(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】洗濯ネット
(51)【国際特許分類】
D06F 35/00 20060101AFI20240902BHJP
【FI】
D06F35/00 A
(21)【出願番号】P 2020184252
(22)【出願日】2020-11-04
【審査請求日】2023-11-01
(73)【特許権者】
【識別番号】500331714
【氏名又は名称】株式会社創和
(74)【代理人】
【識別番号】100178951
【氏名又は名称】長谷川 和家
(72)【発明者】
【氏名】宗 正雄
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3117659(JP,U)
【文献】欧州特許出願公開第01398408(EP,A2)
【文献】登録実用新案第3209912(JP,U)
【文献】登録実用新案第3154982(JP,U)
【文献】特開2006-340775(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物を洗濯機で洗濯する際に用いる洗濯ネットにおいて、
履物を出し入れする開口部が設けられた袋状の本体と、
前記開口部を上にした状態で、該開口部の下方に位置し、前記本体内を、履物の一方を収容する空間と履物の他方を収容する空間に仕切る回動片と、
前記開口部を閉塞する閉塞部材と、を有し、
前記開口部を上にした状態で、前記回動片は、下端部分が前記本体内の底部に取り付けられ、該下端部分を軸に回動可能なものであ
り、
前記回動片は、前記開口部の延在方向に沿って延在し、該延在方向と直交する方向に回動するものであるとともに、該開口部の延在方向における、該回動片の両側には隙間が設けられていることを特徴とする洗濯ネット。
【請求項2】
履物を洗濯機で洗濯する際に用いる洗濯ネットにおいて、
履物を出し入れする開口部が設けられた袋状の本体と、
前記開口部を上にした状態で該開口部の下方に位置し、収容された一方の履物の底が一方側の面に接触するとともに収容された他方の履物の底が他方側の面に接触する
回動片と、
前記開口部を閉塞する閉塞部材と、を有し、
前記開口部を上にした状態で、前記回動片は、下端部分が前記本体内の底部に取り付けられ、該下端部分を軸に回動可能なものであ
り、
前記回動片は、前記開口部の延在方向に沿って延在し、該延在方向と直交する方向に回動するものであるとともに、該開口部の延在方向における、該回動片の両側には隙間が設けられていることを特徴とする洗濯ネット。
【請求項3】
前記開口部は、収容する履物の足長方向の長さよりも大きく形成され、前記本体内に履物を足幅方向に出し入れできるもので
あることを特徴とする請求項1又は2記載の洗濯ネット。
【請求項4】
前記本体は、内側に位置する網目状の内側生地と外側に位置する網目状の外側生地とを相互に密着させてなる二重構造のものであり、
前記内側生地は、内側に微少な突起物が多数設けられたものであることを特徴とする請求項1~3のうちいずれか1項の洗濯ネット。
【請求項5】
前記回動片は、板状の芯材と該芯材を被覆する被覆生地とを有するものであり、
前記被覆生地は、表面に微少な突起物が多数設けられたものであることを特徴とする請求項1~4のうちいずれか1項の洗濯ネット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上履き等の履物の洗濯に好適な洗濯ネットに関する。
【背景技術】
【0002】
上履きやスニーカー、スリッパ等の履物の汚れはブラシを使用して手洗いするのが一般的であるが、手洗いは手間がかかるといった問題点が指摘されていた。ここで、網目状の素材からなり、洗濯物を収容した状態で洗濯機内に投入される洗濯ネットには、種々のものが採用されており、最近では、洗濯機で洗濯できるように、履物類を収容する洗濯ネットも登場してきている(例えば、特許文献1~特許文献3等参照)。これらの洗濯ネットを用いれば、履物を洗濯ネットに収容し、洗濯機に投入するだけでよいため、手洗いする面倒な手間を省くことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3209912号公報
【文献】実用新案登録第3224122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これらの洗濯ネットでは、上履き等の履物の出し入れのし易さや安定性等について、まだまだ改善の余地があるのが現状である。
【0005】
