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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】洗濯機用制震装置及び引き出し式洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 37/24 20060101AFI20240902BHJP
【FI】
D06F37/24
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021509835
(86)(22)【出願日】2019-07-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-09
(86)【国際出願番号】 CN2019098682
(87)【国際公開番号】W WO2020038203
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2022-07-01
(31)【優先権主張番号】201810950003.X
(32)【優先日】2018-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201810949979.5
(32)【優先日】2018-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201810948274.1
(32)【優先日】2018-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201810948270.3
(32)【優先日】2018-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201810950129.7
(32)【優先日】2018-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201810950121.0
(32)【優先日】2018-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517110966
【氏名又は名称】青島膠南海爾洗濯機有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(73)【特許権者】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】趙志強
(72)【発明者】
【氏名】許升
(72)【発明者】
【氏名】呂佩師
(72)【発明者】
【氏名】楊旭光
【審査官】遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-115295(JP,A)
【文献】特開2014-133176(JP,A)
【文献】特開平06-063291(JP,A)
【文献】実開昭56-081249(JP,U)
【文献】特表2016-508063(JP,A)
【文献】実公昭46-006447(JP,Y1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0308281(US,A1)
【文献】中国特許第104278481(CN,B)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 37/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング、洗浄ユニット及び制震装置を含み、前記ハウジングの内部には収容室が備わっており、前記ハウジングの一方の側の側壁には開口が開設されており、前記洗浄ユニットは、前記ハウジングの内部の収容室内に装着されており、且つ、前記ハウジングの開口に対し押し入れまたは引き出し可能であり、
前記洗浄ユニットは、装着フレームと、前記装着フレームに装着される洗浄槽アセンブリを含み、前記洗浄槽アセンブリは制震装置を介して前記装着フレーム内に支持され、
両端がそれぞれ前記ハウジングと前記洗浄ユニットに接続され、内部には前記洗浄ユニットと連通する水路、または前記洗浄ユニットの電子部品に電気的に接続される電気回路を収容するための収容経路が備わっている連動保護体を含み、
前記ハウジングの収容室内には、前記連動保護体を予め定められた軌跡に従って動作させるよう案内する案内機構が設けられ、前記案内機構は、前記洗浄ユニットの引き出し方向に設置されるガイドレールであり、前記ガイドレールには案内溝が備わっており、前記連動保護体はケーブルドラッグチェーンであり、ケーブルドラッグチェーンの一端は固定端となっており、固定端はハウジングに固定装着されており、他端は可動端となっており、可動端にガイドポストが接続されており、前記ガイドポストは、摺動可能に前記ガイドレールの前記案内溝内に設置されて、前記洗浄ユニットの押し引きに伴い直線状に往復運動し、
前記制震装置は、
一端に第1接続構造を有するプランジャ、
内部に一端が開口した中空室を有し、前記プランジャの他端が相対的に摺動可能に中空室内に嵌設され、中空室の開口とは反対側の一端に第2接続構造を有するスリーブ、
プランジャの外部に覆設される第1制震バネ、
スリーブの外部に覆設される第2制震バネ、
摺動可能に前記プランジャまたは前記スリーブの外部に覆設されるとともに、第1制震バネと第2制震バネの間に位置するスライドスリーブを含む
ことを特徴とする引き出し式洗濯機。
【請求項2】
前記プランジャにおける第1接続構造寄りの一端には第1ブラケットが設置されており、前記スリーブにおける第2接続構造寄りの一端には第2ブラケットが設置されており、前記スライドスリーブは、周方向において外側に突出する位置規制凸部を有しており、前記第1制震バネは、一端が前記第1ブラケットに当止し、他端が前記位置規制凸部に当止し、前記第2制震バネは、一端が前記第2ブラケットに当止し、他端が前記位置規制凸部に当止することを特徴とする請求項1に記載の引き出し式洗濯機。
【請求項3】
前記プランジャにおける第1接続構造寄りの一端には位置規制突起が備わっており、前記第1ブラケットは環状のフランジであり、前記第1ブラケットの中心には位置規制凹溝が備わっており、前記第1ブラケットの位置規制凹溝が前記プランジャの位置規制突起と係合することで、第1ブラケットの位置規制及び装着が実現され、
前記第2ブラケットは、前記スリーブにおける第2接続構造寄りの一端の外周から外側に突出して形成される環状のフランジであることを特徴とする請求項2に記載の引き出し式洗濯機。
【請求項4】
前記第1制震バネと前記第2制震バネは異なる弾性係数を有することを特徴とする請求項1に記載の引き出し式洗濯機。
【請求項5】
前記スリーブの中空室内にはスリーブ摩擦片が設置されており、前記プランジャの一端は、前記スリーブの中空室内に嵌設されて前記スリーブ摩擦片と接触を維持することを特徴とする請求項1に記載の引き出し式洗濯機。
【請求項6】
前記スリーブ摩擦片は環状の摩擦片であり、前記スリーブの中空室内には、軸方向に沿って複数の前記環状の摩擦片が均一に設置されていることを特徴とする請求項5に記載の
引き出し式洗濯機。
【請求項7】
前記スライドスリーブ内には、前記プランジャまたは前記スリーブの外壁と接触を維持する
スライドスリーブ摩擦片が設置されていることを特徴とする請求項1に記載の引き出し式洗濯機。
【請求項8】
前記第1接続構造は前記プランジャの一端の端部に設けられる接続ネジであり、前記接続ネジとナットの連携によって前記プランジャが被支持制震体に固定接続され、
前記第2接続構造は前記スリーブの一端の端部に設けられる接続ネジであり、前記接続ネジとナットの連携によって前記スリーブが固定支持体に固定接続されることを特徴とする請求項1に記載の引き出し式洗濯機。
【請求項9】
前記第1制震バネと前記第2制震バネは、全体の高さを短縮するよう部分的に重なり合っていることを特徴とする請求項1に記載の引き出し式洗濯機。
【請求項10】
前記スライドスリーブには、前記第1制震バネの一端を当止する第1位置規制部と、前記第2制震バネの一端を当止する第2位置規制部が備わっており、前記第1位置規制部は、前記第2制震バネの軸方向の高さ範囲内まで延伸しており、前記第2位置規制部は、前記第1制震バネの軸方向の高さ範囲内まで延伸していることを特徴とする請求項9に記載の引き出し式洗濯機。
【請求項11】
前記第1制震バネは前記第2制震バネの上部に設置されており、第1位置規制部の高さは第2位置規制部の高さよりも低いことを特徴とする請求項9に記載の引き出し式洗濯機。
【請求項12】
前記第1位置規制部は、前記スライドスリーブの中央部に設置されて前記第2制震バネの内部に向かって延伸するよう形成される位置規制室であり、前記第1制震バネの一端が前記位置規制室内に当止し、前記第2位置規制部は、位置規制室の開口の辺縁から周方向に延伸するよう形成される位置規制フランジであり、前記第2制震バネの一端が前記位置規制フランジに当止することを特徴とする請求項10又は11に記載の引き出し式洗濯機。
