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特許7546547選択的成形を伴うメッキ用パッケージ化方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】選択的成形を伴うメッキ用パッケージ化方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/50 20060101AFI20240830BHJP
   H01L 23/48 20060101ALI20240830BHJP
【FI】
H01L23/50 D
H01L23/48 K
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021512447
(86)(22)【出願日】2020-02-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-08
(86)【国際出願番号】 US2020017135
(87)【国際公開番号】W WO2021133420
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2023-02-06
(31)【優先権主張番号】201911348978.6
(32)【優先日】2019-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521062505
【氏名又は名称】ヴィシャイ ジェネラル セミコンダクター,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079980
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 伸行
(74)【代理人】
【識別番号】100167139
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ディン,フイイン
(72)【発明者】
【氏名】リュー,ジュンフェン
(72)【発明者】
【氏名】ジン,ロンナン
(72)【発明者】
【氏名】カラー,ハインリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】シュミット,トーマス
【審査官】安田 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-003953(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0218499(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/48-23/50
H01L 23/12-23/15
H01L 23/28-23/31
H01L 21/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれがダイ表面およびこのダイ表面に対向する位置になるメッキ面を有するダイリードおよびボンドリードを有する複数のリードセット、第1方向における隣接リードセット間のヴィア、および各ダイリードの前記ダイ表面に配設した集積回路ダイを有するリードフレームを設け、
前記複数のリードセットに接触し、前記第1方向における各隣接リードセット間の前記ヴィアに延入し、かつそれぞれがピーク面を有する成形チェース延入部を有する成形チェースを前記ダイリードおよび前記ボンドリードそれぞれのメッキ面に設け、
成形封入部の一部が前記成形チェース延入部それぞれのピーク面に接触するように、前記成形封入部内に前記リードフレームのアセンブリ(リードフレームアセンブリ)を部分的に埋設し、その際に、前記リードセットのそれぞれは、前記ダイリードと前記ボンドリードとの間のスペースが前記成形封入部で占有されており、
前記成形チェースを取り外して、それぞれが各リードセットの前記ダイリードの第1リード側壁および各リードセットの前記ボンドリードの第2リード側壁を有する前記ヴィアを露出し、そして
前記ダイリードおよび前記ボンドリードそれぞれのメッキ面を電気メッキし、かつ前記第1リード側壁および前記第2リード側壁を電気メッキすることを特徴とするリード濡れ性表面の製造方法。
【請求項2】
さらに、
前記成形封入部の上部主面に接続膜を成膜し、
前記リードフレームアセンブリを個々の半導体ダイパッケージに単体化し、この単体化の際に、
前記第1方向に対して実質的に垂直な第2方向にそって、前記ヴィアから前記成形封入部の前記上部主面を介して前記接続膜または前記接続膜の一部に達する深さまで一連の第1平行カット部を形成し、
前記接続膜に対して反対側にある前記成形封入部の表面を介して前記第1方向にそって前記接続膜または前記接続膜の一部に達する深さまで一連の第2平行カット部を形成し、そして
前記接続膜を取り外す請求項1に記載の方法。
【請求項3】
さらに、
前記成形封入部の底部主面に接続膜を成膜し、
前記リードフレームアセンブリを個々の半導体ダイパッケージに単体化し、この単体化 の際に、
前記第1方向に対して実質的に垂直な第2方向にそって、前記成形封入部上部主面から前記ヴィアまで一連の第1平行カット部を形成し、
前記成形封入部の前記上部主面から前記第1方向にそって前記接続膜または前記接続膜の一部に至る深さまで一連の第2平行カット部を形成し、そして
前記接続膜を取り外す請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記成形チェース延入部それぞれの前記ピーク面が各リードセット内の前記ダイリードおよびボンドリードのダイ表面と同一高さになるように、前記成形チェース延入部が前記ダイリードおよびボンドリードのメッキ面と同一高さになるように第1平面から前記成形チェース延入部それぞれの前記ピーク面まで延在する請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記成形チェースの一部が、前記複数のリードセットの全体にわたって連続的である請求項1に記載の方法。
【請求項6】
