(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】ゲーム用入力装置、ゲーム機
(51)【国際特許分類】
A63F 13/428 20140101AFI20240902BHJP
A63F 13/245 20140101ALI20240902BHJP
A63F 13/213 20140101ALI20240902BHJP
A63F 13/533 20140101ALI20240902BHJP
A63F 13/426 20140101ALI20240902BHJP
A63F 13/44 20140101ALI20240902BHJP
A63F 13/54 20140101ALI20240902BHJP
A63F 13/814 20140101ALI20240902BHJP
【FI】
A63F13/428
A63F13/245
A63F13/213
A63F13/533
A63F13/426
A63F13/44
A63F13/54
A63F13/814
(21)【出願番号】P 2020099562
(22)【出願日】2020-06-08
【審査請求日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】P 2019106161
(32)【優先日】2019-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1.発表会の実施 実施開始日 令和1年6月20日 実施した場所 池袋STORIA 東京都豊島区西池袋1丁目15-9 第一西池ビル 6階 2.展示会の実施 実施開始日 令和2年2月7日 実施した場所 幕張メッセ 国際展示場ホール 千葉市美浜区中瀬2-1 3.ロケテストの実施 実施開始日 令和1年6月21日 実施した場所 タイトーステーション池袋西口店 東京都豊島区西池袋1丁目15-9 西池ビル 4.ロケテストの実施 実施開始日 令和1年6月21日 実施した場所 名古屋レジャーランドささしま店 名古屋市中村区平池町4丁目60番14号マーケットスクエアささしま1F 5.ロケテストの実施 実施開始日 令和1年6月28日 実施した場所 セガ秋葉原3号館 東京都千代田区外神田1-11-11外神田1丁目ビルディング 6.ロケテストの実施 実施開始日 令和1年6月28日 実施した場所 ラウンドワンスタジアム千日前店 大阪府大阪市中央区難波1丁目3番1号 7.ロケテストの実施 実施開始日 令和1年7月5日 実施した場所 namco 博多バスターミナル店 福岡県福岡市博多区博多駅中央街2-1 博多バスターミナルビル7F 8.ロケテストの実施 実施開始日 令和1年7月5日 実施した場所 アピナ姫路店 兵庫県姫路市東郷町1454-3 9.ロケテストの実施 実施開始日 令和1年7月5日 実施した場所 アミパラ 岡山店 岡山市北区青江1丁目13-8 10.ロケテストの実施 実施開始日 令和1年7月12日 実施した場所 モーリーファンタジーf 茨木 大阪府 茨木市松ヶ本町8-30-5 イオンモール茨木4階
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 11.ロケテストの実施 実施開始日 令和2年1月10日 実施した場所 タイトーステーションBIGBOX高田馬場店 東京都新宿区高田馬場1丁目35-3 BIGBOX6F 12.刊行物発行 発行日 令和1年6月30日 刊行物名 月刊アミューズメント・ジャーナル 株式会社アミューズメント・ジャーナル 13.刊行物記載 発行日 令和1年7月30日 刊行物名 月刊アミューズメント・ジャーナル 株式会社アミューズメント・ジャーナル 14.ウェブサイトの掲載 掲載年月日 令和1年6月7日 掲載アドレス https://tetoteconnect.jp/ 15.ウェブサイトの掲載 掲載年月日 令和1年6月7日 掲載アドレス https://twitter.com/tetoteconnect
(73)【特許権者】
【識別番号】310009993
【氏名又は名称】株式会社タイトー
(72)【発明者】
【氏名】井口 知彦
(72)【発明者】
【氏名】西川 武士
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-190629(JP,A)
【文献】特開2014-222408(JP,A)
【文献】特開2010-187855(JP,A)
【文献】特開2015-058156(JP,A)
【文献】ワッカ WACCA,月刊アミューズメント・ジャーナル,(株)アミューズメント・ジャーナル,2018年10月30日,第18巻 第11号,058~059,非技術雑誌2018-00530-002
【文献】村上敬一,maimai でらっくす,月刊アミューズメント・ジャーナル,(株)アミューズメント・ジャーナル,2018年12月28日,第19巻 第1号,108~109,非技術雑誌2019-00033-004
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤが表示映像を観察する観察面と、
前記観察面に平行な方向である観察面平行方向の外側に配置され、検出光の光軸が観察面平行方向であり、前記観察面上のプレイヤの身体の一部の位置を検出する検出部と、
前記観察面に連続して設けられ、前記観察面に平行な方向である観察面平行方向の外側に至るに従ってプレイヤ側に至るように変位し、前記検出部の検出光を透過させる透過面と、
前記観察面の辺部のうち前記透過面が設けられた辺部に沿って見た断面において、前記透過面よりもプレイヤ側に配置され、辺部かつ観察面平行方向に平行な方向に光を発光することにより、前記透過面上のプレイヤの身体の一部の位置を検出する透過面検出部と、
を備えるゲーム用入力装置。
【請求項2】
プレイヤが表示映像を観察する観察面と、
前記観察面に平行な方向である観察面平行方向の外側に配置され、検出光の光軸が観察面平行方向であり、前記観察面上のプレイヤの身体の一部の位置を検出する検出部と、
前記観察面に連続して設けられ、前記観察面に平行な方向である観察面平行方向の外側に至るに従ってプレイヤ側に至るように変位し、前記検出部の検出光を透過させる透過面と、を備え
、
プレイヤが前記観察面に接触させた身体の一部を、観察面平行方向の内側から外側に向けて移動させる操作を受け付けるゲーム用入力装置であり、
前記検出部は、
前記観察面上を移動するプレイヤの身体の一部の動作を検出し、
前記透過面は、
前記観察面上を移動し前記観察面の外縁部に移動した身体の一部が、続けて観察面平行方向の外側に移動した際にプレイヤ側にガイドする
ことを特徴とするゲーム用入力装置。
【請求項3】
前記透過面及び前記検出部は、
前記観察面の全周に沿って設けられている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のゲーム用入力装置。
【請求項4】
請求項1から
請求項3のいずれかに記載のゲーム用入力装置を備えたゲーム機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチ操作を受け付けるゲーム用入力装置、ゲーム機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、タッチパネルを備えるゲーム機があった(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のゲーム機は、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一形態は、プレイヤが表示映像を観察する観察面と、前記観察面に平行な方向である観察面平行方向の外側に配置され、検出光の光軸が観察面平行方向であり、前記観察面上のプレイヤの身体の一部の位置を検出する検出部と、前記観察面に連続して設けられ、前記観察面に平行な方向である観察面平行方向の外側に至るに従ってプレイヤ側に至るように変位し、前記検出部の検出光を透過させる透過面と、を備えるゲーム用入力装置の構成にした。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、操作性を向上したゲーム用入力装置、ゲーム機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】第1実施形態のタッチ検出装置30を手前側Y1から見た図である。
【
図3】第1実施形態のタッチ検出装置30を下側Z1から見た断面図である。
【
図4】第1実施形態のタッチ検出装置30を右側X2から見た断面図である。
【
図5】第1実施形態の右パネル50R近傍の構成と、プレイヤPの手P1との位置関係を説明する断面図である。
【
図6】第2実施形態のポーズタイミングの示唆演出を説明する図である。
【
図7】第2実施形態の各種ノーツの表示例を示す図である。
【
図8】第2実施形態の各種ノーツの表示例を示す図である。
【
図9】第3実施形態のゲーム機301を手前側Y1から見た図、右側X2から見た模式図である。
