(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】複数ポート電力変換器デバイス
(51)【国際特許分類】
H02J 7/34 20060101AFI20240830BHJP
B60L 53/51 20190101ALI20240830BHJP
B60L 53/55 20190101ALI20240830BHJP
B60L 53/67 20190101ALI20240830BHJP
B60L 55/00 20190101ALI20240830BHJP
H02J 3/32 20060101ALI20240830BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20240830BHJP
H02J 3/46 20060101ALI20240830BHJP
H02J 7/35 20060101ALI20240830BHJP
H02J 7/00 20060101ALN20240830BHJP
【FI】
H02J7/34 J
B60L53/51
B60L53/55
B60L53/67
B60L55/00
H02J3/32
H02J3/38 130
H02J3/46
H02J7/35
H02J7/00 P
(21)【出願番号】P 2021553793
(86)(22)【出願日】2020-03-12
(86)【国際出願番号】 CA2020050334
(87)【国際公開番号】W WO2020181384
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2023-02-08
(32)【優先日】2019-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521146436
【氏名又は名称】ディーシーベル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イブラヒム、ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ヴァヘディ、ハニ
(72)【発明者】
【氏名】デシェーネ、ジャン - ユーグ
(72)【発明者】
【氏名】フォルゲ、マルク - アンドレ
【審査官】杉田 恵一
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-535282(JP,A)
【文献】特表2015-507914(JP,A)
【文献】特表2013-521756(JP,A)
【文献】特表2020-537474(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0126862(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0176305(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0037121(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0076626(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0110150(US,A1)
【文献】国際公開第2014/020645(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/026495(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 53/51
B60L 53/55
B60L 53/67
B60L 55/00
H02J 3/32
H02J 7/34
H02J 3/38
H02J 3/46
H02J 7/00
H02J 7/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれがAC入力または出力のためのACポートと、DC入力または出力と、少なくとも2つのDCポートと、を有する少なくとも2つの双方向電力変換回路モジュールであって、
前記2つの双方向電力変換回路モジュールのそれぞれが、前記DC入力または出力を前記少なくとも2つのDCポートの1つに選択的に接続するための少なくとも2つのスイッチを備える、少なくとも2つの双方向電力変換回路モジュールと、
前記電力変換回路モジュールの前記スイッチを制御するためのスイッチ・コントローラと、を備える、電力変換装置。
【請求項2】
前記少なくとも
2つの双方向電力変換回路モジュールがDC-DC変換回路をさらに備える、請求項
1に記載の電力変換器。
【請求項3】
可変電圧においてDC電流を受け取り、供給するための複数のオンボードDCポートと、
前記複数のDCポートの第1のポートからの電流を受け取り、前記複数のDCポートの少なくとも第2のポートに供給する、複数のスイッチと、
前記第1のポート及び前記第2のポートからの電流を受け取るために前記複数のスイッチに接続する少なくとも1つの電力変換回路と、
AC電流を受け取り、供給するために前記少なくとも1つの電力変換回路に接続する少なくとも1つのオンボードACポートと、
前記複数のスイッチを制御するためのスイッチ・コントローラであって、前記スイッチ・コントローラがスイッチの第1の選択されたグループとスイッチの第2の選択されたグループとを決定する、スイッチ・コントローラと
を備え、
前記少なくとも1つの変換回路が少なくとも2つの電力変換回路であり、前記複数のスイッチが異なる電力変換回路上に位置する
、電力変換器。
【請求項4】
前記少なくとも2つのDCポートは、少なくとも2つの電気車両接続
に接続される、請求項
1に記載の電力変換器。
【請求項5】
前記複数の
オンボードDCポートが、ソーラー・パネルからのDC電流を受け取るためのソーラー・パネル接続を備える、請求項
3に記載の電力変換器。
【請求項6】
複数のモジュール・コネクタを有するコネクタ・バックプレーンをさらに備え、前記少なくとも1つの電力変換回路が、前記モジュール・コネクタに接続する変換モジュールである、請求項
3に記載の電力変換器。
【請求項7】
前記少なくとも2つの
双方向電力変換回路モジュールがマルチレベル変換器トポロジー
を有する、請求項
1に記載の電力変換器。
【請求項8】
前記少なくとも
2つの双方向電力変換回路モジュールが、
前記複数のスイッチを通して前記ACポートに接続されたAC入力と、
電力を蓄積するための少なくとも1つの高電圧キャパシタと、
