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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】トイレ装置用リモコン
(51)【国際特許分類】
   E03D 9/08 20060101AFI20240830BHJP
【FI】
E03D9/08 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020171760
(22)【出願日】2020-10-12
(65)【公開番号】P2022063473
(43)【公開日】2022-04-22
【審査請求日】2023-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】町田 雅章
(72)【発明者】
【氏名】戸屋 智和
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-062427(JP,A)
【文献】特開2004-211504(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0000025(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-2031888(KR,B1)
【文献】特開2005-168719(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレ装置に複数の機能のうちのいずれかを実行させるための信号を所定の操作に応じて発信するトイレ装置用リモコンであって、
被検知対象物の動き、形、位置、および音声の少なくともいずれか1つを検知する非接触式センサと、
前記非接触式センサによる検知結果に応じて、前記複数の機能のいずれかを選択する制御部と、
前記制御部によって選択された前記機能に応じた報知を行う報知部と、
を備え
前記制御部は、
前記非接触式センサによって検知された第1検知結果に応じて、前記複数の機能のいずれかを選択し、
前記非接触式センサによる前記第1検知結果の検知後に検知された第2検知結果に応じて、前記第1検知結果に応じて選択された前記機能を前記トイレ装置に実行させるための信号を発信し、
前記第1検知結果は、前記非接触式センサによって前記機能の選択に関する選択操作が検知されることであり、
前記第2検知結果は、前記非接触式センサによって前記選択操作とは異なる操作であって前記機能の実行に関する実行操作が検知されることであるトイレ装置用リモコン。
【請求項2】
前記報知部は、
前記制御部によって前記機能が選択されるときに第1報知を行い、
前記制御部によって前記機能を前記トイレ装置に実行させるための信号を発信するときに前記第1報知とは異なる第2報知を行う請求項に記載のトイレ装置用リモコン。
【請求項3】
前記機能を選択するための操作内容、および前記機能を実行するための操作内容の少なくとも一方に応じた表示がなされる操作表示部を備える請求項又は請求項に記載のトイレ装置用リモコン。
【請求項4】
前記制御部は、前記非接触式センサによる検知結果に応じた前記機能の選択を行うことなく、前記非接触式センサによる検知結果に応じて、前記トイレ装置で実行中の前記機能を停止させるための信号、又は前記トイレ装置で実行決定後かつ実行前の前記機能の実行を停止させる信号の少なくとも一方を発信する請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のトイレ装置用リモコン。
【請求項5】
前記報知部は、前記非接触式センサによって検知された前記被検知対象物の位置に応じて、照射する光の色及び明るさの少なくとも一方を変える表示部を有する請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のトイレ装置用リモコン。
【請求項6】
複数の前記機能にそれぞれ対応した複数の接触式スイッチを備え、
前記制御部は、操作された前記接触式スイッチに対応する前記機能を前記トイレ装置に実行させるための信号を発信する請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のトイレ装置用リモコン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はトイレ装置用リモコンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、従来のトイレ装置およびリモコン装置を開示している。リモコン装置は、トイレ装置に制御信号を送信する。リモコン装置は、マイクロ波センサによって構成される非接触スイッチを備えている。非接触スイッチは、送信アンテナと、受信アンテナと、を有している。使用者の手が設定された非接触スイッチの検知範囲に入った場合、送信アンテナからの電波が使用者の手に反射して、受信アンテナへ入射する。受信アンテナへの反射電波の入射が確認されると、使用者が便座・便蓋開スイッチを選択したものと判断して、便座開動作を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-168719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような非接触スイッチを、リモコン装置に搭載される各種スイッチに対応する機能(トイレ装置で実行される機能)を実行するために用いる構成が考えられる。例えば、各種スイッチに対応する非接触操作を検知可能な構成とすることができる。しかしながら、このような構成では、使用者が非接触操作を行った際に、操作に応じた結果が報知されないため、どのスイッチを選択したのか認識し難い問題がある。
