IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジェイピーエル グローバル,リミテッド ライアビリティー カンパニーの特許一覧

特許7546929統合された多段ろ過システムを有する丸鋸装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-30
(45)【発行日】2024-09-09
(54)【発明の名称】統合された多段ろ過システムを有する丸鋸装置
(51)【国際特許分類】
   B23Q 11/00 20060101AFI20240902BHJP
   B23D 47/00 20060101ALI20240902BHJP
   B27G 3/00 20060101ALI20240902BHJP
   B24B 55/06 20060101ALI20240902BHJP
   B24B 27/06 20060101ALI20240902BHJP
   B01D 46/00 20220101ALI20240902BHJP
   B01D 46/26 20060101ALI20240902BHJP
   B01D 46/52 20060101ALI20240902BHJP
   B01D 50/00 20220101ALI20240902BHJP
   B04C 5/28 20060101ALI20240902BHJP
   B04C 5/15 20060101ALI20240902BHJP
   B04C 5/185 20060101ALI20240902BHJP
【FI】
B23Q11/00 M
B23D47/00 A
B27G3/00 B
B24B55/06
B24B27/06 J
B01D46/00 F
B01D46/26
B01D46/52 C
B01D50/00 501B
B01D50/00 501J
B04C5/28
B04C5/15
B04C5/185
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021547071
(86)(22)【出願日】2020-03-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-08
(86)【国際出願番号】 US2020024437
(87)【国際公開番号】W WO2020168360
(87)【国際公開日】2020-08-20
【審査請求日】2023-03-06
(31)【優先権主張番号】16/364,070
(32)【優先日】2019-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518062299
【氏名又は名称】ジェイピーエル グローバル,リミテッド ライアビリティー カンパニー
【氏名又は名称原語表記】JPL Global,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】グース,ポール,ダブリュ.
【審査官】亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-528869(JP,A)
【文献】中国実用新案第201432334(CN,Y)
【文献】特開平11-192409(JP,A)
【文献】特開2004-358442(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 11/00
B23D 47/00
B27G 3/00
B24B 55/06
B24B 27/06
B04C 5/15
B04C 5/28
B01D 46/00 - 46/52
B01D 50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
負圧を提供するように構成された真空源と、
前記負圧によって引き出された浮遊塵埃を収集するように構成された複数の種類のフィルタと、
共有塵埃閉じ込め領域を有する塵埃トレイであって、前記共有塵埃閉じ込め領域は、前記複数の種類のフィルタの各々のフィルタから直接、前記複数の種類のフィルタによって収集された前記浮遊塵埃を受け取るように構成された単一の区画である、塵埃トレイと、を備え、
前記複数の種類のフィルタの少なくとも1つのフィルタは、当該複数の種類のフィルタの少なくとも1つのフィルタと前記共有塵埃閉じ込め領域との間に位置決めされた可動バリアを備え、
前記負圧による空気流が、前記複数の種類のフィルタ内において、前記塵埃トレイと接している端部とは反対側の端部を流れ、
前記真空源が動作している際に前記可動バリアが閉じられていることにより、前記真空源からの動力の増加を必要とせずに、前記空気流のレベルを維持することができることを特徴とする塵埃収集装置。
【請求項2】
前記複数の種類のフィルタは少なくとも1つのサイクロンフィルタを備える、請求項1に記載の塵埃収集装置。
【請求項3】
前記複数の種類のフィルタは回転可能フィルタを備える、請求項1に記載の塵埃収集装置。
【請求項4】
前記複数の種類のフィルタは、前記負圧によって引き出された破片を受け取るように構成された破片シュートを備える、請求項1に記載の塵埃収集装置。
【請求項5】
前記共有塵埃閉じ込め領域は、回転可能フィルタから、前記浮遊塵埃の微細な粒子を受け取るように構成され、前記共有塵埃閉じ込め領域は、少なくとも1つのサイクロンフィルタから、前記浮遊塵埃の粒子を受け取るように構成される、請求項1に記載の塵埃収集装置。
【請求項6】
前記共有塵埃閉じ込め領域は、破片シュートから破片を受け取るように構成され、前記共有塵埃閉じ込め領域は、前記負圧によって引き出された浮遊塵埃を受け取るように構成されたサイクロンフィルタから、浮遊塵埃を受け取るように構成される、請求項1に記載の塵埃収集装置。
【請求項7】
前記可動バリアは、前記真空源がアイドリングモードにある間に開くように構成され、かつ、前記可動バリアは、前記真空源が動作モードにある間に閉じるように構成される、請求項に記載の塵埃収集装置。
【請求項8】
回転可能フィルタが前記可動バリアを備える、請求項に記載の塵埃収集装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
