(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】対話型コミュニケーション装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0639 20230101AFI20240830BHJP
【FI】
G06Q10/0639
(21)【出願番号】P 2020176404
(22)【出願日】2020-10-21
【審査請求日】2023-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】榎本 奈津子
(72)【発明者】
【氏名】宮本 登
(72)【発明者】
【氏名】大橋 朋佳
(72)【発明者】
【氏名】川田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】大野 明子
(72)【発明者】
【氏名】平瀬 公太
【審査官】阿部 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-259646(JP,A)
【文献】特開2012-69096(JP,A)
【文献】特開2002-197240(JP,A)
【文献】特開2018-37057(JP,A)
【文献】特開2017-174353(JP,A)
【文献】特開2020-141208(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置を使用する在宅勤務者について登録されている、予め定められた時刻と勤務内容とが対応付けられた在宅勤務スケジュールを取得する取得手段と、
前記時刻になると、当該時刻に対応付けられている前記勤務内容に関する情報を音声により通知する音声通知手段と、
在宅勤務者の音声に対応するテキストデータを取得する音声取得手段と、
音声認識により取得された前記テキストデータが前記在宅勤務スケジュールの変更の申し出を含むか否かを判定するスケジュール変更受付手段と、
を有する対話型コミュニケーション装置。
【請求項2】
前記音声通知手段は、前記勤務内容に関する情報として、前記時刻に対応付けられている当該勤務内容と、当該勤務内容に応じた注意事項を音声により通知する、請求項1記載の対話型コミュニケーション装置。
【請求項3】
前記音声通知手段は、前記注意事項として、前記勤務内容の納期を通知する、請求項2記載の対話型コミュニケーション装置。
【請求項4】
前記音声通知手段は、前記注意事項として、予定されている当日の他の勤務内容についても通知する、請求項2記載の対話型コミュニケーション装置。
【請求項5】
前記音声通知手段は、前記勤務内容が対応付けられている期間内に進捗を問い合わせる音声を通知する、請求項1又は2記載の対話型コミュニケーション装置。
【請求項6】
前記スケジュール変更受付手段は、前記テキストデータが前記在宅勤務スケジュールの変更の申し出を
含む場合、申し出の内容を当該在宅勤務スケジュール
に反映
し、
前記音声通知手段は、変更後の前記在宅勤務スケジュールの前記時刻になると、当該時刻に対応付けられている前記勤務内容に関する情報を音声により通知する、
請求項1記載の対話型コミュニケーション装置。
【請求項7】
自装置と在宅勤務者との
音声による会話により取得される前記テキストデータに勤務した時間及び勤務した内容が含まれる場合、在宅勤務者が勤務した時間及び勤務した内容に関するログを記憶媒体に記録する記録手段と、
記録された前記ログを勤怠管理サーバに送信する送信手段と、
を更に有する、請求項1記載の対話型コミュニケーション装置。
【請求項8】
前記会話は、在宅勤務者が終業予定時刻を過ぎても勤務している場合に交わされる、請求項7記載の対話型コミュニケーション装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対話型コミュニケーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、新型コロナウィルスへの感染拡大の防止のため、在宅勤務の採用が増えている。在宅勤務者を前提としたシステムとして、管理者が在宅勤務者の勤怠を正確に管理し、給与算定や人事考課に反映させることを目的とするシステムがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-197240号公報
【文献】特開2019-46047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1や特許文献2に記載の管理システムでは、在宅勤務者の勤務を支援することはできない。
【0005】
本発明は、従来型の在宅勤務向けの管理システムとは異なり、在宅勤務者による在宅での勤務を支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、自装置を使用する在宅勤務者について登録されている、予め定められた時刻と勤務内容とが対応付けられた在宅勤務スケジュールを取得する取得手段と、前記時刻になると、当該時刻に対応付けられている前記勤務内容に関する情報を音声により通知する音声通知手段と、在宅勤務者の音声に対応するテキストデータを取得する音声取得手段と、音声認識により取得された前記テキストデータが前記在宅勤務スケジュールの変更の申し出を含むか否かを判定するスケジュール変更受付手段と、を有する対話型コミュニケーション装置である。
