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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】オーバーヘッドコンソール
(51)【国際特許分類】
   B60R 7/04 20060101AFI20240830BHJP
   B60R 1/04 20060101ALI20240830BHJP
【FI】
B60R7/04 C
B60R7/04 T
B60R1/04 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022160508
(22)【出願日】2022-10-04
(65)【公開番号】P2024053964
(43)【公開日】2024-04-16
【審査請求日】2023-06-29
(73)【特許権者】
【識別番号】508309887
【氏名又は名称】森六テクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100160004
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 憲雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120558
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 勝彦
(74)【代理人】
【識別番号】100148909
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧澤 匡則
(72)【発明者】
【氏名】磯 涼香
【審査官】浅野 麻木
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05020845(US,A)
【文献】特開2014-136551(JP,A)
【文献】実開平07-008096(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 7/04
B60R 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室の天井に設けられるパネルと、前記パネルの凹部に対して格納可能な収納箱と、を備え、
前記収納箱は、前記凹部に格納された格納位置と、前記格納位置から下方へスイングして乗員が収納箱を使用可能な使用位置と、に位置することが可能な、オーバーヘッドコンソールであって、
前記パネルは、車高方向に段差状に形成されており、天井面よりも低い低位面と、前記低位面及び前記天井面を接続している接続面と、を有しており、
前記凹部は、前記パネルの前記低位面から前記接続面に亘り形成され、
車両前後方向に延びている第1スライド溝を有し、
前記格納位置にある収納箱は、
物の出し入れ口となる開口と、
前記開口の反対側に位置し、前記接続面に沿って形成された外面を有する底部と、
前記底部の車幅方向の両縁から前記開口側へ延びている一対の第1壁部と、
前記底部の上縁から前記開口側へ延びている第2壁部と、
前記底部の下縁から前記開口側へ延びていると共に、前記低位面に沿って形成された外面を有する第3壁部と、を備え
前記第3壁部は、前記収納箱の前記開口の縁から前方へ延びている延出部を有し、
前記延出部は、車幅方向へ突出していると共に前記第1スライド溝に対してスライド可能な軸部と、を有し、
前記収納箱が前記格納位置にあるとき、前記軸部は前記第1スライド溝の前端に位置し、
前記収納箱が前記使用位置にあるとき、前記軸部は前記第1スライド溝の後端に位置している、オーバーヘッドコンソール。
【請求項2】
前記収納箱は、前記軸部と同一方向へ突出している突出部を有し、
前記凹部は、前記軸部が第1スライド溝に対してスライドするときに前記突出部がスライド可能な第2スライド溝と、
前記第2スライド溝と連なっていると共に、前記軸部を中心に前記収納箱がスイングするときに、前記突出部が通過可能な逃げ溝と、を有している、請求項1に記載のオーバーヘッドコンソール。
【請求項3】
前記第2壁部の外面は鏡を有し、
前記収納箱が使用位置にあるときに、前記第2壁部は車両後方を向き、前記鏡は乗員によって使用可能である、請求項1に記載のオーバーヘッドコンソール。
【請求項4】
前記収納箱の底部は、前記開口側を向いている底面を有し、
前記収納箱が前記使用位置にあるとき、前記収納箱の前記底面は略水平または前上がりに傾斜している、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のオーバーヘッドコンソール。
【請求項5】
車室の天井に設けられるパネルと、前記パネルの凹部に対して格納可能な収納箱と、を備え、
前記収納箱は、前記凹部に格納された格納位置と、前記格納位置から下方へスイングして乗員が収納箱を使用可能な使用位置と、に位置することが可能な、オーバーヘッドコンソールであって、