【
図10】第3実施形態のプレイヤPからコイン等による課金後から、音楽ゲームが開始されるまでの処理であるプレイ前処理における表示部310の画面の遷移を説明する図である。
【
図11】第3実施形態のヒットノーツ処理時のプレイ画面の遷移を説明する図である。
【
図12】第3実施形態のスラッシュノーツ処理時のプレイ画面の遷移を説明する図である。
【
図13】第3実施形態のトレースノーツ処理時のプレイ画面の遷移を説明する図である。
【
図14】第3実施形態のトレースノーツの他の形態を説明する図である。
【
図15】第3実施形態のホールドノーツ処理時のプレイ画面の遷移を説明する図である。
【
図16】第3実施形態の上側Z2のスピーカ380uの周波数特性と、下側Z1のスピーカ380dの周波数特性とを説明するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
実施形態、図面では、説明と理解を容易にするために、XYZ直交座標系(左右方向X、奥行方向Y、上下方向Z)を設けた。
図1に示すように、この座標系は、表示部10の表示画面に平行な面をZX平面とする。左右方向X(左側X1、右側X2)は、プレイヤPが表示部10を観察した状態における左右の方向である。奥行方向Y(手前側Y1、奥側Y2)は、表示部10の厚さ方向であり、また、観察方向である。上下方向Z(下側Z1、上側Z2)は、表示部10の表示画面に平行な方向のうち、鉛直方向側の方向である。左右方向X、上下方向Zは、ZX平面に平行な方向であり、中央パネル40の表面(観察面)に平行な方向である。奥行方向Yは、ZX平面に直交する方向である。
また、実施形態では、「表面」の用語は、特に説明がない場合には、各部材の手前側Y1の面をいうものとする。
【0009】
図1は、第1実施形態のゲーム機1の斜視図である。
図1(A)は、ゲーム機1全体の斜視図である。
図1(B)は、
図1(A)の1B部拡大図である。
図2は、第1実施形態のタッチ検出装置30を手前側Y1から見た図である。
図2(A)は、タッチ検出装置30の外観図である。
図2(B)は、タッチ検出装置30の外観図に、検出部71及びホルダ70を重ねて図示した図である。
図3は、第1実施形態のタッチ検出装置30を下側Z1(観察面の辺部のうち透過面が設けられた辺部に沿って見た方向)から見た断面図である。
図3(A)は、
図2(B)の3A-3A断面図であり、タッチ検出装置30の左右端部近傍の範囲を示す図である。
図3(B)は、
図2(B)の3B-3B断面図であり、タッチ検出装置30の左右端部近傍の範囲を示す図である。
図4は、第1実施形態のタッチ検出装置30を右側X2から見た断面図である。
図4(A)は、
図2(B)の4A-4A断面図であり、タッチ検出装置30の上部端部近傍の範囲を示す図である。
図4(B)は、
図2(B)の4B-4B断面図であり、タッチ検出装置30の下部端部近傍の範囲を示す図である。
【0010】
(ゲーム機1の構成)
図1に示すように、ゲーム機1は、店舗等に設置される大型のアーケードゲーム装置である。店舗は、アミューズメント施設や、百貨店等が有する遊技施設等である。
ゲーム機1で実行されるゲームは、ゲーム機1の正面に位置するプレイヤPが表示部10に表示されたキャラクタCの動作に合わせてダンスをしたり、プレイヤPが自分の手P1を表示部10に表示されるキャラクタCの手C1に接触させて移動させたりするものである。
【0011】
図1から
図4に示すように、ゲーム機1は、ケース2、表示部10、タッチ検出装置30、音出力部80、カメラ81(撮像部)、記憶部85、制御部86を備える。
ケース2は、ゲーム機1の筐体である。
ケース2は、下部ケース2a、上部ケース2bを備える。
下部ケース2aは、ゲーム機1の下部構成を形成する。
下部ケース2aは、コイン投入口3、記憶部85、制御部86等が設けられている。
なお、
図1には、便宜上、記憶部85、制御部86は、下部ケース2aの外部に図示したが、下部ケース2a内部に収容されている。
上部ケース2bは、平板状の外形であり、上部ケース2bの上側Z2に直立するように設けられている。
上部ケース2bは、表示部10,タッチ検出装置30、音出力部80、カメラ81等が設けられている。
【0012】
表示部10は、ゲームの映像を表示する液晶表示装置等の表示装置である。
実施形態では、プレイヤPがキャラクタCに合わせて動作するゲームを実行するので、表示部10は、表示範囲11が55インチ等である大型の表示装置を、上下方向Zが長手方向になるようにして配置している。
表示範囲11の外縁部には、ベゼル12が設けられている。詳細な説明は省略するが、奥行方向Yにおいて、ベゼル12及び枠部31の間には、スポンジ等の弾性部材が配置されている。
【0013】
タッチ検出装置30及び表示部10を備えるユニットは、表示装置及び入力装置を兼用するタッチパネルであり、ゲーム機1の入力装置(ゲーム用入力装置)としても機能する。タッチ検出装置30及び表示部10は、プレイヤが視認しやすいように、また、操作しやすいように、奥行方向Yに傾斜して配置されている。傾斜角度は、例えば、5度程度である。
【0014】
タッチ検出装置30は、枠部31、中央パネル40、右パネル50R、左パネル50L、下パネル50D、上パネル50U、検出部71を備える。
枠部31は、タッチ検出装置30の基礎(ベース)となる部材である。枠部31は、表示部10の四方を囲う枠体である。枠部31は、表示部10のバックライト等の光源(LED等)を備えていてもよい。
【0015】
枠部31の表面の一部には、印刷部31aを備える(
図2、
図3(A)参照)。
印刷部31aは、ゲーム種別の選択に関する情報である「1、2,3」等の文字が印刷されている。印刷部31aは、右パネル50Rの透過部52(後述する)を通して、手前側Y1から視認できる。
【0016】
中央パネル40、右パネル50R、左パネル50L、下パネル50D、上パネル50U、検出部71は、枠部31に対して、ネジ止め、両面テープ等によって固定されている。これにより、タッチ検出装置30は、独立してアッセンブリとして取り扱うことができる。
【0017】
中央パネル40は、表示部10の表示範囲11の表面を覆うように配置される。中央パネル40は、透明なガラス板である。このため、プレイヤPは、中央パネル40を通して、表示部10の画像を視認できる。なお、中央パネル40は、ガラス以外の透明板(透明な樹脂板等)によって形成されていてもよい。
左右方向X及び上下方向Zにおいて、中央パネル40の長さは、表示部10の表示範囲11の長さよりも若干量(例えばベゼル12の幅程度)大きい。
プレイヤPは、中央パネル40の表面(観察面)を通して、表示範囲11の表示映像を観察できる。
【0018】
図2、
図3(A)に示すように、右パネル50R、左パネル50Lは、中央パネル40の右側X2及び左側X1にそれぞれ設けられ、中央パネル40に連続するように配置されている。右パネル50R、左パネル50Lは、検出部71の検出光Oが透過可能な部材によって形成でき、例えば、中央パネル40と同様な部材によって形成できる。
右パネル50Rの形状は、上下方向Zに細長い板状である。上下方向Zにおいて、右パネル50Rの長さと、中央パネル40の長さとは、ほぼ同様である。
【0019】
右パネル50Rは、左右方向X外側に至るに従って、手前側Y1に至るように傾斜している。
右パネル50Rの表面(透過面)は、中央パネル40の表面の外側縁部に連続するように配置される。また、左右方向X(観察面に平行な方向である観察面平行方向)の外側に至るに従って手前側Y1(プレイヤP側)に至るように変位する。
なお、実施形態において、連続するとは、隙間が存在しない状態で連続する形態に限定されず、後述するようにプレイヤPの手P1をガイドするための機能を有する程度に離間している形態を含む概念である。実施形態では、中央パネル40及び右パネル50Rの左右方向Xの隙間は、例えば5mm以内である。
奥行方向Yにおいて、右パネル50Rの表面の左端部(左右方向Xの内側端部)は、中央パネル40の表面の外側端部に対して手前側Y1に突出しない位置、つまり同等又は奥側Y2に位置する。すなわち、
図3(A)の矢印50aに示すように、右パネル50Rの左端部は、中央パネル40の右端部に対して、窪んだ位置に配置されている。
【0020】
右パネル50Rは、目隠印刷部51(非透過部)、透過部52を有する。
目隠印刷部51は、右パネル50Rのうち印刷された部分である。目隠印刷部51は、遮光性を有する白色等のインク等のベタ印刷(太線51a参照)がされている。
透過部52は、検出部71の検出光Oを透過する範囲である。すなわち、透過部52は、印刷等がされていないか、又は印刷等がされている場合には検出光Oを透過可能なインク等が用いられている。
【0021】
左パネル50L、右パネル50Rは、同様な部材であり、左右方向Xにおいて対称である。左パネル50Lの詳細な説明は、省略する。
【0022】
