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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】関節炎性疾患の組み合わせ療法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/655 20060101AFI20240830BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20240830BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20240830BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240830BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240830BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20240830BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20240830BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20240830BHJP
   A61K 9/10 20060101ALI20240830BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20240830BHJP
【FI】
A61K31/655
A61K31/519
A61P19/02
A61P29/00
A61P29/00 101
A61P43/00 121
A61K9/08
A61K9/20
A61K9/48
A61K9/10
A61K9/14
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2021566199
(86)(22)【出願日】2020-05-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-12
(86)【国際出願番号】 EP2020062711
(87)【国際公開番号】W WO2020229297
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2023-05-02
(31)【優先権主張番号】19173734.5
(32)【優先日】2019-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520486395
【氏名又は名称】シナクト ファーマ エーピーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ジョナッセン,トーマス,エンゲルブレット,ノードキルド
【審査官】榎本 佳予子
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-539809(JP,A)
【文献】日本リウマチ学会MTX 診療ガイドライン策定小委員会編,関節リウマチ治療におけるメトトレキサート(MTX)診療ガイドライン,2016年改訂版[簡易版],2016年,p.1-12
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-33/44
A61P 1/00-43/00
A61K 9/00- 9/72
A61K 47/00-47/69
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(II):
【化1】
の化合物またはその互変異性、エナンチオマー、ジアステレオマーもしくはラセミ、あるいはその薬学的に許容される塩、を含む、関節炎性疾患の治療における使用のための組成物であって
メトトレキサートと組み合わせて使用されることを特徴とする、
組成物。
【請求項2】
前記薬学的に許容される塩が、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硫酸および硝酸からなる群から選択される無機酸などの無機酸、またはギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸、桂皮酸、クエン酸、フマル酸、グリコール酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、シュウ酸、ピクリン酸、ピルビン酸、サリチル酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酒石酸、アスコルビン酸、パモ酸、ビスメチレンサリチル酸、エタンジスルホン酸、グルコン酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、EDTA、グリコール酸、p-アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸、およびp-トルエンスルホン酸からなる群から選択される有機酸などの有機酸、の薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記化合物が、(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジニウムアセテート(AP1189)である、請求項に記載の組成物。
【請求項4】
前記関節炎性疾患が、自己免疫疾患および/または関節の炎症を呈する炎症性疾患であるか、または滑膜炎に関連する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記関節炎性疾患が、関節リウマチ、乾癬性関節炎、および強直性脊椎炎などの炎症性関節炎、変形性関節症などの変形性関節炎、痛風性関節炎などの代謝性関節炎、C型肝炎、クラミジア、淋病、サルモネラ菌、または赤痢菌のうちの1つ以上の感染に関連する関節炎などの反応性関節炎および感染性関節炎からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記関節炎性疾患が、未分化多発性関節炎(UP)、重度の活動性関節リウマチ(RA)、新たに診断された重度の活動性RA、および若年性関節リウマチ(JRA)などの関節リウマチ(RA)である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記関節炎性疾患が、5.1以上のDAS28スコア(高い疾患活動性)、3.2~5.1のDAS28スコア(中程度の疾患活動性)、または2.6~3.2未満のDAS28スコア(低い疾患活動性)を有する関節リウマチである、請求項に記載の組成物。
【請求項8】
前記関節炎性疾患が、22以上のCDAIスコア(高い疾患活動性)、10~22のCDAIスコア(中程度の疾患活動性)、または2.8~10未満のCDAIスコア(低い疾患活動性)を有する関節リウマチである、請求項に記載の組成物。
【請求項9】
前記JRAが、少関節炎JRA、全身型JRA、多関節JRA、およびリウマチ因子陰性脊椎関節炎からなる群から選択される、請求項に記載の組成物。
【請求項10】
前記関節炎性疾患が、手、膝、股関節、脊椎、手首、足首、股関節、つま先、および/または肘のうちの1つ以上の関節に影響を及ぼす、または
前記関節炎性疾患が、関節のこわばり、関節の圧痛、手の使用不能、歩行不能、不調、疲労、体重減少、睡眠不足、筋肉痛、疼痛、筋肉の衰弱、柔軟性の喪失、および有酸素フィットネスの低下からなる群から選択される1つ以上のさらなる症状を呈する、
請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物により、
i)関節の炎症が軽減する、
ii)圧痛関節数が減少するおよび/または腫脹関節数が減少する、
iii)血中のC反応性タンパク質(CRP)のレベルが低下する、
iv)1つ以上の関節炎症状の部分寛解または完全寛解がもらされる、
v)健康評価質問票障害機能指数(HAQ-DI)によって決定したときに、前記対象における身体機能の改善がもたらされる、
vi)慢性疾患治療の機能評価-疲労(FACIT-疲労)によって決定したときに、前記対象における身体機能の改善がもたらされる、
vii)DAS28スコアが低下する、例えば、3.2~5.1(中等度の疾患活動性)まで、例えば、2.6~3.2未満(低疾患活動性)で、例えば、0~2.6未満(寛解)まで、DAS28スコアが低下する、
viii)CDAIスコアが低下する、例えば、10~22(中等度の疾患活動性)まで例えば、2.8~10未満(低疾患活動性)で、例えば、0~2.8未満(寛解)までCDAIスコアが低下する、
ix)前記CDAIスコアが5ポイント以上、例えば10ポイント以上、例えば、15ポイント以上低下する、
x)20%以上、50%以上、または70%以上のACR応答率の改善がもたらされる;または
前記対象、前記治療前にリウマチ因子および/または抗環状シトルリン化ペプチド(CCP)IgG抗体について、結果が陽性である;
請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
MTX無応答者において、RAなど、関節炎性疾患の前記治療に使用するための、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記MTX無応答者が、
a.6ヶ月で治療に対して無応答であった対象、
b.EULAR応答基準を使用して「無応答」と定義された、6ヶ月において治療に対して無応答であった対象、
c.28関節の疾患活動性スコア(DAS28)の0.6以下の改善、またはDAS28の0.6超~1.2の改善および6ヶ月のDAS28>5.1と評価された、6ヶ月で治療に対して無応答であった対象、
d.MTXを6ヶ月中止した、すなわちMTXを停止し、非有効性のために再開する予定がなかった対象、
e.RF(リウマチ因子)陰性、より高いHAQ(健康評価質問票)スコア、より高い圧痛関節数(TJC28)、より高いHADS(病院不安抑うつ尺度)不安スコアおよびより低い疾患活動性(より低いベースラインDAS28-CRP)から選択される、無応答の1つ以上のベースライン予測因子を有する対象、
f.Sergeantら、2018によって開示されたモデルによって決定された、無応答のリスク(または確率)が高い個体、
g.女性、
h.現喫煙者、および
i.BMIが高い者、
からなる群から選択される、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
メトトレキサート(MTX)が、週に約1~約30mg、例えば、週1回、約10~約25mg、例えば、約5~15mg/週の量で投与される;および/または
MTXが週に1回投与される;
請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
式(II)の化合物が、1日あたり約1mg~約1000mg、例えば、1日あたり約50~約800mg、例えば、1日あたり50mg、100mg、200mg、400mg、600mgまたは800mgの量で投与される;および/または
式(II)の化合物が、1日1回、1日2回、または1日3回など、毎日投与される;
請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物が、1週間、1週間より長く、2週間、2週間より長く、3週間、3週間より長く、4週間、4週間より長く、1ヶ月、1ヶ月より長く、2ヶ月、2ヶ月より長く、3ヶ月、3ヶ月より長く、4ヶ月、4ヶ月より長く、5ヶ月、5ヶ月より長く、6ヶ月、6ヶ月より長く、または1年より長く、投与される、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
式(II)の化合物が、MTXより前に、MTXと同時に、および/またはMTXより後に、投与される、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
式(II)の化合物が毎日投与され、前記MTXが週に1回投与される、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
式(II)の化合物による治療が継続されている間、MTXによる治療が一定期間中止される、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
MTXは、錠剤またはカプセルの形態など、経口投与用に製剤化される;または
MTXは、皮下注射など、注射用の液体として製剤化される;
請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
式(II)の化合物が、経口投与用に製剤化される;または
式(II)の化合物が、錠剤またはカプセルなどの経口固形剤形である;
請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
式(II)の化合物が、経口粉末など、粉末である;または
式(II)の化合物が、経口投与用の懸濁液など、経口懸濁液である;
請求項1に記載の組成物。
【請求項23】
MTXが、式(II)の化合物で治療する前に関節炎性疾患の治療のために投与されている;または
前記関節炎性疾患の以前のMTX治療が、式(II)の化合物による治療の開始前に最適でなかった;
請求項1に記載の組成物。
【請求項24】
前記組成物が、葉酸またはその同等物を別々にまたは一緒にさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項25】
メトトレキサート(MTX)、および式(II):
【化2】
の化合物またはその互変異性、エナンチオマー、ジアステレオマーもしくはラセミ、あるいはその薬学的に許容される塩、を別々にまたは一緒に含む、関節炎性疾患の治療における使用のための組成物。
【請求項26】
前記化合物が、{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジンおよび(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジンまたはそれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択されるか、または
前記化合物が、{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジニウムアセテートおよび(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジニウムアセテートからなる群から選択される、
請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
前記組成物が、葉酸またはその同等物をさらに含む、請求項25または26に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、2019年5月10日に出願された欧州特許出願第19173734.5号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
技術分野
本発明は、関節リウマチ(RA)などの関節炎疾患を治療する方法において使用するための、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグ、ならびにAP1189などのフェニルピロールアミノグアニジン誘導体化合物またはその薬学的に許容される誘導体を別々にまたは一緒に含む組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
関節炎性疾患は、1つ以上の関節の損傷または炎症を意味する状態である。この状態は、多くの場合、疼痛、腫脹、熱、発赤、および動きの制限を伴う。関節障害には多くの異なる形態があり、最も一般的なタイプは変形性関節症および関節リウマチである。変形性関節症は、変性性関節疾患であり、軟骨の摩耗によって生じる。軟骨は、身体で適切に置き換えることができないため、軟骨の損失を補うために関節の端に新しい骨ができる場合がある。これにより、新しい骨が既存の骨の敏感な表面を伸ばすため、疼痛を伴う骨の腫脹が生じる。この状態は指によく見られる。関節リウマチ(RA)は、主に関節に影響を与える自己免疫障害であり、先進国の成人の0.5~1%がRAによる影響を受けている。関節リウマチの原因は明らかではないが、遺伝的要因と環境要因との組み合わせが関与していると考えられている。現在の治療の目標は、疼痛および炎症を軽減して、この状態に罹患している患者の生活の質を改善することである。鎮痛剤、ステロイド、および非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)は、症状を軽減するための治療として高頻度で使用される。ヒドロキシクロロキン、および特にメトトレキサート(MTX)などの疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)は、疾患の進行の遅延を試みるために使用され得る。しかし、MTXは副作用を回避するために適切に投与することが困難であり得、すべての患者がMTXに適切に応答するものではない。