請求項2に記載の発明は、前記音声通知手段は、前記勤務内容に関する情報として、前記時刻に対応付けられている当該勤務内容と、当該勤務内容に応じた注意事項を音声により通知する、請求項1記載の対話型コミュニケーション装置である。
請求項3に記載の発明は、前記音声通知手段は、前記注意事項として、前記勤務内容の納期を通知する、請求項2記載の対話型コミュニケーション装置である。
請求項4に記載の発明は、前記音声通知手段は、前記注意事項として、予定されている当日の他の勤務内容についても通知する、請求項2記載の対話型コミュニケーション装置である。
請求項5に記載の発明は、前記音声通知手段は、前記勤務内容が対応付けられている期間内に進捗を問い合わせる音声を通知する、請求項1又は2記載の対話型コミュニケーション装置である。
請求項6に記載の発明は、前記スケジュール変更受付手段は、前記テキストデータが前記在宅勤務スケジュールの変更の申し出を含む場合、申し出の内容を当該在宅勤務スケジュールに反映し、前記音声通知手段は、変更後の前記在宅勤務スケジュールの前記時刻になると、当該時刻に対応付けられている前記勤務内容に関する情報を音声により通知する、請求項1記載の対話型コミュニケーション装置である。
請求項7に記載の発明は、自装置と在宅勤務者との音声による会話により取得される前記テキストデータに勤務した時間及び勤務した内容が含まれる場合、在宅勤務者が勤務した時間及び勤務した内容に関するログを記憶媒体に記録する記録手段と、記録された前記ログを勤怠管理サーバに送信する送信手段と、を更に有する、請求項1記載の対話型コミュニケーション装置である。
請求項8に記載の発明は、前記会話は、在宅勤務者が終業予定時刻を過ぎても勤務している場合に交わされる、請求項7記載の対話型コミュニケーション装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、従来型の在宅勤務向けの管理システムとは異なり、在宅勤務者による在宅での勤務を支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態で想定するコミュニケーションシステムの構成例を示す図である。
【
図2】実施の形態で使用する勤務スケジュールのデータ構成の一例を説明する図である。
【
図4】実施の形態1で使用する端末装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図5】勤務スケジュールの変更例を説明する図である。
【
図6】実施の形態で使用する端末装置が勤務や作業が開始するタイミングで実行する処理動作を説明するフローチャートである。
【
図7】実施の形態で使用する端末装置が終業予定時刻で実行する処理動作を説明するフローチャートである。
【
図8】作業の開始時刻が到来した場合に端末装置と在宅勤務者との間で交わされる会話の一例を説明する図である。
【
図9】作業の開始時刻が到来した場合に端末装置と在宅勤務者との間で交わされる会話の他の一例を説明する図である。
【
図10】在宅勤務者の作業を支援する会話の他の例を説明する図である。(A)は在宅勤務者が勤務の開始を伝える場合の会話例であり、(B)は端末装置が午前の勤務時間の終わりを伝える場合の会話例である。
【
図11】在宅勤務者の作業を支援する会話の他の例を説明する図である。(A)は端末装置が休憩を進める場合の会話例であり、(B)は在宅勤務者が休憩の意思を伝える場合の会話例である。
【
図12】作業が終了した場合に行われる会話例を説明する図である。
【
図13】残業時間が到来した場合に残業の申し出がある場合の会話例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
<実施の形態>
<システムの構成>
図1は、実施の形態で想定するコミュニケーションシステム1の構成例を示す図である。
【0010】
図1に示すコミュニケーションシステム1は、在宅勤務者5の自宅で使用される端末装置10と、在宅勤務者5が作業に使用する情報端末20と、通信路30と、勤怠管理サーバ40とで構成されている。
もっとも、本実施の形態におけるコミュニケーションシステム1において情報端末20は必須ではない。
【0011】
本実施の形態の場合、端末装置10は、在宅勤務者5に対して1台ずつ配置される。従って、勤怠管理サーバ40で管理する在宅勤務者5が複数人であれば、コミュニケーションシステム1には、複数台の端末装置10が存在する。
図1に示す端末装置10は、ロボットの形状を有している。もっとも、端末装置10の形状はロボットに限らず、例えば動物、ぬいぐるみ、乗り物、花の形状でもよい。また、端末装置10は、スマートスピーカ等で採用されている筒型の形状や箱型の形状でもよい。
【0012】
本実施の形態における端末装置10は、勤怠管理サーバ40と連携し、在宅勤務者5による勤務の効率化を支援する。本実施の形態における端末装置10は、音声による対話又は会話を通じ、在宅勤務者5による在宅での勤務を支援する。本実施の形態では、対話と会話を厳密には区別しない。
【0013】
例えば端末装置10は、勤務スケジュール401に登録されている情報を提供することで、勤務時間中の在宅勤務者5の勤務の効率化を支援する。ここでの勤務スケジュール401は、在宅勤務スケジュールの一例である。
本実施の形態における勤務の効率化は、作業に要する時間の短縮や成果物の品質の向上をいう。換言すると、量的な意味と質的な意味の向上をいう。
また、端末装置10は、在宅勤務者5による勤務の遂行に関する発声を勤務ログ402に自動的に反映する機能も備えている。勤務スケジュール401は、在宅勤務スケジュールの一例である。
