(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】ゲーム装置、ゲームシステム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/77 20140101AFI20240830BHJP
A63F 13/792 20140101ALI20240830BHJP
A63F 13/45 20140101ALI20240830BHJP
【FI】
A63F13/77
A63F13/792
A63F13/45
(21)【出願番号】P 2023009588
(22)【出願日】2023-01-25
(62)【分割の表示】P 2020152412の分割
【原出願日】2020-09-10
【審査請求日】2023-09-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】富澤 幸恵
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 聖子
(72)【発明者】
【氏名】高田 治奈
(72)【発明者】
【氏名】松枝 知里
(72)【発明者】
【氏名】若生 貴幸
(72)【発明者】
【氏名】林田 梨紗子
(72)【発明者】
【氏名】福田 七星
【審査官】前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-110792(JP,A)
【文献】特開2020-116466(JP,A)
【文献】特開2005-152040(JP,A)
【文献】特開2020-087130(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
稼働状態においてゲーム
に係るサービスを提供可能に構成されたゲーム装置であって、
前記ゲームに係る処理を実行する実行手段と、
物品を提供する提供手段と、
前記ゲーム装置における前記サービスの利用可能回数に関する許可情報を管理する管理手段と、
前記管理手段に
より管理され
る前記許可情報に基づいて、前記ゲーム装置を稼働状態と非稼働状態のいずれとするかを制御する制御手段と、
前記稼働状態において、前記サービスの利用を受け付ける受付手段と、
を備え、
前記サービスは、前記物品の提供と前記ゲームに係る処理の実行の少なくともいずれかを行う複数種類のサービス項目を含み、
前記受付手段による前記サービスの受け付けは、利用する種類のサービス項目の選択を含み、
前記管理手段は、前記受付手段による前記サービスの利用の受け付けがなされたことに応じて
前記許可情報を変更するゲーム装置。
【請求項2】
前記管理手段は、前記受付手段による前記サービスの利用の受け付けに係り選択された種類のサービス項目に応じて前記許可情報を変更する請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記受付手段は、前記非稼働状態において、前記サービスの利用を受け付けない請求項1
または2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
代価の支払いを検出する検出手段をさらに備え、
前記受付手段は、前記検出手段による代価の支払いが検出されたことを条件として、前記サービスの利用を受け付ける請求項
1乃至
3のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記サービスの提供に係る情報提示を制御する情報提示手段をさらに備え、
前記情報提示手段は、前記ゲーム装置が前記非稼働状態である場合に、
前記非稼働状態であることを示す情報の提示を行うよう制御する
請求項1乃至
4のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項6】
ゲーム用物品と、稼働状態においてゲーム
に係るサービスを提供可能に構成されたゲーム装置と、を含んで構成されるゲームシステムであって、
前記ゲーム装置は、
前記ゲームに係る処理を実行する実行手段と、
前記ゲーム用物品を提供する提供手段と、
前記ゲーム装置における前記サービスの利用可能回数に関する許可情報を管理する管理手段と、
前記管理手段に
より管理され
る前記許可情報に基づいて、前記ゲーム装置を稼働状態と非稼働状態のいずれとするかを制御する制御手段と、
前記稼働状態において、前記サービスの利用を受け付ける受付手段と、
を備え、
前記サービスは、前記ゲーム用物品の提供と前記ゲームに係る処理の実行の少なくともいずれかを行う複数種類のサービス項目を含み、
前記受付手段による前記サービスの受け付けは、利用する種類のサービス項目の選択を含み、
前記管理手段は、前記受付手段による前記サービスの利用の受け付けがなされたことに応じて
前記許可情報を変更するゲームシステム。
【請求項7】
コンピュータを、請求項1乃至
5のいずれか1項に記載のゲーム装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置、ゲームシステム及びプログラムに関し、特に物品提供機能を備えるゲーム装置の不正運用を防止する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームプレイに対して、物品を提供するゲーム装置がある(特許文献1)。このようなゲーム装置において提供される物品は、その品質や動作の安全性を担保するため、該ゲーム装置のパブリッシャ側から設置店舗等に物品が供給されるのが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のように物品を提供可能なゲーム装置の構造を考慮すれば、コピー品、模倣品、さらには全く関係のない物品を提供するような運用も可能であり、パブリッシャ側からの物品の供給がなくとも、ゲーム装置を不正に運用できてしまう側面があった。
【0005】
本発明は、不正運用を防止するゲーム装置、ゲームシステム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様のゲーム装置は、稼働状態においてゲームのプレイ体験の提供及び物品の提供の少なくともいずれかを行うサービスを提供可能に構成されたゲーム装置であって、ゲームに係る処理を実行する実行手段と、物品を提供する提供手段と、記録手段に記録された数値情報に基づいて、ゲーム装置を稼働状態と非稼働状態のいずれとするかを制御する制御手段と、稼働状態において、サービスの利用を受け付ける受付手段と、を備え、数値情報は、サービスの利用可能回数を所定の単位で表した数値を示し、数値情報により示される数値は、受付手段によるサービスの利用の受け付け、実行手段によるゲームに係る処理の実行、及び提供手段による物品の提供、の少なくともいずれかがなされたことに応じて減少される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、不正運用を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100の外観を示した図
