(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】透析機械のユーザインタフェースを介した水処理装置の制御
(51)【国際特許分類】
A61M 1/28 20060101AFI20240902BHJP
A61M 1/14 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
A61M1/28 100
A61M1/28 130
A61M1/14 110
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022193339
(22)【出願日】2022-12-02
(62)【分割の表示】P 2021008641の分割
【原出願日】2013-12-12
【審査請求日】2022-12-26
(32)【優先日】2013-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591013229
【氏名又は名称】バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
(73)【特許権者】
【識別番号】524260269
【氏名又は名称】ヴァンティブ ヘルス ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Vantive Health GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン ビー. ロード
【審査官】白土 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-072915(JP,A)
【文献】特開2010-279423(JP,A)
【文献】国際公開第2012/129501(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/14-1/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水処理プロセッサ及び水処理メモリを含む水処理装置と、
腹膜透析(PD)プロセッサ及びPDメモリを備えるPD機械であって、前記水処理装置によって処理された水を少なくとも1つの濃縮物と混合して処置のための腹膜透析液を生成するために位置付け及び配置された少なくとも1つの混合ポンプを含む、該PD機械と、
前記水処理プロセッサと前記PDプロセッサとの間の有線又は無線のデータリンクと、
を備え、
(i)前記PDメモリ及び前記PDプロセッサが協働して、第1被処理水の流量を決定して該第1被処理水の流量を起動コマンドと共に前記データリンクを介して前記水処理プロセッサに送信するか、又は、(ii)前記PDメモリ及び前記PDプロセッサが協働して、透析液の流量
と、
前記水処理装置に存在する水の圧力、温度、又は純度レベル
とのうちの少なくとも1つを含む動作パラメータを、参照テーブルを介して計算または発見し、前記起動コマンドと共に前記データリンクを介して該動作パラメータを前記水処理プロセッサに送信し、前記水処理プロセッサ及び前記水処理メモリが協働して第2被処理水の流量を前記動作パラメータから決定し、
前記水処理プロセッサ及び前記水処理メモリが協働して、前記第1被処理水の流量又は前記第2被処理水の流量と前記起動コマンドとに応じて起動して、前記水処理装置が処理水を前記第1被処理水の流量又は前記第2被処理水の流量で前記PD機械に輸送する、
腹膜透析システム。
【請求項2】
前記PDプロセッサが、前記第1被処理水の流量を前記PD機械の前記PDメモリから取り出す、
請求項1に記載の腹膜透析システム。
【請求項3】
前記PDプロセッサおよび前記PDメモリが協働して、前記第1被処理水の流量を前記透析液の流量の倍数として決定する、
請求項1に記載の腹膜透析システム。
【請求項4】
前記水処理プロセッサ及び前記水処理メモリが協働して、前記第2被処理水の流量を前記動作パラメータの倍数として決定する、
請求項1に記載の腹膜透析システム。
【請求項5】
前記PDプロセッサおよび前記PDメモリが協働して、前記処置において前記第1被処理水の流量及び前記第2被処理水の流量を調節する、
請求項1に記載の腹膜透析システム。
【請求項6】
ユーザインタフェースを更に備え、
前記水処理装置及び前記PD機械の双方が前記ユーザインタフェースを介して操作される、
請求項1に記載の腹膜透析システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先権の主張]
[0001]本願は、本願がそのそれぞれの全ての内容に依拠し、そのそれぞれの内容の全てを参照により本明細書に組み込む、「Dialysis System Including Multi-Heater Power Coordination」と題する2008年2月14日出願の米国特許出願第12/031605号(現米国特許第7892423号)の継続出願である、「Dialysis System Including Multi-Heater Power Coordination」と題する2011年2月18日出願の米国特許出願第13/030909号(現米国特許第8216452号)の継続出願である、「Dialysis System Including Multi-Heater Power Coordination」と題する2012年6月12日出願の米国特許出願第13/494259号の一部継続出願の優先権を主張し、その利益を主張するものである。
【0002】
[0002]本開示は、一般に、腎臓治療システムに関し、より詳細には、専ら透析装置のみを介して水処理装置を制御するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]人の腎臓系は、病気や障害などの原因によって機能しなくなることがある。どのような原因の腎臓障害でも、いくつかの生理学的混乱がある。腎臓障害が起こると、水とミネラルのバランスをとること、及び毎日の代謝負荷を排泄することが不可能になる。腎臓障害時には、窒素代謝の有害な最終生成物(尿、クレアチニン、尿酸など)が、血液及び組織中に蓄積する恐れがある。
【0004】
[0004]腎臓障害及び腎機能低下に対しては、透析による処置が行われている。透析により、健康体であれば通常に機能する腎臓によって除去されるはずの老廃物、毒素及び過剰水を、体から除去する。腎機能の代替としての透析処置は、それによって命が救われるので、多くの人々にとって重要である。腎臓に障害のある人は、少なくとも腎臓の濾過機能の代替機能がなければ、生き続けることができないことにもなりかねない。
【0005】
[0005]血液透析及び腹膜透析は、腎機能喪失の処置に一般的に使用される2種類の透析療法である。血液透析処置では、患者の血液を使用して、老廃物、毒素及び過剰水を患者から除去する。患者は、血液透析機械につながれ、この機械によって患者の血液が吸い上げられる。カテーテル又は針を患者の循環系に挿入して、血流を血液透析機械につなぐ。血液及び透析物は血液透析機械の透析器を通過する。透析器は、血液と透析物を分離する半透過性膜を含むことができる。血液が血液透析機械の透析器を通過するにつれて、透析器は、老廃物、毒素及び過剰水を患者の血液から除去する。特に、毒素を、浸透圧によって膜を通して血液から透析物中に移す。血液透析機械は、この血液を患者に戻す。1回の血液透析処置で血液を透析するために、例えば約120リットルなど、大量の透析物が使用される。次いで、使用済みの透析物は、廃棄される。血液透析処置は、数時間続き、一般に、処置センターで週に3度又は4度ほど行われる。
【0006】
[0006]腹膜透析では、患者の腹腔に埋め込まれたカテーテルを通して腹腔に注入される透析溶液又は「透析物」が使用される。透析物は、腹腔内の患者の腹膜と接触する。老廃物、毒素及び過剰水は、患者の血流から腹膜を通して透析物中に移動する。血流から透析物への老廃物、毒素及び水の移送は、拡散及び浸透によって起こる。すなわち、膜を挟んで浸透勾配が生じる。使用済みの透析物は、患者の腹腔から排出され、患者から老廃物、毒素及び過剰水を除去する。このサイクルが反復される。
【0007】
[0007]腹膜透析療法には、連続携帯式腹膜透析(CAPD)、自動腹膜透析、及び連続流腹膜透析など、様々な種類がある。CAPDは、手動透析処置であり、患者が埋込みカテーテルをドレインにつないで、使用済みの透析液を腹腔から排出できるようにするものである。その後、患者は、カテーテルを新鮮な透析物の袋につなぎ、新鮮な透析物をカテーテルを通して患者の腹腔内に手作業で注入する。患者は、新鮮な透析物の袋からカテーテルを切り離し、透析物が腹腔内に滞留して、老廃物、毒素及び過剰水を患者の血流から透析液に移送できるようにする。滞留期間後、患者は、手作業の透析手順を繰り返す。
【0008】
[0008]CAPDでは、患者は、例えば日に約4回など、排出/充填/滞留サイクルを日中に数サイクル実行する。1回の処置サイクルには、通常、約1時間かかる。患者が行う手作業の腹膜透析では、かなりの時間と労力が必要となる。この不便な手順には、患者の生活の質を改善するために、改善及び治療法の強化の余地がかなりある。
【0009】
[0009]自動腹膜透析(APD)は、透析処置が排出/充填/滞留サイクルを含む点では、CAPDと同様である。しかし、APD装置は、3サイクル又は4サイクルの腹膜透析処置を、通常は患者が眠っている夜間に、自動的に実行する。APD装置は、埋込みカテーテルに流体接続する。APD装置は、新鮮な透析物の供給源又は袋及び流体ドレインにも流体接続する。
【0010】
[0010]APD装置は、新鮮な透析物をカテーテルを通して透析物供給源から患者の腹腔内に送り、老廃物、毒素及び過剰水を患者の血流から透析液に移送できるように透析物が腹腔内に滞留できるようにする。その後、APD装置は、使用済みの透析物をカテーテルを通して腹腔からドレインに送る。APD装置は、通常は、患者が透析機械につながれているとき、例えば患者が眠っているときに、透析処置が自動的に行われるようにコンピュータ制御される。すなわち、APDシステムは、自動的且つ連続的に流体を腹腔内に送り、滞留させ、流体を腹腔から吸い出し、この手順を繰り返す。
【0011】
[0011]手作業プロセスと同様に、APD中には、数サイクルの排出/充填/滞留サイクルが行われる。「最後の充填」は、通常は、APDの終了時に使用され、それにより、患者がその日の透析機械から切り離されたとき、流体は患者の腹腔内に残存したままになる。APDにより、患者は、排出ステップ、滞留ステップ及び充填ステップを手作業で実施しなくてもよくなる。
【0012】
[0012]腎臓病の患者にとって、頻繁な透析は生活の一部である。ほとんどの腹膜透析の患者は、1日に1回透析を行う。血液透析の患者は、1週間に数回の透析を必要とするのが普通である。患者が可能な限り普通の生活を送ることができるようにするために、家庭用の透析法がますます求められている。腹膜透析は、通常は家庭で行われる。血液透析、及び血液濾過などの血液処置療法は、センター及び診療所で行われることが多い。
【0013】
[0013]血液透析であれ、腹膜透析であれ、家庭で透析を行うと、患者にとっての困難及び複雑さが増える。通常は、透析は、透析装置及び流体供給源を用いて行われる。流体供給源は、1つ又は複数の準備した溶液袋に入れて用意してもよいし、或いは水処理装置及び濃縮添加物を介してオンラインで準備してもよい。水処理装置の場合には、治療をうまく実施するために、透析機械及び水処理装置を同時に動作させる。2つの機械又は装置を動作させることは、特に両方の装置の観察及び/又は操作を迅速に行うことが容易ではない可能性もある高齢の患者又は体を動かせない患者にとっては困難である可能性がある。2つの装置で情報を見ること、及び/又は2つの装置に情報を入力することが、面倒である可能性もある。透析機械及び水処理装置は両方とも、分析のために記憶することが望ましい可能性があるデータを生成する。このデータは、正確且つ適時でなければならず、且つ十分な詳細を与えるものでなければならない。
【0014】
[0014]したがって、水処理装置を血液透析機械と一体化して、両方の機械又は装置の制御を集中化し、且つ両方の機械又は装置と容易にデータをやりとりすることができるようにした、家庭用透析システムが必要とされている。
【発明の概要】
【0015】
[0015]本開示のシステム及び方法は、透析機械と水処理装置の動作を一体化して、ユーザが、本質的に透析機械から水処理装置を操作するようにするものである。すなわち、水処理装置とのユーザインタフェースは、透析機械を制御するユーザインタフェースである。水処理装置は、それ自体の小さなユーザインタフェースを有していてもよいが、水処理装置の主要な制御は、透析機械を介して行われる。また、両機械から、治療提供者が保持する中央リポジトリにデータを転送し、透析機械及び水処理装置の両方に関する処置データの報告を臨床医に提供し、支払い及び注文システムと一体化し、消耗品の使用をトラッキングして必要に応じて消耗品を送達し、システムのネットワーク上の機械を点検及び保守することも企図している。この目的のために、一実施形態では、透析機械は、イーサネット(登録商標)又はその他の有線通信を介して、水処理装置とデータ流通信している。透析機械は、システム又はネットワークと通信している。このようにして、水処理装置からのデータを、透析機械を介してネットワーク又はシステムに送信することができる。システム又はネットワークも、同様に、動作命令及びソフトウェアアップグレードを、透析機械を介して水処理装置に送信することができる。
【0016】
[0016]透析機械は、家庭用血液透析(HD)機械、家庭用腹膜透析(PD)機械、家庭用血液濾過(HF)機械、家庭用血液透析濾過(HDF)機械、及び家庭用連続腎代替(CRRT)機械などの(ただしこれらに限定されない)、家庭用治療機械を含む。腎臓療法は、本開示の1つの焦点であるが、本開示は、家庭用薬剤送達療法又は栄養療法など、任意の家庭用流体送達療法の一体化も企図している。様々な実施形態において、家庭治療は、用語として当技術分野で理解されている通りの超純水などの精製水の供給源を起点にオンラインで、又は使用時に生成することができる医療流体を用いた任意のタイプの療法である。例えば、PDは、通常は袋詰めの透析物を用いて行われるが、その代わりに超純水又は滅菌水の供給源を起点とするオンラインのPD溶液を生成して、必要に応じて、デキストロースやグルコースの濃縮物などのPD濃縮物を添加することも企図している。
【0017】
[0017]また、家庭治療が、水処理装置からの精製水を患者に送達する栄養液を準備するベースとして使用する、栄養療法であることも企図している。いずれの状況でも、水処理装置の全ての制御は、一実施形態では血液処理家庭用治療機械、PD家庭用治療機械、又は家庭用栄養治療機械である家庭用治療機械を制御するために使用されているのと同じユーザインタフェースを介して行われる。
【0018】
