(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240830BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 315A
(21)【出願番号】P 2021195453
(22)【出願日】2021-12-01
【審査請求日】2023-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100126620
【氏名又は名称】石井 豪
(72)【発明者】
【氏名】関谷 徹
(72)【発明者】
【氏名】池田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】松塚 飛雄馬
【審査官】中村 祐一
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-074285(JP,A)
【文献】特開2021-049230(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球の発射強度に応じて打ち分け可能な第1流下領域及び第2流下領域と、
前記第1流下領域を流下する遊技球が進入可能な第1始動領域と、
前記第2流下領域を流下する遊技球が進入可能な第2始動領域と、
前記第1始動領域又は前記第2始動領域への遊技球の進入に基づ
く抽選の抽選結果が対応付けられた図柄であって、所定の大入賞口が開放される大入賞口開放遊技を実行する旨
の抽選結果が対応付けられた第1の図柄、当該大入賞口開放遊技を実行しない旨
の抽選結果が対応付けられた第2の図柄及び第3の図柄を含む複数の図柄の中からいずれかを決定する図柄決定手段と、
前記図柄決定手段により決定された前記図柄の変動表示を実行可能であるとともに、当該変動表示が終了してから当該図柄に対応する停止表示時間が経過するまでの間、当該図柄の停止表示を実行可能な表示手段と、
第1の遊技状態、第2の遊技状態及び第3の遊技状態を含む複数の遊技状態のいずれかを設定可能な設定手段と、
種々の示唆を実行可能な示唆手段と、を備え、
前記第1の遊技状態は、主に前記第1流下領域で遊技を行わせる遊技状態であり、
前記第2の遊技状態は、主に前記第1流下領域で遊技を行わせ、前記第2始動領域への遊技球の進入の難易度が前記第1の遊技状態と異なる遊技状態であり、
前記第3の遊技状態は、主に前記第2流下領域で遊技を行わせ、前記第2始動領域への遊技球の進入の難易度が前記第1の遊技状態及び前記第2の遊技状態よりも低い遊技状態であり、
前記第2の図柄に対応する前記停止表示時間、及び前記第3の図柄に対応する前記停止表示時間はいずれも、前記第1の図柄に対応する前記停止表示時間よりも長く、
前記設定手段は、
前記第1の遊技状態において前記第2の図柄が決定されることに基づき前記第2の遊技状態を設定し、前記第1の遊技状態において前記第3の図柄が決定されることに基づき前記第3の遊技状態を設定し、
前記示唆手段は、
前記第1の遊技状態においては、前記第1の図柄の変動表示が終了してから前記停止表示時間が経過するまでの間に、当該第1の図柄に対応付けられた前記抽選結果の示唆を行い、前記第2の図柄の変動表示が終了してから前記停止表示時間が経過するまでの間、及び前記第3の図柄の変動表示が終了してから前記停止表示時間が経過するまでの間に、遊技状態の設定に関する示唆を行うことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機として、遊技領域に設けられた始動入賞口への遊技球の入球を契機として特別遊技の実行の可否を決定する当否抽選及び当該当否抽選の結果を示す特別図柄の決定が行われるとともに、所定の表示装置において特別図柄の変動表示が実行され、上述の当否抽選の結果が特別遊技を実行する旨(大当たりの当選)であることを示す大当たり図柄の停止表示が行われることにより多くの賞球を獲得可能な特別遊技が実行されるものが知られている。
このような遊技機においては、決定された大当たり図柄の種別に応じて、遊技者に付与される遊技利益の有利度が異なるように設定されるのが一般的である。たとえば、遊技状態として、相対的に所定の始動入賞口へ遊技球が入球し難い非時短遊技状態、及び、相対的に所定の始動入賞口へ遊技球が入球し易い時短遊技状態が設けられ、特定の大当たり図柄が決定された場合には、特別遊技の終了後の遊技状態が時短遊技状態に設定されるような遊技機が知られている(特許文献1及び2参照)。
また、近年では、上述の当否抽選において、特別遊技を実行する旨の決定が行われる他、時短遊技状態を設定するか否かを決定するような遊技機が考案されている。このような遊技機においては、当否抽選により時短遊技状態を設定する旨が決定された場合、特別遊技の実行を介さずに時短遊技状態が設定されるため、斬新な遊技性を提供することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-107139号公報
【文献】特開2008-253554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような遊技機においては、当否抽選により時短遊技状態を設定する旨が決定された場合、当該決定に基づく特別図柄の変動表示が終了し当該特別図柄を停止表示させる停止表示時間が経過すると、時短遊技状態を設定するようになっている。
ここで、上述の停止表示時間は、当否抽選の結果を問わず極めて短い時間(たとえば、0.5秒)等に設定されるのが一般的である。特別遊技を実行しない旨が決定された場合には、当該決定前の遊技状態がそのまま継続するため、停止表示時間が短くても特段の問題は生じない。しかし、時短遊技状態を設定する旨が決定された場合には、特別図柄が停止表示した後すぐに遊技状態が変更されることとなるため、遊技者に対して遊技状態の変更に関し違和感を与えるおそれが生じていた。
【0005】
そこで、本発明は、上述した事情によりなされたものであり、遊技状態の変更をより把握し易くし、遊技者に対して遊技状態の変更に関する違和感を与えるのを極力防止可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するために、本発明は次のように構成されている。
(1)本発明に係る遊技機は、遊技球の発射強度に応じて打ち分け可能な第1流下領域及び第2流下領域と、前記第1流下領域を流下する遊技球が進入可能な第1始動領域と、前記第2流下領域を流下する遊技球が進入可能な第2始動領域と、前記第1始動領域又は前記第2始動領域への遊技球の進入に基づく抽選の抽選結果が対応付けられた図柄であって、所定の大入賞口が開放される大入賞口開放遊技を実行する旨の抽選結果が対応付けられた第1の図柄、当該大入賞口開放遊技を実行しない旨の抽選結果が対応付けられた第2の図柄及び第3の図柄を含む複数の図柄の中からいずれかを決定する図柄決定手段と、前記図柄決定手段により決定された前記図柄の変動表示を実行可能であるとともに、当該変動表示が終了してから当該図柄に対応する停止表示時間が経過するまでの間、当該図柄の停止表示を実行可能な表示手段と、第1の遊技状態、第2の遊技状態及び第3の遊技状態を含む複数の遊技状態のいずれかを設定可能な設定手段と、種々の示唆を実行可能な示唆手段と、を備え、前記第1の遊技状態は、主に前記第1流下領域で遊技を行わせる遊技状態であり、前記第2の遊技状態は、主に前記第1流下領域で遊技を行わせ、前記第2始動領域への遊技球の進入の難易度が前記第1の遊技状態と異なる遊技状態であり、前記第3の遊技状態は、主に前記第2流下領域で遊技を行わせ、前記第2始動領域への遊技球の進入の難易度が前記第1の遊技状態及び前記第2の遊技状態よりも低い遊技状態であり、前記第2の図柄に対応する前記停止表示時間、及び前記第3の図柄に対応する前記停止表示時間はいずれも、前記第1の図柄に対応する前記停止表示時間よりも長く、前記設定手段は、前記第1の遊技状態において前記第2の図柄が決定されることに基づき前記第2の遊技状態を設定し、前記第1の遊技状態において前記第3の図柄が決定されることに基づき前記第3の遊技状態を設定し、前記示唆手段は、前記第1の遊技状態においては、前記第1の図柄の変動表示が終了してから前記停止表示時間が経過するまでの間に、当該第1の図柄に対応付けられた前記抽選結果の示唆を行い、前記第2の図柄の変動表示が終了してから前記停止表示時間が経過するまでの間、及び前記第3の図柄の変動表示が終了してから前記停止表示時間が経過するまでの間に、遊技状態の設定に関する示唆を行うことを特徴とする。
【0007】
本発明に係る遊技機では、第1の遊技状態中に決定されることで第2の遊技状態が設定される第2の図柄に対応する停止表示時間、及び、第1の遊技状態中に決定されることで第3の遊技状態が設定される第3の図柄に対応する停止表示時間は、第1の図柄に対応する停止表示時間よりも長くなっている。また、第1の遊技状態において、第1の図柄に係る停止表示時間の経過中には当該第1の図柄に対応する抽選結果の示唆が行われ、第2の図柄に係る停止表示時間の経過中、及び第3の図柄に係る停止表示時間の経過中には、遊技状態の設定に関する示唆が行われる。すなわち、遊技状態が変更される場合には、それ以外の場合よりも停止表示時間が長く、この長い停止表示時間中に遊技状態の設定に関する示唆が行われるため、遊技状態の変更をより把握し易くすることができ、遊技者に対して遊技状態の変更に関する違和感を与えるのを極力防止することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、遊技状態の変更をより把握し易くし、遊技者に対して遊技状態の変更に関する違和感を与えるのを極力防止可能な遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】パチンコ機の前扉を開けた状態の外観斜視図である。
【
図4】の第2始動入賞口及び可動片の拡大図である。
【
図5】パチンコ機のアタッカー装置内部の正面概略図である。
【
図6】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図7】パチンコ機の当否乱数判定テーブルの説明図である。
【
図8】パチンコ機の特別図柄乱数判定テーブルの説明図である。
【
図9】パチンコ機の特別電動役物作動テーブルの説明図である。
【
図10】パチンコ機の遊技状態設定テーブルの説明図である。
【
図11】パチンコ機の変動パターンテーブルの説明図である。
【
図12】パチンコ機の変動パターンテーブルの説明図である。
【
図13】パチンコ機の停止表示時間テーブルの説明図である。
【
図14】パチンコ機の当たり決定乱数判定テーブルの説明図である。
【
図15】パチンコ機の普通図柄変動パターン決定テーブルの説明図である。
【
図16】パチンコ機の可動片作動制御テーブルの説明図である。
【
図17】パチンコ機の主制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。
【
図18】パチンコ機の主制御基板における初期化処理の概略を示すフローチャートである。
【
図19】パチンコ機の主制御基板における電断退避処理の概略を示すフローチャートである。
【
図20】パチンコ機の主制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。
【
図21】パチンコ機の主制御基板におけるセンサ検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図22】パチンコ機の主制御基板におけるゲート検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図23】パチンコ機の主制御基板における第1始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図24】パチンコ機の主制御基板における第2始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図25】パチンコ機の主制御基板における事前判定処理の概略を示すフローチャートである。
【
図26】パチンコ機の主制御基板における特定領域検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図27】パチンコ機の主制御基板における特図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図28】パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
【
図29】パチンコ機の主制御基板における当否判定処理の概略を示すフローチャートである。
【
図30】パチンコ機の主制御基板における変動パターン決定処理の概略を示すフローチャートである。
【
図31】パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
【
図32】パチンコ機の主制御基板における停止後処理の概略を示すフローチャートである。
【
図33】パチンコ機の主制御基板における特別遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図34】パチンコ機の主制御基板における特別遊技終了処理の概略を示すフローチャートである。
【
図35】パチンコ機の主制御基板における普図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図36】パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
【
図37】パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
【
図38】パチンコ機の主制御基板における普通図柄停止後処理の概略を示すフローチャートである。
【
図39】パチンコ機の主制御基板における可動片制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図40】パチンコ機の各遊技状態への移行を示した状態遷移図である。
【
図41】パチンコ機の各演出状態への移行を示した状態遷移図である。
【
図42】パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
【
図43】パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
【
図44】パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
【
図45】パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
【
図46】パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
【
図47】パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
【
図48】パチンコ機の変動演出決定テーブルの説明図である。
【
図49】パチンコ機の変動演出決定テーブルの説明図である。
【
図50】パチンコ機の副制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。
【
図51】パチンコ機の副制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。
【
図52】パチンコ機の副制御基板における遊技状態設定関連コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図53】パチンコ機の副制御基板における電断復帰コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図54】パチンコ機の副制御基板における停止表示終了コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図55】パチンコ機の副制御基板における変動パターンコマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の形態を、図面を参照しつつ説明する。
(パチンコ機Pの外部構成)
本形態に係る遊技機は、遊技媒体として遊技球を使用するパチンコ機Pである。特に図示していないが、パチンコ機Pが設置される遊技場においては、島と呼ばれる遊技機の設置領域に、複数台のパチンコ機Pが並べて配設されるとともに、遊技球を貸し出すための遊技球貸出装置が各パチンコ機Pに隣接して設置される。また、各パチンコ機Pは対応する遊技球貸出装置Rに接続されている。
遊技球貸出装置Rは、紙幣の投入や遊技球の貸し出しに必要な価値情報が記憶される記憶媒体(カード)の挿入が可能となっている。そして、遊技球貸出装置Rに紙幣を投入(又は、カードを挿入)した上で、パチンコ機Pに対して所定の操作を行うことにより、遊技球貸出装置Rから遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。
【0011】
本形態に係るパチンコ機Pは、
図1又は
図2に示すように、島に固定される四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する機枠1と、この機枠1にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられる四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する本体枠2と、この本体枠2にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられ、正面に開口部(特に図示しておらず)が形成された前扉3と、を備えている。
【0012】
機枠1の左下部には、
図1に示すように、音声出力装置10としてのスピーカが設けられている。また、本体枠2の中空部には、遊技領域12を形成するための遊技盤11が収容されている。また、前扉3には、開口部を覆う透明板4と、透明板4の下方に位置し遊技球を受容可能な上皿6及び受皿7と、受皿7の右方に取り付けられ遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル5と、透明板4の左右上方にそれぞれ1個ずつ取り付けられた音声出力装置10としてのスピーカと、が設けられている。
【0013】
このパチンコ機Pでは、機枠1に対して本体枠2を閉じ、さらに、前扉3を閉じると、遊技盤11の前方に間隙を挟んで透明板4が位置することとなる。これにより、透明板4を介して、後方に位置する遊技盤11を視認することができるようになっている。
【0014】
また、上皿6には、遊技球貸出装置Rにより貸し出される遊技球や、パチンコ機Pから払い出される賞球が導かれるようになっている。上皿6は、所定量の遊技球を受容可能となっているが、この上皿6が遊技球で一杯になると、その後に貸し出されたり、払い出されたりする遊技球は受皿7に導かれるようになっている。また、受皿7の底面には、特に図示していないが、貯留されている遊技球を排出するための排出孔と、排出孔を開閉可能な開閉板と、が設けられている。常態において、排出孔は開閉板により閉じられているものの、開閉板と一体に取り付けられた開閉レバー8(
図1参照)を横方向に移動させることで、開閉板も同方向に移動し、排出孔が開放される。これにより、遊技球を排出孔から落下させて、受皿7の外に排出することができるようになっている。
【0015】
また、操作ハンドル5は、遊技者が所定方向へ向けて回転操作できるように形成されている。そして、遊技者が操作ハンドル5を回転操作すると、上皿6に受容されている遊技球が発射装置(特に図示しておらず)に送られ、操作ハンドル5の回転角度に応じた強度で、発射装置によって遊技球が遊技領域12へ向けて発射される。このように発射された遊技球は、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bに案内されて上昇し、遊技領域12に到達する。
【0016】
ここで、遊技領域12は、機枠1に対し本体枠2及び前扉3を閉じた状態で遊技盤11と透明板4との間に形成される空間のうち、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bにより略円形状に仕切られた部分であって、遊技球が流下可能な領域である。
この遊技領域12は、
図3に示すように、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て左側の領域である第1遊技領域12aと、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て右側の領域である第2遊技領域12bとから構成されている。これら2つの遊技領域12は、発射装置の発射強度により、遊技球の進入可能性が異なるようになっている。具体的には、発射装置の発射強度が所定の強度未満(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達しない程度の強度)の場合には、遊技球は第1遊技領域12aに進入する。これに対して、発射装置の発射強度が所定の強度以上(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達可能な強度)の場合には、遊技球は第2遊技領域12bに進入する。
【0017】
また、この遊技領域12内には、
図3に示すように、遊技球の流下方向を不規則にするための風車及び多数の釘と、遊技球が入球可能な一般入賞口14と、始動領域としての第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16と、遊技球が通過可能なゲート20と、所定条件を満たすことで作動するアタッカー装置17と、遊技球を遊技領域12外へ導くアウト口19と、遊技の進行等に伴って演出を行う演出装置としての演出表示装置21とが設けられている。なお、
図3においては、一部の釘のみを示しており、他の釘については省略している。
【0018】
一般入賞口14は、
図3に示すように、遊技領域12の下部中央からやや左寄りの位置に設けられており、当該一般入賞口14へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では5個)の賞球が払い出される。
なお、一般入賞口14の設置個数や設置位置は特に限定されるものではない。
【0019】
第1始動入賞口15は、
図3に示すように、遊技領域12の中央からやや下寄りの位置に設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球のみ入球可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球は入球できないようになっている。
【0020】
ゲート20は、
図3に示すように、第2遊技領域12bの上部(遊技領域12の右部中央からやや上寄りの位置)に設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、第2遊技領域12bを流下する遊技球のみゲート20を通過可能であり、第1遊技領域12aを流下する遊技球はゲート20を通過できないようになっている。また、第2遊技領域12bへ進入した遊技球はほぼ全て、ゲート20を通過するように構成されている。
遊技球がゲート20を通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。そして、当該普通図柄の抽選の結果が当たりであった場合、後述する可動片16bが所定時間突出するようになっている。
【0021】
ゲート20の下方には、
図3に示すように、第2始動入賞口16、及び、遊技盤11に対して突没可能な平板状の可動片16b(普通電動役物)が横並びに併設されている。
可動片16bの上面は、遊技盤11から突出した状態において、右端から左端に向けて下り傾斜となるように形成されている。ゲート20の直下には、可動片16bの右端が位置するようになっており、可動片16bの左端の左方に第2始動入賞口16が配置されている。第2始動入賞口16は、上方に向けて開口したコップ形状となっており、開口に到達した遊技球が第2始動入賞口16に入球するようになっている。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、可動片16bの上面右端にある遊技球が第2始動入賞口16の開口に到達するまでの時間(以下、開口到達時間ともいう)がおよそ0.3秒となるように構成されている。
そして、可動片16bが遊技盤11から突出している状態(以下、突出状態ともいう)においては、この可動片16bの上面が遊技球を第2始動入賞口16の開口まで案内するガイド部材として機能する(
図4(b)参照)。これに対して、可動片16bが遊技盤11に没入している状態(以下、没入状態ともいう)においては、可動片16bが遊技球を第2始動入賞口16の開口まで案内することができないようになっている(
図4(a)参照)。
また、第2始動入賞口16へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球のみ入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球は入球できないようになっている。
【0022】
なお、第2始動入賞口16及び可動片16bに関しては、上記のような構成に限定されるものではない。
たとえば、第2始動入賞口16に対し、可動片16bとして、遊技盤11に直交する軸を中心に左右方向に回動して当該第2始動入賞口16を開閉可能な羽根部材を設けるようにしてもよい。具体的には、可動片16b(羽根部材)が閉じているときには第2始動入賞口16が閉状態となり、第2始動入賞口16への遊技球の入球は不可能であるのに対し、可動片16bが開くと第2始動入賞口16が開状態となり、この可動片16bが遊技球を第2始動入賞口16へ向けて案内するガイド部材として機能することにより、第2始動入賞口16への遊技球の入球が可能となるようにしてもよい。
また、可動片16bは、遊技盤11と水平な軸を中心に前後方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する蓋部材としてもよいし、上下方向にスライドして第2始動入賞口16を開閉するシャッター部材としてもよい。
【0023】
なお、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16の設置位置は特に限定されるものではなく、たとえば、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16は、いずれの遊技領域12(第1遊技領域12a、第2遊技領域12b)を流下する遊技球も入球しやすいような位置に配置してもよい。
【0024】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出されるとともに、後述する大当たりの当選か否か(以下、大当たりの当否ともいう)、後述する時短遊技状態を付与するか否か(以下、時短付与の当否ともいう)を判定するための当否抽選が行われ、当該当否抽選の結果に応じて、予め定められた複数の特別図柄の中から1の特別図柄が決定される。決定され得る特別図柄には複数の種別が設けられており、決定された特別図柄の種別に応じて、遊技者にとって有利な特別遊技の実行、時短遊技状態の付与(後述する時短遊技状態JT1又はJT2の設定)等の遊技利益が付与されるようになっている。
なお、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球は、1個以上であれば特に限定されるものではなく、いかなる個数にしてもよい。また、第1始動入賞口15(可動片16bが併設されていない始動入賞口)と第2始動入賞口16(可動片16bが併設されている始動入賞口)とでは、賞球の数を同一にしてもよいし、異ならせてもよい。本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数は3個、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数は1個となっている。
【0025】
アタッカー装置17は、
図3に示すように、遊技領域12の右部ほぼ中央(第2始動入賞口16及び可動片16bの下方)に設けられている。このアタッカー装置17は、遊技球が入球可能な大入賞口18と、この大入賞口18を開閉する開閉扉18bと、を備えている。常態においては、開閉扉18bが閉じられ大入賞口18は閉鎖されているため、当該大入賞口18への遊技球の入球は不可能となっているものの、上述の特別遊技が実行されると、開閉扉18bが開き大入賞口18が開放されることにより、大入賞口18への遊技球の入球が可能となる。具体的には、上述の特別遊技中には大入賞口18が開放されるラウンド遊技が複数回実行されるようになっている。大入賞口18へ遊技球が1個入球すると、所定個数(本形態では15個)の賞球が払い出される。
また、
図3に示すように、この大入賞口18へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球は入球できないようになっている。また、特に図示していないが、第2遊技領域12bを流下する遊技球は、第2始動入賞口16へ入球したものを除いてほぼ全て大入賞口18へ到達可能となるように、釘や風車等が配置されている。したがって、大入賞口18が開状態となっている限りにおいて遊技球を打ち出し続けていれば、遊技球は大入賞口18へ入球するようになっている。
【0026】
さらに、
図5(a)及び(b)に示すように、アタッカー装置17内部には、大入賞口18へ入球した遊技球が左方へ向けて転動可能な転道路51が設けられている。この転道路51は、転動方向の所定位置において上側通路52と下側通路53とに分岐しており、上側通路52の末端には大入賞口18へ入球した遊技球が進入可能な一般領域58が設けられ、下側通路53の末端には大入賞口18へ入球した遊技球が進入可能な特定領域57が設けられている(
図5(a)及び(b)参照)。
【0027】
また、
図5(a)及び(b)に示すように、上側通路52と下側通路53とに分岐する位置には、遊技球を上側通路52又は下側通路53のいずれかに振り分ける振り分け部材59が設けられている。この振り分け部材59は、遊技盤11に直交する軸を中心に回動可能であって、上側通路52への進路を開放し下側通路53への進路を塞ぐ第1位置と、上側通路52への進路を塞ぎ下側通路53への進路を開放する第2位置との間を変位可能となっている。そして、大入賞口18へ入球した遊技球は、振り分け部材59が第1位置に位置しているときには上側通路52へ進み一般領域58へ進入し、振り分け部材59が第2位置に位置しているときには下側通路53へ進み特定領域57へ進入する。
【0028】
また、特に図示していないが、アタッカー装置17には、特定領域57へ進入した遊技球を大入賞口18外(遊技盤11の背面側)へ排出するための特定領域排出口と、一般領域58へ進入した遊技球を大入賞口18外(遊技盤11の背面側)へ排出するための一般領域排出口と、が設けられている。
【0029】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの当選時に決定された特別図柄の種別ごとに、上述の特別遊技中に実行されるラウンド遊技における開閉扉18bの開閉の態様(開閉パターン)及び振り分け部材59の作動の態様(作動パターン)が設定されている。
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、特定のラウンド遊技中に所定数(本形態では1個)の遊技球が特定領域57へ進入した場合、特別遊技の終了後の遊技状態が、遊技者にとって有利な遊技状態である高確率遊技状態及び後述する時短遊技状態JT2を組み合わせた遊技状態である高確率時短遊技状態に設定されるようになっている。これに対して、特定のラウンド遊技中に所定数の遊技球が特定領域57へ進入しなかった場合(すなわち、大入賞口18へ入球した遊技球が全て一般領域58へ進入した場合)、特別遊技の終了後の遊技状態が、低確率遊技状態及び時短遊技状態JT2を組み合わせた遊技状態である低確率時短遊技状態LJT2に設定されるようになっている。
開閉扉18bの開閉パターン、振り分け部材59の作動パターン、遊技状態の設定に関しては、後程詳述する。
なお、上述のように、特別遊技中のラウンド遊技において所定数の遊技球が特定領域57へ進入したか否かより特別遊技の終了後の遊技状態を高確率時短遊技状態又は低確率時短遊技状態LJT2に設定するのではなく、大当たりに当選した場合に決定される特別図柄の種別に応じて、特別遊技の終了後の遊技状態を高確率時短遊技状態や低確率時短遊技状態LJT2に設定するようにしてもよい。たとえば、大当たりに当選した場合において、特定の特別図柄が決定されたときには、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定されるものの、特定の特別図柄以外の特別図柄が決定された場合には、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2や通常遊技状態に設定されるようにしてもよい。このように、特別遊技の終了後の遊技状態が特別図柄の種別に応じて決定されるようにした場合には、上述の特定領域57を設ける必要はない。
【0030】
アウト口19は、
図3に示すように、遊技領域12の最下部に設けられており、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16及び大入賞口18のいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。そして、アウト口19に受け入れられた遊技球は、遊技盤11の背面側に導かれ回収される。
【0031】
演出表示装置21は、
図3に示すように、遊技領域12の略中央に設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、この演出表示装置21として液晶表示装置が用いられている。また、この演出表示装置21には、動画や静止画等の画像を表示するための表示部21aが設けられており、この表示部21aには、背景画像が表示されるほか、演出図柄50(ダミー図柄)が変動表示され、各演出図柄50の停止表示態様により、当否抽選の結果を遊技者に報知する変動演出が行われるようになっている。
なお、演出表示装置21は、液晶表示装置に限定されるものではなく、たとえば、外周に図柄が付された複数のドラムを用いて各種表示を行うドラム式の表示装置等を用いてもよい。
【0032】
本形態に係るパチンコ機Pは、演出装置として、演出表示装置21のほか、上述の音声出力装置10としてのスピーカや、種々の色や点灯パターンで発光することにより演出を行う演出照明装置23としてのランプ(
図1参照)を備えている。
なお、演出装置としては、これらに限定されるものではなく、たとえば、種々のタイミングや態様で可動する演出役物装置等を備えてもよい。
【0033】
また、上皿6の前方位置には、遊技者が操作することにより遊技中や待機中等に実行される演出の進行や切り替えが可能な演出操作装置9が設けられている。本形態における演出操作装置9は、円形リング状の枠体であって回転操作が可能な操作ダイヤル9aと、操作ダイヤル9aに嵌め込まれており押下操作が可能な操作ボタン9bとから構成されている。そして、演出表示装置21により所定の演出が実行されているときに、操作ダイヤル9aの回転操作や操作ボタン9bの押下操作を行うと、変動演出等の各種演出が進行したり、異なる表示に切り替わったりするようになっている。
なお、演出操作装置9としては、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等に限定されるものではなく、上下左右方向の入力が可能な十字キー等を設けてもよい。また、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等の演出操作装置9を設けるとともに、上述の十字キーを別途設けてもよい。
【0034】
また、
図3に示すように、遊技盤11の右下部であって、かつ、遊技領域12の外側には、遊技についての種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39、普通図柄表示装置32及び普通図柄保留表示装置33が設けられている。
【0035】
また、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pには、遊技球貸出装置Rが電気的に接続されているが、遊技球の貸し出しやカードの排出等の遊技球貸出装置Rに対する操作を、パチンコ機Pで受け付けられるようにしている。そのため、パチンコ機Pには、
図1に示すように、カードに記憶されている価値情報(残高情報)を表示する価値情報表示装置35と、押下操作が可能な球貸ボタン36と、押下操作が可能なカード返却ボタン37と、が設けられている。
【0036】
(パチンコ機Pの制御手段の構成)
次に、パチンコ機Pの遊技や演出を制御する制御手段について説明する。
上述の制御手段は各種制御基板により構成されており、具体的には、
図6に示すように、パチンコ機Pの遊技の基本動作を制御する主制御基板100、遊技球の発射及び賞球の払い出しを制御する発射払出制御基板200、各種演出を制御する副制御基板300、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400を備えている。
【0037】
また、
図6に示すように、主制御基板100には、発射払出制御基板200及び副制御基板300が接続され、また、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400が接続されている。さらに、主制御基板100及び発射払出制御基板200には、遊技進行上の種々の情報をパチンコ機Pの外部(たとえば、遊技場のホールコンピュータ等)に出力するための外部情報端子基板500が接続されている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、発射払出制御基板200が遊技球の発射及び賞球の払い出しの双方を制御しているが、遊技球の発射を制御する基板(発射制御基板)と、賞球の払い出しを制御する基板(払出制御基板)とを別個に設けてもよい。
【0038】
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pが備える各基板には電源基板が接続されている。この電源基板にはバックアップ電源が設けられており、パチンコ機Pに供給される電源の電圧値が所定値以下になった場合に電断と判断し、主制御基板100に電断信号を出力する。
【0039】
主制御基板100は、パチンコ機Pにおいて行われる遊技を制御するものであり、具体的には、遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ入球することを契機に開始される特図遊技(当否抽選、特別図柄の決定、特別図柄の変動表示(以下、特別図柄の変動ともいう))、遊技球がゲート20を通過することを契機に開始される普図遊技(普通図柄の抽選、普通図柄の変動表示(以下、普通図柄の変動ともいう)等)、遊技者にとって有利な特別遊技等を制御する。
この主制御基板100は、
図6に示すように、各種演算処理を行うメインCPU101と、遊技を進行するための制御プログラム、遊技に必要なデータやテーブル等を格納するメインROM102と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるメインRAM103と、を備えている。
そして、メインCPU101は、後述する各検出センサやタイマからの信号に基づき、メインROM102に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、メインCPU101に接続されている各種装置の制御や演算処理の結果に基づく他の基板へのコマンド送信等を行う。
【0040】
また、
図6に示すように、主制御基板100には、一般入賞口14へ遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出センサ14aと、第1始動入賞口15へ遊技球が入球したことを検出する第1始動入賞口検出センサ15aと、第2始動入賞口16へ遊技球が入球したことを検出する第2始動入賞口検出センサ16aと、大入賞口18へ遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出センサ18aと、ゲート20を遊技球が通過したことを検出するゲート検出センサ20aと、遊技盤11に向けられる磁気や電波等を検出する不正検出センサ35と、特定領域57へ遊技球が進入したことを検出する特定領域検出センサ57aと、が接続されている。そして、これらの各検出センサから出力される検出信号が、主制御基板100に入力されるようになっている。
なお、主制御基板100に接続されるセンサはこれらに限定されるものではなく、たとえば、一般領域58へ遊技球が進入したことを検出する一般領域検出センサ等を設けてもよい。
【0041】
さらに、主制御基板100には、制御の対象となる機器として、第2始動入賞口16に併設された可動片16bを突没駆動する可動片ソレノイド16cと、大入賞口18の開閉扉18bを開閉駆動する大入賞口ソレノイド18cと、振り分け部材59を変位させる振り分け部材ソレノイド59cと、第1特別図柄表示装置30と、第2特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置32と、第1特図保留表示装置38と、第2特図保留表示装置39と、普通図柄保留表示装置33と、が接続されている。
そして、主制御基板100によって、各ソレノイドが駆動されることで第2始動入賞口16に併設された可動片16bの突没制御、大入賞口18の開閉制御や振り分け部材59の変位制御が行われ、また、各表示装置の表示制御が行われるようになっている。
【0042】
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、出玉に関する設定として、設定値1の1段階のみ定められており、後述する当否抽選において用いられる当否乱数判定テーブル110は、この設定値1に対応したものが設けられている。
なお、出玉に関する設定としては、1段階のみならず、たとえば、設定値1から設定値6までの6段階のように複数段階を定めるようにしてもよい。出玉に関する設定として複数段階を定めた場合、この設定値の違いにより、当否抽選における大当たりの当選の確率が異なるように設定することができる。たとえば、設定値1よりも設定値6の方が大当たりの当選の確率が大きくなるように設定することができ、大当たりの当選の確率が高ければ賞球を獲得できる可能性も高くなるので、設定値を変更することにより、そのパチンコ機Pにおいて想定される賞球の払い出し量が変化する。当否抽選において用いられる当否乱数判定テーブル110は、設定値1~6のそれぞれに対応して設けられ、設定値が変更されたときには、設定値ごとに設けられた当否乱数判定テーブル110がまるごと変更されることとなる。
主制御基板100には、特に図示していないが、RAMクリアスイッチ及び設定スイッチが設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、前扉3が開放されており、かつRAMクリアスイッチ及び設定スイッチの両方をオンにした状態で電源を投入すると、設定値を変更可能な設定変更状態へ移行する。そして、この設定変更状態中において、RAMクリアスイッチを操作することにより設定値を変更できるようになっている。本形態に係るパチンコ機Pでは、上述したように、出玉に関する設定として設定値1の1段階のみ定められているため、設定変更状態中にRAMクリアスイッチを操作しても設定値1のままとなる。
【0043】
発射払出制御基板200は、特に図示していないが、主制御基板100と同様に、CPU、ROM及びRAMを備えており、主制御基板100と双方向に通信可能となるように接続されている。
【0044】
図6に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球の発射を制御するための機器として、操作ハンドル5に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ5aと、操作ハンドル5の操作角度(回転角度)を検出する操作ボリューム5bと、遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ5cと、上皿6に受容されている遊技球を発射装置(図示しておらず)に送る球送りソレノイド60と、遊技球を発射する発射モータ61と、が接続されている。また、タッチセンサ5a、操作ボリューム5b及び発射停止スイッチ5cから出力される制御信号が、発射払出制御基板200に入力されるようになっている。
【0045】
そして、タッチセンサ5a及び操作ボリューム5bからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61を通電して遊技球を発射させる制御が行われる。また、球送りソレノイド60及び発射モータ61が通電されている間は、0.6秒間隔(すなわち、1分間に100球の発射ペース)で遊技球が連続して発射されるようになっている。これに対して、発射停止スイッチ5cからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61の通電を止めて遊技球の発射を停止させる制御が行われる。
