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特許7546736埋め込みデバイス用パッケージ基板の作製方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】埋め込みデバイス用パッケージ基板の作製方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20240830BHJP
   H05K 3/16 20060101ALI20240830BHJP
   H05K 3/18 20060101ALI20240830BHJP
【FI】
H05K3/46 Q
H05K3/46 B
H05K3/46 N
H05K3/16
H05K3/18 D
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023127574
(22)【出願日】2023-08-04
(65)【公開番号】P2024023153
(43)【公開日】2024-02-21
【審査請求日】2023-08-04
(31)【優先権主張番号】202210945044.6
(32)【優先日】2022-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520350546
【氏名又は名称】珠海越亜半導体股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHUHAI ACCESS SEMICONDUCTOR CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】陳 先明
(72)【発明者】
【氏名】林 文健
(72)【発明者】
【氏名】黄 本霞
(72)【発明者】
【氏名】黄 高
【審査官】塩澤 正和
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-44163(JP,A)
【文献】特開2008-300482(JP,A)
【文献】特開2021-40118(JP,A)
【文献】特開2019-67864(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/109748(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0320069(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第111952201(CN,A)
【文献】中国実用新案第211150550(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/46
H05K 3/10 - 3/26
H05K 3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋め込みデバイス用パッケージ基板の作製方法であって、
一時的なキャリアプレートの上面に第3回路層及びターゲットを作製し、前記第3回路層及び前記ターゲットに第3誘電体層を圧着するステップと、
前記第3誘電体層に埋め込み対象のデバイスを置き、前記埋め込み対象のデバイスを第2誘電体層で覆うステップであって、前記埋め込み対象のデバイスのピンが、前記第3誘電体層に対向して設けられるステップと、
前記第2誘電体層の上面に第2銅箔を圧着し、前記第2銅箔によって第2回路層、第2銅柱及び第3銅柱を作製するステップと、
前記第2回路層、前記第2銅柱及び前記第3銅柱に第1誘電体層を圧着して被せ、前記第1誘電体層の上面に第1銅箔を圧着して前記一時的なキャリアプレートを除去するステップと、
前記第3回路層の下面に第4誘電体層を圧着し、前記第4誘電体層の下面に第4銅箔を圧着するステップと、
前記第4銅箔によって第4回路層及び第4銅柱を作製し、前記第1銅箔によって第1回路層及び第1銅柱を作製するステップと、を含むことを特徴とする埋め込みデバイス用パッケージ基板の作製方法。
【請求項2】
埋め込みデバイス用パッケージ基板の作製方法であって、
一時的なキャリアプレートにターゲットを作製し、前記ターゲットに第3誘電体層を圧着するステップと、