【請求項13】
前記第1制震バネと前記第2制震バネは異なる弾性係数を有することを特徴とする請求項9に記載の引き出し式洗濯機。
【請求項14】
前記プランジャとスリーブの中空室の開口は、間隔を隔てて設置されることを特徴とする請求項9に記載の引き出し式洗濯機。
【請求項15】
前記プランジャのうち前記中空室の内部に位置する一端には摩擦片が設置されており、前記摩擦片は前記スリーブの中空室の内壁と接触を維持することを特徴とする請求項14に記載の引き出し式洗濯機。
【請求項16】
前記スライドスリーブ内には、前記プランジャまたは前記スリーブの外壁と接触を維持するスライドスリーブ摩擦片が設置されていることを特徴とする請求項9に記載の引き出し式洗濯機。
【請求項17】
前記洗浄槽アセンブリは、外槽と、回動可能に前記外槽内に設置される内槽を含み、前記装着フレームはベースを含み、前記外槽は制震装置を介して前記ベースに装着されることを特徴とする請求項に記載の引き出し式洗濯機。
【請求項18】
前記制震装置は、
一端に第1接続構造を有するプランジャ、
内部に一端が開口した中空室を有し、前記プランジャの他端が相対的に摺動可能に前記中空室内に嵌設され、前記中空室の開口とは反対側の一端に第2接続構造を有するスリーブ、
前記プランジャの外部に覆設される第1制震バネ、
前記スリーブの外部に覆設される第2制震バネ、及び
摺動可能に前記プランジャまたは前記スリーブの外部に覆設されるとともに、前記第1制震バネと前記第2制震バネの間に位置するスライドスリーブ、を含むことを特徴とする請求項に記載の引き出し式洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は衣類洗浄機器の技術分野に関し、具体的には、洗濯機用制震装置及び引き出し式洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機は、最も広く利用されている家電製品として、人々の生活において重要な地位を占めている。しかし、社会の発展と進歩に伴い、洗濯機の使用体験に対する要求は高まる一方であり、衣類の種類やユーザニーズの違いに応じて分別洗いすることが一つの傾向になりつつある。ところが、家のスペースや洗濯機関連機器の制約から、全ての家庭に2台目ないしは3台目の洗濯機を設置できるとは限らない。そこで、ユーザの分別洗いニーズをより良好に満たすために、如何にして従来の洗濯機の構造を改良するかが、早急に解決を要する技術的課題となっている。
【0003】
上記の課題を解決すべく、これまでに、出願番号を201310290147.4、出願日を2013年7月9日、発明の名称をダブルドラム洗濯機とする中国の発明特許が存在している(特許文献1)。当該発明は、洗濯機フレームと、フレーム内に装着される第1外槽及び第2外槽を含むダブルドラム洗濯機を開示している。第1外槽と第2外槽には、カウンタウェイトを装着するためのカウンタウェイト装着ポストが一体的に設けられている。前記第1外槽と第2外槽は接続部材によって一体的に接続されており、接続部材は第1外槽及び/又は第2外槽上のカウンタウェイト装着ポストに固定接続されている。当該発明では、接続部材によって第1外槽と第2外槽を一体構造となるよう接続することで、洗濯機のコンパクト性を効果的に高めている。また、接続部材を第1外槽又は第2外槽上のカウンタウェイト装着ポストによって固定装着及び接続することで、安定性を強化するとともに、接続部材によって第1外槽と第2外槽に共用のカウンタウェイトを提供している。このほか、第1外槽と第2外槽は共用のカウンタウェイトを使用しており、更には、洗濯機の第1外槽又は第2外槽を第2外槽又は第1外槽の少なくとも一部のカウンタウェイトとしている。これにより、洗濯機における2つの回転槽の制震効果を際立たせるとともに、生産コストを低下させている。
【0004】
上記の発明では、ダブルドラム洗濯機を提供することで、洗濯機における分別洗いの問題を解決している。しかし、パルセータ洗濯機を使い慣れたユーザにしてみれば、パルセータ洗濯機はトップオープン方式であるとの制約から、2つのパルセータ洗濯機を上下に重ねて設置することで上記の課題を解決することは不可能である。また、パルセータ洗濯機のトップオープン方式は、設置スペースについても一定の高さを有することが求められる。
【0005】
以上に鑑みて、如何にしてパルセータ洗濯機の構造形式を改良し、設置占有スペースを縮小するか、及び、パルセータ洗濯機を上下に重ねて設置する複合式構造を如何にして実現するかを、本発明において主に解決する技術的課題とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】中国特許出願第201310290147.4号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の第1の目的は、洗濯機用制震装置を提供することである。具体的には、以下の技術方案を用いる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
洗濯機用制震装置であって、一端に第1接続構造を有するプランジャと、内部に一端が開口した中空室を有し、前記プランジャの他端が相対的に摺動可能に中空室内に嵌設され、中空室の開口とは反対側の一端に第2接続構造を有するスリーブと、プランジャの外部に覆設される第1制震バネと、スリーブの外部に覆設される第2制震バネと、摺動可能にプランジャ/スリーブの外部に覆設されるとともに、第1制震バネと第2制震バネの間に位置するスライドスリーブ、を含む。
【0009】
更に、前記プランジャにおける第1接続構造寄りの一端には第1ブラケットが設置されており、前記スリーブにおける第2接続構造寄りの一端には第2ブラケットが設置されている。前記スライドスリーブは、周方向において外側に突出する位置規制凸部を有している。前記第1制震バネは、一端が第1ブラケットに当止し、他端が位置規制凸部に当止する。前記第2制震バネは、一端が第2ブラケットに当止し、他端が位置規制凸部に当止する。
【0010】
更に、前記プランジャにおける第1接続構造寄りの一端には位置規制突起が備わっている。第1ブラケットは環状のフランジであり、第1ブラケットの中心には位置規制凹溝が備わっている。第1ブラケットの位置規制凹溝がプランジャの位置規制突起と係合することで、第1ブラケットの位置規制及び装着が実現される。
【0011】
前記第2ブラケットは、スリーブにおける第2接続構造寄りの一端の外周から外側に突出して形成される環状のフランジである。
【0012】
更に、前記第1制震バネと第2制震バネは異なる弾性係数を有している。
【0013】
好ましくは、前記第1接続構造は被支持制震体に接続され、前記第2接続構造は固定支持体に接続される。前記第1制震バネの弾性係数は第2制震バネの弾性係数よりも小さい。
【0014】
更に、前記スリーブの中空室内にはスリーブ摩擦片が設置されており、前記プランジャの一端は、スリーブの中空室内に嵌設されてスリーブ摩擦片と接触を維持する。
【0015】
更に、前記スリーブ摩擦片は環状の摩擦片である。前記スリーブの中空室内には、軸方向に沿って複数の環状の摩擦片が均一に設置されている。
【0016】
更に、前記スライドスリーブ内には、プランジャ/スリーブの外壁と接触を維持するスライドスリーブ摩擦片が設置されている。
【0017】
更に、前記第1接続構造はプランジャの一端の端部に設けられる接続ネジであり、接続ネジとナットの連携によってプランジャが被支持制震体に固定接続される。
【0018】
前記第2接続構造はスリーブの一端の端部に設けられる接続ネジであり、接続ネジとナットの連携によってスリーブが固定支持体に固定接続される。
【0019】
更に、前記第1制震バネと第2制震バネは、全体の高さを短縮するよう部分的に重なり合っている。
【0020】
更に、前記スライドスリーブには、第1制震バネの一端を当止する第1位置規制部と、第2制震バネの一端を当止する第2位置規制部が備わっている。前記第1位置規制部は、第2制震バネの軸方向の高さ範囲内まで延伸しており、前記第2位置規制部は、第1制震バネの軸方向の高さ範囲内まで延伸している。
【0021】
更に、前記第1制震バネは第2制震バネの上部に設置されており、前記第1位置規制部の高さは第2位置規制部の高さよりも低い。
【0022】
更に、前記第1位置規制部は、スライドスリーブの中央部に設置されて第2制震バネの内部に向かって延伸するよう形成される位置規制室であり、前記第1制震バネの一端が前記位置規制室内に当止する。前記第2位置規制部は、位置規制室の開口の辺縁から周方向に延伸するよう形成される位置規制フランジであり、前記第2制震バネの一端が前記位置規制フランジに当止する。
