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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】コンデンサモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01G 2/14 20060101AFI20240830BHJP
   H01G 2/02 20060101ALI20240830BHJP
   H01G 4/228 20060101ALI20240830BHJP
   H01G 4/32 20060101ALI20240830BHJP
   H01G 4/38 20060101ALI20240830BHJP
【FI】
H01G2/14 108C
H01G2/02 101E
H01G4/228 S
H01G4/32 531
H01G4/38 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023505204
(86)(22)【出願日】2022-01-31
(86)【国際出願番号】 JP2022003632
(87)【国際公開番号】W WO2022190708
(87)【国際公開日】2022-09-15
【審査請求日】2023-09-11
(31)【優先権主張番号】P 2021040324
(32)【優先日】2021-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(73)【特許権者】
【識別番号】390022460
【氏名又は名称】株式会社指月電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183276
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 裕三
(72)【発明者】
【氏名】中村 洋明
(72)【発明者】
【氏名】北村 大樹
【審査官】小林 大介
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-170882(JP,A)
【文献】特開2009-111370(JP,A)
【文献】特開2003-087941(JP,A)
【文献】国際公開第2017/204065(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0050878(US,A1)
【文献】特開2020-136428(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 2/02
H01G 2/14
H01G 4/228
H01G 4/32
H01G 4/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンデンサを有するコンデンサモジュールであって、
誘電体フィルムの巻回体であって、第1電極と、前記第1電極と対向する第2電極と、前記第1電極と前記第2電極とを繋ぎ、互いに対向する一対の扁平部と前記一対の扁平部どうしを繋ぐ湾曲部を有する第1側面と、を有する第1コンデンサと、
誘電体フィルムの巻回体であって、第3電極と、前記第3電極と対向する第4電極と、前記第3電極と前記第4電極とを繋ぎ、互いに対向する一対の扁平部と前記一対の扁平部どうしを繋ぐ湾曲部を有する第2側面と、を有する第2コンデンサと、
前記第1側面および前記第2側面を支持する支持面を有し、前記第1コンデンサの前記第1電極と前記第2コンデンサの前記第3電極とに電気的に接続される第1バスバーと、
前記第1コンデンサの前記第2電極と前記第2コンデンサの前記第4電極とに電気的に接続される第2バスバーと、
前記コンデンサモジュールに関する異常を検知するための検知部と、前記検知部を先端に設けた細長部と、を有するセンサと、
を備え、
前記第1コンデンサの前記第1側面と前記第2コンデンサの前記第2側面とは、前記第1バスバーの前記支持面に沿った第1方向に対向させた状態で前記支持面に支持され、
前記第1コンデンサの前記第1側面と前記第2コンデンサの前記第2側面との間には、前記第1側面の前記湾曲部と前記第2側面の前記湾曲部とを前記第1方向に離すスペースが形成され、
前記センサの前記検知部と前記細長部とは、前記スペースに配置さ
前記第1バスバーは、前記支持面に前記細長部を位置決めするための位置決め部を有する、
コンデンサモジュール。
【請求項2】
前記位置決め部は、前記支持面から突出して前記細長部を挿通させる貫通孔を形成した第1突出部を有する、
請求項に記載のコンデンサモジュール。
【請求項3】
前記位置決め部は、前記支持面から突出して前記細長部の前記検知部に対して、前記細長部の軸方向に当接可能な第2突出部を有する、
請求項に記載のコンデンサモジュール。
【請求項4】
前記第1バスバーまたは前記第2バスバーは、前記細長部を支持する支持部材を有する、
請求項ないしのいずれか1項に記載のコンデンサモジュール。
【請求項5】
前記第2バスバーは、前記第1バスバーの前記支持面の反対側に配置され、
前記支持部材は、前記第2バスバーにおいて前記第1バスバーの前記支持面と重ならない位置に設けられる、
請求項に記載のコンデンサモジュール。
【請求項6】
前記第1コンデンサと前記第2コンデンサとは、前記第1側面の扁平部と前記第2側面の扁平部とを前記支持面に向けつつ、前記湾曲部どうしを前記第1方向に対向させて配置される、
請求項1ないしのいずれか1項に記載のコンデンサモジュール。
【請求項7】
前記センサの前記検知部は、前記第1側面と前記第2側面との距離が最短となる位置と前記第1バスバーの前記支持面との間に配置される、