【0014】
なお、端末装置10は、在宅勤務者5の所属先から貸与されていてもよいし、在宅勤務者5が所有していてもよいし、自身でレンタルしていてもよい。レンタルの場合、有償か無償かは問わない。
本実施の形態における端末装置10は、対話型コミュニケーション装置の一例である。
【0015】
本実施の形態の場合、通信路30には、インターネットや移動通信システムを使用する。移動通信システムは、第4世代(すなわち4G)、第5世代(すなわち5G)、第6世代(すなわち6G)のいずれでもよい。
もっとも、移動通信システムを用いた通信が可能であるのは、端末装置10にSIM(=Subscriber Identity Module)カードが装着されているか、電子的に発行されたSIM情報が不図示の半導体メモリに記憶されている場合に限られる。
【0016】
端末装置10が家庭内のネットワーク環境に接続されている場合、端末装置10は、インターネット経由で在宅勤務者5の音声を認識する不図示のサーバ(以下「音声認識サーバ」ともいう)と通信することも可能である。なお、端末装置10と家庭内のネットワーク環境との接続には、例えばWifi(登録商標)による接続の他、ワイヤレスUSB(=Universal Serial Bus)による接続、ブルートゥース(登録商標)による接続、デザリングによる接続、有線ケーブルの接続を使用する。
また、端末装置10が家庭内のネットワーク環境に接続されていない場合、端末装置10は、移動通信システム経由で勤怠管理サーバ40や音声認識サーバと通信してもよい。
【0017】
図1における情報端末20は、デスクトップ型のコンピュータでもよいし、ノート型のコンピュータでもよいし、タブレット型のコンピュータでもよいし、スマートフォンやウェアラブル型のコンピュータでもよい。
図1では、情報端末20がノート型のコンピュータである場合を表している。
勤怠管理サーバ40は、在宅勤務者5の勤怠管理に使用されるサーバである。勤怠管理サーバ40は、コンピュータを基本構成とし、不図示のCPU(=Central Processing Unit)によるアプリケーションプログラムの実行を通じ、端末装置10と連携する。
【0018】
本実施の形態における勤怠管理サーバ40は、クラウド型のサーバでもオンプレミス型のサーバでもよい。
勤怠管理サーバ40のハードディスク装置には、勤務スケジュール401と勤務ログ402が記憶されている。
勤務スケジュール401には、在宅で勤務する在宅勤務者5に関する勤務上のスケジュールが記憶されている。もっとも、勤務スケジュール401は、職場で勤務する日のスケジュールを含んでもよい。
【0019】
勤務スケジュール401には、例えば勤務日に紐づけて、在宅勤務者5を識別する社員番号、社員の氏名、勤務時間内に予定されている勤務内容に関する情報が記憶されている。本実施の形態の場合、勤務内容に関する情報は、在宅勤務者5が職場で使用する情報端末や自宅で使用する情報端末20を通じて登録する。
勤務内容に関する情報には、例えば勤務内容と、勤務内容に応じた注意事項が含まれる。勤務内容には、作業名、作業を開始する時刻(以下「開始時刻」ともいう)、終了する時刻(以下「終了時刻」ともいう)が含まれる。
注意事項には、例えば納期、注意点、連絡事項、関連がある他の勤務内容がある。
【0020】
勤務ログ402は、在宅勤務者5が申告した勤怠状況の記録が記憶されている。本実施の形態の場合、勤怠状況の記録には、例えば勤務の開始時刻、勤務の終了時刻、休憩の開始時刻、休憩の終了時刻、残業の開始時刻、残業の終了時刻が記録される。
これらの時刻は、勤務した時間の一例である。
【0021】
<勤務スケジュールのデータ例>
図2は、実施の形態で使用する勤務スケジュール401のデータ構成の一例を説明する図である。
勤務スケジュール401には、日付別に、在宅勤務者5の勤務内容が時刻に対応付けて記憶されている。
図2には、2020年9月10日の勤務スケジュール401が表されている。
図2に示す勤務スケジュール401は、社員番号と、社員の氏名と、勤務内容が記録されている。
図2の場合、勤務内容は、時間軸に割り付けられているが、必ずしも時間軸に割り付ける必要はない。
【0022】
図2の場合、東京太郎さんには、4つの作業が登録されている。また、東京花子さんには、2つの作業が登録されている。
図2の場合、勤務内容としての各作業には、作業名と、作業の開始時刻と、作業の終了時刻と、在宅勤務者5が登録したメモと、上司や他のメンバーが登録した連絡とが含まれている。これらの項目は、いずれも勤務内容に関する情報の一例である。
東京花子さんの1つ目の作業の場合、作業名は「Aプロジェクトの計画書」であり、開始時刻は「9:30」であり、終了時刻は「16:00」である。また、この作業には、3つのメモと1つの連絡が登録されている。
【0023】
図2の場合、「メモ1」には、「本日いっぱいが〆切」であること、「メモ2」には、「見積もりを必ず添付する」こと、「メモ3」には、「作業が終わったら東京太郎さんに連絡する」ことが入力されている。
また、「連絡1」には、「B企画のCさんに18時までにメールで連絡」する旨の注意事項が入力されている。
【0024】
なお、連絡の内容は、上司や他のメンバーが東京花子さんの勤務スケジュール401に直接書き込むのではなく、「Aプロジェクトの計画書」や東京花子さんに紐付けられたメッセージ等が勤怠管理サーバ40(
図1参照)その他の管理システムに登録された場合に、自動定期に追加される仕組みでもよい。もっとも、メッセージ等の内容を直接追加するのではなくリンク情報を追加するのでもよい。