【0023】
更に、前記第1制震バネと第2制震バネは異なる弾性係数を有する。
【0024】
好ましくは、前記第1制震バネの外径は第2制震バネの内径よりも小さい。
【0025】
好ましくは、前記第1接続構造は被支持制震体に接続され、前記第2接続構造は固定支持体に接続される。前記第1制震バネの弾性係数は第2制震バネの弾性係数よりも小さい。
【0026】
更に、前記プランジャとスリーブの中空室の開口は間隔を隔てて設置される。
【0027】
更に、前記プランジャのうち中空室の内部に位置する一端には摩擦片が設置されている。前記摩擦片はスリーブの中空室の内壁と接触を維持する。
【0028】
更に、前記スライドスリーブ内には、プランジャ/スリーブの外壁と接触を維持するスライドスリーブ摩擦片が設置されている。
【0029】
本発明の第2の目的は、洗濯機用制震装置を提供することである。具体的には、以下の技術方案を用いる。
【0030】
洗濯機用制震装置は、一端に第1接続構造を有し、他端にスライドプラグを有するプランジャと、内部に一端が開口した中空室を有し、前記プランジャのスライドプラグが相対的に摺動可能に中空室内に設置され、中空室の開口とは反対側の一端に第2接続構造を有するスリーブと、中空室内に位置するプランジャの外部に覆設される第1制震バネと、スリーブの中空室内に嵌装される第2制震バネ、を含む。第1制震バネと第2制震バネは、それぞれプランジャのスライドプラグの両側に位置している。
【0031】
更に、前記スライドプラグは、プランジャのうちスリーブの中空室内に位置する一端の端部に設置されている。スライドプラグは、スリーブの中空室の内壁と摺接する。
【0032】
前記第1制震バネは、中空室内に位置するプランジャの外部に覆設されており、一端がスリーブの中空室の内壁に当止するとともに、他端がスライドプラグの一方の側に当止する。
【0033】
前記第2制震バネは、スリーブの中空室内に嵌装されており、一端がスリーブの中空室の内壁に当止するとともに、他端がスライドプラグの他方の側に当止する。
【0034】
更に、前記プランジャは柱体を含む。柱体の一端の端部には第1接続構造が備わっており、他端にはスライドプラグが接続されている。前記スリーブは、一端が開放された中空室を内部に有する筒体と、中空室の開放された開口を覆う蓋体を含む。前記蓋体の中央部には、プランジャの柱体を挿通するための挿通孔が備わっている。
【0035】
更に、前記柱体と前記挿通孔は間隔を隔てて設置される。
【0036】
更に、前記蓋体のうちスリーブの中空室内に位置する一方の側面には位置規制凹溝が備わっており、前記第1制震バネの一端が当該位置規制凹溝内に位置規制及び当止される。
【0037】
更に、前記第1接続構造は柱体の一端の端部に設けられる接続ネジであり、接続ネジとナットの連携によってプランジャが被支持制震体に固定接続される。
【0038】
前記第2接続構造はスリーブの一端の端部に設けられる接続ネジであり、接続ネジとナットの連携によってスリーブが固定支持体に固定接続される。
【0039】
更に、前記スライドプラグの外周には、スリーブの中空室の内壁と接触を維持する摩擦片が設置されている。
【0040】
更に、前記第1制震バネと第2制震バネは異なる弾性係数を有する。
【0041】
好ましくは、前記第1接続構造は被支持制震体に接続され、前記第2接続構造は固定支持体に接続される。前記第1制震バネの弾性係数は第2制震バネの弾性係数よりも小さい。
【0042】
本発明の第3の目的は、洗濯機用制震装置を提供することである。具体的には、以下の技術方案を用いる。
【0043】
洗濯機用制震装置は、一端に第1接続構造を有するプランジャと、内部に一端が開口した中空室を有し、前記プランジャの他端が相対的に摺動可能に中空室内に設置され、中空室の開口とは反対側の一端に第2接続構造を有するスリーブと、プランジャの外部に覆設され、両端がそれぞれプランジャ及びスリーブに当止する第1制震バネと、スリーブの中空室内に嵌装される第2制震バネ、を含む。
【0044】
更に、前記プランジャのうち前記スリーブの中空室内に位置する一端にはスライドプラグが設置されている。
【0045】
前記第2制震バネは、中空室内に位置するプランジャの外部に覆設されており、一端がスリーブの中空室の内壁に当止するとともに、他端がスライドプラグの一方の側に当止する。
【0046】
及び/又は、前記第2制震バネは、スリーブの中空室内に嵌装されており、一端がスリーブの中空室の内壁に当止するとともに、他端がスライドプラグの他方の側に当止する。
【0047】
更に、前記プランジャは柱体を含む。柱体の一端の端部には第1接続構造が備わっており、他端にはスライドプラグが接続されている。前記スリーブは、一端が開放された中空室を内部に有する筒体と、中空室の開放された開口を覆う蓋体を含む。前記蓋体の中央部には、プランジャの柱体を挿通するための挿通孔が備わっている。
【0048】
更に、前記柱体と前記挿通孔は間隔を隔てて設置される。
【0049】
更に、前記スライドプラグの外周には、スリーブの中空室の内壁と接触を維持する摩擦片が設置されている。
【0050】
更に、前記プランジャにおける第1接続構造寄りの一端には第1ブラケットが設置されており、前記スリーブにおける第2接続構造寄りの一端には第2ブラケットが設置されている。前記第1制震バネの一端は第1ブラケットに当止し、他端は第2ブラケットに当止する。
【0051】
更に、前記プランジャにおける第1接続構造寄りの一端には位置規制突起が備わっている。第1ブラケットは環状のフランジであり、第1ブラケットの中心には位置規制凹溝が備わっている。第1ブラケットの位置規制凹溝がプランジャの位置規制突起と係合することで第1ブラケットの位置規制及び装着が実現される。
【0052】
前記第2ブラケットは、スリーブにおける第2接続構造寄りの一端の外周から外側に突出して形成される環状のフランジである。
【0053】
更に、前記第1制震バネと第2制震バネは異なる弾性係数を有する。
【0054】
好ましくは、前記第1接続構造は被支持制震体に接続され、前記第2接続構造は固定支持体に接続される。前記第1制震バネの弾性係数は第2制震バネの弾性係数よりも大きい。
【0055】
本発明の第4の目的は、引き出し式洗濯機を提供することである。具体的には、以下の技術方案を用いる。
【0056】
引き出し式洗濯機であって、ハウジング及び洗浄ユニットを含む。前記ハウジングの内部には収容室が備わっており、ハウジングの一方の側の側壁には開口が開設されている。前記洗浄ユニットは、ハウジングの内部の収容室内に装着されており、且つ、ハウジングの開口に対し押し入れ/引き出し可能である。
【0057】
前記洗浄ユニットは、装着フレームと、装着フレームに装着される洗浄槽アセンブリを含む。前記洗浄槽アセンブリは、制震装置を介して装着フレーム内に支持される。
【0058】
更に、前記洗浄槽アセンブリは、外槽と、回動可能に外槽内に設置される内槽を含む。前記装着フレームはベースを含み、前記外槽は制震装置を介してベースに装着される。
【0059】
好ましくは、前記外槽の外周には複数の制震突起が均一に設置されており、前記制震装置は制震突起とベースの間に装着される。
【0060】
本発明の第5の目的は、引き出し式洗濯機を提供することである。具体的には、以下の技術方案を用いる。
【0061】
引き出し式洗濯機であって、ハウジング及び洗浄ユニットを含む。前記ハウジングの内部には収容室が備わっており、ハウジングの一方の側の側壁には開口が開設されている。前記洗浄ユニットは、ハウジングの内部の収容室内に装着されており、且つ、ハウジングの開口に対し押し入れ/引き出し可能である。
【0062】
更に、前記洗浄ユニットは、装着フレームと、装着フレームに装着される洗浄槽アセンブリを含む。前記装着フレームは、平行に対向して設けられる2つの側板を含み、2つの側板は、それぞれスライドレールを介して摺動可能にハウジングの収容室の内側壁に接続される。
【0063】
更に、前記洗浄槽アセンブリは、外槽と、回動可能に外槽内に設置される内槽を含む。前記装着フレームはベースを含み、前記外槽は制震装置を介してベースに装着される。
【0064】
好ましくは、前記外槽の外周には複数の制震突起が均一に設置されており、前記制震装置は制震突起とベースの間に装着される。
【0065】
更に、前記制震装置は、一端に第1接続構造を有するプランジャと、内部に一端が開口した中空室を有し、前記プランジャの他端が相対的に摺動可能に中空室内に嵌設され、中空室の開口とは反対側の一端に第2接続構造を有するスリーブと、プランジャの外部に覆設される第1制震バネと、スリーブの外部に覆設される第2制震バネと、摺動可能にプランジャ/スリーブの外部に覆設されるとともに、第1制震バネと第2制震バネの間に位置するスライドスリーブ、を含む。
【0066】