前記AC入力と直列に接続されたインダクタと、
低電圧キャパシタと、
第1のAC入力端子と前記高電圧キャパシタの対向する端部と間に接続された2つの高電圧スイッチと、
前記高電圧キャパシタの前記対向する端部と前記低電圧キャパシタの対向する端部との間に接続された2つの中間低電圧電源スイッチと、
前記低電圧キャパシタの前記対向する端部と第2のAC端子との間に接続された2つの端子低電圧電源スイッチと
を備え、
前記高電圧キャパシタの前記対向する端部にDC負荷が接続され得、
変換器コントローラからの基準信号を受け取る変調器と、
前記少なくとも1つの比較信号を受信し、状態信号を出力する状態選択回路と、
前記状態信号を受信し、前記電源スイッチのゲートに接続されたスイッチング・パルス生成器と
を備える、請求項
1に記載の電力変換器。
【請求項9】
前記インダクタが前記AC入力と直列に接続され、前記低電圧キャパシタ、前記2つの高電圧電源スイッチが、前記ACポートの前記第1のAC端子と前記高電圧キャパシタの対向する端部との間に接続され、前記2つの中間低電圧電源スイッチが、前記高電圧キャパシタの前記対向する端部と前記低電圧キャパシタの対向する端部との間に接続され、前記2つの端子低電圧電源スイッチが、前記低電圧キャパシタの前記対向する端部と前記ACポートの前記第2のAC端子との間に接続され、
前記複数のDCポートの各々が前記高電圧キャパシタの前記対向する端部に接続され、
前記コントローラが、インバータ・モードにおいて、前記低電圧キャパシタを前記DCポート及び前記ACポートと直列接続させ、前記DCポートの電圧に比例する所定の値まで充電させるための第1の制御信号と、前記低電圧キャパシタを前記DCポートから切断させ、前記ACポートと直列接続させ、それにより前記低電圧キャパシタを放電させるための第2の制御信号とを含む信号波形を生成し、前記信号波形を前記2つの高電圧電源スイッチと前記2つの中間低電圧電源スイッチと前記2つの端子低電圧電源スイッチとに印加するように働く、請求項
8に記載の電力変換器。
【請求項10】
前記スイッチ・コントローラと通信するためのインターフェースをさらに備える、請求項
1に記載の電力変換器。
【請求項11】
前記スイッチ・コントローラ
が主コントローラ中に一体化された、請求項
1に記載の電力変換器。
【請求項12】
前記DC-DC変換回路がバック/ブーストDC-DC変換器回路である、請求項
2に記載の電力変換器。
【請求項13】
前記少なくとも1つの電力変換回路が
少なくとも1つのオフボード構成要素をさらに備える、請求項
3に記載の電力変換器。
【請求項14】
前記
少なくとも1つのオフボード構成要素が前記コネクタ・バックプレーンによって前記少なくとも1つの電力変換回路に接続する、請求項
13に記載の電力変換器。
【請求項15】
前記スイッチ・コントローラは、
前記少なくとも2つの双方向電力変換回路モジュールの1つを介して前記少なくとも2つのDCポートのいずれにも前記ACポートを接続すること、
前記少なくとも2つのスイッチによって互いに接続された前記少なくとも2つの双方向電力変換回路モジュールの2つ以上を介して前記少なくとも2つのDCポートのいずれにも前記ACポートを接続すること、及び、
前記少なくとも2つの双方向電力変換回路モジュールの1つを介して前記ACポートに前記少なくとも2つのDCポートの1つを、前記少なくとも2つの双方向電力変換モジュールのもう1つを介して少なくとも2つのDCポートのもう1つに前記ACポートを、接続することを、
選択的に操作可能である、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照により本明細書に組み込まれている、2019年3月12日に出願した米国仮特許出願第62/817,104号の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は電力変換器の分野に関する。本発明はまた、エネルギー管理システムの分野に関し、より詳細には、エネルギー管理システムに関する。
【背景技術】
【0003】
本セクションは、特許請求の範囲に記載された本発明の背景又は文脈を与えるものである。本明細書での説明は、追求され得るが、必ずしも前に想到又は追求されたものであるとは限らない概念を含み得る。したがって、本明細書で別段に規定されていない限り、本セクションにおいて説明することは、本出願中の説明及び特許請求の範囲に対して従来技術ではなく、本セクション中に含まれることによって従来技術であるとは認められない。
【0004】
ますます多くの人々が、再生可能な環境に優しいエネルギー資源を使用することに関心を持つようになるにつれて、ソーラー・パネル、電気自動車の使用がより普及するようになる。そのような技術は、たいていの場合、電力グリッド又は家庭用電気配線に接続され、それらとともに働く必要がある。さらに、一日の異なる時間についての電気料金が可変である地域では、より安価なエネルギー料金から恩恵を受けるために、消費者が自身のエネルギーの消費及び生成を管理することができれば、電気車両及び/又は太陽エネルギーを使用することは消費者にとってより魅力的になり得る。
【0005】
ソーラー・パネル又は光起電力(以下「PV:photovoltaic」)システムは、一般にDC電力を生成する、公害も排出も生じないエネルギー源としての特定の利点を有する。このエネルギーを家庭用機器で使用するためには、通常、インバータが使用される。インバータは、光起電力(PV)ソーラー・パネルの可変直流(DC)出力を、商業電気グリッドに供給されるか又は地方のオフグリッド(off-grid)電気ネットワークによって使用され得る商用周波数交流電流(AC)に変換する、一種の電気変換器である。スタンドアロン・インバータ、グリッド結合(grid-tie)インバータ、バッテリー・バックアップ・インバータ、及びインテリジェント・ハイブリッド・インバータなど、ソーラー・パネルとともに使用されるいくつかのタイプのインバータがある。
【0006】
太陽電気生成がないとき、ソーラー・パネルからの発電量は変動し、負荷の電気消費量と容易に同期させられないことがあるので、インテリジェント・ハイブリッド(スマート・グリッド)インバータを用いてエネルギー蓄積及び消費を管理するために、たとえばバッテリー又は他の蓄積システム中に、後で使用するためのエネルギーを蓄積することが必要である。
【0007】