【0005】
本開示は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、非接触式センサによる検知結果に応じて選択された機能を認識することができるトイレ装置用リモコンを提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のトイレ装置用リモコンは、トイレ装置に複数の機能のうちのいずれかを実行させるための信号を所定の操作に応じて発信するトイレ装置用リモコンであって、被検知対象物の動き、形、位置、および音声の少なくともいずれか1つを検知する非接触式センサと、前記非接触式センサによる検知結果に応じて、前記複数の機能のいずれかを選択する制御部と、前記制御部によって選択された前記機能に応じた報知を行う報知部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態1のトイレ装置と、トイレ装置用リモコンが設けられたトイレルームを示す斜視図である。
図2】実施形態1のトイレ装置用リモコンを示す正面図である。
図3】実施形態1のトイレ装置用リモコンの電気的構成である。
図4】実施形態1のトイレ装置用リモコンの操作処理の流れを示すフローチャートである。
図5】実施形態1のトイレ装置用リモコンに対して非接触操作を行っている状態を説明する説明図である。
図6】実施形態1のトイレ装置用リモコンに対して選択及び実行に関する非接触操作を行っている状態を説明する説明図である。
図7】実施形態1のトイレ装置用リモコンに対して停止に関する非接触操作を行っている状態を説明する説明図である。
図8】実施形態2のトイレ装置用リモコンに対して非接触操作を行っている状態を説明する説明図である。
図9】実施形態2のトイレ装置用リモコンに対して選択及び実行に関する非接触操作を行っている状態を説明する説明図である。
図10】実施形態3のトイレ装置用リモコンを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態1>
本開示のトイレ装置用リモコン10(以下、単にリモコン10ともいう)を具体化した実施形態1について、図面を参照しつつ説明する。以下のリモコン10の説明において、上下はリモコン10がトイレ室の壁面Wに固定された状態における上下であり、左右はリモコン10を使用する際の使用者側から見た左右であり、前後は、固定されたリモコン10を使用する際の使用者側から見て近い側が前であり遠い側が後である。以下のトイレ装置20の説明において、上下、左右、及び前後は、便器本体31に着座した状態の使用者から見た上下、左右、及び前後をそれぞれ示すものとする。
【0009】
(トイレ装置の構成)
トイレ装置20は、図1に示すように、便器本体31、便座32、便蓋33、収納部34、及び機能部35を備えている。便器本体31は、例えば、陶器製であり、便鉢36を具備している。便座32は、便鉢36の上方に配置されている。便蓋33は、便座32及び便鉢36を覆うように配置されている。便座32、便蓋33は、収納部34に対して回転自在に設けられている。収納部34は、便器本体31の上方後側に設けられており、機能部35を収納している。機能部35の構成には、後述する衛生洗浄装置40が含まれる。機能部35の構成には、便器洗浄装置、便蓋開閉装置、便座開閉装置、及び温風装置等の装置が含まれていてもよい。
【0010】
(衛生洗浄装置の構成)
衛生洗浄装置40は、図1に示すように、洗浄ノズルであるおしり用ノズル41、ビデ用ノズル42、及び制御部(図示略)を備えている。おしり用ノズル41、及びビデ用ノズル42は、左右方向に隣り合うように収納部34に設けられている。おしり用ノズル41の先端部には、洗浄水を吐水する複数の吐水孔41Aが形成されている。ビデ用ノズル42の先端部には、洗浄水を吐水する複数の吐水孔が形成されている。ビデ用ノズル42の吐水孔は図示しない。
【0011】
おしり用ノズル41、及びビデ用ノズル42は、前進位置と、後退位置との間を前後方向に自在に移動し得る構成とされている。おしり用ノズル41、及びビデ用ノズル42は、洗浄水を吐水しない場合、収納部34に収納され、後退位置に配置される。おしり用ノズル41、及びビデ用ノズル42は、洗浄水を吐水する場合、前方向に移動して、収納部34の前方に突出し、先端部が露出した状態にされて前進位置に配置される。おしり用ノズル41、及びビデ用ノズル42は、便座32に着座した使用者の局部に向けて洗浄水を吐出して使用者の局部を洗浄する。
【0012】
衛生洗浄装置40の制御部は、機能部35に設けられている。制御部は、例えばマイクロコンピュータとして構成されている。制御部は、リモコン10から出力された赤外線通信やBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)等の通信方式で発信された操作信号を受信し得る機能を有している。制御部は、リモコン10からの操作信号に基づいて、機能部35に設けられた各装置の動作を制御し得る機能を有している。制御部は、ケーブル等によって機能部35と有線接続されていてもよく、有線方式によって制御信号を送信してもよい。
【0013】
(トイレ装置用リモコンの構成)