【0003】
メラノコルチン系は、メラニン形成、ストレス応答、炎症、免疫調節、および副腎皮質ステロイド産生など、多種多様な生理学的機能の恒常性制御において不可欠な役割を果たす神経ペプチド作動性および免疫内分泌シグナル伝達経路のセットである。これは、5つのGタンパク質共役型メラノコルチン受容体:メラノコルチン受容体1(MC1R)からMC5R;ペプチドリガンド:α、β、γ-メラノサイト刺激ホルモン(α、β、γ-MSH);下垂体前葉によって分泌される副腎皮質刺激ホルモン(ACTH);および内因性アゴニストなど、複数の成分で構成されている。メラノコルチン系の生物学的機能は、異なる組織分布を有し、異なるシグナル伝達を伝達し、かつ異なる臓器系内で異なる生物学的活性を発揮する5つのメラノコルチン受容体(MCR)によって媒介される。副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)は、内因性ペプチドホルモンであり、すべてのメラノコルチン受容体1~5(MC1-5R)のアゴニストであり、このうち、MC2Rは、ACTHに特異的に結合する。ステロイド産生は、ACTHによってのみ引き起こされ、副腎皮質内においてMC2Rを介して媒介される。アルファメラノサイト刺激ホルモン(αMSH)は、ACTHに構造的に関連する小さい内因性ペプチドホルモンであり、MC2Rを除くすべてのMCRに結合する。MC1Rは、皮膚のメラノサイトによって豊富に発現し、メラニン形成における重要な制御点であり、髪色を決定する。
【0004】
末梢MC1およびMC3は、抗炎症を誘発するために薬理学的に活性化させ得る。内因性アゴニストであるα-メラノサイト刺激ホルモン(αMSH)は、他の保護メディエータと同様に、免疫細胞によって放出され、炎症誘発性シグナルのバランスを取り、これにより過度の組織損傷を防ぐ。受容体MC1およびMC3を標的とする治療薬は、身体自体の保護資源を模倣することによって作用し、副作用の負担が軽いことを特徴とし得る。
【0005】
メトトレキサートによる関節リウマチの治療などの関節障害の現在の治療は、多くの場合、副作用のリスクを伴い、また単独で投与された場合には完全に効果的ではない可能性があり、関節障害に罹患している対象は、新しく効率的な治療レジメンを必要としている。
【0006】
メラノコルチン受容体に対して活性を有するフェニルピロールアミノグアニジン誘導体は、国際公開第2007/141343に開示されている。そのような化合物の一例は、抗炎症化合物AP1189((E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジウムアセテート)であり、MC1Rを結合することが最初に示され(国際公開第2007/141343号)、後に、受容体MC1RおよびMC3Rで、標準的なcAMP生成を誘起しない(したがって、MC1R誘発性メラニン形成がない)が、代わりにERK1/2-リン酸化およびCa2+動員などの代替経路を誘発すると考えられるバイアスデュアルアゴニストとして同定された(Montero-Melendez et al.2015)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者らは、フェニルピロールアミノグアニジン誘導体AP1189((E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジウムアセテート)は、現在の標準治療メトトレキサート(MTX)と組み合わせて使用した場合に、単独で投与したときのいずれかの化合物と比較して、有意に優れた抗関節炎効果を呈することを発見した。本明細書に開示の新規抗関節炎組み合わせ治療を提供することにより、本発明者らは、現在の抗関節炎治療の治療上有効な代替物、および潜在的にMTX毒性を低減し、MTX無応答者など、MTXへの低応答率の患者の新規治療管理を提供するための魅力的な手段を提供する。
【0008】
対象における関節炎性疾患などの関節炎性疾患の治療に使用するための、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグ、および式(I)または(Ia)の化合物、
【化1】

それらの互変異性および異性体形態、例えば、エナンチオマー形態、ジアステレオマー形態およびラセミ形態など;
(式中、
nは、1、2または3であり;
各R、R、R、RおよびRは、水素、任意により置換されたC1~6-アルキル、任意により置換されたC3~6-シクロアルキル、任意により置換されたC2~6-アルケニル、任意により置換されたC4~6-アルカジエニル、任意により置換されたC2~6-アルキニル、ヒドロキシ、任意により置換されたC1~6-アルコキシ、任意により置換されたC2~6-アルケニルオキシ、カルボキシ、任意により置換されたC1~6-アルコキシカルボニル、任意により置換されたC1~6-アルキルカルボニル、ホルミル、C1~6-アルキルスルホニルアミノ、任意により置換されたアリール、任意により置換されたアリールオキシカルボニル、任意により置換されたアリールオキシ、任意により置換されたアリールカルボニル、任意により置換されたアリールアミノ、アリールスルホニルアミノ、任意により置換されたヘテロアリール、任意により置換されたヘテロアリールオキシカルボニル、任意により置換されたヘテロアリールオキシ、任意により置換されたヘテロアリールカルボニル、任意により置換されたヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールスルホニルアミノ、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたヘテロシクリルオキシカルボニル、任意により置換されたヘテロシクリルオキシ、任意により置換されたヘテロシクリルカルボニル、任意により置換されたヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルスルホニルアミノ、アミノ、モノ-およびジ(C1~6-アルキル)アミノ、カルバモイル、モノ-およびジ(C1~6-アルキル)アミノカルボニル、アミノ-C1~6-アルキル-アミノカルボニル、モノ-およびジ(C1~6-アルキルアミノ-C1~6-アルキル-アミノカルボニル、C1~6-アルキルカルボニルアミノ、アミノ-C1~6-アルキル-カルボニルアミノ、モノ-およびジ(C1~6-アルキル)アミノ-C1~6-アルキル-カルボニルアミノ、シアノ、グアニジノ、カルバミド、C1~6-アルカノイルオキシ、C1~6-アルキルスルホニル、C1~6-アルキルスルフィニル、C1~6-アルキルスルホニルオキシ、アミノスルホニル、モノ-およびジ(C1~6-アルキル)アミノスルホニル、ニトロ、任意により置換されたC1~6-アルキルチオおよびハロゲンからなる群から独立して選択され、ここで、任意の窒素に結合したC1~6-アルキルは、任意により、ヒドロキシ、C1~6-アルコキシ、C2~6-アルケニルオキシ、アミノ、モノ-およびジ(C1~6-アルキル)アミノ、カルボキシ、C1~6-アルキルカルボニルアミノ、ハロゲン、C1~6-アルキルチオ、C1~6-アルキル-スルホニル-アミノまたはグアニジンで置換され;
各RおよびRは、水素、任意により置換されたC1~6-アルキル、任意により置換されたC2~6-アルケニル、任意により置換されたC4~6-アルカジエニル、任意により置換されたC2~6-アルキニル、任意により置換されたC1~6-アルコキシカルボニル、任意により置換されたC1~6-アルキルカルボニル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたアリールオキシカルボニル、任意により置換されたアリールカルボニル、任意により置換されたヘテロアリール、任意により置換されたヘテロアリールオキシカルボニル、任意により置換されたヘテロアリールカルボニル、アミノカルボニル、モノ-およびジ(C1~6-アルキル)アミノカルボニル、アミノ-C1~6-アルキル-アミノカルボニルおよびモノ-およびジ(C1~6-アルキル)アミノ-C1~6-アルキル-アミノカルボニルからなる群から独立して選択され;または、RとRが一緒になって5員または6員の窒素含有環を形成し得る)、またはその薬学的に許容される誘導体などを別々にまたは一緒に含む組成物を提供することは、本開示の一態様である。
【0009】
一実施形態では、関節炎性疾患の治療に使用するための、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグ、および式(II)の化合物:
【化2】
それらの互変異性および異性体形態、例えば、エナンチオマー形態、ジアステレオマー形態およびラセミ形態など;
またはそれらの薬学的に許容される誘導体を別々にまたは一緒に含む組成物を提供する。
【0010】
関節炎性疾患の治療に使用するための、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグ、ならびに{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジン、{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジニウムアセテート;(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジン;および(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジニウムアセテートからなる群から選択される化合物、またはそれらの薬学的に許容される誘導体を含む組成物を提供することもまた、本開示の一態様である。
【0011】
一実施形態では、関節炎性疾患は、関節リウマチ(RA)である。
【0012】
定義
本文脈における「薬学的に許容される誘導体」という用語は、対象に有害ではない塩を示す薬学的に許容される塩を含む。そのような塩としては、薬学的に許容される塩基性または酸付加塩、ならびに薬学的に許容される金属塩、アンモニウム塩およびアルキル化アンモニウム塩が挙げられる。薬学的に許容される誘導体は、エステルおよびプロドラッグ、または生物学的に代謝されて活性化合物または化合物の結晶形態になり得る化合物の他の前駆体をさらに含む。
【0013】
「酸付加塩」という用語は、対象に有害ではない塩を示す「薬学的に許容される酸付加塩」を含むことを意図している。酸付加塩としては、無機酸および有機酸の塩が挙げられる。好適な無機酸の代表的な例としては、塩酸、臭化水素、ヨウ化水素、リン酸、硫酸、硝酸などが挙げられる。好適な有機酸の代表的な例としては、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸、桂皮酸、クエン酸、フマル酸、グリコール酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、シュウ酸、ピクリン酸、ピルビン酸、サリチル酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酒石酸、アスコルビン酸、パモ酸、ビスメチレンサリチル酸、エタンジスルホン酸、グルコン酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、EDTA、グリコール酸、p-アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸、およびp-トルエンスルホン酸などが挙げられる。薬学的に許容される無機または有機酸付加塩のさらなる例には、J.Pharm.Sci.66,2,(1977)に記載されている薬学的に許容される塩が含まれ、これは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0014】
本明細書で使用される化合物の「治療有効量」という用語は、所与の疾患または障害およびその合併症の臨床症状を治癒する、緩和する、予防する、そのリスクを低減する、または部分的に阻止するのに十分な量を指す。これを達成するのに十分な量は、「治療有効量」として定義される。各目的のための有効量は、対象の体重および全身状態のみでなく、疾患または傷害の重症度に依存することになる。適切な投与量の決定は、値のマトリックスを構築し、マトリックス内の異なるポイントをテストすることによって、日常的な実験を使用して達成できることが理解されよう。これはすべて、訓練を受けた医師または獣医の通常のスキルの範囲内である。
【0015】
本明細書で使用される「治療(treatment)」および「治療すること(treating)」という用語は、状態、疾患または障害と闘うことを目的とした対象の管理および治癒を指す。この用語は、対象が罹患している所与の状態に対する治療の全範囲を含むことを意図している。治療される対象は、好ましくは哺乳動物、特にヒトである。しかし、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジおよびブタなどの動物の治療もまた、本文脈の範囲内である。治療される対象は、様々な年齢のものであり得る。
【0016】
本明細書で言及される「関節炎性疾患」は、関節の炎症を呈する炎症性疾患である。関節炎としても公知である。
【0017】
本明細書で使用される「寛解」という用語は、関節炎性疾患の徴候および症状の減少または消失を指す。寛解は、一時的または永続的であり得る。部分寛解は関節炎性疾患の徴候および症状の減少であり、完全寛解は本明細書では関節炎性疾患の徴候および症状の消失として理解されている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】K/BxN血清で処理されたマウスにおける8日間の試験期間中に10以上の臨床スコアとして定義される重度関節炎を発症した動物のパーセンテージ(詳細については、実施例1を参照)を示す図である。群1:未処置時間対照;群2:ビヒクルで処置された動物;群3:メトトレキサートで処置された動物;群4:AP1189で処置された動物;群5:メトトレキサートとAP1189との組み合わせで処置された動物。群3および群5は、同じ用量のメトトレキサートで処置した。群4および群5は、同じ用量のAP1189で処置した。
図2】健康ボランティアにおける試験化合物の単回経口投与後の血漿濃度を示す図である。試験化合物(AP1189)は、空腹時の男性の健康ボランティアに朝の懸濁液として与えた。試験化合物の用量レベル:100、200、400、600または800mg。連続血漿サンプルを収集し、血漿中濃度をLCMS-MSで測定した。N=6/用量レベル平均/群。
図3】健康ボランティアにおける試験化合物の反復経口投与後の血漿濃度を示す図である。試験化合物(AP1189)は、1日1回2週間、空腹時の男性の健康ボランティアに朝の懸濁液として与えた。試験化合物1の用量レベル:50、100、200mg。連続血漿サンプルは、投与最終日(14日目)後に収集され、血漿中濃度をLCMS-MSによって決定した。N=9/用量レベル平均+/-SD/群。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示は、関節炎性疾患(または関節炎)を治療するための、メトトレキサート(MTX)と、本明細書で定義される式(I)、(Ia)または(II)の化合物とを別々にまたは一緒に含む組成物を提供する。
【0020】
本開示の一態様では、対象における関節炎性疾患などの関節炎性疾患の治療に使用するための、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグ、および
式(I)または(Ia)の化合物:
【化3】

それらの互変異性および異性体形態、例えば、エナンチオマー形態、ジアステレオマー形態およびラセミ形態など;
(式中、
nは、1、2または3であり;
