(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-29
(45)【発行日】2024-09-06
(54)【発明の名称】車両制御方法並びにデバイス、コンピュータ記憶媒体及び車両
(51)【国際特許分類】
B60W 40/00 20060101AFI20240830BHJP
B60W 40/02 20060101ALI20240830BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20240830BHJP
【FI】
B60W40/00
B60W40/02
B60W60/00
(21)【出願番号】P 2023522557
(86)(22)【出願日】2021-09-02
(86)【国際出願番号】 EP2021074247
(87)【国際公開番号】W WO2022078670
(87)【国際公開日】2022-04-21
【審査請求日】2023-05-12
(31)【優先権主張番号】202011089556.4
(32)【優先日】2020-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】シォゥイー ワン
(72)【発明者】
【氏名】イエ ウー
【審査官】平井 功
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-520902(JP,A)
【文献】特開2014-157429(JP,A)
【文献】米国特許第9063548(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
G08G 1/00-99/00
B62D 6/00- 6/10
B60T 7/12- 8/1769
B60T 8/32- 8/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータにより実施される車両制御方法であって、
当該車両制御方法は、
車両の外部環境情報を獲得することと、
以前の運転可能な境界を示す第1の運転可能な境界を前記外部環境情報に基づいて決定することと、
現在の物理的に通行可能な境界を示す第2の運転可能な境界を前記外部環境情報に基づいて決定することと、
運転可能な境界の差分値を獲得するために、前記第1の運転可能な境界と前記第2の運転可能な境界とを比較することと、
前記車両の運行設計領域(ODD)を前記運転可能な境界の差分値に基づいて決定することと、
を含
み、
前記車両の運行設計領域(ODD)を前記運転可能な境界の差分値に基づいて決定することは、
所定の時間内の前記運転可能な境界の差分値の変化量を決定することと、
前記変化量が第1の閾値より小さい場合には、前記車両の元の運行設計領域を維持し、そうでない場合には、前記車両の前記運行設計領域を調節することと、
を含み、
当該車両制御方法は、
前記運転可能な境界の差分値の前記変化量に基づいて、前記第1の閾値を第2の閾値に調節することを更に含む、
ことを特徴とする車両制御方法。
【請求項2】
前記車両の前記外部環境情報を獲得することは、
前記車両の前記外部環境情報を獲得するために、レーダセンサ、カメラ、地図、車両-インフラストラクチャ間交換及び車両間情報交換のうちの1つ又は複数を使用することを含む、請求項1に記載の車両制御方法。
【請求項3】
前記第1の運転可能な境界を前記外部環境情報に基づいて決定することは、
第1の路肩モデルを前記外部環境情報に基づいて決定することと、
地図、車両-インフラストラクチャ間交換及び車両間情報交換のうちの1つ又は複数に基づいて決定される前記第1の運転可能な境界を前記第1の路肩モデルに基づいて決定することと、
を含む、請求項1又は2に記載の車両制御方法。
【請求項4】
前記第2の運転可能な境界を前記外部環境情報に基づいて決定することは、
前記第1の路肩モデルと異なる第2の路肩モデルを前記外部環境情報に基づいて決定することと、
車載センサに基づいてリアルタイムで決定される前記第2の運転可能な境界を前記第2の路肩モデルに基づいて決定することと、
を含む、請求項3に記載の車両制御方法。
【請求項5】
前記第1の運転可能な境界は、第1の運転可能な左境界及び第1の運転可能な右境界を含み、前記第2の運転可能な境界は、第2の運転可能な左境界及び第2の運転可能な右境界を含み、
前記第1の運転可能な境界と前記第2の運転可能な境界とを比較することは、
運転可能な左境界の差分値を獲得するために、前記第1の運転可能な左境界と前記第2の運転可能な左境界とを比較することと、
運転可能な右境界の差分値を獲得するために、前記第1の運転可能な右境界と前記第2の運転可能な右境界とを比較することと、
を含む、請求項1に記載の車両制御方法。
【請求項6】
前記車両の運行設計領域(ODD)を前記運転可能な境界の差分値に基づいて決定することは、
所定の時間内の前記運転可能な左境界の差分値及び前記運転可能な右境界の差分値の変化量が、どちらも第1の閾値より小さい場合には、前記車両の元の運行設計領域を維持し、そうでない場合には、前記車両の前記運行設計領域を調節することを含む、請求項5に記載の車両制御方法。
【請求項7】
車両制御デバイスであって、
