(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240830BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240830BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240830BHJP
【FI】
H04N1/00 L
B41J29/38
G03G21/00 376
G03G21/00 396
(21)【出願番号】P 2020162670
(22)【出願日】2020-09-28
【審査請求日】2023-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】西井 雄一
【審査官】鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-208549(JP,A)
【文献】特開2019-040255(JP,A)
【文献】特開2005-159704(JP,A)
【文献】特開2005-260369(JP,A)
【文献】特開2003-326777(JP,A)
【文献】特開2019-004282(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/00-29/70
G03G 13/34
G03G 15/00
G03G 15/36
G03G 21/00-21/02
G03G 21/14
G03G 21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの識別情報の入力を受け付ける入力部と、
前記ユーザが使用する共有記憶領域を有する記憶部と、
前記識別情報の認証結果に応じて前記共有記憶領域の宛先情報を含むフォルダパス情報に前記識別情報を付与する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記識別情報の前記宛先情報への付与の有効又は無効に応じて、異なる表示構成のオペレーション画面を表示し、
前記識別情報の前記宛先情報への付与が有効とされている場合には、
前記オペレーション画面上において前記共有記憶領域の宛先情報の入力を制限し、
前記識別情報の前記宛先情報への付与が無効とされている場合には、
前記識別情報の前記宛先情報への付与が有効とされている場合に表示した前記オペレーション画面とは表示構成が異なる他のオペレーション画面上において前記共有記憶領域の宛先情報の入力を受け付けることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記識別情報は前記ユーザのログイン名を含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記識別情報は前記宛先情報の下位に付与されることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記フォルダパス情報を表示する表示部を備え、
前記制御部は前記ユーザの認証が成功した場合には前記宛先情報の下位に付与した前記識別情報を含む前記フォルダパス情報を前記表示部に表示することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記共有記憶領域の宛先情報に対する入力を、当該宛先情報を管理するアドレス帳を介して行い、
前記識別情報の前記宛先情報への付与が有効とされている場合には、前記アドレス帳の選択が不可となるよう表示を制限し、
前記識別情報の前記宛先情報への付与が無効とされている場合には、前記アドレス帳の選択が可となるよう表示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
ユーザが使用する共有記憶領域を有する記憶部を備える情報処理装置の制御方法であって、
ユーザの識別情報の入力を受け付ける入力工程と、
前記識別情報の認証結果に応じて前記共有記憶領域の宛先情報を含むフォルダパス情報に前記識別情報を付与する制御工程とを含み、
前記制御工程では、
前記識別情報の前記宛先情報への付与の有効又は無効に応じて、異なる表示構成のオペレーション画面を表示し、
前記識別情報の前記宛先情報への付与が有効とされている場合には、
前記オペレーション画面上において前記共有記憶領域の宛先情報の入力を制限し、
前記識別情報の前記宛先情報への付与が無効とされている場合には、
前記識別情報の前記宛先情報への付与が有効とされている場合に表示した前記オペレーション画面とは表示構成が異なる他のオペレーション画面上において前記共有記憶領域の宛先情報の入力を受け付けることを特徴とする制御方法。
【請求項7】
コンピュータに、
ユーザの識別情報の入力を受け付ける入力機能と、
前記ユーザが使用する共有記憶領域を確保する記憶機能と、
前記識別情報の認証結果に応じて前記共有記憶領域の宛先情報を含むフォルダパス情報に前記識別情報を付与する制御機能とを実現させ、
前記制御機能では、
前記識別情報の前記宛先情報への付与の有効又は無効に応じて、異なる表示構成のオペレーション画面を表示し、
前記識別情報の前記宛先情報への付与が有効とされている場合には、
前記オペレーション画面上において前記共有記憶領域の宛先情報の入力を制限し、
前記識別情報の前記宛先情報への付与が無効とされている場合には、
前記識別情報の前記宛先情報への付与が有効とされている場合に表示した前記オペレーション画面とは表示構成が異なる他のオペレーション画面上において前記共有記憶領域の宛先情報の入力を受け付けることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント機能、ファクシミリ機能、スキャン機能、又はデータ記憶機能といった複数の機能を実装した複合機と称される情報処理装置が会社、オフィス又は一般家庭において普及している。
【0003】
複合機には、上記機能を単体で実現するのは勿論のこと、これらの機能を組み合わせることで、よりユーザの利便性を向上させるものも存在する。例えば、スキャン機能とデータ記憶機能とを組み合わせることにより、スキャン機能で生成した画像データを装置内外の共有が許可された記憶装置に記憶することができる。
【0004】
例えば、特許文献1には、ネットワークに接続されたPC(Personal Computer)の共有が許可されたフォルダを複合機側から指定し、指定したフォルダへスキャン機能により生成した画像データを送出する機能を実行する際に、画像データの宛先となるフォルダのパスを操作画面上でユーザが指定することができる画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記先行技術では、例えば、ユーザ自身を送出先とする場合においても、送出先のフォルダ指定といった操作画面上での操作が必要となり、誤った送出先を指定した場合、当該ユーザは所望のデータを得ることができないことがある。