前記第3誘電体層に埋め込み対象のデバイスを置き、前記埋め込み対象のデバイスを第2誘電体層で覆うステップであって、前記埋め込み対象のデバイスのピンが、前記第3誘電体層に貼り合わせられるステップと、
前記第2誘電体層の上面に第2銅箔を圧着し、前記第2銅箔によって第3回路層を作製するステップと、
前記第3回路層を第1誘電体層で覆い、前記第1誘電体層の上面に第1銅箔を圧着して前記一時的なキャリアプレートを除去することで、前記第3誘電体層の下面を露出させるステップと、
前記第3誘電体層の下面に第2回路層、第2銅柱及び第3銅柱を作製するステップと、
前記第2回路層、前記第2銅柱及び前記第3銅柱に第4誘電体層を圧着して被せ、前記第4誘電体層の下面に第4銅箔を圧着するステップと、
前記第4銅箔によって第1回路層及び第1銅柱を作製し、前記第1銅箔によって第4回路層及び第4銅柱を作製するステップと、を含むことを特徴とする埋め込みデバイス用パッケージ基板の作製方法。
【請求項3】
前記第2銅箔によって第2回路層、第2銅柱及び第3銅柱を作製する前記ステップは、具体的には、
第2ビアホール及び第3ビアホールを作製するステップであって、前記第2ビアホールが、前記第3誘電体層及び前記第2誘電体層を貫通するステップと、
前記第2銅箔、前記第2ビアホール及び前記第3ビアホールに第2金属シード層を作製するステップと、
前記第2金属シード層に第2回路層、第2銅柱及び第3銅柱を作製するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の埋め込みデバイス用パッケージ基板の作製方法。
【請求項4】
前記第1銅箔によって第1回路層及び第1銅柱を作製する前記ステップは、具体的には、
第1ビアホールを作製するステップと、
前記第1銅箔、前記第1ビアホールに第1金属シード層を作製するステップと、
前記第1金属シード層に第1回路層及び第1銅柱を作製するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の埋め込みデバイス用パッケージ基板の作製方法。
【請求項5】
前記第3誘電体層の下面に第2回路層、第2銅柱及び第3銅柱を作製する前記ステップは、具体的には、
前記第3誘電体層の下面に第2ビアホール及び第3ビアホールを作製するステップであって、前記第2ビアホールが、前記第3誘電体層及び前記第2誘電体層を貫通するステップと、
前記第3誘電体層の下面、前記第2ビアホール及び前記第3ビアホールに第2金属シード層を作製するステップと、
前記第2金属シード層に第2回路層、第2銅柱及び第3銅柱を作製するステップと、を含むことを特徴とする請求項2に記載の埋め込みデバイス用パッケージ基板の作製方法。
【請求項6】
前記第3回路層及び前記ターゲットに第3誘電体層を圧着する前記ステップは、具体的には、
前記第3回路層及び前記ターゲットに粘性誘電体層を圧着するステップであって、前記粘性誘電体層が、前記埋め込み対象のデバイスを固定するために使用されるステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の埋め込みデバイス用パッケージ基板の作製方法。
【請求項7】
前記第2銅箔、前記第2ビアホール及び前記第3ビアホールに第2金属シード層を作製する前記ステップは、具体的には、
化学蒸着法又は物理スパッタリング法により、前記第2銅箔、前記第2ビアホール及び前記第3ビアホールに第2金属シード層を作製するステップを含むことを特徴とする請求項3に記載の埋め込みデバイス用パッケージ基板の作製方法。
【請求項8】
前記第1誘電体層と前記第4誘電体層の厚さは、同じであることを特徴とする請求項1又は2に記載の埋め込みデバイス用パッケージ基板の作製方法。
【請求項9】
前記第3回路層及び前記ターゲットに第3誘電体層を圧着する前記ステップは、真空ラミネーター又はラミネーターにより、前記第3回路層及び前記ターゲットに第3誘電体層を圧着するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の埋め込みデバイス用パッケージ基板の作製方法。
【請求項10】
前記第2金属シード層に第2回路層、第2銅柱及び第3銅柱を作製する前記ステップは、具体的には、