【0025】
<端末装置の構成>
図3は、端末装置10の外観例を説明する図である。
図1に示したように、本実施の形態における端末装置10の外観は2足歩行型のロボットである。
もっとも、端末装置10が実際に歩行可能である必要はない。ただし、不図示の車輪等により、端末装置10の移動が可能でもよい。なお、ロボットには脚部がなくてもよい。
【0026】
端末装置10は、情報を送受信する通信アンテナ101と、画像を撮像するカメラ102と、音声を取得するマイクロフォン103と、情報を表示するディスプレイ104と、音声等の音を出力するスピーカ105と、ユーザが操作を行う操作ボタン106と、人の存在を検知する人感センサ107と、装置全体の制御を行う制御部108とを備える。
【0027】
本実施の形態の場合、通信アンテナ101はデザインの一部として現れているが、筐体内に含まれていてもよい。
カメラ102による撮像は、動画でも静止画でもよい。本実施の形態の場合、カメラ102は、ロボットの右目に設けられているが、取り付け位置は任意である。因みに、取り付けられるカメラ102の数は、複数でもよい。
マイクロフォン103は、ロボットの左目に設けられているが、取り付け位置は任意である。マイクロフォン103の数も複数でもよい。
【0028】
ディスプレイ104は、ロボットの胸部に設けられている。ディスプレイ104は、タッチパネルでもよい。もっとも、ディスプレイ104を設けない構成も可能である。
操作ボタン106は、カメラ102による録画を指示する録画ボタン106aと、他の端末装置10や勤怠管理サーバ40(
図1参照)から受信した情報の再生を指示する再生ボタン106bと、端末装置10の設定等に用いるメニューボタン106cとを備えている。
本実施の形態の場合、録画ボタン106aが操作される画像の記録だけでなく、音も記録される。もっとも、録画ボタン106aに代えて、又は、録画ボタン106aとは別に録音ボタンを用意してもよい。
【0029】
制御部108は、プログラムの実行を通じて各種の機能を実現するCPUと、半導体メモリで構成される。半導体メモリは、BIOS(=Basic Input Output System)等が記憶されたROM(=Read Only Memory)と、主記憶装置として用いられるRAM(=Random Access Memory)とを有している。また、制御部108は、補助記憶装置としての半導体メモリも有している。補助記憶装置としての半導体メモリには、質問データに説明データを対応付けたデータテーブルやプログラムが記憶されている。補助記憶装置としての半導体メモリは、書き換えが可能な不揮発性のメモリである。
【0030】
<端末装置の機能構成>
図4は、実施の形態1で使用する端末装置10の機能構成の一例を示す図である。
図4に示す機能は、本実施の形態に関連する機能のみを選択的に表している。
【0031】
端末装置10は、勤怠管理サーバ40(
図1参照)から勤務スケジュール401(
図1参照)を取得するスケジュール取得部111と、取得した勤務スケジュール401を管理する勤務スケジュール管理部112と、在宅勤務者5(
図1参照)との会話を通じて勤務を支援する音声通知部113と、在宅勤務者5の音声を取得する音声取得部114と、勤務スケジュール401の変更を受け付けるスケジュール変更受付部115と、勤務スケジュール401の変更を実行するスケジュール変更部116と、在宅勤務者5が申告した勤怠状況を半導体メモリに記録するログ記録部117と、記録されたログを勤怠管理サーバ40に送信するログ送信部118と、を有している。
【0032】
本実施の形態におけるスケジュール取得部111は、自装置を使用する在宅勤務者5について登録されている勤務スケジュール401を勤怠管理サーバ40から取得する。自装置と在宅勤務者5との紐付けは、例えば社員番号と製品番号との対応付け、社員番号とIP(=Internet Protocol)アドレスとの対応付け、社員番号とMAC(=Media Access Control)アドレスとの対応付け等により行う。対応関係は、例えば勤怠管理サーバ40(
図1参照)に記憶されている。
【0033】
勤務スケジュール401の取得は、勤務が開始する前であればよい。勤務スケジュール401の取得は、予め定められている取得スケジュールに基づいて自動的に実行してもよいし、在宅勤務者5のメニューボタン106c(
図3参照)の操作に応じて実行してもよい。
取得スケジュールに基づく取得は、在宅勤務日の勤務スケジュール401が確定する時刻以降であることが望ましい。例えば前日の夜の10時や当日の朝の7時に、勤務スケジュール401を自動的に取得するようにプログラミングする。
【0034】
なお、勤怠管理サーバ40が各在宅勤務者5の端末装置10を宛先として勤務スケジュール401をプッシュ配信してもよい。プッシュ配信の時刻も予め定められていてもよい。
また、勤怠管理サーバ40は、在宅勤務者5に関する勤務スケジュール401の変更を受け付けた場合には、その都度、該当する在宅勤務者5が使用する端末装置10に宛てて更新後の勤務スケジュール401をプッシュ配信してもよい。
ここでの勤務スケジュール401の変更には、在宅勤務者5による変更の他、関連する連絡が追加される場合、既存の連絡に変更が加えられる場合もある。
ここでのスケジュール取得部111は、取得手段の一例である。
【0035】