【0007】
本開示は上述した課題に鑑み、操作画面上での操作を極力排除し、指定の記憶装置に所望のデータを確実に記憶することが可能な情報処理装置、制御方法、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本開示に係る情報処理装置は、ユーザの識別情報の入力を受け付ける入力部と、前記ユーザが使用する共有記憶領域を有する記憶部と、前記識別情報の認証結果に応じて前記共有記憶領域へのフォルダパス情報に前記識別情報を付与する制御部とを備えることを特徴としている。
【0009】
また、本開示に係る制御方法は、ユーザが使用する共有記憶領域を有する記憶部を備える情報処理装置の制御方法であって、ユーザの識別情報の入力を受け付ける入力工程と、前記識別情報の認証結果に応じて前記共有記憶領域へのフォルダパス情報に前記識別情報を付与する制御工程とを備えることを特徴としている。
【0010】
また、本開示に係るプログラムは、コンピュータに、ユーザの識別情報の入力を受け付ける入力機能と、前記ユーザが使用する共有記憶領域を確保する記憶機能と、前記識別情報の認証結果に応じて前記共有記憶領域へのフォルダパス情報に前記識別情報を付与する制御機能とを実現させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、操作画面上での操作を極力排除し、指定の記憶装置に所望のデータを確実に記憶することが可能な情報処理装置、制御方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態における複合機の外観斜視図である。
【
図2】第1実施形態における複合機の機能構成図である。
【
図3】第1実施形態における処理の流れを説明するフロー図である。
【
図4】第1実施形態における対応テーブルを説明する図である。
【
図5】第1実施形態における処理の流れを説明するフロー図である。
【
図6】第1実施形態における処理の流れを説明するフロー図である。
【
図7】第1実施形態における動作例を説明するための図である。
【
図8】第1実施形態における動作例を説明するための図である。
【
図9】第1実施形態における動作例を説明するための図である。
【
図10】第1実施形態における動作例を説明するための図である。
【
図11】第1実施形態における動作例を説明するための図である。
【
図12】第1実施形態における動作例を説明するための図である。
【
図13】第1実施形態における動作例を説明するための図である。
【
図14】第1実施形態における動作例を説明するための図である。
【
図15】第1実施形態における動作例を説明するための図である。
【
図16】第2実施形態における全体構成を説明する全体図である。
【
図17】第2実施形態における複合機の機能構成図である。
【
図18】第2実施形態における外部ファイルサーバの機能構成図である。
【
図19】第2実施形態における対応テーブルを説明する図である。
【
図20】第3実施形態における複合機の機能構成図である。
【
図21】第3実施形態における認証方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本開示を実施するための一実施形態について説明する。本実施形態においては、情報処理装置の一例として、プリント機能、ファクシミリ機能、スキャン機能、又はデータ記憶機能といった複数の機能を備えた複合機の構成について説明する。本実施形態に係る複合機は、これらの機能を単体で、若しくは複数組み合わせて実現することができるよう構成されている。なお、以下の実施形態は、本開示を説明するための一例であり、特許請求の範囲に記載した発明の技術的範囲が、以下の記載に限定されるものではない。
【0014】
[1.第1実施形態]
[1.1 機能構成]
本実施形態に係る複合機10の構成について
図1及び
図2を用いて説明する。
図1は複合機10の外観斜視図であり、
図2は複合機10の機能構成図である。
図2に示すように、複合機10は、制御部11と、入力部13と、通信部15と、画像形成部17と、画像読取部19と、記憶部21とを備える。
【0015】
制御部11は、複合機10全体を制御する。制御部11は、例えば、1又は複数の演算装置(CPU(Central processing unit)等)により構成される。制御部11は、記憶部21に記憶された各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現する。本実施形態では、制御部11は、後述する制御プログラム211、ユーザ識別プログラム213、パス設定プログラム215を読み出して実行することにより各機能を実現する。
【0016】
入力部13は、ユーザによる情報の入力を受け付ける操作部131とユーザに対して情報を表示する表示部133とを備える。操作部131は、例えば、ハードキー(例えば、テンキー)やボタン等で構成することができる。なお、操作部131は、表示部133に表示した入力画面を介しての入力が可能なタッチパネルとして構成することも可能である。この場合、タッチパネルの入力検出方式としては、例えば、抵抗膜方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式といった方式を採用することができる。表示部133は、例えば、LCD(Liquid crystal display)や有機EL(Electro-luminescence)等により構成することができる。
【0017】
通信部15は、LAN(Local area network)、WAN(Wide area network)、インターネット、公衆電話回線網等のネットワークを介して他の装置と接続し、各種情報を送受する。通信部15は、例えば、通信可能なインタフェースとして構成され、接続方法としては有線/無縁の何れか又はその両方を併用することができる。
【0018】
画像形成部17は、例えば、給紙トレイ23から記録媒体としての用紙を給紙し、当該用紙上に画像データに基づく画像を形成した後、排紙トレイ25に排紙する。画像形成部17は、例えば、電子写真方式を利用したレーザプリンタ等により構成することができる。画像形成部17は、各トナー色(例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応したトナーカートリッジから供給されたトナーを用いて画像形成を行う。
【0019】