前記パネルは、車高方向に段差状に形成されており、天井面よりも低い低位面と、前記低位面及び前記天井面を接続している接続面と、を有しており、
前記凹部は、前記パネルの前記低位面から前記接続面に亘り形成され、
前記収納箱へ向かって突出している軸部を有し、
前記格納位置にある前記収納箱は、
物の出し入れ口となる開口と、
前記開口の反対側に位置し、前記接続面に沿って形成された外面を有する底部と、
前記底部の車幅方向の両縁から前記開口側へ延びている一対の第1壁部と、
前記底部の上縁から前記開口側へ延びている第2壁部と、
前記底部の下縁から前記開口側へ延びていると共に、前記低位面に沿って形成された外面を有する第3壁部と、を備え
前記第3壁部は、前記収納箱の前記開口の縁から前方へ延びている延出部を有し、
前記第1壁部は、前記開口の縁から前記延出部の先端まで延出しており、
前記第1壁部のなかの延出した部位の少なくとも一部は、前記底部から前記開口へ向かう方向に延びており前記軸部が相対的にスライド可能な第1スライド溝を有し、
前記収納箱が前記格納位置にあるとき、前記軸部は前記第1スライド溝の後端に位置し、
前記収納箱が前記使用位置にあるとき、前記軸部は前記第1スライド溝の前端に位置している、オーバーヘッドコンソール。
【請求項6】
前記第2壁部の外面は鏡を有し、
前記収納箱が使用位置にあるときに、前記第2壁部は車両後方を向き、前記鏡は乗員によって使用可能である、請求項5に記載のオーバーヘッドコンソール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車室の天井に設けられるオーバーヘッドコンソールに関する。
【背景技術】
【0002】
乗用自動車等の車室には、物を収納可能なオーバーヘッドコンソールが設けられているものがある。オーバーヘッドコンソールに関する先行技術が特許文献1に開示されている。
【0003】
オーバーヘッドコンソールは、車室の天井に設けられるパネルと、パネルの凹部に対して格納可能な収納箱と、を備えている。凹部の側壁は、収納箱を回転可能に支持している軸部を有している。収納箱が凹部に格納された格納位置にあるとき、収納箱はフックとピンとの係合により格納位置に保持される。
【0004】
フックとピンとの係合が解除されると、収納箱は、軸部を中心として格納位置から下方へスイングする。収納箱は乗員が収納箱を使用可能な使用位置に位置することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2005-178674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
小柄な乗員がシートに着座して収納箱を使用する場合、乗員から収納箱までの距離が遠くなり、オーバーヘッドコンソールは使い勝手が悪くなる。
【0007】
本発明は、収納箱を使用する際に、収納箱を乗員に近づけることができるオーバーヘッドコンソールの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1に、車室の天井に設けられるパネルと、前記パネルの凹部に対して格納可能な収納箱と、を備え、
前記収納箱は、前記凹部に格納された格納位置と、前記格納位置から下方へスイングして乗員が収納箱を使用可能な使用位置と、に位置することが可能な、オーバーヘッドコンソールであって、
前記パネルは、車高方向に段差状に形成されており、天井面よりも低い低位面と、前記低位面及び前記天井面を接続している接続面と、を有しており、
前記凹部は、前記パネルの前記低位面から前記接続面に亘り形成され、
車両前後方向に延びている第1スライド溝を有し、
前記格納位置にある収納箱は、前記接続面に沿って形成された外面を有する底部と、前記低位面に沿って形成された外面を有する壁部と、車幅方向へ突出していると共に前記第1スライド溝に対してスライド可能な軸部と、を有し、
前記収納箱が前記格納位置にあるとき、前記軸部は前記第1スライド溝の前端に位置し、
前記収納箱が前記使用位置にあるとき、前記軸部は前記第1スライド溝の後端に位置している、オーバーヘッドコンソールが提供される。
【0009】
第2に、好ましくは、第1に記載のオーバーヘッドコンソールであって、
前記収納箱は、前記軸部と同一方向へ突出している突出部を有し、
前記凹部は、前記軸部が第1スライド溝に対してスライドするときに前記突出部がスライド可能な第2スライド溝と、
前記第2スライド溝と連なっていると共に、前記軸部を中心に前記収納箱がスイングするときに、前記突出部が通過可能な逃げ溝と、を有している。
【0010】
第3に、好ましくは、第1又は第2に記載のオーバーヘッドコンソールであって、
前記格納位置にある前記収納箱の前記壁部は、前記収納箱の開口の縁から前方へ向かって延びている延出部を有し、
前記延出部は、前記軸部を有している。
【0011】
第4に、好ましくは、第1~第3のいずれかに記載のオーバーヘッドコンソールであって、
前記収納箱は、前記収納箱が前記使用位置にあるときに乗員が使用可能な鏡を備えている。
【0012】
第5に、好ましくは、第1~第4のいずれかに記載のオーバーヘッドコンソールであって、