請求項1ないしのいずれか1項に記載のコンデンサモジュール。
【請求項8】
前記センサは、温度センサであり、
前記検知部は、温度を検知するための感熱部である、
請求項1ないしのいずれか1項に記載のコンデンサモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンデンサモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のコンデンサを並べてケースに収容したコンデンサモジュールでは、コンデンサの発熱または過電流等により不具合が発生することがある。
【0003】
そこで、特許文献1のように、ケース内に温度センサを配置してコンデンサの過熱状態を検知するコンデンサモジュールが検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2017/204065号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のコンデンサでは、コンデンサモジュールの小型化が困難であるという課題がある。
【0006】
そこで、本発明は、容易に小型化が可能なコンデンサモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様にかかるコンデンサモジュールは、
複数のコンデンサを有するコンデンサモジュールであって、
誘電体フィルムの巻回体であって、第1電極と、第1電極と対向する第2電極と、第1電極と第2電極とを繋ぎ、互いに対向する一対の扁平部と一対の扁平部どうしを繋ぐ湾曲部を有する第1側面と、を有する第1コンデンサと、
誘電体フィルムの巻回体であって、第3電極と、第3電極と対向する第4電極と、第3電極と第4電極とを繋ぎ、互いに対向する一対の扁平部と一対の扁平部どうしを繋ぐ湾曲部を有する第2側面と、を有する第2コンデンサと、
第1側面および第2側面を支持する支持面を有し、第1コンデンサの第1電極と第2コンデンサの第3電極とに電気的に接続される第1バスバーと、
第1コンデンサの第2電極と第2コンデンサの第4電極とに電気的に接続される第2バスバーと、
コンデンサモジュールに関する異常を検知するための検知部を有するセンサと、
を備え、
第1コンデンサの第1側面と第2コンデンサの第2側面とは、第1バスバーの支持面に沿った第1方向に対向させた状態で支持面に支持され、
第1コンデンサの第1側面と第2コンデンサの第2側面との間には、第1側面の湾曲部と第2側面の湾曲部とを第1方向に離すスペースが形成され、
センサの検知部は、前記スペースに配置される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、容易に小型化が可能なコンデンサモジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態1にかかるコンデンサモジュールの平面図
図2図1のコンデンサモジュールの斜視図
図3図1のコンデンサモジュールのケースと封止樹脂とを省略した平面図
図4図1のコンデンサモジュールの第1コンデンサを示す斜視図
図5図1のコンデンサモジュールの第2コンデンサを示す斜視図
図6A図1のコンデンサモジュールのA-A断面図
図6B図6Aの一部を拡大した図
図6C図1のコンデンサモジュールのB-B断面図
図6D図1のコンデンサモジュールのC-C断面図
図7A図1のコンデンサモジュールの第1突出部、第2突出部、および支持部材を示す斜視図
図7B図7Aの一部を拡大した図
図8図1のコンデンサモジュールのセンサを示す斜視図
図9A図1のコンデンサモジュールの支持部材の変形例を示す部分拡大図
図9B図1のコンデンサモジュールの支持部材の変形例を示す部分拡大図
図9C図1のコンデンサモジュールの支持部材の変形例を示す部分拡大図
図9D図1のコンデンサモジュールの支持部材の変形例を示す部分拡大図
図9E図1のコンデンサモジュールの支持部材の変形例を示す部分拡大図
図10】実施の形態2にかかるコンデンサモジュールの斜視図
図11A図10のコンデンサモジュールをX方向から見た図
図11B図11Aの一部を拡大した図
図12図10のコンデンサモジュールの平面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本発明に至った経緯)
コンデンサモジュールにおいて、中央に配置されるコンデンサは放熱されにくく、他のコンデンサと比較して高温になり、コンデンサの動作に不具合が生じることがある。また、過電流によりコンデンサモジュールに不具合が生じることがある。そこで、特許文献1に記載のコンデンサモジュールのように、ケース内にセンサを配置することにより、高温または過電流などのコンデンサの異常を検出することが検討されている。
【0011】
特許文献1に記載のコンデンサモジュールでは、樹脂により形成されたホルダに収容されたセンサがケース内でコンデンサに載置されて配置されている。このため、ホルダの大きさだけコンデンサモジュール自体が大きくなってしまい、コンデンサモジュールの小型化が困難であるという課題がある。
【0012】
そこで、本発明者らは、容易に小型化が可能なコンデンサモジュールの構成について検討し、以下の発明に至った。
【0013】
本発明の一態様にかかるコンデンサモジュールは、
複数のコンデンサを有するコンデンサモジュールであって、
誘電体フィルムの巻回体であって、第1電極と、第1電極と対向する第2電極と、第1電極と第2電極とを繋ぎ、互いに対向する一対の扁平部と一対の扁平部どうしを繋ぐ湾曲部を有する第1側面と、を有する第1コンデンサと、
誘電体フィルムの巻回体であって、第3電極と、第3電極と対向する第4電極と、第3電極と第4電極とを繋ぎ、互いに対向する一対の扁平部と一対の扁平部どうしを繋ぐ湾曲部を有する第2側面と、を有する第2コンデンサと、
