(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】連続可変トランスミッションを制御するための方法および前記方法を実施するための制御システムを備えたトランスミッション
(51)【国際特許分類】
F16H 15/38 20060101AFI20240830BHJP
【FI】
F16H15/38
(21)【出願番号】P 2022559697
(86)(22)【出願日】2020-03-30
(86)【国際出願番号】 EP2020058952
(87)【国際公開番号】W WO2021197568
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】518349916
【氏名又は名称】マザロ・エンフェー
【氏名又は名称原語表記】MAZARO NV
【住所又は居所原語表記】Bommelsrede 42, 9070 Destelbergen, BELGIUM
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】フィリプ・デ・マジエール
(72)【発明者】
【氏名】ルカス・プレセント
【審査官】小川 克久
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-167776(JP,A)
【文献】特開2007-002928(JP,A)
【文献】特表2002-523711(JP,A)
【文献】特表2011-522188(JP,A)
【文献】特表2019-510950(JP,A)
【文献】米国特許第06387009(US,B1)
【文献】特表2016-502056(JP,A)
【文献】国際公開第2009/146748(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 15/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通の中心回転軸(4)を中心に回転可能に配置された入力シャフトおよび出力シャフトと、前記中心回転軸(4)に対して同軸に配置されたリングホイール(1)および太陽ホイール(2)と、少なくとも一組の枢動可能な遊星ホイール(3)と、を含む連続可変トランスミッションを制御するための方法であって、前記遊星ホイールの枢動角度(8)により前記連続可変トランスミッションの伝達比が決定され、
前記連続可変トランスミッションは、前記遊星ホイールの前記枢動角度から独立して、前記リングホイール(1)および前記太陽ホイール(2)の表面上で前記遊星ホイール(3)をドリルフリー転動させることを通して動作し、
前記リングホイール(1)が任意の所与の遊星ホイール(3)に第1の法線力(NR)を加え、前記太陽ホイール(2)が前記遊星ホイール(3)に第2の法線力(NZ)を加えるように、前記リングホイール(1)、前記遊星ホイール(3)および前記太陽ホイール(2)が一緒にクランプされ、
前記方法は、前記連続可変トランスミッションが所与の入力速度、所与の伝達トルク、および所与の一定伝達比で動作するとき、前記第1の法線力および前記第2の法線力の所定の静的値が適用され、前記遊星ホイール(3)と前記リングホイール(1)および前記太陽ホイール(2)との間の転動接点にマイクロスリップの状態が適用可能であるように、前記第1の法線力(NR)および前記第2の法線力(NZ)を制御するように構成されている、
方法において、
前記枢動角度(8)
および前記伝達比の連続的な増大または減少中、前記第1の法線力および/または前記第2の法線力の前記静的値に追加される任意の力成分はゼロか、または前記マイクロスリップ
の状態を維持するために必要とされる所定の力成分より小さいかのいずれかである、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記伝達比の増大または減少中、前記第1の法線力および前記第2の法線力の一方は前記静的値に維持され、他方は、前記枢動角度の変化によって生成される接線反力に打ち勝つために制御される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記リングホイール(1)および前記太陽ホイール(2)は第1の油圧(p1)および第2の油圧(p2)の直接または間接的影響下で一緒にクランプされる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の油圧(p1)および前記第2の油圧(p2)は、前記中心回転軸(4)の方向に軸方向に移動するように構成された、それぞれの油圧ピストン(10、11)に直接作用し、前記リングホイール(1)および前記太陽ホイール(2)は前記それぞれの油圧ピストン(10、11)に固定されている、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