前記収納箱が前記使用位置にあるとき、前記収納箱の前記底面は略水平または前上がりに傾斜している。
【0013】
第6に、車室の天井に設けられるパネルと、前記パネルの凹部に対して格納可能な収納箱と、を備え、
前記収納箱は、前記凹部に格納された格納位置と、前記格納位置から下方へスイングして乗員が収納箱を使用可能な使用位置と、に位置することが可能な、オーバーヘッドコンソールであって、
前記パネルは、車高方向に段差状に形成されており、天井面よりも低い低位面と、前記低位面及び前記天井面を接続している接続面と、を有しており、
前記凹部は、前記パネルの前記低位面から前記接続面に亘り形成され、
前記収納箱へ向かって突出している軸部を有し、
前記格納位置にある前記収納箱は、前記接続面に沿って形成された外面を有する底部と、前記低位面に沿って形成された外面を有する壁部と、前記車両前後方向に延びており前記軸部が相対的にスライド可能な第1スライド溝を有し、
前記収納箱が前記格納位置にあるとき、前記軸部は前記第1スライド溝の後端に位置し、
前記収納箱が前記使用位置にあるとき、前記軸部は前記第1スライド溝の前端に位置している、オーバーヘッドコンソールが提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、収納箱を使用する際に、収納箱を乗員に近づけることができるオーバーヘッドコンソールを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施例1のオーバーヘッドコンソールを備えた車両の車室を説明する図である。
図2図1に示されたオーバーヘッドコンソールを構成するパネルの凹部と収納箱の斜視図である。
図3】格納位置にある収納箱の断面図である。
図4図4Aは、スライド位置にある収納箱を説明する図である。図4Bは、スライド完了位置にある収納箱を説明する図である。図4Cは、スイング位置にある収納箱を説明する図である。
図5図5Aは、使用位置にある収納箱の斜視図である。図5Bは、使用位置にある収納箱の側面図である。
図6図6Aは、鏡を開いた状態の収納箱の斜視図である。図6Bは、実施例1のオーバーヘッドコンソールの作用を説明する図である。
図7図7Aは、実施例2によるオーバーヘッドコンソールにおいて、格納位置にある収納箱を模式的に説明する図である。図7Bは、スイング完了位置にある収納箱を説明する図である。図7Cは、使用位置にある収納箱を説明する図である。
図8図8は、実施例3によるオーバーヘッドコンソールを構成するパネルの凹部と収納箱の斜視図である。
図9図9Aは、格納位置にある収納箱を模式的に説明する図である。図9Bは、スイング完了位置にある収納箱を説明する図である。
図10】使用位置にある収納箱を説明する図である。
図11図11Aは、実施例4によるオーバーヘッドコンソールにおいて、格納位置にある収納箱を模式的に説明する図である。図11Bは、スイング完了位置にある収納箱を説明する図である。
図12】使用位置にある収納箱を説明する図である。
図13図13Aは、実施例5によるオーバーヘッドコンソールについて、格納位置にある収納箱を説明する図である。図13Bは、スイング位置にある収納箱を説明する図である。図13Cは、使用位置にある収納箱を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
添付図に基づいて実施例を説明する。なお、左右とは車両の乗員を基準として左右(車幅方向)、前後とは車両の進行方向を基準として前後を指す。また、図中Frは前、Rrは後、Leは乗員から見て左、Riは乗員から見て右、Upは上、Dnは下を示している。
【0017】
<実施例1>
図1には、車両10(例えば、四輪の軽自動車)の車室11が示されている。車室11には、天井を覆うパネル20と、ルームミラー12と、ルームミラー12の車幅方向両側に位置するサンバイザー13,14と、が設けられている。運転席側のサンバイザー14の後方には、実施例1によるオーバーヘッドコンソール15が設けられている。なお、オーバーヘッドコンソール15を設ける位置は、運転席の上方に限られず、車内で着座する乗員の位置に応じて適宜変更できる。
【0018】
[パネル]
パネル20は、車高方向に段差状になっている。詳細には、パネル20は、天井面21よりも低い低位面22と、低位面22及び天井面21を接続している接続面23と、を有している。接続面23は後方を向いている。低位面22は天井面21よりも前方に位置している。なお、図示はしていないが、パネル20をクリップ等で天井面21に固定してもよい。
【0019】
[凹部]
図2を参照する。オーバーヘッドコンソール15は、物を収納可能である収納箱30と、収納箱30を格納可能な凹部40と、を備えている。
【0020】
凹部40は、パネル20の低位面22から接続面23に亘り形成されている。即ち、凹部40は、下方に開いている。凹部40は、下方を向いている天板面41と、天板面41の車幅方向の両縁から下方へ延び互いに対向している一対の側壁面42,42と、天板面41の前縁から下方へ延びている前壁面43と、により画定されている。