なお、遊技球を発射する装置としては、発射モータ61ではなく、ロータリーソレノイドを用いてもよい。
【0046】
また、発射払出制御基板200には、
図6に示すように、遊技球の払い出しを制御するための機器として、遊技球貯留部(特に図示しておらず)に貯留されている遊技球を賞球として払い出す払出モータ62と、払い出された遊技球を検出して計数する払出計数スイッチ63と、が接続されている。そして、主制御基板100から送信される払出数コマンドを発射払出制御基板200が受信すると、当該発射払出制御基板200は、この払出数コマンドに基づいて所定個数の遊技球(賞球)を払い出すように払出モータ62を制御する。このとき、払い出された遊技球の個数が払出計数スイッチ63によって計数され、所定個数の遊技球(賞球)が払い出されたか否かの判定が可能となっている。
【0047】
さらに、発射払出制御基板200には、
図6に示すように、前扉3の開放状態を検出する前扉開放検出センサ3aと、受皿7の満タン状態を検出する受皿満タン検出センサ7aと、が接続されている。
【0048】
前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出すると開放検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、前扉3の開放中は、開放検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、開放検出信号が入力されると、扉開放コマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出しなくなるとオフとなり扉開放検出信号の出力を停止する。そして、発射払出制御基板200は、扉開放検出信号の入力が止まると、前扉3が閉じられたと判断し、主制御基板100への扉開放コマンドの送信を停止する。
【0049】
受皿満タン検出センサ7aは、受皿7の所定位置に設けられている。受皿7に賞球として払い出される遊技球が所定量以上貯留されて満タン状態になると、貯留された遊技球が上述の所定位置に達することとなる。
受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出するとオンとなり受皿検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、貯留された遊技球が上述の所定位置に達している間は、受皿検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、受皿検出信号が入力されると、受皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出しなくなるとオフとなり受皿検出信号の出力を停止する。そして、発射払出制御基板200は、受皿検出信号の入力が止まると、受皿7の満タン状態が解除されたと判断し、主制御基板100への受皿満タンコマンドの送信を停止する。
【0050】
また、上述の如く、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400が接続されている。
図6に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400を介して、価値情報表示装置35と、球貸ボタン36の押下操作を検出する球貸スイッチ36aと、カード返却ボタン37の押下操作を検出するカード返却スイッチ37aと、が接続されている。
【0051】
球貸ボタン36が押下操作されると、球貸スイッチ36aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、遊技球の貸し出しを要求する貸出要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが貸出要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rにより、記憶されている価値情報から所定の価値情報を減算する処理が行われるとともに、減算された価値情報に対応する個数の遊技球を払い出す制御が行われる。
また、カード返却ボタン37が押下操作されると、カード返却スイッチ37aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、カードの返却を要求する返却要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが返却要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御が行われる。
【0052】
副制御基板300は、遊技中や待機中等に実行される演出を制御するものである。
この副制御基板300は、
図6に示すように、各種演算処理を行うサブCPU301と、演出を実行するための制御プログラム、演出の実行に必要なデータやテーブル等を格納するサブROM302と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるサブRAM303と、を備えており、主制御基板100から副制御基板300への一方向に通信可能となるように接続されている。
そして、サブCPU301は、主制御基板100から送信されるコマンドやタイマからの信号に基づき、サブROM302に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、画像表示を制御するための画像制御基板(特に図示しておらず)、音声出力を制御するための音声制御基板(特に図示しておらず)、照明の点灯を制御するための電飾制御基板(特に図示しておらず)に、演出実行用のコマンドを送信する。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、音声制御基板と電飾制御基板とを別個に設けているが、これらの基板の機能を集約した1枚の基板(音声電飾制御基板)を設け、当該基板により、音声出力及び照明の点灯のいずれをも制御するようにしてもよい。
【0053】
また、副制御基板300には、画像制御基板を介して演出表示装置21が接続され、音声制御基板を介して音声出力装置10としてのスピーカが接続されている。さらに、副制御基板300には、電飾制御基板を介して、演出照明装置23と、操作ダイヤル9aの回転操作を検出する回転操作検出センサ9cと、操作ボタン9bの押下操作を検出する押下操作検出センサ9dと、が接続されている。
【0054】
画像制御基板は、特に図示していないが、画像CPU、画像ROM、画像RAM等を備えている。この画像制御基板の画像ROMには、演出表示装置21に表示される演出図柄50、背景等の画像データが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、画像CPUが、画像ROMから読み出した画像データを画像RAMに記憶することによって、演出表示装置21による画像表示を制御する。
【0055】
音声制御基板は、特に図示していないが、サウンドチップ(CPU)、サウンドROM及びサウンドRAM等を備えている。サウンドROMには、音声出力装置10から出力される音声、BGM等のサウンドデータが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、サウンドROMから読み出したサウンドデータをサウンドRAMに記憶することによって、音声出力装置10からの音声出力を制御する。
【0056】
電飾制御基板は、副制御基板300からのコマンドに基づき、演出照明装置23による照明の点灯を制御する。また、電飾制御基板は、操作ダイヤル9aの回転操作に基づき回転操作検出センサ9cから出力される回転操作検出信号、又は、操作ボタン9bの押下操作に基づき押下操作検出センサ9dから出力される押下操作検出信号が入力されると、所定のコマンドを副制御基板300に送信する。
【0057】
(パチンコ機Pの遊技の概要)
次に、本形態のパチンコ機Pにおける遊技について、メインROM102に格納されている各種テーブルに基づいて説明する。
上述の如く、本形態のパチンコ機Pにおいては、特図遊技と普図遊技の遊技が並行して進行する。また、これら両遊技を進行する際の遊技状態としては、低確率遊技状態(いわゆる非確変状態)又は高確率遊技状態(いわゆる確変状態)のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態が設定されるようになっている。また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、時短遊技状態として、時短遊技状態JT1及び時短遊技状態JT2の2つが設けられており、いずれかの時短遊技状態を設定可能となっている。
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態である通常遊技状態、低確率遊技状態及び時短遊技状態JT1を組み合わせた遊技状態である低確率時短遊技状態LJT1、低確率遊技状態及び時短遊技状態JT2を組み合わせた遊技状態である低確率時短遊技状態LJT2、又は、高確率遊技状態及び時短遊技状態JT2を組み合わせた遊技状態である高確率時短遊技状態のいずれかの遊技状態が設定される。
【0058】
ここで、低確率遊技状態及び高確率遊技状態は、後述する当否抽選によって大当たりに当選する確率がそれぞれ異なるように設定された遊技状態であり、高確率遊技状態においては、当否抽選によって大当たりに当選する確率が低確率遊技状態よりも高い値に設定されている。すなわち、低確率遊技状態中よりも高確率遊技状態中のほうが、当否抽選によって大当たりに当選しやすくなっている。
【0059】
非時短遊技状態、時短遊技状態JT1及び時短遊技状態JT2は、第2始動入賞口16への遊技球の入球の頻度(入球の難易度、換言すれば、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく当否抽選の頻度)がそれぞれ所定の内容に設定されている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、時短遊技状態JT2は非時短遊技状態及び時短遊技状態JT1よりも、可動片16bが突出状態に維持されやすい(すなわち、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすい)ように設定されている。また、後述するように若干の差はあるものの、非時短遊技状態及び時短遊技状態JT1はいずれも、可動片16bがほぼ突出状態に維持されない(すなわち、第2始動入賞口16へ遊技球がほぼ入球しない)ように設定されている。
なお、工場出荷直後やリセット後の初期状態においては、通常遊技状態が設定されるようになっている。
【0060】
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に入球すると、当否抽選が行われ、当該当否抽選の結果に対応付けられた特別図柄が決定される。本形態における当否抽選では、まず、大当たりの当否の判定が行われ、大当たりに当選していない(以下、大当たりの非当選ともいう)との判定結果が導出された場合、次に、時短付与の当否(時短遊技状態を付与するか否か、換言すれば、時短遊技状態を設定するか否か)の判定が行われ、時短遊技状態を付与しないとの判定結果(以下、時短付与の非当選ともいう)が導出された場合にハズレとなる。
そして、この当否抽選によって大当たりの当選との判定結果が導出されると(すなわち、大当たりに当選すると)、大入賞口18が開放され当該大入賞口18へ遊技球を入球させることが可能となる特別遊技が実行され、さらに、当該特別遊技の終了後の遊技状態が、低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態のいずれかに設定されるようになっている。すなわち、当該特別遊技の終了後は、低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態のいずれかへ移行するようになっている。
【0061】
また、上述の当否抽選によって時短遊技状態を付与するとの判定結果(以下、時短付与の当選ともいう)が導出されると、後述するように、時短付与の当選に対応付けられた特別図柄(以下、時短図柄ともいう)として時短図柄J1又はJ2のいずれかが決定される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態において時短図柄J1が決定されると、低確率遊技状態は変わることなく時短遊技状態JT1が設定されるようになっている。すなわち、通常遊技状態において上述の当否抽選によって時短付与に当選し時短図柄J1が決定されると、低確率遊技状態はそのままに、非時短遊技状態が時短遊技状態JT1に変更され、これにより低確率時短遊技状態LJT1へ移行する。また、通常遊技状態において時短図柄J2が決定されると、低確率遊技状態は変わることなく時短遊技状態JT2が設定されるようになっている。すなわち、通常遊技状態において上述の当否抽選によって時短付与に当選し時短図柄J2が決定されると、低確率遊技状態はそのままに、非時短遊技状態が時短遊技状態JT2に変更され、これにより低確率時短遊技状態LJT2へ移行する。
これに対して、通常遊技状態において上述の当否抽選によってハズレとなる(大当たりに当選せず、かつ時短付与にも当選しない)と、遊技状態は通常遊技状態のままとなる。
このように、本形態に係るパチンコ機では、通常遊技状態においては、大当たりの当選及び特別遊技の実行を経由することなく、時短遊技状態(時短遊技状態JT1(低確率時短遊技状態LJT1)又は時短遊技状態JT2(低確率時短遊技状態LJT2))が設定され得るようになっている。すなわち、大当たりの当選及び特別遊技の実行を経由することなく遊技状態を変更可能となっている。
【0062】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態以外の遊技状態中(すなわち、低確率時短遊技状態LJT1中、低確率時短遊技状態LJT2中、高確率時短遊技状態中(時短遊技状態中))においても、上述の当否抽選によって時短付与の当否の判定が行われて時短付与に当選可能であり、時短付与に当選した場合には時短図柄J1又はJ2が決定され得るようになっている。
しかし、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態以外の遊技状態中に、時短付与に当選し時短図柄J1又はJ2が決定されても、当該決定に基づく新たな時短遊技状態は設定されず、当該決定時に設定されていた遊技状態が維持されるようになっている。すなわち、低確率時短遊技状態LJT1中、低確率時短遊技状態LJT2中又は高確率時短遊技状態中に時短付与に当選しても、当該当選に基づく時短遊技状態が改めて設定されることはなく、設定中の低確率時短遊技状態LJT1、低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態が継続する。
このように、本形態に係るパチンコ機では、通常遊技状態以外の遊技状態においては、通常遊技状態と異なり、大当たりの当選及び特別遊技の実行を経由することなく、新たな時短遊技状態が設定されることはないようになっている。
【0063】
なお、時短付与の当否の判定は、全ての遊技状態中の当否抽選において行うのではなく、通常遊技状態中の当否抽選においてのみ行うようにしてもよい。すなわち、通常遊技状態中の当否抽選によっては時短付与に当選可能であるものの、通常遊技状態以外の遊技状態中の当否抽選によっては時短付与に当選しないようにしてもよい。このようにした場合、通常遊技状態以外の遊技状態中には、時短付与に当選しないため、大当たりの当選及び特別遊技の実行を経由することなく、新たな時短遊技状態が設定されることはない。
【0064】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1遊技領域12aを流下する遊技球は、第1始動入賞口15への入球が可能となっている。また、第2遊技領域12bを流下する遊技球は、ゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球、大入賞口18への入球が可能となっている。
そして、通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球するように、遊技者に第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)を行わせ、低確率時短遊技状態LJT2中、高確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、大入賞口18へ遊技球が入球し、或いは遊技球がゲート20を通過及び第2始動入賞口16へ入球するように、遊技者に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)を行わせるようになっている。すなわち、通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中は、遊技者に主に第1遊技領域12aにおいて遊技を行わせ、低確率時短遊技状態LJT2中及び高確率時短遊技状態中は、遊技者に主に第2遊技領域12bにおいて遊技を行わせるようになっている。
具体的には、低確率時短遊技状態LJT2や高確率時短遊技状態が設定されると、又は特別遊技が開始されると、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出す旨を促す右打ち示唆(たとえば、演出表示装置21の表示部21aにおける「右打ち」という文字画像の表示、第2遊技領域12bへ向けて遊技を打ち出す旨を促す右打ちランプの点灯等)が行われる。また、通常遊技状態が設定されると、第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出す旨を促す左打ち示唆(たとえば、演出表示装置21の表示部21aにおける「左打ち」という文字画像の表示、上述の右打ちランプの消灯等)が行われる。なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態において時短図柄J1が決定されると低確率時短遊技状態LJT1が設定されるが、低確率時短遊技状態LJT1が設定された場合には上述の左打ち示唆は行われない。
【0065】
当否抽選は、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球することを契機に取得される種々の乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための各種テーブルに基づいて、行われる。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pは、当否抽選や特別図柄の決定に係る乱数として、当否抽選の結果(大当たりの当選、時短付与の当選又はハズレ)の判定に用いられる当否乱数、特別図柄の種別の決定に用いられる特別図柄乱数、及び、後述する変動パターンコマンドの決定に用いられる変動パターン乱数を有している。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、上述の当否乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当否乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、変動パターンコマンドは、当否抽選の結果を報知可能な変動演出のパターン(変動時間、態様)を決定するためのものである。変動パターンコマンドの決定に用いられる乱数は上述のものに限定されず、たとえば、この乱数に加えて他の乱数を用いてもよい。
【0066】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、上述の乱数についてそれぞれ乱数値が取得されるとともに、各乱数値がメインRAM103の保留記憶領域に記憶されるようになっている。
この保留記憶領域は、第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得される、当否抽選や特別図柄の決定に係る乱数の各乱数値(以下、第1特図乱数という)を記憶するための第1保留記憶領域、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得される、当否抽選や特別図柄の決定に係る乱数の各乱数値(以下、第2特図乱数という)を記憶するための第2保留記憶領域から構成されている。そして、これらの保留記憶領域は、それぞれ第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、第1特図乱数を計4組、第2特図乱数を計4組記憶可能となっている。
【0067】
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。たとえば、第1保留記憶領域のいずれの記憶部にも第1特図乱数が記憶されていない状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が第1保留記憶領域の第2記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部及び第2記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が第1保留記憶領域の第3記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部~第3記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数第1保留記憶領域の第4記憶部に記憶される。そして、第1保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、この入球に係る第1特図乱数は記憶されない。
【0068】
同様に、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、第2特図乱数が第2保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。具体的な記憶の処理については、上述の第1特図乱数の記憶と同様であるため、説明を省略する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1保留記憶領域に記憶されている第1特図乱数の組数(以下、第1保留数ともいう)は、第1保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶され、第2保留記憶領域に記憶されている第2特図乱数の組数(以下、第2保留数ともいう)は、第2保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、第1特図乱数や第2特図乱数が保留記憶領域に記憶されることを「保留」や「保留記憶」ともいい、また、第1保留数や第2保留数を単に「保留数」ともいう。
【0069】
そして、本形態に係るパチンコ機Pは、当否抽選の結果を判定するための当否乱数判定テーブル110、特別図柄の種別を決定するための特別図柄乱数判定テーブル111、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技を制御するための特別電動役物作動テーブル112、時短付与に当選した後(時短図柄J1又はJ2が決定された後)又は特別遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブル113、変動パターンコマンドを決定するための変動パターンテーブル114、及び、特別図柄の変動表示が終了した後に当該特別図柄を停止表示する停止表示時間を決定するための停止表示時間テーブル115を有している。
なお、当否抽選等に係るテーブルはこれらに限定されるものではなく、他に、乱数に基づく判定や決定を行う必要がある場合には、適宜、テーブルを設けてもよい。
【0070】
当否乱数判定テーブル110は、当否抽選の結果(大当たりの当選、時短付与の当選又はハズレ)を判定するためのものであって、大別して、低確率遊技状態(通常遊技状態、低確率時短遊技状態LJT1、低確率時短遊技状態LJT2)において参照される低確率判定テーブル110aと、高確率遊技状態(高確率時短遊技状態)において参照される高確率判定テーブル110bと、を備えている。なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述したように、出玉に関する設定として設定値1の1段階のみ定められており、低確率判定テーブル110a及び高確率判定テーブル110bは、設定値1に対応した1種類のみ設けられている。
【0071】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~65535の数値範囲内で1個の当否乱数が取得される。そして、当否抽選を行う時点の遊技状態に応じて、低確率判定テーブル110a又は高確率判定テーブル110bのいずれかの当否乱数判定テーブル110が選択され、取得された当否乱数と選択された当否乱数判定テーブル110とに基づいて当否抽選が行われる。
【0072】
図7(a)に示すように、低確率判定テーブル110aによれば、当否乱数が1000~1217であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が3000~6275であった場合に時短付与の当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、1218~2999、6276~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この低確率判定テーブル110aにおける大当たりの当選の確率はおよそ1/300、時短付与の当選の確率はおよそ1/20となる。
【0073】
図7(b)に示すように、高確率判定テーブル110bによれば、当否乱数が1000~2309であった場合に大当たりの当選と判定され、当否乱数が3000~6275であった場合に時短付与の当選と判定され、これ以外の当否乱数(0~999、2310~2999、6276~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この高確率判定テーブル110bにおける大当たりの当選の確率はおよそ1/50、時短付与の当選の確率はおよそ1/20となる。
すなわち、高確率判定テーブル110bは、低確率判定テーブル110aに比べて、大当たりの当選確率がおよそ6倍となるように設定されている。また、低確率判定テーブル110a及び高確率判定テーブル110bのいずれであっても、時短付与の当選の確率は同一となるように設定されている。
【0074】
また、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりの当選と判定される当否乱数の数値範囲は、高確率判定テーブル110bにおいて大当たりの当選と判定される当否乱数の数値範囲に含まれる(具体的には、大当たりの当選と判定される数値範囲における下限値が同一であり、かつ上限値が異なる)ように設定されている。すなわち、低確率判定テーブル110aで大当たりの当選と判定される当否乱数は、高確率判定テーブル110bでも大当たりの当選と判定されることとなる。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のように、大当たりの当選と判定される当否乱数の数値範囲における下限値が同一であり、かつ上限値が異なるように設定されていたが、これに限定されるものではなく、上限値が同一であり、かつ下限値が異なるように設定してもよい。
【0075】
また、低確率判定テーブル110aにおいて時短付与の当選と判定される当否乱数の数値範囲、及び、高確率判定テーブル110bにおいて時短付与の当選と判定される当否乱数の数値範囲は、大当たりの当選と判定される当否乱数の数値範囲外であって、数値範囲の上限値及び下限値が同一となるように設定されており、これにより、低確率判定テーブル110a及び高確率判定テーブル110bのいずれにおいても、時短付与の当選の確率が同一となるように設定されている。
【0076】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの当選と判定される数値範囲、及び、時短付与の当選と判定される数値範囲はいずれも、連続する数値の範囲により構成されるものとなっていたが、これに限定されるものではなく、間にハズレとなる数値を含む不連続な数値の範囲により構成してもよい。
【0077】
なお、出玉に関する設定として複数段階を定めた場合には、同一の設定値に対応する高確率判定テーブルと低確率判定テーブルとを比較したときに、高確率判定テーブルは低確率判定テーブルに比べて大当たりの当選の確率が高くなるように設定してもよい。
同様に、同一の設定値に対応する高確率判定テーブル及び低確率判定テーブルのいずれにおいても、時短付与の当選の確率が同一となるように設定してもよい。
【0078】
特別図柄乱数判定テーブル111は、特別図柄の種別を決定するためのものであって、
図8(a)及び(b)に示すように、第1特図乱数によって当否抽選が行われた場合に参照される第1始動入賞口判定テーブル111aと、第2特図乱数によって当否抽選が行われた場合に参照される第2始動入賞口判定テーブル111bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~199の数値範囲内で1個の特別図柄乱数が取得される。そして、上述の当否抽選が行われると、遊技球が入球した始動入賞口に応じて、第1始動入賞口判定テーブル111a又は第2始動入賞口判定テーブル111bのいずれかの特別図柄乱数判定テーブル111が選択され、取得された特別図柄乱数と選択された特別図柄乱数判定テーブル111とに基づいて、特別図柄の種別が決定される。
【0079】
本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの当選となった場合に決定される特別図柄(以下、大当たり図柄ともいう)として6種類の大当たり図柄(X1、X2、X3、X4、X5、X6)が設けられており、また、時短付与の当選となった場合に決定される特別図柄(時短図柄)として2種類の時短図柄(J1、J2)が設けられており、また、ハズレの場合に決定される特別図柄(以下、ハズレ図柄ともいう)として2種類のハズレ図柄(Z1、Z2)が設けられている。
【0080】
図8(a)に示すように、第1始動入賞口判定テーブル111aによれば、大当たりの当選となった場合において、特別図柄乱数が0~99であったときに大当たり図柄X1が決定され、特別図柄乱数が100~193であったときに大当たり図柄X2が決定され、特別図柄乱数が194~199であったときに大当たり図柄X3が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、大当たりの当選となった場合に、大当たり図柄X1が決定される確率は50%、大当たり図柄X2が決定される確率は47%、大当たり図柄X3が決定される確率は3%となっている。
また、時短付与の当選となった場合において、特別図柄乱数が0~169であったときに時短図柄J1が決定され、特別図柄乱数が170~199であったときに時短図柄J2が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、時短付与の当選となった場合に、時短図柄J1が決定される確率は85%、時短図柄J2が決定される確率は15%となっている。
【0081】
図8(b)に示すように、第2始動入賞口判定テーブル111bによれば、大当たりの当選となった場合において、特別図柄乱数が0~39であった場合に大当たり図柄X4が決定され、特別図柄乱数が40~139であった場合に大当たり図柄X5が決定され、特別図柄乱数が140~199であった場合に大当たり図柄X6が決定される。すなわち、この第2始動入賞口判定テーブル111bにおいては、大当たりの当選となった場合に、大当たり図柄X4が決定される確率は20%、大当たり図柄X5が決定される確率は50%、大当たり図柄X5が決定される確率は30%となっている。
また、時短付与の当選となった場合において、特別図柄乱数が0~169であったときに時短図柄J1が決定され、特別図柄乱数が170~199であったときに時短図柄J2が決定される。すなわち、この第2始動入賞口判定テーブル111bにおいては、第1始動入賞口判定テーブル111aと同様に、時短付与の当選となった場合に、時短図柄J1が決定される確率は85%、時短図柄J2が決定される確率は15%となっている。
【0082】
また、第1特図乱数に基づく当否抽選によりハズレとなった場合には、特別図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄Z1が決定される。また、第2特図乱数に基づく当否抽選によりハズレとなった場合には、特別図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄Z2が決定される。
すなわち、特別図柄乱数判定テーブル111は、大当たりに当選した場合と時短付与に当選した場合とに参照され、ハズレの場合には参照されないようになっている。
【0083】
特別電動役物作動テーブル112は、大当たりの当選となった場合に実行される特別遊技を制御するためのものであり、特別遊技の実行中に、大入賞口ソレノイド18cや振り分け部材ソレノイド59cを作動させるために参照されるものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、
図9(a)~(c)に示すように、特別電動役物作動テーブル112として、大当たりに当選し大当たり図柄X1又はX4が決定された場合に参照される第1作動テーブル112aと、大当たりに当選し大当たり図柄X2又はX5が決定された場合に参照される第2作動テーブル112bと、大当たりに当選し大当たり図柄X3又はX6が決定された場合に参照される第3作動テーブル112cと、が設けられている。
【0084】
具体的には、大当たりに当選し大当たり図柄X1又はX4が決定された場合には、
図9(a)に示す第1作動テーブル112aを参照して特別遊技が実行される。この第1作動テーブル112aによれば、大入賞口18が29.0秒開放するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が1ラウンド~3ラウンドの計3回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中、開閉扉18bが閉位置から開位置に変位して開位置に29.0秒位置した後、開位置から閉位置へ変位するという態様(開閉パターン)で作動することにより大入賞口18が1回のみ開放され、各ラウンド遊技間に大入賞口18が閉鎖する時間(すなわち、インターバル時間)は2.0秒に設定されている。
さらに、
図9(a)に示すように、大当たり図柄X1又はX4が決定された場合には、1ラウンド、3ラウンドの各ラウンド遊技中は、振り分け部材59が第1位置に停留する(位置する)という態様(作動パターン)で作動するようになっており、さらに、2ラウンドのラウンド遊技中も、振り分け部材59が第1位置に停留するという態様で作動するようになっている。
【0085】
また、大当たりに当選し大当たり図柄X2又はX5が決定された場合には、
図9(b)に示す第2作動テーブル112bを参照して特別遊技が実行される。この第2作動テーブル112bによれば、上述の第1作動テーブル112aと同一の条件で終了するラウンド遊技が1ラウンド~3ラウンドの計3回実行される。開閉扉18bの開閉パターン、インターバル時間も、第1作動テーブル112aと同一の内容に設定されている。
また、
図9(b)に示すように、大当たり図柄X2又はX5が決定された場合には、1ラウンド、3ラウンドの各ラウンド遊技中は、大当たり図柄X1又はX4が決定された場合と同様に、振り分け部材59が第1位置に停留するという態様で作動するようになっている。これに対して、2ラウンドのラウンド遊技中は、振り分け部材59が第2位置に停留するという態様で作動するようになっている。
【0086】
また、大当たりに当選し大当たり図柄X3又はX6が決定された場合には、
図9(c)に示す第3作動テーブル112cを参照して特別遊技が実行される。この第3作動テーブル112cによれば、上述の第1作動テーブル112a及び第2作動テーブル112bと同一の条件で終了するラウンド遊技が1ラウンド~10ラウンドの計10回実行される。開閉扉18bの開閉パターン、インターバル時間は、第1作動テーブル112a及び第2作動テーブル112bと同一の内容に設定されている。
また、
図9(c)に示すように、大当たり図柄X3又はX6が決定された場合には、1ラウンド、3ラウンド、4ラウンド~10ラウンドの各ラウンド遊技中は、大当たり図柄X1、X2、X4又はX5が決定された場合と同様に、振り分け部材59が第1位置に停留するという態様で作動するようになっており、さらに、2ラウンドのラウンド遊技中は、大当たり図柄X2又はX5が決定された場合と同様に、振り分け部材59が第2位置に停留するという態様で作動するようになっている。
【0087】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たり図柄X2、X3、X5又はX6が決定された場合には、2ラウンドのラウンド遊技(特定のラウンド遊技)において、大入賞口18が29.0秒連続して開放され、かつ振り分け部材59が第2位置に停留するため、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出している限りにおいては、大入賞口18へ遊技球が入球し確実に所定数(本形態では1個)の遊技球を特定領域57へ進入させることができるようになっている。
これに対して、大当たり図柄X1又はX4が決定された場合には、2ラウンドのラウンド遊技において、大入賞口18は29.0秒連続して開放されるものの振り分け部材59が第1位置に停留するため、大入賞口18へ遊技球が入球しても当該遊技球は全て一般領域58へ進入してしまい、遊技球を特定領域57へ進入させることは不可能となっている。
【0088】
遊技状態設定テーブル113は、特別遊技が実行された場合における当該特別遊技の終了後の遊技状態、及び、通常遊技状態において時短付与の当選となり時短図柄J1又はJ2が決定された後の遊技状態を設定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技が実行された場合には、当該特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入したか否かに応じて、特別遊技の終了後の遊技状態が設定されるようになっている。また、通常遊技状態において時短付与の当選となり時短図柄J1又はJ2が決定された場合には、決定された時短図柄に応じた遊技状態が設定されるようになっている。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、後述するように、決定された大当たり図柄の種別に対応して特定領域57への遊技球の進入の可否が設定されており、実質的に、決定された大当たり図柄によって、当該決定に基づく特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態へ移行するか否かが定まっている。
【0089】
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図10(a)~(d)に示すように、遊技状態設定テーブル113として、特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入した場合に参照される第1遊技状態設定テーブル113aと、特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しなかった場合に参照される第2遊技状態設定テーブル113bと、通常遊技状態において時短付与の当選となり時短図柄J1が決定された場合に参照される第3遊技状態設定テーブル113cと、通常遊技状態において時短付与の当選となり時短図柄J2が決定された場合に参照される第4遊技状態設定テーブル113dと、が設けられている。
【0090】
具体的には、
図10(a)に示すように、特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しなかった場合には、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率遊技状態に設定され、かつ時短遊技状態JT2に設定される。すなわち、特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT2が設定される。また、時短遊技状態の継続回数(以下、時短回数ともいう)は100回に設定される。
この場合には、特別遊技の終了後、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が100回導出されるまで(特別図柄の変動回数が100回に到達するまで)、低確率時短遊技状態LJT2が継続する。そして、低確率時短遊技状態LJT2中に当否抽選の結果が100回全て大当たりの当選以外(すなわち、時短付与の当選又はハズレ)となると、低確率遊技状態はそのままに、時短遊技状態JT2が非時短遊技状態に変更されることにより、遊技状態は通常遊技状態に変更される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態における大当たりの当選の確率がおよそ1/300となっているため(
図7(a)参照)、低確率時短遊技状態LJT2中には必ずしも大当たりに当選するとは限らない。
【0091】
図10(b)に示すように、特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入した場合には、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定され、かつ時短遊技状態JT2に設定される。すなわち、特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態が設定される。また、高確率遊技状態の継続回数(以下、高確回数ともいう)及び時短回数はいずれも10000回に設定される。
この場合には、特別遊技の終了後、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が10000回導出されるまで(特別図柄の変動回数が10000回に到達するまで)、高確率時短遊技状態が継続する。そして、高確率時短遊技状態中に当否抽選の結果が10000回全て大当たりの当選以外となると、高確率遊技状態が低確率遊技状態に変更され、かつ時短遊技状態JT2が非時短遊技状態に変更されることにより、遊技状態は通常遊技状態に変更される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、高確率遊技状態における大当たりの当選の確率がおよそ1/50となっており(
図7(b)参照)、実質的には、大当たりに再度当選するまで、上述の高確率時短遊技状態が継続することとなる。
【0092】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述したように、大当たりに当選し大当たり図柄X2、X3、X5又はX6が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技の2ラウンド中に振り分け部材59が第2位置に停留するため、大入賞口18へ遊技球を入球させるべく第2遊技領域12bへ遊技球を打ち出している限りにおいては必ず、特定領域57へ所定数の遊技球が進入する。すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たり図柄X2、X3、X5又はX6が決定された場合には、第2遊技領域12bへ遊技球を打ち出している限り、原則として高確率時短遊技状態が設定される。
ただし、大当たり図柄X2、X3、X5又はX6が決定された場合であっても、たとえば大入賞口18が開放しないといった異常発生等により、当該決定に基づく特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しなかったときには、当該特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2に設定される。
【0093】
また、上述したように、大当たりに当選し大当たり図柄X1又はX4が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技のいずれのラウンド遊技中も振り分け部材59が第1位置に停留するため、大入賞口18へ遊技球を入球させても特定領域57へ所定数の遊技球が進入することはない。すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たり図柄X1又はX4が決定された場合には、原則として低確率時短遊技状態LJT2が設定される。