さらに、電気自動車(「EV:electric car」)はますます普及しつつある。通し番号PCT/カナダ(CA)第2018/051291号を有する国際PCT特許出願において本出願人によって開示されている充電器など、新しい「レベル3」充電システムは、ACに加えて、1つ又は複数のEVへのDC電力と1つ又は複数のEVからのDC電力とを与えることが可能である。
【0008】
DC電力を生成するにもかかわらず、PVパネル出力は、EV車両のバッテリーを充電するためにEV車両に直接供給され得ないと言わなければならない。
【0009】
その上、当技術分野で利用可能なEV充電装置は、家庭(車両から家庭[V2H:Vehicle to Home])又は車両からグリッド(V2G:vehicle-to-grid)のためのエネルギー源としてEVバッテリーを使用する可能性を与えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】国際PCT特許出願、通し番号PCT/カナダ(CA)第2018/051291号
【文献】国際PCT特許出願、通し番号PCT/カナダ(CA)第2018/051291号(公報番号国際公開(WO)/第2019/071359号)
【文献】国際PCT特許出願、通し番号PCT/カナダ第2018/05129号(公報番号国際公開/第2019/071359号)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
PVパネル、EV車両、バックアップ・バッテリー、家庭用電気システムなど、異なる供給源からの及び異なる供給源へのエネルギーをACとDCとの間で変換し、これらの供給源間のエネルギー分配を管理する機能を有する複数の電気ポートをもつ効率的なシステムが必要である。
【0012】
同様に、必要なときにこれらの供給源を変換、調整、接続する機能をもつ、複数のAC及びDCの消費者供給源及び生成器供給源を変換することが可能なスマート・デバイスが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本特許出願は、異なる供給源間でAC電流とDC電流の両方を受け取り、変換し、供給することが可能な複数のAC電気ポート及びDC電気ポートを有する変換ユニットを提供することによって、上述の問題に対する解決策を提供する。
【0014】
広義の一態様では、本開示は、AC電流を受け取り、供給するための少なくとも1つのACポートと、可変電圧においてDC電流を受け取り、供給するための複数のDCポートと、前記少なくとも1つのACポート及び前記複数のDCポートの第1の選択されたグループから電流を受け取り、その電流を前記少なくとも1つのACポート及び前記複数のDCポートの第2の選択されたグループに供給する、複数のスイッチとを備える、電力変換器を提供する。電力変換器はまた、選択物、すなわちACポート又はDCポートのうちの1つ又は複数から電流を受け取り、その電流をいくつかの他のポートに供給するために複数のスイッチに接続する、1つ又は複数の電力変換回路又はモジュールを有し得る。変換器はまた、ポート又は変換器モジュールからの電流を送るか又は受け取り、それらの電流を所望の宛先に導くようにスイッチを制御するためのコントローラを有する。コントローラは、スイッチを管理することによって電力変換器の入力及び出力を決定し得る。
【0015】
本開示のいくつかの実施例では、電力変換回路又はユニットは双方向電力変換器であり得る。
【0016】
本開示のいくつかの実例では、電力変換器は、複数のモジュール・コネクタをもつコネクタ・バックプレーンをも含み得る。一実施例では、電力変換回路は、モジュール・コネクタに接続する変換モジュールであり得る。モジュール・コネクタは、変換モジュールを受けるソケット・タイプ・コネクタであるか、又は、簡単なワイヤ接続など、他の手段によってモジュールに接続され得る一般的なコネクタであり得ることが当業者によって諒解されよう。
【0017】
本開示の例示的な一実施例では、電力変換回路はDC-DC変換回路をさらに含み得る。DC-DC変換ユニットは、別個のモジュールであるか、又は双方向AC-DCモジュール内に一体化され得ることが当業者によって諒解されよう。
【0018】
一実例では、ポート間で電流を受け取り、その電流の方向を変えるために使用される複数のスイッチが、同じ変換回路又はモジュール中に位置するか又は一体化され得る。代替的に、複数のスイッチは、異なる電力変換回路上又は電力変換器のバックプレーン・コネクタ上に位置し得る。一実例では、スイッチは、変換モジュールに直接、又はバックプレーン・コネクタを通して接続することができる別個の独立したモジュール上に配置され得る。
【0019】
いくつかの実例では、電力変換器は、DC電源からのDC電流をDCポートのうちの1つ又は複数から受け取り、AC負荷又はDC負荷のために、そのDC電流を変換するか又はその電流を直接使用し得る。たとえば、EV DCバッテリー、バックアップ・バッテリー、PVソーラー・パネルなど、DC電源は、別のEV車両を充電するために、又は家庭用エネルギー目的のために、又はブラック・アウトの場合におけるバックアップ・エネルギー源のために、又はさらにはグリッドに戻すために使用され得る、DC電源であり得る。
【0020】
一実施例では、変換器回路又はモジュールは、3、5又は7レベル・トポロジーを含むマルチレベル変換器トポロジーであり得る。新規の5レベル・トポロジーの詳細は、公報番号国際公開(WO)/第2019/071359号をもつ通し番号PCT/CA(カナダ)第2018/051291号を有する国際PCT特許出願において本出願人によって開示されている。
【0021】
例示的な一実施例では、電力変換回路のうちの1つ又は複数は整流器回路であり得、整流器回路は、前記複数のスイッチを通して前記ACポートに接続されたAC入力と、電力を蓄積するための少なくとも1つの高電圧キャパシタと、前記AC入力と直列に接続されたインダクタと、低電圧キャパシタと、第1のAC入力端子と前記高電圧キャパシタの対向する端部との間に接続された2つの高電圧スイッチと、前記高電圧キャパシタの前記対向する端部と前記低電圧キャパシタの対向する端部との間に接続された2つの中間低電圧電源スイッチと、前記低電圧キャパシタの前記対向する端部と第2のAC端子との間に接続された2つの端子低電圧電源スイッチとを備え、前記高電圧キャパシタの前記対向する端部にDC負荷が接続され得、変換器コントローラからの基準信号を受信する変調器と、前記少なくとも1つの比較信号を受信し、状態信号を出力する状態選択回路と、前記状態信号を受信し、前記電源スイッチのゲートに接続されたスイッチング・パルス生成器とを備える。