モディファイドセミアディティブ法又はテンティング法により、前記第2金属シード層に第2回路層、第2銅柱及び第3銅柱を作製するステップを含むことを特徴とする請求項3又は5に記載の埋め込みデバイス用パッケージ基板の作製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体製造技術の分野に関し、特に、埋め込みデバイス用パッケージ基板の作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、埋め込みデバイス用パッケージ基板の作製に対して、まず基板にキャビティを作製し、次に埋め込みデバイスをキャビティ内に貼り合わせて装着し、誘電体材料を圧着してキャビティを充填し、埋め込み対象のデバイスを覆う必要があるが、この基板作製プロセスでは、基板にキャビティを作製する必要があり、プロセスフローが長く、コストが高く、且つ作製中に基板の反りの問題が発生しやすく、最終的な歩留まりが低くなり、リソースが浪費される。したがって、埋め込みデバイス用パッケージ基板を作製するための新しい方法が急務となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は、従来技術に存在する技術的問題の1つを少なくともある程度解決することを目的としている。
【0004】
このため、本開示の実施形態の1つの目的は、基本的な反りを低減し、製品の歩留まりを向上させ、製造コストを節約することができる埋め込みデバイス用パッケージ基板の作製方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の技術的目的を達成するために、本開示の実施形態で採用される技術案は、
一時的なキャリアプレートの上面に第3回路層及びターゲットを作製し、前記第3回路層及び前記ターゲットに第3誘電体層を圧着するステップと、
前記第3誘電体層に埋め込み対象のデバイスを置き、前記埋め込み対象のデバイスを第2誘電体層で覆うステップであって、前記埋め込み対象のデバイスのピンが、前記第3誘電体層に対向して設けられるステップと、
前記第2誘電体層の上面に第2銅箔を圧着し、前記第2銅箔によって第2回路層、第2銅柱及び第3銅柱を作製するステップと、
前記第2回路層、前記第2銅柱及び前記第3銅柱に第1誘電体層を圧着して被せ、前記第1誘電体層の上面に第1銅箔を圧着して前記一時的なキャリアプレートを除去するステップと、
前記第3回路層の下面に第4誘電体層を圧着し、前記第4誘電体層の下面に第4銅箔を圧着するステップと、
前記第4銅箔によって第4回路層及び第4銅柱を作製し、前記第1銅箔によって第1回路層及び第1銅柱を作製するステップと、を含む。
【0006】
又は、上記の技術的目的を達成するために、本開示の実施形態で採用される技術案は、
一時的なキャリアプレートにターゲットを作製し、前記ターゲットに第3誘電体層を圧着するステップと、
前記第3誘電体層に埋め込み対象のデバイスを置き、前記埋め込み対象のデバイスを第2誘電体層で覆うステップであって、前記埋め込み対象のデバイスのピンが、前記第3誘電体層に貼り合わせられるステップと、
前記第2誘電体層の上面に第2銅箔を圧着し、前記第2銅箔によって第3回路層を作製するステップと、
前記第3回路層を第1誘電体層で覆い、前記第1誘電体層の上面に第1銅箔を圧着して前記一時的なキャリアプレートを除去することで、前記第3誘電体層の下面を露出させるステップと、
前記第3誘電体層の下面に第2回路層、第2銅柱及び第3銅柱を作製するステップと、
前記第2回路層、前記第2銅柱及び前記第3銅柱に前記第4誘電体層を圧着して被せ、前記第4誘電体層の下面に第4銅箔を圧着するステップと、
前記第4銅箔によって第1回路層及び第1銅柱を作製し、前記第1銅箔によって第4回路層及び第4銅柱を作製するステップと、を含む。
【0007】
また、本発明における上記実施形態の埋め込みデバイス用パッケージ基板の作製方法は、以下の付加的な技術的特徴をさらに有してもよい。
さらに、本開示の実施形態では、前記第2銅箔によって第2回路層、第2銅柱及び第3銅柱を作製する前記ステップは、具体的には、第2ビアホール及び第3ビアホールを作製するステップであって、前記第2ビアホールが、前記第3誘電体層及び前記第2誘電体層を貫通するステップと、前記第2銅箔、前記第2ビアホール及び前記第3ビアホールに第2金属シード層を作製するステップと、前記第2金属シード層に第2回路層、第2銅柱及び第3銅柱を作製するステップと、を含む。
