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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20240902BHJP
【FI】
A63F5/04 651
A63F5/04 652
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021208363
(22)【出願日】2021-12-22
(65)【公開番号】P2023092999
(43)【公開日】2023-07-04
【審査請求日】2024-07-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三木 智史
【審査官】佐藤 洋允
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-097250(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1抽選結果及び第2抽選結果を含む複数の抽選結果のうち、何れかの抽選結果を導出可能な抽選手段と、
遊技価値を付与可能な本遊技において、前記抽選手段により導出された抽選結果に基づく態様で、変動表示している識別情報を停止表示させることが可能な変動表示手段と、
所定の遊技において、前記第2抽選結果が導出された場合、前記遊技価値を付与不能な疑似遊技を実行した後に、前記本遊技を実行可能な制御手段と、
前記所定の遊技の前記疑似遊技中、且つ、前記変動表示手段で識別情報が停止表示されていない状態において、前記第1抽選結果に対応する第1演出を実行可能な演出実行手段と、
を備え、
前記制御手段は、
特定の遊技において、前記第1抽選結果が導出された場合、前記本遊技を実行可能であり、
前記演出実行手段は、
前記所定の遊技の前記本遊技中、且つ、前記変動表示手段で識別情報が停止表示されていない状態において、前記第2抽選結果に対応する第2演出を実行可能であり、
前記特定の遊技の前記本遊技中、且つ、前記変動表示手段で識別情報が停止表示されていない状態において、前記第1抽選結果に対応する第1演出を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機として、複数のリールを備え、遊技者の開始操作に基づき該複数のリールを変動表示させてゲームを実行し、遊技者の停止操作に基づき複数のリールを停止させて、該複数のリールの停止表示態様に応じて、特定遊技状態を発生するようにしたスロットマシンが知られている。また、近年のスロットマシンにおいては、リールの他に表示装置を備えて、表示装置においてゲームに関連した演出を行うようにしたものが増えている。
このような遊技機においては、ゲームの進行を一時的に停止するとともに、ゲームの進行の停止に伴い、表示装置において種々の演出を表示するようにした遊技機も知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-031777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の遊技機は、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の遊技機は、第1抽選結果及び第2抽選結果を含む複数の抽選結果のうち、何れかの抽選結果を導出可能な抽選手段と、遊技価値を付与可能な本遊技において、前記抽選手段により導出された抽選結果に基づく態様で、変動表示している識別情報を停止表示させることが可能な変動表示手段と、所定の遊技において、前記第2抽選結果が導出された場合、前記遊技価値を付与不能な疑似遊技を実行した後に、前記本遊技を実行可能な制御手段と、前記所定の遊技の前記疑似遊技中、且つ、前記変動表示手段で識別情報が停止表示されていない状態において、前記第1抽選結果に対応する第1演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、前記制御手段は、特定の遊技において、前記第1抽選結果が導出された場合、前記本遊技を実行可能であり、前記演出実行手段は、前記所定の遊技の前記本遊技中、且つ、前記変動表示手段で識別情報が停止表示されていない状態において、前記第2抽選結果に対応する第2演出を実行可能であり、前記特定の遊技の前記本遊技中、且つ、前記変動表示手段で識別情報が停止表示されていない状態において、前記第1抽選結果に対応する第1演出を実行可能である構成とした。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態の遊技機における遊技機の外観を示す概略正面図である。
図2】第1実施形態の遊技機における遊技機の制御構成を示すブロック図である。
図3】第1実施形態の遊技機における遊技状態の移行を説明するための図である。
図4】第1実施形態の遊技機における主制御装置での天井ゲーム数を決定する際に用いられる抽選テーブルを示す図表である。
図5】第1実施形態の遊技機におけるAT状態中の遊技状態の移行を説明するための図である。
図6】第1実施形態の遊技機におけるAT状態中の上乗せ抽選を説明するための図表である。
図7】第1実施形態の変形例1におけるAT状態中の上乗せ抽選を説明するための図表である。
図8】第1実施形態の変形例1におけるAT状態中の上乗せ抽選が行われた場合のメイン表示器での演出画像を示す図である。
図9】第1実施形態の変形例1におけるAT状態中の上乗せ抽選が行われた場合のメイン表示器での演出画像を示す図である。
図10】第1実施形態の変形例2におけるAT状態中に押し順ベル役に当選した際の押し順ナビの実行確率を説明するための図表である。
図11】第1実施形態の変形例3におけるAT状態中の遊技状態の移行を説明するための図である。
図12】第1実施形態の変形例4におけるAT状態中の遊技状態の移行を説明するための図である。
図13】第2実施形態の遊技機におけるCZ状態中の遊技状態の移行を説明するための図である。
図14】第2実施形態の遊技機おける主制御装置でのCZ状態移行抽選処理を説明するためのフローチャートである。
図15】第2実施形態の遊技機におけるCZ状態の移行に対する確率状態の遷移を説明するためのタイミングチャートである。
図16】第2実施形態の遊技機におけるCZ高確状態への昇格確率およびCZ低確状態への降格確率を説明するための図表である。
図17】第2実施形態の遊技機におけるCZ状態の当選確率および第2CZ状態の当選確率を説明するための図表である。
図18】第2実施形態の遊技機における第2CZ高確状態の継続ゲーム数の対するゲーム数の上乗せ確率を説明するための図表である。
図19】第2実施形態の遊技機における第2CZ高確状態の継続ゲーム数に対する上乗せ抽選が行われた場合のメイン表示器での演出画像を示す図である。
図20】第2実施形態の遊技機における第2CZ高確状態中のメイン表示器での演出画像を示す図である。
図21】第2実施形態の遊技機におけるCZ重複高確状態中のメイン表示器での演出画像を示す図である。
図22】第2実施形態の遊技機におけるCZ状態の確率状態の報知制御を説明するための図表である。
図23】第3実施形態の遊技機におけるフリーズ遊技が実行された場合の停止ボタンの入力状態、リールの回転状態およびメイン表示器の演出内容を説明するためのタイミングチャートである。
図24】第3実施形態の遊技機におけるフリーズ遊技でのフリーズ時間の選択確率を説明するための図表である。
図25】第3実施形態の遊技機におけるフリーズ遊技中の報知態様の選択確率を説明するための図表である。
図26】第3実施形態の遊技機におけるフリーズ遊技から本遊技に移行する場合のメイン表示器での演出画像を示す図である。
図27】第3実施形態の変形例1におけるフリーズ遊技から本遊技に移行する場合のメイン表示器での演出画像を示す図である。
図28】第3実施形態の変形例2におけるフリーズ遊技中にボタン演出が実行された場合のメイン表示器での演出画像を示す図である。
図29】第3実施形態の変形例3におけるフリーズ遊技中に疑似遊技が1回実行された場合のリールの回転状態およびメイン表示器の演出内容を説明するためのタイミングチャートである。
図30】第3実施形態の変形例3におけるフリーズ遊技中に疑似遊技が2回実行された場合のリールの回転状態およびメイン表示器の演出内容を説明するためのタイミングチャートである。
図31】第3実施形態の変形例3におけるフリーズ遊技中に疑似遊技が2回実行された場合の疑似遊技のパターンの選択確率を説明するための図表である。
図32】第4実施形態の遊技機におけるCZ状態が発生した場合の遊技状態の遷移を説明するためのタイミングチャートである。
図33】第4実施形態の遊技機におけるCZ状態の移行抽選確率を説明するための図表である。
図34】第4実施形態の遊技機におけるCZ状態中の特殊リプレイ役の当選により疑似ボーナス状態に移行した場合の遊技状態の遷移を説明するためのタイミングチャートである。
図35】第4実施形態の遊技機におけるCZ状態中に特殊リプレイ役が当選した場合のメイン表示器での演出画像を示す図である。
図36】第4実施形態の遊技機におけるCZ状態中に通常のリプレイ役が当選した場合のメイン表示器での演出画像を示す図である。
図37】第4実施形態の遊技機におけるCZ状態中のレア役の当選により疑似ボーナス状態に移行した場合の遊技状態の遷移を説明するためのタイミングチャートである。
図38】第4実施形態の遊技機におけるCZ状態中にレア役が当選した場合のメイン表示器での演出画像を示す図である。
図39】第4実施形態の遊技機におけるCZ状態中の本前兆期間中での疑似ボーナス状態の選択抽選確率を説明するための図表である。
図40】第4実施形態の遊技機における特別図柄組合せを指示する指示演出の制御内容を説明するための図表である。
図41】第4実施形態の遊技機における前兆期間中でのフェイク指示演出の制御内容を説明するための図表である。
図42】第5実施形態の遊技機における遊技状態の移行を説明するための図である。
図43】第5実施形態の遊技機におけるボーナス状態当選時のAT状態の移行抽選結果を説明するための図表である。
図44】第5実施形態の遊技機におけるボーナス状態中のゲーム毎のAT状態の移行抽選結果および上乗せ抽選結果を説明するための図表である。
図45】第5実施形態の遊技機におけるボーナス状態中にAT状態の移行抽選に当選した場合の遊技状態の遷移およびメイン表示器の演出内容を説明するためのタイミングチャートである。
図46】第5実施形態の遊技機におけるボーナス状態が終了あるいは継続する場合のメイン表示器の演出画像を示す図である。
図47】第5実施形態の遊技機におけるAT状態が終了あるいは継続する場合のメイン表示器の演出画像を示す図である。
図48】第5実施形態の遊技機におけるボーナス状態に対応する演出が実行されているAT状態中にボーナス役に当選した場合の遊技状態の遷移およびメイン表示器の演出内容を説明するためのタイミングチャートである。
図49】第5実施形態の遊技機におけるAT状態に対応する演出が実行されているAT状態中にボーナス役に当選した場合のメイン表示器の演出画像を示す図である。
図50】第5実施形態の遊技機におけるAT状態に対応する演出が実行されているAT状態中にボーナス役に当選した場合のメイン表示器の演出画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
ここでは、本発明の実施形態にかかる遊技機の適例としてのスロットマシンについて説明を行う。
【0008】
<第1実施形態>
本発明に係る遊技機の第1実施形態について、図1図12を参照して説明する。
【0009】
まず、スロットマシン1の全体構成について、図1図2を参照して説明する。
スロットマシン1は、遊技場等に設置されるものである。
図1図2に示すように、スロットマシン1は、前扉1a、ベットボタン2a、返却ボタン2c、演出ボタン2d、上部演出ボタン2f、メダル投入口2、スタートレバー3、リール4、停止ボタン5、表示窓6、メダル払出装置7、メダル払出口7b、メイン表示器8、サブ表示器17、スピーカ9、前面パネル19、ランプ11、ナビランプ12、有利区間ランプ13、確率設定装置14、表示器装飾枠15、ドラムユニット4d、外部出力端子18、主制御装置10、副制御装置20を備える。
【0010】
なお、主制御装置10、副制御装置20は、各々に記憶部、制御部が備えられ、各種演算処理、各種制御が可能な装置であり、コンピュータの概念に含まれる。各記憶部は、スロットマシン1の動作に必要なプログラム、情報等を記憶する半導体メモリ素子等の記憶装置を備える。各制御部は、CPU等を備える。各制御部は、各記憶部に記憶された各種プログラム等を適宜読み出して実行することにより、本第1実施形態の各種機能を実現している。
【0011】
[遊技機の外観を示す概略正面図]
図1に示すように、スロットマシン1の前面には前扉1aが配設される。
前扉1aは、前扉1aの後方側に配設され島設備(図示省略)に取り付けられる本体(図示省略)の一側(前方視左側)に開閉可能に軸着され、片開形式で前方側に開閉可能に構成される。なお、以降、スロットマシン1を手前側から見た状態で左右方向を示す。
【0012】
スロットマシン1を手前側から見た状態で、前扉1aの上部における左右方向の中央の位置にはメイン表示器8が配置される。メイン表示器8は、後述するように演出(演出画像)に係る情報等、複数の情報を表示可能な液晶表示器等から構成され、表示手段を構成する。
前扉1aの上部であってメイン表示器8の前方には、中央に開口部を有する表示器装飾枠15が配設され、メイン表示器8は、表示器装飾枠15の開口部から表示面が前方に臨んだ状態で配設される。
【0013】
メイン表示器8の左右の各々には、スピーカ9が配設され、例えば、メイン表示器8で表示される演出に対応する効果音を出力可能となっている。
また、メイン表示器8の左右の各々には、LED等からなるランプ11が配設され、例えば、役の入賞時の光や、メイン表示器8で表示される演出に対応する発光態様の光を出力可能となっている。
【0014】
メイン表示器8の右側には、操作手段(演出操作手段)として例示する上部演出ボタン2fが配設される。
上部演出ボタン2fは、前後方向に移動する押圧式のボタンであり、上部演出ボタン2fの押圧操作は、非接触型のセンサ等によって検出されて、上部演出ボタン2fの操作情報として副制御装置20に出力される。また、上部演出ボタン2fの内部には、LED等からなる発光源(図示省略)が備えられ、発光源の発光により上部演出ボタン2fの操作が有効である旨を報知可能にしている。
【0015】
スロットマシン1における前扉1aの上下方向中央には、表面に装飾や各種機能表示が施された平板状の前面パネル19が配設される。
前面パネル19の後方には、変動表示手段としてのリール4を備えたドラムユニット4dが配設される。
また、前面パネル19の略中央には、リール4に付された図柄を前方から視認可能な透光性を有する部材からなる表示窓6が形成される。
【0016】
リール4は、左右方向に並んで配設される左リール4a、中リール4b、右リール4cから構成され、各リール4a~4cの回転軸は左右方向に延在して、回転中心が同一に設定されている。リール4(4a~4c)は、周面に連続する図柄(識別情報)を有し、これらの図柄が表示窓6を透して機外から識別可能に構成され、リール4が一方向に回転することにより、表示窓6内において、例えば、図柄が上から下に変動表示可能となっている。各リール4a~4cには、複数の図柄(例えば20個)が表されていて、図柄の種類は、例えば、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「7」等である。
なお、リール4の形態は、これに限定されず、例えば、周面の図柄の個数は20個以外でもよい。
【0017】
前面パネル19における表示窓6の上部には、後述する停止ボタン5の停止順序を報知可能なナビランプ12a、12b、12cが各リール4a、4b、4cに対応して配設される。
また、前面パネル19における表示窓6の下部左側には、例えば、LEDから構成される有利区間ランプ13が配設される。有利区間ランプ13は、有利区間(後述する)中に点灯するように制御される。なお、スロットマシン1は、有利区間ランプ13に代えて、例えば、メダルの払出数を表示する払出数表示部等を構成する7セグメントディスプレイ(「7セグ」ともいう)の「ドット」部分等を、点灯するように制御してもよい。
【0018】
前面パネル19における表示窓6(リール4)の右側には、サブ表示器17が配置される。
サブ表示器17は、後述するように演出(演出画像)に係る情報等、複数の情報を表示可能な液晶表示器等から構成され、表示手段を構成する。
また、サブ表示器17は、メイン表示器8よりも表示面積が小さくなっているが、メイン表示器8よりもリール4に近い位置に配設されていて、リール4の回転や停止状態を見ながら、表示されている画像を視認することが容易となっている。
また、サブ表示器17は、タッチパネル式の表示器で構成され、遊技者による画面へのタッチ操作により、演出内容に関する種々の操作を可能としていて、例えば、演出モードを切り替えるための切替操作や、遊技内容の説明画像への切替操作等を可能としている。
【0019】
前面パネル19の下方には、前方に突出する段部が形成され、段部の上面にメダル投入口2、操作手段として例示するベットボタン2a、操作手段(演出操作手段)として例示する演出ボタン2dが配設されている。
メダル投入口2は、遊技者がメダル(遊技媒体)を投入する部分である。メダル投入口2の内部には、メダル投入口2に投入されたメダルを検出するセンサ等であるメダルセレクタ2b(メダル検出手段)が備えられている。
ベットボタン2aは、ゲームの開始条件となるベット数の入力を遊技者が行うための押圧式のボタンであり、1操作によりスロットマシン1で許容された最大ベット数を入力可能となっている。
【0020】
演出ボタン2dは、上下方向に移動する押圧式のボタンであり、演出ボタン2dの押圧操作は、非接触型のセンサ等によって検出されて、演出ボタン2dの操作情報として副制御装置20に出力される。また、演出ボタン2dの内部には、LED等からなる発光源(図示省略)が備えられ、発光源の発光により対応する演出ボタン2dの操作が有効である旨を報知可能にしている。演出ボタン2dは、前述した上部演出ボタン2fよりもリール4に対して近い位置に配設されている。
【0021】
段部の前面には、スタートレバー3、返却ボタン2cおよび操作手段(停止操作手段)として例示する停止ボタン5が配設される。
スタートレバー3は、ゲームを開始させるために遊技者が操作するレバーであり、ベット数の入力後、スタートレバー3が有効となりゲームが開始可能となる。
返却ボタン2cは、前後方向に移動する押圧式のボタンで構成され、設定されたベット数のキャンセルや、クレジットメダルとして記憶されたメダルの払い出しを行う際に操作されるボタンである。
停止ボタン5は、回転するリール4を停止するためのボタンであり、前後方向に移動する押圧式のボタンで構成され、左リール4a、中リール4b、右リール4cに対応して左停止ボタン5a、中停止ボタン5b、右停止ボタン5cが横方向に所定間隔で配設される。
また、各停止ボタン5の内部には、LED等からなる発光源(図示省略)が備えられ、発光色の変更(赤→青)により各停止ボタン5の操作が有効である旨を報知可能にしている。
【0022】
スロットマシン1における前扉1aの下方には、メダル払出装置7から払い出されたメダルが排出されるメダル払出口7bが配設される。
【0023】
[遊技機の制御構成を示すブロック図]
図2は、本第1実施形態におけるスロットマシン1における制御系のブロック図を示している。
図2に示すように、スロットマシン1には、役の抽選や遊技の進行制御等を行う主制御装置10と、主制御装置10と通信可能に構成され主制御装置10からの制御情報に基づき各種演出制御等を行う副制御装置20と、を備えている。主制御装置10と副制御装置20との制御情報の伝達は、主制御装置10から副制御装置20に対して一方向のみに制限され、副制御装置20から主制御装置10への不正な信号の入力を防止している。
【0024】
主制御装置10は、ベットボタン2a、メダルセレクタ2b、返却ボタン2c、スタートレバー3、停止ボタン5、確率設定装置14(設定手段)、外部出力端子18、メダル払出装置7、ドラムユニット4dおよび有利区間ランプ13と通信ケーブルで接続されており各機器を制御可能となっている。また、主制御装置10には、記憶部(記憶手段)、制御部が備えられている。
【0025】
設定手段としての確率設定装置14は、特別遊技状態(例えば、疑似ボーナス状態)の当選確率を複数段階(例えば、6段階)に変更することで、遊技者にとっての有利度合いを複数段階で設定変更可能にするもので、主制御装置10は、確率設定装置14における確率設定操作に基づき、特別遊技状態の当選確率を確率の異なる複数の確率値のうちの何れか1つの確率値に設定する処理を行う。
確率設定装置14で設定される設定値は、設定1が最も低い確率値で、大きい数字ほど確率値が高くなり設定6が最も高い確率値となっている。したがって、設定1が最も遊技者に不利な設定(有利度合いが最も低い設定)であり、大きい数字ほど遊技者に有利になり設定6が最も遊技者に有利な設定(有利度合いが最も高い設定)となっている。
【0026】
なお、特別遊技状態の当選確率を確率設定装置14の設定値に影響を受けずに、固定の確率値で制御するようにしてもよい。
また、確率設定装置14における設定値により、CZ状態やAT状態の移行確率を変化させるようにすることで、遊技者の有利度合いを複数段階で変化可能としてもよい。
また、特別遊技状態の他に、所定の小役(例えば、ベル役)の当選確率を複数段階(例えば、6段階)に変更可能にしてもよい。
【0027】
外部出力端子18は、遊技店に設置された管理装置(図示略)や呼出装置(図示略)に対して、スロットマシン1における遊技に関わる情報を出力するもので、スロットマシン1での実行ゲーム数、メダル投入数、メダル払出数、遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、後述する疑似ボーナス状態、AT状態)の発生回数や移行期間等の各種データを収集するための情報を主制御装置10の制御により出力するものである。
【0028】
ドラムユニット4dは、リール4a~4cと、リール4a~4cの各々を回転させるステッピングモータ(図示省略)とを一体的に備えた装置である。
メダル払出装置7は、メダルセレクタ2bに投入されたメダルを払い出し前のメダルとして回収するメダル貯留部(図示省略)を有し、メダル貯留部に貯留されたメダルをメダル払出口7bに払い出す装置である。メダル払出装置7には払い出されたメダルを検出するセンサが備えられる。
メダルセレクタ2bは、メダル投入口2の下流側に備えられ、メダル投入口2から投入されたメダルを検出するセンサが備えられる。
【0029】
主制御装置10の記憶部は、遊技に関する遊技プログラム、小役やAT状態の抽選を行うためのテーブル等の各種情報等を記憶する。
また、主制御装置10は、制御部およびプログラムが記憶された記憶部によって動作し、これにより、スロットマシン1の遊技の進行に関する処理等を行う。
【0030】
主制御装置10は、スタートレバー3からの信号に基づき、ゲームの開始処理や、乱数発生器(図示省略)からの乱数をサンプリングする処理等を行う。そして、サンプリングされた乱数に基づき役の抽選処理を行う。また、記憶部の制御プログラムに従って、例えば、所定タイミングで乱数を更新することで、乱数の生成処理を行い、生成された乱数に基づき疑似ボーナス状態の移行抽選処理、AT状態中の移行抽選処理、AT状態中の上乗せ抽選処理等を行う。
【0031】
すなわち、主制御装置10は、ゲームの実行に対応して、小役、疑似ボーナス状態、AT状態等の特典を付与するか否かを抽選(決定)する抽選手段を備えているのである。
また、乱数を使用した抽選パターンは、前述したパターン以外でもよく、ソフト的に生成された乱数に基づき役の抽選を行い、乱数発生器で生成された乱数に基づき疑似ボーナス状態やAT状態の移行抽選、上乗せ抽選等を行うようにしてもよいし、全ての抽選をソフト的に生成された乱数、或いは乱数発生器で生成された乱数で行うようにしてもよい。
【0032】
また、主制御装置10は、スタートレバー3からの信号に基づきリール4の回転制御を行う。主制御装置10は、各リール4a、4b、4cに備えられているセンサ(図示省略)からの信号に基づき、各リール4a、4b、4cの回転位置を検出して、各リール4a、4b、4c上の図柄の回転位置を把握可能となっている。そして、停止ボタン5からの信号に基づき、所望の図柄を表示窓6内に停止させる制御を行う。
【0033】
また、主制御装置10は、スタートレバー3等の操作部の操作に応じて、内部抽選処理等をともなうゲーム進行処理、記憶部に記憶した各種情報の管理、また、メダル払出装置7等の装置を制御することにより、スロットマシン1の遊技を実現する。
【0034】
副制御装置20は、演出ボタン2d、上部演出ボタン2f、スピーカ9、メイン表示器8、ランプ11、ナビランプ12、サブ表示器17と、通信ケーブルで接続されており通信可能である。副制御装置20は、主制御装置10からの制御情報に応じて、これらの装置を制御する。また、副制御装置20には、記憶部、制御部が備えられている。
【0035】
副制御装置20の記憶部は、演出に関するプログラム、演出画像データ、音声データ等の各種情報等を記憶する。
副制御装置20は、制御部およびプログラムが記憶された記憶部によって動作し、主制御装置10からのコマンド(制御情報)に応じて、スロットマシン1の遊技に同期した演出等の処理を行う。例えば、遊技状態の移行を示す演出画像、効果音の出力、ランプ演出等を、メイン表示器8、ランプ11、スピーカ9等を制御して行う。
【0036】
また、副制御装置20は、演出ボタン2d、上部演出ボタン2f、サブ表示器17のタッチパネルからの信号に基づき、各演出の切替タイミング等を制御可能となっている。
主制御装置10および副制御装置20のうちの何れか一方或いは両方で、本発明における、特別遊技状態制御手段、特別遊技状態切替制御手段、変更抽選制御手段、特典付与手段、報知制御手段、遊技制御手段、延長抽選制御手段、確率制御手段、重複報知制御手段、状態報知制御手段、抽選手段、ゲーム制御手段、フリーズ遊技制御手段、特定報知制御手段、特別遊技状態発生決定手段、第1ゲーム制御手段、第2ゲーム制御手段、特別遊技状態権利付与手段、ゲーム結果導出手段、特定遊技状態制御手段、演出制御手段、特典抽選手段、報知変更制御手段、特別演出制御手段、第2特別遊技状態制御手段、終了後指示演出制御手段、途中指示演出制御手段、特典付与演出制御手段が構成される。
【0037】
このようなスロットマシン1は、主制御装置10による制御により、以下のようなスロットマシン遊技を実行可能に構成されている。
【0038】
ゲームの開始にあたり、メダル投入口2からのメダルを投入、或いはベットボタン2aの操作によりクレジットメダルからベット数の設定を行う。
そして、ベット数が所定数(例えば、3枚)になったときに、ゲームの開始条件の一つが成立して、1回のゲームを実行可能な権利を保有するゲーム開始可能な状態となる。
【0039】
このゲーム開始可能な状態では、スタートレバー3の操作が有効な状態となる。この有効な状態において、スタートレバー3が傾動操作されると、ゲームの開始条件の全てが成立して、ゲームが開始され、複数の図柄の表されたリール4a~4cが変動を開始するとともに、リプレイ役、小役、ボーナス役などの複数の役(ハズレを含む)や、疑似ボーナス状態、AT状態の移行に対する今回ゲームの抽選結果をリール4の停止前に事前に決定する内部抽選処理が実行される。
内部抽選処理では、複数の当選役の中から今回ゲームの当選役を所定の当選確率に基づいて抽選により決定する。例えば、抽選によりリプレイ役やベル役等の抽選結果が導出される。
【0040】
また、主制御装置10は、スタートレバー3からの信号を受信しても、前回のゲームでのリール4の回転開始からの経過時間が所定時間(例えば、4.1秒)経過していない場合には、リール4の回転開始を一時的に待機(待機時間を挿入)させてリール4の回転開始を遅延させることで、単位時間(例えば、1分間)当たりのゲームの実行回数が所定数(例えば、14回)以内となるようにゲーム数を制限する制限制御を行う。すなわち、主制御装置10は、単位時間当たりのゲームの実行回数を所定数以内に制限可能なゲーム数制限手段を備えている。この制御により、1ゲームに要する最短実行時間が所定時間(例えば、4.1秒)に規定されることとなる。
なお、上記最短実行時間を監視する期間は、ゲーム間におけるリール4の回転開始時点を基準に設定する以外でもよく、例えば、停止ボタン5を有効とする時点を基準にしてもよく、単位時間当たりのゲーム回数を監視できれば何れの時点を基準にしてもよい。
【0041】
各リール4a~4cは、表示手段の一例であり、各リール4a~4cの周面には、複数の図柄(リプレイ、ベル、スイカ、チェリー、BAR、7)が所定の配列で表されており、停止状態から徐々に回転速度を上げた後、一定の速度で回転する定常回転に達する。
このような定常回転に達すると、各リール4a~4cに対応して設けられた停止ボタン5a~5cが押圧操作可能な状態となる。
【0042】
この状態で各停止ボタン5a~5cが押圧操作されると、その操作タイミングと内部抽選処理の抽選結果とにより許容される図柄の組合せで停止するように、各リール4a~4cが停止制御される。
各リール4a~4cの停止制御(引込停止制御)は、各々に引き込み範囲が設定されていて、停止操作が行われた時点の図柄から逆回転方向(上方向)にある所定数(例えば、4個)の図柄が引き込み可能となり、この引き込み範囲にある図柄の何れかに限り有効ライン上に停止可能となる。
【0043】
停止状態では、リール4a~4cそれぞれに表された上下方向に連続する3つの図柄が表示窓6から機外に臨むように停止(停止表示)し、このときの停止表示態様に基づいて入賞の有無が判定される。
入賞の判定は、表示窓6内の各リール4の中段図柄を結ぶ中段の入賞ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて判定される。したがって、例えば、斜めのライン上に所定の図柄が揃った場合でも、実際にはそのときに中段に停止している、揃っていない図柄の組合せで入賞が判定されることとなる。
【0044】
小役、リプレイ役等の当選役の入賞は、このような入賞ライン上の図柄の組合せに基づいて判定される。
小役には、例えば、ベル役、スイカ役、チェリー役がある。
【0045】
ベル役には、対応する図柄の組合せがそれぞれ異なる二つのベル役が設けられている。例えば、対応する図柄の組合せを、入賞ライン上の「左リール4a・中リール4b・右リール4c」の順(以下同様)に、それぞれ「ベル・リプレイ・ベル」とする共通ベル役と、「ベル・ベル・ベル」とする押し順ベル役を設けることができる。
【0046】
共通ベル役は、停止ボタン5a~5cに対する操作順序(押し順という)に関係なく対応する図柄の組合せ(「ベル・リプレイ・ベル」)が停止する小役で、押し順ベル役は、特定の押し順に従うことにより対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止する小役である。
【0047】
さらに、押し順ベル役には、6通りある押し順(例えば、「5a→5b→5c」,「5c→5b→5a」など)のうちの1通りの押し順(特定の押し順)によって、停止ボタン5a~5cが操作されることで、対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止表示される6つの押し順ベル役1~6が設けられている。このような押し順ベル役1~6は、他の5通りの押し順(特定の押し順以外の押し順)によって停止ボタン5a~5cが操作されると、対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止表示されず、「ベル・ベル・リプレイ」などの他の図柄の組合せ(「ベルこぼし目」という)が停止表示されることになる。
【0048】
なお、押し順ベル役に当選したときに、2、3番目に操作する停止ボタン5を問わず、最初に操作する停止ボタン5のみが特定の押し順に従っていれば、押し順ベル役に対応する図柄の組合せが停止するようにリール4の停止制御を行うようにしてもよい。また、押し順ベルは、6通りに限らず、3通りの押し順ベル1~3を設けてもよい。
【0049】
スイカ役は、対応する図柄の組合せを「スイカ・スイカ・スイカ」とする小役(レア役)であり、「スイカ・スイカ・スイカ」が上段ライン若しくは下段ラインに停止する弱スイカ役と、「スイカ・スイカ・スイカ」が右上がりライン若しくは右下がりラインに停止する強スイカ役とがある。
チェリー役は、対応する図柄の組合せを「チェリー・ANY・ANY」とする小役(レア役)であり、「チェリー」が左リール4aの上段又は下段に停止する弱チェリー役と、「チェリー」が左リール4aの中段に停止する強チェリー役とがある。
【0050】
リプレイ役には、対応する図柄の組合せがそれぞれ異なる2つのリプレイ役が設けられ、対応する図柄の組合せを、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」とする通常リプレイ役(以下、リプレイ役と称する)と、「リプレイ・ベル・ベル」とするチャンスリプレイ役(チャンス役)とが設けられている。
「リプレイ・ベル・ベル」(チャンス目)は、チャンスリプレイ役の当選時に停止表示する図柄の組合せであり、スイカ役及びチェリー役とともに、内部抽選処理において当選確率が比較的低い、所謂レア役として設定されていて、そのうちの弱スイカ役と弱チェリー役は、弱レア役として設定され、弱スイカ役と弱チェリー役以外は、強レア役として設定されている。
【0051】
また、主制御装置10及び副制御装置20は、押し順ベル役に関する遊技状態として、AT(アシストタイム)を発生可能となっている。ATは、押し順ベル役が当選した場合に、当選した押し順ベル役の押し順を、メイン表示器8及びナビランプ12により報知(押し順ナビを実行)する状態である。
すなわち、副制御装置20は、ゲームの結果として特定結果(「ベル・ベル・ベル」)を導出するための操作情報(特定操作情報)を報知する制御を実行可能な報知制御手段を構成するのである。
したがって、ATの発生により遊技者が容易にメダルを獲得することが可能であり、後述する疑似ボーナス状態とAT状態中に制御される。
なお、ナビランプ12を、副制御装置20を介さずに主制御装置10により直接駆動制御可能な構成としてもよい。
【0052】
以上説明したような図柄の組合せに基づいて、小役、リプレイ役、ボーナス役の当選がそれぞれ判定され(判定手段)、判定の結果、その図柄の組合せが上記それぞれに対応する図柄の組合せであるときに、入賞が成立して各入賞の成立に応じた遊技価値が付与される。
例えば、ベル役、チェリー役、スイカ役などの小役に対応する図柄の組合せの停止により、小役入賞の成立が判定され、メダル払出装置7が駆動制御されることにより、メダル払出口7bを介して所定数のメダルが払い出される。
【0053】
具体的には、ベル役(共通ベル役、押し順ベル役)において、対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、8枚のメダルが払い出される。
また、押し順ベル役の当選時に、特定の押し順以外の押し順(5通りの押し順)で停止ボタン5a~5cを操作したときには、メダルは払い出されない。
なお、押し順ベル役の当選時に、特定の押し順以外の押し順(5通りの押し順)で停止ボタン5a~5cを操作したときには、8枚よりも少ない枚数(例えば、1枚)のメダルを払い出してもよいし、特定の押し順以外の一部の押し順では、8枚よりも少ない枚数(例えば、1枚)のメダルを払い出して、それ以外の押し順では、メダルを払い出さないようにしてもよい。
また、ベル役については、後述するAT状態中において、遊技者が保有するメダルが増加するような当選確率に設定されている。
【0054】
また、弱スイカ役及び強スイカ役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、2枚のメダルが払い出される。
また、弱チェリー役及び強チェリー役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、1枚のメダルが払い出される。
なお、各役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合に払い出されるメダルの数は、上記した枚数以外でもよい。
【0055】
また、リプレイ役及びチャンスリプレイ役に対応する図柄の組合せの停止表示により、リプレイ役及びチャンスリプレイ役が判定され、次回ゲームにおいてメダルの投入を行うことなく(ベット数の設定なしで)、前ゲームで設定したベット数と同様のベット数でのゲームが可能となる。
【0056】
また、各小役およびリプレイ役の当選確率は、各設定値において、ベル役>リプレイ役>弱チェリー役>弱スイカ役>チャンスリプレイ役>強チェリー役>強スイカ役の関係性、つまり、ベル役が最も当選し易く、強スイカ役が最も当選し難く設定されているものとする。
なお、各役の当選確率の関係性は、上記したもの以外でもよい。
【0057】
[遊技機における遊技状態の移行]
次に、本第1実施形態におけるスロットマシン1での遊技状態の移行について図3を参照して説明する。
本第1実施形態におけるスロットマシン1においては、3枚のメダルを費やして(3ベットして)ゲームを実行する3ベットゲームを実行可能としているが、図3は、主制御装置10の制御により実現される、3ベットゲームの実行時の遊技状態の移行態様を示している。
なお、本第1実施形態においては、3ベットゲームの実行時にのみ、遊技状態の移行制御を行うようにしていて、それ以外のゲーム(例えば、2ベットゲーム)では遊技状態を移行させない制御を行っているが、ゲームの実行自体を3ベット時のみ許容し、それ以外のベット数ではゲームの実行を禁止するようにしてもよい。
以降は、3ベットゲームを「ゲーム」と称する。
【0058】
図3に示すように、本第1実施形態のスロットマシン1の遊技は、通常遊技状態、CZ状態、疑似ボーナス状態、AT状態の複数の遊技状態において実行される。主制御装置10は、所定の移行条件が成立することに基づいて、一の遊技状態から他の遊技状態へと移行するように制御可能となっている。
【0059】
また、本第1実施形態の主制御装置10は、上記遊技状態とは別に、遊技区間として通常区間および有利区間のいずれかに制御することが可能な区間制御手段を備えている。
通常区間は、押し順ナビが実行されることのない遊技区間であり、有利区間が終了された後、次ゲームが開始されることで開始され、有利区間移行条件が成立することで終了される。
通常区間では、有利区間ランプ13は消灯状態に制御される。
【0060】
また、通常区間では、有利区間移行条件が成立すること、例えば、内部抽選において所定の役(例えば、ベル役)に当選することで、有利区間に移行させることが決定される。
なお、通常区間における所定のレア役の当選に基づき、AT状態の移行条件を成立させてもよく、この場合には有利区間移行条件の成立後にAT状態に移行させることが好ましい。したがって、有利区間移行条件の成立後に押し順ナビが実行されることとなるので、通常区間においては押し順ナビは行われないこととなる。
また、主制御装置10のリセット時には通常区間に制御される。
【0061】
有利区間は、押し順ナビが実行されることのある遊技区間であり、押し順ナビが実行され得ることで通常区間に比較して遊技者にとって有利な遊技区間である。
また、有利区間は、通常区間において有利区間移行条件が成立した後、次ゲームが開始されることで開始され、所定の有利区間終了条件が成立することで終了される。
有利区間では、有利区間ランプ13は点灯状態に制御される。
なお、有利区間への移行後、押し順ナビの実行により遊技者が保有するメダル数が増加する遊技状態(例えば、疑似ボーナス状態)となった時点で、有利区間ランプ13の点灯状態を開始してもよい。
【0062】
また、有利区間は、前述した複数の遊技状態のうち所定の遊技状態の終了に基づき当該有利区間の終了条件が成立して、通常区間に移行するものとなっている。
有利区間の終了条件としては、AT状態へ移行しない疑似ボーナス状態の終了時やAT状態の終了等が例示される。
なお、AT状態へ移行しない疑似ボーナス状態の終了時の一部で有利区間の終了条件を成立させないようにしてもよい。
【0063】
さらに、有利区間の終了条件には、上記以外に1回の有利区間におけるゲーム数(有利区間ゲーム数)が上限ゲーム数(例えば、3000ゲーム)に到達した場合、1回の有利区間における遊技者の保有するメダルの増加数を示すメダルの純増枚数(差枚数)が上限枚数(例えば、2400枚)を超えた場合も設定されていて、有利区間の終了により遊技状態も通常遊技状態に移行するものとなっている。そして、上記3種類の終了条件のうち少なくとも一の条件が成立した場合に有利区間が終了するものとなっている。
【0064】
特に、上記した有利区間におけるゲーム数の上限ゲーム数(上限数)への到達、および有利区間におけるメダルの純増枚数の上限枚数への到達は、遊技者によるメダルの獲得量を制限するため制限機能(所謂リミッタ)として設けられていて、射幸性を抑制することが可能となっている。
なお、主制御装置10は、通常のゲームのみを対象として上限ゲーム数までのゲーム回数を計数していて、詳細は後述するが通常のゲームとは別に実行される疑似遊技に関しては上記ゲーム回数として計数しないようにしている。
【0065】
すなわち、主制御装置10は、上記有利区間において、通常のゲーム(有利区間ゲーム数)の実行回数を計数するとともに、疑似遊技の実行回数を計数しない計数手段を備えるのである。
また、区間制御手段としての主制御装置10は、有利区間において、上記計数手段による計数結果が上限ゲーム数(特定回数)を示す場合、遊技区間を通常区間に移行するのである。
【0066】
また、本第1実施形態においては、例えば、AT状態中に上記制限機能の作動を事前に判定し、この判定時からリミッタが作動するまでの期間をエンディング期間として設定し、遊技者に有利な状態が上限まで継続したことを事前に祝福するような演出(完走演出)を実行するようにしている。
また、本第1実施形態においては、詳細は後述するが、エンディング期間においては疑似遊技を実行不能とするようにしていて、遊技者に無駄な期待感を持たせないようにしている。
【0067】
また、本第1実施形態のスロットマシン1では、ゲームの実行に基づき、上記押し順ナビの実行不能区間である通常区間と、押し順ナビの実行可能区間である有利区間の移行制御を行うようにしている。そして、スロットマシン1の初期状態では通常区間に制御されるとともに、通常区間におけるゲームの実行時に、所定の移行条件が成立(例えば、ベル役に当選)した場合に、有利区間への移行が行われる。
【0068】
(通常遊技状態)
通常遊技状態は、スロットマシン1の主制御装置10がリセットされた場合に滞在する遊技状態であり、遊技者にとっては不利な状態である。
図3に示すように、主制御装置10は、通常遊技状態に滞在中には、CZ状態、疑似ボーナス状態、AT状態への移行抽選処理を行う。なお、スロットマシン1の仕様等に応じて、通常遊技状態からAT状態に直接移行しないようにしてもよい。
スロットマシン1の主制御装置10がリセットされた場合等の通常遊技状態においては、遊技区間が通常区間に制御されていて、通常遊技状態中における有利区間移行条件が成立した場合に遊技区間が通常区間から有利区間に移行する。
【0069】
また、通常遊技状態には通常確率状態と高確率状態とが設定されていて、各ゲームにおいて、疑似ボーナス状態への移行確率が、通常確率状態よりも高確率状態の方が高まるように制御されるものとなっている。
【0070】
確率状態の移行は、例えば、弱スイカ役や弱チェリー役当選時の30%の確率で、通常確率状態から高確率状態に移行するような制御が行われる。一方、所定の転落条件として、例えば、リプレイ役当選時、ベル役当選時、およびハズレ時の5%の確率で、高確率状態から通常確率状態へ移行する制御が行われる。
【0071】
疑似ボーナス状態の当選確率は、通常確率状態においては、例えば、チャンス役、あるいは強チェリー役当選時の20%の確率で設定され、高確率状態においては、チャンス役、あるいは強チェリー役当選時の50%の確率で設定されている。
確率状態が通常確率状態から高確率状態に変更すると、副制御装置20の制御により、メイン表示器8において高確率状態である旨の報知が行われ、例えば、通常遊技状態中には主人公キャラクタが草原を進んでいくようなステージが表示されている場合に、そのステージの背景を、昼間の背景から夕方の背景に変更させることで高確率状態である旨の報知を行うようにしている。
【0072】
ただし、高確率状態となった場合に確実にステージを変更させるのではなく、高確率状態中のゲームにおいて所定の確率(例えば、30%)でステージの変更抽選を行い、この変更抽選に当選した場合にのみステージを変更させるような制御が行われる。
また、通常確率状態中のゲームにおいても所定の確率(2%)でステージへの変更抽選が行われ、この変更抽選に当選した場合も高確率状態を示すステージに変更させるような制御が行われる。
【0073】
一方、夕方の背景からなるステージの滞在時にも昼間の背景への変更抽選が行われ、通常確率状態中のゲームでは相対的に高い確率(例えば、20%)で変更抽選に当選し、高確率状態中のゲームでは相対的に低い確率(例えば、5%)で変更抽選に当選するような制御が行われる。
したがって、夕方の背景からなるステージになっていても必ずしも高確率状態に滞在しているわけではなく、夕方の背景からなるステージは、あくまでも高確率状態を示唆するものとなっている。
【0074】
なお、確率設定装置14における設定値を変更した場合や、主制御装置10がリセットされた場合には、通常区間を経て有利区間に移行した後、通常確率状態での通常遊技状態により実質的な遊技が開始可能となるが、確率設定装置14での設定値毎に、所定の確率で通常遊技状態を高確率状態で開始するようにしてもよい。
また、高確率状態中には、疑似ボーナス状態の他に、CZ状態やAT状態の当選確率を高めるようにしてもよい。
【0075】
また、通常遊技状態中のゲームでは、所定条件の成立に基づき疑似遊技(疑似ゲーム)が実行され、所定の遊技状態(例えば、疑似ボーナス状態)への移行を報知するゲームが実行される。
なお、疑似遊技に基づいても上記特典(CZ状態、疑似ボーナス状態、AT状態)の移行抽選を行うようにしてもよい。
【0076】
通常遊技状態中には、メイン表示器8あるいはサブ表示器17において、1ゲームで完結する個別演出が所定の確率で実行される。
個別演出は、主に遊技者の期待感を高めるために実行される演出であり、主制御装置10での役の抽選結果に基づき実行される当選演出が含まれる。
また、その他、個別演出には、その時点の確率状態(通常確率状態あるいは高確率状態)に基づき実行されるものや、ゲームを説明するために実行されるもの等も含まれる。
当選演出は、主に役の抽選結果を報知するために実行される演出であり、所定のキャラクタの出現とともに当選した役(例えば、レア役)を報知可能なアイテムを表示したり、所定のキャラクタの出現とともに特典(疑似ボーナス状態等)の発生に対する期待度を示す、「チャンス」や「激アツ」の文字情報を表示したり等、当選した役の種類や、その当選した役(例えば、レア役)を契機とする特典の付与に関わる抽選結果に応じた画像が表示される演出である。
【0077】
・通常遊技状態から疑似ボーナス状態への移行処理(図3の矢印a1)
通常遊技状態(有利区間)中におけるゲームの実行によりゲーム数が計数され、当該ゲームの実行回数が予め定められた回数(特別回数:天井ゲーム数)となった場合に通常遊技状態から疑似ボーナス状態への移行が行われる。
天井ゲーム数は、遊技区間が通常区間から有利区間へ移行した際に決定され、詳細は後述するが有利区間への移行毎にその時点の天井ゲーム数が設定されるものとなっている。
【0078】
また、通常遊技状態中におけるゲームの実行により、所定の役の当選時に疑似ボーナス状態への移行抽選が行われ、所定の確率で移行抽選に当選した場合にも通常遊技状態から疑似ボーナス状態への移行が行われる。
【0079】
より具体的には、主制御装置10が特定の抽選結果として所定のレア役の当選に基づいて予め疑似ボーナス状態への移行抽選処理を行う。例えば、チャンス役、あるいは強チェリー役当選時の所定の確率(例えば、20%)で疑似ボーナス状態への移行処理を行う。
疑似ボーナス状態は、所定ゲーム数が実行されるまで継続するとともに、その間にAT状態の移行抽選を行う遊技状態である。疑似ボーナス状態の詳細については後述する。
【0080】
また、通常遊技状態において、所定のレア役の当選時に疑似ボーナス状態に当選する確率は、設定手段としての確率設定装置14における設定値に応じて変更可能となっていて、例えば、強チェリー役当選時には、設定1では10%、設定2では12%、設定3では14%、設定4では16%、設定5では18%、設定6では20%の各確率で疑似ボーナス状態に移行するようになっている。
【0081】
なお、疑似ボーナス状態への移行、すなわち、特典を付与するか否かの決定は、天井ゲーム数の消化や、抽選手段によるレア役の抽選以外で行うようにしてもよい。例えば、所定の役(例えば、ベル役)の当選(あるいは実際の成立回数)が所定回数となった時点で疑似ボーナス状態への移行を決定したり、その時点で疑似ボーナス状態の抽選を行ったりしてもよいし、役の抽選に応じて所定のポイントを加算させるようにするとともに、当選した役の種類や、役に当選した状態に応じて加算させるポイントを変更可能にして、このポイントが所定数となった時点で疑似ボーナス状態への移行を決定したり、その時点で疑似ボーナス状態の抽選を行ったりしてもよい。
【0082】
また、後述するAT状態中に、疑似ボーナス状態を発生させるようにしてもよい。
また、本第1実施形態では、疑似ボーナス状態の抽選契機役を、チャンス役と強チェリー役に設定しているが、その他の役の当選時に疑似ボーナス状態を抽選するようにしてもよい。
【0083】
ゲームの実行回数が天井ゲーム数に到達する直前の所定期間、および疑似ボーナス状態への移行抽選に当選した場合には、疑似ボーナス状態への移行前において、遊技者の疑似ボーナス状態への移行に対する期待感を高めるために、最終的に疑似ボーナス状態に移行することを報知する所定ゲーム数(例えば、18ゲーム)の本前兆演出(第1の特定演出)がメイン表示器8において実行される。
【0084】
すなわち、主制御装置10は、疑似ボーナス状態への移行を予め決定した場合でも、直ぐに疑似ボーナス状態への移行を行わず、その時点から所定数のゲームが実行された後に疑似ボーナス状態を発生するようにしていて、副制御装置20は、主制御装置10が、疑似ボーナス状態の発生を事前に決定したことに基づき、疑似ボーナス状態に移行する前の所定数のゲーム実行期間において、前兆演出としての本前兆演出を実行させる制御を行うのである。
したがって、副制御装置20は、特典の付与として疑似ボーナス状態の移行が予め決定されている場合に、特典の付与前の所定期間において、複数のゲームに亘って本前兆演出を実行可能としているのである。
【0085】
また、天井ゲーム数に到達する前、および疑似ボーナス状態が上記移行抽選により決定された場合において、本前兆演出が実行される直前の期間には、所定ゲーム数分の待機期間(例えば、12ゲーム)が設定されていて、本前兆演出は、この待機期間の終了後に実行されることとなる。
待機期間中には、例えば、個別演出の実行確率が高められ、本前兆演出の実行に対する遊技者の期待感を高めるようになっている。
したがって、疑似ボーナス状態へ移行する場合には、待機期間と本前兆演出の実行後に移行することとなる。
【0086】
本前兆演出中においては、メイン表示器8において、通常遊技状態中とは異なる背景からなるステージの画像に切り替わるとともに、登場するキャラクタが通常遊技状態中とは異なる動作を行う前兆ステージ上での演出画像が実行される。例えば、キャラクタが洞窟を進んでいくような前兆ステージ上での演出が複数のゲームを通して行われる。これらの演出は1のゲームが終了しても演出内容自体は変化することはない。例えば、所定のゲームにおいて各種イベント等の発生により画面の切替等は行われても、キャラクタが洞窟を進んでいくような演出内容自体は変化することなく次のゲームでも継続して行われる。したがって、本前兆演出は、複数のゲームに亘って(跨って)実行される一連の演出となっている。
また、前兆ステージには、背景等が異なる複数パターンが用意されていて、副制御装置20の制御により、その時点の疑似ボーナス状態の当選の有無に応じて何れかのパターンの前兆ステージが選択されることとなっている。
【0087】
また、ゲームの実行回数が天井ゲーム数に到達する直前ではない時期、および疑似ボーナス状態への移行契機となるレア役(例えば、チャンス役)に当選したが、疑似ボーナス状態への移行抽選に当選しなかった場合にも、疑似ボーナス状態に当選したときと同様に、最終的に疑似ボーナス状態へ移行しないことを報知する所定ゲーム数(例えば、18ゲーム)のフェイク前兆演出(第2の特定演出)がメイン表示器8において実行される。
【0088】
すなわち、副制御装置20は、主制御装置10が疑似ボーナス状態の移行を事前に決定していない場合における所定条件の成立に基づき、複数のゲームに亘って、特定演出(第2の特定演出)としてのフェイク前兆演出を実行可能としているのである。
したがって、副制御装置20は、主制御装置10が疑似ボーナス状態への移行を事前に決定したか否かに関わらず、チャンス役の当選等の所定条件が成立した場合には、特典が付与されるか否かを示唆可能な特定演出(本前兆演出あるいはフェイク前兆演出)を、複数のゲームに跨って実行させることが可能となっているのである。
【0089】