共通の中心回転軸(4)を中心に回転可能に配置された入力シャフトおよび出力シャフトと、一または複数組のリングホイール(1)と、前記中心回転軸(4)に対して同軸に配置された太陽ホイール(2)と、一組の枢動可能な遊星ホイール(3)と、を含む連続可変トランスミッションであって、前記遊星ホイールの枢動角度(8)により前記連続可変トランスミッションの伝達比が決定され、前記連続可変トランスミッションは、前記遊星ホイールの前記枢動角度から独立して、前記リングホイール(1)および前記太陽ホイール(2)の表面上で前記遊星ホイール(3)をドリルフリー転動させることを通して動作し、前記リングホイール(1)が任意の所与の遊星ホイール(3)に第1の法線力(NR)を加え、前記太陽ホイール(2)が前記遊星ホイールに第2の法線力(NZ)を加えるように、前記リングホイール(1)および前記太陽ホイール(2)が一緒にクランプされる、連続可変トランスミッションにおいて、前記連続可変トランスミッションは、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法にしたがって前記連続可変トランスミッションを制御するように構成された制御システムを含むことを特徴とする、トランスミッション。
【請求項6】
前記制御システムは油圧制御システムである、請求項5に記載のトランスミッション。
【請求項7】
前記連続可変トランスミッションは、油圧流体によって第1の油圧シリンダ(12)および第2の油圧シリンダ(13)内で実現される第1の油圧(p1)および第2の油圧(p2)によって調節され、前記第1の油圧および前記第2の油圧は、前記リングホイール(1)および前記太陽ホイール(2)を一緒にクランプするように作用する、請求項6に記載のトランスミッション。
【請求項8】
前記第1の油圧(p1)および前記第2の油圧(p2)は、それぞれの前記第1の油圧シリンダ(12)および前記第2の油圧シリンダ(13)の内側で移動可能であるそれぞれの第1のピストン(10)および第2のピストン(11)に直接作用している、請求項7に記載のトランスミッション。
【請求項9】
前記制御システムは第1のモータ/ポンプアセンブリ(20)および第2のモータ/ポンプアセンブリ(21)を含み、各アセンブリは、電気モータ(20b、21b)に結合された油圧ポンプ(20a、21a)を含み、前記アセンブリは、
それぞれの前記第1の油圧シリンダ(12)および前記第2の油圧シリンダ(13)内の前記第1の油圧および前記第2の油圧を制御するように構成されている、請求項7または8に記載のトランスミッション。
【請求項10】
一方のモータ
/ポンプアセンブリの前記油圧ポンプの出力ポートは他方のモータ
/ポンプアセンブリの前記油圧ポンプの入力ポートに接続されている、請求項9に記載のトランスミッション。
【請求項11】
前記
第1のモータ/ポンプアセンブリおよび前記第2のモータ/ポンプアセンブリの前記油圧ポンプ(20a、21a)は油圧モータとして作用することができ、前記
第1のモータ/ポンプアセンブリおよび前記第2のモータ/ポンプアセンブリの前記電気モータ(20b、21b)は発電機として作用することができる、請求項9または10に記載のトランスミッション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願につながるプロジェクトは、助成契約番号768386の下で、欧州連合のホライゾン2020リサーチ及びイノベーションプラグラムからの資金提供を受けた。
【0002】
本発明は、道路車両、オフロード車両、農業機械を駆動するため、または車両内の補助装置ならびに静止または移動機器内の発電機および圧縮機のような産業用コンポーネントを駆動するための可変トランスミッションに関する。本発明は特に、リングホイールおよび太陽ホイールの表面上で一組の遊星ホイールをドリルフリー転動させることを利用する連続可変トランスミッション(CVT)の制御方法に関し、リングホイールおよび太陽ホイールの転動表面は、ドリルフリー転動を可能にする特定のカーブにしたがって設計されている。本説明において、「カーブCVT」という用語は、この特定のタイプのトランスミッションのために適用されることになる。ドリルフリー転動とは、トラクションホイールのトルク伝達転動接点にわずかなマイクロスリップしかないことを意味する。特許文献1および2はこのタイプのトランスミッションの例を示している。
【背景技術】
【0003】
カーブCVTは、リングホイール1、1つまたは複数の遊星ホイール3および太陽ホイール2を含む、
図1および
図2に示すような1つまたは複数のバリエータを含むタイプの連続可変トランスミッションである。遊星ホイール3は、図示の実施形態においてトランスミッションハウジング(図示せず)に接続されている共通の支持リング(図示せず)に対してそれぞれのヒンジ5を中心に自由に枢動可能であるように取り付けられている。リングホイール1および太陽ホイールは共通の中心軸4を中心に回転可能である。
【0004】
リングホイール、太陽ホイールおよび遊星ホイールはトラクションホイールと呼ばれ、リングホイール1に接続された入力シャフト(図示せず)の回転を、太陽ホイール2に接続された出力シャフト(図示せず)の回転に伝達するように構成されている。
【0005】
