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▶ 株式会社松風の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】3Dプリンタ用歯科用光重合性組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 6/893 20200101AFI20240830BHJP
   A61K 6/833 20200101ALI20240830BHJP
   A61K 6/891 20200101ALI20240830BHJP
   B29C 67/00 20170101ALI20240830BHJP
   A61C 5/70 20170101ALN20240830BHJP
【FI】
A61K6/893
A61K6/833
A61K6/891
B29C67/00
A61C5/70
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020141474
(22)【出願日】2020-08-25
(65)【公開番号】P2021035941
(43)【公開日】2021-03-04
【審査請求日】2023-07-26
(31)【優先権主張番号】P 2019153828
(32)【優先日】2019-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390011143
【氏名又は名称】株式会社松風
(74)【代理人】
【識別番号】100173657
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬沼 宗一郎
(72)【発明者】
【氏名】細川 護
(72)【発明者】
【氏名】藤村 英史
【審査官】工藤 友紀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/023009(WO,A1)
【文献】特表2017-506245(JP,A)
【文献】特開2018-123076(JP,A)
【文献】特開2019-116430(JP,A)
【文献】特表2022-523572(JP,A)
【文献】特開2012-157628(JP,A)
【文献】国際公開第2020/017122(WO,A1)
【文献】特開平09-255516(JP,A)
【文献】特表2016-523962(JP,A)
【文献】特開2014-161440(JP,A)
【文献】特開2008-037952(JP,A)
【文献】国際公開第2019/092581(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 6/00-6/90
B29C 67/00
A61C 5/70
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a1)ウレタン構造を含む(メタ)アクリレート系重合性単量体と(a2)ウレタン構造を含まない(メタ)アクリレート系重合性単量体とからなる(a)(メタ)アクリレート系重合性単量体、
(b)凝集性無機フィラー、及び、
(c)光重合開始剤を含み、
(a)(メタ)アクリレート系重合性単量体は、(a1)ウレタン構造を含む(メタ)アクリレート系重合性単量体及び(a2)ウレタン構造を含まない(メタ)アクリレート系重合性単量体の割合が、51~80重量部:49~20重量部であり、
(a)(メタ)アクリレート系重合性単量体と(b)凝集性無機フィラーとの割合が重量部で50~91:50~9の範囲であり、
(a)(メタ)アクリレート系重合性単量体100重量部に対して(c)光重合開始剤を0.1~5重量部含む、3Dプリンタ用歯科用光重合性組成物。
【請求項2】
(a)(メタ)アクリレート系重合性単量体の1~15重量%は、(a3)分岐状構造を有し、少なくとも3以上の(メタ)アクリレート部位を有する多官能(メタ)アクリレート系重合性単量体である請求項1に記載の3Dプリンタ用歯科用光重合性組成物。
【請求項3】
(a3)分岐状構造を有し、少なくとも3以上の(メタ)アクリレート部位を有する多官能(メタ)アクリレート系重合性単量体は、(a2)ウレタン構造を含まない(メタ)アクリレート系重合性単量体により構成されている請求項1または2に記載の3Dプリンタ用歯科用光重合性組成物。
【請求項4】
(b)凝集性無機フィラーがSiO260-100重量%及びZrO20-40重量%からなることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の3Dプリンタ用歯科用光重合性組成物。
【請求項5】
(b)凝集性無機フィラーの比表面積が10~300m2/gであることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の3Dプリンタ用歯科用光重合性組成物。
【請求項6】
(b)凝集性無機フィラーの頻度平均粒子径が1~15μmの範囲であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の3Dプリンタ用歯科用光重合性組成物。
【請求項7】
添加材をさらに含む請求項1~6のいずれかに記載の3Dプリンタ用歯科用光重合性組成物。
【請求項8】
添加材が着色剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤及び蛍光剤から選択される1以上を含む請求項7に記載の3Dプリンタ用歯科用光重合性組成物。
【請求項9】
添加材を、添加材を除いた3Dプリンタ用歯科用光重合性組成物100重量部に対して、0.0001~2重量部含む請求項7または8に記載の3Dプリンタ用歯科用光重合性組成物。
【請求項10】
請求項1~9のいずれかに記載の3Dプリンタ用歯科用光重合性組成物を用いて、光造形型の3Dプリンタによって作製した歯科修復物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3Dプリンタにて歯科用修復物を製造する際に用いる光重合性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
液状の光硬化性樹脂に必要量の制御された光エネルギーを供給して、薄膜状に硬化させる工程を繰り返すことで、立体造形物を製造する方法、いわゆる光学的立体造形法(光造形法)は、基本的な実用方法が提案されて以来、多数の提案がなされている。
光造形物を光学的に製造する代表的な方法として、次のものがある。容器に入れた光重合性組成物に、所望のパターンが得られるようにコンピューターで制御された光を選択的に照射して所定の厚みに硬化させる。次にその硬化層上もしくは下面に1層分の光重合性組成物を供給して、同様に光を照射して硬化させる。この操作を繰り返すことによって積層体を形成し、最終的な形状を有する立体造形物を製造する方法が一般的である。
この方法は、造形物の形状が複雑な場合であっても、簡単にかつ比較的短時間で目的とする立体造形物を製造することができるため、近年様々な産業で活用されている。
とりわけ、歯科材料分野においては、インレー、クラウンやブリッジといわれる補綴装置が症例ごとに異なり、かつ形状が複雑であることから、光造形法の応用が進んでいる。
光造形法により作製される立体造形は、過去は主にプロトタイプを作製するために使用されていたが、技術発展に伴いその精度が向上しており、近年ではプロトタイプのみならず最終製品の作製へと用途が展開されるようになってきている。そのため、造形精度のみならず強度特性に優れたものが求められている。
強度の向上を目的として、一般的な歯科修復材料では、無機充填剤を配合する手法が用いられるが、光造形用材料に無機粒子を含む光重合性組成物を用いた場合、無機粒子が光を散乱するため、散乱光により造形物表面に余剰硬化が発生する。これより、造形精度の低下や審美性に優れた造形物が得られないという問題がある。
このような背景の中、造形精度に優れた光学的立体造形が可能な技術として、例えば特許文献1には、有機系の紫外線吸収剤を配合した光学的立体造形用樹脂組成物が提案されている。しかし、特許文献1に記載の光学的立体造形用樹脂組成物は、歯科材料のように無機粒子の配合が必須である組成物においての有用性については具体的に記載されていない。
また、特許文献2には紫外線吸収性の無機粒子を含む樹脂組成物が提案されている。
しかし、特許文献2に記載の光学的立体造形用樹脂組成物は、平均1次粒子径500nm以下の紫外線吸収性無機粒子を含むことを特徴としているが、その紫外線吸収性無機粒子や、その他の成分として含まれる無機粒子の形状については具体的に記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平8-224790号公報