【
図2】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100の機能構成を示したブロック図
【
図3】本発明の実施形態及び変形例に係るプレート300の構成例を示した図
【
図4】本発明の実施形態及び変形例に係る保持部120の構造を説明するための図
【
図5】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100で実行される稼働制御処理を例示したフローチャート
【
図6】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム処理を例示したフローチャート
【
図7】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100の画面表示例を示した図
【
図8】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100で用いられる各種情報のデータ構成を例示した図
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
以下に説明する一実施形態は、ゲーム装置の一例としての、ゲーム用物品であるプレートの提供機能を備え、かつ、該プレートから情報取得を行わせることで進行を変化させることが可能なゲームのプレイ体験を提供する、アーケード用のゲーム装置に、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、ゲームのプレイ体験を提供することが可能な任意の機器に適用可能である。
【0011】
《ゲーム装置100の構成》
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置100の外観を例示した図である。より詳しくは、
図1(a)、(b)及び(c)は、それぞれゲーム装置100の前方斜視図、側面図及び後方斜視図を示している。
【0012】
図示されるように、ゲーム装置100は、本体部160の天板150に設けられた支柱130に、2つの表示装置である第1表示部131及び第2表示部132が取り付けられて構成されている。
図1の例では、本体部160、支柱130、第1表示部131及び第2表示部132は、それぞれ分離可能に構成されるものであってよい。
図1において、矢印170で示される方向が鉛直方向(具体的には鉛直上方向)であり、支柱130は第1表示部131の下端と第2表示部132の上端とが当接するよう、取り付け部の形状が構成されている。
【0013】
また
図1において、矢印180で示される方向が、ゲーム装置100の正面方向であり、ゲームのプレイ体験の提供中には、基本的には利用者が該正面方向に存在しているものとして、第1表示部131及び第2表示部132をはじめとした情報提示が行われる。換言すれば、第1表示部131及び第2表示部132を介して提示されるゲーム画面は、正面方向からの鑑賞に最適化された態様で構成される。
【0014】
なお、本実施形態では
図1に示されるように、本体部160の天板150に、保持部120、説明領域151及び展示領域152が設けられている、即ち、保持部120、説明領域151及び展示領域152が、本体部160に一体となって組み込まれているものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。つまり、天板150とは、本体部160の上面の少なくとも一部を覆うよう構成される面であればよく、例えばアーケードゲーム筐体用のコントロールパネル等、本体部160から分離可能に構成されるものであってもよい。
【0015】
〈ゲーム装置100の機能構成〉
以下、本実施形態のゲーム装置100の機能構成について、
図2のブロック図を参照して説明する。
【0016】
制御部101は、例えばCPUであり、ゲーム装置100が有する各ブロックの動作を制御する。具体的には制御部101は、例えば記録媒体102に記録されている各ブロックの動作プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより各ブロックの動作を制御する。
【0017】
記録媒体102は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的にデータを保持可能な記録装置である。記録媒体102は、ゲーム装置100が有する各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作において必要となるパラメータの情報や、ゲーム装置100が実行するゲームに使用される各種のグラフィックスデータ等を記憶する。メモリ103は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。メモリ103は、各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
【0018】
支払検出部104は、ゲーム装置100において代価の支払いがなされたことを検出する。代価の支払いは、例えば硬貨の投入口に所定の金額の硬貨や相当するコインが投入されたこと、あるいは所定の電子マネーに係るチップとの通信に基づく決算処理の完了等を検出することにより判断されるものであってよい。本実施形態のゲーム装置100は、代価の支払いに基づいて、ゲームのプレイ体験の提供及び物品の提供の少なくともいずれかを行うサービスの提供を開始するものとして説明する。
【0019】
取得部105は、本実施形態のゲーム装置100が備える、物品からの情報取得に係るインタフェースである。具体的には取得部105は、2種類の物品に付された情報の取得が可能に構成されており、種類ごとに異なる取得装置(リーダ)を介して、物品に付された情報を取得する。本実施形態のゲーム装置100では、プレイ体験が提供されるゲームに登場するゲーム要素が対応付けられたプレートと、該ゲーム装置100のサービス提供用の稼働を許可するための情報が付された稼働カードとからの情報取得が可能なよう、前者についてプレートリーダ123を、後者についてカードリーダ124を備える。なお、本実施形態では2種類の物品からの情報取得を可能ならしめるために2種類のリーダを備える態様について説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではなく、これらの情報は単独のリーダで読み取り可能に構成されるものであってもよい。
【0020】
本実施形態では、プレートはゲームに登場するキャラクタのいずれか1体が対応付けられており、本発明に係る第2情報としての、プレート情報が付されている。プレート情報は、例えば
図8(a)に示されるように、プレートを識別するプレートID801に関連付けて、該プレートに対応付けられたキャラクタを一意に特定するキャラクタID802を含んで構成されるものであってよい。