【0021】
[収納箱]
図2及び図3を参照する。収納箱30は、物の出し入れ口となる開口31の反対側に位置する略矩形状の底部32と、底部32の周縁から開口31へ向かう方向へ延びている周壁部33と、が一体化されて構成されている。底部32及び開口31は、車幅方向が長手方向となっている。
【0022】
[格納位置]
図3に示すように、収納箱30が凹部40に格納された位置を格納位置とする。以下、収納箱30が格納位置にあるときを基準として、収納箱30の構成を説明する。
【0023】
収納箱30の周壁部33は、底部32の車幅方向の両縁から開口31側へ延びている板状の一対の第1壁部34,34と、底部32の上縁から開口31側へ延びている板状の第2壁部35と、底部32の下縁から開口31側へ延びている板状の第3壁部36(壁部)と、が一体化されて構成されている。
【0024】
収納箱30の開口31は前方を向いている。第1壁部34の外面34aは、凹部40の側壁面42に対して僅かな隙間を介して対向している。
【0025】
底部32の外面32a(車室11に臨んでいる面)は、パネル20の接続面23に沿って形成されている。第3壁部36の外面36a(車室11に臨んでいる面)は、パネル20の低位面に沿って形成されている。
【0026】
[軸部]
第3壁部36は、収納箱30の開口31の縁から前方へ延びている延出部37を有している。延出部37の車幅方向両側の縁37a,37aは、車幅方向を軸線とする円柱状の一対の軸部46,46を有している。各々の軸部46は、凹部40の側壁部42へ向かって突出している。各々の軸部46は、開口31よりも前方に位置している。なお、軸部46の形状及び大きさは、適宜変更できる。
【0027】
[突出部]
延出部37の車幅方向両側の縁37aは、軸部46と同一方向へ突出している一対の突出部47,47を有している。突出部47は、軸部46よりも前方に位置している。なお、突出部47の形状及び大きさは、円柱状に限らず、その断面形状は適宜変更できる。
【0028】
[第1スライド溝]
凹部40の側壁面42は、車両前後方向に延びており軸部46がスライド可能な第1スライド溝50,50を有している。第1スライド溝50は、収納箱30がスイング可能となるように軸部46を支持している。第1スライド溝50の幅は軸部46の径よりも僅かに大きい又は等しい。
【0029】
[第2スライド溝]
凹部40の側壁面42は、車両前後方向に延びており突出部47がスライド可能な第2スライド溝60,60を有している。第2スライド溝60の幅は突出部47の径よりも僅かに大きい又は等しい。第2スライド溝60は、第1スライド溝50を前方に位置している。車両前後方向を基準として、第1スライド溝50の寸法と、第2スライド溝60の寸法は等しい。
【0030】
[格納位置における軸部の位置]
収納箱30が格納位置にあるとき、軸部46は第1スライド溝50の前端51に位置し、突出部47は第2スライド溝60の前端61に位置している。第2スライド溝60は、第2スライド溝60の前端61に位置している突出部47を規制する規制部63を有している。規制部63は、第2スライド溝60の壁面の一部を突出させて第2スライド溝60の幅を狭くすることにより構成されている。なお、規制部63の位置、数および形状は任意である。第3壁部36は、外面36aから下方へ突出しており乗員が把持可能な把持部38を有している。
【0031】
[スライド位置]
乗員が把持部38を掴み、格納位置にある収納箱30を後方へ引くと、図4Aに示されるように、収納箱30は後方へ移動する。軸部46が第1スライド溝50に対してスライドしていると共に、突出部47が第2スライド溝60に対してスライドしている位置をスライド位置とする。
【0032】
[スライド完了位置]
図4Bを参照する。軸部46が第1スライド溝50の後端52に位置し、突出部47が第2スライド溝60の後端62に位置した状態をスライド完了位置とする。収納箱30がスライド完了位置にあるとき、収納箱30の底部32の外面32aは接続面23よりも後方に位置している。開口31は接続面23よりも前方に位置している(開口31は凹部40の内部に位置している)。なお、開口31は、接続面23よりも後方に位置していてもよい。収納箱30の第3壁部36の外面36aは、低位面22と同一面上に位置している。
【0033】
[スイング位置]
スライド完了位置にある収納箱30を乗員が離すと、図4Cに示されるように、収納箱30は、その自重により軸部46を中心に下方へスイングする(以下、スイング位置とする)。
【0034】
[逃げ溝]
図3及び図4Cを参照する。凹部40の側壁面42は、軸部46が第1スライド溝50の後端52に位置し収納箱30が軸部46を中心にスイングするときに、突出部47が通過可能な逃げ溝70,70を有している。
【0035】
逃げ溝70の形状は、例えば、中心角が約90度の円弧であるが、突出部47が通過可能な空間が形成されていれば、逃げ溝70の形状は問わない。円弧状の逃げ溝70の中心は、軸部46が第1スライド溝50の後端52に位置するときの軸部46の軸線である。