勤務スケジュール管理部112は、取得された又は変更された勤務スケジュール401を管理する。この勤務スケジュール管理部112は、対象とする勤務スケジュールを不図示の半導体メモリに書き込む他、半導体メモリから読み出して音声通知部113に与える。
音声通知部113は、現在時刻と勤務スケジュール401とを比較し、各作業が開始する時刻になると、在宅勤務者5に対するメッセージをスピーカ105(
図3参照)から音声として出力する。
【0036】
メッセージには、該当する時刻に対応する作業名を含む他、メモや連絡の内容も含まれる。もっとも、通知する内容を、システムの管理者や在宅勤務者5が設定してもよい。
また、音声通知部113は、勤務の開始時刻や勤務の終了時刻にも、在宅勤務者5に対するメッセージを音声で出力してもよい。
本実施の形態におけるメッセージを出力する時刻は、厳密な意味での一致である必要はなく、多少の前後が許容される。例えば10秒程度の前後は許容される。ここでの音声通知部113は、音声通知手段の一例である。
【0037】
音声取得部114は、マイクロフォン103(
図3参照)を通じて取得された在宅勤務者5の音声を解析し、質問の内容を特定する。具体的には、音声取得部114は、取得された音声を通信路30(
図1参照)経由で不図示の音声認識サーバに送信し、音声に対応するテキストデータを取得する。
音声取得部114は、音声通知部113による在宅勤務者5へのメッセージの通知に連動して起動される。また、在宅勤務者5が録画ボタン106aを操作した場合に起動されてもよい。また、いわゆるスマートスピーカと同様、端末装置10を起動するワード(すなわち「起動ワード」)が検知された場合に起動されてもよい。
【0038】
音声取得部114による音声認識により取得されたテキストデータは、音声通知部113、スケジュール変更受付部115、ログ記録部117に与えられる。
なお、端末装置10だけで音声認識の実行が可能な場合、音声認識サーバとの通信は不要である。
この音声取得部114と音声通知部113との連携により、端末装置10と在宅勤務者5との会話が実現される。
【0039】
スケジュール変更受付部115は、取得されたテキストデータがスケジュールの変更の申し出を含む場合、申し出があった変更の内容を受け付ける。ここでのスケジュール変更受付部115は、スケジュール変更受付手段の一例である。
スケジュール変更受付部115は、例えば「今朝は体調がすぐれないので、11時30分から作業を開始したい」との発声を確認した場合、作業の開始時刻を11時30分に変更する。この例の場合、「今朝は体調がすぐれない」が変更の理由であり、「11時30分から作業を開始したい」が変更の申し出である。
【0040】
スケジュールの変更には、作業の開始時刻の変更の他、作業の内容の変更を含めてもよい。例えば「Aプロジェクトの計画書」の作業前に「Zプロジェクトの報告書」を1時間作業するとの申し出も可能である。
本実施の形態の場合、スケジュールの変更は、原則として、在宅勤務者5の音声により受け付ける。もっとも、スケジュールの変更に、情報端末20を用いてもよい。
【0041】
スケジュール変更部116は、受け付けた変更を勤務スケジュール管理部112に与えて、自装置内で管理する勤務スケジュール401に反映する他、勤怠管理サーバ40にも通知する。これにより、勤怠管理サーバ40が管理する勤務スケジュール401と端末装置10が管理する勤務スケジュール401との一致が実現される。
もっとも、勤務スケジュール401の変更がスケジュール変更部116から勤怠管理サーバ40だけに通知される仕組みを採用してもよい。この場合、勤務スケジュール管理部112は、勤怠管理サーバ40からのプッシュ配信により勤務スケジュール401の変更を反映する。
【0042】
図5は、勤務スケジュール401の変更例を説明する図である。
図5に示す勤務スケジュール401は、
図2に示す勤務スケジュールの変形例である。
図5の場合、東京花子さんの勤務スケジュール401のうち「Aプロジェクトの計画書」の開始時刻と終了時刻がそれぞれ変更されている。具体的には開始時刻が「9:30」から「11:30」に変更され、終了時刻が「16:00」から「18:00」に変更されている。
【0043】
図5の場合、「Aプロジェクトの計画書」に割り当てられている作業時間と別の作業に割り当てられている作業時間に1時間の重複が生じている。この作業時間の重複は、変更の受付時に音声で通知してもよいし、次の作業の予告等の際に通知してもよい。例えば次の作業の開始時刻の5分前に通知してもよい。もっとも、5分は一例であり、10分前でも1時間前でも構わない。ここでの作業時間の重複の通知は、注意事項の通知の一例である。
勤務スケジュール401に登録されている作業時間の重複を事前に通知することにより、在宅勤務者5に対して時間マネージメントを喚起させることが可能になる。
【0044】
図4の説明に戻る。
ログ記録部117は、取得されたテキストデータに、在宅勤務者5の勤務時間及び勤務内容が含まれる場合、取得された勤務時間や勤務内容を勤務ログとして半導体メモリに記録する。ここでの半導体メモリは記憶媒体の一例である。また、ログ記録部117は、記録手段の一例である。
ログ送信部118は、ログ記録部117から取得した勤務ログを勤怠管理サーバ40に送信する。ここでのログ送信部118は、送信手段の一例である。
【0045】
<処理動作>
図6は、実施の形態で使用する端末装置10が勤務や作業が開始するタイミングで実行する処理動作を説明するフローチャートである。なお、
図6に示す処理動作は、制御部108(
図3参照)によるプログラムの実行を通じて実現される。なお、図中における記号のSはステップを表している。