[0001] 本願は、「統合された多段ろ過システムを有する丸鋸装置」の発明の名称で2015年8月31日に出願された米国仮特許出願番号第62/212,372号の利益を主張する、「統合された多段ろ過システムを有する丸鋸装置」の発明の名称で2016年8月31日に出願された米国特許出願番号第15/253,865号の分割出願である、「統合された多段ろ過システムを有する丸鋸装置」の発明の名称で2019年2月11日に出願された米国特許出願番号第16/273,058号の一部継続出願である、「統合された多段ろ過システムを有する丸鋸装置」の発明の名称で2019年3月25日に出願された米国特許出願番号第16/364,070号に対して優先権を主張し、当該出願の利益を主張する。上記出願の各々のすべての内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本開示は、概して塵埃収集に関し、より具体的には、多段ろ過システムを介して丸鋸装置内での塵埃収集を促進することに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 従来の電動鋸を使用する場合、ワークピースの切断から生じる浮遊塵埃及び粒子状物質の放出が問題である。こうした塵埃中での呼吸に関連する健康被害は特に問題である。塵埃を軽減するための1つの解決策は、塵埃が流体に伴って保持領域に向けられる、ブレードの刃先に水が適用される湿式切断装置の開発である。たいていの湿式切断方法は、比較的うまく機能するが、廃水汚染及び環境問題のさらなる問題を引き起こす。例えば、従来の組積造(masonry)鋸やタイル(tile)鋸は、通常、切断ヘッドに水を供給するポンプを備えたタブ(tub)又はパン(pan)を有している。鋸が切断している間、水が噴霧されて水が鋸の切断領域の周りに分散される。したがって、この水が滴り落ちて飛び散ってこぼれる可能性があるため、実際の組積造及びタイル設置が行われている場所の近くに電動鋸を配置することはできない。したがって、ユーザは、電動鋸と設置領域との間を行ったり来たりするのにかなりの時間を費やす。
【0004】
[0004] したがって、周囲に塵埃が漏れ出ることを防止する乾式動作の電動鋸が望ましい。この目的のため、上述した欠陥は、従来のシステムの問題のいくつかの概要を提供することを単に意図しており、網羅的であることを意図していないことに留意されたい。最先端技術に関する他の問題及び様々な非限定的な実施形態のいくつかの対応の利点は、以下の詳細な説明を検討することでさらに明らかになり得る。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 以下のより詳細な説明及び添付の図面における例示的で非限定的な実施形態の様々な態様の基本的な又は全体的な理解を可能にすることを助けるために、簡略化された概要が本明細書において提供される。ただし、この概要は、広範囲の又は網羅的な概説として意図されたものではない。代わりに、この概要の唯一の目的は、以下の様々な実施形態のより詳細な説明の前置きとして、いくつかの例示的な非限定的な実施形態に関連するいくつかの概念を簡略化された形態で提示することである。
【0006】
[0006] 1以上の実施形態及び対応の開示に従って、塵埃収集システムに関連して様々な非限定的な態様が説明される。そのような一態様では、塵埃収集を促進するための装置が開示される。そうした実施形態内で、装置は、真空源と、丸鋸ブレードと、丸鋸ブレードに軸方向に位置合わせされた中心スロットを備えるワークテーブルと、を含む。ここで、中心スロットは、丸鋸ブレードとワークピースとの間の予想される接触点に近接した空気流路を含む。そして真空源は、空気流路を介してワークテーブルの下に集中した負圧を提供するように構成される。
【0007】
[0007] さらなる態様では、塵埃収集を促進するための別の装置が開示される。この実施形態では、装置は、真空源及び多段フィルタを備えるハウジングを含む。装置は、丸鋸ブレードと、丸鋸ブレードに軸方向に位置合わせされた中心スロットを備えるワークテーブルと、をさらに含む。ここで、真空源は、中心スロットでワークテーブルの下に負圧を提供するように構成され、多段フィルタは、中心スロットに近接した領域から負圧によって引き出された浮遊塵埃を収集するように構成される。
【0008】
[0008] さらに別の態様では、塵埃収集を促進するための装置が開示され、装置は、真空源と、丸鋸ブレードと、ワークテーブルと、を含む。この実施形態では、ワークテーブルは、丸鋸ブレードに軸方向に位置合わせされた中心スロットを備え、真空源は、中心スロットでワークテーブルの下に第1負圧を提供するように構成される。そして、真空源は、補助ポートを介して第2負圧を提供するようにさらに構成される。
【0009】
[0009] 別の態様では、負圧を提供するように構成された真空源と、負圧によって引き出された浮遊塵埃を収集するように構成された多段フィルタと、を含む塵埃収集装置が開示される。この実施形態では、塵埃収集装置は、共有塵埃閉じ込め領域を有する塵埃トレイを含み、共有塵埃閉じ込め領域は、多段フィルタの複数の段の各々から直接、多段フィルタによって収集された浮遊塵埃を受け取るように構成された単一の区画である。
【0010】
[0010] さらなる態様では、フィルタと、フィルタを収容するように構成されたフィルタハウジングと、フィルタハウジングに結合された入口と、を含む塵埃収集装置が開示される。この例では、入口は、負圧によって引き出された浮遊塵埃の流れを受け入れるように構成され、かつ、フィルタ上への浮遊塵埃の衝突を軽減するようにさらに構成される。
【0011】
[0011] 他の実施形態及び様々な非限定的な例、シナリオ及び実装が以下でより詳細に説明される。
【0012】
[0012] 添付の図面を参照して様々な非限定的な実施形態がさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】[0013] 本明細書の一態様に係る、多段ろ過システムを介して浮遊塵埃を除去することを促進する例示的な装置のブロック図である。
図2】[0014] 本明細書の一態様に係る、統合された多段ろ過システムを有する例示的な装置の概略的な第1図である。
図3】[0015] 本明細書の一態様に係る、統合された多段ろ過システムを有する例示的な装置の概略的な第2図である。
図4】[0016] 本明細書の一態様に係る、統合された多段ろ過システム及びブレードガード真空入口を有する例示的な装置の概略的な第1図である。
図5】[0017] 本明細書の一態様に係る、統合された多段ろ過システム及びブレードガード真空入口を有する例示的な装置の概略第2図である。
