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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】位置検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/12 20060101AFI20240902BHJP
   G01D 5/04 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
G01D5/12 G
G01D5/04 B
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019199070
(22)【出願日】2019-10-31
(65)【公開番号】P2021071414
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-10-04
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000109325
【氏名又は名称】株式会社ツインバード
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 勝彦
(72)【発明者】
【氏名】本間 一成
【審査官】吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】特開昭59-81511(JP,A)
【文献】特表2002-532179(JP,A)
【文献】特開2012-143619(JP,A)
【文献】特開平1-269013(JP,A)
【文献】実開昭55-145308(JP,U)
【文献】実開昭63-51824(JP,U)
【文献】特表2000-500863(JP,A)
【文献】特表平10-509598(JP,A)
【文献】特開2004-217387(JP,A)
【文献】特開平10-62156(JP,A)
【文献】特開2016-152038(JP,A)
【文献】特表2015-512736(JP,A)
【文献】特開2016-142696(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/00-5/38
G01B 7/00-7/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
規則的に移動する被検出体の所定位置を検知する位置検出装置において、
前記被検出体に接続され、一定速度で回転する回転体と、
前記回転体に設けられた複数の特異点を検知する検知手段と、を備え、
前記検知手段が所定時間内に連続して前記特異点を検知した場合に、当該検知した前記特異点を基準特異点とし、前記基準特異点に基づいて決定される前記特異点を位置判定特異点とし、
前記回転体の回転開始位置に関わらず、常に同一の前記特異点が前記基準特異点として設定され、
前記複数の特異点のうち少なくとも2つが前記被検出体の所定位置に対応し、
前記位置判定特異点が前記被検出体の所定位置に対応することを特徴とする位置検出装置。
【請求項2】
前記特異点が前記回転体の側面部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項3】
前記特異点が前記回転体の天面部又は底面部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項4】
前記検知手段がマイクロスイッチであることを特徴とする請求項1から3に記載の位置検出装置。
【請求項5】
前記特異点が凹形状であることを特徴とする請求項1から4に記載の位置検出装置。
【請求項6】
前記特異点が凸形状であることを特徴とする請求項1から4に記載の位置検出装置。
【請求項7】
前記検知手段が光センサーで、前記特異点と前記回転体のそれ以外の部分とで光学特性を異ならせたことを特徴とする請求項1から3に記載の位置検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、規則的に移動する被検出体の所定位置を検知する位置検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の位置検出装置としては、被検出部材に固定されたカムにマイクロスイッチの作動軸を当接させ、カムの回転に従ってマイクロスイッチON点とマイクロスイッチOFF点との間を移動することにより、被検出部材の位置を検出する位置検出装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-62156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の位置検出装置は、マイクロスイッチ1個で2位置を検出することができるが、3位置以上を検出するためには、マイクロスイッチが2個以上必要となる構成になっている。そのため、検出する被検出部材の位置が3以上の場合には、マイクロスイッチが複数個必要であり、位置検出装置を組み込んだ製品の部品点数の増加を招き、配線が複雑化し、ひいては製造コストが上昇すると共に、製品重量が増加してしまうという問題があった。
【0005】
また、マイクロスイッチON点とマイクロスイッチOFF点の間にマイクロスイッチ不動作領域を設けた構成になっているが、マイクロスイッチ不動作領域は非常に狭いため、安定した位置検出ができないという問題があった。
【0006】
本発明は以上の問題点を解決し、マイクロスイッチ等の検知手段1つにより規則的に移動する被検出体の複数の位置を検出することができる位置検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る位置検出装置は、規則的に移動する被検出体の所定位置を検知する位置検出装置において、前記被検出体に接続され、一定速度で回転する回転体と、前記回転体に設けられた複数の特異点を検知する検知手段と、を備え、前記検知手段が所定時間内に連続して前記特異点を検知した場合に、当該検知した前記特異点を基準特異点とし、前記基準特異点に基づいて決定される前記特異点を位置判定特異点とし、前記回転体の回転開始位置に関わらず、常に同一の前記特異点が前記基準特異点として設定され、前記複数の特異点のうち少なくとも2つが前記被検出体の所定位置に対応し、前記位置判定特異点が前記被検出体の所定位置に対応することを特徴とする位置検出装置。
【0008】
また、本発明に係る位置検出装置は、前記特異点が前記回転体の側面部に設けられていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る位置検出装置は、前記特異点が前記回転体の天面部又は底面部に設けられていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る位置検出装置は、前記検知手段がマイクロスイッチであることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る位置検出装置は、前記特異点が凹形状であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る位置検出装置は、前記特異点が凸形状であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る位置検出装置は、前記検知手段が光センサーで、前記特異点と前記回転体のそれ以外の部分とで光学特性を異ならせたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る位置検出装置は、以上のように構成することにより、検出手段1つで前記被検出体の複数の所定位置を確実に検出することができる。
【0015】
また、前記特異点が前記回転体の側面部に設けられることにより、前記回転体を安価に作製することができる。
【0016】
また、前記特異点が前記回転体の天面部又は底面部に設けられることにより、検出手段の配置の自由度を向上させることができ、前記回転体を安価に作製することができる。
【0017】
また、前記検知手段がマイクロスイッチであることにより、位置検出装置を安価に製作することができる。
【0018】
また、前記特異点が凹形状であることにより、前記回転体を安価に製作することができる。
【0019】
また、前記特異点が凸形状であることにより、前記回転体を安価に製作することができる。
【0020】