なお、フェイク前兆演出は、疑似ボーナス状態への移行契機となるレア役に当選したが、疑似ボーナス状態への移行抽選に当選しなかった場合の、所定確率(例えば、50%)で実行するようにしてもよいし、必ず実行するようにしてもよい。
また、ゲームの実行回数が天井ゲーム数に到達する直前ではない時期においてフェイク前兆演出を実行する場合には、予め設定されている天井ゲーム数が選択され易い期間(ゾーン)に対応してフェイク前兆演出を実行することが好ましく、このようにすれば、天井ゲーム数が選択され易い期間に到達した場合に、かりに疑似ボーナス状態に移行しない場合でも遊技者の期待感を高めることが可能となるのである。
【0090】
また、レア役の当選に基づきフェイク前兆演出を実行する場合にも、疑似ボーナス状態に当選したときと同様に、フェイク前兆演出が実行される直前の期間には、所定ゲーム数分のフェイク待機期間(例えば、12ゲーム)が設定される。
本前兆演出とフェイク前兆演出は、基本的には演出画像(ステージ或いは登場するキャラクタ等)は同様に設定された複数のゲームに亘る一連の演出からなり、最終的に報知する内容を異ならせることで、遊技者の期待感を最後まで引き付けることができるようになっている。
【0091】
また、本前兆演出およびフェイク前兆演出においては、最終的に疑似ボーナス状態に移行するか否かの報知が行われるが、この場合、メイン表示器8において、前兆演出の最終ゲームの数ゲーム前(例えば、2ゲーム前)から連続的な演出(連続演出)が実行される。連続演出は、例えば、味方キャラクタと敵キャラクタとが所定ゲーム数(例えば、3ゲーム)の間対戦する画像からなる対戦演出で実行される。
【0092】
連続演出(対戦演出)は、ゲーム毎に味方キャラクタと敵キャラクタが所定の対戦種目上で競い合う演出画像が実行され、各ゲームの演出内容は次ゲームに引き継ぐような演出が実行される。例えば、所定のゲームで与えられた味方キャラクタが不利な状況となった場合には、その状況を次ゲームに持ち越すように演出が実行され、最終的に何れかのキャラクタが勝利するような演出が実行される。
なお、連続演出(対戦演出)において、登場する味方キャラクタの種類、敵キャラクタの種類、対戦種目の種類を、疑似ボーナス状態に移行するか否かに応じて変化させるようにしてもよい。
【0093】
また、予め決定されている疑似ボーナス状態への移行の有無により、各ゲームにおける味方キャラクタと敵キャラクタの対戦中の内容が設定されていて、例えば、疑似ボーナス状態に移行する場合には、移行しない場合よりも味方キャラクタが優勢となるゲームが多くなるように設定されている。
すなわち、連続演出は、複数のゲームに亘って(跨って)実行される一連の演出となっている。
また、連続演出には、ボタン演出が併行して実行される場合もある。
【0094】
そして、疑似ボーナス状態に移行する場合(本前兆演出の場合)には、疑似ボーナス状態への移行を報知する画像として、最終的に味方キャラクタが勝利する画像が表示され、疑似ボーナス状態に移行しない場合(フェイク前兆演出の場合)には、疑似ボーナス状態へ移行しないことを報知する画像として、最終的に味方キャラクタが敗北する画像が表示される。
【0095】
なお、連続演出ではなく、本前兆演出およびフェイク前兆演出の最終ゲームのみで完結する演出を実行し、その演出結果により疑似ボーナス状態への移行に関する報知を行ってもよい。
また、本前兆演出およびフェイク前兆演出は、上記待機期間を実行せずに発生させるようにしてもよい。また、フェイク前兆演出は、疑似ボーナス状態への移行契機となるレア役に当選した場合に、必ず発生させるようにしてもよいし、所定確率で発生させるようにしてもよい。
また、レア役当選後に、本前兆演出中における連続演出のみを実行して疑似ボーナス状態等に移行させるようにしてもよい。
また、本前兆演出およびフェイク前兆演出のゲーム数は何れのゲーム数でもよいし、複数のゲーム数(例えば、15~20ゲーム)から選択的に決定するようにしてもよい。また、同様に、待機期間も複数のゲーム数(例えば、10~15ゲーム)から選択的に決定するようにして、待機期間が変化するようにしてもよい。
【0096】
なお、本前兆演出とフェイク前兆演出の実行期間として、選択し得るゲーム数を同じものに設定してもよいが、本前兆演出時には、フェイク前兆演出では選択しないゲーム数を選択可能としてもよい。このようにすれば、フェイク前兆演出ではありえない少ないゲーム数で前兆演出が終了した場合や、フェイク前兆演出ではありえない多いゲーム数まで前兆演出が継続した場合、本前兆演出が確定することとなるので、遊技者の期待感を向上させることが可能となる。
【0097】
・通常遊技状態からCZ状態への移行処理(図3の矢印c1)
主制御装置10は、通常遊技状態においては、所定のレア役に当選したことに基づいて、CZ状態への移行抽選処理を行う。例えば、強スイカ役当選時の所定の確率(例えば、10%)でCZ状態への移行処理を行う。CZ状態への移行条件は、この移行抽選に当選したことである。
【0098】
なお、遊技者のCZ状態への移行に対する期待感を高めるために、所定のレア役に当選してCZ状態への移行が決定された場合でも、直ぐにCZ状態に移行させずに、最終的にCZ状態に移行することを報知する所定ゲーム数(例えば、3ゲーム)のCZ状態の連続演出(本連続演出)をメイン表示器8において実行してもよい。
【0099】
また、所定のレア役に当選したが、CZ状態への移行抽選に当選しなかった場合にも、最終的にCZ状態へ移行しないことを報知する所定ゲーム数(例えば、3ゲーム)のCZ状態のフェイク連続演出をメイン表示器8において実行してもよい。この場合、CZ状態の連続演出とフェイク連続演出は、基本的には登場するキャラクタ等を同様に設定して、最終的に報知する内容を異ならせることで、遊技者の期待感を最後まで引き付けるようにしてもよい。
【0100】
例えば、CZ状態の連続演出(あるいはフェイク連続演出)として、各ゲームを通じてキャラクタがスポーツ競技に挑戦するような演出画像を実行してもよい。この場合、連続演出(あるいはフェイク連続演出)中はその間のゲームを通してスポーツ競技が連続して実行され、CZ状態に当選していた場合には、最終的に競技に成功(例えば、サッカーでゴールに成功)し、CZ状態に当選していない場合には、競技に失敗する演出画像が実行される。
【0101】
・通常遊技状態からAT状態への移行処理(図3の矢印g1)
主制御装置10は、通常遊技状態においては、所定のレア役に当選したことに基づいて、AT状態への移行抽選処理を行う。例えば、強チェリー役当選時に所定の確率(例えば、1%)でAT状態への移行処理を行う。AT状態への移行条件は、この移行抽選に当選したことである。
なお、通常遊技状態におけるAT状態への移行は、所定のレア役への当選を条件に行う以外に、何れの小役にも当選しなかったハズレ抽選結果が導出されたときの所定の確率(例えば、1%)で行うようにしてもよい。
【0102】
本第1実施形態においては、AT状態への移行は、遊技者の期待感を高めるために、主に疑似ボーナス状態を経由して実行されるようになっていることから、通常遊技状態から直接AT状態に移行する確率は極めて低い確率に設定されている。
なお、確率設定装置14での設定確率に応じて、通常遊技状態から直接AT状態に移行する確率を変更可能にしてもよいし、比較的高い設定値(例えば、設定4~6)の場合のみ通常遊技状態から直接AT状態への移行抽選に当選可能としてもよい。
また、通常遊技状態において、AT状態の移行抽選に当選した場合には、前述した疑似ボーナス状態の発生時と同様に待機期間の挿入と前兆演出が実行され、前兆演出の終了後にAT状態が発生するようになっている。
【0103】
なお、通常遊技状態から直接AT状態への移行抽選に当選した場合には、疑似ボーナス状態の発生時と異なる前兆演出の選択制御を行うようにしてもよく、例えば、直接AT状態へ移行する場合には、フェイク前兆演出においては出現率が低い(あるいは出現しない)キャラクタや背景から構成される前兆演出の選択率を、疑似ボーナス状態の発生時よりも高めるようにしてもよい。また、疑似ボーナス状態の発生時には実行されない前兆演出を、直接AT状態へ移行する場合にのみ実行するようにしてもよい。
【0104】
(CZ状態)
CZ状態は、押し順ベル役当選時には押し順ナビは行われないが、通常遊技状態よりも各ゲームにおいて高確率で疑似ボーナス状態への移行抽選処理が行われるので、通常遊技状態に滞在中よりも疑似ボーナス状態へ移行しやすい遊技状態である。
なお、押し順ベル役当選時には押し順ナビは行われないが、押し順ベル役当選時に押し順ナビを実行するようにしてもよいし、押し順ベル役当選時の一部、すなわち押し順ベル役当選時の所定の確率(例えば、40%)で押し順ナビを実行するようにしてもよい。
【0105】
CZ状態に滞在中は、通常遊技状態に滞在中よりも、疑似ボーナス状態に移行しやすいので、CZ状態は、一連の遊技の流れにおいてチャンスゾーンとして位置付けられている。
CZ状態の遊技可能回数は、最小ゲーム数と10ゲームとして、10ゲーム以降はCZ状態中の終了抽選が主制御装置10で行われ、当該終了抽選に当選した場合には、そのゲームでCZ状態が終了することとなる。
CZ状態中においては、主制御装置10から副制御装置20に対して、CZ状態に関する制御情報が送信され、主制御装置10および副制御装置20の制御により、メイン表示器8において、CZ状態中の各種演出や残ゲーム数がメイン表示器8に表示される。
【0106】
・CZ状態から疑似ボーナス状態への移行処理(図3の矢印e1)
CZ状態では、各ゲームにおいて疑似ボーナス状態の移行抽選処理を行う。
疑似ボーナス状態の移行抽選処理の当選確率は、各ゲームの当選役に応じて、当選確率が設定されている。疑似ボーナス状態の移行抽選処理の当選確率は、例えば、レア役当選時が50%、ベル役当選時およびリプレイ役当選時が10%、ハズレ時が5%である。疑似ボーナス状態の移行抽選はCZ状態中のゲーム毎に行われるが、疑似ボーナス状態への移行の有無はCZ状態の最終ゲームで行われ、最終ゲームで疑似ボーナス状態への移行が報知された場合には、通常遊技状態のときと同様に、遊技状態が疑似ボーナス状態へ移行することとなる。
【0107】
すなわち、CZ状態は、疑似ボーナス状態に移行する確率が通常遊技状態よりも高められる点においては、前述した高確率状態と同様であるが、CZ状態においては、通常遊技状態では疑似ボーナス状態の移行抽選契機役ではない役(ベル役やリプレイ役)でも疑似ボーナス状態に移行する可能性が生ずることとなるので、高確率状態よりも遊技者にとって有利な状態となるのである。
なお、疑似ボーナス状態の移行抽選は、各役に内部当選した時点で実行されるので、当選した役に対応する図柄がリール4に停止しない場合(取りこぼし時)でも疑似ボーナス状態の移行抽選は実行される。
また、CZ状態の終了により疑似ボーナス状態へ移行した場合には、遊技区間は有利区間のまま継続する。
【0108】
また、各当選役の一部又は全部についての疑似ボーナス状態の当選確率は、上記以外でもよい。また、CZ状態中における疑似ボーナス状態の移行抽選契機役は、上記した以外でもよい。
また、ベル役の当選時に疑似ボーナス状態の移行抽選処理を行うようにしたが、ベル役に対応する図柄が入賞することに基づいて疑似ボーナス状態の移行抽選処理を行うようにしてもよい。
【0109】
また、CZ状態中は、当該CZ状態中のゲームを通して、遊技者がCZ状態中であることを認識可能なCZ状態画像がメイン表示器8で表示される。
また、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選したゲームが実行された場合に、当該ゲームの実行中においては、所定の準備演出画像(動画)が表示され、ゲームの終了後には疑似ボーナス状態に移行した旨を報知する報知画像が表示される。
例えば、CZ状態中においては、上記CZ状態画像として、主人公キャラクタが寝ている画像が表示されるものとし、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選したゲーム中においては、主人公キャラクタがクローズアップされることで、目覚めるか否かを演出する準備演出動画が表示され、ゲーム終了後に主人公キャラクタが目覚める報知画像が表示されることで、疑似ボーナス状態に当選した旨を報知する演出が実行される。
【0110】
また、CZ状態中における疑似ボーナス状態に非当選となるゲームが実行される場合の所定確率(例えば、10%)でも、上記準備演出画像が表示されるが、この場合には、ゲーム終了後には、主人公キャラクタが目覚めない報知画像が表示されることで、疑似ボーナス状態に非当選である旨を報知する演出が実行される。
【0111】
また、CZ状態中の10ゲーム以降のゲーム実行時においては、CZ状態の終了抽選が行われるが、この終了抽選に当選した場合には、ゲーム実行中に徐々に画面が暗くなる演出が実行されて、ゲーム終了後に画面が全て暗くなることでCZ状態が終了した旨を報知する演出が実行される。
また、CZ状態中の10ゲーム以降のゲーム実行時においては、終了抽選に非当選(継続)となる場合にも、所定の確率で上記同様に徐々に画面が暗くなる演出が実行されるが、この場合には、ゲーム終了後に画面が再び明るくなることで、CZ状態が継続する旨を報知する演出が実行される。
【0112】
なお、CZ状態中における疑似ボーナス状態の当選の有無を報知するための演出は、上記以外でもよく、例えば、所定ゲーム間に跨って味方キャラクタと敵キャラクタが対戦する演出を実行し、当該対戦演出の結果により疑似ボーナス状態への移行の有無を報知するようにしてもよい。
【0113】
・CZ状態から通常遊技状態への移行処理(図3の矢印d1)
CZ状態において、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選せずに、CZ状態の終了抽選に当選した場合には、当該ゲームの終了後に通常遊技状態に移行する。
このとき、ゲーム終了後に、メイン表示器8の画面が真っ暗になり、疑似ボーナス状態へは移行せずにCZ状態の終了が報知される。
また、CZ状態の終了により通常遊技状態へ移行した場合には、遊技区間は有利区間のまま継続するが、遊技区間を有利区間から通常区間に移行させてもよい。
【0114】
なお、CZ状態から通常遊技状態への移行時に、主制御装置10および副制御装置20の制御により、確率設定装置14で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報(設定示唆情報)を報知手段(メイン表示器8、スピーカ9)により報知してもよい。例えば、メイン表示器8やサブ表示器17において、複数のキャラクタのうちから所定のキャラクタを表示するようにする。そして、表示するキャラクタは確率設定装置14の各設定値に応じて予め設定された選択確率に応じて選択されるので、表示されたキャラクタによりある程度設定値を予測することが可能となる。
【0115】
(疑似ボーナス状態)
特別遊技状態としての疑似ボーナス状態は、当該疑似ボーナス状態中のゲームにおいて、遊技者に有利な操作態様の報知として、押し順ベル役に対する押し順ナビが実行されることで、メダルの獲得が極めて容易な遊技状態である。
【0116】
また、疑似ボーナス状態は、所定期間継続して、その間に実行される所定のゲームにおいて、AT状態の移行抽選が行われるものとなっている。
本第1実施形態においては、疑似ボーナス状態は、予め定められた期間(例えば、20ゲーム)実行されるものとなっている。
【0117】
疑似ボーナス状態中においては、押し順ナビが実行されることとなるが、押し順ベル役の当選確率は、押し順ナビに従って遊技者がゲームを実行すればメダルが増加する値となっている。したがって、多数のメダルを獲得可能な疑似ボーナス状態中にAT状態の移行抽選に当選した場合には、疑似ボーナス状態の終了後にAT状態が発生することとなるので、遊技者が一定のメダルを獲得しつつ、次の疑似ボーナス状態を発生させるためのゲームを実行することが可能となり、相乗的に遊技者に有利な状態が生じることとなるのである。
【0118】
また、疑似ボーナス状態に移行した最初のゲームでは、主制御装置10の制御により、スタートレバー3の操作から停止ボタン5の操作が有効となるまでの期間が、通常のゲームよりも延長され、この期間に、リール4を正回転させた後、リール4において特別の図柄組合せを一旦停止させたのちに再度正回転させる、所謂リール演出が行われる疑似遊技(報知疑似遊技)が実行され、疑似ボーナス状態が発生したことが報知される。
なお、疑似ボーナス状態に移行した最初のゲームで報知疑似遊技を実行して特別の図柄組合せ(「7・7・7」等)を一旦停止させるのではなく、所定役(例えば、リプレイ役)の当選した次ゲームで疑似ボーナス状態を開始するものとして、当該所定役の当選時には、所定の押し順(例えば、「5c→5b→5a」)によりリール4を停止させた場合に特別の図柄組合せが停止するようにリール4の停止制御を行い、上記所定の役に当選した場合に上記所定の押し順を報知することで、疑似ボーナス状態が開始する1ゲーム前に特別の図柄組合せを形成可能としてもよい。
【0119】
報知疑似遊技が行われる期間は、例えば、15秒に設定され、この間は、停止ボタン5の操作が無効となるので、リール4が作動していてもゲームの進行が不能な状態となっている。
そして、報知疑似遊技の終了時には、特別の図柄組合せ(「7、7、7」等)が一旦停止(自動停止)することとなるので、疑似ボーナス状態は、遊技内容的にはAT状態と同様にナビが実行される状態となっているが、見た目上は所謂ボーナス状態(リアルボーナス状態)が発生したようなものとなり、AT状態との差別化が図られている。
【0120】
また、報知疑似遊技が終了すると、リール4が正回転での回転を自動的に開始するとともに、停止ボタン5の操作が有効となり本遊技が開始され、この時点から、疑似ボーナス状態に移行した最初のゲームの停止操作が通常のゲームと同様に可能となる。
また、リール演出中においては、副制御装置20の制御により、メイン表示器8において、リール演出に対応する演出画像として疑似ボーナス状態の発生を報知する表示が行われる。
【0121】
・疑似ボーナス状態からAT状態への移行処理(図3の矢印f1)
疑似ボーナス状態では、当該疑似ボーナス状態中の各ゲームの実行に基づきAT状態の移行抽選処理を行う。
本第1実施形態においては、疑似ボーナス状態中のゲーム毎にAT状態の移行抽選処理が実行されてAT状態に移行させるか否かが決定される。
そして、AT状態の移行抽選処理の結果、特別の条件の成立としてAT状態への移行条件が成立した場合には、疑似ボーナス状態の終了後に遊技状態がAT状態に移行することとなる。
また、疑似ボーナス状態の終了によりAT状態へ移行した場合には、遊技区間は有利区間のまま継続する。
【0122】
なお、本第1実施形態においては、AT状態の移行抽選処理は、疑似ボーナス状態の一部でAT状態に移行するように行われるものであれば何れでもよく、各ゲームで固定の確率でAT状態の移行抽選を行ってもよいし、レア役に当選した場合には、レア役以外に当選した場合よりも高い確率でAT状態の移行抽選を行ってもよい。
【0123】
また、AT状態の移行抽選処理は、疑似ボーナス状態中の全てで行ってもよいし、疑似ボーナス状態の終盤に、AT状態の移行抽選処理を行うための所定ゲーム数の期間(例えば、3ゲーム間)を設けて、この間でAT状態へ移行するか否かの抽選を行うようにしてもよい。
また、上記疑似ボーナス状態中のゲームにおけるAT状態の移行抽選処理の他に、疑似ボーナス状態の移行(開始)時にAT状態の移行抽選処理を行うようにしてもよい。
【0124】
また、疑似ボーナス状態中においては、ゲームの実行に対応して、主制御装置10からの制御情報の受信に基づき、演出制御手段としての副制御装置20の制御により、メイン表示器8において所定の演出が実行される。
【0125】
例えば、疑似ボーナス状態中のゲームにおいてレア役に当選した場合には、当該レア役に当選したことを報知する演出が実行される。
また、疑似ボーナス状態の終盤の所定ゲーム間(例えば、3ゲーム間)においては、AT状態の移行抽選結果に応じた連続演出(対戦演出)が実行され、AT状態へ移行する抽選結果であった場合には、最終的に味方キャラクタが勝利する演出結果が導出され、AT状態へ移行する抽選結果でなかった場合には、最終的に味方キャラクタが敗北する演出結果が導出されて、AT状態の移行抽選結果が連続演出の結果として報知されることとなる。
【0126】
なお、連続演出中の演出態様は、AT状態の移行抽選の結果に基づき予め決定されることとなり、AT状態へ移行する抽選結果であった場合には、味方キャラクタが優勢となる演出態様が決定され、AT状態へ移行する抽選結果でなかった場合には、味方キャラクタが劣勢となる演出態様が決定される。ただし、上記連続演出が実行されている間のゲームにおいても、AT状態の移行抽選処理は行われるので、最終的な連続演出の結果は連続演出中のAT状態の移行抽選処理も加味して決定されることとなる。
また、疑似ボーナス状態中におけるAT状態の移行抽選処理の結果、AT状態へ移行することが決定された場合には、その時点からAT状態に移行が確定することを報知する演出を実行するようにしてもよい。
【0127】
また、その他疑似ボーナス状態中においては、遊技の興趣を高めるために、所定のキャラクタが登場する疑似ボーナス状態中の演出(疑似ボーナス演出)がメイン表示器8あるいはサブ表示器17で表示される。疑似ボーナス演出においては、例えば、登場する各キャラクタの紹介画像等が表示されるとともに、所定の楽曲がスピーカ9から出力される。
【0128】
また、疑似ボーナス状態中におけるAT状態の移行抽選は、上記した以外に実行してもよく、例えば、通常の操作態様(例えば、左リール4aを最初に停止操作する操作態様)でリール4を停止操作した場合には、リプレイ役に対応する図柄組合せが停止するが、通常の操作態様とは異なる変則操作態様(例えば、右リール4cを最初に停止操作する操作態様)でリール4を停止操作した場合には、特別の図柄組合せ(例えば、「BAR、BAR、BAR」)が停止する特定のリプレイ役を抽選可能とし、疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間において特定のリプレイ役に当選した場合には、無条件(100%の確率)でAT状態に移行するようにしてもよい。
この場合、特定のリプレイ役に当選した場合には、メイン表示器8において、変則操作態様、および特別の図柄組合せを狙うように促す画像を表示することが好ましい。
【0129】
また、疑似ボーナス状態中の連続演出(対戦演出)中に、ボタン演出を実行してもよい。
操作演出としてのボタン演出は、先ず、メイン表示器8(あるいはサブ表示器17)に演出ボタン2dの操作を促す操作ボタンを模した画像や、操作を指示する文字情報(例えば、「PUSH」)等からなる操作画像を表示し、その後、指示された演出ボタン2d(あるいは上部演出ボタン2f)が操作された場合に、所定の画像をメイン表示器8(あるいはサブ表示器17)に表示する一連の演出であり、例えば、対戦演出の最終ゲームが実行されるゲームの終了時に、操作ボタンを模した画像や操作画像を表示し、その後、指示された演出ボタン2dが操作された場合に、予め決定されている対戦抽選の結果を報知する画像をメイン表示器8において表示する演出である。
この場合、対戦抽選の結果が当選であった場合には、非当選の場合よりもボタン演出が実行される確率が高くなるようにすることが好ましい。
【0130】
・疑似ボーナス状態から通常遊技状態への移行処理(図3の矢印b1)
疑似ボーナス状態において、特別の条件が成立せずにAT状態への移行権利が付与されなかった場合、すなわち、疑似ボーナス状態におけるAT状態の移行抽選処理の結果が当選とならなかった場合には、疑似ボーナス状態終了後に通常遊技状態に移行する。
なお、疑似ボーナス状態の終了により通常遊技状態へ移行した場合の一部で、遊技区間を有利区間から通常区間に移行させないようにしてもよい。
【0131】
なお、疑似ボーナス状態から通常遊技状態への移行時に、主制御装置10および副制御装置20の制御により、確率設定装置14で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報(設定示唆情報)を報知手段(メイン表示器8、サブ表示器17、スピーカ9)により報知してもよい。例えば、メイン表示器8やサブ表示器17において、複数のキャラクタのうちから所定のキャラクタを表示し、この表示するキャラクタを確率設定装置14の各設定値に応じて予め設定された選択確率に応じて選択することで、表示されたキャラクタによりある程度設定値を予測することが可能となる。
【0132】
(AT状態)
本第1実施形態におけるAT状態は、当該AT状態中のゲームにおいて、遊技者に有利な操作態様の報知として、押し順ベル役に対する押し順ナビが行われることで、メダルの獲得が容易な遊技状態である。
【0133】
本第1実施形態においては、詳細は後述するが、AT状態として、各々終了条件の異なる第1AT状態と、第2AT状態の2種類が設定されていて、主制御装置10では、発生させるAT状態の種類の決定や、AT状態の種類の切り替え等を行うようになっている。
したがって、AT状態は、そのときのAT状態の種類に応じて終了条件が異なることとなり、継続期間等のAT状態中の各種態様が変化可能となっている。
【0134】
なお、AT状態に移行した場合に、疑似ボーナス状態の移行時と同様に、最初のゲームにおいて報知疑似遊技を実行して、表示窓6内の所定のライン上に所定の図柄組合せを疑似停止して、AT状態の移行を報知するリール演出が実行してもよい。
【0135】
また、AT状態中においては、所定のレア役の当選に基づき、所定の特典(残り差枚数、残ゲーム数)を付与する上乗せ抽選が行われ、上乗せ抽選に当選した場合には、付与された特典に応じてAT状態の継続期間が延長されることとなる。
なお、上乗せ抽選の契機役は何れでもよいし、付与される特典の大きさの異なる複数の特典から何れかを選択するようにしてもよい。また、当選役に応じて付与する特典の大きさを変化させるようにしてもよい。
【0136】
また、本第1実施形態においては、AT状態中のゲームにおいて、所定の条件が成立した場合には、所定期間の間、上乗せ特化ゾーンが発生して、この特化ゾーン中にはゲーム数の上乗せ抽選が上乗せ特化ゾーン中以外よりも高められて実行される。
なお、特化ゾーンは遊技者に極めて有利となる状態であるので、上記所定の条件は、レア役のうち当選確率の低いものが当選した場合の所定確率で成立するようにすることが好ましい。
【0137】
・AT状態から疑似ボーナス状態への移行処理(図3の矢印i1)
AT状態中においても通常遊技状態中と同様に、主制御装置10が特定の抽選結果として所定のレア役の当選に基づいて疑似ボーナス状態への移行抽選処理が行われ、例えば、チャンス役、あるいは強チェリー役当選時の所定の確率(例えば、20%)で疑似ボーナス状態への移行処理が行われる。
また、AT状態中に疑似ボーナス状態へ移行した場合には、遊技区間は有利区間のまま継続する。
【0138】
そして、AT状態中における疑似ボーナス状態の移行抽選に当選した場合には、実行中のAT状態を一時的に中断して、遊技状態が疑似ボーナス状態に移行することとなる。
したがって、AT状態の残ゲーム数は疑似ボーナス状態への移行時に保留され、再度AT状態に復帰した場合に、保留された残ゲーム数に基づきAT状態が再開されるものとなる。
また、AT状態中に疑似ボーナス状態に移行した場合には、前述同様、所定期間(例えば、20ゲーム間)疑似ボーナス状態が実行されることとなる。
【0139】
ただし、AT状態中に疑似ボーナス状態に移行した場合には、通常遊技状態中に疑似ボーナス状態に移行した場合とは異なり、AT状態の移行抽選処理は行われず、予め定められたゲーム数が実行された場合に疑似ボーナス状態は終了し、AT状態に復帰することとなる。
【0140】
なお、AT状態中に疑似ボーナス状態に移行した場合に、当該疑似ボーナス状態中に所定役の当選を契機に上乗せ抽選を行うようにしてもよい。
また、AT状態中に疑似ボーナス状態の移行抽選に当選した場合に、直ぐに疑似ボーナス状態に移行させずに、所定期間(例えば、3ゲーム間)前述同様に対戦演出(味方キャラクタが勝利する対戦演出)を実行した後に疑似ボーナス状態に移行させるようにしてもよい。
また、AT状態中に所定のレア役に当選して疑似ボーナス状態の移行抽選に非当選であった場合にも、対戦演出(味方キャラクタが敗北する対戦演出)を実行するようにしてもよい。
【0141】
・AT状態から通常遊技状態への移行処理(図3の矢印h1)
AT状態において、終了条件が成立した場合には、AT状態終了後に通常遊技状態に移行する。
また、AT状態の終了により通常遊技状態へ移行した場合には、遊技区間が有利区間から通常区間に移行する。
なお、AT状態の終了により通常遊技状態へ移行した場合の一部で、有利区間を継続するようにしてもよい。
【0142】
また、AT状態の終了時には、所定期間(例えば、5秒)のAT終了状態が設定され、AT終了状態中は、ゲームの進行が一時的に不能となり、AT終了状態終了後に通常遊技状態に移行することとなる。
AT終了状態中においては、主制御装置10および副制御装置20の制御により、確率設定装置14で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報が報知手段により報知される。例えば、所定の画像がメイン表示器8やサブ表示器17により表示されるとともに、所定の音声がスピーカ9により出力される。
以上のように第1実施形態のスロットマシン1において遊技状態の移行が行われる。
【0143】
[主制御装置での天井ゲーム数を決定する際に用いられる抽選テーブル]
次に、図4を参照して、本第1実施形態のスロットマシン1における、通常遊技状態でのゲーム実行時の天井ゲーム数の抽選について説明する。
主制御装置10は、通常遊技状態における通常区間において、有利区間移行条件が成立(例えば、ベル役に当選)した場合に、その後の通常遊技状態における天井ゲーム数を選択するようにしている。
【0144】
そして、通常遊技状態におけるゲームが、選択設定された天井ゲーム数に到達した場合に、特典の付与として疑似ボーナス状態を発生するようにしている。
本第1実施形態においては、疑似ボーナス状態は、通常遊技状態中における所定の役(例えば、レア役)の当選時の移行抽選に当選した場合にも発生可能としているが、主として天井ゲーム数分のゲーム数が実行された場合に疑似ボーナス状態を発生するようにしている。
【0145】
また、主制御装置10は、天井ゲーム数を決定するに際して、天井ゲーム数を大まかに決定するための所定ゲーム数範囲が規定されたゾーンを先ずは決定し、決定されたゾーン中におけるゲーム数範囲内から1のゲーム数を選択することで天井ゲーム数を決定するようにしている。
上記ゾーンは、ゾーン1~4までの4種類が予め設定されていて、各々のゾーンは所定間隔を空けて設定されている。したがって、この4種類のゾーン中に実際のゲーム数が到達した場合には、疑似ボーナス状態が発生する可能性が高まることとなり、所定のタイミング毎に遊技者の期待感が高まることとなるのである。
【0146】
各ゾーンでの天井ゲーム数の選択範囲は、ゾーン1では50ゲーム~100ゲームとなり、ゾーン2では250ゲーム~299ゲームとなり、ゾーン3では450ゲーム~499ゲームとなり、ゾーン4では750ゲーム~800ゲームとなっている。
【0147】
したがって、例えば、ゾーン1が選択された場合には、比較的ゲーム数の少ない天井ゲーム数が決定されることとなり遊技者に有利な態様でゲームが進行することとなるが、一方で、ゾーン4が選択された場合には、比較的ゲーム数の多い天井ゲーム数が決定されることとなり遊技者に不利な態様でゲームが進行することとなるのである。ただし、ゾーン4が選択された場合でも、最大値が800ゲームに設定されているので、最大値のゲーム数が実行されるまでには疑似ボーナス状態は必ず発生することとなる。
【0148】
また、主制御装置10は、通常区間から有利区間への移行時に、遊技モードを決定する処理を行うようにしている。
遊技モードは、上記ゾーン1~4の何れかを選択可能な通常モードと、ゾーン1のみ選択することとなる天国モードとが設定され、通常区間から有利区間への移行時に、確率設定装置14での設定値に基づき何れかの遊技モードを選択するようにしている。
したがって、天国モードが選択された際には、必ず100ゲーム以内に疑似ボーナス状態が発生することとなるのである。
なお、天国モードの選択確率は、確率設定装置14での設定値が高くなる程、高くなるように設定されている。
【0149】
図4は、通常モードが選択された場合の通常区間から有利区間に移行する際において、天井ゲーム数を抽選する際に用いられる内部抽選テーブルを示している。
通常モードが選択された場合の天井ゲーム数の抽選は、先ずは図4に示した内部抽選テーブルを用いて天井ゲーム数を決定するためのゾーンを決定し、次いで、決定されたゾーン内から天井ゲーム数が決定されるが、ゾーンを決定する場合には、主制御装置10によりゾーン抽選用の乱数の抽選により行われ、図4においては、取得する乱数値の取得範囲(個数)を256個とし、各ゾーンに当選する場合の乱数値の個数を示している。
【0150】
図4に示すように、例えば、確率設定装置14での設定値が設定1の場合には、48/256の確率でゾーン1が選択され、16/256の確率でゾーン2が選択され、64/256の確率でゾーン3が選択され、128/256の確率でゾーン4が選択される。
【0151】
また、詳細な説明は省略するが、確率設定装置14での設定値が設定2~6の場合にも、図4に示す各確率で何れかのゾーンが選択決定されることとなる。
【0152】
そして、図示は省略するが、各ゾーンが決定された後、ゾーン内において設定されている天井ゲーム数を決定するための抽選が行われ、最終的に今回の有利区間移行後の天井ゲーム数が決定されることとなる。
例えば、ゾーン1が決定された場合には、50ゲーム~100ゲームのうちから何れかのゲーム数が天井ゲーム数として決定されるのである。
【0153】
なお、天国モードが選択された場合には、ゾーン1の範囲内で何れかの天井ゲーム数が決定されることとなる。
各ゾーンの範囲内における天井ゲーム数の決定は、ゾーン抽選用の乱数の抽出と同様に有利区間移行条件の成立時に抽出される天井ゲーム数抽選用乱数に基づき実行され、各ゾーン内での天井ゲーム数が均等に抽選されることとなるが、各ゾーン内において所定の天井ゲーム数の選択率が高まるように抽選処理を行うようにしてもよい。
【0154】
以上のように天井ゲーム数が決定されることから、天国モードが選択された場合には、100ゲーム以内の天井ゲーム数が必ず選択されることとなるのである。
また、通常モードが選択された場合には、確率設定装置14での設定値が高いほど、少ない天井ゲーム数が選択される確率が高くなるのである。
【0155】
また、設定値が偶数値の場合には、奇数値の場合よりも、比較的にゾーン1が選択される確率は低くなるが、ゾーン2や3が選択される確率は高くなるので、偶数値の場合には奇数値よりも少ない天井ゲーム数は選択され辛いが、多い天井ゲーム数も選択され辛いような傾向となるのである。
一方、設定値が奇数値の場合には、偶数値の場合よりも、比較的にゾーン1が選択される確率は高くなるが、ゾーン4が選択される確率も高くなり、奇数値の場合には偶数値よりも少ない天井ゲーム数は選択され易いが、多い天井ゲーム数も選択され易いような傾向となるのである。
【0156】
なお、通常区間において、レア役に当選した場合に有利区間移行条件を成立させるようにしてもよく、この場合、レア役以外の役に当選した場合よりも、少ない天井ゲーム数となるゾーンが選択される確率を高め、さらに、ゾーン3やゾーン4の比較的多いゲーム数が選択される確率を低めるようにしてもよい。
また、本第1実施形態においては、AT状態の移行を伴わない疑似ボーナス状態終了時に通常区間に移行させるようにしているが、AT状態の移行を伴わない疑似ボーナス状態終了時の一部で有利区間を継続させるようにしてもよく、この場合には、疑似ボーナス状態終了時に天井ゲーム数を再設定することが好ましい。
以上のように天井ゲーム数の抽選が実行される。
【0157】
[AT状態中の遊技状態の移行]
次に、図5を参照して、AT状態中における遊技状態の移行について説明する。
前述したように、本第1実施形態においては、AT状態として、第1AT状態と第2AT状態の2種類が設定されている。
【0158】
第1特別遊技状態としての第1AT状態は、所謂差枚数管理型のAT状態であり、AT状態中に遊技者が獲得したメダルの純増枚数が、予め設定されている上限値を超えることで第1の終了条件が成立するように継続期間が管理されるものとなっている。
一方、第2特別遊技状態としての第2AT状態は、所謂ゲーム数管理型のAT状態であり、AT状態中に実行されたゲーム数が、予め設定されている上限値を超えることで第2の終了条件が成立するように継続期間が管理されるものとなっている。
【0159】
主制御装置10では、AT状態中においては、上記第1AT状態と第2AT状態の何れかに制御することで、AT状態中の継続期間を管理するようにしている。
すなわち、主制御装置10は、特別遊技状態として、予め定められた第1の終了条件の成立に基づき当該特別遊技状態が終了することとなる第1特別遊技状態(第1AT状態)と、第1の終了条件とは異なる第2の終了条件の成立に基づき当該特別遊技状態が終了することとなる第2特別遊技状態(第2AT状態)との何れかに制御可能な特別遊技状態制御手段を備えるのである。
【0160】
図5は、主制御装置10の制御により実現される、AT状態中における遊技状態の移行態様を示している。
図5に示すように、主制御装置10では、AT状態の移行条件(開始条件)が成立した場合には、まずは第1AT状態に移行させるようにしている。
したがって、AT状態の開始時には、差枚数管理型の第1AT状態に移行することとなり、初期の残り差枚数(例えば、100枚)が設定されて、この残り差枚数分の第1AT状態が発生することとなる。
【0161】
そして、第1AT状態中のゲームの実行により、残り差枚数が0以下、すなわち、第1AT状態中の差枚数が上限数(+100枚)を超えて第1の終了条件が成立した場合には、第1AT状態の終了とともにAT状態が終了することとなる。
すなわち、特別遊技状態制御手段としての主制御装置10は、第1特別遊技状態(第1AT状態)中に遊技者が獲得した遊技媒体数に基づき、第1の終了条件を成立可能とするのである。
【0162】
一方、上記第1の終了条件が成立する前に、第1AT状態中においてAT状態の切替条件が成立した場合には、第1AT状態から第2AT状態への切り替えが行われる(図5の矢印a2)。
すなわち、特別遊技状態制御手段としての主制御装置10は、第1AT状態中における所定条件の成立に基づき、第1AT状態から第2AT状態への切替制御を実行可能な特別遊技状態切替制御手段を備えるのである。
したがって、AT状態の途中において、差枚数管理型のAT状態から、ゲーム数管理型のAT状態への切り替えが行われ、継続期間の管理が変更されることとなるのである。
【0163】
なお、本第1実施形態においては、第2AT状態への切り替えが行われる切替条件は、第1AT状態中のゲームにおいて所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合の所定確率(例えば、30%)で成立するものとしている。
したがって、上記所定のレア役に当選した場合には、主制御装置10において、第2AT状態へ切り替えるか否かの切替抽選が実行され、当該切替抽選に当選した場合に、上記切替条件が成立して第2AT状態への切り替えが決定され、その結果、当該ゲームで第1AT状態が終了(途中終了)して、次ゲームから第2AT状態に移行することとなるのである。
【0164】
また、第1AT状態中のゲームにおいて所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合には、例えば、メイン表示器8において、所定のレア役に当選した旨を報知する画像の表示とともに、第2AT状態への切り替えの有無を報知する演出画像が表示されることで切替演出が実行される。
例えば、第1AT状態中のゲームにおける所定のレア役に当選したゲーム開始時に、メイン表示器8において宝箱を模した宝箱画像が表示されることで切替演出が開始し、ゲーム実行中に所定のキャラクタが宝箱画像を開ける動画が表示されることで切替演出が進行し、当該ゲーム終了後に宝箱画像の開放により中身が開示される画像が表示されることで切替演出が終了することとなる。
【0165】
そして、切替演出の終了時に開示された宝箱画像の中身が空であった場合には、切替抽選が非当選であったこと、すなわち、第2AT状態への切り替えが行われないことが報知されて第1AT状態がそのまま継続することとなり、切替演出の終了時に開示された宝箱画像の中身から宝が出てきた場合には、切替抽選が当選であったこと、すなわち、第2AT状態への切り替えが行われるが報知されて第2AT状態への切り替えが行われることとなるのである。
なお、切替演出を、複数のゲームに亘る連続演出(対戦演出等)により実行するようにしてもよい。
【0166】
第2AT状態への切り替えが行われた後は、ゲーム数管理型の第2AT状態に移行することとなり、切り替えの決定時に初期の残りゲーム数が設定されて、この残りゲーム数分の第2AT状態が発生することとなる。
そして、第2AT状態中のゲームの実行により、残りゲーム数が0以下、すなわち、第2AT状態中に実行されたゲーム数が上限数を超えて第2の終了条件が成立した場合には、第2AT状態の終了とともにAT状態が終了することとなる。
すなわち、特別遊技状態制御手段としての主制御装置10は、第2特別遊技状態(第2AT状態)中に実行されたゲーム数に基づき、第2の終了条件を成立可能とするのである。
なお、第2AT状態への切り替えが行われた以降は、再び第1AT状態への切り替えは行われない。
【0167】
また、第2AT状態への切り替え時に設定される初期の残りゲーム数は、その時点における第1AT状態の残り差枚数を参照して、この残り差枚数を、当該スロットマシン1において予め設定されている1ゲームあたりのメダルの純増枚数の期待値で割った値を初期の残りゲーム数をして設定するようにしている。
なお、本第1実施形態においては、1ゲームあたりのメダルの純増枚数(実際に増加するメダル数)の期待値は、押し順ベル役の当選確率等で設定され、1ゲームあたり約3枚となっている。
【0168】
したがって、例えば、残り差枚数が60枚の時点で第2AT状態に切り替えられた場合には、第2AT状態の初期の残りゲーム数は20ゲームとなるのである。
これにより、第2AT状態への切り替えが行われた際には、そのときの第1AT状態における残り差枚数と同等のメダルの純増枚数に対する期待値が得られる残りゲーム数が付与されることとなるのである。
【0169】
このように、第2AT状態への切り替えが行われた際には、第2AT状態の初期の残りゲーム数が決定され、この第2AT状態の初期の残りゲーム数により、第2AT状態の終了条件(第2の終了条件)が規定されることとなるので、第1AT状態中に更新されることとなる残り差枚数に応じて第2AT状態の終了条件が決定されることとなるのである。
すなわち、特別遊技状態切替制御手段としての主制御装置10は、第1特別遊技状態(第1AT状態)中に更新される情報であって第1の終了条件の成立に関連する所定情報(残り差枚数)に基づき、切り替えられた第2特別遊技状態(第2AT状態)に対する第2の終了条件を設定可能とするのである。
【0170】
以上のように、本第1実施形態においては、AT状態中において、終了条件が異なる第1AT状態と第2AT状態の何れかが発生することとなるので、AT状態の継続態様が種々変化するような興趣性の高い遊技を実行可能となるのである。
すなわち、差枚数管理型のAT状態においては、ゲーム数の払い出しに関係なく実際に払い出されたメダル数に応じて継続期間が管理されることとなることから、メダルの払い出しのないゲームが実行された場合でも遊技者に不満感を与えない、という特徴を持つAT状態となるのである。
【0171】
一方、ゲーム数管理型のAT状態においては、メダルが多量に払い出されても規定されたゲーム数が実行されるまではAT状態が継続することとなることから、メダルが多量に払い出されても規定のゲーム数が実行されるまで期待感が継続する、という特徴を持つAT状態となるのである。
すなわち、AT状態の種類に応じて、遊技者の安心感や期待感を変化させるような遊技内容を提供できるのである。
【0172】
また、後述するように、本第1実施形態においては、第2AT状態の方が、第1AT状態よりも遊技者にとって有利となるような制御が行われることとから、第1AT状態中においては、遊技者は第2AT状態への切り替えに対して興味を抱くことになり、第2AT状態に切り替えられた場合には、メダルの獲得に対する期待感が向上することとなる。
すなわち、第2AT状態への切り替えにより、遊技の興趣性や遊技者の期待感を向上させるような遊技内容を提供可能となるのである。
【0173】
また、第1AT状態中に更新される情報であって第1の終了条件の成立に関連する残り差枚数に基づき、切り替えられた第2AT状態に対する第2の終了条件を設定可能としているので、第1AT状態と第2AT状態との切り替えが行われる場合でも、第1AT状態と第2AT状態を相互に関連付けることができ、AT状態中の興趣性を向上させることが可能となるのである。
また、第1AT状態の終了時期に応じて、第2AT状態の継続期間が変化されることとなるので、第1AT状態の終了時期に対する遊技者の興味を引き付けることが可能となるほか、第1AT状態が早期に終了した場合には、第2AT状態の継続期間が長くなるので、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0174】
また、第1AT状態中に遊技者が獲得した遊技媒体数に基づき、第1の終了条件を成立可能とし、第2AT状態中に実行されたゲーム数に基づき、第2の終了条件を成立可能とするので、第1AT状態と第2AT状態の遊技態様の違いを明確にすることができ、AT状態中における遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
【0175】
なお、本第1実施形態においては、第2AT状態への切り替えが行われる所定条件(切替条件)として、第1AT状態中のゲームにおいて所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合の所定確率(例えば、30%)で成立するものとしているが、所定条件は上記以外でもよく、例えば、第1AT状態中において所定の役に当選した回数が所定回数となった場合、第1AT状態中において実行されたゲーム数が所定回数となった場合等でもよい。
【0176】
また、第2AT状態への切り替え時の初期の残りゲーム数の設定に関しては、上記した以外でもよく、例えば、第1AT状態の残り差枚数をそのまま第2AT状態の残りゲーム数としてもよい。
また、第1AT状態における残り差枚数に関係なく、予め定められた残りゲーム数を初期時に設定するようにしてもよい。この場合、第1AT状態終了時における残り差枚数よりも、メダルの純増枚数に対する期待値が高くなるような初期の残りゲーム数を設定することが好ましい。
また、第1AT状態の残り差枚数に基づいて、第2AT状態の残りゲーム数を抽選により決定してもよい。この場合、残り差枚数が多いほど残りゲーム数が多くなるような抽選を行うことが好ましい。
以上のように、AT状態中における遊技状態の移行が行われる。
【0177】
[AT状態中の上乗せ抽選]
次に、図6を参照して、AT状態中における上乗せ抽選について説明する。
前述したように、AT状態中においては、役の抽選結果に基づき特典を付与する上乗せ抽選が行われ、上乗せ抽選に当選した場合には、付与された特典に応じてAT状態の継続期間が延長されることとなる。
【0178】
本第1実施形態においては、AT状態として、継続期間に関わる制御の異なる第1AT状態と第2AT状態とを設けているので、上乗せ抽選に当選した場合に、AT状態の種類に応じて特典の付与態様を異ならせるようにしている。
すなわち、主制御装置10では、第1AT状態中のゲームにおいて上乗せ抽選に当選した場合には、特典の付与として、残り差枚数に所定のメダル数を加算し、第2AT状態中のゲームにおいて上乗せ抽選に当選した場合には、特典の付与として、残りゲーム数に所定のゲーム数を加算するようにしている。
【0179】
したがって、上乗せ抽選に当選した場合には、第1AT状態においては、残り差枚数が増加することでその分継続期間が延長され、第2AT状態においては、残りゲーム数が増加することでその分継続期間が延長されることとなるのである。
【0180】
図6は、主制御装置10での上乗せ抽選時の当選確率、すなわち、AT状態中に上乗せ抽選の契機役に当選した場合に、特典が付与される確率を示している。
なお、本第1実施形態においては、上乗せ抽選の契機役をレア役に設定しているが、その他の役でもよい。
【0181】
まず、図6(a)に示すように、第1AT状態のゲームにおいて、弱レア役に当選した場合には、50%の確率で0枚が残り差枚数に加算(上乗せ)、すなわち、上乗せが行われないことが決定され、30%の確率で10枚が残り差枚数に加算(上乗せ)されることが決定され、17%の確率で30枚が残り差枚数に加算(上乗せ)されることが決定され、3%の確率で50枚が残り差枚数に加算(上乗せ)されることが決定される。
【0182】
同様に、第1AT状態のゲームにおいて、強レア役に当選した場合には、0%の確率で0枚が残り差枚数に加算(上乗せ)、すなわち、必ず上乗せが行われることが決定され、60%の確率で10枚が残り差枚数に加算(上乗せ)されることが決定され、30%の確率で30枚が残り差枚数に加算(上乗せ)されることが決定され、10%の確率で50枚が残り差枚数に加算(上乗せ)されることが決定される。
【0183】
次に、図6(b)に示すように、第2AT状態のゲームにおいて、弱レア役に当選した場合には、50%の確率で0ゲームが残りゲーム数に加算(上乗せ)、すなわち、上乗せが行われないことが決定され、30%の確率で10ゲームが残りゲーム数に加算(上乗せ)されることが決定され、17%の確率で20ゲームが残りゲーム数に加算(上乗せ)されることが決定され、3%の確率で50ゲームが残りゲーム数に加算(上乗せ)されることが決定される。
【0184】
同様に、第2AT状態のゲームにおいて、強レア役に当選した場合には、0%の確率で0ゲームが残りゲーム数に加算(上乗せ)、すなわち、必ず上乗せが行われることが決定され、60%の確率で10ゲームが残りゲーム数に加算(上乗せ)されることが決定され、30%の確率で20ゲームが残りゲーム数に加算(上乗せ)されることが決定され、10%の確率で50ゲームが残りゲーム数に加算(上乗せ)されることが決定される。
【0185】
以上のように上乗せ抽選が行われることから、第1AT状態および第2AT状態ともに、レア役に当選した場合に上乗せが行われる可能性が生じ、また、弱レア役よりも強レア役に当選した場合の方が、上乗せ抽選に当選する確率、およびより大きい特典が付与される確率が高まるのである。
したがって、レア役に当選した場合には、遊技者の期待感を向上させることができるとともに、強レア役に当選した場合には、さらに遊技者の期待感を向上させることができるのである。
【0186】
また、同じレア役および同じ確率で上乗せ抽選に当選した場合でも、第1AT状態よりも第2AT状態の方が、遊技者に対する有利度の高い特典が付与されることとなるのである。
すなわち、例えば、強レア役に当選して30%の確率で上乗せ抽選に当選した際に、第1AT状態の場合には、30枚のメダル数が加算されることとなるが、第2AT状態の場合には、60枚のメダルの増加が期待できる20ゲーム分が加算されることとなるのである。
【0187】
したがって、上乗せ抽選が第2AT状態の方が遊技者に有利に行われることとなるので、第1AT状態よりも第2AT状態の方が遊技者にとって有利な特別遊技状態となり、AT状態中は、遊技者は第2AT状態に切り替わることに期待して、第2AT状態に切り替わった場合には、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0188】
なお、上記した上乗せ抽選の傾向が形成できるものであれば、各上乗せ抽選の当選確率や付与される特典の大きさは上記以外でもよい。
また、第1AT状態中における強レア役の当選時には、第2AT状態への切替抽選も行われる可能性もあるが、この場合には、切替抽選と上乗せ抽選の双方を行うようにしてもよいし、切替抽選のみを優先的に実行し、切替抽選に当選しなかった場合に上乗せ抽選を行うようにしてもよい。
以上のように、AT状態中の上乗せ抽選が行われる。
【0189】
〔第1実施形態の変形例1〕
次に、図7図9を参照して、本第1実施形態の変形例1について説明する。
本第1実施形態の変形例1においては、AT状態中のゲームにおける上乗せ抽選に関わる制御のみが、前述した第1実施形態のスロットマシン1と異なっていて、その他については前述のスロットマシン1と同様であるので、異なる点のみ説明する。
【0190】
まず、第1実施形態の変形例1においては、前述同様にAT状態の初期時には、第1AT状態が発生することとなる。
そして、第1AT状態中のゲームにおいて、上乗せ抽選の契機役(レア役)に当選した場合には、前述同様に残り差枚数に所定のメダル数が加算されるか否かを決定する上乗せ抽選が行われ、この上乗せ抽選に当選した場合には、残り差枚数が上乗せ分増加して継続期間がその分延長されることとなる。
【0191】
さらに、第1AT状態中のゲームにおいては、上乗せ抽選の契機役(レア役)に当選した場合に、上記した残り差枚数の増加に関わる上乗せ抽選の他に、残りゲーム数の増加に関わる上乗せ抽選も同時に行われる。
この残りゲーム数の増加に関わる上乗せ抽選は、その時点よりも以降に切り替えられる可能性のある第2AT状態における残りゲーム数に対する上乗せ抽選であり、当該上乗せ抽選に当選した場合には、その後に切り替わる可能性のある第2AT状態の残りゲーム数が増加することとなるのである。