図6】[0018] 本明細書の一態様に係る、統合された多段ろ過システム及びブレードガード真空入口を有する例示的な装置の概略的な第3図である。
図7】[0019] 本明細書の一態様に係る、統合された多段ろ過システムを有する装置の例示的な使用の時間経過を示す。
図8】[0019] 本明細書の一態様に係る、統合された多段ろ過システムを有する装置の例示的な使用の時間経過を示す。
図9】[0019] 本明細書の一態様に係る、統合された多段ろ過システムを有する装置の例示的な使用の時間経過を示す。
図10】[0020] 本明細書の一態様に係る、統合された多段ろ過システムを有する装置内の例示的な塵埃経路の第1図を示す。
図11】[0021] 本明細書の一態様に係る、統合された多段ろ過システムを有する装置内の例示的な塵埃経路の第2図を示す。
図12】[0022] 本明細書の一態様に係る、統合された延長部を有する例示的な装置の概略的な第1図である。
図13】[0023] 本明細書の一態様に係る、統合された延長部を有する例示的な装置の概略的な第2図である。
図14】[0024] 本明細書の一態様に係る例示的な細断鋸構成の概略的な第1図である。
図15】[0025] 本明細書の一態様に係る例示的な細断鋸構成の概略的な第2図である。
図16】[0026] 本明細書の一態様に係る例示的なテーブルソー構成の概略的な第1図である。
図17】[0027] 本明細書の一態様に係る例示的なテーブルソー構成の概略的な第2図である。
図18】[0028] 本明細書の一態様に係る、ブレード冷却を促進する例示的な装置の側面図である。
図19】[0029] 本明細書の一態様に係る、ブレード冷却を促進する例示的な装置の平面図である。
図20】[0030] 本明細書の一態様に係る、ブレード冷却を促進するルーバを有する例示的な装置の側面図である。
図21】[0031] 本明細書の一態様に係る例示的なルーバインサートの様々な態様を示す。
図22】[0032] 本明細書の一態様に係る例示的なブレードスタビライザの概略図である。
図23】[0033] 本明細書の一態様に係る例示的な塵埃トレイの概略図である。
図24】[0034] 本明細書の一態様に係る、塵埃トレイ上の例示的な閉じられていない塵埃閉じ込めバッグの概略図である。
図25】[0035] 本明細書の一態様に係る、塵埃トレイ上の例示的な閉じられていない塵埃閉じ込めバッグの側面図である。
図26】[0036] 本明細書の一態様に係る、塵埃トレイ上の例示的な閉じられた塵埃閉じ込めバッグの概略図である。
図27】[0037] 本明細書の一態様に係る、装置内に挿入された閉じられていない塵埃閉じ込めバッグを有する例示的な取り外し可能な塵埃トレイの概略図である。
図28】[0038] 本明細書の一態様に係る、閉じられた塵埃閉じ込めバッグを有する装置に挿入された例示的な取り外し可能な塵埃トレイの概略図である。
図29】[0039] 本明細書の一態様に係る、装置から取り外された例示的な取り外し可能な塵埃トレイの概略図である。
図30】[0040] 本明細書の一態様に係る、ブレードガード塵埃の例示的な迂回経路の概略図である。
図31】[0041] 本明細書の一態様に係る、多段ろ過システムによって収集された浮遊塵埃を共有塵埃閉じ込め領域に貯蔵することを促進する例示的な装置のブロック図である。
図32】[0042] 本明細書の一態様に係る、共有塵埃閉じ込め領域に結合された例示的な多段ろ過システムの概念図である。
図33】[0043] 本明細書の一態様に係る、閉じられた可動バリアを有する例示的な多段ろ過システムの概念図である。
図34】[0044] 本明細書の一態様に係る、開けられた可動バリアを有する例示的な多段ろ過システムの概念図である。
図35】[0045] 本明細書の一態様に係る、共有塵埃区画を有する例示的な塵埃トレイの概略図である。
図36】[0046] 本明細書の一態様に係る、動作中、共有塵埃区画を有する取り外し可能な塵埃トレイを結合された例示的な装置の概略図である。
図37】[0047] 本明細書の一態様に係る、動作後、共有塵埃区画を有する取り外し可能な塵埃トレイを結合された例示的な装置の概略図である。
図38】[0048] 本明細書の一態様に係る第1の例示的なフィルタ保護設計の概略図である。
図39】[0049] 本明細書の一態様に係る第2の例示的なフィルタ保護設計の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
概要
[0050] 本明細書に開示される様々な実施形態は、多段ろ過システムを介した丸鋸装置内での塵埃収集に向けられている。図1では、本明細書の一態様に係る、統合された多段ろ過システムを有する例示的な装置のブロック図が提供される。図示するように、装置100は、ハウジング110と、ワークテーブル120と、丸鋸ブレード130と、を備え、ハウジング110は真空源112及び多段フィルタ114をさらに備える。残りの図を参照して以下でより詳細に検討されるように、ワークテーブル120は、丸鋸ブレード130に軸方向に位置合わせされた中心スロットを含むことが意図されている。そして、使用中、真空源112は、中心スロットでワークテーブル120の下に負圧を提供するように構成される一方で、多段フィルタ114は、中心スロットに近接する領域から負圧によって引き出された浮遊塵埃を収集するように構成される。
【0015】
[0051] 装置100の様々な構成が検討されて本明細書に開示されている。例えば、第1の検討された構成では、ワークテーブル120は、ハウジング110の上方をスライドするように構成される(例えば、図2図10を参照)。この特定の実施形態では、中心スロットでワークテーブル120の下に負圧を提供することに加えて、真空源112はまた、丸鋸ブレード130のブレードガード内の領域に負圧を提供する。ここで、図示するように、多段フィルタ114は、したがって、ワークテーブル120の中心スロットの近くの塵埃に加えて、丸鋸ブレード130のブレードガード内から引き出された浮遊塵埃を収集するように構成される。
【0016】
[0052] 装置100の細断鋸構成も検討されている(例えば、図14図15を参照)。この実施形態では、ワークテーブル120は静止しており、丸鋸ブレード130は回転可能アームに結合される。使用中、回転可能アームはワークピース上に降下され、ワークテーブル120の中心スロットの近くの塵埃は、真空源112によって提供される負圧によって多段フィルタ114に向かって再び引き出される。
【0017】