更に、前記装着フレームは、外槽の開口を封止する上カバープレートを含む。上カバープレートには内槽に対応して出し入れ口が開設されており、出し入れ口には開放/閉止可能な扉が装着されている。前記上カバープレートには、衣類処理剤を投入するための衣類処理剤投入ケースが設けられている。
【0067】
更に、前記洗浄ユニットは前面板を含んでいる。前面板は、装着フレームに装着されており、且つ、洗浄ユニットをハウジング内部の収容室に押し込んだあと収容室の開口を閉塞する。
【0068】
好ましくは、前記前面板には操作パネルが設置される。前記操作パネルは前面板の上部に設置されている。
【0069】
好ましくは、前記前面板には取っ手が設置される。
【0070】
更に、前記ハウジングには給水電磁弁が設置されている。給水電磁弁は給水管路を通じて洗浄ユニットと連通する。前記洗濯機は、洗浄ユニットを押し引きする過程で給水管路を保護するための第1連動保護体を含む。第1連動保護体は、一端がハウジングに接続されており、他端が洗浄ユニットに接続されている。第1連動保護体の内部には、給水管路を収容する収容経路が備わっている。
【0071】
好ましくは、洗濯機は、操作パネルに電気供給するための電源コードを含み、前記電磁弁と操作パネルは接続コードを介して電気的に接続される。前記電源コード及び/又は接続コードは第1連動保護体内部の収容経路内に設置されている。
【0072】
更に、前記洗浄ユニットには排水口が備わっている。排水口は、排水管路を通じて排水制御装置と連通する。前記洗濯機は、洗浄ユニットを押し引きする過程で排水管路を保護するための第2連動保護体を含む。第2連動保護体は、一端がハウジングに接続されており、他端が洗浄ユニットに接続されている。第2連動保護体の内部には、排水管路を収容する収容経路が備わっている。
【0073】
好ましくは、洗濯機は外槽の底部に装着される駆動装置を含む。前記駆動装置と操作パネルは接続コードを介して電気的に接続され、前記接続コードは第2連動保護体内部の収容経路内に設置されている。
【0074】
更に、前記ハウジングには、洗浄ユニットが収容室へ押し込まれて所定の位置に到達したか否かを感知する検出装置が装着されている。
【0075】
好ましくは、前記検出装置は光電センサスイッチ又はリードスイッチである。
【0076】
更に、前記洗浄ユニットにはドアロックが備わっており、前記ハウジングにはロックキャッチが設置されている。前記ドアロックとロックキャッチは、洗浄ユニットが収容室に押し込まれたあとにロックされる。
【0077】
更に、両端がそれぞれハウジングと洗浄ユニットに接続される連動保護体を含む。連動保護体の内部には、洗浄ユニットと連通する水路及び/又は洗浄ユニットの電子部品に電気的に接続される電気回路を収容するための収容経路が備わっている。
【0078】
更に、前記連動保護体はケーブルドラッグチェーン構造をなしている。ケーブルドラッグチェーン構造の内部に収容経路が備わっており、前記水路又は電気回路は、ケーブルドラッグチェーン構造の内部の収容経路内に設置されている。
【0079】
更に、前記洗浄ユニットは、貯水に用いられる外槽を含む。前記ハウジングには給水電磁弁が設置されており、給水電磁弁は給水管路を通じて洗浄ユニットと連通する。前記連動保護体は、洗浄ユニットを押し引きする過程で給水管路を保護するための第1連動保護体を含む。第1連動保護体の内部には、給水管路を収容する収容経路が備わっている。
【0080】
更に、前記洗浄ユニットは、装着フレームと前面板を含んでいる。前面板は、装着フレームに装着されており、且つ、洗浄ユニットをハウジング内部の収容室に押し込んだあと収容室の開口を閉塞する。前記前面板には操作パネルが設置されている。
【0081】
洗濯機は、操作パネルに電気供給するための電源コードを含む。前記電磁弁と操作パネルは接続コードを介して電気的に接続され、前記電源コード及び/又は接続コードは第1連動保護体内部の収容経路内に設置されている。
【0082】
更に、前記洗浄ユニットは貯水に用いられる外槽を含む。外槽の底には排水口が備わっており、排水口は排水管路を通じて排水制御装置と連通する。前記連動保護体は、洗浄ユニットを押し引きする過程で排水管路を保護するための第2連動保護体を含む。第2連動保護体の内部には排水管路を収容する収容経路が備わっている。
【0083】
更に、外槽の底部に装着される駆動装置を含む。前記駆動装置と操作パネルは接続コードを介して電気的に接続される。前記接続コードは第2連動保護体内部の収容経路内に設置されている。
【0084】
更に、前記ハウジングの収容室内には、連動保護体を予め定められた軌跡に従って動作させるよう案内する案内機構が設けられている。
【0085】
更に、前記案内機構は、洗浄ユニットの引き出し方向に設置されるガイドレールである。前記ガイドレールには案内溝が備わっている。前記連動保護体はケーブルドラッグチェーンである。ケーブルドラッグチェーンは、一端がハウジングに固定装着され、他端にガイドポストが接続される。前記ガイドポストは、摺動可能にガイドレールの案内溝内に設置されて、洗浄ユニットの押し引きに伴い直線状に往復運動する。
【0086】
更に、前記連動保護体は、可撓性材料からなる弾性の管状構造をなしており、管状構造の内部に収容経路が備わっている。前記水路又は電気回路は、ケーブルドラッグチェーン構造の内部の収容経路内に設置されている。
【0087】
更に、前記連動保護体は伸縮管構造をなしており、伸縮管構造の内部に収容経路が備わっている。前記水路又は電気回路は、ケーブルドラッグチェーン構造の内部の収容経路内に設置されている。
【発明の効果】
【0088】
本発明の制震装置は、第1制震バネと第2制震バネを含んでおり、小さな衝撃を受けた場合には、第1制震バネが圧縮されて制震調節を行う。また、大きな衝撃を受けた場合には、第1制震バネと第2制震バネが共に圧力を受けて制震調節を行う。本発明の制震装置には支持制震方式を採用しており、第1制震バネと第2制震バネの制震調節によって制震効果を保証する。
【0089】
本発明の制震装置には支持制震方式を採用しており、第1制震バネと第2制震バネが直列に接続されて制震調節を行うことで制震効果を保証する。
【0090】
本発明の引き出し式洗濯機は、従来のパルセータ洗濯機におけるトップオープン方式を引き出し式に変更している。これにより、設置スペースに対する要求が低下するため、設置可能位置が一段と広がる。例えば、洗面台の下や上、或いは壁面ラック等の任意の位置に設置可能となる。また、従来のパルセータ洗濯機と上下に重ねて設置して一体的な複合式構造としたり、2つの引き出し式洗濯機を上下に重ねて設置して一体的な複合式構造としたりすることも可能である。よって、ユーザによる洗濯機タイプの選択や衣類の分別洗いの選択にいっそう良好に応えられる。
【0091】
本発明の引き出し式洗濯機では、洗浄ユニットを度々押し込んだり引き出したりして衣類の出し入れを行う必要がある。そのため、洗浄ユニットと連通する水路、及び/又は、洗浄ユニットの電子部品に電気的に接続される電気回路が引き出し過程で損傷しないよう保証するために、本発明では、内部に収容経路を有する連動保護体を採用する。連動保護体は、洗浄ユニットの押し引き過程に伴い連動することで、洗浄ユニットと連通する水路、及び/又は、洗浄ユニットの電子部品に電気的に接続される電気回路の接続の安定性を保証する。
【図面の簡単な説明】
【0092】
図1図1は、本発明における実施例1、実施例2の引き出し式洗濯機の正面図である。
図2図2は、本発明における実施例1、実施例2の引き出し式洗濯機の側面図である。
図3図3は、本発明における実施例1、実施例2の引き出し式洗濯機の側面図である(洗浄ユニットが開状態)。
図4図4は、本発明における実施例1、実施例2の引き出し式洗濯機の立体構造を示す図である。
図5図5は、本発明の実施例1、実施例2の引き出し式洗濯機の図1におけるA-A面に沿った断面図である。
図6図6は、本発明の実施例1、実施例2の引き出し式洗濯機の図1におけるB-B面に沿った断面図である。
図7図7は、本発明における実施例1、実施例2の引き出し式洗濯機の立体構造を示す図である(ハウジングの天板と側板を省略した場合、且つ洗浄ユニットが閉状態)。
図8図8は、本発明における実施例1、実施例2の引き出し式洗濯機の立体構造を示す図である(ハウジングの天板と側板を省略した場合、且つ洗浄ユニットが開状態)。
図9図9は、本発明の実施例3における制震装置の立体機構を示す図である。
図10図10は、本発明の実施例3における制震装置の正面図である。
図11図11は、本発明の実施例3における制震装置の図10のC-C面に沿った断面図である(実施形態1)。
図12図12は、本発明の実施例3における制震装置の図10のC-C面に沿った断面図である(実施形態2)。
図13図13は、本発明の実施例3における制震装置の平面図である。