【文献】WO201807438A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、光学的立体造形法(光造形法)を用いて、審美的及び機械的特性に優れた歯科修復物を得ることのできる歯科用光重合性組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、本発明は(a1)ウレタン構造を含む(メタ)アクリレート系重合性単量体と(a2)ウレタン構造を含まない(メタ)アクリレート系重合性単量体とからなる(a)(メタ)アクリレート系重合性単量体、(b)凝集性無機フィラー、及び、(c)光重合開始剤を含み、(a)(メタ)アクリレート系重合性単量体は、(a1)ウレタン構造を含む(メタ)アクリレート系重合性単量体及び(a2)ウレタン構造を含まない(メタ)アクリレート系重合性単量体の割合が、51~80重量部:49~20重量部であり、(a)(メタ)アクリレート系重合性単量体と(b)凝集性無機フィラーとの割合が重量部で50~91:50~9の範囲であり、(a)(メタ)アクリレート系重合性単量体100重量部に対して(c)光重合開始剤を0.1~5重量部含む、3Dプリンタ用歯科用光重合性組成物である。
【0006】
本発明の3Dプリンタ用歯科用光重合性組成物においては、(a)(メタ)アクリレート系重合性単量体の1~15重量%は、(a3)分岐状構造を有し、少なくとも3以上の(メタ)アクリレート部位を有する多官能(メタ)アクリレート系重合性単量体であることが好ましい。
本発明の3Dプリンタ用歯科用光重合性組成物においては、(a)(メタ)アクリレート系重合性単量体の1~15重量%は、(a3)分岐状構造を有し、少なくとも3以上の(メタ)アクリレート部位を有する多官能(メタ)アクリレート系重合性単量体であることが好ましい。
本発明の3Dプリンタ用歯科用光重合性組成物においては、(a3)分岐状構造を有し、少なくとも3以上の(メタ)アクリレート部位を有する多官能(メタ)アクリレート系重合性単量体は、(a2)ウレタン構造を含まない(メタ)アクリレート系重合性単量体により構成されていることが好ましい。
本発明の3Dプリンタ用歯科用光重合性組成物においては、前記(b)凝集性無機フィラーがSiO260-100重量%及びZrO20-40重量%からなることが好ましい。
本発明の3Dプリンタ用歯科用光重合性組成物においては、前記(b)凝集性無機フィラーの比表面積が10~300m2/gであることが好ましい。
本発明の3Dプリンタ用歯科用光重合性組成物においては、前記(b)凝集性無機フィラーの頻度平均粒子径が1~15μmの範囲であることが好ましい。
本発明の3Dプリンタ用歯科用光重合性組成物においては、添加材をさらに含むことが好ましい。
本発明の3Dプリンタ用歯科用光重合性組成物においては、添加材が着色剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤及び蛍光剤から選択される1以上を含むことが好ましい。
本発明の3Dプリンタ用歯科用光重合性組成物においては、添加材を、添加材を除いた3Dプリンタ用歯科用光重合性組成物100重量部に対して、0.0001~2重量部含むことが好ましい。
本発明はまた、本発明の3Dプリンタ用歯科用光重合性組成物を用いて、光造形型の3Dプリンタによって作製した歯科修復物を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の光重合性組成物は、光学的立体造形法(光造形法)によって造形した場合、造形物の審美性、及び強度特性に優れた造形物を得ることができる。そのため、本発明の光重合性組成物は、歯科材料(例えば、歯科用補綴装置)として好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明の3Dプリンタ用歯科用光重合性組成物は、(a1)ウレタン構造を含む(メタ)アクリレート系重合性単量体と(a2)ウレタン構造を含まない(メタ)アクリレート系重合性単量体とからなる(a)(メタ)アクリレート系重合性単量体、(b)凝集性無機フィラー、及び、(c)光重合開始剤を含み、(a)(メタ)アクリレート系重合性単量体は、(a1)ウレタン構造を含む(メタ)アクリレート系重合性単量体及び(a2)ウレタン構造を含まない(メタ)アクリレート系重合性単量体の割合が、51~80重量部:49~20重量部であり、(a)(メタ)アクリレート系重合性単量体と(b)凝集性無機フィラーとの割合が重量部で50~91:50~9の範囲であり、(a)(メタ)アクリレート系重合性単量体及び(b)凝集性無機フィラーの合計100重量部に対して(c)光重合開始剤の割合を0.1~5重量部含む。
【0009】
(a)(メタ)アクリレート系重合性単量体は、(a1)ウレタン構造を含む(メタ)アクリレート系重合性単量体と(a2)ウレタン構造を含まない(メタ)アクリレート系重合性単量体とからなる。本明細書において「ウレタン構造」とは構造「-NH-CO-O-」のことである。ウレタン構造を有する(メタ)アクリレートを、ウレタン構造を含まない(メタ)アクリレートよりも多く含有することで、無機フィラーとの相互作用が良好となり、造形物表面の外観を良好に保つことができる。また、造形物の強度特性に靭性を付与することができる。
【0010】
そのため、前記、(a1)ウレタン構造を含む(メタ)アクリレート系重合性単量体は、(a)(メタ)アクリレート系重合性単量体中に51~80重量部含まれ、51~75重量部が好ましく、51~70重量部がさらに好ましい。また、(a2)ウレタン構造を含まない(メタ)アクリレート系重合性単量体は(a)(メタ)アクリレート系重合性単量体中に20~49重量部の割合で含有され、25~49重量部が好ましく、30~49重量部がさらに好ましい。(a1)ウレタン構造を含む(メタ)アクリレート系重合性単量体を、(a)(メタ)アクリレート系重合性単量体中に80重量部より多く含む場合には、造形物が柔らかくなるという問題が生じる場合がある。
【0011】
前記、(a)(メタ)アクリレート系重合性単量体中に、(a3)分岐状構造を有し、少なくとも3以上の(メタ)アクリレート部位を有する、多官能(メタ)アクリレート系重合性単量体を、含有することが望ましい。本成分は、造形物表面の硬化を促進する。そのため、平滑な表面が得られやすくなり外観を良好に保つことができる。
【0012】
前記、(a3)分岐状構造を有し、少なくとも3以上の(メタ)アクリレート部位を有する、多官能(メタ)アクリレート系重合性単量体は、(a)(メタ)アクリレート系重合性単量体中に、1~15重量%含まれることが好ましく、1~10重量%がより好ましく、3~7重量%がさらに好ましい。(a)(メタ)アクリレート系重合性単量体中の(a3)分岐状構造を有し、少なくとも3以上の(メタ)アクリレート部位を有する、多官能(メタ)アクリレート系重合性単量体が15重量%を超えると、造形物が硬脆になるという問題が生じる場合がある。
【0013】
前記(a3)分岐状構造を有する多官能アクリレート系重合性単量体は、3~10個の(メタ)アクリレート部位を有することが好ましく、4~9個の(メタ)アクリレート部位を有することがより好ましく、5~7個の(メタ)アクリレート部位を有することがさらに好ましい。
【0014】
(a1)ウレタン構造を含む(メタ)アクリレート系重合性単量体としては、限定されるものではないが、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート化合物、ジフェニルメタンジイソシアネート、トルエンジイソシアネートなどの有機ジイソシアネート化合物に対して、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレートのような水酸基を有する重合性単量体などを反応させて得られるウレタンジ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
【0015】
例えば、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートと2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)とのウレタン反応により合成される7,7,9-トリメチル-4,13-ジオキソ-3,14-ジオキサ-5,12-ジアザヘキサデカン-1,16-ジイルジメタクリレート(UDMA)や、HEMAやヒドロキシエチルアクリレート(HEA)と2,4-トルイレンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートまたはヘキサメチレンジイソシアネートの各々とのウレタン反応により合成されるラジカル重合性モノマー類や、脂肪族および/または芳香族ジイソシアネーとグリセロール(メタ)クリレートや3-メタクリロール-2-ヒドロキシプロピルエステルとの反応によって得られるウレタンジアクリレート類や、1,3-ビス(2-イソシアナート,2-プロピル)ベンゼンとヒドロキシ基を有する化合物とのウレタン反応物等が挙げられる。