【0036】
逃げ溝70の第1端71は、第2スライド溝60の後端62と連なっている。逃げ溝70の第2端72は、第1スライド溝50の後端52の上方に位置している。なお、軸部46、第1スライド溝50、第2スライド溝60および逃げ溝70には、収納箱30を移動させる際のフィーリング向上のための不織布や、抵抗を付与するための軟質材等を付加しても良い。
【0037】
[使用位置]
図5A及び図5Bを参照する。スライド完了位置(図4B参照)にある収納箱30が下方へ約90度スイングして乗員が収納箱30を使用する際の位置を使用位置とする。
【0038】
収納箱30が使用位置にあるとき、軸部46は、第1スライド溝50の後端52に位置している。突出部47は、逃げ溝70の第2端72に位置している。逃げ溝70は、第2端72に位置している突出部47を規制する規制部73を有している。一対の規制部73,73は、逃げ溝70の壁面の一部を突出させて逃げ溝70の幅を狭くすることにより構成されている。
【0039】
収納箱30が使用位置にあるとき、収納箱30の開口31は、上方を向いている。収納箱30の底部32の底面32bは、水平である。第3壁部36は上下方向へ延びている。第3壁部36は、第2壁部35よりも前方に位置する。第2壁部35の外面35aは後方を向いている。第3壁部36の延出部37の先端37bは、凹部40の天板面41との間に僅かな隙間ができるように設定されている。即ち、延出部37は、凹部40の内部が視認できないように凹部40の後方を覆っている。
【0040】
[収納箱の格納方法]
使用位置にある収納箱30を格納する場合、収納箱30をスイング位置(図4C参照)、スライド完了位置(図4B参照)、スライド位置(図4A参照)、格納位置(図3参照)の順番に移動させる。詳細な説明は省略する。
【0041】
[鏡]
図5B及び図6Aを参照する。第2壁部35の外面35aは、三面鏡80(鏡)を有している。三面鏡80は、第2壁部35の後面35a(図5B参照)全体を覆うように取り付けられている第1鏡81と、ヒンジ機構を介して第1鏡81の左縁により取り付けられている第2鏡82と、ヒンジ機構を介して第1鏡81の右縁により取り付けられている第3鏡83と、を備えている。第2鏡82の下端には、把持部82aが設けられている。第3鏡83の下端には、把持部83aが設けられている。
【0042】
図5Aを参照する。第2鏡82は、第1鏡81の左半分を覆うことができるように折りたたみ可能である。第3鏡83は、第1鏡81の右半分を覆うことができるように折りたたみ可能である。なお、第2壁部35の外面35aに取り付けられる鏡は、三面鏡80に限らず、単一の鏡であっても良い。さらに、その単一の鏡の形状・大きさ、取り付けられる位置は適宜変更することができる。
【0043】
[実施例1の効果]
第1に、格納位置(図3参照)にある収納箱30は、スライド位置(図4A参照)、スライド完了位置(図4B参照)、スイング位置(図4C参照)を経て、使用位置(図5B参照)に位置することができる。
【0044】
格納位置(図3参照)では、軸部46は第1スライド溝50の前端51に位置している。使用位置(図5B参照)では、軸部46は第1スライド溝50の後端52に位置している。
【0045】
即ち、先行技術のような格納位置にある収納箱をそのままスイングさせて使用するオーバーヘッドコンソールと比較すると、収納箱30を使用する際、収納箱30は乗員に近い位置にある。オーバーヘッドコンソール15の収納箱は、使用時に乗員に近づけることができる。
【0046】
図2を参照する。第2に、さらに、延出部37の車幅方向両側の縁37aは、軸部46と同一方向へ突出している円柱状の突出部47を有している。側壁面42は、軸部46が第1スライド溝50に対してスライドするときに突出部47がスライド可能な第2スライド溝60を有している。第2スライド溝60は、車両前後方向に延びている。
【0047】
仮に、収納箱30が軸部46のみを有し、突出部47を有さない場合、収納箱30はスイング自在となってしまう。格納位置にある収納箱を保持する保持機構が必須である。実施例1では突出部47が第2スライド溝60の壁面に接触するため、収納箱30の自重によるスイングを規制できる。オーバーヘッドコンソール15は、フックやピンによる保持機構が不要な簡素な構成である。
【0048】
図3を参照する。凹部40の側壁面42は、軸部46が第1スライド溝50の後端52に位置した状態において、収納箱30が軸部46を中心にスイングするときに、突出部47が通過可能な逃げ溝70を有している。そのため、乗員がスライド完了位置(図4B参照)にある収納箱30を離すと、収納箱30はその自重によりスイングする(図4C参照)。なお、逃げ溝70の幅は、突出部47の径よりも僅かに大きい又は等しい。そのため、逃げ溝70は、スイング位置にある収納箱30のガイドとなる。この効果は後述する他の実施例でも発揮する。
【0049】