ただし、大当たり図柄X1又はX4が決定された場合であっても、たとえば振り分け部材59が第2位置に停留するといった異常発生等により、当該決定に基づく特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入したときには、当該特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定される。
【0094】
図10(c)に示すように、通常遊技状態において時短付与の当選となり時短図柄J1が決定された場合には、特別図柄としての当該時短図柄J1の変動表示が終了し当該特別図柄を停止表示させる後述の停止表示時間が経過した時点で、低確率遊技状態はそのままに、非時短遊技状態が時短遊技状態JT1に変更される。すなわち、当該時短図柄J1の変動表示が終了し停止表示時間が経過すると、低確率時短遊技状態LJT1が設定される。また、時短回数は10000回に設定される。
この場合には、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が10000回導出されるまで(特別図柄の変動回数が10000回に到達するまで)、低確率時短遊技状態LJT1が継続する。そして、低確率時短遊技状態LJT1中に当否抽選の結果が10000回全て大当たりの当選以外となると、低確率遊技状態はそのままに、時短遊技状態JT1が非時短遊技状態に変更されることにより、遊技状態は通常遊技状態に変更される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述したように、低確率遊技状態における大当たりの当選の確率がおよそ1/300となっており(
図7(a)参照)、実質的には、大当たりに再度当選するまで、上述の低確率時短遊技状態LJT1が継続することとなる。
【0095】
図10(d)に示すように、通常遊技状態において時短付与の当選となり時短図柄J2が決定された場合には、特別図柄としての当該時短図柄J2の変動表示が終了し上述の停止表示時間が経過した時点で、低確率遊技状態はそのままに、非時短遊技状態が時短遊技状態JT2に変更される。すなわち、当該時短図柄J2の変動表示が終了し停止表示時間が経過すると、低確率時短遊技状態LJT2が設定される。また、時短回数は10000回に設定される。
この場合には、大当たりに当選することなく当否抽選の結果が10000回導出されるまで(特別図柄の変動回数が10000回に到達するまで)、低確率時短遊技状態LJT2が継続する。そして、低確率時短遊技状態LJT2中に当否抽選の結果が10000回全て大当たりの当選以外となると、低確率遊技状態はそのままに、時短遊技状態JT2が非時短遊技状態に変更されることにより、遊技状態は通常遊技状態に変更される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述したように、低確率遊技状態における大当たりの当選の確率がおよそ1/300となっており(
図7(a)参照)、実質的には、大当たりに再度当選するまで、上述の低確率時短遊技状態LJT2が継続することとなる。
【0096】
なおここで、上述したように、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態以外の遊技状態(低確率時短遊技状態LJT1、低確率時短遊技状態LJT2、高確率時短遊技状態)においても時短付与の当選となり時短図柄J1又はJ2が決定される場合があるが、この場合には、設定中の遊技状態がそのまま継続する。
【0097】
また、通常遊技状態において時短付与に当選した場合に遊技状態を低確率時短遊技状態LJT1又はLJT2に設定するタイミングは、上述の停止表示時間が経過した時点に限定されるものではなく、上述の時短図柄の変動表示が開始されてから終了するまでのいずれかの時点(たとえば、開始時点、変動表示中のいずれかの時点、終了時点等)としてもよい。
【0098】
変動パターンテーブル114は、上述の如く、変動パターンコマンドを決定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のように特別図柄が決定されると、当該決定の結果に基づいて変動パターンコマンドが決定される。変動パターンコマンドは、上述の如く、変動演出の変動パターンを決定するためのものであり、変動パターンコマンドにより、変動演出の態様及び変動時間(特別図柄の変動表示の変動時間)が決定される。なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出が前半部分と後半部分に分けられており、変動演出の前半部分の態様及び変動時間、並びに、変動演出の後半部分の態様及び変動時間はいずれも、変動パターンコマンドにより決定されるようになっている。
具体的には、決定された変動パターンコマンドは、主制御基板100から副制御基板300に送信され、副制御基板300は、受信した変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の具体的な態様(たとえば、表示部21aに表示する画像等)を決定する。
【0099】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動パターンコマンドは複数種類設けられており、各変動パターンコマンドは変動パターンテーブル114に対応付けられている。そして、変動パターンテーブル114ごとに、決定される変動パターンコマンドの種類及び決定割合が設定されている。
【0100】
本形態に係るパチンコ機Pは、変動パターンテーブル114として、通常遊技状態中に参照されるテーブルMP1、低確率時短遊技状態LJT1中に参照されるテーブルMP2、低確率時短遊技状態LJT2中に参照されるテーブルMP3、及び、高確率時短遊技状態中に参照されるテーブルMP4を備えている(
図11、
図12参照)。
【0101】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に遊技球が入球すると、0~249の数値範囲内で1個の変動パターン乱数が取得され、この取得された変動パターン乱数と、上述のように決定された特別図柄と、現時点の保留数(第1保留数又は第2保留数)と、現時点の遊技状態に応じた変動パターンテーブル114とに基づいて、変動パターンコマンドが決定される。
【0102】
ここで、通常遊技状態中や低確率時短遊技状態LJT1中においては、遊技者に第1遊技領域12aで遊技を行わせるため、原則として第1始動入賞口15へ遊技球が入球し第2始動入賞口16への遊技球の入球はイレギュラーなものとなるが、第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16のいずれへ遊技球が入球した場合であっても、現時点の遊技状態に応じた同一の変動パターンテーブル114を用いて、変動パターンコマンドが決定される。
同様に、低確率時短遊技状態中LJT2中や高確率時短遊技状態中においては、遊技者に第2遊技領域12bで遊技を行わせるため、原則として第2始動入賞口16へ遊技球が入球し第1始動入賞口15への遊技球の入球はイレギュラーなものとなるが、第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16のいずれへ遊技球が入球した場合であっても、点辞典の遊技状態に応じた同一の変動パターンテーブル114を用いて、変動パターンコマンドが決定される。
また、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて変動パターンコマンドを決定する場合には、当該時点の第1保留数が参照され、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて変動パターンコマンドを決定する場合には、当該時点の第2保留数が参照される。
【0103】
なお、変動パターンテーブル114としては、現時点の遊技状態、及び遊技球が入球した始動入賞口の種別(第1始動入賞口15(第1特図乱数)、第2始動入賞口16(第2特図乱数))ごとに別個のテーブルを設けてもよい。すなわち、現時点の遊技状態、及び遊技球が入球した始動入賞口に応じた変動パターンテーブル114を参照して、変動パターンコマンドを決定するようにしてもよい。
【0104】
図11(a)に示すように、通常遊技状態中に参照されるテーブルMP1によれば、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定され(すなわち、当否抽選の結果がハズレであり)、かつ現時点の保留数(第1保留数、第2保留数)が0又は1の場合において、変動パターン乱数が0~219であったときに「13秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が13秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「00H」が決定され、変動パターン乱数が220~239であったときに「20秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が13秒、後半部分の変動時間が7秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「02H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「60秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が13秒、後半部分の変動時間が47秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「03H」が決定される。
【0105】
また、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定され、かつ現時点の保留数が2以上の場合において、変動パターン乱数が0~219であったときに「3秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が3秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「01H」が決定され、変動パターン乱数が220~239であったときに「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「02H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「03H」が決定される。
【0106】
また、大当たり図柄X1、X2、X3、X4、X5又はX6が決定されると(すなわち、当否抽選の結果が大当たりの当選であると)、現時点の保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~24であったときに「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「0AH」が決定され、変動パターン乱数が25~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「0BH」が決定される。
【0107】
また、時短図柄J1が決定されると、現時点の保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~249であったときに(すなわち、変動パターン乱数がいかなる値であっても)「13秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「0EH」が決定される。
また、時短図柄J2が決定されると、現時点の保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~249であったときに「13秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「0FH」が決定される。
【0108】
図11(b)に示すように、低確率時短遊技状態LJT1中に参照されるテーブルMP2によれば、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定され、かつ現時点の保留数が0又は1の場合において、変動パターン乱数が0~219であったときに「13秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「10H」が決定され、変動パターン乱数が220~239であったときに「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「12H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「13H」が決定される。
【0109】
また、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定され、かつ現時点の保留数が2以上の場合において、変動パターン乱数が0~219であったときに「3秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「11H」が決定され、変動パターン乱数が220~239であったときに「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「12H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「13H」が決定される。
【0110】
また、大当たり図柄X1、X2、X3、X4、X5又はX6が決定されると、現時点の保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~24であったときに「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「1AH」が決定され、変動パターン乱数が25~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「1BH」が決定される。
【0111】
また、時短図柄J1又はJ2が決定されると、現時点の保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~249であったときに「13秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「1CH」が決定される。
【0112】
図12(a)に示すように、低確率時短遊技状態LJT2中に参照されるテーブルMP3によれば、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定され、かつ現時点の保留数が0又は1の場合において、変動パターン乱数が0~219であったときに「13秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「20H」が決定され、変動パターン乱数が220~239であったときに「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「22H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「45秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が13秒、後半部分の変動時間が32秒)が対応付けられた変動パターンコマンド「23H」が決定される。
【0113】
また、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定され、かつ現時点の保留数が2以上の場合において、変動パターン乱数が0~219であったときに「2秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が2秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「21H」が決定され、変動パターン乱数が220~239であったときに「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「22H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「23H」が決定される。
【0114】
また、大当たり図柄X1、X2、X3、X4、X5又はX6が決定されると、現時点の保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~24であったときに「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「2AH」が決定され、変動パターン乱数が25~249であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「2BH」が決定される。
【0115】
また、時短図柄J1又はJ2が決定され、かつ現時点の保留数が0又は1の場合において、変動パターン乱数が0~219であったときに「13秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「2CH」が決定され、変動パターン乱数が220~239であったときに「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「2EH」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「2FH」が決定される。
また、時短図柄J1又はJ2が決定され、かつ現時点の保留数が2以上の場合において、変動パターン乱数が0~219であったときに「2秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「2DH」が決定され、変動パターン乱数が220~239であったときに「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「2EH」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「2FH」が決定される。
【0116】
図12(b)に示すように、高確率時短遊技状態中に参照されるテーブルMP4によれば、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定され、かつ現時点の保留数が0又は1の場合において、変動パターン乱数が0~219であったときに「13秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「30H」が決定され、変動パターン乱数が220~239であったときに「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「32H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「33H」が決定される。
【0117】
また、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定され、かつ現時点の保留数が2以上の場合において、変動パターン乱数が0~219であったときに「1秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が1秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「31H」が決定され、変動パターン乱数が220~239であったときに「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「32H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「33H」が決定される。
【0118】
また、大当たり図柄X1、X2、X3、X4、X5又はX6が決定されると、現時点の保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~24であったときに「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「3AH」が決定され、変動パターン乱数が25~249であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「3BH」が決定される。
【0119】
また、時短図柄J1又はJ2が決定され、かつ現時点の保留数が0又は1の場合において、変動パターン乱数が0~219であったときに「13秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「3CH」が決定され、変動パターン乱数が220~239であったときに「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「3EH」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「3FH」が決定される。
また、時短図柄J1又はJ2が決定され、かつ現時点の保留数が2以上の場合において、変動パターン乱数が0~219であったときに「1秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「3DH」が決定され、変動パターン乱数が220~239であったときに「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「3EH」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「3FH」が決定される。
【0120】
以上のように決定された変動パターンコマンドは副制御基板300に送信され、変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の前半部分の具体的な態様及び変動演出の後半部分の具体的な態様が決定される。そして、このように決定された具体的な態様により変動演出が実行されるが、変動パターンコマンドに設定されている前半部分の変動時間及び後半部分の変動時間の合計が、変動演出(特別図柄の変動表示)の開始から終了までの時間となる。
たとえば、決定された変動パターンコマンドが「02H」(前半部分の変動時間は13秒、後半部分の変動時間は7秒)であった場合には、前半部分の変動時間及び後半部分の変動時間の合計値20秒(=13秒+7秒)が、変動演出全体(特別図柄の変動表示全体)の変動時間となる。
なお、「00H」、「01H」、「0EH」、「0FH」、「10H」、「11H」、「1CH」、「20H」、「21H」、「2CH」、「2DH」、「30H」、「31H」、「3CH」、「3DH」の変動パターンコマンドには、前半部分の変動時間として「0秒」が定められている。これらの変動パターンコマンドが決定された場合には、対応する後半部分の変動時間の間、当該変動パターンコマンドに応じて定められた態様により、変動演出全体が実行されるようになっている。
【0121】
また、上述の変動時間に基づいて、演出表示装置21では変動演出が行われるとともに、特別図柄表示装置(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31)では特別図柄の変動表示が行われる。
具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15の場合には、上述の変動時間の間、第1特別図柄表示装置30が点滅表示され、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16の場合には、上述の変動時間の間、第2特別図柄表示装置31が点滅表示される。そして、変動時間の経過後、後述する停止表示時間が経過するまで、決定された特別図柄が停止表示される。
【0122】
なお、変動演出の態様については、変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の前半部分の態様及び変動演出の後半部分の態様のいずれをも決定するのではなく、変動パターンコマンド以外に他のコマンドを決定するとともに、いずれかのコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、他のコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出は、前半部分と後半部分とに分けるのではなく、より多くの部分に分けて、対応するコマンドに基づいてそれぞれの部分の態様を決定するようにしてもよい。
【0123】
停止表示時間テーブル115は、上述の如く、特別図柄の変動表示が終了した後に当該特別図柄を停止表示する停止表示時間を決定するためのものである。
この停止表示時間テーブル115には、現時点の遊技状態(当否抽選の実行時の遊技状態)、及び、上述のように決定された特別図柄の種類に応じて停止表示時間が定められている。メインCPU101は、この停止表示時間テーブル115を参照して、現時点の遊技状態及び決定された特別図柄に応じた停止表示時間を決定する。そして、特別図柄の変動表示が終了(停止)すると、決定された停止表示時間が経過するまで当該特別図柄が停止表示されることとなる。
図13に示すように、停止表示時間テーブル115によれば、現時点の遊技状態が通常遊技状態であった場合において、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定されたときには0.5秒の停止表示時間が決定され、大当たり図柄X1、X2、X3、X4、X5又はX6が決定されたときには0.5秒の停止表示時間が決定され、時短図柄J1又はJ2が決定されたときには20秒の停止表示時間が決定される。
また、現時点の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT1、低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態であった場合において、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定されたとき、大当たり図柄X1、X2、X3、X4、X5又はX6が決定されたとき、及び、時短図柄J1又はJ2が決定されたときはいずれも、0.5秒の停止表示時間が決定される。
【0124】
次に、普図遊技に関する処理について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球がゲート20を通過すると、可動片16bを作動させて当該可動片16bを突出させるか否かを決定する普通図柄の抽選が行われる。そして、この普通図柄の抽選によって当たりとなると、所定の作動時間の間、可動片16bが突出状態となるため、可動片16bの上面右端に流下した遊技球が第2始動入賞口16へ案内され、第2始動入賞口16への遊技球の入球が可能となる。
この普通図柄の抽選は、遊技球がゲート20を通過することを契機に取得される当たり決定乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための当たり決定乱数判定テーブル116に基づいて、行われる。
【0125】
そして、遊技球がゲート20を通過すると、上述の当たり決定乱数が取得されるとともに、当該乱数値がメインRAM103の普図保留記憶領域に4個を上限として記憶されるようになっている。具体的には、この普図保留記憶領域は、第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、ゲート20の通過順に、第1記憶部から記憶されるようになっている。また、既にいくつかの記憶部に当たり決定乱数が記憶されている場合には、空きの記憶部のうち最も番号の小さい記憶部に当たり決定乱数が記憶されるようになっている。そして、普図保留記憶領域に既に4個の当たり決定乱数が記憶されている場合に、遊技球がゲート20を通過しても、この通過に係る当たり決定乱数は普図保留記憶領域に記憶されない。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、当たり決定乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、普図保留記憶領域に記憶されている当たり決定乱数の数(以下、普図保留数ともいう)は、普図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
【0126】
当たり決定乱数判定テーブル116は、普通図柄の抽選により当たりか否かの判定を行うためのものであって、
図14(a)~(c)に示すように、非時短遊技状態中(すなわち、通常遊技状態中)に参照される第1判定テーブル116aと、時短遊技状態JT1中(すなわち、低確率時短遊技状態LJT1中)に参照される第2判定テーブル116bと、時短遊技状態JT2中(すなわち、低確率時短遊技状態LJT2中又は高確率時短遊技状態中)に参照される第3判定テーブル116cと、を備えている。なお、特に図示していないが、第1判定テーブル116aは、特別遊技中にも参照されるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技球がゲート20を通過すると、0~65535の数値範囲内で1個の当たり決定乱数が取得される。そして、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が非時短遊技状態であれば、第1判定テーブル116aが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された第1判定テーブル116aとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が時短遊技状態JT1であれば、第2判定テーブル116bが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された第2判定テーブル116bとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が時短遊技状態JT2であれば、第3判定テーブル116cが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された第3判定テーブル116cとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。
【0127】
図14(a)に示すように、第1判定テーブル116aによれば、当たり決定乱数が1~65500であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、65501~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第1判定テーブル116aにおいて当たりとなる確率はおよそ99/100となる。
図14(b)に示すように、第2判定テーブル116bによれば、第1判定テーブル116aと同様に、当たり決定乱数が1~65500であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、65501~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第2判定テーブル116bにおいて当たりとなる確率も、第1判定テーブル116aと同様に、およそ99/100となる。
図14(c)に示すように、第3判定テーブル116cによれば、第1判定テーブル116a及び第2判定テーブル116bと同様に、当たり決定乱数が1~65500であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、65501~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第3判定テーブル116cにおいて当たりとなる確率も、第1判定テーブル116a及び第2判定テーブル116bと同様に、およそ99/100となる。
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、いずれの遊技状態であっても、普通図柄の抽選により当たりとなる確率は同一となるように設定されている。
なお、普通図柄の抽選によって当たりとなった場合には当たり図柄が決定され、ハズレとなった場合にはハズレ図柄が決定される。
【0128】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、普通図柄の変動パターンの決定や、可動片16bの作動の制御を行うためのテーブルとして、普通図柄変動パターン決定テーブル117、及び、可動片作動制御テーブル118を備えている。
【0129】
普通図柄変動パターン決定テーブル117は、普通図柄の変動パターンを決定するためのものである。上述のように、ゲート20を遊技球が通過することにより普通図柄の抽選が行われると、この普通図柄変動パターン決定テーブル117に基づいて普通図柄の変動パターンが決定される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図15に示すように、遊技状態が非時短遊技状態の場合には、10秒の変動時間が設定された普通図柄の変動パターンが決定され、遊技状態が時短遊技状態JT1の場合には、非時短遊技状態よりもやや短い9.5秒の変動時間が設定された普通図柄の変動パターンが決定され、遊技状態が時短遊技状態JT2の場合には、非時短遊技状態及び時短遊技状態JT1よりも極めて短い1秒の変動時間が設定された普通図柄の変動パターンが決定される。なお、特に図示していないが、特別遊技中は、非時短遊技状態と同様に、10秒の変動時間が設定された普通図柄の変動パターンが決定される。
そして、普通図柄の変動パターンが決定されると、この普通図柄の変動パターンに設定された変動時間の間、普通図柄表示装置32(
図3参照)が点滅表示される。そして、普通図柄の抽選により当たりとなって当たり図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が点灯し、ハズレとなってハズレ図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が消灯する。
なお、本明細書においては、普通図柄表示装置32の点滅表示を「普通図柄の変動」、普通図柄表示装置32の点灯又は消灯を「普通図柄の停止表示」、「普通図柄の変動の停止」、「普通図柄の変動停止」等という。
【0130】
また、可動片作動制御テーブル118は、第2始動入賞口16に併設された可動片16bの作動を制御するために参照されるものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、普通図柄表示装置32が点灯すると、可動片16bが、可動片作動制御テーブル118に定められた態様で作動するようになっている。具体的には、遊技状態が非時短遊技状態の場合には、
図16に示すように、可動片ソレノイド16cが0.05秒(=0.05秒×1回)通電されるため、当該可動片16bが0.05秒間、突出状態となる。また、遊技状態が時短遊技状態JT1の場合には、
図16に示すように、可動片ソレノイド16cが0.08秒(=0.08秒×1回)通電されるため、当該可動片16bが、非時短遊技状態よりもやや長い0.08秒間、突出状態となる。また、遊技状態が時短遊技状態JT2の場合には、
図16に示すように、可動片ソレノイド16cが3秒(=3秒×1回)通電されるため、当該可動片16bが、非時短遊技状態及び時短遊技状態JT1よりも長い3秒間、突出状態となる。なお、特に図示していないが、特別遊技中は、非時短遊技状態と同様に、可動片16bが0.05秒間、突出状態となる。
【0131】
以上のように、非時短遊技状態中(通常遊技状態中)は、遊技球がゲート20を通過した場合に実行される普通図柄の抽選において極めて高い確率で当たりとなり、可動片16bが突出状態となる機会は多い。しかし、普通図柄の変動時間が10秒、可動片16bの作動時間が0.05秒であることから、可動片16bが没入状態から突出状態となるまでの時間は長く(突出状態から次に突出状態となるまでの間隔は長く)、かつ可動片16bが突出状態に維持される時間は極めて短い。さらに、この突出状態に維持される時間は、上述の開口到達時間(可動片16bの上面右端にある遊技球が第2始動入賞口16の開口に到達するまでの時間)であるおよそ0.3秒よりも短い。したがって、非時短遊技状態中は、ほぼ可動片16bが没入状態となり、突出状態となったとしても当該可動片16bの上面右端にある遊技球が第2始動入賞口16の開口に到達する前に没入状態となるため、原則として第2遊技領域12bへ進入した遊技球が第2始動入賞口16へ入球することは不可能となっている。
【0132】
また、時短遊技状態JT1中(低確率時短遊技状態LJT1中)は、普通図柄の抽選において当たりとなる確率が非時短遊技状態中と同一であるため、非時短遊技状態中と同様に、可動片16bが突出状態となる機会は多い。しかし、普通図柄の変動時間が9.5秒、可動片16bの作動時間が0.08秒であることから、非時短遊技状態中と同様に、可動片16bが没入状態から突出状態となるまでの時間は長く、かつ可動片16bが突出状態に維持される時間は極めて短い。さらに、この突出状態に維持される時間は、上述の開口到達時間(およそ0.3秒)よりも短い。したがって、非時短遊技状態中とは普通図柄の変動時間及び可動片16bの作動時間の点で多少の差はあるものの、時短遊技状態JT1中も、ほぼ可動片16bが没入状態となり、突出状態となったとしても当該可動片16bの上面右端にある遊技球が第2始動入賞口16の開口に到達する前に没入状態となるため、原則として第2遊技領域12bへ進入した遊技球が第2始動入賞口16へ入球することは不可能となっている。
【0133】
これに対して、時短遊技状態JT2中(低確率時短遊技状態LJT2中、高確率時短遊技状態中)は、普通図柄の抽選において当たりとなる確率が非時短遊技状態中及び時短遊技状態JT1中と同一であるため、非時短遊技状態中及び時短遊技状態JT1中と同様に、可動片16bが突出状態となる機会は多い。そして、普通図柄の変動時間は非時短遊技状態中及び時短遊技状態JT1中よりも短い1秒、可動片16bの作動時間は非時短遊技状態中及び時短遊技状態JT1中よりも長い3秒であることから、非時短遊技状態中及び時短遊技状態JT1よりも、可動片16bが没入状態から突出状態となるまでの時間は短く、かつ可動片16bが突出状態に維持される時間は長い。さらに、この突出状態に維持される時間は、上述の開口到達時間(およそ0.3秒)よりも長い。したがって、時短遊技状態JT2中は、可動片16bが突出状態となる期間が長くなり、当該可動片16bの上面右端にある遊技球を第2始動入賞口16の開口まで案内可能となるため、第2遊技領域12bへ進入した遊技球は高い頻度で第2始動入賞口16へ入球可能となる。
【0134】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、非時短遊技状態、時短遊技状態JT1及び時短遊技状態JT2のいずれにおいても、総じて普通図柄の抽選により当たりとなる確率は極めて高く設定されているものの、普通図柄の変動時間及び可動片16bの作動時間を異ならせることで、第2始動入賞口16へ遊技球が入球する可能性が変化するようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、、非時短遊技状態中及び時短遊技状態JT1中はいずれも、第2始動入賞口16への遊技球の入球は不可能であるものの、時短遊技状態JT2中は、高い頻度で第2始動入賞口16への遊技球の入球が可能となる。したがって、時短遊技状態JT2中(低確率時短遊技状態LJT2中、高確率時短遊技状態中)は、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく賞球を頻繁に獲得することができるため、非時短遊技状態中(通常遊技状態中)及び時短遊技状態JT1中(低確率時短遊技状態LJT1中)よりも、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えながら、所定時間あたりの当否抽選の機会を多く獲得できることとなる。
【0135】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、時短遊技状態JT2中には、非時短遊技状態中及び時短遊技状態JT1中と比較して、特別図柄の変動時間の平均が短くなる制御(いわゆる特別図柄変動短縮機能の作動)が行われるようになっている(
図11、
図12参照)。これにより、上述した第2始動入賞口16への遊技球の入球の頻度が変化することと相俟って、時短遊技状態JT2中は、非時短遊技状態中及び時短遊技状態JT1中と比較して、当否抽選及び特別図柄の変動表示が実行されやすくなる。すなわち、当否抽選の実行の頻度(換言すれば、特別図柄の変動表示の実行頻度)が変化するようになっている。
【0136】
なお、遊技状態ごとに、第2始動入賞口16へ遊技球が入球する可能性、当否抽選及び特別図柄の変動表示の実行頻度を変化させるためには、遊技状態ごとに、普図遊技の性能を決定する要素(普通図柄の抽選において当たりとなる確率、普通図柄の変動時間、可動片16bの作動時間)のいずれか1又は複数が異なる内容となるように設定してもよいし、全ての要素が異なる内容となるように設定してもよい。また、いずれの遊技状態であっても普図遊技の性能を決定する全要素は同一の内容に設定する一方で、特別図柄の変動時間の平均を遊技状態ごとに異ならせるように設定してもよい。
【0137】
(パチンコ機Pにおける処理の概要)
次に、上述の特図遊技、普図遊技及び特別遊技の進行に伴って主制御基板100で実行される処理の概要について、フローチャートを用いて説明する。
まず、主制御基板100のメイン処理を説明する。
電源基板により電源が供給されると、メインCPU101にシステムリセットが発生し、メインCPU101は、
図17のフローチャートに示すメイン処理を実行する。
【0138】
ステップ100において、メインCPU101は、初期化処理を実行する。そして、次のステップ101に進む。
ステップ101において、メインCPU101は、特別図柄乱数を更新する際に参照される特別図柄乱数用初期値更新乱数の更新を行う。この特別図柄乱数用初期値更新乱数は、特別図柄乱数の初期値を決定するためのものである。すなわち、特別図柄乱数は、更新を開始する時点の特別図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として更新が行われる。そして、この乱数範囲を1周すると、その時点における特別図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として、特別図柄乱数の更新が継続されるようになっている。そして、次のステップ102に進む。
【0139】
ステップ102において、メインCPU101は、変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する。そして、ステップ102の処理が終了すると、以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップ101とステップ102の処理を繰り返し実行する。
【0140】
次に、上述したステップ100の初期化処理について、
図18のフローチャートを参照して説明する。
ステップ130において、メインCPU101は、メインROM102から起動プログラムを読み込む等、電断復帰時(電源スイッチがオンとなった場合、不測の電源断から復帰した場合)における各種処理を実行するために必要な初期設定処理を実行する。そして、次のステップ131に進む。
ステップ131において、メインCPU101は、電断復帰後に上述の各種処理の実行を開始するまでの待機時間である電断監視時間を、電断監視時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ132に進む。
【0141】
ステップ132において、メインCPU101は、電断発生信号を検出しているか否かを判定する。そして、電断発生信号を検出していると判定した場合、ステップ131に戻る。一方、電断発生信号を検出していないと判定した場合、次のステップ133に進む。
ステップ133において、メインCPU101は、上述のステップ131で設定された電断監視時間を経過したか否かを判定する。そして、経過していないと判定した場合、ステップ132に戻る。一方、経過したと判定した場合、次のステップ134に進む。なお、電断監視時間タイマカウンタには減算タイマを採用しており、上述の電断発生信号の検出の判定が実行されるごとにタイマカウンタが1ずつ減算され、0となった場合に電断監視時間が経過したと判定されるようになっている。
【0142】
ステップ134において、メインCPU101は、メインRAM103へのアクセスを許可する。この処理が行われることにより、これ以降、メインRAM103への各種データの記憶やメインRAM103からの各種データの読み出し(ロード)が可能となる。そして、次のステップ135に進む。