トイレ装置用リモコン10は、図1に示すように、概ね直方体状をなしている。リモコン10は便器本体31が設けられるトイレルームの壁面Wに配置されている。リモコン10は、操作することによって、衛生洗浄装置40の制御部に向けて赤外線通信やBLE等の通信方式で信号を発信し得る構成とされており、機能部35に設けられた各装置を遠隔操作し得る機能を有している。リモコン10は、操作することによって、おしり用ノズル41、及びビデ用ノズル42からの洗浄水の吐水を操作し得る機能を有している。リモコン10は乾電池式であってもよく、充電池式であってもよく、有線で接続される商用電源から電源が供給される構成であってもよい。リモコン10は、ブラケットを介して壁掛け状態としてもよい。ブラケットは図示しない。
【0014】
リモコン10の正面には、図2に示すように、停止スイッチ11、おしり洗浄スイッチ12、ビデ洗浄スイッチ13、調整スイッチ14,15、及び流水音発生スイッチ16が設けられている。各スイッチ11~16は、押しボタンスイッチ等の押圧操作される押圧式スイッチである。リモコン10の正面とは、壁面Wにリモコン10が取り付けられた状態において、トイレルームの中央を向いた面である(図1参照。)。
【0015】
停止スイッチ11は、おしり洗浄スイッチ12を操作して、おしり用ノズル41から洗浄水が吐水された状態において操作されると、おしり用ノズル41からの洗浄水の吐水を停止させる。同様に、停止スイッチ11は、ビデ洗浄スイッチ13を操作して、ビデ用ノズル42から洗浄水が吐水された状態において操作されると、ビデ用ノズル42からの洗浄水の吐水を停止させる。
【0016】
おしり洗浄スイッチ12を操作すると、リモコン10は、おしり用ノズル41を前方向に移動させて吐水孔41Aを露出した状態にして、吐水孔41Aから洗浄水の吐水を開始させる。例えば、おしり用ノズル41から洗浄水が吐水された状態において、更に、おしり洗浄スイッチ12を操作すると、リモコン10は、吐水する洗浄水の流量を維持させつつ、おしり用ノズル41の前後方向への繰り返し移動を開始させる。この状態において、更におしり洗浄スイッチ12が操作されると、リモコン10は、吐水する洗浄水の流量を維持させつつ、おしり用ノズル41の前後方向の移動を停止させる。
【0017】
ビデ洗浄スイッチ13を操作すると、リモコン10は、ビデ用ノズル42を前方向に移動させて吐水孔(図示せず)を露出した状態にして、ビデ用ノズル42から洗浄水の吐水を開始させる。ビデ用ノズル42から洗浄水が吐水された状態において、更にビデ洗浄スイッチ13を操作すると、リモコン10は、吐水する洗浄水の流量を維持させつつ、ビデ用ノズル42の前後方向への繰り替えし移動を開始させる。更にビデ洗浄スイッチ13を操作すると、リモコン10は、吐水する洗浄水の流量を維持させつつ、ビデ用ノズル42の前後方向の移動を停止させる。
【0018】
おしり用ノズル41から洗浄水が吐水された状態で、調整スイッチ14を操作すると、リモコン10は、おしり用ノズル41から吐水される洗浄水の流量を段階的に変更し、洗浄強さを調整する。同様に、ビデ用ノズル42から洗浄水が吐水された状態で、調整スイッチ14,15を操作すると、リモコン10は、ビデ用ノズル42から吐水される洗浄水の流量を段階的に変更し、洗浄強さを調整する。調整スイッチ14を操作すると、洗浄強さが強くなる。調整スイッチ15を操作すると、洗浄強さが弱くなる。
【0019】
流水音発生スイッチ16を操作すると、便器流水音等の擬音が擬音発生装置から出力される。
【0020】
(トイレ装置用リモコンの電気的構成)
リモコン10は、図3に示すように、制御部51、通信部52、操作スイッチ53、報知部54、メモリ55、電源部56、及び非接触式センサ60を備えている。
【0021】
制御部51は、CPUなどの公知のコンピュータとして構成されている。制御部51は、リモコン10全体を制御する情報処理装置として機能する。制御部51は、通信部52、操作スイッチ53、報知部54、メモリ55、電源部56、及び非接触式センサ60等が接続されている。制御部51は、報知部54、及び非接触式センサ60等を動作させるための制御信号を出力する。制御部51は、操作スイッチ53に対する操作、及び非接触式センサ60による検出結果に基づいて、機能部35に対して様々な制御を行わせるように制御信号を送信する。制御部51は、操作された操作スイッチ53に対応する機能(おしり洗浄スイッチ12等を操作することによってトイレ装置20の制御部で実行される機能)をトイレ装置20に実行させる。制御部51は、非接触式センサ60による検知結果に応じて、複数の機能(おしり洗浄スイッチ12等を操作することによってトイレ装置20の制御部で実行される機能と同じ機能)のいずれかを選択する。
【0022】
通信部52は、機能部35と無線通信する。通信部52は、例えば赤外線通信を行う赤外線通信インタフェースとして構成されている。リモコン10には、複数の機能にそれぞれ対応した複数のスイッチ11~16が設けられている。操作スイッチ(接触式スイッチ)53には、上述した停止スイッチ11、おしり洗浄スイッチ12、ビデ洗浄スイッチ13、調整スイッチ14,15、及び流水音発生スイッチ16が含まれている。
【0023】
