IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツングの特許一覧

<>
  • 特許-自己制御型冷却部を備えた駆動装置 図1
  • 特許-自己制御型冷却部を備えた駆動装置 図2
  • 特許-自己制御型冷却部を備えた駆動装置 図3
  • 特許-自己制御型冷却部を備えた駆動装置 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】自己制御型冷却部を備えた駆動装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 11/04 20060101AFI20240830BHJP
   B60L 9/18 20060101ALI20240830BHJP
   B60K 1/00 20060101ALI20240830BHJP
【FI】
B60K11/04 G
B60L9/18 J
B60K1/00
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022549833
(86)(22)【出願日】2021-02-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-05
(86)【国際出願番号】 EP2021053843
(87)【国際公開番号】W WO2021165294
(87)【国際公開日】2021-08-26
【審査請求日】2022-09-12
(31)【優先権主張番号】102020202203.8
(32)【優先日】2020-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100195408
【弁理士】
【氏名又は名称】武藤 陽子
(72)【発明者】
【氏名】ヘンケル,アヒム
(72)【発明者】
【氏名】ヴァーヴェル,マヌエル
【審査官】結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-256313(JP,A)
【文献】“第76回 トヨタアクアのHVシステム”,自動車技術トレンド,MOTOWN21.com[online],日本,株式会社ティオ,2012年,[令和5年9月14日検索],インターネット<URL:http://www.motown21.com/Tech/Trend_76/index.php>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 11/04, 1/00,
B60L 9/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
- 少なくとも1つの電気モータ(2)、
- 前記電気モータ(2)を制御するための少なくとも1つの駆動インバータ(4)、
- 少なくとも1つの冷却剤ポンプ(18)と、冷却器(14)と、少なくとも1つのポンプインバータ(16)と、少なくとも1つの熱交換器(20)とを備えた少なくとも1つの冷却ユニット(12)であって、前記熱交換器(20)が、冷却剤回路(22)を介して前記冷却剤ポンプ(18)および前記冷却器(14)と、流体結合している冷却ユニット(12)を有する駆動装置(1)であって、
少なくとも1つのポンプインバータ(16)が、前記駆動インバータ(4)に隣接して共有の冷却板上に配置されており、前記冷却剤ポンプ(18)が前記ポンプインバータ(16)によって制御可能であることを特徴とする駆動装置(1)。
【請求項2】
前記駆動装置(1)は、電気駆動可能な車両のための駆動装置(1)である、請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記電気モータ(2)および前記駆動インバータ(4)が、または前記電気モータ(2)、前記駆動インバータ(4)、およびギアが、電動アクスルとして形成されている、請求項2に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記ポンプインバータ(16)が、前記駆動インバータ(4)共有のハウジング(26)内に配置されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記冷却剤ポンプ(18)が、前記共有のハウジング(26)内に配置され、かつ、前記電気モータ(2)が前記共有のハウジング(26)内に配置されている、請求項4に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記電気モータ(2)、前記駆動インバータ(4)、および/または前記ポンプインバータ(