更に、前記検知手段が光センサーで、前記特異点と前記回転体のそれ以外の部分とで光学特性を異ならせたことにより、前記回転体の機械的損傷を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施例1を示すコーヒーメーカーの縦断面図である。
図2】同上、飲料サーバーにドリッパーを載置する前の拡大断面図である。
図3】同上、斜視図である。
図4】同上、右側面図である。
図5】同上、正面図である。
図6】同上、底面図である。
図7】同上、飲料サーバーにドリッパーを載置した状態の拡大断面図である。
図8】(A)同上、位置検出装置の分解斜視図である。(B)同上、位置検出装置の斜視図である。
図9】同上、上側回転体の斜視図である。
図10】(A)同上、スイッチレバーが第2中間部に接触した状態の湯供給ケースの平面図である。(B)同上、スイッチレバーが第2中間部に接触した状態の湯供給ケースの底面図である。
図11】(A)同上、スイッチレバーが第2凹部に接触した状態の湯供給ケースの平面図である。(B)同上、スイッチレバーが第2凹部に接触した状態の湯供給ケースの底面図である。
図12】(A)同上、スイッチレバーが第1中間部に接触した状態の湯供給ケースの平面図である。(B)同上、スイッチレバーが第1中間部に接触した状態の湯供給ケースの底面図である。
図13】(A)同上、スイッチレバーが第3凹部に接触した状態の湯供給ケースの平面図である。(B)同上、スイッチレバーが第3凹部に接触した状態の湯供給ケースの底面図である。
図14】(A)同上、スイッチレバーが第3中間部に接触した状態の湯供給ケースの平面図である。(B)同上、スイッチレバーが第3中間部に接触した状態の湯供給ケースの底面図である。
図15】(A)同上、スイッチレバーが第1凹部に接触した状態の湯供給ケースの平面図である。(B)同上、スイッチレバーが第1凹部に接触した状態の湯供給ケースの底面図である。
図16】同上、スイッチレバーの上側回転体との接触位置の説明図である。
図17】本発明の実施例2の上側回転体の斜視図である。
図18】本発明の実施例3の上側回転体の斜視図である。
図19】本発明の実施例4の上側回転体の斜視図である。
図20】本発明の実施例5の上側回転体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【実施例1】
【0023】
以下、本発明の実施例1について、図1図16に基づいて説明する。1は、電動ミル付きのコーヒーメーカーである。このコーヒーメーカー1の本体たるケース本体2は、後側の立設部3と、この立設部3の下部と一体的に設けられた基部4と、立設部3の上部と一体的に設けられた前側の庇部5とを備える。そして、これら立設部3と基部4と庇部5は、それぞれ合成樹脂からなる。また、基部4の前部は、載置部4Aとなる。そして、立設部3には、貯水部6が設けられる。
【0024】
貯水部6の底部には、図1に示すように、貯水部6内の水を加熱する加熱手段7が設けられる。また、ケース本体2には、加熱手段7により加熱して得られた湯を、抽出具としてのドリッパー8に送る送湯手段9が設けられる。なお、この送湯手段9としては、ポンプ等が例示される。
【0025】
また、ドリッパー8は、庇部5の下方に配置される。そして、ドリッパー8内には、抽出具としてのペーパーフィルター10が交換可能に配置される。
【0026】
載置部4Aは、上方が開口すると共に、この開口を塞ぐように、略平面状の加熱板11が設けられる。そして、この加熱板11の下面には、ヒーター12が熱的に接して設けられる。
【0027】
加熱板11上には、飲料サーバー13が着脱可能に載置される。この飲料サーバー13は、上方が開口した耐熱ガラス製の容器本体14と、この容器本体14の側板に取り付けられた合成樹脂製の把持部15と、容器本体14の上部開口を覆う合成樹脂製の蓋体16とを備える。
【0028】
立設部3の前方には、載置部4Aの飲料サーバー13の上方に、上からミル17と、湯供給部18と、抽出部たるドリッパー8とが配置される。また、ミル17は、ケース本体2の取付凹部19に対して着脱可能に取り付けられる。なお、取付凹部19は庇部5の上面前側に形成される。更に、湯供給部18は、庇部5の下部側に内蔵される。
【0029】
ケース本体2には、導電材料からなる接触部材たる導電レバー21が設けられる。そして、ドリッパー8は、導電材料、好ましくは導電性合成樹脂から構成される。ドリッパー8は、図1及び図7に示すように、ミル17からコーヒー粉20が供給される位置で導電レバー21に接触する。一方、ケース本体2には、電荷を一時的に貯める貯電部材たる導電材料製の底板22が設けられる。この例では、底板22はステンレス板により構成される。そして、この底板22は、導線23を介して導電レバー21と電気的に接続される。なお、底板22は平板状をなし、ケース本体2の外面に露出する。
【0030】
また、ステンレス製の底板22は、ケース本体2を構成する合成樹脂より比重が大きいので、錘になる。このため、コーヒーメーカー1を安定して設置することができる。
【0031】
底板22は、図1図2及び図6に示すように、ケース本体2の底面を構成する。そして、底板22と導電レバー21とは、前述したとおり、導線23により電気的に接続される。
【0032】
ミル17は、コーヒー豆を粉砕するものである。そして、ミル17は、上部に投入口24を有するホッパー25を備えると共に、投入口24を開閉するミル蓋体26を備える。また、ホッパー25にはコーヒー豆が投入され、このコーヒー豆は、シューター部27に送られる。このシューター部27に送られたコーヒー豆は、図示しないミルモーターにより回転させられるミルスクリュー29により回転刃30と固定刃31との間に向けて送られる。更に、コーヒー豆は、回転刃30と固定刃31との間で挽かれて、コーヒー粉(挽き豆)20となる。なお、本実施例のミル17は、金属製円板からなる回転刃30と固定刃31を用いる臼歯式であるが、ブレードが回転してコーヒー豆を挽くタイプのミルであっても良い。
【0033】
また、ミル17の下部には落下口32が設けられ、この落下口32からコーヒー粉20がドリッパー8の中央に落下供給される。なお、落下口32は円筒状である。
【0034】
図示しない前記ミルモーターは、ケース本体2に内蔵される。前記ミルモーターにより回転駆動する駆動ギヤ(図示せず)は、取付凹部19に臨んで設けられると共に、前記駆動ギヤに噛合する従動ギヤ(図示せず)がミル17に設けられる。そして、ミル17を取付凹部19に着脱することにより、前記駆動ギヤと前記従動ギヤの噛合と噛合解除とが行われる。
【0035】
また、ミル17には、コーヒー粉20の粉砕度合(粒度)を調整する粒度調整手段33が設けられ、操作部である回転式のダイヤル34を有する。粒度調整手段33は、回転刃30の前面と固定刃31の後面との間隔を調整することにより、コーヒー粉20の粉砕度合を調整するものである。そして、ダイヤル34を回転させることにより、回転刃30の前面と固定刃31の後面との間隔を調整することができる。
【0036】
図1に示すように、湯供給部18は、合成樹脂製の湯供給ケース41を備える。この湯供給ケース41の中央には、落下口32が着脱自在に挿入接続される挿通孔42が縦設される。そして、ミル17を取付凹部19に取り付けることにより、挿通孔42に落下口32が接続される。また、挿通孔42の下部には、この挿通孔42の下端を開閉するシャッター43が設けられる。湯供給ケース41は、シャッター43を支持する支持部91A,91Bを備え、シャッター43は支持部91A,91Bにより支持された状態で、落下口32を開閉するため規則的に往復移動可能に設けられる。
【0037】
図8に示すように、被検出体であるシャッター43は、板状部92とカムフォロア93を有する。板状部92とカムフォロア93は、合成樹脂により一体に成形される。板状部92は薄板状に形成され、円形の開口用孔94が穿設される。板状部92の長手方向の一側端部95は円弧状に形成され、他側端部96は直線状に形成される。カムフォロア93は、シャッター43の進退方向(板状部92の長手方向)と直交する方向に長い長円筒状に形成され、板状部92の他側端部96に配設される。カムフォロア93は、板状部92の上面97より上側に突出して形成される。
【0038】
