(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】トイレ装置
(51)【国際特許分類】
E03D 9/00 20060101AFI20240830BHJP
E03D 11/02 20060101ALI20240830BHJP
E03D 9/08 20060101ALI20240830BHJP
A47K 17/00 20060101ALI20240830BHJP
【FI】
E03D9/00 Z
E03D11/02 Z
E03D9/08 A
A47K17/00
(21)【出願番号】P 2020171139
(22)【出願日】2020-10-09
【審査請求日】2023-08-01
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】赤▲崎▼ 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 龍平
(72)【発明者】
【氏名】山下 智弘
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-137732(JP,A)
【文献】特開2017-160596(JP,A)
【文献】特開2001-065033(JP,A)
【文献】特開2017-048566(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0245326(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第107923167(CN,A)
【文献】特開平09-135791(JP,A)
【文献】特開2017-169901(JP,A)
【文献】特開2008-240495(JP,A)
【文献】特開2008-075405(JP,A)
【文献】特開2019-210801(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 9/00- 9/16
A47K 13/00-17/02
E03D 1/00- 7/00
E03D 11/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレルーム内に設置される便器本体および付属機器を有し,前記付属機器に少なくとも前記便器本体を遠隔操作するリモコンが含まれるトイレ装置であって,
照明灯群と,
前記照明灯群の点灯を制御する点灯制御部と,
トイレルーム内におけるユーザーの存在を検知するユーザー検知部と
,
前記便器本体へのユーザーの着座を検知する着座検知部とを有し,
前記付属機器に,手洗器が含まれており,
前記照明灯群に少なくとも,
前記便器本体に設けられる便器照明灯と,
前記リモコンに設けられるリモコン照明灯と
,
前記手洗器に設けられる手洗器照明灯とが含まれ,
前記便器本体が便器洗浄機能を有し,
前記点灯制御部は,
前記ユーザー検知部によりユーザーの存在が検知されると前記便器照明灯を点灯させる便器点灯指示部と,
前記便器点灯指示部による前記便器照明灯の点灯より後のタイミングで
前記着座検知部により着座が検知されると前記リモコン照明灯を点灯させるリモコン点灯指示部と
,
前記手洗器照明灯を点灯させる手洗器点灯指示部とを有
し,
前記手洗器点灯指示部は,前記リモコン点灯指示部による前記リモコン照明灯の点灯より後のタイミングで,
前記着座検知部が着座を検知している状態から検知しない状態に変わると前記手洗器照明灯を点灯させることと,
前記便器本体が前記便器洗浄機能を実行すると前記手洗器照明灯を点灯させることとの少なくともいずれか1つを実行するトイレ装置。
【請求項2】
請求項
1に記載のトイレ装置であって,前記点灯制御部はさらに,
前記手洗器点灯指示部による前記手洗器照明灯の点灯より後のタイミングで,前記便器照明灯を,前記便器点灯指示部による点灯の時の態様とは異なる態様で点灯させる便器追点灯指示部を有するトイレ装置。
【請求項3】
請求項1
と請求項2とのいずれか1つに記載のトイレ装置であって,前記点灯制御部はさらに,