[0018]家庭用医療装置システムが、処置処方を家庭用治療機械に転送することも企図している。腎臓又はその他の種類の家庭治療のための医師の処方が作成される。臨床医は、医師の処方に基づいて、家庭用治療機械及び水処理装置の両方の補給品を含む、患者の家庭に送るべき補給品を遠隔で選択することができる。また、臨床医は、家庭用治療機械及び水処理装置の両方を動作させるための動作パラメータを遠隔で設定することができる。家庭用治療機械及び水処理装置の両方の動作パラメータは、家庭用治療機械に送信される。家庭用治療機械の動作パラメータは、この治療機械のメモリに記憶される。水処理装置の動作パラメータは、家庭用治療機械によって水処理装置に転送され、水処理装置のメモリに記憶される。
【0019】
[0019]本開示のシステム及び方法では、家庭用治療機械及び水処理装置のファームウェアのアップグレードを、家庭用治療機械を介して行うこともできる。アップグレードされたファームウェアが生成されると、このファームウェアは、家庭用治療機械に送信される。この新しいファームウェアは、家庭用治療機械向けのものである場合には、家庭用治療機械にインストールされる。この新しいファームウェアが、水処理装置向けのものである場合には、家庭用治療機械は、この新しいファームウェアを水処理装置に転送し、この水処理装置でインストールされる。特定の管轄区では、家庭用治療機械向けであれ水処理装置向けであれ、ソフトウェアアップグレードをユーザが受け入れる必要があることがある。いずれの場合も、ユーザは、家庭用治療機械向けであれ水処理装置向けであれ、家庭用治療機械のユーザインタフェースでこの新しいファームウェアを受け入れることができるように企図している。
【0020】
[0020]動作の処方及び新しいファームウェアに、家庭用治療機械及び水処理装置のどちらが動作命令又はファームウェアを受信するのかを指定するタグを設けることも企図している。或いは、命令及びファームウェアは、家庭用治療機械又は水処理装置のいずれかに固有のコンテンツのように本質的に見えるか、或いは家庭用治療機械又は水処理装置のいずれかに固有のコンテンツを有していてもよい。後者の場合には、家庭用治療機械は、検出した固有の特徴に基づいて、家庭用治療機械自体が命令又はファームウェアアップグレードを受け入れるか、或いはこれを水処理装置に転送するかを判定することができる。ここでは、追加のタグは不要である。
【0021】
[0021]以上及び以下の説明に基づいて、本開示の利点は、オンラインでの精製水の生成を用いた改善された家庭治療処置を実現することであることを理解されたい。
【0022】
[0022]本開示の別の利点は、改善された血液透析、血液濾過、血液透析濾過、腹膜透析、薬剤送達及び栄養家庭治療のシステム及び方法を提供することである。
【0023】
[0023]本開示のさらに別の利点は、動作パラメータを家庭用治療システムの複数の機械又は装置に送信する改善されたシステム及び方法を提供することである。
【0024】
[0024]本開示のさらに別の利点は、臨床医、医師及び看護師が、協働して家庭治療を行っている複数の機械又は装置によって生成されるデータを遠隔で点検してモニタリングできるようにすることである。
【0025】
[0025]本開示のさらに別の利点は、協働して家庭治療を行っている複数の機械又は装置にファームウェアアップグレードを送信する改善されたシステム及び方法を提供することである。
【0026】
[0026]本開示のさらに別の利点は、サーバと、協働して家庭治療を行っている複数の機械又は装置との間で、信頼性の高い安全な方法でデータがやりとりされることを保証することである。
【0027】
[0027]本開示のさらに別の利点は、協働して家庭治療を行っている複数の機械又は装置が動作している間に、サーバからこれらの機械又は装置にデータが送達されることを防止することである。
【0028】
[0028]さらに、本開示の利点は、複数の機械又は装置を伴う処置の特徴を、ユーザが1つのユーザインタフェースを用いて制御できるようにすることである。
【0029】
[0029]さらなる特徴及び利点について本明細書に述べるが、それらは、以下の詳細な説明と図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1A】本開示による家庭用医療装置システムの一実施形態を示す概略ブロック図である。
【
図1B】本開示による家庭用医療装置システムで使用される計算装置の一実施形態を示すブロック図である。
【
図2】本開示による家庭用医療装置システムの、水精製ユニットを備える透析機械の一実施形態を示すブロック図である。
【
図3】本開示による家庭用医療装置システムのための家庭用治療機械と通信している水処理装置を含むサブシステムの一実施形態を示す概略図である。
【
図4】本開示による、水処理装置を設置する例示的なプロセスを示す流れ図である。
【
図5】本開示による、水処理装置を用いて水を生成する例示的なプロセスを示す流れ図である。
【
図6】本開示による、家庭用治療機械及び水処理装置を始動させる例示的なプロセスを示す流れ図である。
【
図7】本開示による、水処理装置内の構成要素を更新する例示的なプロセスを示す流れ図である。
【
図8】本開示による、承認された処理処方に基づいて、在庫を輸送し、家庭用治療機械及び/又は水処理装置の治療処方をプログラムする例示的なプロセスを示す流れ図である。
【
図9】本開示による、家庭用治療機械及び/又は水処理装置のファームウェアをアップグレードする例示的なプロセスを示す流れ図である。
【
図10A】本開示による、診療所の例示的なダッシュボード画面を示す画面写真である。
【
図10B】本開示による、ダッシュボード画面の例示的な説明文を示す画面写真である。
【
図11A】本開示による、例示的な処置概要画面を示す画面写真である。
【
図11B】本開示による、例示的な処置概要画面を示す別の画面写真である。
【
図12】本開示による、例示的な患者使用報告を示す画面写真である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
家庭用医療装置システム
[0045]次に、図面、特に
図1Aを参照すると、家庭用医療装置システム110が示してある。システム110は、家庭用血液透析(HD)機械、家庭用血液濾過(HF)機械、家庭用血液透析濾過(HDF)機械、家庭用腹膜透析(PD)機械、家庭用薬剤送達機械、又は家庭用栄養治療機械など、どのようなタイプであってもよい、家庭用治療機械100を示している。家庭用治療機械100が家庭用血液透析機械である場合には、1つの適当な機械が、本願がその内容の全てに依拠し、その内容の全てを参照により本明細書に組み込む、2008年8月27日出願の、「Modular Assebly For A Hemodialysis System」と題する、米国特許出願公開第2009/0101549号に記載されている。
【0032】
[0046]1つの家庭用治療機械100が接続性サーバ118と通信しているものとして示されているが、システム110は、同じタイプ又は異なるタイプの複数の家庭用治療機械100の動作を監督する。例えば、サーバ118に接続されてシステム110とともに動作する、M個の血液透析機械100、N個の血液濾過機械100、O個の血液透析濾過機械100、P個の腹膜透析機械100、Q個の家庭用薬剤送達機械100、及びR個の家庭用栄養治療機械100があってもよい。MからRの数は、同じであっても異なっていてもよく、ゼロでも、1でも、複数であってもよい。
【0033】
[0047]図示の実施形態では、家庭用治療機械100は、その前端部で、水処理装置10から精製水を受ける。1つの適当な水処理装置10が、本願がその内容の全てに依拠し、その内容の全てを参照により本明細書に組み込む、2011年4月25日出願の、「Water Purification System And Method」と題する米国特許出願公開第2011/0197971号に記載されている。一実施形態では、水処理装置10は、用語として当技術分野で理解されている通りの超純水を出力する。超純水は、注射液又は薬剤の品質又はそれに近い品質の水を生成する限外濾過膜又は透析器など、1つ又は複数のフィルタを通過することができる。次いで、この注射可能な品質の水を、1つ又は複数の乾燥状態、液体又はスラリ状の濃縮物と混合して、(i)HF又はHDF用の注射可能な置換溶液、(ii)PD溶液、(iii)注入用の薬剤、又は(iv)注入用の栄養溶液を生成することができる。
【0034】
[0048]システム110では、家庭用治療機械100が、水処理装置10以外にも、血圧モニタ104、例えば無線秤106などの秤、及び無線タブレットユーザインタフェース122など、その他の装置とともに動作するものとして示してある。家庭用治療機械100は、一実施形態では、モデム102を介して無線でサーバ118に接続する。水処理装置10も含めて、これらの各構成要素は、
図1Aに破線で示すように、概して患者の家庭内に位置している。構成要素10、104、106及び122のいずれか1つ、いずれか複数、又は全てが、家庭用治療機械100と有線又は無線で通信することができる。無線通信は、Bluetooth(登録商標)、WiFi(商標)、Zigbee(登録商標)、Z-Wave(登録商標)、無線ユニバーサルシリアルバス(USB)、赤外線、又はその他の適当な無線通信技術を介して行うことができる。或いは、構成要素10、104、106及び122のいずれか1つ、いずれか複数、又は全てが、家庭用治療機械100と有線で通信することができる。
【0035】
[0049]一実施形態では、水処理装置10は、イーサネット(登録商標)ケーブルを介して家庭用治療機械100に接続する。一実施形態では、水処理装置10は、装置自体の電源から給電される。家庭用治療機械100は、必要に応じて水処理装置10に水を要求することができる。水処理装置10は、オンライン式又はバッチ式で機械100が必要とする任意の量の水を供給するようにサイズ設定され、構成されている。
【0036】
[0050]接続性サーバ118は、家庭用医療装置システムハブ120を介して家庭用医療装置システム110の大部分と通信する。システムハブ120によって、システム110上の家庭用治療機械100及び水処理装置10のそれぞれに関するデータ及び情報は、機械100とサーバ118に接続されたその他のクライアントとの間を接続性サーバ118を介して行き来することができる。図示の実施形態では、システムハブ120は、サービスポータル130、企業資源計画システム140、ウェブポータル150、ビジネスインテリジェンスポータル160、HIPAA準拠データベース124、製品開発チーム128及び電子医療記録データベース126a乃至126nに接続される。
【0037】
[0051]電子医療記録(EMR)データベース126a乃至126nは、患者に関する電子情報を格納している。システムハブ120は、以下に詳細に述べる機械100のログファイルから収集したデータを、病院又は診療所のデータベース126a乃至126nに送信して、その患者の医療記録を結合又は補足することができる。データベース126a乃至126nは、患者に特有の処置及び処方データを格納することができるので、これらのデータベースへのアクセスを高度に制限することができる。企業資源計画システム140は、愁訴、支払い情報及びライフサイクルマネジメント情報など、患者及び臨床医のウェブサイトアクセスを介して生成されるデータを取得してコンパイルする。ウェブポータル150は、患者及び患者の処置に当たっている診療所152a乃至152nが、システム110の公に利用可能なウェブサイトにアクセスできるようにする。ビジネスインテリジェンスポータル160は、システムハブ120からデータを収集し、マーケティング162、研究開発164、及び品質/市販後医薬品安全性監視166にデータを供する。
【0038】
システムブロック図
[0052]家庭用医療装置システムの機械、装置又はサブシステムのいずれか1つ、若しくはいずれか複数、又は全て(例えば水処理装置10、機械100、モデム102、血圧モニタ104、秤106、サーバ118、システムハブ120、ユーザインタフェース122、サービスポータル130、企業資源計画システム140、ウェブポータル150、ビジネスインテリジェンスポータル160)の電気システムの一実施形態のブロック図を、
図1Bに示す。装置又はサブシステム10、100、102、104、106、118、120、122、130、140、150及び160のいずれか又は全てを含むシステム110は、一実施形態ではアドレス/データバス178によって1つ又は複数のメモリ装置174に電気的に結合された1つ又は複数のプロセッサ176、その他のコンピュータ回路172、及び1つ又は複数のインタフェース回路180を含むメインユニット170を含む。プロセッサ176は、INTEL PENTIUM(登録商標)シリーズのマイクロプロセッサなど、任意の適当なプロセッサとすることができる。メモリ174は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリを含むことができる。メモリ174は、以下に述べるようにシステム110内のその他の装置と相互作用する1つ又は複数のソフトウェアプログラムを記憶することができる。メモリ174は、別の計算装置から取り出した文書、ファイル、プログラム、ウェブページなどを示すデジタルデータ及び/又は入力装置194を介してロードした文書、ファイル、プログラム、ウェブページなどを示すデジタルデータを記憶することもできる。
【0039】
[0053]インタフェース回路180は、イーサネット(登録商標)インタフェース及び/又はUSBインタフェースなど、任意の適当なインタフェース標準を用いて実装することができる。1つ又は複数の入力装置194をインタフェース回路180に接続して、データ及びコマンドをメインユニット170に入力することができる。例えば、入力装置194は、キーボード、マウス、タッチスクリーン、トラックパッド、トラックボール、イソポイント(isopoint)及び/又は音声認識システムとすることができる。インタフェース回路180は、インターネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、電話回線(POTS)及び/又はその他のネットワークなど、任意のタイプのネットワーク182に接続することができる。
【0040】
[0054]1つ又は複数のディスプレイ、プリンタ、スピーカ及び/又はその他の出力装置192を、インタフェース回路180を介してメインユニット170に接続することもできる。ディスプレイ192は、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)又はその他の任意のタイプのディスプレイとすることができる。ディスプレイ192は、装置若しくはサブシステム10、100、102、104、106、118、120、122、130、140、150及び/又は160の動作中に生成されたデータの視覚表示を生成する。例えば、ディスプレイ192を使用して、システムハブ120から受信した情報を表示することができる。視覚表示は、人力入力、実行時統計、計算値、データなどのプロンプトを含む。
