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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】電子時計
(51)【国際特許分類】
   G04G 21/00 20100101AFI20240830BHJP
   G04G 5/00 20130101ALI20240830BHJP
   G04C 10/00 20060101ALI20240830BHJP
   G04C 3/00 20060101ALI20240830BHJP
   G04G 19/00 20060101ALI20240830BHJP
   G04G 99/00 20100101ALI20240830BHJP
【FI】
G04G21/00 D
G04G5/00 Z
G04C10/00 Z
G04C3/00 L
G04G19/00 Z
G04G99/00 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021167517
(22)【出願日】2021-10-12
(65)【公開番号】P2023057827
(43)【公開日】2023-04-24
【審査請求日】2023-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】木戸口 明日美
(72)【発明者】
【氏名】北澤 勲
【審査官】吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】再公表特許第93/022712(JP,A1)
【文献】特開2010-86009(JP,A)
【文献】特開平11-282761(JP,A)
【文献】特開2010-107333(JP,A)
【文献】特開2003-330580(JP,A)
【文献】特開2014-215147(JP,A)
【文献】再公表特許第2009/098776(JP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04G 3/00-99/00
G04C 1/00-99/00
G06F 1/26-1/3296
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の不揮発性メモリを有し、かつ時刻表示を制御する制御部と、
前記制御部の外部に配置された第二の不揮発性メモリと、
前記制御部および前記第二の不揮発性メモリに対して電力を供給する電池と、
外部装置との間で無線通信を行う通信回路と、
を備え、
前記第二の不揮発性メモリがデータを記憶するときの消費電力は、前記第一の不揮発性メモリが前記データを記憶するときの消費電力よりも小さく、
前記制御部は、前記電池の電圧が低下した場合に、前記制御部の動作を停止する停止モードに移行し、
前記制御部は、前記停止モードに移行する際に、前記通信回路に指令を送り、
前記指令を受信した前記通信回路は、前記制御部が動作を再開するときに参照する情報である復帰情報を前記第二の不揮発性メモリに記憶させるように制御する
ことを特徴とする電子時計。
【請求項2】
前記復帰情報は、指針による時刻表示を再開させるための情報である第一情報を含み、
前記制御部は、前記停止モードに移行する際に、前記第一情報を前記第一の不揮発性メモリに記憶させ、かつ、前記復帰情報を前記第二の不揮発性メモリに記憶させる
請求項1に記載の電子時計。
【請求項3】
前記第二の不揮発性メモリは、無線通信の通信制御部が有するメモリであり、
前記制御部は、前記復帰情報を前記第二の不揮発性メモリに記憶させる間は、無線通信を介したコマンドに対する前記通信制御部の応答を禁止させ、または前記通信制御部における前記コマンドの実行を遅延させる
請求項1または2に記載の電子時計。
【請求項4】
第一の不揮発性メモリを有し、かつ時刻表示を制御する制御部と、
前記制御部の外部に配置された第二の不揮発性メモリと、
前記制御部および前記第二の不揮発性メモリに対して電力を供給する電池と、
を備え、
前記第二の不揮発性メモリがデータを記憶するときの消費電力は、前記第一の不揮発性メモリが前記データを記憶するときの消費電力よりも小さく、
前記制御部は、前記電池の電圧が低下した場合に、前記制御部の動作を停止する停止モードに移行し、
前記制御部は、前記停止モードに移行する際に、前記制御部が動作を再開するときに参照する情報である復帰情報を前記第二の不揮発性メモリに記憶させ、
前記第二の不揮発性メモリは、無線通信の通信制御部が有するメモリであり、
前記制御部は、前記復帰情報を前記第二の不揮発性メモリに記憶させる間は、無線通信を介したコマンドに対する前記通信制御部の応答を禁止させ、または前記通信制御部における前記コマンドの実行を遅延させる
