(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】商品販売処理装置、商品販売処理方法、及び商品販売処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20240902BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
G07G1/12 321Z
G07G1/01 301D
(21)【出願番号】P 2020124472
(22)【出願日】2020-07-21
【審査請求日】2023-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100141519
【氏名又は名称】梶田 邦之
(72)【発明者】
【氏名】吉田 光寿
(72)【発明者】
【氏名】里 直和
(72)【発明者】
【氏名】中村 仁美
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-157048(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 - 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客の操作に応じて実行される購入対象商品の商品販売処理に関する情報を取得する情報取得部と、
前記商品販売処理に関する前記情報に基づいて、前記商品販売処理の実行が可能な状態を維持するための作業があるかを判断する判断部と、
前記作業を顧客に依頼するための情報を出力する出力部と、
を備
え、
前記情報取得部は、前記商品販売処理を行う際に顧客の識別情報を取得可能であって、
前記出力部は、顧客の識別情報が取得された場合に、前記判断部の判断の結果に基づいて、前記作業を当該顧客に依頼するための情報を出力する、
商品販売処理装置。
【請求項2】
前記商品販売処理に関する前記情報は、前記購入対象商品の精算処理に関するレシートの印刷に用いられるレシート用紙の残量を示す情報を含み、
前記作業を顧客に依頼するための情報は、前記レシート用紙の交換作業を顧客に依頼するための情報を含む、請求項
1記載の商品販売処理装置。
【請求項3】
顧客の操作に応じて実行される購入対象商品の商品販売処理に関する情報を取得することと、
前記商品販売処理に関する前記情報に基づいて、前記商品販売処理の実行が可能な状態を維持するための作業があるかを判断することと、
前記作業を顧客に依頼するための情報を出力することと、
をコンピュータに実行さ
せ、
前記取得することは、前記商品販売処理を行う際に顧客の識別情報を取得可能であって、
前記出力することは、顧客の識別情報が取得された場合に、前記判断することの判断の結果に基づいて、前記作業を当該顧客に依頼するための情報を出力する、
商品販売処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、購入対象商品の商品販売処理を行う商品販売処理装置、商品販売処理方法、及び商品販売処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
小売店などでは、POS(Point Of Sale)システムの端末装置を店員が操作することにより、顧客が商品の購入するために必要な商品販売処理が実行されている。このような商品販売処理の実行に必要な操作のうち、一部又は全ての操作を、顧客自身で行うセルフ式POSシステムの導入されている(例えば、特許文献1を参照)。上述したセルフ式POSシステムの導入により、店舗運営の効率化および人手不足解消などの促進が期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したセルフ式POSシステムでは、顧客が操作する端末装置のメンテナンスなど、顧客の操作に応じた商品販売処理の実行が可能な状態を維持するための作業が必要となる。
【0005】
本発明の目的は、商品販売処理の実行が可能な状態を維持するための作業を適切に行うことを可能にする商品販売処理装置、商品販売処理方法、及び商品販売処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様である商品販売処理装置は、顧客の操作に応じて実行される購入対象商品の商品販売処理に関する情報を取得する情報取得部と、上記商品販売処理に関する上記情報に基づいて、上記商品販売処理の実行が可能な状態を維持するための作業があるかを判断する判断部と、上記判断の結果に基づいて、上記作業を顧客に依頼するための情報を出力する出力部と、を備える。
【0007】
本発明の一態様である商品販売処理方法は、顧客の操作に応じて実行される購入対象商品の商品販売処理に関する情報を取得することと、上記商品販売処理に関する上記情報に基づいて、上記商品販売処理の実行が可能な状態を維持するための作業があるかを判断することと、上記判断の結果に基づいて、上記作業を顧客に依頼するための情報を出力することと、を備える。
【0008】
本発明の一態様である商品販売処理プログラムは、顧客の操作に応じて実行される購入対象商品の商品販売処理に関する情報を取得することと、上記商品販売処理に関する上記情報に基づいて、上記商品販売処理の実行が可能な状態を維持するための作業があるかを判断することと、上記判断の結果に基づいて、上記作業を顧客に依頼するための情報を出力することと、をコンピュータに実行させるための商品販売処理プログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係るPOSシステム1aのネットワーク構成図である。
【
図2】
図2は、POS端末装置10aの外観構成の例を示す図である。
【
図3】
図3は、POS端末装置10aの概略的な構成の例を示す図である。
【
図4】
図4は、POS端末装置10aを利用した商品購入手順の概要を説明するためのフローチャートである。
【
図5】
図5は、購入対象商品の登録処理により、制御部100(記憶部130)で管理される登録商品情報のデータテーブル50の具体例を示す図である。
【
図6】
図6は、登録処理開始用画面の具体例を示す図である。
【
図7】
図7は、取引終了画面70の具体例を示す図である。
【
図8】
図8は、購入対象商品の登録処理の開始時(購入手順の開始時)において、レシート用紙の交換作業を顧客に依頼する作業依頼情報を出力する出力例を説明するための図である。
【
図9】
図9は、レシート用紙の交換作業の手順を説明する説明用画像900の例を示す図である。
【
図10】
図10は、レシート出力後など商品購入手順終了時において、レシート用紙の交換作業を顧客に依頼するための作業依頼情報を出力する出力例を説明するための図である。
【
図11】
図11は、顧客によるレシート用紙の交換作業への適用に係る処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【
図12】
図12は、POS管理装置20で管理される顧客情報管理テーブル1200の具体例を説明するための図である。
【
図13】
図13は、顧客の識別情報に基づいてレシート用紙の交換作業の依頼するための処理の流れの具体例を説明するためのフローチャートである。
【
図14】
図14は、購入対象商品の登録処理の開始時(購入手順の開始時)において、レシート用紙の交換作業の完了確認を第2の顧客に依頼する確認依頼情報の出力例を説明するための図である。
【
図15】
図15は、レシート用紙の交換作業の完了確認を依頼する処理の流れの例を説明するためのフローチャートである。
【
図16】
図16は、顧客が所有するスマートフォン1600を利用して購入対象商品の登録処理が行われるPOSシステム1bを示す図である。
【
図17】
図17は、3台のPOS端末装置10c-1、10c-2、10c-3(総称した場合、POS端末装置10cと呼ぶ。)とアプリケーションサーバ装置400とを含むPOSシステム1cの構成の例を示す図である。
【
図18】
図18は、POS端末装置10cの構成を示す図である。
【
図19】
図19は、POSアプリケーションサーバ装置400の構成を示す図である。
【
図20】
図20は、第2の実施形態に係る商品販売処理装置500の概略的な構成の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、同様に説明されることが可能な要素については、同一の符号を付することにより重複説明が省略され得る。
【0011】
説明は、以下の順序で行われる。
1.実施形態の概要
2.第1の実施形態
2.1.POSシステム1aの構成
2.2.POS端末装置10aの構成
2.2.1.制御部100の構成
2.2.2.POS端末装置10aを利用した商品購入手順の概要
2.3.動作例
2.3.1.レシート用紙の交換作業への適用
2.3.2.レシート用紙の交換以外のメンテナンス作業への適用
2.4.POSシステムの変形例
3.第2の実施形態
3.1.商品販売処理装置500の構成
3.2.動作例
4.他の実施形態
5.実施形態の総括
【0012】