【0192】
すなわち、第1AT状態中のゲームにおいて、上乗せ抽選の契機役(レア役)に当選した場合には、その時点で発生している第1AT状態に対する残り差枚数の増加に関わる上乗せ抽選(以降通常上乗せ抽選ともいう)の他に、その後に発生の可能性のある第2AT状態に対する残りゲーム数の増加に関わる上乗せ抽選(以降準備上乗せ抽選ともいう)も同時に行われるのである。
したがって、第2AT状態に対する残りゲーム数の増加に関わる上乗せ抽選(準備上乗せ抽選)に当選した場合には、まだ第2AT状態に切り替わっていない状態において、事前にゲーム数が加算(上乗せ)されることとなるのである。
そして、その後に第2AT状態に切り替わった場合に、事前に上乗せが決定されているゲーム数が、第2AT状態の切り替え時に付与される初期の残りゲームに加算されることとなるのである。
【0193】
なお、上記した準備上乗せ抽選に当選した場合でも、第2AT状態の切り替えが行われない可能性もあるが、この場合には、上乗せ抽選の当選により決定された特典は無効とされる。
ただし、準備上乗せ抽選に当選したにもかかわらず、第2AT状態への切り替えが行われなかった場合には、詳細は後述するが、無効となった準備上乗せ抽選の抽選結果に基づいて、メイン表示器8において所定の特典画像が表示され、遊技者の不満感を防止するようにしている。
【0194】
図7は、主制御装置10での第1AT状態における各上乗せ抽選時の当選確率、すなわち、AT状態中に上乗せ抽選の契機役に当選した場合に、特典が付与される確率を示している。
なお、各上乗せ抽選の契機役をレア役に設定しているが、その他の役でもよい。
【0195】
まず、図7(a)は、第1AT状態のゲームにおいて、残り差枚数の増加に関わる上乗せ抽選、すなわち、第1AT状態において実行される当該第1AT状態に関わる上乗せ抽選(通常上乗せ抽選)時の当選役毎の当選確率を示している。
【0196】
図7(a)に示すように、第1AT状態のゲームにおいて、各レア役に当選した場合の上乗せ抽選(通常上乗せ抽選)時には、前述した第1実施形態における第1AT状態中の上乗せ抽選と同様の確率で上乗せに当選し、所定のメダル数の加算(上乗せ)が行われる。
なお、各役当選時の上乗せ抽選(通常上乗せ抽選)に当選する確率、およびそのときに上乗せされるメダル数は、前述(図6(a)参照)と同様なのでここでの説明は省略する。
そして、通常上乗せ抽選に当選した場合には、対応するメダル数が残り差枚数に加算されて、その分第1AT状態が延長させることとなる。
【0197】
また、図7(b)に示すように、第1AT状態のゲームにおいて、各レア役に当選した場合には、通常上乗せ抽選の他に、その後に切り替わる可能性のある第2AT状態に関わる上乗せ抽選(準備上乗せ抽選)も同時に行われ、前述同様の確率で上乗せに当選し、所定のゲーム数が一時記憶される。
また、準備上乗せ抽選の当選後にも準備上乗せ抽選は継続して実行され、再度準備上乗せ抽選に当選した場合には、対応するゲーム数が一時記憶されているゲーム数に加算記憶される。
【0198】
なお、各役当選時の上乗せ抽選(準備上乗せ抽選)に当選する確率、およびそのときに上乗せされるゲーム数は、前述(図6(b)参照)と同様なのでここでの説明は省略する。
そして、第2AT状態に切り替わった際には、前述の第1実施形態と同様に、第1AT状態の残り差枚数に基づき初期の残りゲーム数が付与されることとなるが、準備上乗せ抽選に当選していた場合には、上記一時記憶されているゲーム数が、第2AT状態に切り替わった場合の初期の残りゲーム数に加算されて、その分第2AT状態が延長させることとなる。
【0199】
また、通常上乗せ抽選と準備上乗せ抽選は、個別に行われることから、例えば、1回のレア役当選時に通常上乗せ抽選に当選して、さらに準備上乗せ抽選に当選する場合もあるのである。
【0200】
このように、準備上乗せ抽選に応じて第2AT状態における残りゲーム数が変化することとなるので、準備上乗せ抽選に応じて第2AT状態における第2の終了条件が変更されることとなるのである。
したがって、第1AT状態中において、第2AT状態における第2の終了条件を変更するための準備上乗せ抽選が事前に行われるのである。
【0201】
すなわち、特別遊技状態切替制御手段としての主制御装置10は、第2特別遊技状態(第2AT状態)における第2の終了条件を変更可能な抽選(準備上乗せ抽選)を、第1特別遊技状態(第1AT状態)中において予め実行可能な変更抽選制御手段を備えるのである。
また、変更抽選制御手段としての主制御装置10は、第1特別遊技状態(第1AT状態)中の所定のゲームにおいて、当該第1特別遊技状態における第1の終了条件を変更可能な抽選と、切り替えられる第2特別遊技状態(第2AT状態)における第2の終了条件を変更可能な抽選との双方を実行可能とするのである。
【0202】
以上のように、第1実施形態の変形例1においては、第1AT状態中のゲームにおいて、通常上乗せ抽選の他に準備上乗せ抽選が行われることから、上乗せ抽選契機役に当選した場合には、そのときの残り差枚数の増加に関わる上乗せ抽選の他に、その後に切り替わる可能性のある第2AT状態に対して、残りゲーム数の増加に関わる上乗せ抽選も事前に行われることとなるのである。
【0203】
したがって、第1AT状態中のゲームにおいて、遊技の興趣性を向上させることが可能となるほか、第1AT状態および第2AT状態の双方に対する期待感も向上させることが可能となるのである。
また、準備上乗せ抽選に当選した場合には、まだ第2AT状態への切り替えが行われる以前から遊技者の期待感を極めて向上させることが可能となるのである。
また、第1AT状態中の所定のゲームにおいて、通常上乗せ抽選と準備上乗せ抽選の双方が実行されるので、当該ゲームにおける遊技者の期待感を極めて向上させることが可能となるのである。
【0204】
なお、通常上乗せ抽選および準備上乗せ抽選における上乗せ当選確率や付与される特典は、上記以外でもよく、例えば、上乗せ抽選の契機役の全部あるいは一部を、通常上乗せ抽選と準備上乗せ抽選とで異なるものにしてもよい。
また、第2AT状態の初期の残りゲーム数に、準備上乗せ抽選の当選により上乗せされたゲームを加算するようにしているが、第2AT状態の初期の残りゲーム数を、第1AT状態中における準備上乗せ抽選でのみ決定するようにしてもよい。したがって、この場合には、準備上乗せ抽選に当選しなければ第2AT状態の継続権利が無くなることとなるので、準備上乗せ抽選が第2AT状態への切替条件を成立させるか否かの抽選も兼ねることとなる。
【0205】
また、準備上乗せ抽選に当選した場合でも、第2AT状態への切り替えが行われなかった場合には、付与された特典を無効にするようにしているが、準備上乗せ抽選に当選したにもかかわらず、第2AT状態への切り替えが行われずに第1AT状態の終了条件が成立した際には、準備上乗せ抽選の当選により付与された特典に応じて第1AT状態を延長するようにしてもよい。
【0206】
次に、図8を参照して、第1実施形態の変形例1において、上記した通常上乗せ抽選および準備上乗せ抽選が実行された場合の演出(上乗せ演出)について説明する。
図8は、上記通常上乗せ抽選および準備上乗せ抽選が実行された場合のメイン表示器8での演出画像を示している。
【0207】
主制御装置10では、第1AT状態中のゲームにおいて、所定のレア役に当選した場合に、通常上乗せ抽選および準備上乗せ抽選を実行するようにしているが、通常上乗せ抽選および準備上乗せ抽選に関連する制御情報を副制御装置20に送信し、副制御装置20では、受信した制御情報に基づき、メイン表示器8において通常上乗せ抽選および準備上乗せ抽選に関わる演出画像を表示することで上乗せ演出を実行するようにしている。
また、メイン表示器8での上乗せ演出の実行に対応して、スピーカ9から所定の効果音を出力するとともに、ランプ11から所定の装飾光を出力するようにしている。
【0208】
まず、図8(a)に示すように、第1AT状態中においては、メイン表示器8の画面主要部に第1AT状態中であることを報知する第1AT状態画像24が表示される。
第1AT状態画像24は、第1AT状態中であることを遊技者が認識でき、また、第1AT状態中の興趣を向上させるものであれば何れでもよく、例えば、登場するキャラクタの紹介画像(動画)が表示される。
【0209】
また、メイン表示器8の画面左上には、第1AT状態におけるその時点の残り差枚数を報知する残り差枚数画像21a(図8(a)では「50枚」)が表示され、第1AT状態中のゲームにおいてメダルの純増枚数の増加に応じて残り差枚数画像21aが更新(減算)表示される。
また、メイン表示器8の画面右上には、AT状態(第1AT状態+第2AT状態)におけるその時点の実行済みゲーム数を報知する実行ゲーム数画像21b(図8(a)では「20G」)が表示され、AT状態中のゲームにおけるゲームの実行に応じて実行ゲーム数画像21bが更新(加算)表示される。
【0210】
なお、メイン表示器8での第1AT状態画像24、残り差枚数画像21a、実行ゲーム数画像21bは以降のゲームにおいても継続して表示されることとなる。
また、以降のゲームにおいて第2AT状態へ切り替えられた場合には、第1AT状態画像24に代えて第2AT状態を報知する画像に切り替えられ、残り差枚数画像21aに代えて残りゲーム数を報知する画像に切り替えられることとなる。
【0211】
次に、図8(b)は、第1AT状態中に強レア役(例えば、強スイカ役)に当選した場合の、ゲーム開始からゲームが実行されている間におけるメイン表示器8での演出画像を示している。
【0212】
本変形例1を含む第1実施形態においては、AT状態中のゲームにおいて押し順ベル役に当選した場合には、円形状の囲い枠の中に停止ボタン5に対する操作順序(押し順)を報知する数字情報が表示された押し順ナビ画像22(左押し順ナビ画像22a、中押し順ナビ画像22b、右押し順ナビ画像22c)がメイン表示器8における画面下方部に表示されることとなるが、当該ゲームにおいてレア役に当選した場合には、図8(b)に示すように、各押し順ナビ画像22における囲い枠の中に、数字情報に代えてレア役に当選した旨を報知する記号情報(「!」)が表示されることとなる。
そして、強レア役の当選に基づき、主制御装置10において、通常上乗せ抽選および準備上乗せ抽選が行われることとなる。
なお、レア役に当選した場合の報知態様としては、上記以外でもよく、例えば、所定のキャラクタの登場を伴う当選演出を実行するようにしてもよい。
【0213】
次に、図8(c)は、第1AT状態中に強レア役(例えば、強スイカ役)に当選した場合のゲーム終了後におけるメイン表示器8での演出画像を示していて、特に、通常上乗せ抽選および準備上乗せ抽選の双方に当選した場合の演出画像を示している。
図8(c)に示すように、通常上乗せ抽選に当選した場合には、通常上乗せ抽選に当選した旨、および加算(上乗せ)されるメダル数を報知する第1上乗せ当選画像21cが、メイン表示器8の画面左下に表示される。
図8(c)では、10枚分のメダルが残り差枚数に加算される場合を例示しているので、第1上乗せ当選画像21cとして「+10枚」の画像が表示されている。
【0214】
一方、準備上乗せ抽選に当選した場合には、準備上乗せ抽選に当選した旨、および加算(上乗せ)されるゲーム数を報知する第2上乗せ当選画像21dが、メイン表示器8の画面右下に表示される。
図8(c)では、20ゲーム分のゲーム数が残りゲーム数に加算される場合を例示しているので、第2上乗せ当選画像21dとして「+20G」の画像が表示されている。
【0215】
そして、図8(d)に示すように、上記第1上乗せ当選画像21cおよび第2上乗せ当選画像21dが表示されてから所定時間(例えば、5秒)経過後に、第1上乗せ当選画像21cが消去されるとともに、今回当選したメダル数分の残り差枚数画像21aが更新(「50枚」→「60枚」)されて、第1AT状態の継続期間が延長されたことが報知されることとなる。
【0216】
また、上記第1上乗せ当選画像21cおよび第2上乗せ当選画像21dが表示されてから所定時間(例えば、5秒)経過後に、第2上乗せ当選画像21dが消去されるとともに、メイン表示器8の画面右下隅に、準備上乗せ抽選の結果、第1AT状態中に当選したトータルの上乗せゲーム数を報知する準備上乗せゲーム数画像21eが表示されることとなる。
【0217】
なお、図8(d)では、まだ準備上乗せ抽選に当選していない状態から、今回の準備上乗せ抽選に当選した場合を示しているので、第2上乗せ当選画像21dがそのまま準備上乗せゲーム数画像21eに移行することとなるが、既に準備上乗せ抽選に当選していて準備上乗せゲーム数画像21eが表示されている状態以降のゲームにおいて、再度準備上乗せ抽選に当選した場合には、再度の当選時の上乗せゲーム数分が、既に表示されている準備上乗せゲーム数画像21eに加算表示されることとなる。
【0218】
また、ゲーム終了後に遊技者が即座に次ゲームを開始した場合には、その時点で、第1上乗せ当選画像21cと第2上乗せ当選画像21dの消去、および残り差枚数画像21aと準備上乗せゲーム数画像21eの更新(現出も含む)が行われることとなる。
また、通常上乗せ抽選および準備上乗せ抽選に関わる各画像の切り替え時期は、上記した時期に限定されず、レア役に当選したゲーム実行中およびゲーム終了後における何れの時期でもよい。
【0219】
また、通常上乗せ抽選あるいは準備上乗せ抽選に非当選であった場合には、第1上乗せ当選画像21cあるいは第2上乗せ当選画像21dを表示しないようにしてもよいし、上乗せ抽選に非当選であった旨を報知する画像(「残念」等)を表示するようにしてもよい。
【0220】
以上のように、第1実施形態の変形例1においては、第1AT状態中のゲームにおいて、通常上乗せ抽選および準備上乗せ抽選が行われた場合に、メイン表示器8において、通常上乗せ抽選および準備上乗せ抽選に関連する上乗せ演出が行われることとなるのである。
【0221】
したがって、第1AT状態中のゲームにおいて、遊技の興趣性をより向上させることが可能となるとともに、通常上乗せ抽選および準備上乗せ抽選の抽選結果を遊技者に明確に報知することが可能となり、遊技者による各上乗せ抽選に関する認識違い等を防止することが可能となるのである。
【0222】
また、準備上乗せゲーム数画像21eの表示により、第2AT状態への切り替えに対する期待感を向上させることが可能となり、準備上乗せゲーム数画像21eが増加する毎に期待感がさらに向上することとなるので、遊技者の期待感を効率よく向上させることが可能となるのである。
また、準備上乗せ抽選に複数回当選した場合には、トータルの上乗せゲーム数が分からなくなる可能性があるが、このような事態も防止できるのである。
【0223】
なお、通常上乗せ抽選および準備上乗せ抽選に関連する上乗せ演出をメイン表示器8で実行するようにしているが、サブ表示器17で実行するようにしてもよい。
また、上乗せ演出時に演出ボタン2d(あるいは上部演出ボタン2f)の操作を伴うボタン演出を実行するようにしてもよい。
【0224】
次に、図9を参照して、第1実施形態の変形例1において、上記した第1AT状態中の準備上乗せ抽選に当選したにもかかわらず、第2AT状態への切り替えが行われずに、第1AT状態における第1の終了条件が成立してしまった場合の演出について説明する。
【0225】
前述したように、第1AT状態中のゲームにおいては、通常上乗せ抽選の他に準備上乗せ抽選が行われるが、この準備上乗せ抽選の結果により付与される特典(上乗せゲーム数)は、AT状態が第2AT状態に切り替わった場合に初めて機能する特典であるので、準備上乗せ抽選の結果により特典の付与が決定された場合でも、その後第2AT状態への切り替えが行われずに、そのまま第1AT状態が終了してしまった場合には、付与予定であった特典は無効化されることとなり、遊技者に対して不満感を抱かせる可能性がある。
【0226】
そこで、本第1実施形態の変形例1においては、準備上乗せ抽選の結果により特典の付与が決定されたにもかかわらず、その後第2AT状態への切り替えが行われなかった場合に、救済措置として遊技者にとって有用な特典情報を提供可能としている。
【0227】
図9は、準備上乗せ抽選の結果によりゲーム数の上乗せが決定されたにもかかわらず、その後第2AT状態への切り替えが行われずに、第1AT状態が終了した際の最終ゲームの実行中および終了後のメイン表示器8での演出画像を示している。
まず、図9(a)は、第1の終了条件が成立することとなる第1AT状態の最終ゲームのゲーム実行中(メダルの払出が行われた以降)におけるメイン表示器8での演出画像を示している。
【0228】
図9(a)に示すように、前述同様に第1AT状態中においては、メイン表示器8において、第1AT状態画像24、残り差枚数画像21a、実行ゲーム数画像21bが表示されることとなる。
また、第1AT状態の最終ゲームが実行されて所定数のメダルが払い出された結果、第1の終了条件が成立する場合に、残り差枚数画像21aが更新されて「0枚」を示すこととなる。
【0229】
また、このとき、第1AT状態中の準備上乗せ抽選の結果により、第2AT状態に対するゲーム数の上乗せが決定されていた場合には、準備上乗せゲーム数画像21eが表示されて、例えば、図示するように「+30G」の画像が表示されることとなる。
【0230】
この状態で、第1AT状態の最終ゲームが終了、すなわち、準備上乗せ抽選の結果によりゲーム数の上乗せが決定されたにもかかわらず、第2AT状態への切り替えが行われずに第1AT状態が終了すると、図9(b)に示すように、第1AT状態画像24が消去されて、代わりにメイン表示器8の画面主要部に設定示唆画像23が表示される。
設定示唆画像23は、副制御装置20の制御により表示される情報であり、副制御装置20は、主制御装置10からの制御情報に基づき、設定手段としての確率設定装置14で設定された設定値(設定段階)に基づき設定示唆画像23を表示するようにしている。
【0231】
すなわち、副制御装置20は、設定示唆画像23として、複数の画像を表示可能としていて、確率設定装置14での設定値に応じて何れかの画像を選択して表示するのである。
例えば、副制御装置20は、夫々異なるキャラクタが表示されることとなる画像A~画像Eの5種類の画像を、確率設定装置14の各設定値に応じて予め設定された選択確率に応じて選択して表示させるようにしていて、画像Aは、確率設定装置14での設定値が最大値(設定6)であった場合には、選択率が1%であるが、設定値が最小値(設定1)であった場合には、選択率が80%であるのに対して、画像Eは、確率設定装置14での設定値が最大値(設定6)であった場合には、選択率が30%であるが、設定値が最小値(設定1)であった場合には、選択率が10%である等、画像毎に異なる選択率で表示させるようにしている。
【0232】
したがって、確率設定装置14での設定値に応じて各画像が選択される結果、高設定になるほど選択され易い画像や、低設定になるほど選択され易い画像が生ずることとなり、選択された画像により、遊技者は有る程度確率設定装置14での設定値を予測することが可能となるのである。
なお、遊技者は有る程度確率設定装置14での設定値を予測することが可能となるものであれば、設定示唆画像23における画像の選択制御は上記以外でもよい。
また、所定の設定値を確定的に報知する画像を選択肢として設けるようにしてもよい。
また、第1AT状態の最終ゲームの終了後には、所定時間(例えば、5秒)ゲームの進行を無効とすることで、設定示唆画像23を確認できずに次ゲームを開始してしまう、といった事態を未然に防止するようにしてもよい。
【0233】
以上のように、第1実施形態の変形例1においては、第1AT状態中の準備上乗せ抽選の結果によりゲーム数の上乗せが決定されたにもかかわらず、第2AT状態への切り替えが行われずに第1AT状態が終了した場合に、メイン表示器8において設定示唆画像23が表示されることで、遊技者に対して特典情報が提供されることとなるのである。
すなわち、副制御装置20は、変更抽選制御手段としての主制御装置10により第2の終了条件の変更が行われたにもかかわらず、第2特別遊技状態(第2AT状態)への切り替えが行われなかった場合に、所定の特典を付与(特典情報としての設定示唆画像23を表示)可能な特典付与手段(副制御装置20)を備えるのである。
【0234】
したがって、準備上乗せ抽選により第2AT状態に対するゲーム数の上乗せが決定されているにもかかわらず、第2AT状態への切り替えが行われずに第1AT状態が終了してしまった場合でも、遊技者の不満感を低下させることが可能となるのである。
また、上記遊技者に対する救済措置として、設定示唆画像23を表示するようにしているので、遊技者は、遊技機を選定する上で重要な情報を得ることができるので、より遊技者の不満感を低下させることが可能となるのである。
【0235】
なお、準備上乗せ抽選により第2AT状態に対するゲーム数の上乗せが決定されていた場合に、設定示唆画像23を表示するようにしているが、上乗せされるゲーム数が所定数(例えば、30ゲーム)以上であった場合に、設定示唆画像23を表示するようにして、所定数(例えば、30ゲーム)未満であった場合には、設定示唆画像23を表示しないようにしてもよい。
【0236】
また、上記遊技者に対する救済措置として、特典情報を提供するようにしているが、準備上乗せ抽選により第2AT状態に対するゲーム数の上乗せが決定されていた場合、あるいは上乗せされるゲーム数が所定数(例えば、30ゲーム)以上であった場合に、特典の付与として、AT状態終了後に遊技区間を通常区間に移行させずに、有利区間を継続させるようにしてもよい。
以上のように第1実施形態における変形例1が実現される。
【0237】
〔第1実施形態の変形例2〕
次に、図10を参照して、本第1実施形態の変形例2について説明する。
本第1実施形態の変形例2においては、押し順ベル役当選時における押し順ナビの実行に関わる制御のみが、前述した第1実施形態のスロットマシン1と異なっていて、その他については前述のスロットマシン1と同様であるので、異なる点のみ説明する。
【0238】
前述したように、第1実施形態のスロットマシン1においては、疑似ボーナス状態およびAT状態中のゲームにおいて、押し順ベル役に当選した場合に、遊技者に対して当選した押し順ベル役を入賞、すなわち、押し順ベル役に対応する特定結果(「ベル・ベル・ベル」)を導出するための特定操作情報を報知(押し順ナビを実行)するようにしているが、本第1実施形態の変形例2においては、AT状態中の押し順ナビの実行制御が前述した第1実施形態と異なっている。
【0239】
具体的には、前述したようにAT状態に移行すると、第1AT状態と第2AT状態の何れかに制御されることとなるが、主制御装置10では、このAT状態の種類に応じて、押し順ベル役当選時の押し順ナビの実行確率を変化させるようにしている。
すなわち、押し順ナビの実行確率が相対的に高いAT状態と、押し順ナビの実行確率が相対的に低いAT状態とを発生可能としていて、押し順ナビの実行確率が相対的に低いAT状態においては、押し順ベル役に当選したにもかかわらず、押し順ナビが実行されないゲームが実行される可能性が相対的に高くなり、その分遊技者がメダルを得られない可能性が高くなるのである。
【0240】
図10は、主制御装置10における、AT状態の種類毎の押し順ベル役当選時の押し順ナビの実行確率(特定操作情報の報知確率)を示している。
図10に示すように、第1AT状態において押し順ベル役に当選した場合には、40%の確率で押し順ナビが実行されず、60%の確率で押し順ナビが実行されるように押し順ナビの実行制御が行われる。
一方、第2AT状態において押し順ベル役に当選した場合には、押し順ナビが実行されないことはなく、100%の確率で押し順ナビが実行されるように押し順ナビの実行制御が行われる。
【0241】
そして、主制御装置10では、上記確率で押し順ベル役当選時の押し順ナビの実行制御を行うとともに、押し順ナビの実行を決定した場合には、報知制御手段としての副制御装置20に押し順ナビに関わる制御情報を送信し、副制御装置20では、メイン表示器8、ナビランプ12、スピーカ9を制御することで、例えば、メイン表示器8における押し順ナビ画像の表示等の押し順ナビに対応した各種報知を実行するのである。
したがって、第1AT状態よりも第2AT状態の方が、押し順ベル役に当選した場合において押し順ナビが実行される確率が高くなることとなり、第2AT状態の方が第1AT状態よりも遊技者にとって有利なAT状態となるのである。
【0242】
以上のように、第1実施形態の変形例2においては、押し順ベル役に当選した場合に、第1AT状態においては、所定の確率(60%)で押し順ナビが実行されるのに対して、第2AT状態においては、第1AT状態の場合よりも高い確率(100%)で押し順ナビが実行されることとなるのである。
すなわち、報知制御手段としての副制御装置20は、特定結果(「ベル・ベル・ベル」)を導出可能なゲームが実行された場合に、第1特別遊技状態(第1AT状態)中においては第1の確率(60%)で特定操作情報を報知(押し順ナビを実行)可能とし、第2特別遊技状態(第2AT状態)中においては第1の確率よりも高い第2の確率(100%)で特定操作情報を報知可能とするのである。
【0243】
したがって、押し順ナビの実行態様が変化するような多彩なAT状態を発生させることが可能となり、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
また、第2AT状態に切り替えられた場合には、第1AT状態よりも押し順ベル役当選時の押し順ナビの実行確率が高められるので、第2AT状態に切り替えられた場合の遊技者の期待感をより高めることが可能となるのである。
また、第1AT状態においては、遊技者は、より第2AT状態への切り替えに期待しながら遊技を実行することとなり、遊技者の遊技意欲をより向上させることが可能となるのである。
【0244】
なお、各AT状態中における押し順ナビの実行確率は、第1AT状態よりも第2AT状態の方が、押し順ベル役当選時の押し順ナビの実行確率が高くなるものであれば、上記した以外でもよい。
また、第2AT状態をさらに2種類設け、一方の第2AT状態中の押し順ナビの実行確率を80%に設定し、他方を100%に設定するようにしてもよい。
また、押し順ナビを実行する際に、主制御装置10からの制御情報により副制御装置20により押し順ナビを実行するようになっているが、主制御装置10により直接報知手段を制御することで押し順ナビを実行するようにしてもよく、例えば、主制御装置10でナビランプ12を直接制御して押し順ナビを実行するようにしてもよい。
以上のように第1実施形態における変形例2が実現される。
【0245】
〔第1実施形態の変形例3〕
次に、図11を参照して、本第1実施形態の変形例3について説明する。
本第1実施形態の変形例3においては、第2AT状態中の上乗せ抽選と、AT状態中における遊技状態の移行に関わる制御のみが、前述した第1実施形態のスロットマシン1と異なっていて、その他については前述のスロットマシン1と同様であるので、異なる点のみ説明する。
【0246】
まず、本第1実施形態の変形例3における第2AT状態中の上乗せ抽選について説明する。
前述の第1実施形態の変形例1においては、第1AT状態中においては、レア役の当選を契機に、通常上乗せ抽選としての残り差枚数の増加に関わる上乗せ抽選と、準備上乗せ抽選としての残りゲーム数の増加に関わる上乗せ抽選とが実行されるが、本変形例3においても、変形例1と同様に通常上乗せ抽選と準備上乗せ抽選が行わる。
【0247】
さらに、本第1実施形態の変形例3においては、第2AT状態に切り替わった以降においても、レア役の当選を契機に通常上乗せ抽選と準備上乗せ抽選の双方を実行するようにしている。
ただし、第2AT状態に切り替わった後の上乗せ抽選であるので、残りゲーム数の増加に関わる上乗せ抽選が通常上乗せ抽選となり、残り差枚数の増加に関わる上乗せ抽選が準備上乗せ抽選となる。
【0248】
したがって、第2AT状態に切り替わった後の準備上乗せ抽選に当選した場合には、そのときの第2AT状態の継続期間には関係のない第1AT状態の継続期間に関わるメダル数の上乗せが行われることとなるのである。
なお、第2AT状態中の各上乗せ抽選の当選確率は、通常上乗せ抽選においては、図6(b)で示した各当選確率となるように制御し、準備上乗せ抽選においては、図6(a)で示した各当選確率となるように制御すればよい。
【0249】
そして、第2AT状態において第2の終了条件が成立した際に、当該第2AT状態中の準備上乗せ抽選(残り差枚数の増加に関わる上乗せ抽選)に当選していた場合、すなわち、第2AT状態の終了時において、上記準備上乗せ抽選の結果により上乗せされたメダル数が存在していた場合には、図11に示すように、第1AT状態の切替条件が成立して、第1AT状態への切り替えが行われることとなる(図11の矢印b2)。
切り替えられた第1AT状態は、上記上乗せされたメダル数を初期の残り差枚数として継続管理が行われることとなる。
【0250】
また、第1AT状態への再度の切り替えが行われた後は、前述同様に第2AT状態への切り替えに関わる制御が再び行われることとなる。したがって、AT状態中においては、第1AT状態と第2AT状態を繰り返すことが可能となるのである。
なお、図11に示したその他の遊技状態の移行等については、前述の第1実施形態と同様なので、ここでの説明は省略する。
【0251】
以上のように、第1実施形態の変形例3においては、第1AT状態から第2AT状態に切り替えられた後、再度第1AT状態への切り替えが行われるのである。
すなわち、特別遊技状態切替制御手段としての主制御装置10は、第1特別遊技状態(第1AT状態)から第2特別遊技状態(第2AT状態)への切り替えが行われた後、再度第1特別遊技状態への切替制御を実行可能とするのである。
【0252】
したがって、AT状態中における遊技態様をさらに多彩化することができ、遊技の興趣性をさらに向上させることが可能となるのである。
また、第1AT状態への再度の切り替えは、第2AT状態の終了とともに行われることから、第2AT状態の終了により落胆した遊技者の遊技意欲を再度向上させることが可能となるのである。
また、第1AT状態と第2AT状態の繰り返し制御は、上乗せが行われる限り継続することとなるので、遊技者の期待感を極めて向上させることが可能となるのである。
【0253】
なお、第1AT状態への再度の切り替え時に、予め設定されている初期の残り差枚数(例えば、50枚)に準備上乗せ抽選で上乗せされたメダル数を加算するようにしてもよい。
以上のように第1実施形態における変形例3が実現される。
【0254】
〔第1実施形態の変形例4〕
次に、図12を参照して、本第1実施形態の変形例4について説明する。
本第1実施形態の変形例4においては、AT状態中における第1AT状態から第2AT状態への切り替えが行われるまでの制御のみが、前述した第1実施形態のスロットマシン1と異なっていて、その他については前述のスロットマシン1と同様であるので、異なる点のみ説明する。
【0255】
前述した第1実施形態においては、第1AT状態中のゲームにおいて、所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合の所定確率(例えば、30%)で第2AT状態へ切り替える制御を行うようになっているが、本変形例4においては、第1AT状態から直接第2AT状態への切り替えは行わずに、ATCZ状態を介して第2AT状態に移行させるようにしている。
【0256】
図12は、第1実施形態の変形例4における、主制御装置10の制御により実現する、遊技状態の移行態様を示している。
図12に示すように、本第1実施形態の変形例4においては、第1AT状態中のゲームにおいて、所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合の所定確率(例えば、40%)で、遊技状態をATCZ状態に移行させる(図12の矢印a3)。
ATCZ状態は、第2AT状態への切り替えを所定期間(例えば、10ゲーム間)高確率で実行する所謂チャンスゾーンであり、この間のゲームでは、第2AT状態への切替抽選が高確率で行われることとなる。
【0257】
例えば、弱レア役に当選した場合には80%の確率で第2AT状態への切り替えが行われ、強レア役に当選した場合には100%の確率で第2AT状態への切り替えが行われ、さらに、ベル役とリプレイ役に当選した場合にも10%の確率で第2AT状態への切り替えが行われる。
したがって、第1AT状態から直接第2AT状態への切り替えを行うのではなく、一旦第2AT状態への切り替えが高確率で行われる遊技状態に移行させるのである。
【0258】
そして、ATCZ状態中のゲームにおいて、第2AT状態への切替抽選に当選せずに規定された期間が終了した場合には、遊技状態を第1AT状態に移行させるが(図12の矢印b3)、当該期間中に第2AT状態への切替抽選に当選した場合には、次ゲームから遊技状態を第2AT状態に移行させる(図12の矢印c3)。
なお、図11に示したその他の遊技状態の移行等については、前述の第1実施形態と同様なので、ここでの説明は省略する。
【0259】
また、ATCZ状態中においては、残り差枚数の減算によるAT状態の継続管理が行われることとなる。したがって、遊技状態がATCZ状態となっていても、AT状態の継続管理はその直前の第1AT状態に引き続いて行われることとなり、再び第1AT状態に移行した場合にも継続管理が引き継がれることとなる。
【0260】
また、ATCZ状態中においては、副制御装置20の制御により、前述した通常遊技状態中のCZ状態と同様に、遊技状態を報知する演出や特典の抽選結果に応じた演出等の各種演出が実行され、例えば、切替抽選が行われた旨を報知する演出や、切替抽選の当否を報知する演出等が行われる。
【0261】
以上のように、第1実施形態の変形例4においては、第1AT状態中のゲームにおける所定のレア役の当選を契機に、第2AT状態への切り替えが、それ以前の状態よりも高確率で行われるATCZ状態に移行させるのである。
すなわち、特別遊技状態制御手段としての主制御装置10は、所定条件の成立に基づき、特別遊技状態切替制御手段(主制御装置10)による第2特別遊技状態(第2AT状態)への切り替えが高確率で行われる高確率特別遊技状態(ATCZ状態)に制御可能とするのである。
【0262】
したがって、より多彩な態様で第2AT状態への切り替えを行うことができ、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
また、ATCZ状態に移行した場合には、1ゲームで切替抽選が行われる場合よりも、長い期間遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0263】
なお、第1実施形態の変形例4においても、前述同様に第1AT状態中のゲームにおいて、直接第2AT状態への切替抽選を行うようにしてもよく、この場合には、直接第2AT状態に切り替わる場合と、ATCZ状態を介して第2AT状態に切り替わる場合とが生ずることとなる。
また、ATCZ状態の継続期間や、ATCZ状態中における切替抽選時の各当選確率は上記以外でもよい。
【0264】
また、ATCZ状態中において第1の終了条件が成立してしまうことを防止するために、残り差枚数が所定数以下となった場合には、ATCZ状態の移行抽選を禁止するようにしてもよい。
また、ATCZ状態中においては、AT状態の継続に関わる各種データ(残り差枚数等)の更新を中断するようにしてもよく、この場合、ATCZ状態から第1AT状態に移行した場合には、ATCZ状態の開始時の残り差枚数が復帰されて第1AT状態が再開されることとなる。
以上のように第1実施形態における変形例3が実現される。
【0265】
以上、第1実施形態のスロットマシン1について説明したが、第1実施形態においては、第1AT状態中に全てのゲームにおいて第2AT状態への切り替えを可能としているが、有利区間ゲーム数が所定数以上となった場合には、第2AT状態への切替を禁止するようにしてもよい。
【0266】
また、AT状態開始時に、第1AT状態に移行させるようにしているが、初期時にはゲーム数管理型の第2AT状態に移行させるようにして、第2AT状態中における第1AT状態への切替条件が成立した場合に、差枚数管理型の第1AT状態に切り替えるようにしてもよい。
この場合、第2AT状態よりも第1AT状態の方が遊技者にとって有利とすることが好ましい。
また、AT状態の開始時に、遊技者の操作(例えば、ベット操作)に基づき、第1AT状態にするか、第2AT状態にするかを選択可能としてもよい。
以上のように、第1実施形態のスロットマシン1が構成される。
【0267】
<第2実施形態>
次に、本発明に係る遊技機の第2実施形態について、図13図22を参照して説明する。
【0268】
第2実施形態の遊技機においては、遊技状態の移行に関わる制御の一部、および演出内容の一部が前述した第1実施形態の遊技機とは異なっているのみであり、その他に関しては第1実施形態と同様となっている。
したがって、本第2実施形態においては、第1実施形態とは異なっている点のみを説明し、その他の点は前述の第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
【0269】
[第2実施形態の遊技機におけるCZ状態中の遊技状態の移行]
まず、本第2実施形態におけるスロットマシン1でのCZ状態中の遊技状態の移行について図13および図14を参照して説明する。
本第2実施形態のスロットマシン1においては、前述した第1実施形態と同様に、主制御装置10により各遊技状態の移行制御が行われるが、本第2実施形態においては、CZ状態に関わる制御が第1実施形態と異なっている。
【0270】
まず、前述した第1実施形態においては、CZ状態に移行した場合に、主制御装置10では、CZ状態中における疑似ボーナス状態への移行抽選制御を変更しないものとなっているが、本第2実施形態においては、CZ状態中における疑似ボーナス状態への移行抽選制御を変更可能となっている。
すなわち、本第2実施形態においては、CZ状態中における疑似ボーナス状態への移行抽選確率が、相対的に低いCZ状態(第1CZ状態)と、相対的に高いCZ状態(第2CZ状態)と、の2種類のCZ状態を発生可能としていて、主制御装置10では、CZ状態に移行した場合に、当該CZ状態を上記何れかのCZ状態に制御可能としている。
【0271】
図13は、本第2実施形態における主制御装置10の制御により実現するCZ状態中の遊技状態の移行態様を示している。
図13に示すように、主制御装置10では、第1遊技状態としての通常遊技状態中において、CZ状態の移行抽選を行い、この移行抽選の当選によりCZ状態の移行条件が成立した場合には、所定期間遊技状態を通常遊技状態から、遊技者にとって有利な第2遊技状態としてのCZ状態に移行させるようにしている。
【0272】
さらに、CZ状態の移行条件が成立した場合に、第2CZ状態への移行抽選を行い、この移行抽選の当選により第2CZ状態の移行条件が成立した場合には、CZ状態を特定第2遊技状態としての第2CZ状態で制御するようにし、第2CZ状態への移行抽選の非当選により第2CZ状態の移行条件が成立しなかった場合には、CZ状態を通常第2遊技状態としての第1CZ状態で制御するようにしている。
すなわち、CZ状態自体の移行抽選に当選した場合に、CZ状態の種類を決定するための抽選を行い、この抽選によりCZ状態中の制御を、第1CZ状態(通常第2遊技状態)にするか第2CZ状態(特定第2遊技状態)にするかを決定するのである。
【0273】
そして、第1CZ状態および第2CZ状態中のゲームにおいて、疑似ボーナス状態の移行条件が成立した場合には、遊技状態をCZ状態から疑似ボーナス状態に移行させるようにしている。
また、第1CZ状態および第2CZ状態中のゲームにおいて、疑似ボーナス状態の移行条件が成立せずに、各CZ状態に設定されているCZ状態の終了条件が成立した場合には、遊技状態をCZ状態から通常遊技状態に移行させるようにしている。
【0274】
主制御装置10では、詳細は後述するが、第1CZ状態の期間において疑似ボーナス状態の移行確率が相対的に低くなるような疑似ボーナス状態の移行抽選が行われ、第2CZ状態の期間において疑似ボーナス状態の移行確率が相対的に高くなるような疑似ボーナス状態の移行抽選が行われる。
したがって、第1CZ状態よりも第2CZ状態の方が、遊技者にとって有利なCZ状態となるのである。
【0275】
次に、図14のフローチャートを参照して、主制御装置10で実行されるCZ状態移行抽選処理について説明する。
図14は、主制御装置10において実行される、上記したCZ状態自体に移行させるか否かの移行抽選、および第2CZ状態に移行させるか否かの移行抽選が行われるCZ状態移行抽選処理を示している。
【0276】
まず、ステップS1で、ゲームが実行された否かの判定が行われる。
これは、通常遊技状態中においてゲームが実行されたか否かの判定であり、ゲームが実行された場合は、ステップS2に移行し、ゲームが実行されていない場合は、本CZ状態移行抽選処理を終了する。
【0277】
次に、ステップS2で、CZ状態の移行抽選契機役に当選したか否かの判定が行われる。
ステップS2において、CZ状態の移行抽選契機役(例えば、弱スイカ役)に当選したと判定された場合には、ステップS3に移行し、移行抽選契機役に当選していないと判定された場合には、本CZ状態移行抽選処理を終了する。
【0278】
次に、ステップS3で、CZ状態の移行抽選処理が行われる。
ステップS3における移行抽選処理は、CZ状態の種類に関係なくCZ状態自体への移行の有無を決定するための移行抽選であり、所定の確率でCZ状態に移行させるか否かの抽選が行われる。
なお、詳細は後述するが、CZ状態の移行抽選に当選する確率は、CZ低確率状態とCZ高確率状態とにより異なっていて、そのときの確率状態に応じてCZ状態に移行する確率が変化するものとなっている。
【0279】
次に、ステップS4で、CZ状態の移行抽選に当選したか否かの判定が行われる。
ステップS4において、上記CZ状態の移行抽選処理の結果、CZ状態の移行抽選に当選したと判定された場合には、ステップS5に移行し、移行抽選に当選していない判定された場合には、本CZ状態移行抽選処理を終了する。
【0280】
次に、ステップS5で、第2CZ状態の移行抽選処理が行われる。
ステップS5における移行抽選処理は、当選したCZ状態を第2CZ状態に移行させるか否かの移行抽選であり、所定の確率で第2CZ状態に移行させるか否かの抽選が行われる。
すなわち、CZ状態への移行が決定された後、当該CZ状態を第1CZ状態にするか、第2CZ状態にするかの抽選が行われるのである。
なお、詳細は後述するが、第2CZ状態の移行抽選に当選する確率は、第2CZ低確状態と第2CZ高確状態とにより異なっていて、そのときの確率状態に応じて第2CZ状態に移行する確率が変化するものとなっている。
【0281】
次に、ステップS6で、第2CZ状態の移行抽選に当選したか否かの判定が行われる。
ステップS6において、第2CZ状態の移行抽選に当選したと判定された場合には、ステップS7に移行する。
【0282】
そして、ステップS7において第2CZ状態移行フラグをセットし、ステップS8において第1CZ状態移行フラグをセットした後、本CZ状態移行抽選処理を終了する。
第1CZ状態移行フラグおよび第2CZ状態移行フラグは、各CZ状態の移行権利が付与されたことを示すもので、CZ状態の開始時にこのフラグが参照され、当該フラグに応じてCZ状態が第1CZ状態あるいは第2CZ状態の何れかに制御されることとなる。
【0283】
以上のように、第2実施形態のスロットマシン1においては、CZ状態が疑似ボーナス状態へ移行する確率の異なる第1CZ状態と第2CZ状態の何れかに制御されることとなるのである。
したがって、CZ状態中の遊技をより多彩化でき、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
また、CZ状態の種類に応じて遊技者の期待感を変化させることができ、第2CZ状態に移行した場合には、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0284】
なお、CZ状態移行抽選処理を行った後、第2CZ状態移行抽選処理を行うようにしているが、所定の確率でCZ状態自体への移行が決定され、所定の確率で移行するCZ状態の種類が決定されるものであれば、上記以外の抽選形態にしてもよい。
また、CZ状態の種類を3種類以上設けるようにしてもよい。
また、CZ状態の移行抽選に当選した場合に、次ゲームからCZ状態に移行させるようにしてもよいし、メイン表示器8において所定ゲーム数(例えば、3ゲーム)のCZ状態の連続演出(本連続演出)を実行させた後、CZ状態に移行させるようにしてもよい。また、CZ状態の移行抽選契機役に当選したがCZ状態に移行抽選に当選しなかった場合に(あるいはその一部で)、CZ状態のフェイク連続演出を実行するようにしてもよい。
以上のように、第2実施形態の遊技機におけるCZ状態中の遊技状態の移行が行われる。
【0285】
[第2実施形態の遊技機におけるCZ状態の移行に対する確率状態]
次に、図15を参照して、第2実施形態のスロットマシン1における、主制御装置10の制御により実現するCZ状態の移行に対する確率状態について説明する。
【0286】
本第2実施形態のスロットマシン1においては、主制御装置10は、前述したように、所定のレア役(例えば、弱スイカ役)の当選に基づき、CZ状態自体(第1CZ状態あるいは第2CZ状態)に移行させるか否かの移行抽選を行い、当該移行抽選に当選した場合に、遊技状態をCZ状態に移行させるようにしている。
【0287】
また、主制御装置10は、通常遊技状態におけるCZ状態自体(第1CZ状態あるいは第2CZ状態)の移行抽選に関して、相対的に低い確率でCZ状態に当選するCZ低確率状態と、相対的に高い確率でCZ状態に当選するCZ高確率状態の2種類の確率状態(確率状態A)で制御可能としていて、この確率状態AによりCZ状態自体の移行に対する期待度を変更可能としている。
【0288】
また、前述したように主制御装置10は、CZ状態自体への移行を決定した際に、当該CZ状態を第1CZ状態に移行させるか、あるいは第2CZ状態に移行させるかの移行抽選(選択抽選)を行うようにしているが、この第2CZ状態に係る移行抽選に関しても、相対的に低い確率で第2CZ状態に当選する第2CZ低確状態と、相対的に高い確率で第2CZ状態に当選する特定第1遊技状態としての第2CZ高確状態の2種類の確率状態(確率状態B)で制御可能としていて、この確率状態Bにより第2CZ状態の移行に対する期待度を変更可能としている。
【0289】
図15は、CZ状態自体の移行確率を規定する確率状態Aと、第2CZ状態の移行確率を規定する確率状態Bにおけるゲームの進行に応じた遷移を示している。
まず、確率状態Aは、主制御装置10のリセット時(設定変更時も含む)にはCZ低確状態に移行するものとされ、このCZ低確状態中のゲームにおける昇格抽選の結果に応じて確率状態Aに関わる移行が行われることとなる。
【0290】
図15に示すように、確率状態AがCZ低確状態のゲーム(ゲーム開始時)においては、確率状態Aに関する昇格抽選が行われるが、この昇格抽選に当選した場合(タイミングt1)には、次ゲームから確率状態AがCZ低確状態からCZ高確状態に移行(タイミングt2)することとなる。
したがって、CZ低確状態からCZ高確状態への移行により、CZ状態自体の移行確率が低い状態から高い状態に変更されることとなる。
【0291】
また、確率状態AがCZ高確状態のゲーム(ゲーム開始時)においては、確率状態Aに関する降格抽選が行われ、この降格抽選に当選した場合(タイミングt4)には、次ゲームから確率状態AがCZ高確状態からCZ低確状態に移行(タイミングt5)することとなる。
したがって、CZ高確状態からCZ低確状態への移行により、CZ状態自体の移行確率の高い状態から低い状態に変更されることとなる。
なお、上記確率状態Aに関する昇格抽選および降格抽選の詳細については後述する。
【0292】
また、主制御装置10では、確率状態Aとは別個に確率状態Bの移行に関わる制御を行っていて、所定の時期に第2CZ低確状態と第2CZ高確状態との切替制御を行うようにしている。
【0293】
本第2実施形態においては、確率状態Bは、主制御装置10のリセット時(設定変更時も含む)には、通常遊技状態中の確率状態Bを第2CZ低確状態に移行するものとされ、第2CZ低確状態において所定数(例えば、100回)のゲームが実行された場合に、第2CZ低確状態から第2CZ高確状態に移行し、その後、第2CZ高確状態において所定数(例えば、30回)のゲームが実行された場合に、第2CZ高確状態から第2CZ低確状態に移行し、その後も基本的には同様の時期で確率状態Bの切替制御が行われるものとなっている。
なお、詳細は後述するが、第2CZ高確状態の継続期間は、所定条件の成立に基づき延長される場合がある。
【0294】
したがって、図示するように、第2CZ低確状態において所定数(例えば、100回)のゲームが実行されて第2CZ高確状態への昇格ゲーム数に到達した場合に、当該ゲームから確率状態Bが第2CZ低確状態から第2CZ高確状態に移行(タイミングt3)することとなる。
【0295】
また、第2CZ高確状態において所定数(例えば、30回)のゲームが実行されて第2CZ低確状態への降格ゲーム数に到達した場合に、当該ゲームから確率状態Bが第2CZ高確状態から第2CZ低確状態に移行することとなる(タイミングt6)。
なお、各確率状態の切り替え時期は、切り替えの契機となるゲームの開始時でもよいし、終了時でもよい。
【0296】
確率状態Bは、CZ状態自体の移行抽選に影響を与えるものではなく、そのときにCZ状態自体の移行抽選に当選した場合に、第2CZ状態への移行確率を変更するものであるので、第2CZ低確状態においてCZ状態自体の移行抽選に当選した場合には、第2CZ状態への移行確率が相対的に低くなり、第2CZ高確状態においてCZ状態自体の移行抽選に当選した場合には、第2CZ状態への移行確率が相対的に高くなるのである。
【0297】
また、主制御装置10は、通常遊技状態中のCZ状態に関わる確率状態として、確率状態Aと確率状態Bの管理を併行して実行することから、確率状態Aと確率状態Bとにより種々の確率状態の組合せが形成されることとなるのである。
例えば、図示するタイミングt2からタイミングt3の間のゲームにおいては、確率状態AがCZ高確状態となり、確率状態Bが第2CZ低確状態となるので、CZ状態自体の移行確率のみが高確率状態で制御されることとなる。
したがって、この間においては、CZ状態自体には移行し易いが、CZ状態自体に移行しても第2CZ状態には移行し難くなるのである。
【0298】
また、図示するタイミングt3からタイミングt5の間のゲームにおいては、確率状態AがCZ高確状態となり、さらに確率状態Bが第2CZ高確状態となるCZ重複高確状態となるので、CZ状態自体の移行確率が高確率状態で制御され、さらに第2CZ状態の移行確率も高確率状態で制御されることとなる。
したがって、この間においては、CZ状態自体に移行し易く、さらにCZ状態自体に移行した場合には、第2CZ状態にも移行し易くなるのである。
【0299】
また、図示するタイミングt5からタイミングt6の間のゲームにおいては、確率状態AがCZ低確状態となり、確率状態Bが第2CZ高確状態となるので、第2CZ状態の移行確率のみが高確率状態で制御されることとなる。
したがって、この間においては、CZ状態自体には移行し難いが、CZ状態自体に移行した場合には、第2CZ状態に移行し易くなるのである。
【0300】
以上のように、主制御装置10の制御により、通常遊技状態中のCZ低確状態における所定の役の当選を契機に、通常遊技状態中における確率状態AがCZ高確状態に変更されることとなる。
すなわち、遊技制御手段としての主制御装置10は、第1遊技状態(通常遊技状態)におけるゲームの結果に基づき、第2遊技状態(CZ状態)の発生確率を高めた高確率第1遊技状態(CZ高確状態)に制御可能な確率制御手段を備えるのである。
したがって、CZ状態自体の発生に対する遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0301】
また、主制御装置10により、通常遊技状態中の第2CZ低確状態において、ゲームの実行回数が第2CZ高確状態への昇格ゲーム数(例えば、100ゲーム)に到達した場合には、所定期間(例えば、30ゲーム間)通常遊技状態中の確率状態Bが第2CZ高確状態に変更されることとなる。
すなわち、主制御装置10は、第1遊技状態(通常遊技状態)中の所定期間において、第2遊技状態(CZ状態)の発生に関わる制御が遊技者にとって有利となる特定第1遊技状態(第2CZ高確状態)に制御可能な遊技制御手段を備えるのである。
したがって、第2CZ状態の発生に対する遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0302】
また、遊技制御手段としての主制御装置10は、第1遊技状態(通常遊技状態)中のゲームの実行回数が所定回数となったことに基づき、特定第1遊技状態(第2CZ高確状態)に制御可能とするのである。
したがって、ゲームの進行に応じて第2CZ高確状態が発生することとなり、ゲームの進行に応じて遊技者の期待感が徐々に高まるような興趣の高い遊技を実現することが可能となるのである。
また、ゲームを複数回実行しても特典が得られなかった場合にも、所定回数ゲームを実行した場合には、第2CZ高確状態が発生することとなるので、遊技者の遊技意欲を向上させることが可能となるのである。
【0303】
また、主制御装置10により確率状態Aと確率状態Bの管理制御が別個に行われることから、CZ状態自体の移行確率と、第1CZ状態および第2CZ状態の移行確率(選択確率)が種々変化することとなり、CZ状態の移行に関わる遊技内容が多彩化して遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