各R、R、R、RおよびRは、水素、任意により置換されたC1~6-アルキル、任意により置換されたC3~6-シクロアルキル、任意により置換されたC2~6-アルケニル、任意により置換されたC4~6-アルカジエニル、任意により置換されたC2~6-アルキニル、ヒドロキシ、任意により置換されたC1~6-アルコキシ、任意により置換されたC2~6-アルケニルオキシ、カルボキシ、任意により置換されたC1~6-アルコキシカルボニル、任意により置換されたC1~6-アルキルカルボニル、ホルミル、C1~6-アルキルスルホニルアミノ、任意により置換されたアリール、任意により置換されたアリールオキシカルボニル、任意により置換されたアリールオキシ、任意により置換されたアリールカルボニル、任意により置換されたアリールアミノ、アリールスルホニルアミノ、任意により置換されたヘテロアリール、任意により置換されたヘテロアリールオキシカルボニル、任意により置換されたヘテロアリールオキシ、任意により置換されたヘテロアリールカルボニル、任意により置換されたヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールスルホニルアミノ、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたヘテロシクリルオキシカルボニル、任意により置換されたヘテロシクリルオキシ、任意により置換されたヘテロシクリルカルボニル、任意により置換されたヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルスルホニルアミノ、アミノ、モノ-およびジ(C1~6-アルキル)アミノ、カルバモイル、モノ-およびジ(C1~6-アルキル)アミノカルボニル、アミノ-C1~6-アルキル-アミノカルボニル、モノ-およびジ(C1~6-アルキルアミノ-C1~6-アルキル-アミノカルボニル、C1~6-アルキルカルボニルアミノ、アミノ-C1~6-アルキル-カルボニルアミノ、モノ-およびジ(C1~6-アルキル)アミノ-C1~6-アルキル-カルボニルアミノ、シアノ、グアニジノ、カルバミド、C1~6-アルカノイルオキシ、C1~6-アルキルスルホニル、C1~6-アルキルスルフィニル、C1~6-アルキルスルホニルオキシ、アミノスルホニル、モノ-およびジ(C1~6-アルキル)アミノスルホニル、ニトロ、任意により置換されたC1~6-アルキルチオおよびハロゲンからなる群から独立して選択され、ここで、任意の窒素に結合したC1~6-アルキルは、任意により、ヒドロキシ、C1~6-アルコキシ、C2~6-アルケニルオキシ、アミノ、モノ-およびジ(C1~6-アルキル)アミノ、カルボキシ、C1~6-アルキルカルボニルアミノ、ハロゲン、C1~6-アルキルチオ、C1~6-アルキル-スルホニル-アミノまたはグアニジンで置換され;
各RおよびRは、水素、任意により置換されたC1~6-アルキル、任意により置換されたC2~6-アルケニル、任意により置換されたC4~6-アルカジエニル、任意により置換されたC2~6-アルキニル、任意により置換されたC1~6-アルコキシカルボニル、任意により置換されたC1~6-アルキルカルボニル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたアリールオキシカルボニル、任意により置換されたアリールカルボニル、任意により置換されたヘテロアリール、任意により置換されたヘテロアリールオキシカルボニル、任意により置換されたヘテロアリールカルボニル、アミノカルボニル、モノ-およびジ(C1~6-アルキル)アミノカルボニル、アミノ-C1~6-アルキル-アミノカルボニルおよびモノ-およびジ(C1~6-アルキル)アミノ-C1~6-アルキル-アミノカルボニルからなる群から独立して選択され;または、RとRが一緒になって5員または6員の窒素含有環を形成し得る)、またはその薬学的に許容される誘導体を別々にまたは一緒に含む組成物が提供される。
【0021】
一実施形態では、本開示は、対象における関節炎性疾患などの関節炎性疾患の治療に使用するための、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグ、および式(I)または(Ia)の化合物を提供し、ここで、n、R、R、R、R、R、RおよびRのそれぞれは、本明細書で定義されるとおりである。
【0022】
一実施形態では、関節炎性疾患を治療する方法が提供され、本方法は、それを必要とする対象などの対象に、
メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグ、および
式(I)または(Ia)の化合物:
【化4】

それらの互変異性および異性体形態、例えば、エナンチオマー形態、ジアステレオマー形態およびラセミ形態など;
(式中、
nは、1、2または3であり;
各R、R、R、RおよびRは、水素、任意により置換されたC1~6-アルキル、任意により置換されたC3~6-シクロアルキル、任意により置換されたC2~6-アルケニル、任意により置換されたC4~6-アルカジエニル、任意により置換されたC2~6-アルキニル、ヒドロキシ、任意により置換されたC1~6-アルコキシ、任意により置換されたC2~6-アルケニルオキシ、カルボキシ、任意により置換されたC1~6-アルコキシカルボニル、任意により置換されたC1~6-アルキルカルボニル、ホルミル、C1~6-アルキルスルホニルアミノ、任意により置換されたアリール、任意により置換されたアリールオキシカルボニル、任意により置換されたアリールオキシ、任意により置換されたアリールカルボニル、任意により置換されたアリールアミノ、アリールスルホニルアミノ、任意により置換されたヘテロアリール、任意により置換されたヘテロアリールオキシカルボニル、任意により置換されたヘテロアリールオキシ、任意により置換されたヘテロアリールカルボニル、任意により置換されたヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールスルホニルアミノ、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたヘテロシクリルオキシカルボニル、任意により置換されたヘテロシクリルオキシ、任意により置換されたヘテロシクリルカルボニル、任意により置換されたヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルスルホニルアミノ、アミノ、モノ-およびジ(C1~6-アルキル)アミノ、カルバモイル、モノ-およびジ(C1~6-アルキル)アミノカルボニル、アミノ-C1~6-アルキル-アミノカルボニル、モノ-およびジ(C1~6-アルキルアミノ-C1~6-アルキル-アミノカルボニル、C1~6-アルキルカルボニルアミノ、アミノ-C1~6-アルキル-カルボニルアミノ、モノ-およびジ(C1~6-アルキル)アミノ-C1~6-アルキル-カルボニルアミノ、シアノ、グアニジノ、カルバミド、C1~6-アルカノイルオキシ、C1~6-アルキルスルホニル、C1~6-アルキルスルフィニル、C1~6-アルキルスルホニルオキシ、アミノスルホニル、モノ-およびジ(C1~6-アルキル)アミノスルホニル、ニトロ、任意により置換されたC1~6-アルキルチオおよびハロゲンからなる群から独立して選択され、ここで、任意の窒素に結合したC1~6-アルキルは、任意により、ヒドロキシ、C1~6-アルコキシ、C2~6-アルケニルオキシ、アミノ、モノ-およびジ(C1~6-アルキル)アミノ、カルボキシ、C1~6-アルキルカルボニルアミノ、ハロゲン、C1~6-アルキルチオ、C1~6-アルキル-スルホニル-アミノまたはグアニジンで置換され;
各RおよびRは、水素、任意により置換されたC1~6-アルキル、任意により置換されたC2~6-アルケニル、任意により置換されたC4~6-アルカジエニル、任意により置換されたC2~6-アルキニル、任意により置換されたC1~6-アルコキシカルボニル、任意により置換されたC1~6-アルキルカルボニル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたアリールオキシカルボニル、任意により置換されたアリールカルボニル、任意により置換されたヘテロアリール、任意により置換されたヘテロアリールオキシカルボニル、任意により置換されたヘテロアリールカルボニル、アミノカルボニル、モノ-およびジ(C1~6-アルキル)アミノカルボニル、アミノ-C1~6-アルキル-アミノカルボニルおよびモノ-およびジ(C1~6-アルキル)アミノ-C1~6-アルキル-アミノカルボニルからなる群から独立して選択され;または、RとRが一緒になって5員または6員の窒素含有環を形成し得る)、またはその薬学的に許容される誘導体を別々にまたは一緒に含む組成物を投与する1つ以上のステップを含む。
【0023】
一実施形態では、本開示は、関節炎性疾患の治療を必要とする対象などの対象に対して、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグを投与する1つ以上のステップ、および式(I)または(Ia)の化合物を投与する1つ以上のステップを含む関節炎性疾患を治療する方法を提供し、式中、n、R、R、R、R、R、RおよびRのそれぞれは、本明細書で定義されるとおりである。
【0024】
本開示の一実施形態では、対象における関節炎性疾患などの関節炎性疾患を治療するための医薬品を製造するための、メトトレキサート(MTX)、および式(I)または(Ia)の化合物:
【化5】
それらの互変異性および異性体形態、例えば、エナンチオマー形態、ジアステレオマー形態およびラセミ形態など;
(式中、
nは、1、2または3であり;
各R、R、R、RおよびRは、水素、任意により置換されたC1~6-アルキル、任意により置換されたC3~6-シクロアルキル、任意により置換されたC2~6-アルケニル、任意により置換されたC4~6-アルカジエニル、任意により置換されたC2~6-アルキニル、ヒドロキシ、任意により置換されたC1~6-アルコキシ、任意により置換されたC2~6-アルケニルオキシ、カルボキシ、任意により置換されたC1~6-アルコキシカルボニル、任意により置換されたC1~6-アルキルカルボニル、ホルミル、C1~6-アルキルスルホニルアミノ、任意により置換されたアリール、任意により置換されたアリールオキシカルボニル、任意により置換されたアリールオキシ、任意により置換されたアリールカルボニル、任意により置換されたアリールアミノ、アリールスルホニルアミノ、任意により置換されたヘテロアリール、任意により置換されたヘテロアリールオキシカルボニル、任意により置換されたヘテロアリールオキシ、任意により置換されたヘテロアリールカルボニル、任意により置換されたヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールスルホニルアミノ、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたヘテロシクリルオキシカルボニル、任意により置換されたヘテロシクリルオキシ、任意により置換されたヘテロシクリルカルボニル、任意により置換されたヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルスルホニルアミノ、アミノ、モノ-およびジ(C1~6-アルキル)アミノ、カルバモイル、モノ-およびジ(C1~6-アルキル)アミノカルボニル、アミノ-C1~6-アルキル-アミノカルボニル、モノ-およびジ(C1~6-アルキルアミノ-C1~6-アルキル-アミノカルボニル、C1~6-アルキルカルボニルアミノ、アミノ-C1~6-アルキル-カルボニルアミノ、モノ-およびジ(C1~6-アルキル)アミノ-C1~6-アルキル-カルボニルアミノ、シアノ、グアニジノ、カルバミド、C1~6-アルカノイルオキシ、C1~6-アルキルスルホニル、C1~6-アルキルスルフィニル、C1~6-アルキルスルホニルオキシ、アミノスルホニル、モノ-およびジ(C1~6-アルキル)アミノスルホニル、ニトロ、任意により置換されたC1~6-アルキルチオおよびハロゲンからなる群から独立して選択され、ここで、任意の窒素に結合したC1~6-アルキルは、任意により、ヒドロキシ、C1~6-アルコキシ、C2~6-アルケニルオキシ、アミノ、モノ-およびジ(C1~6-アルキル)アミノ、カルボキシ、C1~6-アルキルカルボニルアミノ、ハロゲン、C1~6-アルキルチオ、C1~6-アルキル-スルホニル-アミノまたはグアニジンで置換され;
各RおよびRは、水素、任意により置換されたC1~6-アルキル、任意により置換されたC2~6-アルケニル、任意により置換されたC4~6-アルカジエニル、任意により置換されたC2~6-アルキニル、任意により置換されたC1~6-アルコキシカルボニル、任意により置換されたC1~6-アルキルカルボニル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたアリールオキシカルボニル、任意により置換されたアリールカルボニル、任意により置換されたヘテロアリール、任意により置換されたヘテロアリールオキシカルボニル、任意により置換されたヘテロアリールカルボニル、アミノカルボニル、モノ-およびジ(C1~6-アルキル)アミノカルボニル、アミノ-C1~6-アルキル-アミノカルボニルおよびモノ-およびジ(C1~6-アルキル)アミノ-C1~6-アルキル-アミノカルボニルからなる群から独立して選択され;または、RとRが一緒になって5員または6員の窒素含有環を形成し得る)、またはその薬学的に許容される誘導体を別々にまたは一緒に含む組成物の使用が提供される。
【0025】
一実施形態では、本開示は、関節炎性疾患の治療のための医薬品を製造するための、メトトレキサート(MTX)および式(I)または(Ia)の化合物の使用を提供し、ここで、n、R、R、R、R、R、RおよびRのそれぞれは、本明細書で定義されるとおりである。
【0026】
化合物
本開示は、関節炎性疾患の治療に使用するための、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグ、および式(I)または(Ia)の化合物の組み合わせを提供し、ここで、n、R、R、R、R、R、RおよびRのそれぞれは、本明細書の上記で定義されるとおりである。特定の実施形態では、n、R、R、R、R、R、RおよびRのそれぞれは、以下の開示に従って指定される。
【0027】
一実施形態では、n=1である。一実施形態では、本開示は、関節炎性疾患の治療に使用するための、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグ、および式(I)または(Ia)の化合物(式中、R、R、R、R、R、RおよびRのそれぞれは、本明細書で定義されるとおりであり、n=1である)を別々にまたは一緒に含む組成物を提供する。
【0028】
一実施形態では、各R、RおよびRは、独立して、-H、-CH、-CF、-CCl、-O-C1~6アルキル、-OH、-OCH、-NH-C1~6アルキル、-N(C1~6アルキル)、-S-C1~6アルキル、-Bu、-CN、-SO-C1~6アルキル、-NH、-NO、-COH、-CO-C1~6アルキル、-C(=O)-C1~6アルキル、-CHO、モルホリン、ピロリジン、ピロール、またはハロゲンからなる群から選択される。
【0029】
一実施形態では、本開示は、対象における関節炎性疾患などの関節炎性疾患の治療に使用するための、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグ、および式(I)または(Ia)の化合物(式中、n、R、R、R、およびRのそれぞれは、本明細書で定義されるとおりであり、各R、RおよびRは、独立して、-H、-CH、-CF、-CCl、-O-C1~6アルキル、-OH、-OCH、-NH-C1~6アルキル、-N(C1~6アルキル)、-S-C1~6アルキル、-Bu、-CN、-SO-C1~6アルキル、-NH、-NO、-COH、-CO-C1~6アルキル、-C(=O)-C1~6アルキル、-CHO、モルホリン、ピロリジン、ピロール、またはハロゲンからなる群から選択される)を別々にまたは一緒に含む組成物を提供する。
【0030】
一実施形態では、Rおよび/またはRは、それぞれ、電子求引基である。一実施形態では、本開示は、対象における関節炎性疾患などの関節炎性疾患の治療に使用するための、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグ、および式(I)または(Ia)の化合物(式中、n、R、R、R、RおよびRのそれぞれは、本明細書で定義されたとおりであり、Rおよび/またはRはそれぞれ、電子求引基である)を別々にまたは一緒に含む組成物を提供する。
【0031】
電子求引基は、通常、共鳴効果または誘導効果によって、隣接する原子からそれ自体に向かって電子密度を求引する電子求引要素または官能基として理解される。官能基が電子求引性であるか電子供与性であるかは、当業者に公知の方程式であるハメット方程式を使用して決定することができる。置換基定数σとしても公知であるハメット置換基定数は、隣接する原子からそれ自体に向かって電子密度を求引する官能基の能力の尺度として使用され得る。電子求引基は、置換基定数σ>0、例えば0.01~0.9、例えば0.78を有する電子求引要素または官能基である。これらの値は当技術分野において公知であり、J.Org.Chem.,23,420(1958)などの科学文献の表で確認できる。CF、CCl、F、Cl、CN、およびNOは、電子求引基の例である。
【0032】
一実施形態では、Rは、CF、CCl、F、Cl、CNおよびNOからなる群から選択される。一実施形態では、本開示は、対象における関節炎性疾患などの関節炎性疾患の治療に使用するための、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグ、および式(I)または(Ia)の化合物(式中、n、R、R、R、R、RおよびRのそれぞれは、本明細書で定義されるとおりであり、Rは、CF、CCl、F、Cl、CNおよびNOからなる群から選択される)を提供する。