【0021】
プレート300は、
図3に例示されるように、矩形状に形成された主面を含んで構成され、該主面に直交する方向に所定の厚みを持った硬質プレートで形成される。
図3(a)はプレート300のオモテ面を示し、
図3(b)はプレート300のウラ面(オモテ面の反対面)を示している。ここで、「矩形状」とは、プレート300の主面に直交する方向に示す外形が概して矩形を構成するものを指し、端部や縁部に対して施される面取りによって厳密には矩形とならないものを含むものとして説明する。また以下では、当該外形により形作られる矩形の辺と辺が直交する部位を、単に「角」として言及する。即ち、プレート300の矩形状に形成された主面は4つの角を有し、図示されるように、正位置において上端に位置する角を301a、左端に位置する角を301b、右端に位置する角を301c、最下端に位置する角を301dとして識別する。
【0022】
プレート300は、図示されるように矩形状の主面の外形を菱形とする態様(外形の対角線が水平方向及び垂直方向に延びる態様)が正位置に定義されており、該正位置にある場合に正しく視認されるよう、対応付けられたキャラクタの外観を示す画像がプレート300のオモテ面に形成される。
図3(a)に示されるように、プレート300のオモテ面には、対応付けられたキャラクタの画像と該キャラクタの名称とが付されている。一方、プレート300のウラ面には、
図3(b)に示されるように、角301dの近傍にプレート情報を変換した2次元コード304が付されている。
【0023】
このようなプレート300に付された2次元コード304を読み取るべく、本実施形態のゲーム装置100は提供部140の天板150に、
図4に示されるような、天板150から膨出する態様で設けられた保持部120を備える。
図4(a)に示されるように、保持部120は、ゲームのプレイ体験の提供に際して3つのプレート300を保持可能なよう、それぞれについて挿入穴121及び傾斜板122を具備する。保持部120において、複数の挿入穴121は、一定の方向に配列されており、隣り合う2つの挿入穴121にプレート300が挿入された場合に、これらのプレート300が接触しないよう離間して設けられる。また保持されたプレート300の一覧性を担保すべく、隣り合う2つの挿入穴121の離間距離は、プレート300の最大径以下に構成されている。
【0024】
各挿入穴121の内部は、
図4(b)に示されるように、傾斜板122で形成される面に沿って延びる溝構造になっている。該溝構造は、底部401の形状がプレートの角301dと同様の開きを有するV字状になっており、
図4(c)に示されるように、正位置のプレート300が最下端まで挿入された場合に、主面の角301dを構成する2つの辺が底部401によって支持され、主面に直交する軸周りの回転が生じない態様で該プレート300を保持する。ここで、傾斜板122は、ゲーム装置100の正面から見て後傾する面を形成しており、挿入されたプレート300は、主面が非水平状態になる姿勢に保持される。
【0025】
プレートリーダ123は、挿入穴121にプレート300が挿入されたことを受けて、2次元コード304を読み取ることで該プレート300に付されたプレート情報を取得し、取得部105に出力する。プレートリーダ123は、プレート300からの情報取得可能な状態に制御されている期間において、挿入穴121にプレート300挿入されたことの検出、及び該プレート300からのプレート情報の取得を、撮像により得られた画像に対して所定の画像処理を適用することで行う。
【0026】
このためプレートリーダ123は、底部401の最下端から所定距離上方(鉛直上方向)に離間した位置の傾斜板122側に設けられており、プレート300が正位置、かつ、ウラ面が傾斜板122に接する状態で挿入穴121に挿入された場合に、該プレート300に付された2次元コード304を読み取ることが可能に構成される。即ち、保持部120は、プレート300からプレート情報を取得可能な状態において、該プレート300の主面の角301dが他のいずれの角(301a乃至c)よりも鉛直方向において下方に位置し、かつ、角301aが他のいずれの角(301b乃至d)よりも同方向において上方に位置するよう、該プレート300を保持する構造を有している。また本実施形態ではプレート300は正位置において対角線の1つが水平方向に延びる菱形形状を成すため、同状態において、プレート300の主面の角301b及びcは同一の鉛直高さに保持される。
【0027】
図示されるように、保持部120に設けられた溝構造は、付されたプレート情報を取得可能な状態でプレート300が挿入された場合に、該プレート300の一部(主面の角301d及び2次元コード304を含む)のみを遮蔽するように構成される。換言すれば、溝構造の深さは、プレート300の正位置における縦寸法よりも短く設定される。本実施形態では溝構造は、プレート300からプレート情報を取得可能な状態において、
図3(a)に示されるように、該プレート300のオモテ面のうちのキャラクタの名称を示す領域303のみを遮蔽し、残りの領域302は視認可能となるよう、該プレート300を保持する。このため、プレート300のオモテ面は、該プレート300に対応付けられたキャラクタの外観のうちの、例えば頭部等の該キャラクタを視覚的に識別可能ならしめる部位が領域302に配置されるよう構成される。対して、識別性が高くはない、キャラクタのその他の部位については領域303に含まれ、キャラクタの名称と共に遮蔽されるよう構成されてよい。
【0028】
保持部120がこのような保持構造を有することで、プレイヤは、ゲームプレイ中において、いずれのキャラクタに対応付けられたプレート300をいずれの挿入穴121に挿入している状態であるかを識別することができる。また、プレート300の主面の角301aが本体部160の天板150から突出する状態で保持される、即ち、該角301aを形成する2つの辺がいずれも天板150と交差する状態で保持されるため、ゲームプレイ後にプレイヤがプレート300の回収を失念する可能性を低減することができる。また情報取得の観点からは、プレート情報の取得時において、2次元コード304周辺への外光の進入量が低減されるため、画像変換時の誤認識の発生を抑制できる。
【0029】
なお、本実施形態のゲーム装置100では、
図1に示されるように、本体部160の天板150には、ゲームのプレイ体験に係る説明事項を記載する説明領域151と、ゲーム装置100の利用を行うことで提供され得るプレート300の一部を展示する展示領域152と、が設けられる。展示領域152は、凹部と、該凹部を覆う透過性材料で構成された保護板とで構成されており、実際に提供されるプレート300あるいはプレート300と同形状のサンプル品が凹部内に固定及び配置される。保持部120に保持可能なプレート300の数をプレイヤに直感的に把握させるべく、凹部内に配置可能な物品の数は、保持部120に保持可能なプレート300の数と同数に構成されるものであってよい。図示されるように、利用者のプレート300入手に係る意欲を増進させるべく、展示領域152と保持部120との配置関係は、ゲーム装置100の正面方向から見て、展示領域152が手前側、保持部120が奥側となっており、展示領域152に展示される物品が利用者の視界に入る可能性が高められている。