図2を参照する。第3に、第3壁部36は、開口31の縁から前方へ延びている延出部37を有している。延出部37は一対の軸部46を有している。即ち、軸部46は、収納箱30の開口31よりも前方に位置している。軸部46を収納箱30の第1壁部33に設ける場合と比較すると、軸部46は、収納箱30の開口31から遠くに設定されているといえる。
【0050】
図6Bを参照する。上記の構成により、収納箱30の使用位置をより低くできる。小柄な乗員であっても、乗員の頭部Hの前方に収納箱30が位置することとなり、収納箱30が使いやすくなる。
【0051】
図6Aを参照する。第4に、第2壁部35の後面35aは、三面鏡80が取り付けられている。収納箱30が使用位置にあるとき、乗員は三面鏡80をバニティーミラーとして使用できる。一般的に、車室11は、天井のパネル20から下方へ向かうにつれて車幅方向に徐々に広くなる。収納箱30が低い位置にある場合、三面鏡80を開きやすくなる。三面鏡80が開いた状態では、乗員の顔の周囲に三面鏡80が位置することとなる。三面鏡80は、車外からの視線を遮ることができ、例えば、車内で化粧がしやすくなる。
【0052】
図5Bを参照する。収納箱30が使用位置にあるとき、収納箱30の底面32bは略水平である。乗員は収納箱30の底面32bに物を置きやすい。なお、収納箱30が使用位置にあるとき、収納箱30の底面32bは、水平でなく、前方に向かって上り傾斜となる底面32b’としてもよい。収納箱30に置かれた物を出し入れしやすくなり、収納箱30の内部も見易くなる。
【0053】
<実施例2>
図7Aには、実施例2によるオーバーヘッドコンソール15Aが示されている。実施例1のオーバーヘッドコンソール15と共通する構成については、実施例1と同一の符号を付すると共に説明は省略する。
【0054】
[第1スライド溝]
凹部40の側壁面42は、車両前後方向に延びており軸部46がスライド可能な第1スライド溝50Aを有している。
【0055】
[第2スライド溝]
側壁面42は、車両前後方向に延びており突出部47がスライド可能な第2スライド溝60Aを有している。第2スライド溝60Aは、第1スライド溝50Aの上方に位置している。車両前後方向を基準として、第1スライド溝50Aの寸法は、第2スライド溝60Aの寸法と同一である。
【0056】
[逃げ溝]
凹部40の側壁面42は、軸部46が第1スライド溝50Aの前端51Aに位置した状態において、収納箱30が軸部46を中心にスイングするときに、突出部47が通過可能な逃げ溝70Aを有している。
【0057】
逃げ溝70Aは、中心角が約90度の円弧である。逃げ溝70Aの中心は、第1スライド溝50Aの後端52Aに位置した軸部46の軸線である。逃げ溝70Aの第1端71Aは、第1スライド溝50Aの前方に位置している。逃げ溝70Aの第2端72Aは、第2スライド溝60Aの前端61Aと連なっている。
【0058】
逃げ溝70Aは、逃げ溝70Aの第1端71Aに位置する突出部47を規制する規制部73Aが設けられている。規制部73Aは、逃げ溝70Aの壁面の一部を突出させて逃げ溝70Aの幅を狭くすることにより構成されている。なお、軸部46、第1スライド溝50A、第2スライド溝60Aおよび逃げ溝70Aには、収納箱30を移動させる際のフィーリング向上のための不織布や、抵抗を付与するための軟質材等を付加しても良い。
【0059】
[格納位置]
収納箱30が格納位置にあるとき、軸部46は第1スライド溝50Aの前端51Aに位置している。突出部47は、逃げ溝70Aの第1端71Aに位置している。
【0060】
[スイング完了位置]
図7Bを参照する。格納位置にある収納箱30を、軸部46を中心に約90度スイングさせると、収納箱30はスイング完了位置に位置する。収納箱30がスイング完了位置にあるとき、軸部46は第1スライド溝50Aの前端51Aに位置している。突出部47は、第2スライド溝60Aの前端61Aに位置している。
【0061】
[格納位置]
スイング完了位置にある収納箱30を後方へ移動すると、軸部46は第1スライド溝50Aに対して後方へスライドし、突出部47は第2スライド溝60Aに対して後方へスライドする。軸部46が第1スライド溝50Aの後端52Aに位置し、突出部47が第2スライド溝60Aの後端62Aに位置すると、収納箱30は使用位置となる。
【0062】
<実施例3>
図8には、実施例3によるオーバーヘッドコンソール15Bが示されている。実施例1のオーバーヘッドコンソール15と共通する構成については、実施例1と同一の符号を付すると共に説明は省略する。
【0063】
[第1壁部]
収納箱30Bの第1壁部34B,34Bは、開口31の縁から延出部37の先端37bまで延出されている。
【0064】
[軸部]
凹部40の側壁部42,42は、車幅方向を軸線とする円柱状の一対の軸部46B,46Bを有している。各々の軸部46Bは、収納箱30Bの第1壁部34Bへ向かって突出している。
【0065】
[突出部]
側壁部42,42は、軸部46Bと同一方向へ突出している一対の突出部47B,47Bを有している。各々の突出部47Bは、軸部46Bの後方に位置している。
【0066】
[第1スライド溝]