【0008】
さらに、本開示の実施形態では、前記第1銅箔によって第1回路層及び第1銅柱を作製する前記ステップは、具体的には、第1ビアホールを作製するステップと、前記第1銅箔、前記第1ビアホールに第1金属シード層を作製するステップと、前記第1金属シード層に第1回路層及び第1銅柱を作製するステップと、を含む。
【0009】
さらに、本開示の実施形態では、前記第3誘電体層の下面に第2回路層、第2銅柱及び第3銅柱を作製する前記ステップは、具体的には、前記第3誘電体層の下面に第2ビアホール及び第3ビアホールを作製するステップであって、前記第2ビアホールが、前記第3誘電体層及び前記第2誘電体層を貫通するステップと、前記第3誘電体層の下面、前記第2ビアホール及び前記第3ビアホールに第2金属シード層を作製するステップと、前記第2金属シード層に第2回路層、第2銅柱及び第3銅柱を作製するステップと、を含む。
【0010】
さらに、本開示の実施形態では、前記第3回路層及び前記ターゲットに第3誘電体層を圧着する前記ステップは、具体的には、前記第3回路層及び前記ターゲットに粘性誘電体層を圧着するステップであって、前記粘性誘電体層が、前記埋め込み対象のデバイスを固定するために使用されるステップを含む。
【0011】
さらに、本開示の実施形態では、前記第2銅箔、前記第2ビアホール及び前記第3ビアホールに第2金属シード層を作製するステップは、具体的には、化学蒸着法又は物理スパッタリング法により、前記第2銅箔、前記第2ビアホール及び前記第3ビアホールに第2金属シード層を作製するステップを含む。
【0012】
さらに、本開示の実施形態では、前記第3回路層及び前記ターゲットに第3誘電体層を圧着する前記ステップは、真空ラミネーター又はラミネーターにより、前記第3回路層及び前記ターゲットに第3誘電体層を圧着するステップを含む。
【0013】
さらに、本開示の実施形態では、前記第2金属シード層に第2回路層、第2銅柱及び第3銅柱を作製する前記ステップは、具体的には、モディファイドセミアディティブ法又はテンティング法により、前記第2金属シード層に第2回路層、第2銅柱及び第3銅柱を作製するステップを含む。
【0014】
一方、本開示の実施形態は、いずれか1項に記載の埋め込みデバイス用パッケージ基板の作製方法により作製される埋め込みデバイス用パッケージ基板をさらに提供する。
【発明の効果】
【0015】
本開示の利点及び有益な効果は、以下の説明から部分的に示され、一部が以下の説明から明らかになり、又は本開示の実践によって理解される。
本開示は、埋め込みデバイスを置くためのキャビティを追加して作製することなく、一時的なキャリアプレートを誘電体層で覆うことで埋め込みデバイスを基板に直接埋め込むことができ、且つデバイスを埋め込んだ後、一時的なキャリアプレートのキャリアを除去することができ、その後の圧着固化中に一時的なキャリアが材質の違いにより、誘電体材料に従って収縮しないこと、又は、誘電体材料の収縮量と異なり、応力が生じ、誘電体材料が固化した後に基板全体が反り、製品の歩留まりに影響を与えることを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の1つの具体的な実施形態における埋め込みデバイス用パッケージ基板の作製方法のフローチャートである。
図2】本発明の別の具体的な実施形態における埋め込みデバイス用パッケージ基板の作製方法のフローチャートである。
図3】本発明の1つの具体的な実施形態における埋め込みデバイス用パッケージ基板の作製プロセスの構造概略図である。
図4】本発明の別の具体的な実施形態における埋め込みデバイス用パッケージ基板の作製プロセスの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態における埋め込みデバイス用パッケージ基板の作製方法の原理及びプロセスを説明する。
【0018】
図1及び図2を参照すると、本発明に係る埋め込みデバイス用パッケージ基板の作製方法は、
一時的なキャリアプレートの上面に第3回路層及びターゲットを作製し、前記第3回路層及び前記ターゲットに第3誘電体層を圧着するステップS1と、