当該車両制御デバイスは、
車両の外部環境情報を獲得するように構成された獲得手段と、
以前の運転可能な境界を示す第1の運転可能な境界を前記外部環境情報に基づいて決定するように構成された第1の決定手段と、
現在の物理的に通行可能な境界を示す第2の運転可能な境界を前記外部環境情報に基づいて決定するように構成された第2の決定手段と、
運転可能な境界の差分値を獲得するために、前記第1の運転可能な境界と前記第2の運転可能な境界とを比較するように構成された比較手段と、
前記車両の運行設計領域(ODD)を前記運転可能な境界の差分値に基づいて決定するように構成された第3の決定手段と、
を備え
、
前記第3の決定手段は、所定の時間内の前記運転可能な境界の差分値の変化量を決定し、前記変化量が第1の閾値より小さい場合には、前記車両の元の運行設計領域を維持し、そうでない場合には、前記車両の前記運行設計領域を調節するように構成され、
当該車両制御デバイスは、
前記運転可能な境界の差分値の前記変化量に基づいて、前記第1の閾値を第2の閾値に調節するように構成された調節手段を更に含む、
ことを特徴とする車両制御デバイス。
【請求項8】
前記獲得手段は、前記車両の前記外部環境情報を獲得するために、レーダセンサ、カメラ、地図、車両-インフラストラクチャ間交換及び車両間情報交換のうちの1つ又は複数を使用するように構成される、請求項
7に記載の車両制御デバイス。
【請求項9】
前記第1の決定手段は、
第1の路肩モデルを前記外部環境情報に基づいて決定し、
地図、車両-インフラストラクチャ間交換及び車両間情報交換のうちの1つ又は複数に基づいて決定される前記第1の運転可能な境界を前記第1の路肩モデルに基づいて決定する
ように構成される、請求項
7又は
8に記載の車両制御デバイス。
【請求項10】
前記第2の決定手段は、
前記第1の路肩モデルと異なる第2の路肩モデルを前記外部環境情報に基づいて決定し、
車載センサに基づいてリアルタイムで決定される前記第2の運転可能な境界を前記第2の路肩モデルに基づいて決定する
ように構成される、請求項
9に記載の車両制御デバイス。
【請求項11】
前記第1の運転可能な境界は、第1の運転可能な左境界及び第1の運転可能な右境界を含み、前記第2の運転可能な境界は、第2の運転可能な左境界及び第2の運転可能な右境界を含み、
前記比較手段は、運転可能な左境界の差分値を獲得するために、前記第1の運転可能な左境界と前記第2の運転可能な左境界とを比較するように構成され、
前記比較手段は、運転可能な右境界の差分値を獲得するために、前記第1の運転可能な右境界と前記第2の運転可能な右境界とを比較するように更に構成される、請求項
7に記載の車両制御デバイス。
【請求項12】
前記第3の決定手段は、所定の時間内の前記運転可能な左境界の差分値及び前記運転可能な右境界の差分値の変化量が、どちらも第1の閾値より小さい場合には、前記車両の元の運行設計領域を維持し、そうでない場合には、前記車両の前記運行設計領域を調節するように構成される、請求項
11に記載の車両制御デバイス。
【請求項13】
実行されたときに、請求項1乃至
6のいずれか一項に記載の前記車両制御方法を実施するための命令を備えることを特徴とするコンピュータ記憶媒体。
【請求項14】
請求項
7乃至
12のいずれか一項に記載の前記車両制御デバイスを備えることを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両制御の技術分野に関し、詳細には、車両制御方法並びにデバイス、コンピュータ記憶媒体及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
自動運転技術の進歩に伴い、予測できない変化が起きた時に、車両が外部環境を速やかに感知するように、現在では、さらに厳格な要件が、車両に対して設定されている。工事現場の検出に関する技術も、益々注目を集めている。
【0003】
運転者支援システム(DAS)又は高度自動運転システム(HAD)において、V2I又はADASIS地図データ資源に基づいた検出の機能が、現在も依然として非常に弱いのは、これらのデータ資源のリフレッシュレート(例えば、画像獲得期間)及び精度が、人間のオペレータからの入力なしに、車両が自動的にその環境を同定して航法を行う要件を満たすことが依然としてできないからである。例えば、ハイウェイのシナリオにおいては、他の車両が衝突したために、又は、道路工事が進行しているために、車両通行が影響を受けている時に、高精度の地図又は車両-インフラストラクチャ間データ資源しか頼れない場合、現時点においては、車両は、通行の制限を速やかに検出して、車両の制御を適応して変更することができないことがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様によれば、車両制御方法が提供され、当該方法は、車両の外部環境情報を獲得することと、以前の運転可能な境界を示す第1の運転可能な境界を外部環境情報に基づいて決定することと、現在の物理的に通行可能な境界を示す第2の運転可能な境界を外部環境情報に基づいて決定することと、運転可能な境界の差分値を獲得するために、第1の運転可能な境界と第2の運転可能な境界とを比較することと、車両の運行設計領域(ODD)を運転可能な境界の差分値に基づいて決定することと、を含む。
