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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】トルク・角度センサ
(51)【国際特許分類】
   B62D 1/16 20060101AFI20240830BHJP
   B62D 5/04 20060101ALI20240830BHJP
【FI】
B62D1/16
B62D5/04
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020197019
(22)【出願日】2020-11-27
(65)【公開番号】P2021084627
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2023-11-27
(31)【優先権主張番号】201922103487.7
(32)【優先日】2019-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ミルコ シェーア
(72)【発明者】
【氏名】ガオフェン リャン
(72)【発明者】
【氏名】ジョー リー
【審査官】飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-175527(JP,A)
【文献】特開2007-269281(JP,A)
【文献】特開2007-278963(JP,A)
【文献】特開2013-137252(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103185539(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0150519(US,A1)
【文献】特開2014-077639(JP,A)
【文献】特開2011-017647(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 1/00-1/28
B62D 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のステアリングホイールの操舵の操舵トルクおよび操舵角度を検出するように構成され、システムケーシング(11)を備えるステアリングコラムに取り付けられたトルク・角度センサであって、該トルク・角度センサは、トップカバー(7)と、トルク検知ユニットと、角度検知ユニットと、PCB(3)と、信号出力端子(10)と、センサケーシング(2)と、を備え、
前記角度検知ユニットと、前記PCB(3)と、前記信号出力端子(10)とを収容する目的のために、前記トップカバー(7)と前記センサケーシング(2)との間に収容空間が形成されており、前記トップカバー(7)は、本体(70)と第1の嵌合部(71)とを備え、該第1の嵌合部(71)は、前記本体(70)から前記センサケーシング(2)に向かって延在するフランジであり、前記センサケーシング(2)と嵌合されるように構成されている、トルク・角度センサにおいて、
前記トップカバー(7)は、第2の嵌合部(72)を備え、該第2の嵌合部(72)は、前記本体(70)の半径方向および/または軸線方向に延在するフランジであり、前記システムケーシング(11)と嵌合されるように構成されており、前記本体(70)の前記半径方向において、前記第2の嵌合部(72)と前記本体(70)の中心点との間の距離は、前記第1の嵌合部(71)と前記本体(70)の前記中心点との間の距離よりも大きいことを特徴とする、トルク・角度センサ。
【請求項2】
前記第1の嵌合部(71)は、前記本体(70)から前記センサケーシング(2)に向かって突出して延在するする連続的な環状のフランジである、または前記第1の嵌合部(71)は、前記本体(70)から前記センサケーシング(2)に向かって突出して延在するする複数の不連続なフランジであることを特徴とする、請求項1記載のトルク・角度センサ。
【請求項3】
前記センサケーシング(2)のフランジ(21)との嵌合のために、前記第1の嵌合部(71)に、スナップ嵌め部材、係合溝、ねじ穴、接着剤および/または溶接材料の少なくとも1つが提供されていることを特徴とする、請求項1または2記載のトルク・角度センサ。
【請求項4】
前記第2の嵌合部(72)は、前記本体(70)の縁部から前記本体(70)の前記半径方向および/または前記軸線方向に延在する連続的なまたは不連続なフランジであり、前記システムケーシング(11)との嵌合のために、前記第2の嵌合部(72)に、スナップ嵌め部材、係合溝、ねじ穴および/または接着剤の少なくとも1つが提供されていることを特徴とする、請求項1記載のトルク・角度センサ。
【請求項5】
前記第2の嵌合部(72)は、前記本体(70)の縁部から前記本体(70)の前記軸線方向に延在する連続的なまたは不連続なフランジであり、締まり嵌めされるように直接圧入され、それにより、前記システムケーシング(11)と嵌合されていることを特徴とする、請求項4記載のトルク・角度センサ。
【請求項6】
前記トップカバー(7)と前記システムケーシング(11)との間にシーリング部材(721)が設けられていることを特徴とする、請求項1記載のトルク・角度センサ。