画像読取部19は、読取対象の画像を読み取ることにより画像データを生成する。画像読取部19は、CCD(Charge coupled device)、CIS(Contact image sensor)等のイメージセンサによって画像を電気信号に変換し、当該電気信号を量子化及び符号化することでデジタルデータを生成するスキャナ装置等により構成することができる。
【0020】
記憶部21は、複合機10の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する。記憶部21は、例えば、半導体メモリであるSSD(Solid state device)や、HDD(Hard disk drive)等により構成することができる。
【0021】
本実施形態において、記憶部21は、制御プログラム211と、ユーザ識別プログラム213と、パス設定プログラム215とを記憶し、対応テーブル記憶領域217と、共有記憶領域219とを確保する。
【0022】
制御プログラム211は、入力部13、通信部15、画像形成部17、画像読取部19、又は図示せぬ装置駆動に必要な機構等を制御する際に制御部11が読み込むプログラムである。複合機10は、制御部11が、例えば、装置起動時に制御プログラム211を読み込むことで、プリント機能、ファクシミリ機能、スキャン機能、又はデータ記憶機能といった各機能を実現することができる。
【0023】
ユーザ識別プログラム213は、ユーザが複合機10にログインする際に制御部11が読み込むプログラムである。ユーザ識別プログラム213を読み込んだ制御部11は、ユーザにより入力された認証情報に基づき当該ユーザの認証処理を行う。
【0024】
パス設定プログラム215は、ユーザのログイン名といった識別情報と当該ユーザに対して共有が許可された記憶部21の共通記憶領域219に確保された個人用記憶領域とを関連付ける際に制御部11が読み込むプログラムである。また、パス設定プログラム215は、共通記憶領域219の個人用記憶領域へのフォルダパスの自動設定が有効である場合に制御部11により読み込まれる。パス設定プログラム215を読み込んだ制御部11は、ログインユーザの認証が成功し、個人用記憶領域へのフォルダパスの自動設定が有効である場合には、対応テーブルを参照して共有記憶領域219の個人用記憶領域へのフォルダパスを設定する。一方、個人用記憶領域へのフォルダパスの自動設定が有効でない場合には、ユーザにより直接入力されたフォルダパス情報に基づき共有記憶領域219へのフォルダパスを設定する。
【0025】
対応テーブル記憶領域217は、ログインユーザの識別情報と当該ログインユーザに割り当てられた各共有記憶領域とを対応付けてテーブル形式で記憶する記録領域である。
【0026】
共有記憶領域219は、各ログインユーザが共有して使用することを目的として確保された記憶領域である。ログインユーザは自己に割り振られた共有記憶領域(個人用記憶領域)において、例えば、画像データ等の電子データを目的や用途に応じて記憶することができる。
図2に示す例においては、共有記憶領域219は、第1記憶領域から第n記憶領域までの複数の記録領域が確保されている様子を表している。第1記憶領域から第n記憶領域までのそれぞれの記憶領域には、各ログインユーザ(例えば、第1記憶領域においては、User1-1~User1-m)が共有可能な個人用記憶領域としての個人フォルダが確保されている。
【0027】
[1.2 処理の流れ]
次に、本実施形態に係る処理の流れについて
図3から
図6を用いて説明する。まず、
図3及び
図4を用いてユーザのログイン名といった識別情報と当該ユーザに対して共有が許可された記憶部21の共有記憶領域219に確保された個人用記憶領域とを関連付ける処理の流れについて説明する。
図3で説明する処理は、制御部11がパス設定プログラム215を読み込むことにより実行する処理である。
【0028】
なお、
図3で説明する処理は、複合機10にログインして装置を使用するログインユーザが記憶部21の共有記憶領域219の共有を開始する際に行う処理に関するものである。一旦、ログインユーザの識別情報と記憶部21の共有記憶領域219に確保された個人用記憶領域とが関連づけられれば、制御部11は、
図4で示す対応テーブルを参照することで、当該ログインユーザが共有する個人用記憶領域へのフォルダパスを生成することができる。
【0029】
まず、
図3のステップS10において、ユーザは所定の入力画面を介して識別情報としてのログイン名を入力する。
【0030】
ステップS20において、制御部11はログインユーザにより入力された識別情報の入力を受け付ける。
【0031】
次に、ステップS30において、ログインユーザは共有する記憶部21の共有記憶領域219の個人用記憶領域を指定する。
【0032】
ステップS40において、制御部11は、ステップS20において、受け付けたログインユーザの識別情報とS30で受け付けた個人用記憶領域とを関連付けて対応テーブルに記憶する。
【0033】
図4は、ユーザの識別情報と共有記憶領域219に確保された個人用記憶領域との関連付けを表す対応テーブルの一構成例である。
図4に示されるように、例えば、共有記憶領域219としてユーザにより指定された“第1記憶領域”の下位の“個人用記憶領域”には、識別情報としてのログイン名User1-1~User1-mを有する複数のユーザが関連付けられて記憶されている。同様に、共有記憶領域219としてユーザにより指定された“第2記憶領域”の下位の“個人用記録領域”には、識別情報としてのログイン名User2-1~User2-mを有する複数のユーザが関連付けられて記憶されており、“第n記憶領域”の下位の“個人用記録領域”には、識別情報としてのログイン名Usern-1~Usern-mを有する複数のユーザが関連付けられて記憶されている。
【0034】
次に、複合機10に対するユーザのログインから当該ユーザが共有する共有記憶領域219の個人用記憶領域へのフォルダパス表示に係る処理について
図5を用いて説明する。なお、本処理は、制御部11が主にユーザ識別プログラム213及びパス設定プログラム215を読み込むことにより実行する。
【0035】
まず、ステップS50において、ユーザから所定のログイン画面を介した識別情報としてのログイン名の入力を受け付ける。
【0036】
ステップS60において、制御部11は入力を受け付けた識別情報の認証を行い、つづいてステップS70において、認証が成功したか否かを判定する。ここで、ログインユーザの認証が成功した場合(ステップS70;Yes)、制御部11は、ステップS80において、装置の使用モードが共有記憶領域使用モードであるか否かを判定する。ここで、制御部11は、装置の使用モードが共有記憶領域使用モードであると判定した場合(ステップS80;Yes)、ステップS90において、個人用記憶領域へのフォルダパス設定の自動設定が有効であるか否かを判定する。なお、ここでの制御部11による判定は、ログインユーザにより所定の選択画面を介して個人用記憶領域へのフォルダパスの自動設定が選択されたか否かの判定に基づいて行われる。
