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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】脊髄幹コネクター
(51)【国際特許分類】
   A61M 39/10 20060101AFI20240830BHJP
   A61M 39/24 20060101ALI20240830BHJP
   A61B 5/153 20060101ALI20240830BHJP
【FI】
A61M39/10 120
A61M39/10 110
A61M39/24
A61B5/153 100
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022500977
(86)(22)【出願日】2019-12-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-16
(86)【国際出願番号】 US2019064946
(87)【国際公開番号】W WO2021006923
(87)【国際公開日】2021-01-14
【審査請求日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】PCT/US2019/040915
(32)【優先日】2019-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/898,876
(32)【優先日】2019-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/704,435
(32)【優先日】2019-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ビガーズ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ディ ウバルディ
(72)【発明者】
【氏名】ポール ピー.マリシ
【審査官】今関 雅子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0192933(US,A1)
【文献】国際公開第2018/193061(WO,A1)
【文献】特開2005-237617(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0289303(US,A1)
【文献】特開2014-100346(JP,A)
【文献】特表2018-513748(JP,A)
【文献】特表2013-535277(JP,A)
【文献】特表2013-520287(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 39/00-39/28
A61B 5/15- 5/157
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己血液採血セットであって、
(1)医療用アダプターが、
(a)ISO80369-7に記載された寸法を有するルアーフィッティングと互換性がなく、脊髄幹注射器の脊髄幹フィッティングと互換性のある接続を有する脊髄幹フィッティングを含む前記医療用アダプターの第1の端部と、
(b)前記第1の端部の反対側の第2の端部であって、前記第2の端部は、スリップ型接続によって静脈内医療機器のISO80369-7に記載された寸法を有するルアーフィッティングと互換性のある接続を有するフィッティングを含む前記医療用アダプターの前記第2の端部と、
(c)逆止弁と、
を含み、
(2)針カニューレと、ISO80369-7に記載された寸法を有し、前記医療用アダプターの前記第2の端部と互換性のある接続を有するルアーアダプターとを含むカテーテルアセンブリであって、前記自己血液採血セットが硬膜外血液パッチ処置に使用されるように構成されるカテーテルアセンブリを備え、
前記逆止弁は、前記第2の端部から前記第1の端部への流体の流れのみを許容し、前記第1の端部から前記第2の端部への流体の流れを阻止する、自己血液採血セット。
【請求項2】
前記逆止弁が前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置されている、請求項1に記載の自己血液採血セット。
【請求項3】
前記医療用アダプターは、前記逆止弁が間に位置する前記第1の端部および前記第2の端部における流体の流れの方向に、当該第1の端部の前記脊髄幹フィッティングが当該逆止弁から突き出ている、請求項2に記載の自己血液採血セット。
【請求項4】
前記医療用アダプターの前記第1の端部の前記脊髄幹フィッティングは、メス型脊髄幹フィッティングである、請求項1に記載の自己血液採血セット。
【請求項5】
前記医療用アダプターの前記第2の端部の前記フィッティングは、摩擦嵌めによって前記カテーテルアセンブリのカテーテルチューブを受け入れるように適合されている、請求項1に記載の自己血液採血セット。
【請求項6】
前記逆止弁は、ダックビル弁、アンブレラ弁、ボール逆止弁、ダイヤフラム逆止弁、スイング逆止弁、ストップ逆止弁およびリフト逆止弁からなる群から選択される、一方向弁である、請求項1に記載の自己血液採血セット。
【請求項7】
流体が前記第2の端部から前記逆止弁を通って前記第1の端部に流れる、請求項6に記載の自己血液採血セット。
【請求項8】
前記一方向弁が、ダックビル弁、アンブレラ弁、およびボール逆止弁からなる群から選択される、請求項6に記載の自己血液採血セット。
【請求項9】
前記一方向弁がダイヤフラム逆止弁、スイング逆止弁、ストップ逆止弁、またはリフト逆止弁からなる群から選択される、請求項6に記載の自己血液採血セット。
【請求項10】
前記医療用アダプターは黄色である、請求項1に記載の自己血液採血セット。
【請求項11】
上記請求項1に記載の自己血液採血セットと、
ISO80369-7に記載された寸法を有するルアーフィッティングと互換性のある接続をもたない脊髄幹フィッティングを含む遠位先端を有する注射器と、
を備える、キット。
【請求項12】
脊髄針または硬膜外針から選択される針をさらに含む、請求項11に記載のキット。
【請求項13】