図14図14は、本発明の実施例4における制震装置の立体機構を示す図である。
図15図15は、本発明の実施例4における制震装置の正面図である。
図16図16は、本発明の実施例4における制震装置の図15のD-D面に沿った断面図である(実施形態1)。
図17図17は、本発明の実施例4における制震装置の図15のD-D面に沿った断面図である(実施形態2)。
図18図18は、本発明の実施例5における制震装置の立体機構を示す図である。
図19図19は、本発明の実施例5における制震装置の正面図である。
図20図20は、本発明の実施例5における制震装置の図19のE-E面に沿った断面図である。
図21図21は、本発明の実施例6における制震装置の立体機構を示す図である。
図22図22は、本発明の実施例6における制震装置の正面図である。
図23図23は、本発明の実施例6における制震装置の図22のF-F面に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0093】
以下に、図面を組み合わせて、本発明における洗濯機用制震装置及び引き出し式洗濯機について詳細に述べる。
【実施例1】
【0094】
図1図8に示すように、本実施例の引き出し式洗濯機はハウジング5と洗浄ユニットを含む。前記ハウジング5の内部には収容室が備わっており、ハウジング5の一方の側の側壁には開口が開設されている。前記洗浄ユニットはハウジング5の内部の収容室内に装着されており、且つ、ハウジングの開口に対し押し入れ/引き出し可能である。
【0095】
本実施例の引き出し式洗濯機は、従来のパルセータ洗濯機におけるトップオープン方式を引き出し式に変更している。これにより、設置スペースに対する要求が低下するため、設置可能位置が一段と広がる。例えば、洗面台の下や上、或いは壁面ラック等の任意の位置に設置可能となる。また、従来のパルセータ洗濯機と上下に重ねて設置して一体的な複合式構造としたり、2つの引き出し式洗濯機を上下に重ねて設置して一体的な複合式構造としたりすることも可能である。よって、ユーザによる洗濯機タイプの選択や衣類の分別洗いの選択にいっそう良好に応えられる。
【0096】
従って、従来のパルセータ洗濯機とは異なり、本発明の引き出し式洗濯機は、十分にスペースを活用することでユーザに複数の洗浄スペースを提供し、分別洗いニーズを満たすことが可能である。
【0097】
更に、本実施例の前記洗浄ユニットは、装着フレーム11と、装着フレームに装着される洗浄槽アセンブリを含む。前記装着フレーム11は、平行に対向して設けられる2つの側板を含む。2つの側板は、それぞれスライドレールを介して摺動可能にハウジングの収容室の内側壁に接続される。
【0098】
本実施例のスライドレールは内レール9及び外レール41を含む。内レール9は装着フレーム11にしっかりと固定されており、装着フレーム11には内レール装着ポスト10が設けられている。また、外レール41はハウジングにしっかりと固定されており、ハウジング5の底部には外レール固定支持フレーム35が設けられている。
【0099】
本実施例の内レール9と外レール41は、摺擦するよう動作してもよいし、これらの間にローラやボール、ギヤを設置することで円滑に押し引き可能とし、耐荷重を大きくしてもよい。なお、言うまでもなく、ダンピンググリース等の減衰構造を設置して減衰を実現してもよい。この場合には、引き出しを力強く押し込んだ場合でも滑らかに閉まるため、動きの万全性及び静寂性が保証される。
【0100】
更に、本実施例の洗浄槽アセンブリは、外槽20と、回動可能に外槽20内に設置される内槽21を含む。前記装着フレーム11はベースを含み、前記外槽20は制震装置36を介してベースに装着される。
【0101】
好ましくは、前記外槽20の外周には複数の制震突起34が均一に設置されており、前記制震装置36が制震突起34とベースの間に装着される。本実施例における引き出し式洗濯機は、自身の構造的特性に支持制震方式の制震装置36を組み合わせている。よって、引き出し式洗濯機の全体高さをいっそう有利に低下させることができ、且つ制震の安定性も保証される。
【0102】
更に、本実施例の外槽20の底部にはモータ22が備わっており、伝動軸23を通じて内槽21又はパルセータを回転駆動させる。
【0103】
更に、本実施例で記載する装着フレーム11は、外槽の開口を封止する上カバープレート16を含んでいる。上カバープレート16には、内槽21に対応して出し入れ口が開設されており、出し入れ口に開放/閉止可能な扉15が装着されている。また、前記上カバープレート16には、衣類処理剤を投入するための衣類処理剤投入ケースが設けられている。
【0104】
本実施例では、装着フレームの上部に上カバープレート16を設置しているため見栄えがよい。また、扉15は、回転軸14により回転させることで開放し、衣類を出し入れ可能に設置している。
【0105】
更に、前記洗浄ユニットは前面板3を含んでいる。前面板3は装着フレーム11に装着されており、洗浄ユニットをハウジング内部の収容室に押し込んだあと、収容室の開口を閉塞する。
【0106】
好ましくは、前記前面板3には操作パネル19が設置される。前記操作パネル19は前面板の上部に設置され、ユーザが制御命令を入力するために用いられる。
【0107】
好ましくは、前記前面板3には取っ手2が設置される。
【0108】
本実施例の上カバープレート16における前面板寄りの2つの夾角スペースには、例えば、洗剤投入ケース17、柔軟剤投入ケース18といった衣類処理剤投入ケースが設けられている。且つ、内槽21又は外槽20と連通するホースを有している。
【0109】
本実施例のハウジングには電磁石30に接続される給水口7が備わっており、給水管32を通じて前記処理剤投入ケースと連通している。
【0110】
本実施例のハウジングには、排水管28を床排水口に接続する排水口8が備わっている。この部分は、排水管28を通じて排水ポンプ29に接続され、排水ホース26を通じて外槽20と連通している。
【0111】
洗浄ユニットは、度々押し込んだり引き出したりして衣類の出し入れを行う必要がある。そのため、引き出す過程で給水管路、排水管路、及び各接続回路が損傷しないよう保証すべく、本実施例では以下の技術方案を採用する。
【0112】
本実施例の前記ハウジングには給水電磁弁が設置されている。給水電磁弁は、給水管路を通じて洗浄ユニットと連通する。前記洗濯機は、洗浄ユニットを押し引きする過程で給水管路を保護するための第1連動保護体を含む。第1連動保護体は、一端がハウジングに接続されており、他端が洗浄ユニットに接続されている。また、第1連動保護体の内部には、給水管路を収容する収容経路が備わっている。
【0113】
好ましくは、洗濯機は、操作パネルに電気供給するための電源コードを含む。また、前記電磁弁と操作パネルは接続コードを介して電気的に接続される。前記電源コード及び/又は接続コードは、第1連動保護体内部の収容経路内に設置されている。
【0114】
本実施例の前記洗浄ユニットには排水口が備わっている。排水口は、排水管路を通じて排水制御装置と連通する。また、前記洗濯機は、洗浄ユニットを押し引きする過程で排水管路を保護するための第2連動保護体を含む。第2連動保護体は、一端がハウジングに接続されており、他端が洗浄ユニットに接続されている。また、第2連動保護体の内部には、排水管路を収容する収容経路が備わっている。
【0115】
好ましくは、洗濯機は外槽の底部に装着される駆動装置を含む。前記駆動装置と操作パネルは接続コードを介して電気的に接続される。前記接続コードは、第2連動保護体内部の収容経路内に設置されている。
【0116】
更に、本実施例の前記ハウジングには、洗浄ユニットが収容室へ押し込まれて所定の位置に到達したか否かを感知する検出装置12が装着されている。
【0117】
好ましくは、前記検出装置12は光電センサスイッチ又はリードスイッチである。
【0118】
本実施例におけるセンサスイッチは、洗浄ユニットが閉じられて所定の位置に到達することを確実に保証し、所定の位置に到達していない場合には洗濯プログラムを実行しないか、警告を発する。
【0119】
更に、本実施例の前記洗浄ユニットにはドアロックが備わっており、前記ハウジングにはロックキャッチ13が設置されている。前記ドアロックとロックキャッチ13は、洗浄ユニットが収容室に押し込まれたあとにロックされる。本実施例のドアロック構造が起動すると、洗浄ユニット全体が電磁ドアロックによってハウジングに対し一体的にロックされる。これにより、振動が効果的に低減し、スライドレールの寿命が延びる。
【0120】
本実施例におけるハウジング5の底部には、引き出し式洗濯機全体を支持及びレベリングし、動作の安定性を確保するために、支持底脚4が備わっている。
【0121】
本実施例のハウジング5は、全体の強度を強化するために押し型6を有している。また、ハウジング5は、上部パネル1を有しており、前方に開口を有している。前記開口には、洗浄ユニットを設置して出し入れすることが可能である。
