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特許7546428エレベータ管理装置、エレベータ管理プログラム、および、エレベータ管理システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】エレベータ管理装置、エレベータ管理プログラム、および、エレベータ管理システム
(51)【国際特許分類】
   B66B 3/00 20060101AFI20240830BHJP
【FI】
B66B3/00 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020161086
(22)【出願日】2020-09-25
(65)【公開番号】P2022054092
(43)【公開日】2022-04-06
【審査請求日】2023-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】591036457
【氏名又は名称】三菱電機エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯田 正
【審査官】山田 拓実
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-276960(JP,A)
【文献】特開2009-137732(JP,A)
【文献】特開2007-015800(JP,A)
【文献】特開2016-044002(JP,A)
【文献】国際公開第02/083526(WO,A2)
【文献】中国実用新案第205973367(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/00-5/28
A47G 29/122
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内に設置されているエレベータのかご呼びまたは乗場呼びに関する呼び情報に基づき、宅配ボックスにおける荷物の管理状況を案内する対象となる案内対象階を判定する階床判定部と、
前記階床判定部が判定した前記案内対象階に関する案内対象階情報と、前記宅配ボックスにおける荷物の管理状況を示す宅配管理情報とに基づき、前記宅配ボックスにて前記案内対象階への荷物が保管されているか否かを判定する宅配有無判定部と、
前記宅配有無判定部が、前記宅配ボックスにて前記案内対象階への荷物が保管されていると判定した場合、前記エレベータのかご内、または、前記エレベータの乗場において、前記宅配ボックスにて前記案内対象階への荷物が保管されている旨を案内するための第1宅配案内情報を出力する宅配案内出力制御部
とを備えたエレベータ管理装置。
【請求項2】
前記建物内の居室に関する部屋関連情報を取得する部屋関連情報取得部と、
前記部屋関連情報取得部が取得した前記部屋関連情報に基づき、前記宅配ボックスにおける荷物の管理状況を案内する対象となる案内対象部屋を判定する部屋判定部を備え、
前記宅配有無判定部は、前記部屋判定部が判定した前記案内対象部屋に関する案内対象部屋情報と、前記宅配管理情報とに基づき、前記宅配ボックスにて前記案内対象部屋への荷物が保管されているか否かを判定し、
前記宅配案内出力制御部は、
前記宅配有無判定部が、前記宅配ボックスにて前記案内対象部屋への荷物が保管されていると判定した場合、前記宅配ボックスにて前記案内対象部屋への荷物が保管されている旨を案内するための第2宅配案内情報を出力する
ことを特徴とする請求項1記載のエレベータ管理装置。
【請求項3】
前記宅配案内出力制御部は、
前記エレベータの乗場、または、前記エレベータのかご内において、前記第2宅配案内情報を出力する
ことを特徴とする請求項2記載のエレベータ管理装置。
【請求項4】
前記呼び情報は、携帯端末から出力され、当該携帯端末から出力された前記呼び情報には居住階に関する情報を含む個人属性情報が含まれており、
前記階床判定部は、前記個人属性情報に基づいて前記案内対象階を判定する
ことを特徴とする請求項1記載のエレベータ管理装置。
【請求項5】
前記呼び情報は、携帯端末から出力され、当該携帯端末から出力された前記呼び情報には居室に関する情報を含む個人属性情報が含まれており、
前記部屋判定部は、前記個人属性情報に基づいて前記案内対象部屋を判定し、
前記宅配案内出力制御部は、前記第2宅配案内情報を前記携帯端末に出力する
ことを特徴とする請求項2記載のエレベータ管理装置。
【請求項6】
前記部屋関連情報取得部は、携帯端末から前記部屋関連情報を取得し、
前記宅配案内出力制御部は、前記第2宅配案内情報を前記携帯端末に出力する
ことを特徴とする請求項2記載のエレベータ管理装置。
【請求項7】
前記部屋関連情報取得部は、前記エレベータの乗場またはかご室内にて受け付けられた個人属性情報を前記部屋関連情報として取得し、
前記部屋判定部は、前記部屋関連情報取得部が前記部屋関連情報として取得した前記個人属性情報に基づき、前記案内対象部屋を判定する
ことを特徴とする請求項2記載のエレベータ管理装置。
【請求項8】
コンピュータを、
建物内に設置されているエレベータのかご呼びまたは乗場呼びに関する呼び情報に基づき、宅配ボックスにおける荷物の管理状況を案内する対象となる案内対象階を判定する階床判定部と、
前記階床判定部が判定した前記案内対象階に関する案内対象階情報と、前記宅配ボックスにおける荷物の管理状況を示す宅配管理情報とに基づき、前記宅配ボックスにて前記案内対象階への荷物が保管されているか否かを判定する宅配有無判定部と、
前記宅配有無判定部が、前記宅配ボックスにて前記案内対象階への荷物が保管されていると判定した場合、前記エレベータのかご内、または、前記エレベータの乗場において、前記宅配ボックスにて前記案内対象階への荷物が保管されている旨を案内するための第1宅配案内情報を出力する宅配案内出力制御部
として機能させるためのエレベータ管理プログラム。
【請求項9】
建物内に設置されている宅配ボックスにおける荷物の管理状況を示す宅配管理情報を受け付ける宅配受付部と、
前記宅配受付部が受け付けた前記宅配管理情報を出力する宅配管理情報出力部とを有する宅配ボックス管理装置と、
前記建物内に設置されているエレベータのかご呼びまたは乗場呼びに関する呼び情報に基づき、前記宅配ボックスにおける荷物の管理状況を案内する対象となる案内対象階を判定する階床判定部と、
前記階床判定部が判定した前記案内対象階に関する案内対象階情報と、前記宅配ボックス管理装置から出力された前記宅配管理情報とに基づき、前記宅配ボックスにて前記案内対象階への荷物が保管されているか否かを判定する宅配有無判定部と、
前記宅配有無判定部が、前記宅配ボックスにて前記案内対象階への荷物が保管されていると判定した場合、前記エレベータのかご内、または、前記エレベータの乗場において、前記宅配ボックスにて前記案内対象階への荷物が保管されている旨を案内するための第1宅配案内情報を出力する宅配案内出力制御部とを有するエレベータ管理装置
とを備えたエレベータ管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エレベータ管理装置、エレベータ管理プログラム、および、エレベータ管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、集合住宅において、居住者が留守中であっても宅配物を受け取ることができる宅配ボックスが普及してきている。宅配ボックスは、共同玄関等に設置される。
従来、このような集住宅の居住者に対して、当該居住者が宅配ボックスまで出向かなくても宅配ボックスに荷物が届いていることを知らせるようにする技術が知られている。
例えば、特許文献1には、集合住宅の各住戸に設置された住宅情報盤と、共同玄関に設置された宅配便ボックスとを専用の信号線で接続して、宅配便ボックスに対する荷物の受付管理情報を直接に住戸側に知らせるようにした管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平4-108296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている管理システムのような従来技術は、居住者が自分の居室にいる場合でないと、当該居住者に対して宅配ボックスに荷物が届いていることを知らせることができないという課題があった。
例えば、居住者は、外出先から帰宅した場合、自分の居室に戻るまで荷物が届いていることを確認できない。居住者は、自分の居室に戻ってはじめて荷物が届いていることを知ると、再び宅配ボックスが設置されている場所まで出向く必要がある。かといって、居住者にとって、わざわざ、自分の居室まで帰宅する動線から外れて、届いているかどうかわからない荷物を確認するために宅配ボックスが設置されている場所まで出向くことは、煩わしい。
【0005】
本開示は上記のような課題を解決するためになされたもので、集合住宅等において、居住者に対して、当該居住者の動線を考慮して、宅配ボックスに荷物が届いていることを知らせることができるエレベータ管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るエレベータ管理装置は、建物内に設置されているエレベータのかご呼びまたは乗場呼びに関する呼び情報に基づき、宅配ボックスにおける荷物の管理状況を案内する対象となる案内対象階を判定する階床判定部と、階床判定部が判定した案内対象階に関する案内対象階情報と、宅配ボックスにおける荷物の管理状況を示す宅配管理情報とに基づき、宅配ボックスにて案内対象階への荷物が保管されているか否かを判定する宅配有無判定部と、宅配有無判定部が、宅配ボックスにて案内対象階への荷物が保管されていると判定した場合、エレベータのかご内、または、エレベータの乗場において、宅配ボックスにて案内対象階への荷物が保管されている旨を案内するための第1宅配案内情報を出力する宅配案内出力制御部とを備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、集合住宅等において、居住者に対して、当該居住者の動線を考慮して、宅配ボックスに荷物が届いていることを知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係るエレベータ管理装置を備えたエレベータ管理システムの概要のイメージを示す図である。
図2】実施の形態1に係るエレベータ管理装置を搭載したエレベータ制御装置の構成例を示す図である。
図3】実施の形態1における乗場機器の構成例を示す図である。
図4】実施の形態1におけるかご室内機器の構成例を示す図である。
図5】実施の形態1に係る宅配ボックス管理装置の構成例を示す図である。
図6】実施の形態1において、宅配ボックス管理装置からエレベータ管理装置に出力される宅配管理情報の内容の一例のイメージを説明するための図である。
図7】実施の形態1において、記憶部に記憶されている宅配管理情報の一例のイメージを説明するための図である。
図8】実施の形態1において、宅配案内出力制御部が乗場に設置されている宅配案内装置に対して第1宅配案内情報を出力したイメージの一例を示す図である。
図9】実施の形態1において、宅配案内出力制御部が乗場に設置されている宅配案内装置に対して第1宅配案内情報を出力したイメージのその他の一例を示す図であって、図9Aは、行先階が登録されていない状態の宅配案内装置のイメージの一例を示し、図9Bは、行先階が登録された状態の宅配案内装置のイメージの一例を示し、図9Cは、行先階が登録された後、登録された行先階に対して荷物が届いており、第1宅配案内情報が出力された場合の宅配案内装置のイメージの一例を示している。
図10】実施の形態1において、宅配案内出力制御部が乗場に設置されている宅配案内装置に対して第1宅配案内情報を出力したイメージのその他の一例を示す図であって、図10Aは、行先階が登録されていない状態の宅配案内装置のイメージの一例を示し、図10Bは、行先階が登録された状態の宅配案内装置のイメージの一例を示し、図10Cは、行先階が登録された後、登録された行先階に対して荷物が届いており、第1宅配案内情報が出力された場合の宅配案内装置のイメージの一例を示している。
図11】実施の形態1において、宅配案内出力制御部が、かご室内に設置されている宅配案内装置に対して第1宅配案内情報を出力したイメージの一例を示す図である。
図12】実施の形態1に係る宅配ボックス管理装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図13】実施の形態1に係るエレベータ管理装置による「宅配管理情報蓄積処理」の動作を説明するためのフローチャートである。
図14】実施の形態1に係るエレベータ管理装置による「宅配案内処理」の動作を説明するためのフローチャートである。
図15】実施の形態1において、ユーザによってエレベータの乗場呼びが行われた場合に、言い換えれば、エレベータ制御装置の呼び情報取得部から乗場呼び情報を取得した場合にエレベータ管理装置が行う「宅配案内処理」の詳細について説明するためのフローチャートである。
図16】実施の形態1において、ユーザによってエレベータのかご呼びが行われた場合に、言い換えれば、エレベータ制御装置の呼び情報取得部からかご呼び情報を取得した場合にエレベータ管理装置が行う「宅配案内処理」の詳細について説明するためのフローチャートである。
図17図17A図17Bは、実施の形態1に係るエレベータ管理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図18図18A図18Bは、実施の形態1に係る宅配ボックス管理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図19】実施の形態2に係るエレベータ管理装置を備えたエレベータ管理システムの概要のイメージを示す図である。
図20】実施の形態2において、ユーザによる居室に関する情報の入力に対応可能とした乗場機器の構成例を示す図である。
図21】実施の形態2において、ユーザによる居室に関する情報の入力に対応可能としたかご室内機器の構成例を示す図である。
図22】実施の形態2に係るエレベータ管理装置の構成例を示す図である。
図23】実施の形態2において、宅配案内出力制御部が乗場に設置されている宅配案内装置に対して第2宅配案内情報を出力したイメージの一例を示す図である。
図24】実施の形態2において、宅配案内出力制御部が、かご室内に設置されている宅配案内装置に対して第2宅配案内情報を出力したイメージの一例を示す図である。
図25】実施の形態2に係るエレベータ管理装置が行う「宅配案内処理」の動作を説明するためのフローチャートである。
図26】実施の形態2において、ユーザによってエレベータの乗場呼びが行われた場合に、言い換えれば、エレベータ制御装置の呼び情報取得部から乗場呼び情報を取得した場合にエレベータ管理装置が行う「宅配案内処理」の詳細について説明するためのフローチャートである。
図27】実施の形態2において、ユーザによってエレベータのかご呼びが行われた場合に、言い換えれば、エレベータ制御装置の呼び情報取得部からかご呼び情報を取得した場合にエレベータ管理装置が行う「宅配案内処理」の詳細について説明するためのフローチャートである。
図28】実施の形態1に係るエレベータ管理装置に実施の形態3を適用し、ユーザが携帯端末から乗場呼びまたはかご呼びを行うことができるようにした、実施の形態3に係るエレベータ管理装置を備えたエレベータ管理システムの概要のイメージを示す図である。
図29】実施の形態1に係るエレベータ管理装置に適用した実施の形態3に係るエレベータ管理装置を搭載するエレベータ制御装置の構成例を示す図である。
図30】実施の形態1に適用した実施の形態3において、ユーザによってエレベータの乗場呼びが行われた場合に、言い換えれば、エレベータ制御装置の呼び情報取得部から乗場呼び情報を取得した場合にエレベータ管理装置が行う「宅配案内処理」の詳細について説明するためのフローチャートである。
図31】実施の形態1に適用した実施の形態3において、ユーザによってエレベータのかご呼びが行われた場合に、言い換えれば、エレベータ制御装置の呼び情報取得部からかご呼び情報を取得した場合にエレベータ管理装置が行う「宅配案内処理」の詳細について説明するためのフローチャートである。
図32】実施の形態2に係るエレベータ管理装置に実施の形態3を適用し、ユーザが携帯端末から乗場呼びまたはかご呼びを行うことができるようにした、実施の形態3に係るエレベータ管理装置を備えたエレベータ管理システムの概要のイメージを示す図である。
図33】実施の形態2に係るエレベータ管理装置に適用した実施の形態3に係るエレベータ管理装置を搭載するエレベータ制御装置の構成例を示す図である。
図34A】実施の形態2に適用した実施の形態3において、エレベータ制御装置の呼び情報取得部から乗場呼び情報を取得した場合にエレベータ管理装置が行う「宅配案内処理」の詳細について説明するためのフローチャートである。
図34B】実施の形態2に適用した実施の形態3において、エレベータ制御装置の呼び情報取得部から乗場呼び情報を取得した場合にエレベータ管理装置が行う「宅配案内処理」の詳細について説明するためのフローチャートである。
図35A】実施の形態2に適用した実施の形態3において、エレベータ制御装置の呼び情報取得部からかご呼び情報を取得した場合にエレベータ管理装置が行う「宅配案内処理」の詳細について説明するためのフローチャートである。
図35B】実施の形態2に適用した実施の形態3において、エレベータ制御装置の呼び情報取得部からかご呼び情報を取得した場合にエレベータ管理装置が行う「宅配案内処理」の詳細について説明するためのフローチャートである。
図36】実施の形態4に係るエレベータ管理装置を備えたエレベータ管理システムの概要のイメージを示す図である。
図37】実施の形態4において、ユーザの属性を読み取る機能を有するようにした乗場機器の構成例を示す図である。
図38】実施の形態4において、ユーザの属性を読み取る機能を有するようにしたかご室内機器の構成例を示す図である。
図39】実施の形態4に係るエレベータ管理装置の構成例を示す図である。
図40】実施の形態1において、宅配案内装置が乗場機器の外部に設置される場合に、宅配案内出力制御部が宅配案内装置に対して第1宅配案内情報を出力したイメージの一例を示す図である。
図41】実施の形態1において、宅配案内装置がかご室内機器の外部に設置される場合に、宅配案内出力制御部が宅配案内装置に対して第1宅配案内情報を出力したイメージの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るエレベータ管理装置1を備えたエレベータ管理システム1000の概要のイメージを示す図である。
実施の形態1に係るエレベータ管理装置1は、エレベータ制御装置100に搭載される。エレベータ管理装置1は、宅配ボックス管理装置2、乗場機器3が備える宅配案内装置51、および、かご室内機器4が備える宅配案内装置52と、ネットワークを介して接続される。エレベータ管理装置1と、宅配ボックス管理装置2と、宅配案内装置51,52とで、エレベータ管理システム1000を構成する。
【0010】
宅配ボックス管理装置2は、例えば、建物内の宅配ボックス室に設置されている。実施の形態1において、建物とは、例えば、2階建て以上であって、かつ、エレベータが設置されている集合住宅を想定している。なお、宅配ボックス室は、一般に、共同玄関等に設置される。宅配ボックス室には、1つ以上の宅配ボックス200が設置されている。宅配ボックス200は、宅配業者等の業者(以下「特定業者」という。)からユーザへの荷物を受け渡すためのものである。実施の形態1において、ユーザは、建物の居住者等を想定している。宅配ボックス200が設置されていることで、宅配時にユーザが不在であることに起因して発生する、特定業者による荷物の再配達を解消できる。
【0011】
宅配ボックス管理装置2は、宅配ボックス200との通信により情報のやり取りを行って、宅配ボックス200を管理する。具体的には、例えば、特定業者は、ユーザの不在時に宅配ボックス200を利用する場合、当該宅配ボックス200にユーザ宛ての荷物を収納する。そして、特定業者は、例えば宅配ボックス200が備えるタッチパネル等の入力装置(図示省略)から、収納した荷物に関する情報(以下「宅配管理情報」という。)を入力する。宅配管理情報は、少なくとも、宅配ボックス200のID等、宅配ボックス200を特定可能な情報、収納された荷物の届け先のユーザの入居階、および、ユーザの居室の部屋番号を示す情報を含む。宅配管理情報には、さらに、ユーザの名前、住所、連絡先、特定業者の担当者名、または、担当者の連絡先の情報等が含まれていてもよい。
宅配ボックス管理装置2は、宅配管理情報が入力されると、当該宅配管理情報を、エレベータ管理装置1に出力する。
また、宅配ボックス管理装置2は、特定業者による宅配ボックス200への荷物の収納、または、ユーザによる宅配ボックス200からの荷物の受取にあわせて、宅配ボックス200の施錠または開錠を行う。
【0012】
なお、実施の形態1では、図1に示すように、宅配ボックス200と宅配ボックス管理装置2とは独立した装置とするが、これは一例に過ぎない。宅配ボックス管理装置2は、宅配ボックス200に備えられるようになっていてもよい。
【0013】
乗場機器3は、建物内の各階のエレベータの乗場に設置される。乗場機器3は乗場呼びボタン31(後述の図3参照)を備えており、ユーザは、乗場呼びボタン31を操作してエレベータのかご400を呼ぶ。実施の形態1では、乗場機器3はさらに行先階登録ボタン32(後述の図3参照)を備えているものとする。ユーザは、乗場呼びボタン31を操作してかご400を呼ぶとともに、行先階登録ボタン32を操作することで、乗場にて行先階の登録を行うことができる。
なお、実施の形態1において、各階の乗場におけるユーザによる呼び、言い換えれば、ユーザが乗場にて乗場呼びボタン31を操作してかご400を呼ぶことを、「乗場呼び」という。ユーザによって乗場呼びが行われると、乗場機器3は、行われた乗場呼びに関する情報(以下「乗場呼び情報」という。)を、エレベータ制御装置100に出力する。乗場呼び情報は、少なくとも、乗場呼びが行われた階床を特定可能な情報と、行先方向を特定可能な情報を含む。実施の形態1では、乗場呼び情報は、さらに、行先階を特定可能な情報を含む。
【0014】
また、乗場機器3は、宅配案内装置51を備えている。宅配案内装置51は、エレベータ管理装置1から出力された宅配案内情報に基づく出力を行う。宅配案内情報は、宅配ボックス200にて荷物が保管されている旨を案内するための情報である。宅配案内情報の詳細については、後述する。
宅配案内装置51は、例えば、液晶ディスプレイまたはLEDランプ等の表示装置である。また、宅配案内装置51は、スピーカ等の音声出力装置であってもよい。
【0015】
かご室内機器4は、エレベータのかご400室内に設置される。かご室内機器4は、行先階登録ボタン41(後述の図4参照)を備えている。ユーザは、例えば、かご400に乗り込むと、行先階登録ボタン41を操作して、かご400室内にて行先階の登録を行う。なお、実施の形態1において、かご400室内におけるユーザによる呼び、言い換えれば、ユーザがかご400室内にて行先階登録ボタン41を操作して行先階を登録することを、「かご呼び」という。ユーザによってかご呼びが行われると、かご室内機器4は、行われたかご呼びに関する情報(以下「かご呼び情報」という。)を、エレベータ制御装置100に出力する。かご呼び情報は、少なくとも、かご呼びによって登録された行先階を特定可能な情報を含む。また、例えば、建物内にかご400が複数設置されている場合、かご呼び情報は、かご呼びが行われたかご400を特定可能な情報を含むようにする。
実施の形態1において、乗場呼び情報、または、かご呼び情報を、まとめて単に「呼び情報」ともいう。
【0016】
また、かご室内機器4は、宅配案内装置52を備えている。宅配案内装置52は、上述した、乗場機器3が備える宅配案内装置51と同様の機能を有するものであるため、重複した説明を省略する。
【0017】
エレベータ管理装置1を搭載するエレベータ制御装置100は、エレベータのかご400の走行、乗場への着床、または、かご400の扉の開閉動作等、エレベータの動作を制御する。例えば、エレベータ制御装置100は、乗場機器3から乗場呼び情報が出力されると、乗場呼びが行われた階床までかご400を走行させ、当該かご400が、乗場呼びが行われた階床に着床すると、かご400の扉を開ける。また、例えば、エレベータ制御装置100は、かご室内機器4からかご呼び情報が出力されると、かご呼びが行われたかご400を、かご呼びが行われた階床から、かご400の行先階まで走行させる。
なお、ユーザは、乗場呼びの際に行先階を登録した場合、かご呼びを行う必要はない。エレベータ管理装置1は、乗場呼びが行われた階床までかご400を走行させ、かご400を着床させると扉を開ける制御と、ユーザがかご400に乗り込んだ後、行先階までかご400を走行させる制御を、乗場呼び情報に基づいて行うことができる。
エレベータ制御装置100が行うエレベータの制御は、一般的なエレベータの制御であるため、詳細な説明を省略する。
【0018】
エレベータ管理装置1は、宅配ボックス管理装置2から宅配管理情報が出力されると、当該宅配管理情報を記憶させる。
また、エレベータ管理装置1は、ユーザによってエレベータのかご呼びまたは乗場呼びが行われると、かご呼びまたは乗場呼びを行ったユーザに対して、宅配ボックス200における荷物の管理状況を案内する対象となる階床(以下「案内対象階」という。)を判定する。案内対象階は、具体的には、かご呼びによって登録された行先階、または、乗場呼びが行われた乗場階等である。実施の形態1において、案内対象階は、ユーザの居住階を想定している。エレベータ管理装置1による案内対象階の判定の詳細については、後述する。なお、エレベータ管理装置1は、ユーザによってエレベータのかご呼びまたは乗場呼びが行われたことを、乗場機器3またはかご室内機器4から呼び情報を取得したことによって検知する。エレベータ管理装置1は、エレベータ制御装置100を介して、呼び情報を取得する。
【0019】
エレベータ管理装置1は、案内対象階を判定すると、記憶されている宅配管理情報に基づいて、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されているか否かを確認し、案内対象階への荷物が保管されている場合は、乗場機器3に備えられている宅配案内装置51、または、かご室内機器4に備えられている宅配案内装置52に、宅配案内情報を出力する。実施の形態1において、案内対象階への荷物が保管されている旨を案内するための宅配案内情報を「第1宅配案内情報」という。
