(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】SMS送信システム及びSMS送信プログラム
(51)【国際特許分類】
H04M 11/00 20060101AFI20240902BHJP
【FI】
H04M11/00 302
(21)【出願番号】P 2023218977
(22)【出願日】2023-12-26
【審査請求日】2023-12-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510197173
【氏名又は名称】株式会社ナレッジフロー
(72)【発明者】
【氏名】林 良生
【審査官】松原 徳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-170933(JP,A)
【文献】特開2013-243521(JP,A)
【文献】特開2014-038422(JP,A)
【文献】特開2022-164055(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04L51/00-51/58
67/00-67/75
H04M1/00
1/24-3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
99/00
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
SMS送信に使う送信元番号が2以上あることを特徴とし、
2以上の送信依頼者からのSMS送信依頼を受け付ける送信依頼受信部と、
宛先番号にSMSを送信するSMS送信部と、
送信元番号を選択する送信元番号選択部と、
SMS送信ごとの送信記録として送信日時と送信依頼者の識別子と送信元番号と宛先番号を保持する送信履歴保持部と、
前記送信履歴保持部を参照して該送信依頼者からのSMS送信依頼で該宛先番号に送信した送信記録を検索する送信履歴検索部と、
前記送信履歴検索部において過去一定期間の間に送信された送信記録がある場合はその送信記録と同じ送信元番号を選択する条件的送信元番号選択部を備えることを特徴とするSMS送信システム。
【請求項2】
前記送信履歴検索部において過去一定期間の間に送信された送信記録がない場合に、前記送信履歴保持部を検索し、過去一定期間の間に該宛先番号に送信した送信記録がない送信元番号があればそれを選択する未送信番号選択部を備えることを特徴とする請求項1に記載のSMS送信システム。
【請求項3】
送信元番号が使用可能かどうかを判定する送信元番号使用可否判定部と、
前記条件的送信元番号選択部に代えて、前記送信履歴検索部において過去一定期間の間に送信された送信記録があり、その送信記録と同じ送信元番号が前記送信元番号使用可否判定部において使用可能とされる場合に、該送信元番号を選択する条件的使用可能送信元番号選択部を備えることを特徴とする請求項1に記載のSMS送信システム。
【請求項4】
前記送信履歴検索部において過去一定期間の間に送信された送信記録で、その送信記録と同じ送信元番号が前記送信元番号使用可否判定部において使用可能とされるものがない場合に、前記送信履歴保持部を検索し、過去一定期間の間に該宛先番号に送信した送信記録がない送信元番号で、かつ、前記送信元番号使用可否判定部において使用可能とされる送信元番号があればそれを選択する未送信使用可能番号選択部を備えることを特徴とする請求項3に記載のSMS送信システム。
【請求項5】
前記送信履歴検索部において過去一定期間の間に送信された送信記録で、その送信記録と同じ送信元番号が前記送信元番号使用可否判定部において使用可能とされるものがない場合に最大一定時間待機する使用不可番号待機部と、
待機終了までの間に前記送信履歴検索部において過去一定期間の間に送信された送信記録で、その送信記録と同じ送信元番号が前記送信元番号使用可否判定部において使用可能とされる送信記録が存在するようになればその送信元番号を選択する復旧送信元番号選択部を備えることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のSMS送信システム。
【請求項6】
前記送信元番号使用可否判定部において使用不可とされた場合に使用不可の事由を判定する送信元番号使用不可事由判定部と、