各リードセット内の前記ダイリードおよび前記ボンドリードをワイヤによって電気的に接続する請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記電気メッキのメッキ材がスズ素材およびスズ合金素材のうちの少なくとも一種である請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記電気メッキにおいて、
各リードセットの前記ダイリードおよび前記ボンドリードの前記メッキ面、前記第1リード側壁、及び前記第2リード側壁にメッキ材溶液を設け、
前記リードフレーム及び前記メッキ材溶液に電源を電気的に結合し、そして
この電源を介して前記リードフレームに電流を印加する請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記成形チェース延入部を凸状膨出部として形成する請求項1に記載の方法。
【請求項10】
リソグラフィー、エッチングおよびアニーリングのうちの一つかそれ以上を使用して、前記成形チェース延入部を形成する請求項1に記載の方法。
【請求項11】
それぞれがダイ表面およびこのダイ表面に対向する位置になるメッキ面を有するダイリードおよびボンドリードを有する複数のリードセット、第1方向における隣接リードセット間の複数のヴィアであって該複数の各ヴィアが前記複数のリードセットそれぞれの前記ダイリードの第1リード側壁及び前記複数のリードセットそれぞれの前記ボンドリードの第2リード側壁を有する複数のヴィア、および各ダイリードの前記ダイ表面に配設した集積回路ダイ、を有するリードフレームと、
前記ダイリードおよび前記ボンドリードのそれぞれのメッキ面にそって位置し、前記複数のリードセットに接触し、複数の成形チェース延入部を有する成形チェースであって、前記複数の成形チェース延入部は前記第1方向における各隣接リードセット間の前記複数のヴィアに延入し、かつそれぞれの成形チェース延入部はピーク面を有し、これら複数の成形チェース延入部は前記複数のヴィアの前記側壁の間のスペース全体を埋める成形チェースと、
前記リードセットのそれぞれは、前記ダイリードと前記ボンドリードとの間のスペースを占有する成形封入部があって、前記成形チェース延入部それぞれの前記ピーク面に接触する部分を有する前記成形封入部と、
を有することを特徴とするデバイス。
【請求項12】
前記複数の成形チェース延入部それぞれの前記ピーク面が各リードセット内の前記ダイリードおよびボンドリードの前記ダイ表面と同一高さになるように、前記複数の成形チェース延入部が前記ダイリードおよび前記ボンドリードのメッキ面と同一高さになるように第1平面から前記複数の成形チェース延入部それぞれの前記ピーク面まで延在する請求項11に 記載のデバイス。
【請求項13】
前記複数の成形チェース延入部のそれぞれの前記ピーク面が、前記ダイリードおよび前記ボンドリードの前記メッキ面と同一高さになるように第1平面と、各リードセット内の前記ダイリードおよびボンドリードの前記ダイ表面と同一高さになるように第2平面との間に位置するように、前記複数の成形チェース延入部が前記第1平面から各成形チェース延入部の前記ピーク面まで延在する請求項11に記載のデバイス。
【請求項14】
さらに、前記成形チェースと、前記ダイリードおよび前記ボンドリードそれぞれの前記メッキ面との間に膜を有する請求項11に記載のデバイス。
【請求項15】
前記膜が各成形チェース延入部の前記ピーク面と前記成形封入部との一部との間にもある請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記成形チェースの一部が複数のリードセットの全体にわたって連続的である請求項11に記載のデバイス。
【請求項17】
各リードセット内の前記ダイリードおよび前記ボンドリードがワイヤによって電気的に接続される請求項11に記載のデバイス。
【請求項18】
前記複数の成形チェース延入部が凸状膨出部として形成される請求項11に記載のデバイス。
【請求項19】
前記成形封入部が非電導性である請求項11に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
平坦(フラット)なリード部のないリードレス半導体ダイパッケージの場合、集積回路ダイ(またはダイス)をプリント回路基板(PCB)にフラットリードを使用して電気的かつ物理的に結合する。この場合、プリント回路基板(PCB)に貫通するスルーホールは使用しない。これら半導体ダイパッケージは“リードなし”または“リードレス”パッケージと呼ばれているが、本発明では用語“リード”はフラットなリードなしパッケージ上に存在するフラットな導体パッドを指すものとする。これら半導体ダイパッケージは、パッケージの外周を超えて延在するリード部が無いという意味では“リード部”をもたない。フラットなリードなしパッケージは“QFN”パッケージ(quad flat no-leads package)として分類することができ、パッケージの4側面すべてにリードを有し、また“DFN”パッケージ(dual flat no-leads package)としても分類することができ、これは2つの対向側部にリードを有する。これら半導体ダイパッケージ内部では、一つかそれ以上の集積回路ダイが非導電性成形材内に封入されている。銅などの金属からなる導電性リードフレームが半導体ダイパッケージの内部素子に結合し、PCBに電気的に結合できるリードを外部に露出する。フラットなリードなしパッケージに対する改良は常に進展中である。
【0002】
リードレス半導体ダイパッケージは、このパッケージの周辺を超えて延在するリード部をもつパッケージと比較した場合いくつかの作用効果を有する。この半導体ダイパッケージは、他の型式の半導体ダイパッケージよりも薄型である。また、このような半導体ダイパッケージはスペースを大きく取ることがなく、従って印刷回路板上の“設置面積(footprint)”は、半導体ダイパッケージの周辺を超えて延在するリードを有する通常のパッケージよりも小さい。また、このようなリードレス半導体ダイパッケージの熱特性は、パッケージの周辺を超えて延在するリードをもつパッケージよりもすぐれている。
【0003】