[0053] 本開示の別の態様では、テーブルソー構成も検討される(例えば、図16図17を参照)。そうした実施形態内で、丸鋸ブレード130は、ハウジング110からワークテーブル120の中心スロットを通って突出する。使用中、ワークピースは丸鋸ブレード130に対して押し付けられ、ワークテーブル120の中心スロットの近くの塵埃は、真空源112によって提供される負圧によって多段フィルタ114に向かって再び引き出される。
【0018】
例示的なスライディングテーブルの実施形態
[0054] ここで、ワークテーブルがスライディングテーブルである、開示された鋸装置の例示的な実施形態についてさらに詳細に説明する。図2及び図3では、例えば、本開示の一態様に係るそうした装置の概略的な第1図及び第2図がそれぞれ提供される。図示するように、鋸装置200は、ワークテーブル220に結合されたハウジング210と、丸鋸ブレード230と、を備え、ワークテーブル220は、レール222を介してハウジング210の上方をスライドするように構成される。この実施形態では、ワークテーブル220は、示すように、丸鋸ブレード230と軸方向に位置合わせされた中心スロット226内で互いに戦略的に離間された複数のルーバ224によって二分されている。さらに、丸鋸ブレード230は、鋸モータ234によって動力を供給され、かつ、アーム236を介してハウジング210にしっかりと取り付けられている。安全のため、ブレードガード232が含まれてもよい。
【0019】
[0055] ハウジング210に関して、多段フィルタが含まれてもよいことが検討される。ここで、例えば、そうした多段フィルタは、サイクロンフィルタ216に結合された回転可能フィルタ217を含んでもよい。そして、回転可能フィルタ217に取り付けられた真空源212が、回転可能フィルタ217及びサイクロンフィルタ216を通る空気流を作り出すように構成される。使用中、ワークテーブル220がハウジング210上をスライドする際、この空気流は、中心スロット226の真下に負圧を提供し、中心スロット226の近くの塵埃が、ルーバ224を通ってフィルタに向かって引き出され、その後、塵埃コンテナ213内に収集される。
【0020】
[0056] 本開示の一態様では、ルーバ224が閉塞される場合、中心スロット226の下の吸引力が減少され得ることに留意されたい。実際、かなりの数のルーバ224が(例えば、大きなワークピースによって)閉塞される場合、そのような閉塞は、塵埃を収集するための吸引力が不十分な量になる可能性がある。結果として、塵埃は、中心スロット226の下に引き出されるのではなく、ワークテーブル220の上方に望ましくなく残存する。
【0021】
[0057] この問題を回避するため、図4図6の構成が検討され、真空源212によって作り出された空気流がブレードガード232内の領域までさらに拡張される。特に、導管235の一端がブレードガード232上の真空入口233内に挿入される一方で、導管235の他端がハウジング210上の真空ポート218に接続される。そのような実施形態内で、中心スロット226の下の吸引力が不十分な量である場合、塵埃は、その後、ブレードガード232内から真空入口233に向かって引き上げられ、そこで導管235を通り、続いて、ハウジング210内のフィルタを通って移動する。
【0022】
[0058] 次に図7図9を参照すると、本明細書の一態様に係る装置200の例示的な使用を示す時間経過が提供される。特に、図7は、t=tでの装置200の断面を示しており、図8は、t=tでの装置200の断面を示しており、図9は、t=tでの装置200の断面を示しており、t<t<tである。図示するように、t=tで、ブロック270は、丸鋸ブレード230から離れたワークテーブル220上に配置される。t=tで、ワークテーブル220は、丸鋸ブレード230に向かって移動させられ、この移動は、ブロック270が丸鋸ブレード230に接触する際に塵埃を生成する。ここで、丸鋸ブレード230は反時計回り方向に回転しているため、かつ、真空源212(図示せず)がワークテーブル220の下に負圧を作り出すため、塵埃の軌道は実質的に下向きである。ワークテーブル220が丸鋸ブレード230に向かってさらにスライドし続けると、したがって、その時点で、重い破片シュート215の上方の特定のセットのルーバ234を介して塵埃が収集される。例えば、図示するように、塵埃は、t=tで第1セットのルーバ234を通って移動する一方で、塵埃は、t=tで第2セットのルーバ234を通って移動する。
【0023】
[0059] 装置200の特定のパラメータは、異なる性能特性を提供するために、及び/又は、異なるタイプのワークピース(例えば、異なる材料、異なる寸法など)を切断するために、必要に応じて変更されてもよいことに留意されたい。例えば、図示するように、重い破片シュート215とルーバ234の各々とは、ルーバ234を通って塵埃粒子を「跳ね返」らせることを回避するように角度を有している。しかしながら、特定の実施形態では、ルーバ234は、特定の範囲(例えば、30度~45度)の間の角度を有するようにルーバ234を均一に調整するレバーに結合されてもよい。例えば、ルーバ234の各々の間の間隔、丸鋸ブレード230の毎分回転数(RPM)、及び/又は、真空源212によって提供される吸引力を含む、様々な他のパラメータが調整されてもよいことが検討される。
【0024】
[0060] 前述したように、本明細書に開示される態様は、複数のフィルタのいずれかを介して塵埃が収集され得るシステムを提供する。ここで、例えば、ルーバ234を通って引き出された塵埃が横断する例示的な経路が図8図11に提供される。図示するように、ルーバ234を通って引き出された重い破片は、重い破片シュート215を通って重い破片区画240内に落下する一方で、より軽い塵埃粒子は、サイクロンフィルタ216に向かって引き寄せられる。これらのより軽い塵埃粒子がサイクロンフィルタ216の上方を移動する際、いくらかの塵埃がサイクロン粒子区画250内に引き出されて落下する一方で、より微細な塵埃粒子は回転可能フィルタ217に向かって続く。
【0025】
[0061] 特定の実施形態では、回転可能フィルタ217は、示すように、円筒形表面周りに複数のプリーツセグメントを有する円筒形ろ過材である。回転可能フィルタ217は、回転可能フィルタ217の内部で横方向の仕切り壁に固定されたフィルタ洗浄フラップ218をさらに備え、フィルタ洗浄フラップ218は、フィルタ洗浄ノブが回転させられる時にプリーツセグメントに接触する。さらに、回転可能フィルタ217が回転する際、フィルタ洗浄フラップ218は、プリーツセグメントから塵埃を除去し、塵埃は微粒子区画260内に落下する。