例示的な一実施例では、変換回路は双方向整流器/インバータ回路であり得、前記インダクタは前記AC入力と直列に接続され、前記低電圧キャパシタ、前記2つの高電圧電源スイッチは、前記ACポートの前記第1のAC端子と前記高電圧キャパシタの対向する端部との間に接続され、前記2つの中間低電圧電源スイッチは、前記高電圧キャパシタの前記対向する端部と前記低電圧キャパシタの対向する端部との間に接続され、前記2つの端子低電圧電源スイッチは、前記低電圧キャパシタの前記対向する端部と前記ACポートの前記第2のAC端子との間に接続され、前記複数のDCポートの各々は前記高電圧キャパシタの前記対向する端部に接続され、前記コントローラは、インバータ・モードにおいて、前記低電圧キャパシタを前記DCポート及び前記ACポートと直列接続させ、前記DCポートの電圧に比例する所定の値まで充電させるための第1の制御信号と、前記低電圧キャパシタをDCポートから切断させ、ACポートと直列接続させ、それにより低電圧キャパシタを放電させるための第2の制御信号とを含む信号波形を生成し、その信号波形を前記2つの高電圧電源スイッチと前記2つの中間低電圧電源スイッチと前記2つの端子低電圧電源スイッチとに印加するように働く。一実施例では、電力変換器は、2つの高電圧スイッチの代わりに2つのダイオードを有し得る整流器として働く。
【0022】
本開示の一実例では、変換器はまた、変換回路コントローラと前記スイッチ・コントローラと通信するためのインターフェースを有し得る。インターフェースはまた、EVコンピュータ、ソーラー・パネル管理システム、又は家庭管理システムと通信し得る。インターフェースは、さらに、消費パターンを更新するためにオンライン・プラットフォームと通信すること、及び/又はデバイスの設定を変更する目的のためにユーザ・オンライン・インターフェース若しくはアプリケーションと通信することが可能であり得る。
【0023】
変換回路コントローラと、スイッチ・コントローラと、電力変換器中で使用される任意の他のコントローラとは、別個のユニットであるか、又は同じコントローラ回路内で一体化され得、変換器回路に直接接続されるか、又は代替的に、バックプレーン・コネクタを通して接続し得るオフボード構成要素を含み得ることが当業者によって諒解されよう。
【0024】
モジュール式であるか、又は、バックプレーン及び他の部品に一体化された、より多くの電力変換回路とともに、異なる組合せが実装され得ることが当業者によって理解されよう。
【0025】
いくつかの実施例では、本装置は、前記複数のDCポートの第1のポートからDC電流を受け取り、前記複数のDCポートの第2のポートに可変電圧DCを供給するように適応され得る。一実例では、第1のポートと第2のポートとは同じ電力変換回路上に位置するが、他の実例では、それらのポートは、異なる電力変換回路上又は本装置のバックプレーン上に位置し得る。
【0026】
いくつかの実施例では、複数のDCポートは、2つの電気車両からのDC電流を与え、受け取るための少なくとも2つの電気車両接続を備える。一実例では、本装置は、ソーラー・パネルからのDC電流を受け取るためのソーラー・パネル接続を含み得る。
【0027】
いくつかの実施例では、電力変換器は、DC電力を変換するための1つ又は複数のバック/ブースト変換器回路を含み得る。バック/ブースト回路は、各々の電力変換回路上又はコネクタ・バックプレーン上に、或いは、バックプレーン・コネクタに接続するモジュール式バック/ブースト回路として位置し得る。
【0028】
広義の一態様では、本開示は、単相AC電力に接続するためのACポートと、複数のDCポートと、ACポートに接続されたAC入力、及び可変電圧DC出力を有する少なくとも2つの電力変換回路と、前記DCポートのうちの選択された1つ又は複数を前記電力変換回路のDC出力のうちの選択されたものに接続するための複数のスイッチとを備える、電力変換装置を提供する。
【0029】
いくつかの実施例では、本装置は、モジュール・コネクタ又はソケットをもつコネクタ・バックプレーンをさらに備える。少なくとも2つの電力変換回路は、モジュール・コネクタ又はソケットに接続するように適応されたモジュールであり得る。
【0030】
モジュール式であるか、又は、バックプレーン及び他の部品に一体化された、より多くの電力変換回路とともに、異なる組合せが実装され得ることが当業者に明らかであろう。
【0031】
いくつかの実施例では、本装置は、前記複数のDCポートの第1のポートからDC電流を受け取り、前記複数のDCポートの第2のポートに可変電圧DCを供給するように適応される。一実例では、第1のポートと第2のポートとは同じ電力変換回路上に位置するが、他の実例では、それらのポートは、異なる電力変換回路上又は本装置のバックプレーン上に位置し得る。
【0032】
いくつかの実施例では、複数のDCポートは、2つの電気車両からのDC電流を与え、受け取るための少なくとも2つの電気車両接続を備える。一実例では、本装置は、ソーラー・パネルからのDC電流を受け取るためのソーラー・パネル接続を含み得る。
【0033】
いくつかの実施例では、複数のスイッチは、バックプレーンの一体部分として、又はスイッチ・モジュール若しくはカードとしてコネクタ・バックプレーン上に配置されるか、或いはバックプレーンにハードワイヤード接続され得る。
【0034】
一実施例では、複数のスイッチは、少なくとも2つの電力変換回路のうちの1つ又は複数上に配置され得る。
【0035】
一実例では、電力変換回路は、マルチレベル変換器トポロジーと、AC入力のピーク電圧を上回るブーストされた電圧において電力を蓄積するための少なくとも1つの高電圧キャパシタと、整流器回路とを備える。整流器回路は、前記AC入力と直列に接続されたインダクタと、低電圧キャパシタとを含む。整流器回路はまた、2つのダイオードと、前記高電圧キャパシタの対向する端部と前記低電圧キャパシタの対向する端部との間に接続された2つの中間低電圧電源スイッチと、前記低電圧キャパシタの前記対向する端部と第2のAC端子との間に接続された2つの端子低電圧電源スイッチと、複数のDCポートとのいずれかを含む。前記高電圧キャパシタの対向する端部にDC負荷が接続され得る。整流器回路はまた、コントローラを含み、コントローラは、整流器回路中の電流及び/又は電圧を感知するための少なくとも1つのセンサーを有し、前記2つの中間低電圧電源スイッチ及び前記2つの端子低電圧電源スイッチのゲート入力に接続される。
【0036】