図8及び図9Aを参照する。各々の第1壁部34Bは、車両前後方向に延びており軸部46Bが相対的にスライド可能な第1スライド溝50Bを有している。第1スライド溝50Bの幅は軸部46Bの径よりも僅かに大きい又は等しい。
【0067】
[第2スライド溝]
各々の第1壁部34Bは、車両前後方向に延びており突出部47Bが相対的にスライド可能な第2スライド溝60Bを有している。第2スライド溝60Bの幅は突出部47Bの径よりも僅かに大きい又は等しい。第2スライド溝60Bは、第1スライド溝50Bを後方に位置している。車両前後方向を基準として、第1スライド溝50Bの寸法と、第2スライド溝60Bの寸法は等しい。
【0068】
[格納位置における軸部の位置]
収納箱30Bが格納位置(図9A参照)にあるとき、軸部46Bは第1スライド溝50Bの後端52Bに位置し、突出部47Bは第2スライド溝60Bの後端62Bに位置している。なお、第1スライド溝50Bの後端52B又は第2スライド溝60Bの後端62Bに、上述の規制部(図示なし)を設けても良い。
【0069】
軸部46Bの軸線に沿う方向から見て(図9A参照)、軸部47Bは、開口31と底部32との間に位置している。
【0070】
[スライド完了位置]
図9Bを参照する。格納位置にある収納箱30Bを後方へ移動し、軸部46Bが第1スライド溝50Bの前端51Bに位置し、突出部47Bが第2スライド溝60Bの前端61Bに位置した状態をスライド完了位置とする。
【0071】
[逃げ溝]
第1壁部34Bは、軸部46Bが第1スライド溝50Bの前端51Bに位置し収納箱30Bが軸部46Bを中心にスイングするときに、突出部47Bが通過可能な逃げ溝70Bを有している。
【0072】
逃げ溝70Bの形状は、例えば、中心角が約90度の円弧であるが、突出部47Bが通過可能な空間が形成されていれば、逃げ溝70Bの形状は問わない。円弧状の逃げ溝70Bの中心は、軸部46Bが第1スライド溝50Bの前端51Bに位置するときの軸部46Bの軸線である。
【0073】
逃げ溝70Bの第1端71Bは、第2スライド溝60Bの前端61Bと連なっている。逃げ溝70Bの第2端72Bは、第1スライド溝50Bの前端51Bの上方に位置している。なお、軸部46B、第1スライド溝50B、第2スライド溝60Bおよび逃げ溝70Bには、収納箱30Bを移動させる際のフィーリング向上のための不織布や、抵抗を付与するための軟質材等を付加しても良い。
【0074】
[使用位置]
図10を参照する。スライド完了位置(図9B参照)にある収納箱30Bを下方へスイングし、乗員が収納箱30Bを使用する際の位置を使用位置とする。収納箱30Bが使用位置にあるとき、軸部46Bは、第1スライド溝50Bの前端51Bに位置している。突出部47Bは、逃げ溝70Bの第2端72Bに位置している。逃げ溝70Bには、上述した規制部(図示なし)を設けてもよい。
【0075】
<実施例4>
図11Aには、実施例4によるオーバーヘッドコンソール15Cが示されている。実施例1のオーバーヘッドコンソール15と共通する構成については、実施例1と同一の符号を付すると共に説明は省略する。
【0076】
[第1壁部]
収納箱30Cの第1壁部34Cは、開口31の縁から延出部37の先端37bまで延出されている。
【0077】
[軸部]
各々の側壁部42は、車幅方向を軸線とする円柱状の軸部46Cを有している。各々の軸部46Cは、収納箱30Cの第1壁部34Cへ向かって突出している。
【0078】
[突出部]
各々の側壁部42は、軸部46Cと同一方向へ突出している突出部47Cを有している。各々の突出部47Cは、軸部46Cの上方に位置している。
【0079】
[第1スライド溝]
図11Aを参照する。第1壁部34Cは、車両前後方向に延びており軸部46Cが相対的にスライド可能な第1スライド溝50Cを有している。第1スライド溝50Cの幅は軸部46Cの径よりも僅かに大きい又は等しい。
【0080】
[第2スライド溝]
第1壁部34Cは、車両前後方向に延びており突出部47Cが相対的にスライド可能な第2スライド溝60Cを有している。第2スライド溝60Cの幅は突出部47Cの径よりも僅かに大きい又は等しい。第2スライド溝60Cは、第1スライド溝50Cの上方に位置している。車両前後方向を基準として、第1スライド溝50Cの寸法と、第2スライド溝60Cの寸法は等しい。
【0081】
[格納位置における軸部の位置]
収納箱30Cが格納位置(図11A参照)にあるとき、軸部46Cは第1スライド溝50Cの後端52Cに位置し、突出部47Cは第2スライド溝60Cの後端62Cに位置している。なお、第1スライド溝50Cの後端52C及び/又は第2スライド溝60Cの後端62Cに、上述の規制部を設けても良い。
【0082】
軸部46Cの軸線に沿う方向から見て(図11A参照)、軸部46Cと、突出部47Cとは、開口31と底部32との間に位置している。
【0083】
[スライド完了位置]
図11Bを参照する。格納位置にある収納箱30Cを後方へ移動させ、軸部46Cが第1スライド溝50Cの前端51Cに位置し、突出部47Cが第2スライド溝60Cの前端61Cに位置した状態をスライド完了位置とする。