【0041】
[0055]1つ又は複数の記憶装置190を、インタフェース回路180を介してメインユニット170に接続することもできる。例えば、ハードドライブ、CDドライブ、DVDドライブ及び/又はその他の記憶装置を、メインユニット170に接続することができる。
【0042】
[0056]本明細書に記載の開示の方法及び手順は、1つ又は複数のコンピュータプログラム又はコンピュータ構成要素を用いて実施することができることを理解されたい。これらの構成要素は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、磁気若しくは光学ディスク、又はその他の記憶媒体など、任意の従来のコンピュータ可読媒体上の一連のコンピュータ命令として提供することができる。これらの命令は、一連のコンピュータ命令を実行するときに、開示の方法及び手順の全て又は一部を実行するか、或いはその実行を容易にするプロセッサによって実行されるように構成することができる。
【0043】
水処理装置のデータ転送
[0057]一実施形態では、家庭用治療機械100は、患者の家での患者に対する家庭血液透析など、家庭処置を実行し、次いで、その処置の結果を、その患者の健康と福祉の管理担当である臨床医、医師及び看護師に報告する。処置の結果は、水処理装置10から家庭用治療機械100に供給されるデータを含む。水処理装置10のデータとしては、例えば、例えば構成要素交換情報を得るための、送達される水の総体積、送達される水の水質(例えば塩素含有量)、水処理装置10が処置中に治療機械100に水を送達した回数(このデータは装置10がモニタリングしても機械100がモニタリングしてもよい)、送達される水の平均流量、処置中に水処理装置10で発生した警報若しくは警告、及び/又は時間若しくは処置中に実行されたサイクル数、などが挙げられる。
【0044】
[0058]家庭用治療機械100は、例えばLinux(登録商標)オペレーティングシステムなどを用いてログファイルを書き込む。ログファイルは、処置中の関連のある家庭用治療機械100のデータ及び関連のある水処理装置10のデータを再度文書化したものである。ログファイルは、拡張可能なマークアップ言語(XML)、コンマ区切り書式(CSV)又はテキストファイルのうちのいずれか1つ又は複数を含むことができる。ログファイルは、家庭用治療機械100のソフトウェアのファイルサーバボックス内に配置される。機械100に送信されないデータは、水処理装置10で記憶するように企図されている。その他、このようなデータは、水処理装置10へのイーサネット(登録商標)データ接続を介して取得することができるか、又はその他のデータ接続若しくは記憶媒体を介してダウンロードすることができる。例えば、サービスマンは、イーサネット(登録商標)接続を介して水処理装置10に接続されたラップトップを介して、追加データにアクセスすることができる。或いは、本明細書で述べるように家庭用治療機械100が水処理装置10と許可されたシステムクライアントの間のデータ転送接続として機能して、追加データを、水処理装置10から遠隔に取り出すこともできる。
【0045】
[0059]家庭用治療機械100は、例えばインターネットを介して接続性サービスを使用して、水処理装置10のデータなどのデータを、モデム102とシステムハブ120の間で転送する。一実施形態では、各患者の家庭に、家庭用治療機械100をモデム102を介して接続性サーバ118に接続するための専用線を設ける。一実施形態では、家庭用治療機械100は、例えば3G、4G又は5Gの別個のモデム102を用いてインターネットにアクセスする。モデム102は、Vodafone(商標)などのインターネットサービスプロバイダ(ISP)を利用する。1実施態様では、接続性サービスプロバイダ(例えば接続性サーバ118のプロバイダ)によって開発された接続性エージェント114が、家庭用治療機械100にインストールされ、1次制御プロセッサ(ACPU)112上で動作する。1つの適当な接続性サービスは、Axeda(商標)によって提供される。接続性サービスは、医療装置と接続性サーバ118の間で、安全に管理された接続116を実現する。
【0046】
[0060]接続性エージェント114により、家庭用治療機械100は、接続性サーバ118に接続し、水処理装置10のデータなどのデータを接続性サーバ118に、また接続性サーバ118から転送することができる。エージェント114及びサーバ118を介して動作する接続性サービスは、機械100との接続が安全になることを保証し、データが正しく機械100のファイヤウォールを通過することを保証し、データ又はシステムのクラッシュが起きているかどうかを確認し、接続性サーバ118が正しい家庭用治療機械100と通信しているかどうかを確認し、そのことを保証する。
【0047】
[0061]一実施形態では、家庭用治療機械100は、接続性エージェント114がオンになったときにしか、接続性サーバ118に接続することができない。機械100及び水処理装置10が機能している処置及び処置後の殺菌中に、接続性エージェント114をオフにする。これにより、家庭用治療機械100が、処置及び殺菌中、又は機械100が電源投入されている、若しくは動作中であるときに、任意のエンティティと通信してデータを送受信することが防止される。例えば処置及び後殺菌が完了した後など、家庭用治療機械100が遊休状態であるときには、ACPU112は、接続性エージェント114をオンにする。一実施形態では、接続性エージェント114は、処置(前処理を含む)中のみオフとなる。次いで、接続性エージェント114は、家庭用治療機械100からログファイルを取り出し、水処理装置10のデータなどのデータを、接続性サービスを用いて接続性サーバ118に転送する。接続性サービスは、データパケットを適切な宛先に経路指定するが、一実施形態では、そのデータの修正、アクセス又は暗号化を行わない。
【0048】
[0062]
図1Aのシステム110において、接続性サーバ118を介した接続性サービスは、システムハブ120、サービスポータル130及びウェブポータル150を介して様々な場所にデータを通信することができる。接続性サーバ118により、サービス員132a乃至132n及び/又は臨床医は、適当な家庭用治療機械100及び3G、4G又は5Gのモデム102などのネットワーク上の様々な資産、並びに機械又はモデムのシリアル番号などそれら資産に関連する情報をトラッキングして取り出すことができる。接続性サーバ118を使用して、サービス員監督者134によって承認され、サービスポータル130を介して遠隔に取得されたファームウェアのアップグレード版を受け取り、許可された家庭用治療機械100及びそれと関連する水処理装置10に提供することもできる。
【0049】
[0063]一実施形態では、接続性エージェント114a(図示せず)は、家庭用治療機械100にインストールするだけではなく、水処理装置10にインストールすることもできる。家庭用治療機械100がシステムハブ120と通信することができず、システムハブ120が水処理装置10と通信する必要がある場合には、水処理装置10は、接続性エージェント114aを介してシステムハブ120と直接通信することができる。或いは、接続性エージェント114aは、水処理装置10に選択的に接続することができる別個の装置又はユニット(図示せず)にインストールして、例えば家庭用治療機械100がシステムハブ120との通信を喪失した場合に、水処理装置10を再度システムハブ120と直接通信するように転換することができるようにすることもできる。
【0050】
水処理装置の点検
[0064]一実施形態では、家庭用治療機械100は、サービス員が家庭用治療機械100及び水処理装置10の両方に現場及び/又は遠隔位置でアクセスし、両者を診断し、トラブルシューティングする、サービスモードで動作させることができる。例えば、水処理装置10に問題が生じた場合、又はその構成要素、例えば化学パックが使用済みになった場合に、患者は、サービス員又は技術者に電話を掛けることができることがある。次いで、患者及び/又はサービス員は、家庭用治療機械100を介して水処理装置10を、サービス技術者が水処理装置10の様々な構成要素について水処理装置10の設定及び機能を遠隔に検証することができるサービスモードにする。一実施形態では、システム110は、サービス技術者が機械100に係わっている間、安全性を向上させるために処置を中断する。例えば、処置が一時停止している間に、サービス員が機械100を介して装置10にログオンすることができるようにすることもある。或いは、サービス員が機械100及び/又は装置10にアクセスできるようにするために、機械100を遊休状態にするか、又は電源オフにしなければならない。或いは、サービス員が機械100及び/又は装置10にアクセスできるようにするために、機械100を患者から切り離せばよいだけであることもある。
【0051】
[0065]いったんアクセスすると、サービス技術者は、水処理装置10が水処理装置10上で起こっているエラーの原因を判定するために、家庭用治療機械100に記憶されたログファイルを遠隔に調査し、取り出すことができる。また、サービス員は、水処理装置10の例えば圧力センサなどの関係するセンサが適切に動作しているか、及び/又は水処理装置10のバルブ若しくはポンプが適切に動作しているかどうかを調べるために、バルブを切り替え、ポンプを作動させることができることもある。サービス員は、家庭用治療機械100にコマンドを送信することによってこれを行う。家庭用治療機械100は、このコマンドが水処理装置10向けのものであることを認識し、このコマンドを水処理装置10の処理部/メモリに渡し、それにより水処理装置10の適当な動作を生じさせる。水処理装置10は、応答データを家庭用治療機械100に返送し、家庭用治療機械100は、この情報を中継して適当なサービス員に戻す。
【0052】
[0066]サービス員から送信される要求は、その要求が家庭用治療機械100向けであるのか水処理装置10向けであるのかを機械100が本質的に分かるような構造にすることができる。或いは、要求にタグを付けることもできる。例えば、家庭用治療機械100のバルブには、1番から始まる番号を順番に付け、水処理装置10のバルブには、100番から始まる番号を順番に付けてもよい(家庭用治療機械100のバルブが100個未満であると仮定している)。ここで、111番のバルブを切り替える要求を水処理装置10に渡すことは本質的に分かる。或いは、家庭用治療機械100及び水処理装置10の両方のバルブに1番から始まる番号を順番に付けるが、例えば「A」は家庭用治療機械100向け、「B」は水処理装置10向けにするなど、要求をコード化することもできる。ここで、家庭用治療機械100のACPU112は、バルブAV4を切り替える要求を保持し、バルブBV4を切り替える要求を水処理装置10に渡すことを分かっている。
【0053】
1つのユーザインタフェースを介した制御
[0067]一実施形態では、家庭用治療機械100の制御プロセッサ(ACPU112)及びユーザインタフェース122は、患者に処置プロセス全体を行わせ、水処理装置10を操作する命令など、どのようにして処置を開始して実行すべきかについて段階的に命令する。一実施形態では、ユーザインタフェース122は、家庭用治療機械100へのアクセスのみを許可するカスタム化された安全なインタフェースを実施するタブレットである。1実施態様では、タブレット122は、無線で動作する。ここで、タブレット122は、最初に家庭用治療機械100に接続して、タブレット122と家庭用治療機械100を組み合わせ、タブレット122のソフトウェア(例えばファームウェア)アップグレードを実行することができる。また、タブレット122を家庭用治療機械100に接続して、タブレット122に給電又は充電することもできる。タブレット122と家庭用治療機械100の接続性は、シリアルデータ接続を介してもよいし、ユニバーサルシリアルバス(USB)接続を介してもよいし、並列接続を介してもよいし、別の適当なデータ転送インタフェースを介してもよい。タブレット122が家庭用治療機械100と組み合わされると、タブレット122は、(例えばBluetooth(登録商標)又はWiFi(商標)を用いて)家庭用治療機械100と無線通信する。
【0054】
[0068]或いは、ユーザインタフェース122は、例えば本願がその内容の全てに依拠し、その内容の全てを参照により本明細書に組み込む、米国特許出願公開第2009/0114582号に示され説明されているように、機械100に接続又は連結することもできる。以下、
図3に示すように、ユーザインタフェース122の接続又は連結構成について述べる。
【0055】
[0069]一実施形態では、ユーザは、タブレット122を介して機械100にデータを送信し、機械100からデータを受信することができる。ユーザインタフェース122に入力されたデータは、家庭用治療機械100に安全に送信され、ACPU112で処理され、ACPU112は、機械100を制御するか、又は水処理装置10によって処理されるコマンドを転送し、それにより、ひいては、水処理装置10の一部の動作が制御される。一実施形態では、処置データは、タブレット122には記憶されない。タブレット122に処置データを記憶しないことは、タブレット122が切断された場合、又は失われた場合に、機密データ又は重要なデータが失われないので、有利である。
【0056】
[0070]家庭用治療機械100のユーザインタフェース122は、水処理装置10に関するデータを入力して表示するためにも使用されるので、水処理装置10は、膜スイッチ及びオン/オフスイッチなどいくつかの電子機械ボタンを備えることもある簡単なディスプレイ以上のものを必要とせず、一実施形態ではこれを備えていない。この簡単なディスプレイは、1行又は数行のテキストを表示する、小型液晶ディスプレイ(LCD)又は発光ダイオード(LED)ディスプレイであってもよい。電子機械ボタンは、タブレット122が失われた場合、又は家庭用治療機械100と水処理装置10の間の通信が切れた場合に、水処理装置10の緊急制御を可能にするものである。代替として、又はこれに加えて、電子機械ボタンは、家庭用治療機械100がなくても水処理装置10の設置又は点検を行うことができるようにする。また、電子機械ボタンにより、サービス員が、例えば隠れたボタンを一定の秒数だけ長押しすることによって、小型キーパッドから直接サービスモードを入力することができることもある。
【0057】