第1側面および第2側面を支持する支持面を有し、第1コンデンサの第1電極と第2コンデンサの第3電極とに電気的に接続される第1バスバーと、
第1コンデンサの第2電極と第2コンデンサの第4電極とに電気的に接続される第2バスバーと、
コンデンサモジュールに関する異常を検知するための検知部を有するセンサと、
を備え、
第1コンデンサの第1側面と第2コンデンサの第2側面とは、第1バスバーの支持面に沿った第1方向に対向させた状態で支持面に支持され、
第1コンデンサの第1側面と第2コンデンサの第2側面との間には、第1側面の湾曲部と第2側面の湾曲部とを第1方向に離すスペースが形成され、
センサの検知部は、前記スペースに配置される。
【0014】
この構成によると、異常検知を可能としながらデッドスペースを利用してセンサを配置することができる。このため、コンデンサモジュールの設計に影響を与えることなく、容易に小型化が可能なコンデンサモジュールを提供することができる。
【0015】
センサは、検知部を先端に設けた細長部を有し、
細長部は、スペースに配置されてもよい。
【0016】
この構成によると、コンデンサモジュールの中央付近に検知部を配置することができるため、異常検知の感度を向上することができる。
【0017】
第1バスバーは、支持面に細長部を位置決めするための位置決め部を有してもよい。
【0018】
この構成によると、位置決め用の部品を別途用意しなくてもよいため、製造コストを抑制することができる。
【0019】
位置決め部は、支持面から突出して細長部を挿通させる貫通孔を形成した第1突出部を有してもよい。
【0020】
この構成によると、センサの細長部を径方向に位置決めすることができる。
【0021】
位置決め部は、支持面から突出して細長部の検知部に対して、細長部の軸方向に当接可能な第2突出部を有してもよい。
【0022】
この構成によると、センサの細長部を軸方向に位置決めすることができる。
【0023】
第1バスバーまたは第2バスバーは、細長部を支持する当接部を有してもよい。
【0024】
この構成によると、センサの細長部を軸方向に位置決めすることができる。
【0025】
第2バスバーは、第1バスバーの支持面の反対側に配置され、支持部材は、第2バスバーにおいて第1バスバーの支持面と重ならない位置に設けられてもよい。
【0026】
この構成によると、ケース内でのデッドスペースを活用しながら、センサの細長部を位置決めすることができるため、コンデンサモジュールの小型化に寄与する。
【0027】
第1コンデンサと第2コンデンサとは、第1側面の扁平部と第2側面の扁平部とを支持面に向けつつ、湾曲部どうしを第1方向に対向させて配置されてもよい。
【0028】
第1コンデンサおよび第2コンデンサの湾曲部どうしを対向させることで、センサを配置するスペースが形成される。スペースにセンサを配置することで、コンデンサモジュールの設計に影響を与えずにコンデンサモジュールを小型化することができる。
【0029】
センサの検知部は、第1側面と第2側面との距離が最短となる位置と第1バスバーの支持面との間に配置されてもよい。
【0030】
この構成によると、第1コンデンサと第2コンデンサのそれぞれの湾曲部により形成されたデッドスペースを利用してセンサを配置することができる。このため、コンデンサモジュールの小型化に寄与する。
【0031】
センサは、温度センサであり、
検知部は、温度を検知するための感熱部であってもよい。
【0032】
この構成によると、コンデンサモジュールの過熱を検知することができる。
【0033】
以下、本発明にかかる実施の形態1について、添付の図面を参照しながら説明する。また、各図においては、説明を容易なものとするため、各要素を誇張して示している。
【0034】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかるコンデンサモジュール1の平面図である。図2は、図1のコンデンサモジュール1の斜視図である。図3は、図1のコンデンサモジュール1のケース51と封止樹脂52とを省略した平面図である。図4は、図1のコンデンサモジュール1の第1コンデンサ11~13を示す斜視図である。図5は、図1のコンデンサモジュール1の第2コンデンサ14~16を示す斜視図である。図6Aは、図1のコンデンサモジュール1のA-A断面図である。図6Bは、図6Aの一部を拡大した図である。図6Cは、図1のコンデンサモジュール1のB-B断面図である。図6Dは、図1のコンデンサモジュール1のC-C断面図である。図7Aは、図1のコンデンサモジュール1の第1突出部22、第2突出部23、および支持部材27を示す斜視図である。図7Bは、図7Aの一部を拡大した図である。図8は、図1のコンデンサモジュール1のセンサ31を示す斜視図である。なお、図中のX、Y、Z方向はそれぞれ、コンデンサモジュール1の横方向、高さ方向、縦方向を示す。
【0035】
[全体構成]
コンデンサモジュール1は、図1および図2に示すように、6つのコンデンサ11~16と、第1バスバー21と、第2バスバー26と、センサ31と、ケース51と、封止樹脂52と、を備える。コンデンサモジュール1は、樹脂により形成されたケース51に、コンデンサ11~16、第1バスバー21の一部、第2バスバー26の一部、およびセンサ31の一部を収容し、封止樹脂52がケース51の内部に充填されている。
【0036】
第1バスバー21と第2バスバー26とはそれぞれ、図3に示すように、6つのコンデンサ11~16の電極11a~16a、11b~16bに接続されている。第1バスバー21および第2バスバー26においてケース51から露出した部分に、外部の素子または回路等が接続される。
【0037】