ステップ135において、メインCPU101は、RAMクリア処理の条件を満たしているか否かを判定する。すなわち、電源基板に設けられたRAMクリアスイッチが操作された状態で電源の投入(電源スイッチのオン)が行われたか、不測の電源断発生時におけるメインRAM103の記憶データと不測の電源断からの復帰時におけるメインRAM103の記憶データとに不整合が生じたかを確認する。そして、RAMクリアスイッチが操作された状態で電源が投入された場合や記憶データに不整合が生じた場合に、RAMクリア処理の条件を満たしていると判定する。これに対して、RAMクリアスイッチが操作されずに電源投入された場合やメインRAM103の記憶データに不整合が生じることなく不測の電源断から復帰した場合に、RAMクリア処理の条件を満たしていないと判定する。RAMクリア処理の条件を満たしていないと判定した場合、ステップ138に進む。一方、RAMクリア処理の条件を満たしていると判定した場合、次のステップ136に進む。
【0143】
ステップ136において、メインCPU101は、RAMクリア処理(すなわちメインRAM103の記憶データのクリア)を実行する。RAMクリア処理が実行されると、電断発生前に設定されていた遊技状態がクリアされ、通常遊技状態が設定される。そして、次のステップ137に進む。
ステップ137において、メインCPU101は、RAMクリア処理が実行されたことを示すRAMクリアコマンドを発射払出制御基板200や副制御基板300へ送信する。そして、ステップ140に進む。
【0144】
また、上述のステップ135でRAMクリア処理の条件を満たしていないと判定した場合に進むステップ138において、メインCPU101は、電断発生前のメインRAM103の記憶データのうち一部のデータのみをクリアし他のデータを維持する通常電断復帰処理を実行する。なお、当該通常電断復帰処理が実行されても、電断発生前に設定されていた遊技状態はクリアされず、当該遊技状態がそのまま維持される。そして、次のステップ139に進む。
ステップ139において、メインCPU101は、電断から復帰したことを示す電断復帰コマンドを発射払出制御基板200や副制御基板300へ送信する。そして、次のステップ140に進む。
【0145】
ステップ140において、メインCPU101は、電断復帰に基づく各種コマンドを副制御基板300へ送信する。電断復帰時に副制御基板300へ送信されるコマンドとしては、第1保留数を示す第1保留数指定コマンド、第2保留数を示す第2保留数指定コマンド、電断復帰時の遊技状態を示す遊技状態指定コマンド、遊技球の打ち出しの方向(右打ち又は左打ちのいずれか)を示す発射位置指定コマンド等が挙げられる。そして、初期化処理を終了する。
【0146】
次に、主制御基板100の電断退避処理を説明する。
本形態に係るパチンコ機Pにおいては、供給される電源の電圧が所定値以下となると、上述の主制御基板100のメイン処理に割り込んで、
図19のフローチャートに示す電断退避処理が実行される。
【0147】
ステップ150において、メインCPU101は、電断発生信号を検出しているか否かを判定する。そして、電断発生信号を検出していると判定した場合、ステップ152に進む。一方、電断発生信号を検出していないと判定した場合、次のステップ151に進む。
ステップ151において、メインCPU101は、割り込みを許可するための処理を行う。そして、電断退避処理を終了する。
【0148】
また、上述のステップ150で電断発生信号を検出していると判定した場合に進むステップ152において、メインCPU101は、メインRAM103へのアクセスを禁止する。この処理が行われることにより、これ以降メインRAM103への各種データの記憶やメインRAM103からの各種データの読み出し(ロード)が不可能となりメインRAM103の記憶データが保持されることとなる。そして、次のステップ153に進む。
ステップ153において、メインCPU101は、電断監視時間を電断監視時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ154に進む。
【0149】
ステップ154において、メインCPU101は、電断発生信号を検出しているか否かを判定する。そして、電断発生信号を検出していると判定した場合、ステップ153に戻る。一方、電断発生信号を検出していないと判定した場合、次のステップ155に進む。
ステップ155において、メインCPU101は、上述のステップ153で設定された電断監視時間を経過したか否かを判定する。そして、経過していないと判定した場合、ステップ154に戻る。一方、経過したと判定した場合、電断退避処理を終了し上述の初期化処理を実行する。電断監視時間の経過の判定は上述の初期化処理における判定と同様に行われる。
なお、電断が発生した場合には、上述のステップ153からステップ155までをループしている間、パチンコ機Pの作動が停止することとなる。
【0150】
次に、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路により、所定の周期(本形態に係るパチンコ機Pでは、4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、
図20のフローチャートに示すタイマ割込処理が実行される。
【0151】
ステップ200において、メインCPU101は、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を実行する。そして、次のステップ201に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、主制御基板100のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ201において、メインCPU101は、特別図柄乱数の更新を行う。具体的には、乱数カウンタを「1」加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを「0」に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時点の特別図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。そして、次のステップ202に進む。
【0152】
ステップ202において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、特定領域検出センサ57aに入力があったか否かを判定し、これに基づいて所定の処理を行うセンサ検出時処理を実行する。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、メインCPU101は、特図遊技及び特別遊技に関する制御を行うための特図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ204に進む。
【0153】
ステップ204において、メインCPU101は、普図遊技に関する制御を行うための普図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ205に進む。
ステップ205において、メインCPU101は、各種エラーの発生や解除に関する制御を行うためのエラー関連処理を実行する。具体的には、前扉3の開放に基づく扉開放コマンドや、受皿7の満タン状態に基づく受皿満タンコマンド等を、主制御基板100が受信した場合に、メインCPU101は、対応するエラー指定コマンド(たとえば、扉開放コマンド、受皿満タンコマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶(セット)する。また、上述のコマンドを主制御基板100が受信しなくなった場合に、メインCPU101は、対応するエラー解除指定コマンド(たとえば、扉閉鎖コマンド、満タン解除コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ206に進む。
【0154】
ステップ206において、一般入賞口検出センサ14a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、大入賞口検出センサ18aからの検出信号がメインCPU101に入力された場合に、当該メインCPU101は、それぞれの検出信号に対応して設けられている賞球カウンタを更新するとともに、それぞれの検出信号に対応する払出個数指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。なお、発射払出制御基板200により賞球の払い出しが行われると、当該払い出しごとに主制御基板100に払い出しコマンドが送信され、メインCPU101は、当該払い出しコマンドを受信すると、賞球カウンタを減算する。そして、次のステップ207に進む。
ステップ207において、メインCPU101は、パチンコ機Pの遊技状態を当該パチンコ機Pの外部に出力するための外部情報データ、可動片16bの作動を制御するための可動片ソレノイドデータ、大入賞口18の開閉を制御するための大入賞口ソレノイドデータ、各種表示装置(第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39及び普通図柄保留表示装置33)の表示データ等の作成を実行する。そして、次のステップ208に進む。
【0155】
ステップ208において、メインCPU101は、上述のステップ207で作成した各データの信号を出力するポート出力、及び演出用伝送データ格納領域に記憶されたコマンドを送信するコマンド送信等の処理を行う出力制御処理を実行する。そして、主制御基板100のタイマ割込処理を終了する。
【0156】
次に、上述したステップ202のセンサ検出時処理について、
図21のフローチャートを参照して説明する。
ステップ300において、メインCPU101は、遊技球がゲート20を通過したことに基づいて普通図柄の抽選を行うためのゲート検出時処理を実行する。そして、次のステップ301に進む。
ステップ301において、メインCPU101は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球したことに基づいて当否抽選を行うための第1始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ302に進む。
【0157】
ステップ302において、メインCPU101は、遊技球が第2始動入賞口16へ入球したことに基づいて当否抽選を行うための第2始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ303に進む。
ステップ303において、メインCPU101は、遊技球が特定領域57へ進入したことに基づいて所定の処理を行うための特定領域検出時処理を実行する。そして、センサ検出時処理を終了する。
【0158】
次に、上述したステップ300のゲート検出時処理について、
図22のフローチャートを参照して説明する。
ステップ400において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ401に進む。
ステップ401において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における普図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、当該値が4未満であると判定した場合、次のステップ402に進む。
【0159】
ステップ402において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ403に進む。
ステップ403において、メインCPU101は、当たり決定乱数を取得して普図保留記憶領域に記憶し、ゲート検出時処理を終了する。
【0160】
次に、上述したステップ301の第1始動入賞口検出時処理について、
図23のフローチャートを参照して説明する。
ステップ500において、メインCPU101は、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ501に進む。
ステップ501において、メインCPU101は、第1保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第1保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ502に進む。
【0161】
ステップ502において、メインCPU101は、第1保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ503に進む。
ステップ503において、メインCPU101は、当否乱数を取得して第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ504に進む。
【0162】
ステップ504において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された特別図柄乱数を取得して、上述のステップ503で当否乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ505に進む。
ステップ505において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ503で当否乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された当否乱数、特別図柄乱数及び変動パターン乱数は全て同じ第1保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ506に進む。
【0163】
ステップ506において、メインCPU101は、第1特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ507に進む。
ステップ507において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態又は時短遊技状態JT1であるか否かを判定する。そして、非時短遊技状態及び時短遊技状態JT1のいずれでもない(すなわち、時短遊技状態JT2である)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、非時短遊技状態又は時短遊技状態JT1であると判定した場合、次のステップ508に進む。
【0164】
ステップ508において、メインCPU101は、記憶された第1特図乱数について、当該第1特図乱数に基づく特別図柄の変動開始前に(第1特図乱数が取得された(保留として記憶された)時点で)当否抽選に関する各種判定を行う事前判定処理を実行する。そして、第1始動入賞口検出時処理を終了する。
【0165】
次に、上述したステップ302の第2始動入賞口検出時処理について、
図24のフローチャートを参照して説明する。
ステップ600において、メインCPU101は、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ601に進む。
ステップ601において、メインCPU101は、第2保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第2保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ602に進む。
【0166】
ステップ602において、メインCPU101は、第2保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ603に進む。
ステップ603において、メインCPU101は、当否乱数を取得して第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ604に進む。
【0167】
ステップ604において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された特別図柄乱数を取得して、上述のステップ603で当否乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ605に進む。
ステップ605において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ603で当否乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された当否乱数、特別図柄乱数及び変動パターン乱数は全て同じ第2保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ606に進む。
【0168】
ステップ606において、メインCPU101は、第2特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ607に進む。
ステップ607において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態JT2であるか否かを判定する。そして、時短遊技状態JT2でない(すなわち、非時短遊技状態又は時短遊技状態JT1である)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、時短遊技状態JT2であると判定した場合、次のステップ608に進む。
【0169】
ステップ608において、メインCPU101は、記憶された第2特図乱数について、当該第2特図乱数に基づく特別図柄の変動開始前に(第2特図乱数が取得された(保留として記憶された)時点で)当否抽選に関する各種判定を行う事前判定処理を実行する。そして、第2始動入賞口検出時処理を終了する。
【0170】
次に、上述したステップ508及びステップ608の事前判定処理について、
図25のフローチャートを参照して説明する。なお、上述したステップ508の事前判定処理においては、第1保留記憶領域の記憶部に記憶された当否乱数、特別図柄乱数及び変動パターン乱数、並びに、第1保留数に基づいて下記の処理が実行され、上述したステップ608の事前判定処理においては、第2保留記憶領域の記憶部に記憶された当否乱数、特別図柄乱数及び変動パターン乱数、並びに、第2保留数に基づいて下記の処理が実行される。
ステップ650において、メインCPU101は、遊技球が入球した始動入賞口の種別(第1始動入賞口15、第2始動入賞口16)、保留数(第1保留数、第2保留数)、及び、遊技状態(通常遊技状態、低確率時短遊技状態LJT1、低確率時短遊技状態LJT2、高確率時短遊技状態)を確認する。そして、次のステップ651に進む。
【0171】
ステップ651において、メインCPU101は、当否乱数判定テーブル110のうち、上述のステップ650で確認した遊技状態に対応するいずれか(低確率判定テーブル110a、高確率判定テーブル110b)を取得し、取得したテーブルと、記憶された当否乱数とに基づいて、当否抽選の結果を判定する当否判定処理を実行する。その後、当該判定の結果(大当たりの当選、時短付与の当選又はハズレ)に係るデータをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ652に進む。
ステップ652において、メインCPU101は、特別図柄の種別を判定する特別図柄判定処理を実行する。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15(第1特図乱数)であった場合には、第1始動入賞口判定テーブル111aを取得し、当該テーブルと、上述のステップ651で判定された当否抽選の結果と、記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、X2、X3)、時短図柄の種別(時短図柄J1、J2)、又は、ハズレ図柄の種別(ハズレ図柄Z1)を判定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16(第2特図乱数)であった場合には、第2始動入賞口判定テーブル111bを取得し、当該テーブルと、上述のステップ651で判定された当否抽選の結果と、記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(大当たり図柄X4、X5、X6)、時短図柄の種別(時短図柄J1、J2)、又は、ハズレ図柄の種別(ハズレ図柄Z2)を判定する。メインCPU101は、当該判定の結果(特別図柄の種別)に係るデータを、メインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ653に進む。
【0172】
ステップ653において、メインCPU101は、上述のステップ650で確認した遊技状態に対応する変動パターンテーブル114を取得する。そして、次のステップ654に進む。
ステップ654において、メインCPU101は、上述のステップ652で判定された特別図柄の種別、保留数、上述のステップ653で取得された変動パターンテーブル114及び記憶された変動パターン乱数に基づいて、変動パターンコマンドを判定する変動パターンコマンド判定処理を実行する。そして、次のステップ655に進む。
【0173】
ステップ655において、メインCPU101は、上述のステップ651で判定された当否抽選の結果、上述のステップ652で判定された特別図柄の種別、上述のステップ654で判定された変動パターンコマンドを含む事前判定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、事前判定処理を終了する。
以上の処理により、保留として記憶された第1特図乱数又は第2特図乱数について、特別図柄の変動開始時に決定される当否抽選の結果、特別図柄の種別及び変動パターンコマンドが、事前判定コマンドによって、当該乱数の取得時点で事前に(すなわち、変動開始前に)副制御基板300に伝達される。
【0174】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の事前判定処理において、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて取得され保留記憶領域(第1保留記憶領域)に記憶された第1特図乱数、又は、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて取得され保留記憶領域(第2保留記憶領域)に記憶された第2特図乱数を判定するようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、事前判定処理においては、保留記憶領域に記憶された乱数を直接判定するのではなく、他の記憶領域(たとえば、レジスタ等)に記憶された乱数を判定するようにしてもよい。
【0175】
次に、上述したステップ303の特定領域検出時処理について、
図26のフローチャートを参照して説明する。
ステップ670において、メインCPU101は、特別遊技中であるか否かを判定する。そして、特別遊技中でないと判定した場合、特定領域検出時処理を終了する。一方、特別遊技中であると判定した場合、次のステップ671に進む。
ステップ671において、メインCPU101は、特定領域検出センサ57aからの検出信号が所定回数(本形態では、1回)入力されたか否かを判定する。そして、特定領域検出センサ57aからの検出信号が所定回数入力されていないと判定した場合、特定領域検出時処理を終了する。一方、特定領域検出センサ57aからの検出信号が所定回数入力されたと判定した場合、次のステップ672に進む。
ステップ672において、メインCPU101は、特定領域57へ所定数の遊技球が進入したことを示す進入フラグをオンにする。そして、特定領域検出時処理を終了する。
【0176】
次に、上述したステップ203の特図関連制御処理について、
図27のフローチャートを参照して説明する。
ステップ700において、メインCPU101は、実行フェーズデータの値をロードする。この実行フェーズデータは、特図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この実行フェーズデータは、後述する特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、後述する特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、後述する停止後処理の実行を示すデータ「02」と、後述する特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」と、後述する特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ700でロードした実行フェーズデータの値に基づき、特別図柄変動開始処理(ステップ701)、特別図柄変動停止処理(ステップ702)、停止後処理(ステップ703)、特別遊技制御処理(ステップ704)又は特別遊技終了処理(ステップ705)のいずれかを実行する。そして、特図関連制御処理を終了する。
【0177】
次に、上述したステップ701の特別図柄変動開始処理について、
図28のフローチャートを参照して説明する。
ステップ800において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「00」であると判定した場合、次のステップ801に進む。一方、実行フェーズデータが「00」でないと判定した場合、特別図柄変動開始処理を終了する。
ステップ801において、メインCPU101は、第2保留記憶領域の記憶部に第2特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第2保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第2特図乱数が記憶されていると判定した場合、ステップ804に進む。一方、第2特図乱数が記憶されていないと判定した場合、次のステップ802に進む。
【0178】
ステップ802において、メインCPU101は、第1保留記憶領域の記憶部に第1特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第1保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合、ステップ812に進む。一方、第1特図乱数が記憶されていると判定した場合、次のステップ803に進む。
ステップ803において、メインCPU101は、第1保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第1保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第1保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第1保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当否判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
【0179】
また、上述のステップ801で第2特図乱数が記憶されていると判定した場合に進むステップ804において、メインCPU101は、第2保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第2保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第2保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第2保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当否判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
ステップ805において、メインCPU101は、当否抽選の実行回数(特別図柄の変動回数)をカウントするための変動回数カウンタのカウント値を「1」インクリメントする。また、メインCPU101は、変動回数カウンタのカウント値を含む変動回数コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、変動回数コマンドが副制御基板300に送信され、副制御基板300は現時点の変動回数カウンタのカウント値を把握できることとなる。そして、次のステップ806に進む。
【0180】
ステップ806において、メインCPU101は、当否抽選の結果を導出する当否判定処理を実行する。そして、次のステップ807に進む。
ステップ807において、メインCPU101は、特別図柄の種別を決定する特別図柄決定処理を実行する。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15(第1特図乱数)であった場合には、第1始動入賞口判定テーブル111aを取得し、当該テーブルと、上述のステップ806で判定された当否抽選の結果(大当たりの当選、時短付与の当選、ハズレ)と、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、X2、X3)、時短図柄の種別(時短図柄J1、J2)、又は、ハズレ図柄の種別(ハズレ図柄Z1)を決定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16(第2特図乱数)であった場合には、第2始動入賞口判定テーブル111bを取得し、当該テーブルと、上述のステップ806で判定された当否抽選の結果(大当たりの当選、時短付与の当選、ハズレ)と、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(大当たり図柄X4、X5、X6)、時短図柄の種別(時短図柄J1、J2)、又は、ハズレ図柄の種別(ハズレ図柄Z2)を決定する。そして、決定した特別図柄に対応するデータを、メインRAM103の所定の一時記憶領域に記憶する。また、この特別図柄決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ808に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pの特別図柄変動開始処理では、第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されている場合には、第1特図乱数に優先して第2特図乱数が処理されるようになっているが、これに限定されるものではなく、保留記憶領域に記憶された順に処理してもよい。
【0181】
ステップ808において、メインCPU101は、上述のステップ807で決定された特別図柄の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、決定された特別図柄の種別に係る情報が、変動開始時に副制御基板300に送信されることとなる。そして、次のステップ809に進む。
ステップ809において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶された変動パターン乱数に基づいて、変動パターンを決定する変動パターン決定処理を実行する。そして、次のステップ810に進む。
【0182】
ステップ810において、メインCPU101は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31で特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第1特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄表示装置30が点滅表示を開始し、また、第2特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第2特別図柄表示装置31が点滅表示を開始する。ここで、点滅表示とは、各表示装置において「-」が所定の間隔で点滅することをいうものである。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数が第1保留記憶領域に記憶されている場合には、第1保留数を認識できる態様で第1特図保留表示装置38が表示され、第2特図乱数が第2保留記憶領域に記憶されている場合には、第2保留数を認識できる態様で第2特図保留表示装置39が表示されるようになっている。そして、第1特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第1保留数が1つ減ることを示すように、第1特図保留表示装置38が表示制御され、第2特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2保留数が1つ減ることを示すように、第2特図保留表示装置39が表示制御される。
そして、次のステップ811に進む。
【0183】
ステップ811において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、実行フェーズデータに「01」をセットし、特別図柄変動開始処理を終了する。
また、上述のステップ802で第1保留記憶領域に第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合に進むステップ812において、メインCPU101は、変動表示が行われていないことに基づき、演出表示装置21において客待ち表示を行うための客待ち判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は特別図柄の変動表示が行われていない時間を計時するとともに、特別図柄の変動表示が行われることなく所定の客待ち時間(たとえば、30秒)が経過した場合に、客待ち状態となったものとして、演出表示装置21に客待ち画面を表示するための客待ちコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別図柄変動開始処理を終了する。
【0184】
次に、上述したステップ806の当否判定処理について、
図29のフローチャートを参照して説明する。
ステップ850において、メインCPU101は、当否乱数判定テーブル110のうち、現時点の遊技状態(低確率遊技状態、高確率遊技状態)に対応するいずれか(低確率判定テーブル110a、高確率判定テーブル110b)を選択し、選択したテーブルと上述のステップ803又はステップ804の所定の処理領域に記憶された当否乱数とに基づいて、大当たりの当選となるか否かを判定する(すなわち、大当たりの当否の判定を行う)大当たり当否判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、上述のテーブルから大当たりの当選となる数値範囲の情報を取得し、この取得した数値範囲内に上述の当否乱数が属するか否かを判定する。そして、上述の数値範囲内に上述の当否乱数が属する場合に大当たりの当選と判定され、上述の数値範囲内に上述の当否乱数が属しない場合に大当たりの非当選と判定される。そして、次のステップ851に進む。
ステップ851において、メインCPU101は、上述のステップ850で実行された大当たり当否判定処理の結果が大当たりの当選であったか否か(すなわち、大当たりに当選したか否か)を判定する。そして、大当たりの当選でない(大当たりの非当選)と判定した場合、ステップ853に進む。一方、大当たりの当選と判定した場合、次のステップ852に進む。
【0185】
ステップ852において、メイン101は、メインRAM103の所定の記憶領域に大当たりの当選である旨を記憶する。そして、当否判定処理を終了する。
また、上述のステップ851で大当たりの当選でないと判定した場合に進むステップ853において、メインCPU101は、上述のステップ850で選択したテーブルと上述のステップ803又はステップ804の所定の処理領域に記憶された当否乱数(すなわち、上述のステップ850で判定の対象となった当否乱数と同一の当否乱数)とに基づいて、時短付与の当選となるか否かを判定する(すなわち、時短付与の当否の判定を行う)時短付与判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、上述のテーブルから時短付与の当選となる数値範囲の情報を取得し、この取得した数値範囲内に上述の当否乱数が属するか否かを判定する。そして、上述の数値範囲内に上述の当否乱数が属する場合に時短付与の当選と判定され、上述の数値範囲内に上述の当否乱数が属しない場合に時短付与の非当選と判定される。そして、次のステップ854に進む。
【0186】
ステップ854において、メインCPU101は、上述のステップ853で実行された時短付与当否判定処理の結果が時短付与の当選であったか否か(すなわち、時短付与に当選したか否か)を判定する。そして、時短付与の当選でない(時短付与の非当選)と判定した場合、ステップ856に進む。一方、時短付与の当選と判定した場合、次のステップ855に進む。
ステップ855において、メイン101は、メインRAM103の所定の記憶領域に時短付与の当選である旨を記憶する。そして、当否判定処理を終了する。
【0187】
また、上述のステップ854で時短付与に当選していないと判定した場合に進むステップ856において、メインCPU101は、メインRAM103の所定の記憶領域にハズレである旨を記憶する。そして、当否判定処理を終了する。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たり当否判定処理、及び時短付与当否判定処理はいずれも、遊技状態に対応する当否乱数判定テーブル110の選択、判定の対象となる数値範囲の情報の取得、及び、当該数値範囲に当否乱数が属するか否かの判定を実行するための共通化された処理プログラム(同一のモジュール)により実行されるようになっている。
【0188】
次に、上述したステップ809の変動パターン決定処理について、
図30のフローチャートを参照して説明する。
ステップ900において、メインCPU101は、遊技球が入球した始動入賞口の種別(第1始動入賞口15、第2始動入賞口16)、保留数(第1保留数、第2保留数)、遊技状態(通常遊技状態、低確率時短遊技状態LJT1、低確率時短遊技状態LJT2、高確率時短遊技状態)を確認する。そして、次のステップ901に進む。
ステップ901において、メインCPU101は、上述のステップ900で確認した遊技状態に対応する変動パターンテーブル114を取得する。そして、次のステップ902に進む。
【0189】
ステップ902において、メインCPU101は、上述のステップ901で取得した変動パターンテーブル114と、上述のステップ807で決定された特別図柄の種別と、上述のステップ900で確認した保留数と、上述のステップ803又は804で処理領域に記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターンコマンドを決定し、この決定された変動パターンコマンドを所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ903に進む。
ステップ903において、メインCPU101は、上述のステップ902で決定された変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ904に進む。
【0190】
ステップ904において、メインCPU101は、変動パターンテーブル114に基づいて、変動パターンコマンドに対応付けられた変動時間を決定する。そして、決定された変動時間を変動時間タイマカウンタにセットする。そして、変動パターン決定処理を終了する。
【0191】
次に、上述したステップ702の特別図柄変動停止処理について、
図31のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1000において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「01」でないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「01」であると判定した場合、次のステップ1001に進む。
【0192】
ステップ1001において、メインCPU101は、ステップ904で変動時間タイマカウンタにセットされた変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1002に進む。
ステップ1002において、メインCPU101は、上述のステップ807で決定された特別図柄を、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをセットし、特別図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1003に進む。
【0193】
ステップ1003において、メインCPU101は、特別図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1004に進む。
ステップ1004において、メインCPU101は、停止表示時間テーブル115を参照して、現時点の遊技状態、及び上述のステップ807で決定された特別図柄の種別に対応する停止表示時間を決定し、この決定された停止表示時間を停止表示時間タイマカウンタにセットする。本形態に係るパチンコ機Pでは、上述したように、現時点の遊技状態が通常遊技状態の場合において、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定されたとき、及び大当たり図柄X1、X2、X3、X4、X5又はX6が決定されたときにはいずれも、0.5秒の停止表示時間がセットされ、時短図柄J1又はJ2が決定されたときには20秒の停止表示時間がセットされる(
図13参照)。また、現時点の遊技状態が通常遊技状態以外(低確率時短遊技状態LJT1、低確率時短遊技状態LJT2、高確率時短遊技状態)の場合において、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定されたとき、大当たり図柄X1、X2、X3、X4、X5又はX6が決定されたとき、及び時短図柄J1又はJ2が決定されたときにはいずれも、0.5秒の停止表示時間がセットされる(
図13参照)。そして、次のステップ1005に進む。
【0194】
ステップ1005において、メインCPU101は、特図関連制御処理において停止後処理が実行されるように、実行フェーズデータに「02」をセットする。そして、特別図柄変動停止処理を終了する。
【0195】
次に、上述したステップ703の停止後処理について、
図32のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1100において、メインCPU101は、実行フェーズデータが停止後処理の実行を示すデータ「02」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「02」でないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「02」であると判定した場合、次のステップ1101に進む。
ステップ1101において、メインCPU101は、上述のステップ1004で停止表示時間タイマカウンタにセットされた停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、停止表示時間が経過していないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1102に進む。
【0196】
ステップ1102において、メインCPU101は、停止表示時間が経過した旨を示す停止表示終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、停止表示時間が経過した旨が副制御基板300に伝達される。また、メインCPU101は、現時点の遊技状態を遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1103に進む。
ステップ1103において、メインCPU101は、時短回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態JT1であることを示す第1時短遊技フラグ、又は、現時点の遊技状態が時短遊技状態JT2であることを示す第2時短遊技フラグのいずれかがオンとなっているか否かを判定する。そして、第1時短遊技フラグ又は第2時短遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた時短回数記憶領域を更新する。この時短回数記憶領域には、設定中の時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、第1時短遊技フラグ及び第2時短遊技フラグがいずれもオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1104に進む。
【0197】
ステップ1104において、メインCPU101は、高確回数更新処理を行う。ここでは、メインCPU101は、現時点の遊技状態が高確率遊技状態であることを示す高確遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、高確遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた高確回数記憶領域を更新する。この高確回数記憶領域には、高確率遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、高確遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1105に進む。