宅配案内装置51,52は、第1宅配案内情報に基づく出力を行う。具体的は、例えば、宅配案内装置51,52が表示装置である場合、宅配案内装置51,52は、第1宅配案内情報に基づいて、宅配ボックス200に案内対象階への荷物が保管されている旨のメッセージを表示する。また、例えば、宅配案内装置51,52が音声出力装置である場合、宅配案内装置51,52は、第1宅配案内情報に基づいて、宅配ボックス200に案内対象階への荷物が保管されている旨の音声メッセージを出力する。
【0020】
なお、図1では、建物の階床は2つ図示しているが、これは一例に過ぎない。建物は2つ以上の階床を持つ。また、図1では、建物内にエレベータは1機備えられるものとしているが、これは一例に過ぎない。建物内にはエレベータが複数機備えられていてもよい。
以下の実施の形態1では、一例として、建物は10階建てであり、建物内にはエレベータが1機備えられているものとする。
また、図1では、乗場機器3には宅配案内装置51が備えられ、かご室内機器4には宅配案内装置52が備えられるものとしているが、これは一例に過ぎない。例えば、乗場機器3には宅配案内装置51が備えられず、かご室内機器4にのみ宅配案内装置52が備えられるようになっていてもよいし、かご室内機器4には宅配案内装置52が備えられず、乗場機器3にのみ宅配案内装置51が備えられるようになっていてもよい。
【0021】
図2は、実施の形態1に係るエレベータ管理装置1を搭載したエレベータ制御装置100の構成例を示す図である。
エレベータ制御装置100は、エレベータ管理装置1を搭載し、呼び情報取得部101およびエレベータ制御部102を備える。
呼び情報取得部101は、乗場機器3またはかご室内機器4から出力された呼び情報を取得する。
【0022】
ここで、乗場機器3およびかご室内機器4の構成例について説明する。
図3は、実施の形態1における乗場機器3の構成例を示す図である。
乗場機器3は、乗場呼びボタン31、行先階登録ボタン32、乗場呼び受付部33、乗場呼び情報出力部34、および、乗場出力装置35を備える。乗場出力装置35は、宅配案内装置51を備える。
なお、実施の形態1では、宅配案内装置51は乗場出力装置35と一体化されているものとするが、これは一例に過ぎない。乗場機器3は、乗場出力装置35と宅配案内装置51とをそれぞれ別体として備えていてもよい。
【0023】
乗場呼びボタン31は、かご400を自階床に呼ぶための入力装置である。乗場呼びボタン31は、例えば、「△」および「▽」の表示から成る押しボタンである。例えば、ユーザは、乗場階から当該乗場階よりも上の階床に行きたい場合、上方向を示す「△」の乗場呼びボタン31を操作する。逆に、ユーザは、例えば、乗場階から当該乗場階よりも下の階床に行きたい場合、下方向を示す「▽」の乗場呼びボタン31を操作する。
【0024】
行先階登録ボタン32は、ユーザが行先階を登録するための入力装置である。行先階登録ボタン32は、例えば、数字の表示から成る押しボタンである。実施の形態1では、建物は10階建てとしているので、例えば、行先階登録ボタン32は、「1」~「10」の数字を示す押しボタンである。例えば、ユーザは、行先の階床を示す行先階登録ボタン32を操作して、行先階を登録する。
宅配案内装置51は、例えば、行先階登録ボタン32と一体化されていてもよい。
なお、実施の形態1では、乗場機器3は、行先階登録ボタン32を備え、ユーザは、乗場にて行先階を登録できるものとするが、これは一例に過ぎない。乗場機器3は、行先階登録ボタン32を備えることを必須としない。乗場機器3が行先階登録ボタン32を備えない場合、ユーザは、乗場にて行先階を登録できない。ユーザは、かご400に乗り込んでから、かご400室内において行先階を登録することになる。
また、乗場機器3に行先階登録ボタン32が備えられていたとしても、ユーザは、必ずしも乗場にて行先階を登録する必要はない。ユーザは、かご400に乗り込んでから、かご400室内において行先階を登録してもよい。
【0025】
乗場呼び受付部33は、ユーザが乗場呼びボタン31を操作することで行った乗場呼びを受け付ける。また、乗場呼び受付部33は、ユーザが行先階登録ボタン32を操作して行先階を登録すると、登録された行先階を受け付ける。乗場呼び受付部33は、乗場呼びを受け付けた旨の情報、および、登録された行先階の情報を、乗場呼び情報出力部34に出力する。
【0026】
例えば、建物の7階の居住者であるユーザが外出先から帰宅し、エントランスホールがある1階から7階までエレベータのかご400に乗って移動するとする。この場合、ユーザは、1階のエレベータの乗場まで来ると、当該エレベータの乗場に設置されている乗場機器3の「△」の乗場呼びボタン31を操作する。また、ユーザは、乗場機器3の行先階登録ボタン32を操作して「7階」を登録することができる。ここでは、ユーザが「7階」を登録したとする。この場合、乗場呼び受付部33は、乗場呼びと、行先階として登録された「7階」の情報を受け付ける。乗場呼び受付部33は、乗場呼びを受け付けた旨の情報、および、行先階「7階」の情報を、乗場呼び情報出力部34に出力する。
実施の形態1において、エントランスホールがある等、主階となる階床を、「主階床」という。実施の形態1では、一例として、建物の「主階床」は1階であるものとする。なお、これは一例に過ぎない。例えば、ペデストリアンデッキで駅と建物が連結されている場合、「主階床」は2階となることもあり得る。
また、実施の形態1では、建物において、「主階床」以外の階床を「一般階床」という。例えば、上述の例でいうと、「7階」は「一般階床」である。
【0027】
また、例えば、建物の7階の居住者であるユーザが外出するため居室を出て、7階から1階までエレベータのかご400に乗って移動するとする。この場合、ユーザは、7階のエレベータの乗場まで来ると、当該エレベータの乗場に設置されている乗場機器3の「▽」の乗場呼びボタン31を操作する。また、ユーザは、乗場機器3の行先階登録ボタン32を操作して「1階」を登録することができる。ここでは、ユーザが「1階」を登録したとする。この場合、乗場呼び受付部33は、乗場呼びと、行先階として登録された「1階」の情報を受け付ける。乗場呼び受付部33は、乗場呼びを受け付けた旨の情報、および、行先階「1階」の情報を、乗場呼び情報出力部34に出力する。
【0028】
乗場呼び情報出力部34は、乗場呼び受付部33から出力された、乗場呼びを受け付けた旨の情報、および、登録された行先階の情報に基づき、乗場呼び情報を生成する。そして、乗場呼び情報出力部34は、生成した乗場呼び情報を、エレベータ制御装置100に出力する。上述の、ユーザが外出先から帰宅した場合の例でいうと、乗場呼び情報出力部34は、「1階」にて乗場呼びが行われたことを示す情報と、行先階が上方向であることを示す情報と、行先階が「7階」である旨の情報とを含む乗場呼び情報を生成し、エレベータ制御装置100に出力する。例えば、乗場機器3は、予め、自機がどの階床に設置された乗場機器3であるかの情報を記憶している。当該情報に基づけば、乗場呼び情報出力部34は、どの階床にて乗場呼びが行われたかがわかる。
【0029】
また、上述の、ユーザが自宅から外出する場合の例でいうと、乗場呼び情報出力部34は、「7階」にて乗場呼びが行われたことを示す情報と、行先階が下方向であることを示す情報と、行先階が「1階」である旨の情報とを含む乗場呼び情報を生成し、エレベータ制御装置100に出力する。
なお、乗場呼び情報出力部34は、生成した乗場呼び情報に、当該情報が乗場呼び情報であることが分かる情報を付与するようにする。
【0030】
乗場出力装置35は、各種情報を出力する。乗場出力装置35は、例えば、表示灯またはインジケータである。乗場出力装置35は、例えば、かご400の現在位置またはかご400の移動方向を表示する。なお、かご400の現在位置に関する情報、または、かご400の移動方向に関する情報は、エレベータ制御装置100から出力される。
宅配案内装置51は、上述のとおり、宅配案内情報に基づく出力を行う。宅配案内装置51が宅配案内情報に基づいて行う出力の詳細については、後述する。
【0031】
図4は、実施の形態1におけるかご室内機器4の構成例を示す図である。
かご室内機器4は、行先階登録ボタン41、かご呼び受付部42、かご呼び情報出力部43、および、かご室内出力装置44を備える。かご室内出力装置44は、宅配案内装置52を備える。
なお、実施の形態1では、宅配案内装置52はかご室内出力装置44と一体化されているものとするが、これは一例に過ぎない。かご室内機器4は、かご室内出力装置44と宅配案内装置52とをそれぞれ別体として備えていてもよい。
【0032】
行先階登録ボタン41は、ユーザが行先階を登録するための入力装置である。行先階登録ボタン41は、例えば、数字の表示から成る押しボタンである。実施の形態1では、建物は10階建てとしているので、例えば、行先階登録ボタン41は、「1」~「10」の数字を示す押しボタンである。例えば、ユーザは、行先の階床を示す行先階登録ボタン41を操作して、行先階を登録する。
宅配案内装置52は、例えば、行先階登録ボタン41と一体化されていてもよい。
【0033】
かご呼び受付部42は、ユーザが行先階登録ボタン41を操作することで行ったかご呼びを受け付ける。言い換えれば、かご呼び受付部42は、ユーザが行先階登録ボタン41を操作して登録した行先階を受け付ける。かご呼び受付部42は、かご呼びを受け付けた旨の情報を、かご呼び情報出力部43に出力する。
【0034】
例えば、建物の7階の居住者であるユーザが外出先から帰宅し、1階から7階までエレベータのかご400に乗って移動するとする。この場合、ユーザは、1階にてかご400に乗り込むと、かご400室内に設置されているかご室内機器4の行先階登録ボタン41を操作して「7階」を登録する。この場合、かご呼び受付部42は、かご呼びを受け付けた旨の情報、および、行先階として登録された「7階」の情報を受け付ける。かご呼び受付部42は、かご呼びを受け付けた旨の情報、および、行先階「7階」の情報を、かご呼び情報出力部43に出力する。
【0035】
また、例えば、建物の7階の居住者であるユーザが外出するため居室を出て、7階から1階までエレベータのかご400に乗って移動するとする。この場合、ユーザは、7階にてかご400に乗り込むと、かご400室内に設置されているかご室内機器4の行先階登録ボタン41を操作して「1階」を登録する。この場合、かご呼び受付部42は、かご呼びを受け付けた旨の情報、および、行先階として登録された「1階」の情報を受け付ける。かご呼び受付部42は、かご呼びを受け付けた旨の情報、および、行先階「1階」の情報を、かご呼び情報出力部43に出力する。
【0036】
ユーザは、かご400に乗って移動するべくかご400に乗り込んでも、かご呼びを行わない場合もあり得る。例えば、ユーザは、乗場呼びの際に行先階を登録していれば、かご400室内において、再度行先階を登録する必要はない。この場合、ユーザは、かご呼びを行わない。
ユーザがかご呼びを行わない場合、行先階登録ボタン41は操作されず、かご呼び受付部42はかご呼びを受け付けない。そのため、かご呼び受付部42は、かご呼びを受け付けた旨の情報をかご呼び情報出力部43に出力しない。
なお、ユーザは、乗場呼びの際に行先階を登録していれば、かご400室内において、再度行先階を登録する必要はないが、乗場呼びの際に行先階を登録し、かつ、かご400室内において、再度行先階を登録してもよい。この場合は、かご呼び受付部42は、かご呼びを受け付け、かご呼びを受け付けた旨の情報、および、行先階に関する情報を、かご呼び情報出力部43に出力することになる。
【0037】
かご呼び情報出力部43は、かご呼び受付部42から出力された、かご呼びを受け付けた旨の情報、および、登録された行先階の情報に基づき、かご呼び情報を生成し、エレベータ制御装置100に出力する。上述の、ユーザが外出先から帰宅した場合の例でいうと、かご呼び情報出力部43は、行先階が「7階」である旨の情報を含むかご呼び情報を生成し、エレベータ制御装置100に出力する。また、上述の、ユーザが自宅から外出する場合の例でいうと、かご呼び情報出力部43は、行先階が「1階」である旨の情報を含むかご呼び情報を生成し、エレベータ制御装置100に出力する。
なお、かご呼び情報出力部43は、生成したかご呼び情報に、当該情報がかご呼び情報であることが分かる情報を付与するようにする。
また、上述のとおり、かご呼び受付部42からは、かご呼びを受け付けた旨の情報が出力されないこともある。この場合、かご呼び情報出力部43は、かご呼び情報の生成、および、生成したかご呼び情報の出力は行わない。
【0038】
かご室内出力装置44は、各種情報を出力する。かご室内出力装置44は、例えば、表示灯またはインジケータである。かご室内出力装置44は、例えば、かご400の停車階、または、かご400の移動方向を表示する。なお、かご400の停車階、または、かご400の移動方向に関する情報は、エレベータ制御装置100から出力される。
宅配案内装置52は、上述のとおり、宅配案内情報に基づく出力を行う。宅配案内装置52が宅配案内情報に基づいて行う出力の詳細については、後述する。
【0039】
なお、図4では図示を省略しているが、かご室内機器4は、扉開ボタン、扉閉ボタン、および、扉開閉受付制御部を備えている。扉開ボタンと扉閉ボタンは、ユーザがかご400の扉の開閉を行うための入力装置である。扉開ボタンは、例えば、「開」の表示から成る押ボタンであり、扉閉ボタンは、例えば、「閉」の表示から成る押ボタンである。例えば、ユーザが扉開ボタンを操作すると、扉開閉受付制御部が、当該操作を受け付け、扉開ボタンが操作された旨の情報(以下「扉開指示情報」という。)を、エレベータ制御装置100に出力する。また、例えば、ユーザが扉閉ボタンを操作すると、扉開閉受付制御部が、当該操作を受け付け、扉閉ボタンが操作された旨の情報(以下「扉閉指示情報」という。)を、エレベータ制御装置100に出力する。エレベータ制御装置100は、扉開閉受付制御部から扉開指示情報が出力されると、かご400の扉を開ける制御を行い、扉開閉受付制御部から扉閉指示情報が出力されると、かご400の扉を閉める制御を行う。
例えば、ユーザが、かご呼びを行わず、扉閉ボタンの操作のみを行った場合、かご室内機器4からは、かご呼び情報は出力されず、扉閉指示情報のみが出力される。
【0040】
図2の説明に戻る。
エレベータ制御装置100において、呼び情報取得部101は、上述の乗場機器3、または、上述のかご室内機器4から出力された呼び情報を取得する。具体的には、呼び情報取得部101は、乗場機器3の乗場呼び情報出力部34から出力された乗場呼び情報、または、かご室内機器4のかご呼び情報出力部43から出力されたかご呼び情報を取得する。
呼び情報取得部101は、取得した呼び情報を、エレベータ制御部102およびエレベータ管理装置1の階床判定部14に出力する。
【0041】
エレベータ制御部102は、呼び情報取得部101が取得した呼び情報に基づき、エレベータの制御を行う。例えば、呼び情報取得部101が乗場呼び情報を取得した場合、エレベータ制御部102は、当該乗場呼び情報に基づき、乗場呼びが行われた階床までかご400を走行させ、当該かご400が着床すると、かご400の扉を開ける。例えば、エレベータ制御部102は、乗場呼び情報に行先階の情報が含まれていれば、乗場呼び情報に基づき、かご400を行先階まで走行させる。また、例えば、エレベータ制御部102は、呼び情報取得部101がかご呼び情報を取得した場合、かご呼びが行われたかご400を、当該かご400の行先階まで走行させる。
エレベータ制御部102が行うエレベータの制御は、一般的なエレベータの制御である。
【0042】
エレベータ管理装置1は、宅配管理情報取得部11、宅配管理情報記憶制御部12、記憶部13、階床判定部14、宅配有無判定部15、および、宅配案内出力制御部16を備える。
実施の形態1において、エレベータ管理装置1は、宅配ボックス管理装置2から宅配管理情報が出力された場合に当該宅配管理情報を記憶する「宅配管理情報蓄積処理」と、ユーザによってエレベータのかご呼びまたは乗場呼びが行われた場合に、宅配ボックス200に案内対象階への荷物が保管されているか否かの判定を行い、案内対象階への荷物が保管されていれば第1宅配案内情報を出力する「宅配案内処理」を行う。
エレベータ管理装置1において、宅配管理情報取得部11および宅配管理情報記憶制御部12は、「宅配管理情報蓄積処理」を行う場合に機能する。また、エレベータ管理装置1において、階床判定部14、宅配有無判定部15、および、宅配案内出力制御部16は、「宅配案内処理」を行う場合に機能する。
【0043】
宅配管理情報取得部11は、宅配ボックス管理装置2から出力された宅配管理情報を取得する。
【0044】
ここで、宅配ボックス管理装置2の構成例について説明する。
図5は、実施の形態1に係る宅配ボックス管理装置2の構成例を示す図である。
宅配ボックス管理装置2は、宅配受付部21および宅配管理情報出力部22を備える。
宅配受付部21は、建物内に設置されている宅配ボックス200へ荷物が収納されたことを通知する宅配管理情報を受け付ける。
具体例を挙げると、例えば、特定業者が、ID「001」の宅配ボックス200に、7階の701号室の居住者であるユーザ宛ての荷物を収納したとする。特定業者は、例えば、宅配ボックス200が備える入力装置から、宅配管理情報を入力する。具体的には、特定業者は、入力装置を操作して、例えば、宅配ボックス200のID「001」、「7階」を示す情報、および、「701号室」を示す情報を入力する。例えば、入力装置はタッチパネルであり、タッチパネルには、テンキー、宅配ボックス200のIDの入力部、ユーザの居住階の入力部、ユーザの居室の入力部、および、荷物預かりボタンが表示されている。特定業者は、タッチパネルをタッチして、宅配管理情報を入力すればよい。例えば、特定業者が宅配管理情報を入力後、荷物預かりボタンをタッチ等すると、宅配受付部21は入力された宅配管理情報を受け付ける。
宅配受付部21は、受け付けた宅配管理情報を、宅配管理情報出力部22に出力する。
宅配管理情報出力部22は、宅配受付部21が受け付けた宅配管理情報を、エレベータ管理装置1に出力する。
【0045】
図6は、実施の形態1において、宅配ボックス管理装置2からエレベータ管理装置1に出力される宅配管理情報の内容の一例のイメージを説明するための図である。
図6では、一例として、宅配管理情報には、宅配ボックス200のID、荷物の宛先であるユーザの居室がある階床の情報、および、当該ユーザの居室の部屋番号の情報が含まれるものとしている。
宅配ボックス管理装置2は、特定業者によって宅配管理情報が入力される都度、当該宅配管理情報をエレベータ管理装置1に出力する。
【0046】
なお、図5では図示を省略しているが、宅配ボックス管理装置2は、取出受付部と宅配受取情報出力部と制御部を備える。
取出受付部は、宅配ボックス200に預けられた荷物を取り出すための宅配受取情報を受け付ける。例えば、ユーザは、宅配ボックス200に預けられた荷物を取り出す際、入力装置を操作して、取り出したい荷物が預けられている宅配ボックス200を特定可能な情報、および、ユーザを認証するための認証情報を、宅配受取情報として入力する。認証情報は、例えば、事前にユーザ毎に配布されているカードキーをスキャンすることで入力されるようにしてもよい。取出受付部は、ユーザによって入力された宅配受取情報を受け付ける。取出受付部は、ユーザの認証を行うと、受け付けた宅配受取情報を宅配受取情報出力部および制御部に出力する。
【0047】
宅配受取情報出力部は、取出受付部から出力された宅配受取情報を、エレベータ管理装置1に出力する。
制御部は、宅配受付部21から出力された宅配管理情報、または、取出受付部から出力された宅配受取情報に基づき、宅配ボックス200の施錠または開錠等の制御を行う。なお、上述の宅配受付部21の説明では、便宜上、説明を省略したが、宅配受付部21は、宅配管理情報を、制御部にも出力する。
【0048】
図2の説明に戻る。
エレベータ管理装置1の宅配管理情報取得部11は、宅配ボックス管理装置2の宅配管理情報出力部22から出力された宅配管理情報を取得する。
宅配管理情報取得部11は、取得した宅配管理情報を、宅配管理情報記憶制御部12に出力する。
【0049】
宅配管理情報記憶制御部12は、宅配管理情報取得部11が取得した宅配管理情報を、記憶部13に記憶する。
【0050】
記憶部13は、宅配管理情報を記憶する。
ここで、図7は、実施の形態1において、記憶部13に記憶されている宅配管理情報の一例のイメージを説明するための図である。
図7に示すように、記憶部13には、宅配管理情報記憶制御部12によって、宅配ボックス管理装置2から出力され、宅配管理情報取得部11が取得した宅配管理情報が記憶されていく。
宅配管理情報記憶制御部12は、例えば、宅配管理情報取得部11が取得した宅配管理情報に、当該宅配管理情報の取得日時を付与して、記憶部13に記憶するようにしてもよい。
【0051】
なお、上述のとおり、宅配ボックス管理装置2からは、図示しない宅配受取情報出力部によって、宅配受取情報が出力され得る。
宅配管理情報記憶制御部12は、宅配受取情報出力部から宅配受取情報が出力された場合、当該宅配受取情報と、記憶部13に記憶されている宅配管理情報とのつきあわせを行い、つきあった宅配管理情報を記憶部13から削除する。具体的には、例えば、宅配管理情報記憶制御部12は、宅配受取情報に含まれている宅配ボックス200のIDと、宅配管理情報に含まれている宅配ボックス200のIDとをつきあわせ、IDが一致した場合、一致したIDを含む宅配管理情報を、記憶部13から削除する。
これにより、宅配管理情報記憶制御部12は、記憶しておく必要のない、受け取り済みの荷物に関する宅配管理情報を、記憶部13から削除する。記憶部13には、現在、宅配ボックス200にて保管されている荷物に関する宅配管理情報のみが記憶された状態となる。
【0052】
また、図2では、記憶部13は、エレベータ管理装置1に備えられるものとしたが、これは一例に過ぎない。記憶部13は、エレベータ管理装置1の外部の、エレベータ管理装置1が参照可能な場所に備えられていてもよい。
【0053】
階床判定部14は、エレベータ制御装置100の呼び情報取得部101から呼び情報を取得し、当該呼び情報に基づき、宅配ボックス200における荷物の管理状況を案内する対象となる案内対象階を判定する。
ユーザによってエレベータの乗場呼びまたはかご呼びが行われると、乗場機器3またはかご室内機器4からエレベータ制御装置100に呼び情報が出力される。エレベータ制御装置100の呼び情報取得部101は、当該呼び情報を出力する。階床判定部14は、呼び情報取得部101から、呼び情報取得部101が取得した呼び情報を取得する。
【0054】
階床判定部14による案内対象階の判定について、階床判定部14が乗場呼び情報を取得した場合と、かご呼び情報を取得した場合とに分けて、それぞれ、具体例を挙げて説明する。なお、乗場呼び情報およびかご呼び情報には、それぞれ、乗場呼び情報であること、または、かご呼び情報であることを示す情報が付与されているので、階床判定部14は、当該情報から、呼び情報が乗場呼び情報であるか、かご呼び情報であるかを特定できる。
【0055】
まず、階床判定部14が乗場呼び情報を取得した場合の階床判定部14による案内対象階の判定について説明する。なお、以下の説明では、乗場呼びの際にユーザによって行先階の登録が行われ、乗場呼び情報には、行先階に関する情報が含まれているものとする。
また、以下の説明では、ユーザは、主階床から自分の居室がある一般階床へ、または、自分の居室がある一般階床から主階床へ、エレベータにて移動することを前提とする。ここでは、主階床は、1階とする。
階床判定部14は、乗場呼び情報を取得すると、まず、乗場呼びが行われた階床が主階床、言い換えれば、1階であるか否かを判定する。なお、乗場呼び情報には、乗場呼びが行われた階床を示す情報が含まれている。
乗場呼びが行われた階床が1階である場合、当該乗場呼びは、ユーザがこれから居室に戻るために行った乗場呼びであると推定される。この場合、階床判定部14は、乗場呼び情報に基づき、乗場呼びにて登録された行先階を、案内対象階と判定する。なお、乗場呼び情報には、行先階の情報が含まれている。
一方、乗場呼びが行われた階床が主階床、言い換えれば、1階でない場合、当該乗場呼びは、ユーザが居住階から外出するために行った乗場呼びであると推定される。この場合、階床判定部14は、乗場呼び情報に基づき、乗場呼びが行われた階床を、案内対象階と判定する。
【0056】
例えば、建物の7階の居住者であるユーザが外出先から帰宅し、1階から7階までエレベータのかご400に乗って移動するとする。この場合、乗場機器3からは、「1階」にて乗場呼びが行われたことを示す情報と、行先階が「7階」である旨の情報を含む乗場呼び情報が出力される。
階床判定部14は、乗場呼びが行われた階床が「1階」であるため、行先階である「7階」を案内対象階と判定する。
【0057】
また、例えば、建物の7階の居住者であるユーザが外出するため居室を出て、7階から1階までエレベータのかご400に乗って移動するとする。この場合、乗場機器3からは、「7階」にて乗場呼びが行われたことを示す情報と、行先階が「1階」である旨の情報を含む乗場呼び情報が出力される。
階床判定部14は、乗場呼びが行われた階床が「1階」ではないため、乗場呼びが行われた「7階」を案内対象階と判定する。
【0058】
以上の説明では、乗場呼びの際にユーザによって行先階の登録が行われ、乗場呼び情報には、行先階に関する情報が含まれているものとした。しかし、上述のとおり、乗場呼びの際にユーザは行先階の登録を行わないものとしてもよい。また、実施の形態1では乗場機器3が行先階登録ボタン32を備えるものとしているが、乗場機器3が行先階登録ボタン32を備えないようにしてもよい。これらの場合、乗場呼び情報には、行先階に関する情報は含まれていない。
このように、乗場呼び情報に行先階に関する情報が含まれていない場合、階床判定部14は、行先階を案内対象階と判定することができない。例えば、1階にて、行先階を登録せず乗場呼びが行われた場合、階床判定部14は、行先階がわからないため、案内対象階を判定することができない。そこで、この場合、階床判定部14は、案内対象階を判定不可とする。