QFNパッケージやDFNパッケージに関する限り、技術上の課題はパッケージのリード部に対するはんだ接続の検査である。QFNパッケージやDFNパッケージに対する適正な接続を確保するためには、接続を検査する必要がある。これら検査については、X線などによって、あるいは自動光学検査(AOI)などによって実施できる。自動光学検査(AOI)システムを使用して、半導体デバイスや印刷回路基板(PCB)の欠陥を検査できる。QFNパッケージやDFNパッケージについては、リードの側部または“フランク(flank)”の部分が、例えばはんだを露出リード部の側部や側壁に毛管作用によって運ぶなどしてはんだによって湿潤されるようにリード部が配向している場合には、X線検査よりもコストの低いAOIが可能である。
【0004】
従来のリード濡れ性化(湿潤化)装置の場合、一つかそれ以上のカット部を形成してから、一つかそれ以上の表面をメッキして湿潤化する方法によって形成することができる。このようなカット部を設けるためには、付加的な装置が必要になるか、あるいは工程数を増やしてフランクを湿潤化することが必要になる。
【0005】
従って、濡れ性をもつフランクを有する半導体ダイパッケージを効率よく製造する方法が依然として求められている。
【発明の概要】
【0006】
本発明の一つの態様は、リード濡れ性表面(lead wettable surface)の製造方法に関する。本発明方法では、それぞれがダイ表面およびメッキ面を有するダイリードおよびボンドリードを備えるリードフレーム、第1方向における隣接リードセット間のヴィア、および各ダイリードのダイ表面に配設した集積回路ダイを使用する。この方法では、さらに、ダイリードおよびボンドリードそれぞれのメッキ面に成形チェース(mold chase)を設ける。この成形チェースは複数のリードセットに接触し、かつ第1方向において各隣接リードセット間のヴィアに延入する成形チェース延入部を備え、各成形チェース延入部はピーク面を備える。本発明方法では、さらに、成形封入部の一部が成形チェース延入部のそれぞれのピーク面に接触するように、リードフレームアセンブリを成形封入部内に部分的に埋設する。本発明方法では、さらに、成形チェースを取り外し、それぞれが各リードセットのダイリードの第1側壁および各リードセットのボンドリードの第2側壁を備えたヴィアを露出させ、電気メッキを使用して、ダイリードおよびボンドリードそれぞれのメッキ面をメッキするとともに、第1側壁および第2側壁をメッキする。
【0007】
本発明の一つの態様は、それぞれがダイ表面およびメッキ面を備えたダイリードおよびボンドリードを有する複数のリードセット、第1方向における隣接リードセット間のヴィア、および各ダイリードのダイ表面に配設した集積回路を備えたリードフレームを有するデバイスに関する。このデバイスはダイリードおよびボンドリードそれぞれのメッキ面に成形チェースを備え、この成形チェースが複数のリードセットに接触する。この成形チェースは第1方向において各隣接リードセット間のヴィアに延入する成形チェース延入部を備え、各成形チェース延入部はピーク面を備え、成形封入部がその一部が成形チェース延入部のそれぞれのピーク面に接触する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
添付図面を参照して説明する記載から本発明を細部にわたって理解できるはずである。
【0009】
図1図1は、一実施例に従ってパッケージアセンブリから半導体ダイパッケージに濡れ性フランク(wettable flank)を形成する例示的な方法を示すフローダイアグラムである。
図2A図2Aは、一実施例に従ってリード、ダイ、およびヴィアを備えたリードフレームを示すパッケージアセンブリを示す上面図である。
図2B図2Bは、一実施例に係る図2Aのパッケージアセンブリを示す横断面図である。
図2C図2Cは、一実施例に係る図2Aのパッケージアセンブリを示す底面図である。
図3図3は、一実施例に係る成形チェースおよび成形封入部を備えたパッケージアセンブリを示す横断面図である。
図4図4は、成形チェースおよび成形封入部を取り外した状態を示す、図3のパッケージアセンブリの横断面図である。
図5図5は、一実施例に従って電気メッキおよび側壁電気メッキを行ったメッキ面を備えるパッケージアセンブリを示す横断面図である。
図6図6は、一実施例に係る接続膜を備えるパッケージアセンブリを示す横断面図である。
図7A図7Aは、一実施例に従ってパッケージアセンブリ内でチャネル部を形成するカット部およびカットパターンを例示するパッケージアセンブリを示す上面図である。
図7B図7Bは、一実施例に係る図7Aのパッケージアセンブリを示す横断面図である。
図7C図7Cは、一実施例に係る図7Aのパッケージアセンブリを示す底面図である。
図8図8は、一実施例に従って底部メッキおよび側壁メッキを行った完成半導体ダイパッケージを例示する横断面図である。
図9A図9Aは、一実施例に従って底部メッキかつ側壁メッキを行ったDFNパッケージを例示する斜視図である。
図9B図9Bは、一実施例に従って底部メッキかつ側壁メッキを行った図9AのDFNパッケージの上部側を例示する斜視図である。
図9C図9Cは、一実施例に従って底部メッキかつ側壁メッキを行ったQFNパッケージの底部側を例示する斜視図である。
図9D図9Dは、一実施例に従って底部メッキかつ側壁メッキを行った図9CのQFNパッケージの上部側を例示する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明使用するいくつかの専門用語は便宜上のものであり、限定を意図するものではない。“右”、“左”、“上部”および“底部”は参照する図面における方向を指す。なお、このよう方向に基づく用語は参照のみを意図し、本発明実施態様では異なる方向も採用できるため、このような用語はこのようなそれぞれの異なる方向に依拠して解釈すべきである。また、特許請求の範囲および本明細書で使用する単数表現については、文脈上反対の表現を意味しない限り、単数および複数表現の両者を指すものとする。このような表現は、上記の意味、これから派生する意味、類似する意味を含意する。“A、B、またはC”などの複数の部材などのリストの前にある“少なくとも一つの”はA、B、またはCのいずれか一つを意味する場合もあり、またこれらを組み合わせたものを指す場合もある。