【0046】
まず、端末装置10は、自装置を使用する在宅勤務者5の勤務スケジュール401を取得する(ステップ1)。本実施の形態における端末装置10は、不図示の電源ボタンがオン操作されることで起動する。また、人感センサ107(
図3参照)が人の動きを検知することで起動してもよい。
次に、端末装置10は、現在時刻が作業の開始時刻になったか否かを判定する(ステップ2)。ここでの判定では、内蔵する時計の時刻と、勤務スケジュール401に登録されている各作業の開始時刻や終了時刻とが比較される。
なお、内蔵する時計の時刻は、予め設定されている勤務の開始時刻や終了時刻(以下「終業予定時刻」という)、昼休み等の開始時刻や終了時刻とも比較される。
【0047】
ステップ2で否定結果が得られた場合、端末装置10は、ステップ2の判定を繰り返す。一方、ステップ2で肯定結果が得られた場合、端末装置10は、開始する作業の内容等を音声で通知する(ステップ3)。
次に、端末装置10は、作業時間の変更の申し出があったか否かを判定する(ステップ4)。
【0048】
ステップ4で否定結果が得られた場合、端末装置10は、開始時刻の処理を終了する。
一方、ステップ4で肯定結果が得られた場合、端末装置10は、勤務スケジュール401に変更を反映する(ステップ5)。
なお、各作業の終了時刻についても、作業の終了時刻を音声により通知してもよい。
【0049】
図7は、実施の形態で使用する端末装置10が終業予定時刻で実行する処理動作を説明するフローチャートである。
図7に示す処理動作も、制御部108(
図3参照)によるプログラムの実行を通じて実現される。なお、図中における記号のSはステップを表している。
まず、端末装置10は、自装置を使用する在宅勤務者5の勤務スケジュール401を取得する(ステップ11)。
【0050】
次に、端末装置10は、現在時刻が終業予定時刻になったか否かを判定する(ステップ12)。終業予定時刻は、例えば勤務スケジュール401から読み出してもよいし、勤務スケジュール401とは別に与えてもよい。
ステップ12で否定結果が得られた場合、端末装置10は、ステップ12の判定を繰り返す。
一方、ステップ12で肯定結果が得られた場合、端末装置10は、作業の終了が勤務ログ402に記録されているか否かを判定する(ステップ13)。本実施の形態の場合、勤務ログ402も端末装置10による取得が可能である。
【0051】
ステップ13で肯定結果が得られた場合、端末装置10は、業務の終了時刻を勤務ログ402に記録する(ステップ14)。
一方、ステップ13で否定結果が得られた場合、端末装置10は、残業の予定を質問する(ステップ15)。
次に、端末装置10は、在宅勤務者5からの応答を分析し、残業の申し出があるか否かを判定する(ステップ16)。
【0052】
ステップ16で否定結果が得られた場合(すなわち残業の予定がない場合)、端末装置10は、業務の終了時刻を勤務ログ402に記録する(ステップ14)。
一方、ステップ16で肯定結果が得られた場合(すなわち残業する場合)、端末装置10は、残業の開始を勤務ログ402に記録する(ステップ17)。また、端末装置10は、勤務スケジュール401に変更を反映する(スタップ18)。
【0053】
ここでの変更後の終了時刻は、終業予定時刻として扱われる。このため、現在時刻が終業予定時刻になると、ステップ12において、再び肯定結果が得られることになる。
なお、作業の終了が勤務ログ402に記録されている場合には、端末装置10は、その時刻を業務の終了時刻とする。
また、作業の終了が勤務ログ402に記録されていない場合、端末装置10は、残業の延長を在宅勤務者5に質問する。残業を延長しない場合には、作業の終了時刻を業務の終了時刻とする。一方、残業を延長する場合には、ステップ17における残業の開始は記録せず、ステップ18で勤務スケジュール401における作業の終了時刻だけを反映する。
【0054】
<会話の進行例>
以下、
図8~
図13を使用して、本実施の形態で想定するコミュニケーションシステム1による在宅勤務者5の支援の具体例を説明する。
図8は、作業の開始時刻が到来した場合に端末装置10と在宅勤務者5との間で交わされる会話の一例を説明する図である。
図8の場合、勤務スケジュール401を通じて作業の開始時刻になったことを検知した端末装置10は、スピーカ105(
図3参照)を通じ、「9時30分になりました」、「Aプロジェクトの計画書を作成してください」、「本日いっぱいが〆切ですよ」と順番に通知している。
【0055】
これに対し、在宅勤務者5は、「了解です」と応答している。この在宅勤務者5の音声は、マイクロフォン103(
図3参照)を通じて端末装置10に取り込まれ、音声通知部113(
図4参照)にフィードバックされる。このフィードバックにより、音声通知部113は、会話の成立を確認する。
なお、
図8の場合、在宅勤務者5は、端末装置10による通知が終了した時点で1回だけ応答しているが、通知のたびに応答してもよい。
【0056】
図8の例では紙面の都合により、通知内容を省略しているが、作業について予定されている終了時刻、自身で記録したメモや上司や同僚からの連絡についても一度に通知してもよい。これにより、在宅勤務者5は、勤怠管理サーバ40にアクセスして勤務スケジュール401を確認しなくても、作業時間と注意点を考慮しながら作業を進めることができる。