<<1.実施形態の概要>>
まず、実施形態の概要を説明する。
【0013】
(1)技術的課題
小売店などでは、POS(Point Of Sale)システムの端末装置を店員が操作することにより、顧客が商品を購入するために必要な商品販売処理が実行されている。このような商品販売処理の実行に必要な操作のうち、一部又は全ての操作を、顧客自身で行うセルフ式POSシステムの導入されている。上述したセルフ式POSシステムの導入により、店舗運営の効率化および人手不足解消などの促進が期待される。
【0014】
とりわけ、マンションの共用部に設けられた売店、コンビニエンスストアなどの小売店では、店員が介在しない方式(フルセルフ式)のPOSシステムの導入が進んでいる。フルセルフ式のPOSシステムでは、店舗に店員を一切配置せずに、商品購入者(顧客)自身の操作に応じて購入対象商品についての商品登録処理および精算処理が行われる。このようなフルセルフ式のPOSシステムでは、よりいっそう店舗運営の効率化および人手不足解消などが見込まれるため、今後ますます導入が進む可能性がある。
【0015】
しかしながら、上述したようなセルフ式のPOSシステムでは、顧客が操作する端末装置のメンテナンスなど、顧客の操作に応じた商品販売処理の実行が可能な状態を維持するための作業が必要となる。また、顧客が操作する端末装置に接続されている機器(例えば、レジ袋供給装置など)のメンテナンスも、顧客の操作に応じた商品販売処理の実行が可能な状態を維持するための作業として必要となる。
【0016】
例えば、店舗に店員が配置されている場合、端末装置内に設けられているレシート用紙の残量が少なくなっても、店員がレシート用紙を交換することにより、精算処理を継続して実行することができる。一方、店員が配置されていない店舗では、レシート用紙の残量が少なくなった際に適切なタイミングでレシート用紙の交換作業を行うことができなかった。さらに、レシート用紙の交換作業が必要であることを、店舗から離れたメンテナンス部門などに報知しても、迅速に対応できない場合も想定されうる。
【0017】
本実施形態では、例えば商品販売処理の実行が可能な状態を維持するための作業を適切に行うことを目的とする。より具体的には、このようなメンテナンス作業を適切なタイミングで効率良く行うことを可能にすることを目的とする。
【0018】
(2)動作例
本発明の実施形態では、例えば、顧客の操作に応じて実行される購入対象商品の商品販売処理に関する情報を取得し、上記商品販売処理に関する上記情報に基づいて、上記商品販売処理の実行が可能な状態を維持するための作業があるかを判断し、上記判断の結果に基づいて、上記作業を顧客に依頼するための情報を出力する。
【0019】
これにより、商品販売処理の実行が可能な状態を維持するための作業、言い換えればメンテナンス作業を適切に行うことが可能になる。つまり、このような情報の出力に応じて顧客が依頼されたメンテナンス作業が行われることになる。このため、例えば店舗に店員やメンテナンス作業員などが不在である又は配置されていない場合でも、メンテナンス作業を適切なタイミングで効率よく行うことが可能になる。
【0020】
なお、上述した技術的特徴は本発明の実施形態の具体的な一例であり、当然ながら、本発明の実施形態は上述した技術的特徴に限定されない。
【0021】
<<2.第1の実施形態>>
図1~
図19を参照して、第1の実施形態を説明する。以下では、主に、商品販売処理を実現するPOSシステムに含まれるPOS端末装置が、店員が配置されない店舗(マンションの共用部に設けられた売店など)に導入される場合を例として説明する。なお、このような店舗以外にも、例えば、コンビニエンスストア、駅内店舗、ドライブイン、深夜営業を行う店舗などの小売店にも導入してもよい。
【0022】
<2.1.POSシステム1aの構成>
図1は、第1の実施形態に係るPOSシステム1aのネットワーク構成図である。
図1を参照すると、POSシステム1aは、例えば3台のPOS端末装置10a-1、10a-2、10a-3(区別しない場合には、総称してPOS端末装置10aと呼ぶ。)、及びPOS端末装置10aの管理を行うPOS管理装置20を備える。3台のPOS端末装置10a-1、10a-2、10a-3及びPOS管理装置20は、それぞれ通信ネットワーク(ローカルエリアネットワーク、又はインターネット)を介して互いに通信可能に接続されている。
【0023】
<2.2.POS端末装置10aの構成>
【0024】
図2は、POS端末装置10aの外観構成の例を示す図である。具体的に、
図2(A)では、POS端末装置10aを顧客側から見た外観構成を示している。
図2(B)では、POS端末装置10aを店員側から見た外観構成を示している。また、
図3は、POS端末装置10aの概略的な構成の例を示す図である。
図2及び
図3において、同一要素には同一の符号が付されている。
【0025】
図2および
図3を参照すると、POS端末装置10aは、顧客による各種操作を可能にするため、顧客側の表示部11、顧客側のスキャナ部12、カード決済部13、釣銭機14、及び顧客側のレシート印刷部15を備える。また、POS端末装置10aは、店員による各種操作を可能にするため、店員側キー操作部16、店員側表示部17、店員側スキャナ部18、及び店員側レシート印刷部19を備える。さらに、POS端末装置10aは、POS端末装置10aに関する制御を行うための制御部100を備える。
【0026】
(1)表示部11
表示部11は、例えばタッチディスプレイであり、制御部100から出力される表示用データに応じて、POS端末装置10aの使用者(例えば、顧客、メンテナンス担当者など)に種々の情報を表示するとともに、当該使用者から種々の入力を受け付ける。表示部11により受け付けられた入力情報は、制御部100に提供される。
【0027】
(2)スキャナ部12
スキャナ部12は、顧客が購入対象の商品コード情報、顧客情報などの読み取り処理を行う。スキャナ部12により読み取られた情報は、制御部100に提供される。なお、POS端末装置10aは、他の読み取り手法によってこれらの情報の読み取りを行ってもよい。例えば、表示部11にタッチ操作可能なボタン等が表示されている場合、これらの情報が、顧客のボタン操作などに応じて読み取られる。
【0028】
(3)カード決済部13
カード決済部13は、各種カード(クレジットカード、交通系カード等)による決済処理を行う。具体的には、カード決済部13は、各種カードに記憶されている情報の読み取り、及び、制御部100と通信を行うことによりカード決済に必要な処理を行う。
【0029】
(4)釣銭機14
釣銭機14(現金決済部)は、現金による決済機構であり、紙幣及び硬貨の投入口と、紙幣及び硬貨の排出口とを有する。また、釣銭機14は、投入口への投入金額を算出して、算出金額の情報を制御部100に提供する。また、釣銭機14は、制御部100から、投入金額と買上金額の差分である釣銭金額の情報を受け取り、釣り銭を排出口から排出する。
【0030】
(5)レシート印刷部15
レシート印刷部15は、制御部100から提供される情報に応じて、レシート印刷部15に設けられたレシート用紙を用いて、例えば領収書、クーポン、お買得情報などの精算処理に関する情報が記載されたレシートの印刷処理を行う。
【0031】
(6)店員側キー操作部16
店員側キー操作部16は、各種のキー(ボタン)から構成され、店員から種々の入力を受け付ける。
【0032】
(7)店員側表示部17
店員側表示部17は、店員用のタッチディスプレイであり、店員に種々の情報を表示するとともに、店員から種々の入力を受け付ける。
【0033】
(8)店員側スキャナ部18
店員側スキャナ部18は、店員用のスキャナ部であり、例えば、商品に付されているバーコード(商品コード等)や店員の名札に付された店員コード等の読み取りを行う。
【0034】
(9)店員側レシート印刷部19
店員側レシート印刷部19は、店員側に媒体を排出する印刷部であり、精算処理時にレシートを印刷する。
【0035】
(10)制御部100
制御部100は、具体的には次に説明するように、購入対象の商品に関する種々の処理を制御する。
【0036】
<2.2.1.制御部100の構成>
続いて、制御部100が備える構成及び各種機能について説明する。
【0037】
図3を参照すると、制御部100は、プロセッサとメモリなどから構成されるコンピュータであって、入出力インタフェース110、ネットワーク通信部120、記憶部130、及び処理部140を備える。
【0038】
(1)入出力インタフェース110
入出力インタフェース110は、表示部11、スキャナ部12、カード決済部13、釣銭機14、レシート印刷部15、店員側キー操作部16、店員側表示部17、店員側スキャナ部18、及び店員側レシート印刷部19のそれぞれとの間で通信を行い、商品販売処理に必要な情報及びデータの入出力処理を行う。
【0039】
(2)ネットワーク通信部120
ネットワーク通信部120は、ネットワークアダプタ及び/又はネットワークインタフェースカード等により実装される。ネットワーク通信部120は、ネットワークから信号を受信し、ネットワークへ信号を送信する。例えばネットワーク通信部120は、通信ネットワーク(ローカルエリアネットワーク、又はインターネット)を介して、POS管理装置20との間で通信を行う。