報知部54には、図2に示す表示部11A,12A,13A,16Aが含まれている。表示部11A,12A,13A,16Aは、例えばLEDとして構成されている。表示部11A,12A,13A,16Aは、それぞれ停止スイッチ11、おしり洗浄スイッチ12、ビデ洗浄スイッチ13、及び流水音発生スイッチ16の外縁に沿って配されるリング形状である。表示部11A,12A,13A,16Aは、リモコン10の内部から外部に光を照射する表示を行う。表示部11A,12A,13A,16Aから照射される光の色は、それぞれ異なってもよく、同じであってもよい。表示部11A,12A,13A,16Aは、制御部51によって選択された機能に応じた報知を行う。
【0024】
メモリ55は、公知のメモリであり、ROM,RAM、不揮発性メモリなどから構成されている。メモリ55には、非接触式センサ60等の各機能装置を制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。電源部56は、例えば所定の直流電圧を発生可能な乾電池等である。
【0025】
非接触式センサ60は、例えば公知の3DToF(Time of Flight)センサとして構成されている。非接触式センサ60は、例えば発射した信号(赤外光パルス等)が対象物に反射して返ってくるまでの時間をもとに距離(深度)を計測し得るセンサである。制御部51は、非接触式センサ60によって検出された距離情報(深度情報)に基づいて、対象物に対する3次元的な被写体認識を行う。非接触式センサ60は、光源61、及びカメラ62を備えている。制御部51は、光源61、及びカメラ62の動作を制御する。光源61は、例えばLEDとして構成されている。カメラ62は、CMOSセンサ等の受光素子を有している。光源61から発射された光パルスが対象物で反射し、返ってきた光パルスがカメラ62によって受けられる。制御部51は、光パルスが発射されてから返ってくるまでの時間(位相遅延)を距離に換算する。制御部51は、各受光素子に対応する距離情報を検出し、対象物の形状を3次元的に認識する。このように、制御部51は、距離情報を分析することで、カメラ62にどのような被写体がどのような位置に写っているかを検出することができる。
【0026】
非接触式センサ60は、被検知対象物の形、及び動きを検知する。被検知対象物は、使用者の意思に応じて動かされる人体の一部、物などである。被検知対象物は、例えば使用者の手である。例えば、図5に示すように、使用者が丸めた状態(全ての指を立てない状態)の手をリモコン10の正面に近づけると、光源61から発射された光パルスが丸めた状態の手に反射してカメラ62に受け取られる。制御部51は、丸めた状態の手を被検知対象物として認識する。制御部51は、被検知対象物の形を、距離情報に基づいて検出された被検知対象物の3次元的な形状に基づいて検知する。制御部51は、使用者が丸めた状態の手をリモコン10の正面に近づけた場合、被検知対象物の形として、丸めた状態の手の形を検知する。制御部51は、被検知対象物の形の特定方法として、例えば被検知対象物の特徴点(指先等)を特定すること等によって行う。制御部51は、被検知対象物の動きを、例えば所定時間(例えば1秒など)内における被検知対象物の位置の変化によって検知する。例えば、広げた状態(全ての指を広げた状態)の手をリモコン10の正面側に動かした場合に、被検知対象物がリモコン10側に動いたことを検知する。
【0027】
(トイレ装置用リモコンの操作処理)
リモコン10で行われる操作処理について、図4で示すフローチャートを参照しつつ説明する。リモコン10は、トイレ装置20に複数の機能のうちのいずれかを実行させるための信号を所定の操作に応じて発信する。図4で示すフローチャートは、例えば、リモコン10の電源がオフ状態からオン状態に切り替えられることで開始される。リモコン10の電源がオン状態となると、例えば表示部11A(停止スイッチ11に対応するLED)が点灯する。
【0028】
まず、ステップS11で、制御部51は、非接触式センサ60、及び操作スイッチ53の状態を確認する。制御部51は、非接触式センサ60によって被検知対象物を検知可能な状態とする。制御部51は、操作スイッチ53に対する押圧操作を検知可能な状態とする。
【0029】
続くステップS12で、制御部51は、操作スイッチ53が操作されたか否か判断する。停止スイッチ11、おしり洗浄スイッチ12、ビデ洗浄スイッチ13、調整スイッチ14,15、及び流水音発生スイッチ16のいずれかが押圧操作された場合には、Yesに進み、ステップS13を行う。ステップS13では、制御部51は、操作された操作スイッチ53に対応する機能をトイレ装置20に実行させるための信号を発信する。制御部51は、機能部35に対して、実行する機能に関する制御を行わせるように制御信号を送信する。例えば、制御部51は、おしり洗浄スイッチ12が操作されると、おしり用ノズル41からの洗浄水の吐水を開始させるように制御信号を送信する。制御部51は、ステップS13を行うと、再びステップS11の処理を行う。
【0030】
一方で、続くステップS12で、制御部51は、操作スイッチ53が操作されていないと判断する場合、Noに進み、ステップS14を行う。ステップS14で、制御部51は、非接触式センサ60で操作が検知されたか否か判断する。非接触式センサ60で検知される操作には、機能の選択に関する操作(選択操作)、及び機能の実行に関する操作(実行操作)がある。選択操作は、トイレ装置20で実行される機能を選択するために行われる操作である。
【0031】