ことを特徴とする電子時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子時計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、データを不揮発性メモリに記憶させる技術がある。特許文献1には、時刻を計測するタイムカウンタと、電源供給が断たれるのを予め検出する手段と、電源供給の断を予め検出した場合に、不揮発性メモリにタイムカウンタから現在の時刻データを格納する手段と、電源供給が復旧し、再起動が発生した場合、不揮発性メモリから時刻データを読み込み、予め設定した時間分を加えた時刻データに変換する変換手段と、変換した時刻データをタイムカウンタに設定する手段と、を備えた時計の技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-52962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電池電圧の低下に応じて時計が動作を停止する場合、不揮発性メモリに情報を記憶させるための消費電力が大きいと、電池電圧の更なる低下を招いてしまう。その結果、書き込みに必要な最低動作電圧を下回った場合に、必要な情報を全て保存することができない可能性がある。電池電圧の低下を抑制しつつ、動作停止状態から復帰したときに必要な情報を不揮発性メモリに保存できることが望ましい。
【0005】
本発明の目的は、電池電圧の低下を抑制しつつ、動作停止状態から復帰したときに必要な情報を不揮発性メモリに保存できる電子時計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電子時計は、第一の不揮発性メモリを有し、かつ時刻表示を制御する制御部と、前記制御部の外部に配置された第二の不揮発性メモリと、前記制御部および前記第二の不揮発性メモリに対して電力を供給する電池と、を備え、前記第二の不揮発性メモリがデータを記憶するときの消費電力は、前記第一の不揮発性メモリが前記データを記憶するときの消費電力よりも小さく、前記制御部は、前記電池の電圧が低下した場合に、前記制御部の動作を停止する停止モードに移行し、前記制御部は、前記停止モードに移行する際に、前記制御部が動作を再開するときに参照する情報である復帰情報を前記第二の不揮発性メモリに記憶させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る電子時計の制御部は、停止モードに移行する際に、制御部が動作を再開するときに参照する情報である復帰情報を第二の不揮発性メモリに記憶させる。本発明に係る電子時計によれば、電池電圧の低下を抑制しつつ、動作停止状態から復帰したときに必要な情報を不揮発性メモリに保存できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る電子時計の平面図である。
図2図2は、実施形態に係る電子時計の断面図である。
図3図3は、実施形態に係る電子時計のブロック図である。
図4図4は、実施形態に係る保存動作のシーケンス図である。
図5図5は、実施形態に係る復帰動作のシーケンス図である。
図6図6は、実施形態に係る保存動作のシーケンス図である。
図7図7は、実施形態に係る保存動作のシーケンス図である。
図8図8は、実施形態に係る第二の不揮発性メモリの図である。
図9図9は、実施形態に係る保存動作のシーケンス図である。
図10図10は、実施形態に係る保存動作のシーケンス図である。
図11図11は、実施形態の第1変形例に係る保存動作のシーケンス図である。
図12図12は、実施形態の第1変形例に係る復帰動作のシーケンス図である。
図13図13は、実施形態の第1変形例に係る復帰動作のシーケンス図である。
図14図14は、実施形態の第2変形例に係るシーケンス図である。
図15図15は、実施形態の第2変形例に係るシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施形態に係る電子時計につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0010】
[実施形態]
図1から図10を参照して、実施形態について説明する。本実施形態は、電子時計に関する。図1は、実施形態に係る電子時計の平面図、図2は、実施形態に係る電子時計の断面図、図3は、実施形態に係る電子時計のブロック図、図4は、実施形態に係る保存動作のシーケンス図、図5は、実施形態に係る復帰動作のシーケンス図、図6および図7は、実施形態に係る保存動作のシーケンス図、図8は、実施形態に係る第二の不揮発性メモリの図、図9はおよび図10は、実施形態に係る保存動作のシーケンス図である。
【0011】
本実施形態の電子時計1は、ユーザの腕に装着される腕時計である。図1に示すように、電子時計1は、指針6を有するアナログ電子時計である。図1および図2に示すように、電子時計1は、外装ケース10、文字板11、および透明な風防12を有する。図2に示すように、外装ケース10は、本体10a(胴)、ベゼル10b、および裏蓋10cを有する。本体10aおよびベゼル10bはそれぞれ筒状部材であり、互いに嵌合し内部に後述する指針や文字板、回路基板、電池などを配置するための内部空間を有する。裏蓋10cは、本体10aにおける背面側の開口を閉塞する。風防12は、ベゼル10bにおける前面側の開口を閉塞する。