【0040】
(3)記憶部130
記憶部130は、例えばROM、RAM、及びストレージメモリなどにより実装される。記憶部130は、制御部100の動作のためのプログラム(命令)及びパラメータ、並びに様々なデータを、一時的に又は恒久的に記憶する。当該プログラムは、処理部140の動作のための1つ以上の命令を含む。
【0041】
(4)処理部140
処理部140は、記憶部130に格納されているプログラムが実行されることにより実現される。具体的には、処理部140は、商品登録処理部141、精算処理部142、情報取得部143、判断部144、出力部145、及び設定部146を含む。なお、処理部140は、これらの構成要素以外の他の構成要素をさらに含んでもよい。すなわち、処理部140は、これらの構成要素の動作以外の動作も行ってもよい。商品登録処理部141、精算処理部142、情報取得部143、判断部144、出力部145、及び設定部146の具体的な動作は、後に詳細に説明する。
【0042】
例えば、商品登録処理部141は、スキャナ部12又は店員側スキャナ部18から提供される商品コード情報に基づいて、購入対象商品の登録を行い、登録結果を示す情報を入出力インタフェース110を介して表示部11に出力する。
【0043】
また、精算処理部142は、入出力インタフェース110を介して、カード決済部13又は釣銭機14との間で通信を行うことにより、購入対象となる商品の支払いのための精算処理を行う。また、精算処理部142は、精算処理の完了時に、入出力インタフェース110を介して、レシート印刷部15又は店員側レシート印刷部19と通信を行うことにより、レシートの印刷及び排出を行う。
【0044】
<2.2.2.POS端末装置10aを利用した商品購入手順の概要>
POS端末装置10aは、例えば、商品登録処理および精算処理に関する操作を全て店員が行う非セルフ動作モード(通常モードと呼ばれてもよい)、商品登録処理に関する操作を店員が行い精算処理に関する操作を顧客が行うセミセルフ動作モード、及び商品登録処理および精算処理に関する操作を全て顧客が行うフルセルフ動作モードの3つの動作モードを有する。例えば店舗の混雑状況や店員数などに基づいて管理者により、これらの3つの動作モードの中から適切な動作モードが選択される。これらの動作モードのうち、本実施形態では、フルセルフ動作モードに着目して、POS端末装置10aを利用した商品購入手順の概要について説明する。
【0045】
図4は、POS端末装置10aを利用した商品購入手順の概要を説明するためのフローチャートである。また、
図5は、商品購入手順に従った購入対象商品の登録処理により、制御部100(記憶部130)で管理される登録商品情報のデータテーブル50の具体例を示す図である。
図5を参照すると、データテーブル80は、品数、概算小計金額、概算合計金額などを管理する登録商品情報(合計)と、個々の登録商品の商品コード、品名、価格などを管理する1以上の登録商品情報とを含む。
【0046】
図4を参照すると、ステップS401において、表示部11は、例えば制御部100からの指示に応じて、購入対象商品の登録処理を開始するための登録開始ボタンを表示して、顧客から登録開始ボタンの操作を受け付ける。
【0047】
図6は、登録処理開始用画面の具体例を示す図である。
図6を参照すると、表示部11は、登録開始ボタン61を含む登録処理開始用画面60を表示する。制御部100は、登録処理開始用画面60を視認した顧客により登録開始ボタン61のタッチ操作が行われると、ステップS403に進む。
【0048】
ステップS403において、表示部11は、制御部100(商品登録処理部141)からの指示により、商品登録操作用画面を表示する。また、制御部100(商品登録処理部141)は、スキャナ部12を利用した顧客による購入対象商品の商品コードの読み取り処理に応じて、購入対象商品の登録処理を行い、登録された商品情報を登録商品情報のデータテーブル50で管理する。
【0049】
例えば、商品登録操作用画面には、商品のバーコードをスキャナ部12に近づける操作を案内する操作案内画像、現在の登録されている商品のステータスを確認可能な登録確認画像、及び会計処理への操作を行うための会計ボタンなどが表示される。
【0050】
ステップS405において、表示部11は、商品登録操作用画面に含まれる会計ボタンの操作を受け付ける。商品登録操作用画面を視認した顧客により会計ボタンのタッチ操作が行われると、ステップS407に進む。
【0051】
ステップS407において、制御部100(精算処理部142)は、購入対象商品の精算処理を行う。例えば、現金決済の場合、制御部100(精算処理部142)は、顧客により釣銭機14の投入口された投入金額の情報に基づいて精算処理を行う。また、カード決済の場合には、制御部100(精算処理部142)は、顧客による操作によりカード決済部13による決済処理に基づいて精算処理を行う。
【0052】
ステップS409において、レシート印刷部15は、制御部100(精算処理部142)からの指示に応じて、精算結果及び付加情報(クーポン、お買い得情報など)が記載されたレシートの印刷処理を行い、印刷されたレシートの排出を行う。また、現金決済の場合には、釣銭機14は、制御部100(精算処理部142)からの指示に応じて所定額の釣銭の排出を行う。
【0053】
ステップS411において、表示部11は、制御部100(精算処理部142)からの指示に応じて、商品購入手順の終了を表示する取引終了画面を表示する。
図7は、取引終了画面70の具体例を示す図である。
図7を参照すると、取引終了画面70は、レシートの受け取りを指示するレシート受取指示画像71と、精算結果を表示する精算結果表示画像72を含む。
【0054】
以上のような、
図4に示す商品購入手順に従って、購入対象商品の商品販売処理が行われる。
【0055】
<2.3.動作例>
次に、
図8から
図15を参照して、第1の実施形態に係る動作例を説明する。
【0056】
第1の実施形態によれば、制御部100(情報取得部143)は、顧客の操作に応じて実行される購入対象商品の商品販売処理に関する情報を取得する。
【0057】
商品販売処理は、例えば、制御部100で行われるデータ処理及び情報処理、及びPOS端末装置10a内の各部(例えばレシート印刷部15など)で行われる物理的な処理(例えば印刷処理など)を含む。また、商品販売処理に関する情報は、例えば、レシート用紙の残量を示す情報、及び商品販売処理の進捗(商品登録開始時、取引終了時など)などに関する情報を含む。
【0058】
制御部100(判断部144)は、商品販売処理に関する情報に基づいて、商品販売処理の実行が可能な状態を維持するための作業があるかを判断する。
【0059】
判断対象となる作業は、例えばレシート用紙の交換作業、機具を所定の場所に戻す作業、機具の清掃作業、レジ袋オートフィーダの交換作業などを含む。
【0060】
制御部100(出力部145)は、上記判断の結果に基づいて、当該作業を顧客に依頼するための情報(以下、作業依頼情報とも呼ぶ)を出力する。
【0061】
作業依頼情報は、例えば顧客に視聴可能な映像情報、音声情報などにより出力される。以下の動作例では、作業依頼情報が映像情報として出力されるが、これに限らず音声情報であってもよい。
【0062】
第1の実施形態によれば、商品販売処理の実行が可能な状態を維持するための作業、言い換えればメンテナンス作業を適切に行うことが可能になる。つまり、このような情報の出力に応じて顧客が依頼されたメンテナンス作業が行われることになる。このため、例えば店舗に店員やメンテナンス作業員などが不在である又は配置されていない場合でも、メンテナンス作業を適切なタイミングで効率よく行うことが可能になる。
【0063】
以下では、より具体的な作業への適用例を挙げて、第1の実施形態に係る動作例を詳細に説明する。
【0064】
<2.3.1.レシート用紙の交換作業への適用>
まず、レシート用紙の交換作業への適用について説明する。
【0065】
(1)情報の取得
レシート用紙の交換作業への適用では、上述した商品販売処理に関する情報が、顧客の操作に応じて実行される精算処理に関するレシートの印刷に用いられるレシート用紙の残量を示す情報(以下、レシート用紙残量情報とも呼ぶ。)を含む。
【0066】
具体的に、レシート用紙の残量は、レシート印刷部15が有するセンサ機能などによりレシート用紙の終端の近傍を示す印を検出することにより行う。この印を検出することによりレシート用紙の最後だけでなく、あとどのくらい残量があるかも検出できる。また、レシート用紙残量情報は、レシート印刷部15と制御部100との間で行われる通信により、情報取得部143に送信される。このようにして、情報取得部143は、レシート印刷部15からレシート用紙残量情報を取得することができる。
【0067】
(2)レシート用紙残量情報に基づいた判断処理
レシート用紙の交換作業への適用では、判断部144は、レシート用紙残量情報に基づいて、商品販売処理の実行が可能な状態を維持するための作業があるかを判断する。