【0037】
個人用記憶領域へのフォルダパスの自動設定が有効である場合(ステップS90;Yes)、制御部11は、
図4の対応テーブルを参照し、ログインユーザが共有する共有記憶領域219のフォルダパスに当該ログインユーザの識別情報としてのログイン名を付加し、当該ログインユーザが共有する個人用記憶領域へのフォルダパスを生成する(ステップS100)。
【0038】
ステップS110において、制御部11は、ステップS100において生成したフォルダパスを所定の表示画面に表示して処理を終了する。
【0039】
一方、個人用記憶領域へのフォルダパスの自動設定が有効でない場合(ステップS90;No)、ステップS120において、制御部11はフォルダパスの入力要求をログインユーザに対して行う。
【0040】
ステップS130において、ログインユーザが所望する共有記憶領域219へのフォルダパスが入力されると、制御部11は、当該フォルダパスの入力を受け付ける(ステップS140)。
【0041】
そして、制御部11はステップS140にて受け付けたフォルダパスを所定の表示画面に表示して処理を終了する(ステップS110)。
【0042】
次に、個人用記憶領域へのフォルダパスが表示された状態で、当該個人用記憶領域の下位に位置する下位記憶領域の表示要求を受けた場合の処理について
図6を用いて説明する。
【0043】
制御部10はログインユーザにより下位記憶領域の表示要求を受けると(ステップS150;Yes)、当該下位記憶領域を指定するようログインユーザに対して要求する(ステップS160)。
【0044】
ステップS170において、ログインユーザが所望する下位記憶領域の指定を受け付けると、制御部11は、当該下位記憶領域へのフォルダパスを生成する(ステップS180)。
【0045】
ステップS190において、制御部11は生成したフォルダパスを表示画面に表示する。
【0046】
下位記憶領域へのフォルダパスの表示を受けると、ログインユーザは、下位記憶領域に移動し、下位記憶領域の内容を確認する。そして、例えば、下位記憶領域内にドキュメント等が記憶されている場合、ログインユーザは当該ドキュメントの印刷や他装置への送出といったジョブを実行する(ステップS200)。
【0047】
一方、ログインユーザが下位記憶領域の表示要求を行わない場合(ステップS150;No)、制御部11はステップ160からステップS190に係る処理は特に実行しない。制御部11は、ログインユーザにより表示中のフォルダパスに係る共有記憶領域219に記憶されたドキュメント等のジョブが指定された場合、当該ジョブを実行する。
【0048】
[1.3 動作例]
次に、
図7から
図15を用いて本実施形態に係る動作例について説明する。なお、動作例の説明においては、記憶部21の共有記憶領域219を“共有フォルダ”、第1記憶領域を“aa開発部フォルダ”、複合機10にログインするログインユーザであるUser1-1を“User01”として説明する。なお、User01との名称は、aa開発部フォルダの下位に配置され、ログインユーザであるUser01が専ら使用する個人用記憶領域としての個人フォルダの名称も兼ねる。本動作例は、ある会社に設置された複合機であって、装置使用ユーザが共有する共有フォルダ内に開発部(例えば、aa開発部~nn開発部)毎の記憶領域が確保され、当該開発部に属するユーザ(例えば、User01~Usern)が複合機10を使用する例を想定したものである。
【0049】
図7は、複合機10にログインして装置を使用するログインユーザ(ユーザ名:User01)がaa開発部フォルダの下位の個人フォルダの共有を開始する際に制御部11が表示部133に画面表示する共有フォルダ設定画面W10の一構成例である。なお、本動作例は、制御部11がパス設定プログラム215を読み込むことにより実行する処理であって、
図3で説明した処理に対応する。ところで、本明細書では、制御部11が必要なプログラム並びに画像データを読み出し、表示部133に所定の画面を表示させる処理を単に“画面表示する”と記載する。
【0050】
図7に示す共有フォルダ設定画面W10は、機能表示領域R11と、ステータス表示領域R13と、ジョブ状況確認ボタンB11と、ログイン名入力ボックスBx11と、パスワード入力ボックスBx13と、共有フォルダ指定入力ボックスBx15と、参照ボタンB13と、新規作成ボタンB15と、自動生成ボタンB17と、OKボタンB19とを含む。
【0051】
機能表示領域R11は、複合機10で実行可能なジョブ機能を表示する領域である。本動作例は、実行可能なジョブ機能として“シンプルコピー”、“シンプルファックス”、“シンプルスキャン”を表示した例である。
【0052】
ステータス表示領域R13は、複合機10の装置ステータスを表示する領域である。本動作例は、複合機10はプリンタとして機能している例である。
【0053】
ジョブ状況確認ボタンB11は、複合機10が実行中のジョブ機能を確認する際にユーザによる指示入力を受け付ける確認ボタンである。ジョブ状況確認ボタンB11の押下を受けると、制御部11は複合機10が実行中のジョブ機能の状況確認画面(不図示)を画面表示することでユーザに報知する。
【0054】
ログイン名入力ボックスBx11は、複合機10にログインして装置を使用するログインユーザのログイン名の入力を受け付ける入力ボックスである。制御部11は、ログイン名入力ボックスBx11に入力されたログイン名をログインユーザの識別情報として受け付ける。この場合ログイン名は予め登録されたリストから選択するようにしてもよい。
【0055】
パスワード入力ボックスBx13は、ログイン名入力ボックスBx11にログイン名を入力したログインユーザの認証情報としてのパスワードの入力を受け付ける入力ボックスである。制御部11は、ログイン名入力ボックスBx11に入力されたログイン名とパスワード入力ボックスBx13に入力されたパスワードとを用いてログインユーザの認証処理を行う。なお、ログインユーザの認証に用いるパスワードは、
図4で示した対応テーブルに併せて格納する形態としてもよいし、対応テーブルとは別にセキュリティ対策を講じたパスワード管理を行ってもよい。
【0056】
共有フォルダ入力ボックスBx15は、ログインユーザが共有を開始する個人フォルダ名の入力を受け付ける入力ボックスである。本動作例は、ログインユーザによりaa開発部フォルダの下位の個人フォルダ“User01”が当該ボックスに直接入力された例である。