硬膜外フラットフィルターをさらに含む、請求項11に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の態様は、標準的なルアーフィッティングを有するデバイスへの脊髄幹デバイス(neuraxial device)の接続を可能にする医療用アダプターアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の麻酔手順では、脊髄または硬膜外針に取り付けられた汎用注射器を使用している。注射器とニードルの間のインターフェース接続は、国際標準化機構(ISO)80369-7または標準の「ルアー(Luer)」接続によって管理されている。一例として、典型的な硬膜外血液パッチ手順では、同じ注射器を使用して、既存の静脈内医療機器から直接、または既存の静脈内医療機器を介して血液を採取し、採取した血液を患者の硬膜外腔に投与する。
【0003】
ISO80369-7:2016は、遠位端と近位端の間の6%のテーパーを含む標準ルアーコネクターの仕様を定義している。オスの標準ルアーコネクターは、開いた遠位端から近位端に向かって増加する。メスの標準ルアーコネクターは、開いた近位端から遠位端に向かって減少する。ISO80369-7:2016によると、オスの標準ルアーコネクターは、先端の遠位端から0.75mmで測定した外径が3.770mm~4.072mmである。オスの標準ルアーテーパーの長さは、7.500mm~10.500mmである。先端の遠位端から7.500mmを測定した外径断面直径は、4.376mm~4.476mmである。本明細書で使用される場合、「オス標準ルアーコネクター」および「メス標準ルアーコネクター」という文言は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるISO80369-7に記載された寸法を有するコネクターを指すものとする。
【0004】
ルアー接続の便利さとほぼ普遍的な採用は、多数の誤接続や誤った経路の管理事故が発生する機会を与える。問題は、例えば、血管、経腸、呼吸、硬膜外、髄腔内などの無関係なデリバリー(送達)システムにルアー接続を使用する場合など、全く異なる用途に同一の接続を使用することで、薬剤の誤投与が起こる危険性があることである。その結果、医療提供者が誤って間違ったシステムを接続し、液体(例えば、薬剤、経腸栄養)またはガス(例えば、酸素)が誤った経路で供給される可能性がある。この点に関して、静脈内投与を目的とした事実上すべての薬物の意図しない脳神経方向への投与についての報告が見られ、逆もまた同様であり、脳神経外方向への投与を目的とする薬物の意図しない静脈内投与についての報告が見られる。そのような事故は大惨事につながる可能性がある。例えば、2007年には、化学療法薬のビンクリスチンが意図した静脈内経路ではなく髄腔内経路で誤って投与されたという4件の事故が発生している。
【0005】
これに対応して、国際標準化機構(ISO)は、医療用の小口径コネクターの規格を策定した。2016年、ISO規格、「EN ISO80369-6:2016/ISO80369-6:2016医療用途の液体および気体用の小口径コネクター パート6:脊髄幹適用コネクター(Connectors for Neuraxial Applications)」は、さまざまな医療用途で使用される小口径コネクター間の誤接続予防の重要性に対処するために策定された。ISO80369-6は、メス(ニードル側)とオス(注射器側)の両方のコネクターの寸法と形状を規定している。このISO80369-6規格では、脊髄幹注射器(neuraxial syringe)がISO80369-7に準拠した標準ルアーコネクターを備えたデバイスと互換性がないという状況も発生する。したがって、ISO80369-6に準拠した注射器は、ISO80369-7規格に準拠したニードルハブに誤接続することはない。
【0006】
血管アクセスシステムで使用する標準のルアーチップとコネクターの使用を制限することは、デバイスメーカーと規制機関によって受け入れられている1つのコンセンサスである。ISO80369-6の最近の採用により、脊髄幹適用(neuraxial applications)の小口径コネクターに統一された規格が提供される。ただし、ISO830369-6の採用により、現在利用可能な医療機器、特に脊髄くも膜下麻酔や硬膜外麻酔などの脊髄幹麻酔を使用して、特定の麻酔手順を完了する能力が複雑になっている。既存の医療機器での麻酔手順を容易にするコネクター、方法、およびキットを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0007】
本開示の第1の態様は、医療用アダプターアセンブリに関する。1つまたは複数の実施形態では、医療用アダプターアセンブリは、標準的なルアーフィッティング(luer fitting)に直接接続できない脊髄幹フィッティング(neuraxial fitting)を含む第1の端部と、前記第1の端部の反対側の第2の端部であって、静脈内医療機器の標準的なルアーフィッティングに接続可能な標準的なルアーフィッティングを含む前記第2の端部と、前記第2の端部から前記第1の端部への流体の流れを可能にし、前記第1の端部から前記第2の端部への流体の流れを防ぐ逆止弁(check valve)と、を含む。
【0008】
本開示の第2の態様は、方法に関する。1つまたは複数の実施形態では、方法は、注射器バレルと、標準的なルアーフィッティングに直接接続できない脊髄幹フィッティングを含む遠位先端を含む注射器を、脊髄幹フィッティングを含む第1の端部と、前記第1の端部の反対側の第2の端部と、前記第2の端部が脊髄幹フィッティングに直接接続できないルアーフィッティングを含み、前記第1の端部から前記第2の端部への流体の流れを防ぐ逆止弁とを有する医療用アダプターアセンブリへ接続するステップと、医療用アダプターアセンブリを注射器から外すステップと、脊髄幹フィッティングを神経針に接続するステップと、を備える。
【0009】