16)が1つの共有の熱交換器(20)を有し、前記熱交換器(20)が前記冷却剤ポンプ(18)と流体結合している、請求項1から5のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記駆動インバータ(4)および前記少なくとも1つのポンプインバータ(16)が、1つの共有の熱交換器(20.2)とまたは別々の熱交換器(20.2、20.3、20.4)と熱的に結合している、請求項1から5のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記電気モータ(2)が第1の熱交換器(20.1)と熱的に連結しており、前記第1の熱交換器(20.1)が、第1の冷却剤回路(22.1)を介して第1の冷却ユニット(12.1)と、流体結合しており、前記駆動インバータ(4)および/または少なくとも1つのポンプインバータ(16)が、少なくとも1つの第2の熱交換器(20.2)と熱的に連結しており、前記第2の熱交換器(20.2)が、第2の冷却剤回路(22.2)を介して第2の冷却ユニット(12.2)と、流体結合している、請求項1から5のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの冷却剤回路(22)が冷却剤を有し、前記冷却剤が、油、水、または水溶液である、請求項1から8のいずれか一項に記載の駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの電気モータを有し、電気モータを制御するための少なくとも1つの駆動インバータを有し、かつ少なくとも1つの冷却剤ポンプと、冷却器と、少なくとも1つのポンプインバータと、少なくとも1つの熱交換器とを備えた少なくとも1つの冷却ユニットを有する、駆動装置、とりわけ電気駆動可能な車両のための駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気駆動は、車両の電動化に際してますます重要性を増している。電気モータは動作中に損失電力を発生させ、この損失電力は、電気モータおよび相応のパワーエレクトロニクスまたはインバータから熱の形態で排出されなければならない。とりわけ性能の良い電気モータでは、電気駆動部のコンポーネントを外部から冷却することが、これらのコンポーネントの動作をその仕様内で可能にするために必要である。
【0003】
外部の冷却部は一般的に冷却剤ポンプを含み、これらの冷却剤ポンプは、別々のデータ線および供給線を介して制御され、かつ電気エネルギーを供給される。車両の総合効率を高めるため、冷却剤ポンプは需要に即応して制御される。これにより、電気駆動部の出力要求が高い場合は、冷却剤ポンプによっても冷却能力の上昇が要求され得る。車両レベルでの提供される冷却能力のこのような最適化は、しばしば複雑であり、かつ技術的に厄介である。さらに、冷却部を中央の制御機器に電気接続するための組立て作業が面倒である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2013/116871号明細書
【文献】米国特許出願公開第2020/031191号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/289583号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の基礎となる課題は、費用効率が良くてコンパクトな冷却部を備えた駆動装置を提案することに見いだされ得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、独立請求項のそれぞれの主題によって解決される。本発明の有利な形態はそれぞれの従属請求項の主題である。
本発明の一態様に基づき、駆動装置、とりわけ電気駆動可能な車両のための駆動装置が提供される。この駆動装置は、少なくとも1つの電気モータおよび電気モータを制御するための少なくとも1つの駆動インバータを有する。
【0007】
さらに、少なくとも1つの冷却剤ポンプ、冷却器、少なくとも1つのポンプインバータ、および少なくとも1つの熱交換器を備えた少なくとも1つの冷却ユニットが設けられている。熱交換器は、冷却剤回路を介して冷却剤ポンプおよび冷却器と、流体結合している。
【0008】
少なくとも1つのポンプインバータが、駆動インバータに組み込まれているかまたは駆動インバータに隣接して配置されていることが好ましく、冷却剤ポンプはポンプインバータによって制御可能である。
【0009】