【0026】
[0062] 図示するように、塵埃はまた真空入口233を介して引き出されてもよい。前述したように、導管235の第1端が真空入口233内に挿入されてもよい一方で、導管235の他端がハウジング210上の真空ポート218に接続される。ここで、中心スロット226の下の吸引力の量が不十分である場合、塵埃は真空入口233に向かって引き上げられ、そこで塵埃は、その後導管235を通って移動し、及び続いて、ハウジング210内のフィルタを通って移動する。
【0027】
[0063] 本開示の別の態様では、真空流の損失を最小化するための態様が検討される。例えば、図12図13に図示するように、装置200は、空気流路に沿って延長部219を含むようにさらに構成されてもよい。こうした実施形態内で、延長部219は、延長部219がルーバ224と連通することができる塵埃収集スロットの各端部上に配置される。ワークテーブル220が丸鋸ブレード230に向かってスライドする際、それらの延長部219は、ワークテーブル220の下の真空流の損失を最小限にするために先行するセットのルーバ224を塞ぐ。
【0028】
例示的な細断鋸の実施形態
[0064] 次に図14図15を参照すると、本明細書に開示される態様に係る細断鋸構成の概略図が提供される。図示するように、細断鋸装置300は、ワークテーブル320に結合されたハウジング310と、丸鋸ブレード330と、を備えており、ワークテーブル320は、ハウジング310の上方の固定テーブルとして構成されている。この実施形態では、装置200のワークテーブル220と同様に、ワークテーブル320は、示すように、丸鋸ブレード330と軸方向に位置合わせされた中心スロット326を備える。しかしながら、ここでは、丸鋸ブレード330は回転可能アーム336に取り付けられており、ブレードガード332上のハンドル331が、使用中に丸鋸ブレード330を上下させるために使用される。
【0029】
[0065] 装置300のハウジング310に関して、その中の構成要素は、装置200のハウジング210の対応の構成要素と実質的に類似していることを理解されたい。例えば、ハウジング310はまた、サイクロンフィルタ316に結合された回転可能フィルタ317を備える多段フィルタを含み、回転可能フィルタ317に取り付けられた真空源312は、回転可能フィルタ317及びサイクロンフィルタ316を通過する空気流を作り出すように構成される。使用中、この空気流は、塵埃が中心スロット326を通ってフィルタに向かって引き出されてその後に塵埃コンテナ313内に収集されるように、中心スロット326の真下に負圧を提供する。特に、中心スロット326を通って引き出された重い破片は、重い破片シュート315を通って塵埃コンテナ313内に落下する一方で、より軽い塵埃粒子はサイクロンフィルタ316に向かって引き寄せられる。これらのより軽い塵埃粒子がサイクロンフィルタ316の上方を移動する際、いくらかの塵埃が塵埃コンテナ313内に引き出されて落下する一方で、より微細な塵埃粒子は回転可能フィルタ317に向かって続く。
【0030】
[0066] しかしながら、中心スロット326を通って塵埃を引き出して落下させることに加えて、装置300は、示すように、スクープ323に向かって塵埃を引き戻すように構成される。したがって、こうした実施形態内では、真空源312は、中心スロット326及びスクープ323の両方を通じて吸引力を提供する。この目的のため、スクープ323を通じて引き出された塵埃は、真空ポート318を通ってフィルタに向かって移動する。ここで、スクープ323がブラシ又は指状の材料から構成されてもよいことが理解されるべきである。示すように、フェンス321が含まれてもよい。
【0031】
例示的なテーブルソーの実施形態
[0067] 次に図16及び図17を参照すると、本明細書で開示される態様に係るテーブルソー構成の概略図が提供される。図示するように、テーブルソー装置400は、ワークテーブル420に結合されたハウジング410と丸鋸ブレード430とを含み、ワークテーブル420は、ハウジング410の上方の固定テーブルとして構成される。この実施形態では、装置200のワークテーブル220と同様に、ワークテーブル420は、示すように、丸鋸ブレード430と軸方向に位置合わせされた中心スロット426を備える。しかしながら、ここでは、丸鋸ブレード430は、ワークテーブル420の中心スロット426を通って突出する。さらに、丸鋸ブレード430及び鋸モータ434は、ワークテーブル420の下のブレードハウジング432内に収容され、示すように、ブレードハウジング432は実質的にハウジング410内にある。
【0032】
[0068] ハウジング410の残りの構成要素に関して、これらの構成要素は、装置200のハウジング210の対応の構成要素と実質的に類似していることを理解されたい。例えば、ハウジング410はまた、サイクロンフィルタ416に結合された回転可能フィルタ417を備える多段フィルタを含み、回転可能フィルタ417に取り付けられた真空源412は、回転可能フィルタ417及びサイクロンフィルタ416を通る空気流を作り出すように構成される。使用中、この空気流は、中心スロット426の真下に負圧を提供し、その結果、塵埃は、中心スロット426を通ってフィルタに向かって引き出された後に塵埃コンテナ413内に収集される。特に、中心スロット426を通って引き出された重い破片は、重い破片シュート415を通って塵埃コンテナ413内に落下する一方で、より軽い塵埃粒子は、サイクロンフィルタ416に向かって引き寄せられる。これらのより軽い塵埃粒子がサイクロンフィルタ416の上方を移動する際、いくらかの塵埃が塵埃コンテナ413内に引き出されて落下する一方で、より微細な塵埃粒子は回転可能フィルタ417に向かって続く。
【0033】
例示的なブレード冷却の態様