前記使用不可番号待機部に代えて、前記送信履歴検索部において過去一定期間の間に送信された送信記録で、その送信記録と同じ送信元番号が前記送信元番号使用可否判定部において使用可能とされるものがない場合に前記送信元番号使用不可事由判定部で判定された送信不可の理由が特定の条件を満たすものの場合に、最大一定時間待機する特定理由待機部を備えることを特徴とする請求項5に記載のSMS送信システム。
【請求項7】
SMS送信に使う送信元番号が2以上あることを特徴とし、
2以上の送信依頼者からのSMS送信依頼を受け付ける送信依頼受信処理と、
宛先番号にSMSを送信するSMS送信処理と、
送信元番号を選択する送信元番号選択処理と、
SMS送信ごとの送信記録として送信日時と送信依頼者の識別子と送信元番号と宛先番号を保持する送信履歴保持処理と、
前記送信履歴保持処理を参照して該送信依頼者からのSMS送信依頼で該宛先番号に送信した送信記録を検索する送信履歴検索処理と、
前記送信履歴検索処理において過去一定期間の間に送信された送信記録がある場合はその送信記録と同じ送信元番号を選択する条件的送信元番号選択処理を実行させるためのSMS送信プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過去のSMSの送信履歴を参照して送信元番号を選択しSMSを送信する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、営業手段としてSMSを利用する企業が増加している。SMSは、送信したい相手の電話番号が分かれば送信できるという特徴を持ち、電話をかけてきた顧客に対する営業ツールとして大いに役立つ。 また、複数の顧客からの送信依頼を受け付け、SMSの送信を代行するサービスがある。送信元番号の確保にはコストがかかるが、顧客間で送信元番号を共有することでコストを節約することができる。
【0003】
こうした形態のSMSでは、ある送信依頼者からの依頼で、ある送信先のユーザーにSMSを何通か送るときに、複数の番号から送信すると、混乱を招いたり、不信感を抱かせてしまったりすることがある。また、複数の送信依頼者からの依頼で送信するSMSを、同一の番号から送信すると、送信先のユーザーの混乱を招くことがある。また、送信元番号ごとに1日に送信できる送信数の上限が決まっている場合がある。
【0004】
SMSに関するシステムについて、以下の技術が知られている。特許文献1には、1つの送信装置が送信するときに同じ宛先には同じ端末を使うシステムが公開されている。特許文献2には、SMSメッセージ送信の際に、一定期間内のSMSメッセージ送信記録を調べ、複数の送信元電話番号の候補の中から、SMSメッセージの送信先に対して送信した送信依頼者の数が最も少なくなるものを選択するシステムが公開されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特願2019ー070943号公報
【文献】特開2013ー243521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしこれらは、複数の送信依頼者がいる場合に、送信依頼者ごとに送信先のユーザーに同じ送信元番号を選択するという対策がなされていない。また、送信元番号ごとに1日に送信できる送信数の上限が決まっている場合において、効率よくSMSの送信を行うことに対する対策がなされていない。
【0007】
本発明は送信依頼者が複数存在する場合に、ある送信依頼者からの依頼で、ある送信先のユーザーにSMSを送信する場合に、同じ送信依頼者と送信先のユーザーの組み合わせの場合は同じ送信元番号を使うことを課題とする。また本発明は、送信履歴に基づいて可能な限り他の送信依頼者からの送信元番号と重複しない送信元番号を選択することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のSMS送信システムは、
SMS送信に使う送信元番号が2以上あることを特徴とし、
2以上の送信依頼者からのSMS送信依頼を受け付ける送信依頼受信部と、
宛先番号にSMSを送信するSMS送信部と、
送信元番号を選択する送信元番号選択部と、
SMS送信ごとの送信記録として送信日時と送信依頼者の識別子と送信元番号と宛先番号を保持する送信履歴保持部と、
前記送信履歴保持部を参照して該送信依頼者からのSMS送信依頼で該宛先番号に送信した送信記録を検索する送信履歴検索部と、
前記送信履歴検索部において過去一定期間の間に送信された送信記録がある場合はその送信記録と同じ送信元番号を選択する条件的送信元番号選択部を備えることを特徴とする。