湯供給ケース41には、回転体98が遊嵌される。回転体98は、上側回転体99と下側回転体100を有する。図9に示すように、上側回転体99は、円環状に形成された径大部101と、径大部101よりも小径のスイッチ受部102を有する。スイッチ受部102は略円筒状の外形を有し、上側が天面部103により閉塞されている。スイッチ受部102の側面部104には、特異点である凹形状の第1凹部105、第2凹部106、第3凹部107が形成される。第2凹部106と第3凹部107の間には、第1中間部108が形成され、第1中間部108と対向する位置に第1凹部105が形成される。側面部104のうち、第1凹部105と第2凹部106の間の部分を第2中間部109、第1凹部105と第3凹部107の間の部分を第3中間部110という。また、天面部103には、後述する駆動モーター121の回転動力を受ける長孔状の受溝部111が形成される。
【0039】
下側回転体100は、円筒状に形成された遊嵌部112と、遊嵌部よりも大径に形成された円板部113と、円板部113の下面に接続される円筒状のカム114を有する。遊嵌部112は、円板部113の上面に接続される。また、遊嵌部112は、湯供給ケース41に穿設された遊嵌孔115に回転自在に挿入され、上側回転体99と当接する。カム114は、下側回転体100の中心部116(図10(B)等参照)から偏心した位置に設けられている。
【0040】
カム114は、シャッター43のカムフォロア93内に配置される。図10(B)に示すように、カム114の直径D1は、カムフォロア93の短手方向の内側面間の長さLよりも僅かに短く形成される。そのため、カム114は、カムフォロア93内を長手方向に移動可能となっている。
【0041】
上側回転体99と下側回転体100は、ビス止めにより一体とされる。図8及び図11に示すように、上側回転体99の径大部101の直径D2と、下側回転体100の円板部113の直径D3は、湯供給ケース41に穿設された遊嵌孔115の直径D4よりも大きく形成されている。そのため、径大部101と円板部113が抜け止め部として機能し、回転体98は、径大部101と円板部113により遊嵌孔115の縁部117を挟持した状態で湯供給ケース41に取り付けられる。上側回転体99と下側回転体100を一体化したときに、カム114は、受溝部111の長手方向の第3中間部110側の端部118の裏側に位置する。
【0042】
湯供給ケース41には、上側回転体99に隣接した位置に検知手段であるマイクロスイッチ119が設けられる。本実施例のマイクロスイッチ119は、スイッチレバー120が常開形の接触仕様となっており、マイクロスイッチ119の平常時は開放状態にあり、スイッチレバー120を押圧することで閉成状態となる。
【0043】
マイクロスイッチ119は、スイッチレバー120が常に上側回転体99のスイッチ受部102の側面部104に接触する位置に配設され、第1凹部105、第2凹部106及び第3凹部107に接触しているときに開放状態であり、第1中間部108、第2中間部109及び第3中間部110に接触しているときに閉成状態となる。図16に示すように、本実施例では回転体98は平面視において反時計回りに回転する。そのため、スイッチレバー120は、例えば、第2中間部109、第2凹部106、第1中間部108、第3凹部107、第3中間部110、第1凹部105の順に接触し、マイクロスイッチ119が開放状態と閉成状態を繰り返す。
【0044】
回転体98の上方には駆動モーター121が配設される。駆動モーター121は、減速機(図示せず)を内蔵したものであり、その駆動軸(図示せず)が下向きとなるように縦設される。そして、前記駆動軸が上側回転体99の受溝部111に接続される。駆動モーター121が駆動することで前記駆動軸が回転し、駆動モーター121の動力が伝達された回転体98が回転する。
【0045】
本実施例では、回転体98、マイクロスイッチ119及び駆動モーター121により位置検出装置が構成される。
【0046】
ここで、回転体98を回転させたときのシャッター43の移動について説明する。なお、回転体98は、第2中間部109にスイッチレバー120が接触した位置から反時計回りに回転させた場合について説明する。
【0047】
図10に示すように、スイッチレバー120が第2中間部109に接触しているときには、シャッター43の板状部92により落下口32の一部が閉じられる。
【0048】
そこから回転体98が反時計回りに回転すると、シャッター43は、コーヒーメーカー1の前側方向に移動する。そして図11に示すように、スイッチレバー120が第2凹部106に接触しているときには、落下口32はシャッター43の板状部92により完全に閉塞される。
【0049】
そこから回転体98が反時計回りに回転すると、シャッター43は、コーヒーメーカー1の前側方向に移動する。そして図12に示すように、スイッチレバー120が第1中間部108に接触しているときには、落下口32はシャッター43の板状部92により完全に閉塞される。このとき、シャッター43とカム114が、コーヒーメーカー1における最も前側に位置する。
【0050】
そこから回転体98が反時計回りに回転すると、シャッター43は、コーヒーメーカー1の後側方向に移動する。そして図13に示すように、スイッチレバー120が第3凹部107に接触しているときには、落下口32はシャッター43の板状部92により完全に閉塞される。以下、この状態を閉口状態という。
【0051】
そこから回転体98が反時計回りに回転すると、シャッター43は、コーヒーメーカー1の後側方向に移動する。そして図14に示すように、スイッチレバー120が第3中間部110に接触しているときには、落下口32の一部がシャッター43の板状部92により閉じられる。
【0052】
そこから回転体98が反時計回りに回転すると、シャッター43は、コーヒーメーカー1の後側方向に移動する。そして図15に示すように、スイッチレバー120が第1凹部105に接触しているときには、シャッター43の開口用孔94が落下口32の真下に位置し、落下口32が完全に開口される。以下、この状態を開口状態という。このとき、シャッター43とカム114が、コーヒーメーカー1における最も後側に位置する。そこから回転体98が反時計回りに回転すると、図10に示すように、スイッチレバー120が第2中間部109に接触する。
【0053】
ここで、マイクロスイッチ119が発信する信号と、その信号による回転体98及びシャッター43の位置の判定について説明する。マイクロスイッチ119は、開放状態のときにOFF信号を発信し、閉成状態のときにON信号を発信する。本実施例では、マイクロスイッチ119のスイッチレバー120は、常に回転体98の側面部104に接触しており、第1凹部105、第2凹部106及び第3凹部107に接触したときに開放状態となりOFF信号を発信し、それ以外の第1中間部108、第2中間部109及び第3中間部110に接触したときには閉成状態となりON信号を発信する。
【0054】
本実施例では、回転体98がどの位置にあるかを判定するため、所定時間T内に連続2回のOFF信号を発信したときを基準とするように設定される。所定時間Tは任意に設定可能である。本実施例では、第2凹部106と第3凹部107が近接して配置され、第1凹部105が第2凹部106及び第3凹部107から離れた位置に配置されている。そして、回転体98を回転させると、スイッチレバー120が所定時間T内に第2凹部106と第3凹部107に連続して接触可能であるが、第1凹部105と第2凹部106には所定時間T内で連続して接触しないように設定する。また、同様に、所定時間T内で第1凹部105と第3凹部107に連続して接触しないように設定する。
【0055】
このように第1凹部105、第2凹部106及び第3凹部107を配置することで、マイクロスイッチ119が所定時間T内に連続して2回OFF信号を発信したときに、スイッチレバー120が第3凹部107に接触した位置(以下、「基準位置」という。)にあることを判定することができる。また、回転体98が基準位置にあるときには、シャッター43が落下口32を完全に閉口した閉口状態であると判定することができる。
【0056】
スイッチレバー120が第2凹部106と第3凹部107に所定時間T内に連続して接触し、基準位置を判定した後、更に回転体98が回転し、スイッチレバー120が第1凹部105に接触することでOFF信号を発信すると、シャッター43により落下口32が完全に開口された開口状態であることを判定することができる。
【0057】
したがって、スイッチレバー120が所定時間T内に連続して2回のOFF信号を発信したときに駆動モーター121の駆動を停止することで、回転体98の回転が停止し、落下口32を閉口状態とすることができる。また、所定時間T内に連続して2回のOFF信号を発信した後、更にOFF信号を発信したときに駆動モーター121の駆動を停止することで、回転体98の回転が停止し、落下口32を開口状態とすることができる。