リングホイール1と遊星ホイール3との間および遊星ホイール3と太陽ホイール2との間でトラクションによってトルクを伝達するため、最小クランプ力それぞれNRおよびNZが必要とされる。これらの力は、リングホイール1と遊星ホイール3との間の接触点6における接平面上および遊星ホイール3と太陽ホイール2との間の接触点7における接平面上でそれぞれ垂直に作用している。リングホイール1上に駆動トルクを印加することによって、太陽ホイール2は、遊星ホイールの回転軸とリングホイール1および太陽ホイール2の共通回転軸4に対する法線との間の傾斜角度8に応じた特定の比で駆動されることになる。リングホイール1および太陽ホイール2上のトルクはそれぞれ点6および7に牽引力を誘発する。これらの牽引力は図の平面上で垂直に配向されている。
【0006】
このタイプのカーブCVTは従来、入力シャフトの速度、伝達トルクおよび伝達比の観点において、トランスミッションの任意の定常状態使用条件でマイクロスリップを維持することを保証する制御システムによって制御される。換言すれば、制御システムは、上記の使用条件の関数として力NRおよびNZの所定の値を適用する。トランスミッションが所与の入力速度およびトルクで、また所与の一定比で動作するとき、マイクロスリップ内での転動が確実に起こる所定の力NRおよびNZが印加される。これらの力は、比が一定のときに定義されるため、以降、静的クランプ力と呼ぶ。
【0007】
図2を参照すると、トランスミッションが動力を伝達し、その比が増大または減少しているとき、傾斜角度8が変化し、これにより、接触点6および7において牽引力およびクランプ力に垂直に作用する横方向の力TRおよびTZも誘発される。伝達比が変化しているとき、トラクションホイールは、変化する転動直径にわたって転動させられ、転動接点に横方向スリップを誘発する。この横方向スリップによって、転動するトラクションホイールは転動方向に垂直にスリップする。横方向スリップは
図2に示す力TRおよびTZに平行であるが、縦方向スリップは断面の平面上で垂直に配向されている。
【0008】
伝達比の変化中にマイクロスリップ状態を維持するため、現在知られている制御システムは比変更中に動的力成分によって静的クランプ力NRおよびNZを増大させる。これは
図2に示され、これは力に対する速い比変更の影響を示している。法線力NRおよびNZは静的値より高いことがわかる。動的力成分は比変更の速度に依存する。換言すれば、比の変化中、一定比のために適用可能な静的クランプ力と比較して、より高いクランプ力が印加される。動的クランプ力は遅いかつ中間の比変更では静的クランプ力の小さなパーセンテージにすぎないが、動的クランプ力は非常に速い比変更では大きくなる。このような非常に速い変化はめったに発生しないが、トランスミッションの最大トルク容量でも非常に速い比変更が必要とされる可能性があるため、機械構造および制御はとにかくこのために設計しなければならない。
【0009】
カーブCVTを制御するために適用される最も一般的な制御システムは油圧力を使用する。
図1に示す実施形態において、固定シリンダ12とこの内側の油圧ピストン10とがスラストベアリング(図示せず)を介してリングホイール1に押し付けられ、同様に固定シリンダ13内の他のピストン11が太陽ホイール2に押し付けられ、両ピストンが油圧p1およびp2の影響下でトラクションホイールを一緒に押すようになっている。ピストンは、供給ライン14および15を流れる油圧流体の影響下で軸方向に移動可能である。これら2つのピストンによってトランスミッションを完全に制御することができ、クランプ力および傾斜角度を独立して制御することができる。入力シャフトおよび出力シャフトのそれぞれリングホイールおよび太陽ホイールへの接続は図面において詳細に示されていない。この接続はたとえば、技術の現状においてそれ自体知られているスライディングスプライン接続によって実現することができ、したがってここでは詳細に説明しない。
【0010】
比変更は、ピストンを軸方向にシフトすることによって実現され、これは、比変更全体を通して圧力p1およびp2を連続的に制御しながら、制御された流れを一方のシリンダ内へ作動させると同時に他方のシリンダから出すことによって行われる。圧力センサおよび/または変位センサを伴う、1つまたは複数の制御ループを通して制御を実現することができ、接触力NRおよびNZが、所定の目標値にしたがって、比変更全体を通して複数の瞬間で制御されるようになっている。接触力NRおよびNZは、伝達トルク、シャフトの速度および比変更の速度を考慮した、制御システムに実装されてそれ自体知られているアルゴリズムに基づいて制御される。
【0011】
より多くのトルクが伝達されるほど、油圧ピストン10および11に対する圧力が高くなる。トランスミッション部品および油圧コンポーネントの構造は、これらの圧力に耐えるように十分強くしなければならない。動的クランプ力による圧力増大はしたがって、特に速い比変更中、不利である。
【0012】