【0059】
次に、階床判定部14がかご呼び情報を取得した場合の階床判定部14による案内対象階の判定について説明する。
階床判定部14は、かご呼び情報を取得すると、まず、行先階が主階床、言い換えれば、1階であるか否かを判定する。なお、かご呼び情報には、行先階の情報が含まれている。
行先階が1階である場合、かご呼びは、ユーザが外出するために居室を出て、居住階からかご400に乗り込んだ際のかご呼びであると推定される。この場合、階床判定部14は、かご呼びが行われた階床を、案内対象階と判定する。例えば、呼び情報取得部101が、階床判定部14にかご呼び情報を出力する際、エレベータ制御部102からかご呼びが行われた階床に関する情報を取得して、取得した、かご呼びが行われた階床に関する情報をかご呼び情報に付与するようにする。階床判定部14は、かご呼び情報に付与されている、かご呼びが行われた階床に関する情報に基づいて、当該かご呼びが行われた階床を判定できる。エレベータ制御部102は、かご呼びが行われた階床までかご400を走行させる制御を行っているため、どの階までかご400を走行させ、着床させて、かご呼びを受け付けたかに関する情報を保持している。また、例えば、階床判定部14が、かご呼び情報に基づき、エレベータ制御装置100のエレベータ制御部102に対して、かご呼びが行われた階床の問合せを行い、当該かご呼びが行われた階床の情報を取得するようにしてもよい。また、かご呼びが行われる前には乗場呼びが行われると想定されるため、階床判定部14は、呼び情報取得部101から直前に取得した乗場呼び情報に基づき、乗場呼びが行われた階床をかご呼びが行われた階床と判定してもよい。
なお、ここでは、上述のとおり、行先階が1階である場合、階床判定部14は、かご呼びが行われた階床を、案内対象階と判定するものとするが、これは一例に過ぎない。行先階が1階である場合、階床判定部14は、案内対象階を判定不可とするようにしてもよい。
【0060】
一方、行先階が主階床、言い換えれば、1階ではない場合、かご呼びは、ユーザがこれから居室に戻るためにかご400に乗り込んだ際のかご呼びであると推定される。この場合、階床判定部14は、かご呼び情報に基づき、かご呼びにて登録された行先階を、案内対象階と判定する。
【0061】
階床判定部14は、案内対象階を判定すると、判定した案内対象階に関する情報(以下「案内対象階情報」という。)を、宅配有無判定部15に出力する。
案内対象階情報には、案内対象階を特定可能な情報が含まれる。このとき、階床判定部14は、案内対象階情報と対応付けて、呼び情報取得部101から取得した呼び情報を、宅配有無判定部15に出力する。なお、階床判定部14は、かご呼びが行われた階床の情報を取得した場合は、当該かご呼びが行われた階床の情報もあわせて宅配有無判定部15に出力する。
なお、階床判定部14は、案内対象階を判定不可とした場合は、案内対象階が判定不可である旨の情報を、案内対象階情報として、宅配有無判定部15に出力する。
【0062】
宅配有無判定部15は、階床判定部14が判定した案内対象階に関する案内対象階情報と、宅配管理情報とに基づき、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されているか否かを判定する。具体的には、宅配有無判定部15は、階床判定部14から出力された案内対象階情報と、記憶部13に記憶されている宅配管理情報とに基づき、案内対象階と宅配管理情報に含まれる階床の情報とをつきあわせ、案内対象階に関する宅配管理情報があるか否かを判定する。宅配有無判定部15は、案内対象階に関する宅配管理情報がある場合、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されていると判定する。
【0063】
具体例を挙げて説明すると、例えば、記憶部13に記憶されている宅配管理情報が、図7にて説明したような宅配管理情報であったとし、階床判定部14が、案内対象階は「7階」であると判定したとする。この場合、「7階」を示す情報が含まれた宅配管理情報が記憶部13に記憶されているので、宅配有無判定部15は、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されていると判定する。
また、例えば、記憶部13に記憶されている宅配管理情報が、図7にて説明したような宅配管理情報であったとし、階床判定部14が、案内対象階は「5階」であると判定したとする。この場合、「5階」を示す情報が含まれた宅配管理情報が記憶部13には記憶されていないので、宅配有無判定部15は、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されていないと判定する。
【0064】
宅配有無判定部15は、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されていると判定したか否かの判定結果を、宅配案内出力制御部16に出力する。宅配有無判定部15は、案内対象階情報を、判定結果とあわせて宅配案内出力制御部16に出力する。このとき、宅配有無判定部15は、階床判定部14から出力された呼び情報と、階床判定部14からかご呼びが行われた階床の情報が出力された場合は当該かご呼びが行われた階床の情報も、あわせて宅配案内出力制御部16に出力する。
なお、宅配有無判定部15は、階床判定部14から、案内対象階が判定不可である旨の案内対象階情報が出力された場合は、案内対象階への荷物が保管されているか否かの判定を行わない。
【0065】
宅配案内出力制御部16は、宅配有無判定部15が、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されていると判定した場合、エレベータの乗場、または、エレベータのかご400室内において、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されている旨を案内するための宅配案内情報(第1宅配案内情報)を出力する。宅配案内出力制御部16は、宅配有無判定部15から出力された判定結果に基づき、宅配有無判定部15が案内対象階への荷物が保管されていると判定したか否かを判定する。
なお、宅配案内出力制御部16は、宅配有無判定部15が、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されていないと判定した場合は、第1宅配案内情報の出力を行わない。
【0066】
宅配案内出力制御部16による第1宅配案内情報の出力について、詳細に説明する。
以下、宅配案内出力制御部16が乗場において第1宅配案内情報を出力する場合と、宅配案内出力制御部16がエレベータのかご400室内において第1宅配案内情報を出力する場合とを分けて、それぞれ説明する。なお、以下の説明において具体例を挙げるとき、案内対象階は「7階」であるものとする。
【0067】
まず、宅配案内出力制御部16が乗場において第1宅配案内情報を出力する詳細について説明する。
宅配案内出力制御部16は、具体的には、乗場機器3が備える宅配案内装置51に対して、第1宅配案内情報を出力する。例えば、宅配案内装置51が表示装置である場合、宅配案内出力制御部16は、表示装置に対して第1宅配案内情報を出力することで、「7階の荷物が届いています」等、ユーザが案内対象階に荷物が届いていることを把握可能なメッセージを表示させる。また、例えば、宅配案内装置51がスピーカである場合、宅配案内出力制御部16は、スピーカに対して第1宅配案内情報を出力することで、「7階の荷物が届いています」等、ユーザが案内対象階に荷物が届いていることを把握可能な音声を出力させる。また、例えば、宅配案内装置51がLEDランプである場合、宅配案内出力制御部16は、LEDランプに対して第1宅配案内情報を出力することで、7階の荷物が届いていることを示す色でLEDランプを点灯させる。なお、階床毎に、荷物が届いていることを案内するためのLEDランプの点灯色または点灯方法等が、予め決められているものとする。
宅配案内出力制御部16は、上述の具体例にて挙げたような第1宅配案内情報を組み合わせて出力してもよい。
【0068】
図8は、実施の形態1において、宅配案内出力制御部16が乗場に設置されている宅配案内装置51に対して第1宅配案内情報を出力したイメージの一例を示す図である。
図8では、一例として、宅配案内装置51は音声出力装置とし、宅配案内出力制御部16は、音声出力装置に対して第1宅配案内情報を出力することで、「7階の荷物が届いています」との音声を出力させたものとしている。
【0069】
図9は、実施の形態1において、宅配案内出力制御部16が乗場に設置されている宅配案内装置51に対して第1宅配案内情報を出力したイメージのその他の一例を示す図である。
図9では、一例として、宅配案内装置51はLEDランプとし、宅配案内出力制御部16は、LEDランプに対して第1宅配案内情報を出力することで、案内対象階への荷物が届いている旨の点灯を行わせたものとしている。なお、図9では、宅配案内装置51は、行先階登録ボタン32と一体化されているものとしている。また、図9では、行先階登録ボタン32は、階床を示す数字部分(以下「階床表示部」という。)がLEDランプで構成され、行先階が登録されると、当該LEDランプが点灯するようになっているものとする。図9では、「7階」を登録するための行先階登録ボタン32のイメージを示し、説明の簡単のため、宅配案内装置51および当該宅配案内装置51と一体化されている行先階登録ボタン32のみ図示するようにしている。
図9Aは、行先階が登録されていない状態の宅配案内装置51のイメージの一例を示し、図9Bは、行先階が登録された状態の宅配案内装置51のイメージの一例を示し、図9Cは、行先階が登録された後、登録された行先階に対して荷物が届いており、第1宅配案内情報が出力された場合の宅配案内装置51のイメージの一例を示している。
図9Aに示すように、行先階として「7階」が登録されていない状態では、行先階登録ボタン32の階床表示部および宅配案内装置51は点灯しない。図9Aに示す状態から、ユーザによって「7階」が登録されると、図9Bに示すように、行先階登録ボタン32の階床表示部が点灯する。「7階」が登録され、宅配ボックス200にて「7階」への荷物が保管されている場合、図9Cに示すように、宅配案内出力制御部16が、宅配案内装置51に対して第1宅配案内情報を出力し、宅配案内装置51を点灯させる。
【0070】
図10は、実施の形態1において、宅配案内出力制御部16が乗場に設置されている宅配案内装置51に対して第1宅配案内情報を出力したイメージのその他の一例を示す図である。
図10では、図9同様、宅配案内装置51は、一例として、宅配案内装置51はLEDランプとし、宅配案内出力制御部16は、LEDランプに対して第1宅配案内情報を出力することで、7階の荷物が届いている旨の点灯を行わせたものとしている。
図10図9とが異なる点は、宅配案内装置51が行先階登録ボタン32とは一体化されていない点である。
図10Aに示すように、行先階として「7階」が登録されていない状態では、行先階登録ボタン32の階床表示部および宅配案内装置51は点灯しない。図10Aに示す状態から、ユーザによって「7階」が登録されると、図10Bに示すように、行先階登録ボタン32の階床表示部が点灯する。「7階」が登録され、宅配ボックス200にて「7階」への荷物が保管されている場合、図10Cに示すように、宅配案内出力制御部16が、宅配案内装置51に対して第1宅配案内情報を出力し、宅配案内装置51を点灯させる。
【0071】
このように、宅配案内出力制御部16は、乗場に設置されている宅配案内装置51に対して第1宅配案内情報を出力することで、乗場呼びを行ったユーザに、自分の居住階への荷物が届いていることを把握させることができる。ユーザは、帰宅時または外出時等のエレベータ利用の動線の中で、例えば、荷物が届く憶えがある場合に、自分あての荷物の到着を把握することができる。
【0072】
次に、宅配案内出力制御部16がエレベータのかご400室内において第1宅配案内情報を出力する詳細について説明する。
宅配案内出力制御部16は、具体的には、かご室内機器4が備える宅配案内装置52に対して、第1宅配案内情報を出力する。宅配案内出力制御部16が宅配案内装置52に対して第1宅配案内情報を出力し、第1宅配案内情報に基づく出力をさせる具体的な方法は、上述の、宅配案内出力制御部16が宅配案内装置51に対して第1宅配案内情報を出力し、第1宅配案内情報に基づく出力をさせる具体的な方法と同様であるため、重複した説明を省略する。
【0073】
図11は、実施の形態1において、宅配案内出力制御部16がかご400室内に設置されている宅配案内装置52に対して第1宅配案内情報を出力したイメージの一例を示す図である。
図11では、一例として、宅配案内装置52は音声出力装置とし、宅配案内出力制御部16は、当該音声出力装置に対して第1宅配案内情報を出力することで、「7階の荷物が届いています」との音声を出力させたものとしている。
また、宅配案内装置52は、LEDランプであってもよい。この場合、宅配案内出力制御部16は、図9または図10を用いて説明した、乗場に設置されているLEDランプに対して第1宅配案内情報を出力することで案内対象階への荷物が届いている旨の点灯を行わせたのと同様の方法で、かご400室内に設置されている宅配案内装置52であるLEDランプを点灯させるようにすればよい。
【0074】
このように、宅配案内出力制御部16は、かご400室内に設置されている宅配案内装置52に対して第1宅配案内情報を出力することで、かご400に乗り込んだユーザに、自分の居住階への荷物が届いていることを把握させることができる。ユーザは、帰宅時または外出時等のエレベータ利用の動線の中で、例えば、荷物が届く憶えがある場合に、自分あての荷物の到着を把握することができる。
【0075】
宅配案内出力制御部16は、ユーザによって乗場呼びが行われた場合、宅配案内装置51および宅配案内装置52に対して、第1宅配案内情報を出力する。
すなわち、宅配案内出力制御部16は、宅配有無判定部15から出力された判定結果が、階床判定部14が乗場呼び情報を取得したことに起因して出力された判定結果である場合に、宅配案内装置51および宅配案内装置52に対して第1宅配案内情報を出力する。宅配案内出力制御部16は、宅配有無判定部15から出力された判定結果に対応付けられて出力された呼び情報が、乗場呼び情報かかご呼び情報であるかによって、当該判定結果が乗場呼び情報を取得したことに起因して出力された判定結果であるか否かを判定する。
【0076】
上述のとおり、例えば、乗場機器3には宅配案内装置51が備えられず、かご室内機器4にのみ宅配案内装置52が備えられるようになっている場合がある。この場合、ユーザは、乗場呼びを行った時点では、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されている旨を把握することができない。一方、乗場呼びを行った際に乗場にて行先階を登録した場合、ユーザは、かご400に乗り込んだ後に行先階を登録する必要はない。そうすると、かご呼びが行われないことになり、ユーザは、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されていることを把握できないまま、エレベータによる移動を終えてしまう可能性がある。従って、ユーザが乗場呼びを行った場合に、かご400室内において、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されている旨が案内されるようにしておくことが効果的である。
そこで、宅配案内出力制御部16は、宅配有無判定部15から出力された判定結果が、階床判定部14が乗場呼び情報を取得したことに起因して出力された判定結果である場合に、宅配案内装置51および宅配案内装置52に対して第1宅配案内情報を出力する。
【0077】
なお、階床判定部14が乗場呼び情報を取得したことに起因して出力された判定結果に基づいて宅配案内装置52に第1宅配案内情報を出力する場合、宅配案内出力制御部16は、例えば、宅配案内装置52が音声出力装置であれば、かご400が乗場に着床してかご400の扉が開いた後、当該扉が閉まるタイミングで、第1宅配案内情報を出力する。また、宅配案内出力制御部16は、例えば、宅配案内装置52が表示装置であれば、かご400が乗場に着床したタイミングで第1宅配案内情報を出力する。
宅配案内出力制御部16は、例えば、宅配有無判定部15から出力された判定結果が、階床判定部14が乗場呼び情報を取得したことに起因して出力された判定結果であれば、宅配案内装置51が設置されているか否かの判定を行い、宅配案内装置51が設置されていないと判定した場合に、宅配案内装置52に対して第1宅配案内情報を出力するようにしてもよい。なお、この場合、宅配案内出力制御部16は、宅配案内装置51への第1宅配案内情報の出力は行わない。
宅配案内出力制御部16は、例えば、宅配案内装置51が設置されていると判定すれば、当該宅配案内装置51に対して第1宅配案内情報を出力し、宅配案内装置52に対しては第1宅配案内情報を出力しないようにしてもよい。このように、宅配案内出力制御部16が第1宅配案内情報を宅配案内装置52に対して出力することは必須ではない。
【0078】
また、宅配案内出力制御部16は、ユーザによってかご呼びが行われた場合、宅配案内装置52に対して、第1宅配案内情報を出力する。
すなわち、宅配案内出力制御部16は、宅配有無判定部15から出力された判定結果が、階床判定部14がかご呼び情報を取得したことに起因して出力された判定結果である場合に、宅配案内装置52に対して第1宅配案内情報を出力する。宅配案内出力制御部16は、宅配有無判定部15から出力された判定結果に対応付けられて出力された呼び情報が、乗場呼び情報であるか、かご呼び情報であるかによって、当該判定結果がかご呼び情報を取得したことに起因して出力された判定結果であるか否かを判定する。
【0079】
宅配案内出力制御部16は、乗場にて宅配案内装置51に対して第1宅配案内情報を出力する場合、ユーザによって乗場呼びが行われた階床のエレベータの乗場に設置されている宅配案内装置51に対して、第1宅配案内情報を出力する。どの階床のエレベータの乗場に設置されている乗場機器3から乗場呼びが行われたかは、判定結果に対応付けられて出力された乗場呼び情報から判定すればよい。乗場呼び情報には、乗場呼びが行われた階床の情報が含まれている。また、乗場呼び情報には、当該乗場呼び情報を出力した乗場機器3を特定可能な情報が含まれているものとしてもよい。例えば、記憶部13には、乗場機器3と宅配案内装置51とを紐づけた情報(以下「宅配案内装置管理情報」という。)が記憶されているものとする。これにより、例えば、1つの階床に乗場機器3が複数台設置されているような場合でも、宅配案内出力制御部16は、ユーザによって乗場呼びが行われた乗場機器3を特定することができる。また、宅配案内装置管理情報に基づき、特定した乗場機器3に対応する宅配案内装置51を特定することができる。これにより、宅配案内出力制御部16は、乗場呼びが行われた乗場機器3が備える宅配案内装置51に対して第1宅配案内情報を出力することができる。
【0080】
宅配案内出力制御部16は、かご400室内にて宅配案内装置52に対して第1宅配案内情報を出力する場合、ユーザによってかご呼びが行われた、または、ユーザが乗場呼びを行うことによって乗場に着床させられたかご400室内に設置されている宅配案内装置52に対して、第1宅配案内情報を出力する。
仮に、建物内にかご400が複数設置されている場合、宅配案内出力制御部16は、複数のかご400のうち、ユーザによってかご呼びが行われた、または、ユーザが乗場呼びを行うことによって乗場に着床させられたかご400室内に設置されている宅配案内装置52に対して、第1宅配案内情報を出力する。宅配案内出力制御部16は、どのかご400に設置されているかご室内機器4からかご呼びが行われたかは、判定結果に対応付けられて出力されたかご呼び情報から判定すればよい。かご呼び情報には、どのかご室内機器4からかご呼びが行われたかの情報が含まれているものとする。また、宅配案内出力制御部16は、ユーザが乗場呼びを行うことによって乗場に着床させられたかご400がどのかご400であるかは、判定結果に対応付けられて出力された乗場呼び情報から判定すればよい。乗場呼び情報には、乗場呼びによってどのかご400が乗場まで走行させられたかの情報が含まれているものとする。
【0081】
実施の形態1に係る宅配ボックス管理装置2の動作について説明する。
図12は、実施の形態1に係る宅配ボックス管理装置2の動作を説明するためのフローチャートである。
宅配受付部21は、建物内に設置されている宅配ボックス200へ荷物が収納されたことを通知する宅配管理情報を受け付ける(ステップST1201)。
宅配受付部21は、受け付けた宅配管理情報を、宅配管理情報出力部22に出力する。
宅配管理情報出力部22は、ステップST1201にて宅配受付部21が受け付けた宅配管理情報を、エレベータ管理装置1に出力する(ステップST1202)。
【0082】
なお、説明の便宜上、図12のフローチャートでは省略したが、宅配ボックス管理装置2において、取出受付部は、宅配ボックス200に預けられた荷物を取り出すための宅配受取情報を受け付け、受け付けた宅配受取情報を宅配受取情報出力部および制御部に出力する。そして、宅配受取情報出力部は、取出受付部から出力された宅配受取情報を、エレベータ管理装置1に出力する。また、制御部は、宅配受付部21から出力された宅配管理情報、または、取出受付部から出力された宅配受取情報に基づき、宅配ボックス200の施錠または開錠等の制御を行う。
【0083】
実施の形態1に係るエレベータ管理装置1の動作について説明する。
エレベータ管理装置1における「宅配管理情報蓄積処理」の動作と、エレベータ管理装置1における「宅配案内処理」の動作について、それぞれ説明する。
【0084】
図13は、実施の形態1に係るエレベータ管理装置1による「宅配管理情報蓄積処理」の動作を説明するためのフローチャートである。
エレベータ管理装置1は、宅配ボックス管理装置2から宅配管理情報が出力される都度、図13のフローチャートで示す動作を行う。
宅配管理情報取得部11は、宅配ボックス管理装置2から出力された宅配管理情報を取得する(ステップST1301)。
宅配管理情報取得部11は、取得した宅配管理情報を、宅配管理情報記憶制御部12に出力する。
【0085】
宅配管理情報記憶制御部12は、ステップST1301にて宅配管理情報取得部11が取得した宅配管理情報を、記憶部13に記憶する(ステップST1302)。
【0086】
なお、説明の便宜上、図13のフローチャートでは省略したが、エレベータ管理装置1において、宅配管理情報記憶制御部12は、宅配ボックス管理装置2から宅配受取情報が出力された場合、当該宅配受取情報と、記憶部13に記憶されている宅配管理情報とのつきあわせを行い、つきあった宅配管理情報を記憶部13から削除する動作を行う。当該動作は、宅配ボックス管理装置2から宅配受取情報が出力される都度行われる。
【0087】
図14は、実施の形態1に係るエレベータ管理装置1による「宅配案内処理」の動作を説明するためのフローチャートである。
エレベータ管理装置1は、エレベータ制御装置100の呼び情報取得部101から呼び情報が出力されたことを契機に、図14のフローチャートで示す動作を行う。
【0088】
階床判定部14は、エレベータ制御装置100の呼び情報取得部101から呼び情報を取得し、当該呼び情報に基づき、宅配ボックス200における荷物の管理状況を案内する対象となる案内対象階を判定する(ステップST1401)。
階床判定部14は、案内対象階を判定すると、判定した案内対象階に関する情報(以下「案内対象階情報」という。)を、宅配有無判定部15に出力する。
案内対象階情報には、案内対象階を特定可能な情報が含まれる。このとき、階床判定部14は、案内対象階情報と対応付けて、呼び情報取得部101から取得した呼び情報を、宅配有無判定部15に出力する。なお、階床判定部14は、かご呼びが行われた階床の情報を取得した場合は、当該かご呼びが行われた階床の情報もあわせて宅配有無判定部15に出力する。
【0089】
宅配有無判定部15は、ステップST1401にて階床判定部14が判定した案内対象階に関する案内対象階情報と、宅配管理情報とに基づき、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されているか否かを判定する。具体的には、宅配有無判定部15は、ステップST1401にて階床判定部14から出力された案内対象階情報と、記憶部13に記憶されている宅配管理情報とに基づき、案内対象階と宅配管理情報に含まれる階床の情報とをつきあわせ、案内対象階に関する宅配管理情報があるか否かを判定する(ステップST1402)。
宅配有無判定部15は、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されていると判定したか否かの判定結果を、宅配案内出力制御部16に出力する。宅配有無判定部15は、案内対象階情報を判定結果とあわせて宅配案内出力制御部16に出力する。このとき、宅配有無判定部15は、階床判定部14から出力された呼び情報と、階床判定部14からかご呼びが行われた階床の情報が出力された場合は当該かご呼びが行われた階床の情報も、あわせて宅配案内出力制御部16に出力する。
【0090】
宅配案内出力制御部16は、ステップST1402にて、宅配有無判定部15が、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されていると判定した場合、エレベータの乗場、または、エレベータのかご400室内において、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されている旨を案内するための第1宅配案内情報を出力する(ステップST1403)。
なお、宅配案内出力制御部16は、宅配有無判定部15が、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されていないと判定した場合は、第1宅配案内情報の出力を行わない。
【0091】
図14のフローチャートを用いて説明した「宅配案内処理」について、詳細に説明する。
呼び情報は、ユーザによってエレベータの乗場呼びが行われた場合、または、かご呼びが行われた場合に、エレベータ制御装置100の呼び情報取得部101から出力される。