したがってこの駆動装置は、駆動系のアセンブリを、HVAC/冷却領域のアセンブリと組み合わせている。これにより、より割安な全体システムおよび車両が提供され得る。この場合、駆動インバータが、電気駆動部の冷却剤ポンプの制御を担い得る。これは、駆動インバータへの1つもしくは複数の相応のポンプインバータの組込みまたは駆動インバータの隣へのこれらのポンプインバータの配置によって行われる。
【0010】
駆動インバータは、少なくとも1つの電気モータを制御するために適応されており、かつトラクションバッテリーまたは直流電圧源の直流電圧を、電気モータの動作のために変換し得る。例えば駆動インバータは、3相または6相の電気モータを制御するために、直流電圧を交流電圧に変換し得る。これに関し駆動インバータは、例えば駆動インバータに出力要求を通知し得るデータインターフェイスを有し得る。
【0011】
ポンプインバータは、1つまたは複数の冷却剤ポンプを制御でき、したがって冷却剤回路内の冷却剤の搬送を可能にし得る。これに関しポンプインバータは、駆動コンポーネントの必要な出力に応じて、冷却剤のより高いまたはより低い体積流量を調整し得る。
【0012】
本発明による駆動装置により、自己制御型または自己管理型の冷却部を備えた電動アクスルが実現され得る。とりわけ、出力供給および/またはデータ供給の際に、これらが集中的にアクスル側または電気モータ側の駆動インバータから供給されるので、シナジーが生じる。
【0013】
冷却アセンブリの制御部を駆動インバータに組み込むことで、この駆動インバータから、自己完結型の容易に適用可能なシステムが作られる。とりわけ、技術的に厄介な、冷却剤ポンプと、中央の制御機器と、駆動コンポーネントとの間での冷却剤流量の通信の実行をなくすことができる。したがって、例えば電気モータおよび駆動インバータのような駆動コンポーネントが、それ自体の冷却を引き起こすことができ、このようにして電動車両内の熱的、電気的、および機械的な制御を担い得る。これにより、トルク制御(トラクションおよび回生による減速)に関して自立的に設計され得る多機能型駆動装置がもたらされる。
【0014】
上位に置かれた車両制御部に対する主要なインターフェイスとして、ユニットとして形成された駆動装置がデータインターフェイスを有し得る。このデータインターフェイスを介し、横方向の目標値設定、例えばトルク設定、力設定、または加速度設定が、中央の車両制御部と交換され得る。
【0015】
さらなる利点は、少なくとも1つの冷却ユニットのデータ線およびエネルギー供給線をなくすことによるケーブル敷設作業の軽減にある。冷却剤ポンプは、駆動コンポーネントの中心的なデータ供給およびエネルギー供給を介して電気的に接続され得る。これに関し、ポンプインバータおよび駆動装置の熱設計を簡略化するため、駆動インバータ、電気モータ、およびポンプインバータの空間的配置の最適化により、1つの冷却面を一緒に利用することが可能になる。
【0016】
さらに、駆動インバータへのポンプインバータの組込みにより、駆動装置の組立て作業が軽減され得る。この場合、これらのコンポーネントは、比較的少数のネジ止め点で固定されてもよく、かつ車両内の比較的小さな設置スペースを占める。
【0017】
この駆動装置が、電気駆動可能な車両で使用され得ることが好ましい。このような車両は、例えば電動車両またはハイブリッド車両であり得る。
【0018】
車両は、BASt(ドイツ道路交通研究所)規格に基づいて、支援されて、部分自動化されて、高度自動化されて、および/または完全自動化されてもしくは無人で動作可能であり得る。
【0019】
車両は、例えば乗用車、トラック、ロボタクシー、およびその類似物であり得る。車両は、道路上での動作には限定されない。むしろ車両は、水上を走る乗り物、空を飛ぶ乗り物、例えば輸送用ドローン、およびその類似物としても形成されていてもよい。
【0020】
1つの例示的な実施形態では、電気モータおよび駆動インバータが電動アクスルとして形成されている。その代わりにまたはそれに加えて、電気モータのギアも電動アクスルまたはeアクスルに組み込まれていてもよい。したがって駆動装置は、需要に即応した冷却を内部で最適化できる自己冷却型eアクスルとして実現されていることもある。
【0021】
この措置により、冷却剤ポンプのエネルギー消費を最小限に抑えることができ、かつ冷却される駆動コンポーネントの自己防御または寿命が向上し得る。
【0022】
さらなる一つの実施形態によれば、ポンプインバータが、駆動インバータの1つの共有のハウジング内に配置されている。これにより、駆動インバータおよびポンプインバータの空間的連結が実現され得る。この空間的連結により、インバータの熱的な調節の際に、例えば共有の冷却体により、相乗効果を利用できる。
【0023】