[0069] 次に図18図22を参照すると、本明細書で開示される様々なブレード冷却の態様を示す概略図が提供される。この目的のために、「乾式切断」使用中に丸鋸ブレードを冷却することは、最適な性能を達成し、かつ、ブレードへの損傷の可能性を低減するために特に望ましいことを理解されたい。本明細書の一態様に係る、ブレード冷却を促進する例示的な装置の側面図及び平面図がそれぞれ図18及び図19に提供される。ここで、装置500は、前述の装置100、200、300及び400に実質的に類似しており、装置500の個々の構成要素もまた、装置100、200、300及び400の個々の構成要素に実質的に類似していることを理解されたい。図示するように、装置500は、真空源512と、丸鋸ブレード530と、丸鋸ブレード530に軸方向に位置合わせされた中心スロット526を備えるワークテーブル520と、を含む。ここで、中心スロット526は、丸鋸ブレード530とワークピース570との間の予想される接触点532に近接する空気流路527を含む。次に、真空源512は、空気流路527を介してワークテーブル520の下に集中した負圧528を提供するように構成される。
【0034】
[0070] 丸鋸ブレード530とワークピース570との間で、予想される接触点532に空気流路527を適切に位置合わせすることによって、丸鋸ブレード530の大幅な冷却が達成されることが発見された。すなわち、丸鋸ブレード530は、使用中に予想される接触点532で非常に熱くなる可能性があるので、予想される接触点532で丸鋸ブレード530を冷却するために集中した負圧528を利用することが特に望ましい。
【0035】
[0071] スライド式ワークテーブルが使用される実施形態では、他の構成が検討される。例えば、図20には、ルーバを利用してブレード冷却を促進するスライド式ワークテーブルを有する例示的な装置の側面図が提供される。ここで、装置600は、前述の装置200に実質的に類似しており、装置600の個々の構成要素もまた、装置200の個々の構成要素に実質的に類似していることを理解されたい。図示するように、装置600は、真空源612と、丸鋸ブレード630と、丸鋸ブレード630に軸方向に位置合わせされた中心スロット626を備えるワークテーブル620と、を含む。ここで、中心スロット626は、丸鋸ブレード630とワークピース670との間の予想される接触点632に近接する空気流路627を含む。そして、真空源612は、空気流路627を介してワークテーブル620の下に集中した負圧628を提供するように構成される。
【0036】
[0072] しかしながら、この特定の実施形態では、ワークテーブル620は、丸鋸ブレード630に向かってスライドするように構成され、中心スロット626は、空気流路627を個別に形成する複数のルーバ624を備える。さらに、空気流路627は、ワークテーブル620が丸鋸ブレード630に向かってスライドする際に、予想される接触点632に複数のルーバ624のどれが近接しているかに応じて順次変化する。
【0037】
[0073] 本開示の一態様では、集中した負圧628の大きさは、空気流路627の開口サイズに反比例することが発見された。したがって、個々のルーバ624同士の間のギャップのサイズを縮小することによって、集中した負圧628の大きさが増加する。この大きさを切り替えるために、様々なサイズの取り外し可能なルーバインサートが使用されてもよいことが検討される。例えば、図21は、本明細書の一態様に係る例示的なルーバインサートの様々な態様を示している。例示700で示すように、ルーバ624の上部にインサート680を配置することによって、ルーバ624同士の間のギャップ625が縮小される。すなわち、示すように、インサートギャップ幅はルーバギャップ幅よりも小さい。
【0038】
[0074] 例示710及び720は、このギャップサイズの縮小をさらに示し、例示710は、インサート680を有しないワークテーブル620を示し、図示720は、インサート680を有するワークテーブル620を示している。図示するように、ギャップ625のサイズの縮小に加えて、空気路627に対応する特定のギャップもまた、インサート680を使用することによってサイズが縮小されている。したがって、例示720の空気路627での集中した負圧628は、例示710の空気路627での集中した負圧628よりも大きい。
【0039】
[0075] 本開示のさらなる態様において、丸鋸ブレードは、それらが安定化されていない場合、過熱する可能性が高いことが発見された。したがって、使用中のぐらつきを最小限に抑えるために丸鋸ブレードを安定化させる様々な態様が検討される。特定の検討された態様では、ブ図22に示すように、レード安定化ローラが丸鋸ブレードに結合される。こうした実施形態内で、丸鋸ブレード830は、示すように、ブレードガード832内に収容され、かつ、アーバ(arbor)シャフト830及びブレード安定化ローラ835に結合される。使用中、アーバシャフト830が回転し始め、この回転が、丸鋸ブレード830を回転させる。丸鋸ブレード830がワークピースと接触すると、ブレード安定化ローラ835は、依然として丸鋸ブレード830の回転を可能にしながら丸鋸ブレード830をしっかりと位置合わせされたまま維持する。したがって、丸鋸ブレード830は、より安定しており、かつ、ぐらつきの影響を受けにくいので、丸鋸ブレード830が過熱する可能性は低い。
【0040】
例示的な多段フィルタの態様
[0076] 前述したように、前述の装置200のような、多段フィルタの利用に向けられた様々な態様が検討される。特定の実施形態では、真空源及び多段フィルタを備えるハウジングを含む装置が開示される。この装置は、丸鋸ブレードと、丸鋸ブレードに軸方向に位置合わせされた中心スロットを備えるワークテーブルと、をさらに含む。ここで、真空源は、中心スロットでワークテーブルの下に負圧を提供するように構成され、多段フィルタは、中心スロットに近接する領域から負圧によって引き出された浮遊塵埃を収集するように構成される。
【0041】
[0077] 一部の国では、ここに開示される装置からの塵埃の実際の除去に問題がある。したがって、図23図26に図示するように、及び、図27図29の装置200内にさらに図示するように、特殊な取り外し可能塵埃トレイの様々な態様が検討される。示すように、取り外し可能塵埃トレイ900が、多段フィルタの下に配置されてもよく、取り外し可能塵埃トレイ900は、複数の別個の区画910、920及び930を備えており、多段フィルタの各段は、取り外し可能塵埃トレイ900内に(例えば、微粒子区画260、サイクロン粒子区画250及び重い破片区画260の下に)対応の区画を有する。取り外し可能塵埃トレイ900は、示すように、引きひも1010及びワッシャ1020を備える少なくとも1つの塵埃閉じ込めバッグ1000を収容するようにさらに構成されることができる。取り外し可能塵埃トレイ900が装置200に挿入されている間に引きひも1010を引っ張ることによって、ユーザは、取り外し可能塵埃トレイ900を装置200から取り外す前に、収集されたすべての塵埃を密封することができる。