【0011】
本明細書の開示を通して、当業者ならば本発明の実施態様を実施できるはずである。また、当業者にとっては、各種修正、等価物、変更や代替物などは自明なはずである。このような修正、等価物、変更や代替物はいずれも特許請求の範囲に記載した趣旨および範囲に含まれるものである。
【0012】
本明細書に開示する技術は、半導体ダイパッケージ、好ましくはDFNおよび/またはQFN半導体ダイパッケージに底部および側壁濡れ性フランクを形成する技術である。本技術は、複数の未単体化パッケージを備えるパッケージアセンブリを包含する技術である。このパッケージアセンブリは、これに結合したダイおよび他の内部パッケージ素子(ワイヤボンディング素子など)を有するパッケージアセンブリを備える。ダイおよび他の素子が、以下に詳しく説明するように、未単体化パッケージの異なる領域を形成する。リードフレームがパッケージアセンブリの一端と他端とを、そして半導体ダイパッケージの各種の露出リードとダイパドル(die paddle)とを連続的に電気接続する。この電気接続を形成するためにはワイヤボンドやタイバー(tie bar)などの素子が役に立つ。この電気接続を利用して、電気メッキ時に電流を流すことができ、これがDFNおよび/またはQFNパッケージに底部/側壁濡れ性フランクを形成するプロセスにおける一つの工程である。
【0013】
図1は、本発明の第1態様に従ってパッケージアセンブリから半導体ダイパッケージを形成するプロセス、即ち方法100を例示するフローダイアグラムである。プロセス100が進む間のパッケージアセンブリ200のステージを例示する図2図9を参照して図1のプロセス100を説明する。本発明では、リードフレーム25を銅シートなどのリードフレーム素材から切断することができる。本明細書で言及するリードフレームアセンブリとして、複数のリードセット22を備えたリードフレーム25を使用することができ、各セットは第1リード22aおよび第2リード22bを備える。リードフレームアセンブリは任意の金属合金から構成することができる。リードセット22をリードフレーム25の部分にエッチングすることができる。本明細書に開示するリードセット22は2つのリード(即ち22aおよび22b)を備えているが、このリードセットは2以上の異なる個数(たとえば4)のリードを備えることも可能である。
【0014】
図2A図2Cに示すように、図示のパッケージアセンブリ200は上面201および底面202を備える。リードフレーム25は複数のリードセット22を備えることができ、各リードセットは少なくともダイリード22aおよびボンドリード22bを備える。リードフレーム25は、図2A図2Cに示すように、隣接リードセット22間にヴィア(via)23を備えてもよい。これらヴィア23は空間、貫通孔、間隙、空隙などと呼ぶことも可能なものに対応するか、あてはまるものであってもよい。各ヴィア23は、ボンドリード22bの側壁55および隣接リードセット22のダイリード22aの側壁56の間に形成することができる。図示のヴィア23は図2A図2CのX方向において隣接リードセット22間にあればよいが、これらヴィア23についてはY方向などの任意の方向においてリードフレーム25内に設けてもよく、図2図9に示す実施例は制限的なものではない。
【0015】
工程10で、本明細書で単に“ダイ”と呼ぶこともある一つかそれ以上の集積回路ダイ20をリードフレーム25のリードセットのダイリード22aに成膜することができる。リードフレームアセンブリについては、単一の部分またはユニットに集積化した複数のリードセット22を備えることができる。複数の半導体ダイパッケージをパッケージアセンブリ200内のダイパッケージのアレイの形で形成することができ、以下に詳しく説明するように、次にこれらを個々の半導体ダイパッケージに切断(例えば単体化)する。各半導体ダイパッケージはダイリード(die lead)22aおよびボンドリード(bond lead)22bを有するリードセット22、ダイリード22a上のダイ20を備え、ダイ20をボンドリード22bに接続するワイヤ21によってこのダイ20をボンドリード22bに接合する。成形封入部(mold encapsulation)32については、図3に示すように、半導体ダイパッケージの一部であればよく、これについては後述する。以下に詳しく説明するように、単体化半導体ダイパッケージについては、パッケージアセンブリ内の一つかそれ以上の他の半導体ダイパッケージから分離される半導体ダイパッケージでよい。
【0016】
工程11において、ワイヤ21などの他の素子、導電性クリップ(ダイ(複数の場合もある)を一つかそれ以上のリードに結合する半導体ダイパッケージ内の要素)あるいは他の要素を成膜して複数の半導体ダイパッケージを形成する。特に、工程11では、図2Aおよび図2Bに示すように、ダイ20をボンドリード22bに接続するワイヤ21によって複数のダイ20のそれぞれを対応するボンドリード22bに接合することができる。
【0017】
図2Aは、図1のプロセス100の工程11後の、上面201を備えたパッケージアセンブリ200を示す上面図である。図2Aに示すように、リードフレーム25の一部として複数のリードセット22を設ける。各リードセット22はダイリード22aおよびボンドリード22bを備える。(例えば図2Aおよび図2Bに示す上面などの)ダイ表面27a上のダイリード22aそれぞれにダイ20を成膜する。図2Bに示すように、リードセット22のリード22aにダイ20を成膜し、これらダイ20を同じリードセット22のボンドリード22bに電気的に接続する。この電気的な接続については、リードセット22のダイリード22aのダイ表面27aに成膜した所定のダイ20に接合したワイヤ21を使用して実施することができ、この所定のワイヤ21はボンドリード22bのダイ表面27aに電気的に接続する。
【0018】
図2Bは、図1のプロセス100の工程終了後の、図2Aのパッケージアセンブリ200を示す横断面図である。図2Bに示すように、リードフレーム25の一部としてそれぞれがダイリード22aおよびボンドリード22bを備えた複数のリードセット22を設ける。複数のダイ20については、リードセット22のダイリード22aに成膜し、各リードセット22のボンドリード22bに電気的に接続することができる。ダイ20間の各ボンドリード22の電気的な接続については、図2aに例示するように、ワイヤ21を使用して実施することができる。