本実施の形態では、図3に示すように、コンデンサモジュール1のケース51の内部において、6つのコンデンサが3×2列に配置されている。1列目のコンデンサ11~13が「第1コンデンサ」に相当し、2列目のコンデンサ14~16が「第2コンデンサ」に相当する。以後、コンデンサ11~13を第1コンデンサ11~13、コンデンサ14~16を第2コンデンサ14~16と称することがある。
【0038】
<第1コンデンサ>
第1コンデンサ11~13は、誘電体フィルムを巻回して形成されたフィルムコンデンサであり、表面に金属蒸着膜を形成した誘電体フィルムを巻回し、誘電体フィルムの巻回体を扁平形状にプレスすることにより形成される。第1コンデンサ11は、図4に示すように、第1電極11aと、第2電極11bと、第1電極11aと第2電極11bとを繋ぐ第1側面11cとを有する。第1コンデンサ11の第1側面11cは、一対の扁平部11dと一対の湾曲部11eとを含む。同様に、第2コンデンサ12は、第1電極12aと、第2電極12bと、第1電極12aと第2電極12bとを繋ぐ第1側面12cとを有する。第1コンデンサ12の第1側面12cは、一対の扁平部12dと一対の湾曲部12eとを含む。第1コンデンサ13は、第1電極13aと、第2電極13bと、第1電極13aと第2電極13bとを繋ぐ第1側面13cとを有する。第1コンデンサ13の第1側面13cは、一対の扁平部13dと一対の湾曲部13eとを含む。
【0039】
第1コンデンサ11~13の誘電体フィルムとして、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド、またはポリエチレンナフタレート等のプラスチックフィルムを使用することができる。また、プラスチックフィルムの表面に形成される金属蒸着膜としては、Al、Zn等を使用することができる。巻回した誘電体フィルムの端部に、例えば、Zn等を溶射することにより第1電極11a~13aおよび第2電極11b~13bが形成される。
【0040】
図3に示すように、第1コンデンサ11と第1コンデンサ12とは、それぞれの第1電極11aと第1電極12aとが向き合うように配置される。また、第1コンデンサ12と第1コンデンサ13とは、それぞれの第2電極12bと第2電極13bとが向き合うように配置される。
【0041】
<第2コンデンサ>
第2コンデンサ14~16は、誘電体フィルムを巻回して形成されたフィルムコンデンサであり、表面に金属蒸着膜を形成した誘電体フィルムを巻回し、誘電体フィルムの巻回体を扁平形状にプレスすることにより形成される。第2コンデンサ14~16はそれぞれ、第1コンデンサ11~13と同形状である。第2コンデンサ14は、図5に示すように、第3電極14aと、第4電極14bと、第3電極14aと第4電極14bとを繋ぐ第2側面14cとを有する。第2コンデンサ14の第2側面14cは、一対の扁平部14dと一対の湾曲部14eとを含む。同様に、第2コンデンサ15は、第3電極15aと、第4電極15bと、第3電極15aと第4電極15bとを繋ぐ第2側面15cとを有する。第2コンデンサ15の第2側面15cは、一対の扁平部15dと一対の湾曲部15eとを含む。第2コンデンサ16は、第3電極16aと、第4電極16bと、第3電極16aと第4電極16bとを繋ぐ第2側面16cとを有する。第2コンデンサ16の第2側面16cは、一対の扁平部16dと一対の湾曲部16eとを含む。
【0042】
第2コンデンサ14~16の誘電体フィルムとして、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド、またはポリエチレンナフタレート等のプラスチックフィルムを使用することができる。また、プラスチックフィルムの表面に形成される金属蒸着膜としては、Al、Zn等を使用することができる。巻回した誘電体フィルムの端部に、例えば、Zn等を溶射することにより第3電極14a~16aおよび第4電極14b~14bが形成される。
【0043】
図3に示すように、第2コンデンサ14と第2コンデンサ15とは、それぞれの第3電極14aと第3電極15aとが向き合うように配置される。また、第2コンデンサ15と第2コンデンサ16とは、それぞれの第4電極15bと第4電極16bとが向き合うように配置される。
【0044】
第1コンデンサ11~13と第2コンデンサ14~16とは、第1側面11c~13cと第2側面14c~16cとが第1方向(Z方向)に対向した状態で後述する第1バスバー21の支持面21aに配置される。すなわち、第1コンデンサ11の第1側面11cと第2コンデンサ14の第2側面14cとが第1方向に対向した状態で支持面21aに配置される。同様に、第1コンデンサ12と第2コンデンサ15とは、第1側面12cと第2側面15cとが第1方向に対向した状態で支持面21aに配置される。また、第1コンデンサ13と第2コンデンサ16とは、第1側面13cと第2側面16cとが第1方向に対向した状態で支持面21aに配置される。なお、第1方向とは、第1バスバー21の支持面21aに沿った方向であり、本実施の形態ではZ方向である。
【0045】
本実施の形態では、特に、第1側面11c~13cの湾曲部11e~13eと、第2側面14c~16cの湾曲部14e~16eとがそれぞれ第1方向に対向するように配置される。
【0046】
<第1バスバー>
第1バスバー21は、第1コンデンサ11~13の第1電極11a~13aと、第2コンデンサ14~16の第3電極14a~16aとに電気的に接続される板状の導電性部材である。第1バスバー21と第1電極11a~13aおよび第3電極14a~16aとは、図3および図7Aに示すように、導電性のピン41をそれぞれに半田付けすることにより電気的に接続される。なお、図7Aでは、第2コンデンサ14、15、およびセンサ31が省略されている。