【0198】
ステップ1105において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でない(すなわち、時短図柄又はハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1111に進む。一方、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1106に進む。
ステップ1106において、メインCPU101は、大当たり当選時の遊技状態及び停止表示された大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、X2、X3、X4、X5、X6)を副制御基板300に伝達するための大当たり当選時コマンドをセットする。そして、次のステップ1107に進む。
【0199】
ステップ1107において、メインCPU101は、現時点の遊技状態をリセットする。そして、次のステップ1108に進む。
ステップ1108において、メインCPU101は、特別遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1109に進む。
【0200】
ステップ1109において、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄の種別に基づいて、メインRAM103にラウンド数をセットする。具体的には、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄がX1、X2、X4又はX5であれば、ラウンド数として「3」をセットし、停止表示されている大当たり図柄がX3又はX6であれば、ラウンド数として「10」をセットする。そして、次のステップ1110に進む。
ステップ1110において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「03」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
【0201】
また、上述のステップ1105で停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1111において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が時短図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が時短図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1115に進む。一方、停止表示されている特別図柄が時短図柄であると判定した場合、次のステップ1112に進む。
ステップ1112において、メインCPU101は、現時点の遊技状態(すなわち、当否抽選の実行時点の遊技状態、特別図柄の変動開始時点の遊技状態)が通常遊技状態であるか否かを判定する。そして、通常遊技状態でない(すなわち、低確率時短遊技状態LJT1、低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態である)と判定した場合、ステップ1114に進む。一方、通常遊技状態であると判定した場合、次のステップ1113に進む。
【0202】
ステップ1113において、メインCPU101は、停止表示された時短図柄に応じた遊技状態を設定する時短遊技状態設定処理を実行する。具体的には、停止表示された時短図柄がJ1であった場合には、メインCPU101は、第1時短遊技フラグをオンにするとともに、時短回数に「10000」をセットする。これにより、時短回数が10000回の低確率時短遊技状態LJT1が設定される(通常遊技状態が低確率時短遊技状態LJT1(時短回数は10000回)に変更される)。また、停止表示された時短図柄がJ2であった場合には、メインCPU101は、第2時短遊技フラグをオンにするとともに、時短回数に「10000」をセットする。これにより、時短回数が10000回の低確率時短遊技状態LJT2が設定される(通常遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2(時短回数は10000回)に変更される)。そして、ステップ1115に進む。
また、上述のステップ1112で通常遊技状態でないと判定した場合に進むステップ1114において、メインCPU101は、設定中の時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数、及び、高確率遊技状態が終了するまでの残りの変動回数に基づいて、通常遊技状態を設定する通常遊技状態設定処理を実行する。具体的には、上述のステップ1103で更新された時短回数記憶領域に記憶されている残りの変動回数が「0」となった場合、オンとなっていた第1時短遊技フラグ又は第2時短遊技フラグをオフにする。また、上述のステップ1104で更新された高確回数記憶領域に記憶されている残りの変動回数が「0」となった場合、オンとなっていた高確遊技フラグをオフにする。これにより、通常遊技状態が設定される(設定されていた低確率時短遊技状態LJT1、低確率時短遊技状態LJT2又は高確時短遊技状態が通常遊技状態に変更される)。なお、更新後の時短回数記憶領域に記憶されている残りの変動回数が「1」以上であった場合、更新後の時短回数記憶領域に記憶されている残りの変動回数が「1」以上であった場合には、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1115に進む。
【0203】
ステップ1115において、メインCPU101は、上述のステップ1113又はステップ1114の処理の実行後に設定されている遊技状態を確認し、当該遊技状態を示す遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1116に進む。
ステップ1116において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
【0204】
次に、上述したステップ704の特別遊技制御処理について、
図33のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1200において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「03」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「03」であると判定した場合、次のステップ1201に進む。
ステップ1201において、メインCPU101は、上述のステップ1108でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過しているか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過していると判定した場合、次のステップ1202に進む。
【0205】
ステップ1202において、メインCPU101は、この特別遊技制御処理において全ラウンド遊技が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1210に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1203に進む。
ステップ1203において、メインCPU101は、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた特別電動役物作動テーブル112に基づいて、大入賞口18の開閉及び振り分け部材59の作動を行う大入賞口開閉制御処理を実行する。そして、次のステップ1204に進む。
【0206】
ステップ1204において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が開始された時点であるか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が開始された時点ではないと判定した場合、ステップ1206に進む。一方、ラウンド遊技が開始された時点であると判定した場合、次のステップ1205に進む。
ステップ1205において、メインCPU101は、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1206に進む。
なお、ラウンド遊技開始コマンドは、ラウンド遊技の回数ごとに設けられており、これにより、何回目のラウンド遊技が開始されたかを副制御基板300に伝達できるようになっている。
【0207】
ステップ1206において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が終了したか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が終了していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、ラウンド遊技が終了したと判定した場合、次のステップ1207に進む。
ステップ1207において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されているラウンド数を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1208に進む。
【0208】
ステップ1208において、メインCPU101は、上述のステップ1207でデクリメントしたラウンド数が「0」であるか否かを判定する。そして、当該ラウンド数が「0」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該ラウンド数が「0」であると判定した場合、次のステップ1209に進む。
ステップ1209において、メインCPU101は、特別遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0209】
また、上述のステップ1202でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1210において、メインCPU101は、上述のステップ1209でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1211に進む。
ステップ1211において、メインCPU101は、特別遊技が終了したことを示す特別遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1212に進む。
【0210】
ステップ1212において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技終了処理が実行されるように、実行フェーズデータに「04」をセットする。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0211】
次に、上述したステップ705の特別遊技終了処理について、
図34のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1300において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「04」でないと判定した場合、特別遊技終了処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「04」であると判定した場合、次のステップ1301に進む。
ステップ1301において、メインCPU101は、進入フラグがオンであるか否かを判定する。そして、進入フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、ステップ1303に進む。一方、進入フラグがオンであると判定した場合、次のステップ1302に進む。
【0212】
ステップ1302において、メインCPU101は、遊技状態を高確率遊技状態に設定する高確率遊技状態設定処理を実行する。具体的には、高確遊技フラグをオンにするとともに、高確回数に「10000」をセットする。そして、ステップ1304に進む。
また、上述のステップ1301で進入フラグがオンでないと判定した場合に進むステップ1303において、メインCPU101は、遊技状態を低確率遊技状態に設定する低確率遊技状態設定処理を実行する。具体的には、高確遊技フラグをオフにする。そして、次のステップ1304に進む。
【0213】
ステップ1304において、メインCPU101は、遊技状態を時短遊技状態JT2に設定する時短遊技状態JT2設定処理を実行する。具体的には、第2時短遊技フラグをオンにするとともに、時短回数に「100」をセットする。そして、ステップ1305に進む。
ステップ1305において、メインCPU101は、進入フラグをオフにする。そして、次のステップ1306に進む。
【0214】
ステップ1306において、メインCPU101は、上述のように設定された遊技状態に応じて、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態指定コマンドには、上述のように設定された、高確遊技フラグのオン又はオフの情報、第2時短遊技フラグのオン又はオフの情報、高確回数、時短回数の情報が含まれている。そして、次のステップ1307に進む。
ステップ1307において、メインCPU101は、特図関連制御処理において変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、特別遊技終了処理を終了する。
【0215】
次に、上述したステップ204の普図関連制御処理について、
図35のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1400において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータの値をロードする。この普図実行フェーズデータは、当該普図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この普図実行フェーズデータは、後述する普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、後述する普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、後述する普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、後述する可動片制御処理の実行を示すデータ「13」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ1400でロードした普図実行フェーズデータの値に基づき、普通図柄変動開始処理(ステップ1401)、普通図柄変動停止処理(ステップ1402)、普通図柄停止後処理(ステップ1403)又は可動片制御処理(ステップ1404)のいずれかを実行する。そして、普図関連制御処理を終了する。
【0216】
次に、上述したステップ1401の普通図柄変動開始処理について、
図36のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1500において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動開始処理の実行を示す「10」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「10」でないと判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「10」と判定した場合、次のステップ1501に進む。
ステップ1501において、メインCPU101は、普図保留記憶領域に当たり決定乱数が記憶されているか否か、すなわち、普図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、普図保留数カウンタが「1」以上でない(すなわち、「0」)と判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図保留数カウンタが「1」以上であると判定した場合、次のステップ1502に進む。
【0217】
ステップ1502において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1503に進む。
ステップ1503において、メインCPU101は、普図保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2記憶部~第4記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当選判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ1504に進む。
【0218】
ステップ1504において、メインCPU101は、現時点の遊技状態(非時短遊技状態、時短遊技状態JT1、時短遊技状態JT2)に対応する当たり決定乱数判定テーブル116(第1判定テーブル116a、第2判定テーブル116b又は第3判定テーブル116cのいずれか)を選択し、当該選択したテーブルと、上述のステップ1503で処理領域に記憶された当たり決定乱数とに基づいて、普通図柄の抽選の結果を導出する当選判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、非時短遊技状態中である場合には第1判定テーブル116aを参照し、時短遊技状態JT1中である場合には第2判定テーブル116bを参照し、時短遊技状態JT2中である場合には第3判定テーブル116cを参照し、処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。そして、次のステップ1505に進む。
ステップ1505において、メインCPU101は、上述のステップ1504における当選判定処理の結果が当たりであるか否かを判定する。そして、当たりであると判定した場合、次のステップ1506に進む。一方、当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合、ステップ1507に進む。
【0219】
ステップ1506において、メインCPU101は、当たり図柄データをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、ステップ1508に進む。
また、上述のステップ1505で当選判定処理の結果が当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合に進むステップ1507において、メインCPU101は、ハズレ図柄データをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ1508に進む。
【0220】
ステップ1508において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態、時短遊技状態JT1又は時短遊技状態JT2のいずれであるかを確認するとともに、普通図柄変動パターン決定テーブル117を参照して、現時点の遊技状態に応じた普通図柄の変動時間を普図変動時間タイマカウンタにセットする。具体的には、メインCPU101は、非時短遊技状態中である場合には普図変動時間タイマカウンタに「10秒」をセットし、時短遊技状態JT1中である場合には普図変動時間タイマカウンタに「9.5秒」をセットし、時短遊技状態JT2中である場合には普図変動時間タイマカウンタに「1秒」をセットする。そして、次のステップ1509に進む。
ステップ1509において、メインCPU101は、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄の変動表示が行われる場合には、普通図柄表示装置32が点滅表示を開始する。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されている場合には、普図保留数を認識できる態様で普通図柄保留表示装置33が表示されるようになっている。そして、普通図柄の変動表示が行われる場合には、当該変動表示の開始と同時に、普図保留数が1つ減ることを示すように、普通図柄保留表示装置33が表示制御される。そして、次のステップ1510に進む。
【0221】
ステップ1510において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を変動開始時の遊技状態として遊技機状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1511に進む。
ステップ1511において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「11」をセットする。そして、普通図柄変動開始処理を終了する。
【0222】
次に、上述したステップ1402の普通図柄変動停止処理について、
図37のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1600において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「11」でないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「11」であると判定した場合、次のステップ1601に進む。
ステップ1601において、メインCPU101は、ステップ1508で普図変動時間タイマカウンタにセットされた普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1602に進む。
【0223】
ステップ1602において、メインCPU101は、普通図柄を普通図柄表示装置32に停止表示するための停止表示データをセットし、普通図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1603に進む。
ステップ1603において、メインCPU101は、普通図柄を停止表示する普図停止表示時間を普図停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1604に進む。
【0224】
ステップ1604において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「12」をセットする。そして、普通図柄変動停止処理を終了する。
【0225】
次に、上述したステップ1403の普通図柄停止後処理について、
図38のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1700において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「12」でないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「12」であると判定した場合、次のステップ1701に進む。
ステップ1701において、メインCPU101は、上述のステップ1603で普図停止表示時間タイマカウンタにセットされた普図停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、当該普図停止表示時間が経過していないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、当該普図停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1702に進む。
【0226】
ステップ1702において、メインCPU101は、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1704に進む。一方、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1703に進む。
ステップ1703において、メインCPU101は、普図関連制御処理において可動片制御処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「13」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0227】
また、上述のステップ1702で停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合に進むステップ1704において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0228】
次に、上述したステップ1404の可動片制御処理について、
図39のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1800において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが可動片制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「13」でないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「13」であると判定した場合、次のステップ1801に進む。
ステップ1801において、メインCPU101は、可動片16bが作動制御中であるか否か、すなわち、可動片ソレノイド16cが通電されているか否かを判定する。そして、可動片16bが作動制御中であると判定した場合、ステップ1804に進む。一方、可動片16bが作動制御中でないと判定した場合、次のステップ1802に進む。
【0229】
ステップ1802において、メインCPU101は、普通図柄の変動開始時の遊技状態が、非時短遊技状態中、時短遊技状態JT1中又は時短遊技状態JT2中のいずれであったかを確認する。そして、次のステップ1803に進む。
ステップ1803において、メインCPU101は、可動片作動制御テーブル118を参照し、上述のステップ1802で確認した遊技状態に応じて、可動片ソレノイド16cの作動制御データ(通電制御データ)として、作動回数(通電回数)及び作動時間(通電時間)をセットする。これにより、可動片16bが突出状態となる。そして、可動片制御処理を終了する。
【0230】
また、上述のステップ1801で可動片16bが作動制御中であると判定した場合に進むステップ1804において、メインCPU101は、上述のステップ1803でセットされた作動時間(通電時間)を経過したか否かを判定する。そして、作動時間(通電時間)を経過していないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、作動時間(通電時間)を経過したと判定した場合、次のステップ1805に進む。
ステップ1805において、メインCPU101は、可動片16bの作動の停止、すなわち、可動片ソレノイド16cの通電の停止を実行する。これにより、可動片16bが没入状態となる。そして、次のステップ1806に進む。
【0231】
ステップ1806において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0232】
(本形態に係るパチンコ機Pの遊技性)
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述したように、通常遊技状態(低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、低確率時短遊技状態LJT1(低確率遊技状態及び時短遊技状態JT1を組み合わせた遊技状態)、低確率時短遊技状態LJT2(低確率遊技状態及び時短遊技状態JT2を組み合わせた遊技状態)、又は、高確率時短遊技状態(高確率遊技状態及び時短遊技状態JT2を組み合わせた遊技状態)のいずれかが設定されて、遊技が進行するようになっている。
【0233】
上述したように、RAMクリア後(リセット後)の初期状態においては、通常遊技状態が設定されるようになっている。
通常遊技状態中は、大当たりに当選する確率がおよそ1/300に設定されており、第2遊技領域12bへ向けて遊技球が打ち出されたとしても第2始動入賞口16へ遊技球が入球することはない(
図7(a)、
図14(a)、
図15、
図16参照)。
また、通常遊技状態中は、上述したように、遊技者に第1遊技領域12aで遊技を行わせるようになっており、第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は第1始動入賞口15へ入球する可能性がある。通常遊技状態中に第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合、当該入球に基づく当否抽選においては大当たり又は時短付与に当選可能であり、大当たりに当選したときには大当たり図柄X1、X2又はX3が決定され、時短付与に当選したときには時短図柄J1又はJ2が決定される(
図7(a)及び
図8(a)参照)。
【0234】
そして、大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しないため、当該特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2に設定され、時短回数は100回に設定される(
図10(a)参照)。大当たりに当選し大当たり図柄X2又はX3が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技球中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入可能であり、所定数の遊技球が進入すると、当該特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定され、高確回数及び時短回数はいずれも10000回に設定される(
図10(b)参照)。
また、通常遊技状態中に時短付与に当選し時短図柄J1が決定された場合には、当該時短図柄J1の変動表示が終了し停止表示時間が経過した後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT1に設定され、時短回数は10000回に設定される(
図10(c)参照)。通常遊技状態中に時短付与に当選し時短図柄J2が決定された場合には、当該時短図柄J2の変動表示が終了し停止表示時間が経過した後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2に設定され、時短回数は10000回に設定される(
図10(d)参照)。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中に第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出していれば、大当たり又は時短付与の当選に基づき、低確率時短状態LJT1(時短回数は10000回)、低確率時短遊技状態LJT2(時短回数は10000回)、低確率時短遊技状態LJT2(時短回数は100回)、又は、高確率時短遊技状態(高確回数及び時短回数は10000回)へ移行することとなる(
図40参照)。
【0235】
ここで、通常遊技状態中(低確率遊技状態中)は、時短付与に当選する確率がおよそ1/20であるため時短付与に当選しやすく、また、この時短付与に当選する確率は通常遊技状態中に大当たりに当選する確率(およそ1/300)よりも極めて高いことから、大当たりに当選するよりも時短付与に当選しやすい(
図7(a)参照)。また、時短付与に当選した場合、時短図柄J1が決定される確率は85%、時短図柄J2が決定される確率は15%であるため、時短図柄J2よりも時短図柄J1が決定されやすい(
図8(a)及び(b)参照)。
以上より、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態には滞在し難く、また、大当たりの当選に基づく特別遊技の実行や時短付与の当選に基づく時短図柄J2の決定を介して他の遊技状態へ移行するよりも、時短付与の当選に基づく時短図柄J1の決定により低確率時短遊技状態LJT1(時短回数は10000回)へ移行する可能性が高くなっている。
【0236】
低確率時短遊技状態LJT1中は、大当たりに当選する確率が通常遊技状態中と同一になっており、通常遊技状態中と同様に、第2遊技領域12bへ向けて遊技球が打ち出されたとしても第2始動入賞口16へ遊技球が入球することはない(
図7(a)、
図14(b)、
図15、
図16参照)。
また、低確率時短遊技状態LJT1中は、通常遊技状態中と同様に、遊技者に第1遊技領域12aで遊技を行わせるようになっており、第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は第1始動入賞口15へ入球する可能性がある。低確率時短遊技状態LJT1中に第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合、当該入球に基づく当否抽選においては大当たり又は時短付与に当選可能であり、大当たりに当選したときには大当たり図柄X1、X2又はX3が決定され、時短付与に当選したときには時短図柄J1又はJ2が決定される(
図7(a)及び
図8(a)参照)。
【0237】
そして、大当たりに当選し大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しないため、当該特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2に設定され、時短回数は100回に設定される(
図10(a)参照)。大当たりに当選し大当たり図柄X2又はX3が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技球中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入可能であり、所定数の遊技球が進入すると、当該特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定され、高確回数及び時短回数はいずれも10000回に設定される(
図10(b)参照)。
一方、上述したように、低確率時短遊技状態LJT1中に時短付与に当選し時短図柄J1又はJ2が決定された場合には、当該決定に基づいて新たに時短遊技状態JT1又はJT2が設定されず設定中の低確率時短遊技状態LJT1が継続するため、他の遊技状態へ移行することはない(
図10(c)及び(d)参照)。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率時短遊技状態LJT1中に第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出していれば、大当たりの当選に基づき、低確率時短遊技状態LJT2(時短回数は100回)又は高確率時短遊技状態(高確回数及び時短回数は10000回)へ移行することとなる(
図40参照)。
【0238】
ここで、通常遊技状態中の時短図柄J1の決定に基づき低確率時短遊技状態LJT1が設定された場合には時短回数が10000回に設定され、低確率時短遊技状態LJT1中(低確率遊技状態中)に大当たりに当選する確率はおよそ1/300であることから、上述したように、実質的には、大当たりに当選するまで低確率時短遊技状態LJT1が継続する。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述したように、通常遊技状態に滞在し難く、かつ通常遊技状態からは時短付与の当選に基づき低確率時短遊技状態LJT1へ移行し易いため、低確率時短遊技状態LJT1には、通常遊技状態よりも長く滞在する可能性が高くなっている。
また、通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中はいずれも、遊技者に第1遊技領域12aで遊技を行わせるとともに、大当たりの当選確率が同一であり、さらには、普図遊技の性能もほぼ同一である(第2遊技領域12bへ遊技球を打ち出したとしても第2始動入賞口16への遊技球の入球は不可能である)ため、遊技操作の態様(第1遊技領域12aへの遊技球の打ち出し)及び普図遊技の性能から、通常遊技状態中又は低確率時短遊技状態LJT1中であるのかを認識することは不可能である。
なお、上述したように、遊技状態ごとに第2始動入賞口16への遊技球の入球の可能性を変化させるには、普図遊技の性能を決定する要素(普通図柄の抽選において当たりとなる確率、普通図柄の変動時間、可動片16bの作動時間)のいずれか1又は複数が異なる内容となるように設定することができる。
ここで、通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中のいずれにおいても第2始動入賞口16への遊技球の入球を不可能とするには、たとえば、低確率時短遊技状態LJT1中及び通常遊技状態中のいずれも可動片16bの作動時間は開口到達時間よりも短い同一の時間とするものの、低確率時短遊技状態LJT1中は通常遊技状態よりも普通図柄の変動時間が短い設定、及び、低確率時短遊技状態LJT1中は通常遊技状態よりも普通図柄の抽選において当たりとなる確率が高い設定の少なくともいずれか一方の設定が行われるようにしてもよい。このようにした場合であっても、第2始動入賞口16及び可動片16bが本形態に係るパチンコ機Pのような構成であれば(
図4参照)、可動片16bの作動時間が開口到達時間よりも短い以上、その他の要素(普通図柄の変動時間、普通図柄の抽選において当たりとなる確率)が低確率時短遊技状態LJT1において通常遊技状態よりも有利な設定としても、いずれの遊技状態でも第2始動入賞口16へ遊技球を入球させることができず、普図遊技の性能は本形態に係るパチンコ機と同様となる。
【0239】
低確率時短遊技状態LJT2中は、大当たりに当選する確率が通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中と同一になっているものの、第2遊技領域12bへ向けて遊技球が打ち出された場合、高い頻度で第2始動入賞口16へ遊技球が入球可能となっている(
図7(a)、
図14(c)、
図15、
図16参照)。すなわち、低確率時短遊技状態LJT2中は、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく賞球を頻繁に獲得することができ、通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中よりも遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えることができるため、これら通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中よりも有利な遊技状態となっている。
また、低確率時短遊技状態LJT2中は、上述したように、遊技者に第2遊技領域12bで遊技を行わせるようになっており、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は高い頻度で第2始動入賞口16へ入球する。低確率時短遊技状態LJT2中に第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合、当該入球に基づく当否抽選においては大当たり又は時短付与に当選可能であり、大当たりに当選したときには大当たり図柄X4、X5又はX6が決定され、時短付与に当選したときには時短図柄J1又はJ2が決定される(
図7(a)及び
図8(b)参照)。
【0240】
そして、大当たりに当選し大当たり図柄X4が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しないため、当該特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2に設定され、時短回数は100回に設定される(
図10(a)参照)。大当たりに当選し大当たり図柄X5又はX6が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技球中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入可能であり、所定数の遊技球が進入すると、当該特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定され、高確回数及び時短回数はいずれも10000回に設定される(
図10(b)参照)。
一方、上述したように、低確率時短遊技状態LJT2中に時短付与に当選し時短図柄J1又はJ2が決定された場合には、当該決定に基づいて新たに時短遊技状態JT1又はJT2が設定されず設定中の低確率時短遊技状態LJT2が継続するため、他の遊技状態へ移行することはない(
図10(c)及び(d)参照)。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率時短遊技状態LJT2中に第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出していれば、大当たりの当選に基づき、低確率時短遊技状態LJT2(時短回数は100回)又は高確率時短遊技状態(高確回数及び時短回数は10000回)へ移行することとなる(
図40参照)。
【0241】
高確率時短遊技状態中は、大当たりに当選する確率が通常遊技状態中、低確率時短遊技状態LJT1中及び低確率時短遊技状態LJT2中よりも高く、低確率時短遊技状態LJT2と同様に、第2遊技領域12bへ向けて遊技球が打ち出された場合、高い頻度で第2始動入賞口16へ遊技球が入球可能となっている(
図7(b)、
図14(c)、
図15、
図16参照)。すなわち、高確率時短遊技状態中は、通常遊技状態中、低確率時短遊技状態LJT1中及び低確率時短遊技状態LJT2中よりも高い確率で大当たりに当選し、かつ第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく賞球を頻繁に獲得することができ、通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中よりも遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えることができるため、通常遊技状態中、低確率時短遊技状態LJT1中及び低確率時短遊技状態LJT2中よりも有利な遊技状態(最も有利な遊技状態)となっている。
また、高低確率時短遊技状態中は、上述したように、遊技者に第2遊技領域12bで遊技を行わせるようになっており、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は高い頻度で第2始動入賞口16へ入球する。高確率時短遊技状態中に第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合、当該入球に基づく当否抽選においては大当たり又は時短付与に当選可能であり、大当たりに当選したときには大当たり図柄X4、X5又はX6が決定され、時短付与に当選したときには時短図柄J1又はJ2が決定される(
図7(b)及び
図8(b)参照)。
【0242】
そして、大当たりに当選し大当たり図柄X4が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しないため、当該特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態LJT2に設定され、時短回数は100回に設定される(
図10(a)参照)。大当たりに当選し大当たり図柄X5又はX6が決定された場合には、当該決定に基づく特別遊技球中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入可能であり、所定数の遊技球が進入すると、当該特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定され、高確回数及び時短回数はいずれも10000回に設定される(
図10(b)参照)。
一方、上述したように、高確率時短遊技状態中に時短付与に当選し時短図柄J1又はJ2が決定された場合には、当該決定に基づいて新たに時短遊技状態JT1又はJT2が設定されず設定中の低確率時短遊技状態LJT2が継続するため、他の遊技状態へ移行することはない(
図10(c)及び(d)参照)。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、高確率時短遊技状態中に第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出していれば、大当たりの当選に基づき、低確率時短遊技状態LJT2(時短回数は100回)又は高確率時短遊技状態(高確回数及び時短回数は10000回)へ移行することとなる(
図40参照)。
【0243】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、RAMクリア後や時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2の終了後に設定される通常遊技状態中は、時短付与に当選する確率(およそ1/20)が高く、時短付与に当選した場合には、時短図柄J2よりも時短図柄J1が決定され易い。そのため、通常遊技状態において大当たりに当選するよりも前に、低確率時短遊技状態LJT1へ移行する可能性が高い。