より具体的には、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンビス(2-カルバモイルオキシエチル)ジメタクリレート、2,7,7,9,15-ペンタメチル-4,13-ジオキソ-3,14-ジオキサ-5,12-ジアザヘキサデカン-1,16-ジイルジアクリレート、2,7,7,9,15-ペンタメチル-4,13-18-トリオキソ-3,14,17-トリオキサ-5,12-ジアザイコス-19-エニルメタクリレート、2,8,10,10,15-ペンタメチル-4,13,18-トリオキソ-3,14,17-トリオキサ-5,12-ジアザイコス-19-エニルメタクリレート、2,7,7,9,15-ペンタメチル-4,13-ジオキソ-3,14-ジオキサ-5,12-ジアザヘキサデカン-1,16-ジイルビス(2-メチルアクリレート)、2,2’-(シクロヘキサン-1,2-ジイルビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(プロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-((2-(((1-(アクリロイロキシ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)シクロヘキシル)メチルカルバモイロキシ)プロピルメタクリレート、2,2’-(シクロヘキサン-1,2-ジイルビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(プロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、2,2’-(ビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3,4-ジイルビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(プロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-((4-(((1-(アクリロイロキシ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)ビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3-イル)メチルカルバモイロキシ)プロピルメタクリレート、2,2’-(ビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3,4-ジイルビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(プロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、7,7,9-トリメチル-4,13-ジオキソ-3,14-ジオキサ-5,12-ジアザヘキサデカン-1,16-ジイルジアクリレート、7,7,9-トリメチル-4,13,18-トリオキソ-3,14,17-トリオキサ-5,12-ジアザイコス-19-エニルメタクリレート、8,10,10-トリメチル-4,13,18-トリオキソ3,14,17-トリオキサ-5,12-ジアザイコス-19-エニルメタクリレート、7,7,9-トリメチル-4,13-ジオキソ-3,14-ジオキサ-5,12-ジアザヘキサデカン-1,16-ジイルビス(2-メチルアクリレート)、4,13-ジオキソ-3,14-ジオキサ-5,12-ジアザヘキサデカン-1,16-ジイルジアクリレート、4,13,18-トリオキソ-3,14,17-トリオキサ-5,12-ジアザイコス-19-エニルメタクリレート、4,13-ジオキソ-3,14-ジオキサ-5,12-ジアザヘキサデカン-1,16-ジイルビス(2-メチルアクリレート)、2-(1-(2-((2-(アクリロイロキシ)エトキシ)カルボニルアミノ)-4,4-ジメチルシクロヘキシル)エチルカルバモイロキシ)エチルメタクリレート、2-(1-(2-((2-(アクリロイロキシ)エトキシ)カルボニルアミノ)エチル)-5,5-ジメチルシクロヘキシルカルバモイロキシ)エチルメタクリレート、2-(2-(((1-(メタクリロイロキシ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)-2,5,5-トリメチルシクロヘキシルカルバモイロキシ)プロパン-1,3-ジイルビス(2-メチルアクリレート)、2-(2-(((1-(メタクリロイロキシ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)-2,5,5-トリメチルシクロヘキシルカルバモイロキシ)プロパン-1,3-ジイルジアクリレート、2-(2-(((1-(アクリロイロキシ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)-2,5,5-トリメチルシクロヘキシルカルバモイロキシ)プロパン-1,3-ジイルビス(2-メチルアクリレート)、3-(15-(2-(アクリロイロキシ)エチル)-3,12,19-トリオキソ-2,13,18-トリオキサ-4,11-ジアザヘニコス-20-エニル)ペンタン-1,5-ジイルジアクリレート、3-(15-(2-(アクリロイロキシ)エチル)-3,12,19-トリオキソ-2,13,18-トリオキサ-4,11-ジアザヘニコス-20-エニル)ペンタン-1,5-ジイルビス(2-メチルアクリレート)、2,2’-(シクリヘキサン-1,2-ジイルビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-((2-(((2-(アクリロイロキシ)エトキシ)カルボニルアミノ)メチル)シクロヘキシル)メチルカルバモイロキシ)エチルメタクリレート、2,2’-(シクリヘキサン-1,2-ジイルビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、2,15-ビス(シクロヘキシルオキシメチル)-4,13-ジオキソ-3,14-ジオキサ-5,12-ジアザヘキサデカン-1,16-ジイルジアクリレート、2,15-ビス(シクロヘキシルオキシメチル)-4,13-ジオキソ-3,14-ジオキサ-5,12-ジアザヘキサデカン-1,16-ジイルビス(2-メチルアクリレート)、2,15-ビス(シクロヘキシルオキシメチル)-4,13,18-トリオキソ-3,14,17-トリオキサ-5,12-ジアザイコス-19-エニルメタクリレート、1,18-ビス(シクロヘキシルオキシ)-5,14-ジオキソ-4,15-ジオキサ-6,13-ジアザオクタデカン-2,17-ジイルジアクリレート、1-(シクロヘキシルオキシ)-17-(シクロヘキシルオキシメチル)-5,14,19-トリオキソ-4,15,18-トリオキサ-6,13-ジアザヘニコス-20-エン-2-イルメタクリレート、1,18-ビス(シクロヘキシルオキシ)-5,14-ジオキソ-4,15-ジオキサ-6,13-ジアザオクタデカン-2,17-ジイルビス(2-メチルアクリレート)、7,7,9-トリメチル-4,13-ジオキソ-3,14-ジオキサ-5,12-ジアザヘキサデカン-1,16-ジイルビス(2-メチルアクリレート)、7,7,9-トリメチル-4,13-ジオキソ-3,14-ジオキサ-5,12-ジアザヘキサデカン-1,16-ジイルジアクリレート、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(2-メタクリレート)、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(3-(((2-(アクリロイロキシ)エトキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)エチル メタクリレート、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(メチルアザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(2-メタクリレート)、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(メチルアザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-((3-((((2-(アクリロイロキシ)エトキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)メチル)ベンジル)(メチル)カルバモイロキシ)エチル メタクリレート、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(プロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(プロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(3-(((2-(アクリロイロキシ)エトキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)プロピル