[0071]一実施形態では、ユーザは、共通のユーザインタフェース122から家庭用治療機械100及び/又は水処理装置10に給電及び電源停止することができる。ユーザは、共通のユーザインタフェース122から、水処理装置10にコマンドを送信することができる。コマンドは、例えば、水処理装置10の消耗品の構成要素の交換が必要になるまでの時間の推定値を水処理装置10が出すことを要求するものであることもある。例えば、水処理装置10は、それぞれ一定時間の使用後に交換を必要とする、炭素フィルタ、堆積物除去カートリッジ、緩和フィルタ、逆浸透(RO)膜又は金属触媒フィルタを含むことができる。従来と同様に、タブレット122からのコマンドを水処理装置10に固有のものとして、ACPU112がそのコマンドを水処理装置10に転送する以外の選択肢がないようにすることもできる。或いは、コマンドに、ACPU112が認識するコードを設けることもでき、これに基づいて、ACPU112がこのコマンドを応答性よく水処理装置10に転送することもできる。
【0058】
[0072]本開示の1つの目的は、ユーザがシステム110で家庭治療処置を行うときに、2つの異なるユーザインタフェースを見なくても済むようにすることである。ユーザインタフェース122を1つの共通のユーザインタフェースにすることに加えて、水処理装置10が必要とするユーザ対話を可能な限り少なくすることも企図している。例えば、水処理装置10は、水処理装置10に悪影響がなければ無期限に給電状態のままでいるように構成することができる。或いは、家庭用治療機械100及び水処理装置10は、家庭用治療機械100が給電されると必ず水処理装置10が電力を受けるように構成することもできる。同様に、家庭用治療機械100に対する多くのコマンドは、水処理装置10に持ち越すか、又は水処理装置10に対して自動的に2次的な影響を及ぼすことができる。例えば、ユーザインタフェース122から家庭用治療機械100への一時停止又は停止の入力は、同様に、家庭用治療機械100に、水処理装置10への一時停止コマンド又は停止コマンドを自動的に発行させることができる。別の例では、家庭用治療機械100が水処理装置10から精製水を受けている間に警報状態になった場合には、家庭用治療機械100は、水処理装置10からの水の吸い上げを止めることができる。
【0059】
[0073]家庭用治療機械100の動作パラメータは、水処理装置10の動作パラメータを規定することもできる。例えば、血液透析の領域では、動作パラメータとして家庭用治療機械100に入力された透析液又は透析物の流量が、水処理装置10が透析液又は透析物を生成するために使用される精製水を生成するように命令される流量を規定することができる。この先行/追従動作パラメータの構成は、複数の異なる方法で実施することができる。1つの方法では、家庭用治療機械100のACPU112は、家庭用治療機械100の対応する動作パラメータに基づいて、参照テーブルを介して水処理装置10の動作パラメータを計算又は発見する。例えば、ACPU112は、精製水の流量を透析物の流量の1.2倍に設定することを記憶することができる。ACPU112は、実行中に、家庭用治療機械100の透析物の現在の実際の流量又は現在命令されている流量が分かっている状態で、精製水の流量を計算し、調節する。一実施形態では、ACPU112は、患者が新鮮な溶液のボーラスを必要としていると判断した場合に、精製水の流量を調節することができる。患者に新鮮な溶液のボーラスを与えるための1つの適当な方法は、本願がその内容の全てに依拠し、その内容の全てを参照により本明細書に組み込む、2007年11月9日出願の「Balanced Flow Dialysis Machine」と題する米国特許出願公開第2009/0124963号に記載されている。
【0060】
[0074]第2の方法では、水処理装置10の制御プロセッサは、家庭用治療機械100から水処理装置10に送信された家庭用治療機械100の対応する動作パラメータに基づいて、参照テーブルを介して水処理装置10の動作パラメータを計算又は発見する。例えば、水処理装置10の制御プロセッサは、精製水の流量を透析物の流量の1.2倍に設定することを記憶することができる。ACPU112は、現在の透析物の流量を定期的に水処理装置10に送信し、水処理装置10は、家庭用治療機械100の透析物の現在の実際の流量又は現在命令されている流量が分かっている状態で、実行中に精製水の流量を計算し、調節する。
【0061】
[0075]第3の方法では、水処理装置10の制御プロセッサは、家庭用治療機械100と同様に処方から外れる。以下、家庭用治療機械100が、上述のサーバ118及びシステムハブ120を介して遠隔に医師又は臨床医から1つ又は複数の機械動作処方を受信するプロセスについて述べる。機械動作処方が家庭用治療機械100のACPU112にインストールされるとき、その処方には、ACPU112から水処理装置10の制御プロセッサに転送される1組の命令又は2次処方のセットが伴う。その後、家庭用治療機械100の処方が家庭用治療機械100による処置のためにユーザによって呼び出されると、対応する命令又は2次処方のセットが、水処理装置10とともに使用されるために呼び出される。この第3の方法では、処置中の家庭用治療機械100と水処理装置10の間データの更新を減少又は解消することができる。
【0062】
[0076]第4の方法は、バッチ又は容量ベースで動作する。家庭用治療機械100は、透析物保持タンクを含むことができる。ACPU112は、タンクの容量があるレベルまで低下すると透析物を生成し、タンク内の透析物の容量があるレベルまで上昇すると透析物の生成を停止するように構成することができる。ここで、水処理装置10は、透析器への透析物流量に関する懸念に対して、タンク内の低い透析物容量をタンク内の高い透析物容量に上昇させるのに十分な水を供給する作業を担う。タンク容量が低レベルになると、ACPU112が、水処理装置10及び家庭用治療機械100の透析物混合ポンプを作動して、透析物を生成し、透析物保持タンクを充填しようとする。水処理装置10及び透析物混合ポンプは、指定された高タンク容量に達するまで、作動状態のままとなる。水処理装置10及び透析物混合ポンプの様々な透析物生成速度を保持し、水処理装置10及び透析物混合ポンプが生成速度が低くて需要を満たすことができない場合に、それらの透析物生成速度を高めることができるように企図されている。ACPU112が透析物生成速度を上昇又は下降させるとき、水処理装置10及び透析物混合ポンプの両方をそれに応じて調節する。
【0063】
[0077]透析物の流量/精製水の流量及び/又は容量制御を用いて、先行/追従動作パラメータ構成を説明したが、この構成を、水処理装置10に存在する水の圧力、温度及び/又は純度レベルに関するパラメータなど、その他のパラメータとともに使用する構成も明示的に企図されている。
【0064】
[0078]次に
図2を参照すると、例示的な透析機械100aは、水精製ユニット10a、透析物準備ユニット224、透析物送達ユニット230及び殺菌ユニット226を含む。一実施形態では、制御装置232は、それぞれが処理部/メモリを含む、複数の制御装置を含む。制御装置232は、例えば、それぞれが透析機械100aに関する様々な機能の専用である、複数のデレゲートプロセッサを制御するマスタ又はスーパバイザプロセッサを含む。また、制御装置232は、その他の各プロセッサがそれぞれの機能を正しく実行することを保証する安全プロセッサなど、冗長処理部も含むことができる。
【0065】
[0079]制御装置232は、ヒータ234、ポンプ236、バルブ238及びセンサ240を制御するだけでなく、水精製ユニット10a、透析物準備ユニット224及び殺菌ユニット226のうちのいずれか1つ又は複数を制御することができる。家庭用治療機械及び水処理装置は、
図1Aでは別個に示してあるが、
図2に示すように同一の筐体内に配置することもできる。一実施形態では、同じユーザインタフェース122を使用して、例えば家庭用治療機械及び水処理装置など、様々なユニットのうちのいずれか1つ又は複数を制御することができる制御装置232を制御することができる。透析機械100aは、分岐電源212及び/又は補助電源214によって給電することができる。
【0066】
データ接続
[0080]次に、
図3を参照すると、
図3は、水処理装置10と家庭用治療機械100の間のシステム110のサブシステム50を示す図である。参照のために、水処理装置10の上述の簡単なディスプレイ及び電子機械ボタンを、ディスプレイ20及び電子機械ボタン22として示す。或いは、水処理装置10は、ディスプレイ20のみを含み、初歩的な入力装置のみを備える。水処理装置10のディスプレイは、ユーザインタフェース122を強化することができる。水処理装置10の制御処理部/メモリは、処理部/メモリ24として示してある。また、上述のように、家庭用治療機械100のユーザインタフェース122は、家庭用治療機械100に連結又は接続されるものとして示してある。或いは、ユーザインタフェース122は、本明細書で上述したように、未連結のタブレットである。
【0067】
[0081]
図3に示すように、例えばイーサネット(登録商標)又は有線通信などのデータ通信リンク32が設けられ、水処理装置10の処理部/メモリ24と家庭用治療機械100のACPU112との間でデータを伝送する。1つの例では、水処理装置10は、リンク32を使用して、家庭用治療機械100の状態又は状況情報、構成要素寿命情報、センサのレベル又は読み、自己検査結果、警告及び警報情報、並びにハードウェア及び/又はソフトウェアバージョン情報を送信する。水処理装置10は、流量情報、水温情報及び管路接続消毒情報など、水処理装置10と家庭用治療機械100の間の水流に関する情報を示すこともできる。
【0068】
[0082]
図3にさらに示すように、データ通信リンク32を使用して、家庭用治療機械100のACPU112と水処理装置10の処理部/メモリ24の間でデータを伝送することもできる。上述のように、又は上記に加えて、家庭用治療機械100は、状態変更要求、コマンド(例えば実行、一時停止、又は停止)、状況問合せ、流量変更要求、ソフトウェアアップグレード若しくはダウングレード、及び/又は例えば装置処方など、ファイル転送に関するデータを、水処理装置10に送信することができる。
【0069】
[0083]本明細書で述べるように、ユーザインタフェース122は、水処理装置10に関する情報をユーザ12に対して示す。例えば、ユーザインタフェース122は、ユーザ12に対して、警報若しくは警告通知、水処理装置性能情報、トラブルシューティングヘルプ、タスクガイダンス及び/又は動作要求などの情報を表示することができる。例えば、ユーザ12は、ユーザインタフェース122を介して、水処理装置10に対して、その装置自体の識別を明らかにして、機械100と装置10の間のデータ接続手段32が適切に機能していることを保証し、装置10と機械100の間のハードウェアバージョンやソフトウェアバージョンの互換性など、互換性を検証することを要求することができる。その場合には、装置10自体が、可聴ビープ若しくは応答の発生、及び/又は例えば「ここにいます」など、ユーザインタフェース122に対する確認メッセージの返送を行うことができる。その後、ユーザ12は、ユーザインタフェース122を介して、又はユーザインタフェース122が示す何らかのタスクを実行することによって、適当な動作を行うことができる。これを行うのに、ユーザ12は、共通のユーザインタフェース122と対話するだけでよい。このようにして、ユーザ12は、水処理装置10が適切に機能しており、且つ機械100と通信した状態であることを保証しながら、ハードの電源オン及び電源オフを行う、物理的なデータ接続及び電力接続を行う、フィルタの変更及び/又は手作業の測定を行うなど、水処理装置10と最小限の対話を行うだけで済む。
【0070】
[0084]家庭用治療機械100と水処理装置10の間のデータ接続手段32に加えて、水処理装置10から家庭用治療機械100まで走る水供給管路34がある。水供給管路34は、指定のレベルの無菌度、流量、圧力及び/又は温度の水を家庭用治療機械100に送る。水処理装置10から家庭用治療機械100に送られる水は、通常は、約5℃~35℃の間に維持される。一実施形態では、管路34を使用して、未使用の水生成物を家庭用治療機械100から水処理装置10に戻すこともできる。
【0071】
[0085]一実施形態では、水処理装置10の処理部/メモリ24は、家庭用治療機械100のプログラムされたACPU112に対するスレーブ又はデレゲートプロセッサとして動作する。水処理装置10は、家庭用治療機械100に、警報状況などの装置の状況を通知し、その他の任意の関連データをACPU112に送信することができる。家庭用治療機械100は、データを記憶し、データに作用し、例えば警報を発するかどうかを判定する。したがって、家庭用治療機械100は、水処理装置10の挙動を制御する。
【0072】
[0086]水処理装置10は、「設置」、「システム洗浄」、「休眠」又は「治療」など、いくつかの異なる状態のうちのいずれか1つを取り得る。家庭用治療機械100は、一実施形態では、例えば「休眠」から「治療」へなど、水処理装置10が状態を変化させることを要求する役割を担う。「休眠」状態では、水処理装置10は、最小電力使用状態に維持される。「治療」状態では、水処理装置10は、完全機能電力レベルになる。上述のように、本発明のシステム及び方法は、家庭用治療機械100から水を求める要求があったときに水処理装置10を家庭用治療機械100に結合する多くの方法を企図している。それぞれの代替形態において、水処理装置10は、処置に適した水を、適当な量又は流量で、家庭用治療機械100に供給する。
【0073】
[0087]水処理装置10は、必要なユーザ動作を促すためにユーザインタフェース122上に表示すべき情報を送信することができる。水処理装置10は、非同期で、又は状況問合せに応答して、状況情報を家庭用治療機械100に送信することができる。水処理装置10は、エラー又は警報があった場合には、エラーパケットを家庭用治療機械100に送信することもできる。家庭用治療機械100は、どの動作を行う必要があるか、またユーザインタフェース122を介してユーザ12に通知すべきかどうかを判定することができる。ユーザ12は、警報をクリアする任意の入力を与える必要がある場合には、ユーザインタフェース122を介してこれを行うことができる。水処理装置10は、家庭用治療機械100に装置の現在の状態について通知する役割を担う。水処理装置10は、家庭用治療機械100に任意の警報又は警告について通知する役割も担う。
【0074】
[0088]治療に水が必要なときには、上述の一実施形態の家庭用治療機械100は、水処理装置10に対して、所望の水の流量を指定する。次いで、水処理装置10は、その所望の流量で水を供給する。或いは、上述のように、水処理装置10は、家庭用治療機械100から送信された治療液体流量に基づいてその流量を計算又は検索する。或いは、上述のように、水処理装置10は、それ自体の装置処方から、その流量を決定する。さらに、上述のように、水処理装置10及び家庭用治療機械100は、容量測定ベースで協働することもできる。
【0075】
[0089]水処理装置10及び家庭用治療機械100の両方をユーザインタフェース122から使用して制御することにより、安全性が高まり、複数の装置を操作する複雑さが最小限に抑えられ、家庭での患者の治療の負担が軽減されることを理解されたい。また、水処理装置10及び家庭用治療機械100の機能は、マスタ/デレゲートプロセッサ構成によって合理化される。