従って、エレベータ管理装置1は、ユーザによってエレベータの乗場呼びが行われた場合、または、ユーザによってエレベータのかご呼びが行われた場合に、「宅配案内処理」を実行する。
以下、ユーザが乗場にて乗場機器3の行先階登録ボタン32を操作して行先階を登録したものとして、エレベータ管理装置1による「宅配案内処理」の動作について、具体例を挙げながら、詳細に説明する。なお、以下の説明では、一例として、宅配案内装置51,52は、音声出力装置とする。また、以下の説明において、建物の「主階床」は1階であるものとする。
【0092】
ユーザは、エレベータを利用しようとエレベータの乗場まで来ると、乗場にて乗場機器3を操作して乗場呼びを行う。なお、このとき、ユーザは行先階を登録する。乗場機器3からは、乗場呼び情報が出力され、エレベータ管理装置1は、エレベータ制御装置100を介して当該乗場呼び情報を取得する。乗場呼び情報は行先階に関する情報を含む。
ここで、図15は、実施の形態1において、ユーザによってエレベータの乗場呼びが行われた場合に、言い換えれば、エレベータ制御装置100の呼び情報取得部101から乗場呼び情報を取得した場合にエレベータ管理装置1が行う「宅配案内処理」の詳細について説明するためのフローチャートである。
【0093】
階床判定部14は、乗場呼び情報を取得すると、まず、乗場呼びが行われた階床が主階床、言い換えれば、1階であるか否かを判定する(ステップST1501)。
乗場呼びが行われた階床が1階である場合(ステップST1501の“YES”の場合)、階床判定部14は、乗場呼び情報に基づき、乗場呼びにて登録された行先階を、案内対象階と判定する(ステップST1502)。例えば、建物の7階の居住者であるユーザが外出先から帰宅し、1階から7階までエレベータのかご400に乗って移動するために1階にて乗場呼びを行ったとすると、階床判定部14は、「7階」を案内対象階と判定する。階床判定部14は、案内対象階情報を、宅配有無判定部15に出力する。
一方、乗場呼びが行われた階床が主階床、言い換えれば、1階でない場合(ステップST1501の“NO”の場合)、階床判定部14は、乗場呼び情報に基づき、乗場呼びが行われた階床を、案内対象階と判定する(ステップST1503)。例えば、建物の7階の居住者であるユーザが外出するため居室を出て、7階から1階までエレベータのかご400に乗って移動するために7階にて乗場呼びを行ったとすると、階床判定部14は、「7階」を案内対象階と判定する。階床判定部14は、案内対象階情報を、宅配有無判定部15に出力する。
【0094】
宅配有無判定部15は、ステップST1502またはステップST1503にて階床判定部14が判定した案内対象階に関する案内対象階情報と、宅配管理情報とに基づき、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されているか否かを判定する(ステップST1504)。ステップST1504の具体的な動作は、図14のステップST1402の具体的な動作と同様である。
【0095】
ステップST1504にて、宅配有無判定部15が、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されていると判定した場合(ステップST1504の“YES”の場合)、宅配案内出力制御部16は、エレベータの乗場、および、かご400室内において、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されている旨を案内するための第1宅配案内情報を出力する(ステップST1505)。具体的には、宅配案内出力制御部16は、乗場機器3が備える宅配案内装置51、および、かご室内機器4が備える宅配案内装置52に対して、第1宅配案内情報を出力する。
例えば、宅配有無判定部15が「7階」への荷物が保管されていると判定すると、宅配案内出力制御部16は、宅配案内装置51および宅配案内装置52に対して第1宅配案内情報を出力する。そして、宅配案内装置51は、第1宅配案内情報に基づき、乗場にて、例えば、「7階の荷物が届いています」と音声出力することになる。また、宅配案内装置52は、かご400室内にて、例えば、「7階の荷物が届いています」と音声出力することになる。なお、ステップST1505にて宅配案内出力制御部16が宅配案内装置52に対して第1宅配案内情報を出力することは必須ではない。
これにより、ユーザは、自分の居住階である7階への荷物が届いていることを把握する。例えば、ユーザが外出先から帰宅した場合であれば、1階にて7階への荷物が届いていることが案内される。ユーザは、例えば、荷物が届く憶えがあれば、宅配ボックス室まで行き、荷物をピックアップすることができる。また、例えば、ユーザが外出する場合であれば、7階にて7階への荷物が届いていることが案内される。ユーザは、例えば、荷物が届く憶えがあれば、帰宅の際に宅配ボックス室に寄って、荷物をピックアップすることができる。
【0096】
一方、ステップST1504にて、宅配有無判定部15が、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されていないと判定した場合(ステップST1504の“NO”の場合)、エレベータ管理装置1は、図15のフローチャートで示す処理を終了する。すなわち、乗場にて荷物が届いていることの案内はされない。乗場呼びを行った後ユーザがかご400に乗り込んだ際にも、荷物が届いていることの案内はされない。
この場合、例えば、ユーザが外出先から帰宅した場合であっても、ユーザが外出する場合であっても、ユーザは、そのままかご400に乗り込み、移動する。なお、ユーザは、既に乗場にて行先階の登録を行っているため、かご400室内では行先階の登録は行わない。よって、かご室内機器4は、かご呼び情報を出力しない。そのため、エレベータ管理装置1は、かご400室内における第1宅配案内情報の出力は行わない。
【0097】
以上の説明では、ユーザが乗場にて行先階登録ボタン32を操作して行先階を登録したものとしていた。しかし、上述のとおり、ユーザは、乗場にて行先階を登録することを必須としない。そこで、以下、ユーザが乗場にて行先階を登録しなかった場合の、エレベータ管理装置1による「宅配案内処理」の動作について、具体例を挙げながら詳細に説明する。以下の説明でも、一例として、宅配案内装置51,52は、音声出力装置とする。また、建物の「主階床」は1階であるものとする。
なお、乗場機器3が行先階登録ボタン32を備えない場合も、エレベータ管理装置1は、以下に説明する動作と同様の動作を行う。
【0098】
ユーザは、エレベータを利用しようとエレベータの乗場まで来ると、乗場にて乗場機器3を操作して乗場呼びを行う。なお、このとき、ユーザは行先階を登録しない。乗場機器3からは、乗場呼び情報が出力され、エレベータ管理装置1は、エレベータ制御装置100を介して当該乗場呼び情報を取得する。乗場呼び情報は行先階に関する情報を含まない。
そして、エレベータ管理装置1は、図15で示すフローチャートに沿った動作を行う。
階床判定部14は、乗場呼び情報を取得すると、まず、乗場呼びが行われた階床が主階床、言い換えれば、1階であるか否かを判定する(ステップST1501)。
ここで、乗場呼びが行われた階床が1階である場合(ステップST1501の“YES”の場合)、ユーザが行先階を登録していれば、階床判定部14は、乗場呼び情報に基づき、乗場呼びにて登録された行先階を、案内対象階と判定していた(上述のステップST1502参照)。しかし、今、ユーザは、行先階を登録していない。従って、階床判定部14は、ステップST1502において、案内対象階は判定不可とする。例えば、建物の7階の居住者であるユーザが外出先から帰宅し、1階から7階までエレベータのかご400に乗って移動するために1階にて乗場呼びを行ったとすると、階床判定部14は、案内対象階は判定不可とする。階床判定部14は、案内対象階情報を、宅配有無判定部15に出力する。ここでは、階床判定部14は、案内対象階情報として、案内対象階が判定不可である旨の情報を出力する。
一方、乗場呼びが行われた階床が主階床、言い換えれば、1階でない場合(ステップST1501の“NO”の場合)、階床判定部14は、乗場呼び情報に基づき、乗場呼びが行われた階床を、案内対象階と判定する(ステップST1503)。例えば、建物の7階の居住者であるユーザが外出するため居室を出て、7階から1階までエレベータのかご400に乗って移動するために7階にて乗場呼びを行ったとすると、階床判定部14は、「7階」を案内対象階と判定する。階床判定部14は、案内対象階情報を、宅配有無判定部15に出力する。
【0099】
宅配有無判定部15は、ステップST1502またはステップST1503にて階床判定部14が判定した案内対象階に関する案内対象階情報と、宅配管理情報とに基づき、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されているか否かを判定する(ステップST1504)。ステップST1504の具体的な動作は、図14のステップST1402の具体的な動作と同様である。なお、宅配有無判定部15は、案内対象階が判定不可である旨の情報が案内対象階情報として出力された場合は、案内対象階への荷物が保管されているか否かの判定を行わない。例えば、ユーザが1階から帰宅する場合は、上述のとおり、案内対象階は判定不可とされる。この場合、エレベータ管理装置1は、図15のフローチャートで示す処理を終了する。
【0100】
ステップST1504にて、宅配有無判定部15が、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されていると判定した場合(ステップST1504の“YES”の場合)、宅配案内出力制御部16は、エレベータの乗場において、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されている旨を案内するための第1宅配案内情報を出力する(ステップST1505)。具体的には、宅配案内出力制御部16は、乗場機器3が備える宅配案内装置51、および、かご室内機器4が備える宅配案内装置52に対して、第1宅配案内情報を出力する。
例えば、ユーザが7階にて乗場呼びを行った場合は、「7階」を案内対象階とする案内対象階情報が出力される。この場合、宅配有無判定部15が「7階」への荷物が保管されていると判定すると、宅配案内出力制御部16は、宅配案内装置51および宅配案内装置52に対して第1宅配案内情報を出力する。そして、宅配案内装置51は、第1宅配案内情報に基づき、乗場にて、例えば、「7階の荷物が届いています」と音声出力することになる。また、宅配案内装置52は、かご400室内にて、例えば、「7階の荷物が届いています」と音声出力することになる。なお、ステップST1505にて宅配案内出力制御部16が宅配案内装置52に対して第1宅配案内情報を出力することは必須ではない。
これにより、ユーザは、自分の居住階である7階への荷物が届いていることを把握する。ユーザは、例えば、荷物が届く憶えがあれば、帰宅の際に宅配ボックス室に寄って、荷物をピックアップすることができる。
【0101】
一方、ステップST1504にて、宅配有無判定部15が、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されていないと判定した場合(ステップST1504の“NO”の場合)、エレベータ管理装置1は、図15のフローチャートで示す処理を終了する。すなわち、乗場にて荷物が届いていることの案内はされない。乗場呼びを行った後かご400に乗り込んだ際にも、荷物が届いていることの案内はされない。
【0102】
ここでは、ユーザは、乗場呼びの際に行先階の登録を行っていないので、続いて、かご400に乗り込み、かご400室内にて、かご室内機器4の行先階登録ボタン41を操作して行先階を登録することになる。かご呼びが行われると、かご室内機器4からは、かご呼び情報が出力され、エレベータ管理装置1は、エレベータ制御装置100を介して当該かご呼び情報を取得する。
ここで、図16は、実施の形態1において、ユーザによってエレベータのかご呼びが行われた場合に、言い換えれば、エレベータ制御装置100の呼び情報取得部101からかご呼び情報を取得した場合にエレベータ管理装置1が行う「宅配案内処理」の詳細について説明するためのフローチャートである。
【0103】
階床判定部14は、かご呼び情報を取得すると、まず、行先階が主階床、言い換えれば、1階であるか否かを判定する(ステップST1601)。
ここで、行先階が1階である場合(ステップST1601の“YES”の場合)、階床判定部14は、かご呼びが行われた階床を、案内対象階と判定する(ステップST1602)。例えば、建物の7階の居住者であるユーザが外出するため居室を出て、7階にてかご400に乗り込んで、1階を行先階に登録したとすると、階床判定部14は、「7階」を案内対象階と判定する。階床判定部14は、案内対象階情報を、宅配有無判定部15に出力する。
一方、行先階が主階床、言い換えれば、1階ではない場合(ステップST1601の“NO”の場合)、階床判定部14は、かご呼び情報に基づき、かご呼びにて登録された行先階を、案内対象階と判定する(ステップST1603)。例えば、建物の7階の居住者であるユーザが外出先から帰宅し、1階にてかご400に乗り込んで、7階を行先階に登録したとすると、階床判定部14は、「7階」を案内対象階と判定する。階床判定部14は、案内対象階情報を、宅配有無判定部15に出力する。
【0104】
宅配有無判定部15は、ステップST1602またはステップST1603にて階床判定部14が判定した案内対象階に関する案内対象階情報と、宅配管理情報とに基づき、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されているか否かを判定する(ステップST1604)。ステップST1604の具体的な動作は、図14のステップST1402の具体的な動作と同様である。
【0105】
ステップST1604にて、宅配有無判定部15が、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されていると判定した場合(ステップST1604の“YES”の場合)、宅配案内出力制御部16は、エレベータのかご400室内において、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されている旨を案内するための第1宅配案内情報を出力する(ステップST1605)。具体的には、宅配案内出力制御部16は、かご室内機器4が備える宅配案内装置52に対して、第1宅配案内情報を出力する。
例えば、宅配有無判定部15が「7階」への荷物が保管されていると判定すると、宅配案内出力制御部16は、宅配案内装置52に対して第1宅配案内情報を出力する。そして、宅配案内装置52は、第1宅配案内情報に基づき、かご400室内にて、例えば、「7階の荷物が届いています」と音声出力することになる。
これにより、ユーザは、自分の居住階である7階への荷物が届いていることを把握する。例えば、ユーザが外出先から帰宅した場合であれば、1階から乗り込みんだかご400室内にて、行先階として「7階」を登録すると、7階への荷物が届いていることが案内される。ユーザは、例えば、荷物が届く憶えがあれば、かご400から降りて宅配ボックス室まで行き、荷物をピックアップすることができる。また、例えば、ユーザが外出する場合であれば、7階から乗り込んだかご400室内にて、行先階として「1階」を登録すると、7階への荷物が届いていることが案内される。ユーザは、例えば、荷物が届く憶えがあれば、帰宅の際に宅配ボックス室に寄って、荷物をピックアップすることができる。
【0106】
ステップST1604にて、宅配有無判定部15が、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されていないと判定した場合(ステップST1604の“NO”の場合)、エレベータ管理装置1は、図16のフローチャートで示す処理を終了する。すなわち、かご400室内にて荷物が届いていることの案内はされない。
例えば、ユーザが外出先から帰宅した場合であっても、ユーザが外出する場合であっても、ユーザは、そのままかご400にて移動する。
【0107】
このように、エレベータ管理装置1は、建物内に設置されているエレベータのかご呼びまたは乗場呼びに関する呼び情報に基づき、案内対象階を判定する。エレベータ管理装置1は、判定した案内対象階に関する案内対象階情報と、記憶部13に記憶した宅配管理情報とに基づき、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されているか否かを判定する。そして、エレベータ管理装置1は、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されていると判定した場合、エレベータの乗場、または、エレベータのかご400室内において、案内対象階への荷物が保管されている旨を案内するための第1宅配案内情報を出力する。具体的には、エレベータ管理装置1は、宅配案内装置51または宅配案内装置52に対して、第1宅配案内情報を出力する。宅配案内装置51または宅配案内装置52は、第1宅配案内情報に基づく出力を行う。
これにより、エレベータ管理装置1は、建物において、居住者に対して、当該居住者の動線を考慮して、宅配ボックス200に居住者の居住階への荷物が届いていることを知らせることができる
【0108】
昨今、油圧エレベータは製品寿命として交換時期を迎えており、全国的に、機械室レスロープ式エレベータへの交換需要が高まっている。これに伴い、油圧パワーユニットを設置していた機械室が不要となり、当該機械室がデッドスペース化する。なお、機械室は、一般に、1階の昇降路近くに設けられる。このデッドスペース化した機械室を有効活用する方法として、宅配ボックス200の設置が考えられる。なお、油圧エレベータが設置されている建物は竣工時期が20~30年前であり、このような建物は、既に宅配ボックス200が設置されているケースは少ない。デッドスペース化した機械室に宅配ボックス200を設置することで、建物の住人の利便性、および、建物価値が向上する。また、宅配ボックス200が設置されることで、宅配時に住人が不在であることに起因して発生する、特定業者による荷物の再配達を解消できる。
例えば、このような油圧エレベータから機械室レスロープ式エレベータへの交換の際の交換工事にあわせて、実施の形態1に係るエレベータ管理装置1、および、エレベータ管理システム1000を導入すれば、最小限の改造工事で、住人の利便性向上が期待できる。油圧エレベータの場合は、機械室とエレベータシャフトに電路を有している。そのため、交換工事にあわせて実施の形態1に係るエレベータ管理装置1、および、エレベータ管理システム1000を導入しても、既にある電路を利用することができるため、当該エレベータ管理装置1、および、エレベータ管理システム1000の導入に係る電気工事は最小限で済む。
【0109】
なお、油圧エレベータを採用している建物の場合、その建設時期からみて、各住戸における多機能モニタは装備されていないと推察される。このような建物において、例えば、上述の特許文献1に開示されているような管理システムを組み込もうとすると、改めて各住戸に住宅情報盤のような多機能モニタを設ける必要がある。各住戸に多機能モニタを設けるには、各住戸への配線工事等が必要となり、工事としては大規模となる。
【0110】
実施の形態1に係るエレベータ管理装置1、および、エレベータ管理システム1000は、上述したような、昨今の時代の流れ、または、建物の現状にマッチし、かつ、大規模な工事を必要とすることなく、建物に組み込むことができる。
【0111】
図17A図17Bは、実施の形態1に係るエレベータ管理装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。
実施の形態1において、宅配管理情報取得部11と、宅配管理情報記憶制御部12と、階床判定部14と、宅配有無判定部15と、宅配案内出力制御部16の機能は、処理回路1701により実現される。すなわち、エレベータ管理装置1は、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されていると判定した場合、エレベータの乗場、または、エレベータのかご400室内において、案内対象階への荷物が保管されている旨を案内するための第1宅配案内情報を出力するための処理回路1701を備える。
処理回路1701は、図17Aに示すように専用のハードウェアであっても、図17Bに示すようにメモリ1705に格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)1504であってもよい。
【0112】
処理回路1701が専用のハードウェアである場合、処理回路1701は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。
【0113】
処理回路1701がCPU1704の場合、宅配管理情報取得部11と、宅配管理情報記憶制御部12と、階床判定部14と、宅配有無判定部15と、宅配案内出力制御部16の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、または、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリ1705に記憶される。処理回路1701は、メモリ1705に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、宅配管理情報取得部11と、宅配管理情報記憶制御部12と、階床判定部14と、宅配有無判定部15と、宅配案内出力制御部16の機能を実行する。すなわち、エレベータ管理装置1は、処理回路1701により実行されるときに、上述の図13のステップST1301~ステップST1302、上述の図14のステップST1401~ステップST1403、上述の図15のステップST1501~ステップST1505、または、上述の図16のステップST1601~ステップST1605が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ1705を備える。また、メモリ1705に記憶されたプログラムは、宅配管理情報取得部11と、宅配管理情報記憶制御部12と、階床判定部14と、宅配有無判定部15と、宅配案内出力制御部16の手順または方法をコンピュータに実行させるものであるとも言える。ここで、メモリ1705とは、例えば、RAM、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の、不揮発性もしくは揮発性の半導体メモリ、または、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)等が該当する。
【0114】
なお、宅配管理情報取得部11と、宅配管理情報記憶制御部12と、階床判定部14と、宅配有無判定部15と、宅配案内出力制御部16の機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。例えば、宅配管理情報取得部11と宅配管理情報記憶制御部12と、宅配案内出力制御部16については専用のハードウェアとしての処理回路1701でその機能を実現し、階床判定部14と、宅配有無判定部15については処理回路1701がメモリ1705に格納されたプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現することが可能である。
また、記憶部13は、メモリ1705を使用する。なお、これは一例であって、記憶部13は、HDD、SSD(Solid State Drive)、または、DVD等によって構成されるものであってもよい。
また、エレベータ管理装置1は、宅配ボックス管理装置2、乗場機器3、または、かご室内機器4等の装置と、有線通信または無線通信を行う入力インタフェース装置1702および出力インタフェース装置1703を備える。
【0115】
図18A図18Bは、実施の形態1に係る宅配ボックス管理装置2のハードウェア構成の一例を示す図である。
実施の形態1において、宅配受付部21と、宅配管理情報出力部22と、図示しない取出受付部と、宅配受取情報出力部と、制御部の機能は、処理回路1801により実現される。すなわち、宅配ボックス管理装置2は、宅配ボックス200から入力された宅配管理情報等を受け付け、出力するための処理回路1801を備える。
処理回路1801は、図18Aに示すように専用のハードウェアであっても、図18Bに示すようにメモリ1805に格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)1804であってもよい。
【0116】
処理回路1801が専用のハードウェアである場合、処理回路1801は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。
【0117】
処理回路1801がCPU1804の場合、宅配受付部21と、宅配管理情報出力部22と、図示しない取出受付部と、宅配受取情報出力部と、制御部の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、または、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリ1805に記憶される。処理回路1801は、メモリ1805に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、宅配受付部21と、宅配管理情報出力部22と、図示しない取出受付部と、宅配受取情報出力部と、制御部の機能を実行する。すなわち、宅配ボックス管理装置2は、処理回路1801により実行されるときに、上述の図13のステップST1301~ステップST1302が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ1805を備える。また、メモリ1805に記憶されたプログラムは、宅配受付部21と、宅配管理情報出力部22と、図示しない取出受付部と、宅配受取情報出力部と、制御部の手順または方法をコンピュータに実行させるものであるとも言える。ここで、メモリ1805とは、例えば、RAM、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の、不揮発性もしくは揮発性の半導体メモリ、または、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)等が該当する。