下パネル50Dは、左右方向Xに細長い板材である。下パネル50Dは、中央パネル40と同様なガラス等によって形成できる。下パネル50Dは、中央パネル40の下辺部に沿って配置されている。
左右方向Xにおいて、下パネル50Dの長さは、中央パネル40の長さよりも、若干量(例えば20mm程度)長い(
図2参照)。奥行方向Yにおいて、下パネル50Dの内側(上側Z2)の範囲と、検出部71Dのホルダ70及び中央パネル40の下縁部とは、重なっている(
図4(B)に示す重複範囲L50D参照)。
下パネル50Dは、例えば、遮光性を有する白色等によるベタ印刷がされている。これにより、下パネル50Dは、検出部71D、表示部10の下縁部の構造が、手前側Y1から視認しにくいように、目隠しすることができる。
上パネル50U、下パネル50Dは、同様な部材であり、上下方向Zにおいて対称である(
図4(A)、
図4(B)参照)。上パネル50Uの詳細な説明は、省略する。
【0023】
図2(B)、
図3、
図4に示すように、ホルダ70は、検出部71を保持する部材である。検出部71が中央パネル40の裏面側(奥側Y2の面)の全周に配置されているので、ホルダ70も、中央パネル40の裏面側の全周に配置されている。
ホルダ70は、検出部71の検出光Oを透過し、可視光を透過しない樹脂材料によって形成されている。これにより、ホルダ70は、検出部71を外部から視認しにくいように保持できる。
【0024】
検出部71は、検出光Oとして赤外線を利用する赤外線センサである。なお、実施形態では、検出部71として赤外線センサを用いるが、他の光学センサを用いてもよい。
検出部71は、検出光Oの発光素子を有する発光検出部と、発光検出部に対向配置され発光検出部が発した検出光Oを検出する受光素子を有する受光検出部とを備えており、これらが1組になっている。受光検出部は、発光検出部が発した検出光Oを受光可能な位置に配置されている。検出部71は、発光検出部が発した検出光Oを受光検出部が受光できない場合に、物体が発光検出部及び受光検出部の間に存在することを検出できる。
手前側Y1から見た状態において、検出部71は、表示部10の表示範囲11よりも外側に配置されている。
奥行方向Yにおいて、検出部71の検出光Oの光軸の位置は、中央パネル40の直近(例えば10mm以内)である。これにより、検出部71は、プレイヤPの手P1が中央パネル40にタッチされた際に、これを検出できる(
図3(A)等参照)。
なお、実施形態では、手とは、主に、手首よりも先の部位をいう。
【0025】
検出部71は、上下方向Z、左右方向Xに複数配列されている。
これにより、検出部71は、上下方向Z、左右方向Xにおいて、中央パネル40上の手P1の位置を検出できる。なお、
図2の例は、隣合う検出部71の間隔は、100mm程度であるが、ゲームの仕様等によって、適宜設定できる。
実施形態では、右側X2の検出部71Rは、発光検出部であり上下方向Zに沿って複数配置され、一方、左側X1の検出部71Lは、受光検出部であり上下方向Zに沿って配置されている。また、下側Z1の検出部71Dは、発光検出部であり左右方向Xに沿って複数配置され、一方、上側Z2の検出部71Uは、受光検出部であり左右方向Xに沿って配置されている。なお、左右方向Xにおける発光側及び受光側の配置は、これとは逆でもよい。上下方向Zにおいても同様である。
右側X2の検出部71Rは、検出光Oの光軸が左右方向Xに平行であり、また、発光方向が左側X1である。
左側X1の検出部71Lは、受光方向が右側X2である。検出部71Lは、検出光Oの光軸上に配置されているので、光軸上に物体が存在しない状態で、検出光Oを受光することができる。
検出部71D,71Uも同様に、検出部71Dが発光した検出光Oを検出部71Uが受光可能に配置されている。
なお、奥行方向Yにおいて、全ての検出部71の位置は、同じである。
【0026】
音出力部80は、ゲームの音楽等を出力するスピーカである。
カメラ81は、上部ケース2bの上側Z2に配置され、撮像方向がゲーム機1の正面に位置するプレイヤPを撮像する。カメラ81は、プレイヤPを撮像することにより、プレイヤPのポーズ(つまりプレイヤが意識して静止した姿勢)を検出する。カメラ81は、例えば、プレイヤPが手を上げたりといった、プレイヤPのポーズを検出することができる。なお、カメラ81は、プレイヤの連続した動作を検出できるようにしてもよい。
【0027】
記憶部85は、ゲーム機1の動作に必要なプログラム、情報等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶装置である。
制御部86は、ゲーム機1の動作に必要な演算処理をしたり、ゲーム機1を統括的に制御するための装置である。制御部86は、例えば、CPU(中央処理装置)等から構成される。制御部86は、記憶部85に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、実施形態の各種機能を実現している。
なお、実施形態において、コンピュータとは、記憶装置、制御装置等を備えた情報処理装置をいい、ゲーム機1は、記憶部85、制御部86を備え、コンピュータの概念に含まれる。
【0028】
(表示部10、各パネル、検出部71の位置関係)
図3(A)に示すように、右側X2の検出部71R側では、奥行方向Yにおいて、検出部71Rが発した検出光Oの光軸(右パネル50Rの透過部52に入射する前の状態)は、目隠印刷部51よりも奥側Y2の範囲であり、透過部52上に位置する。検出光Oは、透過部52を通過する際に、屈折角等の関係で、奥行方向Yにおいて、入射位置よりも手前側Y1の位置から出光する。そして、検出光Oは、中央パネル40の表面よりも手前側Y1を、左右方向Xに平行に、左側X1に向けて進む。
左側X1の検出部71L側では、左パネル50Lの透過部52に入射した光は、屈折角等の関係で、奥行方向Yにおいて、入射位置よりも奥側Y2の位置から出光後、中央パネル40の手前側Y1を左右方向Xに平行に進んで検出部71Lに受光される。
これにより、奥行方向Yにおいて、中央パネル40上を進む検出光Oの光軸は、検出部71Rからの光軸よりも手前側Y1となる。つまり、奥行方向Yにおいて、検出部71Rの検出光Oは、傾斜している右パネル50Rに入光、出光することにより、より手前側Y1の物体を検出することができる。
【0029】
これにより、検出部71L,71Rは、透明なガラス等を屈折等せずに通過する形態に比べると奥側Y2に配置することができ、また、右パネル50R、左パネル50Lは、小さい傾斜角度でも、各検出部71L,71Rと干渉しない。
【0030】
中央パネル40のコーナ部よりも外側部分の構成を説明する。
中央パネル40のコーナ部外側の部分では、右パネル50R、左パネル50Lは、下パネル50D、上パネル50Uに干渉しないように、切り欠きが設けられている。
【0031】
図1(B)、
図3(B)に示すように、下側Z1から見た状態において、右端部に配置された検出部71D(透過面検出部)の検出光O1の光軸は、右パネル50Rの表面よりも手前側Y1に位置する。検出部71Dの検出光O1は、透過部52を透過後、右パネル50Rの表面の直上の範囲を通過する。また、この検出部71Dに対向配置された検出部71Uは、検出光O1を受光できる(
図2(B)参照)。
このため、検出部71D,71Uは、左右方向Xにおいて、表示範囲11よりも広い範囲(ベゼル12の幅に対応する範囲)であって、右パネル50Rの表面の直上の範囲(右パネル50Rの表面の手前側Y1の直近の範囲)に位置する物体を検出できる。
なお、上下方向Zにおいては、検出部71L,71Rが、右パネル50Rの表面上の物体の位置を検出できる。
【0032】
これにより、タッチ検出装置30は、表示部10の表示範囲11よりも広い範囲において、物体を検出できる。このため、ゲーム機1は、例えば、55インチの表示部10に対して、これよりも一回り大きい60インチのタッチ検出装置30を利用し、表示範囲11よりも外側の物体を検出することができる。
なお、このように、タッチ検出装置30が表示範囲11よりも広い範囲を検出する場合には、タッチ検出装置30のゲーム機1への取り付け位置を、検出位置(ZX面の検出座標位置)が表示範囲11に対応するように、設定しておけばよい。
【0033】
(ゲーム機1の動作)
ゲームのプレイ方法を説明しながら、ゲーム機1の動作について説明する。
図5は、第1実施形態の右パネル50R近傍の構成と、プレイヤPの手P1との位置関係を説明する断面図である。
(1)ゲーム種別の受け付け
制御部86は、プレイヤPからの課金を受け付けると、ゲーム種別の選択を受け付ける。
図2(B)に示すように、プレイヤPは、右パネル50Rの表面のうち、希望するゲーム種別の印刷に対応した範囲を、手P1でタッチすればよい。
図2(B)は、ゲーム種別1を選択した例である。
前述したように、検出部71は、右パネル50Rの表面上の物体の位置を検出できるので、右パネル50RにタッチしたプレイヤPの手P1の位置を検出する(
図5(A)等参照)。