本開示の別の態様は、キットに関する。もう1つの実施形態では、キットは、医療用アダプターアセンブリと、注射器と、針とを含む。1つまたは複数の実施形態では、医療用アダプターアセンブリは、標準的なルアーフィッティングに直接接続できない脊髄幹フィッティングを含む第1の端部と、前記第1の端部の反対側の第2の端部であって、静脈内医療機器の標準的なルアーフィッティングに接続可能な標準的なルアーフィッティングを含む前記第2の端部と、前記第2の端部から前記第1の端部への流体の流れを許容し、前記第1の端部から前記第2の端部への流体の流れを防ぐ逆止弁とを含む。1つまたは複数の実施形態では、注射器は、標準的なルアーフィッティングに直接接続できない脊髄幹フィッティングを含む遠位先端を含む。1つまたは複数の実施形態では、針は、脊椎針および硬膜外針から選択される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、1つまたは複数の実施形態による注射器バレルの斜視図を示す。
図2図2は、標準ルアーコネクターの既存のISO規格と、脊髄幹適用のオスおよびメスコネクターの新しい規格を比較したチャートを示している。
図3図3は、従来技術による注射器と標準的なルアーアダプターとの間の互換性のない接続を示す採血セットの斜視図である。
図4図4は、脊髄幹注射器(neuraxial syringe)と標準的なルアーアダプターとの間の互換性のある接続を示す採血セットの斜視図である。
図5図5は、1つまたは複数の実施形態による医療用アダプターアセンブリを示す斜視図である。
図6図6は、図5に示される医療用アダプターアセンブリを示す正面図である。
図7図7は、図5に示される医療用アダプターアセンブリを示す背面図である。
図8図8は、図6の線8-8に沿って取られた医療用アダプターアセンブリを示す断面図である。
図9図9は、1つまたは複数の実施形態による医療用アダプターアセンブリを含む採血セットを示す分解図である。
図10図10は、1つまたは複数の実施形態による、組み立てられた構成における図9の採血セットを示す図である。
図11図11は、1つまたは複数の実施形態による医療用アダプターアセンブリを示す斜視図である。
図12図12は、図11に示される反対側の端部から見た、図11に示される医療用アダプターを示す斜視図である。
図13図13は、図11に示される医療用アダプターを示す分解斜視図である。
図14図14は、1つまたは複数の実施形態による医療用アダプターアセンブリを含む採血セットを示す分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示のいくつかの例示的な実施形態を説明する前に、本開示は、以下の説明に示される構成またはプロセス工程の詳細に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態であることができ、様々な方法で実施または実行することができる。
【0012】
本開示では、装置の遠位端が患者に最も近い端であり、装置の近位端が患者から離れて開業医や介護者に最も近い端であるという慣例に従っている。
【0013】
本明細書で使用される場合、オスおよびメスコネクターに関して「接続できない」という用語は、別のコネクターへの接続を妨げる形状、サイズ、寸法、または構造を有するコネクターを指す。例えば、メスのルアーコネクターは、オスの非ルアーコネクターとの接続を形成することを妨げる形状、サイズ、寸法、および/または構造を有し、したがって、オスの非ルアーコネクターに対して接続することはできない。しかしながら、そのようなメスのルアーコネクターは、オスのルアーコネクターとの接続を可能にする形状、サイズ、寸法、および/または構造を有し、したがって、オスのルアーコネクターに対して接続可能である。別の例では、メスの非ルアーコネクターは、オスのルアーコネクターとの接続を形成することを妨げる形状、サイズ、寸法、および/または構造を有し、したがって、オスのルアーコネクターに対して接続することはできない。しかしながら、そのようなメスの非ルアーコネクターは、オスの非ルアーコネクターとの接続を可能にする形状、サイズ、寸法、および/または構造を有し、したがって、オスの非ルアーコネクターに対して接続可能である。
【0014】
本明細書で使用される場合、「直接接続できない」という用語は、2つの継手(fitting)の間に介在する装置がないことを意味する。例えば、1つまたは複数の実施形態では、医療用アダプターアセンブリは、標準的なルアーフィッティングに直接接続できない脊髄幹(神経軸と称される場合もある)フィッティングを含む第1の端部を含む。したがって、脊髄幹フィッティングと標準のルアーフィッティングの間に介在する装置はない。
【0015】
本明細書で使用される場合、「寸法」という用語は、本明細書で説明される幾何学的形状または幾何学的形状の構成要素の長さ、直径、または幅を含むものとする。「断面直径」という用語は、円形または非円形の断面を持つ物体または部品(component)の断面のエッジ上の2点間の最長距離または最大距離の測定値を含むものとする。
【0016】
2つのポイントは、オブジェクトの断面のエッジの内面または外面に配置できる。対象物の断面の縁の内面に位置する2点の断面直径を「内側断面直径」と呼び、物体の断面の縁の外面に位置する2点の断面直径を「外側断面直径」と呼ぶ。円形の断面を有する物体の「断面直径」は、物体の「断面寸法」または「直径」と呼ばれることがあることを認識されたい。「断面寸法」、「断面直径」および「直径」という用語は、円形の断面を有する物体に対して交換可能に使用され得る。
【0017】
注射器は、例えば、栄養素の経口送達、貯蔵、および注射器を経腸接続に接続することによる経腸システムへの流体の送達、および流体または薬物の静脈内送達を含む、様々な医療用途の流体送達に使用される。静脈内注射器を介した薬物の送達は、注射器の遠位端をルアー接続によってカテーテルに接続することを含む。
【0018】
本明細書で使用される標準的なルアーコネクターは、標準的なルアーコネクターを組み込んだ針ハブ、注射器、または他の送達構成要素を含み得る。図1は、遠位端111および近位端119を有する注射器バレル100を示している。注射器バレル100は、遠位端111から近位端119まで延びる側壁112を含み、流体を保持するためのチャンバ116を規定する内面114を含む。注射器バレル100はまた、遠位端111に隣接する遠位壁118と、注射器バレル100の近位端119に配置されたフランジ120とを含む。ルアーコネクター212は、遠位壁118から延在し、チャンバ116と流体連通された通路124を含む、オープンチップ(先端)122の形態で提供される。オープンチップ122は、オス型標準ルアーコネクターに典型的な外側断面寸法および長さを規定する外面126を含む。