また、各確率状態の組合せが種々生じることとなり、よりCZ状態の移行に関わる遊技内容が多彩化することが可能となるのである。
また、両確率状態が高確状態となるCZ重複高確状態も生じさせることが可能となり、遊技者の期待感を極めて向上させることが可能となるのである。
【0304】
なお、本第2実施形態においては、第2CZ低確状態において100回のゲームが実行された場合に第2CZ高確状態へ移行させ、第2CZ高確状態において30回のゲームが実行された場合に第2CZ低確状態へ移行させるようにしているが、各確率状態へ移行するゲーム数は上記以外でもよい。
また、確率状態Bを変更する契機は上記以外でもよく、所定の役の当選回数を計数して、当該計数結果が所定数となった場合に、確率状態Bに関わる各確率状態の移行を行うようにしてもよい。
以上のように、第2実施形態の遊技機におけるCZ状態の移行に対する確率状態の遷移が行われる。
【0305】
[第2実施形態の遊技機におけるCZ状態に関する各種抽選]
次に、図16図18を参照して、本第2実施形態の遊技機におけるCZ状態に関する各種抽選について説明する。
【0306】
まず、図16を参照して、確率状態Aに関わるCZ高確状態への昇格確率およびCZ低確状態への降格確率について説明する。
前述したように、主制御装置10において確率状態Aの管理が行われて、CZ低確状態およびCZ高確状態の移行(あるいは維持)の制御が行われることとなる。
本第2実施形態においては、主制御装置10における通常遊技状態中の役の抽選結果に基づき、CZ低確状態からCZ高確状態への移行抽選(昇格抽選)、およびCZ高確状態からCZ低確状態への移行抽選(降格抽選)を行うことで、上記確率状態Aの管理を行うようにしている。
【0307】
図16は、主制御装置10の制御により実現する、役の抽選結果に基づく各確率状態への移行確率を示している。
まず、図16(a)は、通常遊技状態中のCZ低確状態において、各役当選時の移行抽選におけるCZ高確状態への昇格確率(当選確率)を示している。
図16(a)に示すように、弱チェリー役に当選した場合には、70%の確率でCZ高確状態への昇格なし(CZ低確状態の維持)が決定され、30%の確率でCZ高確状態へ昇格することが決定されるように移行抽選が行われる。
【0308】
同様に、弱チェリー役以外の役(ハズレを含む)に当選した場合には、100%の確率でCZ高確状態への昇格なし(CZ低確状態の維持)が決定される。すなわち、弱チェリー役以外の抽選結果では、CZ高確状態へ昇格することがないような移行抽選が行われる。
【0309】
次に、図16(b)は、通常遊技状態中のCZ高確状態において、各役当選時の移行抽選におけるCZ低確状態への降格確率(当選確率)を示している。
図16(b)に示すように、押し順ベル役に当選した場合には、95%の確率でCZ低確状態への降格なし(CZ高確状態の維持)が決定され、5%の確率でCZ低確状態へ降格することが決定されるように移行抽選が行われる。
【0310】
同様に、押し順ベル役以外の役(ハズレを含む)に当選した場合には、100%の確率でCZ低確状態への降格なし(CZ高確状態の維持)が決定される。すなわち、押し順ベル役以外の抽選結果では、CZ低確状態へ降格することがないような移行抽選が行われる。
【0311】
以上のように、通常遊技状態中の役の抽選結果に応じた所定の確率で、確率状態Aに関わる昇格抽選および降格抽選が行われることから、確率状態Aの管理を確実に行うことが可能となるのである。
また、ゲームが実行された場合に、疑似ボーナス状態等の特典の付与以外にも遊技者は注目することとなり、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
また、昇格抽選の契機役に当選した場合には、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0312】
なお、昇格抽選の契機役および降格抽選の契機役は上記以外でもよく、また、各契機役を複数種類の役に設定してもよい。
また、各役当選時の昇格確率および降格確率は上記以外の確率でもよい。
【0313】
次に、図17を参照して、CZ状態自体の当選確率、および第2CZ状態の当選確率について説明する。
【0314】
前述したように、主制御装置10においては、通常遊技状態中のゲームにおいて、CZ状態自体の移行抽選(図14のステップS3)が行われ、この移行抽選に当選した場合には、遊技状態が第1遊技状態としての通常遊技状態から第2遊技状態としてのCZ状態に移行(移行権利を付与)することとなる。
また、CZ状態自体の移行抽選に当選した際には、第2CZ状態の移行抽選(図14のステップS5)が行われ、この移行抽選に当選した場合には、移行したCZ状態が特定第2遊技状態としての第2CZ状態で制御され、移行抽選に当選しなかった場合には、移行したCZ状態が通常第2遊技状態としての第1CZ状態で制御されることとなる。
また、前述したように、CZ状態自体の移行抽選は確率状態Aに基づき実行され、第2CZ状態の移行抽選は確率状態Bに基づき実行されることとなる。
【0315】
まず、図17(a)は、主制御装置10の制御により実現する、通常遊技状態中の役の抽選結果に応じたCZ状態自体の移行抽選における当選確率を示している。
図17(a)に示すように、通常遊技状態中の確率状態AがCZ低確状態において、弱スイカ役に当選した場合には、90%の確率でCZ状態に非当選となり、10%の確率でCZ状態に当選となるように移行抽選が行われる。
同様に、確率状態AがCZ高確状態において、弱スイカ役に当選した場合には、70%の確率でCZ状態に非当選となり、30%の確率でCZ状態に当選となるように移行抽選が行われる。
【0316】
また、通常遊技状態中の確率状態AがCZ低確状態において、弱スイカ役以外の役に当選した場合には、100%の確率でCZ状態に非当選となり、必ずCZ状態に非当選となるように移行抽選が行われる。
同様に、確率状態AがCZ高確状態において、弱スイカ役以外の役に当選した場合には、90%の確率でCZ状態に非当選となり、10%の確率でCZ状態に当選となるように移行抽選が行われる。
【0317】
以上のように、CZ状態自体の移行抽選は、主に弱スイカ役の当選を契機に行われることとなり、CZ低確状態よりもCZ高確状態の方がCZ状態自体に当選する確率が高まることとなる。
したがって、確率状態Aに基づき、CZ状態自体の当選確率を確実に変更することが可能となるのである。
また、確率状態Aの状態にかかわらず弱スイカ役に当選した場合には、遊技者の期待感を向上させることが可能となるとともに、CZ高確状態において弱スイカ役に当選した場合には、遊技者の期待感をより向上させることが可能となるのである。
【0318】
また、CZ高確状態中においては、弱スイカ役以外の役の当選時においても、CZ状態自体に当選する可能性が生ずることとなる。
したがって、CZ高確状態における遊技者の期待感を極めて向上させることが可能となるのである。
なお、CZ状態自体の移行抽選の契機役は上記以外でもよく、複数種類の役を契機役に設定してもよい。
また、CZ状態自体の移行抽選の契機役当選時における各当選確率は上記以外でもよい。
【0319】
次に、図17(b)は、CZ状態に当選した際の第2CZ状態の移行抽選における当選確率を示している。
図17(b)に示すように、確率状態Bが第2CZ低確状態において、CZ状態に当選した場合には、80%の確率で第2CZ状態に非当選となり、20%の確率で第2CZ状態に当選となるように移行抽選が行われる。
【0320】
同様に、確率状態Bが第2CZ高確状態において、CZ状態に当選した場合には、50%の確率でCZ状態に非当選となり、50%の確率でCZ状態に当選となるように移行抽選が行われる。
上記移行抽選の結果、第2CZ状態に当選した場合には、第2CZ状態に移行し、第2CZ状態に当選しなかった場合には、第1CZ状態に移行することとなる。
【0321】
以上のように、主制御装置10は、CZ状態の移行抽選に当選した際の確率状態Bが、第2CZ高確状態であった場合には、第2CZ低確状態であった場合よりも第2CZ状態に移行する確率が高まるような抽選制御を行うのである。
すなわち、遊技制御手段としての主制御装置10は、特定第1遊技状態(第2CZ高確状態)においては、特定第1遊技状態以外の第1遊技状態(例えば、第2CZ低確状態)よりも特定第2遊技状態の発生確率を高める制御を実行可能とするのである。
【0322】
したがって、確率状態Bに基づき、第2CZ状態に移行する確率を確実に変更することが可能となるのである。
また、第2CZ高確状態においてCZ状態自体に当選した場合には、遊技者の期待感をより向上させることが可能となるのである。
なお、第2CZ状態の移行抽選の当選確率は、第2CZ低確状態よりも第2CZ高確状態の方が高くなれば上記以外でもよい。
【0323】
次に、図18を参照して、第2CZ高確状態の継続ゲーム数に対するゲーム数の上乗せ抽選について説明する。
【0324】
前述したように、本第2実施形態においては、通常遊技状態中の確率状態Bは、主制御装置10のリセット時(設定変更時も含む)には第2CZ低確状態に移行するものとされ、通常遊技状態中の第2CZ低確状態において所定数のゲームが実行された場合に、第2CZ低確状態から第2CZ高確状態に移行し、その後、第2CZ高確状態において所定数のゲームが実行された場合に、第2CZ高確状態から第2CZ低確状態に移行し、その後も基本的には同様の時期で確率状態Bの切替制御が行われるものとなっている。
【0325】
第2CZ高確状態の継続ゲーム数は、初期状態においては基本ゲーム数(例えば、30ゲーム)が設定されて、この基本ゲーム数が第2CZ高確状態中に実行された場合に、当該第2CZ高確状態は終了するものとなるが、第2CZ高確状態に移行する前の第2CZ低確状態のゲームにおいて、その後の第2CZ高確状態における基本ゲーム数に所定のゲーム数を上乗せ(加算)する上乗せ抽選(延長抽選)が行われ、この上乗せ抽選に当選した場合には、基本ゲーム数に所定のゲーム数が上乗せ(加算)されて、第2CZ高確状態の継続ゲーム数が事前に加算更新されることとなる。
したがって、第2CZ低確状態と第2CZ高確状態は、通常遊技状態中に交互に移行を繰り返すこととなるが、各第2CZ低確状態においては、その直後の第2CZ高確状態の継続期間に対する上乗せ抽選(延長抽選)が行われることとなるのである。
【0326】
また、上記上乗せ抽選は、第2CZ低確状態中に継続して実行され、当該上乗せ抽選に当選する毎に、第2CZ高確状態の継続ゲーム数が事前に加算更新されることとなる。
したがって、第2CZ高確状態の継続ゲーム数は、当該第2CZ高確状態に移行するまで延長されるゲーム数は不定となっていて、直前の第2CZ低確状態中の上乗せ抽選の結果に応じて実際の継続ゲーム数が変化するものとなっている。
【0327】
図18は、主制御装置10の制御により実現する、第2CZ低確状態中のゲームにおける上乗せ抽選(延長抽選)の結果であって、直後の第2CZ高確状態の継続ゲーム数に対するゲーム数の上乗せ確率(当選確率)を示している。
なお、上記上乗せ抽選は、第2CZ低確状態中のゲームにおいてレア役の当選を契機に実行される。
【0328】
図18に示すように、通常遊技状態における第2CZ低確状態中のゲームにおいて弱レア役に当選した場合には、85%の確率で0ゲームが上乗せされ(上乗せ無しとされ)、10%の確率で5ゲームが上乗せされ、5%の確率で10ゲームが上乗せされるような上乗せ抽選が行われる。
また、第2CZ低確状態中のゲームにおいて強レア役に当選した場合には、50%の確率で0ゲームが上乗せされ(上乗せ無しとされ)、40%の確率で5ゲームが上乗せされ、10%の確率で10ゲームが上乗せされるような上乗せ抽選(延長抽選)が行われる。
【0329】
上記上乗せ抽選の結果、決定されたゲーム数がその直後の第2CZ高確状態の継続ゲーム数に上乗せ(加算)されることとなる。また、継続ゲーム数の上乗せは上乗せ抽選毎に行われて、その分第2CZ高確状態の継続期間が延長されることとなる。
なお、通常遊技状態中に弱スイカ役に当選した場合には、CZ状態自体の移行抽選も上記上乗せ抽選とは別個に行われ、CZ状態自体の移行抽選に当選した場合には、上記上乗せ抽選の結果は無効とされる。
【0330】
以上のように、主制御装置10は、第2CZ高確状態に移行する以前の通常遊技状態における第2CZ低確状態中のゲームにおいて、その直後の第2CZ高確状態の継続ゲーム数に対する上乗せ抽選を事前に実行し、その上乗せ抽選に当選した場合に、上乗せされたゲーム数分、第2CZ高確状態の継続ゲーム数を延長するのである。
すなわち、遊技制御手段としての主制御装置10は、特定第1遊技状態(第2CZ高確状態)が発生する以前において、特定第1遊技状態の継続期間を延長可能な延長抽選(上乗せ抽選)を実行可能な延長抽選制御手段を備えるのである。
【0331】
したがって、第2CZ高確状態の継続ゲーム数が種々変化することとなり、遊技者の期待感を変化させるような興趣の高い遊技を実行可能となるのである。
また、上乗せ抽選により第2CZ高確状態の継続期間が延長された場合には、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
また、第2CZ高確状態の継続期間の延長は、直前の第2CZ低確状態中のゲームにおいて決定されることとなるので、第2CZ高確状態への移行前の第2CZ低確状態中の時点から遊技者の期待感や遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
なお、第2CZ高確状態の継続ゲーム数に対するゲーム数の上乗せ抽選の契機役は上記以外でもよいし、複数の契機役を設けてもよい、また、各契機役当選時における当選確率は上記以外でもよい。
以上のように、第2実施形態の遊技機におけるCZ状態に関する各種抽選が行われる。
【0332】
[第2実施形態の遊技機におけるCZ状態に関わる各種演出]
次に、図19図22を参照して、第2実施形態の遊技機におけるCZ状態に関わる各種演出について説明する。
本第2実施形態においては、主制御装置10では、CZ状態に関わる各種制御が行われるが、主制御装置10は、CZ状態に関わる制御情報を副制御装置20に送信し、副制御装置20では、受信した制御情報に基づき、メイン表示器8においてCZ状態に関わる所定の演出画像を表示することで各種演出を実行するようにしている。
また、メイン表示器8での各種演出の実行に対応して、スピーカ9から所定の効果音を出力するとともに、ランプ11から所定の装飾光を出力するようにしている。
【0333】
まず、図19を参照して、第2CZ低確状態中のゲームにおいて、第2CZ高確状態の継続ゲーム数に対する上乗せ抽選が行われた場合のメイン表示器8での演出画像について説明する。
【0334】
前述したように、本第2実施形態においては、主制御装置10は、通常遊技状態における第2CZ低確状態中のゲームにおいて、第2CZ高確状態の継続ゲーム数に対する上乗せ抽選(延長抽選)を実行するようにしているが、副制御装置20では、メイン表示器8において上記上乗せ抽選に関わる演出画像を表示することで継続ゲーム数の上乗せ演出を実行するようにしている。
【0335】
図19(a)は、確率状態AがCZ低確状態となっていて、確率状態Bが第2CZ低確状態となっている通常遊技状態中のゲームにおけるメイン表示器8での演出画像を示している。
図19(a)に示すように、通常遊技状態中においては、メイン表示器8の画面主要部に通常遊技状態であることを報知する通常遊技状態画像30が表示される。
【0336】
通常遊技状態画像30は、前述の第1実施形態と同様の画像で構成され、例えば、主人公キャラクタが草原を進んでいくようなステージが動画で表示される。
また、通常遊技状態中においては、前述したように、疑似ボーナス状態の移行抽選確率も変更可能となっていることから、疑似ボーナス状態の移行抽選の確率状態が通常確率状態から高確率状態に変更されると、ステージの背景を、昼間の背景から夕方の背景に変更されて高確率状態である旨の報知が行われる。
【0337】
そして、本第2実施形態においては、上記疑似ボーナス状態の移行抽選に関わる確率状態の報知の他に、CZ状態における各種移行抽選に関わる確率状態である確率状態Aおよび確率状態Bの報知についても、通常遊技状態画像30を変更することで実行するようにしている。
【0338】
すなわち、図19(a)に示すように、確率状態AがCZ低確状態となっていて、確率状態Bが第2CZ低確状態となっている通常遊技状態中のゲームにおいては、通常遊技状態画像30に含まれる主人公キャラクタが青色の服を着たキャラクタA画像30aが、所定の確率で表示されることとなる。
このキャラクタA画像30aの服の色(青色)により確率状態AがCZ低確状態となっていて、確率状態Bが第2CZ低確状態となっていることが報知(示唆)されるのである。
【0339】
なお、上記の状態で、所定のレア役の当選を契機に確率状態AがCZ高確状態に移行した場合の所定確率で、図示するように、主人公キャラクタが黄色の服を着たキャラクタB画像30bに変更されて、確率状態AがCZ高確状態となっていて、確率状態Bが第2CZ低確状態となっていることが報知(示唆)されることとなる。
ただし、詳細は後述するが、確率状態Bが第2CZ低確状態となっている場合には、確率状態Aと主人公キャラクタの服の色が完全に一致するものではなく、CZ低確状態では主人公キャラクタの服が青色となる確率が高く、CZ高確状態では主人公キャラクタの服が黄色となる確率が高くなるような画像の選択制御が行われるものとなっている。
すなわち、主人公キャラクタの服の色は、確率状態Aを示唆するものとなるのである。
【0340】
次に、図19(b)は、上記図19(a)に示す状態から、前述した第2CZ高確状態の継続ゲーム数の上乗せ抽選に当選した場合のメイン表示器8での演出画像を示している。
図19(b)に示すように、メイン表示器8には、キャラクタA画像30aを含む通常遊技状態画像30が継続して表示される。
【0341】
この状態で、第2CZ高確状態の継続ゲーム数の上乗せ抽選に当選した場合には、当該上乗せ抽選の当選により上乗せされるゲーム数に対応した特定の画像が現出表示される。
本第2実施形態においては、上記特定の画像として、後述する第2CZ高確状態中の演出で使用するために、燃料に使用する木材を模した薪画像が表示されることとなる。
【0342】
薪画像は、上乗せゲーム数の多さに応じて画像が変化可能となっていて、例えば、上乗せゲーム数として5ゲームが上乗せされた場合には、相対的に小さい薪画像が現出表示され、上乗せゲーム数として10ゲームが上乗せされた場合には、相対的に大きい薪画像が現出表示されるものとなっている。
すなわち、薪画像の表示により、第2CZ高確状態の延長期間が事前に報知されるのである。
【0343】
図19(b)では、第2CZ高確状態の継続ゲーム数の上乗せ抽選の結果、10ゲームの上乗せゲーム数が事前に上乗せされた場合を示しているので、大きい薪画像として薪A画像31aがメイン表示器8の画面右下に、遊技状態画像30とともに追加表示される。
すなわち、確率状態Bが第2CZ低確状態の通常遊技状態中のゲームにおいては、その直後に移行される第2CZ高確状態の継続ゲーム数に対する上乗せ抽選が事前に行われるが、この上乗せ抽選の当選により上乗せされるゲーム数に対応して、薪画像が現出表示されることで、まだ第2CZ高確状態に移行する以前から、継続ゲーム数に所定のゲーム数が上乗せされて第2CZ高確状態の継続期間が延長されることが事前に報知されるのである。
また、現出表示される薪画像の大きさにより第2CZ高確状態の継続期間の延長の度合いも報知されるのである。
【0344】
したがって、図19(b)に示すように、薪A画像31aが現出表示された場合には、その後の第2CZ高確状態では継続ゲーム数が10ゲーム分延長されることが事前に報知されるのである。
なお、薪画像は第2CZ高確状態に移行するまで継続して表示されることとなる。
また、キャラクタB画像30bを含む通常遊技状態画像30が表示されている状態においても、上記薪画像の現出表示は同様に行われる。
【0345】
次に、図19(c)は、上記図19(b)に示した状態から、再度第2CZ高確状態の継続ゲーム数の上乗せ抽選に当選した場合のメイン表示器8での演出画像を示していて、第2CZ高確状態の継続ゲーム数の再度の上乗せ抽選の結果、5ゲームの上乗せゲーム数が事前に上乗せされた場合の演出画像を示している。
図19(c)に示すように、5ゲームの上乗せゲーム数が事前に上乗せされた場合には、小さい薪画像として薪B画像31bがメイン表示器8の画面右下であって、既に表示されている薪A画像31aの左横に遊技状態画像30とともに追加表示される。
【0346】
したがって、薪A画像31aおよび薪B画像31bが現出表示された場合には、その後の第2CZ高確状態では、継続ゲーム数に10ゲームと5ゲームが加算されて15ゲーム分延長されることが事前に報知されるのである。
また、図示は省略するが、その後の第2CZ低確状態中のゲームにおいて、再度第2CZ高確状態の継続ゲーム数の上乗せ抽選に当選した場合には、当選毎に対応する薪画像が追加して現出表示されることとなる。
なお、第2CZ高確状態の継続ゲーム数の上乗せゲーム数、および上乗せゲーム数に対応する薪画像は、遊技区間が通常区間へ移行した場合に初期化することが好ましい。
【0347】
以上のように、主制御装置10の制御により、第2CZ低確状態中のゲームにおいて、第2CZ高確状態の継続ゲーム数の上乗せ抽選(延長抽選)に当選した場合には、副制御装置20は、当選に対応した薪画像をメイン表示器8に現出表示させることで、第2CZ高確状態へ移行する以前から、第2CZ高確状態の継続ゲーム数が延長される旨、およびその上乗せされるゲーム数を事前に報知するのである。
すなわち、副制御装置20は、延長抽選制御手段としての主制御装置10による延長抽選の結果に基づき、特定第1遊技状態(第2CZ高確状態)の継続期間の延長に関わる情報(薪画像)を、特定第1遊技状態が発生する以前に報知可能な報知制御手段を備えるのである。
【0348】
したがって、まだ第2CZ高確状態に移行していない第2CZ低確状態中のゲームから遊技者の期待感を確実に向上させることが可能となるのである。
また、現出表示された薪画像の大小により、遊技者の期待感を変化させるような興趣性の高い遊技を実行することが可能となるのである。
また、遊技者は、第2CZ高確状態に移行する以前から薪画像の現出表示を確認することができるので、その後の第2CZ高確状態が延長されるにもかかわらず、第2CZ高確状態に移行する前に遊技を終了してしまう、といった遊技者が不利となるような事態を未然に防止することが可能となるのである。
【0349】
また、第2CZ低確状態中のゲームにおいて、第2CZ高確状態の継続ゲーム数の上乗せ抽選に当選した場合には、当選毎に対応した薪画像が追加して現出表示されることで、第2CZ高確状態の継続ゲーム数の上乗せ毎にゲーム数が事前に報知されることとなるのである。
したがって、遊技者は、薪画像の追加により、第2CZ高確状態の継続ゲーム数がその都度延長されたことを確認することができ、遊技者の期待感が徐々に向上するような興趣性の高い遊技を実行することが可能となるのである。
また、複数の薪画像が表示された場合には、遊技者の期待感を極めて向上させることが可能となるのである。
【0350】
なお、本第2実施形態においては、薪画像の現出表示により、第2CZ高確状態の継続ゲーム数に対する抽選結果を報知するようにしているが、第2CZ高確状態の継続ゲーム数に対する抽選結果の報知態様は上記以外でもよく、例えば、上乗せゲーム数の大きさに関係なく、同一の薪画像を現出表示させるようにしてもよいし、1つの薪画像を表示して、ゲーム数の上乗せ毎に当該薪画像を大きいものに変化させるようにしてもよい。
また、上乗せゲーム数の数値情報をそのまま表示するようにしてもよい。
また、薪画像により上乗せゲーム数を報知するようにしているが、その他の画像の表示により上乗せゲーム数を報知するようにしてもよい。
【0351】
次に、図20を参照して、第2CZ高確状態中のゲームにおいて、第2CZ高確状態の継続ゲーム数が延長される場合のメイン表示器8での演出画像について説明する。
【0352】
前述したように、本第2実施形態においては、主制御装置10は、第2CZ高確状態に中においては、そのときにCZ状態の移行が決定された場合に、第2CZ状態へ移行する確率が高くなるが、この第2CZ高確状態の継続ゲーム数は、基本ゲーム数に第2CZ低確状態中に上乗せされたゲーム数が加算されることで継続期間が延長されることとなる。
また、副制御装置20では、メイン表示器8において、第2CZ高確状態の報知や、第2CZ高確状態の継続期間の延長を報知するための各種演出を実行するようにしている。
【0353】
まず、図20(a)は、確率状態AがCZ低確状態となっていて、確率状態Bが第2CZ高確状態となっている通常遊技状態中のゲームにおけるメイン表示器8での演出画像を示している。
図20(a)に示すように、前述同様に通常遊技状態中においては、メイン表示器8の画面主要部に通常遊技状態であることを報知する通常遊技状態画像30が表示される。
なお、確率状態Bが第2CZ高確状態となり、確率状態AがCZ高確状態となっている場合もあるが、その点については後述する。
【0354】
また、確率状態Bが第2CZ高確状態となっている通常遊技状態中のゲームにおいては、通常遊技状態画像30に含まれる主人公キャラクタが赤色の服を着たキャラクタC画像30cが表示されることとなる。
このキャラクタC画像30cの服の色(赤色)により、確率状態Bが第2CZ高確状態となっていることが報知されるのである。
なお、確率状態Bが第2CZ高確状態においては、確率状態Aが何れの状態となっていてもキャラクタC画像30cが表示されることとなる。
【0355】
また、メイン表示器8には、第2CZ低確状態において現出表示された薪画像がそのまま表示されることとなり、図20(a)では、薪A画像31aおよび薪B画像31bが現出表示された場合を示しているので、このときの第2CZ高確状態では、基本ゲーム数に10ゲームと5ゲームが加算されることが報知されることとなる。
【0356】
また、メイン表示器8の画面左下には、その時点の確率状態Bが第2CZ高確状態であること、および第2CZ高確状態の継続期間を報知するための所定の画像が表示される。
本第2実施形態においては、上記所定の画像として、炎を模した炎画像が表示され、この炎画像が表示されていることにより、第2CZ高確状態およびその継続期間が報知される。
【0357】
また、炎画像には、大きさの異なる大中小の画像が設けられていて、第2CZ高確状態の初期時には大きさが最大の炎画像が表示され、第2CZ高確状態の継続ゲーム数が残り10ゲームとなった時点で中位の炎画像に変更され、さらに継続ゲーム数が残り5ゲームとなった時点で最小の炎画像に変更され、そして最終的に継続ゲーム数が無くなった場合に、炎画像が消去されて第2CZ高確状態の終了が報知されることとなる。
したがって、図20(a)は、第2CZ高確状態へ移行した初期時を示しているので、メイン表示器8の画面左下には、大きさが最大(基本ゲーム数に対応する大きさ)の大炎A画像32aが表示されることとなる。
なお、大炎A画像32aにはオレンジ色の配色が施されているが、詳細は後述するが、この配色は、そのときの確率状態Aに応じて変化するものとなっている。
【0358】
そして、第2CZ高確状態中のゲームが実行されて、継続ゲーム数が残り5ゲームとなった時点で、図20(b)に示すように、大きさが最小の小炎A画像32bに変更されることとなる。
すなわち、炎画像の有無により第2CZ高確状態であるか否かが報知されるとともに、炎画像の大きさにより第2CZ高確状態が継続する残りゲーム数が報知(示唆)されるのである。
【0359】
また、図20(b)に示すように、継続ゲーム数が残り5ゲームとなった時点で、薪画像が表示されている場合、すなわち、未加算の上乗せゲーム数が存在している場合には、表示されている薪画像のうちの上乗せゲーム数の小さい薪B画像31bが、小炎A画像32bに投入される様子を示す動画を伴う延長演出が実行されることとなる。
【0360】
そして、上記延長演出が実行されると、図20(c)に示すように、炎画像が、小炎A画像32bから、大きさが中位の中炎A画像32cに変更されることとなる。
すなわち、薪B画像31bは上乗せゲーム数として5ゲームに対応しているので、残り継続ゲーム数(5ゲーム)に5ゲームが加算されて、残り継続ゲーム数が10ゲームに延長されたことが中炎A画像32cへの変更により報知されるのである。
このように、炎画像は最初から上乗せゲーム数が加算されたものではなく、炎画像の大きさは、上乗せゲーム数が加算される前の残り継続ゲーム数に対応しており、ゲーム数の上乗せに応じて、小炎画像→中炎画像、あるいは小炎画像→大炎画像に変更可能となるのである。
【0361】
なお、図示は省略するが、その後のゲームの実行により、再度継続ゲーム数が残り5ゲームとなった時点で、残っている10ゲームの上乗せに対応する薪A画像31aが小炎A画像32bに投入される延長演出が再び実行されて、このときには、炎画像が、小炎A画像32bから、大炎A画像32aに変更されることとなる。
なお、副制御装置20では、上記炎画像を変更する演出を行うために、第2CZ高確状態の継続期間に関わる情報を、上乗せされる前の継続ゲーム数と、上乗せ抽選毎の上乗せゲーム数と、上乗せされた後の継続ゲーム数とで別に管理することが好ましい。
また、炎画像に対して薪画像を投入する順序(上乗せする順序)は上記以外でもよい。
【0362】
以上のように、第2実施形態においては、キャラクタC画像30cおよび炎画像の表示により、第2CZ高確状態中である旨が報知されるのである。
したがって、第2CZ高確状態であることを遊技者に確実に認識させることが可能となり、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
また、炎画像の大きさにより、第2CZ高確状態の継続期間(残り継続ゲーム数)が報知されるのである。
したがって、遊技者は、第2CZ高確状態の継続期間を確認しながら安心して遊技を実行することが可能となるのである。
【0363】
また、炎画像が小さくなった場合には、第2CZ高確状態の延長期間に対応する薪画像が投入される延長演出が実行されることで、ゲーム数の上乗せにより第2CZ高確状態が延長されたことが報知されるのである。
すなわち、報知制御手段としての副制御装置20は、表示手段(メイン表示器8)に表示された特定第1遊技状態(第2CZ高確状態)の継続期間を報知可能な第1画像(炎画像)と、表示手段に表示された特定第1遊技状態の延長期間を報知可能な第2画像(薪画像)と、により特定第1遊技状態の延長に関わる演出を実行可能とするのである。
したがって、第2CZ高確状態が延長されたことを興趣性の高い態様で遊技者に認識させることが可能となり、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
【0364】
また、薪画像の存在により第2CZ高確状態が延長されることが事前に報知されるのである。
したがって、遊技者は、薪画像が存在する場合には、安心して第2CZ高確状態中の遊技を実行することが可能となるのである。
【0365】
次に、図21を参照して、確率状態Bが第2CZ高確状態中のゲームにおいて、確率状態Aが変更された場合のメイン表示器8での演出画像について説明する。
【0366】
前述したように、本第2実施形態においては、主制御装置10は、確率状態Aと確率状態Bとを別個に制御(管理)するようにしていることから、確率状態Bが第2CZ高確状態において確率状態AがCZ低確状態の場合と、確率状態Bが第2CZ高確状態において確率状態AがCZ高確状態との状態が生ずることとなる。
また、副制御装置20では、メイン表示器8において、第2CZ高確状態において、確率状態Aが変更された場合に、その状態を報知するための各種演出を実行するようにしている。
【0367】
まず、図21(a)は、確率状態AがCZ高確状態となっていて、確率状態Bも第2CZ高確状態、すなわちCZ重複高確状態(図15のタイミングt3~t5)となっている通常遊技状態中であって、特に第2CZ高確状態の初期時におけるメイン表示器8での演出画像を示している。
【0368】
図21(a)に示すように、前述同様に通常遊技状態中においては、メイン表示器8の画面主要部に通常遊技状態であることを報知する通常遊技状態画像30が表示される。
このとき確率状態Bが第2CZ高確状態の場合には、通常遊技状態画像30に含まれる主人公キャラクタが赤色の服を着たキャラクタC画像30cが表示されることとなる。
また、図20(a)では、10ゲームと5ゲームがその後加算される状態を示しているので、薪A画像31aおよび薪B画像31bが現出表示されることとなる。
【0369】
また、メイン表示器8の画面左下には、炎画像が表示されることとなるが、この炎画像は、確率状態AがCZ高確状態の場合(CZ重複高確状態の場合)には、図示するように、青色の配色が施された大炎B画像32dが表示される。
すなわち、炎画像の配色は、そのときの確率状態AがCZ低確状態の場合には、オレンジ色に配色された大炎A画像32aが表示されることとなるが、CZ高確状態の場合には、青色に配色された大炎B画像32dが表示されるのである。
【0370】
これにより、確率状態AがCZ高確状態であり、CZ状態自体の移行抽選が高確率で実行され、さらに確率状態Bが第2CZ高確状態であり、第2CZ状態の移行抽選が高確率で実行されることが報知されるのである。
なお、継続ゲーム数の減少により炎画像の大きさが変化した場合や延長演出が実行された場合にも、炎画像の配色は維持されて、例えば、大炎B画像32dから青色に配色を維持したまま中炎B画像(あるいは小炎B画像)に変更されることとなる。
【0371】
次に、図21(b)は、確率状態Bが第2CZ高確状態において、確率状態AがCZ高確状態からCZ低確状態に移行した場合の通常遊技状態中のメイン表示器8での演出画像を示している。
【0372】
図21(b)に示すように、確率状態Bが第2CZ高確状態において、確率状態AがCZ高確状態からCZ低確状態に移行すると、それまで表示されていた青色の大炎B画像32dの配色が変更されて、オレンジ色の大炎A画像32aが表示されることとなる。
これにより、確率状態Bが第2CZ高確状態であり、第2CZ状態の移行抽選が高確率で実行されるが、確率状態AがCZ低確状態であり、CZ状態自体の移行抽選は通常の確率で実行されることが報知されるのである。
【0373】
以上のように、副制御装置20は、炎画像を現出表示し、さらに炎画像を青色にすることで、確率状態Bが第2CZ高確状態であり、かつ確率状態AがCZ高確状態であることを報知するのである。
すなわち、副制御装置20は、特定第1遊技状態(第2CZ高確状態)に制御され、かつ、高確率第1遊技状態(CZ高確状態)に制御されていることを報知可能な重複報知制御手段を備えるのである。
【0374】
したがって、遊技者は、確率状態Bが第2CZ高確状態であり、かつ確率状態AがCZ高確状態であること確実に認識することができ、遊技者の期待感を極めて向上させることが可能となるのである。
また、炎画像の現出表示により、確率状態Bが第2CZ高確状態であることが報知され、その現出表示された炎画像の配色(青色)により、確率状態AがCZ高確状態であることが報知されるので、遊技者は一目で両確率状態が高確状態であることを認識でき、より効率よく、かつより効果的な報知が可能となるのである。
【0375】
また、炎画像の配色を変更することで、第2CZ高確状態の報知を行ったまま、確率状態Aにおける状態変化が報知されるのである。
したがって、何ら違和感なく第2CZ高確状態中における確率状態Aの状態変化を報知することができ、遊技者は、ゲームに集中したまま両確率状態を認識することが可能となるのである。
【0376】
なお、炎画像の配色で確率状態Aの状態変化を報知するようにしているが、炎画像の模様や形態を変化させることで、確率状態Aの状態変化を報知するようにしてもよい。
また、CZ状態に関わる各種演出は、サブ表示器17で実行するようにしてもよいし、メイン表示器8とサブ表示器17の両方で実行するようにしてもよい。
【0377】
次に、図22を参照して、確率状態Aおよび確率状態Bに応じた各種演出画像の制御について説明する。
前述したように、副制御装置20では、主制御装置10からの制御情報に基づき、メイン表示器8での通常遊技状態画像30における主人公キャラクタの画像や炎画像を変更することで、確率状態Aおよび確率状態Bに関わる報知を行うようにしている。
【0378】
すなわち、副制御装置20では、第2CZ低確状態においては、確率状態Aに応じて主人公キャラクタにおける服の配色を所定の確率で選択することで、第2CZ低確状態における確率状態Aの報知(示唆)を行うようにしている。
一方、第2CZ高確状態においては、確率状態Aに応じて炎画像の配色を所定の確率で選択することで、第2CZ高確状態における確率状態Aの報知を行うようにしている。
【0379】
図22は、副制御装置20による各演出画像の選択率であって、第2CZ低確状態中のゲームにおいて、主人公キャラクタの服の配色を維持するか変更するかの確率、および第2CZ高確状態中のゲームにおいて、炎画像の配色を維持するか変更するかの確率を示している。
【0380】
まず、図22(a)および図22(b)は、第2CZ低確状態中のゲームにおいて、主人公キャラクタの服の配色を維持するか、あるいは変更するかの確率を示している。
【0381】
図22(a)に示すように、通常遊技状態における第2CZ低確状態中のゲームにおいて、主人公キャラクタの服が青色を示すキャラクタA画像(例えば、図19のキャラクタA画像30a)が表示されている際に、そのときの確率状態AがCZ低確状態である場合には、95%の確率でキャラクタA画像を維持することが決定され、5%の確率で服が黄色を示すキャラクタB画像(例えば、図19のキャラクタB画像30b)に変更することが決定される。
同様に、そのときの確率状態AがCZ高確状態である場合には、60%の確率でキャラクタA画像を維持することが決定され、40%の確率でキャラクタB画像に変更することが決定される。
【0382】
また、図22(b)に示すように、通常遊技状態における第2CZ低確状態中のゲームにおいて、キャラクタB画像が表示されている際に、そのときの確率状態AがCZ低確状態である場合には、30%の確率でキャラクタB画像を維持することが決定され、70%の確率でキャラクタA画像に変更することが決定される。
同様に、そのときの確率状態AがCZ高確状態である場合には、90%の確率でキャラクタB画像を維持することが決定され、10%の確率でキャラクタA画像に変更することが決定される。
【0383】
以上のような確率で、第2CZ低確状態中のゲームにおいて、主人公キャラクタの服の配色を維持するか、あるいは変更するかが決定されるので、主人公キャラクタの服の色が青色であった場合には、そのときの確率状態AがCZ低確状態である可能性が高まり、主人公キャラクタの服の色が黄色であった場合には、そのときの確率状態AがCZ高確状態である可能性が高まるのである。
すなわち、第2CZ低確状態中においては、主人公キャラクタの服の色により確率状態AがCZ低確状態であるかCZ高確状態あるかが示唆されることとなるのである。
【0384】
次に、図22(c)および図22(d)は、第2CZ高確状態中のゲームにおいて、炎画像の配色を維持するか変更するかの確率を示している。
【0385】
図22(c)に示すように、通常遊技状態における第2CZ高確状態中のゲームにおいて、炎画像の配色がオレンジ色を示す炎A画像(例えば、図21の大炎A画像32a)が表示されている際に、そのときの確率状態AがCZ低確状態である場合には、100%の確率で炎A画像を維持することが決定され、0%の確率で配色が青色を示す炎B画像(例えば、図21の大炎B画像32d)に変更することが決定される。
同様に、そのときの確率状態AがCZ高確状態、すなわちCZ重複高確状態である場合には、0%の確率で炎A画像を維持することが決定され、100%の確率で炎B画像に変更することが決定される。
【0386】
また、図22(d)に示すように、通常遊技状態における第2CZ高確状態中のゲームにおいて、炎B画像が表示されている際に、そのときの確率状態AがCZ低確状態である場合には、0%の確率で炎B画像を維持することが決定され、100%の確率で炎A画像に変更することが決定される。
同様に、そのときの確率状態AがCZ高確状態、すなわちCZ重複高確状態である場合には、100%の確率で炎B画像を維持することが決定され、0%の確率で炎A画像に変更することが決定される。
【0387】
以上のような確率で、通常遊技状態における第2CZ高確状態中のゲームにおいて、炎画像の配色を維持するか、あるいは変更するかが決定されるので、炎画像がオレンジ色であった場合には、そのときの確率状態AがCZ低確状態であることが確定し、炎画像が青色であった場合には、そのときの確率状態AがCZ高確状態であることが確定することとなる。
【0388】
すなわち、第2CZ高確状態中においては、第2CZ低確状態中における主人公キャラクタの服の配色の選択確率とは異なる確率で炎画像の配色が選択されることとなり、その結果、炎画像の配色により確率状態AがCZ低確状態であるかCZ高確状態あるかが確定的に報知されることとなるのである。
なお、図示は省略するが、第2CZ高確状態中においては、主人公キャラクタの服が赤色を示す画像(例えば、図20のキャラクタC画像30c)に必ず(100%の確率で)変更されることとなる。
【0389】
以上のように、副制御装置20により主人公キャラクタの画像および炎画像の表示制御が行われることから、第2CZ低確状態中における主人公キャラクタの服の配色(黄色)では、確率状態AがCZ高確状態であることを100%の確率で報知は行われないが、第2CZ高確状態中における炎画像の配色(青色)では、確率状態AがCZ高確状態であることを100%の確率で報知が行われるのである。
これにより、第2CZ低確状態中においては、主人公キャラクタの服の色により確率状態AがCZ低確状態であるかCZ高確状態あるかが示唆されるのに対して、第2CZ高確状態中においては、炎画像の配色により確率状態AがCZ低確状態であるかCZ高確状態あるかが確定的に報知されるのである。
【0390】
すなわち、副制御装置20は、特定第1遊技状態に制御されているか否かに応じて、高確率第1遊技状態(CZ高確状態)に制御されていることを異なる確率で報知可能な状態報知制御手段を備えるのである。
したがって、確率状態Bの状態に応じて、確率状態Aの状態に関わる報知態様が種々変化してメリハリのある報知態様を形成でき、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
【0391】
また、第2CZ低確状態中においては、確率状態AがCZ低確状態であるかCZ高確状態あるかが示唆されることから、遊技者は、確率状態Aの状態を予測しつつ楽しみながら遊技を行うことが可能となるのである。
一方、第2CZ高確状態中においては、遊技者の期待感が高まることとなるが、確率状態Aに関わる状態を正確に報知することで、遊技者の期待感をより効果的に高めることが可能となるのである。特に、CZ重複高確状態における遊技者の期待感を極めて向上させることが可能となるのである。
なお、主人公キャラクタの画像および炎画像の変更および維持確率は、上記した傾向が形成できるものであれば上記以外でもよい。
以上のように、第2実施形態の遊技機におけるCZ状態に関わる各種演出が実行される。
【0392】
以上、第2実施形態のスロットマシン1について説明したが、第2実施形態においては、所定数のゲームの実行毎に、確率状態Bに関わる状態変化を行うようにしているが、確率状態Bに関わる状態変化を、所定の役の抽選に基づき実行するようにしてもよい。
また、第2CZ高確状態へ移行する周期は、有利区間に移行した時点から繰り返すようにしているが、CZ状態、疑似ボーナス状態、AT状態が発生した場合には、各遊技状態が終了した時点から繰り返しを開始するようにしてもよい。
【0393】
また、第2CZ高確状態の上乗せゲーム数が有るにもかかわらず、第2CZ高確状態の移行前にCZ状態に当選した場合には、当該上乗せゲーム数を当該CZ状態終了後のゲームに持ち越してもよいし、クリアしてもよい。また、そのCZ状態中に疑似ボーナス状態に当選した場合には、残っている上乗せゲーム数に基づき特典を付与してもよい。例えば、疑似ボーナス状態の初期ゲーム数に所定ゲーム数を上乗せてもよい。
また、第2CZ状態中に疑似ボーナス状態に当選した場合には、第1CZ状態中に疑似ボーナス状態に当選した場合よりも、有利度の高い疑似ボーナス状態を発生させるようにしてもよい。
以上のように、第2実施形態のスロットマシン1が構成される。
【0394】
<第3実施形態>
次に、本発明に係る遊技機の第3実施形態について、図23図31を参照して説明する。
【0395】
第3実施形態の遊技機(スロットマシン1)においては、ゲームの進行に関わる制御の一部、および演出内容の一部が前述した第1実施形態の遊技機とは異なっているのみであり、その他に関しては第1実施形態と同様となっている。
したがって、本第3実施形態においては、第1実施形態とは異なっている点のみを説明し、その他の点は前述の第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
【0396】
[第3実施形態の遊技機におけるフリーズ遊技]
まず、図23図25を参照して、第3実施形態のスロットマシン1におけるフリーズ遊技について説明する。
本第3実施形態のスロットマシン1においては、主制御装置10の制御により、所定のゲームにおいてフリーズ遊技を実行可能としている。
フリーズ遊技は、所定のゲームが実行されている間に、ゲームの進行を一時的に禁止(停止)するもので、遊技者の操作によるリール4の停止やゲーム自体の終了を不能にする遊技として設定されている。
そして、フリーズ遊技の間に、役の抽選結果、あるいは特典(疑似ボーナス状態、AT状態)の抽選結果に関わる演出を実行可能とするのである。
【0397】
したがって、ゲームの実行中にフリーズ遊技が実行された場合には、スタートレバー3が操作されてゲームが開始された後であっても、遊技者が停止ボタン5を操作してもリール4の停止制御が無効とされて、その間のゲームの進行が禁止された状態となるのである。
【0398】
また、副制御装置20では、主制御装置10からのフリーズ遊技に関わる制御情報の受信により、メイン表示器8、サブ表示器17、スピーカ9、およびランプ11を制御することによりフリーズ遊技に対応したフリーズ演出を実行するのである。
特に、本第3実施形態においては、詳細は後述するが、メイン表示器8でのフリーズ演出を実行する場合には、そのときの役の抽選結果とは異なる役を報知する演出を実行可能としている。
【0399】
また、本第3実施形態のスロットマシン1においても、前述の第1実施形態と同様に、副制御装置20は、ゲームの実行中に役の抽選結果に基づく当選演出を実行可能としていて、当選演出の実行により当選した役が報知されることとなる。
すなわち、副制御装置20は、抽選手段(主制御装置10)の抽選結果に基づいて、所定の報知を実行させる制御を実行可能な報知制御手段を備えるのである。
【0400】
まず、図23を参照して、所定のゲームにおいてフリーズ遊技が実行された各種状態遷移について説明する。
図23は、所定のゲームにおいてフリーズ遊技が実行された場合の、停止ボタン5からの入力の受付状態、リール4の回転状態、メイン表示器8での演出内容の遷移を示している。
なお、本第3実施形態においては、レア役に当選した場合の一部のゲームにおいてフリーズ遊技を実行するようにしている。
【0401】
図23に示すように、遊技者によるスタートレバー3の操作(スタート操作)により、ゲームが開始されると(タイミングt10)、リール4の回転(正回転)が開始されることとなる。
また、スタート操作から所定時間(ウエイト時間も含む)が経過すると、回転開始されたリール4が定常回転に移行することとなるが、本来ならばリール4の定常回転への移行時点で、停止ボタン5の入力が有効化されて、リール4を停止することが可能となる。
【0402】
しかしながら、当該ゲームの開始時点での役の抽選結果が、例えば、強チェリー役であり、さらに、当該ゲームでフリーズ遊技を実行することが決定された場合には、図示するように、停止ボタン5の入力が有効化されずに、無効な状態が継続されて、フリーズ遊技が実行されることとなる。
なお、詳細は後述するが、フリーズ遊技は予め決定されたフリーズ時間が経過するまで継続して実行され、フリーズ時間が経過した時点で本遊技に移行することとなる(タイミングt11)。
【0403】
したがって、ゲームが開始した時点からフリーズ時間が経過するまでの間(タイミングt10~t11)は、遊技者の操作によるゲームの進行が禁止されたフリーズ遊技が実行されるのである。
すなわち、ゲーム制御手段としての主制御装置10は、所定のゲームの実行中において、所定期間当該ゲームの進行が禁止されたフリーズ遊技を実行可能なフリーズ遊技制御手段を備えるのである。
【0404】
また、ゲームの実行により強チェリー役に当選した場合には、第1実施形態で示したように当選演出が実行される場合があるが、本来ならば、この当選演出では、強チェリー役の当選に対応して、チェリー役を報知(あるいは強チェリー役を報知)する演出が実行されることとなるが、フリーズ遊技が実行された場合には、当該フリーズ遊技中においてはメイン表示器8において、強チェリー役とは異なる役を報知(フェイク報知)するフリーズ演出が実行されることとなる。
また、フリーズ遊技が実行された場合には、停止ボタン5の内部の発光色が有効を示す色(青)に変更されないこと以外は、通常の当選演出が実行された場合と同様にフリーズ演出が行われ、さらに、フリーズ遊技中はリール4の回転態様も通常のゲームと同様に行われることとなる。
【0405】
したがって、遊技者は、フリーズ演出を通常の当選演出が実行されたと認識することとなり、フリーズ遊技中にフェイク報知された役を狙った停止操作を行うこととなるが、フリーズ遊技中は停止ボタン5の入力が無効化されているので、停止操作を行ってもリール4の停止は行われず、リール4の回転が継続されることとなる。
【0406】
なお、図23では、強チェリー役とは異なる役として、スイカ役を報知する場合を示しているが、詳細は後述するが、フリーズ演出中の報知態様は、副制御装置20の制御により複数の報知態様のうちから何れかが選択されることとなる。
また、フリーズ遊技中においては、スピーカ9から所定の効果音が出力されるとともに、ランプ11が所定の態様で発光されることとなる。
【0407】
次に、フリーズ遊技の開始からの経過時間がフリーズ時間に到達すると、フリーズ遊技が終了して本遊技(通常のゲーム)に移行することとなり、その時点(タイミングt11)で停止ボタン5の入力が有効化されて、リール4を停止することが可能となる。
また、本遊技が開始されると、それまで実行されていたスイカ役の報知(フェイク報知)が終了し、強チェリー役の当選に対応した当選演出が開始されて、メイン表示器8において、チェリー役(あるいは強チェリー役)を報知する当選演出が実行されることとなる。
【0408】
したがって、遊技者は、本遊技中に報知された役を確認して対応する役を狙った停止操作が可能となり、各停止ボタン5の操作が行われた時点(タイミングt12)で全てのリール4が停止(強チェリー役に対応する図柄組合せが停止)して役の入賞判定が行われ、当選した役を入賞させるための適正な停止操作が全て行えた場合には、当選した役(強チェリー役)の入賞が確定することとなる。
【0409】
以上のように、第3実施形態のスロットマシン1においては、役の抽選結果に基づく当選演出が実行されるゲームにおいてフリーズ遊技を実行する場合に、フリーズ遊技中においては当選した役とは異なる役を報知するフェイク報知が実行されるのである。
すなわち、報知制御手段としての副制御装置20は、ゲームにおいて抽選手段(主制御装置10)での抽選結果に対応する報知を実行させる場合に、フリーズ遊技が実行される場合には、フリーズ遊技の実行中においては、抽選手段での抽選結果とは異なる特定報知(フェイク報知)を実行させることが可能な特定報知制御手段を備えるのである。
【0410】
したがって、フリーズ遊技およびその間のフェイク報知の実行により、遊技をより多彩化して興趣性を向上させることが可能となるのである。
また、通常のゲームが実行されていると認識している遊技者に対して、停止ボタン5を操作した時点でフリーズ遊技であることを認識させることができ、遊技者に対して驚きを与えるような興趣の高い遊技を実行することが可能となるのである。
【0411】
なお、主制御装置10では、レア役に当選したゲームにおいて、フリーズ遊技を実行するようにしているが、レア役に当選したゲーム全てでフリーズ遊技を実行してもよいし、レア役に当選したゲームの所定確率(例えば、50%)でフリーズ遊技を実行してもよい。
また、フリーズ遊技の実行契機となるレア役は、弱スイカ役、強スイカ役、チャンス役、弱チェリー役、強チェリー役のうちの全てでもよいし、一部でもよい。
また、特典(CZ状態、疑似ボーナス状態、AT状態)の当選契機役に設定されたレア役に当選したゲームの全て、あるいは一部でフリーズ遊技を実行してもよい。
【0412】
また、レア役に当選した場合に、特典付与の有無に応じてフリーズ遊技を決定するか否かを決定するようにしてもよく、例えば、強チェリー役に当選した際に、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選した場合には、所定の確率(例えば、60%)でフリーズ遊技を実行し、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選しなかった場合には、それよりも低い確率(例えば、40%)でフリーズ遊技を実行するようにしてもよい。
また、当選したレア役の種類に応じてフリーズ遊技の実行確率を変更するようにしてもよいし、レア役以外でもフリーズ遊技を実行するようにしてもよい。