【0005】
上記解決策への追加策又は代替策として、上記車両制御方法において、車両の外部環境情報を獲得することは、車両の外部環境情報を獲得するために、レーダセンサ、カメラ、地図、車両-インフラストラクチャ間交換及び車両間情報交換のうちの1つ又は複数を使用することを含む。
【0006】
上記解決策への追加策又は代替策として、上記車両制御方法において、第1の運転可能な境界を外部環境情報に基づいて決定することは、第1の路肩モデルを外部環境情報に基づいて決定することと、地図、車両-インフラストラクチャ間交換及び車両間情報交換のうちの1つ又は複数に基づいて決定される第1の運転可能な境界を第1の路肩モデルに基づいて決定することと、を含む。
【0007】
上記解決策への追加策又は代替策として、上記車両制御方法において、第2の運転可能な境界を外部環境情報に基づいて決定することは、第1の路肩モデルと異なる第2の路肩モデルを外部環境情報に基づいて決定することと、車載センサに基づいてリアルタイムで決定される第2の運転可能な境界を第2の路肩モデルに基づいて決定することと、を含む。
【0008】
上記解決策への追加策又は代替策として、上記車両制御方法において、第1の運転可能な境界は、第1の運転可能な左境界及び第1の運転可能な右境界を含み、第2の運転可能な境界は、第2の運転可能な左境界及び第2の運転可能な右境界を含み、第1の運転可能な境界と第2の運転可能な境界とを比較することは、運転可能な左境界の差分値を獲得するために、第1の運転可能な左境界と第2の運転可能な左境界とを比較することと、運転可能な右境界の差分値を獲得するために、第1の運転可能な右境界と第2の運転可能な右境界とを比較することと、を含む。
【0009】
上記解決策への追加策又は代替策として、上記車両制御方法において、車両の運行設計領域(ODD)を運転可能な境界の差分値に基づいて決定することは、所定の時間内の運転可能な境界の差分値の変化量を決定することと、変化量が第1の閾値より小さい場合には、車両の元の運行設計領域を維持し、そうでない場合には、車両の運行設計領域を調節することと、を含む。
【0010】
上記解決策への追加策又は代替策として、上記車両制御方法において、車両の運行設計領域(ODD)を運転可能な境界の差分値に基づいて決定することは、所定の時間内の運転可能な左境界の差分値及び運転可能な右境界の差分値の変化量が、どちらも第1の閾値より小さい場合には、車両の元の運行設計領域を維持し、そうでない場合には、車両の運行設計領域を調節することを含む。
【0011】
上記解決策への追加策又は代替策として、上記車両制御方法は、運転可能な境界の差分値の変化量に基づいて、第1の閾値を第2の閾値に調節することを更に含む。
【0012】
本発明の他の態様によれば、車両制御デバイスが提供され、当該車両制御デバイスは、車両の外部環境情報を獲得するように構成された獲得手段と、以前の運転可能な境界を示す第1の運転可能な境界を外部環境情報に基づいて決定するように構成された第1の決定手段と、現在の物理的に通行可能な境界を示す第2の運転可能な境界を外部環境情報に基づいて決定するように構成された第2の決定手段と、運転可能な境界の差分値を獲得するために、第1の運転可能な境界と第2の運転可能な境界とを比較するように構成された比較手段と、車両の運行設計領域(ODD)を運転可能な境界の差分値に基づいて決定するように構成された第3の決定手段と、を備える。
【0013】
上記解決策への追加策又は代替策として、上記車両制御デバイスにおいて、獲得手段は、車両の外部環境情報を獲得するために、レーダセンサ、カメラ、地図、車両-インフラストラクチャ間交換及び車両間情報交換のうちの1つ又は複数を使用するように構成される。
【0014】
上記解決策への追加策又は代替策として、上記車両制御デバイスにおいて、第1の決定手段は、第1の路肩モデルを外部環境情報に基づいて決定し、地図、車両-インフラストラクチャ間交換及び車両間情報交換のうちの1つ又は複数に基づいて決定される第1の運転可能な境界を第1の路肩モデルに基づいて決定するように構成される。
【0015】
上記解決策への追加策又は代替策として、上記車両制御デバイスにおいて、第2の決定手段は、第1の路肩モデルと異なる第2の路肩モデルを外部環境情報に基づいて決定し、車載センサに基づいてリアルタイムで決定される第2の運転可能な境界を第2の路肩モデルに基づいて決定するように構成される。
【0016】
上記解決策への追加策又は代替策として、上記車両制御デバイスにおいて、第1の運転可能な境界は、第1の運転可能な左境界及び第1の運転可能な右境界を含み、第2の運転可能な境界は、第2の運転可能な左境界及び第2の運転可能な右境界を含み、比較手段は、運転可能な左境界の差分値を獲得するために、第1の運転可能な左境界と第2の運転可能な左境界とを比較するように構成され、比較手段は、運転可能な右境界の差分値を獲得するために、第1の運転可能な右境界と第2の運転可能な右境界とを比較するように更に構成される。
【0017】
