(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】生検装置
(51)【国際特許分類】
A61B 10/02 20060101AFI20240830BHJP
【FI】
A61B10/02 110J
(21)【出願番号】P 2022566632
(86)(22)【出願日】2020-05-04
(86)【国際出願番号】 US2020031282
(87)【国際公開番号】W WO2021225569
(87)【国際公開日】2021-11-11
【審査請求日】2023-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】521442637
【氏名又は名称】バード・ペリフェラル・バスキュラー・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】ジェンセン,アンジェラ
(72)【発明者】
【氏名】バン・リエール,チャド
【審査官】▲高▼原 悠佑
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04881551(US,A)
【文献】米国特許第05331972(US,A)
【文献】特表2001-517470(JP,A)
【文献】特開2004-033753(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0298737(US,A1)
【文献】国際公開第2007/009901(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 10/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空洞を有し、長手方向軸を規定するように構成される、ハウジングと、
前記ハウジングに移動可能に結合されるカニューレ組立体であって、前記カニューレ組立体は、切断カニューレに固定されるカニューレハブを有し、前記切断カニューレは、前記長手方向軸上に配置される管腔を有する、カニューレ組立体と、
前記ハウジングに移動可能に結合されるスタイレット組立体であって、前記スタイレット組立体は、スタイレットハブおよびスタイレットを有し、前記スタイレットは、前記切断カニューレと同軸であり、前記スタイレットは、近位部分および遠位部分を有し、前記近位部分は、前記スタイレットハブに固定され、前記遠位部分は、遠位先端、および前記遠位先端に対して近位の試料ノッチを有し、前記スタイレットハブは、前記長手方向軸に対して軸方向および回転方向に移動可能であるように構成される、スタイレット組立体と、
ラッチおよび発射ばねを有する発射機構であって、前記発射ばねおよび前記カニューレハブは、前記ハウジングの前記空洞に位置付けられ、前記ラッチは、前記切断カニューレを第1の軸方向位置に保持するために前記カニューレハブに係合するように構成される、発射機構と、
前記スタイレットハブおよび前記カニューレハブの軸方向運動をもたらすように構成されるオペレータ機構であって、前記オペレータ機構は、ヘッド部分およびアーム部材を有し、前記アーム部材は、前記ヘッド部分から遠位に延び、前記ヘッド部分は、前記スタイレットハブに解放可能に係合するように構成され、前記アーム部材は、前記カニューレハブに解放可能に係合するように構成される、オペレータ機構と、を備え、
前記スタイレットハブは、係合位置と非係合位置との間で回転方向に移動可能であるように構成され、前記係合位置において、前記スタイレットハブは、前記オペレータ機構の前記ヘッド部分に解放可能に接続され、前記スタイレットハブが前記非係合位置にあるとき、前記スタイレットハブは、前記オペレータ機構とは独立して近位方向における前記スタイレット組立体の軸方向運動を促進するために、前記オペレータ機構の前記ヘッド部分から外される、生検装置。
【請求項2】
前記スタイレットハブが前記非係合位置にあるとき、前記スタイレットハブおよび前記スタイレットは、前記オペレータ機構も前記カニューレ組立体も移動させることなく、前記近位方向において軸方向に移動可能である、請求項1に記載の生検装置。
【請求項3】
前記スタイレットハブは、終板、支柱、および係合部材を有し、前記支柱は、前記終板と前記係合部材との間に介在され、
前記オペレータ機構の前記ヘッド部分は、近位面、遠位面、および外周縁を有する端壁を有し、前記外周縁は、前記近位面と前記遠位面との間に延び、前記端壁は、開放端および閉鎖端を有する溝を有し、前記開放端は、前記外周縁に隣接し、
前記オペレータ機構の前記ヘッド部分の前記端壁の前記溝は、前記スタイレットハブが前記係合位置へ回転されるとき、前記スタイレットハブの前記支柱を受容するように構成され、前記係合部材は、前記スタイレットハブが前記係合位置にあるとき、前記オペレータ機構の前記ヘッド部分の前記端壁の前記遠位面に軸方向に係合するように位置付けられる、請求項1または2に記載の生検装置。
【請求項4】
前記スタイレット組立体は、前記ハウジングに対して後退位置、伸長位置、および試料回収位置の間で軸方向に移動するように構成され、前記スタイレット組立体は、前記スタイレット組立体が前記試料回収位置へ軸方向に移動可能であるためには前記スタイレットハブが前記非係合位置になければならないように構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載の生検装置。
【請求項5】
前記試料回収位置は、前記後退位置に対して近位であり、前記後退位置は、前記伸長位置に対して近位である、請求項4に記載の生検装置。
【請求項6】
前記切断カニューレは、カニューレ壁と、前記切断カニューレの前記管腔と流体連通状態にある、前記カニューレ壁を通る試料アクセスポートを有するカニューレ部分とを含み、切断カニューレは、前記第1の軸方向位置に遠位の第2の軸方向位置を有し、前記切断カニューレが前記第2の軸方向位置にあり、かつ前記スタイレットが前記試料回収位置にあるとき、前記スタイレットの前記試料ノッチは、前記切断カニューレの前記試料アクセスポートと径方向に整列される、請求項4または5に記載の生検装置。
【請求項7】
前記ハウジングは、試料アクセス窓を含み、前記切断カニューレが前記第2の軸方向位置にあり、かつ前記スタイレットが前記試料回収位置にあるとき、前記切断カニューレの前記試料アクセスポートおよび前記スタイレットの前記試料ノッチの各々は、前記スタイレットの前記試料ノッチからの組織試料の除去を促進するために、前記ハウジングの前記試料アクセス窓と径方向に整列される、請求項6に記載の生検装置。
【請求項8】
前記ハウジングに接続される試料除去フィンガーを備え、前記試料除去フィンガーは、前記試料アクセス窓内に前記ハウジングから片持ち式に延びるように構成され、前記試料除去フィンガーは、自由端を有し、前記試料除去フィンガーの前記自由端は、前記スタイレットの外表面に接触するように構成される、請求項7に記載の生検装置。
【請求項9】
前記ハウジングに接続される試料除去フィンガーを備え、前記試料除去フィンガーは、前記スタイレットが後退されるとき、前記スタイレットの前記試料ノッチに係合するように構成される、請求項1から7のいずれか一項に記載の生検装置。
【請求項10】
前記ハウジングに接続される試料除去フィンガーを備え、前記試料除去フィンガーは、前記ハウジングから前記スタイレットの方へ片持ち式に延びるように構成され、前記試料除去フィンガーの自由端は、前記スタイレットの外表面に接触するように構成され、前記試料除去フィンガーは、前記スタイレットが前記試料回収位置の方へ後退されると、前記試料除去フィンガーの前記自由端が前記試料ノッチ内へと前記スタイレットの前記外表面をたどるように、前記スタイレットへ向かう方向に自己付勢状態にあるように構成される、請求項
4から7のいずれか一項に記載の生検装置。
【請求項11】
試料アクセス窓を有するハウジングと、
前記ハウジングに接続される試料除去フィンガーであって、前記試料除去フィンガーは、前記試料アクセス窓内に前記ハウジングから片持ち式に延びるように構成され、前記試料除去フィンガーは、自由端を有する、試料除去フィンガーと、
前記ハウジングに移動可能に結合されるカニューレ組立体であって、前記カニューレ組立体は、切断カニューレに固定されるカニューレハブを有し、前記切断カニューレは、試料アクセスポートおよび遠位切断縁を有し、前記切断カニューレは、長手方向軸を規定し、前記切断カニューレは、前記ハウジングから遠位に延びるように位置付けられ、前記カニューレ組立体は、第1の軸方向位置と第2の軸方向位置との間で軸方向に移動するように構成される、カニューレ組立体と、