制御部86は、検出部71の出力に基づいて、プレイヤPが選択したゲーム種別を判定する。
【0034】
なお、ゲーム機1は、課金を受け付けない状態で中央パネル40がタッチされた場合に、キャラクタCの表情が変化するような機能を有していてもよい。
【0035】
(2)プレイヤPの身長の入力の受け付け
制御部86は、プレイヤPから身長の入力を受け付ける。
入力方法の詳細な説明は、省略するが、制御部86は、例えば、表示部10にプルダウンメニュー等を表示し、プレイヤPからタッチ操作を受け付ければよい。
制御部86は、後述するプレイ時の処理におけるキャラクタCの表示部10での表示位置、及びカメラ81での撮像位置を、入力された身長に対応した位置に設定する。
【0036】
(3)プレイ時の処理
制御部86は、プレイヤPによって選択されたゲーム種別に対応したキャラクタCを表示部10に表示し、また、音楽を音出力部80から出力する。キャラクタCの映像は、動画映像であり、ダンス映像である。
図2(A)に示すように、表示部10は、キャラクタCの手C1と、手C1に重ねて矢印Aとを表示する。キャラクタCの手C1は、矢印Aの方向に移動する。これに応じて、プレイヤPは、中央パネル40の表面に接触させた手P1を、矢印Aに合わせて移動するような動作をすればよい。
また、キャラクタCは、手C1の他にも、体を大きく移動する。
図2(A)の例では、右腕を大きく上にあげている。これに応じて、プレイヤPは、左腕を大きくあげるようなポーズをとればよい。
【0037】
検出部71は、中央パネル40上のプレイヤPの手P1の位置を検出する。
制御部86は、検出部71の出力に基づいて、プレイヤPの手P1の位置及びその動作を判定する。その後、制御部86は、プレイヤPの手P1の位置及びその動作と、キャラクタCの手C1の位置及びその動作との一致度合いに応じた点数を付ける。
【0038】
また、制御部86は、カメラ81の撮像情報に基づいてプレイヤPのポーズを判定する。その後、制御部86は、プレイヤPのポーズと、キャラクタCのポーズとの一致度合いに応じた点数を付ける。
【0039】
制御部86は、楽曲を出力している間、このようなキャラクタCの動作及びプレイヤPの点数付けを繰り返す。
図5(B)に示すように、このように繰り返す映像のなかには、キャラクタCの動作が大きい等のために、キャラクタCの手C1が表示部10の内側から縁部近傍まで移動するものが含まれる。
このような映像が表示されると、プレイヤPは、自分の手P1を、キャラクタCの手C1に合わせて移動するために、中央パネル40の表面上を内側から外側に向けて移動し、右パネル50Rに乗り上げる程まで移動させる場合がある。
前述したように、右パネル50Rの表面は、中央パネル40の表面に連続した斜面になっているので、プレイヤPは、このような場合に、手P1が右パネル50Rの表面にガイドされることにより、手P1を中央パネル40に縁部に引っ掛けることなく、滑らかに移動することができる。これにより、プレイヤPは、自分の手P1を、中央パネル40の外縁部に移動し、続けて中央パネル40よりも右側X2にはみ出る程に移動させる場合に、滑らかに移動できる。
詳細な説明は省略するが、左パネル50Lについても、同様である。
これに対して、下パネル50D、上パネル50Uのように、中央パネル40との間に段差があると、プレイヤPの手P1は、段差に引っ掛かるので、滑らかな動きが阻害されてしまう。
【0040】
(4)プレイ終了後の処理
制御部86は、楽曲の再生が終了すると、プレイ結果として点数の合計点を、表示部10に表示する(図示は省略する)。
【0041】
以上説明したように、本実施形態のゲーム機1は、プレイヤPが中央パネル40からはみ出る程に手P1を動かすような動作をともなう場合でも、プレイヤPの手P1の動きを妨げることがなく、操作性がよい。
【0042】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態では、表示部の各種表示について説明する。
図6は、第2実施形態のポーズタイミングの示唆演出を説明する図である。
すなわち、プレイヤは、ポーズタイミングでキャラクタと同様なポーズをするようにプレイする。
図6は、そのポーズ及びそのタイミングをプレイヤに示す例である。
図6(A)のパターン1では、ポーズタイミングの3秒前から、キャラクタCは、ポーズをして静止する。
図6(B)のパターン2では、ポーズタイミングの3秒前から、キャラクタCの動画に重ねて、ポーズ画像を表示する。なお、ポーズ画像は、時間経過に応じて、徐々に大きくなるようにしてもよい。
図6(C)のパターン3では、ポーズタイミングの3秒前から、キャラクタCの他に、小さなポーズ画像C10を表示する。
パターン1~3のような表示をすることにより、本実施形態のゲーム機は、プレイヤに対して、ポーズ及びそのタイミングを示唆できる。
【0043】
図7、
図8は、第2実施形態の各種ノーツの表示例を示す図である。
図7(A)の例では、ノーツを囲うサークルを表示する。サークルは、徐々に収縮し、ノーツの外形に重なる。このタイミングがベストタイミングであり、プレイヤは、このタイミングでノーツにタッチすることで、高得点を取得できる。
ノーツにタッチされなかった場合には、サークルは、ミスになるタイミングまで収縮する。
【0044】
図7(B)は、スラッシュノーツの表示例である。
図7(B)の例は、
図7(A)のノーツ内部に、スラッシュ方向を示す矢印を表示する。プレイヤは、
図7(A)と同様なタイミングでノーツにタッチし、タッチした状態で、スラッシュ方向に手を移動すればよい。
【0045】
図8(A)は、トレースノーツの表示例である。
図8(A)は、
図7(A)と同様なノーツから延びるトレース画像を表示する。プレイヤは、
図7(A)と同様なタイミングでノーツにタッチし、タッチした状態で、ノーツの移動に合わせて手を移動すればよい。
図8(B)は、ホールドノーツの表示例である。
図8(B)に示すように、プレイヤは、
図7(A)と同様なタイミングでノーツにタッチ後、ゲージが全て塗り潰されるタイミングで、手を離せばよい。
【0046】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、前述した実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾(下2桁)に同一の符号を適宜付して、重複する説明を適宜省略する。
また、本実施形態と、前述した実施形態とは、一部重複した構成を備える。
本実施形態では、主に、各種制御、処理に関して説明する。
【0047】
図9は、第3実施形態のゲーム機301を手前側Y1から見た図、右側X2から見た模式図である。
ゲーム機301は、カーテン305、マット306、カードリーダ307を備える。
カーテン305は、ゲーム機301の左右にそれぞれ設けられている。カーテン305は、ゲーム機301の上部ケース2bに設けられたレール305aに吊るされている。レール305aは、上部ケース2bの上部の左右端部から手前側Y1に延びるように設けられている。このため、カーテン305は、レール305aに沿って開閉することができる。
図9は、カーテン305が閉状態である態様を示す。カーテン305が開状態である態様の図示は省略する。
左右のカーテン305が閉位置に配置された状態では、左右のカーテン305は、ゲーム機301の手前側Y1でプレイヤPがプレイする領域(実施形態ではプレイ領域ともいう)のうち上側Z2の部分を、左右外側から覆うように配置されている。プレイヤPは、プレイ中の上半身を周囲から見られたくない場合には、プレイを開始する前に、左右のカーテン305を閉状態に配置すればよい。また、隣合う2台のゲーム機301を利用して2人にプレイヤが同時にプレイするマルチプレイでは、カーテン305を開状態にすることで、隣りのプレイヤの状況を確認できる。
【0048】
なお、ゲーム機301は、カーテン305の開閉を検出する検出部(光学センサ、リミットスイッチ等)を備え、制御部386は、検出部のカーテン305の出力に応じて、キャラクタの演出等を変えてもよい。この場合には、制御部386は、カーテン305が閉状態のときには、キャラクタの演出を親密度が高くなるように制御したり、プレイ時にプレイヤPの手P1がカーテン305に接触しないように、タッチ操作の動作が小さくなるようなノーツの制御をしてもよい。一方、制御部386は、カーテン305が開状態のときには、プレイ時のプレイヤの動作がより大きくなるようなノーツの制御をしてもよい。
【0049】
マット306は、ゲーム機301の手前側Y1の床面に配置されている。マット306は、プレイ領域に位置するプレイヤPに対応する位置に配置されている。なお、プレイ中には、プレイヤPは、プレイ領域内において移動を要する場合がある。マット306の外形は、プレイヤPの移動範囲よりも若干大きい程度である。このため、プレイ開始前等には、マット306上に立つことにより、適切なプレイ位置に立つことができる。
【0050】