なお、スイカ役やチェリー役の報知態様は、当選した役を遊技者が認識できるものであれば何れでもよく、弱スイカ役(あるいは弱チェリー役)と強スイカ役(あるいは強チェリー役)を識別可能な報知を行うようにしてもよい。
【0413】
次に、図24を参照して、フリーズ遊技の実行時間について説明する。
まず、本第3実施形態においても、前述の第1実施形態と同様に、強チェリー役の当選に基づき疑似ボーナス状態の移行抽選を行い、当該移行抽選に当選した場合には、遊技状態を疑似ボーナス状態に移行するようにしている。
すなわち、主制御装置10は、抽選手段の抽選結果に基づき、遊技者にとって有利な特別遊技状態(疑似ボーナス状態)を発生させるか否かを決定可能な特別遊技状態発生決定手段を備えるのである。
【0414】
そして、強チェリー役に当選したゲームにおいては、疑似ボーナス状態の移行抽選の他に、フリーズ遊技を実行するか否かの抽選も行われ、この抽選の結果、フリーズ遊技が実行された場合には、所定期間ゲームの進行が停止されることとなるが、本第3実施形態の主制御装置10では、このフリーズ遊技が実行される所定期間としてのフリーズ時間を、そのときの疑似ボーナス状態の移行抽選の結果に応じて変更可能としている。
したがって、フリーズ遊技が実行された場合には、そのときの疑似ボーナス状態の移行抽選の結果に応じて、フリーズ遊技の継続時間が変化することとなるのである。
【0415】
図24は、強チェリー役の当選時のゲームにおいて、フリーズ遊技を実行することが決定された場合のフリーズ時間の選択確率を示している。
なお、本第3実施形態においては、フリーズ時間として、5秒と10秒の何れかで実行可能としていて、主制御装置10では、強チェリー役の当選時に所定の乱数を抽出することでフリーズ時間の選択抽選を行うようにしている。
【0416】
図24に示すように、強チェリー役の当選時に疑似ボーナス状態の移行抽選に非当選であった場合には、80%の確率でフリーズ時間が5秒に決定され、20%の確率でフリーズ時間が10秒に決定されるようなフリーズ時間の選択抽選が行われる。
また、強チェリー役の当選時に疑似ボーナス状態の移行抽選に当選であった場合には、50%の確率でフリーズ時間が5秒に決定され、50%の確率でフリーズ時間が10秒に決定されるようなフリーズ時間の選択抽選が行われる。
【0417】
上記選択抽選により決定されたフリーズ時間によりフリーズ遊技が継続して、その間はゲームの進行が禁止されて、フリーズ演出が実行されることとなるのである。
【0418】
以上のように、本第3実施形態のスロットマシン1においては、フリーズ遊技におけるフリーズ時間として、5秒あるいは10秒が設けられていて、疑似ボーナス状態の移行抽選の結果に基づきフリーズ時間を選択するのである。
すなわち、フリーズ遊技制御手段としての主制御装置10は、フリーズ遊技の実行時間を複数の実行時間のうちから選択して、当該選択された実行時間により当該フリーズ遊技を実行可能とし、特別遊技状態発生決定手段(主制御装置10)の決定結果に基づき、フリーズ遊技の実行時間の選択を実行可能とするのである。
【0419】
したがって、フリーズ時間の異なる複数態様のフリーズ遊技が実行可能となり、より多彩で興趣性の高いフリーズ遊技を実行することが可能となるのである。
また、疑似ボーナス状態の移行抽選の当否に応じて、フリーズ遊技の実行時間が変化することとなるので、フリーズ遊技の実行時間により遊技者の期待感を変化させるような興趣性の高い遊技を実行することが可能となるのである。
また、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選した場合には、当選しなかった場合よりも、長いフリーズ時間が選択される確率が高まるのである。
したがって、フリーズ遊技が長く継続した場合には、疑似ボーナス状態の移行に対する遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0420】
なお、フリーズ時間は上記以外でもよく、また、3種類以上のフリーズ時間を設けるようにしてもよい。
また、強チェリー役に当選したゲームにおける所定の確率(例えば、50%)で、フリーズ遊技を実行するようにしているが、強チェリー役に当選したゲームにおいて必ずフリーズ遊技を実行するようにしてもよい。
【0421】
また、強チェリー役に当選した際に、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選しなかった場合には、第1の確率(例えば、40%)でフリーズ遊技を実行し、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選した場合には、第1の確率よりも高い第2の確率(例えば、60%)でフリーズ遊技を実行するようにしてもよい。
【0422】
また、強チェリー役以外の役に当選したゲームにおいてフリーズ遊技を実行可能としてもよく、例えば、強スイカ役に当選したゲームにおいてフリーズ遊技を実行するようにしてもよい。
また、強スイカ役に当選したゲームにおいてフリーズ遊技を実行する場合に、上記同様に、強スイカ役の当選時に行われるCZ状態の移行抽選結果に基づき、フリーズ時間を決定するようにしてもよい。
【0423】
次に、図25を参照して、フリーズ遊技中の報知態様について説明する。
前述したように、所定のゲームにおいてフリーズ遊技が実行された場合には、副制御装置20の制御によりフリーズ演出が実行されて、メイン表示器8において、そのときに当選した役とは異なるフェイク報知が行われることとなるが、本第3実施形態においては、このフェイク報知を実行する場合に、そのときのフリーズ時間に応じてフェイク報知の態様を変更可能としている。
【0424】
すなわち、フェイク報知は、複数の報知態様が設定されていて、フリーズ遊技が実行される場合には、そのときのフリーズ時間に応じてフェイク報知を複数の報知態様のうちから何れかを選択して実行することで、フェイク報知の態様を変更可能とするのである。
【0425】
図25は、強チェリー役に当選に基づきフリーズ遊技の実行、およびフリーズ時間が決定された場合のフリーズ遊技における報知態様の選択確率を示している。
なお、本第3実施形態においては、フリーズ遊技中の報知態様として、「スイカ役」、「チャンス役」、「スイカ役→チャンス役」の3種類が設定されていて、副制御装置20では、フリーズ時間の決定時に所定の乱数を抽出することで報知態様の選択抽選を行うようにしている。
【0426】
なお、表中の「スイカ役」はスイカ役の報知、「チャンス役」はチャンス役の報知を示していて、「スイカ役→チャンス役」は、フリーズ遊技中に報知する役が、スイカ役からチャンス役に変更されるパターンを示している。
すなわち、本第3実施形態においては、フリーズ遊技中にまずはスイカ役を報知し、所定時間(例えば、5秒)経過後に報知対象を変更してチャンス役を報知する報知態様も設定されているのである。
【0427】
図25に示すように、フリーズ遊技のフリーズ時間が5秒であった場合には、80%の確率で「スイカ役」が決定され、20%の確率で「チャンス役」が決定され、0%の確率で「スイカ役→チャンス役」が決定されるような報知態様の選択抽選が行われる。
また、フリーズ遊技のフリーズ時間が10秒であった場合には、30%の確率で「スイカ役」が決定され、60%の確率で「チャンス役」が決定され、10%の確率で「スイカ役→チャンス役」が決定されるような報知態様の選択抽選が行われる。
上記選択抽選により決定された報知態様によりフリーズ演出が実行されることとなるのである。
【0428】
以上のように、本第3実施形態のスロットマシン1においては、フリーズ遊技中のフェイク報知における報知態様として、「スイカ役」、「チャンス役」、あるいは「スイカ役→チャンス役」が設けられていて、疑似ボーナス状態の移行抽選の結果に基づき報知態様を選択するのである。
すなわち、特定報知制御手段としての副制御装置20は、複数の報知態様のうちから何れかの報知態様を選択して特定報知(フェイク報知)を実行させることを可能とし、特別遊技状態発生決定手段(主制御装置10)の決定結果に基づき、特定報知(フェイク報知)における報知態様の選択を実行可能とするのである。
【0429】
したがって、フェイク報知が種々変化することとなり、より多彩で興趣性の高いフリーズ遊技を実行することが可能となるのである。
また、疑似ボーナス状態の移行抽選の当否に応じて、フェイク報知が変化することとなるので、フェイク報知の種類により遊技者の期待感を変化させるような興趣性の高い遊技を実行することが可能となるのである。
【0430】
また、フリーズ時間が10秒である場合には、5秒である場合よりも、「スイカ役」以外(「チャンス役」あるいは「スイカ役→チャンス役」)を選択する確率が高まるのである。
前述したように、フリーズ時間が10秒である場合には、5秒である場合よりも疑似ボーナス状態の移行抽選に当選している確率が高まるので、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選している確率が高い場合には「スイカ役」以外を選択する確率が高まるのである。
したがって、「スイカ役」以外が選択された場合には、疑似ボーナス状態の移行に対する遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0431】
さらに、フリーズ時間が10秒である場合には、5秒である場合には選択されない「スイカ役→チャンス役」を選択する可能性が生ずるのである。
すなわち、特定報知制御手段としての副制御装置20は、特定報知(フェイク報知)における報知態様として、所定の報知態様から異なる報知態様に切り替わる報知態様を選択可能とするのである。
したがって、フェイク報知が途中から変化するような興趣性の高い演出が実行可能となるとともに、「スイカ役→チャンス役」が選択された場合には、疑似ボーナス状態の移行に対する遊技者の期待感をより向上させることが可能となるのである。
【0432】
なお、フェイク報知は、対象とする役を遊技者が認識できるものであれば何れでもよく、各役に対応するアイテム画像や、各役に対応する配色が施された画像、各役に対応する文字情報等を表示するものでもよい。
また、フリーズ遊技におけるフリーズ時間に基づきフェイク報知の選択制御を行うようにしているが、疑似ボーナス状態の当選の有無に基づきフェイク報知の選択制御を行うようにしてもよい。
また、各フェイク報知の選択確率は上記以外でもよい。
【0433】
また、フェイク報知の選択制御を副制御装置20で実行するようにしているが、主制御装置10により選択制御を実行し、その選択結果を特定する制御情報を副制御装置20に送信することで、フェイク報知を実行するようにしてもよい。
以上のように、第3実施形態の遊技機におけるフリーズ遊技が実行される。
【0434】
[第3実施形態の遊技機におけるフリーズ遊技中の演出画像]
次に、図26を参照して、第3実施形態のスロットマシン1におけるフリーズ遊技中の演出画像について説明する。
本第3実施形態のスロットマシン1においては、主制御装置10からの制御情報の受信に基づく副制御装置20の制御により、フリーズ遊技中においてフリーズ演出を実行可能としている。
【0435】
例えば、所定の演出画像をメイン表示器8に表示することで、フリーズ演出を実行するようにしている。
なお、上記主制御装置10から送信される制御情報は、少なくともフリーズ遊技の実行を指示する情報、フリーズ時間を特定する情報、そのときの当選役を特定する情報が含まれていて、副制御装置20でフリーズ演出を実行可能とするものであれば何れでもよい。
【0436】
図26は、強チェリー役に当選してフリーズ遊技が実行された場合のフリーズ演出であって、フリーズ時間が5秒に決定(図24参照)され、フェイク報知の態様が「スイカ役」に決定(図25参照)された場合のメイン表示器8での演出画像を示している。
したがって、フェイク報知の態様として「スイカ役」以外が選択された場合には、図示するものとは異なるフェイク報知が行われることとなる。
【0437】
まず、図26(a)に示すように、フリーズ遊技が実行されるゲームが開始されると、当該ゲームの進行が禁止されるとともにフリーズ演出が開始されて、メイン表示器8の画面主要部に、フェイク報知としてスイカ役に対応する「スイカを狙え!」の文字情報からなるフェイク報知画像40aが表示される。
すなわち、このときのゲームにおける役の抽選結果は強チェリー役であるので、通常のゲームでは、強チェリー役(あるいはチェリー役)の当選を報知する当選演出が実行されるが、フリーズ演出が実行された場合には、強チェリー役とは異なるスイカ役(弱スイカ役あるいは強スイカ役)に対応するフェイク報知が行われることとなるのである。
【0438】
ただし、フェイク報知中の役の報知態様は、通常のゲームでスイカ役(弱スイカ役あるいは強スイカ役)に当選した場合の当選演出中の役の報知態様とほぼ同様に行われることから、遊技者はゲーム開始時には、フリーズ演出が行われていることを認識し辛いので、通常のゲームと同様に、スイカ役を狙ったリール4の停止操作を行うこととなる。
なお、フリーズ遊技中は、停止ボタン5が無効状態の報知発光を行っていることのみが当選演出中とは異なっている。
【0439】
しかしながら、当該期間中はゲームの進行が禁止されて、停止ボタン5の入力が無効となっているので、スイカ役を狙ったリール4の停止操作を行っても、リール4は停止せずにそのまま継続して回転することとなる。
したがって、リール4を停止操作した時点で、遊技者はフリーズ遊技が実行されていることに気付くことになるのである。
【0440】
なお、フェイク報知が行われる期間は、ゲームが開始されてからフリーズ遊技が実行されている間であれば何れでもよく、スタート操作が行われた時点からフリーズ遊技が終了するまでの間(図23のタイミングt10~t11)にフェイク報知を行うようにしてもよいし、ウエイト時間が経過した時点(リール4の回転開始時点)からフリーズ遊技が終了するまでの間にフェイク報知を行うようにしてもよい。
また、フェイク報知画像40aとして、スイカ役に対応する演出画像を表示するようにしているが、弱スイカ役と強スイカ役に対応する演出画像を設けて、何れかを選択的に表示するようにしてもよい。
また、図示は省略するが、フリーズ演出中はフェイク報知画像40aの他に、所定の装飾画像が表示されることとなる。
【0441】
そして、図26(b)に示すように、フリーズ遊技におけるフリーズ時間(5秒)が経過した時点で、フリーズ遊技の終了とともにフリーズ演出(フェイク報知)が終了して、本遊技の開始により当選演出が実行されて、当該ゲームでの役の当選に対応した役の報知が開始されることとなる。
図26(b)では、強チェリー役に当選したゲームであるので、メイン表示器8の画面主要部に、当選役の報知として強チェリー役に対応する「チェリーを狙え!」の文字情報からなる当選役報知画像40bが表示される。
なお、当選役報知画像40bとして、チェリー役に対応する演出画像を表示するようにしているが、弱チェリー役と強チェリー役に対応する演出画像を設けて、当選した役に応じて何れかを選択的に表示するようにしてもよい。
【0442】
また、フリーズ遊技から本遊技への切り替え時には、図示するように、当選役報知画像40bの表示の開始とともに、それまで表示されていたフェイク報知画像40aが画面外に、はね除けられるような動画が表示されて、フリーズ遊技の終了が報知されることとなる。
【0443】
そして、本遊技への移行により停止ボタン5の入力が有効化されて、ゲームの進行が可能となり、当選役報知画像40bを確認した遊技者は、そのゲームで当選した役を認識して、当選した役を狙ったリール4の停止操作を行うこととなるのである。
【0444】
なお、図示は省略するが、フェイク報知の報知態様として「スイカ役→チャンス役」が選択された場合には、フェイク報知画像40aが表示された後所定時間(5秒)が経過した時点で、チャンス役に対応するフェイク報知画像に切り替えられ、さらに所定時間(5秒)が経過した時点で、上記同様に当選役報知画像40bに切り替えられることとなる。
この場合、フェイク報知画像40aからチャンス役に対応するフェイク報知画像に切り替えられるときに、本遊技への移行時と同様の演出が行われることから、チャンス役に対応するフェイク報知画像の表示により、遊技者は再び当該ゲームにおいてチャンス役に当選したものと認識してリール4の停止操作を行うこととなる。
【0445】
以上のように、所定のゲームにおいてフリーズ遊技が実行された場合には、メイン表示器8においてフリーズ演出が実行されて、当該ゲームでの役の抽選結果とは異なるフェイク報知(特定報知)が実行されるのである。
したがって、遊技状態の移行に関わるゲームが実行された場合に、報知される役が変化する、というような意外性のある演出が実行されて遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
【0446】
また、フリーズ遊技中は、遊技の進行が禁止されているので、演出のキャンセル等が不能となり十分な時間をかけて演出を実行することが可能となるのである。
また、通常のゲームと同様に停止操作を行っている遊技者は、停止操作の無効によりその時点でフリーズ遊技の実行を認識することとなるので、遊技者に対して一定の驚きを与えられるような斬新かつ興趣性の高い遊技を実行することが可能となるのである。
【0447】
なお、フリーズ演出をメイン表示器8において表示するようにしているが、サブ表示器17で表示するようにしてもよい。
また、フリーズ遊技中に、メイン表示器8にフェイク報知が行われているときに、サブ表示器17に「チェリーを狙え!」の画像を表示することで、報知態様が変換される可能性があることを事前に報知する演出(待機演出)を実行するようにしてもよい。
この場合、フリーズ遊技ではない通常のゲームの一部で、上記同様の画像(フェイク表示)をサブ表示器17に表示することが好ましく、このようにすれば、通常のゲームにおいても遊技者の期待感を高めることが可能となる。
以上のように、第3実施形態の遊技機におけるフリーズ遊技中の演出画像が表示される。
【0448】
〔第3実施形態の変形例1〕
次に、図27を参照して、本第3実施形態の変形例1について説明する。
本第3実施形態の変形例1においては、フリーズ遊技中のフリーズ演出の一部のみが、前述した第3実施形態のスロットマシン1と異なっていて、その他については前述のスロットマシン1と同様であるので、異なる点のみ説明する。
【0449】
前述の第3実施形態では、フリーズ遊技中に遊技者が無効化された停止ボタン5を操作した場合に、フリーズ演出(フェイク報知)は変化させないようにしていたが、本第3実施形態の変形例1においては、フリーズ遊技中における停止ボタン5の操作に基づき、フリーズ演出(フェイク報知)を変化させるようにしている。
【0450】
図27は、前述同様に、強チェリー役に当選してフリーズ遊技が実行された場合のフリーズ演出であって、フリーズ時間が5秒に決定され、フェイク報知の態様が「スイカ役」に決定された場合のメイン表示器8での演出画像を示している。
したがって、フェイク報知の態様として「スイカ役」以外が選択された場合には、図示するものとは異なるフェイク報知が行われることとなる。
【0451】
まず、図27(a)に示すように、フリーズ遊技が実行されるゲームが開始されると、前述同様に、当該ゲームの進行が禁止されるとともにフリーズ演出が開始されて、メイン表示器8の画面主要部に、フェイク報知としてスイカ役に対応する「スイカを狙え!」の文字情報からなるフェイク報知画像40aが表示されて、当選した役とは異なる役の報知が行われる。
【0452】
そして、フリーズ遊技開始から所定時間(例えば、4秒)が経過する前に、遊技者がスイカ役を狙って停止ボタン5を操作すると、図27(b)に示すように、フェイク報知画像40aが消去されるとともに、メイン表示器8の画面主要部に、報知態様が変換されることを事前に報知する「変換!」の文字情報からなる変換画像40cが代わりに表示される。
すなわち、主制御装置10では、停止ボタン5からの入力を受け付けて、リール4の停止に対しては無効とするが、演出制御に対しては有効として、当該入力があったことを特定する制御情報を副制御装置20に送信することで、変換画像40cを表示させるのである。
【0453】
この変換画像40cの表示により、停止ボタン5を操作した遊技者は、その時点で現時点の状態がフリーズ遊技中であることに気付くこととなり、それまで表示されていたフェイク報知画像40aから当選した役を報知する画像に、その後変換されることを認識することとなる。
この変換画像40cは、フリーズ遊技が終了するまで継続して表示される。
【0454】
そして、フリーズ遊技の終了により本遊技が開始されると、図27(c)に示すように、変換画像40cが消去されるとともに、当選役の報知として強チェリー役に対応する「チェリーを狙え!」の文字情報からなる当選役報知画像40bがメイン表示器8の画面主要部に表示される。
【0455】
一方、フェイク報知画像40aが表示されている状態において、フリーズ遊技開始(ゲーム開始)から所定時間(例えば、4秒)が経過した後に遊技者が停止ボタン5を操作した場合には、変換画像40cは表示されずに、その後フリーズ時間が経過した場合には、フェイク報知画像40aから当選役報知画像40bへの画像の切り替えが行われることとなる(図27(a)→(c))。
そして、以降は前述同様に、本遊技中の演出が行われることとなる。
【0456】
すなわち、フリーズ遊技開始(ゲーム開始)から所定時間(例えば、4秒)以内に停止ボタン5が操作された場合には、変換画像40cが表示されることとなるが、所定時間(例えば、4秒)経過してから、フリーズ時間(例えば、5秒)に到達するまでの期間(1秒間)に停止ボタン5が操作された場合には、変換画像40cが表示されないのである。
【0457】
これは、フリーズ遊技の終了間際に停止ボタン5が操作された場合に、変換画像40cを表示してしまうと、一瞬だけ変換画像40cが表示されて直ぐに当選役報知画像40bへの切り替えが行われてしまうこととなり、このような遊技者にとって見辛い演出が実行されてしまうことを防止するためである。
したがって、所定時間(例えば、4秒)経過してから、フリーズ時間(例えば、5秒)に到達するまでの期間(1秒間)に停止ボタン5が操作されても、変換画像40cは表示されず、フェイク報知画像40aがそのまま表示され、その後フリーズ時間が経過した場合には、自動的に当選役報知画像40bが切り替え表示されることとなるのである。
【0458】
以上のように、第3実施形態の変形例1においては、フリーズ遊技中に遊技者が停止ボタン5を操作したことを契機に、フェイク報知を終了するとともに報知態様が変換されることを事前に報知する変換画像40cを表示するのである。
すなわち、特定報知制御手段としての副制御装置20は、操作手段(停止ボタン5)の操作に基づき、特定報知(フェイク報知)を終了させることを可能とするのである。
【0459】
したがって、フリーズ遊技中であることを認識していない遊技者は、停止ボタン5を操作した時点でフリーズ遊技中であることに気付くこととなり、意外性のある遊技を実現することが可能となるのである。
しかも、停止ボタン5を操作した時点で、報知態様が変換されることを事前に報知する変換画像40cが表示されるので、それまで表示されていた画像が本来の当選役を報知するものではないことをより明確に認識させることが可能となり、リール4の不停止により違和感を覚えた遊技者に対して、その時点の状態がフリーズ遊技中であることを確実に認識させることが可能となるのである。
【0460】
また、フリーズ遊技中に遊技者が停止ボタン5を操作しなかった場合でも、フリーズ遊技が終了した時点で、自動的に当選役報知画像40bに切り替わるので、遊技者が停止ボタン5を操作しなかった場合でも、何ら問題なくフェイク報知を終了して当選役の報知を行うことが可能となるのである。
【0461】
また、フリーズ遊技開始(ゲーム開始)から所定時間(例えば、4秒)が経過した後に遊技者が停止ボタン5を操作した場合には、変換画像40cは表示されずに、フェイク報知画像40aがそのまま表示されることとなる
すなわち、特定報知制御手段としての副制御装置20は、ゲームの開始から所定時間を超えているときに、操作手段(停止ボタン5)の操作が行われた場合には、特定報知(フェイク報知)の終了を禁止可能とするのである。
【0462】
したがって、フリーズ遊技の終了間際に停止ボタン5が操作されることにより、一瞬だけ変換画像40cが表示されて直ぐに当選役報知画像40bへの切り替えが行われてしまう、というような遊技者にとって見辛い演出が実行されてしまうことを防止することが可能となるのである。
【0463】
なお、図示は省略するが、フリーズ遊技中に報知態様が変更される場合(図25の「スイカ役→チャンス役」を選択した場合)には、フリーズ遊技中に最初に遊技者が停止ボタン5を操作した時点で、スイカ役を報知する画像からチャンス役を報知する画像に変更し、次に遊技者が停止ボタン5を操作した時点で、チャンス役を報知する画像から変換画像40cに変更すればよい。
以上のように、第3実施形態の変形例1のスロットマシン1が実現される。
【0464】
〔第3実施形態の変形例2〕
次に、図28を参照して、本第3実施形態の変形例2について説明する。
本第3実施形態の変形例2においては、フリーズ遊技中のフリーズ演出の一部のみが、前述した第3実施形態のスロットマシン1と異なっていて、その他については前述のスロットマシン1と同様であるので、異なる点のみ説明する。
【0465】
前述の第3実施形態では、フリーズ遊技中のフリーズ演出において、自動的に報知態様を切り替えるようにしていたが、本第3実施形態の変形例2においては、フリーズ演出中にボタン演出を実行することにより、遊技者の操作に基づき報知態様を切り替えるようにしている。
【0466】
操作演出としてのボタン演出は、前述の第1実施形態と同様に実行され、先ず、メイン表示器8(あるいはサブ表示器17)に演出操作手段としての演出ボタン2d(あるいは上部演出ボタン2f)の操作を促す操作ボタンを模した画像や、操作を指示する文字情報(例えば、「PUSH」)等からなる操作画像を表示し、その後、指示された演出ボタン2d(あるいは上部演出ボタン2f)が操作された場合に、所定の画像をメイン表示器8(あるいはサブ表示器17)に表示する一連の演出である。
すなわち、フリーズ演出中の各種演出画像を、時間経過を契機に表示するのではなく、遊技者による操作を契機に表示するのである。
【0467】
図28は、前述同様に、強チェリー役に当選してフリーズ遊技が実行された場合のフリーズ演出であって、フリーズ時間が5秒に決定され、フェイク報知の態様が「スイカ役」に決定された場合のメイン表示器8での演出画像を示している。
したがって、フェイク報知の態様として「スイカ役」以外が選択された場合には、図示するものとは異なるフェイク報知が行われることとなる。
【0468】
まず、図28(a)に示すように、フリーズ遊技が実行されるゲームが開始されると、当該ゲームの進行が禁止されるとともにメイン表示器8の画面主要部に、操作を指示する「PUSH」の文字情報を含んで演出ボタン2dを模した操作画像40dが表示されてボタン演出が実行される。
この操作画像40dの表示により、演出ボタン2dが有効化(内部LEDが有効状態を示す色に発光)されるとともに、遊技者に対して演出ボタン2dの操作が促されることとなる。
【0469】
そして、遊技者により演出ボタン2dが操作されると、図28(b)に示すように、操作画像40dが消去されて、代わりにメイン表示器8の画面主要部に、フェイク報知としてスイカ役に対応する「スイカを狙え!」の文字情報からなるフェイク報知画像40aが表示されて、当選した役とは異なる役の報知が行われる。
【0470】
そして、フリーズ遊技におけるフリーズ時間が経過すると、図27(c)に示すように、フェイク報知画像40aが消去されるとともに、再度メイン表示器8の画面主要部に、操作画像40dが表示されて2回目のボタン演出が実行される。
【0471】
そして、遊技者により演出ボタン2dが再度操作されると、図28(d)に示すように、変換画像40cが消去されるとともに、当選役の報知として強チェリー役に対応する「チェリーを狙え!」の文字情報からなる当選役報知画像40bがメイン表示器8の画面主要部に表示される。
そして、以降は前述同様に、本遊技中の演出が行われることとなる。
【0472】
なお、最初のボタン演出が実行された際に、遊技者が演出ボタン2dを操作しなかった場合には、ゲーム終了までフェイク報知画像40aおよび当選役報知画像40bは表示されず、最初のボタン演出の実行時に演出ボタン2dが操作され、その後の2回目のボタン演出時に遊技者が演出ボタン2dを操作しなかった場合には、フェイク報知画像40aが表示されたままゲーム終了まで当選役報知画像40bは表示されないこととなる。
【0473】
以上のように、第3実施形態の変形例2においては、フリーズ遊技中にボタン演出が実行され、遊技者が演出ボタン2dを操作したことを契機に、フェイク報知画像40aを表示するのである。
すなわち、特定報知制御手段としての副制御装置20は、演出操作手段(例えば、演出ボタン2d)の操作に基づき、特定報知(フェイク報知)を開始させることを可能とするのである。
したがって、遊技者自らの操作によりフェイク報知が実行されることとなり、フリーズ演出の興趣性を向上させることが可能となるのである。
【0474】
また、フリーズ遊技中にボタン演出が2回実行され、2回目の遊技者による演出ボタン2dの操作により、当選役報知画像40bが表示されることとなる。
したがって、複数回遊技者が演出ボタン2dを操作する機会が生じて、遊技者自らの操作により種々演出画像が変化することとなり、フリーズ演出の興趣性をより向上させることが可能となるのである。
【0475】
なお、図示は省略するが、フリーズ遊技中に報知態様が変更される場合(図25の「スイカ役→チャンス役」を選択した場合)には、フリーズ遊技の開始時にボタン演出を実行して、最初に遊技者が演出ボタン2dを操作した時点で、スイカ役を報知する画像を表示し、その後所定時間(5秒)経過した時点で2回目のボタン演出を実行し、遊技者が2回目の演出ボタン2dを操作した時点で、チャンス役を報知する画像を表示し、さらに所定時間(5秒)経過した時点で3回目のボタン演出を実行し、遊技者が3回目の演出ボタン2dを操作した時点で、当選役報知画像40bを表示すればよい。
また、フリーズ演出中に、上部演出ボタン2fの操作を対象とするボタン演出を実行するようにしてもよい。
以上のように、第3実施形態の変形例2のスロットマシン1が実現される。
【0476】
〔第3実施形態の変形例3〕
次に、図29図31を参照して、本第3実施形態の変形例3について説明する。
本第3実施形態の変形例3においては、フリーズ遊技中のリールの制御が、前述した第3実施形態のスロットマシン1と異なっていて、その他については前述のスロットマシン1と同様であるので、異なる点のみ説明する。
【0477】
前述した第3実施形態のスロットマシン1においては、フリーズ遊技が実行された場合に、停止ボタン5が操作された場合でも、リール4の停止は行われずに回転は継続して行われていたが、本第3実施形態の変形例3においては、フリーズ遊技中のリール4を疑似停止可能な疑似遊技を実行可能としている。
【0478】
疑似遊技とは、1回のゲームにおいて複数回のゲーム結果(疑似ゲーム結果)が導出されるようなゲーム中の実行態様を示していて、主制御装置10では、所定のゲームにおいて疑似遊技を実行可能としている。
具体的には、主制御装置10は、通常のゲームでは、スタートレバー3の操作によりリール4が回転して、停止ボタン5の操作により回転しているリール4を停止させることで1回のゲーム結果を導出するようにしているが、疑似遊技が実行されるゲームでは、通常のゲームと同様に最終的なゲーム結果が導出される前においてリール4を疑似停止させることで、ゲーム途中においても疑似的にゲーム結果(疑似ゲーム結果)を導出するようにしている。
つまり、疑似遊技が実行される場合には、1回のゲームを実行する分のメダルの消費(ベット入力)で複数回のゲーム結果(疑似ゲーム結果を含む)が導出されることとなるのである。
【0479】
また、上記疑似遊技には、遊技者の操作を要する操作疑似遊技と、遊技者の操作を要しない報知疑似遊技とがある。
報知疑似遊技は、前述したように、例えば、疑似ボーナス状態の最初のゲーム中に実行され、自動的にリール4が疑似停止する疑似遊技であって、疑似ボーナス状態の開始等を報知する疑似遊技である。
【0480】
一方、操作疑似遊技は、最初のスタートレバー3の操作によりリール4を回転させ、ゲーム途中における停止ボタン5の操作により回転しているリール4を疑似停止(仮停止)させて疑似ゲーム結果を導出することで実行される。疑似ゲーム結果が導出された後は、再度のスタートレバー3の操作によりリール4を再回転させ、通常のゲームと同様の本遊技が実行される。
【0481】
また、操作疑似遊技には、ゲーム途中における遊技者の複数回の操作毎にリール4を疑似停止させることで複数回の疑似ゲーム結果を導出することも可能となっている。
そして、操作疑似遊技の終了後には、通常のゲームと同様に遊技者による最終的な停止ボタン5の操作により回転しているリール4を停止(本停止)させる最終的なゲーム結果を導出するようにしている。
【0482】
したがって、最初のスタートレバー3の操作からリール4が本停止するまでを1回のゲームとして、その間にリール4の疑似停止が行われることで、1回のゲーム(1ゲーム分のベット数の設定)において複数回のゲーム結果が導出されることとなる。
ただし、操作疑似遊技の結果により役の入賞に対応する図柄組合せが停止した場合(疑似入賞した場合)でも、通常のゲームのようなメダルの払い出しは行われない。
【0483】
そして、本第3実施形態の変形例3においては、フリーズ遊技中に操作疑似遊技を実行可能としていて、フリーズ遊技中に遊技者による停止ボタン5の操作に基づき、リール4を1回もしくは2回疑似停止可能としている。
【0484】
すなわち、ゲーム制御手段としての主制御装置10は、複数のリール(リール4a~4c)により形成される図柄組合せを、ゲームの終了に基づき導出させる第1ゲーム(本遊技)を実行可能な第1ゲーム制御手段と、フリーズ遊技中において、複数のリールにより形成される図柄組合せを、第1ゲームでの図柄組合せの導出の他に導出させる第2ゲーム(操作疑似遊技)を実行可能な第2ゲーム制御手段と、を備えるのである。
したがって、フリーズ遊技中はゲームの進行が禁止されているが、リール4を疑似停止するための停止ボタン5の入力は有効とされ、ゲームの進行が禁止されている間において、停止ボタン5の操作によるリール4の疑似停止を伴う操作疑似遊技が実行されるのである。
【0485】
また、本第3実施形態の変形例3においては、主制御装置10において、フリーズ遊技の実行が決定された場合に、フリーズ遊技中に操作疑似遊技の実行回数およびフリーズ時間を決定するようにしている。
具体的には、強チェリー役に当選してフリーズ遊技の実行が決定された場合に、疑似ボーナス状態に当選した場合には、40%で操作疑似遊技を1回実行することを決定するとともにフリーズ時間を10秒に決定し、60%の確率で操作疑似遊技を2回実行するとともにフリーズ時間を20秒に決定し、強チェリー役に当選してフリーズ遊技の実行が決定された場合に、疑似ボーナス状態に当選しなかった場合には、60%で操作疑似遊技を1回実行することを決定するとともにフリーズ時間を10秒に決定し、40%の確率で操作疑似遊技を2回実行するとともにフリーズ時間を20秒に決定するようにしている。
したがって、操作疑似遊技の実行回数が多い方が、疑似ボーナス状態に当選している確率が高まるのである。
【0486】
また、本第3実施形態の変形例3においては、前述の第3実施形態とは異なり、主制御装置10によりフェイク報知における報知態様の選択制御を実行するようにしている。
そして、主制御装置10は、フェイク報知における報知態様の選択制御の結果を特定する制御情報を副制御装置20に送信することで、メイン表示器8においてフェイク報知を実行するようにしている。
【0487】
また、主制御装置10は、操作疑似遊技を1回実行することを決定した場合には、フェイク報知における報知態様として、「スイカ役」、「チャンス役」のうちの何れかが決定されることとなる。
このとき、疑似ボーナス状態に当選していた場合には、当選していない場合よりも「チャンス役」を選択する確率を高めるようにすることが好ましい。
また、詳細は後述するが、操作疑似遊技を2回実行することを決定した場合には、「スイカ役→スイカ役」、「スイカ役→チャンス役」、「チャンス役→スイカ役」、「チャンス役→チャンス役」のうちの何れかが決定されることとなる。
【0488】
そして、主制御装置10では、この決定されたフェイク報知の報知態様に対応して、操作疑似遊技における疑似停止結果を導出可能なリール4の停止制御を行うようにしている。
例えば、図示するように、フェイク報知として「スイカ役」が決定された場合には、操作疑似遊技中における遊技者による停止ボタン5の操作に基づき、スイカ役に対応する図柄組合せを疑似停止可能な停止制御が行われるのである。
なお、このときの図柄組合せは、弱スイカ役でもよいし強スイカ役でもよく、また、疑似ボーナス状態の当選に基づき弱スイカ役と強スイカ役の何れかを選択的に決定するようにしてもよい。
【0489】
まず、図29を参照して、所定のゲームにおいてフリーズ遊技中に操作疑似遊技が1回実行された各種状態遷移について説明する。
図29は、所定のゲームにおいてフリーズ遊技中に操作疑似遊技が1回実行された場合の、停止ボタン5からの入力の受付状態、リール4の回転状態、メイン表示器8での演出内容の遷移を示している。
なお、本第3実施形態の変形例3においては、前述同様に、レア役に当選した場合の一部のゲームにおいてフリーズ遊技を実行するようにしている。
また、図29は、強チェリー役に当選してフリーズ遊技が実行された場合に、フェイク報知の態様が「スイカ役」に決定された場合を示している。
【0490】
図29に示すように、遊技者によるスタートレバー3の操作(スタート操作)により、ゲームが開始されると(タイミングt13)、リール4の回転(正回転)が開始されることとなる。
このとき、強チェリー役の当選によりフリーズ遊技の実行が決定された場合には、ゲームの開始からフリーズ時間が経過するまでは、ゲームの進行が禁止されたフリーズ遊技が実行されることとなる。
【0491】
そして、本第3実施形態の変形例3においては、このフリーズ遊技中に第2ゲームとしての操作疑似遊技を実行されて、リール4を疑似停止可能となる。
ただし、停止ボタン5の操作はリール4を疑似停止するためには有効となるが、リール4を本停止させるためには無効となっていて、ゲームの進行は禁止されたままとなる。
【0492】
また、フリーズ遊技が実行された場合には、前述同様に、当該フリーズ遊技中においてはメイン表示器8において、強チェリー役とは異なる役を報知(フェイク報知)するフリーズ演出が実行されることとなり、スイカ役の報知が行われる。
【0493】
したがって、図示するように、操作疑似遊技(フリーズ遊技)中に、フェイク報知としてスイカ役の報知が行われ、その報知を確認した遊技者により、スイカ役に対応する図柄を狙った操作が行われると(タイミングt14)、スイカ役(弱スイカ役あるいは強スイカ役)に対応する図柄組合せが疑似停止されることとなる。
また、リール4の疑似停止によりスイカ役のフェイク報知は終了される。
【0494】
なお、操作疑似遊技中においても通常のリール4の引き込み停止制御が行われて、適切なタイミングで停止操作が行われなかった場合には、所定の取りこぼし図柄組合せが疑似停止することとなるが、操作疑似遊技中においては引き込み停止制御を無視して必ずスイカ役(弱スイカ役あるいは強スイカ役)に対応する図柄組合せを疑似停止させるようにしてもよい。
また、疑似停止したリール4を、疑似停止した各図柄が有効ライン上を超えない範囲で所定の周期により上下動させるようにしてもよい。
また、操作疑似遊技中に遊技者が停止ボタン5を操作しなかった場合には、フリーズ遊技の終了によりリール4の疑似停止が行われずに本遊技に移行することとなる。
【0495】
そして、リール4が疑似停止した後に、遊技者によるスタートレバー3の操作が行われると(タイミングt15)、リール4の回転が再び開始されて第1ゲームとしての本遊技が開始されることとなる。
ただし、スタートレバー3の操作によりリール4の回転が再開されても、停止ボタン5の有効化はフリーズ遊技が終了するまで行われず、フリーズ遊技におけるフリーズ時間が経過した時点で停止ボタン5の操作が有効化されて本遊技が開始されることとなる。
なお、スタートレバー3の操作によりリール4の回転が再開された時点で停止ボタン5を有効化してもよい。
【0496】
そして、本遊技中における遊技者による停止ボタン5の操作に基づき、リール4が停止(本停止)して(タイミングt16)、当選した役に対応した図柄組合せが停止することとなる。
【0497】
なお、フリーズ遊技は、フリーズ時間の経過により終了するような時間管理で制御されているが、操作疑似遊技中に遊技者が停止ボタン5を操作して各リール4を疑似停止するまで、フリーズ遊技を終了しないようにしてもよい。
したがって、この場合は、操作疑似遊技中の停止ボタン5の操作により疑似ゲーム結果が導出されたことに基づき、フリーズ遊技が終了して本遊技に移行することとなる。
【0498】
次に、図30を参照して、所定のゲームにおいてフリーズ遊技中に操作疑似遊技が2回実行された各種状態遷移について説明する。
図30は、所定のゲームにおいてフリーズ遊技中に操作疑似遊技が2回実行された場合の、停止ボタン5からの入力の受付状態、リール4の回転状態、メイン表示器8での演出内容の遷移を示している。
【0499】
また、図30は、強チェリー役に当選してフリーズ遊技が実行された場合に、フェイク報知の態様が「スイカ役→チャンス役」に決定された場合を示している。
すなわち、主制御装置10において、操作疑似遊技を2回実行することが決定されて、フェイク報知における報知態様として、1回目の操作疑似遊技のフェイク報知が「スイカ役」で、2回目の操作疑似遊技のフェイク報知が「チャンス役」の場合を示している。
【0500】
図30に示すように、遊技者によるスタートレバー3の操作(スタート操作)により、ゲームが開始されると(タイミングt17)、リール4の回転(正回転)が開始されることとなる。
このとき、強チェリー役の当選によりフリーズ遊技の実行が決定された場合には、ゲームの開始からフリーズ時間が経過するまでは、ゲームの進行が禁止されたフリーズ遊技が実行されることとなる。
【0501】
そして、本第3実施形態の変形例3においては、このフリーズ遊技中に第2ゲームとしての1回目の操作疑似遊技を実行されて、リール4を疑似停止可能となる。
ただし、停止ボタン5の操作はリール4を疑似停止するためには有効となるが、リール4を本停止させるためには無効となっていて、ゲームの進行は禁止されたままとなる。
【0502】
また、フェイク報知として「スイカ役→チャンス役」が決定された場合には、1回目の操作疑似遊技中における遊技者による停止ボタン5の操作に基づき、スイカ役に対応する図柄組合せを疑似停止可能な停止制御が行われる。
また、1回目の操作疑似遊技が実行された場合には、メイン表示器8において、強チェリー役とは異なる役を報知(フェイク報知)するフリーズ演出が実行されることとなり、スイカ役の報知が行われる。
【0503】
したがって、1回目の操作疑似遊技(フリーズ遊技)中に、フェイク報知としてスイカ役の報知が行われ、その報知を確認した遊技者により、スイカ役に対応する図柄を狙った操作が行われると(タイミングt18)、スイカ役(弱スイカ役あるいは強スイカ役)に対応する図柄組合せが疑似停止されることとなる。
また、リール4の疑似停止によりスイカ役のフェイク報知は終了される。
【0504】
そして、1回目のリール4の疑似停止が行われた後に、遊技者によるスタートレバー3の操作が行われると(タイミングt19)、リール4の回転が再び開始されて、第2ゲームとしての2回目の操作疑似遊技が実行されることとなる。
なお、このときのリール4の回転開始時期は、スタートレバー3が操作された時点でもよいし、スタートレバー3が操作され、かつゲーム開始からの時間が所定時間経過した時点でもよい。
【0505】
そして、2回目の操作疑似遊技におけるフェイク報知として「チャンス役」が決定された場合には、遊技者による停止ボタン5の操作に基づき、チャンス役に対応する図柄組合せを疑似停止可能な停止制御が行われる。
また、2回目の操作疑似遊技が実行された場合には、メイン表示器8において、強チェリー役とは異なる役を報知(フェイク報知)するフリーズ演出が実行されることとなり、チャンス役の報知が行われる。
【0506】
したがって、2回目の操作疑似遊技(フリーズ遊技)中に、フェイク報知としてチャンス役の報知が行われ、その報知を確認した遊技者により、チャンス役に対応する図柄を狙った操作が行われると(タイミングt20)、チャンス役に対応する図柄組合せが疑似停止されることとなる。
また、リール4の疑似停止によりチャンス役のフェイク報知は終了される。
【0507】
そして、2回目のリール4の疑似停止が行われた後に、遊技者によるスタートレバー3の操作が行われると(タイミングt21)、リール4の回転が再び開始されて第1ゲームとしての本遊技が開始されることとなる。
ただし、スタートレバー3の操作によりリール4の回転が再開されても、停止ボタン5の有効化はフリーズ遊技が終了するまで行われず、フリーズ遊技におけるフリーズ時間が経過した時点で停止ボタン5の操作が有効化されて本遊技が開始されることとなる。
なお、スタートレバー3の操作によりリール4の回転が再開された時点で停止ボタン5を有効化してもよい。
【0508】
そして、本遊技中における遊技者による停止ボタン5の操作に基づき、リール4が停止(本停止)して(タイミングt22)、当選した役に対応した図柄組合せが停止することとなる。
なお、1回目の操作疑似遊技には操作有効時間が予め設定されていて、1回目の操作疑似遊技における操作有効時間中に遊技者が停止ボタン5を操作しなかった場合には、自動的に2回目の操作疑似遊技に移行(フェイク報知も変更)することとなる。また、2回目の操作疑似遊技中に遊技者が停止ボタン5を操作しなかった場合には、フリーズ遊技の終了により自動的に本遊技に移行(フェイク報知も終了)することとなる。
【0509】
以上のように、第3実施形態の変形例3においては、フリーズ遊技中に操作疑似遊技が実行されて、フリーズ遊技においてフェイク報知された役に対応した図柄組合せが疑似停止可能となるようにリール4の停止制御が行われるのである。
すなわち、第2ゲーム制御手段としての主制御装置10は、特定報知(フェイク報知)に対応した図柄組合せをリール4に導出可能とするのである。
【0510】
したがって、当選した役とは異なる役が報知されるばかりではなく、リール4上においてもフェイク報知に対応する図柄組合せが導出されることとなり、遊技者の期待感を向上させるとともに遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
また、遊技者自らの操作によりリール4が疑似停止することとなるので、フリーズ遊技中においてよりリアルな遊技を実行することが可能となり、遊技者の期待感をさらに向上させることが可能となるのである。
【0511】
また、フリーズ遊技中に複数回の操作疑似遊技が実行された場合には、1のゲームにおいて複数回の操作疑似遊技が実行されることとなるのである。
すなわち、第2ゲーム制御手段としての主制御装置10は、1のゲームにおいて、第2ゲーム(操作疑似遊技)を複数回実行可能とするのである。
したがって、1のゲームにおいて遊技者は複数回のゲームを楽しめることとなり、遊技者の期待感や遊技の興趣性を極めて向上させることが可能となるのである。
【0512】
なお、フリーズ遊技中に操作疑似遊技を3回以上実行するようにしてもよい。
また、フリーズ遊技は、フリーズ時間の経過により終了するような時間管理で制御されているが、操作疑似遊技中に遊技者が停止ボタン5を操作して各リール4を2回疑似停止するまで、フリーズ遊技を終了しないようにしてもよい。
したがって、この場合は、操作疑似遊技中の停止ボタン5の操作により2回の疑似ゲーム結果が導出されたことに基づき、フリーズ遊技が終了して本遊技に移行することとなる。
【0513】
次に、図31を参照して、フリーズ遊技中に操作疑似遊技が2回実行される場合の、各操作疑似遊技におけるフェイク報知の報知態様の選択確率について説明する。
本第3実施形態の変形例3においては、前述したように、フリーズ遊技中に操作疑似遊技を2回実行することを決定した場合には、主制御装置10の制御により、フェイク報知における報知態様を「スイカ役→スイカ役」、「スイカ役→チャンス役」、「チャンス役→スイカ役」、「チャンス役→チャンス役」のうちの何れかが決定されることとなる。
【0514】
そして、例えば、「スイカ役→チャンス役」が決定された場合には、1回目の操作疑似遊技において、スイカ役のフェイク報知がメイン表示器8で実行されるとともに、リール4にスイカ役(弱スイカ役あるいは強スイカ役)に対応する図柄組合せを疑似停止可能な停止制御が行われ、2回目の操作疑似遊技において、チャンス役のフェイク報知がメイン表示器8で実行されるとともに、リール4にチャンス役に対応する図柄組合せを疑似停止可能な停止制御が行われることとなる。
なお、「スイカ役→スイカ役」「チャンス役→チャンス役」は、1回目と2回目の操作疑似遊技で同一の役を対象とするフェイク報知およびリール4の疑似停止制御が行われることを示している。
【0515】
図31は、強チェリー役に当選に基づきフリーズ遊技中の操作疑似遊技を2回実行することが決定された場合の各フリーズ遊技における報知態様の選択確率を示している。
なお、本第3実施形態の変形例3においては、各フリーズ遊技における報知態様を主制御装置10で決定するようにしていて、主制御装置10では、フリーズ遊技の決定時に所定の乱数を抽出することで報知態様の選択抽選を行うようにしている。
【0516】
図31に示すように、疑似ボーナス状態に非当選であった場合には、70%の確率で「スイカ役→スイカ役」が決定され、20%の確率で「スイカ役→チャンス役」が決定され、10%の確率で「チャンス役→スイカ役」が決定され、0%の確率で「チャンス役→チャンス役」が決定されるような報知態様の選択抽選が行われる。
また、疑似ボーナス状態に当選であった場合には、40%の確率で「スイカ役→スイカ役」が決定され、30%の確率で「スイカ役→チャンス役」が決定され、20%の確率で「チャンス役→スイカ役」が決定され、10%の確率で「チャンス役→チャンス役」が決定されるような報知態様の選択抽選が行われる。
上記選択抽選により決定された報知態様により各操作疑似遊技におけるフリーズ演出が実行されることとなるのである。
【0517】
以上のように、本第3実施形態の変形例3においては、フリーズ遊技中に操作疑似遊技が2回実行される場合には、各操作疑似遊技でのフェイク報知における報知態様として、「スイカ役→スイカ役」、「スイカ役→チャンス役」、「チャンス役→スイカ役」、「チャンス役→チャンス役」が設けられていて、疑似ボーナス状態の移行抽選の結果に基づき報知態様が選択されるのである。
したがって、疑似停止の対象役が種々変化することとなり、より多彩で興趣性の高いフリーズ遊技を実行することが可能となるのである。
【0518】
また、疑似ボーナス状態の当選の有無に応じて、各操作疑似遊技でのフェイク報知における報知態様が変化することとなるので、フェイク報知および疑似停止する図柄組合せにより遊技者の期待感を変化させることが可能となるのである。
特に、「チャンス役→チャンス役」は疑似ボーナス状態の非当選時には選択されないので、このパターンが選択された場合には、必ず疑似ボーナス状態の移行することとなり、遊技者の期待感を極めて向上させることが可能となるのである。
【0519】
なお、各パターンを選択する確率は上記以外でもよく、また、フェイク報知の対象役は上記以外でもよい。
【0520】
以上、第3実施形態のスロットマシン1について説明したが、フリーズ遊技は、通常遊技状態中以外に、疑似ボーナス状態、AT状態中に行うようにしてもよく、疑似ボーナス状態中には、AT状態の移行抽選の有無に応じて実行し、AT状態中には、上乗せ抽選の当否に応じて実行するようにしてもよい。
【0521】
また、フリーズ遊技中に操作疑似遊技を実行する回数は、3回以上にしてもよい。
また、リミッタ到達前のエンディング期間中には、フリーズ遊技を禁止するようにしてもよい。
また、フリーズ遊技中の報知態様(操作疑似遊技での疑似停止する図柄組合せ)と、本遊技中の報知態様とが一致した場合に、疑似ボーナス状態の当選確定としてもよい。すなわち、両者の遊技のパターンが一致するか否かを楽しめるものとしてもよい。
また、疑似ボーナス状態に当選となっている場合に、操作疑似遊技で特別図柄組合せ(7図柄等)を疑似停止可能としてもよい。
また、フリーズ遊技中に操作疑似遊技を実行するようにしているが、遊技者による操作無しでリール4が停止する報知疑似遊技を実行するようにしてもよい。
以上のように、第3実施形態のスロットマシン1が構成される。
【0522】
<第4実施形態>
次に、本発明に係る遊技機の第4実施形態について、図32図41を参照して説明する。
【0523】
第4実施形態の遊技機(スロットマシン1)においては、CZ状態に関わる制御および演出内容の一部が前述した第1実施形態の遊技機とは異なっているのみであり、その他に関しては第1実施形態と同様となっている。
したがって、本第4実施形態においては、第1実施形態とは異なっている点のみを説明し、その他の点は前述の第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
【0524】
[第4実施形態の遊技機におけるCZ状態]
まず、図32図33を参照して、第4実施形態のスロットマシン1におけるCZ状態について説明する。