【0030】
一方、カードリーダ124は、プレートリーダ123のようにサービスの利用者に係る情報取得を行うためではなく、ゲーム装置100の管理者に係る情報取得を行うために設けられた取得装置であるため、本実施形態ではゲーム装置100の外観に表れない態様で設けられるものとする。稼働カードは、例えばプレート300と同様に、その外観の一部に2次元コードの態様で情報が付された物品であってよく、後述する通り、情報取得が行われたゲーム装置100でのサービスの利用可能回数を更新するために用いられる。
【0031】
キャラクタDB106は、ゲームに登場するキャラクタの各々についての情報(キャラクタ情報)を管理するデータベースである。本実施形態のゲーム装置100では、プレイヤはゲームプレイ時に、先の保持部120にプレート300を配置して情報取得を行わせることで、該プレート300に対応付けられたキャラクタをゲームの進行をサポートするサポートキャラクタとして登場させることができる。サポートキャラクタは、ゲーム中に登場することで、例えば該サポートキャラクタに対応付けられたコスチュームやアイテム等をプレイヤの操作対象である使用キャラクタに付与し、ゲームを有利に進行せしめる効果を発現させる。
【0032】
1体のキャラクタについて管理されるキャラクタ情報は、
図8(b)に例示されるように、キャラクタを一意に特定するキャラクタID811に関連付けて、該キャラクタや関連アイテム等をゲームに登場させる際の画面生成に用いられるグラフィックスデータ等を含む描画用情報812、及びキャラクタの名称、属性等に加え、該キャラクタを使用することで発動する効果等を記述したパラメータ情報813を含む。パラメータ情報813は、サポートキャラクタを登場させるゲームにおいて参照される情報であり、該情報を使用することで提供されるゲームの進行制御が行われる。
【0033】
なお、本実施形態ではキャラクタDB106に、グラフィックスデータが格納され、キャラクタ情報がこれらデータを含むものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。キャラクタ情報には、該当のデータの格納場所を示す情報が含まれるものであってもよい。
【0034】
提示制御部107は、ゲーム装置100における利用者への各種情報提示の制御を司る。本実施形態のゲーム装置100では、への各種情報提示の手段として、画像(ゲーム画面、メニュー画面等)表示を行う第1表示部131及び第2表示部132を有するものとして説明するが、情報提示の手段はこれらに限られるものではなく、代替あるいは追加が可能であることは言うまでもない。第1表示部131及び第2表示部132は、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置であり、上述した通り、支柱130に取り付けられることで、鉛直方向において本体部160の上方に固定される。このとき、第1表示部131と第2表示部132は鉛直方向に並べられて配設される態様となり、下段に設けられる第2表示部132の下端は、保持部120に保持された状態のプレート300と接触しない鉛直高さとなるよう、固定される。本実施形態のゲーム装置100では、第1表示部131及び第2表示部132の2つの表示領域を用いてサービスに係る画面表示を行うため、利用者が該画面表示を好適に視認できるよう、第1表示部131はゲーム装置100の正面方向に対して前傾する態様で支柱130に固定され、第2表示部132は正面方向に対して後傾する態様で支柱130に固定される。
【0035】
提示制御部107は、例えばGPU等の描画装置を含み、第1表示部131及び第2表示部132に表示させる画面を生成する際には所定の描画処理を行う。具体的には提示制御部107は、ゲーム装置100の起動中(サービス提供中やスタンバイ状態中)において、制御部101により行われた処理や命令に基づいて必要な描画用オブジェクト(グラフィックスデータ)に対して必要な演算処理を実行し、画面の描画を行う。生成した画面は、第1表示部131及び第2表示部132に出力され、所定の表示領域中に表示されることで利用者に提示される。
【0036】
操作入力部108は、ゲーム装置100が有するユーザインタフェースである。本実施形態のゲーム装置100は、保持部120へのプレート300の配置を除けば、操作入力は第2表示部132に対するタッチ操作に限定して受け付けられるものとする。従って、操作入力部108は、第2表示部132の画面上になされたタッチ操作を検出するセンサを含む。操作入力部108は、第2表示部132に対するタッチ操作がなされたことを検出すると、該操作入力に対応する制御信号を制御部101に出力する。
【0037】
提供制御部109は、提供部140によるプレート300の提供を制御する。提供部140は、例えばプレートディスペンサであり、鉛直方向にプレート300を堆積させる不図示のストッカを収容部として有し、これにプレート300が装填されることで、プレート300の提供の準備が整う。提供部140は、代価の支払いの検出を条件として提供制御部109によりなされた提供命令に応じて、ストッカ最下部に保持されているプレート300を1枚提供する機構を有する構成であってよい。本実施形態のゲーム装置100では本体部160に提供部140が内蔵されており、提供部140がプレート300をゲーム装置100の外部からアクセス可能な取出口141に導くことで、利用者に提供されるものであってよい。ここで、提供されるプレート300は、例えば予め工場等で製造された、対応付けられたキャラクタの画像及び2次元コード304を含んだ、固定的なデザインを有する既製の物品であるものとする。
【0038】
なお、本実施形態のゲーム装置100では、提供部140が、既製のプレート300を提供する提供方式を採用するものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えばプレート300は、サービス提供中の所定のタイミングにおいて所謂オンデマンドで生成されて提供する提供方式を採用するものであってもよい。この場合、提供制御部109は、プレート300の生成指示がなされた場合に、該プレート300に付すプレート情報に対応する2次元コード304と外観を形成する他の要素とを含んだオモテ面及びウラ面に係る印刷データ画像を含む、素体のプレートに貼付するシールの印刷データを構成すればよい。提供制御部109は、印刷データを構成すると、該印刷データを印刷命令と共に提供部140に伝送して該当のシールの印刷を指示し、印刷されたシールを素体のプレートに貼付させて出力させればよい。