前記リモコン点灯指示部による前記リモコン照明灯の点灯より後のタイミングで,前記便器照明灯を,前記便器点灯指示部による点灯の時の態様とは異なる態様で点灯させる便器後点灯指示部を有するトイレ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示技術は,トイレ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から,トイレ装置に照明機能を設けることが行われている。例えば特許文献1に記載されているものでは,便鉢内照明器具や足下照明器具を便器本体に設けている。便鉢内照明器具は便鉢の中を照明するものであり,足下照明器具は便器本体の正面手前側の床面を照明するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記した従来の技術には,次のような問題点があった。便器本体に設けられる照明器具しか考慮に入れられていないことである。便器本体と,トイレルーム内に設置される付属機器との連携への対応が不十分であった。
【0005】
本開示技術は,前記した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,便器本体のみならず付属機器の照明機能をも合わせて適切に点灯を行うようにしたトイレ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示技術の一態様におけるトイレ装置は,トイレルーム内に設置される便器本体および付属機器を有し,付属機器に少なくとも便器本体を遠隔操作するリモコンが,含まれるものであって,照明灯群と,照明灯群の点灯を制御する点灯制御部と,トイレルーム内におけるユーザーの存在を検知するユーザー検知部とを有し,照明灯群に少なくとも,便器本体に設けられる便器照明灯と,リモコンに設けられるリモコン照明灯とが含まれ,点灯制御部は,ユーザー検知部によりユーザーの存在が検知されると便器照明灯を点灯させる便器点灯指示部と,便器点灯指示部による便器照明灯の点灯より後のタイミングでリモコン照明灯を点灯させるリモコン点灯指示部とを有している。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施の形態に係るトイレ装置が設置されたトイレルームの概況を示す模式図である。
【
図2】便器本体の第1の照明状態を示す側面図である。
【
図3】便器本体の第2の照明状態を示す側面図である。
【
図4】実施の形態に係るリモコンの外観を示す斜視図である。
【
図6】
図4のリモコンで前面の一部を照らす状態を説明する斜視図である。
【
図8】実施の形態に係るトイレ装置での照明の点灯制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下,本開示技術を具体化した実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,便器本体およびその付属機器からなるトイレ装置として,本開示技術を具体化したものである。本形態に係るトイレ装置のトイレルーム3への設置例を
図1に示す。
図1のトイレルーム3に設置されているトイレ装置には,便器本体2の他に,付属機器としてリモコン1と手洗器9とが含まれている。トイレルーム3にはさらにペーパーホルダ4も設けられている。
【0009】
便器本体2は,便器洗浄機能やシャワー機能,除菌機能,便蓋の自動開閉,その他の各種機能を備えた機器である。リモコン1は便器本体2のこれらの機能を遠隔操作するものである。リモコン1は壁面に脱着可能に取り付けられている。
図1の例におけるペーパーホルダ4の位置は,リモコン1の下方の位置である。本形態における手洗器9は,付属機器としてトイレ装置の一環を構成するものと位置づけられる。本形態では,便器本体2,リモコン1,手洗器9にそれぞれ照明灯を備えている。これらの照明灯が,本形態に係るトイレ装置の照明灯群である。
【0010】
便器本体2は,便器照明灯50を内蔵している。便器照明灯50を点灯させている状態での便器本体2を横から見て
図2に示す。
図2では,便器本体2の便蓋51が開かれている。そして便器照明灯50の発光により,便器本体2の便座52の上方の領域Sが薄ぼんやりと照らされているように見える。便器照明灯50は便座52より低い位置にあるので,便蓋51が開いている状態でユーザーが上方から便器本体2を見ても便器照明灯50そのものが見える訳ではない。しかし便器照明灯50が点灯していれば,鉢内がほのかに照らされているように見える。これを便器本体2についての第1の点灯状態という。
【0011】