【0019】
図2に示すように、オスの標準ルアーチップまたは標準オスコネクターは、ISO80369-7で定義された国際標準化機構(ISO)によって提供された仕様があり、開いた遠位端から近位端に向かって増加する6%のテーパーを含み、先端における遠位端の外側断面直径は、剛性材料の場合に約0.1545インチ(3.925mm)~約0.1570インチ(3.990mm)で、半剛性材料の場合に約0.1545インチ(3.925mm)~約0.1585インチ(4.027mm)である。メス型標準ルアーハブまたはメス型標準ルアーコネクターは、開いた近位端から遠位端に向かって減少する6%のテーパーと、開いた近位端における約0.168インチ(4.270mm)から約0.170インチ(4.315mm)の間の内側断面直径とを有することがある。対応するオスのルアーロックコネクターに接続するためのタブ(tabs)またはラグ(lugs)を組み込んだメスの標準ルアーコネクターを備えたデバイスでは、ラグを含むメスの標準ルアーコネクターの外側断面直径は約0.307インチ(7.80mm)から約0.308インチ(7.83mm)までの範囲である。対応するオスのルアーロックコネクターに接続するためのタブまたはラグが組み込まれていないメスの標準ルアーコネクターを備えたデバイスでは、ISO80369-7のラグのベースにあるメスの標準ルアーコネクターの最大外径に基づいて、外側の断面直径は、硬質コネクターの場合に約0.224インチ(5.700mm)、半硬質コネクターの場合に約0.265インチ(6.730mm)であってもよい。ISO80369-7に準拠した、標準ルアーチップおよび/または標準ルアーハブの最小長は0.295インチ(7.500mm)である。本明細書で使用される場合、「オス標準ルアーコネクター」、「オス標準ルアーチップ」、「メス標準ルアーハブ」および「メス標準ルアーコネクター」という文言は、上記の寸法を有するコネクターを指すものとする。
【0020】
図3は、採血セット300の透視図(perspective view)であり、脊髄幹注射器322と、ISO80369-7に準拠するメスの標準ルアーアダプター306との間の互換性のない接続を示している。示される実施形態における採血セット300は、針カニューレ304を含むカテーテルアセンブリ302と、カテーテルアセンブリ302の両端にあるメスの標準ルアーアダプター306とを含む。カテーテルアセンブリは、針カニューレ304がカテーテルハブ遠位端312から延びるカテーテルハブ本体320を含む。カテーテルアセンブリ302は、採血手順中にカテーテルハブ本体320を患者に接着するために使用され得る一対の翼308を含む。示される実施形態では、メスの標準ルアーアダプター306を含む標準ルアーコネクター310は、チューブ318によってカテーテルハブ本体320に流体的に接続されている。脊髄幹(neuraxial)シリンダ322は、ISO80369-6に準拠するオスの脊髄幹コネクター324を含み、これは、脊髄幹コネクター324とメスの標準的なルアーアダプター306との間のXによって示されるように、カテーテルアセンブリのメスの標準的なルアーアダプター306に直接接続できない。
【0021】
図4は、注射器バレル426を有する注射器422と、ISO80369-7に準拠するメスの標準ルアーアダプター406との間の互換性のある接続を含む採血セット400の透視斜視図である。示される実施形態における採血セット400は、針カニューレ404を含むカテーテルアセンブリ402と、カテーテルアセンブリ402の両端にあるメスの標準ルアーアダプター406とを含む。カテーテルアセンブリ402は、針カニューレ404がカテーテルハブ遠位端412から延びるカテーテルハブ本体420を含む。カテーテルアセンブリ402は、採血手順中にカテーテルハブ本体420を患者に接着するために使用され得る一対の翼408を含む。示される実施形態では、メスの標準ルアーアダプター406を含む標準ルアーコネクター410は、チューブ418によってカテーテルハブ本体420に流体的に接続されている。注射器バレル426の遠位端は、ISO80369-7に準拠するオス型標準ルアーコネクター424を含む。
【0022】
注射器422およびカテーテルアセンブリ402の標準的なルアーコネクターの両方は、互いに締まり嵌め接続および/または液密係合を形成するようなサイズおよび形状である。具体的には、オス標準ルアーコネクター424の外面は、上記のように、オス標準ルアーコネクターに典型的なテーパー、長さ、および形状を有し、これにより、注射器422は、メス標準ルアーアダプター406の内面と締まり嵌め接続を形成することができ、これもまた、上記のように、メスの標準的なルアーコネクターに典型的なテーパー、長さ、および形状を有する。1つまたは複数の代替の実施形態では、注射器バレル426は、例えば、図4に示すように、カテーテルアセンブリ402の協働構造と係合するねじ山部分を含む、ルアーロックコネクター(図示せず)の形態のオス型標準ルアーコネクターを含むことができる。
【0023】