上記解決策への追加策又は代替策として、上記車両制御デバイスにおいて、第3の決定手段は、所定の時間内の運転可能な境界の差分値の変化量を決定し、変化量が第1の閾値より小さい場合には、車両の元の運行設計領域を維持し、そうでない場合には、車両の運行設計領域を調節するように構成される。
【0018】
上記解決策への追加策又は代替策として、上記車両制御デバイスにおいて、第3の決定手段は、所定の時間内の運転可能な左境界の差分値及び運転可能な右境界の差分値の変化量が、どちらも第1の閾値より小さい場合には、車両の元の運行設計領域を維持し、そうでない場合には、車両の運行設計領域を調節するように構成される。
【0019】
上記解決策への追加策又は代替策として、上記車両制御デバイスは、運転可能な境界の差分値の変化量に基づいて、第1の閾値を第2の閾値に調節するように構成された調節手段を更に備える。
【0020】
本発明の他の態様によれば、コンピュータ記憶媒体が提供され、当該媒体は、実行されたときに、上記のような車両制御方法を実施するための命令を備える。
【0021】
本発明の他の態様によれば、車両が提供され、車両は、上記のような車両制御デバイスを備える。
【0022】
本発明の1つ又は複数の実施形態においては、運転可能な境界の差分値は、外部環境情報に従って決定された第1の運転可能な境界と第2の運転可能な境界とを比較することによって獲得され、車両の運行設計領域(ODD)は、差分値に基づいて決定される。この方法により、車両は、急速に変化する外部環境により良く適応するために、その制御戦略を速やかに変更することができる。
【0023】
本発明の上記及び他の目的並びに利点は、図面と併せて以下の詳細な説明において、より完全により明確になり、図面においては、同一又は類似の重要な特徴は、同一の符号により示されている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施形態による、車両制御方法の概略図を示す。
【
図2】本発明の実施形態による、車両制御デバイスの概略構造図を示す。
【
図3】本発明の実施形態による、通過が制限されていない時の第1の運転可能な境界及び第2の運転可能な境界の概略図を示す。
【
図4】本発明の他の実施形態による、障害物が車線に存在している時の第1の運転可能な境界及び第2の運転可能な境界の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
目的を明らかにするために、本発明の、具体的には本発明の実施形態の技術的解決策及び利点が、図面と併せて以下に更に詳細に記載される。理解されるように、ここに記載された特定の実施形態は、本発明を説明することを意図するに過ぎず、それを限定するためのものではない。
【0026】
説明を容易にするために、図面は、本発明に関する部分のみを示し、内容の全てを示すものではないことも説明しなければならない。例示的実施形態をより詳細に検討する前に、一部の例示的実施形態は、フローチャートとして描かれた処理又は方法として記載されていることを述べておく。動作(又はステップ)は、フローチャートに連続した処理として記載されているが、そこにある動作の多くは、並行して、一致して又は同時に行うことができる。その上、動作の順番は、再構成することができる。動作が完了すると、処理は終了することができるが、図面に含まれていない追加のステップが存在するものとしてもよい。処理は、方法、機能、規則、サブルーチン、サブプログラム、その他に対応するものとしてもよい。
【0027】
例示的実施形態は、例示的工程を実行するために複数のユニットを使用するように記載されているが、これらの例示的工程は、1つ又は複数のモジュールによって実行されるものとしてもよいことを理解されたい。
【0028】
更に本発明の制御論理は、処理装置、その他によって実行される実行可能なプログラム命令のように、コンピュータ可読媒体内に備えられるものとしてもよい。コンピュータ可読媒体の例は、これらに限定されるものではないが、ROM、RAM、光学ディスク、磁気テープ、フレキシブルディスク、フラッシュドライブ、スマートカード及び光学データ記憶デバイスを含む。コンピュータ可読記録媒体も、コンピュータ可読媒体が記憶されて、例えば、車載遠隔通信サービス又はコントローラエリアネットワーク(CAN)を用いて、分配された手法により実施されるように、ネットワークに接続されたコンピュータシステム内に分配されるものとしてもよい。
【0029】
本発明の例示的実施形態による車両制御解決策は、図面を参照して以下に詳細に記載される。
【0030】
図1は、本発明の実施形態による、車両制御方法1000の概略図を示す。
図1が示すように、方法1000は、以下のステップ、即ち、
ステップS110において、車両の外部環境情報を獲得することと、
ステップS120において、以前の運転可能な境界を示す第1の運転可能な境界を外部環境情報に基づいて決定することと、
ステップS130において、現在の物理的に通行可能な境界を示す第2の運転可能な境界を外部環境情報に基づいて決定することと、
ステップS140において、運転可能な境界の差分値を獲得するために、第1の運転可能な境界と第2の運転可能な境界とを比較することと、