前記第3誘電体層に埋め込み対象のデバイスを置き、前記埋め込み対象のデバイスを第2誘電体層で覆うステップであって、前記埋め込み対象のデバイスのピンが、前記第3誘電体層に対向して設けられるステップS2と、
前記第2誘電体層の上面に第2銅箔を圧着し、前記第2銅箔によって第2回路層、第2銅柱及び第3銅柱を作製するステップS3と、
前記第2回路層、前記第2銅柱及び前記第3銅柱に第1誘電体層を圧着して被せ、前記第1誘電体層の上面に第1銅箔を圧着して前記一時的なキャリアプレートを除去するステップS4と、
前記第3回路層の下面に第4誘電体層を圧着し、前記第4誘電体層の下面に第4銅箔を圧着するステップS5と、
前記第4銅箔によって第4回路層及び第4銅柱を作製し、前記第1銅箔によって第1回路層及び第1銅柱を作製するステップS6と、を含み、
又は、
一時的なキャリアプレートにターゲットを作製し、前記ターゲットに第3誘電体層を圧着するステップS11と、
前記第3誘電体層に埋め込み対象のデバイスを置き、前記埋め込み対象のデバイスを第2誘電体層で覆うステップであって、前記埋め込み対象のデバイスのピンが、前記第3誘電体層に貼り合わせられるステップS12と、
前記第2誘電体層の上面に第2銅箔を圧着し、前記第2銅箔によって第3回路層を作製するステップS13と、
前記第3回路層を第1誘電体層で覆い、前記第1誘電体層の上面に第1銅箔を圧着して前記一時的なキャリアプレートを除去することで、前記第3誘電体層の下面を露出させるステップS14と、
前記第3誘電体層の下面に第2回路層、第2銅柱及び第3銅柱を作製するステップS15と、
前記第2回路層、前記第2銅柱及び前記第3銅柱に前記第4誘電体層を圧着して被せ、前記第4誘電体層の下面に第4銅箔を圧着するステップS16と、
前記第4銅箔によって第1回路層及び第1銅柱を作製し、前記第1銅箔によって第4回路層及び第4銅柱を作製するステップS17と、を含む。
【0019】
具体的には、本開示の幾つかの実施形態では、第1回路層は、パッケージ基板全体の最上部に設けられるが、第4回路層は、基板の最下部に位置する。第2回路層は、埋め込みデバイスに直接接続される回路層であり、第2回路層は、第1回路層にも接続される。第3回路層は、第2回路層及び第4回路層に接続される回路層である。第1誘電体層は、第1回路層をキャリアするための誘電体層である。第4誘電体層は、第4回路層をキャリアするための誘電体層である。第3誘電体層は、埋め込み対象のデバイスを固定するための誘電体層である。第2誘電体層は、埋め込みデバイス全体を覆うための誘電体層である。第1誘電体層と第4誘電体層は、PP材料(ポリプロピレン材料)で作製されてもよく、第3誘電体層は、埋め込みデバイスを固定できる粘性誘電体材料で作製されてもよいが、第2誘電体層は、非ガラス繊維誘電体材料で作製されてもよい。第1回路層と第2回路層は、第1銅柱を介して接続されてもよく、第2回路層は、埋め込みデバイスに接続される回路層であり、第2回路層は、第2銅柱を介して埋め込みデバイスに接続されてもよく、第3回路層は、埋め込みデバイスを覆うための第2誘電体層及び埋め込みデビアスを固定するための第3誘電体層を貫通する第3銅柱を介して第2回路層に接続されてもよく、第4回路層は、第4銅柱を介して第3回路層に接続される。作製過程では、回路を作製するための第1銅箔、第2銅箔、第3銅箔及び第4銅箔は、圧着により対応する誘電体層に密着されてもよい。
【0020】
さらに、前記第2銅箔によって第2回路層、第2銅柱及び第3銅柱を作製する前記ステップS3は、具体的には、
第2ビアホール及び第3ビアホールを作製するステップであって、前記第2ビアホールが、前記第3誘電体層及び前記第2誘電体層を貫通するステップと、
前記第2銅箔、前記第2ビアホール及び前記第3ビアホールに第2金属シード層を作製するステップと、
前記第2金属シード層に第2回路層、第2銅柱及び第3銅柱を作製するステップと、を含む。
【0021】