小口径コネクターの新しい規格、例えば、脊髄幹適用のISO80369-6により、標準のルアーコネクター要件に準拠しない適切なコネクター、つまり非ルアーコネクターが必要になった。上記のように、これらの新しい標準には、標準のルアーコネクターで現在使用されている6%のテーパーに代わって、5%のテーパーのコネクターが含まれている。さらに、新しい規格では、標準のルアーコネクターよりも内径と外径の断面直径が小さく、長さが長いコネクターが提案されている。具体的には、ISO80369-6の下で、ヘルスケアアプリケーションの液体および気体用の小口径コネクターの場合、オスコネクターとメスコネクターのテーパーは、近位端から遠位端まで6%から5%の既存のISOルアー規格から変更される。オスコネクターの場合、新しい5%テーパーにより、コネクターの外側の断面寸法(外径)が近位端から開いた遠位端まで徐々に減少する。メスコネクターの場合、新しい5%テーパーにより、図2に示すように、開いた近位端から遠位端までのコネクターの内側の断面寸法(内径)がより緩やかに減少する。さらに、オスコネクターの開いた遠位端の外形の断面寸法は、現在のISOルアー規格の範囲である0.1545インチから0.1585インチよりも小さくなる。具体的には、現在提案されているISO規格は、約1306インチから約1326インチの範囲で測定するために、開いた遠位端のオスコネクターの外側の断面寸法を規定している。開いた近位端のメスコネクターの内側の断面寸法は、現在のISOルアー規格の範囲である0.168インチから0.170インチよりも小さくなる。具体的には、現在提案されているISO規格は、約0.1417インチから約0.1437インチの範囲で測定するために、開いた近位端のメスコネクターの内側の断面寸法を規定している。脊髄幹用のオスコネクターの長さも、0.295インチから約0.300インチに延長される。また、脊髄幹用のメスコネクターの長さも、0.295インチから約0.303インチに延長される。
【0024】
オスコネクターとメスコネクターの両方の脊髄幹適用の新しいISO規格でのよりテーパーが緩やかなことと、オスコネクターとメスコネクターの外側断面寸法と内側断面寸法がそれぞれの小さいことは、メスの標準ルアーコネクターを備えた脊髄幹(神経軸)適用のオスコネクターと、オスの標準ルアーコネクターを備えた脊髄幹用のメスコネクターとの流体密接接続を防ぐことを目的としている。しかしながら、その遠位端での脊髄幹用のオスコネクターのより小さな外側断面寸法は、ユーザが、脊髄幹用のオスコネクターを、その遠位端に脊髄幹用のオスコネクターのより小さな外側断面寸法を収容し得る内側断面寸法を有するメスの標準ルアーコネクターに不注意にまたは故意に取り付けることを可能にし得る。脊髄幹用のオスコネクターをメスの標準ルアーコネクターに取り付ける機能は、理想的ではない場合でも、意図しない液体または液体を誤った送達部位で患者に送達するのに十分な、少なくとも部分的な液密係合を可能にする可能性がある。
【0025】
1つまたは複数の実施形態は、ISO80369-6の誤接続要件を満たす医療用アダプターアセンブリを提供する。本明細書で使用される場合、「医療用アダプターアセンブリ」という用語は、二次脊髄幹デバイスとの接続を行うことができる脊髄幹デバイスの一部である任意の構造を含むと理解される。1つまたは複数の実施形態では、医療用アダプターアセンブリは、統合された医療機器(medical device)を含み得る。他の実施形態では、医療用アダプターアセンブリは、デバイス部品の集合を含み得る。
【0026】
本明細書で使用される場合、「接続タイプ」という用語は、医療用アダプターアセンブリが別の医療用コンポーネントに接続するメカニズムを指す。接続タイプには、スリップタイプの接続とロックタイプの接続が含まれまるが、これらに限定されない。スリップタイプの接続は、名目上線形運動を使用して医療機器を医療アダプターアセンブリに固定する接続である。ロックタイプの接続は、主にねじるまたは回転する動作を使用して、医療機器を医療用アダプターアセンブリに固定する接続である。医療用アダプターアセンブリを接続できる他の医療用コンポーネントには、脊髄針アセンブリ、硬膜外針アセンブリ、脊髄くも膜下(CSE)針アセンブリの組み合わせ、流体フィルター、チューブのアダプターなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0027】
1つまたは複数の実施形態では、医療用アダプターアセンブリは2つの対向する端部を有する。医療用アダプターアセンブリの一端は、脊髄幹医療機器に接続する機能を備えた非ルアーテーパーフィッティングであり、医療アダプターアセンブリの反対側の端は、標準ルアー医療機器に接続する機能を備えた標準ルアーフィッティングである。非ルアー脊髄幹フィッティング(non-luer neuraxial fitting)は、標準のルアーフィッティング(継手)に直接接続することはできない。1つまたは複数の実施形態では、医療用アダプターアセンブリは、脊髄幹端(neuraxial end)から標準ルアー端(standard luer end)への流体の流れを防ぎながら、標準ルアー端から脊髄幹端への流体の流れを可能にする逆止弁を含む。
【0028】
1つまたは複数の実施形態では、逆止弁は、非ルアー脊髄幹端とルアー端との間に配置される。1つまたは複数の実施形態では、逆止弁は、医療用アダプターアセンブリの第1の端部および第2の端部と一体的に形成される。脊髄幹フィッティング(継手)および標準ルアーフィッティングが逆止弁(check valve)から突き出る場合がある。
【0029】
1つまたは複数の実施形態によれば、医療用アダプターアセンブリは、ISO80369-6に準拠し、脊髄幹用途(neuraxial applications)に利用することができるであろう。本明細書で使用される場合、「脊髄幹適用(neuraxial applications)」という用語は、脊髄幹部位への薬物投与、創傷浸潤麻酔送達、および他の局所麻酔手順、または治療または診断目的で脳脊髄液を監視または除去することを目的とした医療機器の使用を含む。脊髄幹の部位には、脊椎くも膜下腔またはくも膜下腔、脳室、硬膜上腔、硬膜外腔、または硬膜周囲腔が含まれる。脊髄幹麻酔薬は、局所的に投与することができ、例えば、四肢(手足)などの体の大部分に影響を及ぼし、神経叢ブロックまたは単一神経ブロックを含む。脊髄幹麻酔の適用手順には、局所麻酔薬による創傷の持続注入が含まれる。
【0030】
1つまたは複数の実施形態によれば、医療用アダプターアセンブリは、硬膜外血液パッチ処置に利用されるであろう。本明細書で使用される場合、「硬膜外血液パッチ処置」という文言は、通常、以前の腰椎穿刺の結果として脊髄の硬膜に空いた1つまたは多くの穴を閉じるために、自己血液(すなわち、患者自身の血液)を使用する外科的処置を指す。硬膜外血液パッチ手順は、腰椎穿刺(つまり、脊椎穿刺)によって引き起こされる硬膜外穿刺後の頭痛を和らげるために使用できる。硬膜外血液パッチ処置中に、少量の患者の血液が最初の穿刺部位の近くの硬膜外腔に注入され、血液の凝固因子が血栓を引き起こし、それが硬膜の穴を閉じて髄膜の漏出を停止する。硬膜外血液パッチの手順には、硬膜外穿刺に関連するリスクが伴う。