【0009】
この特徴によれば、該送信依頼者と該宛先番号で送信履歴を検索し、過去一定期間の間に送信された送信記録がある場合はその送信記録と同じ送信元番号を選択することができる。
【0010】
特許文献1に記載のシステムのように同じ宛先番号に対し同じ送信元番号を使うとすると、複数の送信依頼者が利用する場合、かつ、送信元番号に送信件数の上限がある場合に送信可能な件数が少なくなってしまう。送信依頼者が異なる場合は、同じ宛先に対して異なる送信元番号を使うことができるとすることで、送信可能な件数が少なくなってしまうことを防ぐことができる。
【0011】
本発明のSMS送信システムは、
前記送信履歴検索部において過去一定期間の間に送信された送信記録がない場合に、前記送信履歴保持部を検索し、過去一定期間の間に該宛先番号に送信した送信記録がない送信元番号があればそれを選択する未送信番号選択部を備えることを特徴とする。
【0012】
この特徴によれば、該送信依頼者と該宛先番号で送信履歴を検索し、過去一定期間の間に送信された送信記録がない場合は、過去一定期間の間に該宛先番号に送信した送信記録がない送信元番号があればそれを選択することができる。すなわち、すでに送信したことがある送信先には前回と同じ送信元番号を使用し、送信したことがない送信先には他の送信依頼者が送信していない送信元番号を使用することができる。
【0013】
本発明のSMS送信システムは、
送信元番号が使用可能かどうかを判定する送信元番号使用可否判定部と、
前記条件的送信元番号選択部に代えて、前記送信履歴検索部において過去一定期間の間に送信された送信記録があり、その送信記録と同じ送信元番号が前記送信元番号使用可否判定部において使用可能とされる場合に、該送信元番号を選択する条件的使用可能送信元番号選択部を備えることを特徴とする。
【0014】
送信元には1日の送信数の上限がある場合があり、上限に達した場合、送信元番号からのSMSを送信できなくなる。この特徴によれば、送信元番号が使用可能かどうかを判定し、該送信依頼者と該宛先番号で送信記録を探し、過去一定期間の間に送信された送信記録の送信元番号で、かつ、使用可能である送信元番号があればそれを選択することができる。
【0015】
本発明のSMS送信システムは、
前記送信履歴検索部において過去一定期間の間に送信された送信記録で、その送信記録と同じ送信元番号が前記送信元番号使用可否判定部において使用可能とされるものがない場合に、前記送信履歴保持部を検索し、過去一定期間の間に該宛先番号に送信した送信記録がない送信元番号で、かつ、前記送信元番号使用可否判定部において使用可能とされる送信元番号があればそれを選択する未送信使用可能番号選択部を備えることを特徴とする。
【0016】
この特徴によれば、過去一定期間の間に送信された送信記録の送信元番号で、かつ、使用可能である送信元番号がない場合は、過去一定期間の間に該宛先番号に送信した送信記録がないかつ、使用可能である送信元番号があればそれを選択することができる。
【0017】
本発明のSMS送信システムは、
前記送信履歴検索部において過去一定期間の間に送信された送信記録で、その送信記録と同じ送信元番号が前記送信元番号使用可否判定部において使用可能とされるものがない場合に最大一定時間待機する使用不可番号待機部と、
待機終了までの間に前記送信履歴検索部において過去一定期間の間に送信された送信記録で、その送信記録と同じ送信元番号が前記送信元番号使用可否判定部において使用可能とされる送信記録が存在するようになればその送信元番号を選択する復旧送信元番号選択部を備えることを特徴とする。
【0018】
この特徴によれば、過去一定期間の間に送信された送信記録の送信元番号で、かつ、使用可能である送信元番号がない場合は、最大一定時間待機し、待機終了までの間に、過去一定期間の間に該送信依頼者と該宛先番号で送信された送信記録の送信元番号で、かつ、使用可能である送信元番号が存在するようになれば、それを選択することができる。
【0019】
本発明のSMS送信システムは、前記送信元番号使用可否判定部において使用不可とされた場合に使用不可の事由を判定する送信元番号使用不可事由判定部と、
前記使用不可番号待機部に代えて、前記送信履歴検索部において過去一定期間の間に送信された送信記録で、その送信記録と同じ送信元番号が前記送信元番号使用可否判定部において使用可能とされるものがない場合に前記送信元番号使用不可事由判定部で判定された送信不可の理由が特定の条件を満たすものの場合に、最大一定時間待機する特定理由待機部を備えることを特徴とする。