本発明は前記事情に鑑み、上履き等の履物の洗濯に好適であって、履物の出し入れのし易さや安定性を向上させる工夫がなされた洗濯ネットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を解決する本発明の第1の洗濯ネットは、履物を洗濯機で洗濯する際に用いる洗濯ネットにおいて、
履物を出し入れする開口部が設けられた袋状の本体と、
前記開口部を上にした状態で、該開口部の下方に位置し、前記本体内を、履物の一方を収容する空間と履物の他方を収容する空間に仕切る回動片と、
前記開口部を閉塞する閉塞部材と、を有し、
前記開口部を上にした状態で、前記回動片は、下端部分が前記本体内の底部に取り付けられ、該下端部分を軸に回動可能なものであり、
前記回動片は、前記開口部の延在方向に沿って延在し、該延在方向と直交する方向に回動するものであるとともに、該開口部の延在方向における、該回動片の両側には隙間が設けられていることを特徴とする。
【0007】
本発明の第1の洗濯ネットによれば、前記本体内が、前記回動片によって、履物の一方を収容する空間と履物の他方を収容する空間に仕切られるため、該本体内で履物の姿勢を安定させて洗濯機で洗濯することが可能となる。また、前記回動片が回動可能なものであるため、該回動片を回動させながら、履物を片方ずつ前記本体内に収容させることができ、履物の出し入れが容易になる。
【0008】
前記目的を解決する本発明の第2の洗濯ネットは、履物を洗濯機で洗濯する際に用いる洗濯ネットにおいて、
履物を出し入れする開口部が設けられた袋状の本体と、
前記開口部を上にした状態で該開口部の下方に位置し、収容された一方の履物の底が一方側の面に接触するとともに収容された他方の履物の底が他方側の面に接触する
回動片と、
前記開口部を閉塞する閉塞部材と、を有し、
前記開口部を上にした状態で、前記回動片は、下端部分が前記本体内の底部に取り付けられ、該下端部分を軸に回動可能なものであり、
前記回動片は、前記開口部の延在方向に沿って延在し、該延在方向と直交する方向に回動するものであるとともに、該開口部の延在方向における、該回動片の両側には隙間が設けられていることを特徴とする。
【0009】
本発明の第2の洗濯ネットによっても、前記回動片を回動させながら、履物を片方ずつ前記本体内に収容させることができ、履物の出し入れが容易になる。また、本発明の第2の洗濯ネットでは、一方の履物の底が前記回動片の一方側の面に接触し、他方の履物の底が該回動片の他方側の面に接触した状態で履物を前記本体内に収容することができ、該本体内で履物の姿勢をよりいっそう安定させて洗濯機で洗濯することが可能となる。
【0010】
ここで、前記第1の洗濯ネット及び前記第2の洗濯ネットにおいて、前記本体は、扁平矩形状のものであってもよいし、円柱状のものであってもよい。また、ここでいう履物には、上履きやスニーカ、スリッパ等、洗濯可能な履物が全て含まれる。さらに、前記閉塞部材は、スライドファスナの他、両面ファスナやボタン、フック等を採用することができる。なお、前記本体に、キャラクター等のデザインを施してもよいし、該本体の形状を、キャラクターや動物等の形状としてもよく、該本体に対して、動物やキャラクターの耳、あるいは魚の尻尾等を模した突起を取り付けてもよい。
【0011】
また、本発明の第1の洗濯ネット及び本発明の第2の洗濯ネットにおいて、前記開口部は、収容する履物の足長方向の長さよりも大きく形成され、前記本体内に履物を足幅方向に出し入れできるものであってもよい。
【0012】
この態様を採用すれば、前記本体内に履物を足幅方向(横方向)に出し入れすることができ、履物の出し入れをより容易にすることができる。これに対して、前記本体内に履物を足長方向(縦方向)に出し入れする態様では、履物の底等が前記本体の内面に接触し易くなる(さからってしまう)ため、出し入れしにくいおそれがある。なお、前記本体内に履物を足幅方向に出し入れする態様では、仕切があると却って出し入れしにくくなることが考えられるが、仕切となる前記回動片が前記延在方向と直交する方向に回動するため、出し入れのし易さを損なうおそれもない。
【0013】
さらに、本発明の第1の洗濯ネット及び本発明の第2の洗濯ネットにおいて、前記本体は、内側に位置する網目状の内側生地と外側に位置する網目状の外側生地とを相互に密着させてなる二重構造のものであり、
前記内側生地は、内側に微少な突起物が多数設けられたものであってもよい。
【0014】
この態様を採用すれば、前記突起物によって、履物の洗浄効果(ブラッシング効果)を向上させることができる。なお、ここでいう前記突起物は、起毛状やパイル状、あるいは繊維の編み込み状であってもよい。