さらに、インバータの機能的連結が実行され得る。この機能的結合は、複数のインバータのために、電子コンポーネント、例えばマイクロプロセッサおよびASIC保護回路を共通で利用するために用いられ得る。
【0024】
さらなる1つの例示的な実施形態によれば、冷却剤ポンプが、電気モータおよび/または駆動インバータに隣接して配置されている。これにより冷却剤ポンプが、駆動コンポーネントおよびポンプインバータに空間的に帰属し得る。この場合、冷却剤管および電気線を短くでき、かつ駆動装置の組立て作業が軽減され得る。
【0025】
さらなる一つの実施形態によれば、電気モータ、駆動インバータ、および/またはポンプインバータが1つの共有の熱交換器を有し、この熱交換器が冷却剤ポンプと流体結合している。この措置により、技術的に特に簡単な駆動装置が提供され得る。すべての駆動コンポーネントが、または駆動インバータを伴うポンプインバータだけが、1つの共有の熱交換器および/または1つの共有の冷却面を使用することができ、これにより熱管理の複雑さを軽減できる。
【0026】
さらなる1つの例示的な実施形態によれば、駆動インバータおよび少なくとも1つのポンプインバータが、1つの共有の熱交換器とまたは別々の熱交換器と熱的に結合している。したがって両方のインバータが1つの共有の冷却器または熱交換器を利用することができる。その代わりにまたはそれに加えて、インバータの動作温度に応じて、異なる冷却回路温度をもつ別々の冷却体が設けられ得る。
【0027】
それぞれの冷却剤回路が互いから切り離され得る。この場合、各インバータがその専用の冷却剤回路を有し得る。
【0028】
さらなる一つの実施形態によれば、電気モータが第1の熱交換器と熱的に連結しており、第1の熱交換器が、第1の冷却剤回路を介して第1の冷却ユニットと、流体結合している。
【0029】
駆動インバータおよび/または少なくとも1つのポンプインバータは、少なくとも1つの第2の熱交換器と熱的に連結していることが好ましく、第2の熱交換器は、第2の冷却剤回路を介して第2の冷却ユニットと、流体結合している。この形成形態では、少なくとも1つの電気モータが、インバータの冷却ユニットとは異なる冷却ユニットによって熱的な調節され得る。この措置により、電気モータに対してと、駆動インバータおよびポンプインバータの形態での電気モータおよびポンプモータの制御のためのパワーエレクトロニクスに対してとの、異なる温度レベルが実現され得る。例えば、電気モータがパワーエレクトロニクスより高い温度レベルで動作され得る。これにより、駆動装置の冷却が特に効率的になり得る。
【0030】
さらなる1つの例示的な実施形態によれば、少なくとも1つの冷却剤回路が冷却剤を有し、この冷却剤が、油、水、空気、としてまたは水溶液として形成されている。これにより、駆動コンポーネントの熱的な調節が特に多面的に実行され得る。
【0031】
例えば、電気モータがインバータとは異なる冷却剤で冷却され得る。
異なる冷却剤回路が同じまたは異なる冷却剤を有し得る。
以下に、非常に簡略化した概略図に基づいて、本発明の好ましい例示的な実施形態をより詳しく解説する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】一つの実施形態に基づく駆動装置の概略図である。
図2】さらなる一つの実施形態に基づく駆動装置の概略図である。
図3】一つの実施形態に基づく別々の冷却剤回路を備えた駆動装置の概略図である。
図4】さらなる一つの実施形態に基づく別々の冷却剤回路を備えた駆動装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1では、一つの実施形態に基づく駆動装置1の概略図が示されている。駆動装置1は、電気駆動可能な車両、例えば電動車両またはハイブリッド車両において用いられ得る。
【0034】
例示的な実施形態において図示されている駆動装置1は、電気モータ2および電気モータ2を制御するための駆動インバータ4を有する。
【0035】
駆動インバータ4は、トラクションバッテリー6から提供される電気エネルギーを電気モータ2に提供および調節することができる。例えば駆動インバータ4が、直流電圧として提供されるトラクションバッテリー6のエネルギーを、交流電圧の形態で電気モータ2に提供し得る。
【0036】
上位に置かれた車両制御部8に対するインターフェイスとして、駆動装置1はデータインターフェイス10を有し得る。データインターフェイス10を介し、横方向の目標値設定、例えばトルク設定、力設定、または加速度設定が、中央の車両制御部8と交換され得る。
【0037】