【0122】
本実施例の引き出し式洗濯機の全体高さは60cmよりも小さい。また、好ましくは50cm以下であり、より好ましくは40cm以下である。本実施例の引き出し式洗濯機は、従来のパルセータ洗濯機におけるトップオープン方式を変更することで、全体高さを大幅に低下可能としている。これにより、設置スペースに対する要求が更に低下するほか、規格サイズのより小さい小型洗濯機を形成可能となり、分別洗いが実現される。
【実施例2】
【0123】
図1図8に示すように、本実施例の引き出し式洗濯機はハウジング5と洗浄ユニットを含む。前記ハウジング5の内部には収容室が備わっており、ハウジングの一方の側の側壁には開口が開設されている。前記洗浄ユニットはハウジングの内部の収容室内に装着されており、且つ、ハウジングの開口に対し押し入れ/引き出し可能である。
【0124】
更に、両端がそれぞれハウジング5と洗浄ユニットに接続される連動保護体を含む。連動保護体の内部には、洗浄ユニットと連通する水路及び/又は洗浄ユニットの電子部品に電気的に接続される電気回路を収容するための収容経路が備わっている。
【0125】
本実施例の引き出し式洗濯機では、洗浄ユニットを度々押し込んだり引き出したりして衣類の出し入れを行う必要がある。そのため、洗浄ユニットと連通する水路、及び/又は、洗浄ユニットの電子部品に電気的に接続される電気回路が引き出し過程で損傷しないよう保証するために、本実施例では、内部に収容経路を有する連動保護体を採用する。連動保護体は、洗浄ユニットの押し引き過程に伴い連動することで、洗浄ユニットと連通する水路、及び/又は、洗浄ユニットの電子部品に電気的に接続される電気回路の接続の安定性を保証する。
【0126】
本実施例の一実施形態として、前記連動保護体はケーブルドラッグチェーン構造をなしており、ケーブルドラッグチェーン構造の内部に収容経路が備わっている。前記水路又は電気回路は、ケーブルドラッグチェーン構造の内部の収容経路内に設置されている。
【0127】
具体的に、本実施例で記載する洗浄ユニットは、貯水に用いられる外槽20を含む。また、前記ハウジング5には給水電磁弁30が設置されている。給水電磁弁30は、給水管路32を通じて外槽20と連通する。前記連動保護体は、洗浄ユニットを押し引きする過程で給水管路32を保護するための第1連動保護体31を含む。また、第1連動保護体31の内部には、給水管路を収容する収容経路が備わっている。
【0128】
本実施例の前記洗浄ユニットは、装着フレーム11と前面板3を含んでいる。前面板3は装着フレーム11に装着されており、洗浄ユニットをハウジング内部の収容室に押し込んだあと、収容室の開口を閉塞する。また、前記前面板3には操作パネル19が設置されている。
【0129】
洗濯機は、操作パネルに電気供給するための電源コードを含む。また、前記電磁弁30と操作パネル19は接続コードを介して電気的に接続される。前記電源コード及び/又は接続コードは、第1連動保護体31の内部の収容経路内に設置されている。
【0130】
本実施例で記載する洗浄ユニットは、貯水に用いられる外槽20を含む。外槽20の底には排水口が備わっており、排水口は排水管路26を通じて排水制御装置と連通する。前記連動保護体は、洗浄ユニットを押し引きする過程で排水管路を保護するための第2連動保護体24を含む。また、第2連動保護体24の内部には、排水管路26を収容する収容経路が備わっている。
【0131】
本実施例の引き出し式洗濯機は、外槽20の底部に装着される駆動装置22を含む。前記駆動装置22と操作パネル19は接続コードを介して電気的に接続される。前記接続コードは、第2連動保護体24の内部の収容経路内に設置されている。
【0132】
本実施例の水路、管路、及び電気回路、回路は、いずれもケーブルドラッグチェーン構造内に設置される。
【0133】
これにより、給水・排水管路や駆動制御回路27、信号線の退避スペースが大幅に縮小されるため、スペース及びコストを効果的に節約可能となり、洗浄ユニットの容積を効果的に増加させられる。
【0134】
よって、ユーザが、唐突に、激しく、高速且つ長いストロークで全方向に洗浄ユニットを引き動かしたとしても、前記パイプライン(排水管路、駆動制御回路、信号線)は緩やかに案内されるため、電線/給水管/排水管の寿命が大幅に延びる。
【0135】
好ましくは、ホースや管路を引き延ばして設置した場合に15%の余剰スペースが残るようにすべきである。これにより、内部に設置されるケーブルやホース等を自在に動作可能とし、半径方向においてケーブルドラッグチェーンに引張力が生じないようにする。
【0136】
本実施例の一実施形態として、前記ハウジング5の収容室内には、連動保護体を予め定められた軌跡に従って動作させるよう案内する案内機構が設けられている。
【0137】
具体的に、前記案内機構は、洗浄ユニットの引き出し方向に設置されるガイドレール38である。前記ガイドレールには案内溝が備わっている。また、前記連動保護体はケーブルドラッグチェーンである。ケーブルドラッグチェーンの一端は固定端40となっており、固定端40はハウジング5に固定装着されている。また、他端は可動端39となっており、可動端39にガイドポスト37が接続されている。前記ガイドポスト37は、摺動可能にガイドレール38の案内溝内に設置されて、洗浄ユニットの押し引きに伴い直線状に往復運動する。
【0138】
本実施例の案内構造は、第1連動保護体31及び/又は第2連動保護体24に設置可能である。
【0139】
本実施例の一実施形態として、前記連動保護体は、可撓性材料からなる弾性の管状構造をなしており、管状構造の内部に収容経路が備わっている。前記水路又は電気回路は、ケーブルドラッグチェーン構造の内部の収容経路内に設置されている。
【0140】
本実施例の一実施形態として、前記連動保護体は伸縮管構造をなしており、伸縮管構造の内部に収容経路が備わっている。前記水路又は電気回路は、ケーブルドラッグチェーン構造の内部の収容経路内に設置されている。
【実施例3】
【0141】
図1図13に示すように、本実施例の洗濯機用制震装置36は、一端に第1接続構造44を有するプランジャ47と、内部に一端が開口した中空室を有し、前記プランジャ47の他端が相対的に摺動可能に中空室内に嵌設され、中空室の開口とは反対側の一端に第2接続構造53を有するスリーブ50と、プランジャ47の外部に覆設される第1制震バネ48と、スリーブ50の外部に覆設される第2制震バネ51と、摺動可能にプランジャ47/スリーブ50の外部に覆設されるとともに、第1制震バネ48と第2制震バネ51の間に位置するスライドスリーブ49、を含む。
【0142】
本実施例の制震装置36は、第1制震バネ48と第2制震バネ51を含んでおり、小さな衝撃を受けた場合には、第1制震バネ48が圧縮されて制震調節を行う。また、大きな衝撃を受けた場合には、第1制震バネ48と第2制震バネ51が共に圧力を受けて制震調節を行う。本実施例の制震装置36には支持制震方式を採用しており、第1制震バネ48と第2制震バネ51の制震調節によって制震効果を保証する。
【0143】
更に、本実施例で記載するプランジャ47における第1接続構造44寄りの一端には第1ブラケット46が設けられており、前記スリーブ50における第2接続構造53寄りの一端には第2ブラケット52が設けられている。また、前記スライドスリーブ49は、周方向において外側に突出する位置規制凸部を有している。前記第1制震バネ48の一端は第1ブラケット46に当止し、他端は位置規制凸部に当止する。また、前記第2制震バネ51の一端は第2ブラケット52に当止し、他端は位置規制凸部に当止する。
【0144】
具体的に、前記プランジャ47における第1接続構造44寄りの一端には位置規制突起が備わっている。また、第1ブラケット46は環状のフランジであり、第1ブラケット46の中心には位置規制凹溝45が備わっている。第1ブラケット46の位置規制凹溝45がプランジャ47の位置規制突起と係合することで、第1ブラケットの位置規制及び装着が実現される。
【0145】
前記第2ブラケット52は、スリーブ50における第2接続構造53寄りの一端の外周から外側に突出して形成される環状のフランジである。
【0146】
本実施例の一実施形態として、前記第1制震バネ48と第2制震バネ51は異なる弾性係数を有する。
【0147】
好ましくは、前記第1接続構造44は被支持制震体に接続され、前記第2接続構造53は固定支持体に接続される。また、前記第1制震バネ48の弾性係数は第2制震バネ51の弾性係数よりも小さい。
【0148】
本実施例の一実施形態として、前記スリーブ50の中空室内には摩擦片54が設置されている。前記プランジャ47の一端は、スリーブ50の中空室内に嵌設されて摩擦片54と接触を維持する。
【0149】
更に、前記摩擦片54は環状の摩擦片である。前記スリーブの中空室内には、軸方向に沿って複数の環状の摩擦片が均一に設置されている。