一実施例では、コントローラは、前記整流器回路中の電流及び/又は電圧を感知するための少なくとも1つのセンサーを有し、前記電力変換回路を整流器モードにおいて動作させるために前記2つの高電圧電源スイッチと前記2つの中間低電圧電源スイッチと前記2つの端子低電圧電源スイッチとのゲート入力に接続された整流器モードにおいて働き、前記高電圧キャパシタの電圧は前記AC入力のピーク電圧よりも高く、前記2つの高電圧電源スイッチは前記AC入力の周波数においてオンとオフとに切り替わるように制御され、前記2つの中間低電圧電源スイッチ及び前記2つの端子低電圧電源スイッチは、前記低電圧キャパシタに存在する電圧の測定に応答して、前記低電圧キャパシタを前記高電圧キャパシタのための所望の電圧の所定の比率に維持し、このようにして前記高電圧キャパシタを所望の高電圧に維持するように、冗長スイッチング状態で切り替えられ、前記整流器回路は、前記AC入力上の低い高調波をもつ5レベル・アクティブ整流器として、前記DC負荷に給電し、電力を吸収する。
【0037】
一実施例では、整流器回路は双方向整流器/インバータ回路であり得る。本実施例では、2つの高電圧スイッチが必要になるが、2つの高電圧スイッチを有することはできない。インダクタは、前記ACポートと直列に接続され得、低電圧キャパシタ、2つの高電圧電源スイッチは、ACポートの第1のAC端子と前記高電圧キャパシタの対向する端部との間に接続され、2つの中間低電圧電源スイッチは、高電圧キャパシタの対向する端部と低電圧キャパシタの対向する端部との間に接続され、2つの端子低電圧電源スイッチは、低電圧キャパシタの対向する端部とACポートの第2のAC端子との間に接続される。本実例では、複数のDCポートは、前記高電圧キャパシタの対向する端部に接続され、コントローラは、インバータ・モードにおいて、前記低電圧キャパシタを前記DCポート及び前記ACポートと直列接続させ、前記DCポートの電圧に比例する所定の値まで充電させるための第1の制御信号と、前記低電圧キャパシタをDCポートから切断させ、ACポートと直列接続させ、それにより低電圧キャパシタを放電させるための第2の制御信号とを含む信号波形を生成し、その信号波形を前記2つの高電圧電源スイッチと前記2つの中間低電圧電源スイッチと前記2つの端子低電圧電源スイッチとに印加するように働き得る。
【0038】
いくつかの実施例では、本装置は、DC電力を変換するための1つ又は複数のバック/ブースト変換器回路を含み得る。バック/ブースト回路は、各々の電力変換回路上又はコネクタ・バックプレーン上に、或いは、バックプレーンに接続するモジュール式バック/ブースト回路として位置し得る。
【0039】
本実例は、以下のような添付図を参照するとより良く理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1A】ポール・トップ・トランスフォーマ(pole-top transformer)と、負荷センサー及び主回路遮断器パネルをもつ住宅用電気エントリと、パネルと本装置との間の240V AC電力線と、電気車両(EV:electric vehicle)と本装置との間のCANバス接続をもつ、本装置とEVとの間に延びる2つのケーブル接続と、ソーラー・パネル接続とを含む、家庭用EV充電システムの物理的設置の概略図である。
【
図1B】本開示の一実施例による、複数のDCポート及びACポートとオフボード構成要素パネルとをもつ電力変換装置を示すブロック図である。
【
図2A】実装の特定の一実例による、整流器モードにおいて働く5レベル・トポロジー回路をもつ変換回路の回路図を示す図である。
【
図2B】本開示の一実施例による、インバータ・モードにおいて働く5レベル・トポロジー回路をもつバッテリー装置変換器の回路図を示す図である。
【
図3】本開示の一実施例による、一体化されたスイッチング機能と複数のDC出力とをもつ電力変換器モジュールの概略図である。
【
図4】本開示の一実施例による、
図3に示された電力変換器モジュールとともに働くバックプレーンの概略図である。
【
図5】本開示の一実施例による、複数のスイッチとともに使用され得るあるタイプの双方向スイッチ(BS:bidirectional switch)の概略図である。
【
図6】本開示の一実施例による、複数のスイッチとともに使用され得るあるタイプの双方向スイッチ(BS)の概略図である。
【
図7】本開示の一実施例による、複数のスイッチとともに使用され得るあるタイプの双方向スイッチ(BS)の概略図である。
【
図8】本開示の一実施例による、1つのDC出力をもつ電力変換器モジュールの概略図である。
【
図9】本開示の一実施例による、
図8に示された電力変換器モジュールとともに働くバックプレーンの概略図である。
【
図10】本開示の一実施例による、1つのDC出力とバックプレーンへの1つのDC出力とをもつ電力変換器モジュールの概略図である。
【
図11】本開示の一実施例による、
図10に示された電力変換器モジュールとともに働くバックプレーンの概略図である。
【
図12】本開示の一実施例による、バックプレーンからの1つのDC入力と、2つのDC出力とをもつスイッチ・カード又はモジュールの概略図である。
【
図13】本開示の一実施例による、一体化されたスイッチング機能と、一体化されたDC-DC変換機能とをもつ電力変換器モジュールの概略図である。
【
図14】本開示の一実施例による、5つの電力変換器モジュールのオフボード構成要素を有するオフボード構成要素ボードの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本明細書全体にわたる「一実施例(one embodiment)」、「一実施例(an embodiment)」、又は同様の文言への言及は、その実施例に関して説明した特定の特徴、構造、又は特性が本発明の少なくとも1つの実施例中に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体にわたる「一実施例では(in one embodiment)」、「一実施例では(in an embodiment)」というフレーズ及び同様の文言の出現は、すべて同じ実施例を指し得るが、必ずしもすべて同じ実施例を指すとは限らない。
【0042】
その上、本発明の説明される特徴、構造、又は特性は、1つ又は複数の実施例において任意の好適な様式で組み合わせられ得る。本発明の範囲から逸脱することなく、様々な改変及び変形が本発明に行われ得ることが当業者に明らかになろう。したがって、本発明は、本発明の改変及び変形が添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物の範囲内に入るという条件で、それらの改変及び変形をカバーすることが意図される。次に、本発明の好ましい実施例に詳細に言及する。