図3は,便蓋51を閉じて便器照明灯50を点灯させている状態である。便蓋51の縁辺の隙間Pが照らされて見える。これにより,便器本体2の内部で便器照明灯50が点灯していることがユーザーにも分かる状態である。これを便器本体2についての第2の点灯状態という。第1の点灯状態と第2の点灯状態とではこのように,便蓋51が開いているか閉じているかという点で点灯時の態様が異なる。
【0012】
便器照明灯50として,発光色の切り替えが可能なものとすることができる。その場合,第1の点灯状態と第2の点灯状態とで異なる発光色での点灯とすることができる。例えば,第1の点灯状態を白色光とし,第2の点灯状態を青色光とすることができる。第1の点灯状態と第2の点灯状態とでの態様の相違は,便蓋51の状態に限らず発光色でもよい。
【0013】
図1に戻って手洗器9は,手洗器照明灯53を有している。手洗器照明灯53は,下方に向けて光を照射するように構成されている。手洗器照明灯53により照らされる範囲Tに蛇口54も含まれている。トイレルーム3における手洗器9の配置は,
図1に示したものの他に,便器本体2がタンク付きのものである場合にはタンク上でもよい。便器本体2の周囲にキャビネットが配置される場合にはキャビネットに手洗器9を設けてもよい。
【0014】
リモコン1の照明機能について説明する。本形態に係るリモコン1は
図4に示すように,横長の直方体状のものである。リモコン1の前面および上面には,種々の押しボタン5,6が配置されている。ユーザーが押しボタン5,6を適宜押すことで,便器本体2の前述の各種機能を実行させることができるものである。
【0015】
リモコン1を下方から見た底面には,
図5に示すように発光部7が設けられている。発光部7は,リモコン1の全幅(
図5中の左右方向)のうちの中央付近の一部区間に設けられているリモコン照明灯である。発光部7は,リモコン1の底面のうち背面8寄りの位置に配置されている。発光部7は,リモコン1の外部を照らす役割を果たすものである。リモコン1を壁面に取り付けている状態では,発光部7は下向きとなる。この取り付け状態では,発光部7からの光の照射方向が,壁面へ向かう斜め下向きとなる。
【0016】
これにより
図1に示すように,発光部7を点灯させることでリモコン1の下方の範囲Rを明るくすることができる。
図1の配置例では範囲Rがペーパーホルダ4に掛かっている。
図6に示すように,発光部7を点灯させたときに前面の各押しボタン5の周囲16も照らされて見えるようにリモコン1を構成することもできる。発光部7の点灯のオンオフについては,押しボタン5,6のうちの1つをそのためのスイッチとして割り当ててもよいし,後述する自動点灯機能による点灯もできる。
【0017】
リモコン1の制御機能を説明する。リモコン1には,人体検知部31と,
図7に示す機能構成の制御基板130が内蔵されている。制御基板130には,制御IC30,通信部32,電源部33が搭載されている。前述の発光部7も制御基板130に搭載されている。制御IC30には内蔵プログラムとして,便器点灯指示部41,手洗器点灯指示部42,リモコン点灯指示部43,便器追点灯指示部44が設けられている。
【0018】
人体検知部31は,トイレルーム3内におけるユーザーの存在を検知するユーザー検知部である。検知パラメーターとしては,静電容量,電磁波の遮蔽/非遮蔽,超音波の遮蔽/非遮蔽,荷重,体温など何でもよい。人体検知部31は,リモコン1に設けられる代わりに便器本体2に設けられていてもよい。
【0019】
通信部32は,便器本体2に対して種々の指令信号を送信する素子である。便器本体2からの信号の受信も通信部32が行う。電源部33は,リモコン1における必要な電力の供給源である。リモコン1で使用する電力には,発光部7を点灯させるための電力や制御基板130が動作するための電力が含まれる。電源部33は,電池を収納してその電池から電力を供給するものでもよいし,商用電力を受けて電力を供給するものでもよい。以下の説明では電池を用いるものとする。
図7は,制御基板130に搭載される機能を模式的に示すものであり,各要素の物理的位置を示すものではない。
【0020】
リモコン1の基本的な機能は,便器本体2の前述の各種機能の遠隔操作である。ユーザーが押しボタン5,6のどれかを押すと,押されたボタンに応じて機能の指令信号が通信部32から便器本体2に送信される。これにより便器本体2では,指令信号に応じた機能が実行される。
図1に戻って,便器本体2には,着座センサー45が設けられている。着座センサー45は,便器本体2へのユーザーの着座による荷重を検知して通信部32に報知する着座検知部である。制御IC30と人体検知部31と着座センサー45とで,前記各種の照明灯の点灯を制御する点灯制御部を構成している。