メタクリレート、2-(3-(((1-(アクリロイロキシ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)エチル メタクリレート、4,4’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビスオキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(4,1-フェニレン)ビス(2-メチルアクリレート)、4,4’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビスオキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(4,1-フェニレン)ジアクリレート、4-(3-(((4-(アクリロキシ)フェノキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)フェニル メタクリレート、4,4’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(ブタン-4,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、4,4’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(ブタン-4,1-ジイル)ジアクリレート、4-(3-(((4-(アクリロイロキシ)ブトキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)ブチル メタクリレート、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-フェノキシプロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-フェノキシプロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(3-(((1-(アクリロイロキシ)-3-フェノキシプロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)-3-フェノキシプロピル メタクリレート、2-2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(フェニルアミノ)プロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、2-2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(フェニルアミノ)プロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(3-(((1-(アクリロイロキシ)-3-(フェニルアミノ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)-3-(フェニルアミノ)プロピル メタクリレート、2,2’-(1,3フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(フェニルチオ)プロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、2,2’-(1,3フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(フェニルチオ)プロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(3-(((1-(アクリロキシ)-3-(フェニルチオ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)-3-(フェニルチオ)プロピル メタクリレート、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(ベンジルオキシ)プロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(ベンジルオキシ)プロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(3-(((1-(アクリロイロキシ)-3-(ベンジルオキシ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)-3-(ベンジルオキシ)プロピルメタクリレート、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)
ビス(オキシ)ビス(3-(メタアクリロイロキシ)プロパン-2,1-ジイル)ジベンゾエート、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(アクリロイロキシ)プロパン-2,1-ジイル)ジベンゾエート、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(2-フェニルアセトキシ)プロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、2,2’-(1,3-フェニレンビス(メチレン))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(2-フェニルアセトキシ)プロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(3-(((1-(アクリロイロキシ)-3-(2-フェニルアセトキシ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)メチル)ベンジルカルバモイロキシ)-3-(2-フェニルアセトキシ)プロピル メタクリレート2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2.2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(2-メタクリレート)、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(2-(3-(2-((2-(アクリロイルオキシ)エトキシ)カルボニルアミノ)プロパン-2-イル)フェニル)プロパン-2-イルカルバモイルオキシ)エチルメタクリレート、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(メチルアザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(2-メタクリレート)、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(メチルアザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(エタン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-((2-(3-(2-(((2-(アクリロイロキシ)エトキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)プロパン-2-イル)フェニル)プロパン-2-イル)(メチル)カルバモイルキシ)エチル メタクリレート、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(プロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(プロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(2-(3-(2-((2-(アクリロイロキシ)エトキシ)カルボニルアミノ)プロパン-2-イル)フェニル)プロパン-2-イルカルバモイルキシ)プロピルメタクリレート、2-(2-(3-(2-((1-(アクリロイロキシ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)プロパン-2-イルカルバモイルキシ)エチル