【0012】
図2に示すように、外装ケース10の内部空間には、指針6、文字板11、アンテナ32、ソーラーパネル13、磁性シート14、日車64、回路基板15、電池4等が収容されている。指針6は、時針61、分針62、および秒針63を有する。文字板11は、光を透過させるように構成されている。
【0013】
アンテナ32は、文字板11に対して背面側に配置されている。アンテナ32は、無線通信のアンテナであり、基板32aおよびアンテナ線32bを有する。図1に示すように、アンテナ線32bは、螺旋状に配索されている。基板32aは、光を透過させるように構成されている。ソーラーパネル13は、基板32aに対して背面側に配置されている。ソーラーパネル13によって発電された電力は、電池4に蓄電される。
【0014】
磁性シート14は、ソーラーパネル13に対して背面側に配置されている。すなわち、磁性シート14は、アンテナ32とモータ5との間に配置されている。磁性シート14は、モータ5で発生する磁界に対してアンテナ32を遮蔽する。
【0015】
日車64は、磁性シート14に対して背面側に配置されている。日車64は、例えば、指針6と同軸上に配置される。回路基板15は、日車64に対して背面側に配置されている。回路基板15には、通信制御部3および制御部2が実装されている。モータ5および輪列7は、回路基板15と日車64との間に配置されている。モータ5は、輪列7を介して指針6および日車64と連結されている。本実施形態のモータ5は、ステップモータであり、回路基板15を介して制御部2と接続されている。アンテナ32のアンテナ線32bは、接続部材33および回路基板15を介して通信制御部3に接続されている。
【0016】
電池4は、充放電が可能な二次電池である。電池4は、回路基板15に対して背面側に配置されている。電池4は、制御部2、通信制御部3、およびモータ5に対して電力を供給する。
【0017】
図3に示すように、制御部2は、制御回路20、第一の不揮発性メモリ21、およびRAM22を有する。制御部2は、例えば、計時動作を含む各種の動作を行なうマイクロコンピュータである。制御回路20は、時計内部時刻の算出およびモータ制御を含む時計としての各種動作を実行する。
【0018】
第一の不揮発性メモリ21は、制御部2に配置された不揮発性メモリである。第一の不揮発性メモリ21は、例えば、フラッシュメモリやEEPROM等である。第一の不揮発性メモリ21には、制御回路20で実行されるプログラムが記憶されていてもよい。第一の不揮発性メモリ21には、時計内部時刻や電池電圧の検出に関する調整値が記憶されていてもよい。RAM22は、例えば、制御回路20のワーキングメモリとして使用される。
【0019】
本実施形態の通信制御部3は、無線通信を行なう通信ICである。通信制御部3による無線通信の方式は、例えば、NFC(Near Field Communication)である。通信制御部3は、外部装置100との間で近距離無線通信を実行することができる。通信制御部3は、通信回路30および第二の不揮発性メモリ31を有する。第二の不揮発性メモリ31は、例えば、フラッシュメモリやEEPROM等である。通信回路30は、無線通信を実行する回路である。通信回路30は、更に、制御回路20との間でシリアル通信を行なう。通信回路30は、第二の不揮発性メモリ31にデータを書き込むこと、および第二の不揮発性メモリ31からデータを読み出すことができる。通信制御部3は、回路基板15を介して制御部2と接続されている。
【0020】
本実施形態の電子時計1では、第二の不揮発性メモリ31がデータを記憶するときの消費電力は、第一の不揮発性メモリ21がデータを記憶するときの消費電力よりも小さい。すなわち、同じ容量のデータを記憶する場合に、第二の不揮発性メモリ31の消費電力は、第一の不揮発性メモリ21の消費電力よりも小さい。例えば、第二の不揮発性メモリ31がデータを記憶するときに消費される電流値は、第一の不揮発性メモリ21がデータを記憶するときに消費される電流値よりも小さい。
【0021】
外部装置100は、例えば、スマートフォン等の通信端末である。外部装置100は、制御部110、記憶部120、および通信部130を有する。通信部130は、通信制御部3との間で近距離無線通信を行なう。記憶部120は、少なくとも不揮発性メモリを有する。制御部110は、通信部130による無線通信を制御し、かつ記憶部120に対するデータの書き込み、および記憶部120からのデータの読み込みを制御する。外部装置100には、無線通信を介して電子時計1と連携するアプリケーションプログラムがインストールされていることが好ましい。
【0022】
電子時計1の制御回路20は、通信制御部3による無線通信を制御する。制御回路20は、例えば、通信制御部3に対して無線通信を許可し、または無線通信を禁止することができる。また、制御回路20は、通信制御部3に対して、第二の不揮発性メモリ31へのデータの書き込み、および第二の不揮発性メモリ31からのデータの読み出しを指令することができる。