【0058】
本実施例では、基準位置を判定するための第2凹部106と第3凹部107と、それ以外に1つの特異点である第1凹部105を設けているが、第2凹部106及び第3凹部107以外に複数の特異点を設けることでそれらの特異点に対応するシャッター43の位置を判定することが可能となる。その場合、第2凹部106及び第3凹部107以外の特異点は、スイッチレバー120が所定時間T内に連続して接触しない位置に配置する。また、本実施例では、スイッチレバー120が所定時間T内に連続して第2凹部106と第3凹部107に接触した後、第1凹部105に接触したときを開口状態と判定しているが、第2凹部106と第3凹部107に接触した後、第1凹部105に接触し、その後第2凹部106に接触したときに発信されるOFF信号により、スイッチレバー120が第2凹部106に接触したときのシャッター43の位置を判定することも可能である。すなわち、本実施例では、第2凹部106と第3凹部107が基準特異点であり、第1凹部105と第3凹部107が位置判定特異点であるが、第2凹部106も位置判定特異点とすることや、その他の特異点を設け、その特異点を位置判定特異点とすることも可能である。また、本実施例では、基準特異点を2つ(第2凹部106及び第3凹部107)設けたが、基準特異点を3つ以上とし、それらの基準特異点が所定時間T内で連続してスイッチレバー120に接触しOFF信号を発信するように配置してもよい。
【0059】
湯供給ケース41には接続部(図示せず)が設けられ、この接続部に、送湯手段9から送液路(図示せず)を通して湯が送られる。そして、湯供給ケース41には、湯をドリッパー8に供給するノズル45が6箇所に設けられる(図10(B)等参照)。図中Sは、ドリッパー8及び落下口32の中心である。6箇所のノズル45は、ドリッパー8及び落下口32の中心Sを中心とした同心円上に配置され、シャッター43を挟んでそれぞれ円周方向等間隔な位置に設けられる。
【0060】
6箇所のノズル45は、ドリッパー8の中心Sより外側に位置する。そして、ノズル45は、湯を真下よりドリッパー8の中央側に噴出するように角度付けされている。これにより、ドリッパー8の中央のみに湯が滴下されたり、外側のコーヒー粉20のない部分にも湯が注がれたりすることがなく、コーヒー粉20の中央に凹み35が、外周部に壁状部分36が形成された状態で、良質なコーヒー液を抽出することができる。
【0061】
この場合、図1に示すように、装着状態のドリッパー8と庇部5の下面5Kとの間に隙間46が設けられており、この隙間46から、ドリッパー8内のコーヒー粉20に、湯が注がれて膨らむ様子を見せる演出効果が得られる。そして、隙間46は、凹み35と壁状部分36が視認可能なように設けられる。
【0062】
載置部4Aの前部には、斜めの前面部47が設けられる。この前面部47には、コーヒーメーカー1を使用する際に操作されるスイッチ48が複数配置される。また、図3などに示すように、載置部4Aの右側面には、電源のオン・オフを操作する電源スイッチ49が配置され、家庭用電源によりコーヒーメーカー1が駆動する。
【0063】
図2及び図7などに示すように、飲料サーバー13の蓋体16には、ドリッパー8の下部を装着する装着受け部50が設けられる。この装着受け部50は、蓋体16の下部側に凹んで形成された中央凹部51と、この中央凹部51の上部に周設された外凹部54とを備える。そして、中央凹部51及び外凹部54は、中心Sを中心として同心円状に形成される。
【0064】
中央凹部51は、蓋体16の上面より低い位置に設けられた中央底板部52と、この中央底板部52の周囲上部に設けられた円筒状の中央側板部53とを有して形成される。一方、外凹部54は、中央側板部53の上縁に周設された外底板部55と、この外底板部55の周囲と蓋体16の上面との間に設けられた円筒状の外側板部(外の側板部)56とを有して形成される。外側板部56は、中央側板部53より径大である。また、中央底板部52の中央には、ドリッパー8から落下したコーヒー液が落下する中央開口部57が形成される。
【0065】
また、図2に示すように、容器本体14の底板部58には、容器本体14より径小なリング状の段差部59が下方に膨出形成され、この段差部59が遊嵌するリング状の内縁枠60が加熱板11の上面に突出形成される。したがって、加熱板11の上面に飲料サーバー13を載置すると、内縁枠60内に段差部59が嵌り、飲料サーバー13の水平位置が位置決めされる。
【0066】
ドリッパー8は、導電材料たる導電性合成樹脂からなり、図7などに示すように、前後方向に細長く形成された底板部61と、この底板部61の周囲から上方に向かって略テーパー状に拡大形成された側板部62と、この側板部62の上縁前部に設けられた横方向の把持部63とを一体に備える。なお、把持部63は板片状をなす。また、ドリッパー8の底板部61の前後方向寸法は、蓋体16の中央底板部52の直径よりも小である。
【0067】
図3などに示すように、側板部62の内周には、複数のリブ部64が周方向に間隔をおいて突出形成される。このように複数のリブ部64を縦設することにより、ペーパーフィルター10の外周は、側板部62に密着することなく、複数のリブ部64に部分的に接触する。
【0068】
底板部61には、抽出されたコーヒー液が落下する複数の透孔65が穿設される。これら複数の透孔65は、蓋体16にドリッパー8を装着した状態で、蓋体16の中央開口部57に連通する。また、底板部61の下面と蓋体16の中央底板部52との間には、隙間70が設けられる。
【0069】
透孔65の下端は、図7に示すように、底板部61の下面から下方に突出した筒部66の内部に形成される。このように、筒部66を設けることにより、透孔65を落下するコーヒー液が底板部61の下面に回り込むことなく、筒部66の下端から下方へ落下する。
【0070】
ドリッパー8の下部側には、蓋体16の装着受け部50に装着する装着部67が設けられる。この装着部67は、中央側板部53内に嵌入する装着筒部68及び装着鍔部69を備える。装着筒部68は、側板部62の下部側外面及び装着鍔部69の下面から下方に向かって円筒状に突設される。そして、装着状態で、装着筒部68の下端は、中央底板部52の上面に当接する。また、装着鍔部69は、装着筒部68の上部において側板部62に周設される。そして、装着状態で、装着鍔部69は、外凹部54内に収納されると共に、その下面が外底板部55に当接する。なお、装着筒部68は円筒状をなし、装着鍔部69の外周は円形をなす。
【0071】
この場合、図7に示すように、装着鍔部69の下面は中心Sから外側に向かって僅かに低くなるように傾斜しており、装着鍔部69の下面の外周側が外底板部55に線接触する。このため、装着鍔部69の下面と外底板部55との間に水の膜が発生することが防止され、外底板部55に装着鍔部69が密着せず、飲料サーバー13からドリッパー8を円滑に取り外すことができる。
【0072】
導電レバー21は、金属製の線材を略U字形に屈曲して形成される。詳述すると、導電レバー21は、縦方向の左右の腕部71,71の下端を湾曲状の横部72により連結し、それら左右の腕部71,71の縦方向中央に屈曲部73,73を設けて形成される。この結果、導電レバー21は、正面視で略U字形であり、側面視で略へ字状である。そして、図2の一点鎖線に示す導電レバー21の待機位置で、腕部71,71の上部が略垂直な縦方向になると共に、腕部71,71の下部が斜め前向きになるように構成される。
【0073】
また、庇部5の下面5Kの後側には、導電レバー21が遊挿配置された開口部74が設けられる。この開口部74の近傍において、左右方向の枢軸部75により、導電レバー21がケース本体2に揺動可能に枢着される。なお、開口部74には、腕部71,71の上部中央が挿通され、これらの腕部71,71の上端側がケース本体2内に配置される。
【0074】
そして、図1に示すドリッパー8の装着状態では、このドリッパー8に押された導電レバー21は、下部側が後方に移動するように回動し、横部72がドリッパー8の側板部62の外面に当接する。一方、腕部71はドリッパー8に当接しない。
【0075】
そして、コーヒーメーカー1は、電源スイッチ49がオンであっても、導電レバー21が待機位置にある場合、ミル17、サーバー加熱手段たるヒーター12及び送湯手段9が作動しないように制御される。一方、導電レバー21がドリッパー装着位置にある場合、電気で駆動する装置の全てを駆動することができる。
【0076】