具体的には、第2銅箔と第2誘電体層上に、第2ビアホール及び第3ビアホールをレーザー穴あけにより層間に作製することができ、第2ビアホールは、第2誘電体層及び第3誘電体層を貫通する必要があり、且つ第3回路層及び第2回路層を接続するための第3銅柱のその後の作製を容易にするために、第3回路層を第2ビアホールに露出させる必要もあるが、第3ビアホールを作製する場合、埋め込みデバイスのピンを第3ビアホールに露出させる必要がある。穴あけが完了した後、第2ビアホール、第3ビアホール及び穴をあけた銅箔に1層のシード層を形成する必要があり、シード層は、その後の第2回路層の作製に使用されることができる。金属シード層の作製が完了した後、シード層に第2回路層を作製することができる。また、第3ビアホール及び第3銅柱の数は、埋め込みデバイスのピンに応じて決定されてもよく、第2ビアホール及び第2銅柱の数は、実際の用途の具体的な回路の機能に応じて1つ又は複数選択されてもよく、ここでは限定されない。
【0022】
さらに、第1銅箔によって第1回路層及び第1銅柱を作製する前記ステップS6は、具体的には、
第1ビアホールを作製するステップSと、
前記第1銅箔、前記第1ビアホールに第1金属シード層を作製するステップSと、
前記第1金属シード層に第1回路層及び第1銅柱を作製するステップと、を含んでもよい。
【0023】
具体的には、本開示では、第1ビアホールは、第1誘電体層全体を貫通する必要がある。第1ビアホールは、具体的な実際の用途に応じて1つ又は複数設けられてもよい。第1ビアホールは、レーザー穴あけプロセスによって作製されてもよい。第1ビアホールが作製された後、前記第1銅箔、前記第1ビアホールを第1金属シード層で覆い、金属シード層は、穴をあけた後の第1銅箔、第1ビアホールを完全に覆う必要があり、金属シード層は、通過できる。金属シード層の作製が完了した後、金属シード層によって第1回路層及び第1銅柱を作製する必要がある。
【0024】
さらに、前記第3誘電体層の下面に第2回路層、第2銅柱及び第3銅柱を作製するステップS15は、具体的には、
前記第3誘電体層の下面に第2ビアホール及び第3ビアホールを作製するステップであって、前記第2ビアホールが、前記第3誘電体層及び前記第2誘電体層を貫通するステップと、
前記第3誘電体層の下面、前記第2ビアホール及び前記第3ビアホールに第2金属シード層を作製するステップと、
前記第2金属シード層に第2回路層、第2銅柱及び第3銅柱を作製するステップと、を含んでもよい。
【0025】
第3誘電体層の下面に、第2ビアホール及び第3ビアホールをレーザー穴あけにより層間に作製することができ、第2ビアホールは、第2誘電体層及び第3誘電体層を貫通する必要があり、且つ第3回路層及び第2回路層を接続するための第3銅柱のその後の作製を容易にするために、第3回路層を第2ビアホールに露出させる必要もあるが、第3ビアホールを作製する場合、埋め込みデバイスのピンを第3ビアホールに露出させる必要がある。穴あけが完了した後、第2ビアホール、第3ビアホール及び穴をあけた銅箔に1層のシード層を形成する必要があり、シード層は、その後の第2回路層の作製に使用されることができる。金属シード層の作製が完了した後、シード層に第2回路層を作製することができる。
【0026】
さらに、化学蒸着法又は物理スパッタリング法により、前記第2銅箔、前記第2ビアホール及び前記第3ビアホールに第2金属シード層を作製する。
【0027】
具体的には、本開示の幾つかの実施形態では、第2金属シード層は、化学蒸着法と物理スパッタリング法により作製されてもよい。さらに、化学蒸着法としては、銅材料による化学気相蒸着法であってもよく、物理スパッタリング法としては、誘電体層に銅薄膜をメッキする真空マグネトロンスパッタリング技術であってもよい。
【0028】
さらに、本開示の幾つかの実施形態では、前記第1誘電体層と前記第4誘電体層の厚さは、同じである。
【0029】
具体的には、第1誘電体層と第4誘電体層は、圧着プロセスにより対応する回路層に圧着されてもよい。圧着後の誘電体層に一定の横方向の応力が存在し、第1誘電体層と第4誘電体層の厚さが同じであるため、非対称構造による反りの問題を回避することができる。また、第1誘電体層及び第4誘電体層の厚さが近くてもよい。2つの誘電体層の厚さが近い場合、2つの誘電体層の厚さの差は、0.05mmを超えなくてもよい。
【0030】
さらに、本開示の幾つかの実施形態では、第3誘電体層は、圧着プロセスにより作製されてもよい。第3誘電体層を圧着する場合、第3誘電体層が粘性材料であるため、第3誘電体層の埋め込みデバイスを固定するための側面に保護膜を貼り付ける必要があり、圧着が完了した後、埋め込みデバイスを置く前にそれを剥がす必要がある。