【請求項7】
前記本体(70)は、実質的に平形のプレートであり、前記車両の前記ステアリングコラムと嵌合する貫通穴(700)と、前記信号出力端子(10)を収容するための信号出力ソケット(701)とを備えることを特徴とする、請求項1記載のトルク・角度センサ。
【請求項8】
前記トルク検知ユニットは、信号入力ロータ(4)と信号出力ロータ(1)とを備え、前記信号入力ロータ(4)は、一方の端部に配置された突起(41)と、他方の端部に配置された第1のファンブレードセットとを備え、前記信号出力ロータ(1)は、第2のファンブレードセットを備えることを特徴とする、請求項1記載のトルク・角度センサ。
【請求項9】
前記角度検知ユニットは、中間歯車(6)と、磁石を有する検知歯車(8)とを備え、前記中間歯車(6)は、前記検知歯車(8)と噛み合っていることを特徴とする、請求項8記載のトルク・角度センサ。
【請求項10】
前記中間歯車(6)は、前記信号入力ロータ(4)の前記突起(41)を取り囲むように嵌合されて固定されており、前記信号入力ロータ(4)と前記中間歯車(6)とは、溶接、インサート射出成形および/または圧入の接続法によって一緒に固定されていることを特徴とする、請求項9記載のトルク・角度センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサに関し、車両の操舵状況を監視するように構成された統合型のトルク・角度センサに関する。
【0002】
背景技術
トルク・角度センサは、トルクセンサと角度センサとを統合しかつ組み合わせたものであり、車両のステアリングホイールの回転角度および車両のステアリングホイールに加えられたトルクの大きさを測定するために使用される。既存のトルク・角度センサは、カバーと、トルク測定モジュールと、角度測定モジュールと、コネクタと、ハウジングとを有している。使用中、トルク・角度センサは、ステアリングホイールのステアリングコラムに取り付けられている。このステアリングコラムには、トルク・角度センサを保護するために、このトルク・角度センサを収容するとともに保護する目的で、互いに嵌合された外部ハウジングおよび外部カバーも設けられている。この外部カバーには、入力伝達コネクタと出力伝達コネクタとが設けられている。入力伝達コネクタは、トルク・角度センサのコネクタに電気的に接続されるように構成されており、出力伝達コネクタは、2つの端部に設けられたコネクタを介して電子制御装置に電気的に接続されており、それにより、トルク・角度センサの信号が電子制御装置に送信される。
【0003】
発明の概要
上述の観点から、本発明は、取付けプロセスを簡略化することができるトルク・角度センサを提供する。
【0004】
まず、本発明の一態様によれば、車両のステアリングホイールの操舵の操舵トルクおよび操舵角度を検出するように構成され、システムケーシングを備えるステアリングコラムに取り付けられたトルク・角度センサであって、このトルク・角度センサは、トップカバーと、トルク検知ユニットと、角度検知ユニットと、PCBと、信号出力端子と、センサケーシングとを備え、角度検知ユニットと、PCBと、信号出力端子とを収容する目的のために、トップカバーとセンサケーシングとの間に収容空間が形成されており、トップカバーは、本体と第1の嵌合部とを備え、この第1の嵌合部は、本体からセンサケーシングに向かって延在するフランジであり、センサケーシングと嵌合されるように構成されており、トップカバーは、第2の嵌合部を備え、この第2の嵌合部は、本体の半径方向および/または軸線方向に延在するフランジであり、システムケーシングと嵌合されるように構成されており、本体の半径方向において、第2の嵌合部と本体の中心点との間の距離が、第1の嵌合部と本体の中心点との間の距離よりも大きい、トルク・角度センサが提供される。
【0005】
実現可能な実施形態によれば、第1の嵌合部は、本体からセンサケーシングに向かって突出して延在するする連続的な環状のフランジである、または第1の嵌合部は、本体からセンサケーシングに向かって突出して延在するする複数の不連続なフランジである。
【0006】
実現可能な実施形態によれば、センサケーシングのフランジとの嵌合のために、第1の嵌合部に、スナップ嵌め部材、係合溝、ねじ穴、接着剤および/または溶接材料の少なくとも1つが提供されている。
【0007】
実現可能な実施形態によれば、第2の嵌合部は、本体の縁部から本体の半径方向および/または軸線方向に延在する連続的なまたは不連続なフランジであり、システムケーシングとの嵌合のために、第2の嵌合部に、スナップ嵌め部材、係合溝、ねじ穴および/または接着剤の少なくとも1つが提供されている。
【0008】
実現可能な実施形態によれば、第2の嵌合部は、本体の縁部から本体の軸線方向に延在する連続的なまたは不連続なフランジであり、締まり嵌めされるように直接圧入され、それにより、システムケーシングと嵌合されている。
【0009】
実現可能な実施形態によれば、トップカバーとシステムケーシングとの間にシーリング部材が設けられている。
【0010】
実現可能な実施形態によれば、本体は、実質的に平形のプレートであり、車両のステアリングコラムと嵌合する貫通穴と、信号出力端子を収容するための信号出力ソケットとを備える。