リモコン10は、選択操作として、例えば4つの操作(第1選択操作、第2選択操作、第3選択操作、及び第4選択操作)を検知し得るように設定されている。第1選択操作、第2選択操作、第3選択操作、及び第4選択操作が検知される際の手の位置(検知位置)は、例えばカメラ62の前方であり、カメラ62から所定距離(例えば10cm)離れた位置に設定されている。第1選択操作は、停止スイッチ11を押圧操作することによってトイレ装置20の制御部で実行される機能と同じ機能を選択する操作である。第1選択操作は、丸めた状態(全ての指を立たせない状態)の手を検知位置でカメラ62にかざす操作である。第2選択操作は、おしり洗浄スイッチ12を押圧操作することによってトイレ装置20の制御部で実行される機能と同じ機能を選択する操作である。第2選択操作は、人差し指のみを立たせた状態(「1」を示すジェスチャを行う状態)の手を検知位置でカメラ62にかざす操作である。第3選択操作は、ビデ洗浄スイッチ13を押圧操作することによってトイレ装置20の制御部で実行される機能と同じ機能を選択する操作である。第3選択操作は、人差し指、及び中指を立たせた状態(「2」を示すジェスチャを行う状態)の手を検知位置でカメラ62にかざす操作である。第4選択操作は、流水音発生スイッチ16を押圧操作することによってトイレ装置20の制御部で実行される機能と同じ機能を選択する操作である。第4選択操作は、人差し指、中指、薬指、及び小指を立たせた状態(「4」を示すジェスチャを行う状態)の手を検知位置でカメラ62にかざす操作である。非接触式センサ60は、各選択操作に対して、手の形を検知する。
【0032】
リモコン10は、実行操作として、例えば2つの操作(第1実行操作、及び第2実行操作)を検知し得るように設定されている。第1実行操作、及び第2実行操作が検知される際の手の位置(検知位置)は、例えばカメラ62の前方である。第1実行操作は、選択操作が検知された後に検知されることで、選択された機能をトイレ装置20に実行させる操作である。第1実行操作は、広げた状態(全ての指を広げた状態)の手をカメラ62に近づける操作である。第2実行操作は、トイレ装置20で機能の実行中に検知されることで、実行中の機能をトイレ装置20に停止させる操作である。第2実行操作は、広げた状態(全ての指を広げた状態)の手を2回繰り返しカメラ62に近づける操作である。非接触式センサ60は、各実行操作に対して、手の動きを検知する。
【0033】
ステップS14で、制御部51は、非接触式センサ60で操作が検知されていないと判断する場合、Noに進み、再びステップS11を行う。一方で、ステップS14で、制御部51は、非接触式センサ60で操作が検知されたと判断する場合、Yesに進み、ステップS15を行う。
【0034】
ステップS15で、制御部51は、ステップS14で検知された操作が選択操作であるか否か判断する。制御部51は、非接触式センサ60によって検知された選択操作(第1検知結果)に応じて、複数の機能のいずれかを選択する。制御部51は、ステップS14で検知された操作が選択操作であると判断する場合、Yesに進み、ステップS16を行う。ステップS16で(機能が選択されるときに)、制御部51は、選択操作によって選択された機能を報知部54によって報知する(第1報知を行う)。
【0035】
例えば、非接触式センサ60によって第1選択操作(手を丸めるジェスチャ)が検知された場合、リモコン10は、図6(A)の状態から図6(B)の状態になり、表示部11Aが点灯した状態が維持される。非接触式センサ60によって第2選択操作(「1」を示すジェスチャ)が検知された場合、リモコン10は、表示部11Aが点灯した状態(図6(A)の状態)から表示部12Aが点灯した状態(図6(C)の状態)となる。非接触式センサ60によって第3選択操作(「2」を示すジェスチャ)が検知された場合、リモコン10は、表示部11Aが点灯した状態(図6(A)の状態)から表示部13Aが点灯した状態(図示略)となる。非接触式センサ60によって第4選択操作(「4」を示すジェスチャ)が検知された場合、リモコン10は、表示部11Aが点灯した状態(図6(A)の状態)から表示部16Aが点灯した状態(図6(D)の状態)となる。ステップS16の後、再びステップS11を行う。使用者は、報知部54による報知によって、選択された機能を認識することができる。使用者は、自らの操作に基づいて、意図した機能がトイレ装置20で実行されるか否か知ることができる。
【0036】
報知部54(表示部11A,12A,13A,16A)は、非接触式センサ60によって検知された被検知対象物の位置に応じて照射する光の色及び明るさの少なくとも一方を変える構成となっている。例えば、報知部54は、被検知対象物が検知位置(非接触式センサ60で操作が検知可能な位置)に近づくほど、光の色を赤色から青色に近づけたり、光の明るさを明るくさせたりする。使用者は、操作に応じて変化する報知部54から照射される光を見ながら操作を行うことができる。そのため、使用者は、所望の操作を確実にトイレ装置20に実行させることができる。
【0037】
ステップS15で、制御部51は、ステップS14で検知された操作が選択操作ではない(実行操作である)と判断する場合、Noに進み、ステップS17を行う。制御部51は、非接触式センサ60による選択操作(第1検知結果)の検知後に検知された実行操作(第2検知結果)に応じて、選択操作に応じて選択された機能をトイレ装置20に実行させる。ステップS17で、制御部51は、直前に選択されていた機能をトイレ装置20に実行させる信号を発信する。制御部51は、トイレ装置20で機能が実行されるときに、実行操作によって実行される機能を報知部54によって報知する(第1報知とは異なる第2報知を行う)。第2報知が第1報知とは異なることで、機能の選択時の報知と機能の実行時の報知を区別することができる。リモコン10は、選択した機能の内容を確認することができるとともに、その機能がトイレ装置20で実行されるか否かを確認することができる。