【0033】
一実施形態では、Rおよび/またはRは、それぞれ水素である。一実施形態では、本開示は、対象における関節炎性疾患などの関節炎性疾患の治療に使用するための、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグ、および式(I)または(Ia)の化合物を提供し、式中、n、R、R、R、R6およびRのそれぞれは、本明細書で定義されるとおりであり、Rおよび/またはRは、それぞれ水素である。
【0034】
一実施形態では、各RおよびRは、-H、C1~6アルキル、ハロゲン、-O(C1~6アルキル)、-NH(C1~6アルキル)および-C(=O)C1~6アルキルからなる群から独立して選択される。
【0035】
一実施形態では、本開示は、対象における関節炎性疾患などの関節炎性疾患の治療に使用するための、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグ、および式(I)または(Ia)の化合物(式中、n、R、R、R、RおよびRのそれぞれは、本明細書で定義されるとおりであり、各RおよびRは、-H、C1~6アルキル、ハロゲン、-O(C1~6アルキル)、-NH(C1~6アルキル)および-C(=O)C1~6アルキルからなる群から独立して選択される)を提供する。
【0036】
一実施形態では、各RおよびRは、水素、メチル、エチルおよびプロピルからなる群から独立して選択される。
【0037】
一実施形態では、RおよびRは、それぞれ水素である。
【0038】
一実施形態では、Rは、水素であり、Rは、メチルまたはエチルである。一実施形態では、Rは、水素であり、Rは、メチルである。一実施形態では、Rは、水素であり、Rは、エチルである。一実施形態では、RおよびRは、両方ともメチルである。一実施形態では、RおよびRは、両方ともエチルである。
【0039】
一実施形態では、本開示は、対象における関節炎性疾患などの関節炎性疾患の治療に使用するための、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグ、ならびに式(I)または(Ia)の化合物(式中、n、R、R、R、R、Rのそれぞれは、本明細書で定義されるとおりであり、各RおよびRは、水素、メチル、エチルおよびプロピルからなる群から独立して選択され、例えば、
およびRは、それぞれ水素であるか、または
は、水素であり、Rは、メチルまたはエチルであるか、または
は、水素であり、Rは、メチルであるか、または
は、水素であり、Rは、エチルであるか、または
およびRは、両方ともメチルであるか、または
およびRは、両方ともエチルである)を提供する。
【0040】
一実施形態では、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ水素であり、Rは、CF、CCl、F、Cl、NOおよびCNからなる群から選択される。
【0041】
一実施形態では、本開示は、対象における関節炎性疾患などの関節炎性疾患の治療に使用するための、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグ、および式(I)または(Ia)の化合物を提供し、式中、nは、1、2または3であり、R、R、R、R、RおよびRはそれぞれ水素であり、Rは、CF、CCl、F、Cl、NOおよびCNからなる群から選択される。
【0042】
一実施形態では、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ水素であり、Rは、CF、CCl、F、Cl、NOまたはCNからなる群から選択され、n=1である。
【0043】
一実施形態では、本開示は、対象における関節炎性疾患などの関節炎性疾患の治療に使用するための、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグ、および式(I)または(Ia)の化合物を提供し、式中、n=1であり、R、R、R、R、RおよびRはそれぞれ水素であり、Rは、CF、CCl、F、Cl、NOおよびCNからなる群から選択される。
【0044】
一実施形態では、Rは、4位に位置する。
【0045】
一実施形態では、Rは、F、ClおよびBrからなる群から選択される。
【0046】
一実施形態では、本開示は、対象における関節炎性疾患などの関節炎性疾患の治療に使用するための、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグ、および式(I)または(Ia)の化合物を提供し、式中、n、R、R、R、R、RおよびRのそれぞれは、本明細書で定義されるとおりであり、Rは、4位に位置し、および/またはRは、F、ClおよびBrからなる群から選択される。
【0047】
一実施形態では、本開示は、対象における関節炎性疾患などの関節炎性疾患を治療するための、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグ、および式(II)の化合物、
【化6】
それらの互変異性および異性体形態、例えば、エナンチオマー形態、ジアステレオマー形態およびラセミ形態など;またはそれらの薬学的に許容される誘導体を別々にまたは一緒に含む組成物を提供する。
【0048】
一実施形態では、本化合物は、{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジン、好ましくは(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジン、またはその薬学的に許容される塩、例えば、薬学的に許容される誘導体である。
【0049】
一実施形態では、関節炎性疾患の治療に使用するための、メトトレキサートまたはそのプロドラッグ、および本明細書で定義される式(I)、(Ia)または(II)の化合物、その薬学的に許容される誘導体などを含む組成物が提供され、その薬学的に許容される誘導体は、無機酸の薬学的に許容される塩または有機酸の薬学的に許容される塩である。
【0050】
一実施形態では、有機酸は、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸、桂皮酸、クエン酸、フマル酸、グリコール酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、シュウ酸、ピクリン酸、ピルビン酸、サリチル酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酒石酸、アスコルビン酸、パモ酸、ビスメチレンサリチル酸、エタンジスルホン酸、グルコン酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、EDTA、グリコール酸、p-アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸、およびp-トルエンスルホン酸からなる群から選択される。
【0051】
一実施形態では、有機酸は、酢酸、コハク酸、酒石酸またはプロピオン酸である。
【0052】
一実施形態では、無機酸は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硫酸および硝酸からなる群から選択される。
【0053】
一実施形態では、薬学的に許容される酸は、酢酸である。
【0054】
一実施形態では、化合物は、{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジニウムアセテート、好ましくは(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジニウムアセテート(AP1189)である。
【0055】
特定の実施形態では、関節炎性疾患の治療に使用するための、メトトレキサート(MTX)および(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジニウムアセテート(AP1189)を別々にまたは一緒に含む組成物が提供される。
【0056】
特定の実施形態では、関節リウマチ(RA)の治療に使用するための、メトトレキサート(MTX)および(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジニウムアセテート(AP1189)を別々にまたは一緒に含む組成物が提供される。
【0057】
一実施形態では、関節リウマチなどの関節炎性疾患の治療に使用するためのメトトレキサート(MTX)および(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジニウムアセテート(AP1189)が提供されている。
【0058】
「(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジニウムアセテート」および「E-N-[トランス-3-{1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル}-アリリデンアミノ]グアニジニウムアセテート」(IUPAC)は、本明細書では同義的に使用される。
【0059】
一実施形態では、関節炎性疾患の治療に使用するための、メトトレキサートまたはそのプロドラッグ、および式(Ia)の化合物(式中、R、R、R、Rは、それぞれ水素であり、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、メチル、エチル、およびプロピルからなる群から選択され、Rは、CF、CCl、F、Cl、NOまたはCNからなる群から選択され、n=1である)を含む組成物が提供される。
【0060】
一実施形態では、関節炎の治療に使用するための、メトトレキサートまたはそのプロドラッグを含む組成物、および式(Ia)の化合物(式中、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ水素であり、Rは、CF、CCl、F、Cl、NOまたはCNからなる群から選択され、n=1である)が提供される。
【0061】
一実施形態では、本開示による使用のための組成物が提供され、組成物は、1つ以上の薬学的に許容される担体および/または賦形剤をさらに含む。
【0062】
一実施形態では、本開示による使用のための組成物が提供され、組成物は、少なくとも5mg/週の用量で、葉酸などの葉酸を別々にまたは一緒にさらに含む。葉酸は、MTXの毒性をさらに最小限に抑えるために提供され得る。
【0063】
一実施形態では、本開示は、関節炎性疾患の治療に使用するための、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグ、および本明細書で定義される式(I)、(Ia)または(II)の化合物を別々にまたは一緒に含む組成物を提供し、
ここで、メトトレキサートまたはそのプロドラッグは、メトトレキサート(全身性)、メトトレキサート(経口)、メトトレキサート錠、メトトレキサート経口液剤、メトトレキサート(注射)、メトトレキサートナトリウム、メトトレキサートLPFナトリウム、Trexall(Xatmep)、Rheumatrex、Rasuvo、Otrexup、Alltrex、Beltrax、Biotrexate、Caditrex、Carditrex、Cytotrex、Dermotrex、Folitrax、HI-Trex、Imutrex、Merex、Methocip、Methorex、メトトレキサート Metorex、Metrex、Mexate、MTX-Korea、Neotrexate、Nidtrex、Oncotrex、Onotrex、Plastomet、Remtrex、Rextop、Roxate、Tevatrex、Throtex、Trex、ThixilemおよびVibziおよびZexateからなる群から選択される。
【0064】
関節炎性疾患
本開示は、対象における関節炎性疾患などの関節炎性疾患の治療に使用するための、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグ、および式(I)または(Ia)の化合物(式中、n、R、R、R、R、R、RおよびRのそれぞれは、本明細書で定義されるとおりである)を提供し、ここで、関節炎性疾患は、本明細書において以下に特定される。
【0065】
「関節炎性疾患」および「関節炎」は、本明細書では同義的に使用され得る。
【0066】
関節炎という用語は、多くの場合、関節に影響を与えるあらゆる障害を指すために使用される。これらの障害は、リウマチ性疾患のより広いカテゴリーに分類される。「関節炎」は文字通り、関節の炎症を意味し、これは、疾患の症状である。
【0067】
一実施形態では、関節炎性疾患は、自己免疫疾患および/または関節の炎症を呈する炎症性疾患である。
【0068】
一実施形態では、関節炎性疾患は、炎症性関節炎、変形性関節炎、代謝性関節炎、反応性関節炎および感染性関節炎からなる群から選択される。
【0069】
一実施形態では、関節炎性疾患は、炎症性関節炎である。一実施形態では、炎症性関節炎は、関節リウマチ(RA)、乾癬性関節炎、および強直性脊椎炎からなる群から選択される。
【0070】
一実施形態では、変形性関節炎は、変形性関節症である。
【0071】
一実施形態では、代謝性関節炎は、痛風性関節炎である。
【0072】
一実施形態では、反応性および/または感染性関節炎は、C型肝炎、クラミジア、淋病、サルモネラ菌、または赤痢菌のうちの1つ以上の感染に関連する関節炎である。
【0073】
一実施形態では、関節炎性疾患は、全身性炎症性疾患の一部としての関節炎である。
【0074】
一実施形態では、関節炎は、全身性炎症性疾患(例えば、全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病、スティル病、およびリウマチ性多発筋痛症からなる群から選択される炎症性疾患など)の一部である。
【0075】
一実施形態では、関節リウマチは、若年性関節リウマチ(JRA)である。JRAは、16歳未満の小児において、6週間以上継続する自己免疫性の非感染性炎症性関節疾患である。この疾患は一般的に1歳から6歳までの小児において発症するが、15歳までにも発症し得る。
【0076】
一実施形態では、JRAは、少関節炎JRA、全身型JRA、多関節JRA、およびリウマチ因子陰性脊椎関節炎からなる群から選択される。
【0077】
一実施形態では、本開示は、以下からなる群から選択される関節炎性疾患の治療に使用するための、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグ、および式(I)または(Ia)の化合物を別々にまたは一緒に含む組成物を提供する;
-自己免疫疾患または関節の炎症を呈する炎症性疾患、
-関節リウマチ(RA)、乾癬性関節炎、および強直性脊椎炎からなる群から選択される炎症性関節炎、
-変形性関節症などの変形性関節炎、
-痛風性関節炎などの代謝性関節炎、
-C型肝炎、クラミジア、淋病、サルモネラ菌、または赤痢菌のうちの1つ以上の感染に関連する関節炎などの反応性および/または感染性関節炎、
-全身性炎症性疾患(例えば、全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病、スティル病、およびリウマチ性多発筋痛症からなる群から選択される炎症性疾患など)の一部である関節炎、
-少関節炎JRA、全身型JRA、多関節JRA、およびリウマチ因子陰性脊椎関節炎からなる群から選択されるJRAなどの若年性関節リウマチ。
【0078】
一実施形態では、関節炎性疾患は、滑膜炎に関連して存在する。滑膜炎とは、滑膜の炎症を指し、滑膜は、滑膜関節と腱鞘のカプセルの内側面を覆う特殊な結合組織である。
【0079】
一実施形態では、本開示は、関節の炎症の治療に使用するための、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグ、および式(I)または(Ia)の化合物を別々にまたは一緒に含む組成物を提供する。
【0080】
一実施形態では、本開示は、滑膜炎の治療に使用するための、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグ、および本明細書で定義される式(I)、(Ia)または(II)の化合物を、別々にまたは一緒に含む組成物を提供する。
【0081】
一実施形態では、関節炎性疾患は、手、膝、股関節、脊椎、手首、足首、股関節、つま先、および/または肘のうちの1つ以上の関節に影響を及ぼしている。
【0082】
一実施形態では、本開示による使用のための組成物は、関節炎性疾患の治療を提供し、関節炎性疾患は、関節のこわばり、関節の圧痛、手の使用不能、歩行不能、不調、疲労、体重減少、睡眠不足、筋肉痛、疼痛、筋肉の衰弱、柔軟性の喪失、および有酸素フィットネスの低下からなる群から選択される1つ以上のさらなる症状を呈する。
【0083】
特定の実施形態では、関節炎性疾患は、未分化多発性関節炎(UP)である。
【0084】