前記ハウジングに移動可能に結合されるスタイレット組立体であって、前記スタイレット組立体は、後退位置、伸長位置、および試料回収位置の間で軸方向に移動するように構成され、前記スタイレット組立体は、スタイレットに固定されるスタイレットハブを有し、前記スタイレットは、前記切断カニューレと同軸であり、前記スタイレットは、遠位先端、および前記遠位先端に対して近位の試料ノッチを有し、前記スタイレットは、前記試料除去フィンガーの前記自由端が前記切断カニューレの前記試料アクセスポートを通って延びて前記スタイレットの外表面に接触するように位置付けられる、スタイレット組立体と、
前記スタイレットハブおよび前記カニューレハブの軸方向運動をもたらすように構成されるオペレータ機構であって、前記オペレータ機構は、ヘッド部分およびアーム部材を有し、前記アーム部材は、前記ヘッド部分から遠位に延び、前記ヘッド部分は、前記スタイレットハブに解放可能に係合するように構成され、前記アーム部材は、前記カニューレハブに解放可能に係合するように構成され、前記スタイレットハブは、係合位置と非係合位置との間で前記オペレータ機構の前記ヘッド部分に対して回転方向に移動可能であるように構成される、オペレータ機構と
を備える、生検装置。
【請求項12】
前記スタイレット組立体は、前記スタイレットハブが前記係合位置にあるとき、前記スタイレットハブが前記オペレータ機構の前記ヘッド部分に解放可能に接続されるように構成され、
前記スタイレット組立体は、前記オペレータ機構とは独立して前記試料回収位置への近位方向における前記スタイレット組立体の軸方向運動を促進するように、前記スタイレットハブが前記非係合位置にあるとき、前記スタイレットハブが前記オペレータ機構の前記ヘッド部分から外されるように構成される、請求項11に記載の生検装置。
【請求項13】
前記スタイレット組立体は、前記スタイレットハブが前記非係合位置にあるとき、前記スタイレットハブおよび前記スタイレットが、前記オペレータ機構も前記カニューレ組立体も移動させることなく、前記近位方向において軸方向に移動可能であるように構成される、請求項11または12に記載の生検装置。
【請求項14】
前記スタイレットハブは、終板、支柱、および係合部材を有し、前記支柱は、前記終板と前記係合部材との間に介在され、
前記オペレータ機構の前記ヘッド部分は、近位面、遠位面、および外周縁を有する端壁を有し、前記外周縁は、前記近位面と前記遠位面との間に延び、前記端壁は、開放端および閉鎖端を有する溝を有し、前記開放端は、前記外周縁に隣接し、
前記オペレータ機構の前記ヘッド部分の前記端壁の前記溝は、前記スタイレットハブが前記係合位置へ回転されるとき、前記スタイレットハブの前記支柱を受容するように構成され、前記係合部材は、前記スタイレットハブが前記係合位置にあるとき、前記オペレータ機構の前記ヘッド部分の前記端壁の前記遠位面に軸方向に係合するように位置付けられる、請求項11から13のいずれか一項に記載の生検装置。
【請求項15】
前記試料回収位置は、前記後退位置に対して近位であり、前記後退位置は、前記伸長位置に対して近位であり、
前記スタイレットハブは、前記スタイレット組立体が、前記試料回収位置への前記スタイレットの軸方向運動を促進するように、前記カニューレ組立体とは独立して軸方向に移動可能であるように、前記スタイレットハブが前記係合位置から前記非係合位置へ回転されるとき、前記オペレータ機構の前記ヘッド部分から脱係合するように構成される、請求項11から14のいずれか一項に記載の生検装置。
【請求項16】
前記切断カニューレは、管腔を含み、前記スタイレットは、前記管腔内に位置し、前記切断カニューレが前記第2の軸方向位置にあり、かつ前記スタイレットが前記試料回収位置にあるとき、前記スタイレットの前記試料ノッチは、前記ハウジングの前記試料アクセス窓において前記切断カニューレの前記試料アクセスポートと径方向に整列される、請求項11から15のいずれか一項に記載の生検装置。
【請求項17】
前記試料除去フィンガーは、前記スタイレットが前記試料回収位置にあるとき、前記スタイレットの前記試料ノッチに係合するように構成される、請求項11から16のいずれか一項に記載の生検装置。
【請求項18】
前記試料除去フィンガーの前記自由端は、前記スタイレットの表面をたどるように、および前記スタイレットが前記試料回収位置の方へ後退されると、前記試料ノッチに入るように、前記スタイレットの前記表面と接触状態にある、請求項11から17のいずれか一項に記載の生検装置。
【請求項19】
ラッチおよび発射ばねを含む発射機構をさらに備え、前記発射ばねは、前記ハウジングと前記カニューレハブとの間に介在され、前記ラッチは、前記カニューレ組立体を、前記切断カニューレが前記第1の軸方向位置にあり、かつ前記発射ばねが圧縮される作動可能状態に保持するために、前記カニューレハブに係合するように構成される、請求項11から18のいずれか一項に記載の生検装置。
【請求項20】
前記オペレータ機構は、近位方向における前記スタイレットハブおよび前記カニューレハブの同時軸方向移動をもたらすように構成され、前記カニューレハブの前記軸方向移動は、前記切断カニューレが前記第2の軸方向位置から前記第1の軸方向位置へ移動されると、前記発射機構の前記発射ばねを圧縮させる、請求項19に記載の生検装置。
【請求項21】
前記オペレータ機構は、前記発射機構の前記ラッチを解放するために遠位方向に移動するように構成され、前記発射ばねは、前記第1の軸方向位置から前記第2の軸方向位置への前記切断カニューレの遠位軸方向運動をもたらすために圧縮解除する、請求項20に記載の生検装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]なし
[0002]本発明は、生検を実施するためのデバイス、およびより詳細には、単一挿入単一試料(SISS:single insertion single sample)生検モードまたは単一挿入複数試料(SIMS:single insertion multiple sample)生検モードのいずれかにおいて動作可能な生検装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[0003]BD/C.R.Bard,Inc.から入手可能なThe Bard(登録商標)Mission(商標)Disposable Core Biopsy Instrumentは、完全に機械的な組立体として構成される単一挿入単一試料(SISS)生検デバイスである。MissionブランドのSISSコア生検デバイスは、ハンドル、オペレータ、内側スタイレット、および外側切断カニューレを含む。内側スタイレットは、試料ノッチを含む遠位端部分を有する。オペレータは、ハンドルに対して移動可能であり、オペレータの後方(近位)運動が、内側スタイレットおよび外側切断カニューレの両方を後方位置へ移動させて、外側切断カニューレを曲げる。作動可能にされると、外側切断カニューレは、後方位置に掛け止めされ、カニューレ発射ばねは、作動可能状態を達成するように、圧縮される。次いで、オペレータが前方に(遠位に)スライドされ、これにより、スタイレットを切断カニューレに対して遠位方向にスライドして、スタイレットの試料ノッチを外側切断カニューレの遠位端を越えて露出させる。オペレータのさらなる前方運動は、切断カニューレ発射ばねを作動可能状態から発射して、すなわち解放して、外側切断カニューレを前方へ推進して、内側スタイレットの試料ノッチ内の任意の組織を切るように、内側スタイレットの試料ノッチの上で移動させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[0004]当該技術分野において必要とされるのは、例えば、完全に機械的であり、単一挿入単一試料(SISS)生検モードまたは単一挿入複数試料(SIMS)生検モードのいずれかにおいて動作されることができる生検装置である。
【0004】