【0038】
例えば、非接触式センサ60によって第1実行操作(手のひらを近づけるジェスチャ)が検知された場合、ステップS15で、Noに進む。制御部51は、直前に非接触式センサ60によって第1選択操作(手を丸めるジェスチャ)が検知されていた場合、停止スイッチ11を押圧操作することによって実行される機能と同じ機能をトイレ装置20に実行させる。制御部51は、おしり用ノズル41やビデ用ノズル42からの洗浄水の吐水を停止させるように、機能部35に制御信号を送信する。制御部51は、図6(E)に示すように、表示部11Aを点滅させ、停止スイッチ11に対応する機能がトイレ装置20で実行される旨を報知する。制御部51は、直前に非接触式センサ60によって第2選択操作(「1」を示すジェスチャ)が検知されていた場合、おしり洗浄スイッチ12を押圧操作することによって実行される機能と同じ機能をトイレ装置20に実行させる。制御部51は、図6(F)に示すように、表示部12Aを点滅させ、おしり洗浄スイッチ12に対応する機能がトイレ装置20で実行される旨を報知する。制御部51は、直前に非接触式センサ60によって第4選択操作(「4」を示すジェスチャ)が検知されていた場合、流水音発生スイッチ16を押圧操作することによって実行される機能と同じ機能をトイレ装置20に実行させる。制御部51は、図6(G)に示すように、表示部16Aを点滅させ、流水音発生スイッチ16に対応する機能が実行される旨を報知する。ステップS17の後、再びステップS11を行う。
【0039】
使用者は、所望の機能を実行させるために、機能を選択させる選択操作と、機能をトイレ装置20に実行させる実行操作と、を行うことになる。リモコン10は、機能の選択から実行までにツーアクションを必要とすることで、意図していない機能の実行を防ぎ易くなる。
【0040】
制御部51は、ステップS17で機能を実行した後、非接触式センサ60によって第2実行操作(手のひらをカメラ62に2回近づける操作)が検知された場合、トイレ装置20で実行中の機能を停止させる。例えば、制御部51は、おしり用ノズル41から洗浄水が吐水されている状態(図7(A)の状態)となった後、第2実行操作が検知された場合、トイレ装置20に洗浄水の吐水を停止させる。制御部51は、図7(C)に示すように、表示部11Aを点滅させ、停止スイッチ11に対応する機能がトイレ装置20で実行される旨を報知する。図7(A)は、図6(F)に示すリモコン10の状態と同じ状態を示している。同様に、制御部51は、ビデ用ノズル42から洗浄水が吐水されている状態(図7(B)の状態)となった後、第2実行操作が検知された場合、洗浄水の吐水をトイレ装置20に停止させる。このようにして、制御部51は、誤って実行された機能をトイレ装置20に停止させることができる。
【0041】
上記のように構成された実施形態によれば、以下の効果を奏する。
【0042】
本開示のリモコン10において、使用者は、報知部54による報知によって、選択された機能を認識することができる。そのため、使用者は、自らの操作に基づいて、意図した機能がトイレ装置20で実行されるか否か知ることができる。特に、リモコン10は、被検知対象物の動き、形を非接触式センサ60によって検知させるため、被検知対象物の多様な状態を検知させることができ、使用者の感覚に応じた操作を行い易くなる。
【0043】
本開示のリモコン10において、制御部51は、非接触式センサ60によって検知された第1検知結果に応じて、複数の機能のいずれかを選択する。制御部51は、非接触式センサ60による第1検知結果の検知後に検知された第2検知結果に応じて、第1検知結果に応じて選択された機能をトイレ装置20に実行させるための信号を発信する。これにより、使用者は、所望の機能をトイレ装置20に実行させるために、機能を選択させる操作(第1検知結果を検知させる操作)と、機能をトイレ装置20に実行させる操作(第2検知結果を検知させる操作)と、を行うことになる。このように、機能の選択から実行までにツーアクションを必要とすることで、意図していない機能の実行を防ぎ易くなる。
【0044】
本開示のリモコン10において、報知部54は、制御部51によって機能が選択されるときに第1報知を行う。報知部54は、制御部51によって機能をトイレ装置20に実行させるための信号を発信するときに第1報知とは異なる第2報知を行う。これにより、リモコン10は、機能の選択時の報知と機能の実行時の報知を区別することができ、選択した機能の内容を確認することができるとともに、その機能が実行されるか否かを確認することができる。
【0045】
本開示のリモコン10において、制御部51は、非接触式センサ60による検知結果に応じた機能の選択を行うことなく、トイレ装置20で実行中の機能を非接触式センサ60による検知結果に応じて停止させる。これにより、リモコン10は、誤ってトイレ装置20で実行された機能を停止させることができる。
【0046】
本開示のリモコン10において、報知部54は、非接触式センサ60によって検知された被検知対象物の位置に応じて、照射する光の色及び明るさの少なくとも一方を変える表示部11A,12A,13A,16Aを有する。これにより、使用者は、操作に応じて変化する表示部11A,12A,13A,16Aから照射される光の色を見ながら操作を行うことができる。そのため、所望の操作を確実にトイレ装置20に実行させることができる。