特定の実施形態では、関節炎性疾患は、関節リウマチ(RA)である。一実施形態では、本開示は、関節リウマチRAの治療に使用するための、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグ、および式(I)または(Ia)の化合物を別々にまたは一緒に含む組成物を提供する。
【0085】
一実施形態では、関節リウマチは、重度活動性RA(CDAI>22)である。一実施形態では、関節リウマチは、CDAI>22のRAである。
【0086】
一実施形態では、本開示による使用のための組成物は、重度の活動性RA(CDAI>22)を有する新たに診断された対象の治療を提供する。
【0087】
一実施形態では、関節リウマチは、5.1を超えるDAS28スコアを有するRAである。
【0088】
一実施形態では、本開示による使用のための組成物が提供され、ここで、対象は、治療前にリウマチ因子および/または抗環状シトルリン化ペプチド(CCP)IgG抗体について、結果が陽性である。
【0089】
対象および疾患の重症度の判定
治療される対象は、好ましくは哺乳動物、特にヒトである。しかし、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジおよびブタなどの動物の治療もまた、本開示の範囲内である。治療される対象は、様々な年齢であり得る。
【0090】
対象の関節炎性疾患の重症度、ならびに薬物療法の有効性は、DAS28スコア、CDAIスコア、およびACRスコアなどの複数の異なる臨床スコアシステムによって判定され得る。
【0091】
例えば、治療後の1つ以上の臨床スコアの変化は、臨床スコアで結果として生じる可能性を判定し、それをベースラインまたはプラセボと比較することによって評価することができる。
【0092】
RAには、次のような様々な疾患活動性の指標が存在する:
・対象の関節の腫脹および圧痛の検査(腫脹関節数、SJC、および圧痛関節数、TJC)、
・対象の疼痛および全体的な状態の全般スコア、
・炎症の血液マーカー(例えば、対象の身体内に存在する炎症の程度を間接的に測定する赤血球沈降速度(ESRまたはsed速度)、および対象の血液中のc反応性タンパク質(CRP)のレベルを測定するc反応性タンパク質試験)、
・質問票(例えば、健康評価質問票機能障害指数(HAQ-DI、対象の機能を判定する)および慢性疾患治療の機能評価-疲労(FACIT-疲労))、
・X線画像、超音波画像、および磁気共鳴画像(MRI)などの画像技術。
【0093】
一実施形態では、健康評価質問票機能障害指数(HAQ-DI)によって決定したときに、本開示による治療により、対象の身体機能の改善がもたらされる。
【0094】
一実施形態では、慢性疾患治療の機能評価-疲労(FACIT-疲労)によって決定したときに、本開示による治療により、対象の機能の改善がもたらされる。
【0095】
一実施形態では、本開示による使用のための組成物により、1つ以上の関節炎症状の部分寛解または完全寛解がもたらされる。
【0096】
一実施形態では、本開示による使用のための組成物は、関節の炎症を軽減する。
【0097】
一実施形態では、本開示による使用のための組成物は、血中のc反応性タンパク質(CRP)のレベルを低下させる。
【0098】
一実施形態では、本開示による使用のための組成物は、圧痛関節数を減少させ、かつ/または腫脹関節数を減少させる。
【0099】
DAS28スコア
DAS28スコアは、関節リウマチ(RA)の疾患活動性の尺度である。DASは「疾患活動性スコア」の略であり、数字の28は、この判定で検査される28の関節を指す。
【0100】
DAS28は、上記の4つの指標から得られた複合スコアである。この「28」バージョンは、44の関節数をカウントする必要がある元のDASスコアを単純化したものである。DAS28の他のバージョンでは、ESRの代わりにCRPを使用するか、またはいずれかを省略できる。RAの多くのDASスコアの一部であるDAS28-CRPは、関節リウマチ活動性の客観的で再現性があり、比較可能な判定を行うのに非常に有用である。DAS28-CRPは、特に以下の項目を考慮する:
・TJC28:圧痛関節数(0~28)。
・SJC28:腫脹関節数(0~28)。
・CRP:C反応性タンパク質レベル(mg/l)。
・GH:患者全般健康評価(0=最高から100=最低まで)。
【0101】
28の圧痛関節スコアまたは腫脹関節スコアは、同じ関節(肩、肘、手首、中手指節関節、近位指節間関節、および膝)を対象とする。スコアの計算は、次式で行われ得る:
【数1】
【0102】
一般的に、スコアが0から2.6未満の場合、寛解は達成されたと見なさる。低疾患活動性は、2.6以降3.2未満に相当する。中程度の疾患活動性は3.2~5.1であるが、高い疾患活動性は、厳密に5.1を超える。
【0103】
一実施形態では、RAなどの関節炎性疾患の治療に使用するための本明細書に開示の組成物が提供され、対象に対して、治療前後の疾患活動性スコア28(DAS28)が決定され、治療によりDAS28スコアが低下する。
【0104】
治療により、DAS28スコアが5.1未満、5.0以下など、4.8以下など、4.6以下など、4.4以下など、4.2以下など、4.0以下など、3.8以下など、3.6以下など、3.4以下など、3.2以下など、3.0以下など、2.8以下など、2.6以下など、2.4以下など、2.2以下など、2.0以下など、1.8以下など、1.6以下などになる。
【0105】
治療により、5.1未満、好ましくは3.2以下、より好ましくは2.6以下のDAS28スコアになる。
【0106】
一実施形態では、本開示による組成物は、5.1以上のDAS28スコアを有する対象に投与される。一実施形態では、治療中および/または治療後の対象のDAS28スコアは、3.2~5.1(中程度の活動性)、例えば2.6~3.2未満(低活動性)まで低下する、例えば0~2.6未満(寛解)まで低下する。
【0107】
一実施形態では、本開示による組成物は、3.2~5のDAS28スコアを有する対象に投与される。
【0108】
一実施形態では、本開示による組成物は、2.6~3.2未満のDAS28スコアを有する対象に投与される。
【0109】
好ましい実施形態では、DAS28スコアは、本開示の治療によって3.2未満まで低下する(低疾患活動性)。好ましい実施形態では、DAS28スコアは、本開示の治療によって2.6未満まで低下する(寛解)。
【0110】
CDAIスコア
CDAI(臨床的疾患活動性指標、Clinical Disease Activity Index)は、関節リウマチの患者を追跡するための有用な臨床複合スコアである。CDAIは、4つの結果パラメータ圧痛関節数および腫脹関節数(28関節を評価)、ならびに患者および医師による疾患活動性の全般評価(0~10cmの視覚的アナログ尺度)の合計である。CDAIは、SDAIにC反応性タンパク質レベルが含まれていることを除いて、単純化疾患活動性指標(SDAI)と同じである。
CDAIの記述的変更、CDAI=SJC(28)+TJC(28)+PGA+IGA;
・SJC(28):腫脹28関節数(肩、肘、手首、MCP、PIP(親指IPなど)、膝);
・TJC(28):圧痛28関節数(肩、肘、手首、MCP、PIP(親指IPなど)、膝);
・PGA:患者の全般疾患活動性0~100のスケール(最大活動性は、100である)での全体的なRA疾患活動性の患者による自己評価);
・IGA:医師の全般疾患活動性(0~100のスケール(100が最大活動である)での対象の全体的なRA疾患活動性の評価者による評価)
スコアが0~2.8未満の場合、寛解は達成されたと見なされる。低い疾患活動性は、2.8~10未満に相当する。中程度の疾患活動性は10~22であるが、高い疾患活動性は、厳密に22を超える(CDAI>22)。
【0111】
一実施形態では、本開示による組成物は、22以上のCDAIスコアを有する対象に投与される。一実施形態では、治療中および/または治療後の対象のCDAIスコアは、10~22(中程度の活動性)、例えば2.8~10未満(低活動性)まで低下する、例えば0~2.8未満(寛解)まで低下する。
【0112】
一実施形態では、本開示による組成物は、10~22のCDAIスコアを有する対象に投与される。
【0113】
一実施形態では、本開示による組成物は、2.8~10未満のDAS28スコアを有する対象に投与される。
【0114】
一実施形態では、治療中および/または治療後の対象のCDAIスコアは、5ポイント低下、例えば、15ポイント低下、例えば、10ポイント低下となる。
【0115】
好ましい実施形態では、CDAIスコアは、本開示の治療によって10未満まで低下する(低疾患活動性)。好ましい実施形態では、DAS28スコアは、本開示の治療によって2.8未満まで低下する(寛解)。
【0116】
好ましい実施形態では、CDAIスコアは、5ポイント以上、例えば10ポイント以上、例えば15ポイント以上低下する。
【0117】
ACRスコア
ACR(American College of Rheumatology)基準は、RAの臨床試験における様々な関節炎医薬品または治療の有効性を測定するための標準基準である。
【0118】
ACR応答率ACR20、ACR50、およびACR70は、それぞれ、腫脹関節数および圧痛関節数(SJC/TJC)および以下の5つの評価のうちの3つにおいて、20%以上、50%以上、および70%以上が改善したものとして定義される:患者による疾患活動性の全般評価、医師による疾患活動性の全般評価、患者の疼痛評価、健康評価質問票(HAQ-DI)、およびC反応性タンパク質(CRP)。
【0119】
好ましい実施形態では、ACRスコアは、本開示の治療によって改善される。好ましい実施形態では、本治療は、ACR応答率の20%以上、50%以上、または70%以上の改善をもたらす。
【0120】
一実施形態では、本開示は、以下の方法に使用するための、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグ、および本明細書で定義される式(I)、(Ia)または(II)の化合物を、別々にまたは一緒に含む組成物を提供する;
-健康評価質問票障害指数(HAQ-DI)によって決定される、関節炎性疾患を有する対象における身体機能の改善、
-慢性疾患治療の機能的評価-疲労(FACIT-疲労)によって決定される、関節炎性疾患を有する対象における機能の改善、
-1つ以上の関節炎症状の部分寛解または完全寛解の誘発、
-関節の炎症の減少、
-血中のC反応性タンパク質(CRP)のレベルの低下、
-圧痛関節数の減少および/または腫脹関節数の減少、
-DAS28-スコアの低下、例えば、3.2~5.1(中等度の疾患活動性)までのDAS28スコアの低下、例えば、2.6~3.2未満までの低下(低疾患活動性)、例えば、0~2.6未満までの低下(寛解)、
-CDAIスコアの低下、例えば、10~22(中等度の疾患活動性)までのCDAIスコアの低下、例えば、2.8~10未満までの低下(低疾患活動性)、例えば、0~2.8未満までの低下(寛解)、
-CDAIスコアの5ポイント以上の低下、例えば10ポイント以上、例えば、15ポイント以上の低下、
-ACRスコアの改善、例えば、ACR応答率20%以上、50%以上または70%以上の改善、および/または
-RAなどの関節炎性疾患の対象におけるMTX濃度の低下および/またはMTX応答の改善。
【0121】
MTX応答
メトトレキサート(MTX)は、依然として、関節リウマチ(RA)で第一選択の疾患修飾性抗リウマチ薬であるが、応答は様々である。観察試験では、患者の約30%が中期的にMTXを中止している。そのうちの約半数が非有効性のため、残りの半数が有害事象のためである。
【0122】
MTXに対する無応答を予測することにより、代替医薬品または追加医薬品への早期アクセスおよび疾患進行の制御が可能になる。近年の試験では、RA患者の43%がMTX無応答者として分類された(Sergeantら、Arthritis Research&Therapy(2018)20:147)。
【0123】
6ヶ月でのMTX治療に対する無応答は、EULAR(European League Against Rheumatism)の応答基準、すなわち28関節の疾患活動性スコア(DAS28)の改善0.6以下、またはDAS28の0.6超~1.2の改善、および6ヶ月DAS285.1超を用いて、「無応答」と定義できる。
【0124】
6ヶ月での無応答の定義は、薬物を継続しているが、中等度または良好な応答者として分類されるのに十分な改善を示さなかった場合、および非有効性のために薬物を中止した場合、またはbDMARD(生物学的DMARD-疾患修飾性抗リウマチ薬)を開始した場合を含む。
【0125】
臨床スコア基準による「中程度」または「良好」な応答者は、寛解のために6ヶ月までにMTXを中止した患者と同様に、応答者と見なす。
【0126】
一実施形態では、MTX無応答者は、Sergenatら、2018によって開示されたモデルなど、患者の無応答を予測するモデルを使用して予測され、無応答のリスクが高い個体を特定する。多変量ロジスティック回帰モデルにおける無応答のベースライン予測因子は、RF(リウマチ因子)陰性、より高いHAQ(健康評価質問票)スコア、より高い圧痛関節数、より高いHADS(病院不安抑うつ尺度)不安スコアおよびより低い疾患活動性(より低いベースラインDAS28-CRP)。
【0127】
一実施形態では、本開示は、MTX無応答者において、RAなど、関節炎性疾患の治療に使用するための、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグ、および本明細書で定義される式(I)または(Ia)の化合物(AP1189など)を別々にまたは一緒に含む組成物を提供する。
【0128】
一実施形態では、MTX無応答者は、以下からなる群から選択される;
-6ヶ月で治療に対して無応答であった対象、
-EULAR応答基準を使用して「無応答」と定義された、6ヶ月において治療に対して無応答であった対象、
-28関節の疾患活動性スコア(DAS28)の0.6以下の改善、またはDAS28の0.6超~1.2の改善、および6ヶ月のDAS28>5.1と評価された、6ヶ月で治療に対して無応答であった対象、
-MTXを6ヶ月中止した、すなわちMTXを停止し、非有効性のために再開する予定がなかった対象、
-RF(リウマチ因子)陰性、より高いHAQ(健康評価質問票)スコア、より高い圧痛関節数(TJC28)、より高いHADS(病院不安抑うつ尺度)不安スコアおよびより低い疾患活動性(より低いベースラインDAS28-CRP)から選択される、無応答の1つ以上のベースライン予測因子を有する対象、
-Sergeantら、2018によって開示されたモデルによって決定された、無応答のリスク(または確率)が高い個体、
-女性、
-現喫煙者、および
-BMIが高い者。
【0129】
一実施形態では、本開示は、MTXに対する応答が低いか有意でない対象において、RAなど、関節炎性疾患の治療に使用するための、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグ、および本明細書で定義される式(I)または(Ia)の化合物(AP1189など)を別々にまたは一緒に含む組成物を提供する。
【0130】
一実施形態では、MTXおよび本明細書で定義される式(I)、(Ia)または(II)の化合物による治療が本質的に同時に開始される、本開示による使用のための組成物が提供される。
【0131】
一実施形態では、本開示による使用のための組成物が提供され、ここでは、MTXによる治療が継続され、本明細書で定義される式(I)、(Ia)または(II)の化合物による治療が、対象をMTX無応答者として定義したときに開始される。
【0132】
一実施形態では、本開示による使用のための組成物が提供され、ここで、対象は、本明細書で定義される式(I)、(Ia)または(II)の化合物との同時治療の前に、RAなどの関節炎性疾患の治療のためにMTXを受けている。一実施形態では、MTX治療は、式(I)、(Ia)または(II)の化合物による治療の開始前に最適でなかった。
【0133】
投与量
一実施形態では、本開示は、関節炎性疾患の治療において使用するための、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグ、および本明細書で定義される式(I)、(Ia)または(II)の化合物を、別々にまたは一緒に含む組成物を提供し、ここで、MTXおよび化合物はそれぞれ、治療有効量で提供される。
【0134】
本明細書で提供される使用のための組み合わせ治療では、好ましくは関節炎性疾患の治療においてメトトレキサートの単独投与によって使用される用量よりも低い用量のメトトレキサートの投与によって、対象における毒性の低下が可能になり得る。
【0135】
あるいは、本明細書で提供される使用のための組み合わせ治療では、好ましくは関節炎性疾患の治療におけるメトトレキサートの単独投与と比較して、メトトレキサートの効果を増強することによって、対象における効果の増加が可能になり得る。