本第4実施形態のスロットマシン1においては、前述の第1実施形態と同様に、主制御装置10は、通常遊技状態において、所定のレア役(例えば、強チェリー役)の当選に基づきCZ状態への移行抽選処理を行い、所定の確率(例えば、10%)で遊技状態をCZ状態に移行させるようにしている。
【0525】
そして、遊技状態がCZ状態に移行した場合には、疑似ボーナス状態の移行抽選が通常遊技状態中よりも遊技者にとって有利に実行されることとなる。
すなわち、主制御装置10は、所定条件の成立に基づき、特別遊技状態権利付与手段(主制御装置10)により特別権利(疑似ボーナス状態の移行権利)が付与される確率が高められた特定遊技状態(CZ状態)に制御可能な特定遊技状態制御手段を備えるのである。
また、CZ状態の移行前には前述同様に種々の演出が実行される。
【0526】
また、本第4実施形態においては、主制御装置10は、ゲームにおいて抽選する役として、特殊リプレイ役を設けるようにしている。
すなわち、役の抽選、疑似ボーナス状態(あるいはCZ状態やAT状態)の移行抽選等の特典の付与に関わる抽選を実行可能な抽選手段としての主制御装置10は、ゲームの実行に基づき特殊リプレイ役の抽選も実行するのである。
特殊リプレイ役は、チャンス役と同様にリプレイ役の一種として設定されている役で、当該役の入賞により再ゲームの権利が付与されるものとなる。
【0527】
また、特殊リプレイ役に当選したゲームにおいては、右リール4cを最初に停止させた場合(所謂逆押しあるいは変則押し等の特別操作によりリール4を停止させた場合)には、「7・7・7」の図柄組合せ(特別の図柄組合せ)が有効ライン上に停止し、それ以外のリール4を最初に停止させた場合には、通常のリプレイ役の入賞時と同様に「リプレイ・リプレイ・リプレイ」の図柄組合せが有効ライン上に停止するようにリール4の停止制御が行われる。
【0528】
すなわち、主制御装置10は、役の抽選結果が第1抽選結果(特殊リプレイ役の当選)となったゲームにおいて、遊技者による特別操作(逆押し)が行われた場合に、当該ゲームの結果として特別結果(「7・7・7」の図柄組合せ(特別の図柄組合せ))を導出可能とするゲーム結果導出手段を備えるのである。
したがって、左リール4aを最初に停止させるようにゲームを進行した場合には、特殊リプレイ役が入賞しても、遊技者はそのことに気付かないようになっている。
なお、特殊リプレイ役の当選確率は、比較的低い確率(例えば、10%)に設定することが好ましい。
【0529】
また、本第4実施形態においては、特殊リプレイ役およびチャンス役以外の通常のリプレイ役に当選した場合のリール4の停止制御も、前述の第1実施形態と異なっていて、右リール4cを最初に停止させた場合(特別操作が行われた場合)には、「リプレイ・7・7」の図柄組合せが有効ライン上に停止し、それ以外のリール4を最初に停止させた場合には、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」の図柄組合せが有効ライン上に停止するようにリール4の停止制御が行われる。
【0530】
そして、本第4実施形態においては、CZ状態中のゲームにおいて、主にレア役と特殊リプレイ役の当選時に疑似ボーナス状態の移行抽選を行うようにしている。
すなわち、抽選手段としての主制御装置10は、レア役や特殊リプレイ役の当選に基づき、特別遊技状態としての疑似ボーナス状態を発生させるための特別権利(疑似ボーナス状態の移行権利)を付与可能な特別遊技状態権利付与手段を備えるのである。
【0531】
まず、図32を参照して、CZ状態が発生した場合の遊技状態の遷移について説明する。
図32は、CZ状態中のゲームにおいて、特殊リプレイ役とレア役に当選したが、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選しなかった場合を示している。
【0532】
図32に示すように、遊技状態が通常遊技状態からCZ状態に移行すると(タイミングt30)、CZ状態中のゲームにおいては、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な疑似ボーナス状態の移行抽選が行われる。
そして、CZ状態中のゲームにおいて、特殊リプレイ役に当選した場合(タイミングt31)には、疑似ボーナス状態の移行抽選が行われることとなる。
図32では、疑似ボーナス状態の移行抽選に非当選であった場合を示しているので、疑似ボーナス状態の移行権利(特別権利)は付与されないこととなる。
【0533】
また、CZ状態中のゲームにおいて、レア役に当選した場合(タイミングt32)にも、疑似ボーナス状態の移行抽選が行われることとなるが、上記同様に、図32では、疑似ボーナス状態の移行抽選に非当選であった場合を示しているので、この場合にも疑似ボーナス状態の移行権利(特別権利)は付与されないこととなる。
【0534】
そして、CZ状態中に実行されたゲーム数が、規定ゲーム数(例えば、10ゲーム)に到達した場合(タイミングt33)には、その後のゲームにおいて、当該CZ状態の終了に関わる抽選が行われることとなる。
【0535】
本第4実施形態におけるCZ状態は、規定数(例えば、10回)のゲームが実行するまでは無条件(疑似ボーナス状態に移行した場合は除く)で継続するものとなっていて、規定数のゲームの実行後のゲームにおいて、疑似ボーナス状態の移行権利が付与されていない場合には、通常のリプレイ役の当選により終了するものとなっている。
したがって、規定数を超えたゲームにおいて、通常のリプレイ役に当選しない限りCZ状態は継続し、その間も有利度の高い疑似ボーナス状態の移行抽選が行われるのである。
【0536】
なお、詳細は後述するが、レア役当選時に疑似ボーナス状態の移行権利が付与された場合には、所定の前兆期間が設定されることから、この疑似ボーナス状態の移行権利が付与されている前兆期間中に規定ゲーム数を超えるゲームにおいては、通常のリプレイ役に当選しもCZ状態は終了しないこととなる。
【0537】
そして、図示するように、規定ゲーム数を超えたゲームにおいて通常のリプレイ役に当選した場合(タイミングt34)には、CZ状態の終了条件が成立して、次ゲームから遊技状態が通常遊技状態に移行することとなる。
なお、上記規定ゲーム数は、20ゲーム、30ゲーム等何れでもよい。
また、CZ状態中における押し順ベル役の当選時に押し順ナビを実行するようにしてもよいし、押し順ベル役の当選時において、疑似ボーナス状態やAT状態中よりも低い確率(例えば、60%)で押し順ナビを実行するようにしてもよい。
【0538】
次に、図33を参照して、CZ状態中における主制御装置10での疑似ボーナス状態の移行抽選について説明する。
図33は、CZ状態中の主制御装置10の制御において、疑似ボーナス状態の移行抽選契機役に当選した場合の疑似ボーナス状態の当選確率を示している。
なお、主制御装置10では、各移行抽選契機役の当選時に所定の乱数を抽出することで疑似ボーナス状態の移行抽選を行うようにしている。
【0539】
図33に示すように、CZ状態中のゲームにおいて特殊リプレイ役に当選した場合には、80%の確率で非当選となり、20%の確率で当選となるように疑似ボーナス状態の移行抽選が行われる。
また、CZ状態中のゲームにおいてレア役(強弱スイカ役、強弱チェリー役、チャンス役)に当選した場合には、60%の確率で非当選となり、40%の確率で当選となるように疑似ボーナス状態の移行抽選が行われる。
【0540】
そして、CZ状態中に特殊リプレイ役に当選して、疑似ボーナス状態の移行抽選にも当選した場合には、当該ゲームの次ゲームから遊技状態が疑似ボーナス状態に移行することとなる。
一方、詳細は後述するが、CZ状態中にレア役に当選して、疑似ボーナス状態の移行抽選にも当選した場合には、その後特殊リプレイ役に当選するまで前兆期間が設定され、この前兆期間中に特殊リプレイ役に当選した次ゲームから遊技状態が疑似ボーナス状態に移行することとなる。
【0541】
また、主制御装置10では、特殊リプレイ役の当選により疑似ボーナス状態に移行した場合には、30ゲーム継続する疑似ボーナス状態を発生させるようにしている。
一方、レア役の当選により疑似ボーナス状態に移行した場合には、詳細は後述するが、30ゲーム継続する疑似ボーナス状態と、50ゲーム継続する疑似ボーナス状態の何れかを選択的に発生させるようにしている。
【0542】
なお、本第4実施形態においては、CZ状態中のゲームにおいて、特殊リプレイ役およびレア役以外の役に当選した場合には、疑似ボーナス状態の移行抽選は行われないものとなっているが、特殊リプレイ役およびレア役以外の役に当選した場合にも疑似ボーナス状態の移行抽選を行うようにしてもよい。ただし、特殊リプレイ役およびレア役以外の役の当選時には、特殊リプレイ役およびレア役の当選時よりも疑似ボーナス状態の移行に当選する確率を低くすることが好ましい。
【0543】
また、CZ状態中のゲームにおける疑似ボーナス状態の移行抽選契機役は、上記したもの以外でもよいが、遊技者による逆押し操作が行われた場合に限り、特別の図柄組合せが停止する役が含まれることが好ましい。
また、各疑似ボーナス状態の移行抽選契機役に当選した場合の疑似ボーナス状態の当選確率は、通常遊技状態中よりもCZ状態中の方が疑似ボーナス状態に移行する確率が高まるものであれば上記以外でもよい。
以上のように、第4実施形態のスロットマシン1におけるCZ状態が実現される。
【0544】
[第4実施形態の遊技機におけるCZ状態中に特殊リプレイ役に当選した場合の制御]
次に、図34図36を参照して、本第4実施形態の遊技機(スロットマシン1)において、CZ状態中に特殊リプレイ役に当選し、疑似ボーナス状態に移行する場合の主制御装置10での制御、および副制御装置20での表示制御について説明する。
【0545】
まず、図34を参照して、CZ状態中に特殊リプレイ役に当選して、そのときの疑似ボーナス状態の移行抽選に当選した場合の遊技状態の遷移、およびメイン表示器8での表示内容(演出)について説明する。
図34に示すように、遊技状態が通常遊技状態からCZ状態に移行すると(タイミングt35)、CZ状態中のゲームにおいては、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利に疑似ボーナス状態の移行抽選が行われる。
【0546】
また、通常遊技状態中においては、通常遊技状態に対応する演出がメイン表示器8、サブ表示器17、ランプ11、スピーカ9により実行されるが、遊技状態がCZ状態に移行すると、CZ状態に対応する演出がメイン表示器8、サブ表示器17、ランプ11、スピーカ9により実行されることとなる。
【0547】
そして、CZ状態中のゲームにおいて、特殊リプレイ役に当選した場合(タイミングt36)には、疑似ボーナス状態の移行抽選が行われることとなる。
図34では、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選であった場合を示しているので、このとき疑似ボーナス状態の移行権利が付与されることとなる。
【0548】
また、特殊リプレイ役の当選時の疑似ボーナス状態の移行抽選に当選した場合には、当該ゲーム中に、特別操作(逆押し)でリール4を停止させて、特別の図柄組合せを停止させることを促す指示演出がメイン表示器8等で行われる。
前述したように、特殊リプレイ役に当選したゲームにおいて、特別操作(逆押し)でリール4の停止操作を行うと、特別の図柄組合せを停止可能となるので、このときの目押し操作が適正であれば、特別の図柄組合せ(「7・7・7」)が停止することとなる。
【0549】
そして、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選したゲームの次ゲームが開始されると(タイミングt37)、遊技状態がCZ状態から疑似ボーナス状態に移行されることとなる。
したがって、この場合には、CZ状態中のゲーム数が規定ゲーム数に到達(タイミングt38)する前に、当該CZ状態は終了して疑似ボーナス状態が開始されることとなる。
また、遊技状態が疑似ボーナス状態に移行すると、疑似ボーナス状態に対応する演出がメイン表示器8等により実行されることとなる。
【0550】
なお、特殊リプレイ役に当選したゲームにおいて、不適正な目押し操作が行われて、特別の図柄組合せ(「7・7・7」)が停止できなかった場合でも、疑似ボーナス状態の移行権利は付与されているので、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選したゲームの次ゲームの開始時(タイミングt37)に、疑似ボーナス状態に移行されることとなる。
【0551】
次に、図35を参照して、CZ状態中に特殊リプレイ役に当選して、その時の疑似ボーナス状態の移行抽選に当選した場合のメイン表示器8での演出画像について説明する。
なお、メイン表示器8での各種演出画像は、主制御装置10からの制御情報に基づく副制御装置20の制御により表示される。
【0552】
まず、図35(a)に示すように、遊技状態が通常遊技状態からCZ状態に移行すると(図34のタイミングt35)、CZ状態中においては、メイン表示器8の画面主要部にCZ状態中であることを遊技者が認識可能なCZ状態画像50aが表示される。
CZ状態画像50aは、遊技者がCZ状態であることを認識可能であれば何れでもよく、所定のキャラクタや背景等からなる停止画あるいは動画でもよい。
【0553】
また、メイン表示器8の画面右上部には、CZ状態中における規定ゲーム数に対する残りゲーム数を報知するCZ状態ゲーム数画像51が表示される。
CZ状態ゲーム数画像51は、数値情報を含む画像からなり、CZ状態中のゲームの進行に対応して減算更新されることとなる。
なお、規定ゲーム数を超えた場合には、CZ状態ゲーム数画像51を「?」等の記号情報に変更することが好ましい。
【0554】
そして、CZ状態中のゲームにおいて、特殊リプレイ役に当選した場合には、疑似ボーナス状態の移行抽選が行われ、この疑似ボーナス状態の移行抽選に当選した場合(図34のタイミングt36)には、疑似ボーナス状態の移行権利が付与されることとなる。
【0555】
例えば、図35(b)に示すように、CZ状態ゲーム数画像51が「8G」となったゲームにおいて、特殊リプレイ役に当選し、かつ疑似ボーナス状態の移行抽選に当選した場合には、疑似ボーナス状態の移行権利が付与されて、当該ゲームの実行中において指示演出が実行されることとなる。
そして、メイン表示器8の画面におけるCZ状態画像50aの下方部に、特別操作情報として、特別の図柄組合せ(「7・7・7」)の停止を促す「7を狙え」の文字情報からなる図柄指示画像52aと、リール4の停止順序(停止方向)を示す操作指示画像52bが左右方向に並んで表示される。
したがって、特殊リプレイ役に当選し、かつ疑似ボーナス状態の移行抽選に当選したゲームの実行中においては、特別操作(逆押し)での停止ボタン5の操作によりリール4を停止させて、特別の図柄組合せを停止させることを促す指示演出がメイン表示器8で行われるのである。
【0556】
そして、上記指示演出の通りに遊技者がリール4の停止操作を行うと、図35(c)に示すように、各リール4の有効ライン上に7図柄54aが並ぶ特別の図柄組合せが停止することとなる。
また、メイン表示器8の画面に表示された図柄指示画像52aおよび操作指示画像52bが消去されて、代わりに疑似ボーナス状態が発生することを報知する「ボーナス確定」の文字情報からなるボーナス確定画像52cが表示される。
【0557】
そして、図示は省略するが、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選したゲームの次ゲームが開始されると(図34のタイミングt37)、疑似ボーナス状態が開始されてメイン表示器8において疑似ボーナス状態中の演出が実行されることとなる。
【0558】
一方、図35(d)に示すように、CZ状態中のゲームにおいて、特殊リプレイ役に当選したが、そのときの疑似ボーナス状態の移行抽選に当選しなかった場合には、メイン表示器8の画面におけるCZ状態画像50aの下方部に、特別操作(逆押し)以外の押し順を示す押し順ナビ画像22が表示されることとなる。
例えば、図示するように、左リール4aを最初に停止させ、右リール4cを2番目に停止させ、中リール4bを3番目に停止させることを促す「1・3・2」の数値情報からなる押し順ナビ画像22が表示される。
【0559】
なお、このときの押し順ナビ画像22は、特別操作(逆押し)以外の押し順であれば何れでもよい。
また、通常遊技者は、左リール4aを最初に停止させてゲームを実行する場合も多いので、上記疑似ボーナス状態の移行抽選に当選しなかった場合には、押し順ナビ画像22を表示しない(すなわち、何ら指示情報を報知しない)ようにしてもよい。
【0560】
そして、前述したように、特殊リプレイ役の当選時に特別操作(逆押し)以外の押し順で停止ボタン5の操作が行われた場合には、通常のリプレイ役に対応する図柄組合せが停止することとなるので、図35(e)に示すように、各リール4における有効ライン上にリプレイ図柄54bが並ぶ通常のリプレイ役に対応する図柄組合せが停止することとなる。
【0561】
そして、CZ状態の終了条件が成立していない場合には、図示は省略するが、特殊リプレイ役に当選したゲームの次ゲームの開始により、CZ状態中の演出が継続して実行されることとなる。
なお、この場合に、押し順ナビ画像22を無視して、当該ゲームにおいて特別操作が行われることにより「7・7・7」の図柄組合せ(特別の図柄組合せ)が停止した場合でも、疑似ボーナス状態の移行権利は付与されていないので疑似ボーナス状態に移行することはない。
【0562】
以上のように、本第4実施形態のスロットマシン1においては、CZ状態中に特殊リプレイ役に当選したゲームにおいて、疑似ボーナス状態の移行権利が付与された場合には、メイン表示器8に図柄指示画像52aおよび操作指示画像52bが表示されて、「7・7・7」の図柄組合せ(特別の図柄組合せ)を停止させるための指示演出が実行されるのである。
すなわち、副制御装置20は、抽選手段(主制御装置10)の抽選結果が第1抽選結果(特殊リプレイ役の当選)となったゲームにおいて、特別遊技状態権利付与手段(主制御装置10)により特別権利(疑似ボーナス状態の移行権利)が付与された場合に、特別結果(「7・7・7」の図柄組合せ(特別の図柄組合せ))を導出させるための特別操作情報(図柄指示画像52a、操作指示画像52b)を報知させることが可能な報知制御手段を備えるのである。
【0563】
したがって、表示された図柄指示画像52aおよび操作指示画像52bに従って停止操作を行えば、疑似ボーナス状態の開始に際して、特別の図柄組合せが停止することとなるので、疑似ボーナス状態の開始を遊技者に確実に認識させることが可能となるのである。
また、特別の図柄組合せは、遊技者によるリール4に対する停止操作により停止することとなるので、所謂リアルボーナスと同等の進行態様で疑似ボーナス状態が発生することとなり、遊技者に対してより一層の喜びを与えることが可能となるのである。
【0564】
また、CZ状態中に特殊リプレイ役に当選したゲームにおいて、疑似ボーナス状態の移行権利が付与されなかった場合には、特別の図柄組合せが停止しないような押し順ナビ画像22が表示されるのである。
したがって、疑似ボーナス状態に非当選であるにもかかわらず特別の図柄組合せが停止してしまうことを防止でき、疑似ボーナス状態に非当選時において何ら違和感なくゲームを進行させることが可能となるのである。
【0565】
なお、CZ状態中に特殊リプレイ役に当選したゲームにおいて、疑似ボーナス状態の移行権利が付与された場合に、特別操作として逆押しにより特別の図柄組合せを停止可能としているが、その他の押し順により特別の図柄組合せを停止可能としてもよい。
【0566】
次に、図36を参照して、CZ状態中に通常のリプレイ役に当選した場合のメイン表示器8での演出画像について説明する。
前述したように、CZ状態中に特殊リプレイ役に当選したゲームにおいて、疑似ボーナス状態の移行権利が付与された場合には、メイン表示器8において特別の図柄組合せを停止させるための指示演出が実行されることとなるが、本第4実施形態のスロットマシン1においては、CZ状態中において規定ゲーム数以内のゲームにおいて、通常のリプレイ役に当選した場合の所定の確率(例えば、50%)で、上記同様の指示演出を実行するようにしている。
【0567】
したがって、この場合には、遊技者が指示通りに特別操作でリール4を停止しても、特別の図柄組合せは停止しないこととなるので、通常のリプレイ役に当選した場合の指示演出はフェイク指示演出となるのである。
なお、前述したように、本第4実施形態においては、通常のリプレイ役に当選したゲームで、特別操作が行われた場合には、リール4上に「リプレイ・7・7」の図柄組合せが停止することとなる。
【0568】
図36は、CZ状態中のゲームにおいて通常のリプレイ役に当選した際の所定の確率でフェイク指示演出が実行された場合のメイン表示器8での演出画像を示している。
なお、フェイク指示演出を実行する際には、CZ状態中のゲームにおいて通常のリプレイ役に当選時に主制御装置10がフェイク指示演出を実行するか否かの抽選を行い、この抽選の結果、フェイク指示演出を実行することが決定された場合には、主制御装置10からフェイク指示演出の実行を指示する制御情報を副制御装置20に送信し、当該制御情報の受信に基づき副制御装置20の制御によりメイン表示器8でフェイク指示演出が実行されることとなる。
そして、主制御装置10では、CZ状態中のゲームにおいて通常のリプレイ役に当選した際に、所定の乱数を抽出することでフェイク指示演出を実行するか否かの抽選を行い、所定の確率(例えば、50%)でフェイク指示演出を実行するようにしている。
【0569】
まず、図36(a)に示すように、CZ状態中の所定のゲーム(例えば、CZ状態ゲーム数画像51が「8G」のゲーム)において通常のリプレイ役に当選して、フェイク指示演出の実行が決定された場合には、特殊リプレイ役に当選した場合と同様に、メイン表示器8の画面におけるCZ状態画像50aの下方部に、特別操作情報として、特別の図柄組合せ(「7・7・7」)の停止を促す「7を狙え」の文字情報からなる図柄指示画像52aと、リール4の停止順序(停止方向)を示す操作指示画像52bが左右方向に並んで表示される。
【0570】
そして、上記フェイク指示演出の通りに遊技者がリール4の停止操作を行うと、図36(b)に示すように、有効ライン上の左リール4aにリプレイ図柄54b、中リール4bおよび右リール4cの各々に7図柄54aが並ぶ図柄組合せ(「リプレイ・7・7」)が停止することとなる。
すなわち、フェイク指示演出が実行された場合には、遊技者が適正に停止操作を行っても、特別の図柄組合せが停止せずに、特別の図柄組合せ以外の図柄組合せが停止することとなり、疑似ボーナス状態の移行権利が付与されなかったことが報知されるのである。
【0571】
ただし、中リール4bおよび右リール4cの各々には7図柄54aが停止することとなるので、特別操作(逆押し)の途中までは、特別の図柄組合せの一部が形成されることとなり、最後の左リール4aが停止するまで、遊技者は特別の図柄組合せが停止するか否かが認識できないこととなるのである。
そして、図示は省略するが、フェイク指示演出が実行されたゲームの次ゲームが開始されると、メイン表示器8においてCZ状態中の演出が継続して実行されることとなる。
【0572】
また、CZ状態中のゲームが規定ゲーム数を超えていた場合には、副制御装置20は、当該ゲームにおいて通常のリプレイ役に当選した際に、フェイク指示演出を必ず実行するようにしている。
前述したように、CZ状態は、規定ゲーム数を超えたゲームにおいて通常のリプレイ役に当選した場合に、当該CZ状態を終了するようにしている。
【0573】
したがって、CZ状態が終了することとなる最終ゲームにおいては、必ずフェイク指示演出が実行されることとなり、最終ゲームまで遊技者の期待感を引き付けることが可能となるのである。
ただし、詳細は後述するが、レア役の当選により疑似ボーナス状態の移行権利が付与されていた場合には、規定ゲーム数を超えたゲームにおいて通常のリプレイ役に当選した場合でも、CZ状態は継続することとなるので、この場合には、フェイク指示演出が実行されてもCZ状態は継続することとなる。
なお、CZ状態が終了することとなる最終ゲームの終了後に、CZ状態が終了することを報知する演出画像をメイン表示器8に表示するようにしてもよい。
【0574】
以上のように、CZ状態中のゲームにおいて通常のリプレイ役に当選した際の所定の確率でフェイク指示演出が実行されることから、CZ状態中における遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
また、比較的当選確率の高い通常のリプレイ役に当選した場合にフェイク指示演出を実行するようにしているので、CZ状態中に疑似ボーナス状態の移行権利が付与された可能性のある指示演出(あるいはフェイク指示演出)の実行頻度を高めることが可能となり、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0575】
また、フェイク指示演出通りにリール4の停止操作を行った場合には、各リール4の停止過程において特別の図柄組合せの一部が停止することとなるので、遊技者の期待感をゲームが終了するまで引き付けられるような興趣性の高いゲームを実行することが可能となるのである。
【0576】
なお、CZ状態中のゲームにおいて通常のリプレイ役に当選した際のフェイク指示演出の実行確率は何れでもよい。
また、フェイク指示演出を実行するか否かの抽選は、副制御装置20において実行するようにしてもよい。
以上のように、第4実施形態のスロットマシン1におけるCZ状態中に特殊リプレイ役に当選した場合の制御が行われる。
【0577】
[第4実施形態の遊技機におけるCZ状態中のレア役の当選した場合の制御]
次に、図37図39を参照して、本第4実施形態の遊技機(スロットマシン1)において、CZ状態中にレア役の当選により疑似ボーナス状態に移行する場合の主制御装置10での制御、および副制御装置20での表示制御(表示内容)について説明する。
【0578】
まず、図37を参照して、CZ状態中にレア役に当選して、その時の疑似ボーナス状態の移行抽選に当選した場合の遊技状態の遷移、およびメイン表示器8での表示内容(演出)について説明する。
図37に示すように、遊技状態が通常遊技状態からCZ状態に移行すると(タイミングt39)、CZ状態中のゲームにおいては、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利に疑似ボーナス状態の移行抽選が行われる。
【0579】
また、通常遊技状態中においては、通常遊技状態に対応する演出がメイン表示器8等で実行されるが、遊技状態がCZ状態に移行すると、CZ状態に対応する演出がメイン表示器8等で実行されることとなる。
【0580】
そして、CZ状態中のゲームにおいて、レア役に当選した場合(タイミングt40)には、疑似ボーナス状態の移行抽選が行われることとなる。
図37では、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選であった場合を示しているので、このとき疑似ボーナス状態の移行権利が付与されることとなる。
【0581】
本第4実施形態においては、レア役に当選し、かつ疑似ボーナス状態の移行権利が付与された場合には、次ゲームから疑似ボーナス状態に移行させずに、前兆期間(本前兆期間)の経過後に疑似ボーナス状態に移行させるようにしている。
この前兆期間(タイミングt40~t41)は、その後のゲームにおける抽選手段の抽選結果が特殊リプレイ役の当選となるまで継続するものとなっている。
したがって、レア役に当選し、かつ疑似ボーナス状態の移行権利が付与された後に実行されるゲームにおいて特殊リプレイ役に当選すると、次ゲームから遊技状態が疑似ボーナス状態に移行されることとなる。
【0582】
また、前兆期間(本前兆期間)中においては、メイン表示器8においてCZ前兆演出(CZ本前兆演出)が実行される。
そして、前兆期間(本前兆期間)中に特殊リプレイ役に当選した場合には、当該ゲーム中に、特別操作(逆押し)でリール4を停止させて、特別の図柄組合せを停止させることを促す指示演出がメイン表示器8等で行われる。
したがって、この特殊リプレイ役に当選したゲームにおいて、特別操作(逆押し)でリール4の停止操作を行うと、特別の図柄組合せを停止可能となるので、このときの目押し操作が適正であれば、特別の図柄組合せ(「7・7・7」)が停止することとなる。
【0583】
そして、前兆期間(本前兆期間)中に特殊リプレイ役に当選したゲームの次ゲームが開始されると(タイミングt42)、遊技状態がCZ状態から疑似ボーナス状態に移行されることとなる。
したがって、この場合には、CZ状態中のゲーム数が規定ゲーム数に到達(タイミングt43)する前に、当該CZ状態は終了して疑似ボーナス状態が開始されることとなる。
また、遊技状態が疑似ボーナス状態に移行すると、疑似ボーナス状態に対応する演出がメイン表示器8等により実行されることとなる。
【0584】
なお、上記特殊リプレイ役に当選したゲームにおいて、不適正な目押し操作が行われて、特別の図柄組合せ(「7・7・7」)が停止できなかった場合でも、疑似ボーナス状態の移行権利は付与されているので、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選したゲームの次ゲームの開始時(タイミングt42)に、疑似ボーナス状態に移行されることとなる。
【0585】
また、図示は省略するが、レア役に当選したが、疑似ボーナス状態の移行権利が付与されなかった場合にも前兆期間(フェイク前兆期間)が設定され、副制御装置20の制御により、メイン表示器8において、疑似ボーナス状態の移行権利が付与された場合と同様の演出画像が表示されるCZ前兆演出(CZフェイク前兆演出)が実行される。
このフェイク前兆期間は、その間のゲームにおいて、特殊リプレイ役もしくは通常のリプレイ役に当選した場合に終了することとなる。
ただし、フェイク前兆期間中は、特殊リプレイ役に当選(疑似ボーナス状態の移行権利が付与されない当選)しても指示演出は行われず、通常のリプレイ役に対応する図柄組合せの停止によりフェイク前兆期間が終了することとなる。
【0586】
また、疑似ボーナス状態の移行権利が付与されたにもかかわらず、その後に特殊リプレイ役に当選せずに、ゲーム数が規定ゲーム数を超える場合(タイミングt43)もあるが、この場合にも前兆期間(本前兆期間)は継続することとなり、その後のゲームにおいて特殊リプレイ役の当選により疑似ボーナス状態に移行することとなる。
【0587】
また、フェイク前兆期間中に特殊リプレイ役および通常のリプレイ役に当選せずに、ゲーム数が規定ゲーム数を超える場合もあるが、この場合には、例えば、その後のゲームにおいて通常のリプレイ役に当選した場合(タイミングt44)に、フェイク前兆期間の終了とともにCZ状態自体も終了することとなる。
【0588】
なお、フェイク前兆期間中のゲームにおいて、特殊リプレイ役の当選により疑似ボーナス状態の移行権利が付与された場合には、当該ゲームで指示演出が実行されて次ゲームから疑似ボーナス状態に移行することとなり、フェイク前兆期間中のゲームにおいて、レア役の当選により疑似ボーナス状態の移行権利が付与された場合には、当該フェイク前兆期間が本前兆期間に変更されることとなる。
【0589】
次に、図38を参照して、CZ状態中にレア役に当選して、その時の疑似ボーナス状態の移行抽選に当選した場合のメイン表示器8での演出画像について説明する。
なお、メイン表示器8での各種演出画像は、主制御装置10からの制御情報に基づく副制御装置20の制御により表示される。
【0590】
まず、図38(a)に示すように、遊技状態が通常遊技状態からCZ状態に移行すると(図37のタイミングt39)、CZ状態中においては、メイン表示器8の画面主要部にCZ状態中であることを遊技者が認識可能なCZ状態画像50aが表示される。
また、メイン表示器8の画面右上部には、CZ状態中の残りゲーム数を報知するCZ状態ゲーム数画像51が表示される。
【0591】
そして、図示するように、CZ状態中のゲームにおいて、レア役として、例えば、強スイカ役に当選した場合には、リール4における右下がりラインにスイカ図柄54cが並んで停止することとなる。
また、レア役の当選により疑似ボーナス状態の移行抽選が行われ、この疑似ボーナス状態の移行抽選に当選した場合(図37のタイミングt40)には、疑似ボーナス状態の移行権利が付与されることとなる。
【0592】
そして、レア役に当選すると前兆期間(本前兆期間)の設定によりCZ前兆演出(CZ本前兆演出)が実行されて、図38(b)に示すように、メイン表示器8におけるCZ状態画像50aが、前兆期間を示す前兆CZ状態画像50bに変更される。
なお、CZ前兆演出中に表示される前兆CZ状態画像50bは、背景色等を変更することでCZ状態画像50aと異なることを遊技者が認識できれば何れでもよいが、遊技者の期待感を高めるような画像を表示することが好ましい。
【0593】
そして、図38(c)に示すように、前兆期間(本前兆期間)中のゲーム(例えば、CZ状態ゲーム数画像51が「5G」となるゲーム)において、特殊リプレイ役に当選した場合(図37のタイミングt41)には、疑似ボーナス状態の移行権利が付与されて、当該ゲームの実行中において指示演出が実行されることとなる。
この指示演出の実行により、メイン表示器8の画面における前兆CZ状態画像50bの下方部に、特別操作情報として、特別の図柄組合せ(「7・7・7」)の停止を促す「7を狙え」の文字情報からなる図柄指示画像52aと、リール4の停止順序(停止方向)を示す操作指示画像52bが左右方向に並んで表示される。
【0594】
したがって、前兆期間(本前兆期間)中に、特殊リプレイ役に当選したゲームの実行中においては、特別操作(逆押し)での停止ボタン5の操作によりリール4を停止させて、特別の図柄組合せを停止させることを促す指示演出がメイン表示器8で行われるのである。
【0595】
そして、上記指示演出の通りに遊技者がリール4の停止操作を行うと、図38(d)に示すように、各リール4の有効ライン上に7図柄54aが並ぶ特別の図柄組合せが停止することとなる。
また、メイン表示器8の画面に表示された図柄指示画像52aおよび操作指示画像52bが消去されて、代わりに疑似ボーナス状態が発生することを報知する「ボーナス確定」の文字情報からなるボーナス確定画像52cが表示される。
【0596】
そして、図示は省略するが、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選したゲームの次ゲームが開始されると(図37のタイミングt42)、疑似ボーナス状態が開始されてメイン表示器8において疑似ボーナス状態中の演出が実行されることとなる。
なお、前兆期間(本前兆期間)は、特殊リプレイ役に当選するまで継続することとなるので、CZ状態が規定ゲーム数を超えた場合でもCZ前兆演出(CZ本前兆演出)は継続して実行される。
【0597】
また、前兆期間(本前兆期間)中のゲーム(規定ゲーム数を超えたゲームも含む)において、通常のリプレイ役に当選した場合の一部でも、メイン表示器8において指示演出(フェイク指示演出)が実行される。
すなわち、副制御装置20は、前兆期間(本前兆期間)中のゲーム(規定ゲーム数を超えたゲームも含む)において、通常のリプレイ役に当選した場合の所定確率(例えば、60%)でメイン表示器8においてフェイク指示演出を実行するのである。
ただし、この場合には、指示演出通りにリール4の停止が行われても特別の図柄組合せは停止しないので、疑似ボーナス状態への移行は行われずに、その後も前兆期間(本前兆期間)が継続することとなる。
【0598】
すなわち、前兆期間(本前兆期間)中のゲームにおいては、通常のリプレイ役に当選した場合も、特殊リプレイ役に当選した場合と同様の指示演出が実行されるのである。
なお、前兆期間(本前兆期間)中のゲームにおいて、通常のリプレイ役に当選した場合には、必ず(100%の確率で)指示演出を実行するようにしてもよい。
また、前兆期間(本前兆期間)中のゲームが規定ゲーム数を超えていた際には、通常のリプレイ役に当選した場合に指示演出を実行しないようにしてもよい。
【0599】
一方、図38(e)に示すように、CZ状態中のゲームにおいて、レア役に当選したが、そのときの疑似ボーナス状態の移行抽選に当選しなかった場合にも、前兆期間(フェイク前兆期間)の設定によりCZ前兆演出(CZフェイク前兆演出)が実行されて、上記同様に、メイン表示器8におけるCZ状態画像50aが、前兆期間を示す前兆CZ状態画像50bに変更される。
【0600】
そして、図38(f)に示すように、前兆期間(フェイク前兆期間)中のゲームにおいて、疑似ボーナス状態の移行権利が付与されないこととなる特殊リプレイ役に当選した場合には、メイン表示器8の画面におけるCZ状態画像50aの下方部に、特別操作(逆押し)以外の押し順を示す押し順ナビ画像22が表示されることとなる。
例えば、図示するように、左リール4aを最初に停止させ、右リール4cを2番目に停止させ、中リール4bを3番目に停止させることを促す「1・3・2」の数値情報からなる押し順ナビ画像22が表示される。
【0601】
なお、このときの特殊リプレイ役の当選時に疑似ボーナス状態の移行権利が付与された場合には、押し順ナビ画像22ではなく、図柄指示画像52aと操作指示画像52bが表示されて特別の図柄組合せを停止させるための指示演出が実行されることとなる。
【0602】
そして、特別操作(逆押し)以外の押し順で停止ボタン5の操作が行われた場合には、通常のリプレイ役に対応する図柄組合せが停止することとなるので、図38(g)に示すように、各リール4における有効ライン上にリプレイ図柄54bが並ぶ通常のリプレイ役に対応する図柄組合せが停止することとなる。
【0603】
そして、CZ状態の終了条件が成立していない場合には、図示は省略するが、特殊リプレイ役に当選したゲームの次ゲームの開始により、前兆CZ状態画像50bがCZ状態画像50aに変更されてフェイク前兆期間が終了して、CZ状態中の演出が継続して実行されることとなる。
なお、この場合に、押し順ナビ画像22を無視して、当該ゲームにおいて特別操作が行われることにより「7・7・7」の図柄組合せ(特別の図柄組合せ)が停止した場合でも、疑似ボーナス状態の移行権利は付与されていないので疑似ボーナス状態に移行することはない。
【0604】
また、フェイク前兆期間中の特殊リプレイ役の当選が、規定ゲーム数を超えたゲームで成立した場合には、特殊リプレイ役の当選によりCZ状態が終了することとなるので、メイン表示器8においては、通常遊技状態中の演出画像に変更されることとなる。
【0605】
また、図示は省略するが、フェイク前兆期間中のゲームにおいて、通常のリプレイ役に当選した場合には、メイン表示器8において指示演出(フェイク指示演出)が実行される。
ただし、この場合には、指示演出通りにリール4の停止が行われても特別の図柄組合せは停止しないので、疑似ボーナス状態への移行は行われず、さらに通常のリプレイ役の当選によりフェイク前兆期間は終了となるので、次ゲームの開始により、前兆CZ状態画像50bがCZ状態画像50aに変更されてフェイク前兆期間が終了して、通常のCZ状態中の演出に復帰することとなる。
【0606】
また、前述したように、本前兆期間中に通常のリプレイ役に当選した場合にもフェイク指示演は実行されることとなるので、このフェイク指示演出の終了後の状態移行により、そのときの状態が本前兆期間であるかフェイク前兆期間であるかが判明することとなるのである。
なお、フェイク前兆期間を通常のリプレイ役に当選した場合の所定確率で終了するようにしてもよく、このようにした場合には、フェイク指示演出の終了後に前兆期間が継続した場合でも、まだ本前兆期間であるかフェイク前兆期間であるかを遊技者が認識できなくなるので、遊技者の期待感を引き延ばすことが可能となる。
【0607】
また、フェイク前兆期間中の通常のリプレイ役の当選が、規定ゲーム数を超えたゲームで成立した場合にも、メイン表示器8において指示演出(フェイク指示演出)が実行される。
そして、この場合には、通常のリプレイ役の当選によりフェイク前兆期間の他、CZ状態自体も終了となるので、特別の図柄組合せは停止されず次ゲームの開始により、フェイク前兆期間およびCZ状態が終了して、通常遊技状態中の演出に復帰することとなる。
【0608】
すなわち、前兆期間中に指示演出(フェイク指示演出も含む)が実行された場合には、疑似ボーナス状態へ移行する場合(本前兆期間の場合)もあれば、疑似ボーナス状態へ移行せずにそのまま前兆期間が継続する場合(本前兆期間の場合)もあり、さらには前兆期間が終了(フェイク前兆期間の場合)する場合もあるのである。
【0609】
以上のように、第4実施形態のスロットマシン1においては、CZ状態中のゲームにおいて、特殊リプレイ役の当選以外にレア役に当選した場合にも、疑似ボーナス状態の移行抽選を行い、この移行抽選に当選した場合には、疑似ボーナス状態の移行権利を付与するのである。
【0610】
すなわち、特別遊技状態権利付与手段としての主制御装置10は、抽選手段の抽選結果が第1抽選結果(特殊リプレイ役の当選)とは異なる第2抽選結果(レア役の当選)となったことに基づき特別権利(疑似ボーナス状態の移行権利)を付与可能とするのである。
したがって、CZ状態中における疑似ボーナス状態の移行態様が多彩化し、遊技の興趣性や遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0611】
また、CZ状態中にレア役の当選により疑似ボーナス状態の移行権利が付与された場合には、直ぐに疑似ボーナス状態に移行させずに、所定期間疑似ボーナス状態への移行を待機させ、その後のゲームにおいて特殊リプレイ役に当選した場合に、疑似ボーナス状態の移行契機となる特別の図柄組合せを停止させるための指示演出を実行して、疑似ボーナス状態を開始可能とするのである。
【0612】
すなわち、報知制御手段としての副制御装置20は、特別遊技状態権利付与手段(主制御装置10)より第2抽選結果(レア役の当選)の導出に基づき特別権利(疑似ボーナス状態の移行権利)が付与された場合には、抽選手段(主制御装置10)の抽選結果が第1抽選結果となるまで、特別操作情報(図柄指示画像52a、操作指示画像52b)の報知を待機可能とするのである。
【0613】
したがって、CZ状態中において疑似ボーナス状態の移行権利が付与された場合でも、直ぐには疑似ボーナス状態に移行しないという遊技態様を形成することができ、よりCZ状態中の遊技を多彩化することが可能となるのである。
【0614】
また、待機後に疑似ボーナス状態に移行させる場合でも、特殊リプレイ役に当選して、特別の図柄組合せの停止を契機に疑似ボーナス状態に移行させるようにするので、疑似ボーナス状態へ移行することを遊技者に対して確実に認識させることが可能となるのである。
また、特別の図柄組合せは、遊技者によるリール4に対する停止操作により停止することとなるので、所謂リアルボーナスと同等の進行態様で疑似ボーナス状態が発生することとなり、遊技者に対してより一層の喜びを与えることが可能となるのである。
【0615】
また、副制御装置20は、CZ状態中のゲームにおいて、レア役に当選した場合に、疑似ボーナス状態の移行権利が付与されなかった場合には、所定期間CZフェイク前兆演出を実行し、疑似ボーナス状態の移行権利が付与された場合には、疑似ボーナス状態の移行が待機される期間である本前兆期間中においてCZ本前兆演出を実行するのである。
すなわち、副制御装置20は、抽選手段(主制御装置10)の抽選結果が第2抽選結果(レア役の当選)となったことに基づき、前兆演出(CZ本前兆演出、CZフェイク前兆演出)を実行させることが可能な演出制御手段を備えるのである。
したがって、CZ状態中のゲームにおいてレア役に当選した場合には、遊技の興趣性を向上させることが可能となるとともに、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0616】
なお、CZ状態中にレア役の当選により疑似ボーナス状態の移行権利が付与された場合に、その後のゲームにおいて特殊リプレイ役に当選するまで疑似ボーナス状態の移行を待機させるようにしているが、疑似ボーナス状態の移行権利が付与された後、所定数(例えば、30回)のゲームが実行されたにもかかわらず特殊リプレイ役に当選しなかった場合には、強制的に疑似ボーナス状態に移行させるようにしてもよい。
また、疑似ボーナス状態の移行権利が付与された後、所定数(例えば、30回)のゲームが実行されたにもかかわらず特殊リプレイ役に当選しなかった場合に、所定の特典(例えば、疑似ボーナス状態の期間の延長権利)を付与するようにしてもよい。
【0617】
また、CZ状態中にレア役の当選に当選時に、疑似ボーナス状態の移行権利が付与された場合に、その後のゲームにおいて特殊リプレイ役に当選するまで本前兆演出を伴う本前兆期間を継続させるようにしているが、本前兆期間を所定ゲーム数(例えば、10ゲーム)が実行されるまで継続するものとし、この間に特殊リプレイ役に当選しなかった場合には、本前兆期間終了に基づき疑似ボーナス状態の移行権利が付与されたことを報知して、疑似ボーナス状態に移行するようにしてもよい。
【0618】
この場合、本前兆期間中に特殊リプレイ役に当選した場合には、当選ゲームにおいて指示演出を実行し、特別の図柄組合せが停止したか否かにかかわらず、その時点(上記所定ゲーム数の実行を待たずに)で疑似ボーナス状態の移行権利が付与されたことを報知(疑似ボーナス状態に移行)することが好ましい。
また、CZ状態中にレア役の当選に当選時に、疑似ボーナス状態の移行権利が付与されなかった場合にも、上記同様に所定ゲーム数(例えば、10ゲーム)のみ継続可能なフェイク前兆期間(フェイク前兆演出)に制御して、所定数のゲームが実行された場合に、フェイク前兆期間を終了するようにしてもよい。
【0619】
次に、図39を参照して、本前兆期間中における疑似ボーナス状態の継続ゲーム数の選択抽選について説明する。
前述したように、主制御装置10では、CZ状態中におけるレア役に当選したゲームにおいて、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選した場合に本前兆期間を設定して、本前兆期間中のゲームにおいて特殊リプレイ役に当選した場合に、疑似ボーナス状態に移行させるようにしているが、この特殊リプレイ役の当選時には、疑似ボーナス状態の継続ゲーム数も決定するようにしている。
【0620】
したがって、CZ状態中にレア役の当選により疑似ボーナス状態に移行する場合には、疑似ボーナス状態の継続ゲーム数が変化するものとなっている。
なお、レア役の当選ではなく、CZ状態中の特殊リプレイ役の当選により疑似ボーナス状態に移行する場合には、疑似ボーナス状態の継続ゲーム数は変更されず、所定ゲーム数(30ゲーム)のみが設定されることとなる。
【0621】
また、本前兆期間中のゲームにおいては、再度レア役に当選する可能性もあるが、このような場合には、既に疑似ボーナス状態の移行権利が付与されているにもかかわらず、当選確率の低いレア役に当選することとなり、遊技者に不満感を与えてしまう虞がある。
このような課題を解決するために、本第4実施形態においては、本前兆期間中のゲームにおいては、再度レア役に当選した場合に、遊技者にとって有利な疑似ボーナス状態の継続ゲーム数が選択され易いような制御を行うようにしている。
【0622】
図39は、主制御装置10における疑似ボーナス状態の継続ゲーム数の選択抽選により決定される各継続ゲーム数の当選確率であって、CZ状態における本前兆期間中に疑似ボーナス状態に移行させる場合の疑似ボーナス状態の継続ゲーム数の選択抽選確率を示している。
なお、主制御装置10では、各選択抽選契機役の当選時に所定の乱数を抽出することで疑似ボーナス状態の継続ゲーム数の選択抽選を行うようにしている。
【0623】
図38に示すように、本前兆期間中のゲームにおいてレア役に当選した場合には、50%の確率で疑似ボーナス状態の継続ゲーム数を30ゲームに決定し、50%の確率で疑似ボーナス状態の継続ゲーム数を50ゲームに決定するような選択抽選が行われる。
なお、本前兆期間中においては、複数回レア役に当選する可能性があるが、レア役の当選毎に上記抽選が行われ、1回でも50ゲームに当選した場合には、その時点で継続ゲーム数が50ゲームに確定し、30ゲームに当選した場合には、以降のゲームにおいて再度レア役時に選択抽選を行うようにしている。
【0624】
また、本前兆期間中のゲームにおいて、疑似ボーナス状態の移行契機となる特殊リプレイ役に当選した場合、すなわち次ゲームから疑似ボーナス状態に移行させる場合には、既にレア役の当選時に50ゲームが確定していない場合を除いて、70%の確率で疑似ボーナス状態の継続ゲーム数を30ゲームに決定し、30%の確率で疑似ボーナス状態の継続ゲーム数を50ゲームに決定するような選択抽選が行われる。
【0625】
以上のように、本前兆期間から疑似ボーナス状態に移行する場合には、疑似ボーナス状態の継続ゲーム数が種々変化することとなり、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
また、CZ状態中にレア役に当選して本前兆期間となった場合に、その後のゲームである本前兆期間中のゲームにおいて、再度レア役に当選した場合には、疑似ボーナス状態の継続ゲーム数の選択抽選が行われることから、本前兆期間中にレア役に当選した場合には、疑似ボーナス状態の継続ゲーム数が増加する可能性が生じ、遊技者にとって有利な特典が付与される可能性が生じることとなるのである。
【0626】
すなわち、主制御装置10は、特別遊技状態権利付与手段(主制御装置10)より第2抽選結果(レア役の当選)に基づく特別権利(疑似ボーナス状態の移行権利)が付与された以降のゲームにおいて、特定の特典(継続ゲーム数として50ゲーム)の付与に関わる抽選を実行可能な特典抽選手段を備えるのである。
したがって、本前兆期間中に再度レア役に当選した場合でも、遊技者が不満感を抱くことを防止できるとともに、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0627】
また、本前兆期間中にレア役に当選する毎に、継続ゲーム数が増加する可能性が高くなるので、本前兆期間が長くなるほど遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
特に、本第4実施形態においては、本前兆期間は、固定的ではなく特殊リプレイ役に当選するまで継続するものとなっているので、かりに特殊リプレイ役に当選せずに疑似ボーナス状態の開始が遅れた場合でも、その分継続ゲーム数の選択抽選が行われる可能性が高まることとなり、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0628】
また、本前兆期間中におけるレア役の当選時に継続ゲーム数が50ゲームに決定されなかった場合でも、特殊リプレイ役の当選時には、再度選択抽選が行われるので、本前兆期間中にレア役に当選しなかった場合でも、遊技者の期待感が低下してしまうことを防止することが可能となるのである。
【0629】
なお、各継続ゲーム数の選択確率は上記以外でもよい。
また、本前兆期間中にレア役に当選した場合に、遊技者が特定の特典が得られるものであれば、継続ゲーム数の増加以外でもよい。
また、疑似ボーナス状態の選択肢として設定されている継続ゲーム数は、上記以外でもよいし、3種類以上設定してもよい。
以上のように、第4実施形態のスロットマシン1におけるCZ状態中にレア役に当選した場合の制御が行われる。
【0630】
[第4実施形態の遊技機における制御形態]
次に、図40図41を参照して、第4実施形態の遊技機(スロットマシン1)における制御形態について説明する。
本第4実施形態のスロットマシン1においては、CZ状態中の各種演出は、副制御装置20の制御により実行されることとなるが、副制御装置20においては、主に主制御装置10からの制御情報を受信して、例えば、メイン表示器8における演出を実行するようにしている。
【0631】
ただし、CZ状態中において特別の図柄組合せを停止することを促す指示演出(フェイク指示演出を含む)を実行する場合には、主制御装置10から直接的な制御情報の受信により副制御装置20が指示演出の制御を行う場合と、主制御装置10から直接的な制御情報の受信なしで副制御装置20独自で指示演出の制御を行う場合との異なる制御形態を設けている。
【0632】
具体的には、CZ状態中において疑似ボーナス状態に当選となる特殊リプレイ役の当選時に指示演出を行う場合と、本前兆期間中の特殊リプレイ役の当選時に指示演出を行う場合(図38(c)に示す疑似ボーナス状態を開始するための指示演出を行う場合)とで制御形態を異ならせているのである。
【0633】
まず、図40を参照して、CZ状態中において特殊リプレイ役に当選したゲームにおける指示演出を実行する場合の制御形態について説明する。
図40に示すように、CZ状態中において疑似ボーナス状態に当選となる特殊リプレイ役の当選時に指示演出(本前兆期間以外での指示演出)を行う場合には、主制御装置10は、指示演出の実行を指示する特別制御情報としての制御情報を副制御装置20に対して送信し、副制御装置20では当該制御情報の受信により特別の図柄組合せの停止を促す指示演出をメイン表示器8において実行するようにしている(矢印a4)。
【0634】
すなわち、主制御装置10では、特殊リプレイ役に当選した場合には、そのときの状態に関係なく毎回副制御装置20に対して、特殊リプレイ役の当選を伝える制御情報を送信することとなるが、このとき、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選した場合には、指示演出の実行を指示する制御情報を送信し、副制御装置20では、この指示演出の実行を指示する制御情報の受信に基づき指示演出を実行するのである。
【0635】
なお、特殊リプレイ役に当選したが疑似ボーナス状態には非当選となった場合には、主制御装置10は、指示演出の実行を禁止する制御情報を送信し、副制御装置20では、この指示演出の実行を禁止する制御情報の受信により、特別の図柄組合せを停止させない演出(図35(d)の押し順ナビ画像22)を実行することとなる。