【0047】
本開示のリモコン10は、複数の機能にそれぞれ対応した複数の操作スイッチ53を備えている。制御部51は、操作された操作スイッチ53に対応する機能をトイレ装置20に実行させるための信号を発信する。これにより、リモコン10は、トイレ装置20に各機能を実行させるために、非接触式センサ60と操作スイッチ53を併用することができ、利便性が高まる。
【0048】
<実施形態2>
次に、実施形態2について説明する。実施形態2のリモコン10は、非接触式センサの構成が実施形態1と異なっている。その他の構成は実施形態1と同一であり、同一の構成は同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0049】
(トイレ装置用リモコンの構成)
実施形態2のリモコン10は、図8に示すように、非接触式センサ260を備えている。非接触式センサ260は、公知の電波式センサとして構成されている。非接触式センサ260は、リモコン10の前方に電波(例えば、マイクロ波やミリ波)を照射して、その電波の被検知対象物からの反射波を検出する。非接触式センサ260は、例えばドップラー式の駆動方式で駆動する。非接触式センサ260は、被検知対象物の動き(移動)を検知する。例えば、広げた状態(全ての指を広げた状態)の手をリモコン10の正面側で左から右に動かした場合に、被検知対象物が左から右に動いたことを検知する。
【0050】
(トイレ装置用リモコンの操作処理)
リモコン10で行われる操作処理は、被検知対象物の検知方法が実施形態1と異なり、その他の処理(図4のステップS11~S17)は実施形態1と同様である。
【0051】
リモコン10は、選択操作として、例えば2つの操作(第5選択操作、及び第6選択操作)を検知し得るように設定されている。第5選択操作は、非接触式センサ260の前方で手のひらを左から右に移動させる操作である。第5選択操作は、非接触式センサ260の前方(真正面)の所定位置を基準位置として、基準位置を跨いで左側から右側に手を移動させる操作である。第5選択操作は、非接触式センサ260の前方(真正面)の所定位置を基準位置として、基準位置から右側に手を移動させる操作であってもよい。第5選択操作を行うごとに、選択する機能が、順繰りに変わっていく。図9に示す(A)(B)(C)(D)(A)…のように、停止スイッチ11の操作に対応する機能、おしり洗浄スイッチ12の操作に対応する機能、ビデ洗浄スイッチ13の操作に対応する機能、流水音発生スイッチ16の操作に対応する機能、停止スイッチ11の操作に対応する機能、…の順に選択する機能が変わっていく。報知部54の点灯状態も、表示部11A、表示部12A、表示部13A、表示部16A、表示部11A…の順に切り替わっていく。
【0052】
第6選択操作は、非接触式センサ260の前方で手のひらを右から左に移動させる操作である。第6選択操作は、非接触式センサ260の前方(真正面)の所定位置を基準位置として、基準位置を跨いで右側から左側に手を移動させる操作である。第6選択操作は、非接触式センサ260の前方(真正面)の所定位置を基準位置として、基準位置から左側に手を移動させる操作であってもよい。第6選択操作を行うごとに、選択する機能が、順繰りに変わっていく。図9に示す(D)(C)(B)(A)(D)…のように、流水音発生スイッチ16の操作に対応する機能、ビデ洗浄スイッチ13の操作に対応する機能、おしり洗浄スイッチ12の操作に対応する機能、停止スイッチ11の操作に対応する機能、…の順に選択する機能が変わっていく。報知部54の点灯状態も、表示部16A、表示部13A、表示部12A、表示部11A、表示部16A…の順に切り替わっていく。
【0053】
実施形態2のリモコン10においても、使用者は、報知部54による報知によって、選択された機能を認識することができる。使用者は、自らの操作に基づいて、意図した機能がトイレ装置20で実行されるか否か知ることができる。
【0054】
リモコン10は、実行操作として、例えば第3実行操作を検知し得るように設定されている。第3実行操作は、選択操作が検知された後に検知されることで、選択された機能をトイレ装置20に実行させる操作である。第3実行操作が検知される際の手の位置(検知位置)は、例えばカメラ62の前方である。第3実行操作は、広げた状態(全ての指を広げた状態)の手を非接触式センサ260に近づける操作である。制御部51は、非接触式センサ260によって第3実行操作が検知されると、図9に示す(E)のように、選択されていた機能に対応する表示部を点滅させる。
【0055】
<実施形態3>
次に、実施形態3について説明する。実施形態3のリモコン10は、操作表示部71,72,73,76,77が設けられた点が実施形態1と異なっている。その他の構成は実施形態1と同一であり、同一の構成は同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0056】
実施形態3のリモコン10は、図10に示すように、操作表示部71,72,73,76,77を備えている。操作表示部71,72,73,76は、機能を選択するための操作内容に応じた表示がなされている。操作表示部77は、機能を実行するための操作内容に応じた表示がなされている。操作表示部71,72,73,76は、それぞれ停止スイッチ11、おしり洗浄スイッチ12、ビデ洗浄スイッチ13、流水音発生スイッチ16を操作することによって実行される機能と同じ機能を選択するための操作内容(ピクトグラム等)である。操作表示部77は、選択された機能を実行させるための操作内容(ピクトグラム等)である。操作表示部71,72,73,76は、それぞれ停止スイッチ11、おしり洗浄スイッチ12、ビデ洗浄スイッチ13、流水音発生スイッチ16の近傍の位置(下側に隣接する位置)に表示されている。操作表示部77は、操作表示部76の近傍の位置(右側に隣接する位置)に表示されている。