【0039】
通信部110は、ゲーム装置100が有する外部装置との通信インタフェースである。通信部110は、インターネット等の通信網や機器間を接続するケーブルであってもよいネットワーク(有線・無線を問わない)を介して外部装置と接続し、データの送受信を可能とすることができる。通信部110は、例えば送信対象として入力された情報を所定の形式のデータに変換し、ネットワークを介してサーバ等の外部装置に送信する。また通信部110は、例えばネットワークを介して外部装置から情報を受信すると、該情報を復号し、メモリ103に格納する。また本実施形態のゲーム装置100は、ゲームに係る処理のプログラムをパッケージ化したプログラムデータを通信部110を介して外部装置から受信可能に構成される。制御部101は、通信部110により該プログラムデータがプログラムの更新要求とともに受信された場合、更新要求に従って現在記録媒体102に格納されているゲームに係る処理のプログラムを、受信したプログラムデータを用いて更新することができる。なお、ゲームに係る処理のプログラムの更新処理は、この他、例えば記録媒体に記録されているプログラムデータをゲーム装置が有する不図示の光学ドライブ等に挿入した際に自動実行される、あるいは挿入後に管理者が開始命令を行うことによっても実行可能である。
【0040】
《サービス概要》
以下、本実施形態のゲーム装置100において提供されるサービスについて説明する。
【0041】
本実施形態のゲーム装置100では、複数種類のサービスについて利用の受け付けが可能に構成されており、まずゲーム装置100のスタンバイ状態において検出された代価の支払いに対して、以下の3種類のサービスが提示され、利用者はいずれかのサービスを選択して利用することができる。3種類のサービスは、プレート300の提供とゲームに係る処理(ゲーム処理)の実行を行う第1サービスと、ゲーム処理の実行のみを行う第2サービスと、プレート300の提供のみを行う第3サービスである。換言すれば、利用者観点では3種類のサービスは、新たなプレート300を購入した上でゲームプレイを行う第1サービスと、新たなプレート300は購入せずにゲームプレイのみを行う第2サービスと、ゲームプレイは行わずにプレート300の購入のみを行う第3サービスである。即ち、スタンバイ状態のゲーム装置100に対して代価の支払いが検出されると、3種類のうちのいずれのサービスを利用するかに応じて、ゲーム装置100の動作が切り替えられる。
【0042】
ここで、ゲーム処理の実行は、利用者(プレイヤ)に対して所定の遊戯のプレイ体験を提供する一連の処理を実行することを指し、第1サービスと第2サービスにおいて、プレイヤは第2表示部132へのタッチ操作を行いながらゲームプレイを行うことができる。また当該ゲームプレイに際しては、プレイヤは所有しているプレート300を保持部120に保持させることでプレート情報の取得を行わせ、該プレート300に対応付けられているキャラクタを登場させることが可能に構成される。
【0043】
サービスの各々には、提供内容に応じた代価が定められている。本実施形態のゲーム装置100では基本的には、ゲーム処理の実行(プレイ体験の提供)に対して100円分の代価の支払いが要件づけられ、プレート300の提供に対してはその倍の200円分の代価の支払いが要件づけられているものとする。即ち、利用者は、第1サービス、第2サービス、第3サービスのいずれを利用するにしても少なくとも100円分の代価を支払うことになるため、本実施形態のゲーム装置100では、スタンバイ状態からサービスの利用を受け付ける状態への遷移に対して、100円分の代価の支払い(初期支払い)が要件づけられている。従って、第2サービスに関してはゲーム処理の実行のみが行われるものであり、当該初期支払いで既に必要な代価の徴収が完了していることになる。
【0044】
一方で、第1サービス及び第3サービスに関してはプレート300の提供が行われるため、初期支払いだけでは必要な代価の徴収が完了していない。このため、第1サービス及び第3サービスの利用が選択された場合には、該選択の後に更なる代価(差額分の代価)の支払いが、利用者に要求される。なお、本実施形態のゲーム装置100では、プレイ体験が提供されるゲームコンテンツへの利用者の関心を高めるべく、第1サービスについては、ゲーム処理の実行及びプレート300の提供を200円分の代価の支払いで可能ならしめる(100円分の割引が適用される)ものとし、第3サービスと同額の更なる代価が追加で徴収されるものとする。
【0045】
ところで、第2サービスを選択してゲームプレイのみを行ったプレイヤに対し、該ゲームプレイの結果を踏まえてプレート300の購入機会を担保することで、ゲームコンテンツへの該プレイヤの関心が高まることが期待される。即ち、第1サービスを選択していればプレート300を購入した上でゲームプレイが可能であるところ、例えばお試しでゲームプレイのみを行い、その結果としてプレイヤがゲームコンテンツに興味をもつことも想定される。このため、本実施形態のゲーム装置100では、第2サービスに係るゲーム処理の実行完了後に、更なる代価の支払いを要件としてプレート300の提供を行う第4サービスの利用を受け付け可能に構成されているものとする。
【0046】
またさらに、本実施形態のゲーム装置100では、第3サービスに係るプレート300の提供完了後に、更なる代価の支払いを要件として追加のプレート300の提供を行う第5サービスの利用を受け付け可能に構成されているものとする。ここで、第3サービスの利用者としては、例えばプレート300の収集を目的としている者が想定されるが、このような利用者は複数回のプレート300の購入希望はあるものの、ゲームプレイ等の所与の時間拘束される利用を所望していない可能性が高い。一方で、追加のプレート300の提供のために、ゲーム装置100の利用開始に係る代価の倍額である200円分の代価の支払いを一時に要求することは、かえって利用者の第5サービスの利用を躊躇させる可能性がある。
【0047】
このため、本実施形態のゲーム装置100では、第5サービスの利用開始に際してはまず100円分の代価の支払いを要求し、該代価の支払いの検出を受けて例えば抽選ゲーム等のミニゲームに係る処理を実行し、そのミニゲームの結果を提示した後にプレート300の提供に不足する残りの100円分の代価の支払いを要求し、該残りの代価の支払いの検出を受けてプレート300の提供を行うよう構成されるものとする。
【0048】
なお、ミニゲームに係る処理は、上述した通り利用者の拘束時間を低減するために、第1サービス及び第2サービスに係り実行されるゲーム処理に要する実行時間(実行開始から実行完了までに要する時間)よりも短い実行時間で完了するよう構成されるものとする。また例えばミニゲームが抽選ゲームである場合に、追加のプレート300の提供を行うか否かを抽選結果に基づいて異ならせるよう制御する態様としてもよいが、第3サービスの利用者はプレート収集を主たる目的とする者であることを踏まえ、本実施形態ではミニゲームは形式的な演出表示を行うものであり、抽選結果は必ず当選となり、追加のプレート300の提供が可能となるよう制御されるものとする。