【0011】
実現可能な実施形態によれば、トルク検知ユニットは、信号入力ロータと信号出力ロータとを備え、信号入力ロータは、一方の端部に配置された突起と、他方の端部に配置された第1のファンブレードセットとを備え、信号出力ロータは、第2のファンブレードセットを備える。
【0012】
実現可能な実施形態によれば、角度検知ユニットは、中間歯車と、磁石を有する検知歯車とを備え、中間歯車は、検知歯車と噛み合っている。
【0013】
実現可能な実施形態によれば、中間歯車は、信号入力ロータの突起を取り囲むように嵌合されて固定されており、信号入力ロータと中間歯車とは、溶接、インサート射出成形および/または圧入の接続法によって一緒に固定されている。
【0014】
先行技術と比較すると、本発明のセンサのトップカバーが第2の嵌合部を備えているので、組立てが実施された際に、トップカバーがシステムケーシングに第2の嵌合部を介して嵌合され、先行技術におけるシステムのトップカバーと、このシステムのトップカバーにより必要とされる伝達コネクタとが不要となり、ひいては、システムの取付け構成要素の数が減じられ、取付けプロセスが簡略化され、それにより、コストが下げられ、組立て効率が向上させられる。
【0015】
本発明の上述の態様およびその他の態様のより包括的な理解は、図面に関連する以下の詳細な説明から得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】ステアリングホイールの回転の操舵トルクおよび操舵角度を検出するように構成されたトルク・角度センサの3次元的な概略図である。
図2】車両のステアリングコラムと、図1に示したトルク・角度センサとのアセンブリの3次元的な概略図である。
図3図2の3次元的な概略分解図であり、車両のステアリングコラムの入力軸およびトーションバーは図示していない。
図4図2の概略断面図である。
【0017】
発明の詳細な説明
本発明を明示的な実施形態により以下に詳細に説明する。
【0018】
本発明の基本的な思想および利点をより理解しやすくするために、本発明のいくつかの例示的な実施形態を図面を参照しながら以下に詳細に説明する。
【0019】
図1図4を参照すると、車両のステアリングコラムは、ステアリングホイール(図示せず)から延在する入力軸21と、ステアリングシャフトコネクタ(図示せず)へ延在する出力軸22と、入力軸21と出力軸22との間に接続されたトーションバー23とを備えている。ステアリングホイールに力が加えられると、トーションバー23が変形を被る。トーションバー23の材料の既知の機械的な特性を利用することで、ステアリングホイールの操舵による操舵トルクを、出力軸22に対する入力軸21の相対的な回転角度に基づいて特定することができる。また、この相対的な回転角度により、トーションバー23のねじれ変形を特徴づけることができる。
【0020】
本発明の実施形態におけるトルク・角度センサは、システムケーシング11を備えたステアリングコラムに取り付けられていて、車両のステアリングホイールの操舵の操舵トルクおよび操舵角度を検出するように構成されている。トルク・角度センサは、トップカバー7と、トルク検知ユニットと、角度検知ユニットと、PCB3と、信号出力端子10と、センサケーシング2とを備えている。トップカバー7とセンサケーシング2との間に収容空間が形成されていて、角度検知ユニットと、PCB3と、信号出力端子10とを収容するように構成されている。トップカバー7は、本体70と、第1の嵌合部71と、第2の嵌合部72とを備えている。第1の嵌合部71は、本体70からセンサケーシング2に向かって延在するフランジであり、センサケーシング2と嵌合されるように構成されている。第2の嵌合部72は、本体70の半径方向および/または軸線方向に延在するフランジであり、本発明のセンサのその他の構成要素を保護する目的のために、システムケーシング11と嵌合されるように構成されている。本体70の半径方向において、第2の嵌合部72と本体70の中心点との間の距離は、第1の嵌合部71と本体70の中心点との間の距離よりも大きい。
【0021】
本体70は実質的に平形のプレートであり、貫通穴700を備えている。車両のステアリングコラムは貫通穴700に通されている。本体70とステアリングコラムとは、一緒に回転可能に嵌合されており、それにより、本発明のトルク・角度センサは、車両のステアリングコラムに回転可能に取り付けられている。本実施形態では、入力軸21が貫通穴700に通されている。任意選択的には、実際のシーリングの必要性に応じて、トップカバー7とステアリングコラムとの間にシーリング部材711が設けられていてもよい。本体70に信号出力ソケット701が設けられていて、信号出力端子10を収容するように構成されており、それにより、制御装置(図示せず)との電気接続が確立される。
【0022】
本実施形態では、第1の嵌合部71は、本体70からセンサケーシング2に向かって突出して延在するする連続的な環状のフランジである。実際に取り付ける際の必要性に応じて、センサケーシング2のフランジ21との嵌合のために、第1の嵌合部71に、スナップ嵌め部材、係合溝、ねじ穴、接着剤および/または溶接材料の少なくとも1つ(図示せず)が提供されていてもよい。理解されるように、他の実施形態では、第1の嵌合部71は、本体70から突出して延在するする複数の不連続なフランジであるが、ただし、これらのフランジはセンサケーシング2のフランジ21と嵌合することができる場合に限る。