圧力制御は一般に、車両エンジンによってまたは電気モータによって直接駆動されるポンプによって実現される。ポンプ圧力は、圧力が少なくともすべての油圧作動要件の最大値と同じくらい高くなるように、固定圧力または可変圧力に調節される。各作動ピストンへの圧力は、電気ソレノイドによって制御される比例減圧弁によって調節される。作動シリンダ12または13内の容積が増大すると、ソレノイドは、ポンプからの油圧力を消費することによって、このシリンダに流れを供給する。作動シリンダ内の油量が減少すると、ソレノイドは、エネルギーを消散させることによって、油をトランスミッションサンプに排出する。しかしながら、ソレノイド動作弁は、高流量を供給または排出するときに大幅な圧力降下を引き起こし、これは、より高いポンプ圧力を確保することによって補償する必要がある。圧力降下により、特に速い比変更の場合、上述の制御方法によって必要とされる動的クランプ力を送達するという観点において、ソレノイド動作制御システムは特に非効率になる。ソレノイドはまた油圧油中の汚れに弱い。小さな汚れの粒子がソレノイドの固着を引き起こし、実際の圧力が必要とされる圧力と一致しなくなる可能性がある。また、ソレノイドは油圧ブロックに取り付けられるが、これには精密で高価な機械加工が必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】国際公開第2009/146748号
【文献】国際公開第2017/174106号
【文献】国際出願第2008 057009号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、速い比変更中に過度の圧力増大を必要とすることなくドリルフリーカーブCVTを制御することを目的とする。この目的は、添付の請求項によるカーブCVTを制御するための方法によって、および本発明による制御システムを含むカーブCVTによって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の方法は、リングホイール、一組の遊星ホイールおよび太陽ホイールを含むドリルフリーカーブCVTを制御するための方法であり、リングホイール、遊星ホイールおよび太陽ホイールは一緒にクランプされる。一定比のための法線力は法線力の静的値と呼ばれる。先行技術のカーブCVTのように、伝達比が一定であるとき、すなわち遊星ホイールの枢動角度が一定であるとき、リングホイールと一方では太陽ホイール、他方では遊星ホイールとの間の法線力の静的値は、良好に定義される。この方法は、伝達比の連続的な増大または減少中、第1の法線力および/または第2の法線力の静的値に追加される任意の力成分がゼロか、または遊星ホイールとリングホイールおよび太陽ホイールとの間の転動接点のマイクロスリップ状態を維持するために必要とされる所定の力成分より小さいかのいずれかであるように構成されている。この力の制御は比変更の速度に関係なく適用される。
【0016】
本発明は特に、共通の中心回転軸を中心に回転可能に配置された入力シャフトおよび出力シャフトと、中心軸に対して同軸に配置されたリングホイールおよび太陽ホイールと、少なくとも一組の枢動可能な遊星ホイールと、を含む連続可変トランスミッションを制御するための方法に関し、遊星ホイールの枢動角度によりトランスミッションの伝達比が決定され、
- トランスミッションは、遊星ホイールの枢動角度から独立して、リングホイールおよび太陽ホイールの表面上で遊星ホイールをドリルフリー転動させることを通して動作し、
- リングホイールが任意の所与の遊星ホイールに第1の法線力(NR)を加え、太陽ホイールが上記遊星ホイールに第2の法線力(NZ)を加えるように、リングホイール、遊星ホイールおよび太陽ホイールが一緒にクランプされ、
- この方法は、トランスミッションが所与の入力速度、所与の伝達トルク、および所与の一定伝達比で動作するとき、第1の法線力および第2の法線力の所定の静的値が印加され、遊星ホイールとリングホイールおよび太陽ホイールとの間の転動接点にマイクロスリップの状態が適用可能であるように、上記第1の法線力(NR)および第2の法線力(NZ)を制御するように構成されている、
方法において、
- 枢動角度の、したがって伝達比の連続的な増大または減少中、第1の法線力および/または第2の法線力の静的値に追加される任意の力成分はゼロか、またはマイクロスリップ状態を維持するために必要とされる所定の力成分より小さいかのいずれかである、
ことを特徴とする。
【0017】
一実施形態によれば、伝達比の増大または減少中、法線力の一方は静的値に維持され、他方は、枢動角度の変化によって生成される接線反力に打ち勝つために制御される。
【0018】
一実施形態によれば、リングホイールおよび太陽ホイールは第1の油圧および第2の油圧の直接または間接的影響下で一緒にクランプされる。
【0019】
上記油圧は、中心軸の方向に軸方向に移動するように構成された、それぞれの油圧ピストンに直接作用することができ、リングホイールおよび太陽ホイールはそれぞれのピストンに固定されている。
【0020】