【0015】
またさらに、本発明の第1の洗濯ネット及び本発明の第2の洗濯ネットにおいて、前記回動片は、板状の芯材と該芯材を被覆する被覆生地とを有するものであり、
前記被覆生地は、表面に微少な突起物が多数設けられたものであってもよい。
【0016】
この態様によっても、前記突起物によって、履物の洗浄効果(ブラッシング効果)を向上させることができる。特に、収容された一方の履物の底が前記回動片の一方側の面に接触し、収容された他方の履物の底が該回動片の他方側の面に接触する態様の場合には、履物の底を効果的に洗浄することが可能になる。なお、前記本体内に収容した履物の安定性、及び履物の洗浄効果の点から、前記芯材には所定の強度を有するものが好ましく、該芯材として、例えばプラスチックダンボール等を好適に用いることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の洗濯ネットによれば、上履き等の履物の洗濯に好適であって、履物の出し入れのし易さや安定性を向上させる工夫がなされた洗濯ネットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1の実施形態を示す洗濯ネットの斜視図である。
【
図2】
図1に示す洗濯ネットのスライドファスナを閉めた状態の平面図である。
【
図4】
図2に示す洗濯ネットのA-A線断面図である。
【
図5】本発明の第2の実施形態を示す洗濯ネットの斜視図である。
【
図6】
図5に示す洗濯ネットのスライドファスナを閉めた状態の平面図である。
【
図8】
図6に示す洗濯ネットのB-B線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下に説明する実施の形態では、上履きを収容する例を用いて説明するが、収容する履物は、スニーカ、スリッパ等、洗濯可能な履物であれば限定されるものではない。
【0020】
図1は、本発明の第1の実施形態を示す洗濯ネット10の斜視図である。この
図1においては、上履きSHを収容し、詳しくは後述するスライドファスナ4を開けて開口部OPを拡げた状態を示している。
図2は、
図1に示す洗濯ネット10のスライドファスナ4を閉めた状態の平面図である。
図3は、
図1に示す洗濯ネット10(スライドファスナ4を開けて開口部OPを拡げた状態)の平面図である。
図4は、
図2に示す洗濯ネット10のA-A線断面図である。なお、上履きSHについては、その一方を、一方の上履きSH1と称し、他方を、他方の上履きSH2と称する場合がある。
【0021】
図1~
図4に示すように、本実施形態の洗濯ネット10は、開口部OPが設けられた袋状の本体2を有している。この本体2は、
図2に示す平面視において略矩形状のものであり、
図2及び
図3において、開口部OPが左右方向に延在して設けられている。すなわち、
図2及び
図3における左右方向が、開口部OPの延在方向となる。本実施形態の開口部OPは、収容する上履きSHの足長方向の長さよりも大きく形成され、本体2内に上履きSHを足幅方向(横方向)に出し入れできるように構成されている。また、開口部OPを閉塞する閉塞部材として、本実施形態ではスライドファスナ4を採用している。なお、本体2には、取手5が設けられている。
【0022】
また、本体2内には、開口部OPを上にした状態(
図4に示す状態)で、開口部OPの下方に位置する回動片3が設けられている。本実施形態の回動片3は略矩形状の板状のものであり、
図4に示すように、下端部分が、例えば縫製によって本体2内の底部に取り付けられている。この回動片3は、
図1及び
図3に示すように、開口部OPの延在方向に沿って延在し、
図4において円弧状の両矢印で示すように、開口部OPの延在方向(
図4では紙面と直交する方向)と直交する方向に回動するものである。すなわち、回動片3は、下端部分を軸に回動可能なものである。このため、
図4に示すように、回動片3を立てて上履きSHを収容した状態では、本体2は、断面視(側面視)紡錘形に膨らむが、上履きSHを収容しない場合は、回動片3をいずれか一方に回動させて本体2の内面に寝かせるようにすれば、本体2を扁平状にすることができる。このため、洗濯ネット10を商品として輸送する場合や保管する場合等に便利である。
【0023】
図3及び
図4に示すように、本体2内は、回動片3によって、一方の上履きSH1を収容する空間SP1(
図4では左側)と他方の上履きSH2を収容する空間SP2(