【0057】
参照ボタンB13は、共有フォルダ入力ボックスBx15への入力の際に、共有フォルダの下位に位置する各フォルダの参照指定を受け付けるボタンである。
【0058】
新規作成ボタンB15は、ログインユーザが共有を開始する個人フォルダを新規作成する際に指示入力を受け付けるボタンである。
【0059】
自動生成ボタンB17は、ログインユーザが共有を開始する個人フォルダを自動生成させる場合に指示入力を受け付けるボタンである。この場合、例えば、フォルダ名として、ログインユーザ名、ログインユーザに付されたID番号、ログインユーザがこれまでに作成した個人フォルダの通し番号、個人フォルダの生成日時、収納するファイル種別、議事録・見積書といった目的・用途別に過去に作成した個人フォルダの通し番号といった多種多様の命名が考えられるが、ログインユーザが一義的に識別可能なフォルダ名であればフォルダ名は特に限定されるものではない。自動生成ボタンB17が押下・選択された場合、共有フォルダ入力ボックスBx15において、“共有フォルダ/aa開発部フォルダ”の下位に個人フォルダ名(本例では“User01”)を具体的に入力せずとも、“共有フォルダ/aa開発部フォルダ”の下位に所定の名称を有する個人フォルダを自動生成させることができる。
【0060】
OKボタンB19は、ユーザによる入力承認を受け付けるボタンである。OKボタンB19の押下を受けると、制御部11は、ログイン名入力ボックスBx11に入力されたログイン名と設定された個人フォルダとを関連付け、
図4で例示した対応テーブルに記憶する。
【0061】
図8は、複合機10のログイン画面W20の一構成例である。なお、本動作例は、制御部11が主にユーザ識別プログラム213を読み込むことで実行する処理であって、
図5のステップS50の処理に対応する。ここで、
図7で説明した共有フォルダ設定画面W10と同一な構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0062】
ログイン画面W20は、機能表示領域R11と、ステータス表示領域R13と、ジョブ状況確認ボタンB11と、ログイン名入力ボックスBx17と、パスワード入力ボックスBx19と、認証先入力ボックスBx21と、フォルダパス自動設定チェックボックスCx11と、リセットボタンB21と、OKボタンB23とを含む。
【0063】
ログイン名入力ボックスBx17は、複合機10にログインするログインユーザのログイン名の入力を受け付ける。
【0064】
パスワード入力ボックスBx19は、ログイン名入力ボックスBx17にログイン名を入力したログインユーザのパスワードの入力を受け付ける入力ボックスである。
【0065】
認証先入力ボックスBx21は、ログインユーザの認証先の入力を受け付ける。本動作例では、マシン単体、すなわち、制御部11がユーザ識別プログラム213を読み込むことでログイン認証を行う例を示している。なお、ログインユーザの認証先は、本動作例に限定されず、例えば、ネットワーク等で接続された管理サーバ等を設定することも可能である。
【0066】
フォルダパス自動設定チェックボックスCx11は、共有フォルダ/aa開発部の下位に位置する個人フォルダ(User01)へのフォルダパス自動設定の有効・無効の入力を受け付けるチェックボックスである。本動作は、“有効”が選択された例である。
【0067】
リセットボタンB21は、ログイン名入力ボックスBx17、パスワード入力ボックスBx19、認証先入力ボックスBx21、又はフォルダパス自動設定チェックボックスCx11等への入力をリセットする場合の指示入力を受け付けるボタンである。
【0068】
OKボタンB23は、ログインユーザによる入力承認を受け付けるボタンである。OKボタンB23の押下を受けると、制御部11は、
図5のステップS60からステップS70に係るログインユーザの認証処理を実行する。
【0069】
図9は、複合機10の使用モード選択画面W30の一構成例である。なお、本動作例は、
図5のステップS80の処理に対応する。
【0070】
使用モード選択画面W30は、機能表示領域R11と、ステータス表示領域R13と、ジョブ状況確認ボタンB11と、情報表示領域R15と、設定表示領域R17と、使用モード選択ボタンB25とを含む。
【0071】
情報表示領域R15は、トナー残量、用紙残量等の消耗品残量や、装置設定内容、通信状況といった装置の稼働状況に応じた各種情報を表示する。本動作例はトナー残量が表示された例である。
【0072】
設定表示領域R17は、複合機10の設定確認・変更に係る各設定項目を表示する領域である。設定表示領域R17は、ログインユーザによる各設定項目の選択が可能となるように、各設定項目が選択ボタンとして構成されている。ログインユーザは、選択した設定項目に対応するボタンを押下することにより、当該設定項目の内容確認、設定変更を行うことができる。本動作例は、設定項目として、操作ガイド、大きな文字モード、設定、総使用枚数表示、明度調整、言語設定を表示した例である。
【0073】
使用モード選択ボタンB25として表示された、コピー、ファックス、E-mail、共有フォルダ等の各ボタンは、ログインユーザによる複合機10の使用モードの選択を受け付けるボタンである。ログインユーザは、使用モード選択ボタンB25として表示された、コピーボタン、ファックスボタン、E-mailボタン、共有フォルダボタンから所望のモードのボタンを選択し、当該ボタンを押下することで、複合機10の使用モードを変更・決定することができる。本動作例は、ログインユーザにより共有記憶領域使用モードとしての“共有フォルダモード”が選択された例である。
【0074】
本実施形態に係る複合機10は、
図5のステップS50からステップS70に係るログインユーザの認証処理の後、装置の使用モードが共有フォルダモード(共有記憶領域使用モード)であって、フォルダパス自動設定が有効か無効かに応じて処理を分岐する。
【0075】
図10は、
図8のログイン画面W20において、ログインユーザにより、フォルダパス自動設定が有効として選択された場合に制御部11が画面表示するオペレーション画面W40の一構成例である。なお、本動作は、制御部11がパス設定プログラム215を読み込むことにより実行する処理であって、
図5のステップS90からステップS110に対応するものである。なお、
図10で例示するオペレーション画面W40は、画像読取部19のスキャン機能により生成した画像データを共有記憶領域に記憶する、所謂、スキャンtoフォルダ(記憶)機能に関するオペレーション画面である。
【0076】