【0047】
第1バスバー21は、第1コンデンサ11~13の第1側面11c~13cおよび第2コンデンサ14~16の第2側面14c~16cを支持する支持面21aを有する(図7A参照)。
【0048】
図7A図6A図6B等では図示を省略しているが、第1バスバー21の支持面21aには、絶縁紙43が配置されている。絶縁紙43は、第1コンデンサ11~13および第2コンデンサ14~16のそれぞれの電極11a~16a、11b~16bと第1バスバー21とを電気的に絶縁する。
【0049】
本実施の形態では、図6Aおよび図6Bに示すように、第1コンデンサ11の湾曲部11eと第2コンデンサ14~16の湾曲部14eとが対向した状態で、それぞれのコンデンサ11、14の一方の扁平部11d、14dが支持面21aに向くよう配置されている。すなわち、第1コンデンサ11と第2コンデンサ14とは、第1側面11cの扁平部11dと第2側面14cの扁平部14dとを支持面21aに向けつつ、湾曲部11eと湾曲部14eとを第1方向(Z方向)に対向させて配置されている。
【0050】
同様に、図6Cに示すように、第1コンデンサ12と第2コンデンサ15とは、第1側面12cの扁平部12dと第2側面15cの扁平部15dとを支持面21aに向けつつ、湾曲部12eと湾曲部15eとを第1方向(Z方向)に対向させて配置されている。また、図6Dに示すように、第1コンデンサ13と第2コンデンサ16とは、第1側面13cの扁平部13dと第2側面16cの扁平部16dとを支持面21aに向けつつ、湾曲部13eと湾曲部16eとを第1方向(Z方向)に対向させて配置されている。
【0051】
図6Aおよび図6Bに示すように、第1コンデンサ11の第1側面11cと第2コンデンサ14の第2側面14cとの間には、第1側面11cの湾曲部11eと第2側面14cの湾曲部14eとを第1方向(Z方向)に離すスペースS1が形成されている。すなわち、第1側面11cの湾曲部11eと第2側面14cの湾曲部14eとの距離が最短距離d1となる位置から、第1バスバー21の支持面21aに向かうにつれて大きくなり、支持面21a付近では距離d2となる。このため、第1コンデンサ11と第2コンデンサ14との間にスペースS1が形成される。後述するセンサ31の細長部33は、第1コンデンサ11の第1側面11cと第2コンデンサ14の第2側面14cとの間隔が最短距離(距離d1)となる位置と、第1バスバー21の支持面21aと、の間に形成されるスペースS1に配置される。すなわち、第1コンデンサ11の湾曲部11eと、第2コンデンサ14の湾曲部14eと、支持面21aと、に囲まれる部分(スペースS1)にセンサ31の細長部33を配置している。同様に、第1コンデンサ12と第2コンデンサ15との間、および第1コンデンサ13と第2コンデンサ16との間にもスペースS1が形成される。このスペースS1に後述するセンサ31の細長部33を配置することにより、デッドスペースを活用しながらセンサ31を配置することができ、コンデンサモジュール1の設計に影響を与えることなくコンデンサモジュール1を小型化することができる。
【0052】
第1バスバー21は、図7Aに示すように、センサ31の細長部33(図3参照)を位置決めするための位置決め部21bを有する。位置決め部21bは、第1突出部22と第2突出部23とを含む。
【0053】
第1突出部22および第2突出部23はともに、第1バスバー21の支持面21aからY方向に突出する突出部である。第1突出部22および第2突出部23は、例えば、プレス加工等により形成することができる。図7Aでは、図示省略されているが、第1バスバー21の支持面21aに配置される絶縁紙43には、第1突出部22および第2突出部23を通過させる穴が形成されている。
【0054】
第1突出部22は、支持面21aから一部が突出して、センサ31の細長部33を挿通させる貫通孔22aを形成する。第1突出部22は、細長部33を軸方向(X方向)に対して垂直な径方向に位置決めする。貫通孔22aは、センサ31の検知部32および細長部33の径よりも大きく形成される。この場合、センサ31を貫通孔22aに容易に挿入することができ、センサ31の損傷も抑制することができる。または、貫通孔22aはセンサ31の検知部32および細長部33の径と略同じ大きさに形成されてもよい。この場合、センサ31の位置決め精度を向上することができる。
【0055】
第2突出部23は、支持面21aから一部が突出して、細長部33の検知部32(図3参照)に対して、細長部33の軸方向に当接可能である。第2突出部23は、細長部33を軸方向(-X方向)に位置決めする。
【0056】
第1突出部22および第2突出部23は、センサ31の細長部33と同様に、スペースS1(図6B参照)に配置される。図7Aに示すように、1つの第1突出部22が第1コンデンサ11と第2コンデンサ14との間のスペースS1に配置され、もう1つの第1突出部22および第2突出部23が第1コンデンサ12と第2コンデンサ15との間のスペースS1に配置される。
【0057】
<第2バスバー>
第2バスバー26は、第1コンデンサ11~13の第2電極11b~13bと、第2コンデンサ14~16の第4電極14b~16bと電気的に接続される板状の導電性部材である。第2バスバー26と第2電極11b~13bおよび第4電極14b~16bとは、図3に示すように、導電性のピン42をそれぞれに半田付けすることにより電気的に接続される。第2バスバー26は、第1バスバー21に対して、支持面21aの反対側に配置される。図1に示すように、第1バスバー21と第2バスバー26との絶縁のため、第1バスバー21と第2バスバー26との間には、絶縁紙44が配置されている。
【0058】