【0042】
例示的な補助ポートの態様
[0078] 前述したように、前述の装置200のような、補助ポートの利用に向けられた様々な態様が検討される。特定の実施形態では、真空源、丸鋸ブレード及びワークテーブルを含む装置が開示される。この実施形態では、ワークテーブルは、丸鋸ブレードに軸方向に位置合わせされた中心スロットを含み、真空源は、中心スロットでワークテーブルの下に第1負圧を提供するように構成される。そして、真空源は、補助ポートを介して第2負圧を提供するようにさらに構成される。
【0043】
[0079] 一部の構成では、別の塵埃経路を介して塵埃を迂回させることが望ましい場合がある。例えば、図30は、本明細書の一態様に係る、ブレードガード塵埃の例示的な迂回経路の概略図を提供する。ここで、3つのサイクロンフィルタ1116が、中心スロット1126で収集された塵埃を受け入れるために専ら使用される一方で、第4のサイクロンフィルタ1117が、サポートアーム1136を通じて上部のブレードガード1132から塵埃を収集するために専ら使用される。このことにより、必要に応じて、ブレードのこの裏側に一定の真空を供給することができる。
【0044】
例示的な共有塵埃トレイの実施形態
[0080] 本明細書で開示される様々な態様は、重い塵埃の抽出用に構成された持ち運び可能な電子塵埃抽出機(例えば、30秒で50ポンドの塵埃を除去することができる)に向けられる。第1態様では、持ち運び可能な電子集塵機は、多段フィルタを備えてもよく、それぞれのフィルタチャンバの各々が、共有塵埃閉じ込め領域に結合されることが検討される。したがって、各フィルタチャンバに別個の塵埃閉じ込め領域が設けられる従来の多段フィルタとは異なり、本明細書で開示される塵埃抽出機は、単一の塵埃閉じ込め領域の監視及び洗浄を可能にする。
【0045】
[0081] 別の態様では、少なくとも1つの多段フィルタチャンバと共有塵埃閉じ込め領域との間に可動バリアが配置される。特定の実施形態では、可動バリアは、共有塵埃閉じ込め領域と円筒形フィルタに対応するフィルタチャンバとの間に配置されることが検討される。塵埃抽出機の動作中、可動バリアは空気の流れを促進するために閉じられ、閉じられた可動バリアは、共有可能な塵埃閉じ込め領域から円筒形フィルタを隔離する。しかしながら、動作が停止した時、可動バリアは、円筒形フィルタによって収集された塵埃のためのあおり戸として機能すること検討される。この目的のために、塵埃抽出機が操作されているかどうかに応じて自動的に開閉するように、あおり戸は自動化されてもよいことがさらに検討される。
【0046】
[0082] 図31では、本明細書の一態様に係る共有塵埃閉じ込め領域に多段ろ過システムによって収集された浮遊塵埃を貯蔵することを促進する例示的な装置のブロック図が提供される。ここで、装置1200は、図1に図示されている装置100と実質的に同様であることを理解されたい。図示するように、装置1200は、ハウジング1210及び作業領域1250を備えてもよく、ハウジング1210は、真空源1220と、多段フィルタ1230と、共有塵埃トレイ1240と、をさらに備えてもよい。装置1200の例示的な使用中、真空源1220は、浮遊塵埃を作業領域1250から多段フィルタ1230に向かって引き寄せる負圧を提供するように構成される。この実施形態では、共有塵埃トレイ1240は共有塵埃閉じ込め領域を含み、共有塵埃閉じ込め領域は、多段フィルタ1230の複数の段の各々から直接、多段フィルタ1230によって収集された浮遊塵埃を受け取るように構成された単一の区画であることが検討される。
【0047】
[0083] 次に図32を参照すると、本明細書の一態様に係る共有塵埃閉じ込め領域に結合された例示的な多段ろ過システムの概念図が提供される。図示するように、多段フィルタ1230が複数の段1232、1234、1236及び1238を備えるシナリオ1300が検討される。この例では、塵埃粒子は、複数の段1232、1234、1236及び1238の各々に向かって引き寄せられ、共有塵埃閉じ込め領域1242は、示すように、複数の段1232、1234、1236及び1238の各々から直接、多段フィルタ1230によって収集された浮遊塵埃を受け入れるように構成される。
【0048】
[0084] 区画化された塵埃トレイ(例えば、塵埃区画910、920及び930を含む塵埃トレイ900)ではなく、共有塵埃閉じ込め領域1242を利用することによって、同じ空気流を生成するためにより多くの電力が必要とされることに留意されたい。したがって、多段フィルタ1230の区画化された動作をエミュレートするために、複数の段1232、1234、1236及び1238の各々は、図33及び図34に図示するように、バリアを含んでもよいことが検討される。
【0049】
[0085] 図33には、本明細書の一態様に係る、閉じた可動バリアを有する例示的な多段ろ過システムの概念図が提供される。図示するように、複数の段1232、1234、1236及び1238の各々が、対応の可動バリア1233、1235、1237及び1239を有する。このシナリオ1400では、真空源1220が「動作」モードにある間、示すように、可動バリア1233、1235、1237及び1239の各々が閉じられることが検討される。可動バリア1233、1235、1237及び1239の各々が閉じられているので、真空源1220からの動力の実質的な増加を必要とせずに、空気流レベルが維持されることができる。
【0050】
[0086] 動作中、示すように、塵埃粒子も可動バリア1233、1235、1237及び1239の各々に集まり始める。動作が停止すると(すなわち、真空源1220が「アイドリング」モードにある時)、可動バリア1233、1235、1237及び1239の各々が開いて、蓄積された塵埃が下の共有塵埃閉じ込め領域内に移ることを可能にすることが検討される。そうしたシナリオ1500の実例が図34に提供される。
【0051】
[0087] 次に図35を参照すると、本明細書の一態様に係る、共有塵埃区画を有する例示的な塵埃トレイの概略図が提供される。図示するように、塵埃トレイ900の区画化された構造とは異なり、図35に図示する共有塵埃トレイ1300は共有塵埃区画1310を含む。さらに、共有塵埃トレイ1300は、本明細書で開示される様々な多段フィルタの実施形態と共に使用するように構成されてもよいことが検討される。例えば、共有塵埃トレイ1300は、図36及び図37に図示される多段フィルタ装置と共に使用するように構成されてもよい。