【0150】
本実施例の一実施形態として、前記スライドスリーブ49内には、プランジャ47/スリーブ50の外壁と接触を維持する摩擦片54が設置されている。
【0151】
本実施例の一実施形態として、前記第1接続構造44はプランジャ47の一端の端部に設けられる接続ネジであり、接続ネジとナットの連携によってプランジャを被支持制震体に固定接続する。
【0152】
前記第2接続構造53はスリーブ50の一端の端部に設けられる接続ネジであり、接続ネジとナットの連携によってスリーブを固定支持体に固定接続する。
【0153】
本実施例の制震装置は、外槽20とハウジング5を固定するための第1接続構造44と第2接続構造53を有している。
【0154】
制震装置のプランジャとスリーブの間には摩擦片が設置されており、摩擦片とプランジャの往復運動時の摩擦力によって減衰制震が行われる。
【0155】
制震バネは主なエネルギー蓄積ユニットであり、振動時の運動エネルギーをバネの弾性位置エネルギーに変換することで、振動エネルギーを緩衝するとともに、振動時の往復運動を提供する。前記制震バネは、直列に設置される第1制震バネ48と第2制震バネ51である。
【0156】
スリーブの底部には第2ブラケットが備わっており、スリーブの中央にはスライドスリーブが備わっている。工具を利用して第1制震バネ48を第2ブラケットに配置したあと、スライドスリーブを配置してから、更にその上に第2制震バネ51を配置し、工具により圧力を加えて収縮させる。第1ブラケットは配設溝を有しており、且つ幅がプランジャの直径よりも大きくなっている。よって、工具を取り除くと、第1制震バネ48の回復力によって完全な組み付けが実現される。
【0157】
高速で安定的な脱水を行っているときには、小さな衝撃力及び小さな振幅の振動によって、第1制震バネ48の振動のみがエネルギー蓄積ユニットとして実現され得る。また、このときの小さな摩擦減衰力はプランジャと摩擦片との摩擦力である。一方、脱水が突如として高速となった場合には、大きな衝撃力及び大きな振幅の振動によって、第1制震バネ48と第2制震バネ51の振動が実現され得、第1制震バネ48と第2制震バネ51が共にエネルギー蓄積ユニットとなって制震する。このときの大きな摩擦減衰力は、プランジャと摩擦片との摩擦力+スリーブとスライドスリーブとの摩擦力であるため、効果的な制震が可能となる。これにより、洗濯機の安定的な動作が実現され、振動及び振動に伴い発生する騒音が小さくなる。
【0158】
なお、バネアセンブリをスリーブ内等に設置することが連想され得る。
【実施例4】
【0159】
図1図8図14図17に示すように、本実施例の洗濯機用制震装置36は、一端に第1接続構造44を有するプランジャ47と、内部に一端が開口した中空室を有し、前記プランジャ47の他端が相対的に摺動可能に中空室内に嵌設され、中空室の開口とは反対側の一端に第2接続構造53を有するスリーブ50と、プランジャ47の外部に覆設される第1制震バネ48と、スリーブ50の外部に覆設される第2制震バネ51と、摺動可能にプランジャ47/スリーブ50の外部に覆設されるとともに、第1制震バネ48と第2制震バネ51の間に位置するスライドスリーブ49、を含む。
【0160】
前記第1制震バネ48と第2制震バネ51は、全体の高さを短縮するよう部分的に重なり合っている。
【0161】
本実施例の制震装置36は、第1制震バネ48と第2制震バネ51を含んでおり、小さな衝撃を受けた場合には、第1制震バネ48が圧縮されて制震調節を行う。また、大きな衝撃を受けた場合には、第1制震バネ48と第2制震バネ51が共に圧力を受けて制震調節を行う。本実施例の制震装置36には支持制震方式を採用しており、第1制震バネ48と第2制震バネ51の制震調節によって制震効果を保証する。
【0162】
本実施例の一実施形態として、本実施例で記載する洗濯機用制震装置では、前記スライドスリーブ49に、第1制震バネ48の一端を当止する第1位置規制部と、第2制震バネ51の一端を当止する第2位置規制部が備わっている。前記第1位置規制部は、第2制震バネの軸方向の高さ範囲内まで延伸しており、前記第2位置規制部は、第1制震バネの軸方向の高さ範囲内まで延伸している。
【0163】
更に、前記第1制震バネ48は第2制震バネ51の上部に設置されており、前記第1位置規制部の高さは第2位置規制部の高さよりも低い。
【0164】
具体的に、本実施例で記載する第1位置規制部は、スライドスリーブの中央部に設置されて第2制震バネの内部に向かって延伸するよう形成される位置規制室であり、前記第1制震バネの一端が前記位置規制室内に当止する。また、前記第2位置規制部は、位置規制室の開口の辺縁から周方向に延伸するよう形成される位置規制フランジであり、前記第2制震バネの一端が前記位置規制フランジに当止する。
【0165】
本実施例のスライドスリーブ49の構造設計によれば、第1制震バネ48と第2制震バネが一定の重なり合う空間距離Hを有しているため、制震のための全体高さをH分だけ小さくできる。これにより、制震器の高さを効果的に小さくできるため、装着しやすく、洗濯機の装着スペースの問題が解消される。
【0166】
本実施例の一実施形態として、前記第1制震バネ48と第2制震バネ51は異なる弾性係数を有する。
【0167】
好ましくは、前記第1制震バネ48の外径は第2制震バネ51の内径よりも小さい。
【0168】
好ましくは、前記第1接続構造は被支持制震体に接続され、前記第2接続構造は固定支持体に接続される。また、前記第1制震バネの弾性係数は第2制震バネの弾性係数よりも小さい。
【0169】
本実施例の一実施形態として、前記プランジャ47とスリーブ50の中空室の開口は間隔を隔てて設置される。これにより、制震装置の一定の度合での左右への揺動が実現されるため、水平方向に一定の調節作用が備わる。
【0170】
本実施例の一実施形態として、前記プランジャ47のうち中空室の内部に位置する一端には摩擦片54が設置されている。前記摩擦片は、スリーブの中空室の内壁と接触を維持する。
【0171】
本実施例の一実施形態として、前記スライドスリーブ49内には、プランジャ/スリーブの外壁と接触を維持するスライドスリーブ摩擦片54が設置されている。
【0172】
本実施例の制震装置は、外槽20とハウジング5を固定するための第1接続構造44と第2接続構造53を有している。
【0173】
制震装置のプランジャとスリーブの間には摩擦片が設置されており、摩擦片とプランジャの往復運動時の摩擦力によって減衰制震が行われる。
【0174】
制震バネは主なエネルギー蓄積ユニットであり、振動時の運動エネルギーをバネの弾性位置エネルギーに変換することで、振動エネルギーを緩衝するとともに、振動時の往復運動を提供する。前記制震バネは、直列に設置される第1制震バネ48と第2制震バネ51である。
【0175】
スリーブの底部には第2ブラケットが備わっており、スリーブの中央にはスライドスリーブが備わっている。工具を利用して第1制震バネ48を第2ブラケットに配置したあと、スライドスリーブを配置してから、更にその上に第2制震バネ51を配置し、工具により圧力を加えて収縮させる。第1ブラケットは配設溝を有しており、且つ幅がプランジャの直径よりも大きくなっている。よって、工具を取り除くと、第1制震バネ48の回復力によって完全な組み付けが実現される。
【0176】
高速で安定的な脱水を行っているときには、小さな衝撃力及び小さな振幅の振動によって、第1制震バネ48の振動のみがエネルギー蓄積ユニットとして実現され得る。また、このときの小さな摩擦減衰力はプランジャと摩擦片との摩擦力である。一方、脱水が突如として高速となった場合には、大きな衝撃力及び大きな振幅の振動によって、第1制震バネ48と第2制震バネ51の振動が実現され得、第1制震バネ48と第2制震バネ51が共にエネルギー蓄積ユニットとなって制震する。このときの大きな摩擦減衰力は、プランジャと摩擦片との摩擦力+スリーブとスライドスリーブとの摩擦力であるため、効果的な制震が可能となる。これにより、洗濯機の安定的な動作が実現され、振動及び振動に伴い発生する騒音が小さくなる。
【0177】
なお、バネアセンブリをスリーブ内等に設置することが連想され得る。
【実施例5】
【0178】
図1図8図18図20に示すように、本実施例の洗濯機用制震装置36は、一端に第1接続構造44を有し、他端にスライドプラグを有するプランジャ47と、内部に一端が開口した中空室を有し、前記プランジャ47のスライドプラグが相対的に摺動可能に中空室内に設置され、中空室の開口とは反対側の一端に第2接続構造53を有するスリーブ49と、中空室内に位置するプランジャ47の外部に覆設される第1制震バネ48と、スリーブ49の中空室内に嵌装される第2制震バネ51、を含む。
【0179】
第1制震バネ48と第2制震バネ51は、それぞれプランジャ47のスライドプラグの両側に位置している。