導電レバー21の上端には、固定手段たるビス81により、導線23の一端が連結される。また、導線23の他端は、固定手段たるビス82とナット83により、底板22の上面に連結される。このように、導線23は、ケース本体2に内蔵される。また、図6に示すように、底板22は、ケース本体2の底面全体を構成するように広く形成されている。そして、底板22の前後左右には、合成樹脂製の脚部84が設けられる。なお、導線23は、導電レバー21を可動にする程度の可撓性を有する。
【0077】
図7などに示すように、左右の腕部71,71の上部には、合成樹脂製のホルダー85が外嵌される。このホルダー85は、ビス81により腕部71,71に固定される。なお、ビス81は、導線23を腕部71,71に電気的に接続するものである。また、開口部74には、シリコンゴムやエラストマー樹脂などからなるシール部材86が設けられる。このシール部材86は、外枠部86Aを有する。そして、この外枠部86A内に、合成樹脂製の取付部材87が挿入される。更に、この取付部材87は、庇部5の下面5Kの内側に固定される。これによって、外枠部86Aは、下面5Kと取付部材87とで挟持される。この結果、外枠部86Aは、水密状態で開口部74に嵌合固定される。
【0078】
また、シール部材86は、外枠部86Aと内枠部86Bと薄肉部86Cとを一体に備える。内枠部86Bは、腕部71,71に水密状態で外嵌する。また、薄肉部86Cは、外枠部86Aと内枠部86Bの間に設けられる。また、薄肉部86Cには、蛇腹状又は波状の余長部が設けられる。これによって、薄肉部86Cは、導電レバー21の回動により撓むように形成される。
【0079】
また、ホルダー85の下部側に枢軸部75が設けられ、この枢軸部75が、ケース本体2に固定された取付部材87に枢着される。更に、ホルダー85の後部には、受け部85Aが後方に突設されると共に、取付部材87の後上部には、上板部87Aが前方に突設される。そして、これら受け部85Aと上板部87Aとの間に、導電レバー21を待機位置側に回動付勢する付勢手段たるコイルスプリング88が設けられる。なお、受け部85Aの後端が取付部材87の後壁に当接することにより、導電レバー21のそれ以上の揺動が阻止されるので、導電レバー21が待機位置に位置決めされる。
【0080】
また、取付部材87には、接触検知スイッチ89が設けられる。導電レバー21が図2の一点鎖線に示す待機位置にある場合、ホルダー85に設けられた作動子(図示せず)が接触検知スイッチ89をオフにする。この結果、この接触検知スイッチ89により導電レバー21が待機位置であることが検知される。一方、導電レバー21が図2の実線に示す、ドリッパー8の装着位置にある場合、導電レバー21が回動し、前記作動子が接触検知スイッチ89をオンにする。この結果、この接触検知スイッチ89により導電レバー21が装着位置であることが検知される。このように、導電レバー21は、ドリッパー8の有無、即ち、蓋体16にドリッパー8が装着された状態で、飲料サーバー13が加熱板11に載せられたか、を検知する検知手段を兼ねる。
【0081】
上述したように、導電レバー21は、待機位置と装着位置との間で回動する。この際、薄肉部86Cが変形することにより、開口部74における水密性が確保されるので、開口部74からケース本体2の内部に湯気や埃が侵入することが防止される。
【0082】
次に、コーヒーメーカー1の使用方法の一例について説明する。まず、使用者は、電源スイッチ49をオンにする。次に、使用者は、ドリッパー8内にペーパーフィルター10をセットすると共に、ドリッパー8を飲料サーバー13の蓋体16に装着する。この場合、蓋体16の装着受け部50に、ドリッパー8の下部の装着部67を嵌入することにより、飲料サーバー13にドリッパー8を安定して装着することができる。
【0083】
そして、使用者は、ドリッパー8を装着した飲料サーバー13を、庇部5の下方へ前側から後側に向かって水平に差し入れ、飲料サーバー13を載置部4Aの加熱板11上に載置する。このようにドリッパー8を装着位置にセットすると、このドリッパー8に導電レバー21が接触した後、この導電レバー21が装着位置に回動し、これをスイッチ89が検出する。この結果、ミル17、ヒーター12及び送湯手段9が作動可能な状態となる。
【0084】
また、使用者は、貯水部6内に、抽出するコーヒー液の杯数に応じた量の水を入れる。更に、ミル17のミル蓋体26を外し、投入口24からホッパー25内に所定量のコーヒー豆を入れる。なお、この段階では、シャッター43が落下口32を塞いだ状態(閉口状態)であり、ミル17とドリッパー8内とが連通していない。
【0085】
そして、使用者がスイッチ48を操作すると、以下の動作が順次行われる。まず、コーヒーメーカー1内に配設された図示しない制御部により、シャッター43を開口状態の位置に移動させ停止させる開口信号が送信され、駆動モーター121が駆動することで回転体98が回転する。前記制御部は、所定時間T内で連続2回のOFF信号を受信した後、次のOFF信号を受信したときに、駆動モーター121の駆動を停止する。このとき、シャッター43の開口用孔94が落下口32と上下方向に並び、落下口32が開口状態となる。これによって、落下口32が開き、ミル17がドリッパー8内と連通する。次に、ミル17を作動させる。これによって、ミル17によりコーヒー豆が挽かれてコーヒー粉20が得られ、このコーヒー粉20が落下口32からドリッパー8のペーパーフィルター10内に落下供給される。また、ミル17の作動と同時に、加熱手段7への通電を開始する。これによって、貯水部6内の水が加熱されて湯となる。次に、ミル17がコーヒー豆を全て挽き終わったことを検知すると、このミル17を停止させると共に、前記制御部からシャッター43を閉口状態の位置に移動させ停止させる閉口信号が送信される。閉口信号が送信されると駆動モーター121が駆動し回転体98が回転する。前記制御部は、所定時間T内で連続して2回のOFF信号を受信したときに駆動モーター121の駆動を停止する。このとき、シャッター43の板状部92の開口用孔94が形成されていない部分により落下口32が塞がれ、落下口32が閉口状態となる。なお、この時点で、貯水部6内の水は未だ湯になっていない。次に、貯水部6内の水が所定温度の湯になったことを検知すると、加熱手段7へ供給する電力を制御して保温状態とし、送湯手段9が作動してドリッパー8へ第一回目の送湯を行う。これにより、ペーパーフィルター10内のコーヒー粉20は蒸らされる。更に、送湯手段9が作動してドリッパー8へ第二回目の送湯を行う。これにより、コーヒー粉20からコーヒー液が抽出され、飲料サーバー13に貯められる。また、第二回目の送湯と同時に、ヒーター12への通電を開始する。これによって、加熱板11に載置された飲料サーバー13が温められる。なお、ヒーター12への通電は、通電開始から所定時間(例えば30分間)である。最後に、加熱手段7への通電を停止する。
【0086】
ミル17においては、コーヒー豆を投入する前にダイヤル34を操作し、好みの粒度に調整しておく。そして、ミル17を作動させるために、図示しない前記ミルモーターを回転駆動すると、シューター部27内のコーヒー豆が、ミルスクリュー29により回転刃30と固定刃31との間に向けて送られ、これらの回転刃30と固定刃31との間で挽かれてコーヒー粉(挽き豆)20となる。
【0087】
このようにして、回転刃30と固定刃31とによりコーヒー豆を粉砕することで、コーヒー粉20が帯電する。なお、コーヒー粉20の粒子は、同じ極性に帯電する。即ち、コーヒー粉20の粒子同士が電気的に反発した状態となる。この結果、コーヒー粉20が落下口32から落下する際、隙間46からドリッパー8の外側にこぼれ易くなる。
【0088】
これに対して、装着位置のドリッパー8に導電レバー21が接しているため、ペーパーフィルター10内に落下したコーヒー粉20の電荷は、ペーパーフィルター10からドリッパー8と導電レバー21と導線23を経て底板22に移動して、これに貯められる。なお、この底板22に貯められた電荷は、徐々に外部に自然放電される。この結果、ペーパーフィルター10内に貯められたコーヒー粉20は、帯電していない状態となる。従って、落下口32から落下してくるコーヒー粉20は、ペーパーフィルター10内に貯められたコーヒー粉20によって反発されることがない。このため、コーヒー粉20がドリッパー8から漏れ難くすることができる。なお、ペーパーフィルター10の材質である紙は、僅かに電気を通すことができるので、導電材料と見なすことができる。このため、コーヒー粉20の電荷は、ペーパーフィルター10からドリッパー8を介して導電レバー21に逃がすことができる。