本発明は同等に、共通の中心回転軸を中心に回転可能に配置された入力シャフトおよび出力シャフトと、一または複数組のリングホイールと、中心軸に対して同軸に配置された太陽ホイールと、一組の枢動可能な遊星ホイールと、を含む連続可変トランスミッションに関し、遊星ホイールの枢動角度によりトランスミッションの伝達比が決定され、トランスミッションは、遊星ホイールの枢動角度から独立して、リングホイールおよび太陽ホイールの表面上で遊星ホイールをドリルフリー転動させることを通して動作し、リングホイールが任意の所与の遊星ホイールに第1の法線力(NR)を加え、太陽ホイールが上記遊星ホイールに第2の法線力(NZ)を加えるように、リングホイールおよび太陽ホイールが一緒にクランプされる、トランスミッションにおいて、トランスミッションは、本発明の方法にしたがってトランスミッションを制御するように構成された制御システムを含むことを特徴とする。
【0021】
一実施形態によれば、上記制御システムは油圧制御システムである。後者の場合、トランスミッションは、油圧流体によって第1の油圧シリンダおよび第2の油圧シリンダ内で実現される第1の油圧および第2の油圧によって調節することができ、上記圧力は、リングホイールおよび太陽ホイールを一緒にクランプするように作用する。
【0022】
一実施形態によれば、第1の圧力および第2の圧力は、上記それぞれの第1のシリンダおよび第2のシリンダの内側で移動可能であるそれぞれの第1のピストンおよび第2のピストンに直接作用している。
【0023】
上記制御システムは第1のモータ/ポンプアセンブリおよび第2のモータ/ポンプアセンブリを含むことができ、各アセンブリは、電気モータに結合された油圧ポンプを含み、上記アセンブリは、それぞれのシリンダ内の上記第1の圧力および第2の圧力を制御するように構成されている。
【0024】
一実施形態によれば、一方のモータポンプアセンブリのポンプの出力ポートは他方のモータポンプアセンブリのポンプの入力ポートに接続されている。
【0025】
一実施形態によれば、モータポンプアセンブリのポンプは油圧モータとして作用することができ、モータポンプアセンブリの電気モータは発電機として作用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】トランスミッションが一定の伝達比で動作しているとき、ドリルフリーカーブCVTのトラクションホイールに作用する法線力を示す。
【
図2】伝達比が比変更の所与の速度で変化するとき、先行技術の制御システムによって印加される力を示す。
【
図3】伝達比が
図2の場合に匹敵する速度で変化するとき、本発明の方法にしたがって印加される力の一例である。
【
図4】本発明の好ましい一実施形態によるドリルフリーカーブCVTを制御するための油圧制御システムを示す。
【
図5】本発明の代替一実施形態によるドリルフリーカーブCVTを制御するための油圧制御システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、特許文献2から知られている、リングホイール1および太陽ホイール2にピストンおよびスラストベアリングを介してそれぞれ作用する油圧p1およびp2によって制御される、ドリルフリーカーブCVTの上述の基本コンポーネントを示す。リングホイール1または太陽ホイール2が静止しており、ヒンジ5が結合される構造、すなわち中央シャフトまたは円周リングのいずれかが軸方向に移動可能である、他の代替例も可能である。本発明はこれらの実施形態にも適用可能である。しかしながら、リングホイール1および太陽ホイール2が回転可能かつ軸方向に変位可能であり、ヒンジ5が静止している、
図1に示す実施形態に基づいて、本発明を説明する。
【0028】
冒頭で述べたように、
図1は、トランスミッションが一定の伝達比で動作しているときの法線力NRおよびNZを示す。これらのクランプ力NRおよびNZは、リングホイール1と遊星ホイール3との間の接触点6における接平面上、および遊星ホイール3と太陽ホイール2との間の接触点7における接平面上で垂直に作用しているという意味で「法線」力である。リングホイール1上に駆動トルクを印加することによって、太陽ホイール2は遊星ホイール3の傾斜角度8に応じた特定の比で駆動される。リングホイール1および太陽ホイール2上のトルクは接触点6および7に牽引力を誘発する。これらの牽引力は図面の平面上で垂直に配向されている。トランスミッションはドリルスリップなしで動作するため、トラクションホイールのトルク伝達転動接点にはわずかなマイクロスリップしかない。通常このようなマイクロスリップは0.1%と0.3%との間である。牽引力により、このマイクロスリップは接線方向スリップであり、したがって転動方向と平行にスリップが発生する。
【0029】
転動体の接触力学についての科学文献において、マイクロスリップは次のように説明されている。2つの三次元物体が互いの上を転動するとこれらの接触点において法線力がかかり、物体が弾性変形して接触領域が作り出されるようになる。2つの物体間にトラクションが加えられると、接触領域が2つの物体の質点が互いに付着するゾーンを含む限り、物体間のスリップはマイクロスリップと呼ばれる。接触領域の残りにおいて物体の弾性変形により表面は互いの上をスリップする。(高トラクションまたは低法線力のために)付着のゾーンが消えるとスリップはもはやマイクロスリップではなくマクロスリップになる。本説明において、上述の「マイクロスリップ」および「マクロスリップ」の科学的意味が適用される。転動接触が存在しないベルト動作連続可変トランスミッション(ベルトCVT)についても同じ用語が適用される時がある。マイクロスリップおよび/またはマクロスリップに言及するベルトCVTに関するいかなる文献もしたがって本特許出願に関連しない。