【0023】
制御回路20は、時計内部時刻に基づいてモータ5を制御する。制御回路20は、モータ5の駆動回路に対して出力するパルス信号を生成する。制御回路20は、パルス信号によってモータ5を駆動し、指針6および日車64を回転させる。
【0024】
電子時計1は、制御部2が動作している通常モードと、制御部2が動作を停止する停止モードと、を有する。通常モードは、電子時計1が時計内部時刻に基づいて時刻を表示する時刻表示モードである。通常モードは、電子時計1における電力消費を抑制する省電力モードを含んでいてもよい。省電力モードでは、例えば、時針61、分針62、および秒針63のうち一部の針に対する運針が停止される。
【0025】
電子時計1は、通常モードにおけるデータの書き込みおよび読み出しについては、内部メモリである第一の不揮発性メモリ21を使用する。第一の不揮発性メモリ21は、外部メモリである第二の不揮発性メモリ31と比較して即応性に優れている。制御部2は、通常モードにおいて、計時や電池電圧の検出に関わる調整値を第一の不揮発性メモリ21に記憶させ、これらの調整値を定期的に参照する。
【0026】
停止モードは、制御部2に対する電力供給が停止されるパワーブレイクモードである。制御部2は、停止モードに移行する場合、時計内部時刻の算出を停止し、かつパルス信号の生成を停止する。制御部2は、電池4の電圧が低下した場合に通常モードから停止モードに移行する。制御部2は、停止モードに移行する際に、復帰情報を第二の不揮発性メモリ31に記憶させる。復帰情報は、制御部2が動作を再開するときに参照する情報である。以下の説明では、復帰情報を不揮発性メモリに記憶させる動作を単に「保存動作」と称する。
【0027】
復帰情報は、例えば、BATフラグ、時刻情報、モータステアリング、針位置、都市情報、サマータイム情報、デュアル都市情報、アラーム設定、データログ、イベントログ等を含む。BATフラグは、リセットの原因が停止モードへの移行によるものであることを示すフラグである。BATフラグの値が停止モードへ移行したことを示す値である場合、不揮発性メモリに復帰情報が書き込まれている。この場合、制御部2は、復帰情報に基づいて動作を再開する。
【0028】
時刻情報は、停止モードへ移行するときの時計内部時刻の値である。時刻情報は、例えば、年、月、日、週、時、分の値を含む。モータステアリングは、モータ5に対して最後に出力したパルスについての情報である。モータステアリングに基づいて、運針を再開するときに最初に出力するパルスの相(極)が決定される。電子時計1が複数のモータ5を有する場合、各モータ5についてのモータステアリングが記憶される。
【0029】
針位置は、停止モードへ移行するときの指針6の位置である。針位置のデータ量は、モータ5の数やモータ5の最大ステップ数に応じて決まる。都市情報は、停止モードへ移行する際に選択されていた都市の情報である。サマータイム情報は、各都市のサマータイムに関する設定値である。デュアル都市情報は、電子時計1において複数都市の時刻を表示する場合の設定値である。
【0030】
アラーム設定は、停止モードへ移行する際に設定されていたアラーム設定時刻の情報である。データログは、電子時計1におけるイベントの発生回数等を含む。イベントログは、電子時計1において停止モードに至るまでにどのようなイベントが発生したかについての時系列のデータである。
【0031】
本実施形態の電子時計1は、復帰情報を第二の不揮発性メモリ31に記憶させることにより、保存動作に要する消費電力を低減させることができる。言い換えると、本実施形態の電子時計1は、電池電圧の低下を抑制しつつ復帰情報を不揮発性メモリに保存することができる。よって、本実施形態の電子時計1によれば、より確実に復帰情報を保存することが可能となる。
【0032】
図4のシーケンス図を参照して、停止モードへの移行処理について説明する。
S1:制御部2は、電池4における電圧低下を検出する。
S2:制御部2は、停止モードへの移行条件が成立したと判定する。移行条件は、例えば、電池4の電圧Vが下限値V0以下である状態が所定時間継続することである。
S3:制御部2は、計時を停止し、かつ運針を停止する。制御部2は、時計内部時刻の算出を停止し、かつ全ての指針6を停止させる。
【0033】
S4:制御部2は、通信制御部3に対して書き込みコマンドを送信する。制御部2は、復帰情報のデータを含むコマンドを送信する。
S5:書き込みコマンドを受信した通信制御部3は、復帰情報を第二の不揮発性メモリ31に書き込む。
S6:通信制御部3は、復帰情報の書き込みが完了すると、書き込みコマンドに対するレスポンスを制御部2に送信する。
S7:制御部2は、レスポンスを受信すると、停止モードへ移行する。電池4から制御部2への電力供給が停止され、制御部2は動作を停止する。
【0034】
次に、図5を参照して、制御部2が動作を再開するときの処理について説明する。
S11:ソーラーパネル13により発電された電力によって、電池4の電圧が上昇する。制御部2は、電池電圧が上昇した場合に制御部2を起動させる回路を有している。