【0019】
図2Cは、図1のプロセス100の工程11終了後の、図2Aおよび図2Bのパッケージアセンブリ200を示す底面図である。図2Cに示すように、複数のリードセット22については、アレイ構成で配置することができる。図2Cには、リードセット22のダイリード22aおよびボンドリード22bのメッキ面27b(例えば底面)を示す。図示のように、ヴィア23については、図2CにおいてX方向に相互に隣接するリードセット22間のリードフレーム25内に設ける。図2CにおいてX方向に隣接するリードセット22間にヴィア23を例示しているが、これらヴィア23については、Y方向などの任意の適用可能な方向でリードフレーム25内に設けることもでき、図2図8に示す実施例は制限的なものではない。さらに説明するように、Y方向において相互に隣接するリードセット22(例えば図2Cにおける上部および底部など)については、半導体パッケージの製造時電気的に相互に独立していてもよい。
【0020】
図1のプロセス100の工程12では、図3に示すように、成形チェース31をパッケージアセンブリ200の底面202にテーピングすることができる。成形チェース31については、以下に詳しく説明するように、リードセット22間のヴィア23に延入する成形チェース延入部31aを備えることができる。さらに、半導体ダイパッケージのリードフレーム25および他の素子の周囲に成形封入部32を成膜することができ、この成形封入部32の一部は成形チェース延入部31aのピーク面31bまで延在し、そこで終端していればよい。特に、成形チェース31については、パッケージアセンブリ200の底部部分202に成膜することができる。この成形チェース31があるため、工程12で成膜した成形封入部32がリードフレーム25の底部を超えて延在することがなく、また成形封入部32の一部が成形チェース延入部31aのピーク面31bまで延在し、そこで終端することができる。
【0021】
図3に示すように、成形チェース31については、パッケージアセンブリ200の底面202に成膜することができ、パッケージアセンブリ200のリードセット22のダイリード22aおよびボンドリード22bのメッキ面27bを覆うことができる。この成形チェース31は、リードフレーム25のヴィア23(図2A図2Cに示す)に延入する成形チェース延入部31aを備えることができる。成形チェース延入部31aについては、ヴィア23に部分的に、あるいは完全に延入することができる。図3に示すように、モールドチェース31aはリードセット22のメッキ面27bに平行な第1平面からモールドチェース延入部31aそれぞれのピーク面31bまで延在することができる。成形チェース延入部31aそれぞれのピーク面31bについては、各リードセット22のダイリード22aおよびボンドリード22bに平行であればよい。成形チェース延入部31aは、ボンドリード22bの側壁および各隣接リードセット22のダイリード22aの側壁に隣接するとともに、これら間に存在する。図3に示すように、成形チェース延入部31aは側壁55および56の間のスペース全体を埋めることができる。特に、成形封入部32がヴィア23に延入せず、従って側壁55および56を覆わないように、成形チェース延入部31aは側壁55と56との間にある表面全体を充填する。
【0022】
本発明の一実施態様では、パッケージアセンブリ200の底面201に成形チェース31を成膜する前に、成形チェース31を予め成形して、成形チェース延入部31aを設けるようにすることができる。また、成形チェース31についても、リソグラフィー、エッチング、アニーリングなどの任意の適用可能な方法によって成形し、成形チェース延入部31aを設けることができる。この実施態様では、成形チェース延入部31aの位置については、リードフレーム25のヴィア23に予め整合させておくことができる。別な実施態様では、パッケージアセンブリ200の底面201に成形チェース31を成膜し、成形チェース延入部31aが、図3に示すように、成形チェース延入部31aのピーク面31bまでヴィア23に延入するように、ヴィア23内に成形することができる。この実施態様では、成形チェース31の素材については、パッケージアセンブリ200の底面201に成形チェース31を保持した状態で成形チェース31に圧力および/または熱を印加したときに、成形チェース31の素材がヴィア23に延入し、成形チェース延入部31aを形成するように、展性をもつことができる。図3に示すように、成形チェース延入部31aについては、ヴィア23を充填する形状の凸状膨出部として形成することができる。
【0023】
図3に示すように、図1のプロセス100の工程13で、ダイおよびその他の素子(ワイヤ21など)は成形封入部32(本明細書では成形、封入、封入材などと呼ぶこともある)内に封入することができる。成形封入部32については、非導電性で、パッケージ素子のすべて、あるいは大部分を覆うことができるが、各リードセット22のダイリード22aおよびボンドリード22bのメッキ面を覆ってはならず、また成形チェース延入部31aによってブロックされる結果、ボンドリード22bの側壁およびダイリード22aの側壁56を覆ってはならない。成形封入部32は、各リードセット22のダイリード22aおよびボンドリード22bの底面27bに対向する上部主面32aを備えることができる。成形封入部32の底部主面32bについては、ヴィア23を除く、各リードセット22の複数のダイリード22aおよびボンドリード22bの底面27に隣接し、かつ実質的に平行であればよい。
【0024】