【0043】
図1Aは、北アメリカにおける電力供給の最も一般的なタイプであるように、分割単相主電源が商用ポール・トップ・トランスフォーマから供給される、一実施例の物理的コンテキストを示す。トランスフォーマは、一般に、配電線からの14.4kV又は25kV単相電力を受け取り、トランスフォーマは、少数の家庭又は電気エントリに分相(split phase)240VACとして供給される約50kVA~167kVAの電力を処理することができる。各電気エントリは、一般に、240VACにおける100Aと200Aとの間の電力、すなわち、約24kVA~48kVA(一般的な仮定は、1kVAは1kWに相当するということである)を処理するように構成される。図示のように、変換装置又はデバイスは、AC接続を介してネットワークに接続しており、複数の車両及び/又はソーラー・パネルに接続することができる。このことは、1つのポートからAC又はDC電力を受け取り、他のポートからAC又はDCを与える機能によってそれを与える、本装置の双方向(整流器/インバータ)の性質のおかげで達成され得る。
【0044】
単相エントリの説明にもかかわらず、本開示の実施例は分割単相240VAC電力システムに限定されないこと、及び、本明細書で開示されるいずれの実施例も、AC電圧を供給する異なる電力網とともに働くように適応され得ることが当業者によって諒解されよう。
【0045】
電気エントリは、一般に、使用量メータと、合計許容負荷(たとえば100A又は200A)に対応する定格を有する主遮断器と、分相240VAC入力から240VAC電力又は120VAC電力を供給され得る各家庭回路のための回路遮断器を有するパネルとを備える。たいていの回路遮断器は15Aと30Aとの間の容量を有するが、より小さいもの(すなわち10A)であることもあれば、大型器具のための、40Aなど、より大きいものもあり得る。いくつかの国では、電気エントリは、40A~60Aなど、より小さい容量を有し、すべての家庭回路において240VACをもつ国では、電力は分相ではなく、通常の単相240VACである(使用される電圧レベルは約100Vから250Vまで変動し得る)。
【0046】
図1に示されているように、変換装置/変換器は、40A~80Aなど、より大きい電流定格を有する遮断器を通してメイン・パネルの回路遮断器に接続されるが、開示されている装置は、必要な場合、100Aを超えて消費し得る。本装置に固有の回路遮断器の必要性は電気法規によって決定される。本装置をパネルに接続するケーブルはそのような大電流のための定格を与えられる。電気パネルへの接続は直接固定配線であり得るか、又は、ケーブル及びプラグ、たとえば、オーブンや衣類乾燥機のような器具のために使用されるケーブル及びプラグと同様のものを使用して、本装置がパネルに接続するように、高電圧ソケットが設置され、電気パネルに接続され得る。本装置は、本装置を含むパネル全体によって引き出される負荷を感知する単一の負荷センサーに接続されることが示されている。本装置のケーブルは、当技術分野で知られているように、従来装置のケーブル及びプラグであり得る。
【0047】
さらに、
図1Aに示されているように、変換器は、ソーラー・パネル、並びに1つ又は複数の電気車両に接続し得る。
【0048】
図1Bは、ACポート18と、複数のDCポート及びEV/DCポート12及び14と、DC/EV入力ポート16と、オフボード構成要素パネル20とをもつ例示的な電力変換装置10を示すブロック図である。
図1Aに示されているように、ポート12及び14はEV1及びEV2に接続し得、DC/EVポート16は、ソーラー・パネルによって生成されたDCエネルギーを使用するために、そのソーラー・パネルに接続し得る。
【0049】
いくつかの実施例では、装置10は、複数のDCポートのEV/DCポート12など、第1のポートからのDC電流を受け取り、EV/DCポート14など、第2のポートに可変電圧を供給するように適応され得る。このことは、変換回路モジュール100上のバックプレーン22上に位置するか、或いはバックプレーンに接続するか又は変換回路モジュール100に直接接続し得る別個のスイッチング・モジュール上に位置し得る、複数のスイッチを使用することによって達成され得る。
【0050】
モジュール100は双方向変換モジュールであることが示されているが、整流器、インバータ、DC-DC、バック・ブースト・モジュール、及びサージ・プロテクタ・モジュールなど、任意の他のタイプのモジュールが、必要に応じて、変換器デバイス中で使用され得ることが当業者によって諒解されよう。
【0051】
図8に示されているように、一実例では、第1のポート12と第2のポート14とは同じ電力変換回路100上に位置するが、他の実例では、それらのポートは異なる電力変換回路上又は本装置のバックプレーン22上に位置し得る。
【0052】
図1Bを参照すると、変換器モジュール100は、(本明細書では、各々が1つのモジュール100に接続する、コネクタ114a、114b、114c、114d、114eとして示されている)コネクタ114を使用してバックプレーン22に接続し得る。変換器10はまた、この実施例ではインダクタを格納する目的のために使用されるオフボード構成要素ボード20から恩恵を受け得る。
【0053】
図2A~
図2Bは、実装の特定の実例による、電気車両のための変換装置又はデバイス10中で使用され得るタイプの変換回路モジュール100の一実例の詳細を示す。
【0054】
図2Aに示されているように、整流器モードにおいて働く例示的な変換回路100は、AC入力105と、AC入力105と直列に接続された誘導フィルタ110と、5レベル・トポロジー回路115とを備える。
【0055】
いくつかの実例では、この非限定的な実例における誘導フィルタ110は2.5mHインダクタであり得る。好都合なことに、本設計により、一つには誘導フィルタ110の小さいサイズにより、全体的な電力変換回路100の小さい形状が可能になる。誘導フィルタ110は、適用例、電力定格、商用電圧高調波、スイッチング周波数などに基づいて選定される設計に応じて変動し得る。最も簡単なそのようなフィルタは単一のインダクタであるが、代替実施例では、誘導フィルタ110は、インダクタとキャパシタとの組合せ、たとえば、それ自体が接地に接続されたキャパシタ(たとえば30μF)に接続された(たとえば2mH)インダクタを含み得る。フィルタの選定は、設計の全体的なサイズと損失とに影響を及ぼし、大きいフィルタほど、全体的な設計のサイズが増加し、一般に、より多い損失を招く。