カードリーダ307は、各プレイヤPに対して発行されるゲームカード307aの情報を読み取る装置である。
図示等は省略するが、ゲームカード307aは、プレイヤPを識別するプレイヤ識別情報を記憶するICチップを備える。また、ゲーム機301の制御部386は、通信ネットワークを介して、プレイヤPのプレイ情報(プレイヤ名、プレイ履歴、プレイ技量等のステータス等)を管理するサーバとの間で通信可能である。サーバは、各プレイヤPのプレイ情報と、各プレイヤ識別情報とを対応付けて記憶している。
このため、ゲーム機301の制御部386は、カードリーダ307を介してゲームカード307aのICチップからプレイヤ識別情報を読み取り、このプレイヤ識別情報に基づいて、各プレイヤPのプレイ情報をサーバから取得することができる。
【0051】
なお、ゲームカード307aのICチップは、プレイヤ情報を記憶可能なものでもよい。この場合には、ゲーム機301は、ゲームカード307aとの間で通信しても、サーバとの間で逐次通信する必要なく、例えば、ゲームカード307aとの通信情報を記憶部385に記憶しておき、1日に1回程度、サーバと通信するようにしてもよい。
また、ゲーム機301は、プリペイドタイプ等の電子マネー機能付きのICカードとの間で通信可能なリーダライタ等を、課金部として備えていてもよい。
【0052】
(プレイ前処理)
プレイ料金の課金後からプレイが開始するまでの処理であるプレイ前処理の流れを説明する。
図10は、第3実施形態のプレイヤPからコイン等による課金後から、音楽ゲームが開始されるまでの処理であるプレイ前処理における表示部310の画面の遷移を説明する図である。
ゲーム機301の制御部386は、プレイ前処理として、以下のキャラクタ選択処理から待機処理を行う。なお、プレイ前処理の流れは、適宜、順番を変更してもよい。
【0053】
図示等は、省略するが、プレイヤPは、プレイをする際には、コイン投入口3にコインを投入等にすることによってプレイ料金を支払い、ゲームカード307aを所持している場合にはこれをリーダライタにかざす。
ゲーム機301の制御部386は、
図10に関するプレイ前処理の前処理として、コイン投入等によってプレイヤPから課金を受け付けた後、リーダライタを介してゲームカード307aのプレイヤ識別情報を読み取る。ゲーム機301の制御部386は、プレイヤ識別情報を取得した場合には、このプレイヤ識別情報をサーバに送信することにより、プレイヤ情報をサーバから取得する。なお、制御部386は、プレイヤPがゲームカード307aを所有していない等の理由で、プレイヤ識別情報を取得できない場合には、プレイヤ識別情報に関するこれらの処理をすることなく、次の処理を行う。
【0054】
(1)キャラクタ選択処理
図10(A)に示すように、制御部386は、キャラクタ選択処理では、キャラクタ選択画面311を表示部310に表示する。
キャラクタ選択画面311は、プレイヤレベル表示部311a、残時間表示部311b、キャラクタ選択ボタン311c、選択キャラクタ表示部311dを表示する。
プレイヤレベル表示部311aは、サーバから取得したプレイヤ情報に基づいて、プレイヤPのレベル(技量)を表示する。プレイヤレベル表示部311aは、プレイが終了するまで、表示部310に表示される。
【0055】
残時間表示部311bは、プレイ前処理の残時間を表示する。実施形態では、プレイ前処理の時間、つまり、プレイヤPがプレイを開始する前に各種設定をするために付与された時間が、30秒に設定されている。残時間表示部311bは、この残り時間を表示する。残時間表示部311bは、プレイが開始するまで、表示部310に表示される。
キャラクタ選択ボタン311cは、複数のキャラクタのなかから、プレイ時に利用するキャラクタの選択を、プレイヤPから受け付けるためのボタンである。実施形態では、3つのキャラクタC001~C003が用意されており、このなかから1つの選択を受け付けるようになっている。このため、キャラクタ選択画面311は、3つのキャラクタC001~C003に対応した3つのキャラクタ選択ボタン311cを表示する。
【0056】
なお、3つのキャラクタC001~C003は、顔、服等の容姿が異なるが(キャラクタC002,C003の図示は省略する)、骨格等のデータを共通にしてもよい。この場合には、制御部386は、キャラクタ間で動きの制御を共通にし、洋服、容姿等のみを変更すればよい。
【0057】
選択キャラクタ表示部311dは、キャラクタ選択ボタン311cによって選択されたキャラクタの映像を表示する。プレイヤPは、キャラクタ選択ボタン311cを選択操作することにより、選択しているキャラクタの容姿等を確認することができる。
図10(A)は、キャラクタC001を選択するキャラクタ選択ボタン311cが選択操作されることにより、キャラクタC001の容姿が選択キャラクタ表示部311dに表示された例である。
【0058】
プレイヤPは、選択したキャラクタを決定したい場合には、キャラクタ選択ボタン311cを操作後に、決定ボタンを表示すればよい。制御部386は、プレイ前処理の残時間の間、決定されたキャラクタを表示部310に表示し、また、プレイ前処理後の音楽プレイでは、決定されたキャラクタを利用する。
以下、キャラクタC001が選択された例を説明する。
【0059】
(2)身長入力処理
図10(B)に示すように、制御部386は、身長入力処理では、身長入力画面312を表示部310に表示する。
身長入力画面312は、プレイヤPが自分の身長を入力可能なプルダウン表示312aを表示する。プレイヤPは、身長を入力後、決定ボタンを選択することにより、身長を決定することができる。制御部386は、決定された身長に基づいて、プレイ時におけるポーズ判定等の処理を行う。
【0060】
(3)表示高さ設定処理
図10(C)に示すように、制御部386は、表示高さ設定処理では、表示高さ入力画面313を表示部310に表示する。
表示高さ入力画面313は、鉛直方向Zに細長いスライダ313aを表示する。プレイヤPは、スライダ313aを操作することによりキャラクタC001及びノーツの鉛直方向Zの表示位置を調整できる。つまり、制御部386は、スライダ313aを上げる操作を受け付けた場合には、背の高いプレイヤP1がプレイしやすいように、キャラクタC001及びノーツの表示位置を上側Z2寄りに移動する。一方、制御部386は、スライダ313aを下げる操作を受け付けた場合には、背の低いプレイヤP1がプレイしやすいように、キャラクタC001及びノーツの表示位置を下側Z1寄りに移動する。プレイヤは、スライダ313aを操作後、決定ボタンを選択することにより、この表示位置を決定することができる。
制御部386は、プレイ時には、決定された鉛直方向Zの表示位置に、キャラクタC001を表示する。このため、制御部386は、各種ノーツも、この表示位置に基づいて表示する。そのため、プレイヤPは、後のプレイ時において操作しやすい位置に、予め表示高さ入力画面313においてキャラクタC001の位置を調整することができる。
【0061】
なお、身長入力処理、表示高さ設定処理の態様は、適宜変更することができる。
例えば、表示高さ設定処理における表示高さ入力画面313のスライダ313aの入力操作を、身長入力処理におけるプレイヤPの身長の設定の処理に利用してもよい。
【0062】
(4)楽曲選択処理
図10(D)に示すように、制御部386は、楽曲選択処理では、楽曲選択画面314を表示部310に表示する。
楽曲選択画面314は、楽曲選択ボタン314aを表示する。
楽曲選択ボタン314aは、複数の楽曲のなかから、プレイ時に利用する楽曲の選択を、プレイヤPから受け付けるためのボタンである。実施形態では、3つの楽曲M1~M3が用意されており、このなかから1つの選択を受け付けるようになっている。このため、楽曲選択画面314は、3つの楽曲M1~M3に対応した3つの楽曲選択ボタン314aを表示する。
プレイヤPは、選択した楽曲を決定したい場合には、楽曲選択ボタン314aを操作後に、決定ボタンを操作すればよい。
【0063】
(5)難易度選択処理
図10(E)に示すように、制御部386は、難易度選択処理では、難易度選択画面315を表示部310に表示する。
難易度選択画面315は、難易度選択ボタン315aを表示する。
難易度選択ボタン315aは、易、中、難の3つの難易度のなかから、プレイ時に適用する難易度の選択を、プレイヤPから受け付けるための3つボタンである。プレイヤPは、選択した難易度を決定したい場合には、難易度選択ボタン315aを操作後に、決定ボタンを操作すればよい。
【0064】
(6)プレイ開始待機処理
図10(F)に示すように、制御部386は、プレイ開始待機処理では、待機画面316を表示部310に表示する。
プレイ開始待機処理は、難易度設定処理後からプレイ開始されるまでの時間、つまり残時間が終了するまでの時間において、待機画面316を表示する。待機画面316は、キャラクタ選択処理で決定されたキャラクタC001の映像を表示する。待機画面316のキャラクタC001の映像は、プレイ時のキャラクタC001の映像とは異なる動作、仕草等を行うように設定されている。このため、プレイヤPは、待機画面316において、プレイ時とは異なるキャラクタC001の映像を楽しむことができる。