【0020】
この特徴によれば、送信元番号が使用不可の場合に、使用不可の事由を判定し、該送信依頼者と該宛先番号で送信履歴を探し、過去一定期間の間に送信された送信記録の送信元番号で、かつ、使用可能である送信元番号がない場合は、送信不可の理由が特定の条件を満たすものの場合に、最大一定時間待つことができる。
【0021】
本発明のSMS送信プログラムは、
SMS送信に使う送信元番号が2以上あることを特徴とし、
2以上の送信依頼者からのSMS送信依頼を受け付ける送信依頼受信処理と、
宛先番号にSMSを送信するSMS送信処理と、
送信元番号を選択する送信元番号選択処理と、
SMS送信ごとの送信記録として送信日時と送信依頼者の識別子と送信元番号と宛先番号を保持する送信履歴保持処理と、
前記送信履歴保持処理を参照して該送信依頼者からのSMS送信依頼で該宛先番号に送信した送信記録を検索する送信履歴検索処理と、
前記送信履歴検索処理において過去一定期間の間に送信された送信記録がある場合はその送信記録と同じ送信元番号を選択する条件的送信元番号選択処理を実行させる。
【0022】
この特徴によれば、コンピュータをSMS送信プログラムとして動作させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、本発明は送信依頼者が複数存在する場合に、ある送信依頼者からの依頼で、ある送信先のユーザーにSMSを送信する場合に、同じ送信依頼者と送信先のユーザーの組み合わせの場合は同じ送信元番号を使うことを可能にし、送信履歴に基づいて可能な限り他の送信依頼者からの送信元番号と重複しない送信元番号を選択するSMS送信システム及びSMS送信プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、第1実施形態におけるSMS送信システム1の構成を示す図である。
【
図2】
図2は、SMS送信部13が送信するSMSの例を示す図である。
【
図3】
図3は、送信履歴保持部14が記録する情報を示す図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態における条件的送信元番号選択部16および未送信番号選択部17が送信元番号を選択するまでの流れを示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、第2実施形態におけるSMS送信システム1の構成を示す図である。
【
図6】
図6は、未送信使用可能番号選択部113が行う選択の流れを示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、送信元番号使用不可事由判定部116において表示される判定結果を示す図である。
【
図8】
図8は、特定理由待機部117の対応を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の第1実施形態における実施例を説明する。
(実施例:第1実施形態)
【0026】
図1は、第1実施形態におけるSMS送信システム1の構成を示す図である。
【0027】
SMS送信システム1は利用者端末2及び顧客端末3と通信ネットワークで繋がっている。
【0028】
SMS送信システム1は、送信依頼受信部11、送信元番号選択部12、SMS送信部13、送信履歴保持部14、送信履歴検索部15、条件的送信元番号選択部16、未送信番号選択部17を備える。
【0029】
通信ネットワークは、電話網、専用回線、LAN(LOCAL AREA NETWORK)、インターネットなどであり、これらを組み合わせたものであってもよい。
【0030】
SMS送信システム1の各構成部(送信依頼受信部11、送信元番号選択部12、SMS送信部13、送信履歴保持部14、送信履歴検索部15、条件的送信元番号選択部16、未送信番号選択部17)に対応する処理は、1つの装置で実行されてもよいし、複数の装置で実行されてもよい。各構成部に対応する処理を実行する装置は、それぞれ、物理的に離れた位置にあってもよい。
【0031】
送信依頼受信部11は、送信依頼者からのSMS送信依頼を受け付ける。
【0032】
送信元番号選択部12は、依頼を受けて送信元番号を選択する。
【0033】
SMS送信部13は、宛先番号にSMSを送信する。
【0034】