また、フェイク前兆期間中に、疑似ボーナス状態に当選となる特殊リプレイ役に当選する場合もあるが、この場合も副制御装置20では、指示演出の実行を指示する制御情報の受信に基づき指示演出を実行することとなる。
【0636】
一方、CZ状態中において疑似ボーナス状態に当選となるレア役に当選して、その後の本前兆期間中における特殊リプレイ役の当選時に指示演出を行う場合には、主制御装置10は、指示演出の実行を指示する制御情報(特別制御情報)を副制御装置20に対して送信せずに、副制御装置20独自で特別の図柄組合せの停止を促す指示演出をメイン表示器8において実行するようにしている(矢印b4)。
【0637】
すなわち、主制御装置10では、特殊リプレイ役に当選した場合には、特殊リプレイ役の当選を伝える制御情報を送信することとなるが、副制御装置20では、この特殊リプレイ役の当選を伝える制御情報を受信した場合に、そのときの状態が本前兆期間中であるか否かを判定して、本前兆期間中において特殊リプレイ役の当選を伝える制御情報を受信した場合には、指示演出の実行を指示する制御情報の受信無しで指示演出を実行するのである。
【0638】
また、副制御装置20では、特殊リプレイ役の当選(疑似ボーナス状態には非当選)を伝える制御情報を受信した場合に、そのときの状態がフェイク前兆期間中であるか否かを判定して、フェイク前兆期間中において特殊リプレイ役の当選を伝える制御情報を受信した場合には、主制御装置10からの指示なしで特別の図柄組合せを停止させない演出(図35(d)の押し順ナビ画像22)を実行することとなる。
なお、副制御装置20では、例えば、主制御装置10からの本前兆期間(あるいはフェイク前兆期間)の開始および終了を伝える制御情報の受信により、そのときの状態が本前兆期間(あるいはフェイク前兆期間)中であることを把握可能な管理制御を行うようにしている。
【0639】
以上のように、CZ状態中において疑似ボーナス状態に当選となる特殊リプレイ役の当選時に指示演出を行う場合には、副制御装置20は、主制御装置10からの指示演出の実行を指示する制御情報の受信により特別の図柄組合せの停止を促す指示演出をメイン表示器8において実行するのに対して、CZ状態中において疑似ボーナス状態に当選となるレア役に当選して、その後の本前兆期間中における特殊リプレイ役の当選時に指示演出を行う場合には、副制御装置20は、主制御装置10からの指示演出の実行を指示する制御情報の受信なしで、副制御装置20独自で特別の図柄組合せの停止を促す指示演出をメイン表示器8において実行するのである。
【0640】
すなわち、報知制御手段としての副制御装置20は、抽選手段(主制御装置10)の抽選結果が第1抽選結果(特殊リプレイ役の当選)となったゲームにおいて、特別遊技状態権利付与手段(主制御装置10)により特別権利(疑似ボーナス状態の移行権利)が付与された場合には、主制御装置10からの特別制御情報(指示演出の実行を指示する制御情報)の受信に基づき、特別操作情報(図柄指示画像52a、操作指示画像52b)を報知させることを可能とし、特別遊技状態権利付与手段より前記第2抽選結果の導出に基づき前記特別権利が付与された場合には、主制御装置10からの特別制御情報(指示演出の実行を指示する制御情報)の受信なしで、特別操作情報を報知させることを可能とするのである。
【0641】
したがって、指示演出を実行する場合の各制御装置の処理負担を軽減することができ、指示演出をより効率よく確実に実行することが可能となるのである。
【0642】
次に、図41を参照して、CZ状態中において通常のリプレイ役に当選したゲームにおけるフェイク指示演出を実行する場合の制御形態について説明する。
前述したように、CZ状態中において、通常のリプレイ役に当選した場合に、メイン表示器8においてフェイク指示演出(図36参照)が実行される場合がある。
【0643】
本第4実施形態においては、前述した指示演出を実行する場合と同様に、フェイク指示演出を実行する場合にも、主制御装置10から直接的な制御情報の受信により副制御装置20がフェイク指示演出の制御を行う場合と、主制御装置10から直接的な制御情報の受信なしで副制御装置20独自でフェイク指示演出の制御を行う場合との異なる制御形態を設けている。
【0644】
具体的には、前述した指示演出を実行する場合と同様に、CZ状態中における前兆期間以外での通常のリプレイ役の当選時にフェイク指示演出を行う場合には、副制御装置20は、主制御装置10からのフェイク指示演出の実行を指示する制御情報に基づきメイン表示器8においてフェイク指示演出を実行するようにしているが、前兆期間中での通常のリプレイ役の当選時にフェイク指示演出を行う場合には、副制御装置20は、主制御装置10からのフェイク指示演出の実行を指示する制御情報なしで、メイン表示器8においてフェイク指示演出を実行するようにしている。
【0645】
さらに、CZ状態中における前兆期間以外での通常のリプレイ役に当選した場合には、主制御装置10においてフェイク指示演出を実行するか否かが固定的な確率(例えば、50%)で決定されるような抽選を実行して、この抽選に基づき副制御装置20に対してフェイク指示演出の実行を指示する制御情報送信するようにしているが、CZ状態中における本前兆期間中でのゲームにおいて、通常のリプレイ役に当選した場合には、副制御装置20においてフェイク指示演出を実行するか否かを抽選により決定するようにしていて、この抽選時におけるフェイク指示演出の実行確率を遊技者の操作に基づき変更可能としている。
なお、フェイク前兆期間中においては、通常のリプレイ役の当選に基づきフェイク前兆期間(あるいはCZ状態)が終了することとなるので、副制御装置20においては、必ずフェイク指示演出を実行するようにしていて、この場合も副制御装置20独自でフェイク指示演出を実行するようにしている。
【0646】
図41は、CZ状態中において本前兆期間中に通常のリプレイ役に当選したゲームにおけるフェイク指示演出を実行する場合の制御形態を示している。
すなわち、副制御装置20独自でフェイク指示演出を実行する場合の制御形態を示している。
【0647】
図41に示すように、CZ状態中における本前兆期間中に通常のリプレイ役に当選した場合には、主制御装置10は、フェイク指示演出の実行を指示する制御情報を副制御装置20に対して送信せずに、通常のリプレイ役の当選を伝える制御情報のみを送信(矢印c4)し、副制御装置20では、この通常のリプレイ役の当選を伝える制御情報を受信した場合に、そのときの状態が本前兆期間中であるか否かを判定して、本前兆期間中である場合には、所定の確率でフェイク指示演出を実行するのである。
【0648】
そして、副制御装置20では、図示するように、上記フェイク指示演出の実行を第1確率(例えば、40%)で制御するモード1と、第1確率よりも高い第2確率(例えば、60%)で制御するモード2とを設けていて、通常のリプレイ役の当選を伝える制御情報を受信した場合に、これらモードに応じてフェイク指示演出の実行確率を変更可能としている。
また、副制御装置20では、演出ボタン2dの操作に基づきモードの変更制御を可能としていて、遊技者は、演出ボタン2dを操作することで所望のモードに変更可能となっている。
【0649】
したがって、演出ボタン2dの操作に基づきモード1が選択されている場合には、本前兆期間中におけるフェイク指示演出の実行が第1確率(例えば、40%)で実行されるように制御され、モード2が選択されている場合には、本前兆期間中におけるフェイク指示演出の実行が第2確率(例えば、60%)で実行されるように制御されることとなるのである。
【0650】
なお、上記モードの変更は、例えば、ゲームが行われていない状態(所謂呼込み状態)においてモード選択画面をメイン表示器8に表示し、モード選択画面を演出ボタン2dにより操作して実行してもよいし、サブ表示器17にモード選択画面を表示してタッチ操作で実行するようにしてもよいが、本前兆期間前に選択可能とすることが好ましい。
【0651】
また、図示は省略するが、副制御装置20は、フェイク前兆期間中に通常のリプレイ役の当選を伝える制御情報を受信した場合には、必ずフェイク指示演出を実行することとなる。
したがって、フェイク前兆期間中に通常のリプレイ役に当選した場合には、必ずフェイク指示演出が実行されて、その結果、特別の図柄組合せが停止せずに、フェイク前兆期間(あるいはCZ状態)が終了することとなる。
【0652】
以上のように、CZ状態中における前兆期間中以外で通常のリプレイ役に当選した場合には、副制御装置20は、主制御装置10からのフェイク指示演出の実行を指示する制御情報の受信によりフェイク指示演出をメイン表示器8において実行するのに対して、前兆期間中に通常のリプレイ役に当選した場合には、副制御装置20は、主制御装置10からのフェイク指示演出の実行を指示する制御情報の受信なしで、副制御装置20独自でフェイク指示演出をメイン表示器8において実行するのである。
【0653】
したがって、フェイク指示演出を実行する場合の各制御装置の処理負担を軽減することができ、フェイク指示演出をより効率よく確実に実行することが可能となるのである。
【0654】
また、副制御装置20では、本前兆期間中に通常のリプレイ役に当選した場合に、フェイク指示演出を第1確率と第2確率の何れかで実行可能とするのである。
したがって、本前兆期間中の演出態様を多彩化することができ、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
【0655】
また、副制御装置20は、演出ボタン2dの操作に基づき、本前兆期間中に通常のリプレイ役に当選した場合のフェイク指示演出の実行確率を変更可能とするのである。
すなわち、報知制御手段としての副制御装置20は、抽選手段(主制御装置10)の抽選結果が第1抽選結果(特殊リプレイ役の当選)とならないゲームにおける所定確率で、特別操作情報(図柄指示画像52a、操作指示画像52b)を報知させることを可能とし、上記所定確率を、遊技者の操作に基づき変更可能な報知変更制御手段を備えるのである。
【0656】
したがって、遊技者の好みに応じて、フェイク指示演出が頻繁に実行されるモード(モード2)と、フェイク指示演出があまり実行されないモード(モード1)とに変更可能となり、多数の遊技者が満足する遊技を実行可能となるのである。
【0657】
なお、モード1とモード2におけるフェイク指示演出の実行確率は、各実行確率が異なっていれば何れでもよい。
また、フェイク指示演出の実行確率の異なるモードを3種類以上設けるようにしてもよい。
また、フェイク指示演出は、通常のリプレイ役に当選した場合に実行するようにしているが、特殊リプレイ役以外の役であれば、何れの役に当選した場合に実行するようにしてもよい。
以上のように、第4実施形態の遊技機における制御形態が実現される。
【0658】
以上、第4実施形態のスロットマシン1について説明したが、特殊リプレイ役を設けずに、通常のリプレイ役の当選時に、特別操作(逆押し)を行うと「7・7・7」の図柄組合せが停止して、特別操作以外の操作を行うと「リプレイ・リプレイ・リプレイ」の図柄組合せが停止するようにし、通常リプレイ役当選時に疑似ボーナス状態の抽選を行うようにしてもよい。
この場合、レア役当選による本前兆期間においては、通常のリプレイ当選時に「7・7・7」の図柄組合せを停止するための指示演出を行えばよい。
【0659】
また、前兆期間中におけるレア役の当選時に、疑似ボーナス状態の継続ゲーム数の選択抽選を行うようにしているが、疑似ボーナス状態の初期ゲーム数に対して、レア役の当選毎に初期ゲーム数に対して疑似ボーナス状態の上乗せゲーム数を上乗せする抽選を実行するようにしてもよい。
以上のように、第4実施形態のスロットマシン1が構成される。
【0660】
<第5実施形態>
次に、本発明に係る遊技機の第5実施形態について、図42図50を参照して説明する。
【0661】
第5実施形態の遊技機(スロットマシン1)においては、遊技状態の移行制御および演出内容の各々の一部が前述した第1実施形態の遊技機とは異なっているのみであり、その他に関しては第1実施形態と同様となっている。
したがって、本第5実施形態においては、第1実施形態とは異なっている点のみを説明し、その他の点は前述の第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
【0662】
まず、本第5実施形態におけるスロットマシン1では、役の構成の一部が第1実施形態と異なっていて、リプレイ役と小役の他に、ボーナス役を設定している。
ボーナス役は、所謂リアルボーナスであるボーナス状態を発生させるための役であり、ボーナス役の当選に基づくボーナス状態の発生により、例えば、所定の役の抽選が遊技者にとって有利に行われることとなる。
【0663】
また、リプレイ役として、通常のリプレイ役とチャンスリプレイ役(チャンス役)の他に、レア役としての特殊リプレイ役を設けている。
特殊リプレイ役は、詳細は後述するが、例えば、その当選によりAT状態中に遊技者に対して所定の特典を付与可能とする役であり、通常のリプレイ役よりも当選確率が低く設定(例えば、1/100)されている。
【0664】
また、本第5実施形態におけるスロットマシン1では、遊技状態の種類も前述した第1実施形態とは異なっていて、CZ状態および疑似ボーナス状態は設けずに、代わりにボーナス状態を設けるようにしている。
したがって、第5実施形態のスロットマシン1においては、遊技状態として、通常遊技状態、ボーナス状態、AT状態を設けていることとなる。
【0665】
そして、上記ボーナス役に当選した場合には、以降のゲームにおいて、各リール4に設定された有効ライン上に「7・7・7」の図柄組合せ(特別の図柄組合せ)を許容するようにリール4の停止制御が行われ、「7・7・7」の図柄組合せが有効ライン上に停止した場合に、ボーナス役の入賞となり、遊技状態がボーナス状態に移行することとなる。
【0666】
すなわち、第1実施形態においては、疑似ボーナス状態中の最初のゲームにおいて、「7・7・7」の図柄組合せを、疑似遊技を実行することで疑似的に停止させるようにしているが、本第5実施形態においては、「7・7・7」の図柄組合せの停止により、ボーナス状態を発生させるような制御が行われるのである。
なお、ボーナス役の入賞時にはメダルの払い出し等の遊技価値の付与はなく、また、ボーナス役の当選権利は、ボーナス役が入賞するまで維持される。
また、本第5実施形態のスロットマシン1においては、入賞を判定するための有効ラインを、各リール4の中段に停止した図柄を結ぶ中段ラインのみに設定している。
【0667】
[第5実施形態の遊技機における遊技状態の移行]
次に、図42を参照して、本第5実施形態におけるスロットマシン1での遊技状態の移行について説明する。
【0668】
図42は、第5実施形態に係るスロットマシン1における遊技状態の移行を説明するための図である。
図42に示すように、第5実施形態のスロットマシン1においては、主制御装置10は、通常遊技状態、ボーナス状態、AT状態の何れかの遊技状態に移行可能としていて、所定の移行条件が成立することに基づいて、一の遊技状態から他の遊技状態へと移行するような制御を実行可能となっている。
【0669】
以下に、主制御装置10および副制御装置20の制御により実行される各遊技状態(通常遊技状態、ボーナス状態、AT状態)、遊技状態間の移行処理、および移行処理に伴って発生する各種演出等について、遊技状態毎に詳細に説明する。
【0670】
以下、特に説明がない場合には、各遊技状態から他の遊技状態への移行時点は、基本的に、移行条件が成立したゲームの第3リール停止操作後(若しくは、メダルの払い出し終了後)である。但し、これに限定されず、移行条件が成立後、次ゲームから移行してもよい。
【0671】
(通常遊技状態)
通常遊技状態は、スロットマシン1の主制御装置10がリセットされた場合に滞在する遊技状態であり、遊技者にとっては不利な状態である。
図42に示すように、主制御装置10は、通常遊技状態に滞在中には、ボーナス状態およびAT状態への移行抽選処理を行う。なお、スロットマシン1の仕様等に応じて、通常遊技状態からAT状態に直接移行しないようにしてもよい。
【0672】
通常遊技状態中には、第1実施形態と同様に、役の抽選結果等に基づき、メイン表示器8あるいはサブ表示器17において、1ゲームで完結する当選演出を含む個別演出が所定の確率で実行される。
【0673】
また、通常遊技状態においては、AT状態への当選確率状態が異なる通常確率状態と高確率状態を有している。AT状態への移行抽選の当選確率は、高確率状態の方が通常確率状態よりも高くなっていて、確率状態の移行は、例えば、弱スイカ役や弱チェリー役当選時の30%の確率で、通常確率状態から高確率状態に移行するような制御が行われる。一方、所定の転落条件として、例えば、リプレイ役当選時、押し順ベル役当選時、およびハズレ時の5%の確率で、高確率状態から通常確率状態へ移行する制御が行われる。
なお、確率状態の変更に対応して、前述の第1実施形態と同様にステージの変更処理が行われ、高確率状態の一部で高確率状態を示唆するステージへの変更が行われる。
【0674】
・通常遊技状態からボーナス状態への移行処理(図42の矢印a5)
通常遊技状態においては、主制御装置10による役の決定結果が、ボーナス役の当選となったことに基づき、特別遊技状態としてボーナス状態(特典)に移行可能としている。
【0675】
より具体的には、主制御装置10は、特別の抽選結果としてボーナス役の当選に基づいて、リール4に特別図柄態様としての特別の図柄組合せ(「7・7・7」)を許容する停止制御を行い、遊技者の操作に基づき特別の図柄組合せがリール4に導出された場合に、遊技状態を遊技者にとって有利な特別遊技状態としてのボーナス状態に移行させるようにしている。
【0676】
すなわち、主制御装置10は、第1特別条件の成立(特別の抽選結果の導出)に基づき、特別遊技状態として第1特別遊技状態(ボーナス状態)を発生させることが可能な特別遊技状態制御手段を備えるのである。
したがって、前述の第1実施形態のスロットマシン1においては、疑似ボーナス状態を発生可能としていたが、第5実施形態のスロットマシン1においては、疑似ボーナス状態を発生せずにボーナス状態(所謂リアルボーナス)を発生可能とするのである。
【0677】
なお、第5実施形態においても、ボーナス状態の他に疑似ボーナス状態を発生可能としてもよい。
また、ボーナス役は、所定のレア役(例えば、強チェリー役)の当選と同時に当選(重複当選)するようにしてもよいし、他の役とは別に単独で当選するようにしてもよいし、重複当選と単独当選の両方の当選パターンを設けるようにしてもよい。
また、ボーナス役は、遊技者が多数のメダルを獲得する機会を与えることとなるので、小役やリプレイ役よりも当選確率を低く設定(例えば、約1/250の確率に設定)することが好ましい。
また、ボーナス役の当選確率を確率設定装置14の設定値に応じて複数段階に変更可能にしてもよい。
【0678】
また、通常遊技状態において、ボーナス役に当選した場合には、第1実施形態の疑似ボーナス状態の移行直前に実行される所定ゲーム数に跨る連続演出が、例えば、メイン表示器8において実行されて、遊技者の期待感を高めるようにしている。
そして、連続演出が実行された場合には、対戦演出の結果として主人公キャラクタが勝利する演出画像を表示するとともに、最終的にボーナス役に当選したことを報知する画像を表示し、遊技者に対して特別の図柄組合せの停止を促す画像をメイン表示器8に表示するようにしている。
ただし、連続演出中のゲームにおいても、特別の図柄組合せの停止は可能であるので、連続演出中のゲームにおいて特別の図柄組合せが停止された場合には、その時点で連続演出は終了することとなる。
【0679】
また、所定条件の成立に基づき、ボーナス役に当選していないゲームにおいても、連続演出と同様の演出がメイン表示器8において実行され、例えば、ボーナス役を所定のレア役と重複当選可能に構成した場合に、ボーナス役に当選していない所定のレア役の当選時に、最終的に主人公キャラクタが敗北する連続演出が実行されることとなる。
【0680】
・通常遊技状態からAT状態への移行処理(図42の矢印c5)
主制御装置10は、通常遊技状態においては、所定のレア役に当選したことに基づいて、特別遊技状態としてのAT状態への移行抽選処理を行う。例えば、強チェリー役当選時に所定の確率(例えば、1%)でAT状態への移行処理を行う。AT状態への移行条件は、この移行抽選に当選したことである。
また、高確率状態中のゲームでは、AT状態への移行抽選確率が高まるような制御が行われ、例えば、強チェリー役当選時には、通常確率状態での当選確率よりも高い確率(例えば、2%)でAT状態への移行処理を行う。
なお、通常遊技状態におけるAT状態への移行は、所定のレア役への当選を条件に行う以外に、何れの小役にも当選しなかったハズレ抽選結果が導出されたときの所定の確率(例えば、1%)で行うようにしてもよい。
【0681】
本第5実施形態においては、AT状態への移行は、遊技者の期待感を高めるために、主にボーナス状態を経由して実行されるようになっていることから、通常遊技状態から直接AT状態に移行する確率は極めて低い確率に設定されている。
なお、確率設定装置14での設定確率に応じて、通常遊技状態から直接AT状態に移行する確率を変更可能にしてもよいし、比較的高い設定値(例えば、設定4~6)の場合のみ通常遊技状態から直接AT状態への移行抽選に当選可能としてもよい。
【0682】
また、通常遊技状態において、AT状態の移行抽選に当選した場合には、第1実施形態の疑似ボーナス状態の発生時と同様に、待機期間の経過後に前兆演出(連続演出を含む)が実行され、前兆演出の終了後にAT状態が発生するようになっている。
また、所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選してAT状態に当選しなかった場合に、第1実施形態の疑似ボーナス状態の発生時と同様のフェイク前兆演出が実行されるようになっている。
【0683】
なお、通常遊技状態から直接AT状態への移行抽選に当選した場合には、前兆演出を実行せずに、直ぐに連続演出を実行して、連続演出の実行後にAT状態に移行させるようにしてもよい。
また、第1実施形態の疑似ボーナス状態の移行時と同様に、AT状態に移行可能なCZ状態を設けるようにしてもよい。
【0684】
(ボーナス状態)
特別遊技状態(第1特別遊技状態)としてのボーナス状態は、主制御装置10による役の抽選に関わる制御が、通常遊技状態のときよりも遊技者に有利に行われる状態である。
すなわち、第1実施形態におけるスロットマシン1では、遊技者にとって有利な状態として疑似ボーナス状態を発生するようにしているが、第5実施形態におけるスロットマシン1では、遊技者にとって有利な状態として所謂リアルボーナスであるボーナス状態を発生するようにしている。
【0685】
ボーナス状態では、当該ボーナス状態中に払い出されたメダル数が所定数(例えば、150枚)を超えるまで継続し、その間の役の抽選制御が変更され、例えば、ボーナス状態中のゲームにおいては、共通ベル役の当選確率を通常遊技状態中のゲームよりも高めるようにしている。
また、第5実施形態においても、前述の第1実施形態と同様に、主制御装置10は、押し順ベル役1~6の何れかが当選した場合に、当選した押し順ベル役に対応した押し順(特定停止態様)による停止操作が行われた場合にのみ、対応する押し順ベル役が入賞するように停止制御を行うようにしている。
【0686】
なお、ボーナス状態中における遊技者にとって有利な制御としては、上記以外でもよく、例えば、所定のレア役の当選確率を通常遊技状態中のゲームよりも高めるようにしてもよいし、リプレイ役の当選確率を通常遊技状態中のゲームよりも低めることで、その分押し順ベル役に当選する機会を多くするようにしてもよい。また、押し順ベル役の当選確率を高めるようにしてもよい。
【0687】
また、ベル役(押し順ベル役および共通ベル役)が入賞した場合に払い出されるメダル数を、ボーナス状態とそれ以外の遊技状態とで異なるように設定してもよい。
例えば、通常遊技状態中にベル役が入賞した場合には、6枚のメダルを払い出すが、ボーナス状態中にベル役が入賞した場合には、15枚のメダルを払い出すようにしてもよい。
【0688】
また、ボーナス状態の終了条件として、ボーナス状態中に払い出されたメダル数が所定数(例えば、150枚)を超えた場合に設定しているが、それ以外でもよく、例えば、ボーナス状態中のゲーム数が所定数に達した場合に設定してもよい。また、ボーナス状態中に遊技者が獲得したメダル数(純増枚数)が所定数を超えた場合に、ボーナス状態を終了させるようにしてもよいし、ボーナス状態中にベル役の当選により遊技者が獲得したメダル数(純増枚数)が所定数を超えた場合に、ボーナス状態を終了させるようにしてもよい。
【0689】
また、詳細は後述するが、ボーナス状態中においては、遊技者がそのときの遊技状態がAT状態中と判別が不能もしくは困難な演出が行われることから、共通ベル役の当選時の全てあるいは一部で、押し順ベル役当選時と同様の押し順ナビを実行するようにしてもよい。
この場合、共通ベル役に当選した場合には、6通りある押し順のうち固定された押し順を示す押し順ナビ(例えば、「5a→5b→5c」)を実行するようにしてもよいし、ランダムに押し順を決定して押し順ナビを実行するようにしてもよい。
【0690】
ボーナス状態中は、主制御装置10からの制御情報に基づき、副制御装置20により、遊技者に有利な操作態様の報知として、前述した押し順ベル役に対する押し順ナビが実行されることで、メダルの獲得が容易な状態となっている。
【0691】
また、詳細は後述するが、ボーナス状態中のゲームにおいては、主制御装置10により、AT状態の移行抽選処理が遊技者にとって有利に行われ、ゲーム毎に所定の確率でAT状態に当選するような制御が行われる。
そして、ボーナス状態中のゲームにおいて、AT状態の移行抽選に当選した場合には、AT状態の移行権利が付与され、ボーナス状態の終了後にAT状態に移行可能となるのである。
すなわち、特別遊技状態制御手段としての主制御装置10は、第2特別条件の成立(AT状態の移行抽選の当選)に基づき、特別遊技状態として第2特別遊技状態(AT状態)を発生させることが可能となるのである。
【0692】
なお、AT状態の当選確率は、通常確率状態中のAT状態の当選確率(例えば、1%)よりも高い確率でAT状態に移行するものであれば何れでもよい。
また、ボーナス状態中の一部の期間におけるゲームにおいて、上記AT状態の当選確率を高めた移行抽選を行ってもよい。
【0693】
また、ボーナス役の当選時も、AT状態の移行抽選が行われ、ボーナス状態中のゲームにおけるAT状態の移行抽選時と同様に、移行抽選に当選した場合には、AT状態の移行権利が付与されることとなる。
【0694】
また、ボーナス状態中においては、副制御装置20により、ボーナス状態中の各種演出が行われ、例えば、ボーナス状態中であることを遊技者が認識可能な演出がメイン表示器8において実行されることとなる。
また、ボーナス状態の発生により、ランプ11がボーナス状態中であることを報知する所定の態様で発光し、スピーカ9からボーナス状態中であることを報知する所定の効果音が出力される。
すなわち、副制御装置20は、第1特別遊技状態(ボーナス状態)の発生に基づき、第1特別遊技状態が発生していることを遊技者が認識可能な第1特別演出を実行させることが可能な特別演出制御手段を備えるのである。
【0695】
また、後述するように、ボーナス役の当選時、あるいはボーナス状態中におけるAT状態の移行抽選に当選した場合には、ボーナス状態の終了後に、遊技状態がAT状態に移行することとなるが、本第5実施形態においては、ボーナス状態とAT状態の区別が不能もしくは困難な表示制御が行われることとから、ボーナス状態中にAT状態の移行抽選に当選した場合でも、当該ボーナス状態中においては、AT状態の移行抽選に当選した旨を報知する演出は行われない。
【0696】
また、遊技状態のボーナス状態への移行により、外部出力端子18からボーナス状態であることを示す情報が出力される。
なお、遊技店側で島設備の呼出装置(図示省略)等において、ボーナス状態とAT状態を区別する報知をさせないようにするために、ボーナス状態とAT状態で共通の情報を出力するようにしてもよい。
【0697】
・ボーナス状態からAT状態への移行処理(図42の矢印e5)
ボーナス状態は、予め定められた終了条件が成立した場合に終了する。
ボーナス状態の終了条件は、ボーナス状態中のメダルの払い出し数(取りこぼした分も含む)が所定数(例えば、150枚)を超えた場合に成立するものとなっている。
なお、ボーナス状態の終了条件は、上記以外でもよく、ボーナス状態中のゲーム数が所定回数(例えば、50回)となった場合でもよい。
【0698】
そして、ボーナス状態の終了時に、AT状態の移行権利が付与されていた場合には、遊技状態がボーナス状態から特別遊技状態(第2特別遊技状態)としてのAT状態に移行することとなる。
ただし、遊技状態がボーナス状態からAT状態に移行しても、ボーナス状態中に実行されていた各種演出はそのまま継続することとなる。
AT状態中においては、ボーナス状態中と同様に押し順ナビが実行され、さらに演出内容は基本的にボーナス状態中と変化しないものとなることから、遊技状態がボーナス状態からAT状態に移行しても、遊技者はボーナス状態がそのまま継続していると認識することとなるのである。
【0699】
・ボーナス状態から通常遊技状態への移行処理(図42の矢印b5)
ボーナス状態の終了時に、AT状態の移行権利が付与されていなかった場合には、ボーナス状態の終了条件の成立により、遊技状態がボーナス状態から通常遊技状態に移行することとなる。
この際、ボーナス状態の最終ゲームの終了後には、ボーナス状態が終了したことを報知する画像や、ボーナス状態中の獲得メダル数を報知する画像等がメイン表示器8に表示され、次のゲームから遊技状態が通常遊技状態に移行することとなる。
【0700】
なお、ボーナス状態から通常遊技状態への移行時に、主制御装置10からの制御情報に基づく副制御装置20の制御により、確率設定装置14で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報(設定示唆情報)を報知手段(メイン表示器8、サブ表示器17、スピーカ9)により報知してもよい。例えば、メイン表示器8やサブ表示器17において、複数のキャラクタのうちから所定のキャラクタを表示し、この表示するキャラクタを確率設定装置14の各設定値に応じて予め設定された選択確率に応じて選択することで、表示されたキャラクタによりある程度設定値を予測可能としてもよいのである。
【0701】
(AT状態)
AT状態は、当該AT状態中のゲームにおいて、遊技者に有利な操作態様の報知として、当選した押し順ベル役に対する押し順ナビが当該期間継続的に行われることで、メダルの獲得が容易な遊技状態である。
ただし、ボーナス状態とは異なり、役の抽選制御は通常遊技状態と同様であるので、各役の抽選制御は通常遊技状態と同様に実行される。
【0702】
AT状態中は、AT状態の初期移行時に付与された所定数のメダル(例えば、100枚もしくは150枚)を、AT状態を継続可能な残メダル数として継続が管理されて、ゲームの実行によりメダルが払い出される毎に減算され、残メダル数が無くなるまでAT状態は継続される。
また、AT状態中のゲームにおいては、例えば、レア役の当選時に所定の確率で残メダル数に所定のメダル数を上乗せ(加算)する上乗せ抽選が行われ、上乗せ抽選に当選した場合には、残メダル数が増加することでAT状態の継続期間が延長されることとなる。
【0703】
例えば、強チェリー役に当選した場合には、50枚あるいは100枚の何れかのメダル数が残メダル数に上乗せされ、特殊リプレイ役に当選した場合には、30枚あるいは50枚のメダル数が残メダル数に上乗せされる上乗せ抽選が行われる。
なお、上乗せ抽選の契機役、上乗せされるメダル数、あるいは上乗せの当選確率は何れでもよいが、当選確率が相対的に低い役ほど遊技者に有利な上乗せ抽選が行われるようにすることが好ましい。
そして、AT状態において残メダル数が無くなった場合、AT状態が終了することとなる。
【0704】
なお、本第5実施形態においては、AT状態の終了条件は、ボーナス状態やAT状態中の各種演出(例えば、継続演出)の興趣性を向上させるために、ボーナス状態の終了条件と同様に、払い出されたメダル数により成立させるようにしているが、AT状態中に遊技者が獲得したメダル数(純増枚数)に基づきAT状態の終了条件を成立可能としてもよい。
また、AT状態の初期移行時に所定数のゲーム(例えば、30ゲーム)を付与して、AT状態を継続可能な残ゲーム数として継続を管理し、ゲーム毎に残ゲーム数を減算して、残ゲーム数が無くなるまでAT状態は継続するようにしてもよい。
【0705】
AT状態中においては、主制御装置10から副制御装置20に対して、AT状態に関する制御情報が送信され、副制御装置20の制御により、メイン表示器8において各種演出画像が表示される。
前述したように、基本的にはボーナス状態とAT状態は区別不能(もしくは困難)となっているので、AT状態に移行してもボーナス状態と同様の演出がメイン表示器8において行われる。
【0706】
なお、詳細は後述するが、AT状態において所定条件が成立した場合には、副制御装置20の制御により、AT状態中であることを遊技者が認識可能な演出が実行されることもある。
すなわち、特別演出制御手段としての副制御装置20は、第2特別遊技状態(AT状態)の発生に基づき、第2特別遊技状態が発生していることを遊技者が認識可能な第2特別演出を実行させることが可能となるのである。
【0707】
・AT状態からボーナス状態への移行処理(図42の矢印f5)
AT状態(第2特別遊技状態)中においても通常遊技状態と同様に、主制御装置10においては役の抽選が行われる。
したがって、AT状態中においてもボーナス役の抽選も通常遊技状態と同様に行われ、ボーナス役に当選した場合には、ボーナス状態の移行権利が付与されることとなる。
【0708】
また、本第5実施形態においては、主制御装置10は、ボーナス役とその他の役が重複して当選しているゲームにおいては、ボーナス役以外の役の方を優先的に停止させるような優先停止制御を行うようにしている。
また、AT状態中にボーナス役に当選した場合には、ボーナス役に当選した旨を報知しないようにしていて、さらに、ボーナス役に当選した以降のゲーム(ボーナス当選状態)においても、押し順ベル役に当選した場合には押し順ナビを実行するようにしている。
【0709】
したがって、AT状態中にボーナス役に当選した場合には、ボーナス役に当選する前の状態と何ら演出上の変化がなく、また、AT状態中は極めて頻繁に他の役(押し順ベル役等)が優先的に入賞することとなるので、遊技者は、ボーナス役に当選したことを認識せずにAT状態中のゲームを実行することとなる。
そして、AT状態の終了に基づき、ボーナス役に当選(ボーナス状態の移行権利を獲得)している旨が報知され、AT状態の終了後のゲームにおいて、直ちにボーナス状態に移行可能となる。
また、前述同様に、AT状態中におけるボーナス役の当選時、およびボーナス状態中のゲームにおいて再びAT状態の移行抽選が行われる。
【0710】
なお、ボーナス役の当選の報知は、AT状態の最終ゲーム(ゲーム終了後も含む)で実行するようにしてもよいし、AT状態の最終ゲームの次ゲームにおいて実行するようにしてもよい。
また、AT状態中のゲームにおいても、ボーナス役以外の役が全て非当選となっている場合には、特別の図柄組合せを停止可能となるが、この場合には、特別の図柄組合せを停止しないような演出を行うことが好ましい。
【0711】
例えば、所定のリール4において、特別の図柄組合せを構成する図柄(「7」)とは重複して引き込み不能となる間隔を設けたブランク図柄(比較的目立つ図柄が好ましい)を設定し、ボーナス役に当選しているAT状態中のゲームにおいて、ボーナス役以外の役が全て非当選となっている場合に、このブランク図柄を狙った停止操作を促す演出を実行することが好ましい。
【0712】
ただし、AT状態中にボーナス役に当選しているゲームにおいて、ボーナス役以外の役が全て非当選となっている場合には、特別の図柄組合せは停止可能であるので、特別の図柄組合せが停止した場合には、その時点で遊技状態がAT状態からボーナス役に移行することとなる。
【0713】
そして、AT状態中のゲームにおいて、特別の図柄組合せが停止した場合には、実行中のAT状態を一時的に中断して、遊技状態がボーナス状態に移行され、ボーナス状態が終了した場合には、再びAT状態に移行されることとなる。
また、AT状態からボーナス状態に移行した際には、AT状態の残メダル数はボーナス状態への移行時に保留され、再度AT状態に復帰した場合に、保留された残メダル数からAT状態が再開(図42の矢印e5)されるものとなる。
【0714】
ただし、AT状態の途中でボーナス状態に移行した場合には、通常遊技状態中(AT状態終了後も含む)にボーナス状態に移行した場合とは異なり、AT状態の移行抽選処理は行われず、予め定められたメダルの払い出しが行われた場合にボーナス状態は終了し、AT状態に復帰することとなる。
【0715】
なお、AT状態の途中からボーナス状態に移行した場合には、当該ボーナス状態中のゲームにおいて、AT状態の移行抽選の代わりに、AT状態の残メダル数に所定メダル数(例えば、10枚)を上乗せ(加算)するため抽選を行うようにしてもよい。
ただし、この場合には、AT状態の終了後にボーナス状態に移行する場合の方が、AT状態の途中からボーナス状態に移行した場合よりも、遊技者に大きな特典が得られるような抽選にすることが好ましい。
【0716】
・AT状態から通常遊技状態への移行処理(図42の矢印d5)
AT状態において、AT状態の終了条件が成立した場合、すなわち、AT状態における残メダル数が無くなった場合には、AT状態終了後に通常遊技状態に移行する。
なお、AT状態中のゲームにおいて、ボーナス状態の移行権利が付与された場合も、AT状態の終了条件が成立した場合には、一旦通常遊技状態に移行することとなるが、この場合には、通常遊技状態中において特別の図柄組合せの停止により直ぐにボーナス状態に移行することとなる。
【0717】
AT状態から通常遊技状態へ移行した場合には、AT状態の当選確率状態は、通常確率状態となるように制御される。なお、このとき確率設定装置14での設定毎に、所定の確率で高確率状態に移行させるようにしてもよい。
また、AT状態の終了後に高確率状態に移行させる場合には、当該高確率状態中に、前述した制限手段による制限制御(リミッター制御)が行われる可能性があるが、高確率状態中に制限制御が行われた場合には、通常確率状態に移行させる。
【0718】
また、AT状態の終了時には、所定期間(例えば、5秒)のエンディング状態が設定され、エンディング状態中は、ゲームの進行が一時的に不能となり、エンディング状態終了後に通常遊技状態に移行することとなる。
エンディング状態中においては、主制御装置10および副制御装置20の制御により、確率設定装置14で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報が報知手段により報知される。例えば、所定の画像がメイン表示器8やサブ表示器17により表示されるとともに、所定の音声がスピーカ9により出力される。
以上のように、第5実施形態のスロットマシン1における遊技状態の移行が行われる。
【0719】
[第5実施形態の遊技機におけるAT状態の移行抽選制御]
次に、図43図44を参照して、本第5実施形態におけるスロットマシン1でのAT状態の移行抽選制御について説明する。
【0720】
前述したように、ボーナス役の当選時、およびボーナス状態中のゲームにおいては、主制御装置10によりAT状態の移行抽選が行われ、この移行抽選に当選した場合には、AT状態の移行権利が付与されることとなる。
以下、主制御装置10によりAT状態の移行抽選が行われた場合の各抽選結果となる確率について説明する。
【0721】
まず、図43は、ボーナス役の当選時のAT状態の移行抽選における各抽選結果となる確率を示している。
なお、主制御装置10では、ボーナス役の当選時に、所定の乱数を抽出することでAT状態の移行抽選を行うようにしている。
また、AT状態中にボーナス役に当選した場合にも同様の移行抽選は行われる。
【0722】
図43に示すように、ボーナス役の当選時のAT状態の移行抽選においては、90%の確率でAT状態に非当選となり、9%の確率で初期の残メダル数を100枚とするAT状態の当選となり、1%の確率で初期の残メダル数を150枚とするAT状態の当選となるようなAT状態の移行抽選が行われる。
上記移行抽選によりAT状態に当選した場合には、ボーナス役に当選した時点からAT状態の移行権利が付与されるとともに、対応する残メダル数が記憶保持されることとなる。
【0723】
以上のように、ボーナス役の当選時にAT状態の移行抽選が行われることから、ボーナス状態に移行する以前からAT状態の移行権利が付与される可能性が生じることとなり、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
また、AT状態の移行抽選により、初期時に付与される残メダル数の異なるAT状態が発生可能となることから、より多彩なAT状態を発生させることが可能となり、遊技者の期待感を向上させることが可能となるである。
【0724】
なお、ボーナス役の当選時のAT状態の移行抽選は、AT状態中のゲームにおいてボーナス役に当選した場合にも実行されることから、このときAT状態の移行抽選に当選した場合には、AT状態の終了後にボーナス状態に移行し、さらにボーナス状態終了後に再びAT状態に移行することが確定することとなる。
なお、初期時に付与される残メダル数として、AT状態中に払い出されるメダル数を設定するようにしているが、AT状態中に遊技者が獲得するメダル数(純増枚数)を設定するようにしてもよい。
【0725】
次に、図44は、ボーナス状態中の各ゲーム実行時のAT状態の移行抽選および上乗せ抽選における各抽選結果となる確率を示している。
なお、主制御装置10では、上記抽選が行われるゲーム実行時に、所定の乱数を抽出することで各抽選を行うようにしている。
【0726】
まず、図44(a)は、未だAT状態の移行権利が付与されていない場合の抽選結果を示している。
図44(a)に示すように、ボーナス状態中のゲームにおいてレア役以外の役に当選した場合には、95%の確率でAT状態に非当選となり、4%の確率で初期時の残メダル数を100枚とするAT状態の当選となり、1%の確率で初期時の残メダル数を150枚とするAT状態の当選となるようなAT状態の移行抽選が行われる。
【0727】
また、ボーナス状態中のゲームにおいてレア役に当選した場合には、60%の確率でAT状態に非当選となり、30%の確率で初期時の残メダル数を100枚とするAT状態の当選となり、10%の確率で初期時の残メダル数を150枚とするAT状態の当選となるようなAT状態の移行抽選が行われる。
上記移行抽選によりAT状態に当選した場合には、ボーナス状態中のゲーム実行時にAT状態の移行権利が付与されるとともに、対応する残メダル数が記憶保持されることとなる。
【0728】
次に、図44(b)は、既にAT状態の移行権利が付与されている場合、すなわち、ボーナス役の当選時あるいはボーナス状態中のゲームにおいて、既にAT状態の移行抽選に当選した後のボーナス状態中のゲームにおける上乗せ抽選の抽選結果を示している。
本第5実施形態においては、既にAT状態の移行権利が付与されている場合には、AT状態の移行権利は付与せずに、代わりにその後に発生するAT状態の残メダル数に所定数のメダルを上乗せ(加算)する上乗せ抽選を行うようにしている。
【0729】
図44(b)に示すように、既にAT状態の移行権利が付与されているボーナス状態中のゲームにおいてレア役以外の役に当選した場合には、93%の確率で上乗せ抽選に非当選となり、5%の確率で残メダル数に10枚のメダルを上乗せ(加算)することに当選となり、2%の確率で残メダル数に20枚のメダルを上乗せ(加算)することに当選となるような上乗せ抽選が行われる。
【0730】
また、既にAT状態の移行権利が付与されているボーナス状態中のゲームにおいてレア役に当選した場合には、20%の確率で上乗せ抽選に非当選となり、50%の確率で残メダル数に10枚のメダルを上乗せ(加算)することに当選となり、30%の確率で残メダル数に20枚のメダルを上乗せ(加算)することに当選となるような上乗せ抽選が行われる。
上記上乗せ抽選に当選した場合には、上乗せされたメダル数分増加された残メダル数が記憶保持されることとなる。
【0731】
以上のように、ボーナス状態中のゲームにおいてAT状態の移行抽選が行われることから、ボーナス状態中の各ゲームにおいてAT状態の移行権利が付与される可能性が生じることとなり、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
また、レア役に当選した場合には、レア役以外の役に当選した場合よりも、AT状態の移行抽選が遊技者にとって有利に行われることとなる。
したがって、ボーナス状態中のゲームにおいてレア役に当選した場合には、遊技者の期待感を向上させることが可能となるである。
【0732】
また、AT状態の移行権利が付与された以降のボーナス状態中のゲームにおいても、残メダル数に所定数のメダルを上乗せする上乗せ抽選が行われることから、例えば、レア役に当選した場合に、AT状態の移行抽選が行われないことによる遊技者の不満感を低下させるとともに、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0733】
なお、AT状態中のゲームにおいてボーナス役に当選したが、AT状態の終了を待たずにボーナス状態がAT状態の途中で発生した場合には、ボーナス状態中のゲームにおけるAT状態の移行抽選は行われず、代わりに図44(b)に示した上乗せ抽選を行うことが好ましい。
したがって、この場合、AT状態中のゲームにおいてボーナス役に当選した場合には、AT状態の終了後にボーナス状態に移行させた方が遊技者にとって有利となるのである。
【0734】
なお、各抽選結果となる確率は、上記した傾向を形成できるものであれば上記以外でもよい。
また、AT状態の継続期間を規定することとなる残メダル数は、上記以外でもよいし、3種類以上の選択肢を設けるようにしてもよい。
また、上乗せメダル数についても上記以外でもよいし、3種類以上の選択肢を設けるようにしてもよい。
また、当選したレア役の種類に応じて、抽選結果を変更するようにしてもよく、例えば、当選確率が相対的に低いレア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合には、より遊技者にとって有利な抽選結果が導出されるような抽選を行うようにしてもよい。
以上のように、第5実施形態の遊技機におけるAT状態の移行抽選制御が行われる。
【0735】
[第5実施形態の遊技機におけるボーナス状態中にAT状態の移行抽選に当選した場合の制御]
次に、図45図47を参照して、本第5実施形態の遊技機(スロットマシン1)において、ボーナス状態中にAT状態の移行抽選に当選した場合の主制御装置10での制御、および副制御装置20での表示制御(表示内容)について説明する。
【0736】
まず、図45のタイミングチャートを参照して、ボーナス状態中にAT状態の移行抽選に当選した場合における、ゲームの進行に応じた遊技状態の遷移、およびメイン表示器8での表示内容(演出)について説明する。
図45に示すように、遊技状態が通常遊技状態中のゲームにおいて、ボーナス役に当選すると(タイミングt50)、ボーナス状態の移行権利が付与されて、以降のゲームにおいては、特別の図柄組合せを停止可能なリール4の停止制御が行われる。
なお、ボーナス役の当選時には、AT状態の移行抽選が行われることとなるが、図示では、このときの移行抽選は非当選となっている。
【0737】
また、通常遊技状態におけるボーナス役に当選した後のゲームにおいては、特別の図柄組合せの停止を促す指示演出がメイン表示器8において実行される。
そして、上記指示演出を確認した遊技者により、特別の図柄組合せを停止可能な適切な操作が行われると、リール4の有効ライン上に特別の図柄組合せ(「7・7・7」)が停止される(タイミングt51)。
【0738】
特別の図柄組合せが停止すると、遊技状態が通常遊技状態からボーナス状態に変更されて、メイン表示器8等における演出が、通常遊技状態に対応する演出から、ボーナス状態に対応する演出(第1特別演出)に変更される。
また、ボーナス状態への移行により、各ゲームにおいて押し順ベル役に当選した場合には、押し順ナビがメイン表示器8において実行される。
なお、このとき共通ベル役に当選した場合にも押し順ナビを実行するようにしてもよい。
【0739】
遊技状態がボーナス状態に移行すると、当該ボーナス状態中のゲームにおいては、AT状態の移行抽選が行われる。
そして、ボーナス状態中のゲームにおいて、AT状態の移行抽選に当選すると(タイミングt52)、AT状態の移行権利が付与される。
したがって、以降はAT状態の移行権利が付与された状態でボーナス状態中のゲームが実行されることとなる。
【0740】
また、AT状態の移行抽選に当選した場合でも、メイン表示器8における演出は変更されず、ボーナス状態に対応する演出(第1特別演出)が継続して実行される。
そして、ボーナス状態中において、ボーナス状態の終了条件が成立することとなるゲーム(最終ゲーム)が実行されると(タイミングt53)、当該ゲームの終了時点でボーナス状態が終了することとなる。
なお、このときAT状態の移行権利が付与されていた場合には、ボーナス状態の終了を報知する演出は実行されずに、次ゲームが開始可能となる。
【0741】
そして、ボーナス状態が終了した次ゲームが開始されると(タイミングt54)、遊技状態がAT状態に移行される。
また、遊技状態がボーナス状態からAT状態に変更されても、メイン表示器8においては、ボーナス状態に対応する演出(第1特別演出)が継続して実行されることとなる。
したがって、遊技状態がボーナス状態からAT状態に移行された場合でも、遊技者はそのことに気付かずにゲームを進行することとなる。
【0742】
そして、AT状態中において、AT状態の終了条件が成立することとなるゲームが実行されると(タイミングt55)、当該ゲームの終了時点でAT状態が終了することとなる。
また、AT状態の終了に応じて、遊技状態がAT状態から通常遊技状態に変更されて、メイン表示器8等における演出が、AT状態に対応する演出(第2特別演出)から、通常遊技状態に対応する演出に変更される。
また、通常遊技状態への移行により、各ゲームにおいて押し順ベル役に当選しても、メイン表示器8における押し順ナビは実行されなくなる。
【0743】
以上のように、本第5実施形態のスロットマシン1においては、主制御装置10は、ボーナス役の当選時あるいはボーナス状態中のゲームにおいて、AT状態の移行抽選に当選した場合には、ボーナス状態の終了後にAT状態を発生させるのである。
【0744】
すなわち、特別遊技状態制御手段としての主制御装置10は、第1特別遊技状態(ボーナス状態)の発生に関連して第2特別条件が成立(AT状態の移行抽選に当選)した場合には、第1特別遊技状態の終了後に第2特別遊技状態(AT状態)を発生させることが可能な第2特別遊技状態制御手段を備えるのである。
したがって、ボーナス状態に引き続いてAT状態が発生することとなり、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0745】
また、ボーナス状態の終了後にAT状態を発生させる場合には、それまで実行されていたメイン表示器8におけるボーナス状態に対応する演出を、AT状態においても継続して実行するのである。
【0746】
すなわち、特別演出制御手段としての副制御装置20は、第2特別遊技状態制御手段(主制御装置10)により第2特別遊技状態(AT状態)が発生された場合に、当該第2特別遊技状態において、第1特別演出(ボーナス状態に対応する演出)を継続して実行させることを可能とするのである。
したがって、遊技状態がボーナス状態からAT状態に変更された場合でも、遊技者に対してそのことを気付かせずに、ボーナス状態が延長されたような遊技内容を実現でき、従来にない斬新な遊技内容の提供により興趣性を向上させることが可能となるのである。
【0747】
なお、図示ではボーナス状態中のゲームにおいて、AT状態の移行権利が付与された場合について説明したが、ボーナス役の当選時にAT状態の移行権利が付与された場合も同様の演出が実行される。
また、AT状態の移行抽選時期は上記以外でもよく、例えば、特別の図柄組合せが停止した時点、ボーナス状態の最初のゲーム開始時点、ボーナス状態の最終ゲームの終了時点等でもよい。
【0748】
次に、図46を参照して、第5実施形態のスロットマシン1において、ボーナス状態中の各種演出について説明する。
図46は、ボーナス状態に対応する演出(第1特別演出)が実行された場合のメイン表示器8における演出画像であって、ボーナス状態からAT状態に移行した場合、およびボーナス状態が終了した場合の演出画像を示している。
【0749】
主制御装置10では、ボーナス状態の開始および終了を特定可能な情報、AT状態の移行権利の有無を特定可能な情報等のボーナス状態に関連する制御情報を副制御装置20に送信し、副制御装置20では、受信した制御情報に基づき、メイン表示器8においてボーナス状態に関わる各種演出画像を表示することでボーナス状態に対応する演出(第1特別演出)を実行するようにしている。
また、メイン表示器8でのボーナス状態に対応する演出の実行に対応して、スピーカ9から所定の効果音を出力するとともに、ランプ11から所定の装飾光を出力するようにしている。
【0750】
まず、図46(a)に示すように、ボーナス状態中においては、メイン表示器8の画面主要部にボーナス状態中であることを報知するボーナス状態画像60aが表示されて、ボーナス状態に対応する演出(第1特別演出)が実行される。