【0076】
水処理装置の設置
[0090]システム110では、多くの場合に、共通のユーザインタフェース122によって水処理装置10及び家庭用治療機械100が多くの異なる方法で一緒に働くように企図されている。次に
図4を参照すると、例えば、プロセス400は、家庭用治療機械100のユーザインタフェース122を用いて水処理装置10を設置又は初期設定する例示的なプロセスである。開始ブロックでプロセス400を開始すると、ユーザ12は、ブロック402に示すように水処理装置10を家庭用治療機械100に接続し、例えば、上述のデータ接続手段32及び水管路接続34を確立する。ユーザインタフェース122は、データ接続を検知すると、ブロック404に示すように、水処理装置10の設置に関するガイドを望むかどうかをユーザ12に確認する。ユーザ12が「いいえ」を選択した場合には、プロセスは、ブロック404の脇にある終了ブロックで終了する。ユーザ12が「はい」を選択した場合には、ユーザインタフェース122は、ブロック406に示すように、ROカートリッジを最初に設置して、ユーザインタフェース122上の「確認」を押すようにユーザ12を促す。
【0077】
[0091]ユーザ12が「確認」を押すと、ブロック408に示すように、家庭用治療機械100は、ROカートリッジが検出され、正しく設置されたかどうかを水処理装置10に問い合わせる。ROカートリッジが検出されない、又は正しく設置されていない場合には、水処理装置10は、ブロック410に示すようにエラー状態を報告し、ブロック411に示すようにユーザインタフェース122上にエラーメッセージを表示する。ROカートリッジが検出され、正しく設置されている場合には、水処理装置10は、ブロック412に示すように、ユーザインタフェース122において、ROカートリッジが存在していると応答し、カートリッジ情報を家庭用治療機械100に送る。
【0078】
[0092]次に、ブロック414に示すように、ユーザインタフェース122は、「前処理カートリッジを設置して、「確認」を押して下さい」と、ユーザ12に対して表示する。ユーザ12がカートリッジを設置して、ユーザインタフェース122で「確認」を押すと、家庭用治療機械100は、ブロック416に示すように、前処理カートリッジが存在するかどうかを水処理装置10に問い合わせる。前処理カートリッジが存在しない、又はエラーがある場合には、水処理装置10は、ブロック418に示すように前処理カートリッジエラーで応答する。この場合には、ブロック420に示すように、ユーザインタフェース122が、前処理カートリッジが適切に設置されていないことを伝えるメッセージをユーザ12に対して表示する。前処理カートリッジが存在する場合には、ブロック422に示すように、水処理装置10は、前処理カートリッジが存在すると応答し、家庭用治療機械100にカートリッジ情報を送る。
【0079】
[0093]次に、ブロック424に示すように、ユーザインタフェース122は、ユーザ12に対して、水を供給する水処理装置10を接続し、給水をオンにし、「確認」を押すことを求めるメッセージを表示する。ユーザ12が「確認」を押すと、ブロック426に示すように、家庭用治療機械100は、給水が接続されているかどうか、及び/又は給水圧が許容可能かどうかを水処理装置10に問い合わせる。
【0080】
[0094]次に、ブロック428に示すように、ユーザインタフェース122は、「排水管路をドレイン内に配置し、空気ギャップが存在することを保証する」ようにユーザ12に促す。ユーザ12がこれらのステップを確認したら、ブロック430に示すように、ユーザインタフェース122は、水処理装置10が洗浄を開始すること、及び洗浄には数時間かかる可能性があることを伝えるメッセージをユーザ12に対して表示する。また、ユーザインタフェース122は、「洗浄」ボタンも表示する。ユーザ12が「洗浄」ボタンを押したら、ブロック432に示すように、水処理装置10は洗浄を開始する。したがって、水処理装置10に別個の「洗浄」ボタンを設ける必要はないが、冗長性のために設けてもよい。いずれの場合も、ブロック434に示すように、水処理装置10は、装置状態を「洗浄」に変更し、この状態変化を家庭用治療機械100に通知する。ユーザインタフェース122は、ブロック436に示すように、「洗浄中。洗浄プロセスを一時停止するには「停止」を押して下さい」と表示し、それに応じて「停止」又は「一時停止」ボタンを表示する。また、ブロック438に示すように、水処理装置10は、装置全体のシステムモードだけでなく、バルブ及びポンプの状態も報告する。洗浄が完了すると、ブロック440に示すように、ユーザインタフェース122は、洗浄が完了した旨を表示する。また、ブロック442に示すように、状態変化も家庭用治療機械100に報告される。その後、プロセス400は、終了ブロックに示すように終了する。
【0081】
[0095]プロセス400の上記のステップは、水処理装置10で実行される個々の機能を含んでいるが、命令及びユーザ入力の表示はユーザインタフェース122上で行われていることを理解されたい。したがって、ユーザ12は、ユーザインタフェース122のみに集中して、水処理装置10を設置し、家庭用治療機械100の処置を実行することができる。
【0082】
水の生成
[0096]
図5は、家庭用治療機械100のユーザインタフェース122を用いて水処理装置10で水を生成する例示的なプロセス500を示す図である。開始ブロックでプロセス500を開始すると、ブロック502に示すように、家庭用治療機械100は、活動状態になって、すなわち「起動」して、指定流量で(又は透析物保持タンク内の透析物が指定容量に達するまで)水を生成するように水処理装置10に命令する。一実施形態では、水処理装置10は、水を生成する前に必要な機能を実行する。活動状態になると、すなわち起動すると、家庭用治療機械100は、自己検査、洗浄及び安全性確認など、始動アクティビティを実行する。ブロック506で、水処理装置10は、所要のアクティビティを完了すると、「起動」し、水を生成する準備が整う。家庭用治療機械100は、ブロック508に示すように、水処理装置10の状況を継続的に問い合わせ、ユーザインタフェース122上にこの状況を表示する。ブロック510に示すように、水処理装置10が起動を完了して、精製水を生成する準備が整ったときに、家庭用治療機械100が使用中である場合には、ブロック512に示すように、水処理装置10は、家庭用治療機械100が水を引くのを待機する。家庭用治療機械100の準備が整ったら、ブロック514に示すように、家庭用治療機械100は、水を引き始める。ブロック516に示すように、ユーザインタフェース122は、ユーザ12に対して、家庭用治療機械100が水処理装置10から水を引いている旨を表示する。
【0083】
[0097]ユーザインタフェース122は、ユーザ12が水処理装置10の水準備流量を変更するか、又は水の生成を一時停止若しくは停止するオプションを設けていることもある。或いは、上述のように、家庭用治療機械100は、ACPU112に記憶された命令に基づいて流量を変更するように水処理装置10に命令することもできる。一実施形態では、水処理装置10は、需要に基づいて回収率を変更するように構成される。水処理装置10のROユニットでは、不良水が生じる。不良水は、回収してROユニットに返送し、実際に拒絶されて排出される水を減少させることができるが、これを行うと、リサイクルした不良水をROユニットに送ることによってファウリングが生じる可能性があるので、ROユニットの耐用寿命が短縮される可能性がある。ただし、家庭用治療機械100が水処理装置10によって生成される精製水の利用可能な流れの全てを使用していない場合には、ROユニットからの不良水の流れを過剰な精製水と混合して、機能的には水道水と等価で、ROユニットの過剰なファウリングを生じない溶液を生成することができる。このようにして、水処理装置10は、ROユニットに再び入る前に不良流と混合することができる未使用の精製水の可用性に基づいて、リサイクルされる不良RO水の量を調節することができる。
【0084】
[0098]家庭用治療機械100が水を引き終わると、ブロック518に示すように、家庭用治療機械100は、休眠するように水処理装置10に命令する。休眠状態でも、水処理装置10は、引き続き家庭用治療機械100と通信し続け、再度起動コマンドが来るまで待機する。また、休眠状態において、水処理装置10は、起動コマンドがなくても、装置の性能を維持するために、設定された停滞期間ごとに定期的に流路を洗浄してもよい。水処理装置10は、ブロック520に示すように、装置状態を休眠状態に変更し、その状態をユーザ12に対して表示するために家庭用治療機械100に送る。その後、プロセス500は、終了ブロックに示すように終了する。
【0085】
家庭用治療機械及び水処理装置の始動
[0099]
図6は、家庭用治療機械100のユーザインタフェース122を用いて家庭用治療機械100及び水処理装置10を始動する例示的なプロセス600を示す図である。開始ブロックでプロセス600を開始すると、ブロック602に示すように、ユーザインタフェース122は、ユーザ12に水処理装置10に関する始動検査を行わせる。例えば、ユーザインタフェース122は、それぞれ水処理装置10と関連する紫外線強度、RO不良率及び総有機炭素(TOC)レベルを確認し、その自己検査を実行するようにユーザ12に要求することができる。水処理装置10に関連するその他の自己検査としては、例えば、残りの前処理カートリッジ寿命が十分かどうか、などが挙げられる。
【0086】
[00100]水処理装置10の自己検査としては、塩素/クロラミン検査が挙げられる。例えば、ACPU112が、塩素/クロラミン検査を実行すべきだと判断することがある。ユーザインタフェース122は、必要に応じてユーザインタフェース122上のボタンを押すことによって、水処理装置10から検査用の水サンプルを収集するようにユーザに促すことができる。ブロック603に示すように、塩素/クロラミン検査が実行され、ユーザインタフェース122は、ブロック606に示すように、塩素/クロラミン検査の結果のオプション(例えば合格又は不合格)をユーザに対して表示し、ユーザに応答を促すことができる。塩素/クロラミン検査の結果に応じて、プロセス600は、装置10に関するその他の自己検査を完了したり、家庭用治療機械100の自己検査に戻ったり、水処理装置10の別のタスクに進んだりすることができる。
【0087】
[00101]したがって、プロセス600は、ステップ602とステップ603の間の両方向の矢印で示すように、ステップ602とステップ603を交互に行うことができる。例えば、水処理装置10が塩素/クロラミン検査に合格しなかった場合には、家庭用治療機械100が、前処理スワップが必要であること、又は障害を確認するためにサンプルを再検査する必要があることを水処理装置10に信号通知することができる。水処理装置10は、そのシステム状態を「カートリッジスワップ」に変更し、この状態変更をACPU112に伝える。ユーザインタフェース122は、ユーザ12に対して、水処理装置10が前処理カートリッジスワップを必要としている旨を表示する。次いで、ユーザインタフェース122は、ユーザ12に、前処理カートリッジをスワップするステップを行わせる。水処理装置10のどのようなエラーも、ユーザインタフェース122を介してユーザ12に対して表示される。又は、ブロック606に示すように、ユーザインタフェース122は、ユーザに応答を促すことができる。前処理カートリッジスワップのステップが完了すると、水処理装置10は、装置状態を変更し、その状態をユーザ12に対して表示するために家庭用治療機械100に送る。
【0088】
[00102]水処理装置10に関連する全ての自己検査でエラーのない肯定結果が得られた場合には、ブロック604に示すように、ユーザインタフェース122は、家庭用治療機械100の自己検査の実行に移行する。或いは、ACPU112は、家庭用治療機械100の自己検査と水処理装置10の自己検査を交互に行うこともできる。換言すれば、上述のように、全ての家庭用治療機械100の自己検査を最初に実行した後で水処理装置10の自己検査を実行すること、又は逆に、全ての水処理装置10の自己検査を最初に実行した後で家庭用治療機械100の自己検査を実行することが望ましくないこともある。自己検査は、交互に実行してもよいし、同時に実行してもよい。したがって、プロセス600は、ステップ602とステップ603の間、ステップ602とステップ604の間の両方向の矢印で示すように、ステップ602、ステップ603及びステップ604を交互に行うことができる。ブロック606に示すように、家庭用治療機械100又は水処理装置10の自己検査は、いつでも、ユーザインタフェース122上で結果をユーザ12に対して表示すること、又はユーザ12に応答を促すことができる。このように検査を交互に行うことにより、ユーザ12が1つのユーザインタフェース122に注目できるようにしながら、効率を向上させ、時間を節約することができる。
【0089】
[00103]プロセス600は、終了ブロックに示すように終了するが、自己検査の結果及び自己検査の交互実施の順序に応じて、ステップ602、603又は604のいずれかから後に終了する可能性がある。
【0090】
前処理カートリッジ/膜スワップの実施
[00104]
図7は、家庭用治療機械100のユーザインタフェース122を用いて水処理装置10の前処理カートリッジスワップを実行する例示的なプロセス700を示す図である。開始ブロックでプロセス700を開始すると、ブロック702に示すように、水処理装置10は、前処理カートリッジが完全に劣化しているかどうかを確認する。前処理カートリッジが完全には劣化していないが、間もなく交換の必要がある場合には、ブロック704に示すように、水処理装置10は、データ接続手段32を介して家庭用治療機械100に警報を伝送する。ユーザインタフェース122は、ブロック706に示すように、前処理カートリッジを間もなく交換しなければならない旨を表示し、一実施形態ではユーザ12が前処理カートリッジを今交換したいか後で交換したいかに関するオプション及び選択ボタンをユーザ12に提示する。ユーザがユーザインタフェース122を介して前処理カートリッジを後で交換することを選択した場合には、プロセス700は、終了ブロックに示すように終了する。ユーザがユーザインタフェース122を介して前処理カートリッジを今交換することを選択した場合には、プロセス700は、以下に述べるステップ712に進む。
【0091】
[00105]前処理カートリッジが完全に劣化しており、直ちに交換しなければ水処理装置10が水を生成することができない場合には、ブロック708に示すように、水処理装置10は、データ接続手段32を介して家庭用治療機械100に警報を伝送して、ブロック710に示すように、ユーザインタフェース122に、前処理カートリッジを直ちに交換しなければならない旨をユーザ12に対して表示させる。