図4では右側)に仕切ることができる。このように、本体2内が、回動片3によって、一方の上履きSH1を収容する空間SP1と他方の上履きSH2を収容する空間SP2に仕切られるため、本体2内で上履きSHの姿勢を安定させて洗濯機で洗濯することが可能となる。なお、
図3において白抜きの両矢印で示すように、開口部OPの延在方向における、回動片3の両側には隙間が設けられているが、本出願でいう仕切られるという概念には、本体2内で履物の姿勢を安定させることが可能であれば、多少の隙間が生じても含まれるものとする。
【0024】
さらに、本実施形態では、一方の上履きSH1の底が、回動片3の一方側の面31に接触するとともに、他方の上履きSH2の底が、回動片3の他方側の面32に接触した状態で、本体2内に収容されている。この態様を採用すれば、本体2内で上履きSHの姿勢をよりいっそう安定させて洗濯機で洗濯することが可能となる。ここで、本体2内で上履きSHの姿勢を安定させるには、回動片3における、開口部OPの延在方向の長さは、上履きSHの足長方向の長さの1/2以上とすることが好ましい。なお、上履きSHは、
図1,
図3及び
図4に示すように、一方の上履きSH1と他方の上履きSH2を反対向きに本体2内に収容すると、洗濯機内で洗濯される際の重量バランスの点で好ましい。
【0025】
図4に示すように、本体2は、内側に位置する網目状の内側生地2Aと外側に位置する網目状の外側生地2Bとを相互に密着させてなる二重構造のものである。内側生地2Aは、例えば六角形状のパイルメッシュを採用することができ、この内側生地2Aは主として洗浄機能(ブラッシング機能)を発揮する。また、外側生地2Bは、主としてクッション機能を発揮するものである。
【0026】
回動片3は、板状の芯材3Aと芯材3Aを被覆する被覆生地3Bとを有するものである。本実施形態では、芯材3Aに所定の強度を有するプラスチックダンボールを採用しており、本体2内に収容した上履きSHの安定性が向上する。さらに、
図1において円で囲んで拡大して示すように、被覆生地3Bの表面には、微少な突起物PRが多数設けられている。洗濯機で洗濯すると本体2内で上履きSHが微妙に動き、上履きSHの底が突起物PRに擦れる状態となる。これにより、上履きSHの底の洗浄効果(ブラッシング効果)を向上させることができる。
【0027】
また、
図4に示すように、内側生地2Aの内側にも被覆生地3Bと同様に、微少な突起物PRが多数設けられている。これによって、主として上履きSHの表面側の洗浄効果(ブラッシング効果)を向上させることができる。なお、被覆生地3B及び内側生地2Aの突起物PRは、起毛状やパイル状、あるいは繊維の編み込み状であってもよい。
【0028】
次いで、本体2内に上履きSHを出し入れする作業の一例を説明する。
【0029】
図3に示すように、スライドファスナ4を開け、開口部OPを拡げた状態で、
図4において二点鎖線で示すように、例えば、回動片3’を右側に回動させる。この状態で、開口部OPから一方の上履きSH1を足幅方向(横方向)に挿入し、一方の上履きSH1を一方の空間SP1に収容する。ここで、一方の上履きSH1の底が、回動片3の一方の面31に接触する姿勢とする。
【0030】
次に、一方の空間SP1に収容されている一方の上履きSH1を押し込みながら回動片3’を左側に傾け(回動させ)、開口部OPから他方の上履きSH2を足幅方向に挿入し、他方の上履きSH2を他方の空間SP2に収容する。他方の上履きSH2は、その底が、回動片3の他方の面32に接触する姿勢とする。そして、スライドファスナ4を閉め、洗濯機に投入して洗濯を行う。なお、本実施形態では取手5が設けられており、例えば、取手5を持って登下校時に持ち運ぶ上履き入れとして、或いは、収容する履物がスニーカーの場合にはスポーツクラブに持ち運ぶシューズ入れとして好適に用いることができる。このため、履物を収容して家に持ち帰った後、そのまま洗濯機に投入する、といった使い方も可能である。
【0031】
洗濯機での洗濯が終了したら、収容する作業と反対の作業を行い、上履きSHを洗濯ネット10から取り出す。具体的には、スライドファスナ4を開け、開口部OPを拡げた状態で、例えば、一方の空間SP1に収容されている一方の上履きSH1を押し込みながら回動片3’を左側に傾け(回動させ)、開口部OPから他方の上履きSH2を足幅方向に取り出す。次いで、回動片3’を右側に回動させた状態で、開口部OPから一方の上履きSH1を足幅方向に取り出す。そして、取り出した上履きSHを乾かせばよい。なお、上履きSHを収容した状態で取手5を物干し竿等に引っ掛けて乾かし、その後上履きSHを取り出してもよい。