[0005]本発明は、例えば、完全に機械的であり、単一挿入単一試料(SISS)生検モードまたは単一挿入複数試料(SIMS)生検モードのいずれかにおいて動作することができる生検装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0006]1つの形態における本発明は、ハウジング、カニューレ組立体、スタイレット組立体、発射機構、およびオペレータ機構を含む生検装置を対象とする。ハウジングは、空洞を有し、長手方向軸を規定するように構成される。カニューレ組立体は、ハウジングに移動可能に結合される。カニューレ組立体は、切断カニューレに固定されるカニューレハブを有する。切断カニューレは、長手方向軸上に配置される管腔を有する。スタイレット組立体は、ハウジングに移動可能に結合される。スタイレット組立体は、スタイレットハブおよびスタイレットを有する。スタイレットは、切断カニューレと同軸である。スタイレットは、近位部分および遠位部分を有する。近位部分は、スタイレットハブに固定される。遠位部分は、遠位先端、および遠位先端に対して近位の試料ノッチを有する。スタイレットハブは、長手方向軸に対して軸方向および回転方向に移動可能であるように構成される。発射機構は、ラッチおよび発射ばねを有する。発射ばねおよびカニューレハブは、ハウジングの空洞に位置付けられる。ラッチは、切断カニューレを第1の軸方向位置に保持するためにカニューレハブに係合するように構成される。オペレータ機構は、スタイレットハブおよびカニューレハブの軸方向運動をもたらすように構成される。オペレータ機構は、ヘッド部分およびアーム部材を有し、アーム部材は、ヘッド部分から遠位に延びる。ヘッド部分は、スタイレットハブに解放可能に係合するように構成され、アーム部材は、カニューレハブに解放可能に係合するように構成される。スタイレットハブは、係合位置と非係合位置との間で回転方向に移動可能であるように構成され、係合位置において、スタイレットハブは、オペレータ機構のヘッド部分に解放可能に接続され、スタイレットハブが非係合位置にあるとき、スタイレットハブは、オペレータ機構とは独立して近位方向におけるスタイレット組立体の軸方向運動を促進するために、オペレータ機構のヘッド部分から外される。
【0006】
[0007]別の形態における本発明は、試料アクセス窓を有するハウジングを含む生検装置を対象とする。試料除去フィンガーがハウジングに接続される。試料除去フィンガーは、試料アクセス窓内でハウジングから片持ち式に延びるように構成される。試料除去フィンガーは、自由端を有する。カニューレ組立体が、ハウジングに移動可能に結合される。カニューレ組立体は、切断カニューレに固定されるカニューレハブを有する。切断カニューレは、試料アクセスポートおよび遠位切断縁を有する。切断カニューレは、長手方向軸を規定する。切断カニューレは、ハウジングから遠位に延びるように位置付けられる。カニューレ組立体は、第1の軸方向位置と第2の軸方向位置との間で軸方向に移動するように構成される。スタイレット組立体が、ハウジングに移動可能に結合される。スタイレット組立体は、後退位置、伸長位置、および試料回収位置の間で軸方向に移動するように構成される。スタイレット組立体は、スタイレットに固定されるスタイレットハブを有する。スタイレットは、切断カニューレと同軸である。スタイレットは、遠位先端、および遠位先端に対して近位の試料ノッチを有する。スタイレットは、試料除去フィンガーの自由端が切断カニューレの試料アクセスポートを通って延びてスタイレットの外表面に接触するように位置付けられる。オペレータ機構は、スタイレットハブおよびカニューレハブの軸方向運動をもたらすように構成される。オペレータ機構は、ヘッド部分およびアーム部材を有し、アーム部材は、ヘッド部分から遠位に延びる。ヘッド部分は、スタイレットハブに解放可能に係合するように構成され、アーム部材は、カニューレハブに解放可能に係合するように構成される。スタイレットハブは、係合位置と非係合位置との間でオペレータ機構のヘッド部分に対して回転方向に移動可能であるように構成される。
【0007】
[0008]本発明の利点は、スタイレット組立体が生検装置のオペレータ機構と解放可能に接続可能であることであり、生検装置のSIMS能力は、オペレータ機構およびカニューレ組立体とは独立して、スタイレット組立体の運動を、例えば、最初は近位方向に、促進するために、スタイレット組立体をオペレータ機構から機械的に外すことによって達成される。
【0008】
[0009]本発明の上述および他の特徴および利点、ならびにそれらを実現する様式は、添付の図面と併せて本発明の実施形態の以下の説明への参照によってより良く理解されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】[0010]本発明の態様に従う、スタイレット組立体およびカニューレ組立体の各々がそれぞれの完全伸長位置にある状態の生検装置の斜視図であり、スタイレット組立体およびオペレータ機構によって形成される接続機構を示し、また、試料除去フィンガーを示す図である。
【
図2】[0011]
図1の生検装置の分解組立図である。
【
図3】[0012]
図1の生検装置の側面図である。
【
図4】[0013]
図1の線4-4に沿って見た
図1の生検装置の断面図である。
【
図5】[0014]発射機構およびカニューレ組立体のカニューレハブを露出するためにハウジングの上方部分が除去された状態の
図1の生検装置の上面図である。
【
図6】[0015]生検装置の「発射」または脱準備完了状態を表す、スタイレット組立体およびカニューレ組立体の各々がそれぞれの完全伸長位置にある状態の
図1の生検装置の上面図である。
【
図7】[0016]生検装置の「作動可能」、すなわち準備完了、状態を表す、スタイレット組立体およびカニューレ組立体の各々がそれぞれの後退位置にある状態の
図1の生検装置の上面図である。
【
図8】[0017]カニューレ組立体の切断カニューレがその後退位置にあり、スタイレット組立体のスタイレットがその伸長位置にあり、以てスタイレットの試料ノッチを露出している状態の
図1の生検装置の上面図である。
【
図9】[0018]
図1の生検装置のスタイレット組立体のスタイレットハブの拡大上面図である。
【
図10】[0019]
図1の生検装置のオペレータ機構のヘッド部分の拡大上面図である。
【
図11】[0020]スタイレット組立体のスタイレットハブがオペレータ機構のヘッド部分から脱離した状態の
図1の生検装置の斜視図である。
【
図12】[0021]スタイレット組立体のスタイレットハブおよびスタイレットが試料回収位置に後退した状態の
図1の生検装置の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0022]対応する参照文字は、いくつかの図を通して対応する部分を示す。本明細書に記される例示は、本発明の少なくとも1つの実施形態を例証し、そのような例示は、いかようにも本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0011】
[0023]図面、およびより詳細には
図1~
図5をこれより参照すると、本発明による生検装置10が示され、生検装置10は、単一挿入単一試料モード(SISS)生検モードまたは単一挿入複数試料(SIMS)生検モードのいずれかにおいて動作され得る。
【0012】
[0024]生検装置10は、ハウジング12、カニューレ組立体14、スタイレット組立体16、発射機構18(
図4および
図5)、およびオペレータ機構20を含む。本発明の態様によると、スタイレット組立体16は、接続機構22によってオペレータ機構20と解放可能に接続可能であり、生検装置10のSIMS能力は、オペレータ機構20およびカニューレ組立体14とは独立して、スタイレット組立体16の運動を、例えば、最初は近位方向26に促進するために、オペレータ機構20からスタイレット組立体16を機械的に外す(換言すれば、接続を解除する)ことによって達成される。
【0013】
[0025]
図4および
図5を参照すると、ハウジング12は、発射機構18を含む空洞23を有し、またこれを規定する。また、ハウジング12は、長手方向軸24を規定し、近位方向26および遠位方向28の各々における長手方向軸24に沿ったカニューレ組立体14およびスタイレット組立体16のスライド自在の軸方向運動を促進するために、カニューレ組立体14およびスタイレット組立体16をスライド自在に保持する。
【0014】
[0026]ハウジング12は、第1の近位穴12-1および第2の近位穴12-2を含む。第1の近位穴12-1は、長手方向軸24上にあり、スタイレット組立体16の一部分、例えば、スタイレットをスライド自在に受容するようにサイズ決定および形状化される。ハウジング12の第2の近位穴12-2は、オペレータ機構20の一部分、例えば、アームをスライド自在に受容するようにサイズ決定および形状化される。本実施形態において、第2の近位穴12-2は、第1の近位穴12-1から、および長手方向軸24から、径方向にオフセットされ、ならびにオペレータ機構20の一部分は、長手方向軸24に実質的に平行の第2の近位穴12-2内でスライド自在に移動可能である。
【0015】
[0027]
図1~