【0056】
5レベル回路は、高電圧キャパシタ120と、少なくとも1つの低電圧キャパシタ125と、第1の端子135と高電圧キャパシタ120のそれぞれの対向する端部145a、145bとの間に接続された2つの高電圧電源スイッチ130a、130bと、高電圧キャパシタ120の2つの対向する端部145a、145bのそれぞれと低電圧キャパシタ125のそれぞれの対向する端部155a、155bとの間に各々が接続された2つの中間低電圧電源スイッチ140a、140bと、第2の入力端子160と低電圧キャパシタ125の対向する端部155a、155bのそれぞれとの間に各々が接続された2つの端子低電圧電源スイッチ150a、150bとを備え得る。
【0057】
図2Bに示されているように、電力変換モジュール100は、双方向状態において動作する電源を使用し得る。そのことは、5レベル回路は、
図2Aに示されているように、整流器モードにおいて電圧/電流をACからDCに変換するために、又は、AC負荷202とDC電源206とを用いて、
図2Bに示されているように、インバータ・モードにおいて電圧/電流をDCからACに変換するために、高電圧電源スイッチ130a、130bを有しなければならず、それらの高電圧電源スイッチ130a、130bを2つのダイオードと置き換えることができないことを意味する。
【0058】
変換器モジュール(モジュール100)の詳細と、変換器モジュール(モジュール100)がどのように働くのかと、変換器モジュール(モジュール100)のスイッチングの詳細とは、公報番号国際公開(WO)/第2019/071359号をもつ通し番号PCT/カナダ(CA)第2018/05129号を有する国際PCT特許出願において本出願人によって開示されている。
【0059】
実際的な実装の場合、電力変換回路100を備える電力変換装置は、ユーザ交換可能なDC車両充電ケーブルと、たとえば、EVにおける標準化されたプラグ/ソケット(すなわち、SAE J1772、ChaDeMo、又は他のもの)を取り付けるための互換フォーマットを有する充電プラグとを備え得る。
【0060】
任意の種類のコネクタがバックプレーンとして使用され得、モジュール・コネクタの目的は、ユーザのために設置プロセスを促進し、簡略化することのみであり、任意の種類のコネクタがそのバックプレーンとして使用され得ることが当業者によって諒解されよう。
【0061】
さらに、スクリーンを有し、ユーザが、ユーザ・インターフェースを通して変形態を手動で調整することを可能にするためのアプリケーションを介して、コンピュータ又はセルフォンなど、エンド・デバイスとの有線又は無線接続を有し得る、ユーザ・インターフェースから電力変換装置が恩恵を受け得ることが当業者によって諒解されよう。この調整は、デバイスの充電を優先すること、充電のためのスケジュールを与えること、ソーラー・パネルDCがどのように消費され、分配されるかを管理すること、又は、一日中デバイスの入力及び出力を調整することに関してユーザによって必要とされる任意の他の機能であり得る。
【0062】
その上、AC出力及びDC出力は別個の又は同じ物理的コンセント又はケーブルを使用することができることが当業者によって理解されよう。いくつかの実施例では、コンセントは車両の充電コントローラと通信することが可能である。
【0063】
本明細書で説明するように、異なる実施例では、電力変換回路100は、インダクタ及びスイッチング要素など、オフボード又はオンボード構成要素を有し得る。さらに、電力変換回路100は、それの中に一体化されたバック/ブースト回路を有し得る。
【0064】
図3に示されているように、一実施例では、電力変換器モジュール100は、一体化されたスイッチング機能を有する。複数の双方向スイッチBS1、BS2、BS3、BS4、BS5、及びBS6は、リレーRE1及びRE2とともに、電力変換器モジュール100が、いかなる外部のスイッチングを必要とすることもなしに、オンボードで複数のDCポート802、804及び806とACポート808との間のスイッチングを実行することを可能にする。ポート812及び814は、この実例ではポート814のための誘導フィルタ/インダクタ110とバック/ブースト・インダクタ1012とである、電力変換器モジュール100のオフボード構成要素に、電力変換器モジュール100を接続するために使用され得る。
【0065】
いくつかの実施例では、カスケード比例積分(cascaded proportional integral)(PI)コントローラであり得るコントローラ410は、変換器回路、並びにスイッチBS1、BS2、BS3、BS4、BS5、及びBS6を、リレーRE1及びRE2とともに制御するために使用され得る。変換器回路中で使用されるコントローラに関するより詳細な説明は、公報番号国際公開(WO)/第2019/071359号をもつ通し番号PCT/カナダ(CA)第2018/05129号を有する本出願人のPCT国際出願中に見出され得る。
【0066】
他の実施例では、別個のコントローラが、リレーRE1及びRE2とともに複数のスイッチBS1、BS2、BS3、BS4、BS5、及びBS6を制御するために使用され得、別個の回路上又は変換器のバックプレーン・コネクタ上に位置し得ることが当業者によって諒解されよう。
【0067】
図4は、
図3に示された電力変換器モジュール100によって使用され得るバックプレーン22の一実例を示す。説明したように、この実施例では、すべてのスイッチングがオンボードで行われ得、モジュール及びバックプレーンは、カード1~5の同様のポートを互いに、及び電力変換装置ポートに接続しているのみであり得る。カード1~5のためのコネクタの5つのシリーズがあり、コネクタの各シリーズは、電力変換器モジュール100のポート812、810、802、804、806、808、及び814をそれぞれ受けるコネクタ912、910、902、904、906、908、及び914を有する。一実施例では、異なるカードのすべての同様のポートは互いに接続され得る。たとえば、カード1~5のすべてのポート902は互いに接続され得る。
【0068】
この実施例では、必要なスイッチングは、バックプレーン22上ではなく、モジュール100上に存在するが、いくつかの実施例では、ポートを異なる順序及び組合せで互いに接続するための追加のスイッチングから恩恵を受け得ることが当業者によって諒解されよう。