ステップS150において、車両の運行設計領域(ODD)を運転可能な境界の差分値に基づいて決定することと、
を含む。
【0031】
本発明の関連においては、用語「外部環境情報」は、車両の内部環境情報と異なり、車両の運転可能な境界を決定するために使用し得る情報であり、これは、車両の外側の状況を反映する。一実施形態においては、外部環境情報は、ホスト車両の目標位置付け情報及び他の車両の目標位置付け情報と連結して発生することができ、他の車両の目標位置付け情報は、ホスト車両の目標位置付け情報と同じであり、どちらも同じ目標であってもよいが、異なる目標であってもよい。
【0032】
一実施形態においては、ステップS110は、車両の外部環境情報を獲得するために、レーダセンサ、カメラ、地図、車両-インフラストラクチャ間交換及び車両間情報交換などのうちの1つ又は複数のセンサ情報セットを使用することを含む。即ち、この実施形態においては、センサ情報セットは、外部環境から入力データを獲得することにより外部環境を検出する。
【0033】
例えば、カメラセンサは、目標認識機能を有し、現在既に自動車の「目」へと開発されており、自動運転を支援している。しかし、カメラは、依然として視界が制限されており、依然として悪天候条件を完全には克服できない。こうして他の感知技術の補助が、自動車の更なる自動化を達成するために必要である。レーダセンサ技術がこの隙間を補完してきた理由は、霧により視界不良であっても、自動車の先の離隔した目標を検出することができるからである。レーダセンサは、範囲の拡大及び角度分解能の向上、並びに、デバイスの小型化及びコストの低減も達成することができる。レーダセンサは、正確な速度収集にも非常に適する。
【0034】
本発明の関連においては、「第1の運転可能な境界」及び「第2の運転可能な境界」は、異なる概念であり、「道路境界」(路肩)の概念の延長である。具体的には、既存のDAS/HADシステムは、道路境界を、センサセットデータ資源を組み合わせた1つの結果としてみなすに過ぎない。しかし、本発明の1つ又は複数の実施形態においては、道路境界の概念は、「第1の運転可能な境界」及び「第2の運転可能な境界」に更に分割され、第1の運転可能な境界は、「以前」の運転可能な境界を表し、これは、歴史的データ又は経験に従って獲得することができる。対照的に、「第2の運転可能な境界」は、現在通行可能又は運転可能な境界を表し、リアルタイム・データに従って(例えば、カメラ若しくはレーダセンサ、その他から)決定される。即ち、第2の運転可能な境界は、実際の道路条件に従って変更することができる。
【0035】
ODDは、運行設計領域(Operational Design Domain)の略語である。それぞれの自動運転システムは、運行のためのわずかに異なる必須条件及び適用性のわずかに異なる範囲を有することがある。自動運転の正常運行は、全ての条件を満たす場合にのみ確保することができる。逆に、いずれか1つでも必須条件を欠く場合には、システムは障害を起こすことがあり、この場合、緊急停止を行う、又は、運転者が引き継いで手動制御を行うことが必要になる。自動運転技術は、現在まだ開発段階にあるので、いかなる天候条件でもいかなる道路環境でも、自動運転された車両が安全に運転し得ることを保証することはできない。このように可能性のある事故に対して運転環境及び運転方法を制限することによって保護するために、システムの技術性能に従って、予めODDを設定する必要がある。本発明の実施形態においては、運転可能な境界の差分値は、第1の運転可能な境界と第2の運転可能な境界とを比較することによって獲得される。車両の運行設計領域(ODD)は、次いで、運転可能な境界の差分値(例えば、既定のODDを変更する必要があるかどうか)に基づいて決定される。
【0036】
例として、運行設計領域(ODD)に対する条件は、道路条件、地理的条件、環境条件及び他の条件を含むものとしてもよい。道路条件は、ハイウェイ(自動車用の専用道路)又は一般道路、車道又は歩道、並びに、自動運転車両用の専用車線、その他を指すことがあり、これらは全て、運転に対する道路条件である。地理的条件は、都会若しくは山岳領域、又は、仮想フェンスによって閉囲されたジオフェンス、その他を指し得るものであり、非道路条件では、周囲環境を含むことによって設定された条件を考慮することも可能である。いわゆるジオフェンスは、自動運転車両により運転するためにより適し、自動運転車両により運転するための範囲を予め設定することによって構築される、完全なインフラストラクチャを備えた環境である。環境条件は、天候及び日光条件(昼又は夜)、その他を含む。豪雨、降雪又は積雪は、車載センサに悪影響を与えるので、環境条件は、概して予め設定される。他の条件には、これらに限定されるものではないが、速度制限若しくは交通信号などの設備の有無、特定の道路上の運転制限、車両により旅行する特定の運転者、又は、運転時間が含まれる。
【0037】