図5を参照すると、ハウジング12は、遠位ノーズ部分30を含む。ハウジング12の遠位ノーズ部分30は、試料アクセス窓32、近位軸方向開口部34、および遠位軸方向開口部36を含む。近位軸方向開口部34(例えば、円筒状開口部)および遠位軸方向開口部36(例えば、円筒状開口部)の各々は、遠位軸方向開口部36が長手方向軸24に沿って近位軸方向開口部34から遠位に離間した状態で、長手方向軸24上に配置される。加えて、ハウジング12の第1の近位穴12-1(
図4を参照、例えば、円筒状穴)は、長手方向軸24上の近位軸方向開口部34および遠位軸方向開口部36の各々と整列され、およびこれらから軸方向に離間される。本実施形態において、試料アクセス窓32は、ハウジング12の遠位ノーズ部分30に位置し、長手方向軸24に沿って近位軸方向開口部34を遠位軸方向開口部36から軸方向に分離する。
【0016】
[0028]ハウジング12の試料アクセス窓32内に位置付けられるのは、試料除去フィンガー38である。試料除去フィンガー38は、ハウジング12に接続され、試料アクセス窓32内でハウジング12の遠位ノーズ部分30から片持ち式に遠位に延びる。本実施形態において、試料除去フィンガー38は、例えば、その長さに沿って曲げられた、または湾曲した細長部材であり、自由端40を有する。
【0017】
[0029]カニューレ組立体14は、ハウジング12に移動可能に結合される。特に
図4を参照すると、カニューレ組立体14は、例えば、オーバーモールド、圧入、および/または接着剤によって、切断カニューレ44に固定されるカニューレハブ42を含む。ハウジング12内の切断カニューレ44の場所および切断カニューレ44の長手方向の範囲が長手方向軸24を規定すると考えられ得る。
【0018】
[0030]さらに
図5を参照すると、カニューレハブ42は、切断長さ表示、例えば、切断長さ表示「0」、「10」、および「20」を含み、切断長さ表示「0」は、0ミリメートル(mm)のカニューレ組立体14の完全伸長位置を表し、切断長さ表示「10」は、10mmのカニューレ組立体14の後退距離を表し、切断長さ表示「20」は、20mmのカニューレ組立体14の後退距離を表す。カニューレハブ42は、空洞23内に含まれ、例えば、レール配置によって、ハウジング12にスライド自在に結合され得る。切断カニューレ44は、ハウジング12の遠位ノーズ部分30の近位軸方向開口部34および遠位軸方向開口部36内にスライド自在に配設され、およびそこを通って遠位に延びる。切断カニューレ44は、長手方向軸24に沿ってハウジング12の遠位ノーズ部分30から遠位に延びるように位置付けられる。
【0019】
[0031]
図2および
図4を参照すると、切断カニューレ44は、カニューレ壁46(
図4)、管腔48(
図2)、カニューレ部分50、および遠位切断縁52を含む。カニューレ部分50は、カニューレハブ42の遠位に位置し、カニューレハブ42と遠位切断縁52との間に位置する切断カニューレ44の中央部分であり得る。カニューレ部分50は、カニューレ壁46を通って径方向に延び、かつ切断カニューレの管腔48と流体連通状態にある試料アクセスポート54を有する。
【0020】
[0032]さらに
図6~
図8を参照すると、切断カニューレ44、ならびにカニューレ組立体14の全体は、第1の軸方向位置56と第2の軸方向位置58との間で移動可能である。
【0021】
[0033]
図6を参照すると、第2の軸方向位置58は、ハウジング12の長さ窓12-3を通じて見えるような、長さ表示「0」、すなわち、カニューレ組立体14の完全伸長位置に対応する。本実施形態において、第2の軸方向位置58はまた、カニューレ組立体14の発射、すなわち脱準備完了、状態を表す。簡便性のため、カニューレ組立体14の第1の軸方向位置56および第2の軸方向位置58の各々は、
図6~
図8では、切断カニューレ44の遠位切断縁52の位置によって識別される。
【0022】
[0034]
図6を参照すると、切断カニューレ44が第2の軸方向位置58にあるとき、切断カニューレ44の試料アクセスポート54は、ハウジング12の遠位ノーズ部分30の試料アクセス窓32と(例えば、径方向および長手方向に)整列され、切断カニューレ44を有するカニューレ組立体14は、ハウジング12の長さ窓12-3に示される切断長さ表示「0」によってさらに描写されるように、発射または脱準備完了状態にある。
【0023】
[0035]
図7を参照すると、切断カニューレ44は、オペレータ機構20の動作によって、第2の軸方向位置58から第1の軸方向位置56へ近位方向26に移動され、以て、発射機構18を作動可能にし、以て、生検装置10を作動可能、すなわち準備完了、状態に置く。切断カニューレ44は、発射機構18の動作によって、第1の軸方向位置56から第2の軸方向位置58へ遠位方向28に移動される(
図4および
図5を参照)。
【0024】
[0036]再び
図4および
図5を参照すると、発射機構18は、ハウジング12の空洞23に位置付けられる。発射機構18は、ラッチ60および発射ばね62を含む。発射ばね62は、ハウジング12とカニューレハブ42との間に介在される。ラッチ60は、複数の切断長さ、例えば、
図5に示される、10mmの後退長さを表す切断長さ表示「10」、および20mmの後退長さを表す切断長さ表示「20」を規定するために、1つまたは複数のラッチ部材(
図4には2つ示される)を含むように構成され得る。ラッチ60は、切断カニューレ44を第1の軸方向位置56に、すなわち、発射ばね62が圧縮される作動可能状態に保持するように、カニューレハブ42に係合するように構成される、すなわち、位置付けられ、配置される。本例において、
図7および
図8に示されるように、第1の軸方向位置56は、カニューレ組立体14の切断カニューレ44の遠位切断縁52の後退、ハウジング12の長さ窓12-3に示されるような20mmの距離に対応する。異なる言い方をすると(
図4および
図5を再び参照して)、ラッチ60は、カニューレ組立体14を、切断カニューレ44が第1の軸方向位置56にあり、かつ発射ばね62が圧縮される作動可能状態に保持するために、カニューレハブ42に係合するように位置付けられ、配置される。
【0025】
[0037]
図4を参照すると、オペレータ機構20の一部分は、長手方向軸24に実質的に平行の方向にハウジング12の第2の近位穴12-2内でスライド自在に移動可能である。オペレータ機構20は、近位方向26におけるカニューレハブ42の軸方向移動をもたらすように構成され、すなわち、位置付けられ、配置され、カニューレハブ42の軸方向移動は、切断カニューレ44が第2の軸方向位置58から第1の軸方向位置56へ移動されると、発射機構18の発射ばね62を圧縮させる(
図6および
図7を参照)。異なる言い方をすると、オペレータ機構20は、近位方向26におけるスタイレットハブ64およびカニューレハブ42の同時軸方向並進をもたらすように構築され、カニューレハブ42の軸方向並進は、切断カニューレ44が第2の軸方向位置58から第1の軸方向位置56へ移動されると、発射機構18の発射ばね62を圧縮させる。また、オペレータ機構20は、発射機構18のラッチ60を解放するために、遠位方向28に移動するように位置付けられ、配置され、発射ばね62は、第1の軸方向位置56から第2の軸方向位置58への切断カニューレ44の遠位軸方向運動をもたらすために圧縮解除する。
【0026】
[0038]本実施形態において、
図1~
図5を参照すると、スタイレット組立体16は、オペレータ機構20、ハウジング12、および切断カニューレ44の各々に移動可能に結合される。特に
図2を参照すると、スタイレット組立体16は、スタイレットハブ64およびスタイレット66を有する。スタイレット66は、例えば、中実金属棒の形態にあってもよい。スタイレット66は、外表面66-1、近位部分68、および遠位部分70を有する。スタイレット66の近位部分68は、例えば、オーバーモールド、圧入、および/または接着剤によって、スタイレットハブ64に固定される。スタイレット66の遠位部分70は、遠位先端72、および遠位先端72に近位である試料ノッチ74を有する。
【0027】
[0039]