そして、通常遊技状態においては、時短付与の当選により時短図柄J2が決定されると、時短回数が10000回の低確率時短遊技状態LJT2へ移行する。これに対して、上述のように通常遊技状態から移行する低確率時短遊技状態LJT1においては、時短付与の当選により時短図柄J2が決定されても、上述の時短回数が10000回の低確率時短遊技状態LJT2へ移行することはない。すなわち、通常遊技状態から低確率時短遊技状態LJT1へ移行した後は、再度、通常遊技状態が設定されない限りは、時短付与に当選しても、時短回数が10000回の低確率時短遊技状態LJT2へ移行することはない。
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、RAMクリア後や時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2の終了後に設定される通常遊技状態においては、大当たりに当選するか、又は時短図柄J1が決定されるよりも前に時短図柄J2が決定されると、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えつつ確実に大当たりの当選を獲得できる、遊技者にとって有利な時短回数が10000回の低確率時短遊技状態LJT2へ移行する。一方、通常遊技状態から移行し易く、かつ当該通常遊技状態よりも長く滞在し易い低確率時短遊技状態LJT1においては、上述の時短回数が10000回の低確率時短遊技状態LJT2へは移行しない。そのため、通常遊技状態が、遊技者にとって有利な時短回数が10000回の低確率時短遊技状態LJT2へ移行する可能性のあるチャンスゾーンになるという斬新な遊技性を付与することができ、遊技者の興趣を高めることができる。
また、通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中はいずれも、遊技者に第1遊技領域12aで遊技を行わせるため、遊技者に遊技操作を変更させることなく、通常遊技状態から、異なる遊技状態である低確率時短遊技状態LJT1への切り替えが可能となるという斬新な遊技性を付与することができる。
【0244】
(パチンコ機Pにおける演出の概要)
以上のように、主制御基板100において各種処理が実行されることにより、特図遊技、普図遊技及び特別遊技が進行することとなる。そして、これら遊技の進行中には、主制御基板100から種々のコマンドを副制御基板300に送信し、このコマンドを副制御基板300が受信することにより、当該副制御基板300が、遊技の進行に伴う演出の制御を実行する。
以下では、特別図柄の変動表示に伴って実行され、当否抽選の結果を報知(示唆)し得る変動演出について説明する。
【0245】
(演出状態の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、後述する変動演出を実行するために参照される演出状態が複数種類設けられており、上述の遊技状態(通常遊技状態、低確率時短遊技状態LJT1、低確率時短遊技状態LJT2、高確率時短遊技状態)への移行、電断の発生、時短付与の当選等に基づいて、サブCPU301がいずれかの演出状態を設定するようになっている。また、演出状態ごとに選択可能な変動演出の実行態様がそれぞれ定められており、設定中の演出状態に応じたいずれかの実行態様により変動演出が実行され得るようになっている。
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pでは、演出状態として、通常遊技状態中に滞在する通常演出状態、低確率時短遊技状態LJT1中に滞在する低確率時短演出状態A1及び低確率時短演出状態A2、時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2中に滞在する低確率時短演出状態B、時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2中に滞在する低確率時短演出状態C、並びに、高確率時短遊技状態中に滞在する高確率時短演出状態が設けられている。
【0246】
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図41に示すように、通常遊技状態が設定される(通常遊技状態へ移行する)と、演出状態が通常演出状態に設定される(通常演出状態が開始される)。
通常遊技状態の設定に基づく通常演出状態において、時短付与に当選し時短図柄J1が決定されることにより低確率時短遊技状態LJT1へ移行すると、演出状態が低確率時短演出状態A1に設定され、また、時短付与に当選し時短図柄J2が決定されることにより時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2へ移行すると、演出状態が低確率時短演出状態Bに設定され、また、大当たりの当選に基づき時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2へ移行すると、演出状態が低確率時短演出状態Cに設定され、また、大当たりの当選に基づき高確率時短遊技状態へ移行すると、演出状態が高確率時短演出状態に設定される(
図41参照)。なお、特に図示していないが、通常演出状態(通常遊技状態)の設定中に電断が発生し通常電断復帰処理が行われた場合には、演出状態は通常演出状態のままとなる。
【0247】
低確率時短遊技状態LJT1へ移行したことに基づく低確率時短演出状態A1の設定中において、電断が発生し通常電断復帰処理が行われると(すなわち、RAMクリア処理の条件を満たしておらず、当該RAMクリア処理が行われることなく電断から復帰すると)、演出状態が低確率時短演出状態A2に設定される(
図41参照)。また、低確率時短演出状態A2の設定中において、時短付与に当選し時短図柄J1又はJ2が決定されると、演出状態が低確率時短演出状態A1に設定される(
図41参照)。なお、特に図示していないが、低確率時短演出状態A2の設定中に電断が発生し通常電断復帰処理が行われた場合には、演出状態は低確率時短演出状態A2のままとなる。
また、低確率時短遊技状態LJT1において、低確率時短演出状態A1及びA2のいずれの設定中であっても、大当たりの当選に基づき時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2へ移行すると、演出状態が低確率時短演出状態Cに設定され、また、大当たりの当選に基づき高確率時短遊技状態へ移行すると、演出状態が高確率時短演出状態に設定され、また、大当たりに当選することなく特別図柄の変動表示が10000回行われることにより通常遊技状態へ移行すると、演出状態が通常演出状態に設定される(
図41参照)。
【0248】
時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2へ移行したことに基づく低確率時短演出状態Bの設定中において、大当たりの当選に基づき時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2へ移行すると、演出状態が低確率時短演出状態Cに設定され、また、大当たりの当選に基づき高確率時短遊技状態へ移行すると、演出状態が高確率時短演出状態に設定され、また、大当たりに当選することなく特別図柄の変動表示が10000回行われることにより通常遊技状態へ移行すると、演出状態が通常演出状態に設定される(
図41参照)。なお、特に図示していないが、低確率時短演出状態B(時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2)の設定中に電断が発生し通常電断復帰処理が行われた場合には、演出状態は低確率時短演出状態Bのままとなる。
【0249】
時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2へ移行したことに基づく低確率時短演出状態Cの設定中において、大当たりの当選に基づき時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2へ再度移行すると、演出状態が低確率時短演出状態Cに再設定され、また、大当たりの当選に基づき高確率時短遊技状態へ移行すると、演出状態が高確率時短演出状態に設定され、また、大当たりに当選することなく特別図柄の変動表示が100回行われることにより通常遊技状態へ移行すると、演出状態が通常演出状態に設定される(
図41参照)。なお、特に図示していないが、低確率時短演出状態C(時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2)の設定中に電断が発生し通常電断復帰処理が行われた場合には、演出状態は低確率時短演出状態Cのままとなる。
【0250】
高確率時短遊技状態へ移行したことに基づく高確率時短演出状態の設定中において、大当たりの当選に基づき時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2へ移行すると、演出状態が低確率時短演出状態Cに設定され、また、大当たりの当選に基づき高確率時短遊技状態へ再度移行すると、演出状態が高確率時短演出状態に再設定され、また、大当たりに当選することなく特別図柄の変動表示が10000回行われることにより通常遊技状態へ移行すると、演出状態が通常演出状態に設定される(
図41参照)。なお、特に図示していないが、高確率時短演出状態(高確率時短遊技状態)の設定中に電断が発生し通常電断復帰処理が行われた場合には、演出状態は高確率時短演出状態のままとなる。
【0251】
(変動演出の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、特別図柄の変動表示に伴って、演出図柄50の表示態様により当否抽選の結果を報知(示唆)し得る変動演出が実行される。この変動演出では、演出表示装置21の表示部21aに表示される背景画像に重ねて、演出図柄50(ダミー図柄)の変動表示が行われる。そして、変動表示した後に停止表示された演出図柄50の組み合わせ(停止表示態様)により、当否抽選の結果を遊技者に報知し得るようになっている。
【0252】
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図42~
図46に示すように、演出図柄50は「1」~「9」の数字を表示する図柄(以下、数字図柄ともいう)となっている。
なお、演出図柄50は数字図柄に限定されるものではなく、停止表示された場合に所定の演出(たとえば、所定の仮停止表示態様による仮停止が所定回数実行される擬似連演出や、所定の保留を対象として実行され当該保留に基づく変動演出よりも前から実行可能な先読み演出等)が実行される旨を示す特殊図柄(たとえば、擬似連演出が実行される旨を示す擬似連図柄や、先読み演出が実行される旨を示す先読み図柄等)を設けてもよい。また、演出図柄50は、数字を表示する数字表示部と、数字以外の他の画像(たとえば、キャラクターの画像等)を表示する非数字表示部とから構成される図柄としてもよい。
【0253】
本形態に係るパチンコ機Pでは、特別図柄の変動表示が開始されると、全ての演出図柄50が停止表示された状態から、全ての演出図柄50の変動表示が開始される(
図42(a)~(b)、
図43(a)~(b)参照、
図44(a)~(b)参照、
図45(a)~(b)、
図46(a)~(b)参照)。なお、図中の下向き矢印は、演出図柄50が上方から下方へ向けてスクロールする表示がなされていることを示す。
その後、左側に位置する演出図柄50(以下、第1停止図柄ともいう)、右側に位置する演出図柄50(以下、第2停止図柄ともいう)、中央に位置する演出図柄50(以下、第3停止図柄ともいう)という順番で停止表示される(
図42(c)~(e)参照)。
【0254】
そして、当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合には、第1停止図柄、第2停止図柄及び第3停止図柄が全て同じ数字図柄(たとえば、222、555等)で停止表示されることにより大当たりの当選が報知される(
図43(e)参照)。なお、以下では、このような停止表示態様を「当選態様」ともいうものとする。
【0255】
これに対して、当否抽選の結果が時短付与の当選又はハズレであった場合には、第1停止図柄、第2停止図柄及び第3停止図柄の少なくともいずれか一が異なる数字図柄で停止表示されることにより、時短付与の当選又はハズレが報知される(
図42(e)、
図44(e)、
図45(f)、
図46(f)参照)。なお、以下では、このような停止表示態様を「非当選態様」ともいうものとする。このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、時短付与の当選及びハズレのいずれの場合であっても演出図柄50の停止表示態様が非当選態様となることから、遊技者は、この演出図柄50の停止表示態様からは、当否抽選の結果が大当たりの当選でないことは把握できるものの、時短付与の当選又はハズレのいずれであるかを把握することができないようになっている。
なお、時短付与に当選した場合には、演出図柄50の停止表示態様が上述の当選態様及び非当選態様とは異なる特殊な態様(たとえば、全ての演出図柄50が時短付与の当選に対応する特殊図柄(たとえば、「J」のアルファベット等)で停止表示される態様等)となるようにしてもよい。このようにした場合には、演出図柄50の停止表示態様により、遊技者に時短付与の当選を把握させることができる。
【0256】
また、変動演出の実行態様としては、大別して、ノーマル非当選変動パターン、発展ありリーチ変動パターン、発展なしリーチ変動パターン、特殊リーチ変動パターン及び特殊非当選変動パターンが設けられている。
ノーマル非当選変動パターンは、第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる数字図柄で停止表示された後に第3停止図柄がそのまま停止表示され、演出図柄50の停止表示態様が非当選態様となる実行態様である(
図42(c)~(e)参照)。
発展ありリーチ変動パターンは、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の数字図柄で停止表示されるリーチ表示が行われた後、第3停止図柄の変動表示と共に、表示部21aにおいて所定の発展演出画像を表示するリーチ発展演出が実行された上で第3停止図柄が停止表示され、演出図柄50の停止表示態様が非当選態様又は当選態様となる実行態様である(
図43(c)~(e)参照)。
発展なしリーチ変動パターンは、特に図示していないが、リーチ表示が行われた後に、上述のリーチ発展演出が実行されることなく第3停止図柄が停止表示され、演出図柄50の停止表示態様が非当選態様又は当選態様となる実行態様である。
特殊リーチ変動パターンは、演出図柄50の変動表示の開始後、第1停止図柄、第2停止図柄及び第3停止図柄の変動表示と共に、表示部21aにおいて、特殊発展演出画像が表示される特殊リーチ発展演出の実行の有無を煽る特殊煽り演出が実行され、特殊リーチ発展演出を実行する旨の示唆が行われた後にリーチ表示が行われ、上述の特殊リーチ発展演出が実行された上で第3停止図柄が停止表示され、演出図柄50の停止表示態様が非当選態様となる実行態様である(
図45(c)~(f)、
図46(c)~(f)参照)。
特殊非当選変動パターンは、演出図柄50の変動表示の開始後、第1停止図柄、第2停止図柄及び第3停止図柄の変動表示と共に、表示部21aにおいて上述の特殊煽り演出が実行されるものの、特殊リーチ発展演出を実行しない旨の示唆が行われ、リーチ表示が行われることなく、第1停止図柄、第2停止図柄及び第3停止図柄が停止表示され、演出図柄50の停止表示態様が非当選態様となる実行態様である(
図44(c)~(e)参照)。
【0257】
本形態に係るパチンコ機Pでは、発展ありリーチ変動パターンは、発展なしリーチ変動パターンよりも、大当たりに当選した場合に実行される可能性が高く設定されているため、遊技者の期待感を高めることとなる。
【0258】
また、各実行態様には、演出図柄50の変動表示の仕方、当該変動表示中に表示される各種画像(たとえば、演出図柄50と異なる動画や静止画であって、大当たりの当選に対する期待感を高める予告画像、上述の発展演出画像)等が種々設定されている。
たとえば、発展ありリーチ変動パターンのリーチ発展演出において表示される発展演出画像としては、ハズレ、時短付与の当選及び大当たりの当選のいずれの場合にも表示され得るものの、大当たりに当選した場合に表示される可能性が相対的に低く設定された低期待度発展演出画像、ハズレ、時短付与の当選及び大当たりの当選のいずれの場合にも表示され得るものの、大当たりに当選した場合に表示される可能性が相対的に高く設定された高期待度発展演出画像、ハズレ及び時短付与の当選の場合には表示されず大当たりに当選した場合にのみ表示され得る大当たり確定発展演出画像等が設けられている。
これにより、リーチ発展演出において、高期待度発展演出画像が表示された場合には低期待度発展演出画像が表示された場合よりも、大当たりの当選の期待度が高まり、また、大当たり確定発展演出画像が表示された場合には大当たりの当選を認識することができるため、遊技者の興趣を高めることができる。
【0259】
また、上述の各演出においては、画像の表示のみならず、所定の音声を出力してもよいし、演出照明装置23(ランプ)を所定の点灯パターンや色で発光させてもよい。
【0260】
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、演出状態及び当否抽選の結果ごとに実行可能な変動演出の実行態様が定められており、設定中の演出状態及び当否抽選の結果に対応して実行可能ないずれかの実行態様により変動演出が実行されるようになっている。
各演出状態中において実行される変動演出の概要については、後程詳述する。
【0261】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、特別図柄の変動表示に伴って、上述の演出図柄50の変動表示に加え、表示部21aの右下隅において、演出図柄50よりも極めて小さいサイズであって演出図柄50よりも遊技者が視認し難いミニ図柄MDの変動表示が行われるようになっている(
図42(a)等参照)。そして、変動表示した後に停止表示されたミニ図柄MDの組み合わせ(停止表示態様)によっても、当否抽選の結果が遊技者に報知(示唆)されるようになっている。
【0262】
ミニ図柄MDは、演出図柄50と同様の「1」~「9」の数字図柄、及び、演出図柄50には用いられていない「0」の数字図柄となっており、
図42等に示すように、3個のミニ図柄MDが横並びに表示される。特別図柄の変動表示が開始されると、全てのミニ図柄MDが停止表示された状態から、全てのミニ図柄MDの変動表示(上方から下方に向けてのスクロール表示)が開始され、特別図柄の変動表示が終了すると(特別図柄が停止表示されると)、左側に位置するミニ図柄MD、中央に位置するミニ図柄MD及び右側に位置するミニ図柄MDが、一斉に停止表示する。
【0263】
このとき、演出状態にかかわらず当否抽選の結果がハズレ又は大当たりの当選であった場合、及び、低確率時短演出状態A1、低確率時短演出状態B、低確率時短演出状態C又は高確率時短演出状態において時短付与の当選であった場合には、左側に位置するミニ図柄MDは左側に位置する演出図柄50(第1停止図柄)と同一の数字図柄で停止表示され、中央に位置するミニ図柄MDは中央に位置する演出図柄50(第3停止図柄)と同一の数字図柄で停止表示され、右側に位置するミニ図柄MDは右側に位置する演出図柄50(第2停止図柄)と同一の数字図柄で停止表示されるようになっている(
図42(e)、
図43(e)、
図44(e)参照)。すなわち、対応する位置の演出図柄50及びミニ図柄MDはいずれも同一の数字図柄で停止表示される。
一方、通常演出状態又は低確率時短演出状態A2において時短付与の当選であった場合には、左側に位置するミニ図柄MDは左側に位置する演出図柄50と同一の数字図柄で停止表示され、右側に位置するミニ図柄MDは右側に位置する演出図柄50と同一の数字図柄で停止表示されるものの、中央に位置するミニ図柄MDは「0」の数字図柄(すなわち、中央に位置する演出図柄50と異なる数字図柄)で停止表示されるようになっている(
図45(f)、
図46(f)参照)。
【0264】
(背景画像の表示の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、演出表示装置21の表示部21aに表示される背景画像として、通常遊技状態及び時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT1に対応する第1背景画像(
図42(a)~(e)、
図43(a)~(c)、
図44(a)~(b)及び(e)、
図45(a)~(b)、
図46(a)~(b)及び(g)参照)、時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2に対応する第2背景画像(
図47(b)参照)、時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2及び高確率時短遊技状態に対応する第3背景画像(
図45(g)参照)が設けられており、各遊技状態中には背景画像が表示部21aに表示されるようになっている。
【0265】
具体的には、RAMクリア後や、大当たりに当選することなく100回の特別図柄の変動表示が実行されたことにより時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2が終了した後に設定される通常遊技状態中、及び、通常遊技状態中の時短図柄J1の決定に基づき設定される時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT1中にはいずれも、第1背景画像が表示される。すなわち、通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態LJT1中にはいずれも、同一の背景画像が表示される。これにより、遊技者は、表示されている背景画像にからは通常遊技状態又は低確率時短遊技状態LJT1のいずれが設定されているのかを把握することができないようになっている。
大当たり図柄X1又はX4の決定に基づく特別遊技の終了後(特定領域57へ所定数の遊技球が入球しなかった場合)に設定される時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2中には、第2背景画像が表示される。
通常遊技状態中の時短図柄J2の決定に基づき設定される時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2中、及び、大当たり図柄X2、X3、X5又はX6の決定に基づく特別遊技の終了後(特定領域57へ所定数の遊技球が入球した場合)に設定される高確率時短遊技状態中にはいずれも、第3背景画像が表示される。すなわち、時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2中及び高確率時短遊技状態中にはいずれも、同一の背景画像が表示される。これらは大当たりに当選する確率が異なる別個の遊技状態ではあるものの、いずれも大当たりに当選するまで継続し普図遊技の性能も同一であるため、実質的には同様の有利度の遊技状態であるといえる。そのため、同一の背景画像を表示することにより、異なる遊技状態である旨を積極的に示唆せずに、遊技者に対して同一の遊技状態で遊技をしているような印象を与えることができる。
なお、時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2中、及び、高確率時短遊技状態中はそれぞれ異なる背景画像が表示されるようにしてもよい。
【0266】
(各演出状態中に実行され得る演出の概要)
以下、各演出状態中に実行され得る各種演出について、具体的に説明する。
(1)通常演出状態中(通常遊技状態中)
上述したように、RAMクリア後や、大当たりに当選することなく100回の特別図柄の変動表示が実行されたことにより時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2が終了した後には、通常遊技状態が設定されるとともに、演出状態が通常演出状態に設定される。
そして、通常演出状態(通常遊技状態)の設定に伴い、表示部21aにおいて、第1背景画像の表示が行われるとともに、チャンスゾーンである通常遊技状態に滞在している可能性がある旨を示唆するチャンスゾーン滞在示唆(たとえば、「キャラ登場でスーパータイム!?」という文字が横方向にスクロールするチャンスゾーン滞在示唆画像の表示等)が行われるようになっている(
図42(a)~(e)、
図43(a)~(c)、
図44(a)~(e)、
図45(a)~(f)、
図46(a)~(f)参照)。第1背景画像の表示及びチャンスゾーン滞在示唆は、一部の期間を除き、通常演出状態中(通常遊技状態中)において継続して実行される。なお、通常演出状態中(通常遊技状態中)に電断が発生し通常電断復帰処理が実行された場合には、通常演出状態(通常遊技状態)のままとなるため、電断復帰後も、第1背景画像の表示及びチャンスゾーン滞在示唆が行われる。
また、特に図示していないが、通常遊技状態の設定に伴い、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しを示唆する左打ち示唆(たとえば、「←←←左打ち」という左打ち示唆画像の表示、当該打ち出しを示唆する左打ちランプの点灯等)も行われるようになっている。この左打ち示唆は、通常演出状態中(通常遊技状態中)に継続して実行するようにしてもよいし、通常演出状態(通常遊技状態)が設定されてから所定の終了時点(たとえば、最初の変動演出が開始されてから所定時間(たとえば、5秒等)が経過した時点)に至るまで継続して実行するようにしてもよい。
【0267】
そして、特別図柄の変動表示に伴って変動演出が実行される。
(1-1)当否抽選の結果がハズレであった場合
通常演出状態中(通常遊技状態中)において、当否抽選の結果がハズレであった場合には、ノーマル非当選変動パターン、発展なしリーチ変動パターン、発展ありリーチ変動パターン又は特殊非当選変動パターンのいずれかによる変動演出を実行し得るようになっている。
【0268】
具体的には、ノーマル非当選変動パターンによる変動演出では、表示部21aにおいて上述のようにチャンスゾーン滞在示唆が行われたまま、特別図柄(ハズレ図柄)の変動表示が開始されると、表示部21aの中央において全ての演出図柄50の変動表示が開始されるとともに、表示部21aの右下隅において全てのミニ図柄MDの変動表示が開始される(
図42(a)~(b)参照)。
このノーマル非当選変動パターンによる変動演出では、上述したように、リーチ表示は行われない(
図42(c)~(d)参照)。
そして、特別図柄の変動時間が経過し第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31にハズレ図柄が停止表示されると、非当選態様により全ての演出図柄50が停止表示するとともに、各演出図柄50と対応する位置のミニ図柄MDが当該演出図柄50と同一の数字図柄により停止表示する(
図42(c)~(e)参照)。その後、停止表示時間(0.5秒)が経過するまで、これら演出図柄50及びミニ図柄MDの停止表示が行われる。
【0269】
発展なしリーチ変動パターンによる変動演出では、上述のノーマル非当選変動パターンによる変動演出と同様に、チャンスゾーン滞在示唆が行われたまま、特別図柄(ハズレ図柄)の変動表示が開始されると、演出図柄50及びミニ図柄MDの変動表示が開始される(
図43(a)~(b)参照)。その後、表示部21aの中央においてリーチ表示が行われる(
図43(c)参照)。
この発展なしリーチ変動パターンによる変動演出では、上述したように、リーチ表示後にリーチ発展演出は行われない。
そして、上述のノーマル非当選変動パターンによる変動演出と同様に、特別図柄の変動時間が経過し第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31にハズレ図柄が停止表示されると、非当選態様により全ての演出図柄50が停止表示するとともに、各演出図柄50と対応する位置のミニ図柄MDが当該演出図柄50と同一の数字図柄により停止表示する。その後、停止表示時間(0.5秒)が経過するまで、これら演出図柄50及びミニ図柄MDの停止表示が行われる。
【0270】
発展ありリーチ変動パターンによる変動演出では、上述の発展なしリーチ変動パターンによる変動演出と同様に、チャンスゾーン滞在示唆が行われたまま、特別図柄(ハズレ図柄)の変動表示が開始されると、演出図柄50及びミニ図柄MDの変動表示が開始され、その後、表示部21aの中央においてリーチ表示が行われる(
図43(a)~(c)参照)。
リーチ表示が行われた後はリーチ発展演出が実行される。このリーチ発展演出では、表示部21aの一部や全面において種々の発展演出画像(上述の低期待度発展演出画像、高期待度発展演出画像等)が表示される(
図43(d)参照)。
また、リーチ発展演出の実行中は、発展演出画像の視認性の低下を防止するために、演出図柄50の変動表示(第1停止図柄及び第2停止図柄によるリーチ表示、及び、第3停止図柄の変動表示)が表示部21aの中央ではなく右上隅において行われるとともに、チャンスゾーン滞在示唆は行わないようになっている(
図43(d)参照)。
なお、リーチ発展演出の実行中は、演出図柄50の変動表示を一切行わないようにしてもよいし、また、リーチ発展演出の実行中であっても、チャンスゾーン滞在示唆を行うようにしてもよい。
そして、このリーチ発展演出においては、当否抽選の結果がハズレである旨を示唆するハズレ示唆(たとえば、発展演出画像により示されていた所定のストーリーの結果が失敗となった旨を示すハズレ示唆画像の表示等)が行われ、リーチ発展演出が終了する。なお、このリーチ発展演出は、特別図柄の変動時間が経過する(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示される)直前に終了する。
その後は、上述の発展なしリーチ変動パターンによる変動演出と同様に、特別図柄の変動時間が経過し第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31にハズレ図柄が停止表示されると、表示部21aの中央において非当選態様により全ての演出図柄50が停止表示するとともに、各演出図柄50と対応する位置のミニ図柄MDが当該演出図柄50と同一の数字図柄により停止表示する。その後、停止表示時間(0.5秒)が経過するまで、これら演出図柄50及びミニ図柄MDの停止表示が行われる。
【0271】
特殊非当選変動パターンによる変動演出では、上述の発展なしリーチ変動パターンによる変動演出と同様に、チャンスゾーン滞在示唆が行われたまま、特別図柄(ハズレ図柄)の変動表示が開始されると、演出図柄50及びミニ図柄MDの変動表示が開始される(
図44(a)~(b)参照)。
その後、後述する特殊リーチ発展演出の実行の有無を煽る特殊煽り演出が実行される。この特殊煽り演出では、表示部21aの全面において特殊煽り画像(たとえば、特殊リーチ発展演出において用いられるキャラクターが登場するかどうかを煽る画像等(当該キャラクターの登場に期待感を抱かせる画像))が表示される(
図44(c)参照)。
また、特殊煽り演出の実行中は、特殊煽り画像の視認性の低下を防止するために、演出図柄50の変動表示(第1停止図柄、第2停止図柄及び第3停止図柄の変動表示)が表示部21aの中央ではなく右上隅において行われるようになっている(
図44(c)参照)。これに対して、チャンスゾーン滞在示唆は、特殊煽り演出の実行中も継続して行われるようになっている(
図44(c)~(d)参照)。
なお、特殊煽り演出の実行中は、演出図柄50の変動表示を一切行わないようにしてもよいし、チャンスゾーン滞在示唆も行わないようにしてもよい。
そして、この特殊煽り演出においては、上述したように、特殊リーチ発展演出を実行しない旨の示唆(たとえば、特殊リーチ発展演出において用いられるキャラクターが登場しなかった旨を示唆する非実行示唆画像の表示等)が行われ(
図44(d)参照)、特殊煽り演出が終了する。なお、この特殊煽り演出は、特別図柄の変動時間が経過する(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31にハズレ図柄が停止表示される)直前に終了する。
その後は、上述の発展なしリーチ変動パターンや発展ありリーチ変動パターンによる変動演出と同様に、特別図柄の変動時間が経過し第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31にハズレ図柄が停止表示されると、表示部21aの中央において非当選態様により全ての演出図柄50が停止表示するとともに、各演出図柄50と対応する位置のミニ図柄MDが当該演出図柄50と同一の数字図柄により停止表示する。その後、停止表示時間(0.5秒)が経過するまで、これら演出図柄50及びミニ図柄MDの停止表示が行われる。
【0272】
(1-2)当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合
通常演出状態中(通常遊技状態中)において、当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合には、発展なしリーチ変動パターン又は発展ありリーチ変動パターンのいずれかによる変動演出を実行し得るようになっている。
【0273】
当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合における発展なしリーチ変動パターンによる変動演出は、上述したハズレの場合における発展なしリーチ変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、特別図柄の変動時間が経過し第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に大当たり図柄が停止表示されると、表示部21aの中央において当選態様により全ての演出図柄50が停止表示するとともに、各演出図柄50と対応する位置のミニ図柄MDが当該演出図柄50と同一の数字図柄により停止表示する(
図43(e)参照)。また、表示部21aにおいて、大当たりに当選した旨を報知する当選報知画像(たとえば、「BONUS!」という画像)が表示される(
図43(f)参照)。そして、停止表示時間(0.5秒)が経過するまで演出図柄50及びミニ図柄MDの停止表示が行われ、当該停止表示時間が経過すると特別遊技が開始される。
【0274】
当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合における発展ありリーチ変動パターンによる変動演出も、上述したハズレの場合における発展ありリーチ変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行されるが、リーチ発展演出においては、ハズレの場合と異なり、当否抽選の結果が大当たりである旨を示唆する大当たり示唆(たとえば、発展演出画像により示されていた所定のストーリーの結果が成功となった旨を示す大当たり示唆画像の表示等)が行われる。
そして、特別図柄の変動時間が経過し第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に大当たり図柄が停止表示されると、表示部21aの中央において当選態様により全ての演出図柄50が停止表示するとともに、各演出図柄50と対応する位置のミニ図柄MDが当該演出図柄50と同一の数字図柄により停止表示する(
図43(e)参照)。また、表示部21aにおいて、上述の当選報知画像が表示される(
図43(f)参照)。そして、停止表示時間(0.5秒)が経過するまで演出図柄50及びミニ図柄MDの停止表示が行われ、当該停止表示時間が経過すると特別遊技が開始される。
【0275】
(1-3)当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J2が決定された場合
通常演出状態中(通常遊技状態中)において、当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J2が決定された場合には、特殊リーチ変動パターンによる変動演出が実行されるようになっている。
【0276】
時短図柄J2が決定された場合に実行される特殊リーチ変動パターンによる変動演出では、上述の当否抽選の結果がハズレであった場合における特殊非当選変動パターンによる変動演出と同様に、チャンスゾーン滞在示唆が行われたまま、特別図柄(時短図柄J2)の変動表示が開始されると、演出図柄50及びミニ図柄MDの変動表示が開始され、その後、特殊煽り演出が実行される(
図45(a)~(c)参照)。また、特殊煽り演出の実行中における演出図柄50の変動表示、及びチャンスゾーン滞在示唆の態様も、上述の当否抽選の結果がハズレであった場合における特殊非当選変動パターンによる変動演出と同様となっている(
図45(c)参照)。
そして、この特殊煽り演出においては、上述したように、特殊リーチ発展演出を実行する旨の示唆(たとえば、特殊リーチ発展演出において用いられるキャラクターの登場を示唆する実行示唆画像の表示等)が行われ(
図45(d)参照)、特殊煽り演出が終了する。この特殊煽り演出は、特別図柄の変動時間が経過する(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に時短図柄J2が停止表示される)直前に終了する。
その後、特別図柄の変動時間が経過し第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に時短図柄J2が停止表示されると、表示部21aの右上隅においてリーチ表示が行われるとともに、表示部21aの全面において特殊リーチ発展演出(たとえば、登場したキャラクターと敵キャラクターにより行われる対決の画像の表示等)が開始される(
図45(e)参照)。また、この際、第1停止図柄と対応する位置のミニ図柄MDが当該演出図柄50と同一の数字図柄により停止表示し、第2停止図柄と対応する位置のミニ図柄MDが当該演出図柄50と同一の数字図柄により停止表示し、第3停止図柄と対応する位置のミニ図柄MDが「0」の数字図柄により停止表示する(
図45(e)参照)。これにより、視認は困難であるものの、ミニ図柄MDの停止表示態様によって時短付与の当選が示唆されることとなる。
そして、この特殊リーチ発展演出においては、当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J2が決定された旨(すなわち、時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2へ移行する旨)を示唆する高有利結果決定示唆(たとえば、登場したキャラクターが対決に勝利した旨を示す「WIN!」という画像の表示等)が行われるとともに、表示部21aの右上隅において、第3停止図柄が第1停止図柄及び第2停止図柄と異なる数字図柄(たとえば、第1停止図柄及び第2停止図柄と1違いの数字図柄等)が停止表示することにより、非当選態様により全ての演出図柄50が停止表示し、特殊リーチ発展演出が終了する。この特殊リーチ発展演出は、停止表示時間(20秒)が経過する直前に終了する。すなわち、特殊リーチ発展演出は、時短図柄J2が停止表示されてから停止表示時間(20秒)が経過するまでの間において実行されるようになっている。
その後は、停止表示時間(20秒)が経過するまで演出図柄50及びミニ図柄MDの停止表示が行われ、当該停止表示時間が経過すると、時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2が設定されるとともに、演出状態が低確率時短演出状態Bに設定される。この際、表示部21aにおいて行われていたチャンスゾーン滞在示唆が終了するとともに、第3背景画像の表示、時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2が設定された旨を示唆する高有利状態設定示唆(たとえば、「スーパータイムスタート!」という高有利状態設定示唆画像の表示等)、及び右打ち示唆(たとえば、「→→→右打ち」という右打ち示唆画像の表示、右打ちを示唆する右打ちランプの点灯等)も行われる(
図45(g)参照)。
なお、この右打ち示唆は、上述の低確率時短遊技状態LJT2中(低確率時短演出状態B中)に継続して実行するようにしてもよいし、低確率時短遊技状態LJT2(低確率時短演出状態B)が設定されてから所定の終了時点(たとえば、最初の変動演出が開始されてから所定時間(たとえば、5秒等)が経過した時点)に至るまで継続して実行するようにしてもよい。
【0277】
(1-4)当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J1が決定された場合
通常演出状態中(通常遊技状態中)において、当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J1が決定された場合には、時短図柄J2が決定された場合と同様に、特殊リーチ変動パターンによる変動演出が実行されるようになっている。
【0278】
時短図柄J1が決定された場合に実行される特殊リーチ変動パターンによる変動演出においては、チャンスゾーン滞在示唆の態様、特別図柄(時短図柄J1)の変動表示の開始により開始される演出図柄50及びミニ図柄MDの変動表示の態様、特殊煽り演出の態様はいずれも、上述の時短図柄J2が決定された場合に実行される特殊リーチ変動パターンによる変動演出と同様となっている(
図46(a)~(d)参照)。なお、特殊煽り演出は、特別図柄の変動時間が経過する(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に時短図柄J1が停止表示される)直前に終了する。
その後、時短図柄J2が決定された場合に実行される特殊リーチ変動パターンによる変動演出と同様に、特別図柄の変動時間が経過し第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に時短図柄J1が停止表示されると、表示部21aの右上隅においてリーチ表示が行われるとともに、表示部21aの全面において特殊リーチ発展演出が開始される(
図46(e)参照)。また、この際、第1停止図柄と対応する位置のミニ図柄MDが当該演出図柄50と同一の数字図柄により停止表示し、第2停止図柄と対応する位置のミニ図柄MDが当該演出図柄50と同一の数字図柄により停止表示し、第3停止図柄と対応する位置のミニ図柄MDが「0」の数字図柄により停止表示する(
図46(e)参照)。これにより、視認は困難であるものの、ミニ図柄MDの停止表示態様によって時短付与の当選が示唆されることとなる。
そして、この特殊リーチ発展演出においては、当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J1が決定された旨(すなわち、低確率時短遊技状態LJT1へ移行する旨)を示唆する低有利結果決定示唆(たとえば、登場したキャラクターが対決に敗北した旨を示す「LOSE・・・」という画像の表示等)が行われるとともに、表示部21aの右上隅において、第3停止図柄が第1停止図柄及び第2停止図柄と異なる数字図柄(たとえば、第1停止図柄及び第2停止図柄と1違いの数字図柄等)が停止表示することにより、非当選態様により全ての演出図柄50が停止表示し、特殊リーチ発展演出が終了する。この特殊リーチ発展演出は、停止表示時間(20秒)が経過する直前に終了する。すなわち、特殊リーチ発展演出は、時短図柄J1が停止表示されてから停止表示時間(20秒)が経過するまでの間において実行されるようになっている。
その後は、停止表示時間(20秒)が経過するまで演出図柄50及びミニ図柄MDの停止表示が行われ、当該停止表示時間が経過すると、低確率時短遊技状態LJT1が設定されるとともに、演出状態が低確率時短演出状態A1に設定される(
図41参照)。この際、表示部21aにおいて行われていたチャンスゾーン滞在示唆は終了するものの、通常演出状態中(通常遊技状態中)に表示されていた第1背景画像は引き続き表示される(
図46(g)参照)。
【0279】
(2)低確率時短演出状態A1中(低確率時短遊技状態LJT1中)
上述したように、通常遊技状態中に時短付与に当選し時短図柄J1が決定されると、低確率時短遊技状態LJT1へ移行するとともに、演出状態が低確率時短演出状態A1に設定される。また、低確率時短演出状態A2(低確率時短演出遊技状態A1中にRAMクリア処理が行われることなく電断から復帰した場合に設定される演出状態)中に時短付与に当選し時短図柄J1又はJ2が決定されると、演出状態が低確率時短演出状態A1に設定される。
そして、通常遊技状態から低確率時短遊技状態LJT1へ移行し、演出状態が低確率時短演出状態A1に設定されると、上述したように、通常演出状態中(通常遊技状態中)に行われていたチャンスゾーン滞在示唆が終了する一方で、第1背景画像の表示は継続するようになっている(
図46(g)参照)。また、後述するように、低確率時短演出状態A2においては、通常演出状態中と同様に第1背景画像の表示及びチャンスゾーン滞在示唆が行われるようになっているものの、演出状態が低確率時短演出状態A1に設定されると、チャンスゾーン滞在示唆が終了する一方で、第1背景画像の表示は継続するようになっている。