【0089】
なお、落下中のコーヒー粉20の粒子同士は、未だ帯電しているため、広がりながら落下することになる。しかしながら、前述したとおり、落下中のコーヒー粉20とペーパーフィルター10内に貯められたコーヒー粉20は反発しない。即ち、落下中のコーヒー粉20が広がる電気的要素は、落下中のコーヒー粉20自体の電荷のみである。従って、下方からの反発力がないため、落下中のコーヒー粉20の広がりが抑えられる。このため、隙間46の距離が適正であれば、広がって落下するコーヒー粉20をペーパーフィルター10で十分受けることができるので、コーヒー粉20がドリッパー8から漏れ難くすることができる。
【0090】
なお、前記ミルモーターに流れる電流を検知することで、コーヒー豆の挽き終わりを判断することができる。そして、コーヒー豆が挽き終わったと判断されると、ミル17は停止する。
【0091】
一方、コーヒー豆が接触する回転刃30と固定刃31又はその周辺の部材は、コーヒー粉20と逆の極性に帯電する。しかしながら、周囲の物体との間で電荷の授受が行われることで、長期的に、電気的中性に戻る。
【0092】
前述したように、ミル17が停止すると、位置検出装置がシャッター43を動かすことで、このシャッター43が落下口32を塞ぐ。そして、シャッター43が落下口32を塞いだ後、貯水部6内の水は、加熱手段7によって、コーヒー液の抽出に適した所定の温度(85~90℃)の湯となる。この貯水部6内の湯が所定の温度に達したことが温度センサー(図示せず)により検知されると、加熱手段7への通電を制御(オン-オフ制御)して保温状態とした後、貯水部6内の湯が送湯手段9により前記送液路を介して湯供給部18に送られ、6箇所のノズル45から、湯が斜め下方に向かって噴射される(第一回目の給湯)。この噴射による第一回目の給湯が、所定時間、例えば8秒間連続して行われた後、所定蒸らし時間、給湯が停止する。この間、コーヒー粉20が蒸らされる。
【0093】
所定の蒸らし時間が経過したら、貯水部6内の湯を全て連続給湯する(第二回目の給湯)。なお、前述した通り、貯水部6内の水の量が、抽出するコーヒー液の杯数に応じた量であるので、貯水部6内の全ての湯をドリッパー8に供給すれば、所定の杯数のコーヒー液が得られることになると共に、貯水部6内が空になる。そして、貯水部6内の湯が全て送られた後、加熱手段7への通電は停止する。
【0094】
ドリッパー8において抽出されたコーヒー液は、ドリッパー8の透孔65と飲料サーバー13の蓋体16の中央開口部57を通過して、飲料サーバー13内に溜まる。そして、この飲料サーバー13内に溜められたコーヒー液は、ヒーター12によって保温される。
【0095】
通常、コーヒー液を抽出した後電源スイッチ49を操作してコーヒーメーカー1の電源をオフにすると落下口32は、シャッター43により閉口状態となっており、この状態は、図16では、右から3番目の「モーター停止(CLOSE)」に示す状態である。そして、次に、コーヒーメーカー1を作動させてコーヒー液を抽出する場合には、コーヒー豆を挽く際に落下口32を開口状態とするため、前記制御部から開口信号が送信される。駆動モーター121が駆動し、回転体98が回転し、開口状態となる。この状態は、図16では、左から6番目の「モーター停止(OPEN)」に示す状態である。そして、コーヒー豆を挽き終わると、前記制御部から閉口信号が送信され、図16の右から3番目の「モーター停止(CLOSE)」に示す状態となる。
【0096】
以上のように本実施例は、規則的に移動するシャッター43の開口状態の位置及び閉口状態の位置を検知する位置検出装置において、シャッター43に接続され、一定速度で回転する回転体98と、回転体98に設けられた複数の第1凹部105、第2凹部106及び第3凹部107を検知するマイクロスイッチ119と、を備え、第1凹部105、第2凹部106及び第3凹部107は、マイクロスイッチ119により所定時間T内に連続して検知される複数の第2凹部106及び第3凹部107を有し、第1凹部105、第2凹部106及び第3凹部107がシャッター43の開口状態の位置及び閉口状態の位置に対応することにより、規則的に往復移動するシャッター43の開口状態の位置と閉口状態の位置を、1つのマイクロスイッチ119により検出することができる。
【0097】
また、第1凹部105、第2凹部106及び第3凹部107が回転体98の側面部104に設けられていることにより、マイクロスイッチ119を回転体98に隣接させて配置し、スイッチレバー120を側面部104に接触させ、回転体98を回転させることで、第1凹部105、第2凹部106及び第3凹部107により、マイクロスイッチ119を開放状態とすることができる。
【0098】
また、検知手段がマイクロスイッチ119であることにより、第1凹部105、第2凹部106及び第3凹部107に接触したときに開放状態となりOFF信号を発信し、第1中間部108、第2中間部109及び第3中間部110に接触したときには閉成状態となりON信号を発信することができる。
【0099】
また、第1凹部105、第2凹部106及び第3凹部107が凹形状であることにより、マイクロスイッチ119のスイッチレバー120が第1凹部105、第2凹部106及び第3凹部107に接触したときに、マイクロスイッチ119を開放状態とすることができる。
【0100】
以下、実施例上の効果について説明する。容器本体14の底板部58に、この底板部58より径小なリング状の段差部59が下方に膨出形成され、この段差部59が遊嵌するリング状の内縁枠60がヒーター12の上面に突出形成され、載置状態で容器本体14の段差部59がヒーター12側の内縁枠60に囲まれるから、加熱板11に飲料サーバー13を位置決め状態で載置することができ、この飲料サーバー13に装着したドリッパー8を、導電レバー21により確実に検出することができる。また、ドリッパー8と庇部5の下面5Kとの間に隙間46が設けられているから、ドリッパー8内のコーヒー粉20に湯が注がれて膨らむ様子を見ることができる。更に、導電レバー21が待機位置にある状態では、ミル17,サーバー加熱手段たるヒーター12及び送湯手段9が作動しないから、ドリッパー8及び飲料サーバー13を装着しない状態での誤操作を防止できる。また、接触部たる導電レバー21の先端の横部72が凸状の湾曲状に形成されているから、仮に、ドリッパー8を装着した飲料サーバー13を、前後方向に対して斜め又は左右方向から加熱板11上に載置しても、導電レバー21を装着位置に回動させることができる。更に、導電レバー21は金属丸棒をU字形に屈曲形成してなるから、構造簡易にして安価に製造できる。
【0101】
更に、蓋体16の装着受け部50に、ドリッパー8の下部の装着部67を嵌入することにより、飲料サーバー13にドリッパー8を安定して装着することができる。また、底板22を、ケース本体2を構成する合成樹脂より比重が大きいステンレス製とすることにより、底板22が錘になるため、安定してコーヒーメーカー1を設置することができる。更に、底板部61の下面から下方に筒部66を突設し、この筒部66に透孔65が穿設されるから、筒部66によって透孔65を落下するコーヒー液が底板部61の下面に回り込むことなく、筒部66の下端から下方へ落下せしめることができる。
【0102】
また、庇部5の下面5Kに設けられた開口部74に、シール部材86を設けたから、開口部74に導電レバー21を可動に設けながら、ケース本体2内への湯気や埃などの侵入をシール部材86により防止することができる。更に、ドリッパー8の装着状態で、このドリッパー8と庇部5との間に隙間46が設けられるから、加熱板11上への飲料サーバー13の出し入れを容易に行うことができる。また、接触部材たる導電レバー21が断面円形の金属線材で構成されると共に、本体たるケース本体2に対し可動に設けられるものであり、導電レバー21を細い形状に形成することができ、この結果、導電レバー21を設けるためにケース本体2に形成される隙間たる開口部74を狭くして、仮にシール部材86が無くても、ドリッパー8からケース本体2内に入る湯気の量を少なくすることができる。
【実施例2】
【0103】
図17は本発明の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その説明を省略して詳述する。本実施例は、特異点である凹形状の第1凹部105A、第2凹部106A及び第3凹部107Aを上側回転体99Aのスイッチ受部102Aの側面部104Aではなく天面部103Aに形成したものである。
【0104】