【0023】
本実施形態では、第2の嵌合部72は、本体70の縁部から本体70の半径方向に延在する連続的なまたは不連続なフランジである。組立てが実施されると、システムケーシング11の縁部が第2の嵌合部72に当接する。システムケーシング11との嵌合のために、第2の嵌合部72に、スナップ嵌め部材、係合溝、ねじ穴および/または接着剤の少なくとも1つ(図示せず)が提供されていてもよい。代替的には、第2の嵌合部72が、本体70の縁部から本体70の軸線方向に延在する連続的なまたは不連続なフランジである場合、第2の嵌合部72は、締まり嵌めされるように直接圧入され、それにより、システムケーシング11と嵌合されている。本実施形態では、第2の嵌合部72が少なくとも1つのねじ穴720を備えており、それに応じて、少なくとも1つのねじ穴がシステムケーシング11にも設けられている。組立てが実施されると、システムケーシング11が第2の嵌合部72に当接し、システムケーシング11とトップカバー7とが、ねじ(図示せず)によって一緒に嵌合される。任意選択的には、実際のシーリングの必要性に応じて、トップカバー7とシステムケーシング11との間にシーリング部材721が設けられていてもよい。
【0024】
トルク検知ユニットは、信号入力ロータ4と信号出力ロータ1とを備えている。信号入力ロータ4は第1のファンブレードセットを備えており、信号出力ロータ1は第2のファンブレードセットを備えている。信号入力ロータ4と信号出力ロータ1とはそれぞれ、入力軸21と出力軸20との互いに対向する端部に配置されるように構成されている。具体的には、信号入力ロータ4は、入力軸21を取り囲むように嵌合されていて、入力軸21と同軸回転する。信号出力ロータ1は、出力軸22を取り囲むように嵌合されていて、出力軸22と同軸回転する。それにより、入力軸21と出力軸22との間のトルクを信号入力ロータ4と信号出力ロータ1との間のトルクに変換することができ、信号入力ロータ4と信号出力ロータ1との間のトルクを測定することによって、ステアリングホイールの操舵トルクを測定することができる。実際に取り付ける際の必要性に応じて、信号入力ロータ4および/または信号出力ロータ1は、トップカバー7とセンサケーシング2との間またはトップカバー7およびセンサケーシング2の外部と嵌合されている。
【0025】
本実施形態では、PCB3は入力軸21を取り囲むように嵌合されており、PCB3は、磁場を発生させる構成要素と、2つの第1のチップ(図示せず)とを備えている。信号入力ロータ4および信号出力ロータ1が回転すると、入力ロータ4の第1のファンブレードセットと、信号出力ロータ1の第2のファンブレードセットとが、PCBによって発生させられた磁場をカットする。PCB3上の第1のチップは、信号入力ロータ4の第1のファンブレードセットおよび信号出力ロータ1の第2のファンブレードセットの回転角度を電磁誘導の原理によって検知し、この角度をトーションバー係数によって乗算し、2つの交わったトルク信号と角度信号とを信号出力端子10を介して制御ユニットに出力する。PCB3は、信号入力ロータ4および信号出力ロータ1の角度信号を検知するために、従来の別の方法、たとえば、抵抗ひずみ検知、誘導検知、容量検知、圧電検知、光電検知またはホール検知を利用してもよい。
【0026】
角度検知ユニットは、中間歯車6と、磁石を有する検知歯車8とを備えており、中間歯車6は、信号入力ロータ4を取り囲むように嵌合されて固定されていて、検知歯車8と噛み合っている。信号入力ロータ4の片側に突起41が設けられており、中間歯車6は、信号入力ロータ4の突起41を取り囲むように嵌合されて固定されている。信号入力ロータ4と中間歯車6とは、接続法、たとえば、溶接、インサート射出成形または圧入によって一緒に固定されていてもよい。PCB3は2つの第2のチップ(図示せず)を備えている。入力軸/出力軸の回転角度が360度よりも大きく、中間歯車6が検知歯車8を駆動すると、第2のチップは、検知歯車8の位置を認識しかつ計算し、回転数に準じた信号をECU制御ユニットへ出力する。この信号と、第1のチップによって計算された最初の回転角度信号とが、ECU内のバーニヤアルゴリズム(Nonius algorithm)を介して結合され、最終的に必要な正確な角度信号が計算される。
【0027】
本発明のセンサのトップカバーが第2の嵌合部を備えているので、組立てが実施された際に、トップカバーがシステムケーシングに第2の嵌合部を介して嵌合され、先行技術におけるシステムのトップカバーと、このシステムのトップカバーにより必要とされる伝達コネクタとが不要となり、ひいては、システムの取付け構成要素の数が減じられ、取付けプロセスが簡略化され、それにより、コストが下げられ、組立て効率が向上させられる。
【0028】
特定の実施形態を参照しながら本発明を説明および記載してきたが、本発明は図示の詳細に限定されるものではない。これらの詳細は、本発明の範囲内で様々な方法で変更されてもよい。
図1
図2
図3
図4