図7Bに示すように、第2バスバー26の外縁部には支持部材27が設けられる。支持部材27は、センサ31の細長部33(図3参照)の外周部に当接する部分である。支持部材27は、第2バスバー26において、第1バスバー21の支持面21aと重ならない位置に設けられる。支持部材27は、第1突出部22および第2突出部23と同様に、例えば、プレス加工等により形成することができる。
【0059】
支持部材27には、爪27aが形成されている。細長部33を爪27aに引掛けて爪27aを第2バスバー26に向かって押さえることで、細長部33が位置決めされる。このため、細長部33のX方向への動きを抑制することができる。
【0060】
支持部材27を設けることにより、位置決め部21bに係合させた細長部33をケース51の外部に引き出すときに、第1コンデンサ11の第1電極11aまたは第2コンデンサ14の第3電極14aに接触しないよう、細長部33の位置を規制することができる。また、支持部材27を、第2バスバー26において、第1バスバー21の支持面21aと重ならない位置に設けることで、支持面21aと重なる位置に設けた場合に比べて、絶縁紙43に貫通孔を設ける必要がなく、構成を簡素化することができる。また、Y方向の寸法を短くすることができる。
【0061】
本実施の形態では、支持部材27は、例えばプレス加工等により形成することができる。
【0062】
<センサ>
センサ31は、コンデンサモジュール1に関する異常を検知するための検知部を有するセンサである。コンデンサモジュール1に関する異常とは、例えば、過熱、過電流、または過電圧等が挙げられる。本実施の形態では、センサ31は、温度を検知する温度センサである。センサ31は、図8に示すように、検知部32を先端に設けた細長部33を有する。細長部33は、棒状または線状に形成された部分である。また、センサ31は接続部34を有する。
【0063】
センサ31の検知部32および細長部33の一部は、図3および図6Aに示すように、第1バスバー21の支持面21aに配置されている。また、本実施の形態では、検知部32および細長部33の一部が、第1バスバー21の第1突出部22の貫通孔22aに挿入されている。このため、細長部33を径方向(YZ平面に平行な方向)に位置決めすることができる。
【0064】
また、図3に示すように、センサ31の先端である検知部32が、第2突出部23に対してX方向に当接している。これにより、細長部33の一部は、第2突出部23により-X方向への移動を規制される。さらに、細長部33は、第2バスバー26の支持部材27に引掛けられて位置決めされる。
【0065】
すなわち、第1突出部22、第2突出部23、および支持部材27により、センサ31の検知部32および細長部33が、位置決めされる。
【0066】
コンデンサモジュール1において、複数のコンデンサ11~16のうち、中央付近に配置されるコンデンサは放熱されにくく高温となりやすい。このため、センサ31の検知部32が、コンデンサモジュール1の中央付近に配置されるとよい。本実施の形態では、図3に示すように、検知部32が、中央に配置された第1コンデンサ12と第2コンデンサ15との間に配置される。すなわち、センサ31の検知部32を含む細長部33が、第1コンデンサ12の湾曲部12eと第2コンデンサ15の湾曲部15eとの間のスペースS1に配置される。このため、コンデンサモジュール1のケース51の内部でデッドスペースとなるスペースS1を活用して、センサ31を配置することができる。また、センサ31の検知部32が、コンデンサモジュール1の中央付近である、第1コンデンサ12と第2コンデンサ15との間に配置される。このため、デッドスペースを活用しつつ、中央の温度を検知することができる。したがって、異常検知の精度を向上することができる。また、デッドスペースを活用することで、コンデンサモジュール1の設計に影響を与えずに、コンデンサモジュール1を小型化することができる。
【0067】
また、本実施の形態では、センサ31の検知部32と細長部33の一部が、絶縁紙43を介して第1バスバー21の支持面21aに配置される。第1バスバー21は熱伝導性が高いため、コンデンサ11~16から発生した熱が、絶縁紙43および第1バスバー21を伝わって、センサ31の検知部32により検知される。センサ31は、コンデンサ11~16の周囲における雰囲気温度を検知するが、絶縁紙43および第1バスバー21を介した伝熱も含めて検知することができるため、センサ31の温度検知の精度を向上することができる。
【0068】
[効果]
実施の形態1にかかるコンデンサモジュール1によれば、以下の効果を奏することができる。
【0069】
コンデンサモジュール1は、第1コンデンサ11~13と、第2コンデンサ14~16と、第1バスバー21と、第2バスバー26と、センサ31と、を備える。第1コンデンサ11~13は、誘電体フィルムの巻回体であって、第1電極11a~13aと、第1電極11a~13aと対向する第2電極11b~13bと、第1電極11a~13aと第2電極11b~13bとを繋ぐ第1側面11c~13cと、を有する。第1側面11c~13cは、一対の扁平部11d~13dと扁平部11d~13dどうしを繋ぐ湾曲部11e~13eとを有する。第2コンデンサ14~16は、誘電体フィルムの巻回体であって、第3電極14a~16aと、第3電極14a~16aと対向する第4電極14b~16bと、第3電極14a~16aと第4電極14b~16bとを繋ぐ第2側面14c~16cと、を有する。第2側面14c~16cは、一対の扁平部14d~16dと扁平部14d~16dどうしを繋ぐ湾曲部14e~16eとを有する。第1バスバー21は、第1コンデンサ11~13の第1側面11c~13cと、第2コンデンサ14~16の第2側面14c~16cとを支持面21aに沿った第1方向に対向させた状態で、第1側面11c~13cおよび第2側面14c~16cを支持する支持面21aを有し、第1コンデンサ11~13の第1電極11a~13aと第2コンデンサ14~16の第3電極14a~16aとに電気的に接続される。第2バスバー26は、第1コンデンサ11~13の第2電極11b~13bと第2コンデンサ14~16の第4電極14b~16bとに電気的に接続される。センサ31は、コンデンサモジュール1に関する異常を検知するための検知部32を有する。第1コンデンサ11~13の第1側面11c~13cと第2コンデンサ14~16の第2側面14c~16cとの間には、第1側面11c~13cの湾曲部11e~13eと第2側面14c~16cの湾曲部14e~16eとを第1方向に離すスペースS1が形成される。センサ31の検知部32は、スペースS1に配置される。