オペレーション画面W40は、機能表示領域R11と、ステータス表示領域R13と、ジョブ状況確認ボタンB11と、宛先表示領域R19と、アドレス帳ボタンB27と、機能設定ボタンB29と、処理選択ボタンB31と、プレビューボタンB33と、リセットボタンB21と、スタートボタンB35とを含む。
【0077】
宛先表示領域R19は、画像読取部19のスキャン機能により生成した画像データを記憶する共有記憶領域へのフォルダパスを表示する。本動作例は、ログインユーザ名が“User01”であることから、制御部11が“/共有フォルダ/aa開発部”のフォルダパスの下位に当該ログインユーザ名:User01を付与することで生成した“/共有フォルダ/aa開発部/User01”からなるフォルダパスが表示された例である。
【0078】
アドレス帳ボタンB27は、共有対象である共有記憶領域(共有フォルダ)のアドレス情報を管理するアドレス帳の使用選択を受け付けるボタンである。なお、アドレス帳ボタンB27は、装置の使用モードが共有フォルダモードである場合、グレーアウトの状態で表示されており、選択・押下することができなくなっている。
【0079】
機能設定ボタンB29は、各ジョブ機能に応じた設定値を表示するともに、ユーザによる押下を受けて当該設定値を変更することが可能となるように構成されている。例えば、ログインユーザは、カラーモードを“自動/白黒2値”から“フルカラー”に変更したい場合、カラーモードの設定項目に対応する機能設定ボタンB29を押下し、表示された図示せぬ変更画面を介してカラーモードを“自動/白黒2値”から“フルカラー”に変更することができる。なお、機能設定ボタンB29には、実行するジョブ機能(本動作例では、スキャンtoフォルダ機能)に関連する項目が優先的に表示される。
【0080】
処理選択ボタンB31は、ログインユーザが所望する処理の選択を受け付けるボタンである。本動作例は、“プログラム呼び出し”ボタン等に加え、User01フォルダの下位に下位記憶領域としてのサブフォルダが存在する場合に、当該サブフォルダの選択を可能とする“サブフォルダを選択”ボタンB31aを表示した例である。
【0081】
プレビューボタンB33は、ジョブ機能(本動作例ではスキャンtoフォルダ機能)の実行前に、読取対象原稿のプレビュー表示の指示入力を受け付けるボタンである。
【0082】
スタートボタンB35は、ジョブ機能の実行指示入力を受け付けるボタンである。
【0083】
スタートボタンB35の押下を受け、制御部11は画像読取部19を制御することにより、原稿を読み取ることで画像データを生成し、“/共有フォルダ/aa開発部/User01”からなるフォルダパスで特定されるUser01フォルダに生成した画像データを記憶する。
【0084】
このように、ログインユーザが
図8で例示したログイン画面W20を介してログイン名を入力し、
図9で例示した使用モード選択画面W30を介して装置使用モードとして共有フォルダモードを選択するのみで、ログインユーザの個人フォルダまでのフォルダパスを自動的に生成させることができる。そして、ログインユーザは、宛先表示領域R19に画面表示された宛先を画像データ等の記憶先としてスキャナ機能等のジョブを実行することができる。これにより、例えば、読み取り画像データをユーザ自身に送出する場合であっても、ログインユーザは、送出先のフォルダ指定といった操作画面上での操作を行う必要がなくなり、誤った送出先を指定することもない。
【0085】
図11は、
図8のログイン画面W20において、ログインユーザにより、フォルダパス自動設定が無効として選択された場合に制御部11が画面表示するオペレーション画面W50の一構成例である。なお、本動作は、制御部11がパス設定プログラム215を読み込むことにより実行する処理であって、
図5のステップS110及びステップS120から140に対応するものである。また、
図11で例示するオペレーション画面W50は、画像読取部19のスキャン機能により生成した画像データをユーザにより入力されたフォルダパスで特定される個人フォルダ内に記憶する、所謂、スキャンtoフォルダ機能に関するオペレーション画面である。
【0086】
オペレーション画面W50の構成は、
図10で例示したオペレーション画面W40と同一構成とすることができるが、アドレス帳ボタンB37がログインユーザにより選択・押下可能である点がオペレーション画面W40とは異なる。
【0087】
制御部11は、フォルダパス自動設定が無効である場合に、アドレス帳ボタンB37の使用が有効状態であるオペレーション画面W50を画面表示することで、画像読取部19のスキャン機能により生成した画像データの記憶先を特定するフォルダパスの入力をログインユーザに対して促す。
【0088】
ログインユーザは、アドレス帳ボタンB37等を操作することにより、画像データ等の記憶先を特定するフォルダパスを入力する。
【0089】
そして、ログインユーザによりアドレス帳を用いたフォルダパスの入力を受け付けると、制御部11は、入力されたフォルダパスを宛先表示領域R19に画面表示する。ログインユーザは、宛先表示領域R19に画面表示された宛先を画像データ等の記憶先としてスキャナ機能等のジョブを実行する。なお、フォルダパスの入力は、ログインユーザによる宛先の直接入力によっても行うことができる。
【0090】
次に、制御部11が“/共有フォルダ/aa開発部”のフォルダパスの下位に当該ログインユーザ名:User01を付与することで生成した“/共有フォルダ/aa開発部/User01”からなるフォルダパスを表示した状態で、User01フォルダの下位に位置するサブフォルダ(下位記憶領域)の表示要求を受けた場合の動作について
図12を用いて説明する。
【0091】
図12に示すサブフォルダ選択画面W60は、
図10に示したオペレーション画面W40の処理選択ボタンB31の“サブフォルダを選択”ボタンB31aの押下を受けて制御部11がオペレーション画面W40内に画面表示するサブフォルダ選択画面の一構成例である。
【0092】
サブフォルダ選択画面W60は、サブフォルダパス入力ボックスBx23と、確定ボタンB39と、参照ボタンB41と、ユーザ名入力ボックスBx25と、パスワード入力ボックスBx27とを含む。
【0093】
サブフォルダパス入力ボックスBx23は、/共有フォルダ/aa開発部/User01のフォルダパスで特定されるUser01フォルダの下位に位置するサブフォルダの入力を受け付ける。
【0094】
確定ボタンB39は、サブフォルダパス入力ボックスBx23へのフォルダパスの入力を確定させる際に、ユーザの指示入力を受け付けるボタンである。
【0095】
参照ボタンB41は、サブフォルダパス入力ボックスBx23への入力の際に、User01フォルダ下位に位置する各フォルダの参照指定を受け付けるボタンである。
【0096】
ユーザ名入力ボックスBx25は、