本実施例では、検知手段であるマイクロスイッチ119(図17には図示せず)が回転体98(図17には図示せず)の上方に配置され、マイクロスイッチ119のスイッチレバー120(図17には図示せず)が常に上側回転体99Aの天面部103Aに当接する。天面部103Aには、第2凹部106Aと第3凹部107Aの間に第1中間部108A、第1凹部105Aと第2凹部106Aの間に第2中間部109A、第1凹部105Aと第3凹部107Aの間に第3中間部110Aが形成される。また、上側回転体99Aは、径大部101Aと、天面部103Aに形成された受溝部111Aを有する。
【0105】
回転体98が回転することで、スイッチレバー120が、例えば、第2中間部109A、第2凹部106A、第1中間部108A、第3凹部107A、第3中間部110A、第1凹部105Aの順に接触する。そして、マイクロスイッチ119は、スイッチレバー120が第1中間部108A、第2中間部109A及び第3中間部110Aに接触しているときにON信号を発信し、第1凹部105A、第2凹部106A及び第3凹部107Aに接触しているときにOFF信号を発信する。
【0106】
本実施例では、特異点である第1凹部105A、第2凹部106A及び第3凹部107Aを上側回転体99Aの天面部103Aに設けたが、位置検出装置を上下逆様に設け、特異点である第1凹部105A、第2凹部106A及び第3凹部107Aが上側回転体99Aの底面部(図示せず)に設けられる構成としてもよい。
本実施例では、第2凹部106Aと第3凹部107Aが基準特異点であり、第1凹部105Aと第3凹部107Aが位置判定特異点であるが、第2凹部106Aも位置判定特異点とすることや、その他の特異点を設け、その特異点を位置判定特異点とすることも可能である。また、本実施例では、基準特異点を2つ(第2凹部106A及び第3凹部107A)設けたが、基準特異点を3つ以上とし、それらの基準特異点が所定時間T内で連続してスイッチレバー120に接触しOFF信号を発信するように配置してもよい。
【0107】
以上のように本実施例は、第1凹部105A、第2凹部106A及び第3凹部107Aが回転体98の天面部103A又は底面部に設けられていることにより、マイクロスイッチ119が回転体98の上方又は下方に配置されるため、周囲に配置された部品等を考慮してマイクロスイッチ119を実施例1とは異なる位置に配置することができる。すなわち、マイクロスイッチ119の配置場所の自由度を向上させることができる。
【実施例3】
【0108】
図18は本発明の実施例3を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その説明を省略して詳述する。本実施例は、特異点として凸形状の第1凸部105B、第2凸部106B及び第3凸部107Bを上側回転体99Bのスイッチ受部102Bの側面部104Bに形成したものである。
【0109】
本実施例は、実施例1と同様に、検知手段であるマイクロスイッチ119(図18には図示せず)のスイッチレバー120(図18には図示せず)が側面部104Bに常に当接するようにマイクロスイッチ119が配設される。側面部104Bには、第2凸部106Bと第3凸部107Bの間に第1中間部108B、第1凸部105Bと第2凸部106Bの間に第2中間部109B、第1凸部105Bと第3凸部107Bの間に第3中間部110Bが形成される。また、上側回転体99Bは、径大部101Bと、天面部103Bに形成された受溝部111Bを有する。
【0110】
回転体98が回転することで、スイッチレバー120が、例えば、第2中間部109B、第2凸部106B、第1中間部108B、第3凸部107B、第3中間部110B、第1凸部105Bの順に接触する。そして、マイクロスイッチ119は、スイッチレバー120が第1凸部105B、第2凸部106B及び第3凸部107Bに接触しているときにON信号を発信し、第1中間部108B、第2中間部109B及び第3中間部110Bに接触しているときにOFF信号を発信する。
【0111】
本実施例では、スイッチレバー120が第2凸部106Bと第3凸部107Bに所定時間T内に連続して接触した後、スイッチレバー120が第1凸部105Bに接触したときが、落下口32の開口状態であり、スイッチレバー120が第2凸部106Bと第3凸部107Bに所定時間T内に連続して接触したときが落下口32の閉口状態である。したがって、マイクロスイッチ119が所定時間T内に連続して2回のON信号を発信した後、1回目のON信号を発信したときに駆動モーター121の駆動を停止することで、回転体98の回転が停止し、落下口32を開口状態とすることができる。また、マイクロスイッチ119が所定時間T内に連続して2回のON信号を発信したときに駆動モーター121の駆動を停止することで、回転体98の回転が停止し、落下口32を閉口状態とすることができる。
【0112】
本実施例では、第2凸部106Bと第3凸部107Bが基準特異点であり、第1凸部105Bと第3凸部107Bが位置判定特異点であるが、第2凸部106Bも位置判定特異点とすることや、その他の特異点を設け、その特異点を位置判定特異点とすることも可能である。また、本実施例では、基準特異点を2つ(第2凸部106B及び第3凸部107B)設けたが、基準特異点を3つ以上とし、それらの基準特異点が所定時間T内で連続してスイッチレバー120に接触しON信号を発信するように配置してもよい。
【0113】
以上のように本実施例は、第1凸部105B、第2凸部106B及び第3凸部107Bが凸形状であることにより、マイクロスイッチ119のON信号により、被検出体であるシャッター43の位置を判定することができる。
【実施例4】
【0114】
図19は本発明の実施例4を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その説明を省略して詳述する。本実施例は、特異点として第1受光部105C、第2受光部106C及び第3受光部107Cを上側回転体99Cのスイッチ受部102Cの側面部104Cに形成したものである。
【0115】
本実施例では、検知手段として光センサー(図示せず)を回転体98の側方に配設する。前記光センサーは、図示しない投光部と反射光受部を有し、前記投光部から上側回転体99Cの側面部104Cに光を投射し、側面部104Cで反射した光を前記反射光受部で受光する。
【0116】
側面部104Cには、第2受光部106Cと第3受光部107Cの間に第1中間部108C、第1受光部105Cと第2受光部106Cの間に第2中間部109C、第1受光部105Cと第3受光部107Cの間に第3中間部110Cが形成される。第1受光部105C、第2受光部106C及び第3受光部107Cは、第1中間部108C、第2中間部109C及び第3中間部110Cとは、光の反射率が異なる部材により形成され、光学特性が異なる。また、上側回転体99Cは、径大部101Cと、天面部103Cに形成された受溝部111Cを有する。
【0117】
回転体98が回転することで、例えば、第2中間部109C、第2受光部106C、第1中間部108C、第3受光部107C、第3中間部110C、第1受光部105Cの順に前記投光部から光が投射される。そして、前記光センサーは、第1中間部108C、第2中間部109C及び第3中間部110Cから反射された光を受光したときにON信号を発信し、第1受光部105C、第2受光部106C及び第3受光部107Cから反射された光を受光したときにOFF信号を発信する。なお、前記光センサーは、第1受光部105C、第2受光部106C及び第3受光部107Cから反射された光を受光したときにON信号を発信し、第1中間部108C、第2中間部109C及び第3中間部110Cから反射された光を受光したときにOFF信号を発信するようにしてもよい。
【0118】
本実施例では、前記光センサーが所定時間T内に連続して第2受光部106Cと第3受光部107Cからの反射光を受光した後、第1受光部105Cからの反射光を受光したときが落下口32の開口状態であり、前記光センサーが所定時間T内に連続して第2受光部106Cと第3受光部107Cからの反射光を受光したときが落下口32の閉口状態である。したがって、前記光センサーが所定時間T内に連続して2回のOFF信号を発信した後、1回目のOFF信号を発信したときに駆動モーター121の駆動を停止することで、回転体98の回転が停止し、落下口32を開口状態とすることができる。また、前記光センサーが所定時間T内に連続して2回のOFF信号を発信したときに駆動モーター121の駆動を停止することで、回転体98の回転が停止し、落下口32を閉口状態とすることができる。