【0070】
このような構成により、異常検知を可能としつつ、デッドスペースを利用してセンサを配置することができ、コンデンサモジュールの設計に影響を与えることなくコンデンサモジュールを小型化することができる。
【0071】
また、センサ31は、検知部32を先端に設けた細長部33を有し、細長部33はスペースS1に配置される。
【0072】
このような構成により、コンデンサモジュール1の中央付近に検知部32を配置することができる。このため、異常検知の感度を向上することができる。
【0073】
また、第1バスバー21は、支持面21aに細長部33を位置決めするための位置決め部21bを有する。
【0074】
このような構成により、位置決め用の部品を別途用意しなくてもよいため、コンデンサモジュール1の製造コストを抑制することができる。また、封止樹脂52を充填する際の樹脂の充填性を向上することができる。
【0075】
また、位置決め部21bは、支持面21aから突出して細長部33を挿通させる貫通孔22aを形成した第1突出部22を有する。
【0076】
このような構成により、センサ31の細長部33を径方向に位置決めすることができる。
【0077】
また、位置決め部21bは、支持面21aから突出して細長部33の検知部32に対して、細長部33の軸方向に当接可能な第2突出部23を有する。
【0078】
このような構成により、センサ31の細長部33を軸方向および径方向に位置決めすることができる。
【0079】
また、第2バスバー26は、細長部33を支持する支持部材27を有する。
【0080】
このような構成により、センサ31の細長部33をケース51の外部に引き出す際に、細長部33とコンデンサの電極とが接触しないよう、位置決めをすることができる。
【0081】
また、第2バスバー26は、第1バスバー21に対して、第1バスバー21の支持面21aの反対側に配置され、支持部材27は、第2バスバー26において第1バスバー21の支持面21aと重ならない位置に設けられる。
【0082】
このような構成により、デッドスペースを活用しながらセンサ31の細長部33を位置決めすることができ、コンデンサモジュール1の小型化に寄与する。
【0083】
また、第1コンデンサ11~13と第2コンデンサ14~16とは、第1側面11c~13cの扁平部11d~13dと第2側面14c~16cの扁平部14d~16dとを支持面21aに向けつつ、湾曲部11e~16eどうしを第1方向に対向させて配置される。
【0084】
このような構成により、湾曲部11e~13eと湾曲部14e~16eとがそれぞれ対向した部分にスペースS1が形成され、スペースS1にセンサ31を配置することができる。このため、コンデンサモジュール1の設計に影響を与えることなくコンデンサモジュールを小型化することができる。
【0085】
また、センサ31は温度センサであり、検知部32は温度を検知するための感熱部である。
【0086】
このような構成により、コンデンサモジュールの過熱を検知することができる。
【0087】
[変形例]
なお、実施の形態1では、コンデンサモジュール1が6つのコンデンサ11~16を備える例について説明したが、コンデンサの数はこれに限定されず、2つ以上であればよい。
【0088】
また、実施の形態1では、第1突出部22が2つ設けられている例について説明したが、第1突出部22は1つまたは複数であってもよい。また、第1突出部22および第2突出部23が配置されていなくてもよい。
【0089】
また、実施の形態1では、支持部材27が第2バスバー26に形成されている例について説明したが、支持部材は、第1バスバーまたは第2バスバーのいずれかに形成されていればよい。すなわち、第1バスバー21または第2バスバー26は、細長部33を第1バスバー21または第2バスバー26に向けて押さえるように細長部33の外周部に当接する支持部材27を有してもよい。
【0090】
また、実施の形態1では、支持部材27が爪27aを有する例について説明したが、支持部材27は、センサ31の細長部33を-Y方向に押さえることのできる形状であればこれに限らない。図9A図9Eは、支持部材27の変形例を示す部分拡大図である。
【0091】
例えば、図9Aの支持部材271は、アーチ状の爪271aを有する。細長部33を爪271aに通し、爪271aを押さえることにより、細長部33を位置決めすることができる。
【0092】
また、図9Bの支持部材272は、アーチ状の爪272aが2つ設けられている。爪272aが2つ設けられていることで、より位置決め精度を高めることができる。
【0093】
また、図9Cの支持部材273は、爪273aが屈曲された板状に形成されている。爪273aはアーチ状ではなくこのような形状であってもよい。
【0094】