一実施形態においては、ステップS120は、第1の路肩モデルを外部環境情報に基づいて決定することと、地図、車両-インフラストラクチャ間交換及び車両間情報交換のうちの1つ又は複数に基づいて決定される第1の運転可能な境界を第1の路肩モデルに基づいて決定することと、を含む。当然のことながら、第1の路肩モデル又は第1の運転可能な境界は、他のセンサ情報セットを用いて(例えば、異なるセンサと関連したアルゴリズムの組合せに基づいて)決定することができることが、当業者には理解されよう。更に、第1の路肩モデルを決定した後、第1の運転可能な境界は、深層学習、古典的なアルゴリズム、その他に基づいて決定することができる。
【0038】
一実施形態においては、ステップS130は、第1の路肩モデルと異なる第2の路肩モデルを外部環境情報に基づいて決定することと、車載センサに基づいてリアルタイムで決定される第2の運転可能な境界を第2の路肩モデルに基づいて決定することと、を含む。当然のことながら、第2の路肩モデル又は第2の運転可能な境界は、他のセンサ情報セットを用いて(例えば、異なるセンサと関連したアルゴリズムの組合せに基づいて)決定することができることが、当業者には理解されよう。更に、第2の路肩モデルを決定した後、第2の運転可能な境界は、深層学習、古典的なアルゴリズム、その他に基づいて決定することができる。
【0039】
一実施形態においては、第1の運転可能な境界は、第1の運転可能な左境界及び第1の運転可能な右境界を含み、第2の運転可能な境界は、第2の運転可能な左境界及び第2の運転可能な右境界を含む。この実施形態においては、ステップS140は、運転可能な左境界の差分値を獲得するために、第1の運転可能な左境界と第2の運転可能な左境界とを比較することと、運転可能な右境界の差分値を獲得するために、第1の運転可能な右境界と第2の運転可能な右境界とを比較することと、を含む。
【0040】
一実施形態においては、ステップS150は、所定の時間内の運転可能な境界の差分値の変化量を決定することと、変化量が第1の閾値より小さい場合には、車両の元のODDを維持し、そうでない場合には、車両のODDを調節することと、を含む。一実施形態においては、車両の運行設計領域(ODD)を運転可能な境界の差分値に基づいて決定するステップは、所定の時間内の運転可能な左境界の差分値及び運転可能な右境界の差分値の変化量が、どちらも第1の閾値より小さい場合には、車両の元のODDを維持し、そうでない場合には、車両のODDを調節することを含む。
【0041】
更に第1の閾値の設定は、実際の必要性に従って変更することができる。一実施形態においては、
図1には示されていないが、車両制御方法1000は、運転可能な境界の差分値の変化量に基づいて、第1の閾値を第2の閾値に調節することを更に含むものとしてもよい。例えば、運転可能な境界の差分値の変化量が非常に大きい(例えば、第1の閾値より1桁大きい)場合には、第1の閾値は、第2の閾値に適応して調節することができ、この場合、第2の閾値は、第1の閾値より大きい。他の実施形態においては、第1の閾値は、運転可能な境界の差分値の変化量に基づいて、第2の閾値に調節することができ、この場合、第2の閾値は、第1の閾値より小さい。閾値の設定は、運転可能な境界の差分値の変化量に基づいて、適応して調節することができるので、システムが外部環境(例えば、工事現場)を検出する精度は、更に高めることができる。
【0042】
一実施形態においては、車両のODD環境における変化に関する情報は、(例えば、他の車両の)センサ情報セットに更にフィードバックすることができる。例えば、工事現場又は潜在的工事現場が前方に出現したことを、現在の車両が発見した時に、車両とインフラストラクチャとの相互接続又は車両と車両との相互接続、その他によってこの情報を他の車両に送信して、他の車両が運行設計領域(ODD)を正確に設定し得るようにすることができる。
【0043】
図2は、本発明の実施形態による、車両制御デバイス2000の概略構造図を示す。
図2に示されたように、車両制御デバイス2000は、獲得手段210と、第1の決定手段220と、第2の決定手段230と、比較手段240と、第3の決定手段250と、を備える。獲得手段210は、車両の外部環境情報を獲得するように構成され、第1の決定手段220は、以前の運転可能な境界を示す第1の運転可能な境界を外部環境情報に基づいて決定するように構成され、第2の決定手段230は、現在の物理的に通行可能な境界を示す第2の運転可能な境界を外部環境情報に基づいて決定するように構成され、比較手段240は、運転可能な境界の差分値を獲得するために、第1の運転可能な境界と第2の運転可能な境界とを比較するように構成され、第3の決定手段250は、車両の運行設計領域(ODD)を運転可能な境界の差分値に基づいて決定するように構成される。
【0044】
本発明の関連においては、用語「外部環境情報」は、車両の内部環境情報と異なり、車両の運転可能な境界を決定するために使用できる情報であり、これは、車両の外側の状況を反映する。一実施形態においては、外部環境情報は、ホスト車両の目標位置付け情報及び他の車両の目標位置付け情報に連結して発生することができ、他の車両の目標位置付け情報は、ホスト車両の目標位置付け情報と同じであり、どちらも同じ目標であってもよいが、異なる目標であってもよい。
【0045】