【0031】
さらに、第3誘電体層を圧着する場合、真空ラミネーター又はラミネーターにより、第3回路層及びターゲットに圧着することができる。
【0032】
さらに、前記第2金属シード層上の第2回路層、第2銅柱及び第3銅柱の作製は、MSAPプロセス(モディファイドセミアディティブ法)又はTentingプロセス(テンティング法)により行われてもよい。
【0033】
以下に、図3及び図4を参照して、本開示の2種類の埋め込みデバイス用パッケージ基板の作製方法を説明する。
【0034】
そのうちの1種類の方法については図3を参照してもよい。
【0035】
図3のaを参照すると、一時的なキャリアプレート1001は、物理的に引き裂くことができる2枚の銅箔及びキャリアを含む。まず、一時的なキャリアプレート1001に第3回路層1002及びターゲット1003を作製し、前記第3回路層1002及び前記ターゲット1003に第3誘電体層1004を圧着する。第3誘電体層1004は、粘性誘電体層であり、その後の埋め込みデバイスを固定することができ、ターゲット1003は、埋め込みデバイスを位置決めすることができる。第3誘電体層1004は、真空ラミネーター又はラミネーターにより圧着されてもよく、第3回路層1002は、MSAPプロセスにより作製されてもよい。
【0036】
次に、図3のbを参照すると、第3誘電体層1004に埋め込み対象のデバイス1005を置き、前記埋め込み対象のデバイス1005を第2誘電体層1006で覆い、前記埋め込み対象のデバイス1005のピンは、前記第3誘電体層1004に対向して設けられ、埋め込み対象のデバイス1005のピンは、上向きであり、埋め込み対象のデバイス1005の本体は、第3誘電体層1004に粘着されるが、ターゲットは、デバイスを置くときに埋め込み対象のデバイス1005を位置決めすることができる。第2誘電体層1006は、埋め込み対象のデバイス1005を完全に覆う必要がある。
【0037】
次に、図3のcを参照すると、第2誘電体層1006の上面に第2銅箔1007を圧着し、前記第2銅箔1007によって第2回路層1008、第2銅柱1009及び第3銅柱1010を作製する。第2銅柱1009は、第2誘電体層1006及び第3誘電体層1004を貫通する必要がある。第3銅柱1010は、第2回路層1008及び第3回路層1002を電気的に接続することができる。第2銅柱1009は、第2回路層1008と、第2回路層1008及び第3回路層1002との間に位置する埋め込み対象のデバイス1005とを電気的に接続することができる。
【0038】
次に、図3のdを参照すると、前記第2回路層1008に第1誘電体層1011を圧着して被せ、前記第1誘電体層1011の上面に第1銅箔1012を圧着して一時的なキャリアプレート1001を除去する。第1誘電体層1011は、第2回路層1008、第2銅柱1009及び第3銅柱1010を完全に覆う必要がある。第1銅箔1012の圧着が完了した後、物理的な引き裂き及びエッチングにより一時的なキャリアプレート1001を除去することができる。
【0039】
次に、図3のeを参照すると、一時的なキャリアプレート1001が除去された後、前記第3回路層1002の下面に第4誘電体層1013を圧着し、前記第4誘電体層1013の下面に第4銅箔1014を圧着する。第4誘電体層1013を圧着する場合、第1誘電体層1011と同じ厚さのPP材料からなる誘電体層を選択してもよい。同じ厚さであれば、圧着時の非対称性による反り現象を回避することができる。
【0040】
最後に、図3のfを参照すると、第4銅箔1014を圧着した後、第4銅箔1014によって第4回路層1015及び第4銅柱1016を作製し、第1銅箔1012によって第1回路層1017及び第1銅柱1018を作製することができる。具体的には、第1回路層1017及び第4回路層1015は、同時に作製されてもよく、第1銅柱1018及び第4銅柱1016も同時に作製されてもよく、まず第1回路層1017を作製し、次に第4回路層1015を作製し、最後に第1銅柱1018及び第4銅柱1016を作製してもよく、ここではプロセスにおける前後のステップが限定されない。
【0041】