図9A~9Cの変形例は、アーチ状の爪271a~273aを有するが、図9D~9Eの変形例では、細長部33を挟むように爪が形成される。例えば、図9Dの支持部材274は、細長部33を挟むように2つの爪274aが設けられている。この場合、細長部33を上から嵌め込むことができるため、センサ31の配置が容易になる。
【0095】
また、図9Eの支持部材275は、細長部33を挟むように3つの爪275aが設けられている。センサ31の配置を容易にしながら、位置決め精度を高めることができる。
【0096】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2にかかるコンデンサモジュール2について説明する。
【0097】
実施の形態2では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態2においては、実施の形態1と同一または同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態2では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
【0098】
図10は、実施の形態2にかかるコンデンサモジュール2の斜視図である。図11Aは、図10のコンデンサモジュール2をX方向から見た図である。図11Bは、図11Aの一部を拡大した図である。図12は、図10のコンデンサモジュール2の平面図である。なお、図10においては、センサ31が省略されている。また、図11A、11Bにおいては、ケース511、および封止樹脂521が省略されている。また、図12においては、ケース511、封止樹脂521、およびコンデンサ112、113が省略されている。
【0099】
実施の形態2では、主に、コンデンサの配列が実施の形態1と異なる。具体的には、図10および図11に示すように、コンデンサ111~115が扁平部111d~115dではなく湾曲部111e~115e(図11参照)を第1バスバー211の支持面211aに向けて配置されている点が実施の形態1と異なる。
【0100】
図10に示すように、コンデンサモジュール2において、それぞれのコンデンサ111~120が5×2列に配置されている。このとき、隣り合うコンデンサ111~115どうしの扁平部111d~115d(図11参照)が第1方向(Y方向)に対向するよう、それぞれのコンデンサ111~115が配置される。また、それぞれのコンデンサ111~115は、湾曲部111e~115eが第1バスバー211の支持面211aを向くよう配置されている。
【0101】
本実施の形態において、コンデンサ112が「第1コンデンサ」に相当し、コンデンサ113が「第2コンデンサ」に相当するものとして、以下説明する。
【0102】
図11Aおよび図11Bに示すように、第1コンデンサ112の第1側面112cと第2コンデンサ113の第2側面113cとの間には、第1側面112cの湾曲部112eと第2側面113cの湾曲部113eとを第1方向(Y方向)に離すスペースS2が形成される。すなわち、第1側面112cと第2側面113cとの距離が、最短距離d3となる位置から、第1バスバー211の支持面211aに向かうにつれて大きくなり、支持面211a付近では距離d4となる。このため、第1コンデンサ112と第2コンデンサ113との間にスペースS2が形成される。センサ31の細長部33は、第1コンデンサ112の第1側面112cと第2コンデンサ113の第2側面113cとの間隔が最短距離(距離d3)となる位置と、第1バスバー211の支持面211aと、の間に形成されるスペースS2に配置される。すなわち、第1コンデンサ112の湾曲部112eと、第2コンデンサ113の湾曲部113eと、支持面211aと、に囲まれる部分(スペースS2)にセンサの細長部33を配置している。なお、第1方向とは、第1バスバー211の支持面211aに沿った方向であり、本実施の形態ではY方向である。
【0103】
スペースS2に、センサ31の細長部33を配置することにより、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。また、第1バスバー211の支持面21aにおいて、スペースS2に第1突出部および/または第2突出部が形成されてもよい。
【0104】
図12に示すように、第1バスバー211の支持面211aにセンサ31の検知部32を含む細長部33が配置される。本実施の形態では、第1コンデンサ112と第2コンデンサ113との間にセンサ31の細長部33が配置されるが、センサの配置位置はこれに限定されず、例えば、コンデンサ113とコンデンサ114との間に配置されてもよい。
【0105】
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した特許請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明は、各種電子機器、電気機器、産業機器、車両装置等に使用されるコンデンサに有用である。
【符号の説明】
【0107】
1、2 コンデンサモジュール
11~13、112 第1コンデンサ
14~16、113 第2コンデンサ
11a~13a 第1電極
11b~13b 第2電極
14a~16a 第3電極
14b~16b 第4電極
11c~13c、112c 第1側面
14c~16c、113c 第2側面
11d~16d、111d~115d 扁平部
11e~16e、111e~115e 湾曲部
21、211 第1バスバー
21a、211a 支持面
21 位置決め部
22 第1突出部
22a 貫通孔
23 第2突出部
26、261 第2バスバー
27、271~275 支持部材
31 センサ
32 検知部
33 細長部
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図10
図11A
図11B
図12