すなわち、低確率時短演出状態A1中は、通常演出状態中や低確率時短演出状態A2中と同様の第1背景画像が表示されるものの、チャンスゾーン滞在示唆は行われない。
また、演出状態が低確率時短演出状態A1に設定された際には、演出状態が通常演出状態(通常遊技状態)に設定された場合と異なり、上述の左打ち示唆は行われない(
図46(g)参照)。
【0280】
そして、特別図柄の変動表示に伴って変動演出が実行される。
(2-1)当否抽選の結果がハズレであった場合
低確率時短演出状態A1中において、当否抽選の結果がハズレであった場合には、通常演出状態において当否抽選の結果がハズレであった場合と異なり、特殊非当選変動パターンによる変動演出は実行されず、ノーマル非当選変動パターン、発展なしリーチ変動パターン又は発展ありリーチ変動パターンのいずれかによる変動演出を実行し得るようになっている。
そして、チャンスゾーン滞在示唆が行われない点を除き、ノーマル非当選変動パターンによる変動演出は、通常演出状態において当否抽選の結果がハズレであった場合のノーマル非当選変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展なし変動パターンによる変動演出は、通常演出状態において当否抽選の結果がハズレであった場合の発展なし変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展あり変動パターンによる変動演出は、通常演出状態において当否抽選の結果がハズレであった場合の発展あり変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行されるようになっている。
【0281】
(2-2)当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合
低確率時短演出状態A1中において、当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合には、通常演出状態において当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合と同様に、発展なしリーチ変動パターン又は発展ありリーチ変動パターンのいずれかによる変動演出を実行し得るようになっている。
そして、チャンスゾーン滞在示唆が行われない点を除き、発展なし変動パターンによる変動演出は、通常演出状態において当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合の発展なし変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展あり変動パターンによる変動演出は、通常演出状態において当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合の発展あり変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行されるようになっている。
【0282】
(2-3)当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J1又はJ2が決定された場合
低確率時短演出状態A1中において、当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J1又はJ2が決定された場合にはいずれも、通常演出状態において当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J1又はJ2が決定された場合と異なり、特殊リーチ変動パターンによる変動演出は実行されず、ノーマル非当選変動パターンによる変動演出が実行されるようになっている。
なお、上述したように、低確率時短演出状態A1中は通常演出状態中と異なり、チャンスゾーン滞在示唆が行われず、表示部21aにチャンスゾーン滞在示唆画像が表示されていない状態のまま、ノーマル非当選変動パターンによる変動演出が実行される。
このノーマル非当選変動パターンによる変動演出では、通常演出状態中と同様に、特別図柄(時短図柄J1又はJ2)の変動表示が開始されると、表示部21aの中央において全ての演出図柄50の変動表示が開始されるとともに、表示部21aの右下隅において全てのミニ図柄MDの変動表示が開始される。このノーマル非当選変動パターンによる変動演出では、リーチ表示は行われない。
そして、特別図柄の変動時間が経過し第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に時短図柄J1又はJ2が停止表示されると、非当選態様により全ての演出図柄50が停止表示するとともに、各演出図柄50と対応する位置のミニ図柄MDが当該演出図柄50と同一の数字図柄により停止表示する。その後、停止表示時間(0.5秒)が経過するまで、これら演出図柄50及びミニ図柄MDの停止表示が行われる。
なお、設定中の遊技状態は低確率時短遊技状態LJT1であるため、時短図柄J1又はJ2が決定されたものの、上述の停止表示時間が経過しても遊技状態は変更されず、設定中の低確率時短遊技状態LJT1が継続する。また、演出状態も、低確率時短演出状態A1のまま継続する(
図41参照)。
【0283】
低確率時短演出状態A1においては、時短付与に当選しても設定中の遊技状態は低確率時短遊技状態LJT1のままであることから、通常演出状態中に時短付与に当選した場合のように、特殊リーチ変動パターンによる変動演出を実行し時短図柄J1や時短図柄J2の決定を示唆すると、遊技状態が変更されるような印象を遊技者に与えるおそれがある。
そこで、低確率時短演出状態A1においては、当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合、当否抽選の結果がハズレの場合に実行され得るノーマル非当選変動パターンによる変動演出が行われ、かつ非当選態様による演出図柄50の停止表示及び当該演出図柄50と同一の数字図柄によるミニ図柄MDの停止表示が行われるようにしている。
これにより、低確率時短演出状態A1においては、時短付与に当選しても、変動演出の実行態様、演出図柄50の停止表示態様、ミニ図柄MDの停止表示態様から時短付与の当選を把握することができず、遊技者に対して、当否抽選の結果がハズレであったような印象を与えることができ、ひいては、遊技状態が変更されるような印象を遊技者に与えることを防止可能となる。
【0284】
(3)低確率時短演出状態A2中(低確率時短遊技状態LJT1中)
上述したように、低確率時短演出状態A1中に電断が発生し、RAMクリア処理が行われることなく電断から復帰すると(通常電断復帰処理が実行されると)、低確率時短遊技状態LJT1はそのままに、演出状態が低確率時短演出状態A2に設定される。
そして、演出状態が低確率時短演出状態A2に設定されると、通常演出状態中と同様に、表示部21aにおいて、第1背景画像の表示が行われるとともに、チャンスゾーン滞在示唆が行われるようになっている(
図42(a)~(e)、
図43(a)~(c)、
図44(a)~(e)、
図45(a)~(f)、
図46(a)~(f)参照)。第1背景画像の表示及びチャンスゾーン滞在示唆は、一部の期間を除き、低確率時短演出状態A2中において継続して実行される。なお、低確率時短演出状態A2中(低確率時短遊技状態LJT1中)に電断が発生し通常電断復帰処理が実行された場合には、低確率時短演出状態A2(低確率時短遊技状態LJT1)のままとなるため、電断復帰後も、第1背景画像の表示及びチャンスゾーン滞在示唆が行われる。
なお、電断から復帰し遊技状態が低確率時短演出状態A2に設定された場合には、左打ち示唆を実行するようにしてもよいし、実行しないようにしてもよい。
【0285】
そして、特別図柄の変動表示に伴って変動演出が実行される。
(3-1)当否抽選の結果がハズレであった場合
低確率時短演出状態A2中において、当否抽選の結果がハズレであった場合には、通常演出状態において当否抽選の結果がハズレであった場合と同様に、ノーマル非当選変動パターン、発展なしリーチ変動パターン、発展ありリーチ変動パターン又は特殊非当選変動パターンのいずれかによる変動演出を実行し得るようになっている。
これらの実行態様による変動演出は、通常演出状態中と同様に、チャンスゾーン滞在示唆が行われたまま実行される。そして、ノーマル非当選変動パターンによる変動演出は、通常演出状態において当否抽選の結果がハズレであった場合のノーマル非当選変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展なし変動パターンによる変動演出は、通常演出状態において当否抽選の結果がハズレであった場合の発展なし変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展あり変動パターンによる変動演出は、通常演出状態において当否抽選の結果がハズレであった場合の発展あり変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展あり変動パターンによる変動演出は、通常演出状態において当否抽選の結果がハズレであった場合の発展あり変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、特殊非当選変動パターンによる変動演出は、通常演出状態において当否抽選の結果がハズレであった場合の特殊非当選変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行されるようになっている(
図42、
図44等参照)。
【0286】
(3-2)当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合
低確率時短演出状態A2中において、当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合には、通常演出状態において当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合と同様に、発展なしリーチ変動パターン又は発展ありリーチ変動パターンのいずれかによる変動演出を実行し得るようになっている。
これらの実行態様による変動演出は、通常演出状態中と同様に、チャンスゾーン滞在示唆が行われたまま実行される。そして、発展なし変動パターンによる変動演出は、通常演出状態において当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合の発展なし変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展あり変動パターンによる変動演出は、通常演出状態において当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合の発展あり変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行されるようになっている(
図43等参照)。
【0287】
(3-3)当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J1又はJ2が決定された場合
低確率時短演出状態A2中において、当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J1又はJ2が決定された場合にはいずれも、チャンスゾーン滞在示唆が行われたまま、特殊非当選変動パターンによる変動演出が実行されるようになっている。
この時短図柄J1又はJ2の決定に基づく特殊非当選変動パターンによる変動演出は、通常演出状態においてハズレとなった場合の特殊非当選変動パターンとほぼ同様の態様により実行されるようになっている。
具体的には、特別図柄(時短図柄J1又はJ2)の変動表示が開始されると、演出図柄50及びミニ図柄MDの変動表示が開始され、その後、特殊煽り演出が実行される(
図44(a)~(d)参照)。
この特殊煽り演出においては、特殊リーチ発展演出を実行しない旨の示唆が行われ(
図44(d)参照)、特殊煽り演出が終了する。なお、この特殊煽り演出は、特別図柄の変動時間が経過する(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31にハズレ図柄が停止表示される)直前に終了する。
その後は、特別図柄の変動時間が経過し第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に時短図柄J1又はJ2が停止表示されると、表示部21aの中央において非当選態様により全ての演出図柄50が停止表示するとともに、各演出図柄50と対応する位置のミニ図柄MDが当該演出図柄50と同一の数字図柄により停止表示する。その後、停止表示時間(0.5秒)が経過するまで、これら演出図柄50及びミニ図柄MDの停止表示が行われる。
ここで、設定中の遊技状態は低確率時短遊技状態LJT1であるため、時短図柄J1又はJ2が決定されたものの、上述の停止表示時間が経過しても遊技状態は変更されず、設定中の低確率時短遊技状態LJT1が継続する。これに対して、演出状態は低確率時短演出状態A1に設定される(
図41参照)。そして、この際、表示部21aにおいて行われていたチャンスゾーン滞在示唆は終了するものの、低確率時短演出状態A2中(低確率時短遊技状態LJT1中)に表示されていた第1背景画像は引き続き表示される(
図46(g)参照)。
【0288】
(4)低確率時短演出状態B中(時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2中)
上述したように、通常遊技状態中に時短付与に当選し時短図柄J2が決定されると、時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2へ移行するとともに、演出状態が低確率時短演出状態Bに設定される。
そして、通常遊技状態から時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2へ移行し、演出状態が低確率時短演出状態Bに設定されると、上述したように、通常演出状態中(通常遊技状態中)に行われていたチャンスゾーン滞在示唆が終了するとともに、第3背景画像が表示される(
図45(g)参照)。
【0289】
そして、特別図柄の変動表示に伴って変動演出が実行される。
(4-1)当否抽選の結果がハズレであった場合
低確率時短演出状態B中(時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2中)において、当否抽選の結果がハズレであった場合には、特に図示していないが、低確率時短演出状態A1において当否抽選の結果がハズレであった場合と同様に、ノーマル非当選変動パターン、発展なしリーチ変動パターン又は発展ありリーチ変動パターンのいずれかによる変動演出を実行し得るようになっている。
そして、ノーマル非当選変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態A1において当否抽選の結果がハズレであった場合のノーマル非当選変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展なし変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態A1において当否抽選の結果がハズレであった場合の発展なし変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展あり変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態A1において当否抽選の結果がハズレであった場合の発展あり変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行されるようになっている。
【0290】
(4-2)当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合
低確率時短演出状態B中(時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2中)において、当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合には、特に図示していないが、低確率時短演出状態A1において当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合と同様に、発展なしリーチ変動パターン又は発展ありリーチ変動パターンのいずれかによる変動演出を実行し得るようになっている。
そして、発展なし変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態A1において当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合の発展なし変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展あり変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態A1において当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合の発展あり変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行されるようになっている。
【0291】
(4-3)当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J1又はJ2が決定された場合
低確率時短演出状態B中(時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2中)において、当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J1又はJ2が決定された場合には、特に図示していないが、この低確率時短演出状態Bにおいて当否抽選の結果がハズレであった場合と同様に、ノーマル非当選変動パターン、発展なしリーチ変動パターン又は発展ありリーチ変動パターンのいずれかによる変動演出を実行し得るようになっている。
そして、ノーマル非当選変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態Bにおいて当否抽選の結果がハズレであった場合のノーマル非当選変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展なし変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態Bにおいて当否抽選の結果がハズレであった場合の発展なし変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展あり変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態Bにおいて当否抽選の結果がハズレであった場合の発展あり変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行されるようになっている。
なお、設定中の遊技状態は低確率時短遊技状態LJT2であるため、時短図柄J1又はJ2が決定されても遊技状態は変更されず、設定中の低確率時短遊技状態LJT2が継続する。
【0292】
このように、低確率時短演出状態Bにおいては、当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合、当否抽選の結果がハズレの場合に実行され得るノーマル非当選変動パターン、発展なしリーチ変動パターン又は発展ありリーチ変動パターンのいずれかによる変動演出が行われ、かつ非当選態様による演出図柄50の停止表示及び当該演出図柄50と同一の数字図柄によるミニ図柄MDの停止表示が行われる。
これにより、低確率時短演出状態Bにおいては、時短付与に当選しても、変動演出の実行態様、演出図柄50の停止表示態様、ミニ図柄MDの停止表示態様から時短付与の当選を把握することができず、遊技者に対して、当否抽選の結果がハズレであったような印象を与えることができ、ひいては、時短付与の当選により遊技状態が変更されるような印象を遊技者に与えることを防止可能となる。
【0293】
(5)低確率時短演出状態C中(時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2中)
上述したように、大当たりに当選し大当たり図柄X1又はX4が決定され、当該決定に基づく特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入しなかった場合には、時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2へ移行するとともに、演出状態が低確率時短演出状態Cに設定される。
そして、上述の特別遊技が終了すると、特別遊技中に行われていた特別遊技中演出(たとえば、特別遊技を盛り上げる特別遊技中画像の表示等(
図47(a)参照))が終了する。そして、時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2へ移行し、演出状態が低確率時短演出状態Cに設定されると、第2背景画像の表示、時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2が設定された旨を示唆する低有利状態設定示唆(たとえば、「リベンジタイムスタート!」という低有利状態設定示唆画像の表示等)、及び右打ち示唆が行われる(
図47(b)参照)。さらに、表示部21aの左下隅において、時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2が終了するまでの特別図柄の変動表示の回数を示唆する回数示唆も行われるようになっている(
図47(b)参照)。
【0294】
そして、特別図柄の変動表示に伴って変動演出が実行される。
(5-1)当否抽選の結果がハズレであった場合
低確率時短演出状態C中(時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2中)において、当否抽選の結果がハズレであった場合には、特に図示していないが、低確率時短演出状態B(時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2)において当否抽選の結果がハズレであった場合と同様に、ノーマル非当選変動パターン、発展なしリーチ変動パターン又は発展ありリーチ変動パターンのいずれかによる変動演出を実行し得るようになっている。
そして、ノーマル非当選変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態Bにおいて当否抽選の結果がハズレであった場合のノーマル非当選変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展なし変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態Bにおいて当否抽選の結果がハズレであった場合の発展なし変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展あり変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態Bにおいて当否抽選の結果がハズレであった場合の発展あり変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行されるようになっている。
【0295】
(5-2)当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合
低確率時短演出状態C中(時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2中)において、当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合には、特に図示していないが、低確率時短演出状態B(時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2)において当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合と同様に、発展なしリーチ変動パターン又は発展ありリーチ変動パターンのいずれかによる変動演出を実行し得るようになっている。
そして、発展なし変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態Bにおいて当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合の発展なし変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展あり変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態Bにおいて当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合の発展あり変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行されるようになっている。
【0296】
(5-3)当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J1又はJ2が決定された場合
低確率時短演出状態C中(時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2中)において、当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J1又はJ2が決定された場合には、特に図示していないが、この低確率時短演出状態Cにおいて当否抽選の結果がハズレであった場合と同様に、ノーマル非当選変動パターン、発展なしリーチ変動パターン又は発展ありリーチ変動パターンのいずれかによる変動演出を実行し得るようになっている。
そして、ノーマル非当選変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態Cにおいて当否抽選の結果がハズレであった場合のノーマル非当選変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展なし変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態Cにおいて当否抽選の結果がハズレであった場合の発展なし変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展あり変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態Cにおいて当否抽選の結果がハズレであった場合の発展あり変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行されるようになっている。
なお、設定中の遊技状態は低確率時短遊技状態LJT2であるため、時短図柄J1又はJ2が決定されても遊技状態は変更されず、設定中の低確率時短遊技状態LJT2が継続する。
【0297】
このように、低確率時短演出状態Cにおいては、当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合、当否抽選の結果がハズレの場合に実行され得るノーマル非当選変動パターン、発展なしリーチ変動パターン又は発展ありリーチ変動パターンのいずれかによる変動演出が行われ、かつ非当選態様による演出図柄50の停止表示及び当該演出図柄50と同一の数字図柄によるミニ図柄MDの停止表示が行われる。
これにより、低確率時短演出状態Cにおいては、低確率時短演出状態B等と同様に、時短付与に当選しても、変動演出の実行態様、演出図柄50の停止表示態様、ミニ図柄MDの停止表示態様から時短付与の当選を把握することができず、遊技者に対して、当否抽選の結果がハズレであったような印象を与えることができ、ひいては、時短付与の当選により遊技状態が変更されるような印象を遊技者に与えることを防止可能となる。
【0298】
(6)高確率時短演出状態中(高確率時短遊技状態中)
上述したように、大当たりに当選し大当たり図柄X2、X3、X5又はX6が決定され、当該決定に基づく特別遊技中に特定領域57へ所定数の遊技球が進入すると、高確率時短遊技状態へ移行するとともに、演出状態が高確率時短演出状態に設定される。
そして、上述の特別遊技が終了すると、特別遊技中に行われていた特別遊技中演出が終了する。そして、高確率時短遊技状態へ移行し、演出状態が高確率時短演出状態に設定されると、低確率時短演出状態B(時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2)が設定された場合と同様に、第3背景画像の表示、高有利状態設定示唆、及び右打ち示唆が行われる(
図45(g)参照)。
すなわち、演出状態が高確率時短演出状態に設定されると、演出状態が低確率時短演出状態Bに設定された際と同一の高有利状態設定示唆が行われるとともに、高確率時短演出状態中は、低確率時短演出状態B中と同一の背景画像が表示されるようになっている。これにより、背景画像や上述の遊技状態へ移行した旨の示唆(高有利状態設定示唆)からは、時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態のいずれが設定されたのかを把握することができず、同一の遊技状態へ移行したような印象を遊技者に与えることができる。
なお、時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2が設定された場合と、高確率時短遊技状態が設定された場合とで、表示される背景画像を異ならせるようにしてもよいし、また、これらの遊技状態へ移行した旨の示唆を異ならせるようにしてもよい。このようにすることで、時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態のいずれが設定されたのかを把握させることができる。
【0299】
そして、特別図柄の変動表示に伴って変動演出が実行される。
(6-1)当否抽選の結果がハズレであった場合
高確率時短演出状態中(高確率時短遊技状態中)において、当否抽選の結果がハズレであった場合には、特に図示していないが、低確率時短演出状態B(時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2)において当否抽選の結果がハズレであった場合と同様に、ノーマル非当選変動パターン、発展なしリーチ変動パターン又は発展ありリーチ変動パターンのいずれかによる変動演出を実行し得るようになっている。
そして、ノーマル非当選変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態Bにおいて当否抽選の結果がハズレであった場合のノーマル非当選変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展なし変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態Bにおいて当否抽選の結果がハズレであった場合の発展なし変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展あり変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態Bにおいて当否抽選の結果がハズレであった場合の発展あり変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行されるようになっている。
【0300】
(6-2)当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合
高確率時短演出状態中(高確率時短遊技状態中)において、当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合には、特に図示していないが、低確率時短演出状態B(時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2)において当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合と同様に、発展なしリーチ変動パターン又は発展ありリーチ変動パターンのいずれかによる変動演出を実行し得るようになっている。
そして、発展なし変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態Bにおいて当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合の発展なし変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展あり変動パターンによる変動演出は、低確率時短演出状態Bにおいて当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合の発展あり変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行されるようになっている。
【0301】
(5-3)当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J1又はJ2が決定された場合
高確率時短演出状態中(高確率時短遊技状態中)において、当否抽選の結果が時短付与の当選であって時短図柄J1又はJ2が決定された場合には、特に図示していないが、この高確率時短演出状態において当否抽選の結果がハズレであった場合と同様に、ノーマル非当選変動パターン、発展なしリーチ変動パターン又は発展ありリーチ変動パターンのいずれかによる変動演出を実行し得るようになっている。
そして、ノーマル非当選変動パターンによる変動演出は、高確率時短演出状態において当否抽選の結果がハズレであった場合のノーマル非当選変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展なし変動パターンによる変動演出は、高確率時短演出状態において当否抽選の結果がハズレであった場合の発展なし変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行され、発展あり変動パターンによる変動演出は、高確率時短演出状態において当否抽選の結果がハズレであった場合の発展あり変動パターンによる変動演出と同様の態様で実行されるようになっている。
なお、設定中の遊技状態は高確率時短遊技状態であるため、時短図柄J1又はJ2が決定されても遊技状態は変更されず、設定中の高確率時短遊技状態が継続する。
【0302】
このように、高確率時短演出状態においては、当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合、当否抽選の結果がハズレの場合に実行され得るノーマル非当選変動パターン、発展なしリーチ変動パターン又は発展ありリーチ変動パターンのいずれかによる変動演出が行われ、かつ非当選態様による演出図柄50の停止表示及び当該演出図柄50と同一の数字図柄によるミニ図柄MDの停止表示が行われる。
これにより、高確率時短演出状態においては、低確率時短演出状態Bや低確率時短演出状態C等と同様に、時短付与に当選しても、変動演出の実行態様、演出図柄50の停止表示態様、ミニ図柄MDの停止表示態様から時短付与の当選を把握することができず、遊技者に対して、当否抽選の結果がハズレであったような印象を与えることができ、ひいては、時短付与の当選により遊技状態が変更されるような印象を遊技者に与えることを防止可能となる。
【0303】
(変動演出の実行態様の決定)
次に、上述の変動演出の実行態様の決定について説明する。
副制御基板300のメインROM302には、変動演出の実行態様を決定するための変動演出決定テーブル119が複数記憶されている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図48及び
図49に示すように、変動演出決定テーブル119として、通常演出状態において参照される第1変動演出決定テーブル119aと、低確率時短演出状態A1において参照される第2変動演出決定テーブル119bと、低確率時短演出状態A2において参照される第3変動演出決定テーブル119cと、低確率時短演出状態B又は低確率時短演出状態Cにおいて参照される第4変動演出決定テーブル119dと、高確率時短演出状態において参照される第5変動演出決定テーブル119eと、が設けられている。
【0304】
各変動演出決定テーブル119には、主制御基板100において決定され得る変動パターンコマンド及び所定の数値範囲(本形態では0~249)内で取得される変動演出乱数ごとに対応付けられて、変動演出の実行態様が定められている。副制御基板300のサブCPU301は、主制御基板100から変動パターンコマンドを受信すると、所定の数値範囲(0~249)から1の変動演出乱数を取得する。サブCPU301は、設定中の演出状態に対応する変動演出決定テーブル119を参照し、受信した変動パターンコマンド及び取得した変動演出乱数に基づいて、変動演出の実行態様を決定する。
また、副制御基板300のサブROM302には演出データテーブルが設けられており、この演出データテーブルには、各種演出の具体的な実行内容を定めた演出データが記憶されている。そして、サブCPU301が決定された変動演出の実行態様に対応する演出データを取得することにより、当該取得された演出データに基づいて、決定された実行態様による変動演出が実行されることとなる。
【0305】
図48(a)に示すように、第1変動演出決定テーブル119aによれば、受信した変動パターンコマンドが「00H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)にはノーマル非当選変動パターン又は特殊非当選変動パターンのいずれかが決定され、受信した変動パターンコマンドが「01H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)にはノーマル非当選変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「02H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)には発展なしリーチ変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「03H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)には発展ありリーチ変動パターンが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「0AH」であった場合(当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合)には発展なしリーチ変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「0BH」であった場合(当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合)には発展ありリーチ変動パターンが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「0EH」又は「0FH」であった場合(当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合)には特殊非当選変動パターンが決定される。
【0306】
図48(b)に示すように、第2変動演出決定テーブル119bによれば、受信した変動パターンコマンドが「10H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)にはノーマル非当選変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「11H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)にはノーマル非当選変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「12H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)には発展なしリーチ変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「13H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)には発展ありリーチ変動パターンが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「1AH」であった場合(当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合)には発展なしリーチ変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「1BH」であった場合(当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合)には発展ありリーチ変動パターンが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「1CH」であった場合(当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合)にはノーマル非当選変動パターンが決定される。
【0307】
図48(c)に示すように、第3変動演出決定テーブル119cによれば、受信した変動パターンコマンドが「10H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)にはノーマル非当選変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「11H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)にはノーマル非当選変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「12H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)には発展なしリーチ変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「13H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)には発展ありリーチ変動パターンが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「1AH」であった場合(当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合)には発展なしリーチ変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「1BH」であった場合(当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合)には発展ありリーチ変動パターンが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「1CH」であった場合(当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合)には特殊非当選変動パターンが決定される。
【0308】