送信履歴保持部14は、SMS送信ごとの送信記録として送信日時と送信依頼者の識別子と送信元番号と宛先番号を保持する。
【0035】
送信履歴検索部15は、前記送信履歴保持部14を参照して該送信依頼者が該宛先番号に送信した送信記録を検索する。
【0036】
条件的送信元番号選択部16は、前記送信履歴検索部15において過去一定期間の間に送信された送信記録がある場合はその送信記録と同じ送信元番号を選択する。
【0037】
未送信番号選択部17は、前記送信履歴検索部15において過去一定期間の間に送信された送信記録がない場合に、前記送信履歴保持部14を検索し、過去一定期間の間に該宛先番号に送信した送信記録がない送信元番号があればそれを選択する。
(第1実施形態:送信履歴に基づくSMS送信)
【0038】
以下、SMS送信システム1による送信履歴に基づくSMS送信の処理の一例を示す。
【0039】
送信依頼受信部11は、送信依頼者「A社」からのSMS送信依頼を受け付ける。
【0040】
送信元番号選択部12は、依頼を受けて送信元番号「08012345678」を選択する。
【0041】
図2は、SMS送信部13が送信するSMSの例を示す図である。
【0042】
SMS送信部13は、送信元番号「08012345678」から宛先番号「08011111111」宛にSMSを送信する。SMS送信部13は送信文「弊社の電話録音サービスに興味をお持ちいただきありがとう ございます。スマート録音・録音端末貸出プラン、初期費用:2000円、基本料金:月3500円(端末X1)、端末追加数 X 月2500円」を送信する。
【0043】
図3は、送信履歴保持部14が記録する情報を示す図である。
【0044】
送信履歴保持部14は、SMS送信ごとに送信履歴を保持し、送信記録として送信日時「2023/ 12:00:00」、送信依頼者名「A社」、送信依頼者の識別子「A」、送信元番号「08012345678」、宛先番号「08011111111」を保持する。
【0045】
送信履歴検索部15は、前記送信履歴保持部14を参照して該送信依頼者「A社」が該宛先番号「08011111111」宛てに送信した送信記録を検索する。
【0046】
図4は、条件的送信元番号選択部16および未送信番号選択部17が送信元番号を選択するまでの流れを示すフローチャートである。
【0047】
条件的送信元番号選択部16は、「08011111111」という番号宛にSMSを送信するときに、前記送信履歴検索部15において過去一定期間の間に送信された送信記録を検索し、送信記録「2023/ 12:00:00」と同じ送信元番号「08012345678」を選択する。
【0048】
未送信番号選択部17は、B社からの依頼で「08011111111」という番号宛にSMSを送信するときに、前記送信履歴検索部15において過去一定期間の間に送信された送信記録がない場合に、前記送信履歴保持部14を検索し、過去一定期間の間に該宛先番号「08011111111」に送信した送信記録がない送信元番号「09022222222」を選択する。
【0049】
本実施例を変更し、送信元番号選択部12は、条件的送信元番号選択部16と未送信番号選択部17が送信元番号を選択できなかった場合に、最後に送った送信記録の送信元番号を選ぶとしてもよい。
【0050】
また、本実施例を変更し、過去一定期間ではなく全期間の送信記録を調べるということにしてもよい。また、そのときには、送信履歴保持部14に送信日時を保持しないということにしてもよい。
【0051】
また、本実施例を変更し、送信元番号ごとに識別子がある場合は、送信履歴保持部14は送信元番号を保持するかわりに識別子を保持するとしてもよい。例えば、送信元番号ごとにその送信元番号を使う送信端末が定まっている場合は、送信元番号の代わりに送信端末の識別子を保持するとしてもよい。
【0052】
また、本実施例を変更し、送信元番号選択部12は、該当の送信元番号が複数ある場合に、条件的送信元番号選択部16と未送信番号選択部17が送信元番号を選択できなかった場合に、過去一定期間の間の送信数が最も少ない送信元番号を選ぶとしてもよい。
【0053】
また、本実施例を変更し、送信元番号選択部12は、該当の送信元番号が複数ある場合に、条件的送信元番号選択部16と未送信番号選択部17が送信元番号を選択できなかった場合に、過去一定期間の間の送信数が一定数以下の送信元番号を選ぶとしてもよい。
【0054】
以下、本発明の第2実施形態における実施例を説明する。
(実施例:第2実施形態)
【0055】