S12:起動条件が成立して制御部2が起動する。起動条件は、例えば、電池4の電圧Vが所定値V1以上となっていることである。なお、所定値V1は、下限値V0よりも大きな電圧値である。
S13:起動した制御部2は、通信制御部3に対して読み込みコマンドを送信する。この読み込みコマンドでは、復帰情報の読み込みが指示される。
S14:読み込みコマンドを受信した通信制御部3は、第二の不揮発性メモリ31から復帰情報を読み込む。通信制御部3は、読み込みコマンドに対するレスポンスとして、読み込んだ復帰情報を制御部2に送信する。
S15:制御部2は、復帰情報をRAM22に展開し、RAM22に記憶させる。
S16:制御部2は、通常モードへ復帰する前の待機状態に移行する。制御部2は、待機状態において、時計内部時刻を算出することができる。待機状態では、指針6の運針が停止したままとされてもよい。
【0035】
通常モードへの復帰条件は、例えば、電池4の電圧Vが所定値V1以上である状態が所定時間継続することである。制御部2は、復帰条件が成立すると、待機状態から通常モードへ移行する。このときに、制御部2は、時刻表示を含む各種の表示を開始する。例えば、制御部2は、指針6を時計内部時刻に応じた位置まで移動させて運針を開始する。
【0036】
ここで、保存動作の実行中に通信制御部3に対して別のコマンドが送信される可能性がある。例えば、図6に示すように、外部装置100から通信制御部3に対して無線通信によりコマンドが送信されることが想定される。この場合の通信制御部3の動作について説明する。
【0037】
S21:制御部2は、停止モードへの移行条件が成立したと判定する。制御部2は、計時を停止し、かつ運針を停止する。
S22:制御部は、通信制御部3に対して書き込みコマンドを送信する。
S23:書き込みコマンドを受信した通信制御部3は、復帰情報を第二の不揮発性メモリ31に書き込む。
S24:書き込みの実行中に、外部装置100から通信制御部3に対して書き込みコマンドが送信される。通信制御部3は、例えば、一つの動作モードによる動作中は他のコマンドを受け付けない排他制御を行うように構成される。すなわち、通信制御部3は、復帰情報を書き込んでいる間は、他のコマンドに対して応答しない。外部装置100は、規定時間内に通信制御部3からの応答がない場合はエラーと判断する。
S25:通信制御部3は、復帰情報の書き込みが完了すると、書き込みコマンドに対するレスポンスを制御部2に送信する。
S26:制御部2は、レスポンスを受信すると、停止モードへ移行する。
【0038】
上記のような排他制御により、保存動作が中断されることなく完了する。よって、より確実に復帰情報を保存することが可能となる。なお、上記の排他制御は、通信制御部3の仕様によるものには限定されない。例えば、制御部2は、復帰情報の書き込みコマンドを送信する際に、通信制御部3に対して、無線通信によるコマンドへの応答を禁止してもよい。言い換えると、制御部2は、復帰情報を第二の不揮発性メモリ31に記憶させている間は、無線通信を介したコマンドに対する通信制御部3の応答を禁止させてもよい。
【0039】
通信制御部3は、保存動作の実行中に他のコマンドを受信した場合、図7に示すように他のコマンドの処理を遅延させてもよい。この場合の電子時計1の動作について説明する。
S31:制御部2は、停止モードへの移行条件が成立したと判定する。制御部2は、計時を停止し、かつ運針を停止する。
S32:制御部2は、通信制御部3に対して書き込みコマンドを送信する。
S33:書き込みコマンドを受信した通信制御部3は、復帰情報を第二の不揮発性メモリ31に書き込む。
S34:書き込みの実行中に、外部装置100から通信制御部3に対して書き込みコマンドが送信される。通信制御部3は、後から受信した書き込みコマンドの処理を遅延させる。
S35:通信制御部3は、復帰情報の書き込みが完了すると、書き込みコマンドに対するレスポンスを制御部2に送信する。
S36:制御部2は、レスポンスを受信すると、停止モードへ移行する。
S37:通信制御部3は、制御部2にレスポンスを送信した後に、外部装置100から受信した書き込みコマンドの処理を開始する。通信制御部3は、外部装置100から受信したデータを第二の不揮発性メモリ31に書き込む。
S38:通信制御部3は、書き込みが完了すると、書き込みコマンドに対するレスポンスを外部装置100に送信する。
【0040】
上記の逐次コマンド処理により、保存動作が中断されることなく完了する。よって、より確実に復帰情報を保存することが可能となる。なお、上記の逐次コマンド処理は、通信制御部3の仕様によるものには限定されない。例えば、制御部2は、復帰情報の書き込みコマンドを送信する際に、通信制御部3に対して他のコマンドの処理を遅延させる指令を行なってもよい。言い換えると、制御部2は、復帰情報を第二の不揮発性メモリ31に記憶させている間は、通信制御部3における無線通信を介したコマンドの実行を遅延させてもよい。
【0041】