メタクリレート、4,4’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(4,1-フェニレン)ビス(2-メチルアクリレート)、4,4’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(4,1-フェニレン)ジアクリレート、4-(2-(3-(2-((4-(アクリロイロキシ)フェノキシ)カルボニルアミノ)プロパン-2-イル)フェニル)プロパン-2-イルカルバモイルキシ)フェニルメタクリレート、4,4’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(ブタン-4,1-ジイル)ビス(2-メタクリレート)、4,4’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(ブタン-4,1-ジイル)ジアクリレート、4-(2-(3-(2-((4-アクリロイロキシ)ブトキシ)カルボニルアミノ)プロパン-2-イル)フェニル)プロパン-2-イルカルバモイルキシ)ブチルメタクリレート、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-フェノキシプロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メタクリレート)、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-フェノキシプロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(2-(3-(2-((1-(アクリロイロキシ)-3-フェノキシプロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)プロパン-2-イル)フェニル)プロパン-2-イルカルバモイルキシ)-3-フェノキシプロピル メタクリレート、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(フェニルアミノ)プロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メタクリレート)、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(フェニルアミノ)プロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(2-(3-(2-((1-(アクリロイロキシ)-3-(フェニルアミノ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)プロパン-2-イル)フェニル)プロパン-2-イルカルバモイロキシ)-3-(フェニルアミノ)プロピルメタクリレート、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(フェニルチオ)プロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(フェニルチオ)プロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(2-(3-(2-((1-(アクリロイロキシ)-3-(フェニルチオ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)プロパン-2-イル)フェニル)プロパン-2-イルカルバモイロキシ)-3-(フェニルチオ)プロピル メタクリレート、2-2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(3-(ベンジロキシ)プロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、2-2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(3-(ベンジロキシ)プロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(2-(3-(2-((1-(アクリロイロキシ)-3-(ベンジルオキシ)プロパン-2-イルオキシ)カルボニルアミノ)プロパン-2-イル)フェニル)プロパン-2-イルカルバモイロキシ)-3-(ベンジルオキシ)プロピル メタクリレート、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(メタクリロイロキシ)プロパン-2,1-ジイル)ジベンゾエート、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(アクリロイロキシ)プロパン-2,1-ジイル)ジベンゾエート、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(2-フェニルアセトキシ)プロパン-2,1-ジイル)ビス(2-メタクリレート)、2,2’-(2,2’-(1,3-フェニレン)ビス(プロパン-2,2-ジイル))ビス(アザンジイル)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(3-(2-フェニルアセトキシ)プロパン-2,1-ジイル)ジアクリレート、2-(2-(3-(2-((1-(アクリロイロキシ)-3-(2-フェニルアセトキシ)プロパン2-イルオキシ)カルボニルアミノ)プロパン-2-イル)フェニル)プロパン-2-イルカルバモイロキシ)-3-(2-フェニルアセトキシ)プロピルメタクリレートなどが挙げられるが、[化5]に記載した((((プロパン-2,2-ジイルビス(4,1-フェニレン))ビス(アザネジイル))ビス(カルボニル))ビス(オキシ))ビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、((((メチレンビス(4,1-フェニレン))ビス(アザネジイル))ビス(カルボニル))ビス(オキシ))ビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、((((2-メチル-1,3-フェニレン)ビス(アザネジイル))ビス(カルボニル))ビス(オキシ))ビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、((((シクロヘキサン-1,3-ジイルビス(メチレン))ビス(アザネジイル))ビス(カルボニル))ビス(オキシ))ビス(エタン-2,1-ジイル)ジアクリレート、((((メチレンビス(4,1-フェニレン))ビス(アザネジイル))ビス(カルボニル))ビス(オキシ))ビス(エタン-2,1-ジイル) ジアクリレート、((((2-メチル-1,3-フェニレン)ビス(アザネジイル))ビス(カルボニル))ビス(オキシ))ビス(エタン-2,1-ジイル)ジアクリレート、((((シクロヘキサン-1,3-ジイルビス(メチレン))ビス(アザネジイル))ビス(カルボニル))ビス(オキシ))ビス(エタン-2,1-ジイル)ビス(2-メチルアクリレート)、等の分子骨格にベンゼン環および/またはシクロヘキサン環およびウレタン結合を有するラジカル重合性モノマーを含む組成が好ましい。
【化1】
【化2】
これらの中でも、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンビス(2-カルバモイルオキシエチル)ジメタクリレート、2,7,7,9,15-ペンタメチル-4,13-ジオキソ-3,14-ジオキサ-5,12-ジアザヘキサデカン-1,16-ジイルジアクリレートが好ましく、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンビス(2-カルバモイルオキシエチル)ジメタクリレートが特に好ましい。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してよい。
【0016】
(a2)ウレタン構造を含まない(メタ)アクリレート系重合性単量体としては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、10-ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、エリスリトールモノ(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n―ブチル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,3-ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、11-(メタ)アクリロイルオキシウンデシルトリメトキシシラン、(メタ)アクリルアミド、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、2,2-ビス[4-(メタクリルオキシエトキシ)フェニル]プロパン、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、1,10-デカンジオールジメタクリレート、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9-ノナンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、2-ヒドロキシ-1,3-ジメタクリルオキシプロパン、等があげられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してよい。これらの中でも、トリエチレングリコールジメタクリレート、2,2-ビス(4-メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパンが好ましく、2,2-ビス(4-メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパンが特に好ましい。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してよい。