【0118】
なお、宅配受付部21と、宅配管理情報出力部22と、図示しない取出受付部と、宅配受取情報出力部と、制御部の機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。例えば、宅配受付部21と取出受付部については専用のハードウェアとしての処理回路1801でその機能を実現し、宅配管理情報出力部22と、宅配受取情報出力部と、制御部については処理回路1801がメモリ1805に格納されたプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現することが可能である。
また、宅配ボックス管理装置2は、宅配ボックス200またはエレベータ管理装置1等の装置と、有線通信または無線通信を行う入力インタフェース装置1802および出力インタフェース装置1803を備える。
【0119】
以上の実施の形態1では、エレベータ管理装置1が「宅配管理情報蓄積処理」を行うものとした。しかし、これは一例に過ぎず、例えば、エレベータ管理装置1の外部の、エレベータ管理装置1以外の装置が、「宅配管理情報蓄積処理」を行うようにしてもよい。この場合、エレベータ管理装置1は、宅配管理情報取得部11および宅配管理情報記憶制御部12を備えない構成とすることができる。
【0120】
また、以上の実施の形態1では、宅配案内装置51および宅配案内装置52は、それぞれ、乗場機器3およびかご室内機器4に備えられているものとした。しかし、これは一例に過ぎず、上述のとおり、宅配案内装置51が乗場機器3にのみ備えられているものとしてもよいし、宅配案内装置52がかご室内機器4にのみ備えられているものとしてもよい。
例えば、かご室内機器4には宅配案内装置52が備えられないものとした場合、エレベータ管理装置1において、上述の図16を用いて説明した動作は省略される。また、上述の図15のステップST1505において、エレベータ管理装置1は、宅配案内装置52に対する第1宅配案内情報の出力は行わない。
また、例えば、乗場機器3には宅配案内装置51が備えられないものとした場合、上述の図15のステップST1505において、エレベータ管理装置1は、宅配案内装置51に対する第1宅配案内情報の出力は行わない。
【0121】
また、以上の実施の形態1では、エレベータ管理装置1において、宅配案内出力制御部16は、宅配有無判定部15が、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されていないと判定した場合は、第1宅配案内情報の出力を行わないものとした。しかし、これは一例に過ぎない。
例えば、宅配案内出力制御部16は、宅配有無判定部15が、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されていないと判定した場合は、案内対象階への荷物が保管されていないことを案内するための第1宅配案内情報を出力するようにしてもよい。
【0122】
また、以上の実施の形態1におけるエレベータ管理装置1の動作説明では、ユーザは、乗場にて行先階の登録を行うと、その後に乗り込んだかご400室内では行先階の登録を行わないものとした。しかしこれは一例に過ぎず、ユーザは、乗場にて行先階の登録を行った後、かご400に乗り込むと、再び行先階の登録を行ってもよい。この場合、エレベータ管理装置1は、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されていれば、乗場にて第1宅配案内情報を出力し、また、かご400室内にて、乗場呼びに基づく第1宅配案内情報とかご呼びに基づく第1宅配案内情報とを出力する。具体例を挙げると、例えば、建物の7階の居住者であるユーザが外出先から帰宅して1階から乗場呼びを行うとする。このとき、ユーザは、乗場にて行先階「7階」を登録したとする。そして、宅配ボックス200には、「7階」への荷物が保管されているとする。この場合、エレベータ管理装置1は、まず、乗場にて第1宅配案内情報を出力し、宅配案内装置51は、例えば、「7階の荷物が届いています」と音声出力する。さらに、エレベータ管理装置1は、乗場呼びが行われたことで呼ばれたかご400が乗場階に到着すると、かご400室内にて第1宅配案内情報を出力し、宅配案内装置52は、例えば、「7階の荷物が届いています」と音声出力する。ここで、ユーザは、7階への荷物が届いていることを把握しつつも、宅配ボックス室へ確認に行くことをせず、そのままかご400に乗り込み、行先階の登録をもう一度行ったとする。この場合、エレベータ管理装置1は、かご400室内にて第1宅配案内情報を出力し、宅配案内装置52は、例えば、再度、「7階の荷物が届いています」と音声出力する。このように、エレベータ管理装置1は、ユーザが乗場呼びとかご呼びを連続して行った場合に、乗場における第1宅配案内情報の出力とかご400室内における第1宅配案内情報の出力を連続して行う。
なお、エレベータ管理装置1において、宅配案内出力制御部16は、乗場呼びとかご呼びが連続して行われた場合、かご呼びが行われた際には、第1宅配案内情報を出力しないよう制御するようにしてもよい。
【0123】
また、以上の実施の形態1では、ユーザは、主階床から自分の居室がある一般階床へ、または、自分の居室がある一般階床から主階床へ、エレベータにて移動することを前提とした。しかし、これは一例に過ぎない。
例えば、ユーザは、自分の居室がある一般階床から他の一般階床へ、または、他の一般階床から自分の居室がある一般階床へ、エレベータにて移動することもあり得る。
以上の実施の形態1において、このような場合を想定し、階床判定部14は、乗場呼びが主階床で行われたか否かに関わらず(図15のステップST1501参照)、行先階と、乗場呼びが行われた階床の両方を、案内対象階と判定するようにしてもよい。このように、階床判定部14は、案内対象階を複数判定することができる。この場合、宅配有無判定部15は、階床判定部14が判定した全ての案内対象階について、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されているか否かの判定を行う。宅配案内出力制御部16は、第1宅配案内情報の出力によって、どの案内対象階への荷物が保管されているかがわかるように案内する。
例えば、主階床にも居室が存在する場合がある。階床判定部14が、乗場呼びが主階床で行われたか否かに関わらず、行先階と乗場呼びが行われた階床の両方を案内対象階と判定するようにすることで、エレベータ管理装置1は、このような場合にも、主階床の住人に対して、自分の居室が存在する主階床への荷物が保管されていることを案内することができる。
【0124】
以上のように、実施の形態1によれば、エレベータ管理装置1は、建物内に設置されているエレベータのかご呼びまたは乗場呼びに関する呼び情報に基づき、宅配ボックス200における荷物の管理状況を案内する対象となる案内対象階を判定する階床判定部14と、階床判定部14が判定した案内対象階に関する案内対象階情報と、宅配ボックス200における荷物の管理状況を示す宅配管理情報とに基づき、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されているか否かを判定する宅配有無判定部15と、宅配有無判定部15が、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されていると判定した場合、エレベータのかご内、または、エレベータの乗場において、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されている旨を案内するための第1宅配案内情報を出力する宅配案内出力制御部16とを備えるように構成した。
そのため、エレベータ管理装置1は、集合住宅等において、居住者に対して、当該居住者の動線を考慮して、宅配ボックス200に荷物が届いていることを知らせることができる。
【0125】
実施の形態2.
実施の形態1では、エレベータ管理装置1は、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されているか否かを判定し、案内対象階への荷物が保管されている場合に、第1宅配案内情報を出力するものとした。
実施の形態2では、さらに、ユーザから居室に関する情報を受け付けると、受け付けた情報に基づき、宅配ボックス200における荷物の管理状況を案内する対象となる居室(以下「案内対象部屋」という。)を判定し、当該案内対象部屋への荷物が保管されている場合に、宅配案内情報を出力する実施の形態について説明する。
実施の形態2において、宅配ボックス200にて案内対象部屋への荷物が保管されている旨を案内するための宅配案内情報を、「第2宅配案内情報」ともいう。
【0126】
図19は、実施の形態2に係るエレベータ管理装置1aを備えたエレベータ管理システム1000aの概要のイメージを示す図である。
図19において、実施の形態1にて図1を用いて説明したエレベータ管理システム1000の概要と同様の構成については、同じ符号を付して重複した説明を省略する。
【0127】
実施の形態2に係るエレベータ管理装置1aは、実施の形態1に係るエレベータ管理装置1とは、具体的な構成が異なる。実施の形態2において、エレベータ管理装置1aは、エレベータ制御装置100aに搭載される。
また、実施の形態2に係るエレベータ管理システム1000aでは、ユーザは、乗場機器3aまたはかご室内機器4aを操作して、居室に関する情報を入力できることを前提とする。従って、実施の形態2に係る乗場機器3aおよびかご室内機器4aは、それぞれ、実施の形態1に係る乗場機器3およびかご室内機器4とは、具体的な構成が異なる。
そこで、まず、前提となる、居室に関する情報を入力可能とした乗場機器3aおよびかご室内機器4aの構成について説明する。なお、ここでは、乗場機器3aおよびかご室内機器4aの両方が、ユーザによる居室に関する情報の入力に対応可能であるものとする。これは一例に過ぎず、乗場機器3aまたはかご室内機器4aのいずれか一方が、ユーザによる居室に関する情報の入力に対応可能であるものとしてもよい。
なお、図19では、乗場機器3aには宅配案内装置51が備えられ、かご室内機器4aには宅配案内装置52が備えられるものとしているが、これは一例に過ぎない。例えば、乗場機器3aには宅配案内装置51が備えられず、かご室内機器4aにのみ宅配案内装置52が備えられるようになっていてもよいし、かご室内機器4aには宅配案内装置52が備えられず、乗場機器3aにのみ宅配案内装置51が備えられるようになっていてもよい。
【0128】
図20は、実施の形態2において、ユーザによる居室に関する情報の入力に対応可能とした乗場機器3aの構成例を示す図である。
図20において、実施の形態1にて図3を用いて説明した乗場機器3の構成と同様の構成については、同じ符号を付して重複した説明を省略する。
乗場機器3aは、実施の形態1にて説明した乗場機器3とは、部屋登録ボタン36、部屋関連情報受付部37、および、部屋関連情報出力部38を備える点が異なる。
【0129】
部屋登録ボタン36は、ユーザが建物内の居室に関する情報を登録するための入力装置である。部屋登録ボタン36は、例えば、テンキーである。
例えば、ユーザは、部屋登録ボタン36を操作して、案内対象階に存在する、自分の居室の部屋番号を入力する。
また、例えば、ユーザは、部屋登録ボタン36を操作して、自分の居室の部屋番号と対応付けられている暗証番号を入力するようにしてもよい。暗証番号は、予め、ユーザによって登録されている。なお、ユーザが暗証番号を登録した際には、当該暗証番号と、ユーザの居室の部屋番号とが対応付けられた暗証番号情報が作成され、例えば記憶部13に記憶される。
【0130】
部屋関連情報受付部37は、部屋登録ボタン36から入力された居室に関する情報(以下「部屋関連情報」という。)を受け付ける。部屋関連情報には、例えば、部屋番号または暗証番号と、乗場から登録された部屋番号または暗証番号であることを示す情報と、部屋関連情報が乗場から入力されたものであることを示す情報が含まれる。
実施の形態2において、部屋関連情報に含まれる、当該部屋関連情報が、乗場とかご400室内のいずれから入力されたものであるかを示す情報を「入力場所情報」という。部屋関連情報受付部37が受け付ける部屋関連情報には、当該部屋関連情報が乗場から入力されたものであることを示す入力場所情報が含まれる。
部屋関連情報受付部37は、受け付けた部屋関連情報を、部屋関連情報出力部38に出力する。
【0131】
部屋関連情報出力部38は、部屋関連情報受付部37から出力された部屋関連情報を、エレベータ管理装置1a(詳細は後述する)に出力する。
【0132】
なお、以上の実施の形態2においても、実施の形態1における乗場機器3同様、乗場機器3aは、行先階登録ボタン32を備えることを必須としない。
乗場機器3aが行先階登録ボタン32を備えない場合、ユーザは、乗場にて行先階を登録できない。ユーザは、かご400に乗り込んでから、かご400室内において行先階を登録することになる。
また、乗場機器3aに行先階登録ボタン32が備えられていたとしても、ユーザは、必ずしも乗場にて行先階を登録する必要はない。ユーザは、かご400に乗り込んでから、かご400室内において行先階を登録してもよい。
【0133】
図21は、実施の形態2において、ユーザによる居室に関する情報の入力に対応可能としたかご室内機器4aの構成例を示す図である。
図21において、実施の形態1にて図4を用いて説明したかご室内機器4の構成と同様の構成については、同じ符号を付して重複した説明を省略する。
かご室内機器4aは、実施の形態1にて説明したかご室内機器4とは、部屋登録ボタン45、部屋関連情報受付部46、および、部屋関連情報出力部47を備える点が異なる。
【0134】
部屋登録ボタン45の構成例は、上述の、乗場機器3aの部屋登録ボタン36と同様であるため、重複した説明を省略する。
ユーザは、部屋登録ボタン45を操作して、例えば、自分の居室の部屋番号、または、自分の居室の部屋番号と対応付けられている暗証番号を入力する。
【0135】
部屋関連情報受付部46は、部屋登録ボタン45から入力された部屋関連情報を受け付ける。部屋関連情報には、例えば、部屋番号または暗証番号と、かご400室内から登録された部屋番号または暗証番号であることを示す情報と、部屋関連情報がかご400室内から入力されたものであることを示す入力場所情報が含まれる。
部屋関連情報受付部46は、受け付けた部屋関連情報を、部屋関連情報出力部47に出力する。
【0136】
部屋関連情報出力部47は、部屋関連情報受付部46から出力された部屋関連情報を、エレベータ管理装置1a(詳細は後述する)に出力する。
【0137】
図22は、実施の形態2に係るエレベータ管理装置1aの構成例を示す図である。実施の形態2において、エレベータ管理装置1aは、第1宅配案内情報に加え、宅配ボックス200にて案内対象部屋への荷物が保管されている旨を案内するための第2宅配案内情報を出力可能とする。
図22において、実施の形態1にて図2を用いて説明したエレベータ管理装置1の構成と同様の構成については、同じ符号を付して重複した説明を省略する。
エレベータ管理装置1aは、実施の形態1にて説明したエレベータ管理装置1とは、部屋関連情報取得部17および部屋判定部18を備える点が異なる。なお、部屋関連情報取得部17および部屋判定部18は、「宅配案内処理」にて機能する。
また、エレベータ管理装置1aでは、宅配有無判定部15aおよび宅配案内出力制御部16aの具体的な動作が、それぞれ、実施の形態1に係るエレベータ管理装置1の宅配有無判定部15および宅配案内出力制御部16の具体的な動作とは異なる。
【0138】
部屋関連情報取得部17は、乗場機器3aまたはかご室内機器4aから出力された部屋関連情報を取得する。
【0139】
ユーザによってエレベータの乗場呼びまたはかご呼びが行われると、階床判定部14が案内対象階を判定する。
そして、宅配有無判定部15aは、実施の形態1に係るエレベータ管理装置1の宅配有無判定部15と同様、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されているか否かを判定する。そして、宅配案内出力制御部16aは、実施の形態1に係るエレベータ管理装置1の宅配案内出力制御部16と同様、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されている場合、第1宅配案内情報を出力し、宅配案内装置51,52に対して第1宅配案内情報に基づく出力をさせる。
これにより、ユーザは、乗場、または、かご400室内にて、宅配ボックス200にて案内対象階、言い換えれば、自分の居室がある階床への荷物が宅配ボックス200に届いていることを把握する。そして、ユーザは、例えば、荷物が届く憶えがある場合に、自分あての荷物の到着を把握する。
【0140】
しかし、案内対象階への荷物が届いていたとしても、ユーザ宛ての荷物とは限らない。そこで、実施の形態2において、ユーザは、案内対象階への荷物が届いていることを把握した後、さらに、居室に関する情報を入力することで、宅配ボックス200にて保管されている荷物は自分の居室あての荷物であるか否かの問合せを行う。具体的には、ユーザは、上述したように、乗場からであれば乗場機器3aの部屋登録ボタン36、かご400室内からであればかご室内機器4aの部屋登録ボタン45を操作して、部屋関連情報を入力する。乗場機器3aの部屋関連情報出力部38、または、かご室内機器4aの部屋関連情報出力部47は、部屋関連情報を、エレベータ管理装置1aに出力する。部屋関連情報取得部17は、このようにして、乗場機器3aまたはかご室内機器4aから出力された部屋関連情報を、取得する。
部屋関連情報取得部17は、取得した部屋関連情報を、部屋判定部18に出力する。
【0141】
部屋判定部18は、部屋関連情報取得部17が取得した部屋関連情報に基づき、宅配ボックス200における荷物の管理状況を案内する対象となる案内対象部屋を判定する。
部屋判定部18による案内対象部屋の判定について、具体例を挙げて説明する。
【0142】
例えば、部屋関連情報に含まれる番号の情報が、部屋番号の情報であったとする。この場合、部屋判定部18は、部屋関連情報に含まれる部屋番号の居室を、案内対象部屋と判定する。
また、例えば、部屋関連情報に含まれる番号の情報が、暗証番号の情報であったとする。この場合、部屋判定部18は、部屋関連情報に含まれる暗証番号と、予め記憶されている暗証番号情報とに基づき、案内対象部屋を判定する。例えば、7階の701号室の住人であるユーザが、予め、暗証番号「XX1234567ab」を登録していたとする。この場合、記憶部13には、「701号室」に関する情報と、暗証番号「XX1234567ab」とが対応付けられた暗証番号情報が記憶されている。そして、ユーザは、乗場またはかご室内において、暗証番号「XX1234567ab」を入力したとする。そうすると、部屋判定部18は、暗証番号「XX1234567ab」と暗証番号情報とを、暗証番号によってつきあわせ、「701号室」を案内対象部屋と判定する。
【0143】
部屋判定部18は、案内対象部屋を判定すると、判定した案内対象部屋に関する情報(以下「案内対象部屋情報」という。)を、宅配有無判定部15aに出力する。
案内対象部屋情報には、案内対象部屋を特定可能な情報と、案内対象部屋に関する部屋関連情報が乗場とかご400室内のいずれから出力されたものであるかを示す入力場所情報が含まれる。部屋判定部18は、入力場所情報を、部屋関連情報取得部17から出力された部屋関連情報から引き継げばよい。
【0144】
宅配有無判定部15aは、部屋判定部18が判定した案内対象部屋に関する案内対象部屋情報と宅配管理情報とに基づき、宅配ボックス200にて案内対象部屋への荷物が保管されているか否かを判定する。具体的には、宅配有無判定部15aは、部屋判定部18から出力された案内対象部屋情報と、記憶部13に記憶されている宅配管理情報とに基づき、案内対象部屋と宅配管理情報に含まれる部屋番号の情報とをつきあわせ、案内対象部屋に関する宅配管理情報があるか否かを判定する。宅配有無判定部15aは、案内対象部屋に関する宅配管理情報がある場合、宅配ボックス200にて案内対象部屋への荷物が保管されていると判定する。
【0145】
具体例を挙げて説明すると、例えば、記憶部13に記憶されている宅配管理情報が、実施の形態1にて図7を用いて説明したような宅配管理情報であったとし、部屋判定部18が、案内対象部屋は「701号室」であると判定したとする。この場合、「701号室」を示す情報が含まれた宅配管理情報が記憶部13に記憶されているので、宅配有無判定部15aは、宅配ボックス200にて案内対象部屋への荷物が保管されていると判定する。
また、例えば、記憶部13に記憶されている宅配管理情報が、図7にて説明したような宅配管理情報であったとし、部屋判定部18が、案内対象部屋は「705号室」であると判定したとする。この場合、「705号室」を示す情報が含まれた宅配管理情報が記憶部13には記憶されていないので、宅配有無判定部15aは、宅配ボックス200にて案内対象部屋への荷物が保管されていないと判定する。
【0146】
宅配有無判定部15aは、宅配ボックス200にて案内対象部屋への荷物が保管されていると判定したか否かの判定結果を、宅配案内出力制御部16aに出力する。このとき、宅配有無判定部15aは、部屋判定部18から出力された案内対象部屋情報も、あわせて宅配案内出力制御部16aに出力する。
【0147】
なお、宅配有無判定部15aは、上記に加え、上述したように、階床判定部14が判定した案内対象階に関する案内対象階情報と宅配管理情報とに基づく、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されているか否かの判定も行う。宅配有無判定部15aが行う、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されているか否かの判定の具体的な内容は、実施の形態1に係るエレベータ管理装置1の宅配有無判定部15が行う、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されているか否かの判定の具体的な内容と同様であるため、重複した説明を省略する。
【0148】
宅配案内出力制御部16aは、宅配有無判定部15aが、宅配ボックス200にて案内対象部屋への荷物が保管されていると判定した場合、エレベータの乗場、または、エレベータのかご400室内において、宅配ボックス200にて案内対象部屋への荷物が保管されている旨を案内するための宅配案内情報(第2宅配案内情報)を出力する。宅配案内出力制御部16aは、宅配有無判定部15aから出力された判定結果に基づき、宅配有無判定部15aが、宅配ボックス200にて案内対象部屋への荷物が保管されていると判定したか否かを判定する。
なお、宅配案内出力制御部16aは、宅配有無判定部15aが、宅配ボックス200にて案内対象部屋への荷物が保管されていないと判定した場合は、第2宅配案内情報の出力を行わない。
【0149】
宅配案内出力制御部16aによる第2宅配案内情報の出力について、詳細に説明する。以下、宅配案内出力制御部16aが乗場において第2宅配案内情報を出力する場合と、宅配案内出力制御部16aがエレベータのかご400室内において第2宅配案内情報を出力する場合とを分けて、それぞれ説明する。なお、以下の説明において具体例を挙げるとき、案内対象部屋は「701号室」であるものとする。
【0150】
宅配案内出力制御部16aは、宅配有無判定部15aから出力された案内対象部屋情報に基づき、第2宅配案内情報を乗場において出力するか、エレベータのかご400室内において出力するかを判定する。案内対象部屋情報に含まれている入力場所情報が、乗場を示す情報である場合、宅配案内出力制御部16aは、第2宅配案内情報を、乗場およびかご400室内において出力すると判定する。宅配案内出力制御部16aは、例えば、宅配有無判定部15aから出力された判定結果が、階床判定部14が乗場呼び情報を取得したことに起因して出力された判定結果であれば、宅配案内装置51が設置されているか否かの判定を行い、宅配案内装置51が設置されていないと判定した場合に、宅配案内装置52に対して第2宅配案内情報を出力するようにしてもよい。なお、この場合、宅配案内出力制御部16aは、宅配案内装置51への第2宅配案内情報の出力は行わない。
宅配案内出力制御部16aは、例えば、宅配案内装置51が設置されていると判定すれば、当該宅配案内装置51に対して第2宅配案内情報を出力し、宅配案内装置52に対しては第2宅配案内情報を出力しないようにしてもよい。このように、宅配案内出力制御部16aが第2宅配案内情報を宅配案内装置52に対して出力することは必須ではない。
一方、案内対象部屋情報に含まれている入力場所情報が、エレベータのかご400室内を示す情報である場合、宅配案内出力制御部16aは、第2宅配案内情報を、エレベータのかご400室内において出力すると判定する。
【0151】
まず、宅配案内出力制御部16aが乗場において第2宅配案内情報を出力する詳細について説明する。宅配案内出力制御部16aは、具体的には、乗場機器3aが備える宅配案内装置51に対して、第2宅配案内情報を出力する。例えば、宅配案内装置51が表示装置である場合、宅配案内出力制御部16aは、表示装置に対して第2宅配案内情報を出力することで、「701号室の荷物が届いています」等、ユーザが案内対象部屋に荷物が届いていることを把握可能なメッセージを表示させる。また、例えば、宅配案内装置51がスピーカである場合、宅配案内出力制御部16aは、スピーカに対して第2宅配案内情報を出力することで、「701号室の荷物が届いています」等、ユーザが案内対象部屋に荷物が届いていることを把握可能な音声を出力させる。また、例えば、宅配案内装置51がLEDランプである場合、宅配案内出力制御部16aは、LEDランプに対して第2宅配案内情報を出力することで、701号室の荷物が届いていることを示す色でLEDランプを点灯させる。なお、居室毎に、荷物が届いていることを案内するためのLEDランプの点灯色または点灯方法等が、予め決められているものとする。
プライバシー保護の観点から、宅配案内出力制御部16aは、「荷物が届いています」というように、部屋番号は伏せて、メッセージを表示または音声出力するようにしてもよい。