【0068】
具体的には、判断部144は、レシート用紙の残量が所定の残量以下である場合には、商品販売処理の実行が可能な状態を維持するための作業として、レシート用紙の交換作業が必要であると判断する。
【0069】
(3)作業依頼情報の出力
レシート用紙の交換作業への適用では、作業依頼情報が、レシート用紙の交換作業を顧客に依頼するための情報を含む。
【0070】
具体的には、出力部145は、判断部144によりレシート用紙の交換作業が必要であると判断された場合に、レシート用紙の交換作業を顧客に依頼する作業依頼情報を、入出力インタフェース110を介して表示部11に出力する。
【0071】
(3-1)購入手順の開始時に作業依頼情報を出力する例
上述したような
図4を参照して説明した商品購入手順に当てはめると、レシート用紙の交換作業を顧客に依頼する作業依頼情報は、例えば、顧客から登録開始ボタンの操作を受け付ける手順(ステップS401)の直後に出力される。
【0072】
図8は、購入対象商品の登録処理の開始時(購入手順の開始時)において、レシート用紙の交換作業を顧客に依頼する作業依頼情報を出力する出力例を説明するための図である。
【0073】
図8を参照すると、表示部11は、レシート用紙の交換を依頼するための作業依頼情報810を含むレシート用紙交換依頼用画面800を表示する。例えば作業依頼情報810は、作業依頼を承諾する承諾ボタン811と作業依頼を拒否する拒否ボタン812を含む。
【0074】
図8に示す例によれば、出力部145は、作業依頼情報810を顧客に視認可能に表示することにより、店舗に店員などが配置されていない場合であっても、適切なタイミングでレシート用紙の交換作業を行うことが可能になる。
【0075】
また、
図8に示す例において、例えば、顧客により承諾ボタン811のタッチ操作が行われた場合、出力部145は、レシート用紙の交換作業の手順を説明するための情報を、例えば入出力インタフェース110を介して表示部11に出力する。
【0076】
図9は、レシート用紙の交換作業の手順を説明する説明用画像900の例を示す図である。
図9を参照すると、表示部11は、制御部100から出力された情報に応じて説明用画像900を表示する。これにより、顧客は、説明用画像900に表示される手順に従って、レシート用紙を容易に交換することができる。また、
図9に示す例(説明用画像900)に限らず、レシート用紙の交換作業の手順を説明する説明用画像では、交換用のレシート用紙がどこの保管されているのかの説明や保管場所のマップや、交換後のレシート用紙をどのように廃棄すべきかの指示を表示してもよい。
【0077】
この場合、交換用のレシート用紙には、タグ(RFIDタグなど)が設けられてもよい。つまり、交換用のレシート用紙は、タグで管理されて収納ボックスなどに収納されてもよい。これにより、POS端末装置10aは、交換後のレシート用紙に設けられたタグを識別して在庫の管理をすることもできる。さらに、収納ボックスからレシート用紙を取り出す際に、レシート用紙の盗難防止にも利用できる。
【0078】
また、収納ボックスは、POS端末装置10aに備え付けてあるドロアーにより代用されてもよい。収納ボックスを別途設けるよりも簡単に設置ができる。ドロアー内にメンテナンス用の備品が保管されて、通常のドロアーの開放指示が行われるようにしてもよい。
【0079】
また、
図8に示す例において、顧客により拒否ボタン812のタッチ操作が行われた場合には、例えば、レシート用紙の交換作業を行わずに商品登録処理を開始してもよいし、商品登録処理を禁止するようにしてもよい。商品登録処理を禁止する場合は、例えば他のPOS端末装置10aの利用を促す画面を表示部11に表示してもよい。
【0080】
(3-2)購入手順の終了時に作業依頼情報を出力する例
レシート用紙の交換作業を顧客に依頼する作業依頼情報の出力は、例えば
図8を参照して説明した商品購入手順の開始時に限らず、レシートの印刷出力後など購入手順の終了時に行われてもよい。
【0081】
上述したような
図4を参照して説明した商品購入手順に当てはめると、レシート用紙の交換作業を顧客に依頼する作業依頼情報は、例えば、
図7に示すような取引終了画面70の表示(ステップS411)の直後に表示されてもよい。
【0082】
図10は、レシート出力後など商品購入手順終了時において、レシート用紙の交換作業を顧客に依頼するための作業依頼情報を出力する出力例を説明するための図である。
【0083】
図10を参照すると、例えばステップS409により行われるレシートの印刷処理に応じてレシート用紙の残量が所定の残量以下になった場合に、出力部145から、レシート用紙の交換作業を顧客に依頼するための作業依頼情報が出力される。この場合、表示部11は、例えば上述した
図7に示す取引終了画面70を表示した直後に、レシート用紙の交換作業を顧客に依頼するための作業依頼情報1010を含むレシート用紙交換依頼用画面1000を表示する。例えば作業依頼情報1010は、作業依頼を承諾する承諾ボタン1011と作業依頼を拒否する拒否ボタン1012を含む。承諾ボタン1011および拒否ボタン1012の各々の操作に応じて行われる処理は、例えば、上述した
図8に示した承諾ボタン811および拒否ボタン812の各々の操作に応じて行われる処理と同様である。
【0084】
(3-3)作業依頼情報を出力する他の例
また、作業依頼情報は、レシート用紙の残量が所定の残量以下になってから最初の数回の間は上述した購入手順の開始時又は終了時など任意のタイミングで出力してもよい。さらに、作業依頼情報が所定の回数以上出力されても作業が行われていない場合は、POS端末装置10aは、購入手順の開始時にレシート用紙の交換作業を顧客に依頼するための作業依頼情報を出力することを、精算処理の回数に応じて設定してもよい。さらに、作業依頼情報は、上述した購入手順の開始時又は終了時に限らず、例えば、
図4を参照して説明した任意のステップが行われるタイミングで出力されてもよいことは勿論である。
【0085】
(4)処理の流れ
次に、顧客によるレシート用紙の交換作業への適用に係る処理の流れを説明する。
図11は、顧客によるレシート用紙の交換作業への適用に係る処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【0086】
図11を参照すると、ステップS1101において、情報取得部143は、入出力インタフェース110を介してレシート印刷部15から、レシート用紙残量情報を取得する。
【0087】
ステップS1103において、判断部144は、レシート用紙残量情報に基づいて、商品販売処理の実行が可能な状態を維持するための作業があるかを判断する。具体的には、レシート用紙の残量が所定の残量以下である場合(S1103:YES)には、商品販売処理の実行が可能な状態、すなわちレシートを印刷可能な状態を維持するため、レシート交換作業が必要であると判断され、ステップS1105に進む。一方、レシート用紙の残量が所定の残量以下ではない場合(S1103:NO)には、レシート用紙の交換作業が不要なため、ステップS1105に進むことなく
図11に示す処理を終了する。
【0088】
ステップS1105において、出力部145は、レシート用紙の交換作業を顧客に依頼するための作業依頼情報を、入出力インタフェース110を介して表示部11に出力する。この作業依頼情報の出力により、表示部11は、例えば上述した
図8又は
図10に示したような画面が表示され、その後、
図11に示す処理が終了する。
【0089】
なお、レシート交換の完了作業後にレシートを発行して、その内容をスキャナ部12で正常に読み込むことができたことをレシート交換作業の完了の処理としてもよい。例えば、レシート用紙を交換後に自動でテスト印字用のバーコードが印字されているレシートを発行して、スキャナ部12に読み取らせてもよい。正しくレシート用紙が交換されていればバーコードが印字されているのでバーコードを読み込むことができるので、レシート用紙の交換が正しく行われていなければレシートの発行ができないこと、及び印字に擦れなどの不具合が生じることなどを確認することができる。
【0090】
また、レシート用紙の収納ボックスが施錠されている場合、レシート印刷部15は、ステップS1105による作業依頼情報の出力に応じて、当該収納ボックスの解除操作を行ってもよい。これにより、いたずらなど、意図しないレシート用紙の取り出しを防止することができる。また、レシート用紙の収納ボックスの解除後に施錠が行われていることも交換作業の一部として扱ってもよく、このような施錠作業が完了しない場合には報知を行ってもよい。
【0091】
また、例えば商品購入手順の開始時に、表示部11のタッチパネル機能により顧客からレシート発行不要であることを示す操作入力があった場合には、例えばレシート用紙の残量が所定の残量以下である場合(S1103:YES)も、ステップS1105に進まずに
図11に示す処理を終了してもよい。
【0092】
上記