駆動装置1はさらに冷却ユニット12を有する。冷却ユニット12は、例えば冷却器14、ポンプインバータ16、および冷却剤ポンプ18を有し得る。熱交換器20を介し、冷却ユニット12が、可能である。
【0038】
ポンプインバータ16は、冷却剤ポンプ18の制御のために用いられ、かつ好ましくは駆動インバータ4に組み込まれているかまたは駆動インバータ4に隣接して配置されている。
【0039】
電気モータ2、駆動インバータ4、およびポンプインバータ16が、ユニットとして、例えば電動アクスルとして形成されていてもよい。
【0040】
冷却剤ポンプ18は、冷却剤回路22内の冷却剤を搬送し得る。冷却剤回路22は、冷却剤ポンプ18を冷却器14および熱交換器20とつなぐ。
【0041】
熱交換器20は、駆動インバータ4、電気モータ2、およびポンプインバータ16の損失電力および廃熱を冷却剤に移すために適応されている。冷却剤によって吸収された熱は、その後、冷却器14で放出され得る。
【0042】
電動アクスルへのポンプインバータ16の組込みにより、ポンプインバータ16は、駆動インバータ4の接続によって一緒に供給され得る。さらに、冷却剤ポンプ18の出力要求が、冷却されるべき電動アクスルのすぐそばで確定され得る。冷却剤ポンプ18の制御は、ポンプインバータ16によって直接的に行われる。
冷却剤回路22内の冷却剤は、例えば水溶液であり得る。
【0043】
図2は、さらなる一つの実施形態に基づく駆動装置1を概略図において図解している。図1に示された駆動装置1とは異なり、駆動インバータ4およびポンプインバータ16のパワーエレクトロニクスの簡略化された熱管理を可能にするため、駆動インバータ4およびポンプインバータ16が1つの共有の冷却板24上に配置されている。
【0044】
図示された例示的な実施形態の駆動装置1はさらに、共有のハウジング26内に冷却ユニット12および電動アクスル4、2、16の配置を有する。これにより、駆動装置1全体が、簡単に組立て可能なユニットとして形成されていてもよい。
【0045】
図3では、一つの実施形態に基づく別々の冷却剤回路22.1、22.2を備えた駆動装置1の概略図を示されている。
【0046】
電気モータ2は、第1の熱交換器20.1と熱的に連結しており、第1の熱交換器20.1は、第1の冷却剤回路22.1を介して第1の冷却ユニット12.1と、流体結合している。第1の熱交換器20.1は、第1の冷却ユニット12.1を介して冷却剤を供給される。その際、第1の冷却剤ポンプ18.1が、第1の冷却剤回路22.1内の冷却剤を搬送する。
【0047】
第2の冷却剤回路22.2は、第2の冷却ユニット12.2を介し、第2の冷却剤ポンプ18.2によって動作される。ここで第2の熱交換器20.2は、第2の冷却剤回路22.2と流体結合している。
【0048】
第1の冷却剤ポンプ18.1は第1のポンプインバータ16.1によって、および第2の冷却剤ポンプ18.2は第2のポンプインバータ16.2によって制御され、かつ電気エネルギーを供給される。
【0049】
第1の冷却ユニット12.1は、第1の冷却剤回路22.1により、電気モータ2の熱的な調節のために、第1の熱交換器20.1内の第1の温度レベルまたは熱移動を調整し得る。
【0050】
第2の冷却ユニット12.2は、第2の冷却剤回路22.2により、駆動インバータ4および第2のポンプインバータ16.2の熱的な調節のために、第2の熱交換器20.2内の第2の温度レベルまたは熱移動を調整し得る。この際に、第1のポンプインバータ16.1も同様に第2の熱交換器20.2によって冷却され得る。
【0051】
熱交換器20は、基本的に、コンポーネントの冷却だけに適しているのではない。駆動装置1の形態に応じて、熱交換器20は、コンポーネントの最適な仕様内での動作を可能にするため、コンポーネントの加熱にも使用され得る。
【0052】
図4は、さらなる一つの実施形態に基づく別々の冷却剤回路22.1、22.2を備えた駆動装置1の概略図を示す。図3に示された例示的な実施形態とは異なり、この駆動装置1は、各インバータ4、16.1、16.2のために別々の熱交換器20.2、20.3、20.4を有する。熱交換器20.2、20.3、20.4はすべて一緒に、第2の冷却剤回路22.2と流体結合している。
【0053】
見やすくするために図3および図4では冷却器14を図示していない。
代替的な形態によれば、異なるインバータ4、16.1、16.2を冷却するために、複数の互いから切り離された冷却剤回路が用いられてもよい。例えば各インバータ4、16.1、16.2が1つの熱交換器20.2、20.3、20.4によって冷却され得、この熱交換器が、それぞれ1つの別々の冷却剤回路と流体連結している。
図1
図2
図3
図4