なお、第二の不揮発性メモリ31に書き込まれた復帰情報が他のデータによって上書きされてしまうことは望ましくない。そこで、復帰情報のためのメモリ領域と、他のデータのためのメモリ領域とが分けられてもよい。例えば、第二の不揮発性メモリ31には、図8に示すように、復帰情報のためのメモリ領域が確保されてもよい。第二の不揮発性メモリ31は、無線通信用の第一のメモリ領域31a、および復帰情報用の第二のメモリ領域31bを有する。
【0042】
通信制御部3は、外部装置100からの書き込みコマンドを受信した場合、受信したデータを第一のメモリ領域31aに書き込む。一方、通信制御部3は、制御部2からの書き込みコマンドを受信した場合、復帰情報を第二のメモリ領域31bに書き込む。これにより、停止モードの間に復帰情報が上書きされてしまうことを規制することができる。
【0043】
次に、図9を参照して、保存動作において通信制御部3がBUSYであった場合の電子時計1の動作について説明する。
【0044】
S41:制御部2は、停止モードへの移行条件が成立したと判定する。制御部2は、計時を停止し、かつ運針を停止する。
S42:外部装置100は、通信制御部3に対して書き込みコマンドを送信する。
S43:書き込みコマンドを受信した通信制御部3は、外部装置100から受信したデータを第二の不揮発性メモリ31に書き込む。
S44:制御部2は、通信制御部3に対して書き込みコマンドを送信する。
S45:通信制御部3は、書き込みコマンドの処理中である場合、制御部2に対してBUSY応答を行なう。
S46:BUSY応答を受けた制御部2は、所定時間経過するまで待機する。
S47:通信制御部3は、書き込みが完了すると、書き込みコマンドに対するレスポンスを外部装置100に送信する。
S48:制御部2は、所定時間の経過後に通信制御部3に対して書き込みコマンドを送信する。
S49:書き込みコマンドを受信した通信制御部3は、復帰情報を第二の不揮発性メモリ31に書き込む。
S50:通信制御部3は、復帰情報の書き込みが完了すると、書き込みコマンドに対するレスポンスを制御部2に送信する。
S51:制御部2は、レスポンスを受信すると、停止モードへ移行する。
なお、通信回路30と外部装置100との通信がNFCである場合、外部装置100と通信回路30との通信に必要な電力は、外部装置100からの受信によってNFCの受信コイルに生じる起電力でまかなうことができる。よって、通信回路30と外部装置100との通信は、電池4の電圧低下にはほぼ影響しない。
【0045】
次に、図10を参照して、保存動作を開始するときに外部装置100との通信中であった場合の電子時計1の動作について説明する。
【0046】
S61:制御部2は、停止モードへの移行条件が成立したと判定する。制御部2は、計時を停止し、かつ運針を停止する。
S62:外部装置100は、通信制御部3に対して、第一の不揮発性メモリ21への書き込みコマンドを送信する。
S63:通信制御部3は、制御部2に対して、第一の不揮発性メモリ21への書き込みコマンドを送信する。
S64:制御部2は、外部装置100から送られたデータを第一の不揮発性メモリ21に書き込む。外部装置100からのデータが時刻修正のデータである場合、制御部2は、時計内部時刻を修正する。また、制御部2は、修正後の時計内部時刻に対応する位置まで指針6を運針させる。つまり、制御部2は、外部装置100からのデータに基づいて復帰情報を修正する。
S65:制御部2は、書き込みコマンドの実行が完了すると、書き込みコマンドに対するレスポンスを通信制御部3に送信する。
S66:通信制御部3は、書き込みコマンドに対するレスポンスを外部装置100に送信する。
S67:制御部2は、通信制御部3に対して書き込みコマンドを送信する。このときに送られる復帰情報は、修正後の復帰情報である。
S68:書き込みコマンドを受信した通信制御部3は、復帰情報を第二の不揮発性メモリ31に書き込む。
S69:通信制御部3は、復帰情報の書き込みが完了すると、書き込みコマンドに対するレスポンスを制御部2に送信する。
S70:制御部2は、レスポンスを受信すると、停止モードへ移行する。
【0047】
以上説明したように、本実施形態の電子時計1は、第一の不揮発性メモリ21を有し、かつ時刻表示を制御する制御部2と、制御部2の外部に配置された第二の不揮発性メモリ31と、電池4と、を有する。第二の不揮発性メモリ31がデータを記憶するときの消費電力は、第一の不揮発性メモリ21がデータを記憶するときの消費電力よりも小さい。
【0048】
制御部2は、電池4の電圧Vが低下した場合に、制御部2の動作を停止する停止モードに移行する。制御部2は、停止モードに移行する際に、復帰情報を第二の不揮発性メモリ31に記憶させる。復帰情報は、制御部2が動作を再開するときに参照する情報である。本実施形態に係る電子時計1は、消費電力が相対的に小さな第二の不揮発性メモリ31に復帰情報を記憶させることで、電池電圧の低下を抑制しつつ復帰情報を不揮発性メモリに保存することができる。
【0049】