一実施形態においては、獲得手段210は、車両の外部環境情報を獲得するために、レーダセンサ、カメラ、地図、車両-インフラストラクチャ間交換及び車両間情報交換などのセンサ情報セットのうちの1つ又は複数を使用するように構成される。即ち、この実施形態においては、センサ情報セットは、外部環境から入力データを獲得することにより外部環境を検出する。
【0046】
本発明の関連においては、「第1の運転可能な境界」及び「第2の運転可能な境界」は、異なる概念であり、「道路境界」(路肩)の概念の延長である。具体的には既存のDAS/HADシステムは、道路境界を、センサセットデータ資源を組み合わせた1つの結果としてみなすに過ぎない。しかし、本発明の1つ又は複数の実施形態においては、道路境界の概念は、「第1の運転可能な境界」及び「第2の運転可能な境界」に更に分割され、第1の運転可能な境界は、「以前」の運転可能な境界を表し、これは、歴史的データ又は経験に従って獲得することができる。対照的に、「第2の運転可能な境界」は、現在通行可能又は運転可能な境界を表し、リアルタイム・データに従って(例えば、カメラ若しくはレーダセンサ、その他から)決定される。即ち、第2の運転可能な境界は、実際の道路条件に従って変更することができる。
【0047】
ODDは、運行設計領域(Operational Design Domain)の略語である。それぞれの自動運転システムは、運行のためのわずかに異なる必須条件及び適用性のわずかに異なる範囲を有することがある。自動運転の正常運行は、全ての条件を満たす場合にのみ確保することができる。逆に、いずれか1つでも必須条件を欠く場合には、システムは障害を起こすことがあり、この場合、緊急停止を行う、又は、運転者が引き継いで手動制御を行うことが必要になる。自動運転技術は、現在まだ開発段階にあるので、いかなる天候条件でもいかなる道路環境でも、自動運転された車両が安全に運転し得ることを保証することはできない。このように可能性のある事故に対して運転環境及び運転方法を制限することによって保護するために、システムの技術性能に従って、予めODDを設定する必要がある。本発明の実施形態においては、運転可能な境界の差分値は、第1の運転可能な境界と第2の運転可能な境界とを比較することによって獲得される。車両の運行設計領域(ODD)は、次いで、運転可能な境界の差分値(例えば、既定のODDを変更する必要があるかどうか)に基づいて決定される。更に運行設計領域(ODD)が変更される場合には、最新の外部環境モデル情報が、車両制御戦略を変更するために、車両制御装置に更に送信されることが可能である。
【0048】
一実施形態においては、第1の決定手段220は、第1の路肩モデルを外部環境情報に基づいて決定し、地図、車両-インフラストラクチャ間交換及び車両間情報交換のうちの1つ又は複数に基づいて決定される第1の運転可能な境界を第1の路肩モデルに基づいて決定するように構成される。当然のことながら、第1の路肩モデル又は第1の運転可能な境界は、他のセンサ情報セットを用いて(例えば、異なるセンサと関連したアルゴリズムの組合せに基づいて)決定することができることが、当業者には理解されよう。更に、第1の決定手段220は、第1の路肩モデルを決定した後、深層学習、古典的なアルゴリズム、その他に基づいて第1の運転可能な境界を決定するように構成されるものとしてもよい。
【0049】
一実施形態においては、第2の決定手段230は、第1の路肩モデルと異なる第2の路肩モデルを外部環境情報に基づいて決定し、車載センサに基づいてリアルタイムで決定される第2の運転可能な境界を第2の路肩モデルに基づいて決定するように構成されるものとしてもよい。当然のことながら、第2の路肩モデル又は第2の運転可能な境界は、他のセンサ情報セットを用いて(例えば、異なるセンサと関連したアルゴリズムの組合せに基づいて)決定することができることが、当業者には理解されよう。更に、第2の決定手段230は、第2の路肩モデルを決定した後、深層学習、古典的なアルゴリズム、その他に基づいて第2の運転可能な境界を決定するように構成されるものとしてもよい。
【0050】
車両制御デバイス2000の一実施形態においては、第1の運転可能な境界は、第1の運転可能な左境界及び第1の運転可能な右境界を含み、第2の運転可能な境界は、第2の運転可能な左境界及び第2の運転可能な右境界を含む。この実施形態においては、比較手段240は、運転可能な左境界の差分値を獲得するために、第1の運転可能な左境界と第2の運転可能な左境界とを比較し、運転可能な右境界の差分値を獲得するために、第1の運転可能な右境界と第2の運転可能な右境界とを比較するように構成されるものとしてもよい。
【0051】
一実施形態においては、第3の決定手段250は、所定の時間内の運転可能な境界の差分値の変化量を決定し、変化量が第1の閾値より小さい場合には、車両の元のODDを維持し、そうでない場合には、車両のODDを調節するように構成されるものとしてもよい。一実施形態においては、第3の決定手段250は、所定の時間内の運転可能な左境界の差分値及び運転可能な右境界の差分値の変化量が、どちらも第1の閾値より小さい場合には、車両の元のODDを維持し、そうでない場合には、車両のODDを調節するように構成されるものとしてもよい。
【0052】