図3の各図a-fでは、各作製ステップで新たに追加された一部の層及びデバイスのみにマークが付けられており、マークされていないものは、このステップの前のステップで現れた層及びデバイスである。
【0042】
別の方法については図4を参照してもよい。
【0043】
図4のaを参照すると、まず一時的なキャリアプレート2001にターゲット2002を作製し、前記ターゲット2002に第3誘電体層2003を圧着する。
【0044】
次に図4のbを参照すると、前記第3誘電体層2003に埋め込み対象のデバイス2004を置き、前記埋め込み対象のデバイス2004を第2誘電体層2005で覆い、前記埋め込み対象のデバイス2004のピンは、前記第3誘電体層2003に貼り合わせられる。
【0045】
次に図4のcを参照すると、前記第2誘電体層2005の上面に第2銅箔2006を圧着し、前記第2銅箔2006によって第3回路層2007を作製する。
【0046】
次に、図4のdを参照すると、前記第3回路層2007を第1誘電体層2008で覆い、前記第1誘電体層2008の上面に第1銅箔2009を圧着して前記一時的なキャリアプレート2001を除去し、前記第3誘電体層2003の下面を露出させる。
【0047】
図4のeを参照すると、前記第3誘電体層2003の下面に第2回路層2010、第2銅柱2011及び第3銅柱2012を作製する。
【0048】
次に、図4のfを参照すると、第2回路層2010、第2銅柱2011及び第3銅柱2012を覆うように前記第4誘電体層2013を基板の下から圧着し、前記第4誘電体層2013の下面に第4銅箔を圧着する。
【0049】
最後に、図4のgを参照すると、第4銅箔2014によって第1回路層2015及び第1銅柱2016を作製し、第1銅箔2009によって第4回路層2017及び第4銅柱2018を作製する。
【0050】
なお、図4の各図a-gでは、各作製ステップで新たに追加された一部の層及びデバイスのみにマークが付けられており、マークされていないものは、このステップの前のステップで現れた層及びデバイスである。
【0051】
また、本開示の実施形態は、上記のいずれかの実施形態に記載の埋め込みデバイス用パッケージ基板の作製方法により作製され得る埋め込みデバイス用パッケージ基板をさらに提供する。
【0052】
幾つかの選択可能な実施形態では、ブロック図に示される機能/動作は、動作説明図で示されている順序で発生しなくてもよい。例えば、関連する機能/動作によっては、連続して示される2つのブロックは、実際には、ほぼ同時に実行されてもよく、又は、前記ブロックは、逆の順序で実行される場合もある。また、本開示のフローチャートで示され且つ説明される実施形態は、技術のより包括的な理解を提供する目的で、例として提供される。開示される方法は、本明細書に示される操作と論理フローに限定されない。様々な動作の順序が変更され、より大きな動作として説明された一部のサブ動作が独立して実行される選択可能な実施形態が考えられる。
【0053】
本明細書の上記説明では、「1つの実施形態/実施例」、「別の実施形態/実施例」又は「幾つかの実施形態/実施例」などの用語を参照した説明は、実施形態又は例で説明される具体的な特徴、構造、材料又は特性が本開示の少なくとも1つの実施形態又は例に含まれることを意味する。本明細書では、上記用語の例示的な表現は、必ずしも同じ実施形態又は例を意味するわけではない。しかも、説明される具体的な特徴、構造、材料又は特性が任意の1つ又は複数の実施形態又は例において適切な方式で組み合わせられてもよい。
【0054】
本開示の実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本開示の原理や精神から逸脱することなく、これらの実施形態に対して様々な変更、修正、置換及び変形を行うことができ、本開示の範囲が特許請求の範囲及びその同等物により限定されることが理解できる。
【0055】
以上、本開示の好適な実施形態を具体的に説明したが、本開示は、前記実施形態に限定されるものではなく、当業者は、本発明の精神から逸脱せずに種々の同等の変形又は置き換えを行うことができ、これらの同等の変形又は置き換えは、いずれも本開示の特許請求の範囲によって限定された範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4