なお、作業の開始時には、予定されている当日の他の勤務内容についても通知してもよい。東京花子さんの場合であれば、例えば「今日は、他に1件の作業が予定されています」や「次の作業は17時開始予定です」との通知が行われる。勤務の開始時に当日の予定が全て分かれば、時間の管理を意識して勤務を開始することができる。
【0057】
図8では、「本日いっぱいが〆切ですよ」との通知で終わっているが、「以上です」等の終話を表す言葉を端末装置10が発話してもよい。会話の終了が通知されることで、在宅勤務者5は応答するタイミングを掴みやすくなる。なお、言葉ではなく、ブザーや音楽等の予告音により端末装置10の終話を通知してもよい。また、会話の開始前にも、ブザーや音楽等の予告音を出力して、在宅勤務者5の注意を喚起してもよい。
【0058】
また、本実施の形態では、音声のみで作業の内容等を通知しているが、同時に、ディスプレイ104(
図3参照)に勤務スケジュール401に登録されている情報を表示してもよい。ディスプレイ104にも情報を表示することで、在宅勤務の開始後も、重要な点や注意すべき点を文字により確認することが可能である。
また、再生ボタン106b(
図3参照)を操作すると、勤務の開始時に通知した音声が何度でも再生できるようにしてもよい。再生ボタン106bの操作により通知済みの内容を再生できれば、聞き落としや記憶違いも少なくなり、業務の完成度を高めることができる。
【0059】
なお、在宅勤務者5から応答が確認されない場合、音声通知部113は、例えば5分後に改めて通知を行ってもよい。
また、離席中に端末装置10からメッセージ等が通知された事実を、ディスプレイ104に表示してもよい。メッセージ等の通知の事実は、文字で表示してもよいし、ディスプレイ104の点滅や特定の表示色により表現してもよい。特定の表示色には、例えば赤色を使用する。
【0060】
なお、予め定めた回数の通知に対しても応答が確認されなかった場合、在宅勤務者5の不在や遅刻を勤務ログ402に記録してもよい。この際、人感センサ107(
図3参照)の検出信号も使用し、在宅勤務者5の不在の確認としてもよい。
もっとも、端末装置10の故障等により音声が聞き取れない場合や在宅勤務者5の応答が記録されない場合もあり得るので、勤務ログ402に対する始業時刻の記録は、事業者の運用による。
【0061】
本実施の形態では、在宅勤務日の最初の作業の開始時刻を勤務の開始時刻として想定しているが、作業の開始時刻と勤務時間の開始時刻が異なる場合には、勤務時刻の開始を端末装置10から通知してもよい。例えば「おはようございます。勤務の開始時刻です」とか、「今日は朝から暑くなりそうです。体調に気をつけましょう」等のメッセージを端末装置10から通知させてもよい。なお、天候等に関する情報は、勤怠管理サーバ40からプッシュ配信してもよい。
【0062】
図9は、作業の開始時刻が到来した場合に端末装置10と在宅勤務者5との間で交わされる会話の他の一例を説明する図である。
図9に示す例は、勤務時間の変更の申し出がある場合の例を表している。
図9の場合、端末装置10が、スピーカ105(
図3参照)から、「9時30分になりました」、「Aプロジェクトの計画書を作成してください」と通知した段階で、在宅勤務者5が「今朝は体調が優れないので11時半から作業を始めます」と応答している。
【0063】
この在宅勤務者5の発話の内容は、不図示の音声認識サーバに認識され、スケジュール変更受付部115(
図4参照)に与えられる。この後、スケジュール変更部116(
図4参照)が、発話の内容に従って、勤務スケジュール401(
図1参照)の開始時刻を変更する。例えば当日予定されている全ての作業の開始時刻と終了時刻を、変更の内容に応じてシフトする。本例であれば2時間後ろにシフトする。もっとも、
図5に例示したように、該当する作業だけ2時間後ろにシフトしてもよい。
【0064】
図9の例では、勤務スケジュール401の変更後に、端末装置10が「スケジュールを変更しました。お大事に」と発話しており、在宅勤務者5は「了解です」と応答している。この会話の成立により、在宅勤務者5は、勤務スケジュール401の変更を確認することができる。このため、在宅勤務者5は安心して休息し、体調の回復に努めることができる。
また、本実施の形態では、勤務の開始時間を遅らせる理由が体調の不良であるため、端末装置10は、「お大事に」との言葉を追加し、在宅勤務者5の心理面にも配慮する。この機能は、対話型のコミュニケーションが可能な端末装置10ならではの特徴である。
【0065】
図10は、在宅勤務者5の作業を支援する会話の他の例を説明する図である。(A)は在宅勤務者5が勤務の開始を伝える場合の会話例であり、(B)は端末装置10が午前の勤務時間の終わりを伝える場合の会話例である。
図10(A)の例では、在宅勤務者5が「今から午前の勤務を開始します」と発話し、端末装置10が「了解です」と応答している。この会話の成立により、在宅勤務者5は、自身の発話が端末装置10で受け付けられたことを知ることができる。
【0066】
なお、在宅勤務者5が発話した時刻が始業時間前の場合、端末装置10は、勤務の開始時刻を勤怠管理サーバ40(
図1参照)の勤務ログ402(
図1参照)に記録する。この場合、端末装置10は、「勤務の開始を勤務ログに記録しました」と応答してもよい。
同様に、在宅勤務者5は、午前の勤務の終わりを「午前の勤務を終わります」等と発話することで、勤務ログ402に記録することもできる。
【0067】
図10(B)の例では、端末装置10が「そろそろ午前の業務は終わりますよ」と通知し、在宅勤務者5が「了解」と応答している。この会話により、在宅勤務者5は、作業に集中できるように体調を管理することができる。なお、端末装置10は、在宅勤務者5から「了解」との返事があった事実を勤務ログ402に記録してもよい。