図8に例示したログイン画面W20におけるログイン名入力ボックスBx17に入力されたログイン名と同一のログイン名の入力を受け付ける。また、パスワード入力ボックスBx27についても、
図8で例示したログイン画面W20におけるパスワード入力ボックスBx19に入力されたパスワードと同一のパスワードの入力を受け付ける。
【0097】
このように、/共有フォルダ/aa開発部/User01のフォルダパスで特定されるUser01フォルダの下位に位置するサブフォルダの選択についても、ログイン画面W20のログイン名入力ボックスBx17で入力を求めたログインユーザ名とパスワード入力ボックスBx19で入力を求めたパスワードを用いて認証処理を行うことでセキュリティ性を担保することができる。
【0098】
図13は、サブフォルダ選択画面W60の確定ボタンB39の押下を受けて制御部11がオペレーション画面W40内に表示するサブフォルダ表示画面W70の一構成例である。
【0099】
サブフォルダ表示画面W70は、サブフォルダ選択入力ボックスBx29と、サブフォルダ表示領域R21とを含む。
【0100】
サブフォルダ選択入力ボックスBx29は、サブフォルダ表示領域R21に表示されたUser01フォルダに含まれるサブフォルダの中から選択されたサブフォルダ入力を受け付ける。
【0101】
サブフォルダ表示領域R21は、User01フォルダに含まれるサブフォルダを表示する表示領域である。本動作例は、User01フォルダに含まれる契約書、見積書、及び議事録を内容とする3種のサブフォルダを表示した例である。
【0102】
オペレーション画面W40内に設けられた確定ボタンB43は、サブフォルダ選択入力ボックスBx29において選択入力されたサブフォルダの確定を受け付けるボタンである。本動作例は、サブフォルダ表示領域R21で表示された見積書を内容とするサブフォルダが選択され、選択状態を表す強調表示がなされた例である。
【0103】
図14は、サブフォルダ表示画面W70のサブフォルダ選択入力ボックスBx29において選択入力されたサブフォルダの確定を受けて、制御部11が画面表示するオペレーション画面W41の一構成例である。オペレーション画面W41は、先に示したオペレーション画面W40と同一の表示構成を有する。
【0104】
オペレーション画面W41は、サブフォルダ表示画面W70のサブフォルダ選択入力ボックスBx29を介して選択入力を受けたUser01フォルダに含まれるサブフォルダ(見積書)を宛先として宛先表表示領域R19に表示する。
【0105】
加えて、オペレーション画面W41の処理選択ボタンB31は、サブフォルダ(見積書)のフォルダ内容の表示指示を受け付ける“フォルダ内容”ボタンB31bを含み、サブフォルダの内容の表示が可能となるように構成されている。
【0106】
図15は、オペレーション画面W41の“フォルダ内容”ボタンB31bの押下を受けて制御部11がオペレーション画面W41内に画面表示するサブフォルダ内容表示画面W80の一構成例である。
【0107】
サブフォルダ内容表示画面W80は、サブフォルダ内容表示領域R23を含む。
【0108】
サブフォルダ内容表示領域R23は、サブフォルダ(本動作例では、見積書)に含まれる内容を表示する領域である。本動作例は、各社宛に発行した見積書や再見積書等の複数のコンテンツがサブフォルダに収められている様子を表示した例である。
【0109】
オペレーション画面W41内に設けられた確定ボタンB45は、サブフォルダ内容表示領域R23において表示されたコンテンツの選択の確定を受け付けるボタンである。サブフォルダ内に収められたコンテンツを確定ボタンB45で選択確定することで、例えば、当該コンテンツがドキュメントである場合には当該ドキュメントのプリントや別記憶装置への転送といった処理を行うことができる。
【0110】
以上のように、本実施形態によれば、ユーザによる操作画面上での操作を極力排除することで、データの記憶先の指定に係る操作画面上での操作を簡略化し、指定の記憶先に所望のデータを確実に記憶することが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0111】
[2.第2実施形態]
つづいて、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、共有記憶領域を確保する記憶装置がネットワーク上に存在する外部サーバ上に設けられた構成である。第2実施形態は、第1実施形態と同一の機能部及び処理には同一の符号を付し、説明については省略する。
【0112】
[2.1 全体構成]
図16は、本実施形態の全体構成を説明する図である。本実施形態に係る複合機30は、ネットワークNWを介して外部ファイルサーバ100に接続されている。
【0113】
[2.2 機能構成]
図17は、第2実施形態に係る複合機30の機能構成を説明する機能構成図である。複合機30は、制御部11と、入力部13と、通信部15と、画像形成部17と、画像読取部19と、記憶部31とを備える。
【0114】
記憶部31は、制御プログラム211と、ユーザ識別プログラム213と、パス設定プログラム215とを記憶し、対応テーブル記憶領域317を確保する。
【0115】
対応テーブル記憶領域317は、ユーザの識別情報と外部ファイルサーバ100上のユーザに割り当てられた各共有記憶領域とを対応付けてテーブル形式で記憶する記録領域である。
【0116】
図18は、外部ファイルサーバ100の機能構成を説明する機能構成図である。外部ファイルサーバ100は、制御部101と、通信部105と、記憶部110とを備える。
【0117】
制御部101は、外部ファイルサーバ100全体を制御する。制御部101は、例えば、1又は複数の演算装置(CPU等)により構成される。制御部101は、記憶部110に記憶された制御プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現する。
【0118】
通信部105は、LAN、WAN、インターネット等のネットワークを介して複合機30と接続し、各種情報を送受する。通信部105は、例えば、通信可能なインタフェースとして構成され、接続方法としては有線/無縁の何れか又はその両方を併用することができる。
【0119】
記憶部110は、外部ファイルサーバ100の動作に必要な制御プログラムや、各種データを記憶する。記憶部110は、例えば、半導体メモリであるSSDや、HDD等により構成することができる。
【0120】
本実施形態において、記憶部110は、制御プログラム111を記憶し、共有記憶領域119を確保する。
【0121】