【0119】
本実施例では、第2受光部106Cと第3受光部107Cが基準特異点であり、第1受光部105Cと第3受光部107Cが位置判定特異点であるが、第2受光部106Cも位置判定特異点とすることや、その他の特異点を設け、その特異点を位置判定特異点とすることも可能である。また、本実施例では、基準特異点を2つ(第2受光部106C及び第3受光部107C)設けたが、基準特異点を3つ以上とし、それらの基準特異点が所定時間T内で連続してスイッチレバー120に接触しOFF信号を発信するように配置してもよい。
【0120】
以上のように本実施例は、検知手段が光センサーで、第1受光部105C、第2受光部106C及び第3受光部107Cと回転体98のそれ以外の部分(第1中間部108C、第2中間部109C及び第3中間部110C)とで光学特性を異ならせたことにより、非接触によりON信号とOFF信号の発信を行うことができ、回転体98の位置及びシャッター43の所定位置を判定することができる。そのため、実施例1~3の上側回転体99,99A,99Bとマイクロスイッチ119のような接触を繰り返す部品の機械的損傷の発生を抑制することができる。
【実施例5】
【0121】
図20は本発明の実施例5を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その説明を省略して詳述する。本実施例は、特異点として第1受光凹部105D、第2受光凹部106D及び第3受光凹部107Dを上側回転体99Dのスイッチ受部102Dの天面部103Dに形成したものである。
【0122】
本実施例では、検知手段として光センサー(図示せず)を回転体98の上方に配設する。前記光センサーは、図示しない投光部と反射光受部を有し、前記投光部から上側回転体99Dの天面部103Dに光を投射し、反射した光を前記反射光受部で受光する。
【0123】
天面部103Dには、第2受光凹部106Dと第3受光凹部107Dの間に第1中間部108D、第1受光凹部105Dと第2受光凹部106Dの間に第2中間部109D、第1受光凹部105Dと第3受光凹部107Dの間に第3中間部110Dが形成される。前記光センサーと第1受光凹部105Dの底部、第2受光凹部106Dの底部及び第3受光凹部107Dの底部との距離は、前記光センサーと第1中間部108C、第2中間部109C及び第3中間部110Cとの距離と異なるため、光を反射する際に光学特性が異なり、前記光センサーにより第1受光凹部105D、第2受光凹部106D及び第3受光凹部107Dの位置を検出することができる。また、上側回転体99Dは、径大部101Dと、天面部103Dに形成された受溝部111Dを有する。
【0124】
回転体98が回転することで、例えば、第2中間部109D、第2受光凹部106D、第1中間部108D、第3受光凹部107D、第3中間部110D、第1受光凹部105Dの順に前記投光部から光が投射される。そして、前記光センサーは、第1中間部108D、第2中間部109D及び第3中間部110Dから反射された光を受光したときにON信号を発信し、第1受光凹部105Dの底部、第2受光凹部106Dの底部及び第3受光凹部107Dの底部から反射された光を受光したときにOFF信号を発信する。なお、前記光センサーは、第1受光凹部105Dの底部、第2受光凹部106Dの底部及び第3受光凹部107Dの底部から反射された光を受光したときにON信号を発信し、第1中間部108D、第2中間部109D及び第3中間部110Dから反射された光を受光したときにOFF信号を発信するようにしてもよい。
【0125】
本実施例では、前記光センサーが所定時間T内に連続して第2受光凹部106Dの底部と第3受光凹部107Dの底部からの反射光を受光した後、第1受光凹部105Dからの反射光を受光したときが落下口32の開口状態であり、前記光センサーが所定時間T内に連続して第2受光凹部106Dの底部と第3受光凹部107Dの底部からの反射光を受光したときが落下口32の閉口状態である。したがって、前記光センサーが所定時間T内に連続して2回のOFF信号を発信した後、1回目のOFF信号を発信したときに駆動モーター121の駆動を停止することで、回転体98の回転が停止し、落下口32を開口状態とすることができる。また、前記光センサーが所定時間T内に連続して2回のOFF信号を発信したときに駆動モーター121の駆動を停止することで、回転体98の回転が停止し、落下口32を閉口状態とすることができる。
【0126】
このように、検知手段として光センサーを使用する場合であっても、特異点を実施例4の第1受光部105C、第2受光部106C及び第3受光部107Cのように、光の反射率が異なる部材により形成する必要がなく、実施例4と比較して上側回転体99の製造が容易となる。
【0127】
本実施例では、第2受光凹部106Dの底部と第3受光凹部107Dが基準特異点であり、第1受光凹部105Dと第3受光凹部107Dが位置判定特異点であるが、第2受光凹部106Dも位置判定特異点とすることや、その他の特異点を設け、その特異点を位置判定特異点とすることも可能である。また、本実施例では、基準特異点を2つ(第2受光凹部106D及び第3受光凹部107D)設けたが、基準特異点を3つ以上とし、それらの基準特異点が所定時間T内で連続してスイッチレバー120に接触しOFF信号を発信するように配置してもよい。
【0128】
以上のように本実施例は、検知手段が光センサーで、第1受光凹部105D、第2受光凹部106D及び第3受光凹部107Dと回転体98のそれ以外の部分(第1中間部108C、第2中間部109C及び第3中間部110C)とで光学特性を異ならせたことにより、非接触によりON信号とOFF信号の発信を行うことができ、回転体98の位置及びシャッター43の所定位置を判定することができる。そのため、実施例1~3の上側回転体99,99A,99Bとマイクロスイッチ119のような接触を繰り返す部品の機械的損傷の発生を抑制することができる。
【0129】
なお、本発明は以上の実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変実施が可能である。例えば、実施例3の第1凸部105B、第2凸部106B、第3凸部107B、第1中間部108B、第2中間部109B及び第3中間部110Bを天面部103Bに設けてもよい。また、実施例4の第1受光部105C、第2受光部106C、第3受光部107C、第1中間部108C、第2中間部109C及び第3中間部110Cを天面部103Cに設けてもよい。また、実施例5の第1受光凹部105D、第2受光凹部106D、第3受光凹部107D、第1中間部108D、第2中間部109D及び第3中間部110Dを側面部104Dに設けてもよい。また、上記各実施例では被検出体であるシャッター43と回転体98は別部品であり接続されているが、請求項に記載の「接続」とは、被検出体と回転体が一体部品である場合を含むものとする。
【符号の説明】
【0130】
43 シャッター(被検出体)
98 回転体
103 天面部
103A 天面部
103B 天面部
103C 天面部
103D 天面部
104 側面部
104A 側面部
104B 側面部
104C 側面部
104D 側面部
105 第1凹部(特異点、位置判定特異点
105A 第1凹部(特異点、位置判定特異点
105B 第1凸部(特異点、位置判定特異点
105C 第1受光部(特異点、位置判定特異点
105D 第1受光凹部(特異点、位置判定特異点
106 第2凹部(特異点、基準特異点)
106A 第2凹部(特異点、基準特異点)
106B 第2凸部(特異点、基準特異点)
106C 第2受光部(特異点、基準特異点)
106D 第2受光凹部(特異点、基準特異点)
107 第3凹部(特異点、基準特異点、位置判定特異点
107A 第3凹部(特異点、基準特異点、位置判定特異点
107B 第3凸部(特異点、基準特異点、位置判定特異点
107C 第3受光部(特異点、基準特異点、位置判定特異点
107D 第3受光凹部(特異点、基準特異点、位置判定特異点
120 マイクロスイッチ(検知手段)
T 所定時間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
図11
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図16
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図18
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図20