図11に示す処理によれば、例えば、店員又はメンテナンス担当者が店舗に配置されていない場合であっても、レシート用紙の交換が必要となるタイミングで、レシート用紙の交換作業を顧客に依頼することができ、商品販売処理の実行が可能な状態を維持することができる。
【0093】
(5)顧客の識別情報に基づいたレシート用紙の交換作業の依頼
また、POS端末装置10aは、顧客の識別情報に基づいて、レシート用紙の交換作業を依頼してもよい。
【0094】
この場合、まず、情報取得部143は、例えば次のように、顧客の識別情報(顧客のために発行された会員カードの識別番号など)を更に取得する。具体的には、例えば、上述した
図4に示す商品購入手順の開始時(ステップS401)などに、会員カードに付されたバーコード(顧客の識別情報)が、当該顧客の操作に応じてスキャナ部12により読み取られる。そして、スキャナ部12と制御部100と通信により、スキャナ部12により読み取られた顧客の識別情報が、情報取得部143に送られる。
【0095】
情報取得部143は、スキャナ部12により読み取られた顧客の識別情報が、例えば、
図12に示すような、POS管理装置20で管理される顧客情報管理テーブル1200内に登録されている場合に、正規の顧客の識別情報を取得したと判断してもよい。
【0096】
図12は、POS管理装置20で管理される顧客情報管理テーブル1200の具体例を説明するための図である。
図12を参照すると、顧客情報管理テーブル1200は、例えば、顧客毎に、識別番号、顧客名、顧客登録日、会員レベル、ポイント数などを管理する。会員レベルは、例えば、POS端末装置10aの操作の熟練度の評価指標である。例えば熟練度は、顧客による過去の操作履歴などから推定される。また、会員レベルは、例えば、熟練度が高い順からランクA、B、Cの三段階に設定される。また、ポイント数は、商品購入の支払いに利用可能なポイント数である。また、過去において作業の失敗や不正などを履歴として保存して、注意人物としての評価を残しておいてもよい。
【0097】
情報取得部143は、POS管理装置20にアクセスすることにより顧客情報管理テーブル1200を参照して、スキャナ部12により読み取られた顧客の識別情報が顧客情報管理テーブル1200に登録されている場合には、正規の顧客の識別情報を取得したと判断することができる。
【0098】
また、出力部145は、情報取得部143により顧客の識別情報が取得された場合に、判断部144による判断の結果に基づいて、レシート用紙の交換作業を当該顧客に依頼するための情報を出力する。
【0099】
図13は、顧客の識別情報に基づいてレシート用紙の交換作業を当該顧客に依頼するための処理の流れの具体例を説明するためのフローチャートである。
【0100】
図13を参照すると、ステップS1301において、情報取得部143は、入出力インタフェース110を介してレシート印刷部15から、レシート用紙残量情報を取得する。
【0101】
ステップS1303において、判断部144は、レシート用紙残量情報に基づいてレシート交換が必要であるかを判断し、必要な場合(S1303:Yes)にはステップS1305に進み、必要ではない場合(S1303:No)には
図13に示す処理を終了する。
【0102】
ステップS1305において、情報取得部143は、例えば入出力インタフェース110を介してスキャナ部12から顧客の識別情報を取得したか否かを判断し、取得した場合(ステップS1305:Yes)にはステップS1307に進み、取得しなかった場合(S1305:No)には、
図13に示す処理を終了する。
【0103】
ステップS1307において、制御部100は、レシート印刷部15に対して、施錠されているレシート用紙収納ボックスの解除を指示する。これにより、レシート印刷部15は、施錠されているレシート用紙収納ボックスの解除を行う。
【0104】
ステップS1309において、出力部145は、レシート用紙の交換作業を顧客に依頼するための作業依頼情報を、入出力インタフェース110を介して表示部11に出力する。作業依頼情報の出力により、表示部11は、例えば上述した
図8又は
図10に示したような画面が表示され、その後、
図13に示す処理が終了する。
【0105】
上記
図13に示す処理によれば、顧客の識別情報を認識したことに応じてレシート用紙収納ボックスの解除を行い、当該顧客に限ってレシート交換作業を依頼することができる。これにより、上記
図13に示す処理によれば、例えば、個人情報が特定されていたり、過去に購入履歴があったりするなど一定の信用度が蓄積されている顧客に対してのみメンテナンス作業を依頼することができ、例えばレシート用紙が不用意に持ち出されたりするなど、POS端末装置10aなどがいたずらされることをより確実に防止することができる。
【0106】
(6)レシート用紙の交換作業の完了確認
また、POS端末装置10aは、レシート用紙の交換作業を顧客(第1の顧客)に依頼した後、当該レシート交換用紙の作業が問題なく行われたことの確認を、第1の顧客以外の顧客(第2の顧客)に依頼してもよい。
【0107】
この場合、出力部145は、レシート用紙の交換作業を第1の顧客に依頼するための作業依頼情報の出力後に、当該レシート用紙の交換作業の完了確認を第2の顧客に依頼するための情報(以下、確認依頼情報とも呼ぶ。)を更に出力する。
【0108】
ここで、第2の顧客とは、例えば、第1の顧客による商品購入手順の完了後、次に商品購入手順を行う顧客である。なお、第2の顧客は、第1の顧客による商品購入手順が完了した後であれば、次に商品購入手順を行う顧客に限らず、任意のタイミングで商品購入手順を行う顧客であってもよい。
【0109】
出力部145は、レシート用紙の交換作業の完了確認を第2の顧客に求める確認依頼情報を、入出力インタフェース110を介して表示部11に出力する。上述したような
図4を参照して説明した商品購入手順に当てはめると、確認依頼情報は、例えば、第2の顧客から登録開始ボタンの操作を受け付ける手順(ステップS401)の直後に出力される。
【0110】
図14は、購入対象商品の登録処理の開始時(購入手順の開始時)において、レシート用紙の交換作業の完了確認を第2の顧客に依頼する確認依頼情報の出力例を説明するための図である。
【0111】
図14を参照すると、表示部11は、レシート用紙の交換作業の完了確認を第2の顧客に依頼するための確認依頼情報1410を含む作業完了確認用画面1400を表示する。また、作業完了確認用画面1400は、例えば、交換作業が完了されていることを示す完了確認ボタン1411と、交換作業が未完了であることを示す未完了確認ボタン1412とを含む。
【0112】
図14に示す例によれば、出力部145は、確認依頼情報1410を第2の顧客に視認可能に表示することにより、レシート用紙の交換作業が問題なく行われたかどうかを評価することができる。
【0113】
また、
図14に示す例では、例えば、第2の顧客により完了確認ボタン1411のタッチ操作が行われた場合には、例えば、購入対象商品の登録を行うための商品登録操作用画面に遷移する。また、第2の顧客により未完了確認ボタン1412のタッチ操作が行われた場合には、例えば第2の顧客にレシート用紙の交換作業を依頼するための画面に遷移する。
【0114】
上述した
図14に示す例(確認依頼情報1410)に限らず、例えば、第2の顧客に依頼するための確認依頼情報には、「印字する」というボタンを設け、実際にレシートが正しく発行されて、印字できるかを顧客に確認させてもよい。さらに、確認依頼情報を表示する作業完了確認用画面には、レシートの交換が正しく行われているかのチェックリストを併せて表示してもよい。例えば、「印字されたレシートに擦れはありませんか」、「文字が正しく印字されていますか」、及び「レシートカバーは閉じていますか」などを表示してもよい。
【0115】
次に、
図15を参照して、レシート用紙の交換作業の完了確認を依頼する処理の流れの例を説明する。
図15は、レシート用紙の交換作業の完了確認の処理の流れの例を説明するためのフローチャートである。
【0116】
図15を参照すると、ステップS1501において、表示部11は、例えば制御部100からの指示に応じて、購入対象商品の登録処理を開始するための登録開始ボタンを表示して、第2の顧客から当該登録開始ボタンの操作を受け付ける。
【0117】
ステップS1503において、情報取得部143は、例えば入出力インタフェース110を介してスキャナ部12から、第2の顧客の識別情報を取得したか否かを判断し、第2の顧客の識別情報を取得した場合(ステップS1503:Yes)にはステップS1505に進み、第2の顧客の識別情報を取得しなかった場合(S1503:No)には、
図15に示す処理を終了する。
【0118】
ここで、第2の顧客の識別情報を取得しなかった場合(S1503:No)は、スキャナ部12により顧客の識別情報が読み取られなかった場合に限らず、例えばレシート交換作業が依頼された第1の顧客の識別情報を取得した場合も該当する。
【0119】
ステップS1505において、出力部145は、レシート用紙の交換作業の完了確認を第2の顧客に依頼するための確認依頼情報を、入出力インタフェース110を介して表示部11に出力する。確認依頼情報の出力により、表示部11は、例えば上述した