【0031】
1つまたは複数の実施形態は、脊髄幹フィッティング(継手)に接続することができる医療用アダプターアセンブリを提供する。本書で使用されている「脊髄幹フィッティング」という用語は、ISO80369-6に準拠した小口径の非ルアーコネクターを指す。業界では、脊髄幹フィッティングはNRFit(登録商標)と呼ばれている。これらの小口径コネクターは、実装すると、誤接続や誤注入を防ぐのに役立つ。
【0032】
図5~8を参照すると、1つまたは複数の実施形態では、医療用アダプターアセンブリ500は、標準的なルアーフィッティングに直接接続できない脊髄幹フィッティング504を含む第1の端部502と、第1の端部502の反対側の第2の端部506であって、静脈内医療機器の標準的なルアーフィッティングに接続可能な標準的なルアーフィッティング508を備える第2の端部506と、第2の端部506から第1の端部502への流体の流れを可能にし、第1の端部502から第2の端部506への流体の流れを防止する逆止弁510と、を含んでいる。
【0033】
1つまたは複数の実施形態では、脊髄幹フィッティング504は、メスの脊髄幹フィッティングである。
1つまたは複数の実施形態では、標準的なルアーフィッティング508は、オスのルアーフィッティングである。本明細書で使用される場合、「オス型ルアーフィッティング」という用語は、細長いノズルおよびノズルの周りに取り付けられためねじロックリングを有する医療機器フィッティングを指す。
【0034】
新しいISO80369-6規格は、ルアーシステムとNRFit(登録商標)システム間の誤接続/誤注入の可能性を排除することを目的としている。一部のメーカーは、NRFit(登録商標)を着色やパッケージングなどのルアーフィッティングと簡単に区別するのに役立つ機能を組み込んでいる。医療業界では、黄色は脊髄幹(neuraxial)の経路を示すために一般的に使用されている。したがって、1つまたは複数の実施形態では、医療用アダプターアセンブリ500は黄色である。
【0035】
図6は、図5に示される医療用アダプターアセンブリを示す正面図である。1つまたは複数の実施形態では、医療用アダプターアセンブリ500は、標準的なルアーフィッティングに直接接続できない脊髄幹フィッティング504を含む第1の端部502を備える。図7は、第1の端部502の反対側の第2の端部506が図5に示されている医療用アダプターアセンブリ500の背面図である。1つまたは複数の実施形態では、第2の端部506は、80369-7に準拠する静脈内医療機器の標準的なルアーフィッティングに接続可能な標準的なルアーフィッティング508を備える。
【0036】
図8は、図5に示される線8-8に沿って取られた医療用アダプターアセンブリ500の断面斜視図800を示している。1つまたは複数の実施形態では、医療用アダプターアセンブリ500は、標準的なルアーフィッティングに直接接続できない脊髄幹フィッティング504を含む第1の端部502と、第1の端部502の反対側の第2の端部506であって、静脈内医療機器の標準的なルアーフィッティングに接続可能な標準的なルアーフィッティング508を備える第2の端部506と、チャネル512を介して第2の端部506から第1の端部502への流体の流れを可能にし、第1の端部502から第2の端部506への流体の流れを防ぐ逆止弁510と、を含む。逆止弁510が概略的に示されている。本明細書で使用される場合、「逆止弁」という用語は、値(value)の本体に2つの開口部を有する2ポート弁を指し、一方は流体が入るための開口部であり、他方は流体が出るための開口部である。逆止弁(check valves)は自動的に機能し、患者、医療提供者、または介護者によって制御されない。1つまたは複数の実施形態では、逆止弁は、一方向にのみ流体が流れることを可能にする一方向弁である。1つまたは複数の実施形態では、逆止弁は、医療用アダプターアセンブリの第1の端部502から第2の端部506への流体の流れを防止しながら、医療用アダプターアセンブリの第2の端部506(すなわち、標準的なルアーフィッティング508を有する端部)から第1の端部502(すなわち、脊髄幹フィッティング504を有する端部)への流体の流れを可能にする。1つまたは複数の実施形態では、流体は、第2の端部506から逆止弁510を通って第1の端部502に流れる。逆止弁510は、流体が一方向にのみ流れることを可能にするために医療機器で使用される任意の適切なタイプの逆止弁であり得る。適切な逆止弁(チェックバルブ)の例には、ダックビルバルブ、アンブレラバルブ、ボールチェックバルブ、ダイヤフラムチェックバルブ、スイングチェックバルブ、ストップチェックバルブ、リフトチェックバルブなどがあるが、これに限定されない。特定の実施形態では、逆止弁は、ボールチェック弁、ダイヤフラム逆止弁、スイング逆止弁、ストップチェック弁、リフト逆止弁などのうちの1つまたは複数から選択される。
【0037】
1つまたは複数の実施形態では、逆止弁510は、第1の端部502と第2の端部506との間に配置される。1つまたは複数の実施形態では、逆止弁510は、第1の端部502および第2の端部506と一体的に形成される。1つまたは複数の実施形態では、脊髄幹フィッティング(継手)504および標準ルアーフィッティング508は、逆止弁510から突出している。
【0038】
図9は、1つまたは複数の実施形態による医療用アダプターアセンブリを含む採血セット900を示す分解図である。示される実施形態における採血セット900は、針カニューレ904を含むカテーテルアセンブリ902と、カテーテルアセンブリ902の両端にあるメスの標準ルアーアダプター906とを含む。カテーテルアセンブリは、針カニューレ904がカテーテルハブ遠位端912から延びるカテーテルハブ本体920を含む。カテーテルアセンブリ902は、採血手順中にカテーテルハブ本体920を患者に接着するために使用され得る一対の翼908を含む。示される実施形態では、メスの標準ルアーアダプター906を含む標準ルアーコネクター910は、チューブ918によってカテーテルハブ本体920に流体的に接続されている。脊髄幹注射器922は、注射器バレル926と、ISO80369-6に準拠するオスの脊髄幹コネクター924とを含み、これは、カテーテルアセンブリ902のメスの標準ルアーアダプター906に直接接続できない。