【0092】
[00106]ユーザ12がユーザインタフェース122において前処理カートリッジを今交換することを選択した場合(前処理カートリッジが不要である場合)、又は前処理カートリッジを直ちに交換しなければならない場合には、ユーザインタフェース122は、一実施形態において、ブロック712に示すように、ユーザ12に前処理カートリッジを交換するプロセスを行わせる。ユーザタスクの命令は、ユーザインタフェース122に表示される。前処理カートリッジスワップが完了したら、ブロック714に示すように、水処理装置10は装置状態を変更し、この変更は、ブロック716に示すように、ユーザインタフェース122を介してユーザ12に対して表示される。様々な実施形態で、プロセス700を、別法として、又は付加的に使用して、RO膜スワップを実行することができる。その後、プロセス700は、終了ブロックに示すように終了する。
【0093】
補給品及び治療処方の設定及び利用
[00107]医薬製品及び薬剤は、患者の家庭まで輸送又は配送されて、家庭用治療機械100が処置中に使用する。通常は、医師の処方で許可された治療製品又は薬剤しか、患者の家庭に輸送することができない。米国では、このような処方は、通常は1年間継続し、患者は、彼らの状態を動的に管理するために、任意の所与の時点で複数の処方を利用できることがある。システムハブ120には、患者ごとに1つ又は複数の処方が記憶される。各家庭用治療機械100は、この処方に従って補給品及び設定を使用する。患者の処方に変更があった場合、又は処方が追加された場合には、患者の臨床医は、ウェブポータル150を使用して、家庭用治療機械100の設定を更新して、処方を変更又は追加する。家庭用治療機械100の設定が更新された場合には、システムハブ120は、前述のように接続性サービスを介して更新後の設定を家庭用治療機械100に送信する。例えば一実施形態では、家庭用治療機械100は、接続性エージェント114がオンになったときにのみシステムハブ120と通信する。
【0094】
[00108]次に、
図8を参照すると、プロセス800は、特定の患者に関する医師の処方に基づいて在庫を輸送し、家庭用治療機械100の処方をプログラミングする例示的なプロセスを示している。すなわち、診療所152a乃至152nに関連する医師は、ウェブポータル150を介してシステムハブ120にアクセスして、その患者の治療処方(補給品及び機械操作の両方に使用される)を臨床医に送達することもできる。開始ブロックでプロセス800が開始されると、ブロック802に示すように、臨床医は、ウェブポータル150を用いて医師によって処方された電子処方を取り出す。ウェブポータル150において、臨床医は、透析器、血液回路セット、酸、重炭酸塩、針など、及び場合によっては水処理装置10用の補給品も含む、その処方を満たして家庭用治療機械100で実施するのに必要なその他の任意の補給品を選択する。ブロック804に示すように、選択した透析器及びその他の補給品は、患者の家庭に輸送される。
【0095】
[00109]同時に、又は時を改めて、臨床医は、ブロック806に示すように、ウェブポータル150を介してシステムハブ120に遠隔にアクセスして、家庭用治療機械100の処方をプログラムすることができる。システムハブ120は、一実施形態では、ブロック820乃至824に示すように、家庭用治療機械100の接続性エージェント114がオンになるまで治療処方を保持する。
【0096】
[00110]臨床医は、ブロック808に示すように、血液流量、透析物流量、UF容量及びヘパリン流量フラッシュなど、家庭用治療機械100の処方をプログラムするために使用される様々な処置パラメータを設定する。一実施形態では、臨床医によって指定される設定は、水処理装置10を動作させるための設定を含むか、又は上記で説明したように水処理装置10のパラメータに影響を及ぼす可能性があるので、水処理装置10のパラメータを別個に設定することは不要である。或いは、臨床医は、ブロック810に示すように、水処理装置10の処方をプログラムするために使用される様々な処置パラメータを別個に設定することもできる。
【0097】
[00111]また、臨床医は、ブロック812に示すように、様々な設定の許容範囲も指定する。すなわち、患者は、指定された治療処方の下で、特定のパラメータの値をある値の範囲内で選ぶことが許される。このようにして、患者は、行われる処置に対して一定量の制御を有する。例えば、透析物の温度は、患者の好み及び快適さに基づいて、許容可能値の範囲内で設定することができる。臨床医は、さらに、ブロック814に示すように、患者が設定を全く修正することができるかどうかを指定する。患者がパラメータ設定を修正することを許されている場合には、設定の変動性を許容範囲内にして、ブロック812で臨床医が指定した範囲内の値を患者が選ぶようにする。次いで、臨床医は、ブロック816に示すように、この設定をシステムハブ120に提出する。
【0098】
[00112]次いで、ブロック818に示すように、システムハブ120が、この治療処方を接続性サーバ118に送信する。ブロック820に示すように、家庭用治療機械100にある接続性エージェント114が次にオンになったとき、又は作動可能になったときに、家庭用治療機械100は、ブロック822に示すように、治療処方がないかどうか接続性サーバ118を確認する。家庭用治療機械100の治療処方が接続性サーバ118にある場合には、接続性サーバ118は、ブロック824に示すように、その治療処方を家庭用治療機械100に送信する。機械100は、治療処方を受け入れるように患者を促す。一実施形態では、患者は、ブロック826に示すように、その治療処方を受け入れて、家庭用治療機械100を使用し続けなければならない。
【0099】
[00113]一実施形態では、接続性サーバ118からダウンロードされた治療処方は、既に機械100にある以前の治療処方と置きかえるための新たな処方又は更新された処方であることもある。処置を開始する前、例えば前日の殺菌後に、家庭用治療機械100のACPU112は、エージェント114を介した接続性サービスが、その特定の家庭用治療機械100の更新後の治療処方を公開しているかどうかを確認する。これを行うために、一実施形態では、家庭用治療機械100及びシステムハブ120は、接続性サービスを介して、処方のバージョン番号を比較して、家庭用治療機械100が最後に更新された処方を有しているかどうかを判定する。最後に更新された処方でない場合には、最後のバージョンの処方が治療機械100に送達される。機械100は、新しい治療処方が接続サーバ118からダウンロードされ、機械100に存在している場合には、古い治療処方は実行しない。ただし、ブロック826に示すように患者がその治療処方を受け入れるまでは、新しい治療処方で古い治療処方が上書きされることはない。このようにして、患者は、自分の処置に変更があったことを知っていることを確認する。新しい治療処方を受け入れると、この新しい治療処方が、治療機械100のメモリに書き込まれる。代替実施形態では、機械100は、複数の治療処方をメモリに記憶することができるので、新しい治療処方がダウンロードされたときでも、古い治療処方がメモリ内に保持される。機械100は、様々なタイプ又はカテゴリの治療処方を記憶することができることもある。それぞれの異なるタイプの治療処方は、例えば少量、中程度の量、又は大量の限外濾過物を透析のために除去するなど、異なる処置を与えるものであってもよい。機械100は、各カテゴリごとに1つの治療処方を記憶することができることもある。
【0100】
[00114]ACPU112は、設定を受信し、家庭用治療機械100の設定を水処理装置10の設定から分離し、ブロック827に示すように、水処理装置10の設定をデータ接続手段32を介して水処理装置10に送信する。設定は、家庭用治療機械用の設定又は水処理装置10用の設定であるとしてフラグを立てることができる。或いは、ACPU112は、設定中の特徴を水処理装置10に特有のものであると認識して、それらの設定を水処理装置10に渡すこともできる。患者が次に処置を実行しようとしたときに、ブロック828に示すように、接続性エージェント114がオフにされる。ブロック830に示すように、家庭用治療機械100は、ブロック808及び/又は810で指定された治療処方を用いて処置を実行する。家庭用治療機械100は、ブロック832に示すように、処置によって生じた処置データをログファイルに書き込む。この場合も、ログファイルは、処置中の関連のある家庭用治療機械100のデータ及び関連のある水処理装置10のデータを文書化したものである。一実施形態では、水処理装置10は、装置自体のログファイルを家庭用治療機械100に送信する。家庭用治療機械100は、水処理装置10からのデータを家庭用治療機械100のログファイルに負荷する。次に接続性エージェント114がオンになったときに、家庭用治療機械100に記憶された結合ログファイルが、接続性サーバ118に送信される。
【0101】
[00115]ブロック834に示すように、接続性エージェント114がオンになる。一実施形態では、家庭用治療機械100は、接続性サービスへの接続を開始する。代替実施形態では、接続性サービスが、家庭用治療機械100への接続を開始することもある。ブロック836で、ログファイルが接続性サーバ118にアップロードされる。その後、プロセス800は、終了ブロックに示すように終了する。
【0102】
[00116]一実施形態では、機械100は、処置に使用した機械及び使い捨て用品を次の処置に備えて洗浄する殺菌手順など、後処置手順を実行することができる。一実施形態では、システム110は、処置後に、ただし後処置の殺菌が行われている間に、ブロック834で接続性エージェントをオンにすることができる。ブロック832の処置データの書込みも、殺菌中に行うことができる。或いは、家庭用治療機械100は、殺菌が完了して機械100が遊休モードになるまで、ブロック832で書込みを行うこと、又はブロック834で接続性エージェントをオンにすることを待機する。
【0103】
[00117]図示の実施形態では、処置前に接続性エージェント114がオフになり、処置後までは再度オンになることはないので、システム110は、処置の実時間モニタリングを行わない。警報及び警告など、処置中に起こる事象は、システムハブ120に直ちには報告されない。このような情報は、処置後にシステムハブ120に送信されるログファイルに含まれる。代替実施形態では、接続性エージェント114は、処置中もオンのままとすることができ、家庭用治療機械100及び処置に関する情報を実時間で報告することができる。
【0104】
ファームウェアのアップグレード
[00118]ときには、本明細書ではファームウェアと呼ぶこともある、ACPU112が家庭用治療機械100上で実行するソフトウェア及び/又は水処理装置10の処理部/メモリ24上で実行されるソフトウェアをアップグレードする必要があることもある。家庭用医療装置システム110は、製品開発チーム128及びサービス員132a乃至132n(
図1A)を含む、ファームウェアをアップグレードする効率的で信頼性の高い方法を実現する。
【0105】
[00119]
図9は、家庭用治療機械100のファームウェアをアップグレードする例示的なプロセス900を示す図である。開始ブロックでプロセス900を開始すると、ブロック902に示すように、製品開発チーム128は、家庭用治療機械又は水処理装置10用のファームウェアアップグレードを開発する。ブロック904で、製品開発チーム128は、ファームウェアアップグレードをシステムハブ120にアップロードする。次いで、サービスポータル130により、サービス員監督者又は意思決定者134が、そのアップグレードを見て、承認することができるようになる。アップグレードを承認すると、ブロック906に示すように、監督者134は、このアップグレードをシステムハブ120から接続性サーバ118にアップロードする。
図1Aに示す実施形態では、監督者134は、家庭用治療機械100及び水処理装置10の点検及び保守並びに患者との関係構築の役割を担うサービス員132a乃至132nとは別の人員である。サービス員監督者134は、アップグレードを接続性サーバ118に送信するかどうかを最終決定する権威を有するだけでなく、全ての機械100又は装置10ではないとしても、どの機械100及び/又は水処理装置10がそのアップグレードを受信するかを指定することもでき、またアップグレードを拒否したり、改良のために製品開発チーム128に戻したりすることもできる。アップグレードが接続性サーバ118に届くことが許可されると、ブロック908に示すように、サービス員132a乃至132n、又はその中の指定された者が、サービスポータル130を介してファームウェアアップグレードを見ることができる。一実施形態では、製品開発チーム128は、ファームウェアアップグレードを、システムハブ120を通さずに直接接続性サーバ118にアップロードする。
【0106】
[00120]
図1Aに関連して上述したように、サービス員132a乃至132nは、患者との日々の関係を管理する。サービス員132a乃至132nは、患者のスケジュールに精通しており、患者がいつファームウェアアップグレードを受け取るべきかを決定するための最良の位置にいる。例えば、サービス員132a乃至132nは、彼らが通常点検している家庭用治療機械100及び対応する水処理装置10の保守及び稼働のスケジュールを知っている。患者の機械100及び/又は水処理装置10がファームウェアアップグレードに必要な部品を間もなく受け取る予定になっている場合には、サービス員132a乃至132nは、その新たな部品が導入されるのを待ってから、患者の家庭用治療機械100及び/又は水処理装置10のファームウェア(例えばその新しい部品を必要とする可能性がある)をアップグレードすることができる。
【0107】
[00121]各サービス員132a乃至132nは、ブロック910に示すように、指定された家庭用治療機械100及び/又は水処理装置10のうちのどれがファームウェアアップグレードを受信すべきかを選択する。ブロック912に示すように、選択された家庭用治療機械100の接続性エージェント114が次にオンになったときに、それらのエージェントがオンになるのを待機していた接続性サーバ118は、ブロック914に示すように、アップグレードを選択された家庭用治療機械100及び/又は水処理装置10に送信する。
【0108】