更に第1の閾値の設定は、実際の必要性に従って変更することができる。一実施形態においては、
図2には示されていないが、車両制御デバイス2000は、運転可能な境界の差分値の変化量に基づいて、第1の閾値を第2の閾値に調節するための調節手段を更に備えるものとしてもよい。例えば、運転可能な境界の差分値の変化量が非常に大きい(例えば、第1の閾値より1桁だけ大きい)場合には、調節手段は、第1の閾値を第2の閾値に適応して調節することができ、この場合、第2の閾値は、第1の閾値より大きい。他の実施形態においては、調節手段は、運転可能な境界の差分値の変化量に基づいて、第1の閾値を第2の閾値に調節することができ、この場合、第2の閾値は、第1の閾値より小さい。閾値の設定は、運転可能な境界の差分値の変化量に基づいて、適応して調節することができるので、システムが外部環境(例えば、工事現場)を検出する精度は、更に高めることができる。
【0053】
一実施形態においては、車両のODD環境における変化に関する情報は、(例えば、他の車両の)センサ情報セットに更にフィードバックすることができる。例えば、工事現場又は潜在的工事現場が前方に出現したことを、現在の車両が発見した時に、この情報を他の車両に車両とインフラストラクチャ又は車両と車両の相互接続、その他によって送って、他の車両が運行設計領域(ODD)を正確に設定することができる。
【0054】
図3及び
図4は、通過が制限されていない時及び障害物が車線に存在している時のそれぞれの、第1の運転可能な境界及び第2の運転可能な境界の概略図を示す。
【0055】
図3に示されたように、現在の車両310は、高速道路又はハイウェイを運転している。車両310は、まず様々なセンサ情報セットを用いて車両の外部環境情報を獲得する。次に獲得した外部環境情報に基づいて、車両310は、第1の運転可能な境界322、323及び第2の運転可能な境界321、324を決定する。322は、第1の運転可能な境界内の左境界を示し、323は、第1の運転可能な境界内の右境界を示す。同様に321は、第2の運転可能な境界内の左境界を示し、324は、第2の運転可能な境界内の右境界を示す。第1の運転可能な左境界と第2の運転可能な左境界との間の差分値は、330によって示され、第1の運転可能な右境界と第2の運転可能な右境界との間の差分値は、340によって示されている。
【0056】
図4を参照すると、現在の車両410は、高速道路又はハイウェイを運転しており、この時点で障害物450は車線に存在している。車両410は、まず様々なセンサ情報セットを用いて車両の外部環境情報を獲得する。次に獲得した外部環境情報に基づいて、車両410は、第1の運転可能な境界422、423及び第2の運転可能な境界421、424を決定する。422は、第1の運転可能な境界内の左境界を示し、423は、第1の運転可能な境界内の右境界を示す。同様に421は、第2の運転可能な境界内の左境界を示し、424は、第2の運転可能な境界内の右境界を示す。第1の運転可能な左境界と第2の運転可能な左境界との間の差分値は、430によって示され、第1の運転可能な右境界と第2の運転可能な右境界との間の差分値は、440によって示される。差分値330及び430は、基本的に同じままだが、
図3の差分値340は、大きく変化して
図4の差分値440になることが、
図3と
図4とを比較することによってわかる。
図4の実施形態においては、
図4の差分値440は、障害物がない時に運転可能な境界の差分値340に対して大きい変化を受けている(即ち、第1の閾値より大きい)ので、障害物又は工事現場は、現在の車両410の前方に存在する、又は、存在する可能性があると決定することができる。この決定に基づいて、車両は、急速に変化する外部環境により良く適応するために、ODD設定又はパラメータを適応して変更することができる。
【0057】
本発明の1つ又は複数の実施形態に提供された車両制御方法は、コンピュータプログラムを用いて実施することができることが当業者には容易に理解されよう。例えば、記憶されたコンピュータプログラムを有するコンピュータ記憶媒体(USBスティックなど)が、コンピュータに接続されたときに、本発明の1つ又は複数の実施形態における車両制御方法は、コンピュータプログラムを実行することによって、実施することができる。
【0058】
要するに、本発明の1つ又は複数の実施形態における車両制御解決策は、外部環境情報に従って決定した第1の運転可能な境界と第2の運転可能な境界とを比較することにより、運転可能な境界の差分値を獲得し、車両の運行設計領域(ODD)を差分値に基づいて決定する。この方法により、車両は、急速に変化する外部環境により良く適応するために、その制御戦略を速やかに変更することができる。
【0059】
本発明の実施形態の一部のみが以上に記載されているが、本発明は、実態及びその範囲から逸脱することなく、多くの他の態様により実施することができることが当業者に理解されるべきである。従って、示された例及び実施形態は、概略及び非限定とみなされ、本発明は、添付の特許請求の範囲に特定されたように、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく様々な修正形態及び代替形態を包含し得る。