【0057】
操作表示部71は、手を丸めた状態(全ての指を立たせない状態)のジェスチャの絵である。操作表示部72は、人差し指のみを立たせた状態(「1」を示す状態)ジェスチャの絵である。操作表示部73は、人差し指、及び中指を立たせた状態(「2」を示す状態)のジェスチャの絵である。操作表示部76は、人差し指、中指、薬指、及び小指を立たせた状態(「4」を示す状態)のジェスチャの絵である。操作表示部77は、広げた状態(全ての指を広げた状態)の手をリモコン10に近づけるジェスチャの絵である。
【0058】
実施形態3のリモコン10では、使用者は、操作表示部71,72,73,76,77により表示される操作内容に基づいて、意図する操作を行うことができる。
【0059】
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も技術的範囲に含まれる。
(1)実施形態1,2では、ステップS16で、選択操作によって選択された機能を報知するために、表示部11A,12A,13A,16Aを点灯させた。表示部11A,12A,13A,16Aの点灯に代えて、あるいは表示部11A,12A,13A,16Aの点灯に加えて、ブザー音や音声によって報知する構成であってもよい。例えば、実施形態1で、非接触式センサ60によって第2選択操作(「1」を示すジェスチャ)が検知された場合、リモコン10は、ブザー音を1回鳴らしたり、「おしり洗浄が選択されました」等の音声を出力してもよい。同様に、ステップS17で、選択した機能をトイレ装置20に実行させる場合や、トイレ装置20で実行中の機能を停止させる場合に、報知する構成であったが、ブザー音や音声によって報知する構成であってもよい。
(2)実施形態1において、非接触式センサ60は、被検知対象物の形、及び動きを検知した。非接触式センサ60は、被検知対象物の位置を検知してもよい。例えば、非接触式センサ60は、被検知対象物が所定の位置(例えばカメラ62から10cm前方に離れた位置)に所定の時間留まる場合に、その所定の位置に被検知対象物が位置していることを検知してもよい。制御部51は、非接触式センサ60によって検知された位置に応じて、複数の機能のいずれかを選択してもよい。
(3)実施形態1において、非接触式センサ60は、音声を検知してもよい。例えば、非接触式センサ60は、マイクロフォンとして構成され、使用者の発する音声などを集音し、電気信号に変換して制御部51に出力する。メモリ55には、各機能に対応する音声内容が対応付けられている。制御部51は、非接触式センサ60で検知された音声内容に基づいて対応する機能を選択する。例えば、使用者が「おしり洗浄」という音声を発した場合に、非接触式センサ60によって「おしり洗浄」という音声内容が検知される。制御部51は、「おしり洗浄」という音声内容に対応する機能(おしり洗浄スイッチ12を押圧操作することによって実行される機能と同じ機能)を選択する。
(4)実施形態1において、制御部51は、第2実行操作に基づいてトイレ装置20で実行中の機能を停止させる信号を発信する点を説明したが、選択された機能を実行決定後かつトイレ装置20で実行前に停止させる信号を発信してもよい。制御部51は、制御信号を機能部35に送信した後、機能部35で機能を実行する前に停止させる制御信号を送信してもよい。
(5)実施形態1~3において、被検知対象物が使用者の手である例を示したが、使用者の意思に応じて動かされる物であってもよい。例えば、リモコン10は、使用者が持っている物の形、動き、位置を非接触式センサによって検知し、検知結果に応じて機能の選択を行なったり、トイレ装置20に機能を実行させたりしてもよい。
(6)実施形態1,2において、図4で示すフローチャートは、リモコン10の電源がオフ状態からオン状態に切り替えられることで開始されたが、別途設けられるセンサによって人体が検知されること等によって、開始されてもよい。
(7)実施形態1~3において、リモコン10は、便器洗浄機能や、温風機能等その他の機能を実行するための操作スイッチが設けられていてもよい。非接触式センサ60による検知に基づいて便器洗浄機能や、温風機能等を選択・実行する構成であってもよい。
(8)実施形態3において、リモコン10は、操作表示部71,72,73,76,77の代わりに、アニメーションを表示する液晶表示部を設ける構成であってもよい。液晶表示部は、選択操作を示す絵と、それに対応する機能を示す絵(操作スイッチ53の絵)を順次表示する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0060】
10…トイレ装置用リモコン、11…停止スイッチ、11A,12A,13A,16A…表示部、12…おしり洗浄スイッチ、13…ビデ洗浄スイッチ、16…流水音発生スイッチ、20…トイレ装置、35…機能部、40…衛生洗浄装置、41…おしり用ノズル、42…ビデ用ノズル、51…制御部、53…操作スイッチ(接触式スイッチ)、54…報知部、60,260…非接触式センサ、71,72,73,76,77…操作表示部
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