図14に示した作業完了確認用画面1400を表示する。
【0120】
ステップS1507において、制御部100は、例えば完了確認ボタン1411又は未完了確認ボタン1412のタッチ操作により作業完了が確認されたか否かを判断する。例えば完了確認ボタン1411のタッチ操作により作業完了が確認された場合(S1507:Yes)にはステップS1509に進むことなく
図15に示す処理を終了する。未完了確認ボタン1412のタッチ操作が行われた場合(S1507:No)には、ステップS1509に進む。
【0121】
ステップS1509において、出力部145は、レシート用紙の交換作業を第2の顧客に依頼するための作業依頼情報を、入出力インタフェース110を介して表示部11に出力する。その後、
図15に示す処理を終了する。
【0122】
上記
図15に示す処理によれば、例えば、第2の顧客の識別情報が取得された場合に限って確認依頼情報を出力することにより、個人情報などが特定されている信頼性の高い顧客に限って、レシート用紙の交換作業が正しく行われているかを評価させることができる。また、レシート用紙の交換作業を依頼した第1の顧客が商品購入手順を繰り返した場合に、第1の顧客の商品購入手順の際に確認依頼情報が出力されることを防止できる。
【0123】
(7)顧客への特典付与
POS端末装置10aは、レシート用紙の交換作業の完了した場合、レシート交換作業の対価として、例えばクーポン券、商品購入時に利用可能なポイントなどの特典を顧客に付与してもよい。
【0124】
この場合、設定部146は、レシート交換作業の完了に応じて、作業を行った顧客に付与すべき特典を設定して、POS管理装置20に通知する。特典が設定されると、POS管理装置20は、顧客情報管理テーブル(例えば、
図12に示した顧客情報管理テーブル1200)で管理されるポイント数を更新する。また、制御部100(例えば出力部145)は、特典が設定されたことを示す情報を表示部11に出力する。このような情報が表示部11に表示されることにより、レシート用紙の交換作業を行った顧客は、当該作業に対する対価として特典が付与されたことを認識することができる。
【0125】
例えば、上述した
図15に示す処理のように、第2の顧客によるレシート用紙交換作業の完了確認が行われる場合には次のようなタイミングで特典が設定される。
【0126】
一例として、設定部146は、完了確認ボタン1411の操作がなされた場合に、レシート交換作業が完了したと判断して、レシート交換作業を行った第1の顧客に所定の特典を設定する。
【0127】
他の例として、レシート印刷部15が正しくレシート用紙が交換されたかどうかを検出する機能を有している場合、次のようにして特典が設定されてもよい。すなわち、設定部146は、作業依頼情報の出力後にレシート印刷部15からレシート用紙交換完了を示す検出情報を受信した場合、レシート用紙の交換作業が完了したと判断して、レシート用紙の交換作業を行った顧客に所定の特典を設定してもよい。
【0128】
このようにしてレシート用紙の交換作業を行った顧客に所定の特典を付与することにより、顧客が積極的にレシート用紙の交換作業を行える作業環境を実現することができる。
【0129】
また、レシート用紙の交換作業の一部として実際にレシートの発行を行わせ、そのレシートに所定の特典情報を印字してもよい。
【0130】
また、POS端末装置10aは、会員と非会員で特典付与の方法を変えてもよい。例えば、会員の場合は、POS端末装置10aは顧客情報をあらかじめ読み取っているので交換作業完了後に顧客識別情報に基づいてポイントを付与できる。一方、非会員の場合は、POS端末装置10aは、ポイント付与できないので、作業完了後にクーポンを発行することで作業完了の特典を付与してもよい。
【0131】
(8)時間帯に基づいた作業依頼情報の出力
例えば、POS端末装置10aは、上述したような、レシート用紙の交換作業を、例えば深夜の時間帯、メンテナンス担当者が店舗に不在の時間帯などに限って、顧客に依頼するようにしてもよい。
【0132】
この場合、出力部145は、商品販売処理が実行される時刻が、所定の時間帯(例えば深夜、メンテナンス担当者が店舗に不在の時間帯)であるかどうかを判断し、所定の時間帯である場合に限って、レシート用紙の交換作業を顧客に依頼するための作業依頼情報を出力する。このようにして、所定の時間帯である場合に限って作業依頼情報を出力することにより、顧客への不要な作業依頼を防止することができる。
【0133】
(9)動作モードに応じた作業依頼情報の出力
POS端末装置10aは、上述したようにフルセルフ動作モードが選択されている場合には、顧客による商品購入手順の開始時や終了時などに、レシート用紙の交換作業などを顧客に依頼するための作業依頼情報を出力する。
【0134】
一方、POS端末装置10aは、非セルフ動作モード又はセミセルフ動作モードが選択されている場合には、レシート用紙の残量が所定の残量以下になっているような場合でも、レシート用紙の交換作業などを顧客に依頼するための作業依頼情報を出力せず、例えば店員側表示部に当該作業が必要であることを通知してもよい。
【0135】
なお、上記の処理に限らず、セミセルフ動作モードが選択されている場合であっても、例えば顧客による商品購入手順終了時に、レシート用紙の交換作業などを顧客に依頼するための作業依頼情報が出力されてもよい。
【0136】
また、店内に複数のPOS端末装置が存在する場合、他の端末間でモード情報を共有し、すべての端末でフルセルフ動作モードが選択されている場合には、例えば顧客による商品購入手順の開始時や終了時などに、レシート用紙の交換作業などを顧客に依頼するための作業依頼情報が出力されてもよい。一方、一台でも非セルフ動作モード又はセミセルフ動作モードが選択されている場合には、レシート用紙の残量が所定の残量以下になっているような場合でも、レシート用紙の交換作業などを顧客に依頼するための作業依頼情報を出力せず、例えば店員側表示部に当該作業が必要であることが通知されてもよい。
【0137】
このようにして、POS端末装置10aは、動作モードに応じて、顧客にメンテナンス作業を依頼することが必要な状況に限って、作業依頼情報を出力することができる。
【0138】
(10)商品販売処理の履歴情報に基づいた作業依頼情報の出力
また、POS端末装置10aは、顧客により商品購入手順に従って行われた顧客の操作履歴に関する情報に基づいて、作業依頼情報を出力するようにしてもよい。
【0139】
この場合、情報取得部143は、例えばスキャナ部12により読み取られた顧客の識別情報、及び、POS管理装置20により管理される顧客情報管理テーブルなどに基づいて、操作履歴に関する情報として会員レベルを取得する。
【0140】
この場合、出力部145は、顧客の会員レベルが所定の条件(例えば会員レベルがランクAであるという条件)を満たす場合に、レシート用紙の交換作業を顧客に依頼するための作業依頼情報を出力する。一方、出力部145は、顧客の会員レベルがランクB又はCである場合に、レシート用紙の交換作業を顧客に依頼するための作業依頼情報を出力しないようにする。
【0141】
このようにして、顧客の操作履歴に関する情報に基づいて作業依頼情報の出力対象とすべき顧客を決定することにより、例えばPOS端末装置10aの操作に熟練しているような顧客に限って、レシート用紙の交換作業を依頼することができる。
【0142】
また、POS端末装置10aは、顧客の不正などの履歴に応じて交換作業のすべての作業依頼情報を出力しないように判断してもよい。
【0143】
<2.3.2.レシート用紙の交換以外のメンテナンス作業への適用>
顧客に依頼する作業は、商品販売処理の実行が可能な状態を維持するための作業であれば、上述したようなレシート用紙の交換作業に限らず、例えば以下の作業例に挙げるような、POS端末装置10aが商品販売処理を実行可能な状態を維持するための作業を含んでもよい。
【0144】
(1)第1の作業例:顧客により操作される機具を初期位置に戻す作業
例えば、顧客に依頼する作業は、例えば表示部11、スキャナ部12、カード決済部13などの顧客により操作される機具(以下、顧客操作用機具とも呼ぶ。)を初期位置に戻す作業であってもよい。
【0145】
この場合、情報取得部143は、購入対象商品の商品販売処理に関する情報として、顧客操作用機具(表示部11、スキャナ部12、カード決済部13など)の配置(位置、姿勢など)に関する配置情報を取得する。これらの情報の検出は、例えば店舗に配置された監視カメラによる撮像画像に基づいて行われる。また、これらの情報の検出を行う機能を、顧客操作用機具(表示部11、スキャナ部12、カード決済部13など)が有していてもよい。
【0146】
この場合、例えば商品購入手順の終了時などに、判断部144は、顧客操作用機具の配置情報に基づいて、顧客操作用機具が初期位置に戻されているどうかを判断する。そして、出力部145は、顧客操作用機具が初期位置に戻っていない場合には、顧客操作用機具を初期位置に戻す作業を依頼するための作業依頼情報を、表示部11などに出力する。
【0147】