成形封入部32の一部を図3に示すが、この成形封入部32は、図3の横断面図から理解できるように、リードフレーム25および関連する素子(例えばダイ20、ワイヤ21など)を覆うものであってもよい。一実施態様では、成形封入部32は一部が不透明であってもよく、あるいは完全に不透明であってもよく、あるいはリードフレーム25および関連する素子が上から見えないように所定の色(例えば黒色、灰色など)で着色されていてもよい。なお、図3に示す上面図において、リードフレームおよび関連する素子が図2Aにおいて見えるようにモールド封入部は透明であり、これは例示を目的とする。図示のように、成形封入部32はダイ20、各リードセット22の複数のダイリード22aおよびボンドリード22bを封入するもので、各リードセット22のダイリード22aおよびボンでリード22b間のスペース間に設けることができる。
【0025】
成形封入部32は、パッケージアセンブリ200の素子に対して物理的かつ電気的なバリヤになるものである。成形封入部32はシリカ充填樹脂、セラミック、ハロゲン化物を含有しない素材や他の保護封入素材、あるいはこれらを組み合わせたものから構成することができる。この成形封入部32については、移転室(transfer chamber)において熱および圧力によってプラスチックを軟化させ、適切なスプルー、ランナーおよびゲートを介して高圧で密閉モールドに押し込み、最終硬化を行うプロセスで熱硬化性素材を成形することによって成形することができる。成形封入部32についても、加熱処理し、UV雰囲気または周囲雰囲気中での硬化によって固体を形成する液体を使用するか、あるいは加熱して液体を形成してから、冷却して固体成形体を形成する固体を使用することによって、形成することができる。
【0026】
一実施態様では、図3に示すように、成形チェース31を形成する前に、ダイリード22aおよびボンドリード22bそれぞれのメッキ面に膜30を成膜し、この膜30が側壁55および56を覆うように膜30をヴィア23に延入することができる。この膜30については、図3に示すように、各リードセット22のダイリード22aおよびボンドリード22b間の隙間に延入させることもできる。この実施態様では、成形チェース31については、リードセット22のダイリード22aおよびボンドリード22bのメッキ面とは反対側にある膜30の表面に設けることができるため、成形チェース31はメッキ面27bの下にある膜30を覆うことができ、かつヴィア23内の膜30を覆うことができる。あるいは、成形チェース31をパッケージアセンブリ200の底面201に設ける前に予め形成した成形チェース31に膜30を成膜してもよい。
【0027】
図1に示すプロセス100の工程13では、図4に示すように工程12後に、膜30および/または成形チェース31をリードフレーム25から取り外すことができる。(図示を省略した)一つかそれ以上のマーキングについては、リードフレームアセンブリ200に設けることができる。これらマーキングは機械検出可能なマークである基準マークを有することができ、この機械それ自体を切断に合わせることが可能になる。工程13後、パッケージ素子(ダイ、リードフレーム、ダイをリードフレームに結合する素子など)を成形素材32内に封入した複数の非単体化半導体ダイパッケージを備えたパッケージアセンブリ200が得られる。特に、図4に示すように、各リードセット22のダイリード22aおよびボンドリード22bのメッキ面27bを露出させることができる。さらに、図4に示すように、ボンドリード22bの側壁55およびダイリード22aの側壁56も露出させることができる。
【0028】
図1に示すプロセス100の工程14では、図5に示すように、複数のダイリード22aおよびボンドリード22bのメッキ面27bだけでなくボンドリード22bの側壁55およびダイリード22aの側壁56に対して電気メッキ50および電気メッキ56をそれぞれ実施することができる。本明細書に開示するように、各リードセット22の複数のダイリード22aおよびボンドリード22bのメッキ面27bとしては、工程11で設けたワイヤ21に接合する各リードセット22の複数のダイリード22aおよびボンドリード22bのメッキ面から反対側にある面を使用することができる。特に、膜30および/または成形チェース31を取り外した後に、メッキ面27bおよびボンドリード22bの側壁55ならびにダイリード22aの側壁56が露出する。
【0029】
電気メッキ50および電気メッキ51では、同じか、あるいは異なる二種類の電気メッキ材を使用することができる。電気メッキ50および電気メッキ51については、同時に行ってもよく、あるいは2つの異なる工程に分けて実施してもよい。これら電気メッキ50および51については、図5に示すように、図1に示すプロセス100の工程14において電気メッキプロセスによって実施すればよい。電気メッキおよび/または電気メッキ51では、スズまたはスズ合金などの一つかそれ以上の金属層を各リードセット22の複数のダイリード22aおよびボンドリード22bのメッキ面27bだけでなく(即ち電気メッキ50)、ボンドリード22bの側壁55およびダイリード22aの側壁56(即ち電気メッキ51)にメッキすることができ、メッキ面27bおよび側壁55、56を酸化から保護することができる。さらに、これら電気メッキ50および/または51によってはんだ濡れ性表面を得ることができる。電気メッキプロセスに電気メッキ50および/または電気メッキ51を適用すると、メッキ面27b(例えば底面など)および/または側壁55および56を覆う導電性メッキ材を成膜することができ、はんだが各リードセット22の複数のダイリード22aおよびボンドリード22bに接着するだけでなく、ボンドリード22bの側壁55およびダイリード22aの側壁56に接着する。電気メッキ50のメッキ材および/または電気メッキ51のメッキ材は、露出したメッキ面27bおよび側壁55、56に成膜することができる。工程14の電気プロセス時、リードフレーム25をメッキ浴に浸漬し、電解メッキ装置(図示省略)の陰極にリードフレーム25を電気的に結合することができる。電解メッキ装置の陽極については、メッキ浴に浸漬されているメッキ材に結合することができる。リードフレームに電流を印加すると、各リードセット22の複数のダイリード22aおよびボンドリード22bのメッキ面27bだけでなく、ボンドリード22bの側壁55およびダイリード22aの側壁56にメッキ材が成膜するため、例えば、各リードセット22の複数のダイリード22aおよびボンドリード22bのメッキ面27bだけでなく、ボンドリード22bの側壁55およびダイリード22aの側壁56もメッキ材でメッキされることになる。電気メッキ50のメッキ材としては任意のメッキ材、例えばスズ、金、パラジウムや銀から選択することができる。