【0032】
なお、前述したように、本実施形態では、回動片3の両側に、
図3において白抜きの両矢印で示す隙間Cが設けられている。このため、開口部OPを拡げ、本体2における、回動片3が位置する部分の幅が若干狭くなっても、回動片3が回動しにくくなるといった不具合も回避することができる。なお、隙間Cは、回動片3が矩形状のものである場合は、回動片3の回動を妨げないといった観点から、30mm以上が好ましい。また、回動片3における延在方向の両端の上部を所定のR形状あるいは面取り形状にすることにより、回動片3の回動を妨げることなく、隙間Cを10mmまで小さくすることもできる。
【0033】
また、上履きSHを足長方向(縦方向)に出し入れする態様では、上履きSHの底等が本体2の内側生地2Aや、回動片3の被覆生地3Bに接触して引っかかってしまい(さからってしまい)、出し入れしにくくなってしまうおそれがある。一方、本実施形態では、上履きSHを足幅方向(横方向)に出し入れできるため、作業が容易になる。ここで、本体2内に上履きSHを足幅方向に出し入れする態様では、仕切があると却って出し入れしにくくなることが考えられるが、本実施携帯では、仕切となる回動片3が開口部OPの延在方向と直交する方向に回動するため、出し入れのし易さを損なうおそれもない。
【0034】
次に、第2実施形態の洗濯ネット11について説明する。以下に説明する第2実施形態においては、
図1~
図4に示す第1実施形態との相違点を中心に説明し、
図1~
図4に示す第1実施形態における構成要素の名称と同じ名称の構成要素には、これまで用いた符号を付して説明し、重複する説明は省略することがある。
【0035】
図5は、本発明の第2の実施形態を示す洗濯ネット11の斜視図である。
図6は、
図5に示す洗濯ネット11のスライドファスナ4を閉めた状態の平面図である。
図7は、
図5に示す洗濯ネット10(スライドファスナ4を開けて開口部OPを拡げた状態)の平面図である。
図8は、
図6に示す洗濯ネット11のB-B線断面図である。
【0036】
図5~
図8に示すように、第2実施形態の洗濯ネット11は、主として本体2が円柱形状に構成されている点が、第1実施形態の洗濯ネット10と相違する。また、
図8において白抜きの両矢印で示すように、上履きSHを収容し回動片3を立てた状態では、回動片3の上端とスライドファスナ4との間に間隔Sを有している。すなわち、
図5及び
図7に示す、スライドファスナ4を開け、開口部OPを拡げた状態では、開口部OPと回動片3との間隔を大きくとることができる。このため、本体2内への上履きSHの出し入れがより容易になる。
【0037】
なお、間隔Sの大きさは適宜調整することができ、例えば、本体2の径を小さくすることで、間隔Sを小さくしてもよい。また、
図8において一点鎖線で概念的に示すように、本体2’を楕円柱状のものとして、間隔Sを小さくする態様としてもよい。
【0038】
以上説明した洗濯ネット10,11によれば、上履き等の履物の洗濯に好適であって、履物の出し入れのし易さや安定性を向上させることができる。
【0039】
本発明は前述した実施形態に限られることなく特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変更を行うことができる。例えば、前述した実施形態では、開口部OPを、上履きSHの足長方向の長さよりも大きく形成し、本体2内に上履きSHを足幅方向に出し入れできる態様を採用したが、開口部OPを、上履きSHの足長方向の長さよりも小さくして、本体2内に上履きSHを足長方向(縦方向)に出し入れできる態様としてもよい。また、前述した実施形態では、回動片3は、開口部OPの延在方向に沿って延在し、開口部OPの延在方向と直交する方向に回動する態様を採用したが、回動片3を、開口部OPの延在方向と直交する方向に延在させ、開口部OPの延在方向に回動する態様を採用することも可能である。
【0040】
さらに、本体2に、キャラクター等のデザインを施してもよいし、本体2の形状を、キャラクターや動物等の形状としてもよく、本体2に対して、動物やキャラクターの耳、あるいは魚の尻尾等を模した突起を取り付けてもよい。こうすることで、上履き入れやシューズ入れとして使う場合の商品価値を向上させることができる。
【符号の説明】
【0041】
10,11 洗濯ネット
2 本体
2A 内側生地
2B 外側生地
3 回動片
3A 芯材
3B 被覆生地
4 スライドファスナ
5 取手
OP 開口部
PR 突起物
SH 上履き
SP1 一方の上履きを収容する空間
SP2 他方の上履きを収容する空間