このような作業依頼情報を出力することにより、顧客操作用機具が初期位置に確実に戻されることが期待される。これにより、顧客操作用機具が意図しない場所に置かれているという状況を確実に防止することができる。
【0148】
(2)第2の作業例:衛生的に顧客操作用機具を利用するための清掃作業
例えば、顧客に依頼する作業は、例えば顧客操作用機具の清掃作業であってもよい。
【0149】
この場合、情報取得部143は、購入対象商品の商品販売処理に関する情報として、例えば商品購入手順において顧客により操作された顧客操作用機具の種類を特定する情報を取得する。
【0150】
この場合、判断部144は、顧客により操作された顧客操作用機具の種類を特定する情報に基づいて、次にPOS端末装置10aを利用する顧客が衛生的に顧客操作用機具を操作できるようにするため、特定された顧客操作用機具の清掃が必要であると判断する。そして、出力部145は、特定された顧客操作用機具の清掃作業を依頼するための作業依頼情報を出力する。
【0151】
このような作業依頼情報を出力することにより、次にPOS端末装置10aを利用する顧客が衛生的に良好な環境で、商品販売処理を実行することができる。
【0152】
(3)第3の作業例:買い物に利用するための付属機器の交換作業
例えば、顧客に依頼する作業は、例えばレジ袋の交換作業であってもよい。
【0153】
この場合、情報取得部143は、購入対象商品の商品販売処理に関する情報として、例えば商品購入手順において顧客により操作された顧客操作用機具の種類を特定する情報を取得する。
【0154】
この場合、判断部144は、顧客により操作された顧客操作用機具の種類を特定する情報に基づいて、次にPOS端末装置10aを利用する顧客がレジ袋供給装置を操作できるようにするため、特定された顧客操作用機具の交換が必要であると判断する。そして、出力部145は、特定された顧客操作用機具の交換作業を依頼するための作業依頼情報を出力する。例えば、レジ袋の交換は、顧客の作業が簡単にできるようにカセットの交換で済むような形が望ましい。
【0155】
このような作業依頼情報を出力することにより、買い物を終了してレジ袋を利用できる。
【0156】
<2.4.POSシステムの変形例>
第1の実施形態では、上述したPOSシステム1aに係るシステム構成又は装置構成に限らず、種々の変形が可能である。以下に説明する変形例は、適宜、上述した動作例で説明した種々の動作を適用してもよい。
【0157】
(1)第1の変形例
例えば、商品購入手順における登録処理は、POS端末装置10aが備えるスキャナ部12に限らず、顧客が所有するスマートフォンなどの携帯端末装置を利用して行われてもよい。
【0158】
図16は、顧客が所有するスマートフォン1600を利用して購入対象商品の登録処理が行われるPOSシステム1bを示す図である。
【0159】
図16を参照すると、例えばスマートフォン1600は、ショッピング用アプリケーションをインストールすることで、次のような処理を実行する。まず、スマートフォン1600は、カメラ機能を利用して、購入対象商品の商品コードを読み取る。次に、スマートフォン1600は、通信機能を利用して、読み取った商品コードを、クラウドサービス1650、及びPOS管理装置20を介して、当該顧客が精算処理を行う対象のPOS端末装置10aに送られる。次に、対象のPOS端末装置10aは、当該顧客の操作に応じて精算処理を行う。
【0160】
このようなシステム構成のPOSシステム1bにおいても、例えばPOS端末装置10aは、精算処理の終了時などに、作業依頼情報を出力することにより、商品販売処理の実行が可能な状態を維持するための作業を顧客に依頼することができる。
【0161】
(2)第2の変形例
また、POS端末装置は、上述したPOS端末装置10aのように複数の動作モードから一の動作モードを選択可能な構成に限らず、例えばフルセルフ式のみで動作する構成であっても適用可能である。
【0162】
(3)第3の変形例
また、POSシステムは、例えば上述した動作例で説明したような、POS端末装置10a(制御部100)が商品登録処理および精算処理を行う場合に限らず、例えば、
図17に示すように、商品販売処理の一部又は全てをPOS端末装置10cと通信可能に接続されたPOSアプリケーションサーバ装置400により行われてもよい。
【0163】
図17は、3台のPOS端末装置10c-1、10c-2、10c-3(総称した場合、POS端末装置10cと呼ぶ。)とPOSアプリケーションサーバ装置400とを含むPOSシステム1cの構成の例を示す図である。
【0164】
図17を参照すると、POSアプリケーションサーバ装置400は、例えばインターネットを介してPOS端末装置10cに提供可能なクラウド型POSシステムサービス1700を実現するためのアプリケーションサーバである。
【0165】
図18は、POS端末装置10cの構成を示す図である。
図18を参照すると、POS端末装置10cは、表示部11、スキャナ部12、カード決済部13、釣銭機14、レシート印刷部15、入出力インタフェース110、ネットワーク通信部120、及び記憶部130を有する。このような構成のPOS端末装置10cでは、入出力インタフェース110及びネットワーク通信部120を介して、表示部11、スキャナ部12、カード決済部13、釣銭機14、及びレシート印刷部15のそれぞれにより行われる処理がPOSアプリケーションサーバ装置400により制御される。
【0166】
図19は、POSアプリケーションサーバ装置400の構成を示す図である。
図19を参照すると、POSアプリケーションサーバ装置400は、POS端末装置10cと通信を行うネットワーク通信部410、制御用プログラムなどを記憶する記憶部420、制御用プログラムなどに従った処理を行う処理部430を備える。処理部430は、商品登録処理部431、精算処理部432、情報取得部433、判断部434、出力部435、及び設定部436を備える。
【0167】
例えば、商品登録処理部431、精算処理部432、情報取得部433、判断部434、出力部435、及び設定部436は、それぞれ、上述したようなPOS端末装置10aが備える商品登録処理部141、精算処理部142、情報取得部143、判断部144、出力部145、及び設定部146と同様の処理を行う。
【0168】
以上のようなシステム構成からなるPOSシステム1cでは、具体的には次のようにして、商品販売処理の実行が可能な状態を維持するための作業を顧客に依頼することができる。例えばレシート用紙の交換作業の適用を想定すると、まず、POS端末装置10c(レシート印刷部15)は、レシート用紙の残量を検出して、レシート用紙残量情報をPOSアプリケーションサーバ装置400に送信する。次に、POSアプリケーションサーバ装置400では、情報取得部433によりレシート用紙残量情報を取得して、判断部434によりレシート用紙の交換作業が必要であるかを判断する。次に、POSアプリケーションサーバ装置400は、レシート用紙の交換作業が必要である場合に、出力部435により、レシート用紙の交換作業を顧客に依頼するための作業依頼情報を出力する。具体的には、POSアプリケーションサーバ装置400(出力部435)は、作業依頼情報をPOS端末装置10cに送信する。次に、POS端末装置10cは、POSアプリケーションサーバ装置400から受信した作業依頼情報に対応する画像を表示部11に表示する。
【0169】
このようにして、第3の変形例に係るPOSシステム1cでは、POSアプリケーションサーバ装置400がPOS端末装置10cを遠隔制御することで、POS端末装置10cを利用した商品販売処理の実行が可能な状態を維持するための作業を顧客に依頼することができる。
【0170】
<<3.第2の実施形態>>
続いて、
図20を参照して、第2の実施形態を説明する。上述した第1の実施形態は、具体的な実施形態であるが、第2の実施形態は、より一般化された実施形態である。
【0171】
<3.1.商品販売処理装置500の構成>
図20は、第2の実施形態に係る商品販売処理装置500の概略的な構成の例を示すブロック図である。
図20を参照すると、商品販売処理装置500は、情報取得部511、判断部512、及び出力部513を備える。
【0172】
情報取得部511、判断部512、及び出力部513は、1つ以上のプロセッサと、メモリ(例えば、不揮発性メモリ及び/若しくは揮発性メモリ)並びに/又はハードディスクとにより実装されてもよい。
【0173】
<3.2.動作例>
第2の実施形態に係る動作例を説明する。第2の実施形態によれば、商品販売処理装置500(情報取得部511)は、顧客の操作に応じて実行される購入対象商品の商品販売処理に関する情報を取得する。商品販売処理装置500(判断部512)は、商品販売処理に関する情報に基づいて、商品販売処理の実行が可能な状態を維持するための作業があるかを判断する。商品販売処理装置500(出力部513)は、上記判断の結果に基づいて、当該作業を顧客に依頼するための情報を出力する。
【0174】
-第1の実施形態との関係