【0049】
《稼働制御》
ところで、既製の物品を提供する機能を備えるゲーム装置は、一般的に、提供される物品を識別するような機能を設けておらず、模倣品や全く関係のない物品を提供するように収容物を変更することで不正に運用できてしまう。当該不正運用は、ゲーム装置及び提供物品の販売元の利益を縮小させるばかりでなく、ゲームコンテンツの印象をも損なう虞がある。
【0050】
本実施形態のゲーム装置100は、該ゲーム装置100において利用者が各種サービスを利用可能な回数、即ち、利用者に対して各種サービスを提供可能な回数を示す残稼働回数情報を記録媒体102に格納し、サービス利用がなされるたびに該残稼働回数情報の数値を減少させていくことで、このような不正利用を抑止するよう構成される。本実施形態では説明を簡単にするため、残稼働回数情報は、各種サービスを利用できる残り回数を整数値で管理し、1回のサービス利用に際して該整数値が1ずつ減算される(デクリメントされる)ものとして説明する。
【0051】
ここで、本実施形態のゲーム装置100では、サービス利用のカウントを、代価の支払いの検出に応じて行われる処理に合わせて行う。即ち、残稼働回数情報に係る数値からの減算は、サービスの利用の受け付けがなされたこと、及び、提供部140によるプレート300の提供がなされたことに応じて行われる。なお、本実施形態では上述したタイミングで代価の支払いを受け付けるため、サービスの利用の受け付けがなされたことに応じて残稼働回数情報に係る数値を減算するものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、ゲーム装置100が提供するサービスはプレイ体験の提供を含むため、ゲーム処理の実行に応じて残稼働回数情報に係る数値を減算するものとしてもよい。つまり、本発明の実施に際しサービス利用のカウントは、サービスの利用の受け付け、ゲーム処理の実行、及びプレート300の提供の少なくともいずれかをもって行われるものであってよい。
【0052】
残稼働回数情報は、例えば各サービスの提供に係る一連の処理が完了したタイミング、もしくはゲーム装置100の起動時において参照されるものであってよい。制御部101は、残稼働回数情報に係る数値が自然数である場合にはゲーム装置100をサービス利用を受け付け可能な稼働状態とし、自然数以外、即ち、1未満である場合にはサービス利用を受け付けない(代価の支払いも受け付けない)非稼働状態とするよう制御する。より詳しくは、稼働状態においても、残稼働回数情報に係る数値が2以上である場合には第1サービス、第2サービス、第3サービスの利用を受け付け可能とし、1である場合には第2サービスの利用のみを受け付け可能とするよう制御がなされる。即ち、各サービスの利用を受け付け可能とする残稼働回数情報に係る数値は、該サービスの利用にあたり支払いが必要となる代価の額に応じて定められる。
【0053】
残稼働回数情報に係る数値は、ゲーム装置100がサービスの提供を行わない管理者用モードで起動された場合に、カードリーダ124により未使用(情報未取得)の稼働カードからの情報取得がなされたことをもって増加される(所定の数を加算した値に更新される)。稼働カードからの情報取得は頻繁に行われるものではないため、本実施形態のゲーム装置100では、カードリーダ124は管理者用モードで起動されている場合にのみ情報取得を行い、サービス提供が可能な提供用モードでは情報取得を行わないよう制御されるものとする。提供用モードで起動されている場合には、プレートリーダ123のみが情報取得を行うよう制御される。
【0054】
稼働カードには、本発明に係る第1情報としての、少なくとも該稼働カードを一意に識別する識別情報が付されている。該稼働カードが未使用であるか否かの情報は、外部サーバにおいて管理され、稼働カードから取得された識別情報に基づく認証要求を通信部110を介して該外部サーバに送信することで、認証結果として得ることができる。稼働カードは、ゲーム装置100の設置店舗等からの発注に応じて出荷される、所定数のプレート300(正規提供品)に対して発行され、該プレート300とともに納品される運用が好ましい。稼働カードからの情報取得に応じて加算される数は、少なくとも該稼働カードとともに納品されるプレート300の数よりも大きい値であるものとする。なお、稼働カードは、プレート300とは別に納品されるものであってもよい。
【0055】
またゲーム装置100を非稼働状態とした場合には、制御部101は、その旨を示す情報をゲーム装置100の管理者に通知する処理を行う。当該通知は、例えば第1表示部131及び第2表示部132の少なくともいずれかに対してその旨を示す表示を行うことによりなされるものであってもよいし、その他の提示手段を介して提示されるものであってもよい。あるいは、通信部110を介して管理者に係る外部の端末に対して、所定の表示を行わせる情報を出力することにより実現されるものであってもよい。
【0056】
《ゲーム概要》
本実施形態では、ゲーム装置100においてプレイ体験の提供が行われるゲームは、プレイヤ間、もしくはプレイヤとNPC(Non-Player Character)との間で行われる対戦形式のゲームであるものとして説明する。プレイヤ間の対戦は、1台のゲーム装置100において行われるものであってもよいし、通信部110を介して通信接続された複数台のゲーム装置100において行われるものであってもよい。
【0057】
1回の利用でプレイ体験が提供される対戦ゲームは、なされた操作入力が評価される遊戯パートが3段階のフェーズを経て進行するよう構成されており、各フェーズにおける評価の優劣に基づいて最終的な勝敗が決定する。プレイヤは、遊戯パートに先行して設けられた準備パートにおいて、遊戯パートの各フェーズに登場させるサポートキャラクタを最大1体設定することができる。
図4(a)に示した保持部120に設けられた3つの挿入穴121は各フェーズに対応しており、プレイヤは、遊戯パートの進行順において、最初のフェーズに登場させるキャラクタのプレートリーダ123を左端の挿入穴121に、2番目のフェーズに登場させるキャラクタのプレートリーダ123を中央の挿入穴121に、最後のフェーズに登場させるキャラクタのプレートリーダ123を右端の挿入穴121に配置することで、設定を行うことができる。
【0058】
準備パートでは、
図7に示されるように、プレイヤについて各フェーズに登場させるサポートキャラクタ群701と、対戦相手について各フェーズに登場させるサポートキャラクタ群702とを対比可能な画面が提示される。
図7の画面では、保持部120における各プレート300の配置位置と、プレイヤに係るサポートキャラクタの画面内の表示位置とが対応しており、最初のフェーズに登場するキャラクタが左列703に、2番目のフェーズに登場するキャラクタが中央列704に、最後のフェーズに登場するキャラクタが右列705に配置されている。