図4に最もよく示されるように、オペレータ機構20の孔20-1、ハウジング12の第1の近位穴12-1、ハウジング12の近位軸方向開口部34、ハウジング12の遠位軸方向開口部36、および切断カニューレ44の管腔48は、スタイレット66をスライド自在および回転自在に受容および保持するために、長手方向軸24上に連続した貫通路を形成する。そのようなものとして、スタイレット組立体16のスタイレット66は、オペレータ機構20の孔20-1、ハウジング12の第1の近位穴12-1、ハウジング12の近位軸方向開口部34、ハウジング12の遠位軸方向開口部36、および切断カニューレ44の管腔48の各々に軸方向および回転方向に受容されるように、すなわちサイズおよび形状において、構成される。そのようなものとして、スタイレット66は、長手方向軸24の周りでおよびこれに沿って、切断カニューレ44と同軸である。スタイレット66は、切断カニューレ44の管腔48内で、軸方向および回転方向に移動可能、例えば、位置付け可能である。したがって、スタイレットハブ64(スタイレット66と一緒に)は、長手方向軸24および切断カニューレ44に対して、軸方向および回転方向に移動可能、例えば、位置付け可能であり、またハウジング12およびオペレータ機構20に対して、軸方向および回転方向に移動可能、例えば、位置付け可能である。
【0028】
[0040]本実施形態において、
図2および
図9を参照すると、スタイレットハブ64は、本体部76、終板(換言すれば、端部プレート)78、支柱80、および係合部材82を有する、単一部片一体化構造、例えば、成型プラスチックであり、支柱80は、終板78と係合部材82との間に介在される。本実施形態において、終板78は、わずかにくぼんだ外形を有する遠位面78-1を有する。終板78は、本体部76の半径範囲を越えて(例えば、長手方向軸24に垂直の方向に)延びる。本体部76は、例えば、オーバーモールド、圧入、および/または接着剤によって、スタイレット66の近位部分68に固定される。
【0029】
[0041]
図1および
図11を参照すると、スタイレットハブ64は、係合位置84(
図1)と非係合位置86(
図11)との間で長手方向軸24の周りを回転方向に移動可能であるように構築され、スタイレット66は、長手方向軸24の周りの回転のために切断カニューレ44の管腔48内で回転する軸として機能する(
図2および
図3も参照)。
【0030】
[0042]また、
図6~
図8および
図12を参照すると、スタイレット組立体16、ならびに故にスタイレットハブ64およびスタイレット66は、ハウジング12に対して伸長位置88、後退位置90、および試料回収位置92の間で軸方向に移動するように構成される。簡便性のため、スタイレット組立体16の伸長位置88、後退位置90、および試料回収位置92の各々は、スタイレット組立体16のスタイレット66の遠位先端72の位置によって識別される。本実施形態において、試料回収位置92は、後退位置90に対して近位であり、後退位置90は、伸長位置88に対して近位である。
【0031】
[0043]
図12を参照すると、スタイレット66が試料回収位置92にあり、かつ切断カニューレ44が第2の軸方向位置58にあるとき、スタイレット66の試料ノッチ74は、切断カニューレ44の試料アクセスポート54と(例えば、径方向に、および少なくとも部分的に長手方向に)整列される。
【0032】
[0044]本実施形態において、オペレータ機構20は、ヘッド部分94およびアーム部材96を有する、単一部片一体化構造、例えば、成型プラスチックであり、アーム部材96は、ヘッド部分94から遠位に延びる。アーム部材96は、ハウジング12の第2の近位穴12-2内でスライド自在に移動可能である。本実施形態において、ヘッド部分94は、例えば、わずかに出っ張った外形を有する近位面94-1を有する。オペレータ機構20のヘッド部分94の近位面94-1の湾曲は、スタイレット組立体16のスタイレットハブ64の終板78の遠位面78-1の湾曲に対応する。オペレータ機構20のヘッド部分94の近位面94-1およびスタイレット組立体16のスタイレットハブ64の終板78の遠位面78-1のそれぞれの表面外形は、例えば、平坦など、他の補完形状を有し得ることも企図される。
【0033】
[0045]
図4を参照すると、オペレータ機構20のヘッド部分94は、ヘッド部分94を通って長手方向に延び、スタイレット組立体16のスタイレット66をスライド自在に受容するようにサイズ決定および形状化される、孔20-1をさらに含む。そのようなものとして、オペレータ機構20の孔20-1、ハウジング12の第1の近位穴12-1、ハウジング12の近位軸方向開口部34、ハウジング12の遠位軸方向開口部36、および切断カニューレ44の管腔48は、長手方向軸24上にスタイレット組立体16のスタイレット66を軸方向および回転方向に受容および保持するための連続した貫通路を形成する。
【0034】
[0046]
図7を参照すると、オペレータ機構20は、近位方向26にスタイレットハブ64およびカニューレハブ42の軸方向運動をもたらすように構成される、例えば、位置付けられ、配置される。ヘッド部分94は、スタイレットハブ64に解放可能に係合するように構成され、例えば、位置付けられ、配置され、アーム部材96は、オペレータ機構20が近位方向26に移動されるとき、例えば、フック部材により、カニューレハブ42に解放可能に係合するように構成される。しかしながら、オペレータ機構20のヘッド部分94に対するスタイレットハブ64の回転位置にかかわらず、オペレータ機構20のヘッド部分94は、例えば、伸長位置88から後退位置90への近位方向26における長手方向軸24に沿ったスタイレット組立体16の制限された長手方向並進を促進するために、スタイレットハブ64の係合部材82との軸方向係合が可能である。
【0035】
[0047]
図2および
図10を参照すると、オペレータ機構20のヘッド部分94は、本体部98および端壁100を含む。ヘッド部分94の端壁100は、近位面94-1、遠位面104、および外周縁106を含む。本実施形態において、端壁100は、本体部98の半径範囲を越えて径方向に延びる板である。外周縁106は、近位面94-1と遠位面104との間に長手方向に延びる。
図1および
図11も参照すると、端壁100は、開放端108-1および閉鎖端108-2を有する、溝108、例えばスロット、を有し、開放端108-1は、外周縁106に隣接する。
【0036】
[0048]
図1および
図9~
図11を参照すると、オペレータ機構20のヘッド部分94の端壁100の溝108は、スタイレットハブ64が係合位置84へ回転されるとき、スタイレットハブ64の支柱80を受容するように、例えばサイズおよび形状において、構成される。特に
図9~
図11を参照すると、溝108は、開放端108-1で始まり、外周縁106から端壁100の内側へと延びて閉鎖端108-2で終端する細長伸長部を有し、この細長伸長部は、近位面94-1から遠位面104へも延びる。オペレータ機構20のヘッド部分94の端壁100の溝108は、スタイレットハブ64が係合位置84へ回転されるとき、スタイレットハブ64の支柱80を受容するように、例えばサイズおよび形状において、構成される。
【0037】
[0049]
図1を参照すると、スタイレットハブ64が係合位置84にあるとき、スタイレットハブ64は、オペレータ機構20のヘッド部分94に解放可能に接続される。例えば、
図2および
図9~
図10も参照すると、本実施形態において、スタイレットハブ64が
図1に描写される係合位置84にあるとき、スタイレットハブ64の支柱80は、オペレータ機構20のヘッド部分94の溝108内に受容され、オペレータ機構20のヘッド部分94の端壁100は、スタイレットハブ64の終板78と係合部材82との間に受容される。異なる言い方をすると、スタイレットハブ64が係合位置84にあるとき、スタイレットハブ64の係合部材82は、オペレータ機構20のヘッド部分94の端壁100の遠位面104に軸方向に係合するように位置付けられる。したがって、スタイレット組立体16およびオペレータ機構20は、スタイレットハブ64が係合位置84にあるとき、一緒に軸方向に(長手方向に)係止される。一緒に係止されるとき、生検装置10は、単一挿入単一試料モード(SISS)生検モードで動作可能である。
【0038】
[0050]しかしながら、
図11を参照すると、スタイレットハブ64が非係合位置86にあるとき、スタイレットハブ64は、
図12に描写されるように、オペレータ機構20とは独立して近位方向26におけるスタイレット組立体16の軸方向運動を促進するために、オペレータ機構20のヘッド部分94から外される。例えば、
図2および
図9~
図10も参照すると、本実施形態において、スタイレットハブ64が
図11に描写される非係合位置86へ回転されるとき、スタイレットハブ64の支柱80は、オペレータ機構20のヘッド部分94の溝108を回転方向に出て、オペレータ機構20のヘッド部分94の端壁100は、スタイレットハブ64の終板78と係合部材82との間にもはや位置しない。
【0039】