【0021】
本形態のトイレ装置では,トイレルーム3内でのユーザーの動きに応じて,前記各種の照明灯が自動的に点灯されるようになっている。これにつき
図8のフローチャートにより説明する。まず,ユーザーがトイレルーム3内に入って来る前の待機状態では,すべての照明灯が消灯されている。便蓋51は閉じられており,便器本体2,手洗器9ともに水流はない。ただし便器本体2については,定期的に無人でもある程度便器洗浄させる機能を備えていてもよい。
【0022】
トイレルーム3内へのユーザーの入室が人体検知部31により検知されると,
図8のフローがスタートする。ユーザーが検知されて最初に行われることは,便蓋51を開くことである(S1)。続いて,便器点灯指示部41の指示により便器照明灯50を第1の点灯状態(
図2)とする(S2)。この状態では鉢内と便器本体2の周囲の床面とがほのかに照らされているようにユーザーからは見えるので,ユーザーに着座位置を認識させることができる。その後,ユーザーが便器本体2に着座するのを待つ状態となる(S3)。
【0023】
着座センサー45によりユーザーの着座が検知されると(S3:あり),リモコン点灯指示部43の指示により発光部7を点灯させる(S4)。この状態ではリモコン1が点灯状態となり,
図1中の範囲Rが照らされる。
図6に示したようにリモコン1の前面の一部も明るく見えるようにしてもよい。これによりユーザーにリモコン1の操作位置を認識させることができる。
図1の配置ではペーパーホルダ4もリモコン1により照らされるので,ペーパーホルダ4の位置もユーザーに認識させることができる。S2で点灯させた便器照明灯50は,あらかじめ定めた所定時間の経過後に消灯させる。所定時間として定めておくのは例えば60~180秒程度の範囲内の時間である。
【0024】
ユーザーの着座が検知されない場合には(S3:なし),あらかじめ定めた所定時間の経過により便器照明灯50を消灯する(S5)。これは,男性ユーザーが立位のまま小用でトイレ装置を使用する場合を想定した処理である。所定時間として定めておくのは例えば15~60秒程度の範囲内の時間で,S2の点灯開始からの経過時間が当該所定時間に達してもユーザーが着座しない場合に(S3:なし)と判定すればよい。S5においてもS4と同様にリモコン1を点灯させるようにすることもできる。その場合のリモコン1の点灯と便器本体2の消灯は必ずしも同時でなくてもよい。
【0025】
本形態のトイレ装置では,便器本体2の着座センサー45を省略した構成とすることもできる。その場合には,上記の(S3:あり)の判定も,(S3:なし)の判定と同様に便器本体2の点灯開始からの経過時間によることとなる。つまり,ユーザーの入室が検知されてから所定時間(例えば30~90秒程度の範囲内のあらかじめ定めた時間)が経過するとユーザーが着座したものと見なす訳である。この場合には
図8のフロー上,S5を通ることはない。この場合には,人体検知部31が着座検知部をも兼ねていると言える。
【0026】
S4およびS5のいずれかの処理の後で,リモコン1の消灯と,手洗器点灯指示部42の指示による手洗器照明灯53の点灯とを行う(S6)。手洗器照明灯53の点灯により,手洗器9の位置をユーザーに認識させることができる。S6の処理を行うためのトリガーとしては,着座センサー45が着座を検知している状態から検知しない状態に変わること,つまりユーザーの便器本体2からの脱座を用いる。当該トリガーとしてはこれ以外にも次のようなことを併用することができる。
・S4,S5,およびそれ以前のいずれかの処理からのあらかじめ定めた所定時間(例えば15~60秒程度の範囲内)の経過
・手洗器9へのユーザーの手差しを検知するセンサーを備えている場合には,ユーザーの手差しの検知
・ユーザーによるリモコン1に対する,便器本体2の便器洗浄および手洗器9の出水のいずれかの操作
【0027】
S6でのリモコン1の消灯は,手洗器照明灯53の点灯と同時でなくても,遅れてでもよい。ユーザーがリモコン1に対する前述のような何らかの操作をした場合には,リモコン1の消灯をさらに遅らせることとしてもよい。
【0028】