【0059】
準備パートにおいて、プレイヤは、保持部120上に配置するプレート300の位置変更、あるいは別のプレート300に交換することが可能であり、各挿入穴121に情報取得可能な態様でプレート300が保持されたことに応じて、画面内の該当の位置に、対応するキャラクタの画像が表示される。このとき、対戦相手が同フェーズに対して設定中のサポートキャラクタとの相性(フェーズにおいて効果が発動した場合の優劣等)の判断がなされる。そして、例えば保持されたプレート300に対応するキャラクタが、対戦相手のサポートキャラクタよりも評価を有利にせしめる効果を発動するキャラクタである場合には、その旨を示すアイコン706が、反対に対戦相手のサポートキャラクタの方が有利にせしめる効果を発動する場合には、不利である旨を示すアイコン707が、画面内の対応する位置に配置されて提示される。即ち、プレート300が保持される位置に応じて、該プレートに係り表示されるキャラクタの情報は異なる態様になる。
【0060】
なお、本実施形態ではプレイヤに係り各フェーズに設定されたサポートキャラクタと、対戦相手に係り同フェーズに設定されたサポートキャラクタとの相性の判断に応じて、キャラクタについて提示される情報を異ならせるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、各フェーズについて有利特性が設定される態様では、設定されたサポートキャラクタとフェーズとの相性(特性の一致/不一致)に応じて、提示される情報の内容を異ならせるものであってもよい。
【0061】
《稼働制御処理》
このような構成をもつ本実施形態のゲーム装置100において、該ゲーム装置100の起動中に行われる稼働制御処理について、
図5のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記録媒体102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。なお、本稼働制御処理は、例えばゲーム装置100が提供用モードで起動された際に開始されるものとして説明する。
【0062】
S501で、制御部101は、残稼働回数情報に係る数値が1以上であるか否かを判断する。制御部101は、残稼働回数情報に係る数値が1以上であると判断した場合にはゲーム装置100の状態を稼働状態として処理をS502に移す。また制御部101は、残稼働回数情報に係る数値が1未満であると判断した場合にはゲーム装置100の状態を非稼働状態として処理をS520に移す。
【0063】
S502で、制御部101は、代価の支払いがなされたか否かを判断する。本ステップの判断は、支払検出部104により100円分の代価の支払いが検出されたか否かに基づいて行われるものであってよい。制御部101は、代価の支払いがなされたと判断した場合は処理をS503に移し、なされていないと判断した場合は本ステップの処理を繰り返す。
【0064】
S503で、提示制御部107は制御部101の制御の下、利用可能なサービスを選択可能な態様で第2表示部132に提示させる。そして制御部101は、いずれのサービスについて利用の受け付けがなされたかを判断する。利用可能として提示されるサービスの種類は、残稼働回数情報に係る数値に基づいて切り替えられるものであり、該数値が2以上である場合には第1サービス、第2サービス及び第3サービスが該当し、該数値が1である場合には第2サービスのみが該当する。制御部101は、サービスの利用の受け付けがなされたことに応じて、残稼働回数情報に係る数値を1減算した値に更新する。また制御部101は、利用の受け付けがなされたサービスが第1サービスである場合には処理をS504に移し、第2サービスである場合にはS508に移し、第3サービスである場合には処理をS513に移す。
【0065】
S504で、提示制御部107は制御部101の制御の下、プレート300の提供に係り更なる代価の支払いが必要である旨の表示を行う。そして制御部101は、プレート300の提供に係る代価の支払いが検出されると処理をS505に移す。
【0066】
S505で、提供制御部109は制御部101の制御の下、提供部140にプレート300を提供させる。また制御部101は、プレート300の提供がなされたことに応じて、残稼働回数情報に係る数値を1減算した値に更新する。
【0067】
S506で、制御部101は、ゲーム処理を実行してプレイ体験の提供を開始する。
【0068】
〈ゲーム処理〉
ここで、本ステップで実行されるゲーム処理の詳細について
図6のフローチャートをさらに参照して説明する。
【0069】
S601で、制御部101は、対戦ゲームの準備パートに係る処理を実行する。準備パートに係る処理は、対応する画面の描画、プレートリーダ123によるプレート300からの情報取得、情報取得がなされた場合の表示情報の変更を含む。
【0070】
S602で、制御部101は、準備パートの終了条件が満たされたか否かを判断する。本ステップの判断は、例えば所定の制限時間に達したか否か、参加プレイヤによる準備完了に係る操作入力がなされたか否か等に基づいて行われるものであってよい。制御部101は、準備パートの終了条件が満たされたと判断した場合は処理をS603に移し、満たされていないと判断した場合は処理をS601に戻す。
【0071】
S603で、制御部101は、対戦ゲームの遊戯パートに係る処理を実行する。遊戯パートでは、制御部101は、フェーズごとに、準備パートにおいて該フェーズに係り設定されたサポートキャラクタの情報と、該フェーズの遊戯についてなされた操作入力の情報とに基づいて進行制御及び評価を行い、プレイヤ間の優劣を決定する。そして制御部101は、遊戯パートに係る終了条件が満たされる(最後のフェーズが終了する)と、処理をS604に移す。
【0072】
S604で、提示制御部107は制御部101の制御の下、対戦ゲームの結果表示を行い、本ゲーム処理を完了する。
【0073】
ゲーム処理が完了すると稼働制御処理のS507で、制御部101はゲーム装置100をスタンバイ状態に移行させて処理をS501に戻す。
【0074】
またS503において利用の受け付けがなされたサービスが第2サービスである場合、制御部101はS508で、ゲーム処理を実行してプレイ体験の提供を開始する。
【0075】
そしてプレイ体験の提供が終了すると、制御部101はS509で、残稼働回数情報に係る数値が1以上であるか否かを判断する。制御部101は、残稼働回数情報に係る数値が1以上であると判断した場合は処理をS510に移し、1未満であると判断した場合は処理をS501に戻す。
【0076】
S510で、提示制御部107は制御部101の制御の下、更なる代価の支払いを行うことでプレート300の提供が可能である旨の情報提示を行う。
【0077】