[0051]したがって、スタイレットハブ64が非係合位置86にあるとき、スタイレット組立体16およびオペレータ機構20は、もはや一緒に係止されず、生検装置10は、単一挿入複数試料(SIMS)生検モードで動作可能である。SIMSモードでは、生検装置10は、切断カニューレ44を患者から除去することなく、患者から複数の生検試料を抽出することができる。
【0040】
[0052]例えば、スタイレットハブ64が
図11に描写される非係合位置86にあるとき、スタイレット組立体16は、
図12に描写されるように、オペレータ機構20およびカニューレ組立体14とは独立して近位方向26において軸方向に自由に移動することができる。異なる言い方をすると、スタイレットハブ64が非係合位置86にあるとき、スタイレットハブ64およびスタイレット66(例えば、スタイレット組立体16の全体)は、オペレータ機構20もカニューレ組立体14も移動させることなく、近位方向26において軸方向に移動可能である。本実施形態において、スタイレット組立体16は、スタイレット組立体16が試料回収位置92へ軸方向に移動可能であるためにはスタイレットハブ64が非係合位置86になければならないように構築される。
【0041】
[0053]
図11を参照すると、スタイレットハブ64が非係合位置86にある状態で、スタイレット組立体16は、ユーザがスタイレットハブ64を近位方向26に引き寄せることにより試料回収位置92の方へ軸方向に移動され得る(
図12も参照)。試料除去フィンガー38は、ハウジング12からスタイレット66の方へ片持ち式に延びるように(例えば、位置、サイズ、および形状において)構成され、試料除去フィンガー38の自由端40がスタイレット66の外表面66-1に接触するように(例えば、位置、サイズ、および形状において)構築される。例えば、試料除去フィンガー38は、スタイレット66が試料回収位置92の方へ後退されると、試料除去フィンガー38の自由端40がスタイレット66の外表面66-1の外形をたどって(換言すれば、外形に追従し)、試料ノッチ74に入って係合するように、スタイレット66へ向かう方向に自己付勢状態にある板ばねを形成し得る。異なる言い方をすると、スタイレット66が近位方向26に後退されると、試料除去フィンガー38は、スタイレット66の外表面66-1に沿って進み、その結果として、試料除去フィンガー38の自由端40は、試料ノッチ74内に存在する任意の組織を取り除いて持ち上げるために、スタイレット66の試料ノッチ74に入って係合する。
【0042】
[0054]
図12に示されるように、スタイレット66が試料回収位置92にあり、かつ切断カニューレ44が第2の軸方向位置58にあるとき、スタイレット66の試料ノッチ74は、切断カニューレ44の試料アクセスポート54を通じたスタイレット66の試料ノッチ74からの組織試料の除去を促進するように、切断カニューレ44の試料アクセスポート54と(例えば、径方向に、および少なくとも部分的に長手方向に)整列される。本実施形態において、切断カニューレ44が第2の軸方向位置58にあり、かつスタイレット66が試料回収位置92にあるとき、切断カニューレ44の試料アクセスポート54およびスタイレット66の試料ノッチ74の各々は、ハウジング12の試料アクセス窓32を通じたスタイレット66の試料ノッチ74からの組織試料の除去を促進するように、ハウジング12の試料アクセス窓32と(例えば、径方向に、および少なくとも部分的に長手方向に)整列される。
【0043】
[0055]生検装置10を動作させるプロセスが、これより一連の
図6~
図8、
図11、および
図12において説明される。
【0044】
[0056]
図6を参照すると、生検装置10は、「発射」、すなわち脱準備完了、状態で示され、カニューレ組立体14およびスタイレット組立体16の各々は、それぞれの完全伸長位置にある。例えば、
図6に示されるように、カニューレ組立体14の切断カニューレ44は、第2の軸方向位置58にあり、スタイレット組立体16のスタイレット66は、伸長位置88にある。生検装置10は、作動可能、すなわち、準備完了であるように、準備が整っており、作動可能状態は
図7に描写される。生検装置10のスタイレット66および切断カニューレ44は、生検装置10を作動可能状態に置く前または後のいずれかに、患者内へ一斉に挿入され得る。
【0045】
[0057]
図7を参照すると、生検装置10は、作動可能、すなわち準備完了、状態で示され、カニューレ組立体14およびスタイレット組立体16の各々は、それぞれの後退位置にある。例えば、
図7に描写されるように、カニューレ組立体14の切断カニューレ44は、第1の軸方向位置56にあり、スタイレット組立体16のスタイレット66は、後退位置90にある。
図7に描写される、作動可能、すなわち準備完了、状態を達成するため、オペレータ機構20は、カニューレ組立体14を第1の軸方向位置56へ同時に移動させるため、およびスタイレット組立体を後退位置90へ移動させるため、近位方向26に移動される。
図4および
図5も参照すると、作動可能状態にあるとき、切断カニューレ44に装着されたカニューレハブ42は、ラッチ60によって掛止され、その結果として、切断カニューレ44は、第1の軸方向位置56に保持され、発射ばね62は、圧縮される。生検装置10のスタイレット66は、このとき、生検試料を採取するように位置決めされる準備が整っている。
【0046】
[0058]生検装置10が
図7に描写される作動可能状態にあることの結果として、カニューレ組立体14の切断カニューレ44が第1の軸方向位置56にあり、スタイレット組立体16のスタイレット66が後退位置90にある状態で、その後、オペレータ機構20およびスタイレット組立体16は、次いで、
図8に描写されるように、スタイレット66が完全に伸長され、例えば、伸長位置88にあり、以て、スタイレット66の試料ノッチ74を露出するまで、遠位方向28に一斉に移動され得る。異なる言い方をすると、ユーザは、スタイレットハブ64を押し下げることができ、そのことがスタイレット組立体16およびオペレータ機構20の両方を遠位方向28に向けてスライドさせ、そのことが、スタイレット66を切断カニューレ44に対して遠位方向28にスライドさせて、スタイレット66の試料ノッチ74を切断カニューレ44の遠位切断縁52を越えて露出させる。次いで、試料ノッチ74の領域内の組織は、試料ノッチ74内へ逸脱し得る。生検装置10は、このとき、組織試料を切るために発射される準備が整っている。
【0047】
[0059]オペレータ機構20のさらなるわずかな前方(遠位)運動(例えば、1mm)は、生検装置10を発射させるように、アーム部材96を遠位方向28に移動させて発射機構18のラッチ60を解放し、発射ばね62は、作動可能状態から解放されて、切断カニューレ44を前方へ推進し、スタイレット66の試料ノッチ74内の任意の組織を切るように、スタイレット66の試料ノッチ74の上へ移動させる。生検装置10は、このとき、
図6に描写される、発射、すなわち脱準備完了、状態へ戻っている。
【0048】
[0060]生検装置10を動作させるSISSモードまたはSIMSモードのいずれかにおいて、スタイレット66の試料ノッチ74内の組織試料は、このとき、以下のようにハウジング12の試料アクセス窓32を通じて回収され得る。
【0049】
[0061]これより
図11も参照すると、スタイレットハブ64は、次いで、非係合位置86へ回転される(すでにそうなっていない場合)。その後、
図12も参照すると、ユーザは、スタイレット66の試料ノッチ74がハウジング12の試料アクセス窓32において切断カニューレ44の試料アクセスポート54と(例えば、径方向に、および少なくとも部分的に長手方向に)整列して位置付けられるまで、スタイレット組立体16を近位方向26において軸方向に、および必要に応じて回転方向に、移動させる。次いで、組織試料は、切断カニューレ44の試料アクセスポート54およびハウジング12の試料アクセス窓32を通じてスタイレット66の試料ノッチ74から除去され得る。組織除去を支援するため、スタイレット66が試料回収位置92の方へ後退されると、試料除去フィンガー38の自由端40は、スタイレット66の外表面66-1の外形をたどって、試料ノッチ74に入って組織試料に係合し、組織試料を試料ノッチ74から取り除いて持ち上げる。
【0050】