なお、在宅勤務者5が「切りが悪いのでもう少し作業します」等の返事をした場合にも、発言の内容を勤務ログ402に記録して在宅勤務者5の体調の管理に活用してもよい。
【0068】
図11は、在宅勤務者5の作業を支援する会話の他の例を説明する図である。(A)は端末装置10が休憩を進める場合の会話例であり、(B)は在宅勤務者5が休憩の意思を伝える場合の会話例である。
図11(A)の例では、在宅勤務者5の在宅での作業の様子を管理している端末装置10が「作業の開始から2時間が経過しました。休憩しましたか?」との問い合わせを発し、在宅勤務者5が「今から15分休憩します」と応答している。この機能により、在宅勤務者5に対し、仕事に集中できる生活のリズムの確保を促すことができる。
【0069】
図11(B)の例では、在宅勤務者5の「今から15分休憩します」との発話に対し、
端末装置10が「了解しました。ストレッチもおすすめです」と応答している。この機能は、在宅勤務者5との会話を通じ、仕事に集中できる体力や健康を提案できる。在宅勤務では、運動不足になりやすいが、対話型のコミュニケーションが可能な端末装置10を活用して、在宅勤務者5の体調管理も支援することができる。
【0070】
この他、例えば作業の予定時間の半分が過ぎた時点で、端末装置10が「予定の作業時間の半分が過ぎました」とか、「予定の作業終了時刻まで残り1時間です。進捗の具合はどうですか」等の問合わせを通知し、在宅勤務者5に作業の進捗の状況を確認させてもよい。会話を通じて進捗の状況を確認することで、順調なのか遅れ気味なのか等を認識させることができる。このような問いかけも、在宅勤務者5が成果を上げるための支援の一例である。
【0071】
図12は、作業が終了した場合に行われる会話例を説明する図である。
図12の場合、実行中の作業を終了した在宅勤務者5が「Aプロジェクトの計画書を作成しました」と発話すると、端末装置10は「了解しました。記録します。」と応答している。このように、本実施の形態では、情報端末20(
図1参照)を操作しなくても、在宅勤務者5は口頭で作業の進捗を勤務ログ402に記録することが可能になる。
なお、このタイミングで、当日の次の予定の作業や翌日の作業の予定を音声で伝達してもよい。
【0072】
図13は、残業時間が到来した場合に残業の申し出がある場合の会話例を説明する図である。
図13の例では、終業時間の到来を検知した端末装置10が、作業の終了の記録を見つけられない場合を想定している。このため、
図13における端末装置10は、「終業時間です。残業しますか?」との問いを発している。因みに、勤務スケジュール401(
図1参照)に登録されている作業について作業の終了の記録が存在する場合には、端末装置10は「終業時間です。お疲れさまでした」等と発声することになる。
【0073】
図13の場合、端末装置10の問いを認識した在宅勤務者5は「1時間残業します」と発話し、これを検知した端末装置10は「了解しました。残業を記録します」と応答している。この場合、端末装置10は、1時間の残業を勤務ログ402に反映する。
このとき、端末装置10は、勤務スケジュール401に登録されている作業の終了時刻も更新してもよい。作業の終了時刻の更新は、端末装置10において、ログ記録部117(
図4参照)から勤務スケジュール管理部112(
図4参照)に通知されてもよいし、残業を受け付けた勤怠管理サーバ40から端末装置10に勤務スケジュール401の変更としてプッシュ配信されてもよい。
【0074】
勤務スケジュール401が変更されることで、残業の開始から1時間が経過した時点で、端末装置10は、作業の終了と残業の延長について、在宅勤務者5に対して問いかけることが可能になる。
なお、「残業しますか?」との端末装置10からの問い合わせに対し、在宅勤務者5が「残業しません」と返事した場合、端末装置10は、終業時刻を勤務の終了時刻として勤務ログ402に記録する。
【0075】
このように、本実施の形態における端末装置10は、在宅勤務者5の在宅での勤務の支援だけでなく、対話型のタイムカードとして使用することも可能である。もっとも、本実施の形態における端末装置10は、単なるタイムカードとは異なり、会話を通じて在宅勤務者5の勤務の状況も口頭で記録することができる。
【0076】
また、本実施の形態における端末装置10の場合には、カメラ102で撮像される在宅勤務者5の表情の変化から在宅勤務者5の健康や体調を把握し、会話を行うタイミングや会話の内容を変更することができる。例えば集中している状況では、在宅勤務者5の集中を妨げないように、問い合わせ等の回数を減らすことも可能である。また、体調が優れないと思われる場合には、同僚や上司への連絡を促してもよい。
健康や体調の変化は、会話の際に取得される音声の言葉遣いや声質の変化等により推定することが可能である。
【0077】
<他の実施の形態>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の技術的範囲は、前述の実施の形態に記載の範囲に限定されない。前述した実施の形態に、種々の変更又は改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0078】
1…コミュニケーションシステム、5…在宅勤務者、10…端末装置、20…情報端末、30…通信路、40…勤怠管理サーバ、401…勤務スケジュール、402…勤務ログ