待機画面316におけるキャラクタC001~C003の演出は、キャラクタ毎に異なっていてもよい。これにより、ゲーム機301は、キャラクタC001~C003の性格等を、プレイヤに印象付けることができる。
【0065】
プレイヤPは、残時間の終了を待たずに、プレイを開始したい場合には、スキップボタン316aを操作すればよい。
制御部386は、スキップボタン316aが操作されることにより、残時間の終了を待たずにプレイ時の処理に移行する。
【0066】
(プレイ時の処理)
制御部386は、プレイ前処理の残時間が終了したこと、又はスキップボタン316a(
図10(F)参照)が操作されることに応じて、プレイ時の処理を開始する。プレイ時の処理では、プレイ前処理において決定等された各種条件に基づいて、音楽プレイの処理を実行する。
音楽プレイでは、プレイ前処理において決定された楽曲の音をスピーカ380u,380dに出力しながら、プレイ前処理において決定されたキャラクタC001がこの楽曲に合わせてダンスをする映像を表示部310に表示する。
【0067】
プレイヤPは、表示部310に表示される指示に応じて、ポーズをとったり、表示部310をタッチ操作する。
ポーズに関する詳細な説明は省略するが、上記実施形態で説明したように、制御部386は、ポーズタイミングの示唆画像(
図6参照)を表示部310に表示後、ポーズをしたプレイヤPの撮像情報をカメラ81から取得する。そして、制御部386は、この撮像情報に基づいて、プレイヤPのプレイを評価する。
【0068】
(タッチ操作判定処理)
図11は、第3実施形態のヒットノーツ処理時のプレイ画面の遷移を説明する図である。
図12は、第3実施形態のスラッシュノーツ処理時のプレイ画面の遷移を説明する図である。
図13は、第3実施形態のトレースノーツ処理時のプレイ画面の遷移を説明する図である。
図14は、第3実施形態のトレースノーツの他の形態を説明する図である。
図15は、第3実施形態のホールドノーツ処理時のプレイ画面の遷移を説明する図である。
なお、
図11~
図15では、
図11(A)は、表示部310のプレイ画面全体を図示し、他の図は、プレイのうちノーツを含む一部の範囲を図示し、プレイ画面全体の図示を省略した。
なお、実施形態では、ノーツの用語は、楽曲の進行に応じて、プレイヤPに対して、操作タイミング、タッチ位置、タッチ操作後の操作等を指示するために、表示画面に表示されるマーク、シンボル等の表示の意味で用いる。
【0069】
制御部386は、実施形態の音楽プレイでは、タッチ操作判定処理として、ヒットノーツ処理、スラッシュノーツ処理、トレースノーツ処理、ホールドノーツ処理を行う。
制御部386は、1度の音楽プレイにおいて、楽曲のメロディに応じて各処理を、複数回行う。制御部386は、各処理においてそれぞれ操作結果を評価する。
難易度に応じて、各処理の回数が異なっていたり、また、各処理の操作の難易度が異なる。難易度の仕様は、各処理において異なり、例えば、ヒットノーツ処理であれば、難易度に応じて内ノーツ321aが表示されてからタッチ操作するまでの時間が異なっていたり、トレースノーツ処理であれば、難易度に応じてガイドノーツ323cの移動速度が異なっていたりする。
【0070】
各タッチ操作判定処理の詳細を説明する。
図11から
図13、
図15に示すように、制御部386は、各処理において、プレイヤPにタッチ操作を指示するために、内ノーツ321a,322a,323a,324a(タッチ位置表示)と、内ノーツに対応した形状であり、内ノーツよりも外形が大きい外ノーツ321b,322b,323b,324bとを、プレイ画面に表示する。
【0071】
(1)ヒットノーツ処理
図11に示すように、ヒットノーツ321は、プレイヤPに対して、表示部310の表面の指定位置を短時間(例えば1秒以内)、タッチするように指示するノーツである。
図11(A)に示すように、内ノーツ321aは、円形である。内ノーツ321aの表示位置は、プレイヤPのタッチ位置であり、つまり、タッチ位置を指示するものである。
外ノーツ321bは、内ノーツ321aと同心円の円形である。外ノーツ321bは、内ノーツ321aを囲うように表示される。外ノーツ321b、内ノーツ321aは、同時に表示されてもよく、外ノーツ321bが内ノーツ321aよりも少し遅いタイミング(例えば0.5秒以内の遅延)で表示されてもよい。
図11(A)から
図11(C)に示すように、内ノーツ321aの外形は、時間の経過に応じて変化することなく、一定である。一方、外ノーツ321bの外形は、内ノーツ321aの外形に一致するように、時間の経過に応じて徐々に小さくなる。
この外ノーツ321bの外形と、内ノーツ321aの外形とが一致するタイミングは、プレイヤPが内ノーツ321aの表示位置にタッチするタイミングである。これにより、外ノーツ321bは、プレイヤPに対して、適正なタッチタイミング(実施形態では適正タイミングともいう)を指示する。
【0072】
図11(C)に示すように、プレイヤPは、この適正タイミングで、表示部310の表面のうち内ノーツ321aが表示されている部分(実施形態では単に内ノーツ321aともいう)にタッチすればよい。また、制御部386は、適正タイミング時に、キャラクタC001の手C1が内ノーツ321aにタッチするような映像を表示する。このため、プレイヤPは、適正タイミングで、内ノーツ321aにタッチすることにより、自分の手P1とキャラクタC001の手C1とが合わさるような感覚を味わうことができる。
ヒットノーツ処理時のプレイ態様は、継続してタッチ操作するものではないので、プレイヤPは、内ノーツ321aにタッチ後、直ぐに画面から手P1を離してもよい。
【0073】
制御部386は、適正タイミングと、プレイヤPが内ノーツ321aにタッチしたタイミングとのズレが小さい程、高評価の判定をする。
図11(D)に示すように、制御部386は、内ノーツ321aを消去後に判定結果321rをプレイ画面に表示し、また、図示は省略するが判定結果に応じてスコアを加点する。
【0074】
なお、制御部386は、プレイヤPが表示部310にタッチしている部分を、周囲よりも明るく表示することにより、現時点でのタッチ位置をプレイヤPに対して明確に知らせるようにしてもよい。また、制御部386は、適正タイミング時に内ノーツ321aの内部、外形線等の輝度を増やすことにより、適正タイミングに到達したことをプレイヤPに対して明確に知らせるようにしてもよい。これらの変形処理は、後述する他のノーツ処理においても、同様である。
【0075】
(2)スラッシュノーツ処理
図12に示すように、スラッシュノーツ322は、プレイヤPに対して、表示部310の表面の指定位置から、指示方向に向けて払うように、タッチするように指示するノーツであり、フリックノーツ等とも称される。プレイヤPが手P1を払うような操作であるため、プレイヤPが表示部310にタッチする時間は、短時間(例えば1秒未満)である。
【0076】
図12(A)に示すように、内ノーツ322aの形状は、ほぼ長方形状である。内ノーツ322aの長手方向の一端側は、払い方向側の先端側であり、払い方向側に尖った角部になっている。内ノーツ322aの先端部の内側には、払い方向側(指示方向)に頂点を有するマークが表示されている。内ノーツ322aは、払い方向側に至るほど、幅が徐々に大きくなる。内ノーツ322aの後端側は、半円状に形成された半円部322cになっている。
これにより、内ノーツ322aは、プレイヤPに対して、手P1を、後端側の半円部322cにタッチ後、先端側に向けて払うように、わかりやすく指示することができる。
【0077】
外ノーツ322bは、内ノーツ322aと同様な形状であるが、内ノーツ322aよりも大きい。そして、スラッシュノーツ処理の外ノーツ322bは、タッチノーツ処理と同様に、内ノーツ322aの外形に一致するように、時間の経過に応じて徐々に小さくなる。そして、外ノーツ322bの外形と、内ノーツ322aの外形とが一致するタイミングは、プレイヤPが内ノーツ322aの半円部322cにタッチするタイミングである。
これにより、外ノーツ322bは、プレイヤPに対して、適正タイミングを指示する。
【0078】
図12(C)に示すように、プレイヤPは、この適正タイミングで、内ノーツ322aの半円部322cにタッチ後、内ノーツ322aが示す払い方向に沿って、手P1を表示部310の表面を滑らせるように払えばよい。なお、上記実施形態で説明したように、タッチ検出装置30は、表示部310の手前側Y1において、検出光を遮る物体を検出するので、制御部386は、プレイヤPの払い操作時において、プレイヤPの手P1が少し表示部310の表面から浮いてしまう状態であっても、プレイヤPの手P1が払い方向に向かって移動しているか否かを正確に判定することができる。
【0079】