図5は、第2実施形態におけるSMS送信システム1の構成を示す図である。
【0056】
SMS送信システム1は、送信依頼受信部11、送信元番号選択部12、SMS送信部13、送信履歴保持部14、送信履歴検索部15、送信元番号使用可否判定部111、条件的使用可能番号選択部112、未送信使用可能番号選択部113、使用不可番号待機部114、復旧送信元番号選択部115、送信元番号使用不可事由判定部116、特定理由待機部117を備える。
【0057】
通信ネットワークは、電話網、専用回線、LAN(LOCAL AREA NETWORK)、インターネットなどであり、これらを組み合わせたものであってもよい。
【0058】
SMS送信システム1の各構成部(送信依頼受信部11、送信元番号選択部12、SMS送信部13、送信履歴保持部14、送信履歴検索部15、送信元番号使用可否判定部111、条件的使用可能番号選択部112、未送信使用可能番号選択部113、使用不可番号待機部114、復旧送信元番号選択部115、送信元番号使用不可事由判定部116、特定理由待機部117)に対応する処理は、1つの装置で実行されてもよいし、複数の装置で実行されてもよい。各構成部に対応する処理を実行する装置は、それぞれ、物理的に離れた位置にあってもよい。
【0059】
送信元番号使用可否判定部111は、送信元番号が使用可能かどうかを判定する。
【0060】
条件的使用可能番号選択部112は前記条件的送信元番号選択部16に代わって、選択された送信元電話番号が前記送信元番号使用可否判定部111において使用可能とされた場合に該送信元番号を選択する。
【0061】
未送信使用可能番号選択部113は、前記送信履歴検索部15において過去一定期間の間に送信された送信記録で、その送信記録と同じ送信元番号が前記送信元番号使用可否判定部111において使用可能とされるものがない場合に、前記送信履歴保持部14を検索して過去一定期間の間に該宛先番号に送信した送信記録がない送信元番号で、かつ、前記送信元番号使用可否判定部111において使用可能とされる送信元番号があればそれを選択する。
【0062】
使用不可番号待機部114は、前記送信履歴検索部15において過去一定期間の間に送信された送信記録で、その送信記録と同じ送信元番号で前記使用可能番号選択部112において使用可能である送信元番号がない場合に最大一定時間待機する。
【0063】
復旧送信元番号選択部115は、前記送信履歴検索部15において過去一定期間の間に送信された送信記録で、その送信記録と同じ送信元番号が前記送信元番号使用可否判定部111において使用可能とされる送信記録が存在するようになればその送信元番号を選択する。
【0064】
送信元番号使用不可事由判定部116は、前記送信元番号使用可否判定部111において使用不可とされた場合に使用不可の事由を判定する。
【0065】
特定理由待機部117は、使用不可番号待機部114に代えて、前記送信履歴検索部15において過去一定期間の間に送信された送信記録で、その送信記録と同じ送信元番号が前記送信元番号使用可否判定部111において使用可能とされるものがない場合に、前記送信元番号使用不可事由判定部116で判定された送信不可の理由が特定の条件を満たすものの場合に、最大一定時間待つ。
(第2実施形態:送信元番号の使用可否を判定するSMS送信)
【0066】
送信元番号使用可否判定部111は、送信元番号「08012345678」が使用可能かどうかを判定し、「使用可」を保持する。
【0067】
条件的使用可能番号選択部112は、前記条件的送信元番号選択部16に代わって、送信元電話番号「08012345678」について、送信元番号使用可否事由判定部116を参照して「使用可」である場合に、該送信元番号「08012345678」を選択する。
【0068】
図6は、未送信使用可能番号選択部113が行う選択の流れを示すフローチャートである。
【0069】
未送信使用可能番号選択部113は、前記未送信番号選択部17に代えて、前記送信履歴検索部15で検索して過去一定期間の間に送信された送信記録で、その送信記録と同じ送信元番号「08012345678」が前記送信元番号使用可否判定部111において「使用不可」である場合に、前記送信履歴保持部14を検索して、過去一定期間の間に該宛先番号「08011111111」に送信した送信記録がない送信元番号で、かつ、前記送信元番号使用可否判定部111において「使用可」とされる送信元番号「08022222222」を選択する。
【0070】