【0136】
一実施形態では、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグが、約1~約30mg/週、例えば、約15mg/週の量で投与される、本開示による使用のための組成物が提供される。
【0137】
一実施形態では、本開示による使用のための組成物が提供され、ここで、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグは、1~1.5mg/週、1.5~2mg/週など、2~2.5mg/週など、2.5~3mg/週など、3~3.5mg/週など、3.5~4mg/週など、4~4.5mg/週など、4.5~5mg/週など、5~5.5mg/週など、5.5~6mg/週など、6~6.5mg/週など、6.5~7mg/週など、7~7.5mg/週など、7.5~8.5mg/週など、8.5~9mg/週など、9~9.5mg/週など、9.5~10mg/週など、10~10.5mg/週など、10.5~11mg/週など、11~11.5mg/週など、11.5~12mg/週など、12~12.5mg/週など、12.5~13mg/週など、13~13.5mg/週など、13.5~14mg/週など、14~14.5mg/週など、14.5~15mg/週など、15~15.5mg/週など、15.5~16mg/週など、16~16.5mg/週など、16.5~17mg/週など、17~17.5mg/週など、17.5~18mg/週など18~18.5mg/週など、18.5~19mg/週など19~19.5mg/週など、19.5~20mg/週など、20~20.5mg/週など、20.5~21mg/週など、21~21.5mg/週など、21.5~22mg/週など、22~22.5mg/週など、22.5~23mg/週など、23~23.5mg/週など、23.5~24mg/週など、24~24.5mg/週など、24.5~25mg/週など、25~25.5mg/週など、25.5~26mg/週など、26~26.5mg/週など、26.5~27mg/週など、27~27.5mg/週など、27.5~28mg/週など、28~28.5mg/週など、28.5~29mg/週など、29~29.5mg/週など、29.5~30mg/週などの量で投与される。
【0138】
一実施形態では、本開示による使用のための組成物が提供され、ここで、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグは、週あたり約5~10mg、5~15mg、10~15mg、5~20mg、10~20mg、10~25mg、または15~20mgの量で投与される。
【0139】
一実施形態では、本開示による使用のための組成物が提供され、ここで、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグは、週1回/毎週、約10~約25mgの経口剤形で投与される。週に1回とは、7日に1回、好ましくは、同じ平日に1回を意味する。
【0140】
一実施形態では、本開示による使用のための組成物が提供され、ここで、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグは、週1回/毎週、約5~約25mgが皮下投与される。週に1回とは、7日に1回、好ましくは、同じ平日に1回を意味する。
【0141】
一実施形態では、本開示による使用のための組成物が提供され、ここで、式(I)、(Ia)または(II)の化合物は、1日あたり約1mg~約1000mg、例えば、1日あたり約500~約1000mg、例えば、1日あたり約50~約800mgの量で投与される。
【0142】
一実施形態では、本開示による使用のための組成物が提供され、ここで、式(I)、(Ia)または(II)の化合物は、1~5mg、5~10mg、10~15mg、15~20mg、20~30mg、30~60mg、60~80mg、80~100mg、100~130mg、130~160mg、160~200mg、200~240mg、240~280mg、280~320mg、320~360mg、360~400mg、400~440mg、440~500mg、500~560mg、560~620mg、620~680mg、680~740mg、740~800mg、800~860mg、860~920mg、920~980mg、980~1000mg/日の量で投与される。
【0143】
一実施形態では、本開示による使用のための組成物が提供され、ここで、化合物は、{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジン、例えば、(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジン、またはその薬学的に許容される塩、例えば、(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジニウムアセテート(AP1189)であり、化合物は、50g、例えば100mg、例えば200mg、例えば400mg、例えば600mg、例えば800mgの量で1日1回投与される。
【0144】
一実施形態では、関節リウマチなどの関節炎性疾患の治療に使用するための、メトトレキサート(MTX)および(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジニウムアセテート(AP1189)を別々にまたは一緒に含む組成物が提供され、
ここで、化合物は、1日1回約50g、100mgなど、例えば200mg、400mgなど例えば600mg、800mgなどの量で投与され、MTXは、週に1回、約10~約25mgの量で経口投与されるか、
または、MTXは、週に1回、約5~約15mgの量で皮下投与される。
【0145】
好ましい実施形態では、MTXまたはそのプロドラッグは、週に1回投与される。経口投与または皮下投与用には、市販のMTXの剤形が利用可能である。両方とも週に1回、好ましくは、同じ平日に投与される。
【0146】
好ましい実施形態では、式(I)、(Ia)または(II)の化合物は、例えば、1日1回、1日2回、または1日3回など、毎日投与される。
【0147】
一実施形態では、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグ、および本明細書で定義される式(I)、(Ia)または(II)の化合物を別々にまたは一緒に含む組成物は、1週間、例えば、1週間より長いなど、2週間または2週間より長いなど、3週間または3週間より長いなど、4週間または4週間より長いなど、
1ヶ月または1ヶ月より長いなど、2ヶ月または2ヶ月より長いなど、3ヶ月または3ヶ月より長いなど、4ヶ月または4ヶ月より長いなど、5ヶ月または5ヶ月より長いなど、6ヶ月または6ヶ月より長いなど、
1年より長いなど投与される。
【0148】
一実施形態では、本開示による使用のための組成物が提供され、式(I)、(Ia)または(II)の化合物の(同時)投与により、治療量以下の投与量、または減少させた投与量(すなわち、通常処方されるよりも少ない投与量)でのMTXまたはそのプロドラッグの投与が可能になる。
【0149】
一実施形態では、式(I)、(Ia)または(II)の化合物およびMTXまたはそのプロドラッグによる治療は、相乗的である。一実施形態では、式(I)、(Ia)または(II)の化合物およびMTXまたはそのプロドラッグによる治療は、付加的である。
【0150】
一実施形態では、AP1189などの本明細書で定義される式(I)、(Ia)または(II)の化合物、およびMTX、またはそのプロドラッグの投与は、相乗効果をもたらす。
【0151】
一実施形態では、AP1189などの本明細書で定義される式(I)、(Ia)または(II)の化合物、およびMTX、またはそのプロドラッグの投与は、相互作用をもたして、個別の効果の合計よりも大きい複合効果が生じる。
【0152】
特定の実施形態では、本開示による使用のための組成物が提供され、ここで、式(I)、(Ia)または(II)の化合物は毎日投与され、MTXまたはそのプロドラッグは、毎週投与される。
【0153】
一実施形態では、本開示による使用のための組成物が提供され、ここで、式(I)、(Ia)または(II)の化合物は、MTXまたはそのプロドラッグの前および/または同時におよび/または後に投与される。
【0154】
一実施形態では、本開示による使用のための組成物が提供され、ここで、式(I)、(Ia)または(II)の化合物による治療が継続されている間、MTXによる治療は一定期間中止される。
【0155】
製剤化
関節炎性疾患に使用するための組成物は、任意の好適な製剤の式(I)、(Ia)または(II)の化合物、およびメトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグを別々にまたは一緒に含む。
【0156】
一実施形態では、本開示による使用のための組成物が提供され、ここで、MTXまたはそのプロドラッグは、錠剤またはカプセルの形態などの経口投与用に製剤化される。
【0157】
一実施形態では、MTXまたはそのプロドラッグは、液体として製剤化される。液体は、静脈内投与または皮下注射などの注射に好適であり得る。
【0158】
一実施形態では、MTXまたはそのプロドラッグは、徐放用に製剤化される。一実施形態では、MTXまたはそのプロドラッグは、即時放出用に製剤化される。
【0159】
一実施形態では、本開示による使用のための組成物が提供され、ここで、式(I)、(Ia)または(II)の化合物は、錠剤またはカプセルの形態などの経口投与用に製剤化される。
【0160】
一実施形態では、式(I)、(Ia)または(II)の化合物は、静脈内投与または持続注入用の液体、または注射用の液体などの液体として製剤化される。
【0161】
一実施形態では、本開示による使用のための組成物が提供され、ここで、式(I)、(Ia)または(II)の化合物は、徐放用に製剤化される。一実施形態では、式(I)、(Ia)または(II)の化合物は、即時放出用に製剤化される。
【0162】
一実施形態では、本開示による使用のための組成物が提供され、ここで、式(I)、(Ia)または(II)の化合物は、経口投与用に製剤化され、MTXまたはそのプロドラッグは、経口、静脈内、筋肉内または皮下投与用に製剤化される。
【0163】
特定の実施形態では、本開示による使用のための組成物が提供され、ここで、式(I)、(Ia)または(II)の化合物は、経口投与用に製剤化される。
【0164】
特定の実施形態では、本開示による使用のための組成物が提供され、ここで、化合物は、{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジン、例えば、(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジン、またはその薬学的に許容される塩、例えば、(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジニウムアセテート(AP1189)であり、化合物は、経口投与用に製剤化される。
【0165】
一実施形態では、化合物は、錠剤などの固形経口剤形として製剤化される。
【0166】
一実施形態では、化合物は、液体での懸濁に好適である経口粉末などの経口粉末などの粉末として製剤化される。
【0167】
一実施形態では、化合物は、溶解した経口粉末を含む懸濁液として製剤化される。
【0168】
一実施形態では、化合物は、経口投与用の懸濁液などの経口懸濁液として製剤化される。
【0169】
組成物
本開示の別の態様では、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグ、および式(I)または(Ia)の化合物、
【化7】
それらの互変異性および異性体形態、例えば、エナンチオマー形態、ジアステレオマー形態およびラセミ形態など;
(式中、
nは、1、2または3であり;
各R、R、R、RおよびRは、水素、任意により置換されたC1~6-アルキル、任意により置換されたC3~6-シクロアルキル、任意により置換されたC2~6-アルケニル、任意により置換されたC4~6-アルカジエニル、任意により置換されたC2~6-アルキニル、ヒドロキシ、任意により置換されたC1~6-アルコキシ、任意により置換されたC2~6-アルケニルオキシ、カルボキシ、任意により置換されたC1~6-アルコキシカルボニル、任意により置換されたC1~6-アルキルカルボニル、ホルミル、C1~6-アルキルスルホニルアミノ、任意により置換されたアリール、任意により置換されたアリールオキシカルボニル、任意により置換されたアリールオキシ、任意により置換されたアリールカルボニル、任意により置換されたアリールアミノ、アリールスルホニルアミノ、任意により置換されたヘテロアリール、任意により置換されたヘテロアリールオキシカルボニル、任意により置換されたヘテロアリールオキシ、任意により置換されたヘテロアリールカルボニル、任意により置換されたヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールスルホニルアミノ、任意により置換されたヘテロシクリル、任意により置換されたヘテロシクリルオキシカルボニル、任意により置換されたヘテロシクリルオキシ、任意により置換されたヘテロシクリルカルボニル、任意により置換されたヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルスルホニルアミノ、アミノ、モノ-およびジ(C1~6-アルキル)アミノ、カルバモイル、モノ-およびジ(C1~6-アルキル)アミノカルボニル、アミノ-C1~6-アルキル-アミノカルボニル、モノ-およびジ(C1~6-アルキルアミノ-C1~6-アルキル-アミノカルボニル、C1~6-アルキルカルボニルアミノ、アミノ-C1~6-アルキル-カルボニルアミノ、モノ-およびジ(C1~6-アルキル)アミノ-C1~6-アルキル-カルボニルアミノ、シアノ、グアニジノ、カルバミド、C1~6-アルカノイルオキシ、C1~6-アルキルスルホニル、C1~6-アルキルスルフィニル、C1~6-アルキルスルホニルオキシ、アミノスルホニル、モノ-およびジ(C1~6-アルキル)アミノスルホニル、ニトロ、任意により置換されたC1~6-アルキルチオおよびハロゲンからなる群から独立して選択され、ここで、任意の窒素に結合したC1~6-アルキルは、任意により、ヒドロキシ、C1~6-アルコキシ、C2~6-アルケニルオキシ、アミノ、モノ-およびジ(C1~6-アルキル)アミノ、カルボキシ、C1~6-アルキルカルボニルアミノ、ハロゲン、C1~6-アルキルチオ、C1~6-アルキル-スルホニル-アミノまたはグアニジンで置換され;
各RおよびRは、水素、任意により置換されたC1~6-アルキル、任意により置換されたC2~6-アルケニル、任意により置換されたC4~6-アルカジエニル、任意により置換されたC2~6-アルキニル、任意により置換されたC1~6-アルコキシカルボニル、任意により置換されたC1~6-アルキルカルボニル、任意により置換されたアリール、任意により置換されたアリールオキシカルボニル、任意により置換されたアリールカルボニル、任意により置換されたヘテロアリール、任意により置換されたヘテロアリールオキシカルボニル、任意により置換されたヘテロアリールカルボニル、アミノカルボニル、モノ-およびジ(C1~6-アルキル)アミノカルボニル、アミノ-C1~6-アルキル-アミノカルボニルおよびモノ-およびジ(C1~6-アルキル)アミノ-C1~6-アルキル-アミノカルボニルからなる群から独立して選択され;または、RとRが一緒になって5員または6員の窒素含有環を形成し得る)、またはその薬学的に許容される誘導体を別々にまたは一緒に含む医薬組成物などの組成物が提供される。
【0170】
一実施形態では、関節疾患の治療に使用するための、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグ、および式(II)の化合物:
【化8】
それらの互変異性および異性体形態、例えば、エナンチオマー形態、ジアステレオマー形態およびラセミ形態など;またはその薬学的に許容される誘導体を別々にまたは一緒に含む、医薬組成物などの組成物が提供される。
【0171】
一実施形態では、メトトレキサート(MTX)および(E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジニウムアセテート(AP1189)を別々にまたは一緒に含む、医薬組成物などの組成物が提供される。
【0172】
一実施形態では、本開示は、以下の方法に使用するための、メトトレキサート(MTX)またはそのプロドラッグ、および本明細書で定義される式(I)、(Ia)または(II)の化合物、および葉酸を、別々にまたは一緒に含む組成物を提供する。
【実施例
【0173】
実施例1メトトレキサートとAP1189((E)-N-トランス-{3-[1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル]-アリリデン}-アミノグアニジニウムアセテートとの組み合わせ治療