[0062]いくつかの実施形態において、スタイレット組立体16は、スタイレット66の全体がオペレータ機構20から除去されるように、近位方向26においてさらに軸方向に移動され得る。例えば、いくつかの状況または手順においては、例えば、生検手順の間スタイレット組立体16(例えば、SIMSモードにある)の清浄または交換を促進するように、スタイレット組立体16を生検装置10から完全に除去することが望ましいおよび/または有利である場合がある。しかしながら、任意選択的に、オペレータ機構20は、スタイレット66の試料ノッチ74の遠位端に係合するように位置付けられる、ハウジング12の第1の近位穴12-1に、もしくはこれに隣接して、またはオペレータ機構20の孔20-1に、もしくはこれに隣接して位置する止め部を含み得、以て、オペレータ機構20からのスタイレット組立体の完全除去に抵抗する。
【0051】
[0063]SISS動作モードでは、生検装置10の全体が、ここで、患者から除去され得る。SISSモードでは、ユーザは、所望の場合、生検装置10の全体が患者から除去された後まで試料回収位置92へのスタイレット組立体16のスタイレット66の近位後退を延期し得る。
【0052】
[0064]しかしながら、例えば、切断カニューレ44が患者内に留まっている間に1つまたは複数の追加の組織試料が所望される、生検装置10のSIMS動作モードでは、スタイレット組立体16は、生検装置10の構成要素を、
図6に描写される発射、すなわち脱準備完了、状態に再位置付けするために、伸長位置88へ戻され得る。その後、オペレータ機構20は、
図7に描写されるような、作動可能、または準備完了、状態を達成するため、同時に、カニューレ組立体14を第1の軸方向位置56へ移動させ、スタイレット組立体16を後退位置90へ移動させるために、近位方向26に移動され得る。
図4および
図5も参照すると、作動可能であるとき、切断カニューレ44は、第1の軸方向位置56に掛止され、発射ばね62は、作動可能状態を達成するように圧縮される。オペレータ機構20およびスタイレット組立体16は、次いで、遠位方向28に前方へスライドされ得、このことが、
図8に描写されるように、スタイレット66を切断カニューレ44に対して遠位方向28にスライドさせて、スタイレット66の試料ノッチ74を切断カニューレ44の遠位切断縁52を越えて露出させ、組織は、再び、試料ノッチ74内へ逸脱し得る。オペレータ機構20のさらなるわずかな前方(遠位)運動は、発射ばね62を作動可能状態から発射し、すなわち、解放し、切断カニューレ44を前方へ推進して、スタイレット66の試料ノッチ74内の任意の組織を切るようにスタイレット66の試料ノッチ74の上へ移動させ、
図6に描写される発射、すなわち脱準備完了、状態を再び達成する。スタイレットハブ64は、次いで、
図11に描写されるような非係合位置86へ回転され得(まだそうなっていない場合)、次いで、
図12に描写されるように、ユーザは、スタイレット66の試料ノッチ74がハウジング12の試料アクセス窓32において切断カニューレ44の試料アクセスポート54と(例えば、径方向に、および少なくとも部分的に長手方向に)整列して位置付けられるまで、スタイレット組立体16を近位方向26において軸方向に、および必要に応じて回転方向に、移動させる。本組織試料は、次いで、上に説明されるように、切断カニューレ44の試料アクセスポート54およびハウジング12の試料アクセス窓32を通じてスタイレット66の試料ノッチ74から除去され得る。
【0053】
[0065]さらなる試料が所望される場合、上に説明される動作プロセスは、再度繰り返され得る。
【0054】
[0066]以下の項目もまた、本発明に関する。
【0055】
[0067]1つの形態において、本発明は、ハウジング、カニューレ組立体、スタイレット組立体、発射機構、およびオペレータ機構を含む生検装置に関する。ハウジングは、空洞を有し、長手方向軸を規定するように構成される(規定する)。カニューレ組立体は、ハウジングに移動可能に結合され、切断カニューレを備え得る。カニューレ組立体は、切断カニューレに固定されるカニューレハブを有する。切断カニューレは、長手方向軸上に(に沿って)配置される管腔を有する。スタイレット組立体は、ハウジングに移動可能に結合される。スタイレット組立体は、スタイレットハブおよびスタイレットを有する。スタイレットは、切断カニューレと同軸である。スタイレットは、近位部分および遠位部分を有する。近位部分は、スタイレットハブに固定される。遠位部分は、遠位先端、および遠位先端に対して近位の試料ノッチを有する。スタイレットハブは、長手方向軸に対して軸方向および回転方向に移動可能である(ように構成される)。発射機構は、ラッチおよび発射ばねを有する。発射ばねおよびカニューレハブは、ハウジングの空洞に位置付けられる。ラッチは、切断カニューレを第1の軸方向位置に保持するためにカニューレハブに係合するように構成される。オペレータ機構は、スタイレットハブおよびカニューレハブの軸方向運動をもたらすように構成される。オペレータ機構は、ヘッド部分およびアーム部材を有し、アーム部材は、ヘッド部分から遠位に延びる。ヘッド部分は、スタイレットハブに解放可能に係合するように構成され、アーム部材は、カニューレハブに解放可能に係合するように構成される。スタイレットハブは、係合位置と非係合位置との間で回転方向に移動可能であるように構成される。スタイレットハブ(オペレータ機構/装置)は、スタイレットハブが係合位置にあるとき、スタイレットハブがオペレータ機構のヘッド部分に解放可能に接続されるように構成される。スタイレットハブは、スタイレットハブが非係合位置にあるとき、スタイレットハブが、オペレータ機構とは独立して近位方向におけるスタイレット組立体の軸方向運動を促進するために、オペレータ機構のヘッド部分から外されるように構成される。
【0056】
[0068]本発明の実施形態のいずれかによると、本装置は、スタイレットハブが非係合位置にあるとき、スタイレットハブおよびスタイレットが、オペレータ機構もカニューレ組立体も移動させることなく、近位方向において軸方向に移動可能であるように構成され得る。
【0057】
[0069]本発明の実施形態のいくつかによると、スタイレットハブは、終板、支柱、および係合部材を有し得、支柱は、終板と係合部材との間に介在される。オペレータ機構のヘッド部分は、近位面、遠位面、および外周縁を有する端壁を有し得る。外周縁は、近位面と遠位面との間に延びるように構成される(延びる)。端壁は、開放端および閉鎖端を有する溝を有し得、開放端は、外周縁に隣接する。オペレータ機構(オペレータ機構/装置)のヘッド部分の端壁の溝は、スタイレットハブが係合位置へ回転されるとき、スタイレットハブの支柱を受容するように構成され得、また、スタイレットハブが係合位置にあるとき、係合部材が、オペレータ機構のヘッド部分の端壁の遠位面に軸方向に係合するように構成され得る。
【0058】
[0070]本発明の実施形態のいずれかによると、スタイレット組立体(装置)は、ハウジングに対して後退位置、伸長位置、および試料回収位置の間で軸方向に移動するように構成され得る。スタイレット組立体は、スタイレット組立体が試料回収位置へ軸方向に移動可能であるためには、スタイレットハブが非係合位置になければならないように構成され得る。
【0059】
[0071]先の段落の実施形態によると、試料回収位置は、後退位置に近位であり得(あり)、後退位置は、伸長位置に近位であり得る(ある)。
【0060】
[0072]本発明の実施形態のいずれかによると、切断カニューレは、カニューレ壁と、切断カニューレの管腔と流体連通状態にある、カニューレ壁を通る試料アクセスポートを有するカニューレ部分とを含み得る。切断カニューレは、第1の軸方向位置に遠位である第2の軸方向位置を有し得る。生検装置は、切断カニューレが第2の軸方向位置にあり、かつスタイレットが試料回収位置にあるとき、スタイレットの試料ノッチが、切断カニューレの試料アクセスポートと径方向に整列され得るように構成され得る。
【0061】
[0073]本発明の実施形態のいくつかによると、ハウジングは、試料アクセス窓を含み得る。生検装置は、切断カニューレが第2の軸方向位置にあり、かつスタイレットが試料回収位置にあるとき、切断カニューレの試料アクセスポートおよびスタイレットの試料ノッチの各々が、スタイレットの試料ノッチからの組織試料の除去を促進するために、ハウジングの試料アクセス窓と径方向に整列され得るように構成され得る。
【0062】
[0074]任意選択的に、本発明の実施形態のいくつかによると、試料除去フィンガーは、ハウジングに接続され得る。試料除去フィンガーは、試料アクセス窓内でハウジングから片持ち式に延び得る(延びるように構成され得る)(本装置は、そうであるように構成され得る)。試料除去フィンガーは、自由端を有し、試料除去フィンガー(装置)の自由端は、スタイレットの外表面に接触するように構成され得る。
【0063】