制御プログラム111は、通信部105や、記憶部110等を制御する際に制御部101が読み込むプログラムである。外部ファイルサーバ100は、制御部101が制御プログラム111を読み込むことで当該外部ファイルサーバ100が提供する機能を提供することができる。
【0122】
共有記憶領域119は、複合機30の各ユーザが共有して使用することを目的として確保された記憶領域である。ユーザは自己に割り振られた共有記憶領域(個人用記憶領域)において、例えば、画像データ等の電子データを目的や用途に応じて記憶することができる。
図18に示す例においては、共有記憶領域119は、第1記憶領域から第n記憶領域までの複数の記録領域が確保されている様子を表している。第1記憶領域から第n記憶領域までのそれぞれの記憶領域には、各ユーザ(例えば、第1記憶領域においては、User1-1~User1-m)が共有可能な個人用記憶領域としてのフォルダが確保されている。
【0123】
図19は、ユーザの識別情報と外部ファイルサーバ100の共有記憶領域119に確保された個人用記憶領域との関連付けを表す対応テーブルの一構成例である。
図19に示されるように、例えば、共有記憶領域119としてユーザにより指定された“第1記憶領域”の下位の“個人用記憶領域”には、識別情報としてのログイン名User1-1~User1-mを有する複数のユーザが関連付けられて記憶されている。同様に、共有記憶領域119としてユーザにより指定された“第2記憶領域”の下位の“個人用記録領域”には、識別情報としてのログイン名User2-1~User2-mを有する複数のユーザが関連付けられて記憶されており、“第n記憶領域”の下位の“個人用記録領域”には、識別情報としてのログイン名Usern-1~Usern-mを有する複数のユーザが関連付けられて記憶されている。
【0124】
[2.3 処理の流れ]
本実施形態に係る処理の流れは、第1実施形態で説明した処理の流れと同一である。複合機30の制御部11は、個人用記憶領域へのフォルダパス設定が自動設定である場合、ネットワーク上に存在する外部ファイルサーバ100と通信を行い、外部ファイルサーバ100のネットワークアドレス情報を付加したフォルダパスを生成してログインユーザに対して表示する(
図19参照)。
【0125】
以上のように、第2実施形態によれば、第1実施形態と同一の効果を得ることが可能であるとともに、共有記憶領域を外部ファイルサーバに設ける構成としたため、複合機が内蔵する記憶装置の記憶容量を低減することができ、処理の高速化、製造コストの低減等を図ることができる。
【0126】
[3.第3実施形態]
つづいて、第3実施形態について説明する。第3実施形態に係る複合機の全体構成は第1実施形と同一構成とすることができる。第3実施形態に係る複合機は、第1実施形態の構成に加え、認証部を更に備えた構成である。第3実施形態の説明では、複合機の全体構成に係る説明は省略するものとし、第1実施形態と同一の機能部及び処理には同一の符号を付してその説明は省略する。
【0127】
[3.1 機能構成]
図20は、第3実施形態に係る複合機50の機能構成を説明する機能構成図である。複合機50は、制御部11と、入力部13と、通信部15と、画像形成部17と、画像読取部19と、記憶部21と、認証部51を備える。
【0128】
認証部51は、第1実施形態及び第2実施形態で説明したログインユーザ名とパスワードとにより認証を行う知識認証に加え又はこれとは別に、
図21で例示する、トークン、鍵、ICカード、スマートフォン等を用いた所有物認証、指紋認証、掌紋認証、血管認証といった生体認証を行う。
【0129】
[3.2 処理の流れ]
本実施形態に係る処理の流れは、第1実施形態で説明した処理の流れと同一である。複合機50の制御部11は、ログインユーザの識別情報の認証を認証部51を介して行う。
【0130】
例えば、複合機50にIC(Integrated circuit)チップや磁気テープ等に記録された情報を読み取るカードリーダ、NFC(Near field communication)リーダ、磁気リーダ等や、指紋認証を行うための指紋センサ等を実装することにより、制御部11は、ログインユーザ名の直接入力を求めることなく、ログインユーザの認証を行うことができる。
【0131】
以上のように、第3実施形態によれば、第1実施形態又は第2実施形態の効果に加え、セキュリティ性の向上、ログインユーザによる入力手間の削減を更に図ることができる。
【0132】
[4.変形例]
本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0133】
また、上述した実施形態は、説明の都合上、それぞれ別に説明している部分があるが、技術的に可能な範囲で組み合わせて実行してもよいことは勿論である。
【0134】
なお、本実施形態においては、共有記憶領域を単独の記憶装置に設けた構成について説明したが、共有記憶領域に含まれる各記憶領域(本実施形態では、第1記憶領域~第n記憶領域)をそれぞれ別体の記憶装置に分散させる形態としてもよい。これにより記憶装置の不具合に起因するリスクを低減することができる。
【0135】
なお、実施形態において各装置で動作するプログラムは、上述した実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM)に蓄積され、その後、各種ROM(Read Only Memory)やHDD等の記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
【0136】
ここで、プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROMや、不揮発性のメモリカード等)、光記録媒体・光磁気記録媒体(例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto Optical Disc)、MD(Mini Disc)、CD(Compact Disc)、BD (Blu-ray Disk(登録商標)等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等の何れであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の機能が実現される場合もある。
【0137】
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれるのは勿論である。
【符号の説明】
【0138】
10、30、50 複合機
11 制御部
13 入力部
131 操作部
133 表示部
15 通信部
17 画像形成部
19 画像読取部
21、31 記憶部
23 給紙トレイ
25 排紙トレイ
51 認証部
100 外部ファイルサーバ
101 制御部
105 通信部
110 記憶部