一例として、第2の実施形態に係る商品販売処理装置500が備える情報取得部511、判断部512、及び出力部513は、それぞれ、第1の実施形態に係るPOS端末装置10a、10bが備える情報取得部143、判断部144、及び出力部145の動作を行ってもよい。また、第2の実施形態に係る商品販売処理装置500が備える情報取得部511、判断部512、及び出力部513は、それぞれ、第1の実施形態に係るPOSアプリケーションサーバ装置400が備える情報取得部433、判断部434、及び出力部435の動作を行ってもよい。この場合、第1の実施形態についての説明は、第2の実施形態にも適用される。なお、第2の実施形態はこれらの例に限定されない。
【0175】
以上、第2の実施形態を説明した。第2の実施形態によれば、例えば、商品販売処理の実行が可能な状態を維持するための作業を適切に行うことが可能になる。
【0176】
<<4.他の実施形態>>
以上、実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。これらの実施形態は例示にすぎないということ、及び、本発明のスコープ及び精神から逸脱することなく様々な変形が可能であるということは、当業者に理解されるであろう。
【0177】
例えば、本明細書に記載されている処理におけるステップは、必ずしもシーケンス図に記載された順序に沿って時系列に実行されなくてよい。例えば、処理におけるステップは、シーケンス図として記載した順序と異なる順序で実行されても、並列的に実行されてもよい。また、処理におけるステップの一部が削除されてもよく、さらなるステップが処理に追加されてもよい。
【0178】
また、本明細書において説明した構成要素(例えば、情報取得部、判断部、及び/又は出力部)の処理を含む方法が提供されてもよく、上記構成要素の処理をプロセッサに実行させるためのプログラムが提供されてもよい。また、当該プログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な非一時的記録媒体(Non-transitory computer readable medium)が提供されてもよい。当然ながら、このような装置、モジュール、方法、プログラム、及びコンピュータに読み取り可能な非一時的記録媒体も本発明に含まれる。
【0179】
<<5.実施形態の総括>>
[技術分野]
本発明は、購入対象商品の商品販売処理を行う商品販売処理装置、商品販売処理方法、及び商品販売処理プログラムに関する。
[背景技術]
小売店などでは、POS(Point Of Sale)システムの端末装置を店員が操作することにより、顧客が商品を購入するために必要な商品販売処理が実行されている。このような商品販売処理の実行に必要な操作のうち、一部又は全ての操作を、顧客自身で行うセルフ式POSシステムの導入されている(例えば、特許文献1を参照)。上述したセルフ式POSシステムの導入により、店舗運営の効率化および人手不足解消などの促進が期待される。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2020-42459公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、上述したセルフ式POSシステムでは、顧客が操作する端末装置のメンテナンスなど、顧客の操作に応じた商品販売処理の実行が可能な状態を維持するための作業が必要となる。
本発明の目的は、商品販売処理の実行が可能な状態を維持するための作業を適切に行うことを可能にする商品販売処理装置、商品販売処理方法、及び商品販売処理プログラムを提供することにある。
[課題を解決するための手段]
(1)本実施形態の一態様は、顧客の操作に応じて実行される購入対象商品の商品販売処理に関する情報を取得する情報取得部と、上記商品販売処理に関する上記情報に基づいて、上記商品販売処理の実行が可能な状態を維持するための作業があるかを判断する判断部と、上記判断の結果に基づいて、上記作業を顧客に依頼するための情報を出力する出力部と、を備える、商品販売処理装置である。
上記構成によれば、商品販売処理の実行が可能な状態を維持するための作業、言い換えればメンテナンス作業を適切に行うことが可能になる。つまり、このような情報の出力に応じて顧客が依頼されたメンテナンス作業が行われることになる。このため、例えば店舗に店員やメンテナンス作業員などが不在である又は配置されていない場合でも、メンテナンス作業を適切なタイミングで効率よく行うことが可能になる。
(2)本実施形態の一態様は、(1)記載の商品販売処理装置であって、上記情報取得部は、顧客の識別情報を更に取得し、上記出力部は、顧客の識別情報が取得された場合に、上記判断の結果に基づいて、上記作業を当該顧客に依頼するための情報を出力する。
上記構成によれば、顧客の識別情報に基づいて、個人情報が特定されていたり、過去に購入履歴があったりするなど一定の信用度が蓄積されているような顧客に対してのみメンテナンス作業を依頼することができる。
(3)本実施形態の一態様は、(1)又は(2)記載の商品販売処理装置であって、上記出力部は、上記作業を第1の顧客に依頼するための情報の出力後に、上記作業の完了確認を第2の顧客に依頼するための情報を更に出力する。
上記構成によれば、メンテナンス作業が問題なく行われたかどうかを客観的に評価することができる。
(4)本実施形態の一態様は、(1)乃至(3)のうちいずれかに記載の商品販売処理装置であって、上記作業の完了に応じて、上記作業を依頼した顧客に付与すべき特典を設定する設定部を更に備える。
上記構成によれば、メンテナンス作業を行った顧客のための対価として所定の特典を付与することにより、顧客が積極的にメンテナンス作業を行える作業環境を実現することができる。
(5)本実施形態の一態様は、(1)乃至(4)のうちいずれかに記載の商品販売処理装置であって、上記販売処理に関する上記情報は、上記購入対象商品の精算処理に関するレシートの印刷に用いられるレシート用紙の残量を示す情報を含み、上記作業を顧客に依頼するための情報は、上記レシート用紙の交換作業を顧客に依頼するための情報を含む。
上記構成によれば、店員又はメンテナンス担当者が店舗に不在である又は配置されていない場合であっても、レシート用紙の交換が必要なタイミングで、レシート用紙の交換作業を顧客に依頼することができ、商品販売処理の実行が可能な状態を維持することができる。
(6)本実施形態の一態様は、(1)乃至(5)のうちいずれかに記載の商品販売処理装置であって、上記出力部は、上記商品販売処理の実行時刻が所定の時間帯である場合に、上記作業を顧客に依頼するための情報を出力する。
上記構成によれば、所定の時間帯である場合に限って、メンテナンス作業を顧客に依頼するための情報を出力することにより、顧客への不要な作業依頼を防止することができる。
(7)本実施形態の一態様は、(1)乃至(6)のうちいずれかに記載の商品販売処理装置であって、上記出力部は、商品登録処理および精算処理に関する操作を全て顧客が行う動作モードである場合に、上記作業を顧客に依頼するための情報を出力する。
上記構成によれば、動作モードに応じて、顧客にメンテナンス作業を依頼することが必要な状況に限って、作業依頼情報を出力することができる。
(8)本実施形態の一態様は、(1)乃至(7)のうちいずれかに記載の商品販売処理装置であって、上記情報取得部は、顧客の操作履歴に関する情報を更に取得し、上記出力部は、顧客の操作履歴に関する情報に基づいて、上記作業を当該顧客に依頼するための情報を出力する。
上記構成によれば、顧客の操作履歴に関する情報に基づいて作業依頼情報の出力対象とすべき顧客を決定することにより、例えば商品販売処理を実行するために行われる操作に熟練しているような顧客に限って、メンテナンス作業を依頼することができる。
(9)本実施形態の一態様は、顧客の操作に応じて実行される購入対象商品の商品販売処理に関する情報を取得することと、上記商品販売処理に関する上記情報に基づいて、上記商品販売処理の実行が可能な状態を維持するための作業があるかを判断することと、上記判断の結果に基づいて、上記作業を顧客に依頼するための情報を出力することと、を備える、商品販売処理方法である。
上記構成によれば、(1)と同様に、商品販売処理の実行が可能な状態を維持するための作業を適切に行うことが可能になる。
(10)本実施形態の一態様は、顧客の操作に応じて実行される購入対象商品の商品販売処理に関する情報を取得することと、上記商品販売処理に関する上記情報に基づいて、上記商品販売処理の実行が可能な状態を維持するための作業があるかを判断することと、上記判断の結果に基づいて、上記作業を顧客に依頼するための情報を出力することと、をコンピュータに実行させるための商品販売処理プログラムである。
上記構成によれば、(1)と同様に、商品販売処理の実行が可能な状態を維持するための作業を適切に行うことが可能になる。
【符号の説明】
【0180】
1a、1b、1c POSシステム
10a、10b、10c POS端末装置
143、433、511 情報取得部
144、434、512 判断部
145、435、513 出力部
146、436 設定部
400 POSアプリケーションサーバ装置
500 商品販売処理装置