S511で、制御部101は、更なる代価の支払いがなされたか否かを判断する。本ステップの判断は、支払検出部104により100円分の代価の支払いが検出されたか否かに基づいて行われるものであってよい。制御部101は、代価の支払いがなされたと判断した場合は処理をS512に移し、なされていないと判断した場合は本ステップの処理を繰り返す。なお、制御部101は、所定の期間、代価の支払いがなされなかったと判断した場合は、ゲーム装置100をスタンバイ状態に移行させて処理をS501に戻す。
【0078】
S512で、提供制御部109は制御部101の制御の下、提供部140にプレート300を提供させる。また制御部101は、プレート300の提供がなされたことに応じて、残稼働回数情報に係る数値を1減算した値に更新し、ゲーム装置100をスタンバイ状態に移行させて処理をS501に戻す。
【0079】
またS503において利用の受け付けがなされたサービスが第3サービスである場合、提示制御部107はS513で、プレート300の提供に係り更なる代価の支払いが必要である旨の表示を行う。そして制御部101は、プレート300の提供に係る代価の支払いが検出されると処理をS514に移す。
【0080】
S514で、提供制御部109は制御部101の制御の下、提供部140にプレート300を提供させる。また制御部101は、プレート300の提供がなされたことに応じて、残稼働回数情報に係る数値を1減算した値に更新する。
【0081】
S515で、制御部101は、残稼働回数情報に係る数値が2以上であるか否かを判断する。制御部101は、残稼働回数情報に係る数値が2以上であると判断した場合は処理をS516に移し、2未満であると判断した場合は処理をS501に戻す。
【0082】
S516で、提示制御部107は制御部101の制御の下、更なる代価の支払いを行うことでプレート300の提供に係るミニゲームを実行可能である旨の情報提示を行う。
【0083】
S517で、制御部101は、更なる代価の支払いがなされたか否かを判断する。本ステップの判断は、支払検出部104により100円分の代価の支払いが検出されたか否かに基づいて行われるものであってよい。制御部101は、代価の支払いがなされたと判断した場合は処理をS518に移し、なされていないと判断した場合は本ステップの処理を繰り返す。なお、制御部101は、所定の期間、代価の支払いがなされなかったと判断した場合は処理をS501に戻す。
【0084】
S518で、制御部101は、ミニゲームに係る処理を実行する。また制御部101は、ミニゲームに係る処理を実行したことに応じて、残稼働回数情報に係る数値を1減算した値に更新する。
【0085】
S519で、提示制御部107は制御部101の制御の下、ミニゲームの結果表示とともに、更なる代価の支払いを行うことでプレート300の提供が可能である旨の情報提示を行う。そして提供制御部109は制御部101の制御の下、更なる代価の支払いが検出されたことに応じて提供部140にプレート300を提供させる。また制御部101は、プレート300の提供がなされたことに応じて、残稼働回数情報に係る数値を1減算した値に更新し、ゲーム装置100をスタンバイ状態に移行させて処理をS501に戻す。
【0086】
一方、S501において稼働回数情報に係る数値が1未満であると判断した場合、制御部101はS520で、ゲーム装置100の状態を非稼働状態に設定するとともに、ゲーム装置100が非稼働状態である旨の通知を行い、本稼働制御処理を完了する。
【0087】
このようにすることで、本実施形態のゲーム装置によれば、正規品ではない物品を用いた不正運用を防止することができる。
【0088】
[変形例1]
上述した実施形態では、プレート300の主面の外形が矩形状であるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、プレート300の外形は矩形以外の多角形状で形成されるものであってもよい。なお、矩形以外の多角形状で形成される態様であっても、付されたプレート情報を取得可能な状態にある場合には、プレート300の上端にいずれか1つの角が突出し、該角を成す2つの辺が本体部160の天板150と交差するよう、保持部120が構成されているものとする。
【0089】
[変形例2]
上述した実施形態では、プレート300は、保持部120の挿入穴121と傾斜板122で構成される溝構造に挿入されることで保持状態になされるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。プレート300の保持は、プレート300の主面に係るオモテ面とウラ面の一部を挟持することでなされるものであってもよい。
【0090】
[変形例3]
上述した実施形態では、第2サービスの提供後、プレート300を提供する第4サービスの利用を受け付け可能にするものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、第4サービスを利用してプレート300を入手した後に、該プレート300を実際に使用したプレイ体験を提供可能とすることは、プレイヤのゲームコンテンツへの関心を高める観点で好適である。従って、第4サービスは、プレート300の提供後に更なる代価の支払いを要求し、当該支払いに応じてゲーム処理を実行する、実質第1サービスと同様のサービスをさらに提供するよう構成されていてもよい。
【0091】
[変形例4]
上述した実施形態では、残稼働回数情報に係る数値は、各サービスの提供回数と同一の単位、即ち、残稼働回数情報に係る数値の1が、1回のサービス提供に対応しているものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。1回のサービス提供に対して、残稼働回数情報に係る数値が減算される値は1を超える所定の数値(例えば10)を単位とするものであってよく、この場合、該単位の倍数基準で稼働状態とするか非稼働状態とするかの判断が行われればよい。
【0092】
[その他の実施形態]
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形・変更が可能である。また本発明に係るゲーム装置は、1以上のコンピュータを該ゲーム装置として機能させるプログラムによっても実現可能である。該プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されることにより、あるいは電気通信回線を通じて、提供/配布することができる。
【符号の説明】
【0093】
100:ゲーム装置、101:制御部、102:記録媒体、103:メモリ、104:支払検出部、105:取得部、106:キャラクタDB、107:提示制御部、108:操作入力部、109:提供制御部、110:通信部、120:保持部、121:挿入穴、122:傾斜板、123:プレートリーダ、124:カードリーダ、130:支柱、131:第1表示部、132:第2表示部、140:提供部、141:取出口、150:天板、151:説明領域、152:展示領域、160:本体部