本実施形態における第二の不揮発性メモリ31は、無線通信の通信制御部3が有するメモリである。制御部2は、復帰情報を第二の不揮発性メモリ31に記憶させる間は、無線通信を介したコマンドに対する通信制御部3の応答を禁止させ、または通信制御部3における当該コマンドの実行を遅延させる。よって、本実施形態の電子時計1は、復帰情報をより確実に保存することができる。
【0050】
なお、電子時計1は、時刻表示手段として、指針6に加えてデジタル表示部を有していてもよい。また、電子時計1は、指針6を有さず、デジタル表示部によって時刻を表示するデジタル電子時計であってもよい。
【0051】
通信制御部3による通信方式は、NFCには限定されない。通信方式は、例えば、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi等であってもよい。第二の不揮発性メモリ31は、通信制御部3に配置されたメモリには限定されない。第二の不揮発性メモリ31は、電子時計1に搭載されたセンサのメモリであってもよい。第二の不揮発性メモリ31は、独立したメモリとして回路基板15等に実装されていてもよい。
【0052】
復帰情報は、無線通信によって電子時計1の外部に記憶されてもよい。例えば、制御部2は、近距離無線通信によって外部装置100に復帰情報を送信してもよい。外部装置100は、取得した復帰情報をクラウド上のサーバーに記憶させてもよい。制御部2は、Wi-Fi等の無線通信によってクラウド上のサーバーに復帰情報を送信してもよい。
【0053】
電子時計1は、第一の不揮発性メモリ21および第二の不揮発性メモリ31の両方に同じデータを記憶させておき、定期的にベリファイを行なってもよい。例えば、工場出荷時に第一の不揮発性メモリ21および第二の不揮発性メモリ31にシリアルデータが書き込まれる。制御部2は、第一の不揮発性メモリ21および第二の不揮発性メモリ31から定期的にデータを読み出してベリファイを行なう。ベリファイは、停止モードとは無関係に実行されてもよい。制御部2は、二つのデータが一致しない場合、故障モードであることをユーザに通知する。なお、制御部2は、二つのデータが複数回のベリファイで連続して一致しない場合に故障であると判定してもよい。
【0054】
[実施形態の第1変形例]
実施形態の第1変形例について説明する。実施形態の第1変形例において、上記実施形態と異なる点は、停止モードに移行する際に、制御部2が復帰情報の一部を第一の不揮発性メモリ21に記憶させる点である。
【0055】
より詳しくは、制御部2は、復帰情報のうち、第一情報を第一の不揮発性メモリ21に記憶させる。第一情報は、電子時計1が動作を再開するときに参照する情報のうち、優先度が高い情報である。第一情報は、指針6の位置が基準位置からずれないようにするための情報であり、例えば、電子時計1において指針6による時刻表示を再開させるための情報である。第一情報は、例えば、BATフラグ、モータステアリング、および針位置を含む。第一情報は、時刻情報を含んでいてもよい。第一情報を第一の不揮発性メモリ21に保存することで、電子時計1における主要機能をより確実に再開させることができる。例えば、通信制御部3とのシリアル通信が不通であっても時刻表示機能を再開させることが可能となる。
【0056】
制御部2は、上記実施形態と同様に、復帰情報の全項目を第二の不揮発性メモリ31に記憶させる。これにより、電力の消費を抑制しつつ復帰情報を保存することができる。図11を参照して、実施形態の第1変形例に係る保存動作について説明する。
【0057】
S71:制御部2は、停止モードへの移行条件が成立したと判定する。制御部2は、計時を停止し、かつ運針を停止する。
S72:制御部2は、第一の不揮発性メモリ21に第一情報を書き込む。
S73:制御部2は、通信制御部3に対して書き込みコマンドを送信する。この書き込みコマンドでは、復帰情報の書き込みが指示される。
S74:書き込みコマンドを受信した通信制御部3は、復帰情報の全データを第二の不揮発性メモリ31に書き込む。
S75:通信制御部3は、復帰情報の書き込みが完了すると、書き込みコマンドに対するレスポンスを制御部2に送信する。
S76:制御部2は、レスポンスを受信すると、停止モードへ移行する。
なお、ステップS72とステップS74の順序は逆であってもよい。すなわち、制御部2は、第二の不揮発性メモリ31に復帰情報を書き込んだ後に第一の不揮発性メモリ21に第一情報を書き込んでもよい。制御部2は、第一の不揮発性メモリ21および第二の不揮発性メモリ31の両方に対する情報の書き込みが完了したら停止モードに移行する。
【0058】
次に、図12を参照して、実施形態の第1変形例に係る復帰動作について説明する。
S81:制御部2は、停止モードからの復帰条件が成立したと判定する。
S82:制御部2は、通信制御部3に対して読み込みコマンドを送信する。この読み込みコマンドでは、復帰情報の全データの読み込みが指示される。
S83:読み込みコマンドを受信した通信制御部3は、第二の不揮発性メモリ31から復帰情報の全データを読み込む。
S84:通信制御部3は、読み込みコマンドに対するレスポンスとして、読み込んだ復帰情報を制御部2に送信する。
