31とが連結した状態における両者のXXII-XXII断面図である。図23は、図22のXXIII-XXIII断面図である。
【0033】
連結軸部31は、一対の軸部体35、35と1本の固定ピン36とからなっている。軸部体35は、軸体351と、取付板352と、を有している。取付板352は、軸体351の外側の端部に固定されている。軸体351及び取付板352は、固定ピン36が挿通する貫通孔353を、有している。一対の軸部体35、35において、一方の軸体351は、内端に嵌合凸部3511を有しており、他方の軸体351は、内端に被嵌合凹部3512を有している。一対の軸体351、351は、X方向の両側から貫通孔382内に挿し込まれ、図22に示されるように、一方の軸体351の嵌合凸部3511が他方の軸体351の被嵌合凹部3512に嵌合することにより、連結している。更に、連結された一対の軸体351、351は、貫通孔353に挿通された固定ピン36によって、X方向の両側から把持されており、これにより、強固に一体となっている。これにより、連結軸部31が構成され、柄部3の連結端部38は、一体となった一対の軸体351、351の軸回りに回動可能となっている。そして、取付板352には、面ファスナーのフック面354が固定されている。
【0034】
被連結部53は、保持アーム51の内面に形成され且つ四辺を枠で囲まれた受部535と、受部535内に設けられた面ファスナーのループ面536と、を有している。
【0035】
本実施形態では、図20の状態においてループ面536をフック面354に押し付けることによって、被連結部53と連結軸部31とを連結できる。
【0036】
本実施形態によれば、被連結部53と連結軸部31との連結を面ファスナーという簡単な部材で実現できるので、生産及びメンテナンスのコストを低減でき、更には、組み立ての作業性を向上できる。
【0037】
なお、本実施形態では、連結軸部31がループ面536又はフックループ混在面を有し、被連結部53がフック面354又はフックループ混在面を有してもよい。いずれにしても、連結軸部31と被連結部53とは、フックとループとが係合することによって連結するようになっていればよい。
【0038】
[第3実施形態]
本実施形態は、図24図27に示されるように、第1実施形態に比して、連結軸部31及び被連結部53の構造が異なるだけである。本実施形態では、連結軸部31と被連結部53とが、磁石構造によって、着脱可能に連結されている。図24は、保持部5と柄部3の連結軸部31とを示す拡大斜視図である。図25は、図24の分解斜視図である。図26は、図24の被連結部53と連結軸部31とが連結した状態における両者のXXVI-XXVI断面図である。図27は、図26のXXVII-XXVII断面図である。
【0039】
連結軸部31は、一対の軸部体37、37と1本の固定ピン39とからなっている。軸部体37は、軸体371と、取付板372と、を有している。取付板372は、軸体371の外側の端部に固定されている。軸体371及び取付板372は、固定ピン39が挿通する貫通孔373を、有している。一対の軸部体37、37において、一方の軸体371は、内端に嵌合凸部3711を有しており、他方の軸体371は、内端に被嵌合凹部3712を有している。一対の軸体371、371は、X方向の両側から貫通孔382内に挿し込まれ、図26に示されるように、一方の軸体371の嵌合凸部3711が他方の軸体371の被嵌合凹部3712に嵌合することにより、連結している。更に、連結された一対の軸体371、371は、貫通孔373に挿通された固定ピン39によって、X方向の両側から把持されており、これにより、強固に一体となっている。これにより、連結軸部31が構成され、柄部3の連結端部38は、一体となった一対の軸体371、371の軸回りに回動可能となっている。そして、取付板372には、金属板374が固定されている。
【0040】
被連結部53は、保持アーム51の内面に形成され且つ四辺を枠で囲まれた受部537と、受部537内に設けられた磁石板538と、を有している。
【0041】
本実施形態では、図24の状態において磁石板538を金属板374に押し付けることによって、被連結部53と連結軸部31とを連結できる。
【0042】
本実施形態によれば、被連結部53と連結軸部31との連結を磁石という簡単な部材で実現できるので、生産及びメンテナンスのコストを低減でき、更には、組み立ての作業性を向上できる。
【0043】
なお、連結軸部31が磁石板を有し、被連結部53が金属板を有してもよい。いずれにしても、連結軸部31と被連結部53とは、磁石と金属とが接合することによって連結するようになっていればよい。
【0044】
[別の実施形態]
保持アーム51の縦断面の形態は、図12の長方形に限るものではなく、図28に示される横凸形、又は、図29に示される横三角形、又は、図30に示される半円形でもよい。なお、図28では、凸部515が保持アーム51の外側に位置しており、図29では、頂点516が保持アーム51の外側に位置しており、図30では、円弧面517が保持アーム51の外側に位置している。保持アーム51は、このような縦断面形態を有することによって、剛性を増すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の全周モップは、狭い隙間を効果的に清掃できるので、産業上の利用価値が大である。
【符号の説明】
【0046】
2 払拭部
3 柄部
30 柄本体
31 連結軸部
38 連結端部
5 保持部
51 保持アーム
52 弾性部
53 被連結部
6 モップ布地
62 パイル
601~604 挿し込み用空間
10 全周モップ
100 間隙
101 (他端側の)間隙
図1
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図3
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図30