【0030】
図1に示すプロセス100の工程15では、図6に示すように、成形封入部32の上部主面32aに接続膜60を成膜することができる。図示のように、接続膜60は複数のリードセット22の上全体に成膜することができる。接続膜60としては、成形封入部32の上部主面32aに付着する任意の適用可能な膜を使用することができる。この接続膜60については、任意の適用可能な接着剤を使用して、成形封入部62の上部主面に接着することができる。
【0031】
図1に示すプロセス100の工程16では、図7A図7Cに示すように、単体化プロセスを実施することができる。図7A図7Cに示すように、工程16後に、リードフレーム25を個々の半導体ダイパッケージ80に単体化すればよい。工程16での単体化プロセスについては、鋸刃を備えた鋸、あるいはレーザーカッター、プラズマカッター、ウォータージェットカッター、あるいは当業者にとっては公知なその他の適用可能な切断装置および/または技術などの切断装置および/または技術を使用して実施することができる。さらに説明するように、工程16での単体化プロセスでは、一つかそれ以上のカット部71(例えば71aおよび/または71bなど)を形成することができる。カット部71aはX方向(例えば図7Aおよび図7Cに示すパッケージアセンブリ200の左側から右側の方向)に延在し、成形封入部32の底部主面32bを起点とし、底部主面から成形封入部32の上部主面32aに向かって上向きに延在する。本発明の一実施態様では、図7Aに示すように、カット部71aはリードコネクター28を介して切り進む。以下に説明するように、リードコネクター28が2つの隣接リードを接続し、リードフレーム(例えばリードフレーム25など)それ自体の一部を構成するか、あるいは一つかそれ以上の他の素材から構成することができる。カット部71bは隣接リードセット22間に形成することができ、Y方向に延在するもので、このカット部については、取り外された成形チェース延入部31aのピーク面31bに対応する成形封入部32の底面を起点とするヴィア23を介して作られ、成形封入部32の上部主面32aを介して延在し、一つかそれ以上のチャネル部70を形成することができる。これらチャネル部70それぞれは、チャネル70の一部それぞれの各側において電気メッキ51を行った側壁55および56を備えていればよい。工程16での単体化プロセス終了後に、接続膜60によってのみ接続された個々の半導体ダイパッケージ80にパッケージアセンブリ200を単体化すればよい。実施態様によれば、ヴィア23に対応しないチャネル70部の部分はヴィア23よりも小さい(例えば、チャネル部70の壁部の幅は側壁55、56間の距離よりも小さい)。
【0032】
図7Bは、図1に示すプロセス100の工程時16における図7Aのパッケージアセンブリ200を示す横断面図である。図7Bは、一連の平行カット部71bをY方向に形成し、複数のチャネル部70を設けるプロセスを示す図である。特に、Y方向における一連の平行なカット部71bはヴィア23を起点とし、成形封入部22を介して延在する。図7Bは、接続膜60内に部分的に延入するチャネル部70を示す図である。一方、本発明の一実施態様によれば、これらチャネル部70は接続膜60まで形成することができるが、当該チャネル部が接続膜60の一部に延入することはない。図7Bに示すように、接続膜60の少なくとも一部は複数のリードセット22の全体にわたって成形封入部32の主ピーク面32a上で連続的である。
【0033】
図7Cに示すように、工程16における単体化プロセスでは、成形封入部32の底部主面32bに第1方向(例えばX方向など)にそって切れ目を入れて一連の第1平行カット部71aを形成する。この一連の第1平行カット部は接続膜60あるいは接続膜60の一部に達する深さまで延在することができる。特に、一連の第1平行カット部71aはリードコネクター28および/または電気的に未接続の隣接リードセット22(例えばパッケージアセンブリ200を上から見た場合には図7Aに示すように、あるいは下から見た場合には図7Cに示すように、相互に上下に設けられるリードなど)にのみ切り進み、リードセット22には切り進まない。工程16での単体化プロセスでは、さらに、第1方向に対して実質的に直角をなす第2方向(例えばY方向など)にそって一連の第2平行カット部71bを形成する。これら一連の第2平行カット部71bはヴィア23を起点とし、具体的には、取り外した成形チェース延入部31aのピーク面31bに対応する成形封入部32の底面を起点とし、接続膜60あるいは接続膜60の一部に達する深さまで成形封入部32の上部主面32aを介して延在し、チャネル部70を形成することができる。
【0034】
これら一連の第1平行カット部71aおよび第2平行カット部71bについては、接続膜60を貫通しない深さに切り進んでいればよく、このため半導体ダイパッケージ80が工程16における単体化プロセス時に単体のパッケージアセンブリ200として残る。特に、接続膜60に関しては、この接続膜60がチャネル部70によって分離されるパッケージアセンブリ200の複数の半導体ダイパッケージ80を維持でき、接続膜60によって接続された単一ユニットの一部として存在できる特性(例えば強度、剛性、弾性など)を備えることができる。例えば、接続膜60を使用することにより、パッケージアセンブリ200の複数の半導体ダイパッケージ80および複数のチャネル部50のX方向幅が、工程16での単体化前のパッケージアセンブリ200の幅(例えば、図6に示すように、工程16前のパッケージアセンブリ200の幅)に実質的に等しい。接続膜60の素材としては、導電性かまたは非導電性の任意の適用可能な素材を使用することが可能である。
【0035】