【0174】
材料および方法
6週齢のC57/BL6マウスは、Charles Riverから購入し、実験開始前に順応させるために1週間放置した。
【0175】
マウスは、以下の群にランダムに割り当てた:
・群1:介入のない時間対照動物
・群2:関節炎が誘発され、メトトレキサート(ビヒクル2)およびAP1189(ビヒクル1)に対してビヒクルで治療された動物
・群3:関節炎が誘発され、メトトレキサートおよびAP1189(ビヒクル1)に対してビヒクルで治療された動物
・群4:関節炎が誘発され、メトトレキサート(ビヒクル2)に対してビヒクルで、およびAP1189で治療された動物
・群5:関節炎が誘発され、メトトレキサートで、およびAP1189で治療された動物
全群N=6。
【0176】
関節炎は、0日目および2日目に100μlのK/BxN血清を2回i.p.注射して誘発させた(詳細は、J Immunol 2015;194:3381-3388を参照のこと)。
【0177】
AP1189およびビヒクル1(20%PEG-200を含むPBS)は、2日目から7日目まで総量200μlで経口投与した。
【0178】
メトトレキサートとビヒクル2(12.5%炭酸塩)を3日目、5日目、7日目にi.p.注射(注射量:200μl)した。
【0179】
メトトレキサート製剤の調製:少量の0.1M炭酸塩-重炭酸塩緩衝液pH=9.6を使用して、メトトレキサートを溶解させた(Sigma Cat no:A6770)。次に、PBSを使用して所望の濃度に到達させた。最終緩衝液は、12.5%炭酸緩衝液とした。希釈した化合物を使い捨てアリコートに分け、使用するまで-20℃で保存した。
【0180】
関節炎の発症は、0日目から8日目まで毎日モニターした。
【0181】
毎日の測定値を記録後、8日目にマウスを屠殺した。
【0182】
K/BxN血清は、KRNマウスおよびNOD/Ltマウスを交配することにより生成した。子孫は、特発性関節炎を発症し、これは、6週間で明らかになり、発生率は100%である。9週目に、血清を収集し、使用まで-80℃で保存した。すなわち、血清移入モデルで誘発された関節炎は、収集した血清のWTマウスへの投与によるものである(詳細については、Trends Mol Med,2004;10:40-5を参照のこと)。
【0183】
関節炎の目に見える徴候は、Am J Pathol、2014;184(8):2333-41に記載の採点方法を使用して評価した。ここでは、足ごとに以下のスコア0~3を割り当て、各マウス、最大12に達することにより構成される:
・スコア0:炎症の徴候なし。
・スコア1:わずかな限局性炎症。
・スコア2:容易に識別可能であるが限局性である。
・スコア3:明らかな炎症であり、限局性でない。
【0184】
臨床スコアを使用して、以下のパラメータを計算した(詳細は、J Immunol,2015;194(7):3381-8を参照のこと)。
・関節炎の発生率(炎症の明白な徴候すなわちスコア≧1を示すマウス)。
・重度の関節(最大スコア3に達した1匹のマウスに対する足の数)。
・重度関節炎発生率(スコアが10を超えるマウスの数)。
【0185】
下足の腫脹は、プレチスモメーター(Ugo Basile)を使用して測定した。
【0186】
結果:
重度関節炎の発生率は、合計スコアが
10以上に達した各群のマウスの割合として計算した。
群1(関節炎が誘発されなかった時間対照)の動物はいずれも、関節炎を発症しなかった。
群2では、ビヒクルで治療された関節炎の動物は、6匹中5匹が重度関節炎を発症した。
【0187】
メトトレキサート(群3)またはAP1189(群4)のみで治療された動物における重度関節炎の発生率は50%であった。
【0188】
驚いたことに、メトトレキサートとAP1189との組み合わせで治療された動物はいずれも、重度関節炎を発症しなかった。
【0189】
結論:
メトトレキサートとAP1189との組み合わせを使用した関節炎の治療は、この組み合わせによって治療された動物のいずれも、重度関節炎を発症しなかったため、驚くほど効果的であった。
【0190】
実施例2
試験
健康なボランティアにおけるAP1189の初回投与は、経口投与用懸濁液を使用した単回漸増投与(パートI-図2)、経口懸濁液および錠剤を使用した生物学的同等性試験(パートII)、および14日間の反復投与で行った(図3)。錠剤製剤を使用して14日間の反復投与を開始(パートIII)し、経口投与用の懸濁液を使用して(パートIV)完了した。
【0191】
合計111名の対象(104名の若年男性の健康ボランティアおよび8名の閉経後の女性)をランダム化した。パートIでは、56名の対象が1回、経口投与を受けた(42名がAP1189を受け、14名の対象がプラセボを受けた)。パートIIでは、8名の対象が3回のAP1189経口投与を1回受け、そのうちの1週間を休薬期間で区切った。パートIIIでは、11名の対象が14日間毎日単回経口投与を受け(8名の対象がAP1189を受け、3名がプラセボを受けた)、パートIVでは、36名の対象がAP1189/プラセボで1日1回14日間治療された(27名の対象がAP1189を受け、9名がプラセボを受けた)。
【0192】
第I相、パートII、およびパートIIIの試験のまとめ。
試験IおよびIIが完了した。試験パートIは、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、単回漸増用量試験であり、AP1189またはプラセボを経口懸濁液として投与した。健康なボランティアを含む7つの男性群(48名の男性)、および8名の健康な女性の閉経後ボランティアを含む1つの女性群(少なくとも2年間の無月経期間およびFSHレベル>30IU/Lと定義した)に、空腹時状態でSyrSpendALKAに溶解したIMPの経口懸濁液としてAP1189/プラセボを単回漸増投与した。最初の2つの男性群は、アクティブを受けた3名の対象とプラセボ1名の対象で構成され、他の群は、アクティブIMPを受けた6名の対象とプラセボを受けた2名の対象で構成されていた。19~39歳の48名の健康な男性ボランティアおよび47~60歳の8名の健康な閉経後の女性ボランティアを含めた。
【0193】
男性対象は、15~800mg(15mg、50mg、100mg、200mg、400mg、600mg、または800mg)の範囲の用量のAP1189および経口懸濁液、またはプラセボで治療された。女性は、400mgのAP1189またはプラセボ懸濁液で治療された(図2を参照)。
【0194】
薬物動態(PK)の結果では、50~800mgの用量範囲の男性対象において、AP1189が1~4時間の中央値tmax(Cmaxが観察される時間)で急速に吸収されることが示された。個体間変動は、Cmax(最大血漿濃度)およびAUC(曲線下面積)で低から中程度であった(<36%)。平均t1/2は、20時間近くであった(CV%<20%)。
【0195】
平均Vd/Fは、556~784Lである、CV%は35%未満であり、平均CL/Fは20.26~31.26L/hであり、CV%は50%未満であった。
女性対象では、400mgのAP1189の投与後、CmaxおよびAUCは、男性対象と比較して、わずかに増加した。見かけのクリアランスは女性集団で低く(17.26L/h)、見かけの分布容積は同様あった。統計的には、性別効果について結論を出すことはできなかった。
【0196】
20名の対象が、合計38の治療緊急有害事象(TEAE)を報告した。すべてのTEAEは、軽度(27)または中程度(11)の重症度であった。試験中に重度のAEおよび重篤なAEはいずれも報告されなかった。38のTEAEのうち22は、試験治療に関連していると見なした。これらのイベントのうち21件は、200~800mgのAP1189の投与後のものであり、1件のイベントはプラセボの投与後のものであった。
【0197】
最も頻度の高い関連TEAEは、胃腸障害(14名の対象によって報告されたイベント19件):悪心(イベント7件)、腹痛(イベント5件)、嘔吐(イベント3件)、下痢(イベント2件)、腹部膨満(イベント1件)および消化不良(イベント1件)であった。これらの関連TEAEの頻度は、用量と共に増加した。それにもかかわらず、懸濁液中のビヒクルの量は、用量と共に増加し、これにより、一致性および味の増加がもたらされた。関連性がないと見なされたTEAEの中で、頭痛が、7名の対象によって報告された。他のTEAEは、散発的であった。
【0198】
いくつかの平均変化および個々の異常が、検査パラメータ、バイタルサイン、およびECGパラメータで観察された。これらの変化および異常のほとんどは、限定的であり、臨床的に有意ではないと見なされた。
【0199】
AP1189で治療された合計4名の男性対象は、アミノトランスフェラーゼのみの増加を有していた(アルカリホスファターゼまたはビリルビンの同時変化は報告されなかった)。ALTの通常の上限値を最大1.6上回る増加は、400mgで治療された1名の対象、600mgで治療された2名の対象、および800mgで治療された1名の対象で観察された。プラセボ治療対象では、正常な上限を超えるアミノトランスフェラーゼの増加は見られなかった。
【0200】
バイタルサインの治療関連の変化は、観察されなかった。
【0201】
AP1189に関連するQTcF(Fredericiaによる補正QT間隔)の増加も、他の任意の心臓パラメータの変化も、24時間の1000HZ Holter ECG記録評価の継続中に確認されなかった。
【0202】
最大耐量(MTD)に達していないことが結論付けられた。投与された最大用量(MAD)において、得られた曝露は、治療効果を得るための曝露レベルであると予想されるものの10倍以上であった。
【0203】
試験パートII
試験パートIIは、AP1189錠剤対経口懸濁液のバイオアベイラビリティの比較試験であり、3方向クロスオーバー設計に従って、錠剤投与後の食物効果をさらに評価した。200mg AP1189用量は、経口懸濁液として1回、2回の別々の機会に、2つの100mg AP1189錠剤として投与し、1回は空腹時状態で、もう1回は高脂肪朝食後にテストした。懸濁液投与後の結果は、試験パート1からの所見を確認した。錠剤投与のデータは、懸濁液のデータと比較して、より低い曝露およびより高い変動性を示した。
【0204】
AP1189錠剤の1日量100mg(群1)、200mg(群2)および400mg(群3)を調査した。パートIIIは、AP1189を錠剤として投与する、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、複数回の漸増用量試験として設計した。
【0205】
試験パートIIIの群1で得られた薬物動態(PK)の結果は、14日間の反復投与後、対象内および対象間の両方で予測不能な高程度のバイオアベイラビリティを示した。Cmaxで判定した曝露は、定量限界(BLQ)未満から、治療効果の誘発が予想される曝露の3倍を超えると予想されるレベルまでの範囲で見られた。
【0206】
試験パートIV
試験パートIIIと同一であるが、空腹時状態で経口懸濁液を用いて実施したパートIVを試験に追加した。
【0207】
パートIVの結果のまとめ
試験パートIVは、AP1189またはプラセボを1日1回14日間経口懸濁液として投与した、無作為化二重盲検プラセボ対照反復投与試験であった。12名の対象で構成されている3つのコホート(アクティブ9名、プラセボ3名)に、試験パート1で使用したものと同じ製剤をそれぞれ投与した。試験対象の用量レベルは、50mg、100mg、または200mgであり、プラセボも一致させた(図3を参照)。
【0208】
PK、パートIVコホート1
用量は、1日1回50mgであった。Cmaxは、投与日に関わらず、投与後1時間から2.5時間の間に観察した。定常状態は7日目に達成され、Cmaxは、約180ng/mLであった。
【0209】
PK、パートIVコホート2
用量は、1日1回100mgであった。
PK分析では、血漿濃度の急激な増加が示され、定常状態で約400ng/mlのCmaxに達した。すなわち、コホート1の所見と比較した場合、ピークは約2倍に増加した。
【0210】
PK、パートIVコホート3
用量は、1日1回200mgであった。他の2つのコホートについては、投与後1~2時間以内にCmaxに達した。Cmaxレベルは、最大900ng/ml(群平均)に達し、最高測定レベルは、1.300ng/mlであった。
【0211】
パート4からの安全性
14名の対象が、合計35の治療緊急有害事象(TEAE)を報告した。すべてのTEAEは、軽度(27)または中程度(8)の重症度であった。試験中に重度のAEおよび重篤なAEはいずれも報告されなかった。35件のTEAEのうち4件は、試験治療に関連していると見なした。これらの4件のイベントはすべて胃腸障害に関連しており、治験薬の投与後に見られた(50mgの用量レベルで同じ対象に2件(1件の下痢エピソードおよび1件の腹部けいれんエピソード)、200mgの用量レベルで同じ対象に2件(1件の悪心エピソードおよび1件の嘔吐エピソード))。関連がないと見なされたTEAEの中で、頭痛が9名の対象によって報告され、7名が治験薬で治療され、2名はプラセボで治療されていた。他のTEAEは、散発的であった。
【0212】
いくつかの平均変化および個々の異常が、検査パラメータ、バイタルサイン、およびECGパラメータで観察された。これらの変化および異常のほとんどは、限定的であり、臨床的に有意ではないと見なされた。反復標準12リード安全性ECGでは、本試験パートのいずれの時点でも、個々のQTcFの臨床的に有意な値は観察されなかった。
【0213】
コホート3(200mg)にすべて含まれる合計5名の対象(アクティブで治療された3名、プラセボで治療された2名)は、アミノトランスフェラーゼのみの増加を有していた(アルカリホスファターゼまたはビリルビンの同時変化は報告されなかった)。増加は、増加が通常の上限値(ALT)の3.6倍および2.9倍に達したアクティブで治療された対象において最も顕著であった。試験完了後、すべての値は正常に戻った。
【0214】
MTDに到達していないと結論付けられた。
【0215】
実施例3
【0216】
本試験では、50mgおよび100mgのAP1189の用量が選択される。
AP1189を用いた試験の反復投与部分で特定されたそれぞれのピークトラフ濃度は、以下のような定常状態であった:
【表1】
【0217】
主要安全性エンドポイント
有害事象(AE)、重篤な有害事象(SAE)、および検査異常を評価することによる、プラセボに対するAP1189の安全性。
【0218】
一次有効性エンドポイント
ベースラインと比較した4週間の治療後のCDAIの変化は、治療群ごとに以下を判定することによって評価される:
・ベースラインから4週目までのCDAIの平均変化
・ベースラインと比較して、4週目に重度(CDAI>22)から中等度(CDAI≦22)にCDAIスコアが変化した対象の割合。
【0219】
二次有効性エンドポイント
プラセボに対するAP1189の効果は、治療群ごとに以下を判定することによって評価される:
・ベースラインと比較して、4週目に10を超える腫脹関節および/または圧痛関節(SJCおよびTJC、要約)の減少を達成した対象の割合
・ベースラインと比較して、4週目にCDAIスコアの変化を達成した対象の割合
-5ポイント低下した対象の割合
-10ポイント低下した対象の割合
-15ポイント低下した対象の割合
・ベースラインと比較して、4週目にDAS28>3.2からDAS28≦3.2へのDAS28の変化を達成した対象の割合
・ベースラインと比較した4週目のHAQ-DIの変化
・ベースラインと比較した4週目のFACIT-疲労の変化
・ACR20、ACR50、およびAC70によって判定したACR応答を達成する対象の割合
【0220】
三次有効性エンドポイント
ベースラインと比較した4週目でのプラセボと比較したAP1189の効果は、治療群ごとに以下を判定することによってさらに評価される:
・CXCL13、IL-1β、IL-6、IL-10およびTNF-α。
・ベースライン時および4週間の治療後の滑膜生検(選択された部位でのパート2のみ)。
【0221】
試験デザイン
本試験は、多施設共同、2部構成、無作為化、二重盲検、プラセボ対照でのAP1189の反復投与による4週間の試験である。試験対象集団は、MTXでの漸増を開始する、重度の活動性RA(CDAI>22)の新たに診断された対象を含む。少なくとも90名の対象が、本試験を完了することが期待されている。中止率が最大で25%となるように、最大120名の対象が登録される予定である。
【0222】
登録基準を満たす対象は、群A対群Bで2:1の比率でランダム化させる。一方の群は、アクティブ治療を受け、もう一方の群はプラセボを受ける。群C/Dは、アクティブ対プラセボで、同じ2:1の比率を有する。
・群A(12名の対象):AP1189用量50mg、1日1回4週間(28日間)およびMTX(10-25mg)を毎週
・群B(6名の対象):4週間(28日)のプラセボおよび毎週MTX(10-25mg)