【0017】
(a3)分岐状構造を有し、すくなくとも3以上の(メタ)アクリレート部位を有する多官能アクリレート系重合性単量体としては、好ましくは、ウレタン構造を含まない(メタ)アクリレート系重合性単量体である。
具体的には、エトキシトリメチロールプロパントリメタクリレート化トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、プロポキシ化グリセリルトリメタクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールポリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等があげられる。これらの中でも、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート及びペンタエリスリトールトリアクリレートが好ましい。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してよい。
【0018】
(b)凝集性無機フィラーは、ナノサイズの1次粒子が凝集し、2次粒子を形成している。(b)凝集性無機フィラーは、球形であることが好ましい。また、(b)凝集性無機フィラーは、SiO2及びZrO2からなることが好ましい。
(b)凝集性無機フィラーは、2次粒子としてSiO2 60-100重量%、ZrO2 0-40 重量%を含有する凝集性無機フィラーであることが好ましく、SiO2 70-90重量%、ZrO2 10-30 重量%を含有することがより好ましく、SiO2 75-85重量%、ZrO2 15-25 重量%を含有することであればさらに好ましい。また、SiO2 60-100重量%、ZrO2 0-40 重量%からなることが好ましく、SiO2 70-90重量%、ZrO2 10-30 重量%からなることがより好ましく、SiO2 75-85重量%、ZrO2 15-25 重量%からなることがさらに好ましい。
また、2次粒子を形成している元である一次粒子は、その他の成分が微量含有されていても良い。
これら凝集性無機フィラーを用いることで、透明性に優れ、審美的に良い歯科修復物を得ることができる。
【0019】
また、前記(b)凝集性無機フィラーの比表面積は10~300m2/gであることが望ましく、10~250m2/gがより好ましく、15~200m2/gであればさらに好ましい。
比表面積が高すぎると、3Dプリンタ用歯科用光重合性組成物の粘度が高く、良好な造形物を得られない傾向にある。比表面積が低すぎると、組成物中で沈降が起こり易くなる傾向がある。
【0020】
前記(b)凝集性無機フィラー即ち、2次粒子の頻度平均粒子径は1~15μmの範囲であることが望ましく、1~10μmの範囲であることがより好ましく、2~5μmの範囲であることがさらに好ましい。粒子径が1μmより小さい場合、無機粒子による光の散乱は少なくなる傾向があるが、光重合性組成物の粘度が高くなる傾向にあるため、造形性向上効果を得ることができない場合もある。粒子径が15μmより大きい場合、粒子径が大きいため、審美的に優れた歯科修復物を得ることが困難となる場合もある。
本明細書において頻度平均粒子径とは、50%径を意味するものであり、例えば、レーザー回折式粒度測定機により測定することができるものである。
凝集粒子を構成する一次粒子の頻度平均粒子径は5~50nmの範囲であることが望ましく、8~40nmの範囲であることがより好ましい。
【0021】
凝集性無機フィラーは、シランカップリング剤で表面処理されていることが好ましい。
具体的なシランカップリング剤の例はメチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、トリメチルブロモシラン、ジエチルシランなどが挙げられる。
シランカップリング剤は、凝集性無機フィラーに対して2~30重量部を所定の方法で表面処理することが好ましい。
【0022】
本発明においては、凝集性無機フィラー以外のフィラー、例えば、無機フィラーを含んでいてもよく、凝集性無機フィラー以外のフィラーを含む場合には、その含有量は、10重量部以下であることが好ましい。なお、本発明においては、凝集性無機フィラー以外のフィラーを含まないものとすることもできる。
【0023】
本発明においては、(a)(メタ)アクリレート系重合性単量体と(b)凝集性無機フィラーとの割合が重量部で50~91:50~9の範囲であり、65~90:35~10であることが好ましく、70~87:30~13であることが好ましい。(b)凝集性無機フィラーの割合が50を超えると、組成物の粘度が高くなりすぎる場合がある。(b)凝集性無機フィラーの割合が10よりも少ないと、凝集性無機フィラーによる曲げ強さ等、特性の向上が不十分となる場合がある。
【0024】
(c)光重合開始剤としては、ベンゾフェノン類、α-ジケトン類、化合物類、(ビス)アシルホスフィンオキサイド類及び水溶性アシルホスフィンオキサイド類等のアシルホスフィンオキサイド類、チオキサントン類又はチオキサントン類の第4級アンモニウム塩、ケタール類、クマリン類、アントラキノン類、ベンゾインアルキルエーテル等のベンゾイン類、α-アミノケトン系化合物などが挙げられる。
【0025】
光重合開始剤として用いられるベンゾフェノン類を具体的に例示すると、例えば、ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2-カルボメトキシベンゾフェノン、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸エステル等が挙げられる。
【0026】
光重合開始剤として用いられるアシルフォスフィンオキサイド類を具体的に例示すると、例えば、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6-ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6-ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルメトキシフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキサイド、2,3,5,6-テトラメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルジ-(2,6-ジメチルフェニル)ホスホネートなどが挙げられる。ビスアシルフォスフィンオキサイド類としては、ビス-(2,6-ジクロロベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジクロロベンゾイル)-2,5-ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジクロロベンゾイル)-4-プロピルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジクロロベンゾイル)-1-ナフチルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジメトキシベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,5-ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、(2,5,6-トリメチルベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。
【0027】
光重合開始剤として用いられるチオキサントン類又はチオキサントン類の第4級アンモニウム塩を具体的に例示すると、例えば、チオキサントン、2-クロルチオキサンセン-9-オン、2-ヒドロキシ-3-(9-オキシ-9H-チオキサンテン-4-イルオキシ)-N,N,N-トリメチル-プロパンアミニウムクロライド、2-ヒドロキシ-3-(1-メチル-9-オキシ-9H-チオキサンテン-4-イルオキシ)-N,N,N-トリメチル-プロパンアミニウムクロライド、2-ヒドロキシ-3-(9-オキソ-9H-チオキサンテン-2-イルオキシ)-N,N,N-トリメチル-プロパンアミニウムクロライド、2-ヒドロキシ-3-(3,4-ジメチル-9-オキソ-9H-チオキサンテン-2-イルオキシ)-N,N,N-トリメチル-1-プロパンアミニウムクロライド、2-ヒドロキシ-3-(3,4-ジメチル-9H-チオキサンテン-2-イルオキシ)-N,N,N-トリメチル-1-プロパンアミニウムクロライド、2-ヒドロキシ-3-(1,3,4-トリメチル-9-オキソ-9H-チオキサンテン-2-イルオキシ)-N,N,N-トリメチル-1-プロパンアミニウムクロライドなどが挙げられる。