【0030】
冒頭で述べ、
図2に示したように、ドリルフリーカーブCVTのための現在の制御戦略は、比変更の速度に依存する動的力成分であって、速い比変更で非常に高くなり、シリンダ12および13内の高圧増大につながり得る、動的力成分を印加することによって、比変更全体を通して転動を常にマイクロスリップ内に保つことである。特に制御システムにソレノイド動作制御弁が装備されているとき、これは効率の低下につながる可能性がある。
【0031】
本発明者らは、理論的および実際的な研究から、ドリルフリーカーブCVTの最適な動作を保証するために比変更中の動的力は必要とされないことを発見した。本発明の方法はこの常識に反する発見に基づいている。本発明の方法によれば、比の連続的増大または減少中、NRおよびNZの静的値にマイクロスリップ維持動的力成分が追加されることはない。「マイクロスリップ維持動的力成分」とは、比変更の速度に依存し、比変更中にマイクロスリップ状態を維持するように構成されている力成分を意味する。好ましい一実施形態によれば、法線力NRまたはNZの一方(2つのうちのどちらか一方は、比が変化している方向に依存する)についての静的クランプ力は、変化の速度に関係なく、比変更全体を通して印加される。これは
図3に示され、
図2に示される同じ(速い)比変更に反応して印加される力の一例を示している。先行技術の制御方法において、NRおよびNZはかなり増大したが、NZは
図3において同じままである一方、NRは、ヒンジを中心に枢動することによって生成される反力TRおよびTZに打ち勝つためにわずかにのみ増大する。
【0032】
そのためNRおよびNZの両方は比変更中にこれらの静的値で制御され続け、反力TRおよびTZに打ち勝ち、したがってヒンジ5の周りの瞬間モーメントを比変更中ゼロに等しく維持するために2つのうちの一方にわずかな修正を行うのみである。静的値自体は比変更中に変化する可能性がある。しかしながら、重要なことは、好ましい実施形態によれば、マイクロスリップ状態を維持するように構成された動的成分がNRまたはNZのいずれにも追加されないということである。
【0033】
特許文献1に開示されたトランスミッションの場合、ヒンジ軸は中心回転軸と交差し、これは、反力TRおよびTZがヒンジ軸を通過することを意味し、この軸についてモーメントを生成せず、これらの反力は補償する必要がないようになっている。そのためこの場合、法線力NRおよびNZは、比変更全体を通してこれらの静的値に維持することができ、すなわち追加される力成分は両側でゼロである。
【0034】
先行技術のシステムにおいて、マイクロスリップを維持するために必要とされる常に正の動的力成分のため、比の速い変化により静的力値と比較して力の重要な増大が生成されるのに対し、本発明の好ましい実施形態の方法はこの特定の動的成分を静的値に追加しない(この特定の成分より小さい力であれば追加することができる、先を参照)。比変更が遅いとき、この動的成分は重要ではなく、本発明の方法の実施形態によって印加される力は先行技術の方法とあまり変わらない。しかしながら、比変更が速いとき、本発明の方法によって印加される力は先行技術の方法よりかなり低くすることができる。これは、比変更が非常に速いとき、シリンダ12および13内およびこれらのシリンダに向かう供給ライン14および15内に高圧を印加する必要がないことを意味する。
【0035】
いくつかの実施形態によれば、「マイクロスリップ状態を維持するように構成された成分」より小さい力成分であれば、比変更中に力NRおよびNZに追加することができるが、好ましくはヒンジについての力の平衡が変化全体を通して維持され、すなわちヒンジ周りの瞬間モーメントはゼロに維持される。マイクロスリップを維持するために必要とされる動的力成分は、上述の先行技術の方法からよく知られているため、本発明は明確に定義される。比変更中にNRおよび/またはNZの静的値に任意の力成分が追加されるとき、この力成分はゼロであるか、またはマイクロスリップを維持するために必要とされる力より小さいかのいずれかでなければならない。本発明は純粋に数学的な方法で説明することもできる。先行技術によれば、クランプ力NRおよびNZについて比変更中に必要とされる最小値は、入力速度、入力トルク、伝達比および比変動の速度の関数である。本発明によれば、力NRおよびNZについての最小値は、比変更のゼロ速度についての入力速度、入力トルク(または同等に、出力速度および出力トルク)および伝達比の関数である。したがって、先行技術の方法において印加される動的力は常に正であるため、比変動のすべての非ゼロ速度について、本発明におけるNRおよびNZについての最小値は常に、入力速度、入力トルクおよび伝達比が等しい状態で、先行技術より低い。
【0036】