宅配案内出力制御部16aは、上述の具体例にて挙げたような、宅配案内装置51に対する第2宅配案内情報の出力を組み合わせるようにしてもよい。
【0152】
図23は、実施の形態2において、宅配案内出力制御部16aが乗場に設置されている宅配案内装置51に対して第2宅配案内情報を出力したイメージの一例を示す図である。
図23では、一例として、宅配案内装置51は音声出力装置とし、宅配案内出力制御部16aは、音声出力装置に対して第2宅配案内情報を出力することで、「荷物が届いています」との音声を出力させたものとしている。
また、宅配案内装置51は、例えば、LEDランプとし、宅配案内出力制御部16aは、実施の形態1において図9および図10を用いて説明したように、宅配案内装置51に対して第2宅配案内情報を出力し、宅配案内装置51を点灯させるようにしてもよい。
【0153】
このように、宅配案内出力制御部16aは、乗場に設置されている宅配案内装置51に対して第2宅配案内情報を出力することで、乗場から問合せを行ったユーザに、自分の居室への荷物が届いていることを把握させることができる。ユーザは、帰宅時または外出時等のエレベータ利用の動線の中で、自分の居住階への荷物が届いていることを案内される場合よりも確実に、自分宛ての荷物が届いていることを把握することができる。
【0154】
次に、宅配案内出力制御部16aがエレベータのかご400室内において第2宅配案内情報を出力する詳細について説明する。
宅配案内出力制御部16aは、具体的には、かご室内機器4aが備える宅配案内装置52に対して、第2宅配案内情報を出力する。宅配案内出力制御部16aが宅配案内装置52に対して第2宅配案内情報を出力し、宅配案内装置52に第2宅配案内情報に基づく出力をさせる具体的な方法は、上述の、宅配案内出力制御部16aが宅配案内装置51に対して第2宅配案内情報を出力し、宅配案内装置51に第2宅配案内情報に基づく出力をさせる具体的な方法と同様であるため、重複した説明を省略する。
【0155】
図24は、実施の形態2において、宅配案内出力制御部16aがかご400室内に設置されている宅配案内装置52に対して第2宅配案内情報を出力したイメージの一例を示す図である。
図24では、一例として、宅配案内装置52は音声出力装置とし、宅配案内出力制御部16aは、当該音声出力装置に対して第2宅配案内情報を出力することで、「荷物が届いています」との音声を出力させたものとしている。
また、宅配案内装置52は、例えば、LEDランプとし、宅配案内出力制御部16aは、実施の形態1において図9および図10を用いて説明したように、宅配案内装置52に対して第2宅配案内情報を出力し、宅配案内装置52を点灯させるようにしてもよい。
【0156】
このように、宅配案内出力制御部16aは、かご400室内に設置されている宅配案内装置52に対して第2宅配案内情報を出力することで、かご400に乗り込んだユーザに、自分の居室への荷物が届いていることを把握させることができる。ユーザは、帰宅時または外出時等のエレベータ利用の動線の中で、自分の居住階への荷物が届いていることを案内される場合よりも確実に、自分宛ての荷物が届いていることを把握することができる。
【0157】
宅配案内出力制御部16aは、乗場にてユーザによって部屋関連情報の入力が行われた場合、乗場機器3aに対応する宅配案内装置51および宅配案内装置52に対して、第2宅配案内情報を出力する。どの階床のエレベータの乗場に設置されているどの乗場機器3aから部屋関連情報の入力が行われたかの情報は、部屋関連情報に含まれているものとする。宅配案内出力制御部16aは、部屋判定部18、および、宅配有無判定部15aを介して部屋関連情報を取得し、どの乗場機器3aから部屋関連情報の入力が行われたかを判定すればよい。また、乗場機器3aに対応する宅配案内装置52は、当該乗場機器3aから乗場呼びが行われた際に乗場階まで走行させられたかご400のかご室内機器4aに備えられている宅配案内装置52である。宅配案内出力制御部16aは、例えば、エレベータ制御部102から乗場機器3aに対応する宅配案内装置52に関する情報を取得すればよい。
【0158】
また、宅配案内出力制御部16aは、かご400室内にてユーザによって部屋関連情報の入力が行われた場合、かご室内機器4aに対応する宅配案内装置52に対して、第2宅配案内情報を出力する。どのかご400室内に設置されているかご室内機器4aから部屋関連情報の入力が行われたかの情報は、部屋関連情報に含まれているものとする。宅配案内出力制御部16aは、部屋判定部18、および、宅配有無判定部15aを介して部屋関連情報を取得し、どのかご室内機器4aから部屋関連情報の入力が行われたかを判定すればよい。
【0159】
なお、宅配案内出力制御部16aは、上記に加え、上述したように、宅配有無判定部15aが、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されていると判定した場合、エレベータの乗場、または、エレベータのかご400室内における、第1宅配案内情報の出力も行う。宅配案内出力制御部16aが行う、第1宅配案内情報の出力の具体的な内容は、実施の形態1に係るエレベータ管理装置1の宅配案内出力制御部16が行う、第1宅配案内情報の出力の具体的な内容と同様であるため、重複した説明を省略する。
【0160】
実施の形態2に係るエレベータ管理装置1aの動作について説明する。
なお、エレベータ管理装置1aが行う「宅配管理情報蓄積処理」の具体的な動作は、図13を用いて説明済みの、実施の形態1に係るエレベータ管理装置1が行う「宅配管理情報蓄積処理」の具体的な動作と同様であるため、重複した説明を省略する。
エレベータ管理装置1aが行う「宅配案内処理」の具体的な動作について説明する。
図25は、実施の形態2に係るエレベータ管理装置1aが行う「宅配案内処理」の動作を説明するためのフローチャートである。
エレベータ管理装置1aは、エレベータ制御装置100aの呼び情報取得部101から呼び情報が出力されたことを契機に、図25のフローチャートで示す動作を行う。
【0161】
図25のステップST2501~ステップST2503の具体的な動作は、それぞれ、実施の形態1において図14を用いて説明済みの、図14のステップST1401~ステップST1403の具体的な動作と同様であるため、重複した説明を省略する。
【0162】
部屋関連情報取得部17は、乗場機器3aまたはかご室内機器4aから出力された部屋関連情報を取得すると(ステップST2504の“YES”の場合)、取得した部屋関連情報を、部屋判定部18に出力する。
【0163】
部屋関連情報取得部17が部屋関連情報を取得しない場合(ステップST2504の“NO”の場合)、エレベータ管理装置1aは、図25のフローチャートで示す処理を終了する。
【0164】
部屋判定部18は、ステップST2504にて部屋関連情報取得部17が取得した部屋関連情報に基づき、宅配ボックス200における荷物の管理状況を案内する対象となる案内対象部屋を判定する(ステップST2505)。
部屋判定部18は、案内対象部屋を判定すると、判定した案内対象部屋に関する案内対象部屋情報を、宅配有無判定部15aに出力する。
【0165】
宅配有無判定部15aは、ステップST2505にて部屋判定部18が判定した案内対象部屋に関する案内対象部屋情報と宅配管理情報とに基づき、宅配ボックス200にて案内対象部屋への荷物が保管されているか否かを判定する。具体的には、宅配有無判定部15aは、部屋判定部18から出力された案内対象部屋情報と、記憶部13に記憶されている宅配管理情報とに基づき、案内対象部屋と宅配管理情報に含まれる部屋番号の情報とをつきあわせ、案内対象部屋に関する宅配管理情報があるか否かを判定する(ステップST2506)。
宅配有無判定部15aは、宅配ボックス200にて案内対象部屋への荷物が保管されていると判定したか否かの判定結果を、宅配案内出力制御部16aに出力する。このとき、宅配有無判定部15aは、部屋判定部18から出力された案内対象部屋情報も、あわせて宅配案内出力制御部16aに出力する。
【0166】
宅配案内出力制御部16aは、ステップST2506にて、宅配有無判定部15aが、宅配ボックス200にて案内対象部屋への荷物が保管されていると判定した場合、エレベータの乗場、または、エレベータのかご400室内において、宅配ボックス200にて案内対象部屋への荷物が保管されている旨を案内するための第2宅配案内情報を出力する(ステップST2507)。
なお、宅配案内出力制御部16aは、宅配有無判定部15aが、宅配ボックス200にて案内対象部屋への荷物が保管されていないと判定した場合は、第2宅配案内情報の出力を行わない。
【0167】
図25のフローチャートを用いて説明した、エレベータ管理装置1aによる「宅配案内処理」について、詳細に説明する。
実施の形態2に係るエレベータ管理装置1aによる「宅配案内処理」は、実施の形態1に係るエレベータ管理装置1による「宅配案内処理」とは、第1宅配案内情報を出力した後に、続いて部屋関連情報を取得した場合は、当該部屋関連情報に基づいて案内対象部屋への荷物が保管されているか否かを判定し、判定結果に基づいて第2宅配案内情報を出力するようにした点が異なる。
以下、ユーザが乗場にて乗場機器3の行先階登録ボタン32を操作して行先階を登録したものとして、エレベータ管理装置1aによる「宅配案内処理」の動作について、具体例を挙げながら、詳細に説明する。なお、以下の説明では、一例として、宅配案内装置51,52は、音声出力装置とする。
【0168】
ユーザは、エレベータを利用しようとエレベータの乗場まで来ると、乗場にて乗場機器3aを操作して乗場呼びを行う。なお、このとき、ユーザは行先階を登録する。乗場機器3aからは、乗場呼び情報が出力され、エレベータ管理装置1aは、エレベータ制御装置100aを介して当該乗場呼び情報を取得する。乗場呼び情報は行先階に関する情報を含む。
ここで、図26は、実施の形態2において、ユーザによってエレベータの乗場呼びが行われた場合に、言い換えれば、エレベータ制御装置100aの呼び情報取得部101から乗場呼び情報を取得した場合にエレベータ管理装置1aが行う「宅配案内処理」の詳細について説明するためのフローチャートである。
図26のステップST2601~ステップST2605の具体的な動作は、それぞれ、実施の形態1において図15を用いて説明済みの、図15のステップST1501~ステップST1505の具体的な動作と同様であるため、重複した説明を省略する。
【0169】
ステップST2605にて、宅配案内出力制御部16aが、エレベータの乗場、および、かご400室内にて第1宅配案内情報を出力した後、部屋関連情報取得部17は、乗場機器3aから出力された部屋関連情報を取得すると(ステップST2606の“YES”の場合)、取得した部屋関連情報を、部屋判定部18に出力する。例えば、7階の701号室の居住者であるユーザが、701号室に関する部屋関連情報を入力したとする。この場合、部屋関連情報取得部17は、701号室に関する部屋関連情報を取得し、部屋判定部18に出力する。
一方、部屋関連情報取得部17が部屋関連情報を取得しない場合(ステップST2606の“NO”の場合)、エレベータ管理装置1aは、図26のフローチャートで示す処理を終了する。
【0170】
部屋判定部18は、ステップST2606にて部屋関連情報取得部17が取得した部屋関連情報に基づき、宅配ボックス200における荷物の管理状況を案内する対象となる案内対象部屋を判定する(ステップST2607)。例えば、上述の例でいうと、部屋判定部18は、「701号室」を案内対象部屋と判定する。
部屋判定部18は、案内対象部屋を判定すると、判定した案内対象部屋に関する案内対象部屋情報を、宅配有無判定部15aに出力する。
【0171】
宅配有無判定部15aは、ステップST2607にて部屋判定部18が判定した案内対象部屋に関する案内対象部屋情報と宅配管理情報とに基づき、宅配ボックス200にて案内対象部屋への荷物が保管されているか否かを判定する(ステップST2608)。ステップST2608の具体的な動作は、図25のステップST2506の具体的な動作と同様である。
【0172】
宅配案内出力制御部16aは、ステップST2608にて、宅配有無判定部15aが、宅配ボックス200にて案内対象部屋への荷物が保管されていると判定した場合、エレベータの乗場、および、かご400室内において、宅配ボックス200にて案内対象部屋への荷物が保管されている旨を案内するための第2宅配案内情報を出力する(ステップST2609)。例えば、宅配有無判定部15aが「701号室」への荷物が保管されていると判定すると、宅配案内出力制御部16aは、宅配案内装置51および宅配案内装置52に対して第2宅配案内情報を出力する。そして、宅配案内装置51は、第2宅配案内情報に基づき、乗場にて、例えば、「荷物が届いています」と音声出力することになる。また、宅配案内装置52は、かご400室内にて、例えば、「荷物が届いています」と音声出力することになる。なお、ステップST2609にて宅配案内出力制御部16aが宅配案内装置52に対して第2宅配案内情報を出力することは必須ではない。
これにより、ユーザは、自分の居室である701号室への荷物が届いていることを把握する。例えば、ユーザが外出先から帰宅した場合であれば、1階にて701号室への荷物が届いていることが案内される。ユーザは、例えば、宅配ボックス室まで行き、荷物をピックアップすることができる。また、例えば、ユーザが外出する場合であれば、7階にて701号室への荷物が届いていることが案内される。ユーザは、例えば、帰宅の際に宅配ボックス室に寄って、荷物をピックアップすることができる。
【0173】
一方、宅配有無判定部15aが、宅配ボックス200にて案内対象部屋への荷物が保管されていないと判定した場合、宅配案内出力制御部16aは、第2宅配案内情報の出力を行わない。すなわち、701号室への荷物が届いていることの案内はされない。
例えば、ユーザが外出先から帰宅した場合であっても、ユーザが外出する場合であっても、乗場にて、および、乗場呼びを行った後ユーザがかご400に乗り込んだ際に、荷物が届いていることの案内はされない。ユーザは、そのままかご400に乗り込み、移動する。なお、ユーザは、既に乗場にて行先階の登録を行っているため、かご400室内では行先階の登録は行わない。よって、かご室内機器4aは、かご呼び情報を出力しない。そのため、エレベータ管理装置1aは、かご400室内における第1宅配案内情報の出力は行わない。また、エレベータ管理装置1aは、かご400室内における第2宅配案内情報の出力も行わない。
【0174】
以上の説明では、ユーザが乗場にて行先階登録ボタン32を操作して行先階を登録したものとしていた。しかし、上述のとおり、ユーザは、乗場にて行先階を登録することを必須としない。そこで、以下、ユーザが乗場にて行先階を登録しなかった場合の、エレベータ管理装置1aによる「宅配案内処理」の動作について、具体例を挙げながら、詳細に説明する。以下の説明でも、一例として、宅配案内装置51,52は、音声出力装置とする。
なお、乗場機器3aが行先階登録ボタン32を備えない場合も、エレベータ管理装置1aは、以下に説明する動作と同様の動作を行う。
【0175】
ユーザは、エレベータを利用しようとエレベータの乗場まで来ると、乗場にて乗場機器3aを操作して乗場呼びを行う。なお、このとき、ユーザは行先階を登録しない。乗場機器3aからは、乗場呼び情報が出力され、エレベータ管理装置1aは、エレベータ制御装置100aを介して当該乗場呼び情報を取得する。乗場呼び情報は行先階に関する情報を含まない。
そして、エレベータ管理装置1aは、図26で示すフローチャートに沿った動作を行う。この場合の、乗場にて第1宅配案内情報が出力されるまでの具体的な動作は、実施の形態1において図15を用いて説明済みの、ユーザが乗場呼びの際に行先階の登録を行っていない場合に、エレベータ管理装置1によって乗場にて第1宅配案内情報が出力されるまでの具体的な動作と同様であるため、重複した説明を省略する。
【0176】
ここでは、ユーザは、乗場呼びの際に行先階の登録を行っていないので、続いて、かご400に乗り込み、かご400室内にて、かご室内機器4aの行先階登録ボタン41を操作して行先階を登録することになる。かご呼びが行われると、かご室内機器4aからは、かご呼び情報が出力され、エレベータ管理装置1aは、エレベータ制御装置100aを介して当該かご呼び情報を取得する。
ここで、図27は、実施の形態2において、ユーザによってエレベータのかご呼びが行われた場合に、言い換えれば、エレベータ制御装置100aの呼び情報取得部101からかご呼び情報を取得した場合にエレベータ管理装置1aが行う「宅配案内処理」の詳細について説明するためのフローチャートである。
図27のステップST2701~ステップST2705の具体的な動作は、それぞれ、実施の形態1において図16を用いて説明済みの、図16のステップST1601~ステップST1605の具体的な動作と同様であるため、重複した説明を省略する。
【0177】
ステップST2705にて、宅配案内出力制御部16aが、かご400室内にて第1宅配案内情報を出力した後、部屋関連情報取得部17は、かご室内機器4aから出力された部屋関連情報を取得すると(ステップST2706の“YES”の場合)、取得した部屋関連情報を、部屋判定部18に出力する。例えば、7階の701号室の居住者であるユーザが、701号室に関する部屋関連情報を入力したとする。この場合、部屋関連情報取得部17は、701号室に関する部屋関連情報を取得し、部屋判定部18に出力する。
一方、部屋関連情報取得部17が部屋関連情報を取得しない場合(ステップST2706の“NO”の場合)、エレベータ管理装置1aは、図27のフローチャートで示す処理を終了する。
【0178】
部屋判定部18は、ステップST2706にて部屋関連情報取得部17が取得した部屋関連情報に基づき、宅配ボックス200における荷物の管理状況を案内する対象となる案内対象部屋を判定する(ステップST2707)。例えば、上述の例でいうと、部屋判定部18は、「701号室」を案内対象部屋と判定する。
部屋判定部18は、案内対象部屋を判定すると、判定した案内対象部屋に関する案内対象部屋情報を、宅配有無判定部15aに出力する。
【0179】
宅配有無判定部15aは、ステップST2707にて部屋判定部18が判定した案内対象部屋に関する案内対象部屋情報と宅配管理情報とに基づき、宅配ボックス200にて案内対象部屋への荷物が保管されているか否かを判定する(ステップST2708)。ステップST2708の具体的な動作は、図25のステップST2506の具体的な動作と同様である。
【0180】
宅配案内出力制御部16aは、ステップST2708にて、宅配有無判定部15aが、宅配ボックス200にて案内対象部屋への荷物が保管されていると判定した場合、かご400室内において、宅配ボックス200にて案内対象部屋への荷物が保管されている旨を案内するための第2宅配案内情報を出力する(ステップST2709)。例えば、宅配有無判定部15aが「701号室」への荷物が保管されていると判定すると、宅配案内出力制御部16aは、宅配案内装置52に対して第2宅配案内情報を出力する。そして、宅配案内装置52は、第2宅配案内情報に基づき、乗場にて、例えば、「荷物が届いています」と音声出力することになる。
これにより、ユーザは、かご400室内にて自分の居室である701号室への荷物が届いていることを把握する。例えば、ユーザが外出先から帰宅した場合であれば、1階から乗り込んだかご400室内にて701号室への荷物が届いていることが案内される。ユーザは、例えば、かご400から降りて宅配ボックス室まで行き、荷物をピックアップすることができる。また、例えば、ユーザが外出する場合であれば、7階から乗り込んだかご400室内にて701号室への荷物が届いていることが案内される。ユーザは、例えば、帰宅の際に宅配ボックス室に寄って、荷物をピックアップすることができる。
【0181】
一方、宅配有無判定部15aが、宅配ボックス200にて案内対象部屋への荷物が保管されていないと判定した場合、宅配案内出力制御部16aは、第2宅配案内情報の出力を行わない。すなわち、701号室への荷物が届いていることの案内はされない。
例えば、ユーザが外出先から帰宅した場合であっても、ユーザが外出する場合であっても、ユーザは、そのままかご400にて移動する。
【0182】
このように、エレベータ管理装置1aは、部屋関連情報を取得して案内対象部屋を判定し、宅配ボックス200にて当該案内対象部屋への荷物が保管されているかを判定するようにする。そして、エレベータ管理装置1aは、宅配ボックス200にて案内対象部屋への荷物が保管されている場合、エレベータの乗場、または、エレベータのかご400室内において、第2宅配案内情報を出力する。
これにより、エレベータ管理装置1aは、ユーザに対して、帰宅時または外出時等のエレベータ利用の動線の中で、自分の居住階への荷物が届いていることを案内される場合よりも確実に、自分宛ての荷物が届いていることを把握させることができる。
【0183】
実施の形態2に係るエレベータ管理装置1aのハードウェア構成は、実施の形態1において図17A図17Bにて示したハードウェア構成と同様である。
実施の形態2において、部屋関連情報取得部17と、部屋判定部18と、宅配有無判定部15aと、宅配案内出力制御部16aの機能は、処理回路1701により実現される。すなわち、エレベータ管理装置1aは、宅配ボックス200にて案内対象部屋への荷物が保管されていると判定した場合、エレベータの乗場、または、エレベータのかご400室内において、案内対象部屋への荷物が保管されている旨を案内するための第2宅配案内情報を出力するための処理回路1701を備える。
処理回路1701は、メモリ1705に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、部屋関連情報取得部17と、部屋判定部18と、宅配有無判定部15aと、宅配案内出力制御部16aの機能を実行する。すなわち、エレベータ管理装置1aは、処理回路1701により実行されるときに、上述の図25のステップST2504~ステップST2507が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ1705を備える。また、メモリ1705に記憶されたプログラムは、部屋関連情報取得部17と、部屋判定部18と、宅配有無判定部15aと、宅配案内出力制御部16aの手順または方法をコンピュータに実行させるものであるとも言える。
エレベータ管理装置1aは、宅配ボックス管理装置2、乗場機器3a、または、かご室内機器4a等の装置と、有線通信または無線通信を行う入力インタフェース装置1702および出力インタフェース装置1703を備える。
【0184】
なお、以上の実施の形態2において、エレベータ管理装置1aは「宅配管理情報蓄積処理」を行うことを必須としない。例えば、エレベータ管理装置1aの外部の、エレベータ管理装置1a以外の装置が、「宅配管理情報蓄積処理」を行うようにしてもよい。この場合、エレベータ管理装置1aは、宅配管理情報取得部11および宅配管理情報記憶制御部12を備えない構成とすることができる。
【0185】
また、以上の実施の形態2では、エレベータ管理装置1aにおいて、宅配案内出力制御部16aは、宅配有無判定部15aが、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されていないと判定した場合は、第1宅配案内情報の出力を行わないものとした。しかし、これは一例に過ぎない。
例えば、宅配案内出力制御部16aは、宅配有無判定部15aが、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されていないと判定した場合は、案内対象階への荷物が保管されていないことを案内するための第1宅配案内情報を出力するようにしてもよい。
また、以上の実施の形態2では、エレベータ管理装置1aにおいて、宅配案内出力制御部16aは、宅配有無判定部15aが、宅配ボックス200にて案内対象部屋への荷物が保管されていないと判定した場合は、第2宅配案内情報の出力を行わないものとした。しかし、これは一例に過ぎない。
例えば、宅配案内出力制御部16aは、宅配有無判定部15aが、宅配ボックス200にて案内対象部屋への荷物が保管されていないと判定した場合は、案内対象部屋への荷物が保管されていないことを案内するための第2宅配案内情報を出力するようにしてもよい。
【0186】
また、以上の実施の形態2において、ユーザが、自分の居室がある一般階床から他の一般階床へ、または、他の一般階床から自分の居室がある一般階床へ、エレベータにて移動する場合を想定し、階床判定部14は、乗場呼びが主階床で行われたか否かに関わらず(図26のステップST2601参照)、行先階と、乗場呼びが行われた階床の両方を、案内対象階と判定するようにしてもよい。このように、階床判定部14は、案内対象階を複数判定することができる。この場合、宅配有無判定部15aは、階床判定部14が判定した全ての案内対象階について、宅配ボックス200にて案内対象階への荷物が保管されているか否かの判定を行う。宅配案内出力制御部16aは、第1宅配案内情報の出力によって、どの案内対象階への荷物が保管されているかがわかるように案内する。
【0187】
以上のように、実施の形態2によれば、エレベータ管理装置1aは、実施の形態1に係るエレベータ管理装置1の構成に加え、建物内の居室に関する部屋関連情報を取得する部屋関連情報取得部17と、部屋関連情報取得部17が取得した部屋関連情報に基づき、宅配ボックス200における荷物の管理状況を案内する対象となる案内対象部屋を判定する部屋判定部18を備え、宅配有無判定部15aは、部屋判定部18が判定した案内対象部屋に関する案内対象部屋情報と、宅配管理情報とに基づき、宅配ボックス200にて案内対象部屋への荷物が保管されているか否かを判定し、宅配案内出力制御部16aは、宅配有無判定部15aが、宅配ボックス200にて案内対象部屋への荷物が保管されていると判定した場合、宅配ボックス200にて案内対象部屋への荷物が保管されている旨を案内するための第2の宅配案内情報を出力するように構成した。
そのため、エレベータ管理装置1aは、居住者に対して、帰宅時または外出時等のエレベータ利用の動線の中で、自分の居住階への荷物が届いていることを案内される場合よりも確実に、自分宛ての荷物が届いていることを把握させることができる。
【0188】
実施の形態3.