[00122]一実施形態では、選択された家庭用治療機械100及び/又は水処理装置10は、ブロック916に示すように、ACPU112及び/又は処理部/メモリ24に記憶された設定に基づいて、アップグレードを受け入れるかどうかを判断することができる。選択された家庭用治療機械100及び/又は水処理装置10がアップグレードしないことを選択した場合には、プロセス900は、ブロック916及び終了ブロックに示すように終了する。選択された家庭用治療機械100及び/又は水処理装置10のうちのいずれかがアップグレードを受け入れる場合には、ブロック918に示すように、対応する患者に対して、ユーザインタフェース122を介してアップグレードをインストールしたいかどうか確認する。患者が、ユーザインタフェース122を介して、選択された家庭用治療機械100及び/又は水処理装置10をアップグレードすることを選ばなかった場合には、プロセス900は、ブロック920及び終了ブロックに示すように終了する。患者が、ユーザインタフェース122を介して、選択された家庭用治療機械100及び/又は水処理装置10をアップグレード(複数可)することを選んだ場合には、ブロック922に示すように、その1つ又は複数のアップグレードが実行され、家庭用治療機械100は、ユーザインタフェース122を介して、ソフトウェアがアップグレードされたことを患者に通知する。国によっては、法律により、患者のファームウェアをアップグレードする前に患者の承認を得なければならない。一実施形態では、システム110は、患者の承認を必要とする国の家庭用治療機械100だけが、ブロック918及び920で患者にファームウェアアップグレードを受け入れることを促せばよいとしていることもある。
【0109】
[00123]家庭用治療機械100は、機械100又は装置10のいずれか又は両方の以前のソフトウェアバージョンに戻ることができる機能を保持することができることがある。例えば、ファームウェアアップグレードが破損した場合、又は家庭用治療機械100若しくは水処理装置10のファームウェアが破損した場合に、一実施形態では、家庭用治療機械100は、以前の破損していないソフトウェアバージョンに戻ることができる。或いは、家庭用治療機械100は、以前のソフトウェアバージョンに戻ることができないこともある。ここで、ソフトウェアが破損している場合、又は破損した場合には、新たなソフトウェアをインストールするか、又は家庭用治療機械100若しくは水処理装置10を新たな家庭用治療機械100若しくは水処理装置10と交換する。
【0110】
[00124]サーバ118における接続性サービスは、どの患者がアップグレードを受信したか、どのサービス員132a乃至132nがアップグレードに関わったかなど、ファームウェアアップグレードに関連する全ての事象を文書化する。接続性サーバ118は、通し番号、トラッキング番号及びソフトウェアバージョンを記憶し、アップグレードプロセスの様々なステップが文書化され、任意の所与の瞬間にシステム110の各機械100及び装置10の現在のソフトウェアバージョンを容易に取得することができるようにしている。
図9の終了ブロックで、プロセス900は終了する。
【0111】
[00125]上述のように、水処理装置10の任意のソフトウェア更新も、家庭用治療機械100を介して水処理装置10に送信することができる。家庭用治療機械100は、家庭用治療機械100及び水処理装置10の両方のソフトウェアアップグレードを含む結合ソフトウェアアップグレードを受信することができる。或いは、アップグレードは、別々に送達することもできる。次いで、ACPU112が、家庭用治療機械100のソフトウェアコンテンツを解析して、水処理装置10のソフトウェアコンテンツから分離する。特に、ACPU112は、どのソフトウェアコンテンツが家庭用治療機械100向けであるか、及びどのソフトウェアコンテンツが水処理装置10向けであるかを認識することができる。例えば、ソフトウェアコンテンツは、本質的に家庭用治療機械100又は水処理装置10のいずれかに特定のコンテンツのように見えるか、又は家庭用治療機械100又は水処理装置10のいずれかに特定のコンテンツを含むことができる。或いは、ソフトウェアコンテンツは、家庭用治療機械100用、又は水処理装置10用としてフラグを立てることもできる。次いで、家庭用治療機械100は、データ接続手段32を介して水処理装置10用のソフトウェアコンテンツを水処理装置10に送信する。
【0112】
[00126]ファームウェアアップグレードは、さらに、例えばタブレット122、血圧モニタ104及び/又は秤106など、システム110のその他の家庭用構成要素についても、上記の方法で提供することができる。
【0113】
規則評価を備えた臨床医ダッシュボード
[00127]臨床医は、その臨床医の患者のリスト、及び患者の処置がどのように行われたかを示す各患者のファイルを見ることができる。処置ファイルは、実際に達成された流量、限外濾液除去、実際に達成された限外濾過速度、治療中の血圧、重量など、家庭用治療機械100のログファイルから得られる。また、ログファイルは、上述のように水処理装置10の処置データを含むこともある。記憶される水処理装置10の処置データとしては、例えば、送達される総精製水容量、平均水温、平均水圧、機械100からの送達要求回数、警告及び警報情報、塩素/クロラミンレベル、及び/又は構成要素の使用若しくは交換情報などが挙げられる。
【0114】
[00128]臨床医は、患者のリストを、例えば血液透析(例えば短時間連日、夜間、隔日昼間、隔日夜間などに細分される)、腹膜透析(例えば連続循環腹膜透析(CCPD)、タイダルなどに細分される)など患者が受けた処置の種類、責任医、又は以下に述べる通知など、多くのカテゴリによって分類することができる。また、臨床医は、患者の写真、及び週間、月間又はその他の期間の概要を見ることもできる。
【0115】
[00129]ウェブポータル150は、処置中に起こった事象に関する通知を有する臨床医ダッシュボードを提供する。一実施形態では、これらの通知は、個々の色がそれぞれ異なる通知状態に対応するようにした、色分けされたフラグを含む。臨床医は、どの事象がダッシュボード上に見える赤又は黄色のフラグを生成するかを選択することができる。一実施形態では、フラグ設定は、診療所ごとに決まっており、患者ごとに決まるものではない。したがって、特定の事象について通知を受けることを選ぶと、それはその診療所の全ての患者、又はその臨床医が看ている全ての患者に適用される。例えば、臨床医は、処置の継続時間が4時間未満であった場合に黄色のフラグがダッシュボードに現れるという規則を設定することができる。この規則は、その診療所の全ての患者、又はその臨床医が看ている全ての患者に適用されることになる。ダッシュボードは、例えば黄色のフラグによって、継続時間が4時間未満の処置を受けた全ての患者を示す。これらのフラグは、水処理装置10にも関係することがあり、例えば、水処理装置10の使い捨て構成要素の耐用寿命が10時間未満であるときにフラグをポストしたり、又は検査した塩素/クロラミンが特定のレベルに到達した場合に赤いフラグをポストしたりすることができる。
【0116】
[00130]
図10Aは、臨床医の表示装置192に示される診療所の例示的なダッシュボード画面1000を示す図である。ダッシュボード画面1000は、1実施態様では、臨床医がウェブポータル150にログインしたときに最初に見る画面である。ダッシュボード画面1000は、その診療所で治療している患者の概要、並びに家庭用治療機械100及び水処理装置10による処置がどのように行われたかを示している。
【0117】
[00131]欄1002に示すように、患者は、名前でリストされる。ダッシュボード1000は、臨床医がドロップダウンメニュー1010が示すようにフィルタを適用できるようにすることができる。例えば、図示の実施形態では、臨床医は、患者タイプ(図示せず)、ドロップダウンメニュー1012の医師、又は患者の状態(図示せず)によってダッシュボードの情報をフィルタリングすることができる。また、臨床医は、チェックボックス1014を用いた通信がなかった処置のみを示すように、又はチェックボックス1016を用いてフラグが生成された処置のみを示すようにダッシュボードの情報をフィルタリングすることもできる。これらのフィルタにより、臨床医は、特定の所望の情報に注意を集中することができる。
【0118】
[00132]様々なアイコン1004、1006及び1008は、特定の日に当該患者によって行われた処置に関する情報を示す。アイコン1004、1006及び1008は、異なる種類の事象を示すことができる。例えば、アイコン1004を使用して、家庭用治療機械100及び水処理装置10によって行われた処置が成功したことを示すことができる。アイコン1006を使用して、重要ではなく直ちに対応する必要はないが、この先は綿密にモニタリングする必要がある事象について、臨床医に通知することができる。例えば、アイコン1008を使用して、直ちに対応する必要がある事象を臨床医に通知することができる。
【0119】
[00133]ユーザは、リンク1018を用いて説明文にアクセスすることができる。ユーザがリンク1018を選択すると、ポップアップウィンドウ又は新たな画面1050が現れる。
図10Bは、臨床医の表示装置192に表示される、ダッシュボード画面1000に現れる可能性がある様々なアイコンを説明する例示的な説明画面1050を示す図である。アイコン1004は、家庭用治療機械100及び水処理装置10によって行われた処置の結果が「OK」であったことを示す。アイコン1008は、優先順位の高いフラグを示す。アイコン1006は、通常の優先順位のフラグを示す。アイコン1010は、特定の治療について、その患者と関連する家庭用治療機械100との通信がなかったことを示す。
【0120】
[00134]一実施形態では、ダッシュボードは、水処理装置10によって水処理装置10のログファイルに収集された情報も表示する。
図11Aは、臨床医のダッシュボードの一部であるか、又はダッシュボードからリンクを介してアクセス可能である、臨床医の表示装置192上に示される例示的な処置概要画面1100を示す図である。処置概要画面1100は、上述のようにログファイルに収集された、家庭用治療機械100及び水処理装置10によって患者に対して行われた特定の処置についての詳細を与える。
図11Aは、チャート1102に示すように、2010年7月31日に家庭用治療機械100及び水処理装置10によって行われた処置についての情報を示している。処置概要画面1100から、臨床医は、チャート1101において、フラグ記号の説明を見ることができる。また、臨床医は、チャート1102において、日付、開始時間及び総透析時間を見ることができ、チャート1104において、処方の装置プログラムを見ることができ、チャート1106において、家庭用治療機械100及び/又は水処理装置10の様々な処置事象の正確な時間を示す全体的な処置概要ログを表形式で見ることができる。また、処置概要画面1100は、水処理装置10から収集した情報も示す。例えば、チャート1106の項目1107は、水処理装置10が時間20:41:13に冷水警告を示したことを臨床医に対して示す。ログファイルに文書化され、臨床医ダッシュボードに表示される警告又は事象はいずれも、治療中の、その警告又は事象が起こったときに、ユーザインタフェース122を介してユーザ12に通信することもできる。
【0121】
[00135]臨床医の表示装置192に表示される画面1100は、
図11Bに続く。
図11Bに示すように、臨床医は、チャート1108において、流体管理の詳細を見ることができ、チャート1110において、処置薬用量に関する情報を見ることができ、チャート1112において、ヘパリンの詳細を見ることができ、チャート1114において、透析器の延長使用のデータを見ることができ、チャート1116において、血圧を診ることができ、チャート1118において、脈拍の詳細を見ることができる。また、臨床医は、チャート1120において、水サンプルを水処理装置10から採取した時間1121など、比較用に採取した前処理サンプルに関する情報を見ることができる。また、臨床医は、チャート1122において、処方の装置プログラムに関する詳細を見ることができる。また、臨床医は、チャート1124において、家庭用治療機械100の装置ID並びに家庭用治療機械100及び水処理装置10のソフトウェアバージョンを見ることができる。
【0122】
[00136]
図12は、臨床医に対してウェブポータル150において臨床医の表示装置192上で提示することができる、例示的な患者使用報告1200を示す図である。この例示的な患者使用報告1200により、臨床医は、指定された時間枠内に特定の患者の処置のために家庭用治療機械100及び水処理装置10が使用した製品又は消耗品の量を見ることができる。この患者使用報告1200において、臨床医は、処置月1202、並びに使用した透析器1204、使用した血液処置セット1206、使用した酸濃縮物1208、及び使用した重炭酸塩濃縮物1210など、家庭用治療機械100による使用に関する情報を見ることができる。また、臨床医は、使用した水プレフィルタ1212及び使用した配水ループ1214など、水処理装置10による使用に関する情報も見ることができる。したがって、臨床医は、家庭用治療機械100及び水処理装置10に関する1つ又は複数の処置の消耗品の使用に関する情報を見ることができる。
【0123】
本開示の追加の態様
[00137]本明細書に記載する主題の態様は、単独でも、本明細書に記載するその他の態様のうちのいずれか1つ又は複数と組み合わせても有用である可能性がある。前述の説明を限定することなく、本開示の第1の態様によれば、家庭用医療装置システムは、患者に対して家庭治療を行う家庭用治療機械と、前記家庭用治療機械に動作可能に接続された、オペレータ入力を受信するユーザインタフェースと、前記家庭用治療機械と流体連通した水処理装置と、前記家庭用治療機械と前記水処理装置との間のデータ接続装置とを備え、前記家庭用治療機械は、前記接続を介して前記水処理装置にデータを伝送して前記水処理装置を制御し、前記データは、前記ユーザインタフェースを介して受信した前記オペレータ入力の少なくとも1つに基づいて提供される。
【0124】
[00138]前述の態様のうちのいずれか1つ又は複数と組み合わせて使用することもできる本開示の第2の態様によれば、前記水処理装置は、(i)状態情報、(ii)構成要素寿命情報、(iii)自己検査結果、(iv)警告情報、又は(v)バージョン情報のうちの少なくとも1つを前記家庭用治療機械に伝送する。
【0125】
[00139]前述の態様のうちのいずれか1つ又は複数と組み合わせて使用することもできる本開示の第3の態様によれば、前記ユーザインタフェースは、(i)前記状態情報、(ii)前記構成要素寿命情報、(iii)前記自己検査結果、(iv)前記警告情報、又は(v)前記バージョン情報のうちの少なくとも1つを表示する。
【0126】
[00140]前述の態様のうちのいずれか1つ又は複数と組み合わせて使用することもできる本開示の第4の態様によれば、前記家庭用治療機械は、(i)状態変更要求、(ii)状況問合せ、(iii)流量変更要求、(iv)ソフトウェアアップグレード若しくはダウングレード、又は(v)ファイル転送のうちの少なくとも1つを前記水処理装置に伝送する。
【0127】
[00141]前述の態様のうちのいずれか1つ又は複数と組み合わせて使用することもできる本開示の第5の態様によれば、前記ユーザインタフェースは、(i)前記状態変更要求、(ii)前記状況問合せ、(iii)前記流量変更要求、(iv)前記ソフトウェアアップグレード若しくはダウングレード、又は(v)前記ファイル転送のうちの少なくとも1つを表示する。