【0028】
光重合開始剤として用いられるα-ジケトン類を具体的に例示すると、例えば、ジアセチル、ジベンジル、カンファーキノン、1-フェニル-プロパン-1,2-ジオン、2,3-ペンタジオン、2,3-オクタジオン、9,10-フェナンスレンキノン(9,10-フェナントレンキノン)、4,4’-オキシベンジル、アセナフテンキノン等が挙げられる。
【0029】
光重合開始剤として用いられるクマリン化合物を具体的に例示すると、例えば、3,3’-カルボニルビス(7-ジエチルアミノ)クマリン、3-(4-メトキシベンゾイル)クマリン、3-チェノイルクマリン、3-ベンゾイル-5,7-ジメトキシクマリン、3-ベンゾイル-7-メトキシクマリン、3-ベンゾイル-6-メトキシクマリン、3-ベンゾイル-8-メトキシクマリン、3-ベンゾイルクマリン、7-メトキシ-3-(p-ニトロベンゾイル)クマリン、3-(p-ニトロベンゾイル)クマリン、3-ベンゾイル-8-メトキシクマリン、3,5-カルボニルビス(7-メトキシクマリン)、3-ベンゾイル-6-ブロモクマリン、3,3’-カルボニルビスクマリン、3-ベンゾイル-7-ジメチルアミノクマリン、3-ベンゾイルベンゾ[f]クマリン、3-カルボキシクマリン、3-カルボキシ-7-メトキシクマリン、3-エトキシカルボニル-6-メトキシクマリン、3-エトキシカルボニル-8-メトキシクマリン、3-アセチルベンゾ[f]クマリン、7-メトキシ-3-(p-ニトロベンゾイル)クマリン、3-(p-ニトロベンゾイル)クマリン、3-ベンゾイル-8-メトキシクマリン、3-ベンゾイル-6-ニトロクマリン-3-ベンゾイル-7-ジエチルアミノクマリン、7-ジメチルアミノ-3-(4-メトキシベンゾイル)クマリン、7-ジエチルアミノ-3-(4-メトキシベンゾイル)クマリン、7-ジエチルアミノ-3-(4-ジエチルアミノ)クマリン、7-メトキシ-3-(4-メトキシベンゾイル)クマリン、3-(4-ニトロベンゾイル)ベンゾ[f]クマリン、3-(4-エトキシシンナモイル)-7-メトキシクマリン、3-(4-ジメチルアミノシンナモイル)クマリン、3-(4-ジフェニルアミノシンナモイル)クマリン、3-[(3-ジメチルベンゾチアゾール-2-イリデン)アセチル]クマリン、3-[(1-メチルナフト[1,2-d]チアゾール-2-イリデン)アセチル]クマリン、3,3’-カルボニルビス(6-メトキシクマリン)、3,3’-カルボニルビス(7-アセトキシクマリン)、3,3’-カルボニルビス(7-ジメチルアミノクマリン)、3-(2-ベンゾチアゾイル)-7-(ジエチルアミノ)クマリン、3-(2-ベンゾチアゾイル)-7-(ジブチルアミノ)クマリン、3-(2-ベンゾイミダゾイル)-7-(ジエチルアミノ)クマリン、3-(2-ベンゾチアゾイル)-7-(ジオクチルアミノ)クマリン、3-アセチル-7-(ジメチルアミノ)クマリン、3,3’-カルボニルビス(7-ジブチルアミノクマリン)、3,3’-カルボニル-7-ジエチルアミノクマリン-7’-ビス(ブトキシエチル)アミノクマリン、10-[3-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1-オキソ-2-プロペニル]-2,3,6,7-1,1,7,7-テトラメチル1H,5H,11H-[1]ベンゾピラノ[6,7,8-ij]キノリジン-11-オン、10-(2-ベンゾチアゾイル)-2,3,6,7-テトラヒドロ-1,1,7,7-テトラメチル1H,5H,11H-[1]ベンゾピラノ[6,7,8-ij]キノリジン-11-オン等の化合物などが挙げられる。
【0030】
クマリン化合物の中でも、特に、3,3’-カルボニルビス(7-ジエチルアミノクマリン)及び3,3’-カルボニルビス(7-ジブチルアミノクマリン)が好適である。
【0031】
光重合開始剤として用いられるアントラキノン類を具体的に例示すると、例えば、アントラキノン、1-クロロアントラキノン、2-クロロアントラキノン、1-ブロモアントラキノン、1,2-ベンズアントラキノン、1-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、1-ヒドロキシアントラキノンなどが挙げられる。
【0032】
光重合開始剤として用いられるベンゾインアルキルエーテル類を具体的に例示すると、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。
【0033】
光重合開始剤として用いられるα-アミノケトン類を具体的に例示すると、例えば、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オンなどが挙げられる。
【0034】
(c)光重合開始剤として、ベンゾフェノン類、ベンゾイン類、アシルフォスフィンオキサイド類、α-ジケトン類及びこれらの誘導体が好ましく、アシルフォスフィンオキサイド類、α-ジケトン類及びこれらの誘導体が特に好ましく、例えばジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、9,10-フェナントレンキノン、1-フェニル-プロパン-1,2-ジオン、ジアセチルが挙げられる。
これらの光重合開始剤を用いることで、十分な光硬化性を示す光学的立体造形用組成物が得られる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してよい。
【0035】
(c)光重合開始剤の添加量は、(a)(メタ)アクリレート系重合性単量体100重量部に対して0.1~5重量部であり、0.5~4重量部であることがより好ましく、0.8~3.5重量部であることがさらに好ましい。(c)光重合開始剤の添加量多すぎると、造形時の余剰硬化が増え、変色が生じるという問題が生じる場合がある。
本発明においては、(c)光重合開始剤以外の重合開始剤を含まないことが好ましい。
【0036】
また、これら配合にて得られる光重合性組成物は、チクソトロピー性を持たず、23℃にて測定された粘度が0.5~20Pa・sであることが望ましい。
チクソトロピー性を発現したり、粘度が高すぎたりすると3Dプリンタによる造形が困難となり、造形物に欠陥が生じやすくなる。一方で粘度が低いと、フィラーや顔料の沈殿が生じやすく、造形物に色むらが生じやすくなる。適切な粘度に調整された光重合性組成物は、(メタ)アクリレートと凝集性無機フィラーが分離することなく、良好に相互作用する。そのため、造形物表面の外観が良好となる。
【0037】
また、本発明の光造形用組成物には、色調あるいはペースト性状の調整を目的として、公知の添加材を配合することができる。
これら添加材には、例えば着色剤としての顔料や染料、有機溶剤、増粘剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、蛍光剤等が挙げられ、0.0001~10重量部添加することができる。
特に、組成物の全重量に対し、0.0001~2重量部の着色剤、紫外線吸収剤、蛍光剤等添加材を含んでいることが好ましい。
本発明においては、顔料や染料、有機溶剤、増粘剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、蛍光剤以外の添加材を含まないことが好ましい。
【実施例
【0038】
次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
【0039】
[(a1)ウレタン構造を含む(メタ)アクリレート系重合性単量体]
(a1-1):2,2,4-トリメチルヘキサメチレンビス(2-カルバモイルオキシエチル)ジメタクリレート
(a1-2):2,7,7,9,15-ペンタメチル-4,13-ジオキソ-3,14-ジオキサ-5,12-ジアザヘキサデカン-1,16-ジイルジアクリレート
[(a2)ウレタン構造を含まない(メタ)アクリレート系重合性単量体]
(a2-1):2,2-ビス(4-メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン
(a2-2):トリエチレングリコールジメタクリレート
[(a3)分岐状構造を有し、少なくとも3以上の(メタ)アクリレート部位を有する多官能(メタ)アクリレート系重合性単量体]
(a3-1):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(ウレタン構造を含まない、(メタ)アクリレート部位数=6)