以上の実施の形態1および実施の形態2では、ユーザは、乗場にて乗場機器3,3aの乗場呼びボタン31を直接操作して、乗場呼びを行うものとしていた。
実施の形態3では、ユーザが、例えば、スマートフォン等の携帯端末を用いて乗場呼びまたはかご呼びを行うことを可能とした実施の形態について説明する。
【0189】
以下、一例として、実施の形態1に係るエレベータ管理システム1000において、ユーザが携帯端末6(後述の図28)を用いて乗場呼びかご呼びを行うことを可能としたものとして、説明する。
実施の形態3において、ユーザが携帯端末6から乗場呼びまたはかご呼びを行う場合、携帯端末6からはユーザの属性に関する情報(以下「個人属性情報」という。)が送信され、エレベータ管理装置1b(後述の図28参照)は、携帯端末6から送信されたユーザの個人属性情報に基づいて案内対象階を判定する。
【0190】
図28は、実施の形態1に係るエレベータ管理装置1に実施の形態3を適用し、ユーザが携帯端末6から乗場呼びまたはかご呼びを行うことができるようにした、実施の形態3に係るエレベータ管理装置1bを備えたエレベータ管理システム1000bの概要のイメージを示す図である。
図28において、実施の形態1にて図1を用いて説明したエレベータ管理システム1000の概要と同様の構成については、同じ符号を付して重複した説明を省略する。
実施の形態3に係るエレベータ管理システム1000bでは、ユーザは、携帯端末6を操作して、乗場呼びまたはかご呼びを行うことができることを前提とする。なお、ここでは、ユーザは、実施の形態1同様、乗場機器3の乗場呼びボタン31を直接操作することでも、乗場呼びを行えることを想定している。また、ユーザは、実施の形態1同様、かご室内機器4の行先階登録ボタン41を直接操作することでも、かご呼びを行えることを想定している。
実施の形態3に係るエレベータ管理システム1000bは、実施の形態1に係るエレベータ管理システム1000とは、エレベータ制御装置100bが、ユーザが所持している携帯端末6とネットワークを介して接続可能とした点が異なる。
【0191】
また、実施の形態3に係るエレベータ管理システム1000bでは、エレベータ制御装置100bの具体的な動作と、エレベータ管理装置1bの具体的な動作が異なる。エレベータ制御装置100bおよびエレベータ管理装置1bの具体的な動作の詳細は、後述する。
【0192】
ユーザは、例えば、エレベータの乗場に到着すると、携帯端末6を操作して、乗場階および行先階を登録する。
携帯端末6の制御部(図示省略)は、ユーザによって登録された乗場階および行先階を受け付けると、受け付けた乗場階および行先階に基づいて、乗場呼び情報を生成する。乗場呼び情報には、乗場呼びが行われた階床、言い換えれば、乗場階を特定可能な情報と、行先階を特定可能な情報と、行先方向を特定可能な情報と、ユーザの個人属性情報が含まれる。個人属性情報には、ユーザの居住階およびユーザの居室の部屋番号が含まれる。当該個人属性情報は、例えば、予め携帯端末6に登録されているものとする。また、例えば、ユーザが乗場呼びを行う際に携帯端末6を操作して個人属性情報を入力するようにしてもよい。なお、行先方向について、制御部は、乗場階と行先階がわかれば、行先方向を特定できる。
制御部は、生成した乗場呼び情報を、エレベータ制御装置100bに出力する。
また、ユーザは、例えば、かご400に乗り込むと、かご400室内にて、携帯端末6を操作して、行先階を登録する。
携帯端末6の制御部は、ユーザによって登録された行先階を受け付けると、受け付けた行先階に基づいて、かご呼び情報を生成する。かご呼び情報には、行先階を特定可能な情報と、上述したようなユーザの個人属性情報が含まれる。かご呼び情報には、例えば、かご呼びが行われたかご400を特定可能な情報が含まれていてもよい。
制御部は、生成したかご呼び情報を、エレベータ制御装置100bに出力する。
【0193】
図29は、実施の形態1に係るエレベータ管理装置1に適用した実施の形態3に係るエレベータ管理装置1bを搭載するエレベータ制御装置100bの構成例を示す図である。
エレベータ制御装置100bは、実施の形態1において図2を用いて説明したエレベータ制御装置100とは、呼び情報取得部101aの具体的な動作が異なる。
また、エレベータ管理装置1bは、実施の形態1において図2を用いて説明したエレベータ管理装置1とは、階床判定部14aの具体的な動作が異なる。
【0194】
エレベータ制御装置100bの呼び情報取得部101aは、ユーザが所持している携帯端末6から乗場呼び情報が出力された場合、当該乗場呼び情報を取得する。また、エレベータ制御装置100bの呼び情報取得部101aは、ユーザが所持している携帯端末6からかご呼び情報が出力された場合、当該かご呼び情報を取得する。
呼び情報取得部101aは、取得した呼び情報を、エレベータ制御部102およびエレベータ管理装置1bの階床判定部14aに出力する。
なお、上述した動作以外に、呼び情報取得部101aは、実施の形態1にて説明した呼び情報取得部101と同様の動作も行う。すなわち、呼び情報取得部101aは、乗場機器3の乗場呼び情報出力部34から出力された乗場呼び情報、または、かご室内機器4のかご呼び情報出力部43から出力されたかご呼び情報を取得する。そして、呼び情報取得部101aは、取得した呼び情報を、エレベータ制御部102およびエレベータ管理装置1bの階床判定部14aに出力する。
【0195】
エレベータ管理装置1bの階床判定部14aは、エレベータ制御装置100bの呼び情報取得部101aから呼び情報を取得し、当該呼び情報に基づき、宅配ボックス200における荷物の管理状況を案内する対象となる案内対象階を判定する。
その際、階床判定部14aは、呼び情報に個人属性情報が含まれている場合は、当該個人属性情報に基づいて案内対象階を判定する。具体的には、階床判定部14aは、個人属性情報に含まれている、ユーザの居住階に関する情報から、ユーザの居住階を特定し、案内対象階と判定する。
階床判定部14aは、呼び情報に個人属性情報が含まれていない場合は、実施の形態1にて説明した階床判定部14が案内対象階を判定する方法と同様の方法で、案内対象階を判定する。
階床判定部14aは、案内対象階を判定すると、判定した案内対象階に関する案内対象階情報を、宅配有無判定部15に出力する。
案内対象階情報には、案内対象階を特定可能な情報が含まれる。このとき、階床判定部14aは、案内対象階情報と対応付けて、呼び情報取得部101aから取得した呼び情報を、宅配有無判定部15に出力する。なお、階床判定部14aは、かご呼びが行われた階床の情報を取得した場合は、当該かご呼びが行われた階床の情報もあわせて宅配有無判定部15に出力する。
【0196】
実施の形態3に係るエレベータ管理装置1bの動作について説明する。
実施の形態3に係るエレベータ管理装置1bの基本的な動作は、図13および図14を用いて説明した、実施の形態1に係るエレベータ管理装置1の基本的な動作と同様である。
実施の形態3に係るエレベータ管理装置1bでは、実施の形態1において図15および図16で説明した、「宅配案内処理」における詳細な動作が、実施の形態1に係るエレベータ管理装置1とは異なる。
【0197】
図30は、実施の形態1に適用した実施の形態3において、ユーザによってエレベータの乗場呼びが行われた場合に、言い換えれば、エレベータ制御装置100bの呼び情報取得部101aから乗場呼び情報を取得した場合にエレベータ管理装置1bが行う「宅配案内処理」の詳細について説明するためのフローチャートである。
図30において、ステップST3003~ステップST3007の具体的な動作は、それぞれ、実施の形態1にて説明済みの、図15のステップST1501~ステップST1505の具体的な動作と同様であるため、重複した説明を省略する。
【0198】
階床判定部14aは、取得した乗場呼び情報に個人属性情報が含まれているか否かを判定する(ステップST3001)。
乗場呼び情報に個人属性情報が含まれている場合(ステップST3001の“YES”の場合)、階床判定部14aは、個人属性情報に基づいて案内対象階を判定する(ステップST3002)。具体的には、階床判定部14aは、個人属性情報に含まれている、ユーザの居住階に関する情報から、ユーザの居住階を特定し、案内対象階と判定する。
【0199】
図31は、実施の形態1に適用した実施の形態3において、ユーザによってエレベータのかご呼びが行われた場合に、言い換えれば、エレベータ制御装置100bの呼び情報取得部101aからかご呼び情報を取得した場合にエレベータ管理装置1bが行う「宅配案内処理」の詳細について説明するためのフローチャートである。
図31において、ステップST3103~ステップST3107の具体的な動作は、それぞれ、実施の形態1にて説明済みの、図16のステップST1601~ステップST1605の具体的な動作と同様であるため、重複した説明を省略する。
【0200】
階床判定部14aは、取得したかご呼び情報に個人属性情報が含まれているか否かを判定する(ステップST3101)。
かご呼び情報に個人属性情報が含まれている場合(ステップST3101の“YES”の場合)、階床判定部14aは、個人属性情報に基づいて案内対象階を判定する(ステップST3102)。具体的には、階床判定部14aは、個人属性情報に含まれている、ユーザの居住階に関する情報から、ユーザの居住階を特定し、案内対象階と判定する。
【0201】
このように、ユーザが携帯端末6から乗場呼びまたはかご呼びを行うことを可能な場合、携帯端末6から出力される乗場呼び情報またはかご呼び情報には、ユーザの居住階に関する情報を含む個人属性情報が含まれるようにし、エレベータ管理装置1bは、個人属性情報に含まれている居住階に関する情報に基づいて案内対象階を判定する。
これにより、ユーザは、携帯端末6から乗場呼びまたはかご呼びを行うという機能を利用するとともに、帰宅時または外出時等のエレベータ利用の動線の中で、例えば、荷物が届く憶えがある場合に、自分あての荷物の到着を把握することができる。
【0202】
なお、以上の実施の形態3では、実施の形態1に係るエレベータ管理装置1およびエレベータ管理システム1000において、ユーザが携帯端末6から乗場呼びを行うことができるようにした。これは一例に過ぎず、実施の形態2に係るエレベータ管理装置1aおよびエレベータ管理システム1000aにおいて、ユーザが携帯端末6から乗場呼びまたはかご呼びを行うことができるようにすることもできる。この場合、エレベータ管理装置1c(後述の図32参照)は、携帯端末6から送信された乗場呼び情報またはかご呼び情報に基づいて、案内対象階および案内対象部屋を判定することができる。
【0203】
図32は、実施の形態2に係るエレベータ管理装置1aに実施の形態3を適用し、ユーザが携帯端末6から乗場呼びまたはかご呼びを行うことができるようにした、実施の形態3に係るエレベータ管理装置1cを備えたエレベータ管理システム1000cの概要のイメージを示す図である。
図32において、実施の形態2にて図19を用いて説明したエレベータ管理システム1000aの概要と同様の構成については、同じ符号を付して重複した説明を省略する。
ユーザは、携帯端末6を操作して、乗場呼びまたはかご呼びを行うことができる。また、ユーザは、実施の形態2同様、乗場機器3aの乗場呼びボタン31を直接操作することでも、乗場呼びを行えることを想定している。また、ユーザは、実施の形態2同様、かご室内機器4aの行先階登録ボタン41を直接操作することでも、かご呼びを行えることを想定している。
エレベータ管理システム1000cは、実施の形態2に係るエレベータ管理システム1000aとは、エレベータ制御装置100cが、ユーザが所持している携帯端末6とネットワークを介して接続可能とした点が異なる。
【0204】
また、エレベータ管理システム1000cでは、エレベータ制御装置100cの具体的な動作と、エレベータ管理装置1cの具体的な動作が異なる。エレベータ制御装置100cおよびエレベータ管理装置1cの具体的な動作の詳細は、後述する。
【0205】
ユーザは、例えば、エレベータの乗場に到着すると、携帯端末6を操作して、乗場階および行先階を登録する。
携帯端末6は、乗場呼び情報を生成し、生成した乗場呼び情報を、エレベータ制御装置100cに出力する。携帯端末6が乗場呼び情報を生成する動作は説明済みであるため、重複した説明を省略する。
また、ユーザは、例えば、かご400に乗り込むと、かご400室内にて、携帯端末6を操作して、行先階を登録する。
携帯端末6は、かご呼び情報を生成し、生成したかご呼び情報を、エレベータ制御装置100cに出力する。携帯端末6がかご呼び情報を生成する動作は説明済みであるため、重複した説明を省略する。
【0206】
図33は、実施の形態2に係るエレベータ管理装置1aに適用した実施の形態3に係るエレベータ管理装置1cを搭載するエレベータ制御装置100cの構成例を示す図である。
エレベータ制御装置100cは、実施の形態2において図22を用いて説明したエレベータ制御装置100aとは、呼び情報取得部101aの具体的な動作が異なる。エレベータ制御装置100cにおいて、呼び情報取得部101aの具体的な動作は、上述の、図29を用いて説明したエレベータ制御装置100bの呼び情報取得部101aの具体的な動作と同様であるため、重複した説明を省略する。ただし、エレベータ制御装置100cでは、呼び情報取得部101aは、取得した呼び情報を、エレベータ制御部102、階床判定部14a、および、部屋判定部18aに出力する。
また、エレベータ管理装置1cは、実施の形態2において図22を用いて説明したエレベータ管理装置1aとは、階床判定部14aおよび部屋判定部18aの具体的な動作が異なる。エレベータ管理装置1cにおいて、階床判定部14aの具体的な動作は、上述の、図29を用いて説明したエレベータ管理装置1bの階床判定部14aの具体的な動作と同様であるため、重複した説明を省略する。
【0207】
エレベータ管理装置1cの部屋判定部18aは、エレベータ制御装置100cの呼び情報取得部101aから呼び情報を取得し、当該呼び情報に基づき、宅配ボックス200における荷物の管理情報を案内する対象となる案内対象部屋を判定する。
その際、部屋判定部18aは、呼び情報に個人属性情報が含まれている場合は、当該個人属性情報に基づいて案内対象部屋を判定する。具体的には、部屋判定部18aは、個人属性情報に含まれている、ユーザの居室に関する情報から、ユーザの居室を特定し、案内対象部屋と判定する。
部屋判定部18aは、呼び情報に個人属性情報が含まれていない場合は、実施の形態2にて説明した部屋判定部18が案内対象部屋を判定する方法と同様の方法で、案内対象部屋を判定する。
部屋判定部18aは、案内対象部屋を判定すると、判定した案内対象部屋に関する案内対象部屋情報を、宅配有無判定部15aに出力する。
案内対象部屋情報には、案内対象部屋を特定可能な情報と、案内対象部屋に関する部屋関連情報が乗場とが含まれる。さらに、案内対象部屋情報には、部屋関連情報が、乗場とかご400室内のいずれから出力されたものであるかを示す入力場所情報、または、呼び情報を出力した携帯端末6を特定可能な情報が含まれる。部屋判定部18aは、入力場所情報を、部屋関連情報取得部17から出力された部屋関連情報から引き継げばよい。また、部屋判定部18aは、呼び情報を出力した携帯端末6を特定可能な情報を、呼び情報取得部101aから引き継げばよい。
【0208】
実施の形態3に係るエレベータ管理装置1cの動作について説明する。
実施の形態3に係るエレベータ管理装置1cでは、実施の形態2において図26および図27で説明した、「宅配案内処理」における詳細な動作が、実施の形態2に係るエレベータ管理装置1aとは異なる。
【0209】
図34A図34Bは、実施の形態2に適用した実施の形態3において、エレベータ制御装置100cの呼び情報取得部101aから乗場呼び情報を取得した場合にエレベータ管理装置1cが行う「宅配案内処理」の詳細について説明するためのフローチャートである。
図34Aにおいて、ステップST3401~ステップST3402の具体的な動作は、それぞれ、図30を用いて説明したエレベータ管理装置1bの動作におけるステップST3001~ステップST3002の具体的な動作と同様であるため、重複した説明を省略する。また、図34AのステップST3403~ステップST3405、図34BのステップST3406~ステップST3411の具体的な動作は、それぞれ、実施の形態2にて説明済みの、図26のステップST2601~ステップST2609の具体的な動作と同様であるため、重複した説明を省略する。
【0210】
ステップST3407にて、部屋判定部18aは、エレベータ制御装置100cの呼び情報取得部101aから取得された乗場呼び情報に個人属性情報が含まれているか否かを判定する(ステップST3412)。
ステップST3412にて、部屋判定部18aが、乗場呼び情報に個人属性情報が含まれていないと判定した場合(ステップST3412の”NO”の場合)、エレベータ管理装置1cは、図34A図34Bのフローチャートにて示す処理を終了する。
【0211】
ステップST3412にて、乗場呼び情報に個人属性情報が含まれていると判定した場合(ステップST3412の”YES”の場合)、部屋判定部18aは、当該個人属性情報に基づいて案内対象部屋を判定する。具体的には、部屋判定部18aは、個人属性情報に含まれている、ユーザの居室に関する情報から、ユーザの居室を特定し、案内対象部屋と判定する(ステップST3413)。
部屋判定部18aは、案内対象部屋情報を宅配有無判定部15aに出力する。
【0212】
宅配有無判定部15aは、ステップST3413にて部屋判定部18aが判定した案内対象部屋に関する案内対象部屋情報と宅配管理情報とに基づき、宅配ボックス200にて案内対象部屋への荷物が保管されているか否かを判定する(ステップST3414)。ステップST3414の具体的な動作は、ステップST3410の具体的な動作と同様である。
【0213】
宅配案内出力制御部16aは、ステップST3414にて、宅配有無判定部15aが、宅配ボックス200にて案内対象部屋への荷物が保管されていると判定した場合、乗場呼び情報を出力した携帯端末6に対して、宅配ボックス200にて案内対象部屋への荷物が保管されている旨を案内するための第2宅配案内情報を出力する(ステップST3415)。例えば、宅配有無判定部15aが「701号室」への荷物が保管されていると判定すると、宅配案内出力制御部16aは、乗場呼び情報を出力した携帯端末6に対して第2宅配案内情報を出力する。そして、携帯端末6は、第2宅配案内情報に基づき、当該携帯端末6が備える出力装置から、荷物が届いている旨の情報を出力する。具体的には、例えば、出力装置がスピーカ等の音声出力装置であれば、当該音声出力装置は、「荷物が届いています」と音声出力する。また、例えば、出力装置がディスプレイ等の表示装置であれば、当該表示装置は、「701号室の荷物が届いています」または「荷物が届いています」とのメッセージを表示する。
これにより、ユーザは、自分の居室への荷物が届いていることを把握する。例えば、ユーザが外出先から帰宅した場合であれば、1階にて自分の居室への荷物が届いていることが案内される。ユーザは、例えば、宅配ボックス室まで行き、荷物をピックアップすることができる。また、例えば、ユーザが外出する場合であれば、居住階にて自分の居室への荷物が届いていることが案内される。ユーザは、例えば、帰宅の際に宅配ボックス室に寄って、荷物をピックアップすることができる。
【0214】
一方、宅配有無判定部15aが、宅配ボックス200にて案内対象部屋への荷物が保管されていないと判定した場合、宅配案内出力制御部16aは、第2宅配案内情報の出力を行わない。
【0215】
なお、ここでは、図34BのステップST3412~ステップST3415の処理は、ステップST3407の後に行われるものとしたが、これは一例に過ぎない。例えば、図34BのステップST3412~ステップST3425の処理は、図34AのステップST3401~ステップST3407の処理と並行して行われてもよい。
【0216】
図35A図35Bは、実施の形態2に適用した実施の形態3において、エレベータ制御装置100cの呼び情報取得部101aからかご呼び情報を取得した場合にエレベータ管理装置1cが行う「宅配案内処理」の詳細について説明するためのフローチャートである。
図35Aにおいて、ステップST3501~ステップST3502の具体的な動作は、それぞれ、図31を用いて説明したエレベータ管理装置1bの動作におけるステップST3101~ステップST3102の具体的な動作と同様であるため、重複した説明を省略する。また、図35AのステップST3503~ステップST3505、図35BのステップST3506~ステップST3511の具体的な動作は、それぞれ、実施の形態2にて説明済みの、図27のステップST2701~ステップST2709の具体的な動作と同様であるため、重複した説明を省略する。
また、図35Bにおいて、ステップST3512~ステップST3515の具体的な動作は、それぞれ、図34Bを用いて説明済みの、ステップST3412~ステップST3415の具体的な動作と同様であるため、重複した説明を省略する。
【0217】
なお、ここでは、図35BのステップST3512~ステップST3515の処理は、ステップST3507の後に行われるものとしたが、これは一例に過ぎない。例えば、図35BのステップST3512~ステップST3515の処理は、図35AのステップST3501~ステップST3507の処理と並行して行われてもよい。
【0218】
このように、ユーザが携帯端末6から乗場呼びまたはかご呼びを行うことを可能とした場合、携帯端末6から出力される乗場呼び情報またはかご呼び情報には、ユーザの居住階および居室に関する情報を含む個人属性情報が含まれるようにし、エレベータ管理装置1cは、個人属性情報に含まれている居住階に関する情報に基づいて案内対象階を判定する。また、エレベータ管理装置1cは、個人属性情報に含まれている居室に関する情報に基づいて案内対象部屋を判定する。
これにより、ユーザは、携帯端末6から乗場呼びまたはかご呼びを行うという機能を利用するとともに、帰宅時または外出時等のエレベータ利用の動線の中で、例えば、荷物が届く憶えがある場合に、自分あての荷物の到着を把握することができる。
【0219】
実施の形態3に係るエレベータ管理装置1b,1cのハードウェア構成は、実施の形態1において図17A図17Bを用いて説明したエレベータ管理装置1のハードウェア構成と同様であるため、重複した説明を省略する。
実施の形態3において、階床判定部14aおよび部屋判定部18aの機能は、処理回路1701により実現される。