図12(D)から
図12(E)に示すように、また、制御部386は、適正タイミング時に、キャラクタC001の手C1が内ノーツ322aの半円部322cにタッチするような映像を表示後、内ノーツ322aの指示方向に払うような映像を表示する。
このため、プレイヤPは、適正タイミングで、内ノーツ322aの半円部322cにタッチ後、内ノーツ322aの払い指示方向に手P1を払うように操作することにより、キャラクタC001と同調して、一緒に払い操作しているような感覚を味わうことができる。
【0080】
制御部386は、適正タイミングと、プレイヤPが内ノーツ322aの半円部322cにタッチしたタイミングとのズレが小さい程、高評価の判定をし、また、内ノーツ322aによって指示された払い方向と、プレイヤPの手P1の払い方向とのズレが小さい程、高評価の判定をする。
図12(E)に示すように、制御部386は、内ノーツ322aを消去後に判定結果322rをプレイ画面に表示し、また、判定結果に応じてスコアを加点する。
【0081】
(3)トレースノーツ処理
図13に示すように、トレースノーツ323は、プレイヤPに対して、表示部310の表面の指定位置から、なぞりライン323d(指定ライン)をなぞるように、タッチするように指示するノーツである。プレイヤPが手P1をなぞりライン323dに沿ってなぞるような操作であるため、プレイヤPが表示部310にタッチする時間は、長時間(例えば0.5秒以上)である。
【0082】
図13(A)に示すように、トレースノーツ処理開始時の内ノーツ323a、外ノーツ323bの形状と、ヒットノーツ処理開始時の内ノーツ321a、外ノーツ321bの形状等とは、同様であり、つまり、プレイ画面は、円形の内ノーツ323aと、内ノーツ323aよりも大きく、内ノーツ323aを囲う外ノーツ323bとを表示する。
但し、内ノーツ323aの内部には、タッチ直後の最初のなぞり方向に頂点を有するマークが表示されている。
これにより、内ノーツ323aは、プレイヤPに対して、手P1を、内ノーツ323aにタッチ直後のなぞり方向を、わかりやすく指示することができる。
【0083】
図13(B)、
図13(C)に示すように、トレースノーツ323の外ノーツ323bは、ヒットノーツ321の外ノーツ321bと同様に、その外形が内ノーツ323aの外形に一致するように徐々に小さくなる。これにより、外ノーツ323bは、プレイヤPに対して、内ノーツ323aへの適正タイミングを指示する。
また、制御部386は、外ノーツ323bが徐々に小さくなるように表示することと同時に、太線状のなぞりライン323dを内ノーツ323aから徐々に伸びるように表示する。これにより、プレイヤPは、内ノーツ323aへの適正タイミングを計りながら、タッチ直後のなぞり方向を確認することができる。
【0084】
図13(C)に示すように、適正タイミングでは、ヒットノーツ処理と同様に、キャラクタC001の手C1が内ノーツ323aにタッチするような映像をプレイ画面に表示する。
プレイヤPは、適正タイミングで内ノーツ323aにタッチ後に、タッチした手P1をなぞりライン323dに沿って移動させればよい。
この場合、制御部386は、プレイヤPのなぞり操作をガイドするために、なぞりライン323dを適正な移動速度で移動するガイドノーツ323cを表示する。ガイドノーツ323cは、内ノーツ323aと同様な形状のノーツである。また、制御部386は、キャラクタC001の手C1が、ガイドノーツ323cにタッチしながら、なぞりライン323dに沿って適正な移動速度で移動する映像をプレイ画面に表示する。このため、ガイドノーツ323cに加えて、キャラクタC001の手C1は、プレイヤPの手P1の移動をガイドすることができる。プレイヤPは、キャラクタC001の手C1に合わせて、自分の手P1を移動させればよい。
このため、プレイヤPは、ガイドノーツ323cの移動に合わせてなぞりライン323dに沿って、トレース操作することにより、自分の手P1とキャラクタC001の手C1とが合わさりながら移動するような感覚を味わうことができる。
【0085】
図13(D)に示すように、制御部386は、プレイヤPのトレース操作に応じて、なぞりライン323dのうちトレース済みの部分(つまり、なぞりライン323dのうちガイドノーツ323cが移動済みの部分)を消去する。これにより、プレイヤPのトレース操作時は、なぞりライン323dのうち、残りの部分のみが、プレイ画面に表示される。
図13(E)に示すように、制御部386は、ガイドノーツ323cがなぞりライン323dの終端に到達することにより、なぞりライン323dの全てを、プレイ画面から消去する。
【0086】
制御部386は、プレイヤPのトレース操作時の手P1の移動と、ガイドノーツ323cの移動とのズレが小さい程、高評価の判定をする。
図13(E)に示すように、制御部386は、なぞりライン323dを消去後に判定結果323eをプレイ画面に表示し、また、判定結果に応じてスコアを加点する。
【0087】
なお、
図14(A)に示すように、ゲーム機301は、2つのなぞりライン323d等を表示部310に表示することにより、プレイヤPが両手で同時にトレース操作するようにしてもよい。この場合、制御部386は、2つのなぞりライン323dに関する操作判定を、個別に行ってもよい。
また、
図14(B)に示すように、ゲーム機301は、なぞりライン323dの形状を複雑にしたり、ガイドノーツ323cの移動速度を変化するようにしてもよい。
図14(B)は、ガイドノーツ323cがZ字状のなぞりライン323d上を移動する移動速度が、「第1画目→第2画目→第3画目」の順に、「速い→遅い→速い」と変化する例を示す。この場合、プレイヤPは、表示画面のキャラクタCの手C1の動きにスピードやタイミングを合わせることになる。また、制御部386は、なぞりライン323dを、高速、中速、低速に応じて、異なった態様(色、形状等)で表示する。
【0088】
(4)ホールドノーツ処理
図15に示すように、ホールドノーツ324は、プレイヤPに対して、表示部310の表面の指定位置にタッチ後、指示時間(例えば0.5秒以上)の間、タッチした状態を維持するように、指示するノーツである。
実施形態では、タッチした状態を維持することを、ホールドともいい、また、ホールドする時間をホールド時間ともいう。
【0089】
図15(A)から
図15(C)に示すように、制御部386は、ホールドノーツ処理では、ヒットノーツ321と同様な内ノーツ324a、外ノーツ324bを表示し、また、プレイヤPに対して、外ノーツ324bの外形が内ノーツ324aに一致するタイミングで、適正タイミングを指示する。
但し、ホールドノーツ324の内ノーツ324aの外形は、太線であり、円環状の円環部324cになっている。このため、プレイヤPは、内ノーツ321a,324aの外形を確認することにより、ホールドノーツ324の内ノーツ324aであるか、ヒットノーツ321の内ノーツ321aであるかを区別することができる。
【0090】
図15(C)に示すように、適正タイミングに到達することに応じて、円環部324cの塗り潰し部の一部が減る。そして、塗り潰し部の残存部が、ホールド時間を示している。
図15(D)に示すように、適正タイミングに到達後、残存部は、時間経過とともに減少していき、
図15(E)に示すように、ホールド時間がゼロになると、円環部324cの塗り潰し部がなくなる。このように、円環部324cは、ホールド時間の残存時間が時間経過にともない徐々に減少する状態を、円形ゲージで示すことができる。
【0091】
図15(C)に示すように、制御部386は、ホールドノーツ324も、ヒットノーツ321と同様に、適正タイミング時に、キャラクタC001の手C1が内ノーツ324aにタッチするような映像を表示する。
また、
図15(D)、
図15(E)に示すように、制御部386は、円環部324cの塗り潰し部がなくなるまで、キャラクタC001の手C1が内ノーツ324aにタッチするような映像を表示する。このため、プレイヤPは、ホールド時間がなくなるまで、内ノーツ324aにタッチすることにより、ホールド時間がなくなるまで、キャラクタC001の手C1と合わせているような感覚を味わうことができる。
【0092】
制御部386は、ホールド時間と、プレイヤPが内ノーツ324aにタッチしていた時間とのズレが小さい程、高評価の判定をする。
図15(F)に示すように、制御部386は、ホールドノーツ324を消去後に判定結果324rをプレイ画面に表示し、また、図示は省略するが判定結果に応じてスコアを加点する。
【0093】
なお、ホールド時間を知らせる形態は、適宜変更でき、例えば、第2実施形態のように(
図8(B)参照)、適正タイミングが到達したことに応じて、内ノーツ324aよりも大きなゲージを表示してもよい。この場合には、内ノーツ324aにタッチしているプレイヤPの手P1が、ゲージを覆う面積を小さくできるので、ゲージの視認性を向上できる。
【0094】