(a3-2):ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(ウレタン構造を含まない、(メタ)アクリレート部位数=4)
(a3-3):ペンタエリスリトールトリアクリレート(ウレタン構造を含まない、(メタ)アクリレート部位数=3)
[(b)凝集性無機フィラー]
(b1):SiO2:85重量%、ZrO2:15重量%、頻度平均粒子径2μm、比表面積200m2/g
(b2):SiO2:100重量%、頻度平均粒子径1μm、比表面積300m2/g
(b3):SiO2:60重量%、ZrO2:40重量%、頻度平均粒子径15μm、比表面積10m2/g
(b4):SiO2:50重量%、ZrO2:50重量%、頻度平均粒子径20μm、比表面積5m2/g
[(c)光重合開始剤]
(c1):ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド
(c2):2,6-ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド
[非凝集性無機フィラー]
SiO2/ZrO2=100/0、頻度平均粒子径0.5μm、比表面積8m2/g
(a1)、(a2)、及び(a3)を実施例に記載の重量比で混合し、さらに(c)を添加し暗室中40℃にて24時間混合を行ったものを、(a)と(c)の混合物として用いた。
各(b)凝集性無機フィラーは、凝集していない無機フィラー(一次粒子の頻度平均粒子径:30nm)を凝集させ、この凝集したフィラーの表面を表面処理剤(γ-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン)にて、表面処理を行い、乾燥することで表面処理された凝集性無機フィラーである。
【0040】
[表面積・頻度平均粒子径測定方法]
表面積は、比表面積計 QUASRASORB(Quantachrome Instruments社製)により測定した。また、頻度平均粒子径はレーザー回折式粒度測定機(マイクロトラック SPA:日機装社製)により測定し、50%径を頻度平均粒子径とした。
[3Dプリンタ用歯科用光重合性組成物の作製]
実施例表に記載の通り、(a)(メタ)アクリレート系重合性単量体、(b)凝集性無機フィラー、(c)光重合開始剤を容器中に所定量加え、自転・公転ミキサーARV-310(シンキー社製)を用いて混合することで、光重合性組成物を作製した。
[粘度測定方法]
回転式レオメーター(Physica MCR301, Anton Paar社製) を用い、温度:23℃、回転数:20rpmの条件で、光重合性組成物の粘度を測定した。
[試験体造形]
[3Dプリンタ用歯科用光重合性組成物の作製]で得られた光重合性組成物を、歯科用3DプリンターDWP-80S(DG SHAPE社製)にて各種試験体の形状に造形した。造形後、造形物をエタノールにて10分間洗浄し、乾燥した。24時間保管後、光重合器 Solidilite V(松風社製)にて10分間の後重合を行い、各種試験体を作製した。
[余剰硬化評価方法(表面粗さ)]
14×14×t1.0mmの板状試験体を造形した。板状試験体の表面を目視にて観察し、余剰硬化により白濁および表面粗れが生じていないかを確認した。
更に、分光測色機(CM-3500d:コニカミノルタ)により、白バックおよび黒バックでのL*a*b値を測定した。白バック測色のY値(YW)と黒バック測色のY値(YB)よりYB/YWをコントラスト比として算出した。
白濁が生じている場合、コントラスト比は1に近づく。コントラスト比が0.9以上を示す場合、余剰硬化が著しいと判断した。
測色及び目視により、4段階評価にて余剰硬化(白濁)を評価した。
0:余剰硬化や表面粗れが全く見られなかった
1:わずかに余剰硬化や表面粗れが認められた。
2:余剰硬化や表面粗れが一部にみられたものの外観不良には至らなかった。
3:余剰硬化により全面が白く覆われた(余剰硬化が著しい)。
[曲げ強度・弾性率 評価方法]
2×2×25mmの棒状試験体を造形した。37±2℃水中24時間浸漬後、万能材料試験機(型式5967 インストロン社製)を用いてクロスヘッドスピード1.0mm/min、支点間距離20mmで3点曲げ試験を行った。各試料6本の試験体にて評価し、平均値を算出した。
100MPa以上の曲げ強度が測定されたものを、良好と判断した。
また、曲げ強度を測定する際の応力-ひずみ曲線の傾きより曲げ弾性率を求めた。
[外観の判定]
A:余剰硬化や表面粗れが全く見られなかった。
B:わずかに余剰硬化や表面粗れが認められた。
C:余剰硬化や表面粗れが一部に見られたものの外観不良には至らなかった。
D:余剰硬化により全面が白く覆われた(余剰硬化が著しい)。

[機械的特性の判定]
A:120MPa以上の曲げ強度を示した。
B:105~120MPa未満の曲げ強度を示した。
C:90~105MPa未満の曲げ強度を示した。
D:~90MPa未満の曲げ強度を示した。

[造形性の判定]
A:粘度が4.4Pa・s以下 良好に造形される。
B:粘度が4.4より高く10Pa・s以下 少し高めの粘度であるが、造形に問題はない。
C:粘度が10より高く19Pa・s以下 高めの粘度で、たまに造形不良が生じる。
D:粘度が19より高く、造形不良が起こり易い。
【0041】
【表1】


【0042】
【表2】
【0043】
[各種組成の詳細]
表中の実施例1~4、8~9、11~13及び17は、余剰硬化はなく、良好な外観が認められた。また、曲げ強度も100MPa以上の値を示し、強度特性にも優れることが認められた。
表中の実施例5は、実施例1~4、8~9、11~13及び17と比較して、(b)凝集性無機フィラーの量が少ないため、弾性率が低下し、わずかに曲げ強度が低下したが、全体としては良好な物性を示すことが認められた。
表中の実施例6は、実施例1~4、8~9、11~13及び17と比較して、(a)(メタ)アクリレートの中に、(a3)ウレタン構造を含まない分岐状構造を有する(メタ)アクリレートを多く含むため、わずかに曲げ強度が低下したが、全体としては良好な物性を示すことが認められた。
表中の実施例7は、実施例1~4、8~9、11~13及び17と比較して、(b)凝集性無機フィラーを多く含むため、粘度が上昇し、余剰硬化や表面粗れがみられたものの外観不良には至らず、全体としては良好な物性を示すことが認められた。
表中の実施例8は、(a)(メタ)アクリレートの中に、(a3)ウレタン構造を含まない分岐状構造を有する(メタ)アクリレートを含まない場合である。表面粗れがみられたものの外観不良には至らず、全体としては良好な物性を示すことが認められた。
表中の実施例9は、実施例1~4、8~9、11~13及び17と比較して、(a)(メタ)アクリレートの中に、(a3)ウレタン構造を含まない分岐状構造を有する(メタ)アクリレートを多量に含む場合である。粘度が上昇し、曲げ強度が低下したが、全体としては良好な物性を示すことが認められた。
表中の実施例10は、(a)(メタ)アクリレート系重合性単量体及び(b)凝集性無機フィラーの割合が等しい場合である。粘度が上昇し、造形性及び外観に低下が見られるものの、全体としては良好な物性を示すことが認められた。
表中の実施例14は、実施例1~4、8~9、11~13及び17と比較して、(b)凝集性無機フィラーの粒子径が小さく、比表面積が大きいため、粘度が上がり、造形性が低下するものの、全体としては良好な物性を示すことが認められた。
表中の実施例15及び16は、実施例1~4、8~9、11~13及び17と比較して、(b)凝集性無機フィラーの粒子径が大きく、比表面積が小さいため、粘度が下がり、脆くなるため曲げ強度が低下するものの、全体としては良好な物性を示すことが認められた。
【0044】
【表3】
【0045】
比較例1は、(b)凝集性無機フィラーを過剰に含む場合である。粘度が上昇し、余剰硬化により造形物全面が白く覆われた。
比較例2は、非凝集性無機フィラーを含む場合である。余剰硬化により造形物全面が白く覆われた。また、
曲げ強度も低く、全体として、良好な物性を得ることができなかった。
比較例3は、(a)(メタ)アクリレートの中に、(a2)ウレタン構造を含まない(メタ)アクリレートを多量に含む場合である。余剰硬化により造形物全面が白く覆われた。また、曲げ強度も低い値を示し、良好な物性を得ることができなかった。
比較例4は、(b)凝集性無機フィラーを含まない場合である。曲げ強度が低く、良好な物性を得ることができなかった。
比較例5は、(a)(メタ)アクリレートの中に、(a1)ウレタン構造を含む(メタ)アクリレートを多量に含む場合である。粘度が高いため、弾性率が低下し、曲げ強さが低下し、良好な物性を得ることができなかった。
尚、本記載の実施例は、成分中に0.1重量部の着色剤と紫外線吸収剤をさらに含んだ場合においても、同様の結果が得られることを確認した。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、光重合性組成物を用いて、3Dプリンタにて歯科用修復物を製造する産業で利用される。