図49(a)に示すように、第4変動演出決定テーブル119dによれば、受信した変動パターンコマンドが「20H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)にはノーマル非当選変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「21H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)にはノーマル非当選変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「22H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)には発展なしリーチ変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「23H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)には発展ありリーチ変動パターンが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「2AH」であった場合(当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合)には発展なしリーチ変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「2BH」であった場合(当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合)には発展ありリーチ変動パターンが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「2CH」であった場合(当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合)にはノーマル非当選変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「2DH」であった場合(当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合)にはノーマル非当選変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「2EH」であった場合(当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合)には発展なしリーチ変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「2FH」であった場合(当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合)には発展ありリーチ変動パターンが決定される。
【0309】
図49(b)に示すように、第5変動演出決定テーブル119eによれば、受信した変動パターンコマンドが「30H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)にはノーマル非当選変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「31H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)にはノーマル非当選変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「32H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)には発展なしリーチ変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「33H」であった場合(当否抽選の結果がハズレであった場合)には発展ありリーチ変動パターンが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「3AH」であった場合(当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合)には発展なしリーチ変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「3BH」であった場合(当否抽選の結果が大当たりの当選であった場合)には発展ありリーチ変動パターンが決定される。
また、受信した変動パターンコマンドが「3CH」であった場合(当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合)にはノーマル非当選変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「3DH」であった場合(当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合)にはノーマル非当選変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「3EH」であった場合(当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合)には発展なしリーチ変動パターンが決定され、受信した変動パターンコマンドが「3FH」であった場合(当否抽選の結果が時短付与の当選であった場合)には発展ありリーチ変動パターンが決定される。
【0310】
なお、
図48及び
図49において、変動パターンコマンドと変動演出の実行態様とが対応付けられた各領域に示された数字は、当該領域に割り振られた変動演出乱数の範囲、すなわち、当該領域の選択割合(決定割合)を示している。
本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出の実行態様について、当否抽選の結果がハズレの場合、大当たりの当選の場合、時短付与の当選の場合における選択割合がそれぞれ別個に設定されている。
【0311】
なお、本形態に係るパチンコ機Pで実行可能な演出としては、上述の変動演出に限定されるものではなく、たとえば、保留記憶領域に記憶された保留に係る変動演出の実行前から当該記憶された保留に関する示唆を行う先読み演出を設けてもよい。
具体的には、先読み演出としては、新たな保留の記憶が行われた場合に、通常態様、及び、通常態様よりも大当たりの当選の期待度が高い特殊態様等を含む複数の態様のうちのいずれかで保留表示を行う保留先読み演出、保留の記憶が行われた時点から当該保留に基づく変動演出が終了するまでのいずれかのタイミングで、所定態様で表示中の保留表示を、より大当たりの当選や時短付与の当選の期待度が高い態様に変化させる保留変化先読み演出、新たな保留の記憶が行われた場合に、当該保留に基づく変動演出中、又は、当該保留よりも先に記憶された保留に基づく変動演出から当該保留に基づく変動演出までの複数回の変動演出に跨って、大当たりの当選の期待度が高い旨を示唆する高期待度示唆画像(たとえば、背景画像等)を表示する先読みゾーン演出等を設けてもよい。
【0312】
次に、上述のような各種処理を実行するための副制御基板300における制御処理について説明する。
まず、副制御基板300のメイン処理について、
図50に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップ10000において、電源投入に応じて、サブROM302からメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM303に記憶されるフラグなどの初期化、設定処理を実行する。そして、次のステップ10001に進む。
ステップ10001において、サブCPU301は、各演出乱数(変動演出乱数)を更新する処理を行うとともに、以後は、割込処理が行われるまでステップ10001の処理を繰り返し実行する。ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
【0313】
次に、副制御基板300のタイマ割込処理について、
図51に示すフローチャートを参照して説明する。
副制御基板300には、所定の周期(4ミリ秒)でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(特に図示しておらず)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU301はタイマ割込処理プログラムを読み込んで、
図51に示すタイマ割込処理を開始する。
【0314】
ステップ10100において、サブCPU301は、副制御基板300で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を実行する。そして、次のステップ10101に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、副制御基板300のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ10101において、サブCPU301は、サブRAM303の受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を実行する。具体的には、副制御基板300においては、主制御基板100からコマンドが送信されると、コマンド受信割込処理が行われ、主制御基板100から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。そして、サブCPU301は、コマンド受信割込処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析する。そして、次のステップ10102に進む。
【0315】
ステップ10102において、サブCPU301は、実行中の変動演出等の進行状況に応じて、演出操作装置9の操作の受け付け可否を判定するとともに、回転操作検出センサ9c及び押下操作検出センサ9dからの操作信号が入力されたか否かを判定する。そして、回転操作検出センサ9c又は押下操作検出センサ9dから操作信号が入力されたときに、演出操作装置9の操作受け付け中であった場合には、演出操作装装置9が操作されたことを画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)等の各種制御基板に送信すべく、送信バッファにコマンドを格納する。そして、次のステップ10103に進む。
ステップ10103において、サブCPU301は、サブRAM303の送信バッファにセットされているコマンドを、画像制御基板、音声制御基板、電飾制御基板等の各種制御基板へ送信する。そして、副制御基板300のタイマ割込処理を終了する。
【0316】
次に、上述したステップ10101のコマンド解析処理のうち、遊技状態の設定に関する各種コマンドを受信した場合に実行される遊技状態設定関連コマンド受信処理について、
図52のフローチャートを参照して説明する。具体的には、主制御基板100において、電断退避処理のステップ137で記憶され副制御基板300に送信されるRAMクリアコマンド、停止後処理のステップ1115で記憶され副制御基板300に送信される遊技状態コマンド、特別遊技終了処理のステップ1306で記憶され副制御基板300に送信される遊技状態指定コマンドを受信した場合に、遊技状態設定関連コマンド受信処理が実行される。
ステップ10200において、サブCPU301は、現時点の遊技状態として、主制御基板100から受信した上述のコマンドにより示される遊技状態をサブRAM303の所定の記憶領域に記憶する遊技状態記憶処理を実行する。
具体的には、RAMクリアコマンドを受信したときには、現時点の遊技状態として通常遊技状態が記憶される。また、遊技状態コマンドを受信したときには、所定の記憶領域に記憶されている現時点の遊技状態と遊技状態コマンドにより示される遊技状態とが異なる場合に、現時点の遊技状態として遊技状態コマンドにより示される遊技状態が記憶され、所定の記憶領域に記憶されている現時点の遊技状態と遊技状態コマンドにより示される遊技状態とが同じ場合には、ここでは何も処理は行われない。また、遊技状態指定コマンドを受信したときには、現時点の遊技状態として当該遊技状態指定コマンドにより示される遊技状態が記憶される。
そして、次のステップ10201に進む。
【0317】
ステップ10201において、サブCPU301は、上述のステップ10200で遊技状態が記憶された場合に、現時点の演出状態として、記憶された遊技状態に対応する演出状態をサブRAM303の所定の記憶領域に記憶することにより、演出状態の設定を行う演出状態設定処理を実行する。
具体的には、現時点の遊技状態として通常遊技状態が記憶された場合には、現時点の演出状態として通常演出状態が記憶され、これにより、演出状態が通常演出状態に設定される。また、現時点の遊技状態として低確率時短遊技状態LJT1が記憶された場合には、現時点の演出状態として低確率時短演出状態A1が記憶され、これにより、演出状態が低確率時短演出状態A1に設定される。また、現時点の遊技状態として時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2が記憶された場合には、現時点の演出状態として低確率時短演出状態Bが記憶され、これにより、演出状態が低確率時短演出状態Bに設定される。また、現時点の遊技状態として時短回数100回の低確率時短遊技状態LJT2が記憶された場合には、現時点の演出状態として低確率時短演出状態Cが記憶され、これにより、演出状態が低確率時短演出状態Cに設定される。また、現時点の遊技状態として高確率時短遊技状態が記憶された場合には、現時点の演出状態として高確率時短演出状態が記憶され、これにより、演出状態が高確率時短演出状態に設定される。
また、サブCPU301は、上述のように演出状態の設定が行われると、この演出状態の設定に応じた各種演出を実行する制御を行う。具体的には、演出状態が通常遊技演出状態に設定された場合には、表示部21aにおいて第1背景画像を表示するとともに、左打ち示唆及びチャンスゾーン滞在示唆を実行する制御が行われる。また、演出状態が低確率時短演出状態A1に設定された場合には、チャンスゾーン滞在示唆を終了する制御が行われる。また、演出状態が低確率時短演出状態Bに設定された場合には、表示部21aにおいて第3背景画像を表示するとともに、高有利状態設定示唆及び右打ち示唆を実行する制御が行われる。また、演出状態が低確率時短演出状態Cに設定された場合には、表示部21aにおいて第2背景画像を表示するとともに、低有利状態設定示唆及び右打ち示唆を実行する制御が行われる。また、演出状態が高確率時短演出状態に設定された場合には、表示部21aにおいて第3背景画像を表示するとともに、高有利状態設定示唆及び右打ち示唆を実行する制御が行われる。
そして、遊技状態設定関連コマンド受信処理を終了する。
【0318】
次に、上述したステップ10101のコマンド解析処理のうち、電断復帰コマンドを受信した場合に実行される電断復帰コマンド受信処理について、
図53のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、電断復帰コマンドは、主制御基板100において、初期化処理のステップ139で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ10300において、サブCPU301は、設定されている演出状態(所定の記憶領域に記憶されている演出状態)が低確率時短演出状態A1であるか否かを判定する。そして、低確率時短演出状態A1でないと判定した場合、電断復帰コマンド受信処理を終了する。一方、低確率時短演出状態A1であると判定した場合、次のステップ10301に進む。
ステップ10301において、サブCPU301は、現時点の演出状態として低確率時短演出状態A2を所定の記憶領域に記憶することにより、演出状態を低確率時短演出状態A2に設定するとともに、この低確率時短演出状態A2に応じた各種演出を実行する制御を行う。具体的には、表示部21aにおいて第1背景画像を表示するとともに、左打ち示唆を行う場合には当該左打ち示唆、及びチャンスゾーン滞在示唆を実行する制御が行われる。そして、電断復帰コマンド受信処理を終了する。
【0319】
次に、上述したステップ10101のコマンド解析処理のうち、停止表示終了コマンドを受信した場合に実行される停止表示終了コマンド受信処理について、
図54のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、停止表示終了コマンドは、主制御基板100において、停止後処理のステップ1102で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ10400において、サブCPU301は、設定されている演出状態(所定の記憶領域に記憶されている演出状態)が低確率時短演出状態A2であるか否かを判定する。そして、低確率時短演出状態A2でないと判定した場合、停止表示終了コマンド受信処理を終了する。一方、低確率時短演出状態A2であると判定した場合、次のステップ10401に進む。
ステップ10401において、サブCPU301は、停止表示時間が経過する前に停止表示されていた特別図柄が時短図柄J1又はJ2であったか否かを判定する。そして、時短図柄J1及びJ2のいずれでもないと判定した場合、停止表示終了コマンド受信処理を終了する。一方、時短図柄J1又はJ2であったと判定した場合、次のステップ10402に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、特別図柄変動開始処理のステップ808で記憶され副制御基板300に送信される図柄決定コマンドに、当否抽選の結果に基づいて決定された特別図柄の情報が含まれており、図柄決定コマンドを受信すると、サブRAM303の所定の記憶領域に上述の特別図柄が記憶される。これにより、サブCPU301は、停止表示されていた特別図柄を判定することができるようになっている。
【0320】
ステップ10402において、サブCPU301は、現時点の演出状態として低確率時短演出状態A1を所定の記憶領域に記憶することにより、演出状態を低確率時短演出状態A1に設定するとともに、この低確率時短演出状態A1に応じた各種演出を実行する制御を行う。具体的には、チャンスゾーン滞在示唆を終了する制御が行われる。そして、停止表示終了コマンド受信処理を終了する。
【0321】
次に、上述したステップ10101のコマンド解析処理のうち、変動パターンコマンドを受信した場合に実行される変動パターンコマンド受信処理について、
図55のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、変動パターンコマンドは、主制御基板100において、変動パターン決定処理のステップ903で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ10500において、サブCPU301は、上述のステップ10001で更新された変動演出乱数を取得する。そして、次のステップ10501に進む。
ステップ10501において、サブCPU301は、設定されている演出状態に対応する変動演出決定テーブル119を選択する。そして、次のステップ10502に進む。
【0322】
ステップ10502において、サブCPU301は、上述のステップ10501で選択した変動演出決定テーブル119を参照し、上述のステップ10500で取得した変動演出乱数及び受信した変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の実行態様を決定する。そして、次のステップ10503に進む。
ステップ10503において、サブCPU301は、決定された変動演出の実行態様に応じた変動演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた変動演出実行コマンドは、上述のステップ10103において各種制御基板へ送信され、これらの制御基板により、受信した変動演出実行コマンドに基づいて変動演出を実行する制御が行われることとなる。そして、変動パターンコマンド受信処理を終了する。
【0323】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常演出状態(通常遊技状態)において、第1背景画像の表示及びチャンスゾーン滞在示唆が行われ、通常演出状態中(通常遊技状態中)に時短付与に当選し時短図柄J1が決定されると、低確率時短遊技状態LJT1へ移行するとともに演出状態が低確率時短演出状態A1に設定され、第1背景画像の表示及びチャンスゾーン滞在示唆は終了する。また、低確率時短演出状態A1中又は低確率時短演出状態A2中(低確率時短遊技状態LJT1中)に電断が発生し通常電断復帰処理が実行されると、低確率時短遊技状態LJT1のまま演出状態が低確率時短演出状態A2に設定され、第1背景画像の表示及びチャンスゾーン滞在示唆が行われる。
すなわち、RAMクリア処理が実行されて通常遊技状態が設定された場合(演出状態が通常演出状態に設定された場合)、及び、低確率時短遊技状態LJT1中に通常電断復帰処理が実行され低確率時短遊技状態LJT1が継続した場合(演出状態が低確率時短演出状態A2に設定された場合)はいずれも、同一の背景画像の表示及びチャンスゾーン滞在示唆が行われるため、これらの演出からは、通常遊技状態又は低確率時短遊技状態LJT1のいずれが設定されているのか把握できないこととなる。これにより、遊技者に対して、RAMクリア処理が実行されて低確率時短遊技状態LJT1よりも有利度の高い通常遊技状態が設定されているとの期待を抱かせることが可能となり、ひいてはパチンコ機Pの稼働を向上させることができる。
【0324】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常演出状態(通常遊技状態)においては、ハズレとなりハズレ図柄が決定された場合の停止表示時間、及び、大当たりに当選し大当たり図柄が決定された場合の停止表示時間はいずれも0.5秒であるものの、時短付与の当選となり時短図柄J1又はJ2が決定された場合の停止表示時間は20秒であり、ハズレ及び大当たりの当選の場合よりも長くなっている。そして、ハズレの場合における停止表示時間の経過中は、表示部21aにおいて非当選態様による演出図柄50の停止表示が行われ、大当たりの当選の場合における停止表示時間の経過中は、表示部21aにおいて当選態様による演出図柄50の停止表示が行われる。これに対して、時短付与の当選の場合における停止表示時間の経過中は、表示部21aにおいて、停止表示時間の経過後に設定される遊技状態(低確率時短遊技状態LJT1又は時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2)を示唆する特殊リーチ発展演出が行われる。
これにより、通常遊技状態中に時短図柄J1又はJ2が決定された場合に、時短図柄J1又はJ2の変動表示が終了した後すぐに遊技状態が切り替わり、遊技者に違和感を与えるような事態を防止することが可能となる。また、停止表示時間は、ハズレ図柄が決定された場合よりも時短図柄J1又はJ2が決定された場合の方が長いことから、停止表示された時短図柄J1又はJ2の確認が容易となるため、その後の遊技状態の変更を把握し易くすることができる。さらには、ハズレ図柄が決定された場合の停止表示時間よりも長い停止表示時間の経過中に、設定される遊技状態を示唆する特殊リーチ発展演出が行われるため、この特殊リーチ発展演出によっても、その後の遊技状態の変更を把握し易くすることができる。
【0325】
(上述の形態に係るパチンコ機Pの変形例)
上述の形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態からは時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2へ移行可能であるものの、通常遊技状態から移行する可能性が高く当該通常遊技状態よりも長く滞在し易い低確率時短遊技状態LJT1からは上述の時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2へ移行できないようにすることで、低確率時短遊技状態LJT1よりも通常遊技状態の方が、有利度が高くなるように設定されていたが、通常遊技状態を低確率時短遊技状態LJT1よりも有利にする設定は、これに限定されるものではない。
【0326】
たとえば、通常遊技状態中に大当たりに当選した場合、及び、低確率時短遊技状態LJT1中に大当たりに当選した場合にはいずれも、当該当選に基づく特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT2へ移行可能となるように設定した上で、低確率時短遊技状態LJT1中の大当たりの当選に基づく特別遊技の終了後に移行する低確率時短遊技状態LJT2の時短回数よりも、通常遊技状態中の大当たりの当選に基づく特別遊技の終了後に移行する低確率時短遊技状態LJT2の時短回数の方が多くなるように設定してもよい。
このようにした場合にも、通常遊技状態の方が低確率時短遊技状態LJT1よりも有利となる。
【0327】
また、たとえば、通常遊技状態中の大当たりの当選に基づく特別遊技の終了後に設定される遊技状態において決定され得る変動時間の平均が、低確率時短遊技状態LJT1中の大当たりの当選に基づく特別遊技の終了後に設定される遊技状態において決定され得る変動時間の平均よりも短くなるように設定してもよい。換言すれば、通常遊技状態中に大当たりに当選した場合に設定される遊技状態においては、低確率時短遊技状態LJT1中に大当たりに当選した場合に設定される遊技状態よりも、短い変動時間が選択される割合が高くなるように設定してもよい。
より具体的には、たとえば、通常遊技状態中に大当たりに当選した場合、及び、低確率時短遊技状態LJT1中に大当たりに当選した場合にはいずれも、低確率時短遊技状態LJT2や高確率時短遊技状態へ移行可能となるように設定した上で、通常遊技状態中の大当たりの当選に基づいて設定される低確率時短遊技状態LJT2や高確率時短遊技状態においてハズレとなったときに決定され得る変動時間の平均(たとえば、3.5秒等)が、低確率時短遊技状態LJT1中の大当たりの当選に基づいて設定される低確率時短遊技状態LJT2や高確率時短遊技状態においてハズレとなったときに決定され得る変動時間の平均(たとえば、5.5秒等)よりも短くなるように設定してもよい。また、大当たりとなったときに決定され得る変動時間についても、上述と同様となるように設定してもよい。
このようにした場合には、通常遊技状態中に大当たりに当選した場合に設定される遊技状態では、低確率時短遊技状態LJT1中に大当たりに当選した場合に設定される遊技状態よりも、同一時間内で行われる当否抽選の回数が多くなるため、より早く大当たりに当選する可能性が高くなる。したがって、通常遊技状態の方が低確率時短遊技状態LJT1よりも有利となる。
【0328】
また、たとえば、通常遊技状態中の大当たりの当選に基づいて実行される特別遊技や、通常遊技状態から移行した低確率時短遊技状態LJT2中や高確率時短遊技状態中の大当たりの当選に基づいて実行される特別遊技のオープニング時間が、低確率時短遊技状態LJT1中の大当たりの当選に基づいて実行される特別遊技や、低確率時短遊技状態LJT1から移行した低確率時短遊技状態LJT2中や高確率時短遊技状態中の大当たりの当選に基づいて実行される特別遊技のオープニング時間よりも短くなるように設定してもよい。また、通常遊技状態中の大当たりの当選に基づいて実行される特別遊技や、通常遊技状態から移行した低確率時短遊技状態LJT2中や高確率時短遊技状態中の大当たりの当選に基づいて実行される特別遊技のエンディング時間が、低確率時短遊技状態LJT1中の大当たりの当選に基づいて実行される特別遊技や、低確率時短遊技状態LJT1から移行した低確率時短遊技状態LJT2中や高確率時短遊技状態中の大当たりの当選に基づいて実行される特別遊技のエンディング時間よりも短くなるように設定してもよい。
このようにした場合には、通常遊技状態中に大当たりに当選したときには、低確率時短遊技状態LJT1中に大当たりに当選したときよりも、特別遊技の開始から終了までの時間が短くなり、その分、実行可能な当否抽選の回数を多くすることができるため、より早く大当たりに当選する可能性が高くなる。したがって、通常遊技状態の方が低確率時短遊技状態LJT1よりも有利となる。
【0329】
上述の形態に係るパチンコ機Pでは、通常演出状態中と低確率時短演出状態A1中とにおいて同一の背景画像(第1背景画像)を表示するものの、通常演出状態中のみチャンスゾーン滞在示唆を行うことで、両演出状態中の演出態様から通常遊技状態又は低確率時短遊技状態LJT1のいずれが設定されているのかを把握できるようにしていたが、これに限定されるものではない。
【0330】
たとえば、通常演出状態中と低確率時短演出状態A1中とにおいて同一の背景画像を表示するものの、いずれの演出状態中も上述のチャンスゾーン滞在示唆を行わないことで、両演出状態中の演出態様から通常遊技状態又は低確率時短遊技状態LJT1のいずれが設定されているのかを把握できないようにしてもよい。
また、たとえば、通常演出状態中と低確率時短演出状態A1中とにおいて同一の背景画像を表示するものの、いずれの演出状態中も上述のチャンスゾーン滞在示唆を行わないようにしつつ、低確率時短演出状態A1中よりも通常演出状態中の実行確率が高く設定された特定演出(たとえば、流れ星が流れる画像の表示等)を実行可能としてもよい。このようにすることで、通常遊技状態又は低確率時短遊技状態LJT1のいずれが設定されているのかを、背景画像の表示やチャンスゾーン滞在示唆の実行の有無からは把握できないようにしつつも、特定演出の実行の頻度によって推認できることとなる。
【0331】
また、たとえば、通常演出状態中と低確率時短演出状態A1中とにおいて同一の背景画像を表示するものの、いずれの演出状態中も上述のチャンスゾーン滞在示唆を行わないようにしつつ、通常遊技状態中には実行されず、かつ低確率時短遊技状態LJT1中のみ所定の実行確率で実行される特定演出を実行可能としてもよい。このようにすることで、通常遊技状態又は低確率時短遊技状態LJT1のいずれが設定されているのかを、背景画像の表示やチャンスゾーン滞在示唆の実行の有無からは把握できないようにしつつも、特定演出の実行により低確率時短遊技状態LJT1が設定されている旨を把握できることとなる。
【0332】
上述の形態に係るパチンコ機Pでは、低確率時短遊技状態LJT1へ移行した場合、実質的に大当たりに当選するまで当該低確率時短遊技状態LJT1が継続することとなる時短回数(10000回)が設定されるようになっていたが、当該遊技状態が設定された場合の時短回数は、これに限定されるものではない。
たとえば、低確率時短遊技状態LJT1中に必ずしも大当たりに当選するとは限らない程度の時短回数(たとえば、200回、500回)を設定するようにしてもよい。すなわち、大当たりに当選することなく特別図柄の変動表示の回数が時短回数に到達することにより、低確率時短遊技状態LJT1が終了し通常遊技状態が設定される可能性があるような時短回数を設定するようにしてもよい。
このようにした場合には、大当たりに当選することなく特別図柄の変動表示の回数が時短回数に到達することで低確率時短遊技状態LJT1が終了した後に、再度、チャンスゾーン的な位置づけの通常遊技状態へ移行するため、遊技者の興趣を高めることができる。
なお、上述のようにした場合には、低確率時短遊技状態LJT1が終了するまでの残りの時短回数のカウントダウン表示を実行し、時短回数に到達し通常遊技状態へ移行した場合には、通常遊技状態への復帰を祝福するような演出(たとえば、「Congratulation!! チャンスゾーン復活!!」という祝福画像の表示等)を実行するようにしてもよい。
【0333】
上述の形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態から低確率時短遊技状態LJT1への移行が対応付けられた時短図柄、通常遊技状態から時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2への移行が対応付けられた時短図柄はそれぞれ1種類ずつ設けられていたが、時短図柄の種類は、これに限定されるものではない。
たとえば、通常遊技状態から低確率時短遊技状態LJT1への移行が対応付けられた時短図柄、通常遊技状態から時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2への移行が対応付けられた時短図柄をそれぞれ複数種類設けるようにしてもよい。そして、各時短図柄に応じて異なる停止表示時間を定めるようにしてもよい。
このようにした場合には、停止表示時間のバリエーションが豊富となるため、この停止表示時間の経過中に実行される特殊リーチ発展演出を種々の態様で行うことが可能となる。
【0334】
上述の形態に係るパチンコ機Pでは、特殊リーチ変動パターンにおける特殊リーチ発展演出は、特別図柄が停止表示された時点(停止表示時間の経過開始時点)から開始されるようになっていたが、これに限定されるものではなく、特別図柄が停止表示される前の所定時点から開始されるようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏するとともに、特殊リーチ発展演出の態様をバリエーションに富んだものにすることができる。
【0335】
上述の形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態から時短図柄J2の決定に基づいて移行する低確率時短遊技状態LJT2と、大当たり図柄X1又はX4の決定に基づく特別遊技の終了後に設定される低確率時短遊技状態LJT2とは、設定される時短回数を異ならせることで(前者が10000回、後者が100回)有利度が異なっていたが、これらいずれの遊技状態でも設定される時短回数を同一とすることで(たとえば、100回)同じ有利度にしてもよい。
また、いずれの遊技状態も普図遊技の性能は同一となっていたが、いずれか一方の普図遊技の性能が、いずれか他方よりも高くなるように設定してもよい。
【0336】
上述の形態に係るパチンコ機Pでは、当否抽選により時短付与に当選可能となっており、時短付与の当選となった場合に時短図柄が決定され時短遊技状態を設定可能となるように設定されていたが、当否抽選においては時短付与の当選という抽選結果が導出されないようにするとともに、ハズレとなった場合に複数のハズレ図柄の中からいずれかを決定し、決定されたハズレ図柄の種別に応じて、時短遊技状態の設定の有無を決定し得るようにしてもよい。すなわち、時短付与の当選及び時短図柄を設けて時短遊技状態を設定するのではなく、ハズレとなった場合に決定し得る特定のハズレ図柄を時短図柄として代用し、特定のハズレ図柄が決定された場合に、時短遊技状態を設定するようにしてもよい。
具体的には、たとえば、第1特図乱数に基づく当否抽選によりハズレとなった場合に決定されるハズレ図柄として、ハズレ図柄ZA1、ハズレ図柄ZA2、ハズレ図柄ZA3等を設け、ハズレ図柄ZA1が決定されたときに時短遊技状態JT1が設定され、ハズレ図柄ZA2が決定されたときに時短遊技状態JT2が設定され、ハズレ図柄ZA3が決定されたときにはいずれの時短遊技状態も設定されないようにしてもよい。
なお、時短遊技状態を設定するタイミングは、ハズレとなった(ハズレ図柄が決定された)時点から当該ハズレに基づく変動の終了までのいずれかのタイミング(たとえば、ハズレの抽選結果が導出された時点、ハズレ図柄の変動開始時、当該ハズレ図柄の変動終了時(次の特別図柄の変動開始時)等)としてもよい。
このようにした場合にも、上述の形態に係るパチンコ機Pと同様の作用効果を奏するとともに、時短図柄に関するデータが不要となるため、メインROM102等のハードウェア資源に対する負荷を軽減することができる。
【0337】
上述の形態に係るパチンコ機Pでは、当否抽選により大当たりに当選した場合には、当該当選に基づく特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態LJT2又は高確率時短遊技状態が設定され得るようになっていたが、これに限定されるものではなく、大当たりの当選に基づく特別遊技の終了後には高確率時短遊技状態は設定されず、通常遊技状態又は低確率時短遊技状態LJT2が設定され得るようにしてもよい。
また、当否抽選により大当たり以外に小当たりに当選可能となるように設定し、大当たりの当選となった場合のみならず、小当たりの当選に基づく小当たり遊技において大入賞口内に設けられた特別領域へ遊技球が進入した場合にも、特別遊技が実行されるように設定(いわゆる1種2種混合のパチンコ機として構成)し、特別遊技の終了後は、通常遊技状態又は低確率時短遊技状態LJT2が設定され得るようにしてもよい。
そして、以上のようにした場合においても、上述の形態に係るパチンコ機Pと同様に、通常遊技状態から時短付与の当選に基づき低確率時短遊技状態LJT1へ移行可能とし、通常遊技状態からは相対的に有利度の高い低確率時短遊技状態LJT2(たとえば、時短回数10000回)へ移行可能であるものの、低確率時短遊技状態LJT1からは相対的に有利度の高い低確率時短遊技状態LJT2へは移行できないようにすることで、RAMクリア後等に設定される通常遊技状態がチャンスゾーン的な位置付けになるという遊技性を付与してもよい。
【0338】
(その他)
(1)設定値が複数設けられている場合には、いずれの設定値でも時短付与に当選する確率が同一となるようにしてもよいし、設定値に応じて時短付与に当選する確率が異なるようにしてもよい。
また、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく当否抽選、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく当否抽選のいずれでも時短付与に当選するように設定してもよいし、いずれか一方の当否抽選においてのみ時短付与に当選するように設定してもよい。第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく当否抽選で時短付与に当選する確率と、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく当否抽選で時短付与に当選する確率とは同一としてもよいし、異ならせてもよい。
また、設定されている遊技状態、及び、時短付与の当選となった場合に決定される時短図柄の種類に応じて、時短回数が異なるように設定してもよい。また、設定されている遊技状態、及び、時短付与の当選となった場合に決定される時短図柄の種類に応じて定める時短回数は0回としてもよいし、必ず1回以上とするようにしてもよい。
また、決定される時短図柄ごとに異なる時短回数を設定する場合には、時短回数及び時短図柄の決定確率を、当否抽選における大当たりの当選の確率との関係で定まり、かつ射幸性が高くなり過ぎない範囲の値(たとえば、低確率遊技状態における大当たりの当選の確率(複数段階の設定値を設けたパチンコ機にあっては、低確率遊技状態における最も低い大当たりの当選の確率)が1/Pであった場合には、時短回数≦P×特定係数A、時短図柄の決定確率≦P×特定係数B)となるようにしてもよい。
また、時短図柄の決定に基づいて設定される時短遊技状態が終了するための条件は複数種類設定してもよい。たとえば、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示の回数及び第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示の回数が所定回数(時短回数C1)に到達すること、又は、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示の回数が所定回数(時短回数C2)に到達することのいずれかの条件を満たした場合に時短遊技状態が終了するように設定してもよい。なお、このように設定した場合には、時短回数C1、時短回数C2のうちの大きい時短回数を、上述のように、当否抽選における大当たりの当選の確率との関係で定まり、かつ射幸性が高くなり過ぎない範囲の値となるようにしてもよい。
【0339】
(2)当否乱数を用いた当否抽選により、時短付与の当選及び時短回数の決定の両方が決定され得るように設定してもよい。すなわち、時短付与の当選及び時短回数の決定を、別個の乱数及び別個の処理により行うのではなく、同一の乱数及び同一の処理により行ってもよい。
【0340】
(3)時短付与の当選に基づいて設定された低確率時短遊技状態LJT1中や低確率時短遊技状態LJT2中に時短付与に当選した場合には、当該当選に基づいて新たに時短遊技状態を再設定するとともに、決定された時短図柄に対応付けられた時短回数を再セットしてもよい。また、時短図柄に対応付けられた時短回数を再セットするのではなく、当該時短回数を当該時点の残りの時短回数に加算してもよい。
また、時短図柄の当選に基づいて設定される時短回数は、時短図柄の種類ごとに予め定めておいてもよいし、時短図柄の種類及び設定されている遊技状態ごとに予め定めておいてもよい。
【0341】
(4)高確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態が設定され得るようになっていた場合には、当該遊技状態中に時短付与の当選が決定され時短図柄が決定されたときには、当該決定に基づいて時短遊技状態を設定するようにしてもよい。
【0342】
(5)大当たりの当選に基づく特別遊技の終了後の遊技状態を高確率遊技状態に設定可能なパチンコ機において、低確率遊技状態中の大当たりの当選に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定されることとなる確率A1、及び、高確率遊技状態中の大当たりの当選に基づく特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定されることとなる確率A2は、同一の値となるように設定してもよいし、異なる値となるように設定してもよい。
また、上述の確率A1及びA2は、当否抽選に用いられる特図乱数の種類(第1特図乱数、第2特図乱数)がいずれであっても同一の値となるように設定してもよいし、特図乱数の種類に応じて異なる値となるように設定してもよい。また、上述の確率A1及びA2は、大当たりに当選した場合に決定される特別図柄の種類がいずれであっても同一の値となるように設定してもよいし、特別図柄の種類に応じて異なる値となるように設定してもよい。また、当否抽選に用いられる特図乱数の種類及び大当たりに当選した場合に決定される特別図柄の種類に応じて、異なる値となるように設定してもよい。
このように設定した場合には、低確率遊技状態から特別遊技の実行を介して高確率遊技状態が設定される確率、高確率遊技状態から特別遊技の実行を介して、再度、高確率遊技状態が設定される確率のバリエーションが豊富となり、遊技者に提供可能な遊技性もバリエーションに富んだものにすることができる。
【0343】
(6)転落抽選により、高確率遊技状態を終了し低確率遊技状態を設定可能なパチンコ機において、高確率遊技状態を終了し低確率遊技状態を設定する旨の決定確率Bとして、一の値のみを設けてもよいし、複数の値を設けてもよい。
そして、一の値のみを設けた場合には、常に当該値により転落抽選を行い、複数の値を設けた場合には、状況に応じて(たとえば、高確率遊技状態が設定されてからの特別図柄の変動回数、遊技球が入球した始動入賞口の種別等に応じて)いずれかの値により転落抽選を行ってもよい。
また、決定確率Bは、設定されている遊技状態(高確率時短遊技状態、高確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた高確率非時短遊技状態)がいずれであっても同一の値となるように設定してもよい。また、決定確率Bは、当否抽選に用いられる特図乱数の種類(第1特図乱数、第2特図乱数)がいずれであっても同一の値となるように設定してもよいし、特図乱数の種類に応じて異なる値となるように設定してもよい。また、決定確率Bは、ハズレの場合に決定される特別図柄(ハズレ図柄)の種類がいずれであっても同一の値となるように設定してもよいし、特別図柄の種類に応じて異なる値となるように設定してもよい。また、設定されている遊技状態、当否抽選に用いられる特図乱数の種類及びハズレの場合に決定される特別図柄の種類に応じて、異なる値となるように設定してもよい。
このように設定した場合には、高確率遊技状態が終了して低確率遊技状態が設定される確率のバリエーションが豊富となり、遊技者に提供可能な遊技性もバリエーションに富んだものにすることができる。
【0344】
なお、上述の形態、変形例の各種設定や制御は、矛盾の生じない範囲内で互いに組み合わせて構成してもよい。
また、上述の形態におけるハズレ図柄や大当たり図柄は、本発明の第1の図柄に相当する。また、上述の形態における時短図柄J1は、本発明の第2の図柄に相当する。また、上述の形態における時短図柄J2は、本発明の第3の図柄に相当する。また、上述の形態におけるステップ807の処理を実行するメインCPU101は、本発明の図柄決定手段に相当する。また、上述の形態におけるステップ810、ステップ1002の処理を実行するメインCPU101、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31は、本発明の表示手段に相当する。また、上述の形態における通常遊技状態は、本発明の第1の遊技状態に相当する。また、上述の形態における低確率時短遊技状態LJT1は、本発明の第2の遊技状態に相当する。また、上述の形態における時短回数10000回の低確率時短遊技状態LJT2は、本発明の第3の遊技状態に相当する。また、上述の形態におけるステップ1113、ステップ1114、ステップ1302~1304等の処理を実行するメインCPU101は、本発明の設定手段に相当する。また、上述の形態におけるサブCPU301、演出表示装置21の表示部21aは、本発明の示唆手段に相当する。また、上述の形態における0.5秒の停止表示時間は、本発明の第1の図柄に対応する停止表示時間に相当する。また、上述の形態における20秒の停止表示時間は、本発明の第2の図柄に対応する停止表示時間に相当する。また、上述の形態における20秒の停止表示時間は、本発明の第3の図柄に対応する停止表示時間に相当する。また、上述の形態における非当選態様又は当選態様による演出図柄50の停止表示は、本発明の第1の図柄に対応付けられた抽選結果の示唆に相当する。また、上述の形態における特殊リーチ発展演出は、本発明の遊技状態の設定に関する示唆に相当する。
【符号の説明】
【0345】
P パチンコ機
100 主制御基板
101 メインCPU
102 メインROM
103 メインRAM
300 副制御基板
301 サブCPU
302 サブROM
303 サブRAM