送信元番号選択部12は、条件的使用可能番号選択部112と未送信使用可能番号選択部113が送信元番号を選択できなかった場合に、使用可能な端末の中で、かつ、該送信依頼者と該宛先番号の送信記録の最後の送信記録の送信元番号を選ぶとしてもよい。
【0071】
送信元番号選択部12は、条件的使用可能番号選択部112で複数の送信元番号が見つかった場合に、使用可能な端末の中で、かつ、該送信依頼者と該宛先番号の送信記録の過去一定期間内の送信数が多い送信元番号を選ぶとしてもよい。
(第2実施形態:番号が使用不可の場合)
【0072】
使用不可番号待機部114は、 前記送信履歴検索部15で検索して過去一定期間の間に送信された送信記録で、その送信記録と同じ送信元番号「08012345678」が前記送信元番号使用可否判定部111において「使用不可」である場合に最大一定時間待機する。
【0073】
復旧送信元番号選択部115は、待機終了までの間に前記送信履歴検索部15で検索して過去一定期間の間に送信された送信記録で、その送信記録と同じ送信元番号「08022222222」が前記送信元番号使用可否判定部111において「使用可」とされる送信記録が存在するようになればその送信元番号「08022222222」を選択する。
【0074】
図7は、送信元番号使用不可事由判定部116において表示される判定結果を示す図である。
【0075】
送信元番号使用不可事由判定部116は、前記送信元番号使用可否判定部111において「使用不可」とされた場合に使用不可の事由「端末再起動中」「送信上限に達したため次の日まで待機中」を判定する。
【0076】
図8は、特定理由待機部117の対応を示すフローチャートである。
【0077】
特定理由待機部117は、前記送信履歴検索部15で検索して過去一定期間の間に送信された送信記録で、その送信記録と同じ送信元番号「08012345678」が前記送信元番号使用可否判定部111において「使用不可」である場合に、前記送信元番号使用不可事由判定部116で判定された送信不可の理由が「端末再起動中」の場合は一定時間待ち、「送信上限に達したため次の日まで待機中」の場合は待たずに、未送信使用可能番号選択部113で、前記送信履歴保持部14を検索して過去一定期間の間に該宛先番号「08011111111」に送信した送信記録がない送信元番号で、かつ、前記送信元番号使用可否判定部111において「使用可」と判定される送信元番号「08022222222」を選択する。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は送信依頼者が複数存在する場合に、ある送信依頼者からの依頼で、ある送信先のユーザーにSMSを送信する場合に、同じ送信依頼者と送信先のユーザーの組み合わせの場合は同じ送信元番号を使うことを可能にし、送信履歴に基づいて可能な限り他の送信依頼者からの送信元番号と重複しない送信元番号を選択するSMS送信システム及びSMS送信プログラムである。メールマガジン配信の代行システムを提供する事業所での利用が考えられる。
【符号の説明】
【0079】
1 SMS送信システム
11 送信依頼受信部
12 送信元番号選択部
13 SMS送信部
14 送信履歴保持部
15 送信履歴検索部
16 条件的送信元番号選択部
17 未送信番号選択部
111 送信元番号使用可否判定部
112 条件的使用可能番号選択部
113 未送信使用可能番号選択部
114 使用不可番号待機部
115 復旧送信元番号選択部
116 送信元番号使用不可事由判定部
117 特定理由待機部
2 利用者端末
3 顧客端末
【要約】 (修正有)
【課題】送信依頼者が複数存在する場合に、送信履歴に基づいて可能な限り他の送信依頼者からの送信元番号と重複しない送信元番号を選択するSMS送信システム及びSMS送信プログラムを提供する。
【解決手段】SMS送信システムは、2以上の送信依頼者からのSMS送信依頼を受け付ける送信依頼受信部と、宛先番号にSMSを送信するSMS送信部と、送信元番号を選択する送信元番号選択部と、SMS送信ごとの送信記録として送信日時と送信依頼者の識別子と送信元番号と宛先番号を保持する送信履歴保持部と、前記送信履歴保持部を参照して該送信依頼者からのSMS送信依頼で該宛先番号に送信した送信記録を検索する送信履歴検索部と、前記送信履歴検索部において過去一定期間の間に送信された送信記録がある場合はその送信記録と同じ送信元番号を選択する条件的送信元番号選択部を備える。
【選択図】
図1