本発明は、本発明の方法を実施することができる制御システムを備えたカーブCVTにも関する。これは、本方法にしたがって、すなわち、その速度に関係なく、任意の比変更中に静的力を印加することによって、力NRおよびNZを制御することができる任意の適切な制御システムとすることができる。上の方法を実現するのに適した油圧制御システムの好ましい一実施形態が
図4に示されている。圧力p1およびp2は2つのモータポンプアセンブリ20および21によって供給され、各アセンブリは、油圧モータとして作用することもできる油圧ポンプ20a/21a、およびこれに回転可能に結合されて、発電機としても作用することができる電気モータ20b/21bを含む。モータポンプアセンブリの電気モータ20b/21bは適切な電源を通して給電され、これは、トランスミッションが設置されている車両のバッテリとすることができる。p2を送出するポンプ21aが、油圧液サンプ30とp1を送出するポンプ20aの入力ポートとの間に結合されるように、ポンプ20aおよび21aが接続されている。換言すれば、ポンプ21aの出力ポートとポンプ20aの入力ポートとの間に接続部31がある。
【0037】
このシステムは、本発明の方法にしたがって力を制御する制御アルゴリズムを通して動作させられる。トランスミッションの設計および寸法から、静的力NR、TR、NZ、TZは、トルク、速度のすべての組み合わせについて、およびすべての一定比について定義される。NRとTRとのベクトル和によって、ピストン10に必要とされる圧力が計算される。同様の方法でピストン11に対する圧力は力NZおよびTZから計算される。モータポンプアセンブリの特性がわかっているとき、モータポンプアセンブリの電気モータに必要とされる電流が定義される。比変更中、アルゴリズムは、これらの静的値に、マイクロスリップ状態を維持するように構成されている動的力成分を追加しない。好ましい実施形態によれば、力NRおよびNZの一方は静的値に維持され、他方は、比が変化しているときにヒンジを中心に枢動することによって生成される反力TRおよびTZに打ち勝つように制御される。
【0038】
太陽ホイール側のまたはリングホイール側のシリンダ内の圧力センサによって、あるいはリングホイール側、太陽ホイール側のピストン上の位置センサと組み合わせて、または出力シャフトおよび入力シャフトの速度を測定することによって、比変更中の閉ループ制御を実現することができる。マイクロスリップを維持しながら比変更を調節するための当該技術において知られているセンサおよびコントローラの観点における任意の閉ループ制御を本発明によるシステムで使用することができる。違いは力自体にある。マイクロスリップを維持する必要があるとき、NRおよびNZの両方が動的成分だけ増大するが、これらの力の両方のこの増大は、本発明の方法によれば、少なくとも比変更の速度の関数としては必要とされない。
【0039】
ポンプによる上述の制御によりソレノイドが完全に排除され、比変更の速度に関係なく、ソレノイドからのすべての圧力降下および堅牢性の問題が克服されるようになる。加えて、
図4に示す制御システムは、接続部31によって上述の方法で結合されたモータポンプアセンブリ20および21を使用して、多くの油圧エネルギーを節約する。
【0040】
伝達比が変化しているとき、一方のシリンダが充填され、他方が排出される。リングホイールおよび太陽ホイールの転動表面の特殊な形状のため、両方の流れは等しくないが、充填および排出流間の流れの差はこれらの流れのそれぞれのごく一部にすぎない。実際には、この差流量はシリンダの1つへの流量の約10%から25%にすぎない。
【0041】
モータポンプアセンブリ21は、対応するシリンダ13内に圧力p2を提供しなければならないが、わずかな差流量を供給するだけでよい。そのためこれは、このシリンダ単独についての全油圧力ではなく、対応する小さな動力のための大きさにするだけでよい。
【0042】
圧力p1およびp2は、必要とされる力NR、TR、NZおよびTZにしたがって調節される。一般に、圧力p1およびp2は等しくなく、これらの関係は伝達比および他のパラメータに依存する。しかしながら、両圧力間の差は圧力自体のほんの一部にすぎない。ポンプ20aはシリンダ12に全流量を供給しなければならないが、2つのシリンダ間の圧力差を超えればよい。そのためモータポンプアセンブリ20も、シリンダ12単独に供給するのに必要とされるであろう動力の少量、約10%から25%のための大きさにすることができる。
【0043】
図4の構成において、両モータポンプアセンブリ20および21はしたがって、両シリンダに個別に供給された場合に必要とされるであろう動力の約10%から25%を供給するだけでよい。また、伝達比を一方の方向に変更するとエネルギーを消費する可能性があるが、比を他方の方向に変更すると、ポンプが油圧モータとして作用することができるとともに電気モータが発電機として作用することができるという事実のおかげで、エネルギーを回収することになる。ポンプ、モータ、およびピストンシールの摩擦の効率を考慮すると、正味のエネルギー消費はエネルギー回収なしで供給エネルギーの約40%~60%にすぎない。
【0044】