ボーナス状態画像60aは、ボーナス状態中であることを遊技者が認識でき、また、ボーナス状態中の興趣を向上させるものであれば何れでもよく、例えば、登場するキャラクタの紹介画像(動画)が表示される。
【0751】
また、本第5実施形態においては、ボーナス状態中に払い出されたメダル数が、例えば、50枚、100枚、150枚となった時点等の所定の周期で、ボーナス状態が継続するか否かを報知するための継続演出を実行するようにしている。
したがって、例えば、ボーナス状態中に払い出されたメダル数が50枚となるゲームの実行中においては、図46(b)に示すような、「継続チャンス」の文字情報からなる継続演出画像61aがボーナス状態画像60aの下方部に表示されて、継続演出が実行されることとなる。
【0752】
そして、ボーナス状態が未だ終了せずに次ゲームまで継続する場合には、図46(c)に示すように、当該ゲームの終了時点で「継続確定」の文字情報からなる継続確定画像61bがボーナス状態画像60aの下方部に表示されて、ボーナス状態が継続することが報知されることとなる。
【0753】
一方、ボーナス状態が終了する場合には、図46(d)に示すように、当該ゲームの終了時点で「ボーナス終了」の文字情報からなるボーナス終了画像61cと、当該ボーナス状態中に実行されたゲーム数を示すボーナスゲーム数画像61d(図示では「40G」)と、当該ボーナス状態中に払い出されたメダル数を示す払出メダル数画像61e(図示では「120枚」)が、メイン表示器8の画面中央部に表示されることとなる。
なお、このときに実際に遊技者が獲得したメダル数(純増枚数)を表示するようにしてもよい。
【0754】
前述したように、ボーナス状態中は、ボーナス状態中に払い出されたメダル数や実行されたゲーム数は表示されないものとなっているので、現時点がボーナス状態のどのあたりまで進行しているかを完全には把握できていない遊技者に対して、上記した継続演出の実行により、ボーナス状態が継続するか否かが所定のゲーム間隔で報知されることとなるのである。
また、継続演出の実行により、突然ボーナス状態が終了してしまう、というような興趣性の低下するボーナス状態の終了態様となってしまうことも防止しているのである。
【0755】
また、ボーナス状態の終了直後にAT状態に移行する場合にも、ボーナス状態中のメダルの払い出し枚数が上限値である150枚となるゲームでは、上記同様の継続演出が実行され、ボーナス状態の最終ゲームの終了後に、図46(c)に示すような継続確定画像61bがボーナス状態画像60aの下方部に表示されて、ボーナス状態が継続することが報知されることとなる。
そして、遊技状態がAT状態に移行したあとのゲームにおいても、メイン表示器8の画面主要部にボーナス状態画像60aが継続して表示される。
ただし、この場合には、ボーナス状態の継続が報知されているが、実際には次ゲームから遊技状態はAT状態に移行することとなるのである。
【0756】
すなわち、ボーナス状態中のメダルの払い出し枚数が、例えば、50枚や100枚となる時点で実行される継続演出は、ボーナス状態が継続している状態で実行されるのに対して、メダルの払い出し枚数が150枚となる時点で実行される継続演出は、遊技状態がボーナス状態からAT状態に移行するときに実行されることとなり、このようにボーナス状態が終了するときにも、途中での継続演出と同様の演出が実行されることで、遊技状態がボーナス状態からAT状態に移行したことを不明瞭にしているのである。
【0757】
また、AT状態に移行した後も、ボーナス状態中と同様に、AT状態中に払い出されたメダル数が、例えば、50枚、100枚、150枚等の50枚の払い出し間隔で、ボーナス状態(実際にはAT状態)が継続するか否かを報知するための継続演出を実行するようにしている。
したがって、ボーナス状態からAT状態に移行した後も、継続して所定ゲーム間隔での継続演出が実行されることとなり、継続演出の有無や実行される間隔により、その時点がボーナス状態であるかAT状態であるかが不明瞭となるのである。
【0758】
なお、終了条件の異なる複数のボーナス状態を発生可能としてもよく、メダルの払い出し枚数が、例えば、50枚や100枚を超えた場合に終了となるボーナス状態を設けるようにした上で、上記同様の継続演出を実行するようにしてよい。
このようにすれば、ボーナス状態の終了の可能性のある各分岐点と、継続演出が実行される時点が対応することとなり、より継続演出の興趣性が向上することとなる。
【0759】
以上のように、第5実施形態のスロットマシン1においては、ボーナス状態の途中において当該ボーナス状態が継続することを報知するための継続演出が実行されることとなるが、ボーナス状態からAT状態に移行する際にも、上記同様の継続演出が実行されるのである。
【0760】
すなわち、特別演出制御手段としての副制御装置20は、第2特別遊技状態制御手段(主制御装置10)により第2特別遊技状態(AT状態)が発生された場合に、第1特別遊技状態(ボーナス状態)が継続する旨を報知可能な継続演出を実行させることを可能とするのである。
したがって、遊技状態がボーナス状態からAT状態に変更した際にも、何ら違和感なくその間の演出を実行することが可能となり、遊技者に対してボーナス状態が継続したと認識させた上でゲームを実行させることが可能となるのである。
【0761】
また、ボーナス状態終了直後にAT状態に移行した場合には、当該AT状態中において、ボーナス状態中に実行されていた演出と同じ演出が実行されることとなるのである。
すなわち、特別演出制御手段としての副制御装置20は、第2特別遊技状態制御手段(主制御装置10)により第2特別遊技状態(AT状態)が発生された場合に、当該第2特別遊技状態において、第1特別演出(ボーナス状態に対応する演出)を継続して実行させることを可能とするのである。
したがって、ボーナス状態からAT状態に移行した後においても、遊技者はボーナス状態が継続したものと認識してゲームを実行することとなり、従来にない斬新な遊技の実行により遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
【0762】
なお、ボーナス状態画像60aをメイン表示器8に表示することで、第1特別演出としてのボーナス状態に対応する演出を実行するようにしているが、ボーナス状態中であることを遊技者が認識でき、かつボーナス状態中の興趣を向上させるものであれば、第1特別演出中に表示される演出画像は何れでもよく、静止画を表示することで第1特別演出を実行してもよいし、動画を表示することで第1特別演出を実行してもよい。
また、第1特別演出をメイン表示器8で実行しているが、メイン表示器8とサブ表示器17の両方で実行するようにしてもよいし、サブ表示器17単独で実行するようにしてもよい。
【0763】
次に、図47を参照して、第5実施形態のスロットマシン1において、AT状態中の演出について説明する。
【0764】
前述したように、ボーナス状態直後にAT状態に移行した場合には、メイン表示器8においてボーナス状態に対応する演出(第1特別演出)が継続して実行されることとなるが、このときのAT状態が上乗せ抽選等により比較的長期間継続した場合には、既にボーナス状態が終了してAT状態に移行していることに気付く遊技者も少なくない。
したがって、本第5実施形態のスロットマシン1においては、ボーナス状態直後に発生したAT状態が比較的長期間継続した場合には、メイン表示器8において実行されているボーナス状態に対応する演出(第1特別演出)を、AT状態に対応する演出(第2特別演出)に変更するようにしている。
【0765】
図47は、AT状態中のメイン表示器8における演出画像であって、AT状態の継続期間が所定期間を超えた際の演出画像を示している。
まず、図47(a)に示すように、ボーナス状態直後のAT状態が所定期間以内であった場合には、前述同様に、メイン表示器8の画面主要部にボーナス状態中であることを報知するボーナス状態画像60aが表示されて、ボーナス状態に対応する演出(第1特別演出)が実行される。
【0766】
また、AT状態中に払い出されたメダル数が、例えば、50枚、100枚、150枚等の50枚の払い出し間隔で、前述同様に、継続演出画像61aがボーナス状態画像60aの下方部に表示されて、ボーナス状態(実際はAT状態)が継続するか否かを報知するための継続演出が実行されることとなる。
【0767】
なお、AT状態の継続管理もボーナス状態と同様に払い出されたメダル数に基づき行われているので、AT状態中においてもAT状態の終了の可能性のある各分岐点と、継続演出が実行される時点が対応することとなるのである。
すなわち、AT状態の継続を、遊技者が獲得したメダル数(純増枚数)により管理した場合には、AT状態の終了が、ボーナス状態中から継続して実行されている周期的な継続演出とは外れた時点となる可能性が高くなり、継続演出が実行された時点でAT状態が終了することを遊技者が事前に認識してしまう虞があるからである。
【0768】
そして、AT状態が未だ終了せずに次ゲームまで継続する場合には、図47(b)に示すように、当該ゲームの終了時点で継続確定画像61bが画面の下方部に表示されて、ボーナス状態(実際はAT状態)が継続することが報知されることとなる。
また、メイン表示器8画面主要部にボーナス状態画像60aが表示されることとなる。
【0769】
ただし、継続演出が所定の複数回(例えば、150枚の時点の3回目)実行された場合には、図示するように、ボーナス状態画像60aに替えてAT状態であることを遊技者が認識可能なAT状態画像60bが表示される。
すなわち、AT状態が比較的長期間継続した場合には、ボーナス状態画像60aを表示せずにAT状態画像60bを表示することで、メイン表示器8において実行されているボーナス状態に対応する演出(第1特別演出)から、AT状態に対応する演出(第2特別演出)に変更するのである。
【0770】
また、メイン表示器8の画面左上には、AT状態中の残メダル数を示す残メダル数画像62a(図示では「100枚」)が現出表示され、メイン表示器8の画面右には、ボーナス状態とAT状態のトータルの実行済みゲーム数示す実行ゲーム数画像62b(図示では「100G」)が現出表示される。
したがって、AT状態が比較的長期間継続した場合には、その時点がAT状態であることが明確に報知されるとともに、その時点における特別遊技状態(ボーナス状態およびAT状態)中の残メダル数や実行済みゲーム数が正確に報知されることとなるのである。
そして、以降のゲームにおいては、AT状態画像60bが継続して表示されるとともに、ゲームの進行や役の抽選結果に基づき、残メダル数画像62aと実行ゲーム数画像62bが更新表示されることとなる。
【0771】
一方、AT状態が終了する場合には、図47(c)に示すように、当該ゲームの終了時点で「ボーナス終了」の文字情報からなるボーナス終了画像61cと、当該ボーナス状態とAT状態中に実行されたゲーム数を示すボーナスゲーム数画像61d(図示では「100G」)と、ボーナス状態とAT状態中に払い出されたメダル数を示す払出メダル数画像61e(図示では「250枚」)が、メイン表示器8の画面中央部に表示されて、今回の特別遊技状態中の遊技結果が報知されることとなる。
なお、ボーナス状態以外のAT状態が継続したゲーム数や、AT状態中に払い出されたメダル数を表示してもよい。
また、実際に遊技者が獲得したメダル数(純増枚数)を表示するようにしてもよい。
【0772】
このように、ボーナス状態直後のAT状態中においては、ボーナス状態中と同様に、ボーナス状態中に払い出されたメダル数や実行されたゲーム数は表示されないものとなっているので、現時点がボーナス状態のどのあたりまで進行しているかを完全には把握できていない遊技者に対して、上記した継続演出の実行により、ボーナス状態(実際はAT状態)が継続するか否かが所定間隔で報知されることとなるのである。
また、継続演出の実行により、突然特別遊技状態が終了してしまう、というような興趣性の低下する特別遊技状態の終了態様となってしまうことも防止しているのである。
【0773】
また、本第5実施形態においては、前述したようにAT状態中のゲームでAT状態の残メダル数に対する上乗せ抽選が行われることから、この上乗せ抽選時に上乗せ抽選が行われたことや、上乗せされるメダル数を報知するための上乗せ演出を実行する必要がある。
一方で、ボーナス状態は、終了条件の変更はできないものとなっているので、ボーナス状態の残メダル数に対する上乗せ抽選は行われない。
【0774】
したがって、第1特別演出が行われているAT状態中のゲームにおいて、上乗せ抽選が行われた場合には、上乗せ演出は行われずに、当該上乗せ抽選の当選によりメダル数が上乗せされた場合には、上乗せメダル数の報知は行われずにAT状態の残メダル数に加算されるのみとなる。
そして、この状態でボーナス終了画像61cが表示された場合には、上記未報知の上乗せメダル数分のゲームが残っていることとなるので、ボーナス終了画像61cが表示された次ゲームにおいて、残メダル数に加算される演出(所謂後乗せ演出)の実行とともに、再度特別遊技状態が継続することとなる。
なお、この場合、メダル数の上乗せによりAT状態に移行していることに遊技者は気付くので、以降のゲームにおいては、AT状態に対応する演出(第2特別演出)を実行することが好ましい。
【0775】
一方、AT状態中に第2特別演出が開始された以降のゲームにおいて、上乗せ抽選が行われた場合には、例えば、メイン表示器8において上乗せ抽選に対応する上乗せ演出が行われ、当該上乗せ抽選の当選によりメダル数が上乗せされた場合には、上乗せメダル数分が残メダル数画像62aに加算表示されることとなる。
また、AT状態中に第1特別演出が行われている状態でのゲームにおいて、上乗せ抽選に当選していて、以降のゲームで第2特別演出に変更された場合には、残メダル数画像62aの現出時点で、上乗せメダル数を加算した分の残メダル数画像62aが表示されることとなる。
【0776】
以上のように、第5実施形態のスロットマシン1においては、ボーナス状態直後にAT状態に移行した場合において、当該AT状態に実行される継続演出が所定回数(例えば、3回)となった場合、すなわちAT状態中のメダルの払い出し数が所定数(例えば、150枚)となった場合には、ボーナス状態に対応する演出からAT状態に対応する演出に変更されるのである。
【0777】
すなわち、特別演出制御手段としての副制御装置20は、第2特別遊技状態制御手段(主制御装置10)により第2特別遊技状態(AT状態)が発生された場合に、当該第2特別遊技状態の継続期間が所定期間を超えた場合(継続演出が3回実行された場合)に、第1特別演出(ボーナス状態に対応する演出)から第2特別演出(AT状態に対応する演出)へ切り替えることを可能とするのである。
したがって、AT状態が長期間継続した場合には、その時点の遊技状態がAT状態であることを遊技者に明確に報知することが可能となり、既にAT状態であることを認識している遊技者に対して不信感を与えてしまうことを防止することが可能となるのである。
【0778】
また、第1特別演出から第2特別演出に変更された以降のゲームにおいて、上乗せ抽選が行われた場合には、上乗せ抽選に対応する上乗せ演出が、例えば、メイン表示器8において実行されるのである。
すなわち、特別演出制御手段としての副制御装置20は、第2特別遊技状態(AT状態)の継続期間が所定期間を超えたことにより第1特別演出から第2特別演出へ切り替えられた以降のゲームにおいて、遊技者に対して所定の特典(メダル数の上乗せ)を付与可能な特定な抽選が行われた場合に、当該特定な抽選に対応する演出(上乗せ演出)を実行可能とするのである。
【0779】
したがって、AT状態が長期間継続した場合には、AT状態であることが報知されることとなるので、ボーナス状態中では実行されない上乗せ演出を、何ら問題なく実行することが可能となり、遊技の興趣性や遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0780】
なお、第1特別演出から第2特別演出に変更する条件としては上記した以外でもよく、例えば、AT状態に移行後に実行されたゲーム数が所定数(例えば、100回)となった場合でもよい。
また、AT状態中の上乗せ抽選により残メダル数が所定数(例えば、300枚)以上となった場合に、第1特別演出から第2特別演出に変更するようにしてもよい。すなわち、この場合には、AT状態の継続期間が長期間となることが事前に確定するので、AT状態が長期間継続していない場合でも第2特別演出に変更することとなる。
【0781】
また、AT状態の継続を、遊技者が獲得したメダル数(純増枚数)により管理するようにしてもよく、この場合、AT状態の移行後の第1特別演出の実行中には、遊技者が獲得したメダル数(純増枚数)が所定数(例えば、50枚、100枚等)となる時点で継続演出を実行することが好ましい。
以上のように、第5実施形態の遊技機におけるボーナス状態中にAT状態の移行抽選に当選した場合の制御が行われる。
【0782】
[第5実施形態の遊技機におけるAT状態中にボーナス役に当選した場合の制御]
次に、図48図50を参照して、第5実施形態の遊技機(スロットマシン1)において、AT状態中にボーナス役に当選した場合の制御について説明する。
【0783】
まず、図48を参照して、本第5実施形態の遊技機(スロットマシン1)において、ボーナス状態に対応する演出(第1特別演出)が実行されているAT状態中のゲームにおいて、ボーナス役に当選した場合の制御について説明する。
【0784】
図48のタイミングチャートは、第1特別演出が実行されているAT状態中のゲームにおいて、ボーナス役に当選した場合におけるゲームの進行に応じた遊技状態の遷移、およびメイン表示器8での表示内容(演出)の遷移を示している。
図48に示すように、遊技状態が通常遊技状態中のゲームにおいて、特別の図柄組合せが停止すると(タイミングt56)、遊技状態が通常遊技状態からボーナス状態に変更されて、メイン表示器8等における演出が、通常遊技状態中の演出から、ボーナス状態中の演出(第1特別演出)に変更される。
また、ボーナス状態への移行により、各ゲームにおいて押し順ベル役に当選した場合には、押し順ナビがメイン表示器8において実行される。
【0785】
そして、ボーナス状態中のゲーム等において、AT状態の移行抽選に当選すると、当該ボーナス状態の最終ゲームの次ゲームから(タイミングt57)、遊技状態がボーナス状態からAT状態に移行される。
また、主制御装置10からの制御情報の受信に基づく副制御装置20での制御により、遊技状態がボーナス状態からAT状態に変更されても、メイン表示器8においては、ボーナス状態に対応する演出が継続して実行されることとなる。
また、AT状態へ移行されても、ボーナス状態中と同様に、各ゲームにおいて押し順ベル役に当選した場合には、押し順ナビがメイン表示器8において実行される。
したがって、遊技状態がボーナス状態からAT状態に移行された場合でも、遊技者はそのことに気付かずにゲームを進行することとなる。
【0786】
また、遊技状態がAT状態に移行されると、当該AT状態中のゲームにおいては、ボーナス役の抽選も行われることとなる。
そして、AT状態中のゲームにおいてボーナス役に当選した場合には、ボーナス役に当選した状態(ボーナス当選状態)が特別の図柄組合せ(特別図柄態様)が停止するまで保持されることとなる。
【0787】
本第5実施形態のスロットマシン1においては、前述したように、主制御装置10は、AT状態におけるボーナス当選状態中のゲームでは、ボーナス役とその他の役が重複して当選した場合に、ボーナス役以外の役の方を優先的に停止させるような優先停止制御を行うようにしている。
また、主制御装置10からの制御情報の受信に基づく副制御装置20での制御により、AT状態におけるボーナス当選状態中のゲームにおいては、ボーナス役に当選していることは報知されずに、ボーナス状態(実際はAT状態)中の演出(第1特別演出)や押し順ナビが継続して実行されることとなる。
【0788】
したがって、AT状態中のゲームにおいてボーナス役に当選した場合でも、遊技者はボーナス役に当選したことに気付かずにAT状態中のゲームを実行することとなり、その結果、当該AT状態が終了するまでボーナス状態に移行(特別の図柄組合せが停止)する可能性は極めて低くなるのであるので、ボーナス状態の移行権利はAT状態が終了するまで保持されることとなる。
【0789】
そして、AT状態が終了することとなるゲームが終了して、遊技状態が通常遊技状態に移行した時点(タイミングt59)で、主制御装置10からの制御情報の受信に基づく副制御装置20での制御により、ボーナス役に当選していることが報知されて、特別の図柄組合せを停止するための指示演出が、メイン表示器8において通常遊技状態に対応する演出とともに実行される。
【0790】
特別の図柄組合せを停止するための指示演出は、特別の図柄組合せが停止するまで継続して実行され、特別の図柄組合せが停止した場合には当該ゲームから遊技状態がボーナス状態に移行することとなり、また、メイン表示器8等における演出が、通常遊技状態に対応する演出から、ボーナス状態に対応する演出に変更される。
また、AT状態の終了により実行されていなかった押し順ナビが、ボーナス状態への移行により再開されることとなる。
【0791】
以上のように、本第5実施形態のスロットマシン1においては、ボーナス状態直後のAT状態中においては、ボーナス状態に対応する演出が実行されることから、AT状態に変更されても同一の特別遊技状態が継続しているような遊技態様を形成できるのである。
【0792】
また、第1特別演出が実行されているAT状態中のゲームにおいて、ボーナス役に当選した場合には、特別の図柄組合せを停止させないような各種制御が行われることから、当該AT状態が終了するまでボーナス状態に移行(特別の図柄組合せが停止)する可能性は極めて低くなり、その結果、ボーナス状態の移行権利はAT状態が終了するまで保持されることとなるのである。
【0793】
すなわち、特別遊技状態制御手段としての主制御装置10は、第2特別遊技状態(AT状態)中において第1特別条件が成立(ボーナス役に当選)した場合に、当該第2特別遊技状態が終了するまで第1特別遊技状態の発生権利(ボーナス状態の移行権利)を保持可能とするのである。
したがって、ボーナス状態(実際はAT状態)中に再びボーナス状態が発生してしまう、というような違和感のある遊技が実行されてしまうことを防止可能となるのである。
【0794】
また、AT状態が終了した時点で、ボーナス状態の移行権利が付与されていた場合には、特別の図柄組合せを停止するための指示演出がメイン表示器8において実行されて、AT状態の終了直後にボーナス状態に移行可能となるのである。
【0795】
すなわち、特別演出制御手段としての副制御装置20は、第2特別遊技状態(AT状態)が終了したときに第1特別遊技状態の発生権利(ボーナス状態の移行権利)が保持されていた場合に、特別図柄態様(特別の図柄組合せ)の導出を指示する指示演出を実行させることが可能な終了後指示演出制御手段を備えるのである。
したがって、ボーナス状態として演出されているAT状態の終了直後に、再びボーナス状態が発生する、所謂連続ボーナス状態(あるいは1ゲーム連)が発生するような遊技態様を疑似的に形成することが可能となり、遊技者の期待感を極めて向上させることが可能となるのである。
【0796】
また、上記再度のボーナス状態への移行後は、前述同様に、AT状態の移行抽選を含むボーナス状態中の遊技制御および演出制御が行われて、ボーナス状態とAT状態に関わる制御が繰り返して実行されることとなる。
また、AT状態中にボーナス役に当選した場合には、前述同様に、AT状態の移行抽選も行われる。
【0797】
なお、第1特別演出が実行されているAT状態の最終ゲームの実行中あるいは終了後に、ボーナス状態の移行権利が付与されているか否かの演出をメイン表示器8において実行し、ボーナス状態の移行権利が付与された場合には、当該演出の結果として、ボーナス状態の移行権利が付与されていることを報知し、ボーナス状態の移行権利が付与されていない場合には、当該演出の結果として、ボーナス状態の移行権利が付与されていないことを報知するようにしてもよい。
また、上記演出を、AT状態の終了間際における所定数のゲームが実行される間に亘る連続演出として実行するようにしてもよい。
【0798】
次に、図49図50を参照して、本第5実施形態の遊技機(スロットマシン1)において、AT状態に対応する演出(第2特別演出)が実行されているAT状態中のゲームにおいて、ボーナス役および特殊リプレイ役に当選した場合の制御について説明する。
【0799】
まず、図49を参照して、第2特別演出が行われているAT状態中にボーナス役に当選した場合について説明する。
【0800】
前述したように、AT状態の継続期間が所定期間を超えた場合(例えば、払い出されたメダル数が150枚を超えた場合)には、例えば、メイン表示器8においては、それまで実行されていたボーナス状態に対応する演出(第1特別演出)から、AT状態に対応する演出(第2特別演出)に変更されて実行されることとなる。
なお、通常遊技状態中のゲームにおいては、AT状態の移行抽選も行われるので、この移行抽選に当選して、通常遊技状態から直接AT状態に移行した場合にも、第2特別演出がAT状態の開始当初から実行されることとなる。
【0801】
本第5実施形態のスロットマシン1においては、前述したように、第1特別演出が行われているAT状態中にボーナス役に当選した場合には、ボーナス状態の移行権利をAT状態が終了するまで保持するようにしているが、第2特別演出が行われているAT状態中にボーナス役に当選した場合には、その時点からボーナス状態を移行可能としている。
【0802】
したがって、第2特別演出が行われているAT状態中にボーナス役に当選した場合には、当該ゲームから特別の図柄組合せを停止させるための指示演出がメイン表示器8等により実行されて、AT状態の終了を待たずにAT状態の途中でボーナス状態に移行可能とするのである。
【0803】
図49は、第2特別演出が行われているAT状態中にボーナス役に当選した場合のメイン表示器8における演出画像を示している。
なお、メイン表示器8における各種演出画像は、主制御装置10からの制御情報の受信に基づき副制御装置20により表示される。
【0804】
まず、図49(a)に示すように、ボーナス状態直後のAT状態の継続期間が所定期間を超えていた場合、あるいは通常遊技状態から直接AT状態に移行した場合には、メイン表示器8の画面主要部にAT状態中であることを報知するAT状態画像60bが表示されて、AT状態に対応する演出(第2特別演出)が実行される。
また、メイン表示器8の画面左上には、AT状態中の残メダル数を示す残メダル数画像62a(図示では「100枚」)が現出表示され、メイン表示器8の画面右には、ボーナス状態とAT状態のトータルの実行済みゲーム数示す実行ゲーム数画像62b(図示では「100G」)が現出表示される。
【0805】
そして、図49(b)に示すように、第2特別演出が実行されているAT状態中のゲームにおいてボーナス役に当選した場合には、主制御装置10からの制御情報の受信に基づく副制御装置20での制御により、メイン表示器8の画面におけるAT状態画像60bの下方部に、特別操作情報として、特別の図柄組合せ(特別図柄態様である「7・7・7」)の停止を促す「7を狙え」の文字情報からなる図柄指示画像52aと、リール4の停止操作順序(停止方向)を逆押し(「5c→5b→5a」)にすることを示す操作指示画像52bが左右方向に並んで表示されて、特別の図柄組合せを停止させるための指示演出が実行されることとなる。
本第5実施形態のスロットマシン1においては、ボーナス役は単独で当選するものとなっているので、ボーナス役に当選したゲームにおいて特別の図柄組合せがリール4に停止可能となるので、当該ゲーム中に指示演出が実行されることとなる。
【0806】
なお、主制御装置10では、AT状態の継続期間等の管理を行うことで、メイン表示器8等におけるAT状態中の演出が、第1特別演出と第2特別演出の何れかであるかを把握可能となっていて、第2特別演出が行われている状態においては、ボーナス役に当選した時点で、特別の図柄組合せを停止させるための指示演出を実行するための制御情報を副制御装置20に送信するようにしている。
また、停止操作が適正であればどの停止操作順序でも特別の図柄組合せは停止するものとなっているが、上記指示演出では、操作指示画像52bの表示により、リール4の停止操作順序を逆押し(「5c→5b→5a」)にすることが報知(指示)される。これは、後述する特殊リプレイ役の当選時と見分けができないようにするためである。
【0807】
そして、図49(c)に示すように、上記指示演出の通りに遊技者がリール4の停止操作を行うと、各リール4の有効ライン上(中段ライン上)に7図柄54aが並ぶ特別の図柄組合せが停止することとなる。
【0808】
また、リール4に特別の図柄組合せが停止した場合には、メイン表示器8の画面下方部に、AT状態の残メダル数に、メダルが上乗せ(加算)されたこと、およびそのメダル数を報知する、「+150枚」の数値情報を含む上乗せ結果画像62が表示されて、上乗せ演出(特典付与演出)が実行される。
このとき上乗せ結果画像62により報知されるメダル数は、ボーナス状態の継続期間を規定するメダル数となる。
【0809】
そして、特別の図柄組合せの停止により、以降のゲームにおいては、遊技状態がAT状態からボーナス状態に変更されることとなる。
すなわち、AT状態の途中で遊技状態がボーナス状態に変更されることとなるのである。
なお、指示演出が行われても特別の図柄組合せが停止できない場合もあるが、この場合には、以降のゲームにおいても指示演出が継続して実行される。ただし、この間のゲームの実行関わる各種情報は、AT状態の継続管理には無関係となる。
【0810】
本第5実施形態のスロットマシン1においては、AT状態に対応する演出(第2特別演出)が実行されているAT状態の途中で遊技状態がボーナス状態に変更された場合には、メイン表示器8における第2特別演出を継続して実行するようにしている。
したがって、図示は省略するが、ボーナス状態に変更された以降のゲームにおいても、メイン表示器8におけるAT状態画像60b、残メダル数画像62a、および実行ゲーム数画像62bが継続して表示された状態でボーナス状態中のゲームが実行され、ゲームの進行や役の抽選結果に応じて残メダル数画像62aと実行ゲーム数画像62bが更新表示されることとなる。
【0811】
なお、残メダル数画像62aは、ボーナス状態の開始時点で、上乗せ結果画像62で表示された分のメダル数が加算されて表示されることとなる。
ただし、ボーナス状態とAT状態の継続管理は個別に実行されるので、残メダル数画像62aで表示された残メダル数は、ボーナス状態とAT状態の各々における残メダル数を加算した疑似的なAT状態の継続可能期間を示すものとなる。
【0812】
すなわち、第2特別演出が実行されているAT状態の途中で遊技状態がボーナス状態に変更された場合には、ボーナス状態中にも第2特別演出が継続して実行されるので、AT状態中のゲームにおいて特別の図柄組合せが停止したことにより、AT状態の残メダル数に所定数(ボーナス状態の継続期間を規定する150枚)のメダルが上乗せされて、あたかもAT状態の継続可能期間が延長されたような演出が実行されるのである。
【0813】
そして、ボーナス状態が終了した場合には、遊技状態がボーナス状態からAT状態に変更されて、ボーナス状態への移行により途中で終了した時点のAT状態が復帰することとなる。
また、AT状態に復帰した場合でも、メイン表示器8におけるAT状態画像60b、残メダル数画像62a、および実行ゲーム数画像62bが継続して表示されて、再びAT状態中のゲームが実行され、ゲームの進行や役の抽選結果に応じて残メダル数画像62aと実行ゲーム数画像62bが更新表示されることとなる。
【0814】
以上のように、本第5実施形態のスロットマシン1においては、第2特別演出が実行されているAT状態中のゲームにおいてボーナス役に当選した場合には、その時点(AT状態中)で特別の図柄組合せを停止するための指示演出が実行されるのである。
すなわち、特別演出制御手段としての副制御装置20は、第2特別遊技状態(AT状態)中において第1特別条件が成立(ボーナス役に当選)した場合に、当該第2特別遊技状態中において、特別図柄態様(特別の図柄組合せ)の導出を指示する指示演出を実行させることが可能な途中指示演出制御手段を備えるのである。
【0815】
また、上記指示演出の実行により、特別の図柄組合せがリール4において停止した場合には、ボーナス状態が発生することとなるが、このボーナス状態の期間分AT状態の継続期間が延長されることを報知する上乗せ演出が実行されるのである。
すなわち、特別演出制御手段としての副制御装置20は、第2特別遊技状態中に特別図柄態様が導出されたことに基づき、当該第2特別遊技状態の継続期間の延長に関わる特典が付されたことを報知可能な特典付与演出(上乗せ演出)を実行させることが可能な特典付与演出制御手段を備えるのである。
【0816】
したがって、第2特別演出が実行されているAT状態中のゲームにおいてボーナス役に当選した場合には、あたかもAT状態の継続可能期間が延長されたような演出が実行されることとなり、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
また、AT状態中のゲームにおいてボーナス役に当選した場合には、そのときの演出状態(第1特別演出か第2特別演出)に応じて、ボーナス状態に関わる演出が変更されることで、遊技状態の進行態様が変更されることとなるので、より遊技を多彩化することができ遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
【0817】
なお、1回のAT状態中に複数回のボーナス状態に移行する可能性もあるが、この場合にも、各ボーナス役の当選時に上記同様の指示演出や上乗せ演出が実行される。
【0818】
次に、図50を参照して、AT状態に対応する演出(第2特別演出)が行われているAT状態中に特殊リプレイ役に当選した場合について説明する。
【0819】
本第5実施形態のスロットマシン1においては、AT状態中のゲームにおいてレア役に当選した場合には、AT状態の残メダル数に所定数のメダルを上乗せする上乗せ抽選を行うようにしている。
上記レア役には、特殊リプレイ役も含まれることから、特殊リプレイ役に当選した場合にも上乗せ抽選が行われることとなる。
【0820】
また、本第5実施形態のスロットマシン1においては、リプレイ役に対応する図柄組合せとして、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」と、「リプレイ・ベル・ベル」と、「ベル・リプレイ・ベル」が設定されている。
そして、通常のリプレイ役(レア役以外のリプレイ役)当選時には「リプレイ・リプレイ・リプレイ」が有効ライン上に停止可能となり、チャンスリプレイ役(レア役)当選時には「リプレイ・ベル・ベル」が有効ライン上に停止可能となり、特殊リプレイ役(レア役)当選時には「リプレイ・リプレイ・リプレイ」もしくは「ベル・リプレイ・ベル」が有効ライン上に停止可能となるようなリール4の停止制御が行われる。
【0821】
また、本第5実施形態のスロットマシン1においては、特殊リプレイ役に当選したゲームにおいては、右リール4cを最初に停止させた場合(所謂逆押しあるいは変則押し等の特別操作によりリール4を停止させた場合)には、「ベル・リプレイ・ベル」の図柄組合せが有効ライン上に停止し、それ以外のリール4を最初に停止させた場合には、通常のリプレイ役の入賞時と同様に「リプレイ・リプレイ・リプレイ」の図柄組合せが有効ライン上に停止するようにリール4の停止制御が行われる。
【0822】
そして、特殊リプレイ役の当選時のゲームにおいて、上乗せ抽選に当選した場合には、メイン表示器8に逆押しの指示演出が実行され、上乗せ抽選に当選しなかった場合には、メイン表示器8における逆押しの指示演出が実行されないようにしている。
【0823】
図50は、第2特別演出が行われているAT状態中に特殊リプレイ役に当選した場合のメイン表示器8における演出画像を示している。
なお、メイン表示器8における各種演出画像は、主制御装置10からの制御情報の受信に基づき副制御装置20により表示される。
【0824】
まず、図50(a)に示すように、ボーナス状態直後のAT状態の継続期間が所定期間を超えていた場合、あるいは通常遊技状態から直接AT状態に移行した場合には、メイン表示器8の画面主要部にAT状態中であることを報知するAT状態画像60bが表示されて、AT状態に対応する演出(第2特別演出)が実行される。
また、メイン表示器8の画面左上には、AT状態中の残メダル数を示す残メダル数画像62a(図示では「100枚」)が現出表示され、メイン表示器8の画面右には、ボーナス状態とAT状態のトータルの実行済みゲーム数示す実行ゲーム数画像62b(図示では「100G」)が現出表示される。
【0825】
そして、図50(b)に示すように、第2特別演出が実行されているゲーム(リール4の回転中)において、特殊リプレイ役に当選して上乗せ抽選に当選した場合には、主制御装置10からの制御情報の受信に基づく副制御装置20での制御により、メイン表示器8の画面におけるAT状態画像60bの下方部に、特別操作情報として、特別の図柄組合せ(特別図柄態様である「7・7・7」)の停止を促す「7を狙え」の文字情報からなる図柄指示画像52aと、リール4の停止操作順序(停止方向)を逆押し(「5c→5b→5a」)にすることを示す操作指示画像52bが左右方向に並んで表示されて、特別の図柄組合せを停止させるための指示演出が実行されることとなる。
【0826】
すなわち、AT状態画像60bが表示されているゲームにおける特殊リプレイ役の当選時に上乗せ抽選に当選した場合には、前述したボーナス役の当選時(図49(b)参照)と同様の指示演出が実行されるのである。
【0827】
そして、図50(c)に示すように、上記指示演出の通りに遊技者がリール4の停止操作を行うと、左リール4aの中段にベル図柄54c、中リール4bの中段にリプレイ図柄54b、右リール4cの中段にベル図柄54cが各々停止して、リール4の有効ライン上(中段ライン上)に、「ベル・リプレイ・ベル」の図柄組合せが形成されて特殊リプレイ役が入賞することとなる。
【0828】
なお、本第5実施形態のスロットマシン1においては、図示するように左リール4aにおける7図柄54aの上部にベル図柄54cが配され、中リール4bにおける7図柄54aの上部にリプレイ図柄54bが配され、右リール4cにおける7図柄54aの上部にベル図柄54cが配されるように各リール4の図柄の配列を設定するようにしている。
したがって、指示演出通りの停止操作により、有効ライン上(中段ライン上)に、「ベル・リプレイ・ベル」の図柄組合せが停止した際には、有効ライン以外である下段ライン(各リール4の下段の図柄を結ぶライン)に「7・7・7」の図柄組合せが停止することとなる。
【0829】
すなわち、特別の図柄組合せを停止するための指示演出通りに遊技者がリール4に対する停止操作を行うと、有効ライン上には特別の図柄組合せは停止しないが、有効ライン上における「ベル・リプレイ・ベル」の図柄組合せの停止に伴い、下段ラインに特別の図柄組合せが停止することとなるのである。
なお、逆押しによりリール4の停止操作を行ったが、目押し操作が不適正(不正確)であった場合には、所定のリール4の下段に7図柄54a以外の図柄が停止した上で、有効ライン上に、「ベル・リプレイ・ベル」の図柄組合せが停止することとなる。
【0830】
そして、リール4に「ベル・リプレイ・ベル」の図柄組合せが停止した場合には、メイン表示器8の画面下方部に、AT状態の残メダル数に、メダルが上乗せ(加算)されたこと、およびそのメダル数を報知する、「+50枚」の数値情報を含む上乗せ結果画像62が表示されて、上乗せ演出(特典付与演出)が実行される。
なお、上乗せ結果画像62で表示される数値情報は、上乗せされるメダル数に応じて変更される。
【0831】
したがって、あたかも特別の図柄組合せが停止したことによりメダル数が上乗せされたような上乗せ演出が実行されることとなるのである。
また、図示は省略するが、次ゲームの開始時に、上乗せされた分残メダル数画像62aが更新表示されて、AT状態中のゲームが実行されることとなる。
【0832】
以上のように、第5実施形態のスロットマシン1においては、AT状態に対応する演出が行われているAT状態中に特殊リプレイ役に当選して、その時の上乗せ抽選に当選した場合には、ボーナス役に当選していないにもかかわらずボーナス役の当選時(ボーナス状態の移行時)と同様の指示演出が実行され、指示演出通りにリール4を停止するための停止ボタン5の停止操作を行うと、有効ライン上での特殊リプレイ役に対応する図柄組合せの停止とともに、下段ライン上に特別の図柄組合せが停止するのである。
そして、特殊リプレイ役に対応する図柄組合せの停止に応じて、メイン表示器8において上乗せ演出が行われるのである。
【0833】
すなわち、特典付与演出制御手段としての副制御装置20は、特別図柄態様(特別の図柄組合せ)が変動表示手段(リール4)における有効領域以外に導出された場合に、第1特別条件(ボーナス役の当選)が成立していない場合であっても、特典付与演出(上乗せ演出)を実行させることを可能とするのである。
【0834】
したがって、あたかも特別の図柄組合せの停止によりメダル数が上乗せされたような上乗せ演出を実行することができ、上乗せ抽選に当選したことを明確に報知可能となるとともに、遊技者の満足感をより向上させることが可能となるのである。
【0835】
また、特殊リプレイ役の当選時とボーナス状態の移行時の上乗せ演出を共通にすることで、ボーナス状態の移行時においても、特殊リプレイ役の当選時と同様に、AT状態の残メダル数に所定数のメダルが上乗せされたように遊技者に認識させることが可能となるのである。
すなわち、ボーナス状態の移行時の上乗せ演出は、実際にはAT状態の残メダル数の上乗せは行われてはおらず、ボーナス状態の移行により付与される残メダル数を、疑似的にAT状態の残メダル数に加算するように見せるものであるが、ボーナス状態の移行時にも実際にAT状態の残メダル数に対する上乗せが行われたように遊技者に認識させることが可能となるのである。
【0836】
なお、特殊リプレイ役の当選時に、逆押しによりリール4の停止操作を行った場合に有効ライン上に停止する図柄の組合せは、下段ラインに特別の図柄組合せが停止するものであれば上記以外でもよい。
また、「ベル・リプレイ・ベル」の図柄組合せが停止した際に、下段ラインに特別の図柄組合せを停止するようにしているが、有効ライン以外であれば何れのラインに特別の図柄組合せを停止させるようにしてもよい。
以上のように、第5実施形態の遊技機におけるAT状態中にボーナス役に当選した場合の制御が行われる。
【0837】
以上、第5実施形態のスロットマシン1について説明したが、ボーナス状態とAT状態は、管理タイプが同様であればゲーム数管理タイプでもよい。
また、AT状態に対応する演出(第2特別演出)への変更後に、ボーナス状態に当選した場合の一部で、ボーナス状態に対応する演出(第1特別演出)を実行するようにしてもよい。
また、通常遊技状態から直接移行したAT状態中にボーナス状態に当選した場合の一部で、ボーナス状態に対応する演出(第1特別演出)を実行するようにしてもよい。
【0838】
また、一連の特別遊技状態(ボーナス状態もしくはAT状態)の終了時に、リザルト表示として、その間のボーナス状態の当選回数を表示するようにしてもよく、このようにすれば、確率設定装置14における設定値の推測要素を遊技者に提供可能となる。
また、極めて当選確率の低い特別役(例えば、中段チェリー役等)との重複当選によるボーナス状態の移行時等の、明らかにボーナス役の当選時にAT状態の移行権利が付与されるボーナス状態の場合には、ボーナス状態終了後に即座にAT状態に対応する演出を実行するようにしてもよい。
以上のように、第5実施形態のスロットマシン1が構成される。
【0839】
以上説明したように、本発明においては、遊技者の操作に基づきゲームを実行させるとともに、前記ゲームの実行に関連して特典の付与に関わる抽選を実行可能な抽選手段(主制御装置10)を備えた遊技機(スロットマシン1)において、遊技者の操作に基づき、前記ゲームの進行に関わる制御を実行可能なゲーム制御手段(主制御装置10)を備と、前記抽選手段の抽選結果に基づいて、所定の報知を実行させる制御を実行可能な報知制御手段(副制御装置20)と、を備え、前記ゲーム制御手段は、所定のゲームの実行中において、所定期間当該ゲームの進行が禁止されたフリーズ遊技を実行可能なフリーズ遊技制御手段(主制御装置10)を備え、前記報知制御手段は、前記ゲームにおいて前記抽選手段での抽選結果に対応する報知を実行させる場合に、前記フリーズ遊技が実行される場合には、前記フリーズ遊技の実行中においては、前記抽選手段での抽選結果とは異なる特定報知(フェイク報知)を実行させることが可能な特定報知制御手段(副制御装置20)を備えた構成としている。
【0840】
したがって、フリーズ遊技およびその間の特定報知の実行により、遊技をより多彩化して興趣性を向上させることが可能となる。
また、通常のゲームが実行されていると認識している遊技者に対して、特定報知によりフリーズ遊技であることを認識させることができ、また、特定報知を確認した遊技者がゲームを進行させた場合には、その時点でゲームの進行が禁止されていることに気付くこととなり、遊技者に対して驚きを与えるような興趣の高い遊技を実行することが可能となる。
【0841】
なお、抽選手段、ゲーム制御手段、報知制御手段、フリーズ遊技制御手段、特定報知制御手段は、主制御装置10が備えるものであってもよいし副制御装置20が備えるものであってもよい。また、主制御装置10と副制御装置20の協働により構成されるものであってもよい。
【0842】
また、前記抽選手段の抽選結果に基づき、遊技者にとって有利な特別遊技状態(疑似ボーナス状態)を発生させるか否かを決定可能な特別遊技状態発生決定手段(主制御装置10)を備え、前記フリーズ遊技制御手段は、前記フリーズ遊技の実行時間を複数の実行時間のうちから選択して、当該選択された実行時間により当該フリーズ遊技を実行可能とし、前記特別遊技状態発生決定手段の決定結果に基づき、前記フリーズ遊技の実行時間(フリーズ時間)の選択を実行可能な構成としている。
【0843】
したがって、実行時間の異なる複数態様のフリーズ遊技が実行可能となり、より多彩で興趣性の高いフリーズ遊技を実行することが可能となる。
また、特別遊技状態の発生の有無に応じて、フリーズ遊技の実行時間が変化することとなるので、フリーズ遊技の実行時間により遊技者の期待感を変化させるような興趣性の高い遊技を実行することが可能となる。
なお、特別遊技状態発生決定手段は、主制御装置10が備えるものであってもよいし副制御装置20が備えるものであってもよい。また、主制御装置10と副制御装置20の協働により構成されるものであってもよい。
【0844】
また、前記抽選手段の抽選結果に基づき、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるか否かを決定可能な特別遊技状態発生決定手段(主制御装置10)を備え、前記特定報知制御手段は、複数の報知態様のうちから何れかの報知態様を選択して前記特定報知(フェイク報知)を実行させることを可能とし、前記特別遊技状態発生決定手段の決定結果に基づき、前記特定報知における報知態様の選択を実行可能な構成としている。
【0845】
したがって、特定報知が種々変化することとなり、より多彩で興趣性の高いフリーズ遊技を実行することが可能となる。
また、特別遊技状態の発生の有無に応じて、特定報知が変化することとなるので、特定報知の種類により遊技者の期待感を変化させるような興趣性の高い遊技を実行することが可能となる。
【0846】
また、前記特定報知制御手段は、前記特定報知における報知態様として、所定の報知態様から異なる報知態様に切り替わる報知態様を選択可能な構成としている。
したがって、特定報知が途中から変化するような興趣性の高い演出を実行することが可能となる。
【0847】
また、前記ゲームの進行に関わる操作を行うための操作手段(停止ボタン5)を備え、前記特定報知制御手段は、前記操作手段の操作に基づき、前記特定報知を終了させることを可能な構成としている。
したがって、フリーズ遊技中であることを認識していない遊技者は、操作手段を操作した時点でフリーズ遊技中であることに気付くこととなり、意外性のある遊技を実現することが可能となる。
【0848】
また、前記特定報知制御手段は、前記ゲームの開始から所定時間を超えているときに、前記操作手段の操作が行われた場合には、前記特定報知の終了を禁止可能な構成としている。
したがって、フリーズ遊技の終了間際に操作手段が操作されることにより、違和感のある演出が実行されてしまうことを防止することが可能となる。
【0849】
また、演出に関わる操作を行うための演出操作手段(例えば、演出ボタン2d)を備え、前記特定報知制御手段は、前記演出操作手段の操作に基づき、前記特定報知を開始させることを可能な構成としている。
したがって、遊技者自らの操作により特定報知が実行されることとなり、フリーズ遊技中の演出に対する興趣性を向上させることが可能となる。
【0850】
また、前記ゲーム制御手段は、複数のリール(4)により形成される図柄組合せを、前記ゲームの終了に基づき導出させる第1ゲーム(本遊技)を実行可能な第1ゲーム制御手段(主制御装置10)と、前記フリーズ遊技中において、前記複数のリールにより形成される図柄組合せを、前記第1ゲームでの図柄組合せの導出の他に導出させる第2ゲーム(操作疑似遊技)を実行可能な第2ゲーム制御手段(主制御装置10)と、を備え、前記第2ゲーム制御手段は、前記特定報知に対応した図柄組合せを導出可能な構成としている。
【0851】
したがって、そのゲームの抽選結果とは異なる抽選結果が報知されるばかりではなく、リール上においても特定報知に対応する図柄組合せが導出されることとなり、遊技者の期待感を向上させるとともに遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、遊技者自らの操作により特定報知に対応した図柄組合せを導出させることとなるので、フリーズ遊技中においてよりリアルな遊技を実行することが可能となり、遊技者の期待感をさらに向上させることが可能となる。
【0852】
なお、第1ゲーム制御手段、第2ゲーム制御手段は、主制御装置10が備えるものであってもよいし副制御装置20が備えるものであってもよい。また、主制御装置10と副制御装置20の協働により構成されるものであってもよい。
【0853】
また、前記第2ゲーム制御手段は、1のゲームにおいて、前記第2ゲームを複数回実行可能な構成としている。
したがって、1のゲームにおいて遊技者は複数回のゲームを楽しめることとなり、遊技者の期待感や遊技の興趣性を極めて向上させることが可能となる。
【0854】
一方、特許文献1には、ゲームの進行を一時的に停止するとともに、ゲームの進行の停止に伴い、表示装置において種々の演出を表示するようにした遊技機が開示されている。
しかしながら、従来の遊技機においては、遊技の興趣性の向上や遊技者の期待感の向上として十分なものではなかった。
このように、本発明のスロットマシン1によれば、従来の遊技機が改善すべき、このような課題の全部又は一部などを解決することができる。
【0855】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、本実施形態では、特典としてAT状態(AT)を付与するものとしたが、ART又はRTを付与するようにしてもよい。
【0856】
また、本実施形態では、AT状態のタイプとして、所定のゲーム数単位で実行されるAT状態を複数回継続可能なタイプにしているが、AT状態中の残りゲーム数が無くなった場合に終了するようなタイプにしてもよい。
【0857】
また、本実施形態では、演出操作手段として演出ボタン2dや上部演出ボタン2fを例示しているが、遊技者の操作により入力信号を出力するものであれば、その他でもよく、ベットボタン2a、停止ボタン5、スタートレバー3等でもよい。
【0858】
また、前扉1aにモータやスピーカ等の作動により当該前扉1aを振動させる振動手段を設けて、前兆演出、対戦演出等の種々の演出時や、上乗せ特化ゾーン中の所定の時期に、振動手段を作動させることで、遊技者の期待感を高めるようにしてもよい。
また、前扉1aに遊技者に向けて風を吹き付ける送風手段を設けて、前兆演出、対戦演出等の種々の演出時や、上乗せ特化ゾーン中の所定の時期に、送風手段を作動させることで、遊技者の期待感を高めるようにしてもよい。
【0859】
また、表示手段として、メイン表示器8、サブ表示器17を設けているが、前兆演出、対戦演出等の種々の演出時や、上乗せ特化ゾーンの各種演出を、何れか1つの表示手段で実行してもよいし、2つの表示手段の両方で実行するようにしてもよい。
【0860】
また、前述の実施形態では、抽選手段などの各種手段としての動作を主制御装置10が行ったが、副制御装置20がその一部又は全部を行い、副制御装置20が各種手段として動作することもできる。
また、反対に、副制御装置20が実行する動作を、主制御装置10がその一部又は全部を行い、主制御装置10が各種手段として動作することもできる。
【0861】
また、本発明をスロットマシンに適用したがパチンコ(例えば、玉スロ)などその他の遊技機に適用することもできる。
また、メダル、遊技球等の現物の遊技媒体を用いることなく、データ形式の疑似遊技媒体を用いてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機にも、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0862】
1:スロットマシン
2:ベットボタン
2d:演出ボタン
4:リール
5:停止ボタン
8:メイン表示器
10:主制御装置
17:サブ表示器
20:副制御装置
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