・群C(12名の対象):AP1189用量100mg、1日1回4週間(28日間)およびMTX(10-25mg)を毎週
・群D(6名の対象):4週間(28日)のプラセボおよび毎週MTX(10-25mg)
【0223】
パート1対象者数
少なくとも36名の対象が試験パート1を完了することが期待されている。中止率約25%となるように、約48名の対象が登録される。
【0224】
パート2
すべての対象が、デザイン1、2、または3のいずれかの1つのデザインのみにランダム化される。
・デザイン1:AP1189用量50mg(36名の対象)またはプラセボ(18名の対象)1日1回4週間(28日間)、およびMTX(10-25mg)を毎週投与する
・デザイン2:AP1189用量100mg(36名の対象)またはプラセボ(18名の対象)1日1回4週間(28日間)、およびMTX(10-25mg)を毎週投与する
・デザイン3:パート1と同じ用量を1:1:1の比率(AP1189 50mg(18名の対象)、AP1189 100mg(18名の対象)またはプラセボ(18名の対象))とMTX(10-25mg)で毎週継続する。
【0225】
パート2の対象数
少なくとも54名の対象が試験パート2を完了することが期待されている。中止率約25%となるように、約72名の対象が登録される。
【0226】
試験期間
総試験期間は18ヶ月であり、各対象の試験期間は、約10週間である。
【0227】
調査部位数
この試験は、欧州の現場で実施される。
【0228】
試験対象母集団
試験対象集団は、CDAI>22と定義され、MTXによる漸増を開始するところである重度の活動性RAの対象で構成される。
【0229】
選択基準
1.試験固有の手順を開始する前に、書面によるインフォームドコンセントを得る
2.男性および女性対象、18~85歳
3.2010 ACR/EULARRA分類基準によるRAの確定診断
4.試験対象であった68の関節のうち最低3つの関節の腫脹および圧痛を伴う関節炎
5.MTX治療の候補
6.MTXによる治療を開始しようとしている
7.抗CCPまたはRFの検査で陽性
8.スクリーニングおよびベースラインでの重度の活動性RA(CDAI>22)
9.QFG-IT陰性(QFG-ITが不可能な場合はMantouxテストを使用できる)
10.対象は、PRO質問票に記入(読み書き)できる必要がある
11.出産の可能性のある女性は、信頼できる避妊手段を使用している場合(詳細についてはセクション17.8を参照)、または閉経後(月経期間が試験への登録の少なくとも12ヶ月前に停止している場合)にのみ参加可能である。スクリーニングの少なくとも6ヶ月前に外科的に不妊手術を受けた女性
12.出産の可能性のある女性は、スクリーニングおよびベースラインで妊娠検査が陰性である必要がある。
【0230】
除外基準
以下の基準のいずれかを満たす対象は、本試験への参加資格がない
1.試験開始前4週間以内に治験薬(複数可)を含む他の試験に参加している
2.スクリーニング前8週間以内に大手術(関節手術を含む)を受けている、または無作為化後1ヶ月以内に手術が計画されている
3.SLE、MCTD、強皮症、多発性筋炎、またはRA後に生じる有意な全身性病変(例えば、血管炎、肺線維症、またはフェルティ症候群など)を含む、RA以外のリウマチ性自己免疫疾患。RAを伴うシェーグレン症候群は可能である
4.ACR Criteria for Classification of Functional Status in RA or wheelchair/bedboundによって定義されている機能クラスIV
5.RA以外の炎症性関節疾患の既往歴または現在(例えば、痛風、反応性関節炎、乾癬性関節炎、血清反応陰性脊椎関節症、ライム病)
6.線維筋痛症対象
7.IMP投与前2週間以内のNSAID(低用量アスピリンおよびCOX-2阻害剤など)の開始または用量変更
8.コルチコステロイドは、スクリーニング前の2週間以内(および治療期間全体および最終通院まで(通院7日目)まで禁止
9.重篤な未制御の付随する心血管、神経系、肺(閉塞性肺疾患を含む)、腎臓、肝臓、内分泌(制御されていない真性糖尿病など)、または胃腸疾患のエビデンス
10.以前に腎移植を受けている、現在の腎透析を受けている、または重度の腎不全を有する(各国の検査で計算された30ml/分/1,73m以下のCockcroftGault式を使用して導出された糸球体濾過率(GFR)によって決定される)
11.フレアが一般的に経口または非経口コルチコステロイドで治療される喘息、乾癬、または炎症性腸疾患などの未制御の病状
12.活動性悪性疾患(切除され、治癒された皮膚の基底細胞癌を除く)のエビデンス
13.妊娠中の女性または授乳中の母親
14.スクリーニング前の6ヶ月以内のアルコール、薬物、または化学物質の乱用の履歴
15.疼痛の評価を妨げ得る神経障害または他の痛みを伴う状態
16.体重150kgより重い。
17.中等度および/または重度の臓器機能障害のエビデンス
18.胸部X線の異常(治験責任医師の裁量による)
19.陽性の肝炎血清学のエビデンス
20.消化性潰瘍疾患のエビデンス
【0231】
治験薬の情報は、以下の表に示す。
【表2】
【表3】
【0232】
AP1189生成物の説明:
IUPAC:E-N-[トランス-3-{1-(2-ニトロフェニル)-1H-ピロール-2-イル}-アリリデンアミノ]グアニジニウムアセテート
本物質は、無臭の黄色い固体として現れる酢酸塩である。
構造式
【化9】
分子式:C1618
分子量は、塩が358.35、遊離塩基が298.30である。
【0233】
メトトレキサート(MTX)
全対象は、MTXによる治療を開始するための各国のガイドラインに従い、本試験全体を通してMTX治療を継続する。
【0234】
肝酵素の上昇の場合のMTX治療の指導
肝酵素が上昇している場合は、より高頻度で血液検査を行うことが推奨される。
【表4】
【0235】
葉酸
MTX治療に一般的に関連するAEが発生する可能性がある。MTXの毒性を最小限に抑えるために、MTXで治療されるすべての対象は、各国のガイドラインに従い、および治験責任医師の裁量で、少なくとも5mg/週の用量で葉酸または同等のものを服用する必要がある。葉酸は、週に1回の投与として投与することも、1日用量に分割して、少なくとも5mg/週の葉酸を達成するようにしてもよい。
【0236】
禁止薬
以下のCYP1A2基質は許可されていない:アロセトロン、クロザピン、フルタミド、フロバトリプタン、メラトニン、メキシレチン、ミルタザピン、オランザピン、ラメルテオン、ラサギリン、ロピニロール、タクリン、テオフィリン、チザニジン、トリアムテレン、およびゾルミトリプタン。
【0237】
検査室評価
各国の検査室の最新の更新された参照範囲が使用される。
【0238】
血液学
ヘモグロビン、白血球(WBC)数(合計および差異:白血球、好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、単球)、赤血球(RBC)、血小板およびヘモグロビンA1c(HbA1C)。血液学の血液サンプルは、スクリーニング時、ベースライン時、2週間および4週間の治療後に採取する。
【0239】
生化学
ナトリウム、カリウム、塩化物、カルシウム、グルコース、クレアチニン、尿素、アルブミン、非抱合型および総ビリルビン、アスパラギン酸トランスアミナーゼ(AST)、アラニントランスアミナーゼ(ALT)、アルカリホスファターゼ(ALP)、γ-グルタミルトランスフェラーゼ(GGT)およびINR。生化学の血液サンプルは、すべての通院時に必ず採取する。スクリーニング時に血清β-HCG妊娠検査を行う。
【0240】
甲状腺機能
チロキシン(T4)フリー、トリヨードチロニン(T3)トータルまたはフリー、および甲状腺刺激ホルモン(TSH)。甲状腺機能を測定するための血液サンプル。
【0241】
尿検査
血液、たんぱく質、ブドウ糖の尿中一般物質定検査は、スクリーニング通院時に現場で行われる。尿サンプルは、尿培養のために送られる場合がある。
【0242】
血清学
RFまたは抗CCP、HBsAg、HBV抗体およびHCV抗体。
RFは、RAの成人の約80%の血液で検出され得る抗体である。
CRPは、急性期反応物であり、肝臓で作られ、組織の損傷、感染の開始、または他の炎症の原因から数時間以内に血中に放出されるタンパク質である。CRPは、ほとんどの場合、炎症によって上昇する。治療の目的のうちの1つは、CRPを通常のレベルまで低下させることである。CRPは、スクリーニング時、ベースライン時、2週間および4週間の治療後に測定する。
【0243】
安全性(AEおよびSAE)
安全対策(AE、検査異常を含むSAE)は、試験期間全体にわたって登録される。
【0244】
安全性評価(サブ試験、パート2のみ)
パート2の関節鏡検査サブ試験では、滑液を調べることにより、ベースラインと比較したAP1189/プラセボによる4週間の治療の効果を判定する。(滑液中の多形、単球、およびリンパ球の割合の変化を評価する)。
【0245】
RAでは、滑膜の炎症の免疫組織学的特徴は、従来の疾患修飾性抗リウマチ薬パルスメチルプレドニゾロン、または関節内糖質コルチコイドに応答して臨床症状が変化するにつれて変化する。
【0246】
有効性評価
腫脹関節数(SJC)および圧痛関節数(TJC)
腫脹については66関節、圧痛については68関節の評価が、スクリーニング時、ベースライン時、2週間および4週間の治療後に行われる。関節は、身体検査での圧力および関節の操作によって判定し、腫脹/腫脹なしおよび圧痛/圧痛なしとして分類する。対象は、これらの操作に関する疼痛の感覚が尋ねられ、自発的な疼痛の反応を監視する。圧力、動き、またはその両方に対する肯定的な応答はいずれも、圧痛対非圧痛として分類される。腫脹は、関節の触知可能な変動性滑膜炎として定義される。変形性関節症に続発する腫脹は、明白な変動がない限り、腫脹していないと判定される。
【0247】
ある特定の対象の共同評価は、観察者間のばらつきを最小限に抑えるために、治験全体を通して同じ評価者が(可能であれば)実行する必要がある。
【0248】
臨床疾患活動性指標(CDAI)
CDAIは、RA患者を追跡するための臨床複合スコアである。
CDAIの記述的変更、CDAI=SJC(28)+TJC(28)+PGA+IGA;
・SJC(28):腫脹28関節数(肩、肘、手首、MCP、PIP(親指IPなど)、膝);
・TJC(28):圧痛28関節数(肩、肘、手首、MCP、PIP(親指IPなど)、膝);
・PGA:患者の全般疾患活動性0~100のスケール(最大活動性は、100である)での全体的なRA疾患活動性の患者による自己評価);
・IGA:医師の全般疾患活動性(0~100のスケール(100が最大活動である)での対象の全体的なRA疾患活動性の評価者による評価)
CDAIは、スクリーニング時、ベースライン時、2週間および4週間の治療後に採点する。
【0249】
疾患活動性スコア28(DAS28)
DAS28は、関節リウマチの疾患活動性を測定するための複合指標である。この指標には、腫脹関節数および圧痛関節数、CRP、および全身健康状態を含む。この試験では、CRPを使用してDAS28スコアを計算する。指標は、次式を使用して計算する。
【数2】
TJC=28関節の圧痛関節数、SJC=28関節の腫脹関節数、ln=自然対数、CRP=C反応性タンパク質、GH=全般健康状態、すなわち、患者の疾患活動性の全般評価(100mmVAS)。
【0250】
DAS28は、0.49~9.07のスケールでRA疾患活動性の絶対的な指標を提供する。
・DAS28値>5.1は、高い疾患活動性に相当する。
・DAS28値3.2~5.1は、中程度の疾患活動性に相当する
・DAS28値は2.6~3.2は、低い疾患活動性に相当する
・DAS28値<2.6は、寛解に相当する
初期値と比較して、対象の疾患活動性は、次のように分類され得る:
【表5】
DAS28は、ベースライン時、2週間および4週間の治療後にスコアによる評価を行う。
【0251】
医師による疾患活動性VASの全般評価(「医師による全般VAS」)
100mm水平VASでの対象の現在の疾患活動性に関する医師の評価。線の左端は「疾患活動性なし」(無症状および関節炎の症状なし)、右端は「最大疾患活動性」と記述するものとする。有効性評価者は、これを完了する必要がある。治験責任医師による全般VASは、スクリーニング時、ベースライン時、2週間および4週間の治療後に測定する。
【0252】
患者による疾患活動性VASの全般評価(「患者の全般VAS」)
100mm水平VASでの現在の疾患活動性に関する対象による全般的評価。線の左端は「疾患活動性なし」、無症状の関節炎症状なし)であり、右端は「最大疾患活動性」(最大関節炎疾患活動性)として記述するものとする。患者による全般VASは、スクリーニング時、ベースライン時、2週間および4週間の治療後に測定する。
【0253】
患者による疼痛VAS評価(「患者の疼痛VAS」)
100mm水平VASでの現在の疼痛レベルに関する対象の評価。線の左端は「疼痛なし」、右端は「耐えられない疼痛」と記述するものとする。患者による全般的VASは、スクリーニング時、ベースライン時、2週間および4週間の治療後に測定する。
【0254】
生活の質および身体機能
慢性疾患治療の機能的評価-疲労(FACIT-疲労)
FACIT-疲労評価は、対象が5ポイントスケールで各項目を採点する13項目の質問票である。この評価は、もともと慢性疾患のために開発され、現在は関節リウマチの患者に対して検証される。FACIT-疲労は、ベースライン時、2週間および4週間の治療後のスコアによる評価を行う。
【0255】
健康評価質問票障害機能指数(HAQ-DI)
HAQ-DIは、身体機能を評価するための検証済みのツールである。衣服の着脱と身支度(dressing)/グルーミング、起立(arising)、食事(eating)、歩行(walking)、衛生(hygiene)、届く範囲(reach)、握力(grip)、および家事や雑事(activities)の8つのコンポーネントセットを参照する20の質問で構成されている。HAQ-DIは、ベースライン時、2週間および4週間の治療後にスコアによる評価を行う。
【0256】
American College of Rheumatology Response Rates
ACR(American College of Rheumatology)基準は、RAの臨床試験における様々な関節炎医薬品または治療の有効性を測定するための標準基準である。
【0257】
ACR応答率ACR20、ACR50、およびACR70は、それぞれ、腫脹関節数および圧痛関節数(SJC/TJC)および以下の5つの評価のうちの3つにおいて、20%以上、50%以上、および70%以上が改善したものとして定義される:患者による疾患活動性の全般評価(上記参照)、医師による疾患活動性の全般評価(上記参照)、患者の疼痛評価(上記参照)、健康評価質問票(HAQ-DI、上記参照))、およびC反応性タンパク質(CRP)。
【0258】
薬物動態学的評価
PKサンプルの収集
曝露反応分析用の血漿PKサンプルは、1週間、2週間、3週間、および4週間の治療後に採取する。
【0259】
サイトカインサンプル
CXCL13、IL-1β、IL-6、IL-10、およびTNF-α分析用の血漿サンプルは、ベースライン時、2週間および4週間の治療後に採取する。
【0260】
バイオバンク
以下のサンプルは、試験中、国ごとに該当する場合、バイオバンクまたは同様の冷凍保管庫に保管される:
・サイトカイン(CXCL13、IL-1β、IL-6、IL-10およびTNF-α),血漿、
・PK、血漿
すべてのサイトカインおよびPKの分析は、中央検査機関で行われる。サンプルは定期的に送信され、分析される。
【0261】
安全性
重症度の分類
イベントの重症度は、イベントをサブカテゴリー化するために評価される。重症度は、重篤ではない。非常に重篤なイベントは、重篤でない場合もあり、重篤なイベントが軽度の重症度である場合もある。各イベントは、Common Terminology Criteria for Adverse Events(CTCAE),v4.03 grading scale:June 14,2010を使用して重大度について評価する。
次のグレードが適用される:
・軽度(グレード1)-軽度;無症候性または軽度の症状;臨床的または診断的観察のみ。介入は指示されない。
・中程度(グレード2)-中程度;最小限の、局所的な、または非侵襲的介入が指示される。年齢に適した日常生活動作(ADL)が制限される。
・重度(グレード3)-重度または医学的に有意であるが、すぐに生命を脅かすものではない。入院または入院の延長が指示される;不能;セルフケアADLが制限される。
・生命を脅かす(グレード4)-生命を脅かす結果;緊急介入が指示される。
・AEに関連する死亡(グレード5)。
有害事象と治験薬との関係(存在する場合)が決定される。有害事象が治験薬によって引き起こされ得る合理的な可能性があると判断された場合には、因果関係が存在する。
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図2
図3