【0039】
オスの脊髄幹コネクター924のメスの標準ルアーアダプター906への接続は、図5~8に関して示される医療用アダプターアセンブリ500によって可能になる。医療用アダプターアセンブリ500は、脊髄幹フィッティング504を含む第1の端部502と、第1の端部502の反対側の第2の端部506であって、脊髄幹フィッティングに直接接続できない標準的なルアーフィッティング508および第1の端部502から第2の端部506への流体の流れを妨げる逆止弁(図8に示される)を含む第2の端部506とを備えていてもよい。図9に示されるように、医療用アダプターアセンブリ500の脊髄幹フィッティング504を有する第1の端部502は、注射器バレル926のISO80369-6に準拠するオス脊髄幹コネクター924に直接接続可能である。したがって、示されるように、カテーテルアセンブリ902は、本開示の医療用アダプターアセンブリ500なしで、図示された採血セット900の脊髄幹注射器922と互換性がない。
【0040】
図10は、1つまたは複数の実施形態による、組み立てられた構成における図9に示される採血セットを示す図である。示される実施形態における採血セット900は、針カニューレ904を含むカテーテルアセンブリ902と、カテーテルアセンブリ902の両端にあるメスの標準ルアーアダプター906とを含む。カテーテルアセンブリ902は、針カニューレ904がカテーテルハブ遠位端912から延びるカテーテルハブ本体920を含む。カテーテルアセンブリ902は、採血手順中にカテーテルハブ本体920を患者に接着するために使用され得る一対の翼908を含む。示される実施形態では、メスの標準ルアーアダプター906を含む標準ルアーコネクター910は、チューブ918によってカテーテルハブ本体920に流体的に接続されている。脊髄幹注射器922は、注射器バレル926と、ISO80369-6に準拠するオスの脊髄幹コネクター924とを含み、これは、カテーテルアセンブリ902のメスの標準ルアーアダプター906に直接接続できない。
【0041】
オスの脊髄幹コネクター924のメスの標準ルアーアダプター906への接続は、図5~8に関して示される医療用アダプターアセンブリ500によって可能になる。医療用アダプターアセンブリ500は、脊髄幹フィッティング504を含む第1の端部502と、第1の端部502の反対側の第2の端部506であって、脊髄幹フィッティングに直接接続できない標準的なルアーフィッティング508を含む第2の端部506と、第1の端部502から第2の端部506への流体の流れを妨げる逆止弁(図8に示される)と、を含む。図10に示されるように、医療用アダプターアセンブリ500の脊髄幹フィッティング504を有する第1の端部502は、注射器バレル926のISO80369-6に準拠するオス脊髄幹コネクター924に接続されている。
【0042】
本開示の第2の態様は、方法に関する。図10を参照すると、1つまたは複数の実施形態では、方法は、注射器バレル926を含む脊髄幹注射器922と、メスの標準ルアーアダプター906を含む標準的なルアーコネクター910に直接接続できない(すなわち、ISO80369-6に準拠する)オスの脊髄幹コネクター924とを医療用アダプターアセンブリ500に接続することを含む。医療用アダプターアセンブリ500は、脊髄幹フィッティング504を含む第1の端部502と、第1の端部502の反対側の第2の端部506であって、脊髄幹フィッティングに直接接続できない標準的なルアーフィッティング508と共に、破線の矢印によって示されるように第1の端部502から第2の端部506への流体の流れを防ぐが、矢印503(図8に示される)の方向への流体の流れを許容する逆止弁510(図8に示される)を含む第2の端部506と、を有する。次に、この方法は、医療用アダプターアセンブリ500を脊髄幹注射器922から切り離し、医療用アダプターアセンブリ500の脊髄幹フィッティング504を脊髄幹針(図示せず)に接続することを含む。
【0043】
1つまたは複数の実施形態では、この方法は、患者の硬膜外腔から注射器バレル926に血液を引き込むことをさらに含む。1つまたは複数の実施形態では、この方法は、硬膜外血液パッチ手順を実行することをさらに含む。
【0044】
1つまたは複数の実施形態では、この方法は、脊髄幹注射器922の遠位先端930を脊髄幹針の脊髄幹フィッティングに接続する前に、脊髄幹注射器922の遠位先端930を消毒することをさらに含む。1つまたは複数の実施形態では、脊髄幹針は、脊椎針および硬膜外針から選択される。
【0045】
本開示の第3の態様は、キットに関する。1つまたは複数の実施形態では、キットは、医療用アダプターアセンブリ、注射器、および針を含む。1つまたは複数の実施形態では、キット内の医療用アダプターアセンブリは、標準的なルアーフィッティングに直接接続できない脊髄幹フィッティングを含む第1の端部と、前記第1の端部の反対側の第2の端部であって、静脈内医療機器の標準的なルアーフィッティングに接続可能な標準的なルアーフィッティングを含む前記第2の端部と、前記第2の端部から前記第1の端部への流体の流れを許容し、前記第1の端部から前記第2の端部への流体の流れを防ぐ逆止弁とを含む。1つまたは複数の実施形態では、キット内の注射器は、標準的なルアーフィッティングに直接接続できない脊髄幹フィッティングを備えた遠位先端を含む。1つまたは複数の実施形態では、キット内の針は、硬膜外腔に薬物を送達するように適合されている。
【0046】