【0084】
[逃げ溝]
第1壁部34Cは、軸部46Cが第1スライド溝50Cの前端51Cに位置し収納箱30Cが軸部46Cを中心にスイングするときに、突出部47Cが通過可能な逃げ溝70Cを有している。
【0085】
逃げ溝70Cの形状は、例えば、中心角が約90度の円弧であるが、突出部47Cが通過可能な空間が形成されていれば、逃げ溝70Cの形状は問わない。円弧状の逃げ溝70Cの中心は、軸部46Cが第1スライド溝50Cの前端51Cに位置するときの軸部46Cの軸線である。
【0086】
逃げ溝70Cの第1端71Cは、第2スライド溝60Cの前端61Cと連なっている。逃げ溝70Cの第2端72Cは、第1スライド溝50Cの前端51Cの前方に位置している。なお、軸部46C、第1スライド溝50C、第2スライド溝60Cおよび逃げ溝70Cには、収納箱30Cを移動させる際のフィーリング向上のための不織布や、抵抗を付与するための軟質材等を付加しても良い。
【0087】
第1壁部34Cは、収納箱30Cがスイングする際に天板部41に接触しないように、円弧状に形成されている。
【0088】
[使用位置]
図12を参照する。スライド完了位置(図11B参照)にある収納箱30Cを下方へスイングし、乗員が収納箱30Cを使用する際の位置を使用位置とする。収納箱30Cが使用位置にあるとき、軸部46Cは、第1スライド溝50Cの前端51Cに位置している。突出部47Cは、逃げ溝70Cの第2端72Cに位置している。逃げ溝70Cには、上述した規制部(図示なし)を設けてもよい。
【0089】
<実施例5>
図13Aには、実施例5によるオーバーヘッドコンソール15Dが示されている。実施例1のオーバーヘッドコンソール15と共通する構成については、実施例1と同一の符号を付すると共に説明は省略する。
【0090】
凹部40の側壁面42は、突出部47がスライド可能な第2スライド溝60Dを有している。第2スライド溝の前端61Dは、第1スライド溝の前方に位置している。第2スライド溝の後端62Dは、第1スライド溝50の後端52の上方に位置している。
【0091】
[格納位置における軸部の位置]
収納箱30が格納位置にあるとき、軸部46は第1スライド溝50の前端51に位置し、突出部47は第2スライド溝60Dの前端61Dに位置している。第2スライド溝60は、第2スライド溝60の前端61に位置している突出部47を規制する規制部63Dを有している。規制部63は、第2スライド溝60の壁面の一部を突出させて第2スライド溝60の幅を狭くすることにより構成されている。なお、規制部63Dの位置、数および形状は任意である。
【0092】
[スライド位置]
図13Bに示されるように、乗員が把持部38を掴み、格納位置にある収納箱30を後方へ引くと、軸部46が第1スライド溝50に対してスライドすると共に、突出部47が第2スライド溝60に対してスライドする(スライド位置)。スライド位置では、軸部46が後方へ移動するに連れて、突出部47は、後ろ上がり方向へ移動する。即ち、スライド位置にある収納箱30は、後方へのスライドと共に下方へスイングする。
【0093】
[使用位置]
図13Cを参照する。乗員が収納箱30を使用する際の位置である使用位置に収納箱30が位置しているとき、軸部46は第1スライド溝50の後端52に位置し、突出部47は第2スライド溝60Dの後端62Dに位置している。
【0094】
第2スライド溝60は、第2スライド溝60の後端62Dに位置している突出部47を規制する規制部64Dを有している。規制部64は、第2スライド溝60の壁面の一部を突出させて第2スライド溝60の幅を狭くすることにより構成されている。なお、規制部64Dの位置、数および形状は任意である。
【0095】
なお、本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は、実施例1~5に限定されるものではない。各々の実施例を構成する要素は、互いに組み合わせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明のオーバーヘッドコンソールは、乗用車に搭載するのに好適である。
【符号の説明】
【0097】
15,15A,15B,15C,15D…オーバーヘッドコンソール
20…パネル
21…天井面
22…低位面
23…接続面
30,30B,30C…収納箱
31…収納箱の開口
32…底部、32a…底部の外面、32b…底部の底面
36…第3壁部(壁部)、36a…壁部の外面
37…延出部
40…凹部
46,46B,46C…軸部
47,47B,47C…突出部
50,50A,50B,50C…第1スライド溝
51,51A,51B,51C…第1スライド溝の前端
52,52A,52B,52C…第1スライド溝の後端
60,60A,60B,60C,60D…第2スライド溝
61,61A,61B,61C,61D…第2スライド溝の前端
62,62A,62B,62C,62D…第2スライド溝の後端
80…三面鏡(鏡)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13