あるいは、本発明の一実施態様では、工程16において、パッケージアセンブリ200の上面201を接続テープ60でテーピングする代わりに、パッケージアセンブリ200の底面202に接続テープ60をテーピングしてもよい(図示省略)。例えば、工程16での単体化プロセスにおいて、接続テープ60を底面202にテーピングした状態で成形封入部32の上部主面32aから一つかそれ以上のカット部71(例えば71aおよび71bなど)を形成すればよい。この実施態様では、カット部71aをX方向に延在させることができる。これらカット部71aは成形封入部32の上部主面32aを起点とし、成形封入部32の底部主面32bまで切り下げることができる。一つの実施態様では、カット部71aもまた(例えばリードコネクター28がリードフレーム25の一部の場合には)リードフレーム25に一部に設けることができる。カット部71bについては、隣接リードセット22間に設けることができる。これらカット部71bはY方向に延在し、ヴィア23を介して成形封入部32の上部主面32aを起点とし、取り外された成形チェース延入部31aのピーク面31bに対応する成形封入部32の底面まで延在し、一つかそれ以上のチャネル部70を形成する。これらチャネル部70それぞれについては、チャネル部70の一部の両側において、電気メッキ51を適用した側壁55および56を備えていればよい。実施態様では、ヴィア23に対応しないチャネル部70の部分はヴィア23よりも小さい(例えば、チャネル部70の壁部の幅は側壁55、56間の距離よりも小さい)。
【0036】
図1に示すプロセス100の工程17で、図8に示すように接続膜60を取り外す。図示のように、工程17で接続膜を取り外した後、パッケージアセンブリ200の複数の半導体ダイパッケージ80のみが残る。複数の半導体ダイパッケージそれぞれはダイリード22aおよびボンドリード22bを有するリードセット22、各リードセット22の各ダイリード22aに接合したダイ20、および各リードセット22の対応するボンドリード22bにダイ20を電気的に接続するワイヤ21を備える。さらに、複数の半導体ダイパッケージ80それぞれはダイリード22aおよびボンドリード22bのメッキ面27上に電気メッキ材(例えば電気メッキ材50)だけでなく、各リードセット22のリード側壁55および56(例えば電気メッキ材51)を備える。電気メッキ材(例えば50および/または51など)によって所定の半導体ダイパッケージをプリント回路基板(PCB)に取り付けることができる。
【0037】
以上リードセット内のリード(例えばリードセット22内のダイリード22aおよびボンドリード22bなど)の具体的な個数および構成について図示しおよび/または開示してきたが、本発明の技術は任意の構成のリードおよび/またはダイを備えたアセンブリパッケージに適用可能である。さらに、当業者ならば、同じかあるいは同様な技術もQFNパッケージに濡れ性フランクを備えたDFNパッケージと同様に濡れ性フランクを設けることができるはずである。
【0038】
図9Aおよび図9Bに第1電気メッキ材50を2つの対応するリード(図示省略)の底部に設け、かつ第2電気メッキ材51をDFNパッケージ250のリード側壁(図示省略)に設けた、濡れ性フランクを備えたDFNパッケージ250を示す。本明細書に開示するように、図1のプロセス100に従って第1メッキ材50および第2メッキ材51をメッキすることができる。さらに、図9Aに示すように、タイバー領域35も(例えば第2電気メッキ材51などで)メッキすることができる。本明細書に記載するように、タイバー領域35があるため、電気メッキ時(例えば、第1電気メッキ50および/または第2電気メッキ51時)電流を印加できる電気接続を行うことが容易になる。
【0039】
図9Cおよび図9Dに、第1電気メッキ材50を対応するリード(図示省略)の底部にメッキし、かつ第2電気メッキ材51をQFNパッケージ260のリード側壁(図示省略)にメッキしたQFNパッケージ260を示す。第1メッキ材50および第2メッキ材51については、本明細書に記載するように、図1のプロセスに従ってメッキすることができる。
【0040】
特に、本明細書に開示する図1のプロセス100は、(半田)濡れ性フランクを有する半導体ダイパッケージを形成するメッキプロセスである。このプロセスでは、単体化前に、成形チェース延入部をもつ成形チェースを使用して成形封入部の適用時ヴィアを分離し、次に成形チェースの取り外し後にリードの側壁およびメッキ面を露出させてメッキを行う。単体化前にメッキを行うため、メッキプロセスを簡略化でき、かつメッキ後の単体化を簡略化できる。
【0041】
なお、以上の説明は例示のみを目的とし、制限を意図するものではない。以上の実施態様については、発明の趣旨および範囲から逸脱せずに一部変更などを加えることができる。以上本発明を説明してきたが、当業者にとっては、本明細書に開示した技術思想および原理を変更することなく、多くの物理的変更(ごく一部のみを発明の詳細な説明に開示している)を加えることができる。また、好ましい実施態様のごく一部を利用した数多くの実施態様も本明細書に開示した技術思想および原理を変更することなく実施可能である。従って、本発明実施態様および適宜加える構成変更などは、あらゆる点において、例示および/または説明を目的とし、制限を意図するものではなく、本発明の範囲は本明細書の記載ではなく、特許請求の範囲によって規定されるもので、特許請求の範囲と等価な意味および範囲内にある実施態様に対する変更等も本発明に包摂されるものである。
【符号の説明】
【0042】
11 工程
12 工程
13 工程
14 工程
15 工程
16 工程
20 ダイ
21 ワイヤ
22 リードセット
22a 第1リード(ダイリード)
22b 第2リード(ボンドリード)
23 ヴィア
25 リードフレーム
27a ダイ表面
27b メッキ面
28 リードコネクター
30 膜
31 成形チェース
31a 成形チェース延入部
31b ピーク面
32 成形封入部
32a 上部主面
32b 底部主面
35 タイバー領域
50 電気メッキ
51 電気メッキ
55 側壁
56 側壁
60 接続膜
62 成形封入部
70 チャネル部
71 カット部
71a 第1平行カット部
71b 第2平行カット部
80 半導体ダイパッケージ
100 プロセス
200 パッケージアセンブリ
201 上面
202 底面
250 DFNパッケージ
260 QFNパッケージ
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9A
図9B
図9C
図9D