【0180】
本実施例の制震装置36には支持制震方式を採用しており、第1制震バネ48と第2制震バネ51が直列に接続されて制震調節を行うことで制震効果を保証する。
【0181】
本実施例の一実施形態として、前記スライドプラグは、プランジャ47のうちスリーブ49の中空室内に位置する一端の端部に設置されている。スライドプラグは、スリーブ49の中空室の内壁と摺接する。
【0182】
前記第1制震バネ48は、中空室内に位置するプランジャ47の外部に覆設されており、一端がスリーブ49の中空室の内壁に当止するとともに、他端がスライドプラグの一方の側に当止する。
【0183】
前記第2制震バネ51は、スリーブ49の中空室内に嵌装されており、一端がスリーブの中空室の内壁に当止するとともに、他端がスライドプラグの他方の側に当止する。
【0184】
更に、前記プランジャは柱体を含む。柱体の一端の端部には第1接続構造が備わっており、他端にはスライドプラグが接続されている。前記スリーブは、一端が開放された中空室を内部に有する筒体55と、中空室の開放された開口を覆う蓋体56を含む。前記蓋体56の中央部には、プランジャの柱体を挿通するための挿通孔が備わっている。
【0185】
好ましくは、前記柱体と前記挿通孔は間隔を隔てて設置される。
【0186】
更に、前記蓋体56のうちスリーブ49の中空室内に位置する一方の側面には位置規制凹溝57が備わっており、前記第1制震バネ48の一端が当該位置規制凹溝57内に位置規制及び当止される。
【0187】
更に、前記筒体55の中空室の内側の底壁には位置規制凹溝57が備わっており、第2制震バネ51の一端が当該位置規制凹溝57内に位置規制及び当止される。
【0188】
本実施例の一実施形態として、前記第1接続構造44は柱体の一端の端部に設けられる接続ネジであり、接続ネジとナットの連携によってプランジャを被支持制震体に固定接続する。
【0189】
前記第2接続構造53はスリーブの一端の端部に設けられる接続ネジであり、接続ネジとナットの連携によってスリーブを固定支持体に固定接続する。
【0190】
本実施例の一実施形態として、前記スライドプラグの外周には、スリーブの中空室の内壁と接触を維持する摩擦片が設置されている。
【0191】
本実施例の一実施形態として、前記第1制震バネと第2制震バネは異なる弾性係数を有する。
【0192】
好ましくは、前記第1接続構造は被支持制震体に接続され、前記第2接続構造は固定支持体に接続される。また、前記第1制震バネの弾性係数は第2制震バネの弾性係数よりも小さい。
【0193】
本実施例における制震装置の第2制震バネ51は、重力を支持する作用と、下向きの衝撃力を吸収する作用を奏する。第1制震バネ48は、プランジャ47の上向きの運動を規制する作用と、上向きの衝撃力を吸収する作用を奏する。スリーブとプランジャの間には一定の隙間hが設けられているため、制震器の一定の度合での左右への揺動が実現される。本実施例の制震装置は効果的な制震が可能なため、洗濯機の安定的な動作が実現されるとともに、震動及び震動に伴って発生する騒音が小さくなる。
【実施例6】
【0194】
図1図8図21図23に示すように、本実施例の洗濯機用制震装置36は、一端に第1接続構造44を有するプランジャ47と、内部に一端が開口した中空室を有し、前記プランジャ47の他端が相対的に摺動可能に中空室内に設置され、中空室の開口とは反対側の一端に第2接続構造53を有するスリーブ49と、プランジャ47の外部に覆設され、両端がそれぞれプランジャ47及びスリーブ49に当止する第1制震バネ48と、スリーブ49の中空室内に嵌装される第2制震バネ51、を含む。
【0195】
本実施例の一実施形態として、前記プランジャ47のうち前記スリーブ49の中空室内に位置する一端にはスライドプラグが設置されている。
【0196】
前記第2制震バネ51は、中空室内に位置するプランジャ47の外部に覆設されており、一端がスリーブ49の中空室の内壁に当止するとともに、他端がスライドプラグの一方の側に当止する。
【0197】
及び/又は、前記第2制震バネ51は、スリーブの中空室内に嵌装されており、一端がスリーブ49の中空室の内壁に当止するとともに、他端がスライドプラグの他方の側に当止する。
【0198】
本実施例の一実施形態として、前記プランジャは柱体を含む。柱体の一端の端部には第1接続構造が備わっており、他端にはスライドプラグが接続されている。前記スリーブは、一端が開放された中空室を内部に有する筒体と、中空室の開放された開口を覆う蓋体を含む。前記蓋体の中央部には、プランジャの柱体を挿通するための挿通孔が備わっている。
【0199】
好ましくは、前記柱体と前記挿通孔は間隔を隔てて設置される。
【0200】
本実施例の一実施形態として、前記スライドプラグの外周には、スリーブの中空室の内壁と接触を維持する摩擦片が設置されている。
【0201】
本実施例の一実施形態として、前記プランジャにおける第1接続構造寄りの一端には第1ブラケットが設置されており、前記スリーブにおける第2接続構造寄りの一端には第2ブラケットが設置されている。前記第1制震バネの一端は第1ブラケットに当止し、他端は第2ブラケットに当止する。
【0202】
本実施例の一実施形態として、前記プランジャにおける第1接続構造寄りの一端には位置規制突起が備わっている。また、第1ブラケットは環状のフランジであり、第1ブラケットの中心には位置規制凹溝が備わっている。第1ブラケットの位置規制凹溝がプランジャの位置規制突起と係合することで、第1ブラケットの位置規制及び装着が実現される。
【0203】
前記第2ブラケットは、スリーブにおける第2接続構造寄りの一端の外周から外側に突出して形成される環状のフランジである。
【0204】
本実施例の一実施形態として、前記第1制震バネと第2制震バネは異なる弾性係数を有する。
【0205】
好ましくは、前記第1接続構造は被支持制震体に接続され、前記第2接続構造は固定支持体に接続される。また、前記第1制震バネの弾性係数は第2制震バネの弾性係数よりも大きい。
【0206】
本実施例の制震装置は、外槽20とハウジング5を固定するための第1接続構造44と第2接続構造53を有している。
【0207】
制震装置のプランジャとスリーブの間には摩擦片が設置されており、摩擦片とプランジャの往復運動時の摩擦力によって減衰制震が行われる。
【0208】
制震バネは主なエネルギー蓄積ユニットであり、振動時の運動エネルギーをバネの弾性位置エネルギーに変換することで、振動エネルギーを緩衝するとともに、振動時の往復運動を提供する。前記制震バネは、直列に設置される第1制震バネ48と第2制震バネ51である。
【0209】
本実施例のスリーブ49は蓋体56を有する。また、摩擦片54と蓋体56の間のスリーブには第1制震バネ48が設置されており、外槽の大きな上向きの衝撃力を防止する。これにより、プランジャ47又は制震装置の伸長方向に位置規制機能が備わるため、制震装置が接続された外槽の大幅な運動が防止される。且つ、スリーブには第2ブラケットが備わっている。工具を利用して第2制震バネ51を第2ブラケットに配置したあと、工具により圧力を加えることで収縮させる。また、第1ブラケットは配設溝を有しており、且つ幅がプランジャの直径よりも大きくなっている。よって、工具を取り除くと、第1制震バネ48の回復力によって完全な組み付けが実現される。好ましくは、プランジャがブラケットの係合溝と係合する構造を有して、ぐらつき及び振動を防止する。
【0210】
第1制震バネ48は、重力を支持する作用と、下向きの衝撃力を吸収する作用を奏するとともに、位置規制機能を有するため、プランジャが際限なく圧縮されてスリーブ内に進入するとの事態が防止される。
【0211】
スリーブとプランジャの間には一定の隙間hが設けられているため、制震器の一定の度合での左右への揺動が実現される。
【0212】
本実施例の制震装置はスリーブの内外にバネを設置しているため、制震器の長さが小さくなる一方、機能は低下しない。これにより、洗濯機のハウジング内部のスペースを効果的に増加させられる。また、効果的な制震が可能となるため、洗濯機の安定的な動作が実現されるとともに、振動及び振動に伴い発生する騒音が小さくなる。
【0213】
以上は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に制限するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて実施可能なわずかな変形或いは補足は、同等に変形された等価の実施例とみなされ、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる任意の簡単な修正、同等の変形及び補足は、いずれも本発明の方案の範囲に属する。
図1
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