処理回路1701は、メモリ1705に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、階床判定部14aおよび部屋判定部18aの機能を実行する。すなわち、エレベータ管理装置1b,1cは、処理回路1701により実行されるときに、上述の図30のステップST3001~ステップST3007、図31のステップST3101~ステップST3107、図34AのステップST3401~ステップST3405、図34BのステップST3406~ステップST3415、図35AのステップST3501~ステップST3505、または、図35BのステップST3506~ステップST3515が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ1705を備える。また、メモリ1705に記憶されたプログラムは、階床判定部14aおよび部屋判定部18aの手順または方法をコンピュータに実行させるものであるとも言える。
エレベータ管理装置1b,1cは、宅配ボックス管理装置2、乗場機器3、かご室内機器4、または、携帯端末6等の装置と、有線通信または無線通信を行う入力インタフェース装置1702および出力インタフェース装置1703を備える。
【0220】
以上の、実施の形態2に係るエレベータ管理装置1aに実施の形態3を適用し、ユーザが携帯端末6から乗場呼びまたはかご呼びを行うことができるようにしたエレベータ管理装置1cにおいて、部屋関連情報取得部17は、携帯端末6から部屋関連情報を取得するようにしてもよい。
例えば、複数人のユーザが同じ階床からかご400に同乗する場合がある。この複数人のユーザのうち、あるユーザ(以下「呼び実行ユーザ」という。)が、携帯端末6から乗場呼びまたはかご呼びを行うとする。そうすると、複数人のユーザのうち、呼び実行ユーザ以外のユーザ(以下「その他ユーザ」という。)は、必ずしも乗場呼びまたはかご呼びを行う必要はなく、乗場呼びもかご呼びも行わない場合がある。
【0221】
この場合、エレベータ管理装置1cは、まず、呼び実行ユーザが乗場呼びまたはかご呼びを行ったことに基づき、乗場機器3aの宅配案内装置51もしくはかご室内機器4aの宅配案内装置52、または、宅配案内装置51と宅配案内装置52の両方に対して、第1宅配案内情報を出力する。また、エレベータ管理装置1cは、乗場呼びまたはかご呼びが行われた携帯端末6に対して、第2宅配案内情報を出力する。これにより、呼び実行ユーザは、携帯端末6を確認することで、自分の居室への荷物が届いていることを把握できる。一方、その他ユーザは、宅配案内装置51または宅配案内装置52を確認することで、自分の居住階への荷物が届いていることまでは把握できるものの、当該荷物が自分の居室宛てかどうかまでは把握できない。そこで、その他ユーザは、自分の居住階への荷物が届いていることを把握すると、自身が保持する携帯端末6を操作して、自分の部屋番号に関する情報を入力する。携帯端末6の制御部は、その他ユーザが入力した部屋番号に関する情報を受け付け、エレベータ管理装置1cに出力する。エレベータ管理装置1cの部屋関連情報取得部17は、携帯端末6から出力された、その他ユーザの部屋番号に関する情報を、部屋関連情報として取得する。部屋関連情報には、その他ユーザの部屋番号と、当該部屋番号に関する情報を出力した携帯端末6を特定可能な情報が含まれる。
そして、部屋判定部18aは、部屋関連情報取得部17が携帯端末6から取得した部屋関連情報に基づき、案内対象部屋を判定する。宅配有無判定部15aは、案内対象部屋に関する案内対象部屋情報と宅配管理情報とに基づき、宅配ボックス200にて案内対象部屋への荷物が保管されているか否かを判定する。宅配案内出力制御部16aは、宅配有無判定部15aが、宅配ボックス200にて案内対象部屋への荷物が保管されていると判定した場合、その他ユーザが保持する携帯端末6に対して第2宅配案内情報を出力する。
【0222】
これにより、エレベータ管理装置1cは、その他ユーザに対しても、自分宛ての荷物が届いていることを把握させることができる。その他ユーザは、自ら乗場呼びまたはかご呼びを行わなかった場合であっても、乗場またはかご400室内において自分の居住階への荷物が届いている旨の案内がなされたのをきっかけに、自分の居室宛ての荷物が届いているかを確認することができる。
【0223】
以上のように、実施の形態3によれば、呼び情報は、携帯端末6から出力され、当該携帯端末6から出力された呼び情報には、居住階に関する情報を含む個人属性情報が含まれており、エレベータ管理装置1bにおいて、階床判定部14aは、呼び情報に含まれている個人属性情報に基づいて案内対象階を判定するように構成した。
これにより、エレベータ管理装置1bは、集合住宅等において、居住者に対して、当該居住者の動線を考慮して、宅配ボックス200に荷物が届いていることを知らせることができる。居住者は、携帯端末6から乗場呼びまたはかご呼びを行うという機能を利用するとともに、帰宅時または外出時等のエレベータ利用の動線の中で、荷物が届いていることを把握することができる。
【0224】
また、実施の形態3によれば、呼び情報は、携帯端末6から出力され、当該携帯端末6から出力された呼び情報には、居室に関する情報を含む個人属性情報が含まれており、エレベータ管理装置1cにおいて、部屋判定部18aは、呼び情報に含まれている個人属性情報に基づいて案内対象部屋を判定し、宅配案内出力制御部16aは、第2宅配案内情報を携帯端末6に出力するように構成した。
これにより、エレベータ管理装置1bは、集合住宅等において、居住者に対して、帰宅時または外出時等のエレベータ利用の動線の中で、自分の居住階への荷物が届いていることを案内する場合よりも確実に、自分宛ての荷物が届いていることを把握させることができる。居住者は、帰宅時または外出時等のエレベータ利用の動線の中で、荷物が届いていることを把握することができる。
【0225】
また、実施の形態3によれば、エレベータ管理装置1cにおいて、部屋関連情報取得部17は、携帯端末6から部屋関連情報を取得し、宅配案内出力制御部16aは、第2宅配案内情報を携帯端末6に出力するように構成した。
これにより、エレベータ管理装置1cは、集合住宅等において、居住者に対して、帰宅時または外出時等のエレベータ利用の動線の中で、自分の居住階への荷物が届いていることを案内する場合よりも確実に、自分宛ての荷物が届いていることを把握させることができる。居住者は、自ら乗場呼びまたはかご呼びを行わなかった場合であっても、乗場またはかご400室内において自分の居住階への荷物が届いている旨の案内がなされたのをきっかけに、自分の居室宛ての荷物が届いているかを確認することができる。
【0226】
実施の形態4.
実施の形態2では、ユーザは、自分の居室の部屋番号を、部屋登録ボタン36,45を操作して入力するものとしていた。
実施の形態4では、ユーザは、部屋登録ボタン36,45を操作する以外の方法で、自分の居室の部屋番号を入力するようにした実施の形態について説明する。
【0227】
図36は、実施の形態4に係るエレベータ管理装置1dを備えたエレベータ管理システム1000dの概要のイメージを示す図である。
図36において、実施の形態2にて図19を用いて説明したエレベータ管理システム1000aの概要と同様の構成については、同じ符号を付して重複した説明を省略する。
実施の形態4に係るエレベータ管理システム1000dでは、エレベータ管理装置1dの具体的な動作が異なる。エレベータ管理装置1dの具体的な動作の詳細は、後述する。
【0228】
実施の形態4では、乗場機器3bおよびかご室内機器4bは、ユーザの属性を読み取る機能を有していることを前提とする。
すなわち、乗場機器3bおよびかご室内機器4bの構成が、それぞれ、実施の形態2において図20または図21を用いて説明した乗場機器3aおよびかご室内機器4aの構成とは異なる。
【0229】
図37は、実施の形態4において、ユーザの属性を読み取る機能を有するようにした乗場機器3bの構成例を示す図である。
図37において、実施の形態2にて図20を用いて説明した乗場機器3aの構成と同様の構成については、同じ符号を付して重複した説明を省略する。
乗場機器3bは、実施の形態2にて説明した乗場機器3aとは、部屋登録ボタン36に代えて個人属性受付部501および個人属性情報出力部39を備える点が異なる。
【0230】
個人属性受付部501は、宅配案内装置51aに備えられる。なお、ここでは、個人属性受付部501は、宅配案内装置51aに備えられるものとするが、これは一例に過ぎず、個人属性受付部501は、例えば、乗場機器3bの外部の、宅配案内装置51a付近に設置されているものとしてもよい。
個人属性受付部501は、個人属性情報を受け付ける。実施の形態4において、個人属性情報には、少なくともユーザの居室の部屋番号に関する情報が含まれる。個人属性情報には、ユーザの住居階に関する情報が含まれていてもよい。
ここでは、例えば、個人属性受付部501はカードリーダとする。ユーザがICカードをカードリーダに読み取らせることにより個人属性情報を入力すると、個人属性受付部501は、当該入力された個人属性情報を取得するものとする。個人属性受付部501は、受け付けた個人属性情報を、個人属性情報出力部39に出力する。
【0231】
個人属性情報出力部39は、個人属性受付部501から出力された個人属性情報を、エレベータ管理装置1dに出力する。
【0232】
図38は、実施の形態4において、ユーザの属性を読み取る機能を有するようにしたかご室内機器4bの構成例を示す図である。
図38において、実施の形態2にて図21を用いて説明したかご室内機器4aの構成と同様の構成については、同じ符号を付して重複した説明を省略する。
かご室内機器4bは、実施の形態2にて説明したかご室内機器4aとは、部屋登録ボタン45に代えて個人属性受付部502および個人属性情報出力部48を備える点が異なる。
【0233】
個人属性受付部502は、宅配案内装置52aに備えられる。なお、ここでは、個人属性受付部502は、宅配案内装置52aに備えられるものとするが、これは一例に過ぎず、個人属性受付部502は、例えば、かご室内機器4bの外部の、宅配案内装置52a付近に設置されているものとしてもよい。
個人属性受付部502の機能は、説明済みの、乗場機器3bが備える個人属性受付部501の機能と同様であるため、重複した説明を省略する。
また、個人属性情報出力部48の機能は、説明済みの、乗場機器3bが備える個人属性情報出力部39の機能と同様であるため、重複した説明を省略する。
【0234】
図39は、実施の形態4に係るエレベータ管理装置1dの構成例を示す図である。
図39において、実施の形態2にて図22を用いて説明したエレベータ管理装置1aの構成と同様の構成については、同じ符号を付して重複した説明を省略する。
エレベータ管理装置1dは、実施の形態2にて説明したエレベータ管理装置1aとは、部屋関連情報取得部17aおよび部屋判定部18bの具体的な動作が異なる。
【0235】
部屋関連情報取得部17aは、乗場機器3bまたはかご室内機器4bから出力された個人属性情報を、部屋関連情報として取得する。
部屋関連情報取得部17aは、取得した部屋関連情報を、部屋判定部18bに出力する。
【0236】
部屋判定部18bは、部屋関連情報取得部17aが取得した部屋関連情報に基づき、宅配ボックス200における荷物の管理状況を案内する対象となる案内対象部屋を判定する。具体的には、部屋判定部18bは、部屋関連情報に含まれているユーザの居室の部屋番号に関する情報から部屋番号を特定し、特定した部屋番号を、案内対象部屋と判定する。
部屋判定部18bは、案内対象部屋を判定すると、判定した案内対象部屋に関する案内対象部屋情報を、宅配有無判定部15aに出力する。
案内対象部屋情報には、案内対象部屋を特定可能な情報と、案内対象部屋に関する部屋関連情報が乗場とかご400室内のいずれから出力されたものであるかを示す入力場所情報が含まれる。部屋判定部18bは、入力場所情報を、部屋関連情報取得部17aから出力された部屋関連情報から引き継げばよい。なお、入力場所情報は、部屋関連情報取得部17aが取得する個人属性情報に付与されているものとする。
【0237】
実施の形態4に係るエレベータ管理装置1dの動作について説明する。
実施の形態4に係るエレベータ管理装置1dでは、実施の形態2に係るエレベータ管理装置1aとは、図25で説明した、「宅配案内処理」における、ステップST2504~ステップST2505の具体的な動作が異なる。
実施の形態4では、図25のステップST2504において、部屋関連情報取得部17aが、乗場機器3bまたはかご室内機器4bから出力された個人属性情報を、部屋関連情報として取得する。
そして、ステップST2504において個人属性情報が部屋関連情報として取得されると(ステップST2504の“YES”の場合)、ステップST2505において、部屋判定部18bは、部屋関連情報取得部17aが取得した部屋関連情報に基づき、宅配ボックス200における荷物の管理状況を案内する対象となる案内対象部屋を判定する。
具体的には、部屋判定部18bは、部屋関連情報に含まれているユーザの居室の部屋番号に関する情報から部屋番号を特定し、特定した部屋番号を、案内対象部屋と判定する。
上記以外のエレベータ管理装置1dの具体的な動作は、実施の形態2において説明したエレベータ管理装置1aの具体的な動作と同様であるため、重複した説明を省略する。
【0238】
実施の形態4に係るエレベータ管理装置1dのハードウェア構成は、実施の形態1において図17A図17Bにて示したハードウェア構成と同様である。
実施の形態4において、部屋関連情報取得部17aと、部屋判定部18bの機能は、処理回路1701により実現される。
処理回路1701は、メモリ1705に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、部屋関連情報取得部17aと、部屋判定部18bの機能を実行する。すなわち、エレベータ管理装置1dは、処理回路1701により実行されるときに、上述の図25のステップST2504~ステップST2505が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ1705を備える。また、メモリ1705に記憶されたプログラムは、部屋関連情報取得部17aと、部屋判定部18bの手順または方法をコンピュータに実行させるものであるとも言える。
エレベータ管理装置1dは、宅配ボックス管理装置2、乗場機器3b、または、かご室内機器4b等の装置と、有線通信または無線通信を行う入力インタフェース装置1702および出力インタフェース装置1703を備える。
【0239】
このように、ユーザは、非接触にて自分の居室の部屋番号に関する情報を入力することができる。
【0240】
なお、以上の実施の形態4では、乗場機器3bおよびかご室内機器4bがいずれもユーザの属性を読み取る機能を有しているものとしたが、これは一例に過ぎない。例えば、乗場機器3bおよびかご室内機器4bのいずれか一方のみが、ユーザの属性を読み取る機能を有しているものとしてもよい。例えば、実施の形態4において、乗場機器3bは、実施の形態2に係る乗場機器3a(図20参照)のような構成としてもよいし、かご室内機器4bは、実施の形態2に係るかご室内機器4a(図21参照)のような構成としてもよい。
【0241】
また、以上の実施の形態4を、実施の形態2に係るエレベータ管理装置1aに実施の形態3を適用し、ユーザが携帯端末6から乗場呼びまたはかご呼びを行うことができるようにした、実施の形態3に係るエレベータ管理装置1c、および、当該エレベータ管理装置1cを備えるエレベータ管理システム1000cに適用してもよい。エレベータ管理システム1000cにおいて、ユーザは、カードリーダ等によって個人属性情報を入力するようにしてもよい。この場合、エレベータ管理システム1000cにおいて、乗場機器3aおよびかご室内機器4aは、それぞれ、上述の乗場機器3bおよびかご室内機器4aとする。そして、エレベータ管理装置1cにおいて、階床判定部14aは、乗場機器3bまたはかご室内機器4bから個人属性情報が出力された場合は、乗場機器3bまたはかご室内機器4bから出力された個人属性情報に基づいて案内対象階を判定する。
【0242】
以上のように、実施の形態4によれば、エレベータ管理装置1dにおいて、部屋関連情報取得部17aは、エレベータの乗場またはかご400室内にて受け付けられた個人属性情報を部屋関連情報として取得し、部屋判定部18bは、部屋関連情報取得部17aが部屋関連情報として取得した個人属性情報に基づき、宅配ボックス200における荷物の管理状況を案内する対象となる案内対象部屋を判定するように構成した。
これにより、エレベータ管理装置1dは、集合住宅等において、居住者に対して、当該居住者の動線を考慮して、宅配ボックス200に荷物が届いていることを知らせることができる。また、居住者は、非接触にて自分の居室宛ての荷物が届いているか否かの問い合わせを行うことができる。
【0243】
以上の実施の形態1~4では、宅配案内装置51,51aは、乗場機器3,3a,3bに備えられているものとした。しかし、これは一例に過ぎず、宅配案内装置51,51aは、乗場機器3,3a,3bの外部に設置されているものとしてもよい。具体的には、例えば、宅配案内装置51,51aは、エレベータの扉横の壁部に、乗場機器3,3a,3bとは別に、設置されていてもよい。
図40は、一例として、実施の形態1において、宅配案内装置51が乗場機器3の外部に設置される場合に、宅配案内出力制御部16が宅配案内装置51に対して第1宅配案内情報を出力したイメージの一例を示す図である。
なお、図40では、一例として、実施の形態1における乗場機器3を示している。また、乗場機器3は、行先階登録ボタン32を備えないものとしている。上述のとおり、乗場機器3は、行先階登録ボタン32を備えないものであってもよい。
また、図40では、一例として、宅配案内装置51は音声出力装置としている。
【0244】
また、以上の実施の形態1~4では、宅配案内装置52,52aは、かご室内機器4,4a,4bに備えられているものとした。しかし、これは一例に過ぎず、宅配案内装置52,52aは、かご室内機器4,4a,4bの外部に設置されているものとしてもよい。具体的には、例えば、宅配案内装置52,52aは、エレベータのかご400室内の、エレベータの扉横の壁部に、かご室内機器4,4a,4bとは別に、設置されていてもよい。
図41は、一例として、実施の形態1において、宅配案内装置52がかご室内機器4の外部に設置される場合に、宅配案内出力制御部16が宅配案内装置52に対して第1宅配案内情報を出力したイメージの一例を示す図である。
なお、図41では、一例として、実施の形態1におけるかご室内機器4を示している。
また、図41では、一例として、宅配案内装置52は音声出力装置としている。
【0245】
また、以上の実施の形態1~4では、エレベータ管理装置1,1a,1b,1c,1dは、エレベータ制御装置100,100a,100b,100c,100dに搭載されているものとし、宅配管理情報取得部11と、宅配管理情報記憶制御部12と、階床判定部14,14aと、宅配有無判定部15,15aと、宅配案内出力制御部16,16aと、部屋関連情報取得部17,17aと、部屋判定部18,18a,18bは、エレベータ制御装置100,100a,100b,100c,100dに備えられているものとした。
これに限らず、宅配管理情報取得部11と、宅配管理情報記憶制御部12と、階床判定部14,14aと、宅配有無判定部15,15aと、宅配案内出力制御部16,16aと、部屋関連情報取得部17,17aと、部屋判定部18,18a,18bのうち、一部または全部が、例えば、サーバに備えられるようにしてもよい。
【0246】
また、以上の実施の形態1~4では、宅配ボックス200は建物内に設置されることを前提としたが、これは一例に過ぎない。例えば、宅配ボックス200は、建物外に設置されていてもよい。
【0247】
また、以上の実施の形態1~実施の形態4において、ユーザは、乗場呼びを、乗場呼びボタン31を操作することで、または、携帯端末6を操作することで、行うものとした。また、以上の実施の形態1~実施の形態4において、ユーザは、行先階の登録を、行先階登録ボタン32,41を操作することで、または、携帯端末6を操作することで、行うものとした。しかし、これは一例に過ぎない。例えば、玄関のオートロックシステムとエレベータ管理システムとが連動している場合、ユーザは、玄関に設置されているオートロック装置を操作することで、乗場呼び、または、行先階の登録を行うことができる。具体的には、例えば、ユーザがタッチレスキーを用いてオートロック装置を操作する場合、オートロック装置は、ユーザからタッチレスキーを介して入力された居住階に関する情報を受け付けることが可能である。そして、オートロック装置は、ユーザの居住階に関する情報を受け付けると、乗場呼び情報を出力することが可能である。オートロック装置は、乗場呼び情報に、行先階に関する情報を含むようにすることもできる。この場合、エレベータ制御装置100,100a,100c,100dは、オートロックシステムから、乗場呼び情報を受け付ける。
【0248】
また、本開示は、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0249】
本開示に係るエレベータ管理装置は、集合住宅等において、居住者に対して、当該居住者がエレベータを利用する動線を考慮して、宅配ボックスに荷物が届いていることを知らせることができる。
【符号の説明】
【0250】
1,1a,1b,1c,1d エレベータ管理装置、11 宅配管理情報取得部、12 宅配管理情報記憶制御部、13 記憶部、14,14a 階床判定部、15,15a 宅配有無判定部、16,16a 宅配案内出力制御部、17,17a 部屋関連情報取得部、18,18a,18b 部屋判定部、100,100a,100b,100c,100d エレベータ制御装置、101,101a 呼び情報取得部、102 エレベータ制御部、2 宅配ボックス管理装置、21 宅配受付部、22 宅配管理情報出力部、200 宅配ボックス、3,3a,3b 乗場機器、31 乗場呼びボタン、32 行先階登録ボタン、33 乗場呼び受付部、34 乗場呼び情報出力部、35 乗場出力装置、36 部屋登録ボタン、37 部屋関連情報受付部、38 部屋関連情報出力部、39 個人属性情報出力部、4,4a,4b かご室内機器、41 行先階登録ボタン、42 かご呼び受付部、43 かご呼び情報出力部、44 かご室内出力装置、45 部屋登録ボタン、46 部屋関連情報受付部、47 部屋関連情報出力部、48 個人属性情報出力部、51,51a,52,52a 宅配案内装置、501,502 個人属性受付部、6 携帯端末、1000,1000a,1000b,1000c,1000d エレベータ管理システム、1701,1601 処理回路、1702,1602 入力インタフェース装置、1703,1603 出力インタフェース装置、1704,1604 CPU、1705,1605 メモリ。
図1
図2
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図5
図6
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図8
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図35A
図35B
図36
図37
図38
図39
図40
図41