S85:制御部2は、通信制御部3から取得した復帰情報に基づいて停止モードから復帰し、通常モードへ移行する。
【0059】
図13を参照して、通信制御部3から復帰情報が取得できない場合の復帰動作について説明する。
S91:制御部2は、停止モードからの復帰条件が成立したと判定する。
S92:制御部2は、通信制御部3に対して読み込みコマンドを送信する。この読み込みコマンドでは、復帰情報の全データの読み込みが指示される。
S93:制御部2は、通信制御部3からのレスポンスを受信しないままで最大の待ち時間が経過すると、タイムアウトと判定する。
S94:制御部2は、第一の不揮発性メモリ21から第一情報を読み込む。
S95:制御部2は、第一の不揮発性メモリ21から読み込んだ第一情報に基づいて停止モードから復帰し、通常モードへ移行する。
【0060】
なお、第二の不揮発性メモリ31に記憶させる項目は、復帰情報のうち、第一情報を除く項目であってもよい。例えば、制御部2は、S73の書き込みコマンドにおいて、復帰情報の全項目うち、第一情報を除く項目を通信制御部3に送信してもよい。この場合の復帰動作では、制御部2は、始めに第一の不揮発性メモリ21から第一情報を読み込み、次に、第二の不揮発性メモリ31から残りの復帰情報を読み込んでもよい。
【0061】
[実施形態の第2変形例]
実施形態の第2変形例について説明する。実施形態の第2変形例において、上記実施形態と異なる点は、時計停止イベントが発生した場合に、イベントログを第二の不揮発性メモリ31に記憶させる点である。
【0062】
図14を参照して、実施形態の第2変形例に係る電子時計1の動作について説明する。
S101:制御部2は、イベントの発生を検知する。イベントの内容は、例えば、指針6における針位置のずれである。
S102:制御部2は、発生したイベントをRAM22に記憶させる。記憶させるデータは、例えば、針位置のずれが発生した回数である。
S103:制御部2は、時計停止イベントの発生を検知する。イベントの内容は、例えば、針位置の検出エラーである。針位置の検出エラーは、例えば、指針6の針位置が検出できなかった場合に発生する。
S104:制御部2は、発生したイベントをRAM22に記憶させる。
S105:制御部2は、通信制御部3に対して書き込みコマンドを送信する。この書き込みコマンドでは、RAM22に記憶されているイベントログ、およびイベントの発生回数が送られる。
S106:書き込みコマンドを受信した通信制御部3は、イベントに関するデータを第二の不揮発性メモリ31に書き込む。
S107:通信制御部3は、イベントに関するデータの書き込みが完了すると、書き込みコマンドに対するレスポンスを制御部2に送信する。
S108:制御部2は、レスポンスを受信すると、停止モードへ移行する。
【0063】
ユーザは、外部装置100を用いて第二の不揮発性メモリ31に記憶されたイベントログを確認することができる。図15を参照して、イベントログの確認手順について説明する。
S111:ユーザは、外部装置100において、電子時計1と連携するアプリケーションプログラムを起動させる。
S112:ユーザは、アプリケーションプログラムにおいてログ読み出しを選択する。
S113:ユーザは、アプリケーションプログラムの指示に従って外部装置100を電子時計1に近づける。
S114:アプリケーションプログラムは、NFC通信により通信制御部3に対して読み込みコマンドを送信する。
S115:読み込みコマンドを受信した通信制御部3は、第二の不揮発性メモリ31からイベントログを読み込む。通信制御部3は、読み込みコマンドに対するレスポンスとして、イベントログを外部装置100に送信する。外部装置100は、受信したイベントログを記憶部120に保存する。
【0064】
制御部2が停止している場合や、電池4の電圧が低下している場合であっても、外部装置100と通信制御部3とは近距離無線通信を行なうことができる。よって、イベントログが第一の不揮発性メモリ21に記憶されている場合と比較して、イベントログの読み出しに要するコストが低減される。ユーザは、取得したイベントログに基づいて、メーカーの直営店でアドバイスを受けることが可能となる。また、ユーザは、イベントログをサポートセンターに送信することにより、アドバイスを受けることや、修理費用の見積りを依頼することができる。
【0065】
上記の実施形態および変形例に開示された内容は、適宜組み合わせて実行することができる。
【符号の説明】
【0066】
1 電子時計
2 制御部
3 通信制御部
4 電池
5 モータ
6 指針
7 輪列
10:外装ケース、 10a:本体、 10b:ベゼル、 10c:裏蓋
11:文字板、 12:風防、 13:ソーラーパネル、 14:磁性シート
15:回路基板
20:制御回路、 21:第一の不揮発性メモリ、 22:RAM
30:通信回路、 31:第二の不揮発性メモリ、 32:アンテナ、
32a:基板、 32b:アンテナ線、 33:接続部材
61:時針、 62:分針、 63:秒針、 64:日車
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15