より低い動力の必要性とエネルギー回収とを組み合わせて、
図4に示す制御システムは、ソレノイドを備えて最適化されたシステムと比較して、約5%から15%のエネルギーを消費するのみである。加えて、
図4の制御システムにより油圧ブロックが完全に排除される。
【0045】
図4に示す制御システムはしたがって、本発明の方法を実施するのに適した制御システムの好ましい一実施形態を構成する。
【0046】
それにもかかわらず、本発明による方法は他の油圧制御システムによっても実施することができる。
図5のシステムもたとえば2つのモータポンプアセンブリ20および21を含むが、ここで2つの間に直接的な接続がない。これは、モータポンプアセンブリ20および21の両方が、2つのシリンダに必要とされる完全な流れおよび圧力を提供することができる必要があることを意味する。この構成はしたがってモータポンプアセンブリの電力消費の観点において低効率である。
図4および
図5のシステムとはわずかに異なるが、本発明の方法を実施するのに適している、他の油圧制御構成を当業者は想像することができる。これらすべての変形が本発明の範囲内に入る。
【0047】
図3および
図4に示すモータポンプアセンブリにおいて、ポンプ20a/21aが油圧モータとして作用することができるとともに電気モータ20b/21bが発電機として作用することができるということは必須ではない。これらの能力が存在しなければ、エネルギー回収は可能でないが、このシステムは本発明の方法を実施するのに依然として適している。
【0048】
本発明の方法は、当該技術において現在知られているような油圧制御システムによって等しく実施することができ、これはソレノイドを使用し、あるいは流量増幅器と組み合わせるが、さもなければソレノイドによって引き起こされる圧力降下により、シリンダに向かう流れを十分に速く変化させられそうにない。流量増幅器を使用しているときでも、非常に速い比変更により圧力降下が生成される。しかしながら、
図4および
図5に示す実施形態のように、モータポンプアセンブリを利用する制御システムを使用すると、この圧力損失の問題は発生せず、これがこれらのシステムが本発明の方法を実施するのに特に適している理由である。これらのシステムは、実際的に圧力降下なしで発生すると予想され得る比変更の任意の速度を実施することができる。
【0049】
最後に、機械ばね、空気圧ピストンまたは電気機械アクチュエータを使用して必要とされるクランプ力を実現する制御システムのような、油圧力を使用しない制御システムも、本発明の方法を実施するのに適し得る。
【0050】
前述のように、本発明は、リングホイールおよび太陽ホイールが軸方向に移動可能であり、たとえば図示の実施形態における圧力p1およびp2によって直接作動するカーブCVTに限定されない。たとえばリングホイールが静止しており、遊星ホイールおよび太陽ホイールが外力によって直接作動するトランスミッションにおいて、力NR、TRおよびNZ、TZは、これらの外力の既知の関数であり、制御アルゴリズムにおいてそのまま実装することができ、このように本発明の方法にしたがって制御することもできる。
【0051】
本発明は、特許文献3に記載されたようなリバーシブル可変トランスミッション(RVT)にも適用可能であり、これは、一次リングホイールと二次太陽ホイールとの間に取り付けられた二組の遊星ホイールと、二組の間の中間ホイールと、を含む。このトランスミッションも、上述の実施形態のように、一次リングホイールおよび二次太陽ホイールに作用する2つの圧力によって制御することができる。本発明による制御方法はこのトランスミッションにそのまま適用することができる。
図4および
図5に示す制御システムもそのままRVTに適用することができ、モータポンプアセンブリ20は一次リングホイールに接続され、モータポンプアセンブリ21は二次太陽ホイールに接続され、またはその逆である。
【0052】
図面および前述の説明において詳細に本発明を図示および説明してきたが、このような図示および説明は説明的または例示的であり、限定的ではないと見なされるべきである。図面、開示および添付の請求項の検討から、当業者が特許請求された発明を実施する際、開示された実施形態に対する他の変形を理解および実行することができる。請求項において、「含む」という言葉は他の要素またはステップを除外するものではなく、不定冠詞「a」または「an」は複数を除外するものではない。いくつかの尺度が相互に異なる従属請求項に規定されているという単なる事実は、これらの尺度の組み合わせを有利に使用することができないということを示すものではない。請求項におけるいかなる参照記号も、範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0053】
1 リングホイール
2 太陽ホイール
3 遊星ホイール
4 中心軸
5 ヒンジ
8 傾斜角度
10 ピストン
11 ピストン
12 シリンダ
13 シリンダ
14 供給ライン
15 供給ライン
20 モータポンプアセンブリ
20a ポンプ
20b 電気モータ
21 モータポンプアセンブリ
21a ポンプ
21b 電気モータ
30 サンプ
31 接続部