このように、本実施形態のゲーム機301は、適正タイミング等を、内ノーツ、外ノーツでプレイヤPに指示することに加えて、キャラクタC001の手C1によって指示することができる。これによりゲーム機301は、プレイヤPに対して、キャラクタC001と一緒にダンスしているような感覚、キャラクタC001にサポートをして貰っているような感覚等を与えることができるので、プレイ意欲を向上できる。
【0095】
(音出力処理)
図16は、第3実施形態の上側Z2のスピーカ380uの周波数特性と、下側Z1のスピーカ380dの周波数特性とを説明するグラフである。
図9(B)に示すように、上側Z2のスピーカ380u及びプレイヤPの頭部間の距離L380uは、下側Z1のスピーカ380d及びプレイヤPの頭部間の距離L380dよりも、短い。
このため、楽曲の音を出力する際に、上側Z2のスピーカ380uの出力タイミングと、下側Z1のスピーカ380dの出力タイミングとを同じにした態様は、下側Z1のスピーカ380dが出力した音は、上側Z2のスピーカ380uが出力した音よりも、遅延してプレイヤPが聞くことになる。このため、この態様は、プレイヤPに対して、違和感を与える。
【0096】
そこで、制御部386は、上側Z2のスピーカ380uの出力タイミングを、下側Z1のスピーカ380dの出力タイミングよりも、上記距離L380d,L380uの差分だけ、遅延させる。これにより、上下のスピーカ380u,380dが同時期に出力した音は、プレイヤPの耳に同時に到達することになり、プレイヤPに違和感を与えることを抑制できる。
この場合、制御部386は、上側Z2のスピーカ380uの出力の遅延時間を、プレイ前処理で設定したプレイヤPの身長に応じて、調整してもよい。つまり、プレイヤPの身長が高い程、上記距離L380d,L380uの差分が大きくなる。このため、制御部386は、プレイヤPの身長が高い程、上側Z2のスピーカ380uの出力の遅延時間を、大きくすることにより、プレイヤPの身長に関わらず、上下のスピーカ380u,380dの音を、プレイヤPの耳に同時に到達させることができる。
【0097】
また、上下のスピーカ380u,380dの周波数特性が同じであると、上下のスピーカ380u,380dから出力される音は、干渉しやすい。この場合にも、プレイヤPに対して、違和感を与える。
そこで、制御部386は、楽曲の音を出力する際に、上側Z2のスピーカ380uの周波数特性と、下側Z1のスピーカ380dの周波数特性とを、異なるように加工している。
図16は、上下のスピーカ380u,380dの周波数特性の相違を分かりやすくするために、制御部386が、音源の情報を再生する際に、音を極端に加工した例である。音の加工態様は、
図16の例に限定されず、上下のスピーカ380u,380dの音が干渉しにくい程度であればよい。
【0098】
このように、ゲーム機301は、違和感のない自然な音を、プレイヤPに聞かせることができる。
なお、音に関連して、制御部386は、再生音の音量(音圧)等に応じて、ゲーム機301のランプ等のイルミネーションの制御をしてもよい。
【0099】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、後述する変形形態等のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態の構成は、それらの一部のみ用いること、又は適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0100】
(変形形態)
(1)実施形態において、中央パネルに連続して傾斜するパネルは、右パネル、左パネルのみである例を示したが、これに限定されない。例えば、中央パネルの下側、上側にも中央パネルに連続して傾斜するパネルを設けてもよい。
【0101】
(2)実施形態において、表示部及びタッチ検出装置を備える入力装置(タッチパネル)は、ゲーム機と一体である例を示したが、これに限定されない。入力装置は、ゲーム機本体から独立していてもよい。この場合には、入力装置は、家庭用ゲーム機等の入力装置として利用できる。
【0102】
(3)実施形態において、タッチ検出装置は、プレイヤの手の位置を検出する装置である例を示したが、これに限定されない。タッチ検出装置は、プレイヤの身体の一部の位置を検出できればよく、例えば、臀部、腰等の位置を検出するものでもよい。
【0103】
(4)実施形態において、ゲーム機は、プレイヤのタッチ操作、プレイヤの撮像情報に基づいて、プレイヤの動作、ポーズを判定する例を示したが、これに限定されない。ゲーム機は、これらの判定に加えて、例えば床面に圧力センサ等を設けて、プレイヤの床面上の位置を検出することにより、プレイヤの動作等を判定してもよい。
【0104】
(5)実施形態において、中央パネルは、静止した板材である例を示したが、これに限定されない。中央パネルは、振動ユニットを備えていてもよい。この場合には、キャラクタの動作に応じて中央パネルを振動させることにより、プレイヤの手とキャラクタの手とが実際に接触したような演出をすることができる。
【0105】
(6)実施形態において、印刷部31a、右パネル50R、及び右パネル50Rにタッチされた手を検出する検出部71は、ゲーム種別の選択操作に利用される例を示したが、これに限定されない。これらの装置は、他の入力操作(例えば、表示映像を変化させるための操作、表示画像を記憶するための操作(スクリーンショット)等)に利用されてもよい。
【0106】
(7)実施形態において、右パネル、左パネルは、平板状であり、また、これらの表面は、フラットである例を示したが、これに限定されない。右パネル、左パネルは、湾曲形状であってもよい。この場合には、湾曲形状を検出光が中央パネルの表面に平行になるような光学的機能を有する形状にしたり、検出部の発光方向、受光方向を調整することにより、中央パネル上の物体を検出できる。
【0107】
(8)実施形態において、タッチ検出装置は、中央パネル上に加えて、右パネル、左パネル上の物体を検出可能である例を示したが、これに限定されない。タッチ検出装置は、中央パネル上の物体のみを検出する形態でもよい。この場合には、タッチ検出装置の左右両端付近の検出部を使用せずに、表示部の表示範囲を検出可能な検出部のみを使用すればよい。また、表示部の表示範囲と、タッチ検出装置の検出範囲とが一致するように、タッチ検出装置の検出範囲の調整(原点調整等)をすればよい。
【0108】
(9)実施形態において、制御部は、同一種別のキャラクタを、どのプレイヤであっても同様に表示制御する例を示したが、これに限定されない。制御部は、各プレイヤのプレイ履歴に応じて、キャラクタの表示を変更してもよい。例えば、プレイヤの特定のキャラクタを選択頻度に応じて、キャラクタの表情を変えたり、キャラクタに帽子等のアイテムを装着してもよい。
【0109】
(10)制御部は、初期設定画面等で、タッチ検出装置の入力を、シングルタッチ、マルチタッチ間で切り替える可能にしてもよい。シングルタッチでは、5本指でタッチした場合、最初にタッチした指の判定を行う。マルチタッチは、5本指でタッチした場合、全ての指の判定を行う。また、制御部は、タッチ検出装置の出力基づいて、プレイヤの指の向き等を判定してもよい。
【0110】
(11)ゲーム機は、プレイ画面の映像を一時的に止めて表示部に表示するポーズ機能を備えていてもよい。この場合には、プレイヤは、キャラクタの動きが早くても、映像を一時的に止めることにより、詳細を確認することができる。また、ポーズ中において、バックグラウンドでプレイを進行させてもよい。
(12)制御部は、カメラの撮像情報に基づいてプレイヤの頭部の位置を判定し、キャラクタの目線がプレイヤの頭部に向くような画像を、表示部に表示してもよい。
【0111】
(13)制御部は、同一種類のノーツ処理が同時に処理する場合、複数種類のノーツ処理が同時に処理する場合等において、複数処理のノーツが重なって表示部に表示されるときは、上側に重なるノーツのノーツ処理を優先するようにしてもよい。
(14)実施形態において、タッチパネルは、光学式のタッチ検出装置を備える例を示したが、これに限定されない。タッチパネルは、例えば、静電容量型、抵抗膜型等のタッチ検出装置を備えていてもよい。
【符号の説明】
【0112】
1…ゲーム機 10…表示部 30…タッチ検出装置 31…枠部 31a…印刷部 40…中央パネル 50D…下パネル 50L…左パネル 50R…右パネル 50U…上パネル 50a…矢印 51…目隠印刷部 52…透過部 70…ホルダ 71,71D,71L,71R,71U…検出部 C:キャラクタ C1,P1:手 O,O1:検出光
【0113】
301…ゲーム機 305…カーテン 310…表示部 321…ヒットノーツ 321a,322a,323a,324a…内ノーツ 321b,322b,323b,324b…外ノーツ 322c…半円部 323c…ガイドノーツ 323d…なぞりライン 324c…円環部 324r…判定結果 380d…スピーカ 380u…スピーカ 385…記憶部 386…制御部