医療用アダプターアセンブリの構成要素および1つまたは複数の実施形態のキットは、医療およびヘルスケア用途に適した様々な材料で製造することができる。例えば、医療用アダプターアセンブリは、ナイロン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、およびポリ塩化ビニルなどの医療グレードの材料から製造することができる。注射器は、ナイロン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、およびポリ塩化ビニルなどの医療グレードの材料から製造することができる。特定の実施形態では、注射器は、1つまたは複数のポリプロピレンまたはポリカーボネートから製造される。
【0047】
1つまたは複数の実施形態では、キットは、硬膜外カテーテルをさらに含む。1つまたは複数の実施形態では、キットは、スレッドアシストガイドをさらに含む。1つまたは複数の実施形態では、キットは、硬膜外フラットフィルターをさらに含む。1つまたは複数の実施形態では、キットは硬膜外キットである。
【0048】
ここで別の実施形態である図11~13を参照すると、医療用アダプターアセンブリ600は、標準的なルアーフィッティングに直接接続できないねじ山付きコネクター605を含む脊髄幹フィッティング604を含む第1の端部602と、第1の端部602の反対側の第2の端部606であって、静脈内医療装置のフィッティングに接続可能なフィッティング608を備える第2の端部606と、第2の端部606から第1の端部602への流体の流れを可能にし、第1の端部602から第2の端部606への流体の流れを防止する逆止弁610とを含む。示される実施形態では、逆止弁610は、ダックビル弁の形態である。ねじ山付きコネクター605はラグ(lugs)を含むが、いくつかの実施形態では、ねじ山接続は、図5に示されるようなねじ山を含むことができる。1つまたは複数の実施形態では、脊髄幹フィッティング604は、メスの脊髄幹フィッティングである。1つまたは複数の実施形態では、フィッティング608は、摩擦嵌め(friction fit)または圧入(press fit)によってカテーテルチューブをフィッティング608に挿入することを可能にすることができるスリップタイプの接続を備える。いくつかの実施形態では、フィッティング108は、図14に示されるチューブ918の直径よりもわずかに小さい直径を有する開口部を有する。
【0049】
図14は、1つまたは複数の実施形態による医療用アダプターアセンブリを含む採血セット900を示す分解図である。示される実施形態における採血セット900は、針カニューレ904およびカテーテルアセンブリ902の両端にあるカテーテルチューブ端部907を含むカテーテルアセンブリ902を含む。カテーテルアセンブリは、針カニューレ904がカテーテルハブ遠位端912から延びるカテーテルハブ本体920を含む。カテーテルアセンブリ902は、採血手順中にカテーテルハブ本体920を患者に接着するために使用され得る一対の翼908を含む。示される実施形態では、カテーテルチューブ端部907を含むカテーテルチューブ911は、カテーテルチューブ端部907によってカテーテルハブ本体920に流体的に接続されている。脊髄幹注射器922は、注射器バレル926と、カテーテルアセンブリ902に直接接続できないISO80369-6に準拠するオスの脊髄幹コネクター924とを含む。
【0050】
オス脊髄幹コネクター924のカテーテルチューブ端部907への接続は、図11~13に関して示される医療用アダプターアセンブリ600によって可能になる。医療用アダプターアセンブリ600は、脊髄幹フィッティング604を含む第1の端部602と、第1の端部602の反対側の第2の端部606であって、脊髄幹フィッティングに直接接続できないフィッティング608を含む第2の端部606と、第1の端部602から第2の端部606への流体の流れを妨げる逆止弁610(図13に示される)とを含む。医療用アダプターアセンブリ600の脊髄幹フィッティング604を有する第1の端部602は、注射器バレル926のISO80369-6に準拠するオス脊髄幹コネクター924に直接接続可能である。したがって、示されるように、カテーテルアセンブリ902は、本開示の医療用アダプターアセンブリ600なしで、図示された採血セット900の脊髄幹注射器922と互換性がない。図11~14に関して示される実施形態は、上記のような血液パッチ手順に使用することができる。カテーテルチューブ端部907は、フィッティング608に挿入され、スリップタイプの接続によって接続され得、名目上線形運動を使用して、摩擦嵌めまたは圧入によって医療デバイスを医療アダプターアセンブリに固定する。フィッティング608は、チューブ918(例えば、カテーテルチューブ)の直径よりわずかに小さい直径を有する開口部を有し、これにより、チューブ918とフィッティング608とのスリップタイプの接続が可能になる。
【0051】
本明細書全体における「一実施形態」、「ある特定の実施形態」、「1つまたは複数の実施形態」または「ある実施形態」に対する言及は、実施形態に関連して記載されている特定の特色、構造、材料、または特徴が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味する。すなわち、「1つまたは複数の実施形態において」、「特定の実施形態において」、「1つの実施形態において」または「実施形態において」のような語句の、本明細書全体の様々な場所における出現は、必ずしも、本開示の同一の実施形態を指しているとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、材料、または特色は、1つまたは複数の実施形態において任意の適当な様式で組み合わされ得る。
【0052】
本開示は特定の実施形態を参照して記載されているが、これらの実施形態は本開示の原理及び応用の例示に過ぎないことが理解されるべきである。本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な修正および変形を本開示の方法および装置に対して行うことができることは、当業者にとって明らかであろう。従って、本開示は、添付の特許請求の範囲およびその等価物の範囲内である修正および変形を含むことが意図される。
図1
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図5
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