【0069】
図5、
図6、及び
図7は、本開示のいくつかの実施例におけるACポートとDCポートとの間のスイッチングのために使用され得る、BS1、BS2、BS3、BS4、BS5、及びBS6など、双方向スイッチ(BS)の2つの一般的なタイプの概略図である。
【0070】
図8は、電力変換器モジュール100が1つのDCポートと1つのACポートとのみを有する、一実施例における電力変換器モジュール100を示す。
図13は、
図12中の電力変換器モジュール100によって使用され得るバックプレーン22の一実例を示す。説明したように、この実施例では、すべてのスイッチングは、複数のスイッチ又はスイッチング・マトリックス1302を介してバックプレーン22上で行われ得る。この場合も、カード1~5のためのコネクタの5つのシリーズがあり、コネクタの各シリーズは、
図8に示されているように、電力変換器モジュール100のポート812、810、802、808、及び814をそれぞれ受けるコネクタ912、910、902、908、及び914を有する。
【0071】
例示的な一実施例では、スイッチ・マトリックス1302は、
図3に示され、説明されているように、リレーRE1及びRE2とともにBS1、BS2、BS3、BS4、BS5、及びBS6と同様のスイッチを含み得る。
【0072】
図10は、モジュール100が、1つのDC出力と、バックプレーンへの1つのDC出力1402とを有し得る、本開示の一実施例による、電力変換器モジュール100の概略図である。双方向スイッチBS1及びBS2は、リレーRE1及びRE2とともに、電力変換器モジュール100がオンボードでDCポート802とACポートとのためのスイッチングを実行することを可能にする。DC接続1402はスイッチ・カード1600に接続し得、スイッチ・カード1600の一実例が
図11に示されている。スイッチ・カード1600は、バックプレーン22を介してDC出力1402からのDC電流を受け取り、双方向スイッチBS3、BS4、BS5、及びBS6を使用して2つのDC出力804及び806へのスイッチングを処理する、DC入力接続1602を有する。図示のように、この実施例では、モジュール100はスイッチングの一部を処理し、追加のスイッチ・カード又はモジュールはスイッチング機能の残りを処理し得る。
【0073】
図12に示されているように、バックプレーン22は、カード1~5のためのコネクタの5つのシリーズを有し得、コネクタの各シリーズは、電力変換器モジュール100のポート812、810、802、1402、808、及び814をそれぞれ受け得るコネクタ/ソケット912、910、902、1502、908、及び914を有する。バックプレーンはまた、スイッチ・カード1600のDC接続入力1602並びにスイッチ・カード又はモジュール1600のDC接続804及び806のための2つのDC接続1504及び1506に接続するポート1508を有し得る。この実施例では、バックプレーンは、2つのポート1502及び1508を介して、モジュール100及びスイッチング・モジュール1600と、それらのDC出力及び入力との間の接続を与える。
【0074】
本開示の範囲を超えることなしに、モジュール100、バックプレーン22、及び/又は1つ又は複数のスイッチ・カード1600上に全部又は一部が配置されたスイッチング要素を有することによって、上述の実施例の任意の組合せが達成され得ることが当業者によって諒解されよう。
【0075】
図13を参照すると、
図13は、追加の双方向スイッチBS7、BS8、及びBS9を使用する3つのDCポート802、804、及び806の間の一体化されたスイッチング機能と、一体化されたDC-DC変換機能とをもつ電力変換器モジュール100の異なる一実施例を示す。この実施例では、モジュール100は、(EVバッテリー、ソーラー・パネル、リザーブ・バッテリー、又は任意の他のDC電源など)DCポートのいずれかからのDC電流を受け取り、そのDC電流をオンボード・バックブースト回路1702に通し、他のDCポートのいずれかに与え得る。このことは、スイッチBS1~BS9の組合せを使用して達成され得る。一実例では、DCポート802はEV1からのDC電流を受け取る。コントローラ410は、電流をバック/ブースト回路1702のほうに導くために、スイッチBS2を開き、スイッチBS9を閉じる。バック/ブースト回路の出力電流は任意の可変DC電圧であり得、その可変DC電圧は、次いで、BS6とBS2とを開くことによって、任意の他の所望のDCポート、ここではDCポート804に向けられる。同じスイッチング機構、並びに追加の双方向スイッチBS7、BS8、及びBS9が、バックプレーン上、又は、同じタイプのDC-DC充電を与える異なるモジュール上に位置し得ることが当業者によって諒解されよう。バックブースト回路1702は、上記で説明した結果を達成するためにバックプレーン上又は別個のモジュール上に同様に位置し得る。
【0076】
次に、
図14を参照すると、
図14は、オフボード構成要素1012及び110、この実施例では、5つの電力変換器モジュール100の、バック/ブースト・インダクタ1012とインダクタ110とを格納するオフボード構成要素ボード20を示す。ボード20は、バックプレーンに直接接続されるか、又はバックプレーンへのモジュラー接続を有し得る。同様に、オフボード構成要素は、ボード上に永久的に固定されるか、或いは、それらが交換又は変更されることを可能にするソケット/コネクタを有し得る。
【0077】
本明細書で説明した所望のAC出力及びDC出力を与えるために、任意のタイプの整流器、インバータ、又は整流器/インバータが組み合せて使用され得ることが当業者によって諒解されよう。そのような変換回路の一実例はマルチレベル整流器/インバータ回路であり得る。
【0078】
5レベル整流器回路など、本出願で説明した電力変換装置及び回路は、DC電源、他のEV充電器、任意の他のタイプのバッテリー装置、又は、AC-DC変換を必要とする任意の他の実装など、任意のAC-DC変換システムにおいて使用され得ることが当業者によって諒解されよう。さらに、他のタイプのマルチレベルを含む任意の他のタイプの変換器回路が使用され得る。また、本開示が働く方法に影響を及ぼすことなしに、本明細書で開示されたスイッチ・ボード又は複数のスイッチとともに、任意の他のタイプの変換器が代替的に使用され得る。
【0079】
上記の説明は、特定の実例を参照しながら行ったが、このことは、本発明を例示する目的であり、限定する目的ではなかった。