続いて手洗器9の出水を行う(S7)。出水の実行は,ユーザーによる蛇口54の手動操作によるものであってもよいし,便器本体2での便器洗浄機能の実行とともに自動的に出水するようになっていてもよい。リモコン1にそのための指示機能を備えておいてもよい。手洗器9へのユーザーの手差しを検知するセンサーを備えている場合には,ユーザーの手差しの検知により自動的に出水するものであってもよい。その後に手洗器照明灯53を消灯する(S8)。消灯のタイミングは,点灯(S6)からのあらかじめ定めた所定時間(例えば20~90秒程度の範囲内)の経過でもよいし,手差し検知のセンサーがある場合には,ユーザーの手が検知されなくなったときでもよい。ユーザーが退室したら便蓋51を閉じる(S9)。ユーザーが退室したことは,人体検知部31がユーザーの存在を検知しなくなったことにより分かる。
【0029】
続いて便器本体2にて除菌を行い,便器追点灯指示部44の指示により便器照明灯50を第2の点灯状態とする(S10)。これにより便器本体2の外観は,
図3に示したように,便蓋51の縁辺の隙間Pが照らされているように見える状態となる。便器照明灯50が第2の点灯状態とされるのは,前述の手洗器照明灯53の点灯(S6)より後のタイミングである。前述のリモコン1の点灯(S4)と比べても後のタイミングである。便器追点灯指示部44は,手洗器照明灯53の点灯より後で第2の点灯状態とさせるものでもよいし,リモコン1の点灯より後で第2の点灯状態とさせる便器後点灯指示部であってもよい。
【0030】
このように入室時の点灯状態(S2,
図2)とは異なる点灯態様で便器本体2を点灯させることで,鉢内,便座52,便蓋51で除菌処理が行われていることをユーザーに実感させることができる。退室したユーザーが扉を閉める前に振り返って便器本体2を見れば,第2の点灯状態となっていることが分かる。除菌処理とは,洗浄剤の投入および紫外線の照射の少なくとも一方である。S10の後,あらかじめ定めた所定時間(例えば30~120秒程度の範囲内)が経過したら便器照明灯50を消灯する(S11)。以上で
図8のフローは終了する。
【0031】
以上詳細に説明したように本実施の形態のトイレ装置では,トイレルーム3へのユーザーの入室があると,便器照明灯50を第1の点灯状態とすることでユーザーに着座位置を認識させるようにしている。さらにその後,時間の経過やユーザーの動きに応じて,トイレ装置の照明灯群のうちの適切なものを点灯させるようにしている。これにより,便器本体2のみならず付属機器の照明機能も適宜自動的に点灯される,ユーザーから見て使いやすいトイレ装置が実現されている。
【0032】
付属機器としてリモコン1が含まれリモコン1に発光部7(リモコン照明灯)が搭載されており,着座センサー45が備えられている場合には,着座の検知によりリモコン点灯指示部43が発光部7を点灯させる。着座後のユーザーは次にリモコン1を操作しようとする可能性が高いので,ユーザーから見て便利である。この場合には,着座センサー45が着座を検知しなくなると手洗器点灯指示部42が手洗器照明灯53を点灯させるように構成することができる。脱座後のユーザーは次に手洗器9で手を洗おうとする可能性が高いので便利である。
【0033】
便器追点灯指示部44が制御IC30に設けられていれば,手洗器照明灯53の点灯より後のタイミングで便器照明灯50が点灯される。そのときの点灯態様は,第1の点灯状態と異なる第2の点灯状態とされる。これによりユーザーに,除菌処理が行われていることを認識させることができる。
【0034】
本実施の形態は単なる例示にすぎず,本開示技術を何ら限定するものではない。したがって本開示技術は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,制御IC30を,リモコン1に内蔵する代わりに便器本体2に内蔵してもよい。人体検知部31の検知パラメーターとしては前述のものの他に,トイレルーム3のドアおよびそのドアノブの少なくとも一方の動きを用いてもよいし,複数の検知パラメーターを併用してもよい。便器照明灯50における第1の点灯状態と第2の点灯状態とでの点灯時の態様の相違は,前述のものの他,点灯パターンの相違(連続点灯か点滅か等)であってもよい。本形態中で述べた便蓋51の自動開閉は,必須のものではない。
【符号の説明】
【0035】
1 リモコン, 2 便器本体, 7 発光部, 9 手洗器, 30 制御IC, 31 人体検知部, 41 便器点灯指示部, 42 手洗器点灯指示部,43 リモコン点灯指示部, 44 便器追点灯指示部, 45 着座センサー,
50 便器照明灯, 53 手洗器照明灯