[0075]任意選択的に、本発明の実施形態のいくつかによると、試料除去フィンガーは、ハウジングに接続され得、試料除去フィンガー(装置)は、スタイレットが後退されるとき、スタイレットの試料ノッチに係合するように構成され得る。
【0064】
[0076]任意選択的に、本発明の実施形態のいくつかによると、試料除去フィンガーは、ハウジングに接続され得る。試料除去フィンガーは、ハウジングからスタイレットの方へ片持ち式に延び得(延びるように構成され得)(本装置は、そうであるように構成され得)、試料除去フィンガーの自由端は、スタイレットの外表面に接触し得る(接触するように構成され得る)。試料除去フィンガーは、スタイレットが試料回収位置の方へ後退されると、試料除去フィンガーの自由端が試料ノッチ内へとスタイレットの外表面をたどるように、スタイレットへ向かう方向に自己付勢状態にあり得る(自己付勢状態にあるように構成され得る)(本装置は、そうであるように構成され得る)。
【0065】
[0077]別の形態において、本発明は、試料アクセス窓を有するハウジングを含む生検装置に関する。試料除去フィンガーは、ハウジングに接続される。試料除去フィンガーは、試料アクセス窓内でハウジングから片持ち式に延び得る(延びるように構成され得る)(本装置は、そうであるように構成され得る)。試料除去フィンガーは、自由端を有する。カニューレ組立体は、ハウジングに移動可能に結合され、切断カニューレを備え得る。カニューレ組立体は、切断カニューレに固定されるカニューレハブを有する。切断カニューレは、試料アクセスポートおよび遠位切断縁を有する。切断カニューレは、長手方向軸を規定する(これに沿って延び得る)。切断カニューレは、ハウジングから遠位に延びるように位置付けられる(本装置は、そのように構成され得る)。カニューレ組立体は、第1の軸方向位置と第2の軸方向位置との間で軸方向に移動するように構成される。スタイレット組立体は、ハウジングに移動可能に結合される。スタイレット組立体は、後退位置、伸長位置、および試料回収位置の間で軸方向に移動するように構成される。スタイレット組立体は、スタイレットを有し得、スタイレットに固定されるスタイレットハブを有する。スタイレットは、切断カニューレと同軸である。スタイレットは、遠位先端、および遠位先端に対して近位の試料ノッチを有する。スタイレットは、試料除去フィンガーの自由端が切断カニューレの試料アクセスポートを通って延びてスタイレットの外表面に接触するように位置付けられる(本装置は、そのように構成され得る)。オペレータ機構は、スタイレットハブおよびカニューレハブの軸方向運動をもたらすように構成される。オペレータ機構は、ヘッド部分およびアーム部材を有し、アーム部材は、ヘッド部分から遠位に延びる。ヘッド部分は、スタイレットハブに解放可能に係合するように構成され、アーム部材は、カニューレハブに解放可能に係合するように構成される(本装置は、そのように構成され得る)。スタイレットハブ(オペレータ機構/装置)は、係合位置と非係合位置との間でオペレータ機構のヘッド部分に対して回転方向に移動可能であるように構成される。
【0066】
[0078]本発明の実施形態のいくつかによると、スタイレット組立体(装置)は、スタイレットハブが係合位置にあるとき、スタイレットハブがオペレータ機構のヘッド部分に解放可能に接続されるように構成され得る。スタイレット組立体(装置)は、オペレータ機構とは独立して試料回収位置への近位方向におけるスタイレット組立体の軸方向運動を促進するように、スタイレットハブが非係合位置にあるとき、スタイレットハブがオペレータ機構のヘッド部分から外されるように構成され得る。
【0067】
[0079]本発明の実施形態のいずれかによると、スタイレット組立体(装置)は、スタイレットハブが非係合位置にあるとき、スタイレットハブおよびスタイレットが、オペレータ機構もカニューレ組立体も移動させることなく、近位方向において軸方向に移動可能であるように構成され得る。
【0068】
[0080]本発明の実施形態のいくつかによると、スタイレットハブは、終板、支柱、および係合部材を有し得、支柱は、終板と係合部材との間に介在される。オペレータ機構のヘッド部分は、近位面、遠位面、および外周縁を有する端壁を有し得る。外周縁は、近位面と遠位面との間に延びるように構成され得る(延びる)。端壁は、開放端および閉鎖端を有する溝を有し得、開放端は、外周縁に隣接する。オペレータ機構(オペレータ機構/装置)のヘッド部分の端壁の溝は、スタイレットハブが係合位置へ回転されるとき、スタイレットハブの支柱を受容するように構成され得る。係合部材は、スタイレットハブが係合位置にあるとき、オペレータ機構のヘッド部分の端壁の遠位面に軸方向に係合するように位置付けられる(位置付けられるように構成される)。
【0069】
[0081]段落0065~0068の本発明の実施形態のいずれかによると、試料回収位置は、後退位置に対して近位であり得(あり)、後退位置は、伸長位置に対して近位であり得る(ある)。スタイレットハブは、スタイレット組立体が、試料回収位置へのスタイレットの軸方向運動を促進するように、カニューレ組立体とは独立して軸方向に移動可能であるように、スタイレットハブが係合位置から非係合位置へ回転されるとき、オペレータ機構のヘッド部分から脱係合し得る(脱係合するように構成され得る)(本装置は、そのように構成され得る)。
【0070】
[0082]本発明の実施形態のいずれかによると、切断カニューレは、管腔を含み得、スタイレットは、管腔内に位置し得る(位置するように構成される)。生検装置は、切断カニューレが第2の軸方向位置にあり、かつスタイレットが試料回収位置にあるとき、スタイレットの試料ノッチが、ハウジングの試料アクセス窓において切断カニューレの試料アクセスポートと径方向に整列され得るように構成され得る。
【0071】
[0083]段落0065~0070の実施形態のいずれかによると、試料除去フィンガーは、スタイレットが試料回収位置にあるとき、スタイレットの試料ノッチに係合し得る(係合するように構成され得る)(本装置は、そのように構成され得る)。
【0072】
[0084]段落0065~0071の実施形態のいずれかによると、試料除去フィンガーの自由端は、スタイレットの表面をたどるように、およびスタイレットが試料回収位置の方へ後退されると、試料ノッチに入るように、スタイレットの表面と接触状態にあるように構成され得る(接触状態にある)(本装置は、そのように構成され得る)。
【0073】
[0085]段落0065~0072の実施形態のいずれかによると、生検装置は、ラッチおよび発射ばねを含み得る発射機構をさらに備え得る。発射ばねは、ハウジングとカニューレハブとの間に介在され得る。ラッチは、カニューレ組立体を、切断カニューレが第1の軸方向位置にあり、かつ発射ばねが圧縮される作動可能状態に保持するために、カニューレハブに係合し得る(係合するように構成され得る)(本装置は、そのように構成され得る)。
【0074】
[0086]本発明の実施形態のいずれかによると、オペレータ機構は、近位方向におけるスタイレットハブおよびカニューレハブの同時軸方向移動をもたらすように構成され得、カニューレハブの軸方向移動は、切断カニューレが第2の軸方向位置から第1の軸方向位置へ移動されると(移動すると)、発射機構の発射ばねを圧縮させる(圧縮させるように構成される)(本装置は、そのように構成され得る)。
【0075】
[0087]本発明の実施形態のいずれかによると、オペレータ機構は、発射機構のラッチを解放するために遠位方向に移動するように構成され得(移動し)(本装置は、そのように構成され得)、発射ばねは、第1の軸方向位置から第2の軸方向位置への切断カニューレの遠位軸方向運動をもたらすために圧縮解除する。
【0076】
[0088]本明細書で使用される場合、用語「実質的に」、「わずかに」、および度合いの他の言葉は、相対的な修飾語句であり、これは、そのように修飾された特徴からの許容ばらつきを示すことが意図される。そのような用語は、それが修飾する特徴の絶対値に限定されることは意図されず、反意語というよりはむしろその物理的または機能的特徴を保有すること、およびそのような物理的または機能的特徴に近づくことまたは近似することが意図される。
【0077】
[0089]本発明は、少なくとも1つの実施形態に関して説明されているが、本発明は、本開示の趣旨および範囲内でさらに修正され得る。本出願は、したがって、その一般原則を使用して、本発明の任意の変異形、使用法、または適応を網羅することが意図される。さらに、本出願は、本開示からのそのような逸脱を、本発明が属する技術分野における周知または慣例の行為内に入るものとして網羅することが意図され、これは添付の特許請求の範囲の制限内に入る。