【0128】
[00142]前述の態様のうちのいずれか1つ又は複数と組み合わせて使用することもできる本開示の第6の態様によれば、前記伝送データにつながる前記少なくとも1つのオペレータ入力は、水処理装置のパラメータに関する。
【0129】
[00143]前述の態様のうちのいずれか1つ又は複数と組み合わせて使用することもできる本開示の第7の態様によれば、前記伝送データにつながる前記少なくとも1つのオペレータ入力は、家庭用治療機械のパラメータに関し、前記伝送データが、前記家庭用治療機械のパラメータの変更の自動的に得られる結果に関する。
【0130】
[00144]前述の態様のうちのいずれか1つ又は複数と組み合わせて使用することもできる本開示の第8の態様によれば、家庭用治療医療システムは、患者に対して家庭治療を行う家庭用治療機械と、前記家庭用治療機械に動作可能に接続された、オペレータ入力を受信するユーザインタフェースと、前記家庭用治療機械と流体連通した水処理装置と、前記家庭用治療機械とデータ流通信しているサーバと、前記家庭用治療機械と前記水処理装置との間のデータ接続装置とを備え、前記家庭用治療機械は、前記接続を介して前記水処理装置にデータを伝送し、前記データは、前記サーバから前記家庭用治療機械に送信される治療処方に基づく。
【0131】
[00145]前述の態様のうちのいずれか1つ又は複数と組み合わせて使用することもできる本開示の第9の態様によれば、前記伝送データは、前記水処理装置を制御するためのものである。
【0132】
[00146]前述の態様のうちのいずれか1つ又は複数と組み合わせて使用することもできる本開示の第10の態様によれば、前記治療処方は、前記家庭用治療機械から前記水処理装置に伝送されるデータを指定する。
【0133】
[00147]前述の態様のうちのいずれか1つ又は複数と組み合わせて使用することもできる本開示の第11の態様によれば、前記治療処方は、前記家庭用治療機械の動作パラメータを指定し、前記伝送データは、前記指定された動作パラメータに基づく。
【0134】
[00148]前述の態様のうちのいずれか1つ又は複数と組み合わせて使用することもできる本開示の第12の態様によれば、前記家庭用治療機械は、前記指定された動作パラメータに基づいて前記伝送データを決定する。
【0135】
[00149]前述の態様のうちのいずれか1つ又は複数と組み合わせて使用することもできる本開示の第13の態様によれば、前記水処理装置は、前記データを使用して、前記水処理装置の対応する動作パラメータを決定する。
【0136】
[00150]前述の態様のうちのいずれか1つ又は複数と組み合わせて使用することもできる本開示の第14の態様によれば、前記サーバは、前記家庭用治療機械にソフトウェアアップグレードを送信するように構成され、前記ソフトウェアアップグレードは、水処理装置向けのものである場合には、前記家庭用治療機械によって前記水処理装置に転送される。
【0137】
[00151]前述の態様のうちのいずれか1つ又は複数と組み合わせて使用することもできる本開示の第15の態様によれば、前記ソフトウェアアップグレードは、前記水処理装置に自動的にインストールされるか、又はユーザが前記ユーザインタフェースを介して受け入れたときにインストールされる。
【0138】
[00152]前述の態様のうちのいずれか1つ又は複数と組み合わせて使用することもできる本開示の第16の態様によれば、前記サーバは、サービスコンピュータとデータ通信しており、前記サービスコンピュータは、サービス員が前記家庭用治療機械との前記データ接続装置を介して前記水処理装置にアクセスして少なくとも1つのサービス手順を実行することを可能にする。
【0139】
[00153]前述の態様のうちのいずれか1つ又は複数と組み合わせて使用することもできる本開示の第17の態様によれば、始動時に、前記家庭用治療機械は、前記水処理装置が休眠モードであるかどうかを判定し、休眠モードである場合には、前記水処理装置を含まない始動手順を実行するように構成される。
【0140】
[00154]前述の態様のうちのいずれか1つ又は複数と組み合わせて使用することもできる本開示の第18の態様によれば、前記家庭用治療医療システムは、ユーザが前記ユーザインタフェースを介して前記家庭用治療機械の少なくとも1つの自己検査及び前記水処理装置の少なくとも1つの自己検査を実行できるように構成される。
【0141】
[00155]前述の態様のうちのいずれか1つ又は複数と組み合わせて使用することもできる本開示の第19の態様によれば、家庭用治療医療システムは、患者に対して家庭治療を行う家庭用治療機械と、前記家庭用治療機械に動作可能に接続された、オペレータ入力を受信するユーザインタフェースと、前記家庭用治療機械と流体連通した水処理装置と、前記家庭用治療機械とデータ流通信しているサーバと、前記家庭用治療機械と前記水処理装置との間のデータ接続装置とを備え、前記水処理装置は、前記データ接続装置を介して前記家庭用治療機械にデータを伝送するように構成され、前記家庭用治療機械は、前記データを前記サーバに転送する。
【0142】
[00156]前述の態様のうちのいずれか1つ又は複数と組み合わせて使用することもできる本開示の第20の態様によれば、前記伝送データは、処置ログデータを含む。
【0143】
[00157]前述の態様のうちのいずれか1つ又は複数と組み合わせて使用することもできる本開示の第21の態様によれば、前記伝送データは、構成要素使用データ又は構成要素交換データを含む。
【0144】
[00158]本開示の第22の態様によれば、
図1に関連して図示及び説明した構造及び機能のいずれも、前述の態様のうちのいずれか1つ又は複数と組み合わせて使用することができる。
【0145】
[00159]本開示の第23の態様によれば、
図1Aに関連して図示及び説明した構造及び機能のいずれも、前述の態様のうちのいずれか1つ又は複数と組み合わせて使用することができる。
【0146】
[00160]本開示の第24の態様によれば、
図2に関連して図示及び説明した構造及び機能のいずれも、前述の態様のうちのいずれか1つ又は複数と組み合わせて使用することができる。
【0147】
[00161]本開示の第25の態様によれば、
図3に関連して図示及び説明した構造及び機能のいずれも、前述の態様のうちのいずれか1つ又は複数と組み合わせて使用することができる。
【0148】
[00162]本開示の第26の態様によれば、
図4に関連して図示及び説明した構造及び機能のいずれも、前述の態様のうちのいずれか1つ又は複数と組み合わせて使用することができる。
【0149】
[00163]本開示の第27の態様によれば、
図5に関連して図示及び説明した構造及び機能のいずれも、前述の態様のうちのいずれか1つ又は複数と組み合わせて使用することができる。
【0150】
[00164]本開示の第28の態様によれば、
図6に関連して図示及び説明した構造及び機能のいずれも、前述の態様のうちのいずれか1つ又は複数と組み合わせて使用することができる。
【0151】
[00165]本開示の第29の態様によれば、
図7に関連して図示及び説明した構造及び機能のいずれも、前述の態様のうちのいずれか1つ又は複数と組み合わせて使用することができる。
【0152】
[00166]本開示の第30の態様によれば、
図8に関連して図示及び説明した構造及び機能のいずれも、前述の態様のうちのいずれか1つ又は複数と組み合わせて使用することができる。
【0153】
[00167]本開示の第31の態様によれば、
図9に関連して図示及び説明した構造及び機能のいずれも、前述の態様のうちのいずれか1つ又は複数と組み合わせて使用することができる。
【0154】
[00168]本開示の第32の態様によれば、
図10Aに関連して図示及び説明した構造及び機能のいずれも、前述の態様のうちのいずれか1つ又は複数と組み合わせて使用することができる。
【0155】
[00169]本開示の第33の態様によれば、
図10Bに関連して図示及び説明した構造及び機能のいずれも、前述の態様のうちのいずれか1つ又は複数と組み合わせて使用することができる。
【0156】
[00170]本開示の第34の態様によれば、
図11Aに関連して図示及び説明した構造及び機能のいずれも、前述の態様のうちのいずれか1つ又は複数と組み合わせて使用することができる。
【0157】
[00171]本開示の第35の態様によれば、
図11Bに関連して図示及び説明した構造及び機能のいずれも、前述の態様のうちのいずれか1つ又は複数と組み合わせて使用することができる。
【0158】
[00172]本開示の第36の態様によれば、
図12に関連して図示及び説明した構造及び機能のいずれも、前述の態様のうちのいずれか1つ又は複数と組み合わせて使用することができる。
【0159】
[00173]本明細書に記載した現在好ましい実施形態に対する様々な変更形態及び修正形態は、当業者には明らかであることを理解されたい。これらの変更形態及び修正形態は、本発明の主題の趣旨及び範囲を逸脱することなく、また本発明の主題の意図された利点を損なうことなく、行うことができる。したがって、これらの変更形態及び修正形態は、添付の特許請求の範囲によってカバーされるものであることが意図される。
【0160】
[00174]本発明のいくつかの他の側面は以下のとおりである。
1. 患者に対して家庭治療を行う家庭用治療機械と、
前記家庭用治療機械に動作可能に接続された、オペレータ入力を受信するユーザインタフェースと、
前記家庭用治療機械と流体連通した水処理装置と、
前記家庭用治療機械と前記水処理装置との間のデータ接続装置と、
を備える家庭用医療装置システムであって、
前記家庭用治療機械が、前記データ接続装置を介して前記水処理装置にデータを伝送して前記水処理装置を制御し、前記データが、前記ユーザインタフェースを介して受信した前記オペレータ入力の少なくとも1つに基づいて提供される、
2. 前記水処理装置が、(i)状態情報、(ii)構成要素寿命情報、(iii)自己検査結果、(iv)警告情報、又は(v)バージョン情報のうちの少なくとも1つを前記家庭用治療機械に伝送する、上記1に記載の家庭用医療装置システム。
3. 前記ユーザインタフェースが、(i)前記状態情報、(ii)前記構成要素寿命情報、(iii)前記自己検査結果、(iv)前記警告情報、又は(v)前記バージョン情報のうちの少なくとも1つを表示する、上記2に記載の家庭用医療装置システム。
4. 前記家庭用治療機械が、(i)状態変更要求、(ii)状況問合せ、(iii)流量変更要求、(iv)ソフトウェアアップグレード若しくはダウングレード、又は(v)ファイル転送のうちの少なくとも1つを前記水処理装置に伝送する、上記1に記載の家庭用医療装置システム。
5. 前記ユーザインタフェースが、(i)前記状態変更要求、(ii)前記状況問合せ、(iii)前記流量変更要求、(iv)前記ソフトウェアアップグレード若しくはダウングレード、又は(v)前記ファイル転送のうちの少なくとも1つを表示する、上記4に記載の家庭用医療装置システム。
6. 伝送データにつながる前記少なくとも1つのオペレータ入力が、水処理装置のパラメータに関する、上記1に記載の家庭用医療装置システム。
7. 伝送データにつながる前記少なくとも1つのオペレータ入力が、家庭用治療機械のパラメータに関し、前記伝送データが、前記家庭用治療機械のパラメータの変更の自動的に得られる結果に関する、上記1に記載の家庭用医療装置システム。
8. 患者に対して家庭治療を行う家庭用治療機械と、
前記家庭用治療機械に動作可能に接続された、オペレータ入力を受信するユーザインタフェースと、
前記家庭用治療機械と流体連通した水処理装置と、
前記家庭用治療機械とデータ流通信しているサーバと、
前記家庭用治療機械と前記水処理装置との間のデータ接続装置と、
を備える家庭用医療装置システムであって、
前記家庭用治療機械が、前記データ接続装置を介して前記水処理装置にデータを伝送し、前記データが、前記サーバから前記家庭用治療機械に送信される治療処方に基づくものである、
家庭用治療医療システム。
9. 伝送データが、前記水処理装置を制御するためのものである、上記8に記載の家庭用治療医療システム。
10. 前記治療処方が、前記家庭用治療機械から前記水処理装置に伝送される前記データを指定する、上記8に記載の家庭用治療医療システム。
11. 前記治療処方が、前記家庭用治療機械の動作パラメータを指定し、伝送データが、前記指定された動作パラメータに基づく、上記8に記載の家庭用治療医療システム。
12. 前記家庭用治療機械が、前記指定された動作パラメータに基づいて前記伝送データを決定する、上記11に記載の家庭用治療医療システム。
13. 前記水処理装置が、前記データを使用して、前記水処理装置の対応する動作パラメータを決定する、上記11に記載の家庭用治療医療システム。
14. 前記サーバが、前記家庭用治療機械にソフトウェアアップグレードを送信するように構成され、前記ソフトウェアアップグレードが、前記水処理装置向けのものである場合には、前記家庭用治療機械によって前記水処理装置に転送される、上記8に記載の家庭用治療医療システム。
15. 前記ソフトウェアアップグレードが、前記水処理装置に自動的にインストールされるか、又はユーザが前記ユーザインタフェースを介して受け入れたときにインストールされる、上記14に記載の家庭用治療医療システム。
16. 前記サーバが、サービスコンピュータとデータ通信しており、前記サービスコンピュータが、サービス員が前記家庭用治療機械との前記データ接続装置を介して前記水処理装置にアクセスして少なくとも1つのサービス手順を実行することを可能にする、上記8に記載の家庭用治療医療システム。
17. 始動時に、前記家庭用治療機械が、前記水処理装置が休眠モードであるかどうかを判定し、休眠モードである場合には、前記水処理装置を含まない始動手順を実行するように構成される、上記8に記載の家庭用治療医療システム。
18. ユーザが前記ユーザインタフェースを介して前記家庭用治療機械の少なくとも1つの自己検査及び前記水処理装置の少なくとも1つの自己検査を実行できるように構成された、上記8に記載の家庭用治療医療システム。
19. 患者に対して家庭治療を行う家庭用治療機械と、
前記家庭用治療機械に動作可能に接続された、オペレータ入力を受信するユーザインタフェースと、
前記家庭用治療機械と流体連通した水処理装置と、
前記家庭用治療機械とデータ流通信しているサーバと、
前記家庭用治療機械と前記水処理装置との間のデータ接続装置と、
を備える家庭用治療医療システムであって、
前記水処理装置が、前記データ接続装置を介して、前記家庭用治療機械にデータを伝送するように構成され、前記家庭用治療機械が、前記データを前記サーバに転送する、
家庭用治療医療システム。
20. 伝送データが、処置ログデータを含む、上記19に記載の家庭用治療医療システム。
21. 伝送データが、構成要素使用データ又は構成要素交換データを含む、上記19に記載の家庭用治療医療システム。