【0052】
[0088] 図36では、図2図13に図示される鋸装置200と実質的に同様である例示的な多段フィルタ装置の概略図が提供される。このシナリオ1600の場合、多段フィルタ装置の複数の段は、重い破片1340を分離するように構成された重い破片シュート1315と、サイクロン粒子1350を分離するように構成された少なくとも1つのサイクロンフィルタ1316と、微粒子1360を分離するように構成された回転可能フィルタ1317と、を含むことが検討される。動作中、重い破片1340及びサイクロン粒子1350の各々が、示すように、共有塵埃トレイ1300の共有塵埃区画1310に蓄積することが検討される。この特定の実施形態では、空気流を促進するために、回転可能フィルタ1317と共有塵埃トレイ1300との間に構成された可動バリア1370が閉じ位置にある。動作が停止すると、図37に図示するシナリオ1700によって示されるように、可動バリア1370が開き、このことが、示すように、微粒子1360が下の共有塵埃区画1310内に移ることを可能にする。回転可能フィルタ1317内の微粒子1360はまた、回転可能フィルタ1317を回転させて、フラップ1318(フィルタ洗浄フラップ218と実質的に同様である)に回転可能フィルタ1317のプリーツセグメントと連続的に接触させることによって除去されることができる。さらに、回転可能フィルタ1317が回転すると、フラップ1318は、共有塵埃区画1310内に落下する微粒子1360をプリーツセグメントから除去する。
【0053】
例示的なフィルタ保護の実施形態
[0089] さらなる態様では、本明細書で開示される実施形態は、重量のある塵埃の抽出用に構成され得るので、様々なフィルタ保護機構が検討される。例えば、前述の円筒形フィルタ(例えば、回転可能フィルタ1317)に関して、そうしたフィルタによる塵埃の高速の衝突が重大な損耗や引裂きを引き起こすことが予想される。
【0054】
[0090] 第1の例示的な実施形態では、図38に図示するように、円筒形フィルタに空気流を直接導くのではなく、空気流は、フィルタの外側ハウジング周りにループされてフィルタを保護する。この特定の実施形態1800では、塵埃収集装置は、回転可能フィルタ1417と、フィルタ1417を収容するように構成されたフィルタハウジング1415と、フィルタハウジング1415に結合された入口1420と、を含んでもよいことが検討される。図示するように、入口1420は、負圧によって(例えば、真空源を介して)引き出される微粒子1460の流れを受け入れるように構成されてもよく、入口1420は、回転可能フィルタ1417上への微粒子1460の高速の衝突を軽減するようにさらに構成される。さらに、入口1420は、示すように、微粒子1460の流れをフィルタハウジング1415の内部に向けるように構成されてもよい。
【0055】
[0091] 代替として又は追加として、回転可能フィルタ1417に接近する塵埃を減速させるために、メッシュ(例えば、アルミニウムメッシュ)が回転可能フィルタ1417から上流に配置されてもよい。図39には、そうしたメッシュを含む例示的なフィルタ保護設計の概略図が提供される。この特定の実施形態1900では、図示するように、入口1420は、回転可能フィルタ1417と微粒子1460の流れとの間に位置決めされたメッシュ1430を備え、メッシュ1430は、微粒子1460の少なくとも一部の塵埃速度を低減するように構成されることが検討される。
【0056】
[0092] 「例示的」という用語は、本明細書では、例、実例又は例示として機能することを意味するために使用される。疑念を避けるために、本明細書で開示される主題はそうした例によって限定されない。さらに、本明細書で「例示的」として説明される任意の態様又は設計は、必ずしも他の態様又は設計に対して好ましい又は有利であると解釈されるべきではなく、当業者に知られている同等の例示的な構造及び技術を排除することを意味するものでもない。さらに、「含む」、「有する」、「包含する」という用語、及び他の同様の単語が詳細な説明又は特許請求の範囲のいずれかで使用される限り、疑念を避けるために、そのような用語は、追加又は他の要素を排除することなく、オープントランジションワードとしての「備える」という用語と同様に包括的であることが意図される。
【0057】
[0093] 前述のシステムは、いくつかの構成要素間の相互作用に関して説明された。そのようなシステム及び構成要素は、それらの構成要素又は特定されたサブ構成要素、特定された構成要素又はサブ構成要素のいくつか、及び/又は、追加の構成要素を、前述の様々な順列及び組み合わせに従って、含み得ることが理解され得る。サブ構成要素は、親構成要素(階層)内に含まれるのではなく、他の構成要素に結合された構成要素として実装されることもできる。さらに、1以上の構成要素が、集約機能を提供する単一の構成要素に結合されてもよく、又は、いくつかの別個のサブ構成要素に分割されてもよく、かつ、統合された機能を提供するために任意の1以上の中間層がそのようなサブ構成要素に結合するために提供されてもよいことに留意されたい。本明細書に記載の任意の構成要素は、本明細書に具体的に記載されていないが、当業者によって一般に知られている1以上の他の構成要素と相互作用してもよい。
【0058】
[0094] 上記の例示的なシステムを考慮して、開示された主題に従って実施され得る方法論は、様々な図を参照して理解されることができる。説明を簡単にするために、方法論は一連のステップとして説明されているが、いくつかのステップが、本明細書に記載されているステップと異なる順序で発生する可能性、及び/又は、本明細書に記載されているステップのうちの他のステップと同時に発生する可能性があるため、開示される主題はステップの順序によって制限されないことを理解及び認識されるべきである。さらに、以下に説明される方法論を実施するために、開示されたすべてのステップが必要とされるわけではない。
【0059】
[0095] 様々な実施形態が様々な図の例示的な実施形態に関連して説明されてきたが、他の同様の実施形態が使用され得るか、又は、そこから逸脱することなく同じ機能を実行するために説明された実施形態に修正及び追加がなされてもよいことが理解されるべきである。したがって、本発明は単一のいかなる実施形態にも限定されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39